JP4439148B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの潤滑油供給装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シリンダブロックの一側端部にギアケースが形成され、該ギアケースの外側面にギアケースカバーが連結され、該ギアケースとギアケースカバーとで構成されるギアケース部に、オイルパン内に貯溜される潤滑油を圧送する潤滑油ポンプが内装されたエンジンが知られている。この潤滑油ポンプにおいては、吐出側の圧力を所定の圧力に調圧するため、調圧弁を設けていた。高圧側である吐出側の潤滑油圧力が所定圧力を超えた場合には、調圧弁により調圧されて不要になった余分なリリーフオイルが、調圧弁を通じてポンプ外部へ排出されるが、そのリリーフオイルを潤滑油ポンプの吸入側に戻すように構成していた。従って、潤滑油ポンプの吸入側から吐出側の間を潤滑油が循環することとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のように、リリーフされた潤滑油が潤滑油ポンプ内を循環するように構成した潤滑油ポンプにおいては、潤滑油の冷却が充分に行われないので、潤滑油温度が高くなってしまうという不具合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したものである。
【0006】
請求項2においては、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、別の通油路(30b)を通じて吸い込みポート(22d)側の低圧室(17)側へ戻すように構成し、更に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したものである。
【0007】
請求項3においては、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)から調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルの一部は、別の通油路(30b)を通じて、吸い込みポート(22d)側の低圧室(17)側へ戻すように構成し、更に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したものである。
【0008】
請求項4においては、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)に、圧力逃し孔(31)である開口部を形成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は本発明の潤滑装置としての潤滑油ポンプが内装されるエンジンの側面断面図、図2は実施例1の潤滑油ポンプを示す正面図であり、(a)は蓋体を取り外した状態の潤滑油ポンプを示す図で、(b)は蓋体を取り付けた状態の潤滑油ポンプを示す図である。
【0011】
図3は調圧弁を示す側面断面図、図4は実施例2の潤滑油ポンプを示す正面図、図5は実施例3の潤滑油ポンプを示す正面図、図6は実施例4の潤滑油ポンプケース部を示す正面図、図7は内部リリーフ方式に構成した従来の潤滑油ポンプを示す正面図である。
【0012】
まず、本発明の潤滑装置としての潤滑油ポンプを内装するエンジン1の概略構成について図1を用いて説明する。エンジン1のシリンダブロック15の上端部にはシリンダヘッド2が取り付けられている。
【0013】
シリンダブロック15の一側面には、クランク軸25からの駆動力をカム軸や燃料噴射ポンプ等へ伝達するためのギア等を収納する、ギアケース23が連結されており、該ギアケース23の外側面にはギアケースカバー29が連結されている。該ギアケース23とギアケースカバー29とで構成されるギアケース部には、潤滑油ポンプ22が収納されている。
【0014】
また、シリンダブロック15の下方にはオイルパン21が設けられており、該オイルパン21内には潤滑油が貯溜されている。オイルパン21は間座18を介してシリンダブロック15に連結されている。
【0015】
間座18内には、潤滑油通路である潤滑油吸入通路が形成され、該間座18からオイルパン21内へ突出する潤滑油吸入管19と連通されている。そして、オイルパン21内に貯溜される潤滑油が、該潤滑油吸入管19及び潤滑油吸入通路を通じて潤滑油ポンプ22に吸入されるようにしている。
【0016】
次に、実施例1における潤滑油ポンプについて図1、図2、図3、図7を用いて以下に説明する。前記クランク軸25における軸端部が、シリンダブロック15からギアケース23内に突出している。ギアケース23内には潤滑油ポンプケース部22aが形成され、クランク軸25の軸端部外周に配置されており、該ポンプケース部22aに潤滑油ポンプ22を構成するインナーロータ22bとアウターロータ22cが収納されている。クランク軸25の軸端部には、該クランク軸25と一体的回転可能にインナーロータ22bが嵌装され、該インナーロータ22bの外周側にはアウターロータ22cが嵌装されており、該アウターロータ22cはインナーロータ22bとともに回転するように構成されている。そして、インナーロータ22b及びアウターロータ22cを内装する潤滑油ポンプケース部22aは、蓋体13により覆われて潤滑油ポンプ22を形成している。図2(a)には蓋体13を取り外した状態の潤滑油ポンプ22を示し、図2(b)には蓋体13を取り付けた状態の潤滑油ポンプ22を示している。該ポンプケース22aには、潤滑油を吸入する低圧側の吸い込みポート22dと、潤滑油を吐出する高圧側の吐出ポート22eとが形成されている。
【0017】
オイルパン21内に貯溜される潤滑油は、潤滑油吸入管19及び間座18内の潤滑油吸入通路を通じて、潤滑油ポンプ22の吸い込みポート22dから吸入され、高圧側である高圧室16を通じて吐出ポート22eから吐出される。吐出ポート22eの直前に配置される高圧室16には、高圧室16内の潤滑油圧を所定の圧力に調圧する調圧弁20が設けられている。前記調圧弁20は蓋体13に構成されている。該調圧弁20は、図3に示すように、ケース26と、ケース26内を摺動可能なピストン27と、ピストン27を高圧室16方向に付勢するバネ28とで構成されている。そして、高圧室16に流入してきた潤滑油圧がバネ28の付勢力を超えると、ピストン27はバネ28の付勢力に抗して高圧室16側と逆方向に摺動し、通油口30が開口し、高圧室16内の潤滑油が通油口30から、高圧室16外部に排出されることとなる。通油路30はギアケース23に形成された排出口(図示せず)に通じており、調圧弁20により調圧され不要となった潤滑油(以降「リリーフオイル」と記載する)が、該排出口よりギアケース23外部に排出されるのである。
【0018】
従来の調圧弁20においては、図7に示すように、通油路30が低圧側の低圧室17に連通しており、高圧室16から排出されるリリーフオイルが、吸い込みポート22d側へ戻されるように構成されていたため、高圧室16内の一部の潤滑油は吐出ポート22eからポンプ外部へ吐出されずに、潤滑油ポンプ22内を循環することとなっていた。この潤滑油ポンプ22内を循環する潤滑油は十分な冷却がなされないので、温度が高くなってしまっていた。しかし、本例においては、調圧弁20により調圧されたリリーフオイルを、ギアケース23外部へ排出し拡散するようにしているので、高圧室16内の潤滑油が潤滑油ポンプ22内を循環することがなくなり、潤滑油温度を低下させることが可能となっている。また、調圧弁20は、潤滑油ポンプ22の蓋部材13に内装されているので、該調圧弁20のメンテナンスが行い易くなっている。尚、以降、調圧弁20からのリリーフオイルを低圧側へ戻す構成を「内部リリーフ方式」と呼び、調圧弁20からのリリーフオイルを潤滑油ポンプ22外部へ放出する構成を「外部リリーフ方式」と呼ぶ。
【0019】
しかし、以上のように、リリーフオイルを外部放出する外部リリーフ方式に構成した場合には、内部リリーフ方式に構成していた場合に比べて圧力変動が大きく、キャビテーションが発生することにより、発生する騒音が大きくなってしまう。即ち、潤滑油が温まった状態の暖態時においては、内部リリーフ方式に構成した場合によりも大きな騒音が発生し、潤滑油が温まっていない状態の冷態時においては、内部リリーフ方式に構成した場合にはなかった騒音が発生してしまう。従って、以下に、リリーフオイルを外部に排出して潤滑油の温度を低下させる外部リリーフ方式を採用しつつ、騒音の低減をも図ることを可能とした潤滑油ポンプ22の構成について説明する。
【0020】
潤滑油ポンプ22の実施例2においては、図4に示すように、調圧弁20にて調圧されたリリーフオイルは、通油路30aを通じてギアケース23の外部に排出されるとともに、通油路30bを通じてポンプの吸い込みポート22d側の低圧室17側へ戻されるように構成している。この場合、リリーフオイルの一部を低圧室17に戻し、残りのリリーフオイルをギアケース23外部へ排出するようにしている。即ち、潤滑油ポンプ22を外部リリーフ方式に構成しつつ、内部リリーフ方式にも構成している。このように、リリーフオイルを外部排出する外部リリーフ方式に構成することで潤滑油温度の低下を実現することができる。また、リリーフオイルを低圧室17に戻す内部リリーフ方式に構成することによって、圧力変動及び吸入負圧が減少し、キャビテーションの発生が防止されるため、騒音が低減するとともに、潤滑油ポンプ22の吸入負担を軽減することができる。
【0021】
また、潤滑油ポンプ22は、次のように構成することもできる。図5に示すように、潤滑油ポンプ22の実施例3においては、図2、図3の外部リリーフ方式に構成した潤滑油ポンプ22の蓋体13に、圧力逃がし孔31を形成したものである。圧力逃がし孔31は、高圧室16と低圧室17との間における、インナーロータ22bとアウターロータ22cとの通過部分である、圧縮過程部22fに設けられた開口部であり、高圧室16と低圧室17との中間部分における潤滑油圧をポンプ外部へ逃がすように構成している。このように、高圧室16と低圧室17との中間部分の潤滑油圧を、ポンプ外部へ逃がす圧力逃し穴31を蓋体13に形成することで、潤滑油の圧力変動を小さくして、キャビテーションの発生を防止することができる。これにより、外部リリーフ方式に構成して潤滑油温度の上昇を防ぎながら、暖態時においては、発生する騒音を、内部リリーフ方式の場合と同等以下に低減することができる。
【0022】
また、潤滑油ポンプ22は、次のように構成することもできる。図6に示す潤滑油ポンプ22の実施例4においては、図2、図3の外部リリーフ方式に構成した潤滑油ポンプ22における、低圧室17と高圧室16との間の圧縮過程部22fと、高圧室16とを連通する連通孔32を蓋体13に形成している。このように、連通孔32を形成することで、低圧室17と高圧室16との間の圧縮過程部22fへ、高圧室16内の潤滑油が連通孔32を通じて徐々に流入し、圧縮過程部22f内の圧力が上昇して両者の圧力バランスをとることができる。これにより、圧縮過程部22f内の潤滑油が高圧室16側へ移行する際に、急激に圧力が上昇することを防いで、圧力変動(油圧脈動)を小さくすることができる。
【0023】
このように構成することで、潤滑油温度を低下させつつ、暖態時においては内部リリーフ方式に構成した場合と同等以下に騒音を低減することができ、冷態時においては内部リリーフ方式に構成した場合には発生しなかった騒音を消すことができる。尚、連通孔32は、図6に示したような溝形状に形成して造形を容易としているが、蓋体13に穿設孔を形成して構成することもできる。また、連通孔32は、ギアケース23側に形成することも可能である。
【0024】
さらに、潤滑油ポンプ22は、次のように構成することもできる。潤滑油ポンプ22の実施例5においては、図7に示す内部リリーフ方式の潤滑油ポンプ22において、前述の図6に示した、圧縮過程部22fと高圧室16とを連通する連通孔32を形成したものである。このように構成することで、リリーフオイルを低圧室17に戻して潤滑油ポンプ22の吸入負担を軽減することによる騒音の低減と、連通孔32にて圧縮過程部22fと高圧室16との圧力バランスをとることによる、暖態時及び冷態時での騒音低減とを、実現することが可能となる。
【0025】
また、潤滑油ポンプ22は、次のように構成することもできる。潤滑油ポンプ22の実施例6においては、外部リリーフ方式と内部リリーフ方式とを併用した、前述の実施例2の潤滑油ポンプ22において、前述の図6に示した、圧縮過程部22fと高圧室16とを連通する連通孔32を形成したものである。このように構成したことで、外部リリーフ方式の構成により潤滑油温度を低下させつつ、連通孔32によって、暖態時及び冷態時での騒音低減とを図ることができ、さらに、内部リリーフ方式の構成による、潤滑油ポンプ22の吸入負担を軽減することができる。
【0026】
即ち、ギアケースに潤滑油ポンプを内装するエンジンにおいて、前記潤滑油ポンプの高圧側圧力を調圧する調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装し、前記調圧弁にて調圧されたリリーフオイルをギアケース外部に排出することにより、潤滑油が潤滑油ポンプ内を循環することがなくなり、潤滑油温度を低下させることができたのである。また、調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装したので、調圧弁のメンテナンスが行い易いのである。
【0027】
また、ギアケースに潤滑油ポンプを内装するエンジンにおいて、前記潤滑油ポンプの高圧側圧力を調圧する調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装し、前記調圧弁にて調圧されたリリーフオイルをギアケース外部に排出するとともに、該リリーフオイルの一部を潤滑油ポンプの低圧側に戻すよう構成したことにより、リリーフオイルをギアケース外部に排出する外部リリーフ方式の構成により潤滑油温度の低下を実現することができる。また、リリーフオイルを低圧室に戻す内部リリーフ方式の構成により、圧力変動及び吸入負圧が減少し、キャビテーションの発生が防止されるため、騒音が低減するとともに、潤滑油ポンプの仕事及び吸入負担を軽減することができる。また、調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装したので、調圧弁のメンテナンスが行い易いのである。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0029】
請求項1に示す如く、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したので、該圧縮過程部へ、高圧室内の潤滑油が連通孔を通じて徐々に流入することとなり、圧縮過程部内の圧力が上昇して、両者の圧力バランスをとることができる。
これにより、圧縮過程部内の潤滑油が高圧室側へ移行する際に、急激に圧力が上昇することを防いで、圧力変動(油圧脈動)を小さくすることができる。
従って、外部リリーフ方式の構成により潤滑油温度の上昇を防ぎながら、暖態時においては内部リリーフ方式に構成した場合と同等以下に騒音を低減することができ、冷態時においては内部リリーフ方式にはなかった騒音を消すことができた。
また、調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装したので、調圧弁のメンテナンスが行い易いのである。
【0030】
請求項2に示す如く、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、別の通油路(30b)を通じて吸い込みポート(22d)側の低圧室(17)側へ戻すように構成し、更に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したので、リリーフオイルを低圧室に戻して潤滑油ポンプの吸入負担を軽減することによる騒音の低減と、連通孔にて圧縮過程部と高圧室との圧力バランスをとることによる、暖態時においては内部リリーフ方式に構成した場合と同等以下に騒音を低減することができ、冷態時においては内部リリーフ方式にはなかった騒音を消すことができるといったような、暖態時及び冷態時での騒音低減とを、実現することが可能となる。
また、調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装したので、調圧弁のメンテナンスが行い易いのである。
【0031】
請求項3に示す如く、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)から調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルの一部は、別の通油路(30b)を通じて、吸い込みポート(22d)側の低圧室(17)側へ戻すように構成し、更に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したので、外部リリーフ方式の構成により潤滑油温度を低下させつつ、連通孔によって、暖態時においては内部リリーフ方式に構成した場合と同等以下に騒音を低減することができ、冷態時においては内部リリーフ方式にはなかった騒音を消すことができるといったように、暖態時及び冷態時での騒音低減とを図ることができる。
さらに、内部リリーフ方式の構成により、潤滑油ポンプの仕事及び吸入負担を軽減し、騒音低減を図ることができる。
また、調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装したので、調圧弁のメンテナンスが行い易いのである。
【0032】
請求項4に示す如く、ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)に、圧力逃し孔(31)である開口部を形成したので、潤滑油の圧力変動を小さくして、キャビテーションの発生を防止することができる。
これにより、外部リリーフ方式の構成により潤滑油温度の上昇を防ぎながら、暖態時においては、発生する騒音を、内部リリーフ方式の場合と同等以下に低減することができる。
また、調圧弁を潤滑油ポンプの蓋部材に内装したので、調圧弁のメンテナンスが行い易いのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の潤滑装置としての潤滑油ポンプが内装されるエンジンの側面断面図。
【図2】 実施例1の潤滑油ポンプを示す正面図であり、(a)は蓋体を取り外した状態の潤滑油ポンプを示す図で、(b)は蓋体を取り付けた状態の潤滑油ポンプを示す図である。
【図3】 調圧弁を示す側面断面図である。
【図4】 実施例2の潤滑油ポンプを示す正面図である。
【図5】 実施例3の潤滑油ポンプの蓋体を示す正面図である。
【図6】 実施例4の潤滑油ポンプケースの蓋体を示す正面図である。
【図7】 内部リリーフ方式に構成した従来の潤滑油ポンプを示す正面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
13 蓋体
16 高圧室
17 低圧室
20 調圧弁
22 潤滑油ポンプ
22a 潤滑油ポンプケース部
22b インナーロータ
22c アウターロータ
22d 吸い込みポート
22e 吐出ポート
23 ギアケース
31 圧力逃し孔
32 連通孔
Claims (4)
- ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
- ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、別の通油路(30b)を通じて吸い込みポート(22d)側の低圧室(17)側へ戻すように構成し、更に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
- ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)から調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルの一部は、別の通油路(30b)を通じて、吸い込みポート(22d)側の低圧室(17)側へ戻すように構成し、更に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)と、高圧室(16)とを連通する連通孔(32)を蓋体(13)に形成したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
- ギアケース(23)に潤滑油ポンプ(22)を内装し、前記潤滑油ポンプ(22)の高圧側圧力を調圧する調圧弁(20)を該潤滑油ポンプ(22)の蓋体(13)に内装し、潤滑油は潤滑油ポンプ(22)の吸い込みポート(22d)から吸入され、高圧室(16)を通じて吐出ポート(22e)に吐出されるエンジンの潤滑装置において、該吐出ポート(22e)の直前に調圧弁(20)を配置し、該調圧弁(20)にて調圧されたリリーフオイルは、蓋体(13)に設けた通油口(30)からギアケース(23)に形成された排出口を経て、ギアケース(23)外部に排出すると共に、前記潤滑油ポンプ(22)における低圧室(17)と高圧室(16)との間の圧縮過程部(22f)に、圧力逃し孔(31)である開口部を形成したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
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