JP4543584B2 - 飲料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料ディスペンサ等の飲料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水道水等の原水を利用して飲料用の水を供給するようにした飲料ディスペンサにおいては、該原水中の不純物を除去するために、給水系にフィルタを介在させるようにしているのが一般的である。しかしながら、このフィルタは、不純物の除去のみならず、原水中に含まれる塩素をも同時に除去するように作用する。このため、フィルタを通過した後の水には殺菌効果を期待することができず、バクテリアが繁殖する等の問題を招来する虞れがあり、衛生上好ましくない。
【0003】
そこで、上記のような飲料ディスペンサでは、給水系においてフィルタの下流側に塩素発生器を介在させ、上述した問題を解決するようにしている。この種の塩素発生器としては、例えば、特開平11−342389号公報に示されるものがある。図11は、上記公報に示された塩素発生器の断面図である。この塩素発生器は、密閉したケーシング1の内部に一対の電極2a,2bを設けるとともに、このケーシング1の内部に原水を供給する吸水通路3および該ケーシング1の内部に供給された原水を飲料用水として外部に排出する排水通路4を設けて構成されている。吸水通路3および排水通路4は、いずれもケーシング1の底壁1aを介してその内部に連通している。
【0004】
上記のように構成した塩素発生器によれば、吸水通路3および排水通路4を通じてケーシング1の内部に原水を通過させ、かつ一対の電極2a,2bの間に直流電圧を印加することにより、該原水に含まれる塩素イオン、つまりフィルタ5を透過した塩素イオンから塩素が生成され、この塩素が次亜塩素酸となって原水中に含まれることになる。従って、フィルタ5を通過した後の水、つまり飲料用として供給される水にも殺菌効果を期待することができるようになる。しかも、ケーシング1が密閉された状態にあるため、生成した塩素が蒸散したり、あるいは外部からバクテリアや塵埃等の異物が混入したりする虞れもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の塩素発生器にあっては、一対の電極2a,2bに直流電圧を印加して塩素を生成する場合に、副産物として酸素および水素が発生することになる。これら酸素および水素は、電極2a,2bの通電時間に伴ってその発生量が漸次増すようになり、やがて一対の電極2a,2bをケーシング1の内部において原水の上面から露出させる事態を招来する。このように電極2a,2bが原水の上面から露出した状態においては、当該露出した部分に電流が流れないため、生成される塩素の量も減少し、原水中に所望の塩素濃度を確保することが困難になる。
【0006】
また、ケーシング1の内部で発生した酸素や水素が排水通路4を通じて外部に排出された場合には、同一の時間だけ原水が供給されたとしても飲料用として外部に排出される水の量にバラ付きが発生することになる。飲料ディスペンサの中には、上述した水をシロップや酒類等の原液の希釈用として用いたり、炭酸水の生成用として用いる場合も少なくない。この種の飲料ディスペンサの場合には、塩素発生器から排出された水の流量の相違が僅かであっても、希釈濃度や炭酸量といった味覚に直結する要素の違いとなって現れるため、利用者に敏感に感じ取られることになる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、外部からのバクテリアや塵埃等の異物の混入を防止しつつ、ケーシングの内部に酸素や水素が発生した場合にも塩素濃度や排出水量を一定に維持することのできる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る飲料供給装置は、密閉したケーシングの内部に一対の電極を設けるとともに、このケーシングの内部に給水源から圧送された原水を供給する吸水通路および該ケーシングの内部に供給された原水を外部に排出する排水通路を設けて成り、前記吸水通路に設けた第1の弁手段を開成させるとともに、前記排水通路に設けたポンプ手段を駆動することによってこれら吸水通路および排水通路を通じて前記ケーシングの内部に塩素イオンを含有した原水を通過させ、かつ前記一対の電極の間に直流電圧を印加することにより、該原水中において前記塩素イオンから塩素を生成するようにした塩素発生器を備える飲料供給装置において、前記ケーシングの上端部にガス抜き通路を連通させるとともに、このガス抜き通路に第2の弁手段を設け、さらに、前記ポンプ手段の駆動を停止した後、前記第1の弁手段および前記第2の弁手段をそれぞれ所定の時間だけ開成させるコントローラを備えることを特徴とする。
【0009】
前記コントローラは、前記ケーシングの内部に原水を通過させた状態から前記ポンプ手段の駆動のみを停止し、前記第1の弁手段を開成させた状態を維持するとともに、前記第2の弁手段を開成させることが好ましい。
【0010】
また、前記コントローラは、前記第2の弁手段が閉成してから前記一対の電極の間に直流電圧を印加した積算時間が予め設定した閾値を越えた場合に当該第2の弁手段の開成を許容することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1および図2は、本発明に係る飲料供給装置の一実施の形態である飲料ディスペンサを示したものである。ここで例示する飲料ディスペンサ10は、トレイ11に設置したカップ12に対してマルチノズル13からジュース等の飲料を供給するもので、装置筐体14の内部に原液供給通路20、給水通路30、循環通路40、炭酸水供給通路50、生成用水供給通路60を備えている。
【0014】
原液供給通路20は、バックインボックス(BIB)容器等の原液供給源21に貯留されたシロップ等の原液をマルチノズル13に供給するためのものである。この原液供給通路20には、原液供給源21の原液を圧送するための原液供給ポンプ22、およびこの原液供給ポンプ22とマルチノズル13との間において当該原液供給通路20を開閉するように動作する原液供給弁23を設けてある。
なお、原液供給源21としては、必ずしもバックインボックス容器に限らず、飲料ディスペンサ10の外部に配置した原液タンクを用いるようにしても構わない。また、図1においては、原液供給源21を唯一示しているが、複数種類の原液供給源21を設けるようにしてもよい。この場合には、原液としてシロップに限らず、希釈して飲用に供する酒類等であってもよい。但し、複数種類の原液供給源21を設ける場合には、原液供給源21毎に原液供給通路20、原液供給ポンプ22および原液供給弁23を個別に設けることが好ましい。
【0015】
給水通路30は、給水源31から与えられる所定給水圧(例えば0.05〜0.5MPa)の水道水をマルチノズル13に供給するためのものである。この給水通路30には、その上流側からプレフィルタ32、給水弁33、給水ポンプ34、コイル部35、浄水供給弁36を順次設けてある。プレフィルタ32は、通過する水道水から塵埃等の不純物や塩素を除去する一方、水道水中に含まれる塩素イオンは透過させるものである。このプレフィルタ32としては、例えばカーボンの吸着作用によって不純物および塩素を吸着除去するようにしたカーボンフィルタを適用することができる。給水弁33は、プレフィルタ32と給水ポンプ34との間において給水通路30を開閉するように動作するものである。給水ポンプ34は、給水通路30の水道水を予め定めた一定の流量(例えば200ml/6.5秒)で下流に圧送するためのものである。コイル部35は、水槽15に貯留した冷却水の内部において螺旋状に延在し、通過する水道水を冷却するものである。浄水供給弁36は、コイル部35とマルチノズル13との間において給水通路30を開閉するように動作するものである。
【0016】
循環通路40は、給水通路30に対して浄水供給弁36の上流側に位置する部位から給水弁33の下流側に位置する部位までの間に設けたものである。この循環通路40は、給水通路30との接続部に近接した両端部にそれぞれ循環吸水弁41および循環排水弁42を備えている。循環吸水弁41および循環排水弁42は、それぞれ循環通路40と給水通路30との間を開閉するように動作するものである。
【0017】
炭酸水供給通路50は、カーボネータ51で生成された炭酸水をマルチノズル13に供給するためのものである。この炭酸水供給通路50には、カーボネータ51とマルチノズル13との間において当該炭酸水供給通路50を開閉するように動作する炭酸水供給弁52を設けてある。図からも明らかなように、炭酸水を生成するカーボネータ51は、上述した水槽15の冷却水に浸漬させ、常時これを冷却するようにしている。
【0018】
生成用水供給通路60は、給水通路30においてコイル部35と浄水供給弁36との間に位置する部分からカーボネータ51に至る間を連通し、該給水通路30を通過する水道水をカーボネータ51に分岐供給するためのものである。この生成用水供給通路60には、給水通路30とカーボネータ51との間を開閉するように動作する生成用水供給弁61を設けてある。生成用水供給弁61は、カーボネータ51内の水位が所定の低水位まで低下したことを検出すると開成してカーボネータ給水を開始する一方、所定の高水位まで上昇すると閉成してカーボネータ給水を終了するものである。
【0019】
なお、図中の符号16は、水槽15からオーバフローした水をトレイ11に排出するためのオーバフロー通路である。
【0020】
また、上記飲料ディスペンサ10には、上述した給水通路30の上流側において循環通路40との接続部と給水ポンプ34との間となる位置に塩素発生器70を設けてある。塩素発生器70は、通過する水道水に含まれた塩素イオンから塩素を生成し、該生成した塩素を含めて水道水を下流に排出するもので、図5および図6に示すように、ケーシング71と、このケーシング71の内部に設けた一対の電極72とを備えている。
【0021】
ケーシング71は、内部が密閉状態となるもので、ケーシング本体711と底壁部材712とを備えて構成したものである。ケーシング本体711は、底面が開口する一方、上端部が閉塞した円筒状を成している。このケーシング本体711には、下端部内周面にネジ部711aを設けてあるとともに、閉塞した上端部の中央にガス抜き孔711bを設けてある。底壁部材712は、平板状を成す底板712aと、この底板712aの上面から円筒状に突設した周壁部712bとを有したもので、該周壁部712bの外周面に設けたネジ部712cをケーシング本体711のネジ部711aに螺合させることにより、その底面開口を閉塞する態様でケーシング本体711に着脱可能に取り付けてある。ケーシング本体711のガス抜き孔711bには、ジョイント73を接続してある。ジョイント73は、逆止弁74を内蔵するもので、ケーシング71の上端部に穴あきナット部材75を螺合することによって該ケーシング71に装着してある。ジョイント73に内蔵した逆止弁74は、ガス抜き孔711bを通じてケーシング71の内部から外部への流体の通過を許容する一方、ケーシング71の外部から内部への流体の通過を阻止するように作用するものである。なお、本実施の形態の場合、上述したケーシング71として内部容量が160mlのものを適用している。
【0022】
一対の電極72は、それぞれ平板部72aおよび脚部72bを有した平板状を成すもので、互いに平板部72aを対向させた状態で、個々の脚部72bを介して底壁部材712の上面中央部に取り付けてある。各脚部72bには、それぞれ底壁部材712を貫通するスタット72cを設けてあり、各スタット72cの突出端部に通電端子72dを取り付けてある。平板部72aは、互いの間に介在した絶縁材からなるスペーサ72eの作用により、相互の接触を阻止しつつ互いに近接配置させてある。
【0023】
図5(c)に示すように、上記底壁部材712には、一対の電極72を挟んで相互に離隔する位置に吸水通路76および排水通路77を設けてある。これら吸水通路76および排水通路77は、図5(d)に示すように、それぞれ底壁部材712の底面から下方に突出した部分に構成したものである。このうち、吸水通路76に関しては、底壁部材712の上面においてケーシング71の内部に開口している。これに対して排水通路77は、ケーシング71の内部に突出する態様で延在しており、底壁部材712の周壁部712bを越え、さらに電極72の平板部72aに至る部分、つまりケーシング71の中間部層となる位置において当該ケーシング71の内部に開口している。
【0024】
なお、上記塩素発生器70には、穴あきナット部材75の上面に上方固定プレート78aを当接させる一方、ケーシング71の底面に下方固定プレート78b、78cを当接させ、さらに両固定プレート78a,78b、78cの間を長尺ボルト79で連結するようにしてある。
【0025】
上記のように構成した塩素発生器70は、給水通路30において給水弁33よりも下流側となる部分を吸水通路76に接続する一方、給水通路30において給水ポンプ34よりも上流側となる部分を排水通路77に接続することによって当該給水通路30中に設置してある。また、逆止弁74を内蔵したジョイント73には、ガス抜き通路80を接続してある。このガス抜き通路80は、塩素発生器70から延在して上述した水槽15の上端部に至り、該水槽15の上部において下方に開口するもので、その下流端部にガス抜き弁81を備えている。ガス抜き弁81は、ガス抜き通路80を開閉するように動作するものである。さらに、底壁部材712の底面から突出する一対の通電端子72dには、電源供給部90を接続してある。この電源供給部90は、一対の電極72の間に予め設定した一定の電流、例えば0.4Aの電流が流れるように、通電端子72dの間に直流電圧を印加するものである。
【0026】
この塩素発生器70では、給水ポンプ34を駆動することにより吸水通路76および排水通路77を通じてケーシング71の内部に水道水を通過させ、かつ一対の電極72の間に直流電圧を印加すれば、プレフィルタ32を通過した後の水道水においても、これに含まれる塩素イオンから塩素を生成し、この塩素を次亜塩素酸として水道水中に含ませることが可能になる。上記塩素発生器70の場合、ケーシング71が密閉された状態にあるため、生成した塩素が蒸散したり、あるいは外部からバクテリアや塵埃等の異物が混入したりする虞れはない。また、ケーシング71の横断面を円筒状に構成してあるため、耐圧性の点で有利となる。さらに、長尺ボルト79を通じて上方固定プレート78aおよび下方固定プレート78b,78cを設けてあるため、内圧が上昇した場合にもケーシング本体711から底壁部材712やジョイント73が脱落する事態を有効に防止することができる。
【0027】
一方、上記飲料ディスペンサ10は、操作入力部100、キーボード110およびコントローラ120を備えている。
【0028】
操作入力部100は、利用者が販売に関する入力を行う部分であり、例えば、図2(a)に示すように、装置筐体14においてトレイ11の上部に設けたフロントパネル17の前面に押しボタンスイッチとして配設してある。図3に例示するように、本実施の形態の操作入力部100には、S(small)サイズ販売用の押しボタンスイッチ101、M(middle)サイズ販売用の押しボタンスイッチ102、L(large)サイズ販売用の押しボタンスイッチ103およびフリー販売用の押しボタンスイッチ104の合計4種類を設けてある。これらの押しボタンスイッチ101,102,103,104は、押圧操作した場合にそれぞれ異なる量の飲料を販売するためのもので、例えば、Sサイズ販売用の押しボタンスイッチ101を1回押圧操作すると200ml、Mサイズ販売用の押しボタンスイッチ102を1回押圧操作すると270ml、Lサイズ販売用の押しボタンスイッチ103を1回押圧操作すると355mlの販売を行うように設定してある。フリー販売用の押しボタンスイッチ104の場合には、押圧操作された時間に相当する量の販売が行われる。それぞれの押しボタンスイッチ101,102,103,104が利用者によって押圧操作された場合には、個別の操作入力信号が後述のコントローラ120に与えられることになる。
【0029】
キーボード110は、利用者が保守や設定の際に用いるもので、例えば、図2(b)に示すように、フロントパネル17の裏面に配設してある。このキーボード110には、図4に示すように、表示部111と設定入力部112とを設けてある。表示部111は、保守や設定の際に必要となる各種情報の表示を行う部分であり、液晶表示器によって構成してある。設定入力部112は、各種機能キーやカーソルキーを備えて構成したもので、これらのキーを適宜操作することによって飲料ディスペンサ10の設定入力を行う部分である。設定入力部112から入力する設定項目に関しては、後に詳述するものの、上述した押しボタンスイッチ101,102,103の1回の押圧操作による販売量に関しても、この設定入力部112を通じて適宜設定変更することが可能である。この設定入力部112から入力された設定項目は、入力設定情報として後述のコントローラ120に与えられることになる。
【0030】
コントローラ120は、予め設定された予設定情報、並びにキーボード110の設定入力部112から入力された入力設定情報および操作入力部100から与えられる操作入力信号に基づいて、原液供給弁23、給水弁33、浄水供給弁36、循環排水弁42、循環吸水弁41、炭酸水供給弁52、生成用水供給弁61およびガス抜き弁81の動作を制御するとともに、原液供給ポンプ22および給水ポンプ34、さらには電源供給部90の駆動を制御する部分である。
【0031】
以下、このコントローラ120の制御内容を説明しながら、上記飲料ディスペンサ10の動作について詳述する。なお、飲料ディスペンサ10が初期状態にある場合には、原液供給弁23、給水弁33、浄水供給弁36、循環排水弁42、循環吸水弁41、炭酸水供給弁52、生成用水供給弁61およびガス抜き弁81のすべてが閉成した状態にあり、かつ原液供給ポンプ22および給水ポンプ34がいずれも停止した状態にあるものとする。
【0032】
この飲料ディスペンサ10では、利用者によって操作入力部100の押しボタンスイッチ101,102,103,104が押圧操作されると、コントローラ120から各部に対して制御信号が与えられ、対応する原液供給源21の原液供給ポンプ22が所定の時間だけ駆動するとともに、原液供給弁23が所定の時間だけ開成し、該原液供給源21に貯留されたシロップ等の原液が原液供給通路20を通じて所定の量だけマルチノズル13に供給されることになる。これと同時に給水弁33が所定の時間だけ開成するとともに、給水ポンプ34が所定の時間だけ駆動することにより、給水源31からの水道水がプレフィルタ32、塩素発生器70、コイル部35を通じて給水通路30の下流側に圧送される。
【0033】
ここで、押圧操作された操作入力部100の押しボタンスイッチ101,102,103,104が「炭酸なし」のものであった場合には、浄水供給弁36が所定の時間だけ開成し、マルチノズル13に対して冷却した水道水が所定の量だけ供給されることになる。この結果、マルチノズル13の先端部からは、シロップ等の原液と冷却された水道水とが供給されることとなり、トレイ11に設置したカップ12の内部において所望のジュースとなる。
【0034】
これに対して押圧操作された操作入力部100の押しボタンスイッチ101,102,103,104が「炭酸あり」のものであった場合には、浄水供給弁36が閉成した状態のまま炭酸水供給弁52が所定の時間だけ開成してカーボネータ51内の炭酸ガスの圧力により炭酸水が押し出されることになり、マルチノズル13に対してカーボネータ51で生成された炭酸水が所定の量だけ供給される。この結果、マルチノズル13の先端部からは、シロップ等の原液と冷却された炭酸水とが供給されることとなり、トレイ11に設置したカップ12の内部において所望の炭酸入りジュースとなる。
【0035】
上述した原液供給ポンプ22の駆動時間および原液供給弁23の開成時間、並びに給水ポンプ34の駆動時間および浄水供給弁36や炭酸水供給弁52の開成時間は、押圧操作した押しボタンスイッチ101,102,103,104の販売サイズに応じて異なるものの、カップ12に供給されるジュースが一定の濃度となるように予め設定してある。
【0036】
上述した動作の間、上記コントローラ120においては、以下に列挙するような制御を行っている。
(1)通電比およびカーボネータ通電比に基づく電源供給部90の駆動制御
(2)放置時通電周期および放置時通電時間に基づく電源供給部90、循環排水弁42、循環吸水弁41および給水ポンプ34の駆動制御
(3)ガス抜き周期およびガス抜き時間に基づく給水弁33およびガス抜き弁81の駆動制御
(4)要交換表示周期に基づくキーボード110の表示制御
【0037】
・通電比およびカーボネータ通電比に基づく電源供給部90の駆動制御
通電比は、マルチノズル13に水道水を供給する場合に、塩素発生器70においてケーシング71を通過した水道水の流量に対する塩素生成量の割合、すなわち給水ポンプ34の駆動時間に対する一対の電極72の間に直流電圧を印加する時間(以下単に、通電時間という)の割合を現すものである。同様に、カーボネータ通電比は、カーボネータ51に水道水を供給する場合に、塩素発生器70においてケーシング71を通過した水道水の流量に対する塩素生成量の割合、すなわち給水ポンプ34の駆動時間に対する通電時間の割合を現すものである。
【0038】
図7に示すように、通電比が1の場合、上記コントローラ120は、給水ポンプ34が駆動している時間だけ一対の電極72の間に直流電圧を印加するように電源供給部90の駆動制御を行う。通電比が2であれば、給水ポンプ34が駆動している時間、並びに給水ポンプ34が停止してから当該給水ポンプ34の駆動時間分だけ一対の電極72の間に直流電圧を印加するように電源供給部90の駆動を制御する。同様に、通電比が3であれば、給水ポンプ34が駆動している時間、並びに給水ポンプ34が停止してから当該給水ポンプ34の駆動時間の2倍分だけ一対の電極72の間に直流電圧を印加するように電源供給部90の駆動を制御する。つまり、上記コントローラ120は、給水ポンプ34の駆動時間をT1秒、通電比をα、通電時間をT2秒とすると、下式(A)を満たすように電源供給部90の駆動制御を行うようにしている。
T2=T1×α …(A)
【0039】
ここで、例えば、通電比が3の状態で給水ポンプ34を5秒間駆動すると、通電時間が15秒となる。給水ポンプ34の流量が上述したように、200ml/6.5秒であるとすると、5秒間に塩素発生器70を通過した水道水の流量が約150mlになる。上述した操作を10回行うと、通電時間の総計が150秒となり、水道水の通過流量が約1500mlになるため、塩素発生器70からマルチノズル13までの間の給水通路30に滞留した水道水の塩素濃度が(150秒×単位時間当たりの塩素生成量)/1500mlとなる。一方、通電比が5の状態で給水ポンプ34を5秒間駆動すると、通電時間が25秒となる。5秒間に塩素発生器70を通過した水道水の流量は、上記と同様に約150mlである。上述した操作を10回行うと、通電時間の総計が250秒となり、水道水の通過流量が約1500mlとなるため、塩素発生器70からマルチノズル13までの間の給水通路30に滞留した水道水の塩素濃度が(250秒×単位時間当たりの塩素生成量)/1500mlとなる。結局、通電比が3の状態と5の状態とでは、塩素濃度が150:250、つまり3:5となり、当該通電比がそのまま塩素濃度の比となる。
【0040】
上述した通電比に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「3.0」が設定してある。しかしながら、図8に示すように、同一の通電比であっても水道水に含まれる塩素イオン濃度に応じて生成される塩素の量が相違するため、キーボード110からの設定入力により、「0」および「1.0〜9.9」の範囲で0.1ずつ設定変更可能である。通電比の入力設定情報としては、衛生上の問題や塩素臭の問題を考慮した場合、塩素発生器70を通過した後の水道水の塩素濃度が1.0ppm以下、好ましくは0.3ppmとなるように通電比を設定するとよい。例えば、予設定情報の通電比=3.0を用いた場合に、実際に塩素発生器70から排出される水道水の塩素濃度が0.6ppmになったとすれば、キーボード110の設定入力部112から通電比を1.5に設定変更すれば塩素濃度が0.3ppmの水道水を得ることができるようになる。但し、給水ポンプ34の連続駆動時間が6.5秒以上となった場合には、水道水の塩素濃度が高くなり過ぎ、塩素臭が顕著となる等の問題を招来する虞れがある。そこで本実施の形態では、給水ポンプ34の連続駆動時間が6.5秒以上となった場合、下式(B)を満たすように電源供給部90の駆動制御を行うようにしている。
T2=6.5×(α−1)+T1 …(B)
【0041】
これに対し、上述したカーボネータ通電比に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「2.0」が設定してある。これは、カーボネータ51の内部が加圧した状態にあり、給水ポンプ34を同一の時間だけ駆動した場合にも、当該カーボネータ51に対する水道水の供給量が2/3に減少するためである。つまり、カーボネータ51に対して供給する水道水の塩素濃度を、マルチノズル13に供給する水道水の塩素濃度と同一にするために、両者の水道水の流量比に従って通電比も2/3にしてある。上述したように、このカーボネータ通電比においても、水道水に含まれる塩素イオン濃度に応じて生成される塩素の量が相違するため、該塩素イオン濃度に従って設定変更することが好ましい。しかしながら、本実施の形態においては、上述したように、マルチノズル13へ供給される水道水とカーボネータ51へ供給される水道水との流量比が既知であるため、通電比を設定変更した場合に、当該流量比に従ってカーボネータ通電比を自動設定するようにしてある。具体的には、通電比が4に設定された場合、上記コントローラ120は、カーボネータ通電比として8/3を自動設定するようにしてある。
【0042】
上記のように、通電比およびカーボネータ通電比に従って通電時間を制御するようにした飲料ディスペンサ10の塩素発生器70によれば、常に給水ポンプ34の駆動時間、つまり塩素発生器70を通過した水道水の流量に応じた量の塩素が生成されるようになる。従って、塩素発生器70を通過する水道水の流量に関わらず、当該塩素発生器70を通過した後の水道水の塩素濃度を常に一定に維持することが可能となる。この結果、塩素濃度が著しく低くなって衛生上の問題を招来したり、逆に塩素濃度が著しく高くなってジュース等の飲料の塩素臭が顕著となる事態を招来する虞れがなくなる。
【0043】
しかも、上述した通電比およびカーボネータ通電比を任意に設定変更することができるため、互いに塩素イオン濃度の異なる地域に飲料ディスペンサ10を設置した場合にも、供給される飲料の塩素濃度を共通にすることが可能である。
【0044】
さらに、通電比を設定した場合にカーボネータ通電比を自動設定するようにしているため、キーボード110からの設定入力の容易化を図ることができる。
【0045】
またさらに、給水ポンプ34の連続駆動時間が6.5秒以上となった場合には、塩素の生成量を制限するようにしているため、水道水の塩素濃度が著しく高くなり過ぎる事態を招来する虞れもない。
【0046】
ところで、上記のように通電比およびカーボネータ通電比に基づいて通電時間を制御し、通過した後の水道水の塩素濃度を一定に維持するようにした飲料ディスペンサ10の塩素発生器70においては、ケーシング71の内部の水道水に塩素濃度のバラ付きがないことが好ましい。しかしながら、水と塩素(正確には次亜塩素酸)との分子量の相違から、ケーシング71への水道水の流通を停止した場合には、水道水中において次亜塩素酸が時間の経過とともに漸次下方に滞留するようになり、塩素濃度に上下で分布が生じるようになる。
【0047】
しかしながら、上記飲料ディスペンサ10の塩素発生器70によれば、排水通路77をケーシング71の内部に突出する態様で延在し、該ケーシング71の中間部層となる位置に開口を配置するようにしているため、ケーシング71の上下において水道水の塩素濃度に分布が生じた場合であっても、該ケーシング71の中間部層、つまり塩素濃度が上下で中間となる層の水道水が排水通路77を通じて外部に排出されることになる。従って、ケーシング71への水道水の流通を停止した状態から再び水道水の流通を開始した直後においても、塩素濃度が著しく高い水道水や逆に塩素濃度が著しく低い、あるいは塩素が全く含まれていない水道水を排出する虞れがない。しかも、一対の電極72に直流電圧を印加して塩素を生成する際に副産物としてケーシング71の内部に発生した酸素や水素が混入する虞れもなく、排出される水道水の流量がバラ付くことはない。さらに、ケーシング71の内部を攪拌するための手段やこれを駆動するための駆動源も不要であり、塩素発生器70の大型化や製造コストが著しく増大する事態を来す虞れもない。
【0048】
・放置時通電周期および放置時通電時間に基づく電源供給部90、循環排水弁42、循環吸水弁41および給水ポンプ34の駆動制御
放置時通電周期は、一対の電極72に対して直流電圧を印加していない印加停止時間の最大許容値である。つまり、印加停止時間が放置時通電周期に達した場合、上記コントローラ120は、操作入力部100からの操作入力信号の有無に関わらず、一対の電極72の間に直流電圧を印加するように電源供給部90の駆動制御を行うようにしている。放置時通電時間は、上述した印加停止時間が放置時通電周期に達した場合に一対の電極72の間に直流電圧を印加する時間である。例えば、放置時通電周期をT3時間、放置時通電時間をT4秒とすると、図9に示すように、前回の通電が終了してから印加停止時間がT3時間となった時点でT4秒間だけ一対の電極72の間に直流電圧が印加されることになる。
【0049】
さらに、上記コントローラ120は、印加停止時間が放置時通電周期に達することによって一対の電極72の間に直流電圧を印加している間、給水ポンプ34を駆動するとともに、循環排水弁42および循環吸水弁41をそれぞれ開成させるようにそれぞれの制御を行う。すなわち、給水通路30において給水弁33から浄水供給弁36までの間に滞留する水道水を、循環通路40を通じて塩素発生器70に循環させるようにしている。
【0050】
上述した放置時通電周期に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「7時間」が設定してあり、放置時通電時間に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「20秒」が設定してある。これら放置時通電周期および放置時通電時間についても、上述した通電比等と同様に、キーボード110からの設定入力により、個別に設定変更可能である。例えば、放置時通電周期は、「0〜9時間」の範囲で任意に設定変更可能であり、放置時通電時間は、「0〜60秒」の範囲で任意に設定変更可能である。
【0051】
ここで、この種の塩素発生器70にあっては、ケーシング71に対して水道水の流通を長時間停止した場合、塩素が消費されるだけとなり、ケーシング71に滞留する水道水の塩素濃度が漸次低下傾向となる。
【0052】
しかしながら、上記のように、放置時通電周期および放置時通電時間に基づいて一対の電極72の間に直流電圧を印加するようにした飲料ディスペンサ10の塩素発生器70によれば、操作入力部100からの操作入力信号の有無に関わらず、当該放置時通電周期で設定された時間毎に塩素発生器70のケーシング71に滞留した水道水に塩素が補給されることになる。従って、塩素発生器70のケーシング71に対して水道水の流通が長時間停止した場合であっても、塩素が消費されるだけとはならず、常に所定の塩素濃度、つまり所定の殺菌効果を維持できるようになり、バクテリアが繁殖するといった衛生上の問題を招来する虞れがなくなる。
【0053】
しかも、通電時において同時に給水ポンプ34を駆動するとともに、循環排水弁42および循環吸水弁41をそれぞれ開成させることにより、給水通路30において給水弁33から浄水供給弁36までの間に滞留する水道水を、循環通路40を通じて塩素発生器70に循環させるようにしているため、当該循環する水道水に対しても上述した作用効果を期待することが可能となる。
【0054】
・ガス抜き周期およびガス抜き時間に基づく給水弁33およびガス抜き弁81の駆動制御
ガス抜き周期は、ガス抜き通路80に設けたガス抜き弁81を開成させるためのものである。但し、本実施の形態では、一対の電極72に対する通電時間のみをカウント対象としている。つまり、ガス抜き弁81が閉成してからの通電積算時間がガス抜き周期を越えた場合、上記コントローラ120によってガス抜き弁81が開成され、ガス抜き通路80を通じて塩素発生器70の内部と外部とが連通されることになる。この場合、ガス抜き通路80に設けた逆止弁74の作用により、ガス抜き孔711bを通じてケーシング71の内部から外部への流体の通過を許容されるものの、ケーシング71の外部から内部への流体の通過は阻止される。ガス抜き時間は、ガス抜き弁81を開成させる時間である。例えば、ガス抜き周期をT5秒、ガス抜き時間をT6秒とすると、ガス抜き弁81が閉成してからの通電時間がT5秒を越えた時点でT6秒間だけガス抜き弁81が開成されることになる。
【0055】
さらに、上記コントローラ120は、ガス抜き周期に従ってガス抜き弁81が開成している間、給水弁33を同時に開成させるように制御を行う。すなわち、ガス抜き弁81の開成と同時に給水弁33をT6秒間だけ開成して塩素発生器70のケーシング71に所定給水圧の水道水を供給するようにしている。
【0056】
図10は、これらガス抜き弁81および給水弁33の動作タイミングを示したタイミングチャートである。同図からも明らかなように、本実施の形態では、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて給水ポンプ34が駆動するとともに、給水弁33が開成した場合に、当該給水ポンプ34の停止後においてもT6秒間だけ給水弁33を開成させた状態に維持し、かつ同時にガス抜き弁81をT6秒間だけ開成させるようにしている。
【0057】
上述したガス抜き周期に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「500秒」が設定してあり、ガス抜き時間に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「0.3秒」が設定してある。ガス抜き周期に対する予設定情報の設定方法は以下のとおりである。すなわち、上述した塩素発生器70では、一対の電極72に直流電圧を印加して塩素を生成する際に、副産物としてケーシング71の内部に酸素および水素が発生することになる。このケーシング71の内部に発生した酸素および水素は、通電時間に伴ってその発生量が漸次増すようになり、当該ケーシング71の内部において所定の容積を占有するようになる。この容積は、プレフィルタ32を通過した後の水道水が最低給水圧(例えば0.075MPa)のときに最大となる。従って、ガス抜き周期に対する予設定情報としては、水道水が最低給水圧のときにケーシング71の内部に発生した酸素および水素が一対の電極72の上端に達するまでの通電時間に設定してある。ガス抜き時間に対する予設定情報は、ガス抜き周期の間に発生した酸素および水素がすべて排出される時間に設定してある。つまり、ケーシング71の内部に酸素および水素が残留することなく、しかもケーシング71の外部に水道水が大量に漏出することのないように、上記ガス抜き時間を予め設定してある。
【0058】
これらガス抜き周期およびガス抜き時間についても、上述した通電比等と同様に、キーボード110からの設定入力によって個別に設定変更可能である。例えば、ガス抜き周期は、「100〜900秒」の範囲で50秒ずつ設定変更することができる。
【0059】
上記のように、ガス抜き周期毎に給水弁33およびガス抜き弁81をガス抜き時間だけ開成するようにそれぞれを駆動制御するようにした飲料ディスペンサ10の塩素発生器70によれば、塩素を生成する場合に副産物として発生する酸素および水素が当該ガス抜き周期毎に外部に排出されることになるため、ケーシング71の内部において一対の電極72が水道水の上面から露出する事態やこれら酸素や水素が排水通路77を通じてケーシング71の外部に排出される事態を招来する虞れがない。従って、電極72が水道水の上面から露出することに起因して塩素生成量が減少することがなく、塩素発生器70を通過した水道水に一定の塩素濃度を確保することができるようになるとともに、塩素発生器70から排出される水道水の流量を常に一定に維持することができる。
【0060】
しかも、ガス抜き通路80に逆止弁74を設けるようにしているため、給水ポンプ34の駆動に伴って塩素発生器70のケーシング71に負圧が発生したとしても、ガス抜き通路80から外気を吸入する虞れがなく、該外気の吸入に伴ってバクテリアや塵埃等の異物が混入する事態や排水量のバラ付く事態を招来する虞れもない。
【0061】
さらに、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて給水ポンプ34が駆動した場合に、都度、給水弁33やガス抜き弁81を開閉動作させるのではなく、ガス抜き周期毎にこれらを開閉動作させるようにしているため、給水弁33やガス抜き弁81の部品寿命を著しく短縮化する虞れもない。特に、給水弁33に関しては、操作入力部100からの操作入力信号に基づく開成動作を利用しているため、部品寿命の点で不利となることはない。
【0062】
因に、上述したようにガス抜き時間として、ケーシング71の内部に酸素および水素が残留することなく、しかもケーシング71の外部に水道水が大量に漏出することのない時間を設定してあるため、ガス抜き通路80を通じてケーシング71の内部の水道水が大量に外部に排出される虞れがない。しかしながら、仮にガス抜き通路80を通じてケーシング71の内部の水道水が排出された場合であっても、これが水槽15の内部に至るため、飲料ディスペンサ10の設置場所を汚損する虞れがない。最終的に水槽15の水は、オーバフローしてトレイ11に排出されることになるが、その流量自体はごく少ないものであり、しかもガス抜き周期を設定してあるため、頻度もきわめて小さい。従って、トレイ11に排出された水を頻繁に廃棄する必要もない。
【0063】
・要交換表示周期に基づくキーボード110の表示制御
要交換表示周期は、キーボード110の表示部111を通じて利用者に消耗部品である電極72の交換時期を表示するためのものである。但し、本実施の形態では、一対の電極72に対する通電時間のみをカウント対象としている。つまり、飲料ディスペンサ10の運転を開始してからの通電時間の総計が要交換表示周期に達した場合、上記コントローラ120は、キーボード110に対して「電極を交換してください」という旨の表示を表示部111に行うように表示制御を行う。
【0064】
上述した要交換表示周期に関しては、予設定情報として予めコントローラ120に「700時間」が設定してある。要交換表示周期に対する予設定情報の設定方法は以下のとおりである。すなわち、上述した塩素発生器70では、一対の電極72に直流電圧を印加して塩素を生成した場合、当該電極72が順次消耗することになる。この消耗量は、直流電圧の印加時間に比例するものであり、10%に達した場合、所望量の塩素を生成することが困難になる。例えば、10%消耗するまでに電極72が100万クーロンの電荷を与えることができるとすれば、電流値が0.4Aであるから、要交換表示周期がほぼ700時間となる。
【0065】
上記のように、一対の電極72に対する通電時間の総計が要交換表示周期に達した場合にキーボード110の表示部111に「電極を交換してください」という旨の表示を行うようにした飲料ディスペンサ10の塩素発生器70によれば、利用者に対して電極72の交換時期を正確に報知することが可能になる。従って、ケーシング71の内部に設けた電極72の消耗具合を直接調べたり、排出される水道水の塩素濃度を測定することによって間接的に電極72の消耗具合を調べる等の煩雑な作業が不要となるばかりか、消耗した電極72を継続して使用するような事態を有効に防止することができる。これにより、塩素発生器70から排出される水道水の塩素濃度がバラ付く事態を招来する虞れもなくなる。
【0066】
さらに、上記塩素発生器70によれば、ケーシング71に対して底壁部材712が着脱可能であり、しかもこの底壁部材712に一対の電極72を取り付けるようにした構成であるため、ケーシング71から底壁部材712を取り外した状態で当該電極72を交換することができ、その作業をきわめて容易に行うことができる。
【0067】
このように、上記飲料ディスペンサ10の塩素発生器70によれば、ケーシング71の上端部にガス抜き通路80を連通させるとともに、このガス抜き通路80に逆止弁74およびガス抜き弁81を設けるようにしているため、外部からのバクテリアや塵埃等の異物の混入を防止しつつ、ケーシング71の内部に酸素や水素が発生した場合にも塩素濃度や排出水量を一定に維持することが可能となる。
【0068】
なお、上述した実施の形態では、ガス抜き通路に逆止弁およびガス抜き弁を設けるようにしているが、少なくとも一方の弁手段を設ければ十分である。また、第2の弁手段であるガス抜き弁の開成を許容するタイミングをガス抜き周期に基づいて設定するようにしているが、つまり、一対の電極に対する通電時間に依存するように設定しているが、通電時間に依存しないタイミングでガス抜き弁を開成させるようにしてももちろん構わない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケーシングの上端部にガス抜き通路を連通させるとともに、このガス抜き通路に第2の弁手段を設け、ポンプ手段の駆動を停止した後、第1の弁手段および第2の弁手段をそれぞれ所定の時間だけ開成させるようにしているため、外部からのバクテリアや塵埃等の異物の混入を防止しつつ、ケーシングの内部に酸素や水素が発生した場合にも塩素濃度や排出水量を一定に維持することが可能になる。また、弁手段の動作回数を抑えるようにしているため、当該弁手段の部品寿命を著しく短縮化する虞れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る飲料供給装置の一実施の形態である飲料ディスペンサの構成例を示した図である。
【図2】 図1に示した飲料ディスペンサの外観を示したもので、(a)はフロントパネルを閉成した状態を示す斜視図、(b)はフロントパネルを開成した状態を示す斜視図である。
【図3】 フロントパネルの前面に設けた操作入力部の一例を示す拡大図である。
【図4】 フロントパネルの裏面に設けた設定入力部および表示部の一例を示す拡大図である。
【図5】 図1に示した飲料供給装置に適用する塩素発生器を示したもので、(a)は正面一部破断図、(b)は断面側面図、(c)は(b)におけるC−C線断面図、(d)は(c)におけるD−D線断面図である。
【図6】 図5に示した塩素発生器の外観を示す分解斜視図である。
【図7】 給水ポンプの駆動時間に対する通電時間の割合を通電比毎に示したタイミングチャートである。
【図8】 通電比と塩素濃度との関係を示すグラフである。
【図9】 放置時通電周期および放置時通電時間に基づいた一対の電極への通電タイミングを示したタイミングチャートである。
【図10】 ガス抜き弁と給水弁との動作タイミングを示したタイミングチャートである。
【図11】 従来の塩素発生器を示す断面側面図である。
【符号の説明】
10 飲料ディスペンサ
11 トレイ
12 カップ
13 マルチノズル
14 装置筐体
15 水槽
17 フロントパネル
20 原液供給通路
21 原液供給源
22 原液供給ポンプ
23 原液供給弁
30 給水通路
31 給水源
32 プレフィルタ
33 給水弁
34 給水ポンプ
35 コイル部
36 浄水供給弁
40 循環通路
41 循環吸水弁
42 循環排水弁
50 炭酸水供給通路
51 カーボネータ
52 炭酸水供給弁
60 生成用水供給通路
61 生成用水供給弁
70 塩素発生器
71 ケーシング
72 電極
73 ジョイント
74 逆止弁
75 ナット部材
76 吸水通路
77 排水通路
80 ガス抜き通路
81 ガス抜き弁
90 電源供給部
100 操作入力部
101,102,103,104 押しボタンスイッチ
110 キーボード
111 表示部
112 設定入力部
120 コントローラ
711 ケーシング本体
712 底壁部材
Claims (3)
- 密閉したケーシングの内部に一対の電極を設けるとともに、このケーシングの内部に給水源から圧送された原水を供給する吸水通路および該ケーシングの内部に供給された原水を外部に排出する排水通路を設けて成り、前記吸水通路に設けた第1の弁手段を開成させるとともに、前記排水通路に設けたポンプ手段を駆動することによってこれら吸水通路および排水通路を通じて前記ケーシングの内部に塩素イオンを含有した原水を通過させ、かつ前記一対の電極の間に直流電圧を印加することにより、該原水中において前記塩素イオンから塩素を生成するようにした塩素発生器を備える飲料供給装置において、
前記ケーシングの上端部にガス抜き通路を連通させるとともに、このガス抜き通路に第2の弁手段を設け、さらに、前記ポンプ手段の駆動を停止した後、前記第1の弁手段および前記第2の弁手段をそれぞれ所定の時間だけ開成させるコントローラを備えることを特徴とする飲料供給装置。 - 前記コントローラは、前記ケーシングの内部に原水を通過させた状態から前記ポンプ手段の駆動のみを停止し、前記第1の弁手段を開成させた状態を維持するとともに、前記第2の弁手段を開成させることを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
- 前記コントローラは、前記第2の弁手段が閉成してから前記一対の電極の間に直流電圧を印加した積算時間が予め設定した閾値を越えた場合に当該第2の弁手段の開成を許容することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の飲料供給装置。
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