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JP4435199B2 - プリズムシート、面光源装置、及び、透過型表示体 - Google Patents

プリズムシート、面光源装置、及び、透過型表示体 Download PDF

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Description

この発明は、透過型の液晶表示装置、広告板等の透光性表示体を背面から照明する際に用いるバックライト面光源に用いて好適な背面拡散型のプリズムシート、前記シートを用いた面光源装置、透過型表示体に関する。
近年の液晶表示装置においては、低消費電力化、薄型及び軽量化の必要に応じて、該液晶表示装置を背面から照明するための面光源装置も当然薄型軽量化が要求されると共に、低消費電力化のために光源からの光を有効に利用して、光源での低消費電力化が図られている。
このような要請に基づいて、例えば特開昭60−70601号公報、特開平2−84618号公報、実開平3−69184号公報、特開平7−191319号公報等に開示されるように、面光源からの光を特定の方向(多くの場合、出光面の法線方向)に集光するようにしたものが提案されている。
透過型液晶表示装置等に用いる面光源装置としては、エッジライト型及び直下型がある。
エッジライト型面光源装置は、通常、透明なアクリル樹脂等の板状の導光体の一側端面から光源光を入射し、該導光体の一方の表面である出光面からの光を導き、ここから、液晶パネル等の背面に光を出射するようにしている。
この場合、光利用効率を向上させるために、前記導光体の出光面と反対側の面に光反射板あるいは光反射膜を設け、又、出射光を均一化させるために、導光体の出光面側に光拡散作用のある拡散シートを設けることが多い。
又、直下型の面光源装置は、通常、光源光を反射板によって液晶パネル等の背面に反射し、その出光面側に拡散シートを配置して、光源形状が人間の目により識別できないように出光を拡散させている。
更に、前記のようなエッジライト型あるいは直下型の面光源装置においては、前述の如く、面光源からの光を特定の方向に集中して出光させるために、透光性基材の表面側に単位プリズムあるいは単位レンズを複数配列したプリズムシート(レンズフィルム)を配置したものがある。
このプリズムシートの使用形態は、単位プリズム又は単位レンズが形成された側(プリズム面)の、光源側に対するセット方向、複数のプリズムシートの組合せ等が種々提案されている。
いずれにしても、上記のようなプリズムシートは、プリズム面と反対側の面(裏面)が平滑面とされている。
上記のようなプリズムシートは、導光体、拡散シート、他のプリズムシート等を組合せた場合、面光源からの光による明暗の繰り返し模様が観察されて、これが、例えば液晶表示装置に用いた場合に、各画素から形成される画像を乱してしまうという問題点があった。
これに対して、例えば特開平7−151909号公報に開示されるように、上記明暗の繰り返し模様は、例えば2枚のプリズムシートを用いた場合、一方のプリズムシートのプリズム面と他方のプリズムシートの平滑面との間に、外部光源により発生する干渉縞であるとして、これを解消する方法が提案されている。
しかしながら、本発明者が確認したところ、外部光源からの光が侵入しないようにした暗室でも、面光源装置に明暗の繰り返し模様が観察された。
即ち、本発明者は、外部光源光によらず、面光源光によって干渉縞が発生し、且つ、この干渉縞が、プリズムシートの平滑面と導光板平滑面、拡散板平滑面又は他のプリズムシートの平滑面との間で発生することを確認した。
これに対して、上記特開平7−151909号公報に開示されるように、プリズムシートの平滑面に特定条件を満たす微小凹凸を形成する方法も考えられるが、この場合、面光源からの光を特定の方向、例えば出光面の法線方向に集光して輝度を向上させるというプリズムシート本来の機能が低下してしまうという問題点がある。
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、出光面側の輝度低下を伴うことなく、干渉縞の発生を抑制できるようにした背面拡散型のプリズムシート、そのプリズムシートを用いた面光源装置及び透過型表示体を提供することを課題とする。
この発明は、プリズムシートの、プリズム面と反対側の面を導光板平滑面等と隣接して配置したときに発生する干渉縞が、内部光源(面光源)からの光によるものであるという知見に基づくものであり、請求項1記載のように、透光性基材の表面に単位プリズム及び単位レンズの少なくとも一方を複数配列し、裏面を透光性材料からなるコーティング層により覆ったプリズムシートにおいて、前記コーティング層を透光性樹脂及びこの透光性樹脂中に分散され、これより比重の小さい透光性ビーズから構成するとともに、前記透光性ビーズを、前記透光性樹脂との比重差により、前記コーティング層における透光性基材と反対側の表面により多く偏在させ、該表面から突出する多数の微小丘状突起を設けることにより、該微小丘状突起が、他の透光性材料の平滑面と接触して配置した場合の、該平滑面と前記表面との間に発生する隙間が1μm以上となるようにし、前記微小丘状突起の少なくとも一部を粒径が1〜10μmの透光性ビーズから構成するとともに、前記微小丘状突起を構成する材料の屈折率と、この微小丘状突起と接触するコーティング層の材料の屈折率との比を0.9〜1.1となるようにしたプリズムシートにより上記課題を解決するものである。
又、面光源装置に係る発明は、請求項2のように、透光性材料からなる板状体であって、少なくとも一側端面から導入された光を一方の面である光放出面から出射するようにされた導光体と、この導光体の少なくとも前記一側端面から内部に光を入射させる光源と、コーティング層を備え、前記導光体における前記光放出面側に設けられ、該光放出面から出射される光が前記コーティング層側から入射されるプリズムシートと、を有してなり、前記プリズムシートは、透光性基材の表面に単位プリズム及び単位レンズの少なくとも一方を複数配列し、裏面を透光性材料からなるコーティング層により覆ってなり、前記コーティング層を透光性樹脂及びこの透光性樹脂中に分散され、これより比重の小さい透光性ビーズから構成するとともに、前記透光性ビーズを、前記透光性樹脂との比重差により、前記コーティング層における透光性基材と反対側の表面により多く偏在させ、該表面から突出する多数の微小丘状突起を設けることにより、該微小丘状突起が、前記導光体の平滑面と接触して配置した場合の、該平滑面と前記表面との間に発生する隙間が1μm以上となるように構成するとともに、前記微小丘状突起を構成する材料の屈折率と、この微小丘状突起と接触するコーティング層の材料の屈折率との比を0.9〜1.1としたことを特徴とする面光源装置により、上記目的を達成するものである。
透過型表示体に係る発明は、請求項のように、平面状の透光性表示体と、この透光性表示体の背面に配置され、出射光より該透光性表示体を背面から照射する、請求項2に記載の面光源装置と、を備えた透過型表示体により、上記目的を達成するものである。
本発明は上記のように構成したので、プリズムシートに発生する、外部光によらない干渉縞を解消することができると共に、このプリズムシートを用いた面光源装置及び透過型表示体において、干渉縞が観察されない良質な画像を得ることができるという優れた効果を有する。
又、本発明によれば、透光性ビーズを、コーティング層の表面近傍に偏在させているので、使用する透光性ビーズの割合が少なくて、無駄がなく効率的であるとともに、コーティング層全体の光透過率の低下を抑制することができるという効果を有する。
又、比重差により透光性ビーズを表面に浮き出し、容易確実に、透光性ビーズをコーティング層の表面近傍に偏在させることができるという効果を有する。
本発明によれば、プリズムシートにおけるプリズム面と反対側の裏面を覆うコーティング層に透光性ビーズを分散させて、1〜10μmの突出高さの多数の微小丘状突起を設ける際に、透光性ビーズを、コーティング層の表面近傍に偏在させているので、使用する透光性ビーズの割合が少なくて、無駄がなく効率的であると共に、コーティング層全体の光透過率の低下が抑制されると共に、光拡散層をプリズムシートのプリズム面と反対の裏面に形成した際に問題となる出光面の法線方向に集光して輝度を向上させるというプリズムシート本来の機能が低下してしまうという現象を抑制できる。
又、コーティング層は、透光性ビーズの比重を透光性樹脂の比重より小さくしたインキを透光性基材に塗布し、且つ、比重差により透光性ビーズを表面に浮き出した状態で固化、形成しているので、容易確実に、透光性ビーズをコーティング層の表面近傍に偏在させることができる。
プリズムシートの裏面は、微小丘状突起を有するコーティング層に覆われて、該裏面とこれと隣接する導光板の平滑面、拡散板平滑面、他のプリズムシート等の平滑面等との間に隙間が1μm以上となるようにされているので、前記裏面と導光板平滑面等との距離が直進光と反射光との間で干渉を生じないようにし、干渉縞又はニュートンリングの発生を防止する。
以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示されるように、本発明に係るプリズムシート10は、透明基材シート12の一方の面(図1、図2において上面)に三角柱形状の単位プリズム14を、その稜線14Aが平行になるように隣接して一次元方向に多数配列してプリズム面16を形成し、このプリズム面16と反対側の裏面側にはコーティング層18が設けられ、更に、このコーティング層18の表面には、該表面から突出する多数の微小丘状突起20が設けられている。
前記微小丘状突起20は、粒径が1〜10μmの透光性ビーズを含んで構成されている。
又、微小丘状突起20は、前記コーティング層18の表面にランダムな2次元分布状態で設けられている。
上記プリズムシート10を、そのコーティング層18側を、他の透光性材料22の平滑面22A、例えば導光板の平滑面、拡散シートの平滑面あるいは他のプリズムシートの平滑面と接触して配置すると、従来においては、前述の如く、該導光板等の方向からの面光源光により干渉縞が発生したが、この本発明のプリズムシート10においては、図2に示されるように、コーティング層18の表面から突出している微笑丘状突起20において、導光体等の透光性材料22における平滑面22Aに接触するので、該平滑面22Aとコーティング層18の表面との間には必ず隙間24が発生する。
このため、透光性材料22の平滑面22Aと反対側(図2において下側)から光が入射してきても、干渉縞が発生することがない。
ここで、前記微小丘状突起20に部分的に含まれる透光性ビーズの粒径を1μm以上としたのは、この高さを1μm未満にすると、前記隙間24の距離が面光源光(可視光)の波長に接近して色がついてしまうという問題点があり、更に1μm未満とすると、微小丘状突起20の材料としての透光性ビーズの量産が困難であり、且つ、この透光性ビーズをコーティング層18を構成するバインダー(後述)に分散することが困難になるという問題点を避けるためである。更に、透光性材料からの光がエバネッセント波として直接コーティング層18に入り込んでしまい、面内で均一な輝度を保てなくなる問題点を避けるためでもある。
又、透光性ビーズの粒径を10μm以下としたのは、隙間24が10μmよりも大きくなると、面光源からの光を特定の方向、例えばプリズム面16側の出光面の法線方向に集光する作用が大きく低下してしまうことを避けるためである。
前述のように、前記微小丘状突起20は、コーティング層18の表面において2次元的にランダム分布され、周期的に配列されていない。
仮に、微小丘状突起20が、コーティング層18において周期的に配列されていて、その周期が単位プリズム14の配列周期と重なるとモアレ縞が発生してしまう。
又、例えばカラー液晶表示装置のバックライトの出光面側に、上記のようなプリズムシートを設けた場合、微小丘状突起20が周期的に配列されていると、同様に、液晶表示装置の画素の配列周期と重なり合うことによってモアレ縞が発生する恐れがある。
この発明に係るプリズムシート10においては、微小丘状突起20が2次元的にランダム配置されているので、上記のようなモアレ縞の発生が防止される。
前記プリズムシート10を構成する透明基材シート12、単位プリズム14、微小丘状突起20を形成する透明な材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー及び/又はアクリレート系のモノマー等からなる電離放射線硬化性樹脂を、紫外線又は電子線等の電磁放射線で硬化させた樹脂等で透明性のよいものが用いられる。このような樹脂の場合、その屈折率が通常1.4〜1.6程度のものを用いる。又、樹脂以外でも、透明であればガラス、セラミクス等でもよい。
上記のような微小丘状突起20を含むコーティング層18は、微小丘状突起20の材料となる透光性ビーズを透光性樹脂(バインダー)に分散させた塗料(インキ)を、吹付け塗装、ロールコート等で塗工して、コーティング層18を形成すると共に、そのコーティング層18の塗膜表面に透光性微粒子の一部又は全部を突出させて、微小丘状突起20とする。
前記塗料(インキ)の一部を構成する透光性ビーズは、その比重がバインダーとなる前記透光性樹脂の比重より小さくなるように選択する。
又、上記塗料の塗工の際は、塗膜が重力により透明基材シート12の裏面に押付けられるようにする。例えば、図3に示されるように透明基材シート12を、図1、図2におけるとは逆向きで、裏面が上側となる状態で上記塗料を塗布する。
このように塗布すると、塗布直後は図3(A)に示されるように透光性ビーズが流動状態の塗布膜内に厚さ方向に偏りなく分散されているが、時間の経過(3〜60後)とともに、比重差により透光性ビーズが浮き出してきて、図3(B)に示されるように、コーティング層18の表面に集まり(偏在し)、一部が表面から突出して微小丘状突起20が形成される。
この状態で、紫外線、電子線、放射線等の透光性樹脂の種類に対応する硬化手段によりコーティング層18を硬化させればよい。
なお、インキの組成がトルエン、MEK(メチルエチルケトン)等の透光性ビーズの比重よりも小さな比重の溶剤を大量に含む熱硬化型インキの場合でも、透光性ビーズの比重が乾燥時に揮発する溶剤を透光性樹脂(バインダー)の比重よりも小さなことが本発明の必須の条件である。
熱硬化型インキの場合、透光性ビーズの比重よりもインキ中の透光性ビーズ以外の液状物質の混合体(透光性樹脂+溶剤)の比重の方が小さい場合が多いが、この場合、インキを透光性基材の重力方向とは反対側の面に、塗布することのよって形成されたコーティング層18の、コーティング直後の状態は、図3(A)に示されるように、透光性樹脂(バインダー)中に分散された状態となっているが、コーティング後の乾燥工程によって、溶剤が揮発することによって、時間の経過(通常、3秒〜300秒)と共に、前記混合体(透過性樹脂+溶剤)の溶剤成分が揮発することによって、透光性ビーズの比重が透光性樹脂の比重より小さいために、図3(B)に示されるように、コーティング層18の表面に透光性ビーズの一部が突出し、これによって微小丘状突起20が形成されることになる。
ここで、微小丘状突起20の材料としての透光性微粒子は、直径が1〜10μmのポリメタクリル酸メチル(アクリル)系ビーズ、ポリメタクリル酸ブチル系ビーズ、ポリカーボネイト系ビーズ、ポリウレタン系ビーズ、炭酸カルシウム系ビーズ、シリカ系ビーズ等が用いられる。又、微小丘状突起20の材料としての透光性微粒子の直径とは、1μm以上の粒子の直径の平均値を言う。
前記コーティング層18を形成するバインダー樹脂としては、アクリル、ポリスチレン、ポリエステル、ビニル重合体等の透明な材料が用いられるが、微小丘状突起20を形成する透光性微粒子の屈折率と、バインダー樹脂の屈折率との比が0.9〜1.1の範囲となることが好ましく、更に、透光性微粒子の濃度はバインダー樹脂分の2〜15%が好ましい。
上記屈折率の比0.9〜1.1の範囲は、この屈折率の比が上記範囲外となると、コーティング層18の表面から入射した面光源光を特定の方向、例えば出光面の法線方向に集光して輝度を向上させるという、プリズムシート本来の作用が著しく低下してしまうことから決定される。
更に、前記コーティング層18の厚さは、微小丘状突起20の突出高さを除き、1〜20μmの範囲にすることが望ましい。
これは、コーティング層18の厚さが1μm未満になると、微小丘状突起20の材料となる透光性微粒子を透明基材シート12の裏面に固定することが不可能となり、20μm以上になると光透過率が低下し、前述のような、プリズムシートの本来の輝度向上作用が著しく低下してしまうからである。
上記プリズムシート10の製造方法として、単層構成のプリズムシート(コーティング前の中間シート)は、例えば特開昭56−157310号公報に開示されているような熱可塑性樹脂の熱プレス法や、射出成形法、紫外線や熱による硬化性樹脂の注型成形等により製造することができる。
又、上記のような中間シートの他の製造方法としては、例えば特開平5−1699015号公報に開示されているような、所望のレンズ配列の形状に対して逆形状の凹部(正確には凹凸形状)を有するロール凹版に電離放射線硬化性樹脂液を充填し、これに透光性基材シート12を重ねて、そのまま紫外線や電子線等の電離放射線を透明基材シート側から照射して、電離放射線硬化性樹脂液を硬化させ、その後、透明基材シートを硬化した樹脂と共にロール凹版から剥離することにより、硬化した電離放射線硬化性樹脂液が、所望の形状のレンズ配列となって透明基材シート上に形成するものがある。なお、前記プリズムシート10の総厚は、通常20〜1000μm程度とする。
上記プリズムシート10において、プリズム面16は複数の三角柱形状の単位プリズム14を平行に配列して構成されたものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、図4に示される半円柱形状の単位プリズム15Aを設けたプリズムシート10A、図5に示される断面がサインカーブ状の単位プリズム15Bを設けたプリズムシート10B、図6(A)に示される断面が台形状の単位プリズム15Cを設けたプリズムシート10C、図6(B)に示される断面が、先端において円又は楕円、両側において傾斜直線となる形状の単位プリズム15Dを設けたプリズムシート10Dのように、柱状の単位プリズムを、その軸線が1次元方向に平行となるように隣接して配列したものであってもよい。
又、単位プリズムの断面は、半円形あるいはサインカーブ状に限定されるものでなく、カーオイド、ランキンの卵形、サイクロイド、リンボリュート直線、三角形以外の多角形としてもよい。
更に、図7に示されるように、例えば半球状の各々が独立して突起した単位レンズ15Eを2次元方向に配列してなる、いわゆるハエの目レンズ等を備えたプリズムシート10Eとしてもよい。
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態の例に係る面光源装置30について説明する。
この面光源装置30は、前記図1に示されるプリズムシート10を光放出面側に設けたものであり、透光性材料からなる板状体であって、図8において左側の側端面32Aから導入された光を、上側の光放出面32Bから出射するようにされた導光体32と、この導光体32の前記側端面32Aに沿って、これと平行に配置され、該側端面32Aから前記導光体32内に光を入射させる線状の光源34と、前記導光体32における、光放出面32Bと反対側の面、左側の側端面32A以外の側端面を覆うようにして配置され、これらの面から出射する光を反射して、導光体32内に戻すための光反射板36とを備えて構成されている。
前記プリズムシート10のコーティング層18は、前記導光体32の光放出面32Bに接触した状態で配置されている。なお、通常、前記導光体32は、光放出面32Bを窓とした収納筐体(図示省略)内に収納されている。
前記導光体32は、その材料として、前記プリズムシート10の材料と同様の透光性材料から選択されるが、通常は、アクリル又はポリカーボネート樹脂が用いられる。又、導光体32の厚さは、通常1〜10mm程度であり、前記線状光源34側の側端面32Aの位置で最も厚く、ここから反対方向に徐々に薄くなるテーパ形状とされている。
この導光体32は、光を広い面(光放出面32B)から出射させるために、その内部又は表面に光散乱機能が付加されている。前記線状の光源34は、蛍光灯が、光放出面32Bにおける均一の輝度を得る上で好ましい。
又、この面光源装置30において、導光体32内に光を入射させる光源としては、線状光源に限定されるものでなく、白熱電球、LED(発光ダイオード)等の点光源をライン状に配置してもよい。又、小形の平面蛍光ランプを側端面32Aに沿って複数個配置するようにしてもよい。
図8に示される面光源装置30においては、導光体32の光放出面32Bに、プリズムシート10がそのコーティング層18から突出した微小丘状突起20を介して接触するので、前述の如く、コーティング層18表面と光放出面32Bとの間の位置で干渉縞が発生することが防止される。従って、透過型液晶表示装置等の面光源として、良好な発光面を形成することができる。
なお、例えば導光体32を、その厚さが均一な板状として、前記側端面32Aと反対側の側端面側にも線状光源を設け、ここからも光を導くようにしてもよい。このようにすると、プリズム面16が更に高輝度となると共に、該プリズム面16における輝度分布の均一性を向上させることができる。
次に、図9を参照して、直下型の面光源装置40について説明する。
この面光源装置40は、前記図1に示されるプリズムシート10の裏面側のコーティング層18に沿って、光拡散シート42を配置すると共に、光源34からの光を、凹面上の光反射板44により反射させ、及び直接に、前記光拡散シート42からプリズムシート10に光を放出するようにされたものである。
この面光源装置40においても、前述の面光源装置30と同様に、プリズムシート10のコーティング層18表面と光拡散シート42との距離が、微小丘状突起20によって規制されるので、両者間での干渉縞が発生することがない。
前記光反射板36、44は、薄い金属板にアルミニウム等を蒸着したもの、あるいは白色の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。
又、直接型の面光源装置40における光反射板44の形状は、線状の光源34からの光を平行光線として均一に反射できるものであればよく、凹円弧状、放物面柱状、双曲線柱状、楕円柱状等の形状が選択される。
上記面光源装置30は、導光体32の光放出面32Bに、プリズムシート10のコーティング層18が直接配置されているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば図10に示される面光源装置30Aのように、プリズムシート10と光放出面32Bとの間に光拡散シート46を配置するようにしてもよい。
又、上記プリズムシート10は、いずれもコーティング層18が光入射側に向けて配置されているが、これは、例えば図11、図12に示される面光源装置30B、40Aのように、単位プリズム14側を導光体32の光放出面32B又は光反射板44側に向けて配置するようにしてもよい。
又、上記面光源装置30、30A、30B、40、40Aは、いずれも1枚のプリズムシート10を用いるものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、図13〜図16に示されるように、2枚あるいは3枚以上のプリズムシートを重ねて用いるようにしてもよい。
図13の面光源装置50Aは、前記図8に示される面光源装置30における、導光体32の光放出面32Bとプリズムシート10との間に、該第2のプリズムシート52を配置したものである。
この第2のプリズムシート52は、基本的には、前記プリズムシート10と同一構成であるが、コーティング層側に微小丘状突起が設けられることがなく、従来と同様の平滑面とされている。
又、この第2のプリズムシート52における単位プリズム54の稜線54Aは、前記プリズムシート10における単位プリズム14の稜線14Aと直交する方向に配置されている。
この面光源装置50Aの場合、第2のプリズムシート52のプリズム面と反対側の平滑面位置で、導光体32の光放出面32Bとの間で干渉縞が発生するが、これは、その上側をプリズムシート10で覆うことによって、外側からは干渉縞を観測することができなかった。
図14に示される面光源装置50Bは、図13構成を直下型としたものであり、同図13及び図9におけると同一部分に同一符号を付することにより、説明を省略するものとする。
又、上記のようなプリズムシートを2枚重ねとした面光源装置50A、50Bは、第2のプリズムシート52がいずれも光出射面側に単位プリズム54を向けて配置されているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば図15、図16に示される面光源装置50C、50Dのように、第2のプリズムシート52の単位プリズム54を導光体32あるいは光拡散シート46側に向けて配置するようにしてもよい。
これら図15、図16においては、前記図13、図14と同一部分には同一符号を付することにより、説明を省略するものとする。
次に、図17に示される、本発明による液晶表示体の実施の形態の例に係る液晶表示装置60について説明する。
この液晶表示装置60は、前記図8、図10、図11、図13又は図15に示されるような面光源装置50の出光面側に、液晶パネル62を配置したものである。
この液晶表示装置は、透過型であり、液晶画面を形成する各画素を前記面光源装置50からの出射光によって裏側から照明される。
この液晶表示装置60においては、前述の如く、面光源装置50からの照明光中に干渉縞がないので、良好な画像を形成することができる。又、プリズムシート10のコーティング層18表面と、これと対向する導光体32、光拡散シート、他のプリズムシートの平滑面との距離が前述の如く10μm以下であるので、プリズムシート10の例えば法線方向への集光性能が低下されることがなく、良好な輝度を得ることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
プリズムシート10は、透明な2軸延伸PETフィルム(膜厚125μm)上に、透明な接着層を約1μmになるように塗布し、この上に単位プリズムのパターンを形成させるエポキシアクリレートのプレポリマーを主成分とする紫外線硬化樹脂を塗布して、樹脂塗膜を硬化(固化)後に型を離形することにより、ピッチ30μmで、単位プリズム形状断面が頂角85°の二等辺三角形で、稜線14Aが互いに平行になるように、隣接して配列されたものを用いる。この、単位プリズム14が形成された透明基材シート12の、プリズム面16と反対側面(裏面)に、次のような要領で微小丘状突起20を形成した。
微小丘状突起20の材料としての透光性ビーズは、平均粒径5μm、比重が1.19の架橋アクリル樹脂(n=1.49)、バインダーとしては比重が1.26ポリエステル樹脂(n=1.55)からなる塗料を塗布する。
具体的には、上記透光性ビースを上記バインダー樹脂分の8%入れたインキを、MEK:トルエン=1:1の溶剤で希釈し、その粘度をザーンカップ粘度計#3で27秒とした。
このインキを、単位プリズム14が形成された透明基材シート12の裏面にスリットリバースコーティング法により塗布し、その後溶剤を乾燥させて塗膜を固化させた。
この乾燥した塗膜には、JISB0601での10点平均粗さRz=3μmの微小丘状突起20が、平均間隔d=30μmで2次元的にランダムな配列で形成されていた。
このようにして形成されたプリズムシート10を暗室で、例えば導光体32の光放出面に接触させた状態で、暗室内で観察したところ、干渉縞を観察することがなかった。
透光性ビーズの平均粒径を種々に変更して、上記と同様なプリズムシート10を形成して、これを、前記図8〜図16に示されるような面光源装置に組み込んで暗室で観察したところ、次の表1のようになった。
Figure 0004435199

その結果、表1における比較例1及び2の場合にのみ干渉縞を観察した。
又、表1の実施例1のプリズムシート1枚と、表面側が頂角90°の2等辺三角形柱状の単位プリズムで裏面平滑のプリズムシートとを、図13のように組み込んだところ、表2のような結果になった。
Figure 0004435199

本発明の実施の形態の例に係るプリズムシートの一部を拡大して示す斜視図 同プリズムシートの一部を更に拡大して示す断面図 本発明に係るプリズムシート製造方法によるコーティング層形成過程を示す断面図 プリズムシートの実施の形態の第2例を示す斜視図 同実施の形態の第3例を示す斜視図 同実施の形態の第4例を示す斜視図 同実施の形態の第5例を示す斜視図 本発明の実施の形態の例に係る面光源装置の要部を示す斜視図 面光源装置の実施の形態の第2例を示す斜視図 同面光源装置の実施の形態の第3例を示す略示断面図 同実施の形態の第4例を示す略示断面図 同実施の形態の第5例を示す略示断面図 同実施の形態の第6例の要部を示す斜視図 同実施の形態の第7例の要部を示す斜視図 同実施の形態の第8例の要部を示す斜視図 同実施の形態の第9例の要部を示す斜視図 本発明の実施の形態の例に係る液晶表示体を示す略示側面図
符号の説明
10、10A、10B、10C、10D、10E…プリズムシート
12…透明基材シート
14、15A、15B、15C、15D…単位プリズム
14A、54A…綾線
15E…単位レンズ
16…プリズム面
18…コーティング層
20…微小丘状突起
22…透光性材料
22A…平滑面
24…隙間
30、30A、30B、40、40A、
50、50A、50B、50C、50D…面光源装置
32…導光体
32A…側端面
32B…光放出面
34…線状光源
36、44…光反射板
42、46…光拡散シート
52…第2のプリズムシート
54…単位プリズム
60…液晶表示装置

Claims (3)

  1. 透光性基材の表面に単位プリズム及び単位レンズの少なくとも一方を複数配列し、裏面を透光性材料からなるコーティング層により覆ったプリズムシートにおいて、
    前記コーティング層を透光性樹脂及びこの透光性樹脂中に分散され、これより比重の小さい透光性ビーズから構成するとともに、前記透光性ビーズを、前記透光性樹脂との比重差により、前記コーティング層における透光性基材と反対側の表面により多く偏在させ、該表面から突出する多数の微小丘状突起を設けることにより、該微小丘状突起が、他の透光性材料の平滑面と接触して配置した場合の、該平滑面と前記表面との間に発生する隙間が1μm以上となるようにし、
    前記微小丘状突起の少なくとも一部を粒径が1〜10μmの透光性ビーズから構成するとともに、前記微小丘状突起を構成する材料の屈折率と、この微小丘状突起と接触するコーティング層の材料の屈折率との比を0.9〜1.1としたことを特徴とするプリズムシート。
  2. 透光性材料からなる板状体であって、少なくとも一側端面から導入された光を一方の面である光放出面から出射するようにされた導光体と、
    この導光体の少なくとも前記一側端面から内部に光を入射させる光源と、
    コーティング層を備え、前記導光体における前記光放出面側に設けられ、該光放出面から出射される光が前記コーティング層側から入射されるプリズムシートと、
    を有してなり、
    前記プリズムシートは、透光性基材の表面に単位プリズム及び単位レンズの少なくとも一方を複数配列し、裏面を透光性材料からなるコーティング層により覆ってなり、
    前記コーティング層を透光性樹脂及びこの透光性樹脂中に分散され、これより比重の小さい透光性ビーズから構成するとともに、前記透光性ビーズを、前記透光性樹脂との比重差により、前記コーティング層における透光性基材と反対側の表面により多く偏在させ、該表面から突出する多数の微小丘状突起を設けることにより、該微小丘状突起が、前記導光体の平滑面と接触して配置した場合の、該平滑面と前記表面との間に発生する隙間が1μm以上となるように構成するとともに、前記微小丘状突起を構成する材料の屈折率と、この微小丘状突起と接触するコーティング層の材料の屈折率との比を0.9〜1.1としたことを特徴とする面光源装置。
  3. 平面状の透光性表示体と、この透光性表示体の背面に配置され、出射光により該透光性表示体を背面から照射するようにされた、請求項2記載の面光源装置と、を備えてなる透過型表示体。
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