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JP4428993B2 - ディスクアレイ装置及びディスクアレイ装置の制御方法 - Google Patents

ディスクアレイ装置及びディスクアレイ装置の制御方法 Download PDF

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JP4428993B2 JP2003397764A JP2003397764A JP4428993B2 JP 4428993 B2 JP4428993 B2 JP 4428993B2 JP 2003397764 A JP2003397764 A JP 2003397764A JP 2003397764 A JP2003397764 A JP 2003397764A JP 4428993 B2 JP4428993 B2 JP 4428993B2
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Description

本発明は、複数種類の記憶デバイスを利用可能なディスクアレイ装置及びディスクアレイ装置の制御方法に関する。
ディスクアレイ装置は、例えば、多数のディスクドライブをアレイ状に配設し、RAID(Redundant Array of Independent Inexpensive Disks)に基づいて構築されている。各ディスク装置が有する物理的な記憶領域上には、論理的な記憶領域である論理ボリューム(論理デバイス)が形成されている。ホストコンピュータは、ディスクアレイ装置に対して所定形式の書込みコマンド又は読出しコマンドを発行することにより、所望のデータの読み書きを行うことができる。
ディスクアレイ装置に記憶されたデータに対するアクセス制御を行う従来技術としては、特許文献1に記載のディスク制御方式が知られている。この方式では、RAIDシステム内の論理デバイス毎に、「リード及びライト共に可能」、「ライト不可」、「リード及びライト共に不可」という3種類のアクセス属性のうちいずれか1つを設定するようになっている。この方式では、論理デバイスに設定されたアクセス属性に従って、ホストコンピュータからのコマンドに対する応答や処理内容を違える。
特開2000−112822号公報
ところで、論理デバイスへのアクセス制御とは別に、論理デバイスに記憶されたデータの長期保存に対する市場要求が高まっている。例えば、企業や官公庁等の各組織では、電子メールデータ、契約書データ、文書データ等の様々な種類のデータを大量に管理しているが、これらのデータの中には、法律や社内規則等により一定期間の保存が義務づけられるものがある。データの種類等によっても相違するが、ある種のデータは、数年〜十数年(場合によってはそれ以上)の期間保存しなければならない。
そこで、システム管理者は、長期保存が要求されたデータをアーカイブ化し、管理している。システム管理者は、監査機関等からの要求があった場合は、長期保存データをディスクアレイ装置内から探し出して提供する。従って、様々な種類の大量のデータを長期間保存するためには、どのデータをどの記憶領域に記憶させたのか等を、システム管理者が管理する必要があり、長期保存データの管理運用やメンテナンス等に手間がかかる。
本発明の1つの目的は、データを簡易に管理運用することができるディスクアレイ装置及びディスクアレイ装置の制御方法を提供することにある。本発明の1つの目的は、上位装置側の環境が変化等した場合でも、データを長期間にわたって簡単に保存し管理等することができるディスクアレイ装置及びディスクアレイ装置の制御方法を提供することにある。本発明の他の目的は、後述する実施の形態の記載から明らかになるであろう。
上記課題を解決すべく、本発明に従うディスクアレイ装置は、上位装置との間のデータ授受を制御する上位アダプタと、上位アダプタから書き込まれるデータを記憶するキャッシュメモリと、キャッシュメモリにデータを書込み、またはキャッシュメモリからデータを読み出すように制御する記憶デバイスアダプタと、上位アダプタと記憶デバイスアダプタとによって制御情報が書き込まれる制御メモリと、記憶デバイスアダプタの制御の基で、データが書き込まれる複数種類の記憶デバイスと、記憶デバイスアダプタに実装されるデータ移動制御部とを備えている。そして、上位アダプタは、複数種類の記憶デバイスの格納領域に基づいて複数の論理デバイスを生成することにより、上位装置からのアクセス対象となるように制御するようになっており、データ移動制御部は、複数の論理デバイスに含まれる第1の論理デバイスへのアクセス動作を指定するアクセス制御コマンドを上位アダプタが受信した場合に、指定されたアクセス動作の内容に応じて、第1の論理デバイスに関連付けられたデータを、複数種類の記憶デバイスに含まれる信頼性の異なる複数の記憶デバイス間で移動させるように制御する。
上位装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、メインフレーム、携帯情報端末等として構成される。記憶デバイスは、例えば、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、半導体メモリ装置等のような記憶装置として構成される。それぞれ異なる属性を有する複数種類の記憶デバイスとしては、例えば、高性能な記憶デバイスと低性能な記憶デバイス、高速な記憶デバイスと低速な記憶デバイス、高信頼性を有する記憶デバイスと低信頼性の記憶デバイス、ディスクアレイ装置内部に設けられた記憶デバイスとディスクアレイ装置外部の他の記憶制御装置内に存在する記憶デバイス等を挙げることができる。
データ移動制御部は、例えば、記憶デバイスアダプタに設けることができる。または、例えば、記憶デバイスアダプタ及び上位アダプタの協働動作によりデータ移動制御部を実現することもできる。データ移動制御部は、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムとハードウェア回路との協働作業、またはハードウェア回路によって、それぞれ実現可能である。データ移動制御部は、上位装置からのアクセス制御コマンドが受信されると、複数種類の記憶デバイス間(例えば、信頼性の異なる記憶デバイス間)でデータを移動させる。アクセス制御コマンドとしては、例えば、書込み抑止コマンド(リードオンリー)、読み書き抑止コマンド(リード及びライト共に不可)のように、データ改竄防止機能を有するものを挙げることができる。これらのコマンドは、いずれも書込みが抑止されるので、データ改ざん防止に一定の効果を有する。ここで、アクセス制御コマンドは、記憶デバイスの記憶領域に基づいて生成された論理デバイス単位でアクセス動作を制御するように構成することができ、また、データ移動制御部は、論理デバイス単位でデータを移動させることができる。
データ移動制御部は、アクセス制御コマンドにより第1の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作が制限された場合は、当該データを第2の記憶デバイスに移動させることができる。
一方、データ移動制御部は、アクセス制御コマンドにより第2の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作の制限が解除された場合は、当該データを第1の記憶デバイスに移動させることができる。
このように、例えば、書込み抑止コマンドまたは読み書き抑止コマンドが上位装置から発せられた場合、これらのコマンドに応じて、データ移動制御部は、第1の記憶デバイスに記憶されているデータを第2の記憶デバイスに移動させる。一方、例えば、書込み抑止や読み書き抑止が解除された場合、データ移動制御部は、第2の記憶デバイスに移動させたデータを第1の記憶デバイスに復帰させる。従って、データのアクセス属性を指定するだけで、このデータの記憶位置を変更することができる。
あるいは、データ移動制御部は、アクセス制御コマンドにより第1の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作が制限された場合は、予め設定された所定時間が経過した場合に、当該データを第2の記憶デバイスに移動させることができる。
即ち、アクセス動作が制限された場合でも、所定時間だけ現在の記憶位置を維持させることにより、所定時間だけ現状のアクセス性を維持することができる。
または、アクセス制御コマンドは、アクセス動作の制限が相対的に大きい第1のアクセス制御コマンドと、アクセス動作の制限が相対的に小さい第2のアクセス制御コマンドとを含んでおり、データ移動制御部は、(1)第1のアクセス制御コマンドにより第1の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作が制限された場合は、当該データを第2の記憶デバイスに移動させ、(2)第2のアクセス制御コマンドにより第1の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作が制限された場合は、予め設定された所定時間が経過した場合に、当該データを第2の記憶デバイスに移動させる。
即ち、アクセス制御コマンドの種類に応じて、データ移動法を変えることができる。ここで、例えば、第1のアクセス制御コマンドは書込み及び読出し抑止コマンド、第2のアクセス制御コマンドは書込み抑止コマンドとすることができる。
また、第2の記憶デバイスが、上位側第2の記憶デバイスと下位側第2の記憶デバイスとを含む場合、データ移動制御部は、(1)第1のアクセス制御コマンドにより第1の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作が制限された場合は、当該データを下位側第2の記憶デバイスに移動させ、(2)第2のアクセス制御コマンドにより第1の記憶デバイスに記憶されたデータについてアクセス動作が制限された場合は、当該データを上位側第2の記憶デバイスに移動させ、予め設定された所定時間が経過した場合に、当該データを下位側第2の記憶デバイスに再移動させることができる。
ここで、例えば、第1の記憶デバイスを高性能、高信頼性または高速の記憶デバイスとして、上位側第2の記憶デバイスを中性能、中信頼性または中速の記憶デバイスとして、下位側記憶デバイスを低性能、低信頼性または低速の記憶デバイスとして、それぞれ構成することができる。データ移動制御部は、アクセス制御コマンドの種類に応じて、データ移動方法を変える。また、データ制御部は、所定のアクセス制御コマンドについては、複数回のデータ移動を行い、データの記憶位置を段階的に変化させる。
本発明の一態様では、制御メモリには、上位アダプタがアクセス制御コマンドを受信した場合にアクセス動作の制限内容を一時的に管理する管理テーブルが構築される。そして、データ移動制御部は、管理テーブルを参照することにより、データの移動を制御するようになっている。
本発明はディスクアレイ装置の制御方法として把握することもできる。また、本発明の全部または一部はコンピュータプログラムとして構成することができる。このコンピュータプログラムは、例えば、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、半導体メモリ装置等の記憶媒体に記憶されて流通可能であるほか、インターネット等の通信ネットワークを介して流通させることもできる。
以下、図1〜図12に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、論理デバイスへのアクセス属性制御と、論理デバイスの移動制御とを協働させることにより、簡易なデータ保存機能を実現している。
図1は、ディスクアレイ装置10の概略構成を示すブロック図である。
ディスクアレイ装置10は、通信ネットワークCN1を介して、複数のホストコンピュータ1(1台のみ図示)と双方向通信可能に接続されている。ここで、通信ネットワークCN1は、例えば、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、インターネット等である。LANを用いる場合、ホストコンピュータ1とディスクアレイ装置10との間のデータ転送は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従って行われる。SANを用いる場合、ホストコンピュータ1とディスクアレイ装置10とは、ファイバチャネルプロトコルに従ってデータ転送を行う。また、ホストコンピュータ1がメインフレームの場合は、例えば、FICON(Fibre Connection:登録商標)、ESCON(Enterprise System Connection:登録商標)、ACONARC(Advanced Connection Architecture:登録商標)、FIBARC(Fibre Connection Architecture:登録商標)等の通信プロトコルに従ってデータ転送が行われる。
ホストコンピュータ1は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、携帯情報端末等として実現されるものである。例えば、ホストコンピュータ1は、図外に位置する複数のクライアント端末と別の通信ネットワークを介して接続されている。ホストコンピュータ1は、例えば、各クライアント端末からの要求に応じて、ディスクアレイ装置10にデータの読み書きを行うことにより、各クライアント端末へのサービスを提供する。ホストコンピュータ1は、例えば、電子メール管理ソフトウェア等のアプリケーションプログラム1Aと、ストレージ管理ソフトウェア1Bとを備えている。ストレージ管理ソフトウェア1Bは、後述のように、論理デバイス毎にアクセス属性等を設定するためのものである。
SVP(Service Processor)2は、ディスクアレイ装置10の管理及び監視を行うためのコンピュータ装置である。SVP2は、ディスクアレイ装置10内に設けられた通信ネットワークCN11を介して、各CHA11及び各DKA12等から各種の環境情報や性能情報等を収集する。SVP2が収集する情報としては、例えば、装置構成、電源アラーム、温度アラーム、入出力速度(IOPS)等が挙げられる。通信ネットワークCN11は、例えば、LANとして構成される。システム管理者は、SVP2の提供するユーザインターフェースを介して、RAID構成の設定、各種パッケージ(CHA、DKA、ディスクドライブ等)の閉塞処理等を行うことができる。また、コンソール3は、通信ネットワークCN3を介してSVP2に接続されており、SVP2の収集した情報を取得し、またRAID構成の変更等を指示することができる。なお、通信ネットワークCN2としては、例えば、LANやインターネット等を用いることができる。
ディスクアレイ装置10は、通信ネットワークCN2を介して、外部の記憶制御装置4と接続されている。外部の記憶制御装置4は、記憶デバイス5を有するディスクアレイ装置として構成可能である。外部の記憶制御装置4の有する記憶デバイス5は、ディスクアレイ装置10にマッピングされており、あたかもディスクアレイ装置10の内部デバイスであるかのようにして使用される。マッピング方法としては、複数の方法を採用することができる。1つの方法は、ディスクアレイ装置10のLUN(Logical Unit Number)に外部記憶デバイス5を直接割り付ける方法である。他の1つの方法は、ディスクアレイ装置10のLUNの下に中間の仮想的な論理デバイス(VDEV)を設け、この中間的な仮想デバイスに割り付ける方法である。
ディスクアレイ装置10は、それぞれ後述するように、各チャネルアダプタ(以下、CHAと略記)11と、各ディスクアダプタ(以下、DKAと略記)12と、制御メモリ13と、キャッシュメモリ14と、スイッチ部15と、各記憶デバイス16とを備えて構成されている。CHA11及びDKA12は、例えば、プロセッサやメモリ等が実装されたプリント基板と、制御プログラムとの協働により実現される。
ディスクアレイ装置10には、例えば、4個や8個等のように、複数のCHA11が設けられている。CHA11は、「上位アダプタ」の一例であって、例えば、オープン系用CHA、メインフレーム系用CHA等のように、ホストコンピュータ1の種類に応じて、用意される。各CHA11は、ホストコンピュータ1との間のデータ転送を制御するものである。各CHA11は、それぞれプロセッサ部、データ通信部及びローカルメモリ部を備えている(いずれも不図示)。
各CHA11は、それぞれに接続されたホストコンピュータ1から、データの読み書きを要求するコマンド及びデータを受信し、ホストコンピュータ1から受信したコマンドに従って動作する。DKA12の動作も含めて先に説明すると、例えば、CHA11は、ホストコンピュータ1からデータの読出し要求を受信すると、読出しコマンドを制御メモリ13に記憶させる。DKA12は、制御メモリ13を随時参照しており、未処理の読出しコマンドを発見すると、記憶デバイス16からデータを読み出して、キャッシュメモリ14に記憶させる。CHA11は、キャッシュメモリ14に移されたデータを読み出し、コマンド発行元のホストコンピュータ1に送信する。また例えば、CHA11は、ホストコンピュータ1からデータの書込み要求を受信すると、書込みコマンドを制御メモリ13に記憶させると共に、受信データをキャッシュメモリ14に記憶させる。DKA12は、制御メモリ13に記憶されたコマンドに従って、キャッシュメモリ14に記憶されたデータを所定の記憶デバイス16に記憶させる。さらに、CHA11は、後述のように、ホストコンピュータ1からアクセス属性コマンドが発行されると、要求された論理デバイス(LDEV)のアクセス属性を設定し、アクセス制御を実行する。
各DKA12は、ディスクアレイ装置10内に例えば4個や8個等のように複数個設けられている。各DKA12は、各記憶デバイス16との間のデータ通信を制御するもので、それぞれプロセッサ部と、データ通信部と、ローカルメモリ等を備えている(いずれも不図示)。各DKA12と各記憶デバイス16とは、例えば、SAN等の通信ネットワークCN2を介して接続されており、ファイバチャネルプロトコルに従ってブロック単位のデータ転送を行う。各DKA12は、記憶デバイス16の状態を随時監視しており、この監視結果は内部ネットワークCN3を介してSVP2に送信される。
ディスクアレイ装置10は、多数の記憶デバイス16を備えている。記憶デバイス16は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や半導体メモリ装置等として実現することができる。ここで、例えば、4個の記憶デバイス16によって1つのRAIDグループ17を構成できる。RAIDグループ17とは、例えばRAID5(RAID5に限定されない)に従って、データの冗長記憶を実現するディスクグループである。各RAIDグループ17により提供される物理的な記憶領域の上には、論理的な記憶領域である論理デバイス18(LDEV)を少なくとも1つ以上設定可能である。なお、1つのRAIDグループは、同一種類の記憶デバイスにより構成される。
ディスクアレイ装置10は、それぞれ属性の異なる複数種類の記憶デバイス16H,16Lを備えている。第1の記憶デバイス16Hは、「第1の記憶デバイス」の一例であり、高性能または高速または高信頼性な記憶デバイスである。第2の記憶デバイス16Lは、「第2の記憶デバイス」または「上位側第2の記憶デバイス」の一例である。第2の記憶デバイス16Lは、第1の記憶デバイス16Hに比べると、低性能、低速または低信頼性の属性を有する。マッピング技術によりディスクアレイ装置10の内部記憶デバイスのようにして使用される外部記憶デバイス5は、「下位側第2の記憶デバイス」の一例である。アクセス速度、応答速度の観点から観ると、第1の記憶デバイス16H、第2の記憶デバイス16L、外部記憶デバイス5の順で速い。なお、第1の記憶デバイス16Hと第2の記憶デバイス16Lとを特に区別しない場合は、「記憶デバイス16」と称する。
制御メモリ13は、例えば、不揮発メモリによって構成されており、制御情報や管理情報等を記憶する。キャッシュメモリ14は、主としてデータを記憶する。また、制御メモリ13には、後述の各管理テーブルT1〜T3が記憶される。
図2に基づいて、制御メモリ13に格納される各管理テーブルT1〜T3の構造例を説明する。まず、図2(a)は、ディスクアレイ装置10内に記憶されるLDEV構成管理テーブルT1の概略構造を示す説明図である。LDEV構成管理テーブルT1は、例えば、RAIDを構成するRAIDグループ番号と、各グループに属するLDEV18をそれぞれ特定するためのLDEV番号と、各LDEV18の使用状況を示すステータス情報と、各グループを構成する記憶デバイスの属性を示す属性情報とを対応付けている。
ステータス情報には、例えば、いずれかのホストコンピュータ1により使用中であることを示す「使用中」と、使用されていない状態を示す「予約可能」と、マイグレート中であることを示す「使用中(LDEV#)」との3種類を用意することができる。記憶デバイスの属性情報には、例えば、ディスクアレイ装置10が直接的に利用可能で高速なデバイスであることを示す「高速内部デバイス」と、ディスクアレイ装置10が直接的に利用可能で低速なデバイスであることを示す「低速内部デバイス」と、ディスクアレイ装置10の外部に存在する低速なデバイスであることを示す「低速外部デバイス」とを用意することができる。第1の記憶デバイス16Hは「高速内部デバイス」の属性を有し、第2の記憶デバイス16Lは「低速内部デバイス」の属性を有し、外部記憶デバイス5は「低速外部デバイス」の属性を有する。なお、ステータス情報及びデバイス属性情報は、上述の種類に限定されない。また、第1の記憶デバイス16Hを現用系記憶デバイスと、第2の記憶デバイス16L及び外部記憶デバイス5を退避系記憶デバイスあるいは保存系記憶デバイスと捉えることも可能である。
図2(b)は、マイグレート管理テーブルT2の概略構造を示す説明図である。マイグレート管理テーブルT2は「アクセス動作の制限内容を一時的に管理する管理テーブル」の一例であり、後述のマイグレート制御処理において使用される。マイグレート管理テーブルT2は、例えば、アクセス属性が設定または解除されたLDEV18を特定するLDEV番号と、抑止属性の種類と、アクセス属性の設定または解除がされた日時とを対応付けて管理している。このマイグレート管理テーブルT2は、ホストコンピュータ1(またはSVP2やコンソール3)からLDEV18にアクセス属性が設定または解除された場合に生成されるもので、恒久的に記憶されるものではない。マイグレート制御(論理デバイスの移動制御)が全て完了した場合は、制御メモリ13から削除される。但し、これに限らず、マイグレート管理テーブルT2の全部または一部を恒久的に記憶するように構成してもよい。
図2(c)は、アクセス属性管理テーブルT3の概略構造を示す説明図である。アクセス属性管理テーブルT3は、後述のアクセス属性制御処理において使用される。アクセス属性管理テーブルT3は、例えば、各LDEV18のLDEV番号と、各LDEV18に設定されたアクセス属性制御ビットとを対応付けている。また、アクセス属性管理テーブルT3には、所定の権限を有する者のみがアクセス属性を変更できるようにするための認証情報(パスワード等)も対応付けることができる。アクセス属性管理テーブルT3は、LDEV毎に設定されるアクセス属性モードの保持手段として機能するとともに、権限なき主体によるアクセス属性モードの設定変更を抑止する手段としても機能する。アクセス属性管理テーブルT3は、実装されたLDEV18の個数分だけ確保される。
アクセス属性管理テーブルT3は、LDEV番号毎に、対応するLDEVに設定されているアクセス属性モードを保持するための情報(アクセス属性モード情報)として、Read抑止ビット、Write抑止ビット、Inquiry抑止ビット、Read Capacity 0報告ビット、及びS-vol Disableビットを有する。Read抑止ビットは、これが「1」であれば対応するLDEVからのデータリードが禁止されることを、「0」であればデータリードが可能であることを意味する。Write抑止ビットは、これが「1」であれば対応するLDEVへのデータライトが禁止されることを、「0」であればデータライトが可能であることを意味する。Inquiry抑止ビットは、これが「1」であれば対応するLDEVの認識が禁止されることを、「0」であれば認識が可能であることを意味する。Read Capacity 0報告ビットは、これが「1」であれば対応するLDEVについてのRead Capacityコマンドに対する応答において、容量がゼロであることが報告されることを、「0」であれば実容量が報告されることを意味する。S-vol Disableビットは、これが「1」であれば対応するLDEVに対するS-vol指定が禁止されることを、「0」であればS-vol指定が可能であることを意味する。なお、各アクセス属性の詳細については、さらに後述する。
図3は、LDEV18毎に設定されるアクセス属性の種類等を示す説明図である。LDEV18毎に、以下の(モード1)〜(モード6)に示す6種類のアクセス属性モードを設定することができる。
(モード1)リード/ライト(Read/Write)可能
図3(a)に示すように、ホストコンピュータは、このアクセス属性モードが設定されたLDEVに対するデータのリードとライトの双方、及びこのLDEVの認識を行うことが可能である。
(モード2)リードオンリ(Read Only)
図3(a)に示すように、ホストコンピュータは、このアクセス属性モードが設定されたLDEVに対するデータのリード、及びこのLDEVを認識することが可能であるが、データのライトは禁止される。
(モード3)リード/ライト(Read/Write)不可
図3(a)に示すように、ホストコンピュータは、このアクセス属性モードが設定されたLDEVに対するデータのリードとライトの双方を禁止されるが、このLDEVを認識することは可能である。
(モード4)リードキャパシティゼロ(Read Capacity 0)
図3(a)に示すように、ホストコンピュータは、このアクセス属性モードが設定されたLDEVを認識することは可能である。ただし、ホストコンピュータからのリードキャパシティ(Read Capacity)コマンド(このLDEVの記憶容量を尋ねるコマンド)に対しては、記憶容量が「0」という応答がホストコンピュータへ返される。従って、このLDEVに対するデータのリードとライトの双方が不可能である。
(モード5)インクエリ(Inquiry)抑止
図3(a)に示すように、ホストコンピュータは、このアクセス属性モードが設定されたLDEVを認識することができない。即ち、ホストコンピュータからのLDEV認識のための問い合わせに対して、このLDEVが存在しない旨の応答がホストコンピュータに返される。従って、ホストコンピュータからのこのLDEVに対するデータのリード、ライト、及びRead Capacityなどのアクセスが不可能である。但し、ディスクアレイ装置10が内部機能として行うコピーペアリング形成オペレーションにおいて、このLDEVを他のLDEVに対する副ボリューム(セコンダリボリューム)として指定すること(S-vol指定)は可能である。
(モード6)セコンダリボリュームディセーブル(S-vol disable)
図3(a)に示すように、このアクセス属性モードが設定されたLDEVは、他のLDEVを二重化するためのセコンダリボリュームとして指定することはできない。但し、このLDEVに対するデータのリード、ライト及び認識は可能である。
図3(a)は、6種類のアクセス属性モードがそれぞれ設定されたLDEV18に関して、ディスクアレイ装置10がどのようなアクセス制御を行なうかを示している。図3(a)中で、丸印は、対応する動作を可能にするようアクセス制御が行われることを意味し、バツ印は、対応する動作を不可能にするようアクセス制御が行われることを意味する。また、Read Capacityに関する「実容量」、「“0”」はそれぞれ、ホストコンピュータからのRead Capacity コマンドに対するホストコンピュータへの応答の内容が、そのLDEVの実容量であるか容量「0」であるかを示している。
上述した6種類のアクセス属性モードのうち、Read/Write可能、Read
Only、Read/Write不可及びS-vol disableは、メインフレーム系のホストコンピュータとオープンシステム系のホストコンピュータとのいずれが使用するLDEVについても適用可能である。一方、Read Capacity 0とInquiry抑止は、この実施形態では、オープンシステム系ホストコンピュータが使用するLDEVにのみ適用され、メインフレーム系ホストコンピュータが使用するLDEVには適用されないようになっているが、必ずしもそうでなければならないわけではない。
上述した6種類のアクセス属性モードのうち、Read/Write可能、Read
Only、Read/Write不可、Read
Capacity 0及びInquiry抑止は、これらの中から選択されたいずれか一つのモードが、一つのLDEVに対して設定することができる。一方、S-vol disableは、他の5種類のアクセス属性モードとは独立して(つまり、それらと重複して)同じLDEVに対して設定することができる。例えば、同じ一つのLDEVに対してRead/Write可能を設定すると共にS-vol disableを設定するというようにである。
図3(b)は、6種類のアクセス属性モードとアクセス属性制御ビット(Read抑止ビット、Write抑止ビット、Inquiry抑止ビット、Read Capacity 0報告ビット、及びS-vol Disableビット)のビットパターンとの対応関係を示す説明図である。アクセス属性管理テーブルT3において、図3(b)に示すようなビットパターンでアクセス属性制御ビット(アクセス属性モード情報)が設定されることにより、上述した6種類のアクセス属性モードがそれぞれ設定される(又は、そのモード設定が解除される)ことになる。
図4は、各記憶デバイス16とLDEV18との関係等を示す説明図である。第1の記憶デバイス16Hを例に挙げて説明するが、これに限らない。各LDEV18(#1〜#4)は、それぞれ別々のホストコンピュータ1−1〜1−4によって使用されることができる。同一のホストコンピュータが複数のLDEV18を利用することもできる。図4では、各LDEV18(#1〜#4)をそれぞれ別々のホストコンピュータ1−1〜1−4によって使用する場合を例示している。
各LDEV18(#1〜#4)は、それぞれ複数の(図示例では4個の)物理的な記憶デバイス16Hにわたって、それらの部分的な記憶領域を使用することにより生成されている。LDEV18(#2)には、Write抑止が設定されている。従って、ホストコンピュータ1−2からLDEV18(#2)にデータ更新を行うことはできない。LDEV18(#3)には、Read/Write抑止が設定されている。従って、ホストコンピュータ1−3は、LDEV18(#3)に対してデータ更新及びデータ読出しを行うことができない。各LDEV18に関するアクセス属性モードは、制御メモリ13内のアクセス属性管理テーブルT3により管理されている。
CHA11は、例えば、アクセス属性制御プログラムP1を備えている。アクセス属性制御プログラムP1は、CHA11に搭載されたプロセッサによって実行されることにより、CHA11にアクセス属性制御機能を与える。アクセス属性制御プログラムP1は、アクセス属性管理テーブルT3を参照することにより、各LDEV18へのアクセスを制御する。
制御メモリ13には、RAID構成管理テーブルT1と、マイグレート管理テーブルT2と、アクセス属性管理テーブルT3とがそれぞれ記憶されている。
DKA12には、例えば、マイグレート制御プログラムP2とアドレス変換プログラムP3とが設けられている。各プログラムP2,P3は、DKA12の有するプロセッサによって実行されることにより、DKA12にマイグレート制御機能とアドレス変換機能とを与える。マイグレート制御プログラムP2は、アドレス属性モードに従って、LDEV18の記憶位置を制御する。アドレス変換プログラムP3は、論理アドレスを物理アドレスに変換する。
図5は、LDEV18の記憶位置が変化する様子を模式的に示す状態遷移図である。図5(a)は、アクセス性の高い記憶デバイスからアクセス性の低い記憶デバイスにLDEVを移動(退避または保存とも言える)させる場合を示し、図5(b)は、アクセス性の低い記憶デバイスからアクセス性の高い記憶デバイスへLDEVを移動(復帰)させる場合を示す。
詳細は後述するが、図5(a)に示すように、「高速内部デバイス」である第1の記憶デバイス16Hに設定されているLDEVに対してRead/Write抑止が設定された場合は、図中一点鎖線で示すように、このLDEVは第1の記憶デバイス16Hから「低速外部デバイス」である外部記憶デバイス5に移される。一方、第1の記憶デバイス16Hに設定されているLDEVに対してWrite抑止が設定された場合、このLDEVは、所定の維持期間経過後に「低速内部デバイス」である第2の記憶デバイス16Lに移される。なお、このLDEVを、第2の維持期間だけ第2の記憶デバイス16Lに留まらせた後で、第2の記憶デバイス16Lから外部記憶デバイス5に再移動させることもできる。後述のマイグレート制御処理では、第1の維持時間経過後に第1の記憶デバイス16Hから第2の記憶デバイス16LにLDEVを移動させる場合について説明し、第2の維持期間経過後にLDEVを第2の記憶デバイス16Lから外部記憶デバイス5に移動させる場合の詳細な説明を省略している。
図5(b)に示すように、アクセス制限が解除された場合、即ち、Write抑止またはRead/Write抑止以外の他のアクセス属性にモードが変更された場合は、LDEVは、元の記憶位置である第1の記憶デバイス16Hに戻される。例えば、LDEVが第2の記憶デバイス16Lに移されていた場合において、Write抑止またはRead/Write抑止が解除された場合、点線で示すように第2の記憶デバイス16Lから第1の記憶デバイス16Hに移される。また、LDEVが外部記憶デバイス5に移されていた場合において、Write抑止またはRead/Write抑止が解除された場合、LDEVは外部記憶デバイス5から第1の記憶デバイス16Hに移される。アクセス属性モードが変更された場合でも、例えば、Write抑止からRead/Write抑止に変更されたような場合は、記憶位置を変化させない。なお、アクセス制限が解除された場合、LDEVが設定されていた元々の記憶デバイスとは異なる記憶デバイスに移動させることもできる。例えば、元の記憶デバイスよりも高性能の記憶デバイスがディスクアレイ装置10に追加実装されたような場合である。
次に、図6〜図8に基づいて、本実施例によるマイグレート制御の全体動作の概要を説明する。図6に示すように、ホストコンピュータ1のストレージ管理ソフトウェア1Bが、第1の記憶デバイス16HのLDEV18(#2)にWrite抑止を設定した場合、このアクセス属性モードはアクセス属性管理テーブルT3に記憶される。アクセス属性制御プログラムP1は、アクセス属性管理テーブルT3に基づいて、アクセス制御を行う。
所定のアクセス属性モード(Write抑止、Read/Write抑止)が設定されると、このアクセス属性モードについての情報がマイグレート管理テーブルT2に登録される。この登録は、CHA11により行われる。マイグレート制御プログラムP2は、マイグレート管理テーブルT2を定期的に参照しており、所定のアクセス属性モードが登録されている場合、LDEV構成管理テーブルT1を使用して、所定のアクセス属性モードが設定されたLDEV18(#2)を、第2の記憶デバイス16Lまたは外部記憶デバイス5のいずれかに移動させる。
図7に示すように、所定のアクセス属性モードが解除された場合、第2の記憶デバイス16Lに移されていたLDEV18(#2)は、第1の記憶デバイス16Hに移される。また、図8に示すように、所定のアクセス属性モードが解除された場合、外部記憶デバイス5に移されていたLDEV18(#2)は、第1の記憶デバイス16Hに移される。
図9は、アクセス属性制御処理の概要を示すフローチャートである。この処理は、CHA11により実行される。
まず、CHA11は、アクセス属性モードを設定するコマンドを受信したか否かを判定する(S11)。アクセス属性モードの設定コマンドを受信した場合(S11:YES)、CHA11は、指定されたアクセス属性の設定コマンドの内容が、設定条件に適合するか否かを判定する(S12)。ここでは、例えば、権限を有するホストコンピュータ1からのアクセス属性設定コマンドであるか否か等がチェックされる。設定条件に適合しない場合は(S12:NO)、アクセス属性モードの設定を行わずに処理を終了する。設定条件に適合する場合(S12:YES)、設定されたアクセス属性モードをアクセス属性管理テーブルT3に登録する(S13)。また、アクセス属性モードの設定に関する情報は、制御メモリ13内に一時的に作成されるマイグレート管理テーブルT2にも登録される。
一方、外部から受信したコマンドがアクセス属性の設定コマンドではない場合(S11:NO)、CHA11は、アクセス属性設定コマンド以外のコマンドを受信したか否かを判定する(S14)。コマンド以外を受信した場合(S14:NO)、処理を終了する。WriteコマンドやReadコマンド等を受信した場合(S14:YES)、CHA11は、アクセス先として要求されたLDEV18がどれであるかを判定し(S15)、アクセス属性管理テーブルT3を参照する(S16)。そして、CHA11は、アクセス属性管理テーブルT3に基づいて、ホストコンピュータ1から要求された処理内容が実行可能であるか否かを判定する(S17)。例えば、CHA11は、書込みを要求されたLDEV18に書込みが許可されているか等を判断し、処理可能であると判定した場合(S17:YES)、要求された処理を実行してホストコンピュータ1に応答を返す(S18)。逆に、例えば、書込み禁止のLDEV18に対してデータ更新が要求されたような場合(S17:NO)、CHA11は、ホストコンピュータ1から要求された処理を行わずに、処理を終了する。なお、この場合は、実行不能である旨をホストコンピュータ1に通知する。
図10は、マイグレート制御処理の概要を示すフローチャートである。この処理は、DKA12によって実行される。DKA12は、定期的に(あるいは不定期に)、制御メモリ13内のマイグレート管理テーブルT2を参照する(S21,S22)。DKA12は、マイグレート管理テーブルT2に新たなアクセス制限に関する情報が登録されているか否かをチェックする(S23)。アクセス制限に関する情報が登録されていない場合(S23:NO)、DKA12は、処理を終了する。
アクセス制限が登録されている場合(S23:YES)、DKA12は、Write抑止が設定されたか否かを判定する(S24)。Write抑止の設定ではない場合(S24:NO)、DKA12は、Read/Write抑止が設定されたか否かを判定する(S25)。Read/Write抑止が設定されている場合(S25:YES)、DKA12は、LDEV構成管理テーブルT1を参照することにより、低速外部デバイス(外部記憶デバイス5)を検索し(S26)、外部記憶デバイス5に空いているLDEVが存在するか否かを判定する(S27)。外部記憶デバイス5に空いているLDEVが存在する場合(S27:YES)、DKA12は、Read/Write抑止が設定されたLDEVを第1の記憶デバイス16Hから外部記憶デバイス5の空きLDEVに移動させる(S28)。DKA12は、このデータ移動による構成変更をLDEV構成管理テーブルT1に記憶させる(S29)。DKA12は、データ移動済のアクセス制限に関する情報をマイグレート管理テーブルT2から消去する(S30)。
Write抑止が設定された場合(S24:YES)、DKA12は、Write抑止が設定された日時から所定の維持期間が経過しているか否かを判定する(S31)。所定の維持時間を経過していない場合(S31:NO)、DKA12はデータ移動を行わずに処理を終了する(S32)。従って、Write抑止が設定されたLDEVは、現在の記憶位置(第1の記憶デバイス16H)に留まる。
所定の維持期間を経過した場合(S31:YES)、DKA12は、LDEV構成管理テーブルT1を参照することにより、低速内部デバイス(第2の記憶デバイス16L)に空いているLDEVが存在するか否かをチェックする(S32,S33)。空いているLDEVが存在する場合(S33:YES)、DKA12は、Write抑止の設定されたLDEVを第1の記憶デバイス16Hから第2の記憶デバイス16Lに移動させる(S34)。そして、データ移動を終えた後、DKA12は、前記同様に、LDEV構成管理テーブルT1及びマイグレート管理テーブルT2をそれぞれ更新させる(S29,S30)。
一方、第2の記憶デバイス16Lに空いているLDEVが存在しない場合(S33:NO)、DKA12は、LDEV構成管理テーブルT1に基づいて、外部記憶デバイス5の構成を検索し(S35)、外部記憶デバイス5に空いているLDEVが存在するか否かを判定する(S36)。外部記憶デバイス5に空いているLDEVが存在しない場合(S36:NO)、DKA12は、データ移動を行うことができないので処理を終了する。外部記憶デバイス5に空いているLDEVが存在する場合(S36:YES)、DKA12は、Write抑止の設定されたLDEVを第1の記憶デバイス16Hから外部記憶デバイス5に移動させ(S37)、LDEV構成管理テーブルT1及びマイグレート管理テーブルT2をそれぞれ更新させて処理を終了する(S29,S30)。
他方、Read/Write抑止が設定されている場合において、外部記憶デバイス5に空いているLDEVが存在しない場合(S27:NO)、DKA12は、第2の記憶デバイス16Lに空いているLDEVが存在するか否かを検索し(S32,S33)、第2の記憶デバイス16Lに空いているLDEVが存在する場合(S33:YES)、Read/Write抑止の設定されたLDEVを第1の記憶デバイス16Hから第2の記憶デバイス16Lに移動させる(S34)。
このように、各所定のアクセス属性モード(Write抑止、Read/Write抑止)毎にそれぞれ予めデータ移動先が初期設定されており(Write抑止の場合は第2の記憶デバイス16L、Read/Write抑止の場合は外部記憶デバイス5)、初期設定された移動先に空き領域が無い場合は、初期設定以外の他の記憶デバイスに空き領域が存在しないかを探索する(Write抑止の場合:第2の記憶デバイス16Lに空きが無ければ外部記憶デバイス5を検索、Read/Write抑止の場合:外部記憶デバイス5に空きが無ければ第2の記憶デバイス16Lを検索)。
図11は、第1の記憶デバイス16Hから第2の記憶デバイス16Lまたは外部記憶デバイス5に移されたLDEVを、第1の記憶デバイス16Hに復帰させる場合のマイグレート制御処理の概要を示す。この処理は、DKA12により実行される。
まず、DKA12は、マイグレート管理テーブルT2をチェックし(S41,S42)、アクセス属性モードが変更されたLDEVが存在するか否か、即ち、所定のアクセス制限(Write抑止、Read/Write抑止)が解除されたLDEVが存在するか否かを判定する(S43)。
ここで、図12(a)に示すように、LDEV18(#2)は外部記憶デバイス5のLDE
V18(#08)に移動しているため、使用状況ステータスには「使用中(#02)」がセットされている。また、図12(b)に示すように、アクセス制限が解除された場合は、その解除日時と解除された旨の情報(図中では「−」で示す)とがマイグレート管理テーブルT2に記録される。また、アクセス制限が解除されると、図12(c)に示すように、アクセス属性管理テーブルT3の内容も変化する。例えば、LDEV18(#2)は、読み書きが共に可能なようにアクセス属性モードが変更されている。
さて、S43において、所定のアクセス制限が解除されたLDEVが存在しない場合(S43:NO)、DKA12は処理を終了する。所定のアクセス制限が解除されたLDEVが存在する場合(S43:YES)、DKA12は、LDEV構成管理テーブルT1を参照することにより、高速内部デバイスである第1の記憶デバイス16Hに空いているLDEVが存在するか否かを検索し、判定する(S44,S45)。
第1の記憶デバイス16Hに空いているLDEVが存在する場合(S45:YES)、DKA12は、第2の記憶デバイス16Lまたは外部記憶デバイス5に移されていたLDEVを、第1の記憶デバイス16Hに移動させる(S46)。そして、DKA12は、このデータ移動に伴う構成変更をLDEV構成管理テーブルT1に反映させる(S47)。また、DKA12は、このデータ移動を反映させるべく、マイグレート管理テーブルT2に記録されていたアクセス制限の解除に関する情報を消去する(S48)。
なお、ディスクアレイ装置10内でデータ移動を行う場合(内部マイグレート)、移動対象のデータはDKA12によってキャッシュメモリ14に読み出され、キャッシュメモリ14から移動先にコピーされる。ディスクアレイ装置10の内外でデータを移動させる場合(外部マイグレート)、移動対象のデータがDKA12によってキャッシュメモリ14に読み出され、このデータはCHA11を介して移動先に送信される(内部→外部の場合)。あるいは、CHA11によって移動対象のデータを読み出してキャッシュメモリ14に格納し、この格納されたデータをDKA12により内部の移動先にコピーさせる(外部→内部の場合)。
このように構成される本実施例によれば、Write抑止またはRead/Write抑止のいずれかが設定された場合に、このアクセス制限が設定されたLDEV(データ)を、現在の記憶位置から他の記憶位置に移動させるため、データ保存用の特別な操作を必要とせず、簡易なデータ保存機能を実現することができ、使い勝手が向上する。
Write抑止またはRead/Write抑止のいずれかが設定される場合は、そのデータの改ざんを防止し、例えば中期的または長期的なデータ保存が要求されていると合理的に推定できる場合である。中長期的なデータ保存を行う場合、そのデータには改ざん不能であることも同時に要求されるのが通常であり、改ざん防止のためにはデータの書込みを禁止する必要があるためである。そこで、所定のアクセス制限が設定されたLDEVは、現在使用している第1の記憶デバイス16Hから他の記憶デバイス16Lまたは記憶デバイス5に移動させる。これにより、アクセス属性モードの設定だけで、他の手動操作等を一切行うことなく、データを移動させることができる。そして、現在頻繁に使用されている第1の記憶デバイス16Hの空き領域を確保することができ、使用頻度の低い記憶デバイス16L,5を効率的に使用することができる。
また、Read/Write抑止が設定された場合は、その設定時点で長期保存が確定したも同然と判断されるため、直ちに外部記憶デバイス5に移動させ、Write抑止が設定された場合は、まだRead要求が許可されているため、維持期間(例えば、数日〜十数日等のように可変に設定できる)を経過するまでは現状の記憶位置を維持し、維持期間経過後に他の記憶位置に移動させる。従って、より使い勝手を高めつつ、記憶資源を有効に利用することができる。
さらに、アクセス属性制御処理とマイグレート制御処理の協働によって、即ち、アクセス属性制御処理にマイグレート制御処理を連動させることにより、簡易なデータ保存機能を実現できるため、製造コストを増大することなく、簡易なデータ保存機能、管理機能を提供できる。そして、システム管理者の手を煩わせることなく、長期間にわたって多様かつ大量のデータを保存し管理することができる。
また、ディスクアレイ装置10内でデータ保存機能、データ管理機能を提供するため、ホストコンピュータ1の構成等が変化した場合にも対応することができ、データ保存機能を維持するための手間を低減できる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、マイグレート制御は、DKAで実行させる場合に限らず、DKAとCHAとの協働作業によって、あるいは、DKA及びCHA以外の他のプロセッサによって、またはCHAによって、実行させるように構成してもよい。
本発明の実施例に係わるディスクアレイ装置の全体概要を示すブロック図である。 (a)はLDEV構成管理テーブルを、(b)はマイグレート管理テーブルを、(c)はアクセス属性管理テーブルをそれぞれ示す説明図である。 (a)はアクセス属性モードと許可された動作との対応関係を、(b)はアクセス属性モードと抑止ビットとの対応関係をそれぞれ示す説明図である。 LDEVと記憶デバイスとの関係等を示す説明図である。 アクセス属性モードの設定に応じて記憶先が遷移する状態を示す説明図であり、(a)はアクセス制限が設定された場合を、(b)はアクセス制限が解除された場合をそれぞれ示す。 マイグレート制御処理とアクセス属性制御処理との協働関係を示す模式図である。 図6と同様の模式図である。 図7と同様の模式図である。 アクセス属性制御処理のフローチャートである。 マイグレート制御処理(データ移動時)のフローチャートである。 マイグレート制御処理(データ復帰時)のフローチャートである。 データ復帰時の各テーブルの様子を示す説明図である。
符号の説明
1…ホストコンピュータ、1A…アプリケーションプログラム、1B…ストレージ管理ソフトウェア、2…SVP、3…コンソール、4…外部記憶制御装置、5…外部記憶デバイス、10…ディスクアレイ装置、11…CHA、12…DKA、13…制御メモリ、14…キャッシュメモリ、15…スイッチ部、16…記憶デバイス、16H…第1の記憶デバイス、16L…第2の記憶デバイス、17…RAIDグループ、18…論理デバイス(LDEV)、CN1〜CN3,CN11,CN12…通信ネットワーク、T1…LDEV構成管理テーブル、T2…マイグレート管理テーブル、T3…アクセス属性管理テーブル

Claims (2)

  1. 上位装置との間のデータ授受を制御する上位アダプタと、
    前記上位アダプタから書き込まれるデータを記憶するキャッシュメモリと、
    前記キャッシュメモリにデータを書込み、または前記キャッシュメモリからデータを読み出すように制御する記憶デバイスアダプタと
    記記憶デバイスアダプタの制御の基で、データが書き込まれる複数種類の記憶デバイスであって、ディスクアレイ装置内に設けられる高速な記憶デバイスである高速内部デバイスと、前記ディスクアレイ装置内に設けられる低速な記憶デバイスである低速内部デバイスと、前記ディスクアレイ装置の外部に設けられる前記低速内部デバイスと比較すると低速な記憶デバイスである低速外部デバイスとを含む複数種類の記憶デバイスと、
    前記記憶デバイスアダプタに実装されるデータ移動制御部とを備え、
    前記上位アダプタは、前記複数種類の記憶デバイスの格納領域に基づいて複数の論理デバイスを生成することにより、前記上位装置からのアクセス対象となるように制御するものであり、
    前記データ移動制御部は、
    論理デバイスへのアクセス制限を制御するためのアクセス制御コマンドにより、前記高速内部デバイスに、書込み及び読出しを抑止するための書込み及び読出し抑止が設定された場合、前記高速内部デバイスのデータを前記低速外部デバイスに移動させ、
    前記高速内部デバイスに書込みを抑止するための書込み抑止が設定された場合、前記書込み抑止が設定されてから所定の第1維持期間が経過したときに、前記高速内部デバイスのデータを前記低速内部デバイスに移動させ、
    前記高速内部デバイスから前記低速内部デバイスにデータが移動されてから所定の第2維持期間が経過したときは、前記低速内部デバイスのデータを前記低速外部デバイスに移動させるように制御するディスクアレイ装置。
  2. 前記データ移動制御部は、前記アクセス制御コマンドにより前記アクセス制限が解除された場合は、前記低速内部デバイスまたは前記低速外部デバイスのいずれかに移された前記データを前記高速内部デバイスに移動させる請求項に記載のディスクアレイ装置。
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