JP4439198B2 - バイオセンサカートリッジ及びバイオセンサ分与装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中の特定成分を測定するバイオセンサを複数枚収納し、1枚ずつ分与するためのバイオセンサカートリッジおよびバイオセンサ分与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、酵素の有する特異的触媒作用を利用した種々のバイオセンサが開発され、臨床分野への応用が試みられるなかで、試料中の特定成分を迅速にかつ精度よく試験、定量できるバイオセンサが実用化されている。
【0003】
グルコースセンサを例にとると、糖尿病患者数の増加が著しい今日、血糖値を測定して管理するのに、従来のように血液を遠心分離し血しょうを試料として測定するのでは非常に煩雑な手順を要するため、全血で測定できるバイオセンサが要望され、実用化されてきた。
【0004】
このようなバイオセンサとしては、専用測定器により、全血を付着させたセンサの電極系へ所定の電圧を供給し、電極間に流れる電流値を計測し、計測値をもとに試料液中のグルコース濃度を計算し、その値を測定器の表示部に示すものがある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
バイオセンサを複数個セットしたセンサパックやセンサボトルを測定器に装填し、バイオセンサを1個ずつ分与するようにしたバイオセンサ分与装置も開示されている(たとえば、特許文献2、特許文献3参照)。
【0006】
このようなバイオセンサ分与装置によって、高齢者の多い糖尿病患者等の使用者であっても、バイオセンサを装填する時に誤って落としたり、逆方向に取り付けたり、さらには逆方向に取り付けたままで計測してしまうなどの、誤操作を起こしにくくなってきた。
【0007】
特許文献2に記載されたバイオセンサ分与装置は、図19(a)(b)に示すように、上部ケースと下部ケースとを二枚貝の殻のように開閉自在に連結したハウジング201の内部に、概ね円板状のセンサパック202を収納している。センサパック202は、複数のセンサ保持キャビティーのそれぞれに血中グルコースセンサを包有し、乾燥剤キャビティーを連通させたものである。上部ケースには、滑動アクチュエータを動作させる滑動ラッチ203が配置されていて、この滑動ラッチ203を親指でスライドさせることで、装置を表示/データ処理モードまたは試験モードに設定することができる。
【0008】
たとえば、滑動ラッチ203を側位の表示位置に配置し、次いでハウジング前方に押すことで、装置を表示/データ処理モードに設定することができ、使用者は、上部ケースに配置されたディスプレイ204に表示されるデータを視認したり、あるいは、ハウジング後部のデータポートコネクタに隣接して配置された手動ボタン205より、ハウジング内の電気部品にデータを入力する他、実施している試験に関する情報を得るための指令を行なうことが可能になる。
【0009】
あるいは、滑動ラッチ203を側位の試験位置に配置し、次いでハウジング前方に押すことで、装置を試験モードに設定することができる。それにより、センサパック202のセンサキャビティーの一つからバイオセンサが放出され、ハウジング201の試験端206から突出されるとともに、バイオセンサ上の電気接点がハウジング内のマイクロプロセッサ及び/又は他のデータ処理回路に結合される。それにより使用者は、突出されたバイオセンサに血液などの試料を付着させることで、試料に関するデータを取り出し、上記したディスプレイ204に表示させたり、データポートコネクタを通して他の監視用又は分析用機器へと伝達するために蓄えることが可能になる。
【0010】
試験の終了後に滑動ラッチ203をハウジング後方へと押し、元の待機位置に配置すると、試験に使用されたバイオセンサがハウジング外へと排出されるとともに、未使用のバイオセンサを試験端206から突出可能な位置までセンサパック202が回転される。
【0011】
特許文献3に記載されたバイオセンサ分与装置は、図20(a)に示すセンサボトル300を装着する。センサボトル300のボトルケース301には複数のバイオセンサ収納室301aと乾燥剤収納室301bとバイオセンサ収納室301a,乾燥剤収納室301b間を連通する流路301cとが形成されている。各バイオセンサ収納室301aにバイオセンサ(図示せず)が1枚収納され、各乾燥剤収納室301bに乾燥剤(図示せず)が1個収納された後のボトルケース301の両端面には、アルミシール302,アルミシール303が溶着されていて、バイオセンサボトル300内に入った水分を乾燥剤が吸湿して、バイオセンサの性能変化を防止する。
【0012】
図20(b)に示すように、バイオセンサボトル300を、回転シャフト305と突出しシャフト306とを備えたバイオセンサ分与装置に装着すると、バイオセンサボトル駆動モータが起動して回転シャフト305を一方向に回転させ、バイオセンサボトル300を初期位置にセットする。回転シャフト305の回転は図示しないフォトセンサで位置認識しつつ行なわれる。
【0013】
次いで図示しない測定ボタンを押すと、突出しシャフト駆動モータが起動して突出しシャフト306を左にスライドさせ、この突出しシャフト306がアルミシール303を破って、バイオセンサ304を押す。押されたバイオセンサ304はアルミシール302を破り、所定の位置まで移動して、測定可能となる。
【0014】
測定終了後に再び測定ボタンを押すと、突出しシャフト駆動モータが起動して突出しシャフト306を少し左にスライドさせ、バイオセンサ304を装置外に排出させる。その後に突出しシャフト駆動モータが反転して突出しシャフト306を右にスライドさせ、初期位置に戻す。次いでバイオセンサボトル駆動モータが起動して、バイオセンサボトル300を次のバイオセンサ304を突出し可能な位置まで回転させる。
【0015】
【特許文献1】
特開昭61−294351号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平8−262026号公報
【0017】
【特許文献3】
特開平08−285858号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2記載のバイオセンサ分与装置では、試験を終了する都度に、試験端206に保持されたままのバイオセンサを使用者が掴んで取り出さねばならず、使用済みのバイオセンサには血液などの試料が付着しているため、紙などを用いて掴んでいるのが現状であるが、煩雑であるだけでなく、衛生面でなお問題がある。
【0019】
また、ハウジング201に対してセンサパック202を任意の位置で装填可能であるため、誤装填することがあった。つまり、使用途中のセンサパック202を何らかの都合で取り出し、あらたに装填しようとする時に、バイオセンサを包有していないセンサ保持キャビティーを試験端206に対応させて、センサパック202を装填してしまうことがあった。そのような場合も、装置は誤装填を認識することなく動作開始するので、使用者は何度か無駄にラッチ操作せざるをえなかった。
【0020】
また、装置を表示/データ処理モードまたは試験モードに設定する際に、上記したように滑動ラッチ203を2段階にスライドさせるので、誤操作してしまうこともあり、使用者にとって非常に不便であった。さらに、センサパック202内のバイオセンサを放出するためのカッター(図示せず)がハウジング201内に配置されているため、装填時に使用者がケガをすることもあった。
【0021】
特許文献3記載のバイオセンサ分与装置では、バイオセンサ304を1個収納するバイオセンサ収納室301aと乾燥剤を1個収納する乾燥剤収納室301bと両室を連通する流路301cとを1セットとして、複数セット、中央貫通穴301fの周りに形成しているため、バイオセンサ304の収納枚数が少ないわりにバイオセンサボトル300の厚みが厚くなり、バイオセンサボトル300を含めた分与装置を薄型化することはできなかった。
【0022】
また、装置に装着したバイオセンサボトル300からバイオセンサ304を適正に突き出してセットするためには、バイオセンサボトル300とバイオセンサ分与装置との間の位置精度をかなりシビアに設定する必要があった。
【0023】
また、バイオセンサボトル300を装置から取り外した後に再装填して使用する時にはバイオセンサボトル300が初期位置にセットされるため、初期位置に対応する第1のバイオセンサ収納室301a、第2のバイオセンサ収納室301a・・へと順次にバイオセンサ304のセット動作を行なわねばならず、実際にバイオセンサ304が突き出されてセットされるまで無駄な時間を要した。
【0024】
さらに、バイオセンサボトル300の端面にアルミシート302,303を溶着しているため、取り扱い時にアルミシート302,303を破損する恐れがあった。その一方で、バイオセンサ304はアルミシート302を容易に破って出て来られることが必要であり、そのためにバイオセンサ304の先端304aを尖らせているため、使用者は血液を付着させる時にそのエッジに触れ痛みを覚えることがあった。アルミシート302を破りにくくともバイオセンサ304の先端304を角型にすることも考えられるが、角型では血液を付着させるべきポイントがわかりにくく、使い勝手が悪かった。
【0025】
本発明は上記問題を解決するもので、簡易な操作によってバイオセンサを一個ずつ試験可能な状態にセットすることができ、かつセット時までバイオセンサを湿気から保護できるコンパクトなバイオセンサカートリッジおよびバイオセンサ分与装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、バイオセンサを複数個ケース内に収納したバイオセンサカートリッジを構成し、このバイオセンサカートリッジを組み込んだバイオセンサ分与装置を構成することにより、ボタンやレバーによる簡易な手動操作のみでバイオセンサを順次に送出して、所定の試験位置にセット可能とするとともに、バイオセンサカートリッジの入換えを容易に行なえるようにしたものである。
【0027】
すなわち、本発明のバイオセンサカートリッジは、複数枚のバイオセンサが内部に積層して収納され、前記バイオセンサを排出するための開口であるセンサ排出口を有するケースと、前記ケース内の前記バイオセンサを押すことにより1枚ずつ送り出すスライド部材を備えて前記センサ排出口から前記バイオセンサを排出させるセンサ送出手段と、前記センサ送出手段を駆動する外部のセンサ送出機構を前記センサ送出手段に連結させるために前記ケースに形成された開口部をシールするシール部材とを内蔵したものである。これによれば、外部のセンサ送出機構によってセンサ送出手段を駆動させることで、バイオセンサをケース外に排出することができ、バイオセンサカートリッジの小型、薄型化も可能である。
【0028】
たとえば、以下の構成を有するものとする。
前記センサ送出手段は、外部のセンサ送出機構により回転される円筒状の回転部材と、前記回転部材に対して滑り対偶が可能な状態に係合された前記スライド部材とを有し、前記スライド部材は、前記回転部材の回転に連動して摺動し前記バイオセンサを押し出すものとする。これによれば、スライド部材がバイオセンサを直線的に送るので、バイオセンサへの負荷が少ない。また使用済みのバイオセンサの廃棄動作にも複雑な機構を必要としない。
【0029】
回転部材の円筒面に、スライド部材が係合する螺旋状の溝を形成する。これにより、スライド部材が回転部材の軸方向にスライドすることになり、これらがケース内で占める専有面積が小さくてすみ、バイオセンサカートリッジのコンパクト化が可能となる。
【0030】
螺旋状の溝を回転部材の回転軸周り360°以上の範囲に形成する。これにより、回転部材やスライド部材のガタやズレを吸収することができ、バイオセンサを確実に所定の位置まで移動させることができる。
【0031】
回転部材の端部に前記シール部材を有し、回転部材を支持するためにケースに形成された前記開口部を前記シール部材がシールする。これにより、ケース内のバイオセンサを劣化の原因となる外気から確実に遮断できる。
【0032】
ケース内を、複数のバイオセンサを積層して収納するバイオセンサ収納室と、前記バイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置に待避したスライド部材を格納するスライド部材格納室とに、前記バイオセンサよりも幅の狭い開口を有する隔壁で仕切る。これにより、スライド部材がスライド部材格納室に戻る時に摩擦によってバイオセンサを引き込むことがなくなり、スライド部材の次回のスライド動作が妨げられず、バイオセンサ送出の信頼性が高い。
【0033】
隔壁の開口を、最下層のバイオセンサの後端部を押すようにスライド部材に形成した突起部が通過可能な幅に設定する。これによれば、スライド部材をその姿勢や方向を変えることなく出退させるだけで済み、簡易な機構を使用できる。
【0034】
センサ排出口の周囲のケース外面に、前記センサ排出口を開閉する弁手段の外形形状に沿う凹部を設ける。これにより、弁手段を確実に凹部に位置決めしてセンサ排出口を閉塞できる。
【0035】
センサ送出手段は、外部のセンサ送出機構によりスライドして最下層のバイオセンサの後端部を押すスライド部材を有するものとする。これにより、スライド部材がバイオセンサを直線的に送ることになり、バイオセンサへの負荷が少ない。使用済みのバイオセンサの廃棄動作にも複雑な機構を必要としない。
【0036】
スライド部材によるセンサ排出動作に同期してセンサ排出口を開閉するシールプレートを設ける。これにより、センサ排出動作時以外ではケース内を外気から遮断できる。
【0037】
たとえば、スライド部材によりシールプレートを開動させる。
シールプレートをセンサ排出口に向けて押圧するバネ部材を有し、スライド部材は、最下層のバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置にある時に前記バイオセンサの下にその先端部よりもセンサ排出口寄りまで配置され、センサ排出動作時に前記バイオセンサを前記センサ排出口に向けて案内するとともに、シールプレートをバネ部材に抗して開動させる突出部を有するものとする。これにより、バイオセンサを送出する際にその先端部を突出部により保護することができる。またバイオセンサの先端部を丸くするなど、バイオセンサの形状を自由に決めることが可能となる。
【0038】
シールプレートに、センサ排出口の周囲のケース外面に圧接する弾性シール部材を設ける。これにより、シールプレートがセンサ排出口を閉じた状態での密閉性が高まる。
【0039】
弾性シール部材が圧接する小突起をセンサ排出口の周囲のケース外面に設ける。こにより、弾性シール部材のケース外面への圧接が確実になる。
スライド部材がバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置にある時に、前記開口部を前記シール部材がシールする。これにより、センサ排出動作時以外のバイオセンサカートリッジの密閉性が高まる。
【0040】
スライド部材をバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置に復帰させる復帰手段を設ける。これにより、バイオセンサの排出直後やバイオセンサカートリッジをバイオセンサ分与装置に装着した直後でも、スライド部材をバイオセンサを排出させる方向にスライドさせることができ、無駄な動作時間がなくなる。
【0041】
スライド部材は、バイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置にある時に前記バイオセンサの下に配置される突出部を有するものとする。これにより、センサ排出動作後に初期位置に復帰したスライド部材によって、次のバイオセンサの送出しを確実に行なえる。
【0042】
ケース内を隔壁により複数のバイオセンサを積層して収納するバイオセンサ収納室と乾燥剤を収納する乾燥剤収納室とに仕切り、両収納室間を連通する空気通路を形成する。これにより、狭いスペースに多数のバイオセンサと乾燥剤を収納して、バイオセンサを防湿できる。
【0043】
乾燥剤収納室内に仕切り壁を設けて、バイオセンサ収納室に連通する空気通路に続く空気通路を形成し、この空気通路に沿って乾燥剤を収納する。これにより、乾燥剤の乾燥効果を長期間にわたってほぼ均等に発揮させることができる。
【0044】
乾燥剤を乾燥剤収納室内の空気通路の形状に合わせて単体としてあるいは複数個に分割して成型する。これにより、バイオセンサカートリッジの組立て時に乾燥剤の収納や取り扱いが容易になる。
【0045】
バイオセンサの上にその積層方向に沿うケース内面に摺接して配置された押え板と、前記押え板を介してバイオセンサをその積層方向に押える弾性体とを設ける。これにより、ケース外からの衝撃等があってもバイオセンサの積層状態を良好に維持することができ、バイオセンサの後端部を均一な、安定した力で押すことができる。
【0046】
バイオセンサは先端部側で厚みが大きく後端部側で厚みが小さい段形状を有し、バイオセンサの後端部を押すスライド部材は前記厚みが小さい後端部を挟み込む凹部を有したものとする。これにより、バイオセンサを確実に送出できる。
【0047】
バイオセンサは先端部側で厚みが大きく後端部側で厚みが小さい段形状を有し、押え板を介してバイオセンサを押える弾性体は前記厚みが大きい先端部領域に相応する押え板の背面上に配置する。これにより、積層されたバイオセンサに対して、バランス良く均等に圧力を加えることができる。
【0048】
本発明のバイオセンサ分与装置は、複数枚のバイオセンサが内部に積層して収納され、前記バイオセンサを排出するための開口であるセンサ排出口を有するケースと、前記ケース内の前記バイオセンサを押すことにより1枚ずつ送り出すスライド部材を備えて前記センサ排出口から前記バイオセンサを排出させるセンサ送出手段とを内蔵したバイオセンサカートリッジを着脱自在に保持するカートリッジ格納室と、前記バイオセンサカートリッジ内のセンサ送出手段を駆動するセンサ送出機構と、前記センサ送出手段によりセンサ排出口から排出されたバイオセンサを試料が点着可能な所定の試験位置に搬送するセンサ搬送機構と、前記センサ送出機構をオンオフする操作部を設け、前記カートリッジ格納室は、センサ送出手段として円筒状の回転部材とスライド部材を含むバイオセンサカートリッジを保持可能であり、前記センサ送出機構は前記バイオセンサカートリッジの前記回転部材を回転させる回転手段を有するものである。
また本発明のバイオセンサ分与装置は、複数枚のバイオセンサが内部に積層して収納され、前記バイオセンサを排出するための開口であるセンサ排出口を有するケースと、前記ケース内の前記バイオセンサを押すことにより1枚ずつ送り出すスライド部材を備えて前記センサ排出口から前記バイオセンサを排出させるセンサ送出手段とを内蔵したバイオセンサカートリッジを着脱自在に保持するカートリッジ格納室と、前記バイオセンサカートリッジ内のセンサ送出手段を駆動するセンサ送出機構と、前記センサ送出手段によりセンサ排出口から排出されたバイオセンサを試料が点着可能な所定の試験位置に搬送するセンサ搬送機構と、前記センサ送出機構をオンオフする操作部を設け、前記カートリッジ格納室は、バイオセンサを押すスライド部材をセンサ送出手段として内蔵したバイオセンサカートリッジを保持可能であり、前記センサ送出機構はバイオセンサカートリッジのスライド部材を押圧してスライドさせる押圧部材を有するものである。
これらによれば、操作部を操作するだけでバイオセンサを順次に試験位置に配置することができ、複数回の試験も確実に、かつ連続的に行うことが可能である。
【0049】
たとえば、以下の構成を有するものとする。
試験位置に搬送されたバイオセンサからの電気的データを本体内の電気回路を通じて取得し、表示する表示部を本体外面に設ける。これにより、試験位置に搬送されたバイオセンサでの試験結果を容易に確認できる。
【0050】
試験位置に搬送されたバイオセンサを押圧保持し、本体内の電気回路に導通させるセンサ導通手段を設ける。これにより、試験位置に搬送されたバイオセンサをその位置で保持し、電気的導通状態にセットできる。
【0052】
操作部は、本体内に出退自在であり、本体内に押し込まれる時にセンサ送出機構を動作させるものとする。これにより、バイオセンサを試験位置に配置するための操作部の操作を無理なく確実に行なえる。
【0053】
センサ送出機構は、操作部の押し込み方向に背反する方向にバイオセンサを排出するようにセンサ送出手段を駆動するものとする。これにより、装置の幅寸法を小さく設定可能である。
【0054】
バイオセンサカートリッジのケースに開口したセンサ排出口を開閉する弁手段を設ける。これにより、必要時のみセンサ排出口を開放できるので、ケース内の未使用のバイオセンサの劣化を防止できる。
【0055】
弁手段は、センサ排出口を含んだケースの外面を転動するローラとする。これにより、センサ送出手段などの動きを妨げることなくセンサ排出口を確実に開閉できる。
【0056】
センサ導通手段と弁手段とをセンサ送出機構に連動連結する。これにより、使用者が特に意識することなく操作部を操作することで、バイオセンサカートリッジ内のバイオセンサをセンサ排出口より排出して試験位置に配置する一方で、そのセンサ排出口を適当時に開閉し、試験位置に配置されたバイオセンサをその位置で保持し電気的導通状態にセットする、という一連の動作を容易かつ確実に行うことができる。よって、バイオセンサを誤って排出したり、バイオセンサカートリッジ内が不用意に大気開放されることを防止できる。
【0057】
たとえば、センサ導通手段と弁手段をそれぞれ一端に支持した各リンク部材を本体上に軸支し、各リンク部材の他端部を保持し回動させるカムを操作部上に設ける。
【0058】
操作部の1回の操作により、バイオセンサが試験位置に搬送され、本体内の電気回路に導通されて試験可能な状態にセットされる構成とする。これにより、無駄な操作を排除してバイオセンサを確実にセットできる。
【0059】
バイオセンサが試験可能な状態にセットされると同時に本体の電源が駆動される構成とする。これにより、バイオセンサに試料を付着させる試験開始時にバイオセンサからの電気信号を取得可能となるため、試験をスムーズに実施できる。
【0060】
バイオセンサが試験可能な状態にセットされた後の操作部の操作により試験位置の前記バイオセンサが本体外部へ排出される構成とする。これにより、操作部によって新たなバイオセンサを試験可能な状態にセットする時、あるいはセットするための待機状態に入る時に、自動的に、使用済みのバイオセンサが排出されることになり、複数回の試験をスムーズに実施できる。
【0061】
バイオセンサカートリッジを取り外し不能に保持するカートリッジ保持機構を設ける。これにより、操作中に不用意にカートリッジを取り外してしまうことを防止できる。
【0062】
カートリッジ保持機構を操作部に連動連結する。これにより、特別な電気的な動力などを用いることなく、カートリッジ保持機構を確実に動作させることができる。
【0063】
操作部の初期位置への復帰の有無を検知する検知手段を設ける。これにより、操作部の位置を確実に検知して、装置の故障を防ぐことができる。
検知手段は、操作部の一部を構成する部材との接触を認識するものとする。これにより、操作部に備わる部材を利用して操作部の位置を検知できる。
【0064】
センサ送出機構は、バイオセンサカートリッジの着脱時にカートリッジ収納室を開閉する蓋体の開閉動作に連動して、前記バイオセンサカートリッジのセンサ送出手段に対して接続あるいは接続解除する接続切換手段を有したものとする。これにより、バイオセンサカートリッジの脱着に先立つ蓋体の開動に伴って自動的に接続解除されることになり、脱着操作の支障とならず、取扱性が向上する。バイオセンサカートリッジの装着後には、蓋体の閉動に伴って自動的に接続されることになり、カートリッジ内のバイオセンサを効率よく排出できる。
【0065】
操作部上に爪部材を揺動可能に設け、この爪部材の先端部が滑動する滑動路を本体の内壁に形成し、この滑動路に、前記操作部の動作停止時に前記爪部材の先端部を係止して操作部を位置固定する鋸刃状の凹凸部を配置する。これにより、操作部の動作を中断した場合も操作部が初期位置に戻ることはなく、セット動作を続けることができる。よって、バイオセンサの噛み込みなどを回避できる。
【0066】
滑動路は、操作部を押し込む際に爪部材の先端部が滑動する往路と前記操作部を初期位置に復帰させる際に前記爪部材の先端部が滑動する復路とを並列に配置してループ状に構成し、前記往路に鋸刃状の凹凸部を配置したものとする。これにより、操作部の動きを確実に制御することができ、その際の一連の位置を保持するための機構を小型化できる。
【0067】
バイオセンサが試験可能な状態にセットされる位置の操作部を本体に対して係止するラッチ機構を設ける。これにより、操作部の位置を保持することでバイオセンサをもセット状態に保持できることになり、試験操作を容易に安定して行なうことが可能になる。
【0068】
ラッチ機構として、ラッチ用突起部を操作部上に設け、前記ラッチ用突起部を係止するラッチ本体部を本体に設ける。これによれば、簡単な部材でラッチ機構を実現できる。
【0069】
カートリッジ格納室は、バイオセンサの後端部を押すスライド部材をセンサ送出手段として内蔵したバイオセンサカートリッジを保持可能であり、センサ送出機構はバイオセンサカートリッジのスライド部材を押圧してスライドさせる押圧部材を有し、操作部は、前記センサ送出機構を電気的に動作可能に構成する。これにより、操作部を操作するだけで、バイオセンサを試験位置に配置することができ、複数回の試験を確実かつ連続的に行うことが可能である。
【0070】
バイオセンサカートリッジのセンサ排出口を開閉するシールプレートを、バイオセンサを排出するときにのみ開く構成とする。これにより、バイオセンサカートリッジ内への外気の流入時間を極力短くすることができる。
【0071】
センサ送出機構の押圧部材をバイオセンサカートリッジのスライド部材に向けて出退自在に設け、この押圧部材の動作ストロークを検出する検出手段を設ける。これにより、押圧部材を、その動作ストロークを検出手段によって検出しつつ、バイオセンサを所定の試験位置に配置する突き出し位置と初期位置とに正確に配置できる。
【0072】
センサ搬送機構によって所定の試験位置まで搬送されるバイオセンサの位置を検出する検出手段を設ける。これにより、バイオセンサを精度よく試験位置に配置できる。
【0073】
センサ送出機構とセンサ搬送機構とは独立して動作可能とする。これにより、シンプルな構成で信頼性の高い分与装置を構成することができ、動作時間を短縮できる。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1〜図12を用いて、本発明の第1実施形態におけるバイオセンサ分与装置を説明する。このバイオセンサ分与装置はたとえば血中グルコース測定のために使用される。
【0075】
図1および図2において、バイオセンサ分与装置1は、本体上ケース2と本体下ケース3とを対向配置して構成した概ね矩形の本体4を有しており、この本体4の一側に開口した開口部の近傍のカートリッジ収納室5にバイオセンサカートリッジ6を収納可能である。カートリッジ収納室5の両側には、バイオセンサカートリッジ6からバイオセンサを排出させるためのバイオセンサ送出機構Aと、バイオセンサカートリッジ6から排出されたバイオセンサを所定の試験位置へ搬送するバイオセンサ搬送機構Bが配されている。
【0076】
本体4の開口部は、軸部4aの軸心廻りに回転可能に取り付けられたカートリッジ装填カバー7によって開閉される。カートリッジ装填カバー7の内面には、このカートリッジ装填カバー7を本体4に係止するカバーフック部8と、バイオセンサカートリッジ6をその底部を支持する本体内面のリブ(図示せず)に向けて押圧する押圧バネ9とが設けられている。以下、図示した方向を上下方向として説明する。
【0077】
本体4の上部(開口部寄りの概ね1/2部分)かつ側部(たとえば、図示したように本体上ケース2を手前に配置した方向における左側部)には、バイオセンサカートリッジ6から送出されたバイオセンサ10を試験位置に案内するセンサガイド11が設けられている。
【0078】
本体4の下部(開口部に背反する概ね1/2部分)は、使用者のための把持部12として寸法設定されていて、本体4の上部よりも幾分幅狭い。この把持部12における上部かつ側部(センサガイド11と同様の左側部)に、バイオセンサ10を送出するための柱状の作動アクチュエータ13の一端部が突出している。
【0079】
把持部12の内部には、信号処理回路や制御回路を形成したプリント配線基板14,電池電極15,16,電池17が配置されており、把持部12の外面には、液晶ディスプレイユニットの表示画面18と、この表示画面18に表示したい情報や、表示画面18の表示に従ってプリント配線基板14上の回路に情報を入力するための操作ボタン19が配置されている。プリント配線基板14上の回路には、試験操作の際に生成されたデータを処理、記憶及び/又は表示画面18に表示するためのマイクロプロセッサ(図示せず)なども設けられている。
【0080】
バイオセンサ10は、図3に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)などからなる、一端が丸みを帯びた短い上層シート20aと長い下層シート20bとを積層したもので、段差部20を有しており、前記一端部の近傍に酵素を含んだ試薬部21(あるいは生物学的感知部)を設け、この試薬部21に毛細管で連通する前記一端部を点着部22とし、下層シート20bの露出面に試薬部21に至る電極部23を設けている。
【0081】
バイオセンサカートリッジ6においては、図4に示すように、カートリッジケース25の下部にバイオセンサ排出口26が形成されており、このバイオセンサ排出口26に臨むバイオセンサ収納室27が上下方向の隔壁27aによって区分されている。カートリッジケース25は、カートリッジ上ケースとカートリッジ下ケースとを対向配置したもので、PPなどの透水性のほとんどない材料で肉厚1mm以上に構成されていて、それによりバイオセンサカートリッジ6の防水性が確保されている。
【0082】
バイオセンサ収納室27の内部には、複数枚のバイオセンサ10が積層されており、積層されたバイオセンサ10の上に押さえ板28が配置され、押さえ板28とカートリッジケース25の天面との間にセンサ押圧バネ29が配置されている。押さえ板28とカートリッジケース25の天面にはリブ28a,リブ25aが、センサ押圧バネ29を囲むように、また互いに摺接するように形成されていて、押さえ板28はセンサ押圧バネ29により押圧されて、またリブ28a,リブ25aにより案内されて、バイオセンサ10を積層方向に押える。センサ押圧バネ29の位置はバイオセンサ10の上層シートに対応する位置である。
【0083】
バイオセンサ収納室27に隔壁27aの下端開口部において連通する突き出し部材格納室30の内部には、最下層のバイオセンサ10をバイオセンサ排出口26に向けて突き出す突き出し部材31が格納されている。
【0084】
バイオセンサ収納室27は、後述するような封止構造を有するとともに、隔壁27aの上端開口部において、乾燥剤32が充填された乾燥剤室33に連通していて、個々のバイオセンサ10が乾燥状態に保たれるようになっている。
【0085】
カートリッジケース25の底部には、突き出し部材31を動作させるための円筒状の突き出し回転部材34が収納されている。この突き出し回転部材34は、両端に突出形成された支持部においてカートリッジケース25に回転自在に支持されており、突き出し部材31の下面に形成された係合突起35が滑動可能に係合するらせん溝36を有している。
【0086】
突き出し回転部材34の一端の支持部は、カートリッジケース25を貫通しており、突き出し回転部材34に外部からの回転駆動を伝えるための凹状の駆動連結部37を有するとともに、カートリッジケース25の貫通部分をシールするためのリング状のパッキン38を外装している。
【0087】
図5に示すように、カートリッジケース25の近傍には、突き出し回転部材34の駆動連結部37に嵌合可能な駆動伝達ピン39を一端に持った第3駆動ギア40と、第3駆動ギア40をバイオセンサカートリッジ6に向けて付勢するギアスラストバネ41と、ギアスラストバネ41に抗して第3駆動ギア40をバイオセンサカートリッジ6から離間させるギアスライドレバー42とが配置されている。ギアスライドレバー42は、カートリッジ装填カバー7から突き出した作用突起部7aにより軸42aの周りに回転自在である。
【0088】
カートリッジ装填カバー7を閉じた状態では、第3駆動ギア40はギアスラストバネ41の付勢力によってバイオセンサカートリッジ6に接近していて、駆動伝達ピン39は駆動連結部37に連結されている。この状態で第3駆動ギア40を回転させると、この第3駆動ギア40に駆動伝達ピン39,駆動連結部37を介して連結した突き出し回転部材34が回転し、この突き出し回転部材34の螺旋溝36に係合突起35において係合した突き出し部材31が出退する。カートリッジ装填カバー7を開動させる時には、その作用突起部7aがギアスライドレバー42を反時計廻りに回転させ、このギアスライドレバー42が第3駆動ギア40をバイオセンサカートリッジ6から離間する方向に移動させる結果、駆動伝達ピン39と駆動連結部37との連結が解除される。
【0089】
図6および図7に示すように、バイオセンサカートリッジ6の近傍には、バイオセンサ排出口26を封止可能な封止ローラ43が配置されている。
この封止ローラ43を一端部に支持した封止ローラ支持リンク44は2部材からなり、他端部において作動アクチュエータ13に取り付けられ、連結部に封止ローラ43にバイオセンサ排出口26への圧接力を与える封止ローラ加圧バネ46が配置されている。
【0090】
封止ローラ加圧バネ46は、バイオセンサカートリッジ6を本体4に装着するときなどの操作性を妨げない荷重、たとえば1〜2N(約100〜200gf)以下の荷重にセットされている。封止ローラ43には、表面に、圧縮残留ひずみの低い材料であるシリコンゴム、NBR(ニトリルゴム)或いはEPDM(エチレンプロピレン共重合体)などの弾性体やエラストマーが用いられていて、上記したようにPPなどからなるバイオセンサカートリッジ6に対する馴染みや密着性が確保されている。
【0091】
バイオセンサ排出口26を含んだカートリッジケース25の表面領域は、封止ローラ43の接触面積が大きくなるように、封止ローラ43の外形形状に沿う凹状に形成されている。
【0092】
実線で示したように、封止ローラ支持リンク44が伸張された状態では、封止ローラ加圧バネ46の作用もあって、封止ローラ43がバイオセンサ排出口26に圧接しバイオセンサ排出口26を封止している。この状態より、破線で示したように封止ローラ支持リンク44の他端部を移動させると、封止ローラ支持リンク44が屈曲し、それにより封止ローラ43がバイオセンサ排出口26から離間し、バイオセンサ10の送出が可能な状態となる。このようにして封止ローラ43がバイオセンサ排出口26から離間するバイオセンサ10の送出時には、バイオセンサ収納室38は大気開放されるが、内部の未使用のバイオセンサ10にとっては、短時間、大気へ暴露されるだけであり、乾燥状態に大きく影響することはない。
【0093】
図8および図9に示すように、センサガイド11の近傍には、センサガイド11内に送出されたバイオセンサ10の電極部23に電圧を供給可能な電極アーム48が、電極アーム回転作用部49に取り付けて配置されている。この電極アーム回転作用部49は電極アーム回転リンク50の一端部に取り付けられていて、電極アーム回転リンク50の他端部が移動されるに伴なって電極アーム回転作用部49が回転し、それにより電極アーム48が、実線で示したバイオセンサ10から離れた位置と、破線で示したバイオセンサ10の電極部23に圧接する位置とに配置される。
【0094】
図10(a)に示すように、カートリッジケース25の外面には、カートリッジ収納室5への誤装着を防止するために、本体4の内壁に設けられた凹凸部4bと係合する誤装着防止部材51が設けられている。カートリッジケース25の内面には、積層されたバイオセンサ10の端面に当接するセンサ返しリブ52と、突き出し部材31の移動を案内する突き出し部材ガイド溝53aを中央に有し、最下層のバイオセンサ10を受けるセンサ受けリブ53とが形成されている。
【0095】
センサ返しリブ52間の間隙Wbは、突き出し部材31の突起部31aの幅Wcより大きく、かつバイオセンサ10の幅Waより小さく設定されていて、バイオセンサ10を突き出す際の突き出し部材31のスライド動作を妨げることがない。また突き出し動作の完了後に突きだし部材31が初期のポジションに復帰する復帰動作中や、バイオセンサ分与装置1の持ち運び時に、バイオセンサ10が突き出し部材格納室30へ侵入することがない。突き出し部材31の突起部31aの高さHは、積層された最下層のバイオセンサ10を一枚、確実に突き出せるように、バイオセンサ10の一枚の厚みより小さく設定されている。
【0096】
図10(b)に示すように、突き出し部材31の係合突起35が係合する突き出し回転部材34の円筒面の螺旋溝36は、軸心を取り巻く方向に、軸心周りに360度以上の範囲に形成されるとともに、螺旋溝36の両端部分は軸心に対して直角方向(円周方向)に所定長さにて形成されていて、突き出し回転部材34や突き出し部材31のガタやズレを吸収し、突き出し部材31を、バイオセンサ10を確実に所定位置に配置する距離だけ移動させる。
【0097】
再び図2を参照すると、突き出し回転部材34を回転させるための第3駆動ギア40は、第2駆動ギア54,第1駆動ギア55を介して、作動アクチュエータ13上に一体的に形成されたラック部56に連結されていて、作動アクチュエータ13のスライド方向に対して、バイオセンサ10の突きだし方向が180度反転されている。このことにより、装置の幅寸法が抑えられている。
【0098】
また突き出し部材31と最下層のバイオセンサ10と電極アーム48とは概略同一直線上に並ぶように位置設定されていて、バイオセンサ10の突き出しから試験位置へのセッティングまで、作動アクチュエータ13の動きと連動して連続して起こるようになっている。
【0099】
電極アーム48を回転させるための電極アーム回転リンク50は、電極アーム回転リンク用カム58によって、ある位置から電極アーム回転リンクフォロワ50aとの当接が開始することで駆動される。
【0100】
封止ローラ43を一端部に取り付けた封止ローラ支持リンク44は、他端部の封止ローラ支持リンクフォロワ44aによって作動アクチュエータ13の封止ローラ支持リンク用カム57に保持されている。
【0101】
図11に示すように、電極アーム48を取り付けた電極アーム回転作用部49には、電極アーム48を押し下げる向きに電極アーム回転作用部49を回転させる電極アーム回転バネ59が装着されている。センサガイド11には、バイオセンサ受けリブ60が底部に設けられるとともに、バイオセンサ10を返り止めするための樹脂バネなどの弾性部材よりなるセンサ返り止め61が、天部に斜め下向きに設けられている。
【0102】
したがって、センサガイド11内に送出されたバイオセンサ10は、段差部20がセンサ返り止め61を通過し、電極アーム48によって電極部23を押されるまで軸方向にスライドする。しかるに、電極アーム48は電極アーム回転作用部49の軸廻りに回転しつつ電極部23を押すので、バイオセンサ10を引き戻すことになる。しかしバイオセンサ返り止め61がバイオセンサ10の段差部20に当たって返り止めするため、バイオセンサ10はその先端部が本体4外へ所定量だけ突き出す試験位置に確実にセッティングされる。
【0103】
再び図2を参照すると、本体4の外面に配置されたロックボタン63には、作動アクチュエータ13の一端部の上面に形成された凹部13aに係合可能な作動アクチュエータ固定ピン62が連結されていて、ロックボタン63を下方にスライドさせることで、作動アクチュエータ固定ピン60を凹部13aに係合させることができ、それにより作動アクチュエータ13をロックすることができる。
【0104】
ロックボタン63には、カートリッジ装填カバー7のカバーフック部8を押圧可能なロック連結ロッド64が一体に形成されていて、このロックボタン63を上方にスライドさせることで、ロック連結ロッド64を上昇させてカバーフック部8を押圧し、本体4に形成された穴部4cに係合させることができ、それによりカートリッジ装填カバー7を本体4に対して回動しないようにロックすることができる。
【0105】
以下、バイオセンサ分与装置1の一連の動作を説明する。
バイオセンサカートリッジ6を本体4内に装填し、カートリッジ装填カバー7を閉じ、ロックボタン63を上方にスライドさせる。このことにより、作動アクチュエータ固定ピン62が上昇し、作動アクチュエータ13がロック解除されるとともに、ロック連結ロッド64が上昇してカートリッジ装填カバー7のカバーフック部8の先端部を押さえ、カートリッジ装填カバー7が本体4に対してロックされる。
【0106】
その後に、作動アクチュエータ13を本体4内へ押し込む。このことにより、作動アクチュエータ13の封止ローラ支持リンク用カム57上で封止ローラ支持リンクフォロワ44aがスライドして、封止ローラ支持リンク44の一端の封止ローラ43がバイオセンサカートリッジ6の表面を転がりながら移動し、バイオセンサ排出口26の封止を解除する。
【0107】
また、作動アクチュエータ13のラック部56と係合した第1駆動ギア55が回転し、その回転が第2駆動ギア54、次いで第3駆動ギア40へと伝達され、第3駆動ギア40の駆動伝達ピン39に駆動連結部37において連結された突き出し回転部材34が回転され、この突き出し回転部材34に係合された突き出し部材31がスライドする。
【0108】
それにより、最下層のバイオセンサ10が突き出されて、バイオセンサ排出口26より排出され、センサガイド11内に送出され、先端の点着部22が外部に露出する試験位置に配置される。なおその際に、センサガイド11に設けられた検知スイッチ11aにバイオセンサ10が接触することで、センサ分与装置1の電源がONされ、センサ分与装置1はその試験モードに設定される。
【0109】
また、作動アクチュエータ13の電極アーム回転リンク用カム58に電極アーム回転リンクフォロワ50aを介して連結された電極アーム回転リンク50が引っ張られて、その一端の電極アーム回転作用部49が回転し、それにより電極アーム48が回転して、バイオセンサ10の電極部23に電気的に接触するとともに、バイオセンサ10を押圧保持する。
【0110】
この状態において、バイオセンサ10の点着部22に流体(例えば、人の指を穿刺した後で指に蓄積される血液)を付着させると、この点着部22から試薬部21へと延びている毛細管に流体の一部が吸い込まれ、試験するのに充分な量の流体が試薬部21へと導かれる。そしてこの流体中の測定対象成分である血中グルコースが試薬と化学的に反応する結果、血中グルコースレベルに相応する電気信号が、電極部23,電極アーム48を介してプリント配線基板14に取り出され、その回路で処理、記憶等される。
【0111】
その際に、バイオセンサ10が試験位置に配置されるに伴ってバイオセンサ分与装置1がその表示モードへと賦活されるため、操作ボタン19によって、バイオセンサカートリッジ6と、実施された試験とに関する情報を、表示画面18に表示することができる。表示画面18の表示に従って、プリント配線基板14の回路に情報を入力することもできる。
【0112】
なおその際に、作動アクチュエータ13は、本体4の側部に一端が突出するように取り付けられているので、把持部12の把持および作動アクチュエータ13の操作を(特に右手で)する時に、表示画面18の視認性が妨げられることはない。
【0113】
試験が終了し、情報の取得又はデータの入力を完了した後に、作動アクチュエータ13を本体4内へさらに押し込むと、作動アクチュエータ13の電極アーム回転リンク用カム58に電極アーム回転リンクフォロワ50aを介して連結された電極アーム回転リンク50が引っ張られ、その一端の電極アーム回転作用部49が回転し、それにより回転する電極アーム48の戻り動作によって、バイオセンサ10が本体4の外部へ排出される。また突き出し部材31が初期位置に戻り、バイオセンサ分与装置1はそのオフ又は待機の状態に設定される。
【0114】
作動アクチュエータ13について詳述する。
上述したように、作動アクチュエータ13を操作することでバイオセンサ10がセットされ、排出されるように、作動アクチュエータ13に一体的に形成されているラック部56、電極アーム回転リンク用カム58、封止ローラ支持リンク用カム57から一連の動作が出力される。
【0115】
このために、作動アクチュエータ13上にラッチ用突起部65が形成され、このラッチ用突起部65に係合するラッチ本体66が本体4に設けられるとともに、作動アクチュエータ13を初期位置へと戻す戻しバネ67が設けられている。
【0116】
これにより、作動アクチュエータ13が本体4に最大に押し込まれると、ラッチ用突起部65とラッチ本体66とが係合し、作動アクチュエータ13は固定される。試験終了後に作動アクチュエータ13が本体4にさらに押し込まれると、ラッチ用突起部65とラッチ本体66との係合が解除され、作動アクチュエータ13は戻しバネ67により初期の位置まで戻される。
【0117】
作動アクチュエータ13の押し込み動作が中断された場合、バイオセンサ10がバイオセンサ排出口26から途中まで出かかった状態で封止ローラ43を封止ポジションに戻す動作が実施されると、バイオセンサ10を挟み込んだりして機器の不具合が生じる。そのため、作動アクチュエータ13の押し込み動作が中断された場合でも、作動アクチュエータ13が初期ポジションに戻らない機構が設けられている。
【0118】
図12(a)に示すように、作動アクチュエータ13上に爪部材68が設けられ、この爪部材68が滑動可能なラチェット部69が本体上ケース2の内壁に設けられている。
【0119】
爪部材68は作動アクチュエータ13上に軸支されて、本体上ケース2の内壁に接近離間する上下方向と前記内壁に沿う横方向とに揺動自在とされるとともに、先端部近傍が押圧バネ70で作動アクチュエータ13上に連結されて、前記内壁に向けて付勢されている。
【0120】
ラチェット部69は、図12(b)及び図12(c)に示すように、鋸歯状のカム往路71と平滑なカム復路72とがカム隔壁73を介して並列に形成され、カム往路71の端部とカム復路72の端部とを連絡するカム躍り場74a,74bが形成されることで、無端状に構成されている。
【0121】
このため、作動アクチュエータ13が所定量だけ押し込まれる往路では、爪部材68の先端部は鋸歯状のカム往路71に配置され、押圧バネ70によって上向きに付勢されて、鋸歯状のラチェット表面をなぞりながら滑動する。作動アクチュエータ13の押し込み動作が途中で停止されると、爪部材68の先端部が鋸歯状のカム往路71表面に引っ掛かり、作動アクチュエータ13はその位置で停止する。
【0122】
作動アクチュエータ13が所定量ちかくまで押し込まれた時には、爪部材68の先端部は、カム往路71からカム復路72に折り返すカム踊り場74aに位置する。この時には、作動アクチュエータ13については、ラッチ本体66とラッチ用突起部65との係合が達成されており、カム踊り場73にある爪部材68は、作動アクチュエータ13の戻り方向に対しては引っかかりがない。作動アクチュエータ13の戻り動作中には、爪部材68の先端部はカム復路72に配置され、掛かりがない面を滑りながら初期ポジション(カム踊り場74b)に戻る。
【0123】
作動アクチュエータ13の近傍には、作動アクチュエータ13が一定時間内に初期位置に戻ったことを検知するポジションセンサ75と、このポジションセンサ75による検知がなされなかった場合に使用者に警告を発するブザー76が設けられている。この警告は、作動アクチュエータ13が初期位置に戻っていない間は、バイオセンサカートリッジ6のセンサ排出口26が開いているので、そのまま放置することでカートリッジ内の未使用のバイオセンサ10が空気に触れ続け、性能劣化するのを防ぐために行なわれる。
【0124】
詳細には、ポジションセンサ75は、作動アクチュエータ13が初期位置にある時にその突起部13aに接触する位置に設けられていて、作動アクチュエータ13が測定開始時に押し込まれてから、測定終了後に初期位置に戻ってくるまでの時間が、ポジションセンサ75・突起部13aの接触・非接触に基いて装置内部の計時手段(図示せず)で計測され、その計測値が所定時間をオーバーした時にブザー76によって警告が発せられる。
【0125】
以上のように、この第1実施形態のバイオセンサ分与装置1は、比較的コンパクトであり、使用者は容易に携帯かつ取扱いできる。
試験に際しては、作動アクチュエータ13を押し込むことで、バイオセンサカートリッジ6内の複数のバイオセンサ10の内の一つを確実に放出させて試験位置へ配置することができる。その一方で、未使用のバイオセンサ10はカートリッジ6内に封止することができる。使用済みのバイオセンサ10は、作動アクチュエータ13をさらに押し込むことで装置から排出できる。
【0126】
また、操作ボタン19を手動操作することで、実施している試験に関する情報を与えたり、バイオセンサ10が発生するデータを取得したり、取得した情報や蓄積した情報を表示画面18に表示させたり、データポートコネクタ(図示せず)を介して他の分析用又はコンピュータ機器に与えることができる。
【0127】
したがって、バイオセンサパックを装填する上記した従来装置に比べて、バイオセンサ10のセット動作や廃棄動作を確実に行うことができ、使い易いものである。センサボトルを装着する従来装置に比べて薄型化を実現できる。
(第2実施形態)
図13〜図18を用いて、本発明の第2実施形態におけるバイオセンサ分与装置を説明する。このバイオセンサ分与装置は例えば血中グルコース測定のために使用される。
【0128】
図13(a)(b)に示すように、バイオセンサ分与装置101は、ケーシング102内の中央部にバイオセンサカートリッジ103を収納するカートリッジ収納室104を配し、カートリッジ収納室104の両側にバイオセンサ送出機構105とバイオセンサ搬送機構106を配している。
【0129】
カートリッジ収納室104の近傍には、バイオセンサカートリッジ103を固定するためのロックレバー107が設けられている。このロックレバー107はロックレバーSP107aによってカートリッジ収納室104側へ付勢されている。また、バイオセンサ送出機構105,バイオセンサ搬送機構106等を動作させるための信号処理回路や制御回路を形成したプリント配線基板、電池電極,電池、マイクロプロセッサ等からなる制御機構108が設けられている。
【0130】
ケーシング102には、センサ排出口102aが形成されるとともに、カートリッジ収納室104に相応する部分に切り欠き部102bが形成されていて、この切り欠き部102bを通じてカートリッジ収納室104に対してバイオセンサカートリッジ103を容易に着脱可能である。
【0131】
ケーシング102の外面には、バイオセンサカートリッジ103の有無を検出するバイオセンサカートリッジ検出SW109、使用者がバイオセンサ送出機構105,バイオセンサ搬送機構106等に対して動作を指令するためのセットボタン110、測定結果等の情報を表示するための表示部111が設けられている。
【0132】
図14(a)(b)に示すように、バイオセンサカートリッジ103は、カートリッジケース112の内部に、複数枚のバイオセンサ113を積層して収納するセンサ収納室114を有している。またセンサ収納室114内のバイオセンサ113を1枚ずつ送り出して、カートリッジケース112に開口したセンサ排出口115より排出するセンサ送出手段116を内蔵している。カートリッジケース112の外面には、上述したロックレバー107が係止する凹形状のロック溝112aが形成されている。
【0133】
詳細には、カートリッジケース112は、相対向するケース内面に凸条112bが形成されており、凸条112を挟んだ一方の領域がセンサ収納室114と乾燥剤収納室117とに隔壁118により仕切られ、もう一方の領域にセンサ送出手段116の大部分が配設されている。
【0134】
センサ収納室114では、バイオセンサ113が同一方向を向いて凸条112bの上に積層され、押さえ板119によってを押さえられている。押さえ板119は、カートリッジケース112内面および隔壁118に摺接するガイドリブ120を有し、バネ121により押圧されていて、バイオセンサ収納室114内を滑らかに、安定して移動可能である。
【0135】
バイオセンサ113は、先に図3を用いて説明したものと同様に、一端が丸みを帯びた短い上層シートと長い下層シートとを前記一端を揃えて積層して形成したものであり、前記一端部の近傍に試薬部(酵素を含んだあるいは生物学的感知部)を設け、この試薬部に毛細管で連通する前記一端部を試料を付着させる点着部とし、試薬部に至る電極部を下層シートの露出面に設けている。上記したバネ121は押さえ板119の背面、バイオセンサ113の段差部113aよりも左側、上層シートに対応する位置に配置されている。
【0136】
センサ送出手段116は、カートリッジケース112内面に沿ってスライドするスライダー122を有している。スライダー122には、バイオセンサ113を送り出すバイオセンサガイド123と、凸条112bに沿って形成されたガイド溝112cに係合するスライダーガイド124とが一体に形成されている。
【0137】
スライダー122は、カートリッジケース112に形成された穴部112dに嵌合可能な凸部122aを有する一方で、スライダーバネ125により押圧されていて、凸部122aの中央に形成された凹部122bに嵌合する突出しシャフト(後述する)で加えられていない時は、穴部112d側へ押し付けられている。以下、このスライダー122の位置を初期位置という。
【0138】
凸部122aには、スライダー122が初期位置にある時にカートリッジケース112との間をシールする、EPDM、NBR、シリコン等の弾性材料からなるスライダーシールリング126が取り付けられている。
【0139】
カートリッジケース112の外側には、センサ排出口115を開閉するためのシールプレート127が取り付けられている。このシールプレート127は、支軸127a廻りに回転自在で、スライダー122が初期位置にある時にはシールプレートバネ128により押されてセンサ排出口115を閉塞している。
【0140】
シールプレート127には、図15(a)にも示すように、センサ排出口115周りのカートリッジケース112の外面に圧接するEPDM、NBR、シリコン等の弾性材料からなるシールリング129が取り付けられている。センサ排出口115周りのカートリッジケース112の外面には、シールリング129のシール性をより高める小突起112eが形成されている。ただしシールリング129はカートリッジケース112側に取付けてもよい。
【0141】
スライダー122に一体形成されたバイオセンサガイド123は、図15(b)にも示すように、スリット123aを有すべく段状に形成された上ガイド123bと下ガイド123cとで構成されている。バイオセンサガイド123の寸法は、スライダー122が初期位置にある時に下ガイド123cの先端部がバイオセンサ排出口115近傍に位置し、この下ガイド123cの上にその先端部よりも内側にバイオセンサ113が載り、その最下層のバイオセンサ113の下層シートの後端部に上ガイド123bのスリット123aが対向する寸法である。このため、バイオセンサ113の排出時には、上ガイド123bがそのスリット123aにバイオセンサ113の下層シートを挟み込んで確実に押し、下ガイド123cがバイオセンサ113の先端を保護する。
【0142】
乾燥剤収納室117には、仕切り130を多段に配置することにより、バイオセンサ収納室114に連通した開口部118aに続く蛇行した空気流路131が形成されており、この空気流路131内に乾燥剤132が充填されている。乾燥剤132は、乾燥剤収納室117の形状に合わせた好ましい形状、つまり空気流路131の幅に相応する外径を持った粒状、に成形して収納されている。
【0143】
乾燥剤132は、カートリッジケース112内の湿気を吸収して個々のバイオセンサ113を乾燥状態に保つためのものである。乾燥剤132の吸湿能力は通常、初期に高く次第に飽和するので、蛇行する空気流路131に沿って乾燥剤132を収納することで、空気流路131の流入端にある乾燥剤132から流出端にある乾燥剤132にわたって順次に乾燥能力を発揮させることができ、乾燥能力を長期間にわたって効果的に発揮させることが可能となる。また乾燥剤132を乾燥剤収納室117の形状に合わせた形状とすることで、乾燥剤収納室117のスペースを有効に利用することができ、かつバイオセンサカートリッジ103を組立てる際の乾燥剤132の取扱いが容易となる。
【0144】
以上のように、このバイオセンサカートリッジ103は、乾燥剤132を好適に収納しており、かつ、バイオセンサ113が排出されない時には、カートリッジケース112のセンサ排出口115および穴部112dをシールして、カートリッジケース112内を外気から遮断するものである。よって、湿気によるバイオセンサ113の性能劣化を抑制できる。この効果は、バイオセンサカートリッジ103をバイオセンサ分与装置101に装着しているか、バイオセンサ分与装置101から取り外しているかに関わらない。
【0145】
図16(a)(b)は、バイオセンサカートリッジ103からバイオセンサ113を排出させるためのバイオセンサ送出機構105を示す。
バイオセンサ送出機構105は、センサ突出しシャフト133と、このセンサ突出しシャフト133をシャフトギア134を介して駆動するシャフト駆動モータ135とを有している。ボトムケース102aは、トップケースと組み合わされてケーシング102を構成するものである。
【0146】
詳細には、センサ突出しシャフト133は、その軸心を取り巻くように外周面に形成されたらせん溝133aと、バイオセンサカートリッジ103内のスライダー122の凹部122bに勘合するテーパ形状の先端部133bとを有しており、らせん溝133aに滑動可能に係合するピン134aが形成されたシャフトギア134に挿通されている。
【0147】
シャフト駆動モータ135は、その軸に取り付けられたモータギア135aにおいてシャフトギア134と噛み合っていて、シャフトギア134を正逆回転させることで、センサ突出しシャフト133を出退させ、スライダー122をスライドさせる。
【0148】
センサ突出しシャフト133の後端部には、規制リブ136aと遮蔽リブ136bとを有したシャフト規制ノブ136が取り付けられている。
規制リブガイド137は、規制リブ136aを挟み得るように、ボトムケース102aとトップケースとに対向配置されていて、センサ突出しシャフト133の回転規制およびスライド動作時のガイドを行なう。
【0149】
位置検出センサ138,139はそれぞれ、遮蔽リブ136bが通過可能なスリットの内部に発光フォトセンサと受光フォトセンサとを配したものであり、センサ突出しシャフト133に沿って間隔をおいて配置されていて、センサ突出しシャフト133について、その遮蔽リブ136bが位置検出センサ138に侵入したホームポジションと、遮蔽リブ136bが位置検出センサ139に侵入した突出しポジションとを検出する。
【0150】
図17(a)(b)は、バイオセンサカートリッジ103から排出されたバイオセンサ113を所定の試験位置へ搬送する搬送機構106を示す。
搬送機構106は、バイオセン113を搬送するための搬送ローラ140,141と、これら搬送ローラ140,141を二段ギア構成の減速ギア142を介して回転させる搬送モータ143とを有している。搬送モータ143は、そのウォーム143aにおいて、減速ギア142のウォームホイール部142aに噛み合っている。
【0151】
搬送ローラ140は弾性材料からなり、減速ギア142と噛み合う搬送ローラギア140aとともに搬送ローラシャフト140bに取り付けられ、センサ排出口115の近傍に配置されていて、搬送モータ143,減速ギア142により回転して、センサ排出口115から排出されたバイオセンサ113を、シールプレート127で押圧されたスライダーのバイオセンサガイド123との間に挟持し、送り出す。
【0152】
搬送ローラ141は弾性材料からなり、減速ギア142と噛み合う搬送ローラギア141aとともに搬送ローラシャフト141bに取り付けられ、搬送ローラ140の近傍に配置されている。搬送ローラ141には、従動ローラ軸144aに取り付けられた従動ローラ144が従動ローラ圧着バネ144bにより押し付けられている。このため搬送ローラ141は、搬送モータ143,減速ギア142により回転して、搬送ローラ140によって送り出されたバイオセンサ113を従動ローラ144との間に挟持し、送り出す。
【0153】
搬送ローラ140から搬送ローラ141までの搬送路の途中には、バイオセンサ113の位置を検出するバイオセンサ検出SW145が配置されている。このバイオセンサ検出SW145は、回動可能な検出ノブ145aを有し、この検出ノブ145a上をバイオセンサ113がスライド開始した時とスライド終了した時とに切り替わる。この搬送路の途中には、バイオセンサ113の電極部に接触して電気信号を電気回路に伝える電極アーム146も配置されている。
【0154】
図18のタイミングチャートをも参照しつつ、バイオセンサ分与装置101およびバイオセンサカートリッジ103の一連の動作について説明する。
バイオセンサ分与装置101の非動作時には、センサ突出しシャフト133はホームポジションで停止していて、バイオセンサカートリッジ103の脱着には影響を及ぼさない。
【0155】
バイオセンサカートリッジ103をカートリッジ収納室104に装着すると、ロックレバー107がカートリッジケース112のロック溝112aに入り、バイオセンサカートリッジ103をロックすると共に、バイオセンサカートリッジ検出SW109がバイオセンサカートリッジ103有りを検出し、測定動作が可能となる。
【0156】
セットボタン110をONすると、シャフト駆動モータ135が出力軸から見て反時計方向に回転して、シャフトギア134を時計方向に回転させ、センサ突出しシャフト133をバイオセンサカートリッジ103に向かって進出させる。
【0157】
このセンサ突出しシャフト133がスライダー122をスライダーバネ125に抗してスライドさせ、スライダー122に一体化されたセンサ下ガイド123cがシールプレート127を押してバイオセンサ排出口115を開放するとともに、センサ上ガイド123bがバイオセンサ113を押し、バイオセンサ排出口115の外へ突き出す。
【0158】
センサ突出しシャフト133が突出しポジションに到達すると、シャフト駆動モータ135が停止され、センサ突出しシャフト133,スライダー122も静止する。この突出しポジションは、センサ突出しシャフト133,スライダー122によってバイオセンサ排出口115の外へ突き出されたバイオセンサ113の先端部が、搬送ローラ140とオーバーラップする位置に設定されている。そのため、突き出されたバイオセンサ113は、下ガイド123cの上に載った状態で、シールプレートバネ128により押されたシールプレート127と搬送ローラ140との間に挟持される。
【0159】
シャフト駆動モータ135の停止に伴って、搬送モータ143が起動され、減速ギア142が反時計方向に回転し、搬送ローラ140および搬送ローラ141が時計方向に回転して、バイオセンサ113を搬送する。搬送モータ143は、シャフト駆動モータ135の駆動開始時、または多少の時間遅れの後に起動させておいてもよい。バイオセンサ113がバイオセンサ検出SW145の検出ノブ145a上を通過終了したら、搬送モータ143は停止される。
【0160】
その結果、バイオセンサ113は搬送ローラ141と従動ローラ144との間に挟持され、先端の点着部がケーシング102のセンサ排出口102aから露出する所定の試験位置に配置される。またバイオセンサ113の電極パターンに対して電極アーム146が電気的に接触し、測定可能となる。
【0161】
一方、バイオセンサ検出SW145によってバイオセンサ113の通過終了が検出されたら、シャフト駆動モータ135が逆回転して、センサ突出しシャフト133を後退させ、この突出しシャフト133がホームポジションに到達した時点で、シャフト駆動モータ135が停止され、センサ突出しシャフト133が静止する。
【0162】
またセンサ突出しシャフト133によって押されていたスライダー122がスライダーバネ125によって初期位置へ戻り、スライダーシールリング126がスライダー122,カートリッジケース112間をシールする。
【0163】
またスライダー122によって押されていたシールプレート127がシールプレートバネ128により回動してセンサ排出口115を閉塞し、シールプレート127に取り付けられたシールリング129がシールプレート127,カートリッジケース112間をシールする。
【0164】
試験位置に配置されたバイオセンサ113の点着部に血液を付着させると、毛細管を通って試薬部に吸い込まれ、測定対象成分である血中グルコースが試薬と化学反応し、血中グルコースレベルに相当する電気信号が電極パターン、電極アーム146を通じて信号処理回路に取り込まれる。使用者によって設定されていた場合には表示部111にその情報が表示される。
【0165】
測定終了後に再びセットボタン110をONすると、搬送モータ143が起動して、減速ギア142を反時計方向に回転させ、それにより搬送ローラ141が時計方向に回転して、従動ローラ144との間に挟持したバイオセンサ113をさらに搬送し、ケーシング102の外部に排出する。
【0166】
以上のように、この第2実施形態のバイオセンサ分与装置101は、バイオセンサカートリッジ収納室104とバイオセンサ送出機構105とバイオセンサ搬送機構106とを直線的に並べたシンプルな構成で、比較的コンパクトであり、使用者は容易に携帯かつ取扱いできる。
【0167】
試験に際しては、バイオセンサカートリッジ103を装着した状態で、簡単な操作によってバイオセンサ113を1個ずつ試験位置にセットし、試験終了後に装置外に排出することができる。
【0168】
また、実施している試験に関する情報を与えたり、バイオセンサ113が発生するデータを取得したり、取得した情報や蓄積した情報を表示部111に表示させたり、データポートコネクタ(図示せず)を介して他の分析用又はコンピュータ機器に与えることも可能である。
【0169】
しかもバイオセンサカートリッジ103は、多数のバイオセンサ113を乾燥剤132等とともにコンパクトに収納し、単独でシール性を確保したものであり、信頼性が高く、取り扱いも容易であり、薄型化も可能である。
【0170】
したがって、バイオセンサパックを装填する上記した従来装置に比べて、バイオセンサ10のセット動作や廃棄動作を確実に行うことができ、使い易いものである。センサボトルを装着する従来装置に比べて薄型化を実現できる。
【0171】
なお、上記した第1実施形態、第2実施形態は本発明を例示するにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。たとえばバイオセンサ分与装置1,101は、上記した血中グルコース試験の他、試薬材料を用いて分析できるいかなる種類の流体の試験にも用いることができる。
【0172】
【発明の効果】
以上のように、本発明のバイオセンサカートリッジは、バイオセンサを積層するタイプなので、多数のバイオセンサを収納可能でありながら、コンパクトなものとすることができ、取り扱いも容易である。またシール性、防湿効果が高いため、バイオセンサがすべて消費されるまでにある程度の日数を要しても性能が劣化しにくく、信頼性が高い。
【0173】
本発明のバイオセンサ分与装置は、バイオセンサカートリッジを装着し、そのバイオセンサカートリッジと協働して、簡単な操作で、バイオセンサを1個ずつ試験可能な状態にセットし、試験終了後に装置外へ排出することができる。バイオセンサカートリッジに応じた薄型化、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるバイオセンサ分与装置の斜視図
【図2】図1のバイオセンサ分与装置の断面図
【図3】図1のバイオセンサ分与装置によって分与されるバイオセンサの斜視図
【図4】図1のバイオセンサ分与装置に装填されたバイオセンサカートリッジの断面図
【図5】図4のバイオセンサカートリッジからバイオセンサを排出させるセンサ送出機構の動作を説明する一部断面図
【図6】図4のバイオセンサカートリッジをシールするシール機構の動作を説明する一部断面図
【図7】図6のシール機構の斜視図
【図8】図4のバイオセンサカートリッジから排出されたバイオセンサを電気的に導通させる電気的導通機構の動作を説明する一部断面図
【図9】図8の電気的導通機構の斜視図
【図10】図4のバイオセンサカートリッジの(a)縦断面図および(b)下部に設けられた突き出し回転部材の斜視図
【図11】図1のバイオセンサ分与装置におけるバイオセンサのセット状態を示す断面図
【図12】図1のバイオセンサ分与装置の操作手段を保持する保持機構部の(a)側面図、(b)背面図、および(c)平面図
【図13】本発明の第2実施形態におけるバイオセンサ分与装置の(a)外観図および(b)内部図
【図14】図13のバイオセンサ分与装置に装填されたバイオセンサカートリッジの断面図
【図15】図14のバイオセンサカートリッジに設けられた(a)シールプレートの斜視図および(b)スライダー部材の一部斜視図
【図16】図13のバイオセンサ分与装置のセンサ送出機構の動作を説明する一部断面図
【図17】図13のバイオセンサ分与装置のセンサ搬送機構の動作を説明する一部断面図
【図18】図13のバイオセンサ分与装置のタイミングチャート
【図19】従来のバイオセンサ分与装置の(a)外観斜視図および(b)内部図
【図20】従来のバイオセンサ分与装置の(a)センサボトルの分解斜視図および(b)一部側面図
【符号の説明】
1 バイオセンサ分与装置
6 バイオセンサカートリッジ
10 バイオセンサ
13 作動アクチュエータ
31 突き出し部材
33 乾燥剤
34 突き出し回転部材
A バイオセンサ送出機構
B バイオセンサ搬送機構
101 バイオセンサ分与装置
103 バイオセンサカートリッジ
105 バイオセンサ送出機構
106 バイオセンサ搬送機構
110 セットボタン
113 バイオセンサ
116 センサ送出手段
132 乾燥剤
Claims (50)
- 複数枚のバイオセンサが内部に積層して収納され、前記バイオセンサを排出するための開口であるセンサ排出口を有するケースと、前記ケース内の前記バイオセンサを押すことにより1枚ずつ送り出すスライド部材を備えて前記センサ排出口から前記バイオセンサを排出させるセンサ送出手段と、前記センサ送出手段を駆動する外部のセンサ送出機構を前記センサ送出手段に連結させるために前記ケースに形成された開口部をシールするシール部材とを内蔵したバイオセンサカートリッジ。
- 前記センサ送出手段は、外部のセンサ送出機構により回転される円筒状の回転部材と、前記回転部材に対して滑り対偶が可能な状態に係合された前記スライド部材とを有し、前記スライド部材は、前記回転部材の回転に連動して摺動し前記バイオセンサを押し出す請求項1記載のバイオセンサカートリッジ。
- 回転部材の円筒面に、スライド部材が係合する螺旋状の溝を形成した請求項2記載のバイオセンサカートリッジ。
- 螺旋状の溝を回転部材の回転軸周り360°以上の範囲に形成した請求項3記載のバイオセンサカートリッジ。
- 回転部材の端部に前記シール部材を有し、回転部材を支持するためにケースに形成された前記開口部を前記シール部材がシールする請求項2記載のバイオセンサカートリッジ。
- ケース内を、複数のバイオセンサを積層して収納するバイオセンサ収納室と、前記バイオセンサ収納室内のバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置に待避したスライド部材を格納するスライド部材格納室とに、前記バイオセンサよりも幅の狭い開口を有する隔壁で仕切った請求項2記載のバイオセンサカートリッジ。
- 隔壁の開口を、最下層のバイオセンサの後端部を押すようにスライド部材に形成した突起部が通過可能な幅に設定した請求項6記載のバイオセンサカートリッジ。
- センサ排出口を含んだケースの外面に、前記センサ排出口を開閉する弁手段の外形形状に沿う凹部を設けた請求項2記載のバイオセンサカートリッジ。
- センサ送出手段のスライド部材を、外部のセンサ送出機構によりスライドして最下層のバイオセンサの後端部を押す構成とした請求項1記載のバイオセンサカートリッジ。
- スライド部材によるセンサ排出動作に同期してセンサ排出口を開閉するシールプレートを有した請求項9記載のバイオセンサカートリッジ。
- スライド部材によりシールプレートを開動させる請求項10記載のバイオセンサカートリッジ。
- シールプレートをセンサ排出口に向けて押圧するバネ部材を有し、スライド部材は、最下層のバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置にある時に前記バイオセンサの下にその先端部よりもセンサ排出口寄りまで配置され、センサ排出動作時に前記バイオセンサを前記センサ排出口に向けて案内するとともに、シールプレートをバネ部材に抗して開動させる突出部を有した請求項11記載のバイオセンサカートリッジ。
- シールプレートは、センサ排出口の周囲のケース外面に圧接する弾性シール部材を有した請求項10記載のバイオセンサカートリッジ。
- 弾性シール部材が圧接する小突起をセンサ排出口の周囲のケース外面に有した請求項13記載のバイオセンサカートリッジ。
- スライド部材がバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置にある時に、前記開口部を前記シール部材がシールする請求項9記載のバイオセンサカートリッジ。
- スライド部材をバイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置に復帰させる復帰手段を有した請求項9記載のバイオセンサカートリッジ。
- スライド部材は、バイオセンサの後端部を押圧可能な初期位置にある時に前記バイオセンサの下に配置される突出部を有した請求項9記載のバイオセンサカートリッジ。
- ケース内を隔壁により複数のバイオセンサを積層して収納するバイオセンサ収納室と乾燥剤を収納する乾燥剤収納室とに仕切り、両収納室間を連通する空気通路を形成した請求項1、請求項2、請求項9のいずれかに記載のバイオセンサカートリッジ。
- 乾燥剤収納室内に仕切り壁を設けて、バイオセンサ収納室に連通する空気通路に続く空気通路を形成し、この空気通路に沿って乾燥剤を収納した請求項18記載のバイオセンサカートリッジ。
- 乾燥剤は、乾燥剤収納室内の空気通路の形状に合わせて単体としてあるいは複数個に分割して成型した請求項19記載のバイオセンサカートリッジ。
- バイオセンサの上にその積層方向に沿うケース内面に摺接して配置された押え板と、前記押え板を介してバイオセンサをその積層方向に押える弾性体とを有した請求項1、請求項2、請求項9のいずれかに記載のバイオセンサカートリッジ。
- バイオセンサは先端部側で厚みが大きく後端部側で厚みが小さい段形状を有し、バイオセンサの後端部を押すスライド部材は前記厚みが小さい後端部を挟み込む凹部を有した請求項9記載のバイオセンサカートリッジ。
- バイオセンサは先端部側で厚みが大きく後端部側で厚みが小さい段形状を有し、押え板を介してバイオセンサを押える弾性体は前記厚みが大きい先端部領域に相応する押え板の背面上に配置した請求項21記載のバイオセンサカートリッジ。
- 複数枚のバイオセンサが内部に積層して収納され、前記バイオセンサを排出するための開口であるセンサ排出口を有するケースと、前記ケース内の前記バイオセンサを押すことにより1枚ずつ送り出すスライド部材を備えて前記センサ排出口から前記バイオセンサを排出させるセンサ送出手段とを内蔵したバイオセンサカートリッジを着脱自在に保持するカートリッジ格納室と、
前記バイオセンサカートリッジ内のセンサ送出手段を駆動するセンサ送出機構と、
前記センサ送出手段によりセンサ排出口から排出されたバイオセンサを試料が点着可能な所定の試験位置に搬送するセンサ搬送機構と、
前記センサ送出機構をオンオフする操作部を設け、
前記カートリッジ格納室は、センサ送出手段として円筒状の回転部材とスライド部材を含むバイオセンサカートリッジを保持可能であり、
前記センサ送出機構は前記バイオセンサカートリッジの前記回転部材を回転させる回転手段を有するバイオセンサ分与装置。 - 複数枚のバイオセンサが内部に積層して収納され、前記バイオセンサを排出するための開口であるセンサ排出口を有するケースと、前記ケース内の前記バイオセンサを押すことにより1枚ずつ送り出すスライド部材を備えて前記センサ排出口から前記バイオセンサを排出させるセンサ送出手段とを内蔵したバイオセンサカートリッジを着脱自在に保持するカートリッジ格納室と、
前記バイオセンサカートリッジ内のセンサ送出手段を駆動するセンサ送出機構と、
前記センサ送出手段によりセンサ排出口から排出されたバイオセンサを試料が点着可能な所定の試験位置に搬送するセンサ搬送機構と、
前記センサ送出機構をオンオフする操作部を設け、
前記カートリッジ格納室は、バイオセンサを押すスライド部材をセンサ送出手段として内蔵したバイオセンサカートリッジを保持可能であり、
前記センサ送出機構はバイオセンサカートリッジのスライド部材を押圧してスライドさせる押圧部材を有するバイオセンサ分与装置。 - 試験位置に搬送されたバイオセンサを押圧保持し、本体内の電気回路に導通させるセンサ導通手段を有した請求項24または25に記載のバイオセンサ分与装置。
- 試験位置に搬送されたバイオセンサからの電気的データを本体内の電気回路を通じて取得し、表示する表示部を本体外面に設けた請求項26記載のバイオセンサ分与装置。
- 操作部は、本体内に出退自在であり、本体内に押し込まれる時にセンサ送出機構を動作させる請求項24記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ送出機構は、操作部の押し込み方向に背反する方向にバイオセンサを排出するようにセンサ送出手段を駆動する請求項28記載のバイオセンサ分与装置。
- バイオセンサカートリッジのケースに開口したセンサ排出口を開閉する弁手段を有した請求項24記載のバイオセンサ分与装置。
- 弁手段が、センサ排出口を含んだケースの外面を転動するローラである請求項30記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ導通手段と弁手段とをセンサ送出機構に連動連結した請求項30記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ導通手段と弁手段をそれぞれ一端に支持した各リンク部材を本体上に軸支し、各リンク部材の他端部を保持し回動させるカムを操作部上に設けた請求項32記載のバイオセンサ分与装置。
- 操作部の1回の操作により、バイオセンサが試験位置に搬送され、本体内の電気回路に導通されて、試験可能な状態にセットされる請求項24から請求項27のいずれかに記載のバイオセンサ分与装置。
- バイオセンサが試験可能な状態にセットされると同時に本体の電源が駆動される請求項34記載のバイオセンサ分与装置。
- バイオセンサが試験可能な状態にセットされた後の操作部の操作により試験位置の前記バイオセンサが本体外部へ排出される請求項34記載のバイオセンサ分与装置。
- 操作部の操作中にバイオセンサカートリッジを取り外し不能に保持するカートリッジ保持機構を有した請求項24記載のバイオセンサ分与装置。
- カートリッジ保持機構を操作部に連動連結した請求項37記載のバイオセンサ分与装置。
- 操作部の初期位置への復帰の有無を検知する検知手段を有した請求項28記載のバイオセンサ分与装置。
- 検知手段が、操作部の一部を構成する部材との接触を認識する請求項39記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ送出機構が、バイオセンサカートリッジの着脱時にカートリッジ収納室を開閉する蓋体の開閉動作に連動して、前記バイオセンサカートリッジのセンサ送出手段に対して接続あるいは接続解除する接続切換手段を有した請求項24記載のバイオセンサ分与装置。
- 操作部上に爪部材を揺動可能に設け、爪部材の先端部が滑動する滑動路を本体の内壁に形成し、滑動路に、前記操作部の動作停止時に前記爪部材の先端部を係止して操作部を位置固定する鋸刃状の凹凸部を配置した請求項24記載のバイオセンサ分与装置。
- 滑動路は、操作部を押し込む際に爪部材の先端部が滑動する往路と前記操作部を初期位置に復帰させる際に前記爪部材の先端部が滑動する復路とを並列に配置してループ状に構成し、前記往路に鋸刃状の凹凸部を配置した請求項42記載のバイオセンサ分与装置。
- バイオセンサが試験可能な状態にセットされる位置の操作部を本体に対して係止するラッチ機構を有した請求項24記載のバイオセンサ分与装置。
- ラッチ機構として、ラッチ用突起部を操作部上に設け、前記ラッチ用突起部を係止するラッチ本体部を本体に設けた請求項44記載のバイオセンサ分与装置。
- 操作部は、前記センサ送出機構を電気的に動作可能に構成した請求項24から請求項27のいずれかに記載のバイオセンサ分与装置。
- バイオセンサカートリッジは、バイオセンサの排出時のみセンサ排出口を開くシールプレートを有した請求項25記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ送出機構の押圧部材は、バイオセンサカートリッジのスライド部材に向けて出退自在であり、この押圧部材の動作ストロークを検出する検出手段を有した請求項25または46に記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ搬送機構によって所定の試験位置まで搬送されるバイオセンサの位置を検出する検出手段を有した請求項25または46に記載のバイオセンサ分与装置。
- センサ送出機構とセンサ搬送手段とは独立して動作可能である請求項25または46に記載のバイオセンサ分与装置。
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