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JP4427261B2 - Phase change recording material used for information recording medium and information recording medium using the same - Google Patents

Phase change recording material used for information recording medium and information recording medium using the same Download PDF

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JP4427261B2
JP4427261B2 JP2003056996A JP2003056996A JP4427261B2 JP 4427261 B2 JP4427261 B2 JP 4427261B2 JP 2003056996 A JP2003056996 A JP 2003056996A JP 2003056996 A JP2003056996 A JP 2003056996A JP 4427261 B2 JP4427261 B2 JP 4427261B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする相変化記録材料及び前記相変化記録材料を用いた情報記録媒体に関する。特に、高速記録消去が可能な情報記録媒体に用いる相変化記録材料、及び前記相変化記録材料を用いた情報記録媒体に関する。さらには、初期結晶化が容易で、信号振幅が大きく、繰り返しオーバーライト特性に優れ、保存安定性に優れ、さらには高転送レートでの記録で優れたジッタ特性を有する情報記録用媒体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
書き換え型情報記録用媒体として、光、電流(ジュール熱)などのエネルギービームもしくはエネルギー流を作用させることで、金属又は半導体の結晶構造を可逆的に変化せしめる方法が知られている(例えば、非特許文献1又は特許文献1参照)。
【0003】
書き換え可能な相変化記録材料を用いた情報記録媒体の記録手法として現在実用化されているのは、結晶相と非晶質相との間での可逆的変化を利用し、結晶状態を未記録・消去状態とし、記録時に非晶質のマークを形成するものである。通常、記録層を局所的に、融点より高い温度まで加熱し急冷して非晶質のマークを形成し、一方、記録層を概ね融点以下、結晶化温度以上に加熱して徐冷することで、結晶化温度以上に一定時間保つことで再結晶化を行う。すなわち一般的には、安定的な結晶相と非晶質相との間での可逆的変化を利用する。そして、結晶状態と非晶質状態における物理的パラメーター、例えば、屈折率、電気抵抗、体積、密度変化等の差を検出することで、情報の再生を行う。
【0004】
中でも光学的情報記録用媒体としての応用は、集束光ビームを照射して局所的に生起せしめた結晶状態−非晶質状態の可逆的な変化に伴う反射率変化を利用して情報の記録再生消去が行われる。このような相変化型かつ書き換え型の相変化型記録層を有する光学的情報記録用媒体は、可搬性、耐候性、耐衝撃性等に優れた安価な大容量記録媒体として開発および実用化が進んでいる。例えば、CD−RWなどの書き換え可能なCDが既に普及しており、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどの書き換え可能なDVDが販売されつつある。
【0005】
このような相変化型記録層の材料としては、カルコゲン系合金が用いられることが多い。このようなカルコゲン系合金としては、例えば、GeSbTe系、InSbTe系、GeSnTe系、AgInSbTe系合金が挙げられる。中でもGeTe−Sb2 Te3 疑似2元合金系材料は、光学的情報記録用媒体の記録層材料として広く用いられるとともに、近年は、電気抵抗変化を利用した、不揮発性メモリとしての応用も盛んに研究されている。
【0006】
【非特許文献1】
J.Feinleib et al.「RAPID REVERSIBLE LIGHT−INDUCED CRYSTALLIZATION OF AMORPHOUS SEMICONDUCTORS」,Appl.Phys.lett.,Vol.18(1971),pp.254−257
【特許文献1】
米国特許第3530441号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の情報量の増大に伴い、より高速の記録再生が可能な情報記録用媒体を得たいとの要請がある。また、記録した情報の保存安定性が高いこと、つまり長期間保存しても情報記録媒体に記録した情報が劣化せず安定であることも情報記録用媒体に求められる重要な性能の一つである。上記情報記録媒体のうち書き換え型情報記録用媒体に関しては、単に高速での書き換えを実現するだけであれば、例えば、非晶質と結晶間の相変化を利用する場合、結晶化速度が速い材料であれば良いということになる。しかし、高速結晶化ができるような材料は、非晶質状態が保存環境において短時間で結晶化してしまう傾向も顕著になる。従って、高速での記録再生が可能でかつ記録した情報の保存安定性の高い書き換え型情報記録媒体を得ようとすると、相変化記録材料には、記録消去時には高速結晶化による高速での非晶質から結晶への転移が求められる一方、室温近くの保存状態では極めて遅い結晶化による非晶質状態の安定化が求められるという、一見矛盾する特性が求められる。
【0008】
そして、情報の書き換えを多数回行っても信号特性が安定していること、つまり繰り返しオーバーライト特性が高いことも書き換え型情報記録用媒体に求められる重要な性能の一つである。
また、書き換え型情報記録用媒体を光学的に情報の記録再生を行う光学的情報記録用媒体として用いる場合、製造後の記録層の初期結晶化を短時間で行うことが困難であった。しかし、生産効率を高めるという点から、短時間で前記初期結晶化を行うようにすることも、光学的情報記録用媒体ひいては書き換え型情報記録媒体に求められる重要な性能の一つである。
【0009】
本発明はこのような要請に応えるためになされたもので、その目的は、より高速での記録消去が可能で、記録信号の保存安定性が高く、オーバーライト特性に優れ、かつ生産性の高い情報記録媒体に用いることが可能な相変化記録材料、及び前記材料を用いた情報記録媒体を提供することにある。さらには、情報記録媒体の応用の一形態である光学的情報記録用媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明の要旨は、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする情報記録媒体に用いる相変化記録材料であって、下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする相変化記録材料に存する。
【0011】
【化3】

Figure 0004427261
(ただしx、y、z、wは原子数比を表し、x、z、wは、それぞれ0.05≦x≦0.4、0≦z≦0.3、0≦w≦0.1を満たす数であり、元素M1はIn、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、かつ
(I)z=0かつw=0のときを除き、
(II)0<z≦0.3、w=0のとき
yを、0.05≦y≦0.3を満たす数とし、
(III)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき
yを、0.01≦y≦0.3を満たす数とする。)
【0012】
さらに、本発明の要旨は、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする光学的情報記録媒体であって、下記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料を用いることを特徴とする光学的情報記録媒体に存する。
【0013】
【化4】
Figure 0004427261
(ただしx、y、z、wは原子数比を表し、x、z、wは、それぞれ0.05≦x≦0.4、0≦z≦0.3、0≦w≦0.1を満たす数であり、元素M1はIn、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、かつ
(I)z=0かつw=0のときを除き、
(II)0<z≦0.3、w=0のとき
yを、0.05≦y≦0.3を満たす数とし、
(III)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき
yを、0.01≦y≦0.3を満たす数とする。)
【0014】
上記のSb−Sn系合金にGeを添加した組成を主成分とする合金からなる記録層を用いることにより、従来知られている情報記録用媒体よりも相変化速度が速い情報記録媒体を得ることができ、ひいてはより高速の記録消去が行えるようになる。例えば、情報記録媒体のうちでも光学的情報記録媒体においては、従来GeSbTe等の組成を有する相変化記録材料が用いられていたが、高速での消去が可能となる程度に十分に速い結晶化速度を有する組成領域にすると、結晶化が均一に起こらずノイズが大きくなってしまう問題があった。これに対して、本発明に用いるSbSnGe系の相変化記録材料は、結晶化速度が速くかつ均一な結晶化が可能となるため、高速記録に良好に用いることができる。また従来の光学的情報記録用媒体では高結晶化速度と記録された信号の保存安定性の両立が困難であったが、本発明の相変化記録材料を用いた情報記録媒体では前記両立が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
1.相変化記録材料
本発明に用いる相変化記録材料は、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする情報記録媒体に用いる相変化記録材料であって、下記一般式(1)で表される組成を主成分とする。
【0016】
【化5】
(Sb1-xSnx1-y-w-zGeyTewM1z (1)
(ただしx、y、z、wは原子数比を表し、x、z、wは、それぞれ0.01≦x≦0.5、0≦z≦0.3、0≦w≦0.1を満たす数であり、元素M1はIn、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、かつ
(I)z=0、w=0のとき
yを、0.1≦y≦0.3を満たす数とし、
(II)0<z≦0.3、w=0のとき
yを、0.05≦y≦0.3を満たす数とし、
(III)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき
yを、0.01≦y≦0.3を満たす数とする。)
【0017】
本発明において、「所定組成を主成分とする」とは、所定組成が含有される材料全体又は層全体のうち、前記所定組成の含有量が50原子%以上であることを意味する。
また、本発明に用いる情報記録媒体が光学的情報記録媒体であるときは、「結晶状態を未記録とし、非晶質状態を記録状態とする」とは、非晶質のマークを結晶相中に形成することをいう。
【0018】
本発明においては、Sb−Sn系合金にGeを含有させる。Geは、相変化記録材料の結晶化速度を制御する働きを有するため、Geの含有量を所定範囲(10原子%〜30原子%)に制御することにより、高速記録に適した結晶化速度を有する相変化記録材料を得ることができるようになる。
そして、本発明においては、Sb−Sn−Ge合金に、必要に応じてTeを含有させることにより、さらに記録特性に優れる相変化記録材料を得ることができるようになる。具体的には、Teを含有させることにより、上記長期間保存した相変化材料に繰り返し記録を行った場合においても良好な記録特性を得ることができるようになる。TeはGeと同様に結晶化速度を制御する働きも有するため、Sb−Sn系合金にGe及びTeを含有させれば、Geの含有可能な範囲を広げることができるようになる。具体的には、Geの含有可能な下限値を1原子%まで下げることができるようになる。そして、Geの含有量を減らすことにより、相変化記録材料を長期間保存した後の記録特性を向上させることができるようになる。
【0019】
本発明においては、Sb−Sn−Ge合金、又はSb−Sn−Ge−Te合金にIn等の所定元素を含有させることにより、信号振幅を大きくすることができる等のさらなる効果を得ることができる。さらにIn等の所定の元素を用いることにより、GeやTeとともに結晶化速度のさらなる制御が可能となる場合がある。
すなわち、本発明においては、Sb−Sn系合金にGeを含有させることにより、結晶化速度を良好に制御して高速記録や記録信号の保存安定性に優れる相変化記録材料を得ることができる。そして、このSb−Sn−Ge合金にTe及び/又はIn等の他の元素を含有させることによって、上記長期間保存した相変化材料に繰り返し記録を行った場合においても良好な記録特性を得ることができること、信号振幅を大きくすることができること等のさらなる効果を得ることができる。また、Sb−Sn−Ge合金に含有させる元素によっては、結晶化速度の制御をさらに精密に行うことが可能となる上、長期間保存後の記録特性等の記録性能も良好にすることができるようになる。従って、本発明によれば、相変化記録材料が用いられる用途に合わせて、所望の性能を有する相変化記録材料が提供されるようになる。
【0020】
また、本発明においては、上記一般式(1)に表される組成を主成分とする相変化記録材料を、結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とする情報記録媒体に用いることにより、記録信号の品質が飛躍的に向上する。特に上記相変化記録材料を書き換え型の情報記録媒体に用いることにより、高速記録消去、記録信号の保存安定性の向上、オーバーライト特性の向上、さらには長期保存した書き換え型情報記録媒体をさらにオーバーライトした場合のオーバーライト特性の向上が達成される。さらには、初期結晶化が容易で生産性の高い書き換え型情報記録媒体が得られるようになる。ここで、書き換え型の情報記録媒体としては、集束光ビームを照射することにより結晶状態−非晶質状態の可逆的な変化に伴う反射率変化を利用して情報の記録再生消去を行う、光学的情報記録媒体(例えば、CD−RW)等を挙げることができる。
【0021】
以下、上記一般式(1)において、(A)z=0、w=0のとき、(B)0<z≦0.3、w=0のとき、(C)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき、及び(D)その他の事項に分けて相変化記録材料についての説明を行う。
(A)z=0、w=0のとき
上記一般式(1)においてz=0、w=0のときは、本発明の相変化記録材料は、SbSnGeの3元系組成となる。そして、上記一般式(1)は、下記一般式(1a)のようになる。
【0022】
【化6】
(Sb1-xSnx1-yGey (1a)
そして、x及びyは、それぞれ0.01≦x≦0.5及び0.1≦y≦0.3を満たす数となる。
一般式(1a)において、xを0.01以上とすることにより結晶状態が均一になる傾向にあり、再生時のノイズを小さくすることができる利点がある。ここで、均一な結晶状態とは、概ね単一結晶相からなり、微細な結晶粒径の結晶子からなる多結晶構造をいう。微細な結晶子とは、平均的な結晶粒径が記録マークのサイズとほぼ同じオーダーからそれ以下であり、粒径のばらつきが小さいことをいう。
一般式(1a)において、xは、好ましくは0.05≦x、より好ましくは0.1≦x、さらに好ましくは0.15≦x、特に好ましくは0.2≦xとする。xをこの範囲にすればより均一な結晶状態を得ることができるようになり、再生時のノイズを更に小さくすることができる。
逆に、上記一般式(1a)においては、xが0.01より少なく(Snが1原子%より少なく)なると、相変化記録材料全体において均一な結晶状態を得ることができなくなる。これは、高品質の非晶質の記録マークを形成するための前提となる均一な初期結晶化状態(未記録状態)を得ることができないことを意味する。つまり、相変化記録材料全体において均一な結晶状態を得ることができなくなることは、結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とすることが困難となることを意味する。
【0023】
また、xが大きい方が、結晶状態と非晶質状態との光学的な特性差が大きくなるので、本発明の情報記録媒体を光学的情報記録用媒体として用いる場合には、信号振幅が大きく取れる利点がある。ただし、xが0.5より大きいと、非晶質マークの形成(記録)と非晶質マークの結晶化(消去・未記録状態)とを安定的に行うことが困難になるため、xは0.5以下とする。また、結晶状態−非晶質状態の間の可逆的な相変化を繰り返した場合に、より確実に100回以上の可逆相変化(情報の書き換え)を行うには、x≦0.4とすることがより好ましく、x≦0.35とすることが特に好ましい。xの値を上記範囲とすることがより好ましいのは、Snを過度に含有させるとSnの相分離によると思われる結晶化/非晶質メカニズムの変化により相変化記録材料の相変化が起こらなくなるためではないかと考えられる。
【0024】
特に、xを0.2以上、0.35以下の範囲でxを小さくすると、信号振幅が小さくなる傾向にあるものの、繰り返し記録を行った際の相変化記録材料の耐久性が向上する傾向にあり好ましい。
従って、本発明に用いる相変化記録材料は、xの値を制御することにより、上記特性を自由に実現することができるため、相変化記録材料が用いられる情報記録媒体の目的に応じて適当な組成を用いることができる利点がある。
【0025】
一方、前記一般式(1a)において、Ge含有量を変化させることにより、結晶化速度を制御することができる。すなわち、記録層組成(Sb1-xSnx1-yGeyにおいてyが小さくなると結晶化速度が速くなる傾向にある。書き換え型情報記録媒体では、短時間での記録消去を考慮すると、結晶化速度を速くすることが好ましい。このため、書き換え型情報記録媒体の記録条件に応じた結晶化速度を得るために、含有されるGe量を適宜制御すればよい。具体的には、書き換え型情報記録媒体を光学的情報記録用媒体として用いる場合等を考慮すると、集束光ビームの走査線速度調整メカニズムやレーザーパワー立ち上がり時間等の制限もあるため、yの範囲を、0.1以上、好ましくは0.12以上、より好ましくは0.15以上、一方0.3以下、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.2以下とする。
【0026】
上述の通り、Ge含有量を少なくする(yを小さくする)と結晶化速度は早くなる。本発明の相変化記録材料は、ある程度の結晶化速度が必要ではあるものの、結晶化速度が早くなりすぎると、非晶質化の過程で一旦溶融した相変化記録材料が再凝固する際に再結晶化してしまい非晶質状態が得られにくくなる。さらに、得られる非晶質状態の保存安定性も低下する。従って、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とするためには、yを0.1以上(Geを10原子%以上)含有させる必要がある。
【0027】
また、本発明に用いる相変化記録材料において、Geは非晶質マークの安定性に関係していると思われる。すなわち、Geの含有量を多くすれば非晶質マークの安定性が向上すると考えられる。しかし、yが0.3より大きいと、非晶質マークが安定になりすぎ、短時間での再結晶化(消去)及び初期結晶化が困難となる。上記一般式(1a)において、Ge含有量の10原子%以上30原子%以下の範囲内とすれば、必要な結晶化速度を確保しつつも非晶質マークも極めて安定となり、結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とできるのみならず、記録した信号の保存安定性が優れる状態となる。
本発明に用いる相変化記録材料は、結晶化時の温度に依存して結晶化速度が大きく変化することが好ましい。つまり、結晶化時の温度が結晶化温度より十分高く融点に近い高温領域においては結晶化速度が速くなる一方で、室温近傍の低温領域においては結晶化速度が遅くなることが好ましい。本発明においては、Geを用いることにより、上記結晶化速度の温度依存性を実現することができるようになる。
(B)0<z≦0.3、w=0のとき、
上記一般式(1)において0<z≦0.3、w=0のときは、本発明の相変化記録材料はSbSnGeM1の4元系の組成となる。そして、上記一般式(1)は、下記一般式(1b)のようになる。
【0028】
【化7】
(Sb1-xSnx1-y-zGeyM1z (1b)
そして、x及びyは、それぞれ0.01≦x≦0.5及び0.05≦y≦0.3を満たす数となる。さらに、上記一般式(1b)において、元素M1は、In、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
長期保存した非晶質記録マークをオーバーライトした際のオーバーライト特性を良くするためにはSnが少ない方が良いが、Snを少なくすると、均一な結晶状態が得られずにノイズが大きくなり初期特性が多少悪化する場合がある。このような場合に、元素M1を含有させることにより、前記ノイズの上昇を抑制することができる。つまり、元素M1を用いることにより、初期特性に優れ、かつ、長期保存した記録マークをオーバーライトした際のオーバーライト特性の良いディスクを得ることができるようになる。
【0029】
上記一般式(1b)において、xの値を0.01≦x≦0.5の範囲とする点については上記(A)において説明した通りである。また、前記一般式(1b)において、xを大きくすると結晶状態と非晶質状態との光学的な特性差が大きくなるので、本発明の情報記録媒体を特に光学的情報記録用媒体として用いる場合には、信号振幅が大きくなるという利点がある。ただし、繰り返しオーバーライト耐久性、及び長期保存した非晶質の記録マーク上にさらにオーバーライトを行う場合の信号特性をさらに改良する観点から、xを0.2以下とすることが好ましい。上記一般式(1a)のように、SbSnGeの3元系の組成においては、x≦0.2の場合においては、xが小さくなると媒体のノイズが大きくなる傾向にあるが、元素M1を添加することによりノイズを下げることができる。ひいては長期保存した記録マーク上にさらにオーバーライトを行う場合の信号特性がより優れた相変化記録材料を得ることができる。
【0030】
上記一般式(1b)においては、元素M1を含有させる必要があるため、zの値は、0より大きくするが、0.005以上とするのが好ましく、0.01以上とするのがより好ましい。この範囲にすれば、相変化記録材料全体において結晶状態がより均一となり、ノイズが改善される。さらに、zを上記範囲とすれば、上記一般式(1b)においてx≦0.2とした場合においても、確実にノイズを低減することができるようになる。一方、zの値は、0.3以下とするが、0.25以下とすることが好ましく、0.2以下とすることがより好ましい。この範囲にすることによって、結晶状態−非晶質状態間の相変化時の反射率変化が十分に大きく、また相変化速度を速くすることができるようになる。
【0031】
上記一般式(1b)において、元素M1は、In、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つである。このような元素M1を少量用いることにより、結晶化速度をほとんど変えずに、長期間経過後の記録特性を改善したり、さらに別の効果を付与できるようになる。以下元素M1の種類を、(B−1)In、Ga、Pd、Pt及びAgから選ばれる元素、(B−2)希土類元素、(B−3)Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb及びVから選ばれる元素、に分けてそれぞれの元素が発揮する効果について説明する。
【0032】
尚、元素M1を用いることにより結晶化速度の制御が可能となる場合がある。このため、元素M1を用いることによって、上記一般式(1b)で表されるSbSnGeM1の4元系の組成において、Geの含有量の下限値を下げる(10原子%より少なくできる)ことができるようになる。この点について下記(B−4)で説明する。ただ、元素M1を用いることによる結晶化速度の調整は二次的なものであり、相変化記録材料の結晶化速度の調整は、まずGeの含有量を制御することによって行う。
(B−1)In、Ga、Pd、Pt及びAgから選ばれる元素
上記一般式(1b)において、元素M1をIn、Ga、Pd、Pt、Agから選ばれる元素とする場合は、初期結晶化は多少困難になる傾向にあるものの、結晶化温度を高めて非晶質マークの安定性を増す効果を得ることもでる。また、本発明の相変化記録材料を光学的情報記録用媒体の記録層に用いた場合に信号振幅を大きくできる利点がある。ここで、信号振幅が大きくなることは、結晶状態と非晶質状態との間の屈折率変化が大きくなることを意味する。
【0033】
尚、相変化記録材料中のSnの含有量を減少させると信号振幅が低下する場合があるが、このような場合においても上記元素を元素M1として用いることにより、信号振幅の低下を補うことができるようになる。Snの含有量を減少させれば、繰り返しオーバーライト特性等を改良することができるため、元素M1として、In、Ga、Pd、Pt、Agから選ばれる少なくとも1つの元素を用いる場合には、上記一般式(1b)において、xを0.2以下とするのが好ましく、0.15以下とすることが特に好ましい。
【0034】
特に、添加元素MをIn、Gaとすれば、長期保存した記録マークをオーバーライトした際のオーバーライト特性を良好にすることも可能となる。また、InとGaとを比較すると、Inの方がノイズを低減する効果が大きい。添加元素MがPt、Pdである場合は、信号振幅の改善は小さいものの、容易に初期結晶化できる利点がある。
これらの元素の中で、本発明の相変化記録材料を光学的情報記録媒体に用いる場合には、Inを用いることが最も好ましい。Inを用いる場合には、In及びSnの含有量を制御することが好ましい。具体的には、上記一般式(1b)におけるx+zを、0.05以上とするのが好ましく、0.1以上とするのが特に好ましい。一方、上記x+zを、0.3以下とするのが好ましく、0.25以下とするのが特に好ましい。
【0035】
(B−2)希土類元素
上記一般式(1b)において、元素M1を希土類元素としてもよい。希土類元素とは、周期表3B族元素をいい、具体的には、Sc、Y、ランタノイド元素、及びアクチノイド元素をいう。これら、周期表3B族元素は類似する性質を有しているため、元素M1として上記いずれの元素を用いてもよい。好ましいのは、電子配置上4f電子が順次満たされていく系列であり、類似する性質を有する傾向の強いランタノイド元素(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの15元素)を用いることである。上記ランタノイド元素の中でも、特に好ましくはTb、Gdを用いることである。Tb、Gdを用いることにより、情報記録媒体の初期結晶化が容易にできるようになる。
【0036】
さらに、元素M1にランタノイド元素を用いる場合は次のような効果もある。本発明のSbSnGe系の相変化記録材料は、記録条件等によっては、繰り返しオーバーライト記録を行うと次第に結晶化速度が遅くなり記録特性が悪化する場合がある。例えば、上記相変化記録材料を情報記録媒体の一つである書き換え型の光学的情報記録媒体の記録層に用いた場合、繰り返し記録回数が1000回を越えると、ジッタ特性が悪化する場合がある。この傾向は、Snの量が0.2≦x≦0.35の範囲内においては、xを大きくすると顕著となる。しかし、xを大きくする(Sn量を多くする)と、信号振幅が大きくなり低パワーでの記録が可能となる利点がある。従って、繰り返し記録によるジッタ特性の悪化を軽減できるならば、xの値をなるべく大きく(Sn量をなるべく多く)して、信号振幅を大きくすることが有効となる。ランタノイド元素の添加は、上記繰り返し記録したときの結晶化速度低下に伴うジッタ特性の悪化を抑制する効果がある。すなわち、本発明のSbSnGe系の相変化記録材料にランタノイド元素を含有させることにより、信号振幅が大きく低パワーでの記録が可能で、かつ繰り返し記録耐久性に非常に優れる情報記録媒体が得られるようになる。
【0037】
上記ランタノイド元素を含有させる効果は、本発明の相変化記録材料を特に光学的情報記録媒体に用いる場合に顕著に発揮される。
(B−3)Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVから選ばれる元素
上記一般式(1b)において、元素M1をSe、C、Si、Alから選ばれる元素とする場合は、初期結晶化は多少困難になる傾向にあるものの、信号振幅を大きくできる利点があり、結晶化温度を高めて非晶質マークの安定性を増す効果を得ることもできる。
また、元素M1をBi、Ta、W、Nb、Vから選ばれる元素とすると、信号振幅の改善は小さいものの、容易に初期結晶化できる利点がある。
さらに、元素M1をN、O、Znから選ばれる元素とすると、光学特性と結晶化速度との微調整ができるようになる。
【0038】
尚、元素M1をSe、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つとする場合には、元素M1の含有量の上限を10原子%とすることが最も好ましい。つまり、上記一般式(1b)において、zをz≦0.1とすることが好ましく、z≦0.05とするのがより好ましい。これは、上記元素を10原子%より多く添加すると、ノイズが高くなったり、初期結晶化が困難になったりする場合があるからである。
【0039】
(B−4)元素M1を用いることによる副次的な効果
前記一般式(1b)において、元素M1を用いることにより、Geの量を表すyを0.1より小さくできるようになる。上記(A)で説明したように、SbSnGeの3元系の組成においては、結晶化速度が速くなりすぎて、非晶質状態の記録マークの形成安定性及び保存安定性を保つために、Geの含有量を10原子%より少なくする(yを0.1よりも小さくする)ことができない。しかし、元素M1の添加により結晶化速度を遅くして、非晶質状態の良好な形成及び保存安定性の向上を達成できる場合がある。特に、元素M1をIn、Ga、Ag、ランタノイド元素(中でもTb,Gd)とすると、上記効果が大きい。従って、元素M1を用いることにより、SbSnGeの3元系の組成における場合よりも、Geの含有量の下限値を下げることができるようになる。Geの含有量を少なくすることは以下のような効果もある。
【0040】
Geを多く含有させると、相変化記録材料の結晶化速度が遅くなり、非晶質相の保存安定性が向上する。つまり、Geを用いることによって主として室温近傍の保存状態における非晶質の再結晶化を抑制することができるようになり、非晶質状態の保存安定性が向上する。従って、Geを用いることにより相変化記録材料の記録安定性が向上する。
しかしながら、この非晶質相の経時安定性の向上は、記録後長期間経過した非晶質相を再度結晶化(記録マークの消去)する際に良好に相変化が行えない問題を引き起こす場合がある。上記非晶質相の再度結晶化が良好に行えなくなる理由は必ずしも明らかではないが、急冷によって一旦形成された非晶質状態が経時によってさらに安定な他の非晶質状態に移行するために、長期間保存後の結晶化が良好に行えなくなると考えられる。急冷によって一旦形成された非晶質状態は局所安定な状態であるため、長時間の間に原子の結合状態が微妙に変化し、非晶質状態がさらにエネルギー的に安定な状態になることは十分あり得ることである。そして、上記長期間経過後に非晶質マークを再結晶化(消去)した上で再度非晶質マークのオーバーライト記録を行う場合の記録特性を重視する観点からは、Geの含有量をなるべく少なくして、室温近傍における非晶質相の保存安定性を多少不安定にしてでも、長期間経過後の消去特性の改善効果を得るようにしたい。
ところが、上述の通り、SbSnGe系の3元組成においては、Geの含有量を10原子%より少なくすると、結晶化速度が速くなりすぎて結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とする事が困難となる。さらに、たとえ非晶質状態が形成されたとしても、この非晶質状態は室温保存状態において再結晶化しやすい問題もあるため、SbSnGe系の3元組成においてはGeの含有量を10原子%より少なくすることは困難である。このため本発明においては、元素M1を用いることにより、元素M1が有する結晶化速度を遅くする効果又は非晶質相の保存安定性を改善する効果と、Geの含有量を少なくすることよる結晶化速度を速くする効果又は非晶質の保存安定性を低下させる効果とが相殺されて、結晶化速度をほとんど変えずに、上記長期間経過後の記録特性を改善することができるようになる。
但し、元素M1が有する結晶化速度を遅くする効果は、後述するように、Teが有する結晶化速度を遅くする効果程は高くない。このため、SbSnGe系の3元組成に元素M1を含有させる場合は、Geの含有量の下限値を5原子%(y=0.05)より少なくすると相変化記録材料の結晶化速度が速くなりすぎてしまう。このため、後述するように、SbSnGe系の3元組成にTeを含有させる場合においては、Geの含有量の下限値を1原子%(y=0.01)まで下げることができるが、SbSnGe系の3元組成に元素M1のみを含有させる場合においては、Geの含有量の下限値を5原子%(y=0.05)までしか下げることができない。
【0041】
すなわち、上記一般式(1b)において、yの値は、0.05以上とするが、0.08以上とするのが好ましく、0.1以上とするのがより好ましく、0.12以上とするのがさらに好ましく、0.15以上とするのが特に好ましい。この範囲にすることによって、長期間経過後においても良好な記録特性が得られるようになる。一方、yの値は、0.3以下とするが、0.25以下とするのが好ましく、0.2以下とするのがより好ましい。この範囲とすることにより、高転送レートの記録消去に必要な結晶化速度を得ることができるようになる。
(C)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき
上記一般式(1)において0≦z≦0.3、0<w≦0.1のときは、本発明の相変化記録材料は、Teを含有する組成となる。そして、一般式(1)は、下記一般式(1c)のようになる。
【0042】
【化8】
(Sb1-xSnx1-y-w-zGeyTewM1z (1c)
そして、x及びyは、それぞれ0.01≦x≦0.5及び0.01≦y≦0.3を満たす数となる。さらに、上記一般式(1c)において、元素M1は、In、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
上記一般式(1c)において、xの値を0.01≦x≦0.5の範囲とする点については上記(A)において説明した通りである。上記一般式(1a)のように、SbSnGeの3元系の組成においては、xを大きくする(例えばx≦0.2とする。)と結晶状態と非晶質状態との光学的な特性差が大きくなるので、本発明の情報記録媒体を特に光学的情報記録用媒体として用いる場合には、信号振幅が大きくなるという利点がある。しかし、繰り返しオーバーライト耐久性、及び長期保存した記録マーク上にさらにオーバーライトを行う場合の信号特性をさらに改良する観点からは、xをある程度小さくすることが好ましい。ここで、Teを添加すると、xが0.2以上の比較的大きい場合であっても、繰り返し記録耐久性、長期保存した記録マーク上にさらにオーバーライトを行う場合の信号特性を改善することができる。ひいては初期特性、繰り返し記録耐久性、及び長期保存した記録マーク上にさらにオーバーライトを行う場合の信号特性のすべてに優れた相変化記録材料を得ることができる。
【0043】
Teの含有量は、0原子%より大きくする(0<w)が、0.1原子%以上とする(0.001≦w)ことが好ましく、1原子%以上とする(0.01≦w)ことがより好ましく、3原子%以上とする(0.03≦w)ことが特に好ましい。この範囲とすれば、長期保存した記録マークをオーバーライトした際のオーバーライト特性を良好にすることができるようになる。一方、Teの含有量が多くなると、GeTeの結晶相又はGeSbTeの結晶相が出現する傾向があり、SbSnを主成分とする本発明の相変化記録材料における結晶の均一性が低下し、結晶状態の反射率及び信号振幅が小さくなる傾向があるため、Teの含有量は、10原子%以下とする(w≦0.1)が、9原子%以下とする(w≦0.09)ことが好ましく、7原子%以下とする(w≦0.07)ことがより好ましい。Teの含有量を7原子%以下とすれば、結晶状態の反射率及び信号振幅を十分に確保することができるようになる。
本発明の相変化記録材料においてTeを用いるさらなる意義について説明する。すなわち、前記一般式(1c)において、Teを用いることにより、Geの含有量を10原子%より少なく(y<0.1)、さらには5原子%より少なく(y<0.05)にすることができるようになるのである。上記(A)で説明したように、SbSnGeの3元系の組成においては、結晶化速度を調節して結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とする点から、Geの含有量を表すyを0.1よりも少なくすることができない。さらに、上記(B)で説明したように、SbSnGeに結晶化速度等を調節する働きを有するM1(M1はIn等)を添加した4元系の組成とすれば、Geの含有量の下限値を5原子%(y=0.05)まで下げることができるようになる。しかしこの場合においても、5原子%よりも少なくすると相変化記録材料の結晶化速度が速くなりすぎてしまう。
これら組成の相変化記録材料に対し、相変化記録材料にTeを含有させると、結晶化速度をより遅くすることができる。このように、Teは、結晶化速度を遅くする働きが強い元素である。従って、SbSnGe又はSbSnGeM1の各組成における場合よりも、Geの含有量の下限値を下げることができるようになる。Geの含有量を少なくすることは以下のような効果もある。
【0044】
Geを多く含有させると、相変化記録材料の結晶化速度が遅くなり、非晶質相の保存安定性が向上する。つまり、Geを用いることによって主として室温近傍の保存状態における非晶質の再結晶化を抑制することができるようになり、非晶質状態の保存安定性が向上する。従って、Geを用いることにより相変化記録材料の記録安定性が向上する。
しかしながら、この非晶質相の保存安定性の向上は、記録後長期間経過した非晶質相を再度結晶化(記録マークの消去)する際に良好に相変化が行えない問題を引き起こす場合がある。上記非晶質相の再度結晶化が良好に行えなくなる理由は必ずしも明らかではないが、急冷によって一旦形成された非晶質状態が経時によってさらに安定な他の非晶質状態に移行するためと考えられる。
従って、上記長期間経過後に一旦、非晶質マークを再結晶化(消去)した上で再度非晶質マークの記録を行う場合の記録特性を重視する観点からは、Geの含有量をなるべく少なくして、室温近傍における非晶質相の保存安定性を多少不安定にしてでも、長期間経過後の消去特性の改善効果を得るようにしたい。ところが、上述の通り、Geの含有量を少なくすると、結晶化速度が速くなりすぎて結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とする事が困難となる。さらに、たとえ非晶質状態が形成されたとしても、この非晶質状態は室温保存状態において再結晶化しやすい問題もある。このため本発明においては、Teを用いることにより、Teが有する結晶化速度を遅くする効果又は非晶質相の保存安定性を改善する効果と、Geの含有量を少なくすることよる結晶化速度を速くする効果又は非晶質の保存安定性を低下させる効果とが相殺されて、結晶化速度をほとんど変えずに、上記長期間経過後の記録特性を改善することができるようになる。
また、Teを用いることにより、上述の経時変化によって非晶質状態がさらに安定な他の非晶質状態に移行することを抑制する効果も発揮されると推測される。
【0045】
以上を踏まえ、上記一般式(1c)におけるGe含有量を表すyは、0.01以上とするが、0.05以上とするのが好ましく、0.08以上とするのがより好ましく、0.1以上とするのがさらに好ましい。この範囲にすることによって、長期間経過後においても良好な記録特性が得られるようになる。一方、yの値は、0.3以下とするが、0.25以下とするのが好ましく、0.2以下とするのがより好ましい。この範囲とすることにより、高転送レートの記録消去に必要な結晶化速度を得ることができるようになる。
相変化記録材料にGeと併用してTeを用いる一つの目的は、上述の通りGe単独の場合よりもさらに長期保存安定性を高めるためである。この点から、TeはGeに対して補助的に用いられることが好ましい。さらに、Ge及びTeの合計含有量については、y+w≦0.3にすることが好ましく、y+w≦0.2とすることがより好ましい。一方で、非晶質マークの安定性を確保するために、y+wは、通常0.05以上、好ましくは0.07以上、より好ましくは0.1以上とする。
また、上記一般式(1c)において元素M1を用いる意義については、上記(B)で説明した通りである(元素M1を用いることにより、ノイズの上昇が抑制されること、元素M1は用いる種類によって更なる別の効果を得ることができること、等)。さらに、上記一般式(1c)において元素M1の含有量を示すzの範囲やそのような範囲とする理由等についても上記(B)で説明した通りである。
【0046】
尚、Teを添加することにより、相変化記録材料の結晶状態の反射率及び信号振幅が低下する傾向にあるため、Teを添加すると同時に、例えば、In、Pd、Ag、Au等の信号振幅を大きくする働きのある元素を元素M1として添加してやれば、さらに良好な相変化記録材料を得ることができるようになる。Teと組み合わせて用いる元素M1として最も好ましいのはInである。その場合、(1d)は、
【化9】
(Sb1-xSnx1-y-w-zGeyTewInz (1d)
となるが、特に、Teの添加による光学的コントラストの低下を抑制するため、In又はSnを多めにする必要があり、InとSnの合計の含有量{x×(1−y−w−z)+z}とTe含有量wとの比、{x×(1−y−w−z)+z}/wを2以上とするのが好ましく、3以上とするのがより好ましい。
(D)その他の事項
本発明の相変化記録材料は、Sbを主成分とすることが好ましい。高速結晶化に最も有効な元素はSbであるため、相変化記録材料にSbを主成分とするものを用いれば、例えば、非晶質マークの再結晶化(消去)を100nsecより短い時間のエネルギービームの照射で行う場合においても、良好な再結晶化を行うことができるようになる。従って、上記一般式(1)において、Sbの含有量は50原子%以上であることが好ましい。すなわち、(1−x)×(1−y−w−z)≧0.5であることが好ましい。このように、Sbを主成分とすることにより、Sbの六方晶をベースとする単一結晶相が選られやすくなる。
また、上記一般式(1)において、結晶化速度の精密な制御のためには、Ge量、Te、及び元素M1の含有量の合計値を制御することが重要となる。このため、y+z+wは、0.1以上とすることが好ましく、0.15以上とすることがより好ましい。この範囲にすれば、非晶質マークが良好に形成できるようになる。一方、y+z+wは、0.4以下とすることが好ましく、0.3以下とするのがより好ましい。この範囲にすれば、相変化速度を十分に速く、また相変化時の反射率変化を大きくすることができるようになる。さらに、上記範囲にすれば、Ge、Te及び元素M1の結合によって他の安定な結晶相が出現することも抑制できる。
【0047】
このように、上記一般式(1)において、yとzとwの和の値を制御する意義を以下に詳細に説明する。
前記一般式(1)において、Ge含有量を変化させることにより、結晶化速度を制御することができる。すなわち、記録層組成、(Sb1-xSnx1-y-w-zGeyTewM1zにおいてyが小さくなると結晶化速度が速くなる傾向にある。書き換え型情報記録媒体では一般に、短時間での記録消去では結晶化速度を速くする必要がある。このため、書き換え型情報記録媒体の記録条件に応じた結晶化速度を得るために、含有されるGe量を適宜制御すればよい。ただし、結晶化速度はz、wの値にも関係しz、wが大きくなると結晶化速度は遅くなる。したがって結晶化速度を制御するために、z、wを大きくしたときにyは小さくして、y+z+wを上記所定範囲内に制御することが有効となるのである。
【0048】
尚、特開昭63−201927号公報には、SbSnGe系合金を用いた、ライトワンス型の記録要素について記載があるが、記録マークを形成する原理が本発明とは異なる。すなわち、上記公報に記載されたライトワンス型媒体では、媒体製造時に得られる非晶質膜を未記録状態としており、その中に光照射により結晶状の記録マークを形成する。一方、本発明の相変化記録材料においては、相変化記録材料の結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とする。特に、本発明の相変化記録材料を光学的情報記録媒体に用いる場合には、相変化記録材料を含有する記録層全体が均一な結晶状態となることが重要である。そして、光学的情報記録媒体においては、上記均一な結晶状態の記録層中に非晶質の記録マークを形成することとなる。
【0049】
ここで、ライトワンス型媒体において結晶の記録マークを形成する場合と、本発明の媒体のように非晶質の記録マークを形成する場合とでは、相変化記録材料に要求される性能が大きく異なる。
まず、ライトワンス型媒体において結晶の記録マークを形成する場合と、本発明の媒体のように非晶質の記録マークを形成する場合とでは、相変化記録材料に要求される結晶化速度範囲が異なる。すなわち、ライトワンス型媒体において結晶の記録マークを形成する場合は、結晶化速度が非常に速い相変化記録材料を用いる必要がある。なぜなら、一度形成した結晶の記録マークは非晶質に戻す必要がないばかりか、むしろ結晶マークの安定性確保の観点からは非晶質状態に戻ることは好ましくないからである。さらに、結晶化速度が遅い相変化記録材料では、光照射等により溶融した部分が全て結晶状態となる前にその一部が非晶質化してしまうため、記録マークが変形する問題もあるからである。
【0050】
一方、本発明の媒体のように非晶質の記録マークを形成する場合は、相変化記録材料の結晶化速度が速すぎると、光照射等により溶融した部分が再結晶化して非晶質の記録マークを形成することができなくなる。従って、非晶質の記録マークを安定に形成するためには、結晶化速度と非晶質の記録マークの安定性とのバランスがとれるような結晶化速度とする必要がある。ここで、結晶化速度と非晶質のマークの安定性とのバランスを良好に保つためには、結晶化速度の温度依存性が大きいことが好ましい。すなわち、非晶質の記録マークを再結晶化する場合には、結晶化時の温度が結晶化温度より十分高く融点に近い高温領域となるが、この温度領域においては結晶化速度が速くなることが好ましい。その一方で、非晶質の記録マークの保存安定性を上げる観点から、結晶化温度より十分低く室温近傍の低温領域においては、非晶質マークの再結晶化を防ぐために結晶化速度が遅くなることが好ましい。本発明の相変化記録材料においては、Geを用い、さらにGeの含有量を制御することにより、上記結晶化速度の温度依存性を実現することができるようになる。
【0051】
次に、ライトワンス型媒体において結晶の記録マークを形成する場合と、本発明の媒体のように非晶質の記録マークを形成する場合とでは、相変化記録材料中の結晶核について要求される性質も全く異なる。すなわち、非晶質状態の中に結晶の記録マークを形成する場合は、非晶質状態の中に結晶核が数多く存在する必要がある。これは、結晶核が存在しない領域では結晶の記録マークが形成できないためであり、しかも結晶の記録マークの形と位置とを正確に制御するためには、記録マークが形成される領域中に数多く結晶核が存在する必要があるからである。結晶核の数が足りないと、結晶の記録マークが形成される位置が結晶核の位置に依存するため、ジッタ等の記録特性が悪化することになる。
【0052】
一方、本発明の媒体のように均一な結晶状態の中に非晶質の記録マークを形成する場合には、相変化記録材料中に結晶核は存在しないか、又は存在したとしても、結晶核の数が、非晶質の記録マークを形成する過程において結晶核が実質的に機能しない程度に少ないことが好ましい。なぜなら、マーク形成過程において結晶核が有効に機能すると、非晶質マークを形成すべき溶融領域の一部又は全部が非晶質化することなく再結晶化してしまうからである。すなわち非晶質マークを形成する場合には、マーク形状は、結晶核の数や位置に極力影響を受けることなく、相変化記録材料の熱履歴によってのみ決まることが好ましい。
さらに、本発明においては、非晶質の記録マークを再結晶化により消去する場合に記録マーク中に結晶核が存在しなくとも、記録マーク周辺の結晶を起点として結晶成長が起きるので、非晶質中に結晶核を存在させる必要はない。本発明においては、Geを用い、かつGeの含有量を制御することにより、相変化記録材料中での結晶核生成を有効に抑制できるようになる。結晶核生成は、結晶成長が起こる温度領域よりも低い温度領域において進行するのが一般的である。従って、結晶核生成を抑制することは、室温付近での非晶質マークの保存安定性の点からも好ましい。
【0053】
このように、ライトワンス型媒体において結晶の記録マークを形成する場合と、本発明の媒体のように非晶質の記録マークを形成する場合とでは、相変化記録材料に求められる性質(例えば結晶化速度の最適な領域)や、相変化記録材料の結晶状態(例えば、結晶核が数多く存在する結晶状態であるか、結晶核が少なく均一な結晶状態であるか)が異なる。その結果、結晶の記録マークを形成する相変化記録材料と非晶質の記録マークを形成する相変化記録材料とでは、その組成範囲は当然に異なるものとなる。
尚、特開2002−11958号公報においては、InSnSbにGeを微量添加したライトワンス型の光学的情報記録媒体が開示されている。しかしながら、上記光学的情報記録媒体は、非晶質状態の記録層に結晶状態の記録マークを形成する(結晶記録型)ものであるため、非晶質状態の記録マークを形成すること及び非晶質状態の記録マークの保存安定性を向上させることへの配慮は全くない。そして、結晶型記録の光学的情報記録媒体であるため、具体的に開示された記録層組成では、Geの含有量が5原子%未満としている。
2.情報記録媒体
本発明の情報記録媒体は、結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする情報記録媒体であって、前記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料を用いることを特徴とする。上記「1.相変化記録材料」で説明したように、前記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料は、書き換え型情報記録媒体に用いると、記録信号の品質向上効果、及び情報記録媒体の生産性の向上効果が特に顕著に発揮されるようになる。従って、本発明においては、情報記録媒体を、前記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料が結晶状態と非晶質状態との間を可逆的に変化することによって、情報記録媒体の情報が書き換えられる書き換え型の情報記録媒体とすることが好ましい。
【0054】
より好ましいのは、本発明における情報記録媒体が光学的情報記録媒体であり、前記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料を含有する相変化型記録層と少なくとも1層の保護層とを有する情報記録媒体であることである。さらに好ましいのは、この光学的情報記録媒体が、書き換え型の情報記録媒体であることである。
【0055】
そこで、以下においては、本発明に用いる相変化記録材料を書き換え型の光学的情報記録用媒体(以下、「書き換え型の光学的情報記録用媒体」を単に「光学的情報記録用媒体」という。)に適用する場合の、媒体の具体的構成及び記録再生方法について、(A)〜(C)において詳細に説明する。
(A)層構成
光学的情報記録用媒体としては通常、図1(a)や、図1(b)に示すような多層構成のものが用いられる。すなわち、図1(a)、(b)より明らかなように、基板上に、本発明の光学的情報記録用媒体に用いる記録層とその少なくとも一方の面に耐熱性の保護層を積層するのが好ましい。そして、記録再生光ビーム入射とは反対側に反射層を設けることが多いが、この反射層は必ずしも必須ではない。また、光の入射面側に、光吸収の制御用に半透明な吸収性膜を設けることも適宜行われる。また、記録層の少なくとも一方の面に設けられることが好ましい保護層において、特性の異なる材料を多層化することも行われる。
【0056】
次に、記録層について説明する。
記録層に含有される材料は、上記一般式(1)で表される相変化記録材料を主成分とする。本発明の効果を有効に発揮するためには、記録層全体のうち、上記一般式(1)で表される相変化記録材料が、通常50原子%以上、好ましくは80原子%以上、より好ましくは90原子%以上、特に好ましくは95原子%以上含有される。含有量が高ければ高いほど本発明の効果が顕著に発揮されるようになるが、記録層の成膜時にOやN等の他の成分が含有されたとしても数原子%から20原子%の範囲内であれば、高速記録消去等の本発明の効果が確実に発揮される。
【0057】
記録層の厚さは、通常1nm以上であるが、好ましくは5nm以上であり、特に好ましくは10nm以上である。このようにすれば、結晶と非晶質状態と間の反射率のコントラストが十分となり、また結晶化速度も十分となり、短時間での記録消去が可能となる。また、反射率自体も十分な値となる。一方、記録層の厚さは、通常30nm以下、好ましくは25nm以下、特に好ましくは20nm以下である。このようにすれば、光学的なコントラストを十分得ることができ、また、記録層にクラックが生じにくくなる。また、熱容量が大きくなることによる記録感度の顕著な悪化も発生しない。さらにまた、上記膜厚範囲とすれば、相変化に伴う体積変化を適度に抑制することができ、オーバーライトを繰り返した際に、ノイズの原因となる、記録層自身やその上下に設けることができる保護層の微視的かつ不可逆な変形が蓄積されにくくなる。このような変形の蓄積は、繰り返しオーバーライト耐久性を低下させる傾向があるため、記録層の膜厚を上記範囲内にすることによりこの傾向を抑制することができる。
【0058】
書き換え型DVDのように波長約650nmのLD(レーザーダイオード)、開口数約0.6〜0.65の対物レンズの集束光ビームで記録再生を行う場合や、波長約400nmの青色LD、開口数約0.7〜0.85の対物レンズの集束光ビームにて記録再生を行う高密度媒体ではノイズに対する要求はいっそう厳しいために、このような場合には、より好ましい記録層の厚さは25nm以下である。
【0059】
上記記録層は所定の合金ターゲットを不活性ガス、特にArガス中でDCまたはRFスパッタリングにより得ることができる。
また、記録層の密度は、バルク密度の通常80%以上、好ましくは90%以上とする。ここでいうバルク密度ρとは、通常下記(2)式による近似値を用いるが、記録層を構成する合金組成の塊を作成して実測することもできる。
【0060】
【数1】
ρ=Σmi ρi (2)
(ここで、mi は各元素iのモル濃度であり、ρi は元素iの原子量である。)
スパッタ成膜法においては、成膜時のスパッタガス(通常Ar等の希ガス:以下Arの場合を例に説明する。)の圧力を低くしたり、ターゲット正面に近接して基板を配置するなどして、記録層に照射される高エネルギーAr量を多くすることによって、記録層の密度を上げることができる。高エネルギーArは、通常スパッタのためにターゲットに照射されるArイオンが一部跳ね返されて基板側に到達するものか、プラズマ中のArイオンが基板全面のシース電圧で加速されて基板に達するものかのいずれかである。
【0061】
このような高エネルギーの希ガスの照射効果をatomic peening効果というが、一般的に使用されるArガスでのスパッタではAtomic peening効果により、Arがスパッタ膜に混入される。膜中のAr量により、Atomic peening効果を見積もることができる。すなわち、Ar量が少なければ、高エネルギーAr照射効果が少ないことを意味し、密度の疎な膜が形成されやすい。
【0062】
一方、Ar量が多ければ、高エネルギーArの照射が激しくなり、膜の密度は高くなるものの、膜中に取り込まれたArが繰り返しオーバーライト時にvoidとなって析出し、繰り返しの耐久性を劣化させやすい。従って、適度な圧力、通常は10-2〜10-1Paのオーダーの範囲で放電を行う。
さらに、本発明の好ましい態様である、光学的情報記録用媒体の構造の他の構成要素について説明する。
【0063】
本発明で使用する基板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの樹脂、あるいはガラス、アルミニウム等の金属を用いることができる。通常基板には深さ20〜80nm程度の案内溝が設けられているので、案内溝を成形によって形成できる樹脂製の基板が好ましい。また、記録消去再生用の集束光ビームが基板側から入射する、いわゆる基板面入射(図1(a)参照)の場合は、基板が透明であることが好ましい。
【0064】
記録層の相変化に伴う蒸発・変形を防止し、その際の熱拡散を制御するため、通常記録層の上下一方又は両方、好ましくは両方に保護層が形成される。保護層の材料は、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定される。一般的には透明性が高く高融点である金属や半導体の酸化物、硫化物、炭化物、窒化物やCa、Mg、Li等のフッ化物等の誘電体を用いることができる。
【0065】
この場合、これらの酸化物、硫化物、炭化物、窒化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。繰り返し記録特性を考慮すると誘電体の混合物が好ましい。より具体的には、ZnSや希土類硫化物等のカルコゲン化合物と酸化物、窒化物、炭化物、弗化物等の耐熱化合物の混合物が挙げられる。例えば、ZnSを主成分とする耐熱化合物の混合物や、希土類の硫酸化物、特にY22Sを主成分とする耐熱化合物の混合物は好ましい保護層組成の一例である。
保護層を形成する材料としては、通常、誘電体材料を挙げることができる。誘電体材料としては、例えば、Sc、Y、Ce、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Cr、In、Si、Ge、Sn、Sb、及びTe等の酸化物、Ti、Zr,Hf、V、Nb,Ta、Cr、Mo、W、Zn,B、Al、Ga、In、Si,Ge、Sn、Sb、及びPb等の窒化物、Ti、Zr,Hf、V,Nb、Ta、Cr、Mo、W、Zn、B、Al、Ga,In、及びSi等の炭化物、又はこれらの混合物を挙げることができる。また、誘電体材料としては、Zn、Y、Cd、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBi等の硫化物、セレン化物もしくはテルル化物、Mg、Ca等のフッ化物、又はこれらの混合物を挙げることができる。
さらに誘電体材料の具体例としては、ZnS−SiO2、SiN、SiO2、TiO2、CrN、TaS2、Y22S等を挙げることができる。これら材料の中でも、ZnS−SiO2は、成膜速度の速さ、膜応力の小ささ、温度変化による体積変化率の小ささ及び優れた耐候性から広く利用される。
【0066】
繰り返し記録特性を考慮すると、保護層の膜密度はバルク状態の80%以上であることが機械的強度の面から望ましい。誘電体の混合物を用いる場合には、バルク密度として上述の式(2)の理論密度を用いる。
保護層の厚さは、一般的に通常1nm以上500nm以下である。1nm以上とすることで、基板や記録層の変形防止効果を十分確保することができ、保護層としての役目を十分果たすことができる。また、500nm以下とすれば、保護層としての役目を十分果たしつつ、保護層自体の内部応力や基板との弾性特性の差等が顕著になって、クラックが発生するということを防止することができる。
【0067】
特に、入射光側の基体(このような基体としては、例えば基板を挙げることができる。)と記録層の間に保護層(下部保護層と称することがある)を設ける場合、下部保護層は、熱による基体変形を抑制する必要があるため、その厚さは通常1nm以上、好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上である。このようにすれば、繰り返しオーバーライト中の微視的な基体変形の蓄積が抑制され、再生光が散乱されてノイズ上昇が著しくなるということがなくなる。
【0068】
一方、下部保護層の厚みは、成膜に要する時間の関係から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以である。このようにすれば、記録層平面で見た基体の溝形状が変わるということがなくなる。すなわち、溝の深さや幅が、基体表面で意図した形状より小さくなったりする現象が起こりにくくなる。
【0069】
一方、記録層の入射光側とは反対側に保護層(上部保護層と称することがある)を設ける場合、上部保護層は、記録層の変形抑制のために、通常その厚さは1nm以上、好ましくは5nm以上、特に好ましくは10nm以上である。また、繰り返しオーバーライトに伴って発生する上部保護層内部の微視的な塑性変形の蓄積を防止し、再生光の散乱によるノイズ上昇を抑制するため、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下、特に好ましくは50nm以下である。
【0070】
なお、記録層および保護層の厚みは、機械的強度、信頼性の面からの制限の他に、多層構成に伴う干渉効果も考慮して、レーザー光の吸収効率が良く、記録信号の振幅が大きく、すなわち記録状態と未記録状態のコントラストが大きくなるように選ばれる。
光学的情報記録媒体においては、さらに反射層を設けることができる。反射層の設けられる位置は、通常再生光の入射方向に依存し、入射側に対して記録層の反対側に設けられる。即ち、基板側から再生光を入射する場合は、基板に対して記録層の反対側に反射層を設けるのが通常であり、記録層側から再生光を入射する場合は記録層と基板との間に反射層を設けるのが通常である(図1(a)、(b)参照)。
【0071】
反射層に使用する材料は、反射率の大きい物質が好ましく、特に放熱効果が期待できるAu、Ag又はAl等の金属が好ましい。その放熱性は膜厚と熱伝導率で決まるが、熱伝導率は、これら金属ではほぼ体積抵抗率に比例するため、放熱性能を面積抵抗率で表すことができる。面積抵抗率は、通常0.05Ω/□以上、好ましくは0.1Ω/□以上、一方、通常0.6Ω/□以下、好ましくは0.5Ω/□以下とする。
【0072】
これは、特に放熱性が高いことを保証するものであり、光学的情報記録用媒体に用いる記録層のように、非晶質マーク形成において、非晶質化と再結晶化の競合が顕著である場合に、再結晶化をある程度抑制するために必要なことである。反射層自体の熱伝導度制御や、耐腐蝕性の改善のため上記の金属にTa、Ti、Cr、Mo、Mg、V、Nb、Zr,Si等を少量加えてもよい。添加量は通常0.01原子%以上20原子%以下である。Ta及び/又はTiを15原子%以下含有するアルミニウム合金、特に、Alα Ta1-α(0≦α≦0.15)なる合金は、耐腐蝕性に優れており、光学的情報記録用媒体の信頼性を向上させる上で特に好ましい反射層材料である。
【0073】
あるいは、AgにMg,Ti,Au,Cu,Pd,Pt,Zn,Cr,Si,Ge、希土類元素のいずれか一種を0.01原子%以上10原子%以下含むAg合金も反射率、熱伝導率が高く、耐熱性も優れていて好ましい。
尚、上部保護層の膜厚を5nm以上50nm以下とする場合には特に、反射層を高熱伝導率にするため、含まれる添加元素を2原子%以下とするのが好ましい。
反射層の材料として、特に好ましいのは、Agを主成分とすることである。Agを主成分とすることが好ましい理由は以下の通りである。すなわち、長期保存した記録マークを再度オーバーライトすると、保存直後の第一回目のオーバーライトだけ、相変化記録層の再結晶化速度が速くなる現象が発生する場合がある。このような現象が発生する理由は不明であるが、この保存直後における記録層の再結晶化速度の増加により、保存直後の第一回目のオーバーライトで形成した非晶質マークの大きさが所望するマークの大きさよりも小さくなる。従って、このような現象が発生するような場合には、反射層に放熱性が非常に高いAgを用いて記録層の冷却速度を上げることにより、保存直後における第一回目のオーバーライト時の記録層の再結晶化を抑制して非晶質マークの大きさを所望の大きさに保つことができるようになる。
【0074】
反射層の膜厚としては、透過光がなく完全に入射光を反射させるために10nm以上が望ましい。また、あまりに厚すぎても、放熱効果に変化はなくいたずらに生産性を悪くし、また、クラックが発生しやすくなるので、通常は500nm以下である。
【0075】
光学的情報記録用媒体の好ましい層構成は、再生光の入射方向に沿って順に、第1保護層、記録層、第2保護層、反射層が設けられている構成である。即ち、基板側から再生光を入射する場合は、基板、下部保護層、記録層、上部保護層、反射層の層構成とし、記録層側から再生光を入射する場合は、基板、反射層、下部保護層、記録層、上部保護層の層構成とするのが好ましい。
【0076】
無論、これらの各層はそれぞれ2層以上で形成されていても良く、また、それらの間に中間層が設けられていても良い。例えば、基板側から再生光を入射する場合の基板/保護層間や、基板とは反対側から再生光を入射する場合の保護層上に、半透明の極めて薄い金属、半導体、吸収を有する誘電体層等を設けて、記録層に入射する光エネルギー量を制御することも可能である。
【0077】
記録層、保護層、及び反射層は、通常スパッタリング法などによって形成される。
記録層用ターゲット、保護層用ターゲット、必要な場合には反射層材料用ターゲットを同一真空チャンバー内に設置したインライン装置で膜形成を行うことが各層間の酸化や汚染を防ぐ点で望ましい。また、生産性の面からも優れている。
光学的情報記録用媒体の最表面側には、空気との直接接触を防いだり、異物との接触による傷を防ぐため、紫外線硬化樹脂や熱硬化型樹脂からなる保護コートを設けるのが好ましい。保護コートは通常1μmから数百μmの厚さである。また、硬度の高い誘電体保護層さらにを設けたり、その上にさらに樹脂層を設けることもできる。
【0078】
(B)光学的情報記録媒体の初期結晶化方法
記録層は通常スパッタ法等の真空中の物理蒸着法で成膜されるが、成膜直後の状態(as−deposited状態。本明細書においては、これを単にas−depo.という場合がある。)では、記録層は通常非晶質であるため、本発明ではこれを結晶化させて未記録消去状態とする。この操作を初期化と称する。初期結晶化操作としては、例えば、結晶化温度(通常150〜300℃)以上融点以下での固相でのオーブンアニールや、レーザー光やフラッシュランプ光などの光エネルギー照射でのアニール、溶融初期化などの方法が挙げられる。本発明においては、結晶核生成の少ない相変化記録材料を用いるため、上記初期結晶化操作のうち、溶融初期化を用いることが好ましい。
【0079】
溶融初期化においては、再結晶化の速度が遅すぎると熱平衡を達成するための時間的余裕があるために他の結晶相が形成されることがあるので、ある程度冷却速度を速めるのが好ましい。また、溶融状態で長時間保持されると、記録層が流動したり、保護層等の薄膜が応力で剥離したり、樹脂基板等が変形するなどして、媒体の破壊につながるので好ましくない。
【0080】
例えば、融点以上に保持する時間は、通常10μs以下、好ましくは1μs以下とすることが好ましい。
また、溶融初期化には、レーザ光を用いるのが好ましく、特に、走査方向にほぼ平行に短軸を有する楕円型のレーザ光を用いて初期結晶化を行う(以下この初期化方法を「バルクイレーズ」と称することがある)のが好ましい。この場合、長軸の長さは、通常10〜1000μmであり、短軸の長さは、通常0.1〜5μmである。
【0081】
なお、ここでいうビームの長軸及び短軸の長さは、ビーム内の光エネルギー強度分布を測定した場合の半値幅から定義される。このビーム形状も短軸方向における局所加熱、急速冷却を実現しやすくするため、短軸長を5μm以下、さらには2μm以下とすることがより好ましい。
レーザ光源としては、半導体レーザ、ガスレーザ等各種のものが使用できる。レーザ光のパワーは通常100mWから10W程度である。なお、同等のパワー密度とビーム形状が得られるならば、他の光源を使用してもかまわない。具体的にはXeランプ光等があげられる。
【0082】
バルクイレーズによる初期化の際、例えば円盤状の記録媒体を使用した際、楕円ビームの短軸方向をほぼ円周方向と一致させ、円盤を回転させて短軸方向に走査するとともに、1周(1回転)ごとに長軸(半径)方向に移動させて、全面の初期化を行うことができる。こうすることで、周方向のトラックにそって走査される記録再生用集束光ビームに対して、特定方向に配向した多結晶構造を実現できる。
【0083】
1回転あたりの半径方向の移動距離は、ビーム長軸より短くしてオーバーラップさせ、同一半径が複数回レーザー光ビームで照射されるようにするのが好ましい。その結果、確実な初期化が可能となると共に、ビーム半径方向のエネルギー分布(通常10〜20%)に由来する初期化状態の不均一を回避することができる。一方、移動量が小さすぎると、かえって前記他の好ましくない結晶相が形成されやすいので、通常半径方向の移動量は、通常ビーム長軸の1/2以上とする。
【0084】
少なくとも、溶融初期化によって本発明に用いる光学的情報記録用媒体を得ることができたかどうかは、初期化後の未記録状態の反射率R1と、実際の直径1μm程度の記録用集束光ビームで非晶質マークのオーバーライトを行った後の再結晶化による消去状態の反射率R2とが実質的に等しいかどうかで判断できる。ここでR2は、10回オーバーライト後の消去部の反射率である。
【0085】
従って、本発明に用いる光学的情報記録用媒体は、初期結晶化後の未記録部の反射率R1、10回オーバーライト後の消去部の反射率をR2とするとき、下記関係式(3)を満たすことが好ましい。
【0086】
【数2】
ΔR = 2|R1−R2|/(R1+R2)×100(%) ≦ 10…(3)
ここで、10回オーバーライト後の消去部の反射率R2を判断指標とする理由は、10回のオーバーライトを行えば、1回の記録だけでは未記録状態のまま残りうる結晶状態反射率の影響を除去し、光学的情報記録用媒体全面を少なくとも1回は記録・消去による再結晶化した状態とすることができるからである。一方、オーバーライトの回数が10回を大きく超えると逆に、繰り返しオーバーライトによる微視的変形や、保護層からの異元素の拡散等、結晶構造の変化以外の要因が反射率変化を引き起こすため、所望の結晶状態が得られたか否かの判断が困難となるからである。
【0087】
上記関係式(3)においては、ΔRが10%以下なるようにするが、5%以下とすることが好ましい。5%以下とすれば、より信号ノイズの低い光学的情報記録用媒体を得ることができる。
例えば、R1が17%程度の光学的情報記録用媒体では、概ねR2が16〜18%の範囲にあればよい。初期化エネルギービームの走査速度は、通常3〜20m/s程度の範囲である。
【0088】
尚、上記消去状態は、必ずしも記録用集束レーザー光を実際の記録パルス発生方法に従って変調しなくても、記録パワーを直流的に照射して記録層を溶融せしめ、再凝固させることによっても得られる。
本発明に用いる相変化記録材料に対して、所望の初期結晶状態を得るには、この初期化エネルギービームの記録層平面に対する走査速度の設定が特に重要である。基本的には、初期結晶化後の結晶状態がオーバーライト後の消去部分の結晶状態と類似することが重要であるから、集束光ビームを使って実際にオーバーライトする場合の集束光ビームの記録層面に対する相対的な走査線速度に近いことが望ましい。具体的には、光学的情報記録用媒体のオーバーライト記録を行う最高線速度の20〜80%程度の線速度で初期化エネルギービームを走査する。
【0089】
なお、オーバーライトの最高線速とは、例えば、ここではその線速度で消去パワーPeを直流的に照射したときに、消去比が20dB以上となることをいう。
消去比は、概ね単一周波数で記録された非晶質マークの信号のキャリアレベルとPeの直流照射による消去後のキャリアレベルとの差として定義される。消去比の測定は例えば以下のように行う。まず、十分な信号特性(すなわち反射率や信号振幅またジッタ(本明細書においてはjitterという場合がある。)などが規定値を満たす特性)が得られる記録条件において、記録する変調信号のなかで周波数の高い条件を選び単一周波数として10回オーバーライトして非晶質マークをつくり、キャリアレベル(記録時C.L.)を測定する。その後、非晶質マークに対して直流照射を1回、消去パワーPeを変えながら行い、このときのキャリアレベル(消去後C.L.)を測定し、記録時C.L.と消去後C.L.の差、すなわち消去比を算出する。直流照射のパワーPeを変更すると消去比は一般に一度大きくなり、下がり、また大きくなる傾向があるが、ここではパワーPeを大きくし始めたときにみられる消去比のはじめのピーク値をそのサンプルの消去比とする。
【0090】
初期化エネルギービームの走査速度は、上記のように規定された最高線速度の概ね20%より低い速度で初期化エネルギービームを走査すると相分離が生じて単一相が得られにくかったり、単一相であっても、結晶子が特に初期化ビーム走査方向に伸びて巨大化したり、好ましくない方向に配向したりする。好ましくは、オーバーライト可能な最高線速度の30%以上の速度で初期化エネルギービームを走査すればよい。
【0091】
一方、オーバーライト記録可能な最高使用線速度と同等、すなわち概ねその80%より高い速度で初期化エネルギービームを走査した場合、初期化走査で一旦溶融した領域が再度非晶質化してしまうので好ましくない。走査線速度を早くすると溶融した部分の冷却速度は速くなり、再固化までの時間が短くなるからである。記録用の直径1ミクロン程度の集束光ビームでは、溶融領域周辺の結晶領域からの結晶成長による再結晶化は短時間でも完了できる。しかし、初期化楕円光ビームで走査した場合は、長軸方向の溶融領域面積が広くなるため、実際のオーバーライト時よりは、走査線速度を低くして、再凝固中の再結晶化を溶融領域全域に行き渡らせる必要がある。このような観点から、初期化エネルギービームの走査線速度は、オーバーライトの最高線速度の70%以下とすることが好ましく、60%以下とすることがより好ましい。
【0092】
本発明に用いる光学的情報記録用媒体は、レーザー光の照射により初期結晶化をおこなう場合、レーザー光に対する媒体の移動速度を大きくすることが可能であるという特徴をもつ。これは、短時間での初期結晶化が可能であるということに結びつき、生産性の向上やコスト削減が可能となる点で好ましい。
(C)光学的情報記録媒体の記録再生方法
本発明に用いる光学的情報記録用媒体に使用できる記録再生光は、通常半導体レーザーやガスレーザーなどのレーザー光であって、通常その波長は300〜800nm、好ましくは350〜800nm程度である。特に1Gbit/inch2以上の高面記録密度を達成するためには、集束光ビーム径を小さくする必要があり、波長350から680nmの青色から赤色のレーザー光と開口数NAが0.5以上の対物レンズを用いて集束光ビームを得ることが望ましい。
【0093】
本発明では、前記のように非晶質状態を記録マークとする。また、本発明では、マーク長変調方式によって情報を記録するのが有効である。これは、特に最短マーク長が4μm以下、特に1μm以下となるマーク長記録の際に特に顕著である。
【0094】
記録マークを形成する際、従来の2値パワーレベル変調方式による記録を行うこともできるが、本発明においては下記のような記録マークを形成する際にオフパルス期間を設ける3値以上の多値パワーレベル変調方式による記録方法を採用するのが特に好ましい。
図2は、光学的情報記録用媒体の記録方法における記録光のパワーパターンを示す模式図である。長さnT(Tは基準クロック周期、nはマーク長変調記録において取りうるマーク長であり、整数値である)にマーク長変調された非晶質マークを形成する際、(n−j)T(ただしjは0以上2以下の実数)を、m=n−k(ただしkは0以上の整数)個の記録パルスに分割し、個々の記録パルス幅をαi T(1≦i≦m)とし、個々の記録パルスにβi T(1≦i≦m)なる時間のオフパルス区間を付随させる。尚、図2の分割記録パルスにおいては、図の見やすさの観点から、基準クロック同期Tの表記を省略してある。つまり、図2において、例えばαi Tと記載すべきところは、単にαi と記載してある。ここでαi ≦βi 、あるいはαi ≦βi-1(2≦i≦mないしはm−1)とするのが好ましい。なおΣαi +Σβiは通常nであるが、正確なnTマークを得るためΣαi +Σβi=n−j(jは、−2≦j≦2なる定数)とすることもできる。
【0095】
記録の際、マーク間においては、非晶質を結晶化しうる消去パワーPeの記録光を照射する。また、αi T(i=1〜m)においては、記録層を溶融させるのに十分な記録パワーPwの記録光を照射し、βi T(1≦i≦m−1)なる時間においては、Pb<Pe、好ましくはPb≦(1/2)PeとなるバイアスパワーPbの記録光を照射する。
【0096】
なお、期間βm Tなる時間において照射する記録光のパワーPbは、βi T(1≦i≦m−1)の期間と同様、通常Pb<Pe、好ましくはPb≦1/2Peとするが、Pb≦Peとなっていてもよい。
上記の記録方法を採用することによって、パワーマージンや記録時線速マージンを広げることができる。この効果は、特にPb≦1/2PeなるようにバイアスパワーPbを十分低くとる際に顕著である。
【0097】
上記記録方式は、本発明の相変化記録材料を記録層に用いた光学的情報記録媒体に特に適した方式である。短時間での消去を確実にするために、Ge量を少なくしていくと、非晶質マーク記録のために必要な臨界冷却速度が極めて高くなり、逆に良好な非晶質マークの形成が困難になってしまうからである。
すなわち、Ge量を減らす事は、非晶質マークの周辺結晶部からの再結晶化を促進するとともに、溶融再凝固時の結晶成長速度をも増加させるからである。非晶質マーク周辺からの再結晶化速度をある程度以上増加させると、非晶質マーク記録のために形成した溶融領域の再凝固時に、溶融領域周辺部からの再結晶化が進行し、冷却速度が極めて早くなければ、非晶質化することなく再結晶化してしまう傾向が強くなるのである。
【0098】
そのうえ、クロック周期が短縮されてオフパルス区間が短くなって冷却効果が損なわれるので、nTマーク記録の際に記録パルスを分割し、オフパルスによる冷却区間を実時間にして1nsec以上、より好ましくは、3nsec以上設定することが有効である。
(D)本発明の情報記録媒体の光学的情報記録媒体以外の用途
本発明に用いる情報記録媒体は、少なくとも光照射による可逆的な相変化記録が可能であるため、光学的情報記録用媒体として用いることが可能であることは、上述した通りである。しかし、本発明に用いる書き換え型情報記録媒体は、例えば微少領域に電流を流すことによる相変化記録にも適用できる。この点について以下説明する。
【0099】
図3は、非晶質マーク記録時の温度履歴(曲線a)、及び、再結晶化による消去時の温度履歴(曲線b)の概念図である。記録時には、記録層の温度は、高電圧かつ短パルスの電流または高パワーレベルの光ビームでの加熱によって短時間に融点Tm以上に昇温され、電流パルスもしくは光ビーム照射を切った後は、周辺への放熱により急冷されて非晶質化する。融点Tmから結晶化温度Tgまでの時間τ0における温度の冷却速度が非晶質化のための臨界冷却速度より大きければ、非晶質化される。一方、消去時には、比較的低電圧の印加もしくは低パワーレベルの光エネルギー照射によって、結晶化温度Tg以上、概ね融点Tm以下に加熱され、一定時間以上保持されることで、実質的に固相状態で非晶質マークの再結晶化が進む。すなわち、保持時間τ1が十分で有れば、結晶化が完了する。ここで、記録もしくは消去用のエネルギー印加前の記録層の状態がどのようなものであっても、前記記録層に曲線aの温度履歴を与えれば記録層が非晶質化され、前記記録層に曲線bの温度履歴を与えれば記録層が結晶化される。
【0100】
本発明に用いる書き換え型情報記録が、光学的情報記録用媒体としてのみでなく、微小領域に電流を流すことによる相変化記録に用いることができる理由は次の通りである。つまり、可逆的相変化を生じせしめるのは、あくまで、図3に示すような温度履歴であって、その温度履歴を生じせしめるエネルギー源は、集束光ビーム又は電流加熱(通電によるジュール熱)のいずれでもよいからである。
【0101】
本発明に用いる相変化記録材料の結晶と非晶質との相変化に伴う抵抗率変化は、現在、不揮発性メモリーとして開発の進んでいるGeTe−Sb2 Te3 疑似2元合金、特に、Ge2 Sb2 Te5 化合物量論組成合金で示されているような、2桁以上の抵抗率変化に十分匹敵するものである(J.Appl.Phys., Vol.87(2000), pp4130-4133)。実際に、前記一般式(1)で表されるようなSbSnGeTeM1組成を主成分とする相変化記録材料を用いた書き換え型情報記録媒体のas-depo.の非晶質状態での抵抗率、及びアニールによる結晶化後の抵抗率をそれそれ測定したところ、3桁以上の変化が確認された(後述の実施例参照)。電流パルスによる非晶質化、結晶化で得られる非晶質、結晶状態は、上記as-depo.の非晶質状態、及び上記アニールによる結晶状態とはそれぞれ若干異なるものと考えられるものの、本発明に用いる相変化記録材料を電流パルスによって相変化させた場合においても、2桁程度の大きな抵抗率変化は十分生じうるものと期待される。
【0102】
図4は、このような不揮発性メモリーの1セルの構造を示す断面図である(このような不揮発性メモリーについては、相変化光記録シンポジウム論文集、2001年、pp61−66にも記載がある)。図4において上部電極1と下部電極2との間に電圧が印加され、相変化記録材料を含有する相変化記録層3(以下、単に相変化記録層3という場合がある。)とヒーター部4とが通電される。相変化記録層3はSiO2等の絶縁体10で覆われている。また、相変化記録層3は、初期状態においては結晶化されている。この場合の初期結晶化は、図4の系全体を記録層の結晶化温度(通常は100−300℃程度)に加熱して行う。集積回路の形成ではこの程度の昇温は普通に行われる。
【0103】
さて、図4で特に、細くなっている部分4(ヒーター部)は、上部電極1と下部電極2との間の通電により、ジュール熱による発熱が生じやすいため、局所的なヒーターとして機能する。そこに隣接した可逆変化部5が、局所的に加熱され図3の曲線aで示したような温度履歴を経て非晶質化され、また、図3の曲線bで示したような温度履歴を経て再結晶化される。
【0104】
読み出しは、ヒーター部4の発熱が無視できる程度に低電流を流し、上下の電極間に生じる電位差を読みとる。なお、結晶、非晶質状態間で電気容量にも差があるので、電気容量の差を検知しても良い。
実際には、半導体集積回路形成技術を用いて、さらに集積化したメモリーが提案されている(米国特許6314014号公報)が、その基本構成は図4に示すものであり、相変化記録層3に、本発明に用いる相変化記録材料を含有させれば、全く同等の機能を実現できる。
【0105】
尚、図3に示すような温度変化を生じさせるエネルギー源としては、電子ビームを挙げることもできる。電子ビームを用いる記録デバイスの例としては、米国特許5557596号公報に開示されたような、フィールドエミッタで放出された電子ビームを局所的に照射して相変化記録材料に相変化を生じさせる方法がある。
【0106】
【実施例】
以下に、本発明の相変化記録材料を光学的情報用記録媒体(実施例において、光学的情報記録用媒体を単にディスクという場合がある。)に適用した実施例、及び電気抵抗変化によって記録を行う書き換え型情報記録媒体に対して本発明の相変化記録材料の適用可能性を検討した実施例について説明する。下記実施例は、あくまで本発明の実施態様の1つであり、その要旨の範囲を越えない限り本発明は、光学的情報記録用媒体や電気抵抗変化によって記録を行う書き換え型情報記録媒体への応用のみに限定されるものではない。
また、光学的情報記録媒体の実施例においては、非晶質の記録マークを形成した部分における反射率は、初期結晶化後(未記録状態)及び消去後における結晶状態の反射率に対して相対的に低くなっている。また、光学的情報記録媒体の記録層において、記録マーク部が非晶質状態となり消去・未記録状態が多結晶状態となることは、記録層の透過型電子顕微鏡観察によって確認した。また、結晶状態はほぼ単一相であり、結晶粒径は概ね数μm以下であった。
【0107】
光学的情報記録用媒体の記録層に用いた相変化記録材料の組成の測定には、酸溶解ICP−AES(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いた。分析装置はJOBIN YVON社製JY 38 Sを用い、記録層をdil−HNO3(希硝酸)に溶解しマトリクスマッチング検量線法で定量した。
【0108】
ディスク特性の測定には、パルステック社DDU1000を使用し、再生パワーを1mW未満として溝内にフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをかけて行った。
参考例2、3、比較例1〜4)
溝幅約0.5μm、溝深さ約40nm、溝ピッチ1.6μmの案内溝を有する直径120mm、1.2mm厚のディスク状ポリカーボネート基板上に、(ZnS)80(SiO20層(80nm)、Ge−Sb−Sn記録層(15nm)、(ZnS)80(SiO20層(30nm)、Al99.5Ta0.5合金反射層(200nm)をスパッタリング法により成膜し、相変化型光ディスクを作製した。
【0109】
なお、記録層組成を(Sb1-xSnx1-yGeyで表記した場合のx、yの値を表−1に示す。
【0110】
【表1】
Figure 0004427261
【0111】
これらのディスクは以下のように初期結晶化をおこなった。すなわち、幅約1μm、長さ約150μmの形状を有する波長810nm、パワー1600mWのレーザー光を長軸が上記案内溝に垂直になるようにして12m/sで回転させたディスクに照射し、レーザー光を1回転あたり送り量60μmで半径方向に連続的に移動させることにより初期化をおこなった。
【0112】
その後、レ−ザ−波長780nm、NA0.5のピックアップを有するディスク評価装置を用い、線速度28.8m/sでEFMランダム信号を後述のように記録した。EFM信号に含まれる長さ3T〜11T(Tは基準クロック周期で9.6nsec)のマークはそれぞれ以下に示すレーザーパルスを順につなげたパルス列の照射により形成した。
【0113】
【表2】
3T:パワーPwで長さ2Tのパルス、パワーPbで長さ0.6Tのパルス。
4T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.95Tのパルス、パワーPwで長さ1.05Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
5T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1.45Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
6T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
7T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
8T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
9T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
10T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
11T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワーPbで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワーPbで長さ0.3Tのパルス。
【0114】
上記3T〜11Tのレーザーパルスを図2に示すような表記方法を用いて示すと、αi、βiは表−2のようになる。そして、区間αiTでは記録パワーPwを照射し、区間βiTではバイアスパワーPb=0.8mWを照射する。
【0115】
【表3】
Figure 0004427261
【0116】
上記の各マーク形成用パルス列間は消去パワーPeを照射した。また、3Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の3Tマークの位置より0.35Tだけ前にずらし(照射時刻を本来より早くし)、4Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の4Tマークの位置より0.1Tだけ前にずらした。こうすることにより形成されるマークは本来のランダム信号に近くなる。また、記録時は特に記述のない場合はPe/Pw比を0.31に固定した。
【0117】
記録部は線速度1.2m/sで再生し記録信号の特性を評価した。
参考例2,3のディスクの評価結果を図5、6にそれぞれ示す。評価内容は、Pwを22〜28mWで変化させEFMランダム信号を10回オーバーライト記録したときの再生信号の3Tマークジッタと3Tスペースジッタ(結果を図5(a)、図6(a)に示す。)、結晶部反射率(結果を図5(b)、図6(b)に示す。)、「結晶部反射率の信号レベル−11Tマーク部反射率の信号レベル」で定義される信号振幅(結果を図5(c)、図6(c)に示す。)、および、記録パワーを固定し繰り返しダイレクトオーバーライトをしたときの再生信号の3Tマークジッタと3Tスペースジッタ(結果を図5(d)、図6(d)に示す。)である。繰り返しダイレクトオーバーライト時の記録パワーは参考例2で25mW、参考例3で24mWとした。
【0118】
図5(d)、図6(d)の結果から、参考例2、3の各ディスクにおいて、1000回までのオーバーライトでジッタの値が40nsecより十分に小さくなるような記録条件が存在することがわかる。従って、この点で参考例2、3の各ディスクは、書き換え型情報記録媒体として十分に実使用可能であることがわかる。参考例2、3の各ディスクの記録層組成付近では、記録層組成を(Sb1−xSn1−yGeと表記したとき、図6(d)と図5(d)とを比較してわかるように、繰り返しオーバーライト特性に関してはxの小さい方が優れる傾向にある。また、図5(c)と図6(c)とを比較してわかるように、信号振幅に関してはxの大きい方が優れる傾向にある。
【0119】
また、参考例2、3の各ディスクにおいて、相変化記録材料として、Sb−Sn−Ge−M1を用い、元素M1として、Bi、Ta、W、Nb、N、O、C、Se、Al、Si、Zn、Vを1〜10原子%程度添加した場合((Sb1−xSn1−y−zGeM1において、x=0.25、y=0.18、0.01≦z≦0.1、又は、x=0.32、y=0.18、0.01≦z≦0.1とした場合)も、参考例2、3のディスクと同様の書き換え記録特性を示した。
また、これらのディスクを105℃の環境に3時間保った後上記記録部を再生したところ、記録された信号のジッタや信号振幅に劣化は全くなかった。
【0120】
表−1に示すように、比較例1のディスクは、前記の初期結晶化操作による均一な反射率上昇は見られず、ディスク一周のトラック内に局所的に反射率が低い場所が数カ所必ずできた。さらに表−1に示すように、比較例1のディスクに対しては、Ge量を制御して結晶化速度を変化させても、均一な初期結晶化を行うことができなかった。
【0121】
また、比較例1のディスクは、線速度1.2m/s、Resolution band width 30kHz、Video band width 30Hzの条件でスペクトラムアナライザ(アドバンテスト社、TR4171)500kHzでのノイズレベルを測定したところ参考例2のディスクよりノイズレベルが13dB高かった。
比較例1のディスクについては、ディスク評価装置を用いて、線速度1.2〜4.8m/s、6〜12mWのDCレーザー光を照射することでも初期結晶化を試みもしたが、均一な反射率上昇が見られず、初期結晶化を良好に行うことができなかった。初期結晶化を均一に行うことができない上記ディスクに、非晶質マークの記録を試みたが、1回目の記録からジッタが40nsec以上となった。これは、比較例1のディスクでは、結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とすることができないことを意味する。
【0122】
これらの結果から、相変化記録材料にSnが含まれない場合は、結晶状態を未記録状態とし非晶質状態を記録状態とする情報記録媒体としての使用が困難となることがわかる。
また、比較例3のディスクも前記の初期化操作による均一な反射率上昇は見られなかった。これは、Ge含有量が多く(y=0.35)非晶質相から結晶相への相変化速度が遅すぎるためと思われる。比較例3のディスクについては、ディスク評価装置を用いて、線速度1.2〜4.8m/s(この線速度範囲では、ディスクは静止している状態に非常に近い。)、6〜12mWのDCレーザー光を照射することでも初期結晶化を試みもしたが、均一な反射率上昇が見られず、初期結晶化を良好に行うことができなかった。これら結果から、相変化記録材料のGe含有量が0.3より多くなると書き換え型情報記録媒体としての使用が困難となることがわかる。
【0123】
比較例2のディスクは、初期結晶化後は均一な反射率が得られたものの、非晶質マークの形成ができなかった。さらに線速度を変化して非晶質マークの形成を試みたが、少なくとも線速度38.4m/s以下での非晶質マークの形成はできなかった。これは、Ge含有量が少なく(y=0.09)結晶化速度が速すぎて溶融部分が再結晶化したためと思われる。これらの結果から、相変化記録材料のGe含有量が0.1より少ないと書き換え型情報記録媒体としての使用が実質的に困難となることがわかる。尚、38.4m/s以上の線速度は装置上の制限により使用できないため、比較例2のディスクでは実質的に非晶質マークの形成は不可能であるといえる。
また、比較例2のディスクを極めて特殊な条件下で非晶質化できたとしても、比較例2のディスクの記録層組成は、Geの含有量が少なく(y=0.09)非晶質マークが室温下ですぐに再結晶化してしまうため、光学的情報記録媒体に用いるには不適当である。
【0124】
比較例4のディスクは、初期結晶化後は均一な反射率が得られたものの、参考例2,3と同条件で記録、再生を行ったところ40nsec以下の3Tマーク間ジッタを得ることができなかった。さらに比較例4のディスクについては、表−1に示すように、Ge含有量を変化させて結晶化速度を変えたディスクを作製し、これらディスクの記録特性をも調べた。その結果、x=0.59と固定した比較例4の各ディスクにおいては、Ge含有量を変化させても、非晶質マークの形成と非晶質マークの結晶化との両立が困難であること、さらには少なくともマークの結晶化に必要な結晶化速度を有する組成では信号振幅が0.05程度で小さいことがわかった。すなわち、Sn含有量が多くなりすぎると書換可能媒体としての使用は実質的に困難となる。
(比較例5)
比較例5のディスクは、参考例2においてGeをInに置き換えた相変化記録材料を用いたものである。比較例5の各ディスクにおける、記録層組成を(Sb1−xSn1−yInで表記した場合のx、yの値、初期結晶化の可否、及び記録特性を表−1に示した。
【0125】
比較例5の各ディスクに用いた相変化記録材料は、Snの量を0.01〜0.5の範囲とし、Inの量を0.1〜0.3の付近の範囲(本発明におけるGe量の含有範囲)としている。これらディスクは、初期結晶化後は均一な反射率が得られたものの、少なくとも線速度38.4m/s以下での非晶質マークの形成はできなかった。In含有量を変化させても、非晶質マークの形成はできなかった。
【0126】
この結果から、非晶質マーク形成にはGeが重要であり、GeをInに置き換えた場合は、情報記録用媒体としての使用は実質的に困難となることがわかる。尚、In量をさらに多くした(Sb0.73Sn0.270.56In0.44では初期結晶化時に反射率の低い別の結晶相と思われる状態に変化した。
以上より、(Sb1−xSn1−yGeにおいて0.01≦x≦0.5、0.1≦y≦0.3とすることにより、良好な光学的情報記録用媒体を得ることができる。
参考例4
次に、本発明の相変化記録材料を、電気抵抗の変化によって記録を行う情報記録媒体の記録材料として用いることができるか否かを検討するために以下の実験を行った。
すなわち、直径120mmのポリカーボネート基板上に50nmの膜厚のGe0.18Sb0.66Sn0.16((Sb1−xSn1−yGeにおいて、x=0.2、y=0.18)非晶質膜をスパッタリングで作製した。そして、この非晶質膜の抵抗率測定をした後、結晶化させ再度結晶化後の膜の抵抗率測定を行った。結晶化は前述の参考例の各ディスクと同じ条件で行い、抵抗率測定にはダイアインスツルメント社製抵抗率測定装置ロレスタMP(MCP−T350)を用いた。結晶化前後の抵抗率は、それぞれ1.03×10−1Ωcm、0.80×10−4Ωcmであり、非晶状態と結晶状態との間で3桁近い抵抗率の変化が生じることがわかった。
上記と同様の方法で、ポリカーボネート基板上にGe0.17Sb0.75Sn0.08((Sb1−xSn1−yGeにおいて、x=0.1、y=0.17)非晶質膜をスパッタリングで作製し、この膜の非晶質状態及び結晶状態における抵抗率を測定した。その結果、非晶質状態での抵抗率は5.96×10−1Ωcm、結晶状態での抵抗率は0.8×10−4Ωcmであり、非晶状態と結晶状態との間で3桁近い抵抗率の変化が生じることがわかった。
また、上記と同様の方法で、ポリカーボネート基板上にGe0.16Sb0.84((Sb1−xSn1−yGeにおいて、x=0、y=0.16)非晶質膜をスパッタリングで作製し、この膜の非晶質状態及び結晶状態における抵抗率を測定した。その結果、非晶質状態での抵抗率は1.51×10−0Ωcm、結晶状態での抵抗率は0.7×10−4Ωcmであり、非晶状態と結晶状態との間で4桁近い抵抗率の変化が生じることがわかった。
以上3つの相変化記録材料から形成した膜の抵抗率測定結果から、相変化記録材料中のSnの含有量を変化させれば、非晶質状態と結晶状態との間での抵抗率の変化を制御することができることがわかる。すなわち、Snの含有量を少なくすると非晶質状態と結晶状態との間での抵抗率の変化が大きくなることが分かる。
本発明の相変化記録材料を、抵抗率の変化を利用した不揮発性メモリーに用いる場合に抵抗率の変化を大きくするだけならば、Snを含有させない組成も採用しうる((Sb1−xSn1−y−w−zGeTeM1において、0≦xとする。)。しかしながら、通常は、上記不揮発性メモリーを組み込む電子回路の設計の都合上、上記抵抗率の変化を所定範囲内に制御する必要がある。従って、Snを含有する相変化記録材料を用いることによって、抵抗率の変化が所定範囲内に制御された高性能な不揮発性メモリーを得ることができるようになる。
さらに、上記GeSbSnの3元組成にTeや元素M1等の添加元素を加えても、非晶質状態と結晶状態との間で良好な抵抗率変化を得ることができる。実際に、ポリカーボネート基板上にGe0.08In0.11Sb0.65Sn0.11Te0.05((Sb1−xSn1−y−w−zGeTeInにおいて、x=0.14、y=0.08、w=0.05、z=0.11)非晶質膜をスパッタリングで作製し、この膜の非晶質状態及び結晶状態における抵抗率を測定した。その結果、非晶質状態での抵抗率は8.73×10−1Ωcm、結晶状態での抵抗率は1.12×10−4Ωcmであり、非晶状態と結晶状態との間で3桁近い抵抗率の変化が生じることがわかった。
以上の実験から、本発明に用いる相変化記録材料は、非晶質状態と結晶状態での相変化における抵抗率の差違を大きくしつつも所定範囲内に制御することが可能であるため、電気抵抗変化による記録を行う書き換え型情報記録媒体への適用が可能であることがわかる。
(実施例5〜8、10〜11、参考例5、6、比較例6)
光学的情報記録用媒体の記録層に用いた相変化記録材料の組成の測定には、酸溶解ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)及び蛍光X線分析装置を用いた。酸溶解ICP−AESに関しては、分析装置はJOBIN YVON社製JY 38 Sを用い、記録層をdil−HNOに溶解しマトリクスマッチング検量線法で定量した。蛍光X線分析装置は、理学電機工業株式会社のRIX3001を用いた。
【0127】
ディスク特性の測定には、パルステック社DDU1000を使用し、再生パワーを0.8mWとして溝内にフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをかけて測定をおこなった。
溝幅約0.5μm、溝深さ約40nm、溝ピッチ1.6μmの案内溝を有する直径120mm、1.2mm厚のディスク状ポリカーボネート基板上に、(ZnS)80(SiO20層、Ge−Sb−Sn−M1記録層、(ZnS)80(SiO20層、Al99.5Ta0.5合金反射層をスパッタリング法により成膜し、8種類の相変化型光ディスクを作製した(比較例6、実施例5〜8、10、参考例5、6)。同様に、(ZnS)80(SiO20層、Ge−Sb−Sn−M記録層、(ZnS)80(SiO20層、窒化ゲルマニウム層、Ag反射層からなる相変化型光ディスクも作製した(実施例11)。窒化ゲルマニウム層は(ZnS)80(SiO20層とAg層の間の元素の相互拡散を防ぐための界面層である。
【0128】
各ディスクの膜厚および記録層組成を(Sb1-xSnx1-y-zGeyM1zと表記した場合のx、y、zの値を表−3に示す。なお、表−3をみてわかるように、各ディスクを構成する各層の膜厚は多少異なっている。これは、結晶部反射率や信号振幅を同程度にするためである。そして、比較例6を除くすべてのディスクの結晶部反射率は19〜21%の範囲にあった。
【0129】
【表4】
Figure 0004427261
【0130】
これらのディスクは以下のように初期結晶化をおこなった。すなわち、幅約1μm、長さ約150μmの形状を有する波長810nm、パワー1600mWのレーザー光を長軸が上記案内溝に垂直になるようにして12m/sで回転させたディスクに照射し、レーザー光を1回転あたり送り量60μmで半径方向に連続的に移動させることにより初期化をおこなった。ディスクによってはこの初期化条件が最適ではないものもあるため、その後、レ−ザ−波長780nm、NA0.5のピックアップを有するディスク評価装置を用い、線速度4m/sで10mWのDCレーザー光を1回照射した。
【0131】
比較例6のディスクは上記初期化操作による反射率変化が小さく記録媒体として機能しなかった。
参考例5と実施例5〜8のディスクについては初期化部のノイズ測定を以下の条件でおこなった。すなわち、線速度1.2m/s、Resolution band width 30kHz、Video band width 30Hzの条件でスペクトラムアナライザ(アドバンテスト社、TR4171)を用い500kHzでのノイズレベルを測定した。結果を表−3に示す。実施例5〜8のディスクは参考例5のディスクと比較してノイズが小さい。GeSbSn系材料は、Snの含有量(xの値)が小さい場合ノイズが大きくなる傾向にある。このため、x=0.2である参考例5のディスクはノイズが多少大きくなるが、参考例5と同程度以下のxの値をもつ実施例5〜8は明らかにノイズが小さく、In、Pd、Pt、Ag添加によるノイズ改善効果が大きいことがわかる。
【0132】
次に、実施例5、10、11、及び参考例5、6のディスク(In添加、未添加系)に、レーザー波長780nm、NA0.5のピックアップを有するディスク評価装置を用い、線速度28.8m/sでEFMランダム信号を後述のように記録した。EFM信号に含まれる長さ3T〜11T(Tは基準クロック周期で9.6nsec)のマークはそれぞれ以下に示すレーザーパルスを順につなげたパルス列の照射により形成した。
【0133】
【表5】
3T:パワーPwで長さ2Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.6Tのパルス。
4T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.95Tのパルス、パワーPwで長さ1.05Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
5T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1.45Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
6T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
7T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
8T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
9T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
10T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
11T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.35Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
【0134】
上記の各マーク形成用パルス列間は消去パワーPeを照射した。また、3Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の3Tマークの位置より0.35Tだけ前にずらし(照射時刻を本来より早くし)、4Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の4Tマークの位置より0.1Tだけ前にずらした。こうすることにより形成されるマークは本来のEFMランダム信号に近くなる。また、記録時はPe/Pw比を0.31に固定した。
【0135】
各ディスクに、記録パワーPwを変化させたときに長さが3Tに相当するマーク間長のジッタ(「3Tマーク間ジッタ」と記述する)が10回オーバーライト記録でほぼ最小となる記録パワーを用いて上記EFMランダム信号を10回オーバーライト記録し(以下、「加速前記録」と記述する場合がある。)、3Tマーク間ジッタを測定した。3Tマーク間ジッタと記録パワーの値とを表−3に示す。表−3において、3Tマーク間ジッタと記録パワーの値は、「加速前記録」の欄に示してある。
【0136】
次に実施例5、10、11、及び参考例6の各ディスクを105℃の環境に3時間保った(加速試験)。その後上記記録部を再生し(以下、「加速後」と記述する場合がある。)、3Tマーク間ジッタを測定した。3Tマーク間ジッタの値を表−3に示す。表−3において、3Tマーク間ジッタの値は、「加速後」の欄に示してある。
【0137】
さらに加速前記録部に加速試験後記録パワーを変化させてEFMランダム信号を1回オーバーライトし(以下、「加速後記録」と記述する場合がある。)、3Tマーク間ジッタを測定した。最も小さい値となった3Tマーク間ジッタと記録パワーの値を表−3に示す。表−3において、3Tマーク間ジッタと記録パワーの値は、「加速後記録」の欄に示してある。
【0138】
なお、この加速試験は通常の環境試験と比較して非常に厳しい条件で行っている。従って、この加速試験において加速試験後の特性が悪化した場合においても、実使用上の性能は十分確保されたディスクであるといえる。
尚、記録マークの再生は1.2m/sの線速でおこなった。
参考例5のディスクはノイズが多少大きいものの、加速前記録における3Tマーク間ジッタは40nsec以下となり、十分実使用可能といえる。
【0139】
参考例6のディスクは加速前記録のジッタ特性(3Tマーク間ジッタ値)は、参考例5のディスクよりSnが多い(xが大きい)ためさらに良くなっている。しかし加速後記録の3Tマーク間ジッタ値は48.8nsecと若干大きくなる。一方、Snの少ない(xが小さい)組成にInを添加した実施例5、10、11のディスクでは加速後記録の3Tマーク間ジッタ値が改善されるのがわかる。
【0140】
ほぼ同じ記録層組成を用いた実施例10と実施例11の比較でわかるとおり、反射膜としてAgを用いることにより加速後記録特性はさらに良くなる。
また、どのディスクにおいても加速前記録部ジッタの加速試験による劣化は見られず、非晶質マークは十分に安定であることがわかる。
(実施例12、比較例7)
添加元素としてTeを用い、Teの含有量を5原子%(実施例12)及び11原子%(比較例7)含有させた以外は、上記(実施例5〜8、10〜11、参考例5、6、比較例6)と同様にしてディスクを作製し、各ディスクの評価を行った。各ディスクの膜厚及び記録層組成を(Sb1−xSn1−y−wGeTeと表記した場合のx、y、wの値を表−4に示す。
【0141】
【表6】
Figure 0004427261
【0142】
実施例12のディスクでは、上記実施例5、10と同程度の加速後記録特性が得られており、Teの添加によって、加速後記録特性が良好になることがわかる。尚、実施例12のディスクの結晶部反射率は16.6%と他の実施例のディスクより若干低い値となった。
比較例7のディスクは、結晶状態の反射率が12.1%と低く信号振幅も小さかったため、実使用可能な相変化型光ディスクとはならなかった。
【0143】
また、実施例12のディスクにおいても加速前記録部ジッタの加速試験による劣化は見られず、非晶質マークは十分に安定であることがわかる。
(実施例13〜14、16〜17、参考例7
光学的情報記録用媒体の記録層に用いた相変化記録材料の組成の測定には、酸溶解ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)及び蛍光X線分析装置を用いた。酸溶解ICP−AESに関しては、分析装置はJOBIN YVON社製JY 38 Sを用い、記録層をdil−HNOに溶解しマトリクスマッチング検量線法で定量した。蛍光X線分析装置は、理学電機工業株式会社のRIX3001を用いた。
【0144】
ディスク特性の測定には、パルステック社DDU1000を使用し、再生パワーを0.8mWとして溝内にフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをかけて測定をおこなった。
溝幅約0.5μm、溝深さ約40nm、溝ピッチ1.6μmの案内溝を有する直径120mm、1.2mm厚のディスク状ポリカ−ボネ−ト基板上に、(ZnS)80(SiO220層、Ge−Sb−Sn−M1記録層、(ZnS)80(SiO220層、Al99.5Ta0.5合金反射層をスパッタリング法により成膜し、M1をそれぞれTb又はGdとする2種類の相変化型光ディスクを作製した(実施例13、14)。つまり、実施例13では元素M1としてTbを、実施例14では元素M1としてGdを用いた。
【0145】
次に、参考例5において、反射層をAg反射層とし、反射層と保護層との間に窒化ゲルマニウム層を挿入した相変化型光ディスクを作製した(参考例7)。同様に、実施例13、及び14においても反射層をAg反射層とし、反射層と保護層との間に窒化ゲルマニウム層を挿入した相変化型光ディスクを作製した(実施例16、17)。尚、Ag反射層を用いる場合に、反射層と保護層との間に窒化ゲルマニウム層を挿入した理由は、(ZnS)80(SiO20保護層とAg反射層層との間の元素の相互拡散を防ぐためである。
【0146】
表−5に、実施例13、14、及び参考例5の各ディスクの、元素M1、層構成、膜厚、及び記録層組成を(Sb1−xSn1−y−zGeM1と表記した場合のx、y、zの値をそれぞれ示す。
【0147】
【表7】
Figure 0004427261
【0148】
これらのディスクは以下のように初期結晶化をおこなった。すなわち、幅約1μm、長さ約150μmの形状を有する波長810nm、パワー1600mWのレーザー光を長軸が上記案内溝に垂直になるようにして12m/sで回転させたディスクに照射し、レーザー光を1回転あたり送り量60μmで半径方向に連続的に移動させた。その後、レ−ザ−波長780nm、NA0.5のピックアップを有するディスク評価装置を用い、線速度4m/sで10mWのDCレーザー光を1回照射した。
【0149】
初期結晶化後の実施例13、14のディスクの結晶部反射率は19〜21%の範囲にあった。また、参考例5のディスクの初期結晶化後の結晶部反射率も19〜21%であった(参考例5参照)。
実施例13、14のディスクについては前述の参考例5と実施例5〜8のディスクと同様にノイズ測定をおこなった。結果を表−5に示す。実施例13、14のディスクは参考例5のディスクと比較してノイズが小さく、Tb、Gd等のランタノイド元素ひいては希土類元素添加によるノイズ改善効果が大きいことがわかる。
【0150】
次に、レーザー波長780nm、NA0.5のピックアップを有するディスク評価装置を用い、実施例16〜17、及び参考例7のディスクの繰り返しオーバーライト耐久性を測定した。線速度は28.8m/sとしEFMランダム信号を後述のように記録した。EFM信号に含まれる長さ3T〜11T(Tは基準クロック周期で9.6nsec)のマークはそれぞれ以下に示すレーザーパルスを順につなげたパルス列の照射により形成した。
3T:パワーPwで長さ2Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.6Tのパルス。
4T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.95Tのパルス、パワーPwで長さ1.15Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
5T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.4Tのパルス、パワーPwで長さ1.55Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
6T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
7T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.4Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.5Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
8T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
9T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.4Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.5Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
10T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.9Tのパルス、パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
11T:パワーPwで長さ1.1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.4Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1Tのパルス、パワーPwで長さ1.5Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.3Tのパルス。
【0151】
上記の各マーク形成用パルス列間は消去パワーPeを照射した。また、3Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の3Tマークの位置より0.3Tだけ前にずらし(照射時刻を本来より早くし)、4Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の4Tマークの位置より0.1Tだけ前にずらした。こうすることにより形成されるマークは本来のEFMランダム信号に近くなる。また、記録時はPe/Pw=8mW/26mWとした。
【0152】
実施例16〜17、及び参考例7のディスクの繰り返しオーバーライト回数と3Tマーク間ジッタとの関係を図7に示す。再生は1.2m/sでおこなった。実施例16〜17、及び参考例7のいずれのディスクも繰り返しオーバーライト回数が1000回までは良好なジッタ特性を示し、実使用上は問題の無いディスクであることがわかる。但し、参考例7のディスクは、さらに繰り返しオーバーライト回数を増やしていくと、2000回のオーバーライト時点で3Tマーク間ジッタが46.2nsecとなった。参考例7のディスクにおいては、相変化記録材料にランタノイド元素ひいては希土類元素を含有させていないため、繰り返しオーバーライトにより結晶化速度が低下しマークの消去が不完全になるためにジッタの上昇が発生すると考えられる。一方、ランタノイド元素(Tb、Gd)を相変化記録材料に含有させた実施例16、17のディスクは2000回オーバーライト後も良好なジッタ値を示した。これは、ランタノイドの添加によって、上記繰り返しオーバーライト回数に伴って発生する結晶化速度の低下が軽減されるためであると考えられる。
(参考例1)
参考例7のディスクに用いた記録層組成が、結晶のマークの形成に適しているか、すなわち、記録層をスパッタした後の非晶質膜中に結晶マークを記録することが可能であるか否かを調べるため以下の実験をおこなった。
【0153】
実験に用いたディスクは、基板に接する(ZnS)80(SiO20層の膜厚を150nmにしたこと以外は参考例7のディスクと同様に作製した。これは、参考例7のディスクそのままでは、記録層をスパッタした状態である非晶質膜(結晶マークを形成する場合の未記録状態)の反射率が低くく、フォーカスサーボがかけられなかったため、(ZnS)80(SiO20層の膜厚を参考例7よりも厚くして前記非晶質膜の反射率を上げてフォーカスサーボをかけるためである。基板に接する(ZnS)80(SiO20層の膜厚を150nmとした結果、非晶質膜の反射率は7%となり、フォーカスおよびトラッキングサーボをかけることができた。
【0154】
線速度を28.8m/sとし、参考例7で用いたディスク評価装置(パルステック社DDU1000)を用いて、5〜20mWのDCレーザー光を1回照射したが結晶化は全く起こらなかった。参考例7において消去パワーPe(消去パワーは、非晶質マークを消去するためのパワーゆえ結晶化パワーを意味する。)が8mWであることを考えると、上記5〜20mWのDCレーザー光は、結晶マークが形成できるか否かを確認するには十分に広範なレーザーパワーである。このような広範なレーザーパワーにおいても結晶相のマークが形成できないことから、このディスクの非晶質膜に結晶マークを記録することは非常に困難であるといえる。すなわち、このディスクの成膜直後における非晶質の記録層中には、結晶核がほとんど存在していないか、存在していたとしても結晶マークを形成できる程は密に存在していないと考えられる。
【0155】
さらに、上記DCレーザー光を複数回照射したところ、結晶化が起こり反射率の上昇が見られたが、均一な反射率上昇ではなく結晶化しやすい部分としにくい部分が混ざり合っていることが観察された。これは、参考例7の記録層組成においては、高い信号品質を有する結晶マークを形成できる程度の結晶核の数が元々存在しないことを示している。従ってこのディスクに対して、レーザー照射等の前処理をいくら行ったとしても、非晶質状態における記録層中の結晶核の数がそもそも少ないので、実使用に耐えうる記録特性を有する結晶マークを形成することは困難である。
【0156】
以上から、本発明の相変化記録材料は、非晶質状態、特にスパッタ成膜直後の非晶質状態においては、結晶核の密度が非常に疎であることがわかる。従って、この相変化記録材料を用いた情報記録媒体においては、結晶状態を記録マークとする記録方法を用いることが非常に困難であることがわかる。
(実施例18〜19、比較例8〜9)
光学的情報記録用媒体の記録層に用いた相変化記録材料の組成の測定には、酸溶解ICP−AES(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置)及び蛍光X線分析装置を用いた。酸溶解ICP−AESに関しては、分析装置はJOBIN YVON社製JY 38 Sを用い、記録層をdil−HNO3に溶解しマトリクスマッチング検量線法で定量した。蛍光X線分析装置は、理学電機工業株式会社のRIX3001を用いた。
【0157】
ディスク特性の測定には、パルステック社DDU1000を使用し、再生パワーを0.8mWとして溝内にフォーカスサーボ及びトラッキングサーボをかけて測定をおこなった。
溝幅約0.5μm、溝深さ約40nm、溝ピッチ1.6μmの案内溝を有する直径120mm、1.2mm厚のディスク状ポリカ−ボネ−ト基板上に、(ZnS)80(SiO220層、Ge−Sb−Sn−M1−Te記録層、(ZnS)80(SiO220層、Ta層、Ag反射層をスパッタリング法により成膜し、M1をInとした相変化型光ディスクを作製した(実施例18、19、比較例8)。尚、Ag反射層を用いる場合に、反射層と保護層との間にTa層を挿入した理由は、(ZnS)80(SiO220保護層とAg反射層との間の元素の相互拡散を防ぐためである。比較例9に関しては、元素M1としてInを用いなかった他、Ta層とAg反射層の代わりにAl99.5Ta0.5反射層を設けた。
表−6に、各ディスクの、元素M1、層構成、膜厚、及び記録層組成を(Sb1-xSnx1-y-zGeyM1zTewと表記した場合のx、y、z、wの値をそれぞれ示す。
【0158】
【表8】
Figure 0004427261
【0159】
これらのディスクは以下のように初期結晶化をおこなった。すなわち、幅約1μm、長さ約150μmの形状を有する波長810nm、パワー1600mWのレーザー光を長軸が上記案内溝に垂直になるようにして12m/sで回転させたディスクに照射し、レーザー光を1回転あたり送り量60μmで半径方向に連続的に移動させた。
次に、レ−ザ−波長780nm、NA0.5のピックアップを有するディスク評価装置を用い、実施例18、19、比較例8、9のディスクの10回オーバーライト後の記録信号特性を測定した。
【0160】
実施例18のディスクについては以下の条件で記録をおこなった。線速度は28.8m/sとしEFMランダム信号を後述のように記録した。EFM信号に含まれる長さ3T〜11T(Tは基準クロック周期で9.6nsec)のマークはそれぞれ以下に示すレーザーパルスを順につなげたパルス列の照射により形成した。
3T:パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.85Tのパルス。
4T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス
5T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.45Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス
6T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス。
7T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.45Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス。
8T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス。
9T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.45Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス。
10T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス。
11T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.1Tのパルス、パワーPwで長さ0.9Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.45Tのパルス、パワーPwで長さ1.4Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.4Tのパルス。
【0161】
上記の各マーク形成用パルス列間は消去パワーPeを照射した。記録時はPe/Pw=0.27とした。
表−6に、10回オーバーライト後の3Tマーク間ジッタとPwの値を示す。再生は1.2m/sでおこなった。表−6より、実施例18のディスクは優れたオーバーライトジッタ特性を有することがわかる。Ge量を表すyの値は0.07であり、たとえば参考例2のyの値と比較してかなり小さい値となっている。これは、同程度の結晶化速度を有するディスクであってもTe、Inが含まれることによりGe量を少なくできることを示している。
【0162】
実施例19のディスクについては以下の条件で記録をおこなった。線速度は38.4m/sとしEFMランダム信号を後述のように記録した。EFM信号に含まれる長さ3T〜11T(Tは基準クロック周期で7.2nsec)のマークはそれぞれ以下に示すレーザーパルスを順につなげたパルス列の照射により形成した。
3T:パワーPwで長さ1.81Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.75Tのパルス。
4T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
5T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.31Tのパルス、パワーPwで長さ1.38Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
6T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
7T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.31Tのパルス、パワーPwで長さ1.38Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
8T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
9T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.31Tのパルス、パワーPwで長さ1.38Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
10T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
11T:パワーPwで長さ1Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.06Tのパルス、パワーPwで長さ0.94Tのパルス、パワー0.8mWで長さ1.31Tのパルス、パワーPwで長さ1.38Tのパルス、パワー0.8mWで長さ0.31Tのパルス。
【0163】
上記の各マーク形成用パルス列間は消去パワーPeを照射した。また、3Tマーク形成用パルスの照射位置はランダム信号本来の3Tマークの位置より0.06Tだけ前にずらした(照射時刻を本来より早くした)。こうすることにより形成されるマークは本来のEFMランダム信号に近くなる。記録時はPe/Pw=0.25とした。
表−6に、10回オーバーライト後の3Tマーク間ジッタとPwの値を示す。再生は1.2m/sでおこなった。表−6より、実施例19のディスクは優れたオーバーライトジッタ特性を有することがわかる。Ge量を表すyの値は0.04である。Te、Inを含むことによりGe量を少なくできることがわかる。すなわち、これは、同程度の結晶化速度を有するディスクであってもTe、Inが含まれることによりGe量を少なくできることを示している。
一方、Geの含まれていない比較例8、9のディスクは少なくとも38.4m/s以下の線速度において非晶質マークを充分に形成することができなかった。したがって情報記録用媒体としての使用は実質的に困難である。
【0164】
【発明の効果】
本発明により、相変化速度が速く高速記録消去が可能で、保存安定性に優れ、信号強度が大きく、高速初期化が可能となる相変化記録材料を得ることができ、これを用いた情報記録媒体を得ることができる。そして、本発明の相変化記録材料を書き換え型の情報記録媒体に用いると記録特性が特に良好になる。
【0165】
また、本発明の相変化記録材料を光学的情報記録用媒体、特に書き換え型の光学的情報記録媒体に用いると、高速記録消去が可能となり、非晶質マークの保存安定性が優れ、ジッタ特性に優れ、反射率及び信号振幅が大きく、繰り返しオーバーライト特性、さらには、長期保存した記録マークをオーバーライトした際のオーバーライト特性にも優れる光学的情報記録用媒体を得ることができる。
【0166】
さらには、本発明の相変化記録材料を用いることにより、生産性の高い情報記録媒体を得ることができる。特に本発明の相変化記録材料を光学的情報記録用媒体に用いると、初期結晶化が容易で生産性が飛躍的に改善される光学的情報記録媒体を得ることができるようになる。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更及び変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学的情報記録用媒体の層構成を示す模式図である。
【図2】光学的情報記録用媒体の記録方法における記録光のパワーパターンを示す模式図である。
【図3】非晶質マーク記録時の温度履歴及び再結晶化による消去時の温度履歴を示す概念図である。
【図4】不揮発性メモリーの1セルの構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例における光学的情報記録用媒体の記録特性を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例における光学的情報記録用媒体の記録特性を示す図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例における光学的情報記録用媒体の記録特性を示す図である。
【符号の説明】
1 上部電極
2 下部電極
3 相変化記録層
4 ヒーター部
5 可逆変化領域
10 絶縁膜[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a phase change recording material in which a crystalline state is an unrecorded state and an amorphous state is a recorded state, and an information recording medium using the phase change recording material. In particular, the present invention relates to a phase change recording material used for an information recording medium capable of high-speed recording and erasing, and an information recording medium using the phase change recording material. Furthermore, the present invention provides an information recording medium that is easy to crystallize initially, has a large signal amplitude, is excellent in repeated overwrite characteristics, is excellent in storage stability, and has excellent jitter characteristics in recording at a high transfer rate. Is.
[0002]
[Prior art]
As a rewritable information recording medium, a method for reversibly changing the crystal structure of a metal or a semiconductor by applying an energy beam or energy flow such as light or current (Joule heat) is known (for example, Patent Document 1 or Patent Document 1).
[0003]
The recording method for information recording media using rewritable phase change recording materials is currently in practical use, utilizing the reversible change between the crystalline phase and the amorphous phase, and the crystalline state is not recorded. An erased state is formed, and amorphous marks are formed during recording. Usually, the recording layer is locally heated to a temperature higher than the melting point and rapidly cooled to form an amorphous mark. On the other hand, the recording layer is generally heated to a temperature below the melting point and above the crystallization temperature and gradually cooled. Then, recrystallization is performed by maintaining the temperature at a temperature equal to or higher than the crystallization temperature. That is, in general, a reversible change between a stable crystalline phase and an amorphous phase is utilized. Information is reproduced by detecting differences in physical parameters between the crystalline state and the amorphous state, such as changes in refractive index, electrical resistance, volume, and density.
[0004]
In particular, as an optical information recording medium, information recording / reproducing is performed by utilizing a change in reflectance accompanying a reversible change of a crystalline state to an amorphous state, which is locally generated by irradiation with a focused light beam. Erasing is performed. An optical information recording medium having such a phase change type and rewritable phase change type recording layer has been developed and put into practical use as an inexpensive large-capacity recording medium excellent in portability, weather resistance, impact resistance, etc. Progressing. For example, rewritable CDs such as CD-RW are already in widespread use, and rewritable DVDs such as DVD-RW, DVD + RW, and DVD-RAM are being sold.
[0005]
As a material for such a phase change recording layer, a chalcogen alloy is often used. Examples of such chalcogen-based alloys include GeSbTe-based, InSbTe-based, GeSnTe-based, and AgInSbTe-based alloys. Above all GeTe-Sb2TeThree The pseudo binary alloy-based material is widely used as a recording layer material for optical information recording media, and in recent years, its application as a nonvolatile memory using a change in electric resistance has been actively studied.
[0006]
[Non-Patent Document 1]
J. et al. Feinleib et al. “RAPID REVERSIBLE LIGHT-INDUCED CRYSTALLIZATION OF AMORPHOUSE SEMICONDUCTORS”, Appl. Phys. lett. , Vol. 18 (1971), pp. 254-257
[Patent Document 1]
US Pat. No. 3,530,441
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, with the recent increase in the amount of information, there is a demand for obtaining an information recording medium capable of recording and reproducing at higher speed. In addition, one of the important performances required for an information recording medium is that the storage stability of the recorded information is high, that is, the information recorded on the information recording medium is stable without deterioration even after being stored for a long time. is there. Of the information recording media described above, the rewritable information recording medium is a material that has a high crystallization speed, for example, when phase change between amorphous and crystalline is used, as long as high-speed rewriting is realized. If so, that's fine. However, a material that can be crystallized at a high speed has a remarkable tendency to crystallize in an amorphous state in a short time in a storage environment. Therefore, when an attempt is made to obtain a rewritable information recording medium capable of recording / reproducing at high speed and having high storage stability of recorded information, the phase change recording material has a high-speed amorphous due to high-speed crystallization during recording / erasing. While a transition from quality to crystal is required, a seemingly contradictory characteristic is required that stabilization of the amorphous state by extremely slow crystallization is required in the storage state near room temperature.
[0008]
One of the important performances required for a rewritable information recording medium is that signal characteristics are stable even when information is rewritten many times, that is, repetitive overwriting characteristics are high.
Further, when the rewritable information recording medium is used as an optical information recording medium for optically recording / reproducing information, it is difficult to perform initial crystallization of the recording layer after production in a short time. However, from the viewpoint of increasing production efficiency, performing the initial crystallization in a short time is one of the important performances required for the optical information recording medium and by extension, the rewritable information recording medium.
[0009]
The present invention has been made to meet such a demand, and its purpose is to enable recording and erasing at a higher speed, high recording signal storage stability, excellent overwrite characteristics, and high productivity. An object of the present invention is to provide a phase change recording material that can be used for an information recording medium, and an information recording medium using the material. Furthermore, it is providing the optical information recording medium which is one form of the application of an information recording medium.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
That is, the gist of the present invention is a phase change recording material used for an information recording medium in which a crystalline state is an unrecorded state and an amorphous state is a recorded state, and the composition mainly represented by the following general formula (1) It exists in the phase change recording material characterized by making it into a component.
[0011]
[Chemical Formula 3]
Figure 0004427261
(Where x, y, z, and w represent the atomic ratio, and x, z, and w are 0.05 ≦ x ≦ 0.4, 0 ≦ z ≦ 0.3, and 0 ≦ w ≦ 0.1, respectively. The element M1 is selected from the group consisting of In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V. At least one element, and
(I) z = 0AndWhen w = 0Except
(II) When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0
  y is a number satisfying 0.05 ≦ y ≦ 0.3,
(III) When 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1
  y is a number satisfying 0.01 ≦ y ≦ 0.3. )
[0012]
Furthermore, the gist of the present invention is an optical information recording medium in which the crystalline state is an unrecorded state and the amorphous state is a recorded state, and the main component is a composition represented by the following general formula (1). An optical information recording medium is characterized by using a phase change recording material.
[0013]
[Formula 4]
Figure 0004427261
(Where x, y, z, and w represent the atomic ratio, and x, z, and w are 0.05 ≦ x ≦ 0.4, 0 ≦ z ≦ 0.3, and 0 ≦ w ≦ 0.1, respectively. The element M1 is selected from the group consisting of In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V. At least one element, and
(I) z = 0AndWhen w = 0Except
(II) When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0
  y is a number satisfying 0.05 ≦ y ≦ 0.3,
(III) When 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1
  y is a number satisfying 0.01 ≦ y ≦ 0.3. )
[0014]
By using a recording layer made of an alloy whose main component is a composition obtained by adding Ge to the above Sb—Sn alloy, an information recording medium having a faster phase change rate than a conventionally known information recording medium is obtained. As a result, recording and erasing can be performed at higher speed. For example, among information recording media, an optical information recording medium has conventionally used a phase change recording material having a composition such as GeSbTe. However, the crystallization speed is high enough to enable erasing at high speed. When the composition region has, there is a problem that crystallization does not occur uniformly and noise increases. On the other hand, the SbSnGe phase change recording material used in the present invention has a high crystallization speed and enables uniform crystallization, so that it can be used favorably for high-speed recording. In addition, it has been difficult to achieve both high crystallization speed and storage stability of recorded signals in the conventional optical information recording medium, but the above-described compatibility is possible in the information recording medium using the phase change recording material of the present invention. It becomes.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1. Phase change recording material
The phase change recording material used in the present invention is a phase change recording material used for an information recording medium in which a crystalline state is an unrecorded state and an amorphous state is a recorded state, and is represented by the following general formula (1). The composition is the main component.
[0016]
[Chemical formula 5]
(Sb1-xSnx)1-ywzGeyTewM1z      (1)
(Where x, y, z, and w represent the atomic ratio, and x, z, and w are 0.01 ≦ x ≦ 0.5, 0 ≦ z ≦ 0.3, and 0 ≦ w ≦ 0.1, respectively. The element M1 is selected from the group consisting of In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V. At least one element, and
(I) When z = 0 and w = 0
y is a number satisfying 0.1 ≦ y ≦ 0.3,
(II) When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0
y is a number satisfying 0.05 ≦ y ≦ 0.3,
(III) When 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1
y is a number satisfying 0.01 ≦ y ≦ 0.3. )
[0017]
In the present invention, “having a predetermined composition as a main component” means that the content of the predetermined composition is 50 atomic% or more in the entire material or the entire layer containing the predetermined composition.
In addition, when the information recording medium used in the present invention is an optical information recording medium, “the crystal state is unrecorded and the amorphous state is the recorded state” means that an amorphous mark is in the crystalline phase. To form.
[0018]
In the present invention, Ge is contained in the Sb—Sn alloy. Since Ge has a function of controlling the crystallization speed of the phase change recording material, the crystallization speed suitable for high-speed recording is controlled by controlling the Ge content within a predetermined range (10 atomic% to 30 atomic%). It becomes possible to obtain a phase change recording material having the same.
In the present invention, a phase change recording material having further excellent recording characteristics can be obtained by adding Te to the Sb—Sn—Ge alloy as necessary. Specifically, by including Te, good recording characteristics can be obtained even when recording is repeatedly performed on the phase change material stored for a long time. Since Te also has a function of controlling the crystallization rate in the same manner as Ge, if Ge and Te are contained in the Sb—Sn alloy, the range in which Ge can be contained can be expanded. Specifically, the lower limit of Ge content can be lowered to 1 atomic%. By reducing the Ge content, the recording characteristics after the phase change recording material has been stored for a long period of time can be improved.
[0019]
In the present invention, by adding a predetermined element such as In to the Sb—Sn—Ge alloy or Sb—Sn—Ge—Te alloy, further effects such as an increase in signal amplitude can be obtained. . Further, by using a predetermined element such as In, it may be possible to further control the crystallization rate together with Ge and Te.
That is, in the present invention, by including Ge in the Sb—Sn alloy, a phase change recording material excellent in high-speed recording and recording signal storage stability can be obtained by controlling the crystallization rate well. Further, by including other elements such as Te and / or In in this Sb—Sn—Ge alloy, good recording characteristics can be obtained even when the phase change material stored for a long time is repeatedly recorded. Further effects such as being capable of increasing the signal amplitude can be obtained. Depending on the element contained in the Sb—Sn—Ge alloy, the crystallization rate can be controlled more precisely, and the recording performance such as the recording characteristics after long-term storage can be improved. It becomes like this. Therefore, according to the present invention, a phase change recording material having a desired performance is provided in accordance with the application in which the phase change recording material is used.
[0020]
In the present invention, the phase change recording material mainly composed of the composition represented by the general formula (1) is used for an information recording medium in which the crystalline state is the unrecorded state and the amorphous state is the recorded state. As a result, the quality of the recording signal is dramatically improved. In particular, by using the above phase change recording material for a rewritable information recording medium, high-speed recording and erasure, improved recording signal storage stability, improved overwrite characteristics, and even longer over rewritable information recording medium stored for a long time. Improvement of overwriting characteristics when writing is achieved. Furthermore, it is possible to obtain a rewritable information recording medium that can be easily crystallized in the initial stage and has high productivity. Here, as a rewritable information recording medium, optical information recording / reproducing / erasing is performed by using a change in reflectivity associated with a reversible change between a crystalline state and an amorphous state by irradiating a focused light beam. And a typical information recording medium (for example, CD-RW).
[0021]
Hereinafter, in the general formula (1), when (A) z = 0, w = 0, (B) 0 <z ≦ 0.3, and when w = 0, (C) 0 ≦ z ≦ 0.3. , 0 <w ≦ 0.1, and (D) The phase change recording material will be described separately.
(A) When z = 0 and w = 0
When z = 0 and w = 0 in the general formula (1), the phase change recording material of the present invention has a ternary composition of SbSnGe. And the said general formula (1) becomes like the following general formula (1a).
[0022]
[Chemical 6]
(Sb1-xSnx)1-yGey      (1a)
X and y are numbers satisfying 0.01 ≦ x ≦ 0.5 and 0.1 ≦ y ≦ 0.3, respectively.
In general formula (1a), by setting x to 0.01 or more, the crystal state tends to be uniform, and there is an advantage that noise during reproduction can be reduced. Here, the uniform crystal state refers to a polycrystalline structure composed of crystallites having a single crystal phase and a fine crystal grain size. The fine crystallite means that the average crystal grain size is about the same as or smaller than the size of the recording mark and the variation in grain size is small.
In the general formula (1a), x is preferably 0.05 ≦ x, more preferably 0.1 ≦ x, still more preferably 0.15 ≦ x, and particularly preferably 0.2 ≦ x. If x is in this range, a more uniform crystal state can be obtained, and noise during reproduction can be further reduced.
On the contrary, in the general formula (1a), when x is less than 0.01 (Sn is less than 1 atomic%), a uniform crystal state cannot be obtained in the entire phase change recording material. This means that a uniform initial crystallization state (unrecorded state), which is a precondition for forming a high-quality amorphous recording mark, cannot be obtained. In other words, the inability to obtain a uniform crystal state in the entire phase change recording material means that it is difficult to set the crystal state to the unrecorded state and the amorphous state to the recorded state.
[0023]
Further, when x is larger, the optical characteristic difference between the crystalline state and the amorphous state becomes larger. Therefore, when the information recording medium of the present invention is used as an optical information recording medium, the signal amplitude is large. There is an advantage that can be taken. However, if x is larger than 0.5, it is difficult to stably perform formation (recording) of the amorphous mark and crystallization (erasure / unrecorded state) of the amorphous mark. 0.5 or less. Further, when reversible phase change between the crystalline state and the amorphous state is repeated, in order to perform reversible phase change (information rewriting) more than 100 times more reliably, x ≦ 0.4. More preferably, x ≦ 0.35 is particularly preferable. It is more preferable to set the value of x in the above range. When Sn is excessively contained, the phase change of the phase change recording material does not occur due to the change of the crystallization / amorphous mechanism considered to be due to the phase separation of Sn. This is probably because of this.
[0024]
In particular, if x is reduced in the range of 0.2 to 0.35, the signal amplitude tends to decrease, but the durability of the phase change recording material when repeated recording tends to be improved. It is preferable.
Accordingly, since the phase change recording material used in the present invention can freely realize the above characteristics by controlling the value of x, it is suitable for the purpose of the information recording medium in which the phase change recording material is used. There is an advantage that the composition can be used.
[0025]
On the other hand, in the general formula (1a), the crystallization speed can be controlled by changing the Ge content. That is, the recording layer composition (Sb1-xSnx)1-yGeyWhen y is small, the crystallization rate tends to increase. In the rewritable information recording medium, it is preferable to increase the crystallization speed in consideration of recording and erasing in a short time. For this reason, in order to obtain the crystallization speed according to the recording conditions of the rewritable information recording medium, the amount of Ge contained may be appropriately controlled. Specifically, considering the case where a rewritable information recording medium is used as an optical information recording medium, the range of y is limited because there are limitations such as the scanning linear velocity adjustment mechanism of the focused light beam and the laser power rise time. 0.1 or more, preferably 0.12 or more, more preferably 0.15 or more, and on the other hand 0.3 or less, preferably 0.25 or less, more preferably 0.2 or less.
[0026]
As described above, when the Ge content is decreased (y is decreased), the crystallization speed is increased. Although the phase change recording material of the present invention requires a certain degree of crystallization speed, if the crystallization speed becomes too fast, the phase change recording material once melted during the amorphization process is re-solidified. Crystallization makes it difficult to obtain an amorphous state. Furthermore, the storage stability of the obtained amorphous state is also lowered. Therefore, in order to change the crystalline state to the unrecorded state and the amorphous state to the recorded state, it is necessary to contain y of 0.1 or more (Ge of 10 atomic% or more).
[0027]
Further, in the phase change recording material used in the present invention, Ge seems to be related to the stability of the amorphous mark. That is, it is considered that the stability of the amorphous mark is improved by increasing the Ge content. However, if y is larger than 0.3, the amorphous mark becomes too stable, and recrystallization (erasing) and initial crystallization in a short time become difficult. In the general formula (1a), if the Ge content is within the range of 10 atomic% to 30 atomic%, the amorphous mark becomes extremely stable while ensuring the necessary crystallization speed, and the crystalline state is not yet improved. Not only can the recording state be changed to the amorphous state, but also the storage stability of the recorded signal is excellent.
In the phase change recording material used in the present invention, it is preferable that the crystallization rate varies greatly depending on the temperature at the time of crystallization. That is, it is preferable that the crystallization rate is high in a high temperature region where the temperature during crystallization is sufficiently higher than the crystallization temperature and close to the melting point, while the crystallization rate is low in a low temperature region near room temperature. In the present invention, by using Ge, the temperature dependence of the crystallization rate can be realized.
(B) When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0,
When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0 in the general formula (1), the phase change recording material of the present invention has a quaternary composition of SbSnGeM1. And the said general formula (1) becomes like the following general formula (1b).
[0028]
[Chemical 7]
(Sb1-xSnx)1-yzGeyM1z      (1b)
X and y are numbers satisfying 0.01 ≦ x ≦ 0.5 and 0.05 ≦ y ≦ 0.3, respectively. Further, in the general formula (1b), the element M1 includes In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and It is at least one selected from the group consisting of V.
In order to improve the overwrite characteristics when overwriting an amorphous recording mark that has been stored for a long period of time, it is better to have less Sn. However, if Sn is reduced, a uniform crystal state cannot be obtained, resulting in increased noise. The characteristics may be slightly deteriorated. In such a case, the increase in the noise can be suppressed by including the element M1. In other words, by using the element M1, it becomes possible to obtain a disk having excellent initial characteristics and excellent overwrite characteristics when a recording mark stored for a long time is overwritten.
[0029]
In the general formula (1b), the point where the value x is in the range of 0.01 ≦ x ≦ 0.5 is as described in the above (A). Further, in the general formula (1b), when x is increased, the optical characteristic difference between the crystalline state and the amorphous state increases, and therefore the information recording medium of the present invention is used particularly as an optical information recording medium. Has the advantage that the signal amplitude is increased. However, x is preferably set to 0.2 or less from the viewpoint of further improving the overwriting durability and signal characteristics when further overwriting is performed on an amorphous recording mark stored for a long time. As in the general formula (1a), in the ternary composition of SbSnGe, when x ≦ 0.2, the medium noise tends to increase as x decreases, but the element M1 is added. Therefore, noise can be reduced. As a result, it is possible to obtain a phase change recording material with better signal characteristics when overwriting is performed on a recording mark stored for a long time.
[0030]
In the general formula (1b), since it is necessary to contain the element M1, the value of z is larger than 0, preferably 0.005 or more, and more preferably 0.01 or more. . Within this range, the crystal state becomes more uniform throughout the phase change recording material, and noise is improved. Furthermore, when z is in the above range, noise can be reliably reduced even when x ≦ 0.2 in the general formula (1b). On the other hand, the value of z is 0.3 or less, preferably 0.25 or less, and more preferably 0.2 or less. By setting this range, the reflectance change during the phase change between the crystalline state and the amorphous state is sufficiently large, and the phase change speed can be increased.
[0031]
In the general formula (1b), the element M1 is selected from In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V. And at least one selected from the group consisting of By using a small amount of such an element M1, it is possible to improve the recording characteristics after a long period of time and to impart another effect without changing the crystallization rate. Hereinafter, the type of the element M1 is (B-1) an element selected from In, Ga, Pd, Pt, and Ag, (B-2) a rare earth element, (B-3) Se, N, O, C, Zn, Si. The effect exerted by each element will be described by being divided into elements selected from Al, Bi, Ta, W, Nb and V.
[0032]
In some cases, the crystallization rate can be controlled by using the element M1. For this reason, by using the element M1, the lower limit value of the Ge content can be reduced (can be less than 10 atomic%) in the quaternary composition of SbSnGeM1 represented by the general formula (1b). become. This point will be described in (B-4) below. However, the adjustment of the crystallization speed by using the element M1 is secondary, and the adjustment of the crystallization speed of the phase change recording material is first performed by controlling the Ge content.
(B-1) Element selected from In, Ga, Pd, Pt and Ag
In the above general formula (1b), when the element M1 is an element selected from In, Ga, Pd, Pt, and Ag, the initial crystallization tends to be somewhat difficult, but the crystallization temperature is increased to be amorphous. The effect of increasing the stability of the quality mark can also be obtained. Further, when the phase change recording material of the present invention is used for the recording layer of the optical information recording medium, there is an advantage that the signal amplitude can be increased. Here, an increase in signal amplitude means an increase in refractive index change between the crystalline state and the amorphous state.
[0033]
Note that when the content of Sn in the phase change recording material is decreased, the signal amplitude may be lowered. Even in such a case, the use of the element as the element M1 can compensate for the decrease in the signal amplitude. become able to. If the content of Sn is reduced, repeated overwrite characteristics and the like can be improved. Therefore, when at least one element selected from In, Ga, Pd, Pt, and Ag is used as the element M1, In the general formula (1b), x is preferably 0.2 or less, and particularly preferably 0.15 or less.
[0034]
In particular, if the additive element M is In or Ga, it is possible to improve the overwrite characteristics when a recording mark stored for a long time is overwritten. In addition, when In and Ga are compared, In has a greater effect of reducing noise. When the additive element M is Pt or Pd, the improvement in signal amplitude is small, but there is an advantage that initial crystallization can be easily performed.
Among these elements, In is most preferably used when the phase change recording material of the present invention is used for an optical information recording medium. When using In, it is preferable to control the contents of In and Sn. Specifically, x + z in the general formula (1b) is preferably 0.05 or more, and particularly preferably 0.1 or more. On the other hand, the x + z is preferably 0.3 or less, particularly preferably 0.25 or less.
[0035]
(B-2) Rare earth elements
In the general formula (1b), the element M1 may be a rare earth element. The rare earth element refers to a Group 3B element of the periodic table, and specifically refers to Sc, Y, a lanthanoid element, and an actinoid element. Since these 3B group elements of the periodic table have similar properties, any of the above elements may be used as the element M1. Preferred is a series in which 4f electrons are sequentially filled in terms of electron configuration, and strong lanthanoid elements (La, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, which have similar properties) 15 elements of Ho, Er, Tm, Yb, and Lu). Among the lanthanoid elements, Tb and Gd are particularly preferable. By using Tb and Gd, the initial crystallization of the information recording medium can be easily performed.
[0036]
Further, when a lanthanoid element is used as the element M1, the following effects are also obtained. In the SbSnGe phase change recording material of the present invention, depending on the recording conditions and the like, when repeated overwriting is repeatedly performed, the crystallization speed gradually decreases and the recording characteristics may deteriorate. For example, when the phase change recording material is used for a recording layer of a rewritable optical information recording medium, which is one of information recording media, jitter characteristics may deteriorate if the number of repeated recordings exceeds 1000. . This tendency becomes prominent when x is increased within the range of Sn ≦ 0.2 ≦ x ≦ 0.35. However, increasing x (increasing the Sn amount) has the advantage that the signal amplitude increases and recording with low power becomes possible. Therefore, if the deterioration of jitter characteristics due to repeated recording can be reduced, it is effective to increase the signal amplitude by increasing the value of x as much as possible (the Sn amount as much as possible). The addition of the lanthanoid element has an effect of suppressing the deterioration of the jitter characteristics accompanying the decrease in the crystallization speed when the above recording is repeated. That is, by including a lanthanoid element in the SbSnGe phase change recording material of the present invention, it is possible to obtain an information recording medium having a large signal amplitude and capable of recording at a low power and excellent in repeated recording durability. become.
[0037]
The effect of containing the lanthanoid element is remarkably exhibited when the phase change recording material of the present invention is used particularly for an optical information recording medium.
(B-3) Element selected from Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V
In the general formula (1b), when the element M1 is an element selected from Se, C, Si, and Al, the initial crystallization tends to be somewhat difficult, but there is an advantage that the signal amplitude can be increased. It is also possible to obtain an effect of increasing the stabilization temperature to increase the stability of the amorphous mark.
Further, when the element M1 is an element selected from Bi, Ta, W, Nb, and V, there is an advantage that initial crystallization can be easily performed although the improvement in signal amplitude is small.
Further, when the element M1 is an element selected from N, O, and Zn, the optical characteristics and the crystallization speed can be finely adjusted.
[0038]
When the element M1 is at least one selected from the group consisting of Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V, the upper limit of the content of the element M1 Is most preferably 10 atomic%. That is, in the general formula (1b), z is preferably set to z ≦ 0.1, and more preferably set to z ≦ 0.05. This is because if the element is added in an amount of more than 10 atomic%, noise may increase or initial crystallization may be difficult.
[0039]
(B-4) Secondary effect of using element M1
In the general formula (1b), y representing the amount of Ge can be made smaller than 0.1 by using the element M1. As described in (A) above, in the ternary composition of SbSnGe, the crystallization rate becomes too high, and the formation stability and storage stability of the recording mark in the amorphous state are maintained. It is impossible to make the content of less than 10 atomic% (y is made smaller than 0.1). However, in some cases, the addition of the element M1 can slow down the crystallization rate to achieve good formation of an amorphous state and improvement in storage stability. In particular, when the element M1 is In, Ga, Ag, or a lanthanoid element (in particular, Tb, Gd), the above effect is great. Therefore, by using the element M1, the lower limit value of the Ge content can be lowered as compared with the case of the ternary composition of SbSnGe. Reducing the Ge content has the following effects.
[0040]
When a large amount of Ge is contained, the crystallization speed of the phase change recording material is decreased, and the storage stability of the amorphous phase is improved. That is, by using Ge, it becomes possible to suppress amorphous recrystallization mainly in the storage state near room temperature, and the storage stability in the amorphous state is improved. Therefore, the recording stability of the phase change recording material is improved by using Ge.
However, this improvement in the temporal stability of the amorphous phase may cause a problem that the phase change cannot be performed satisfactorily when recrystallizing (erasing the recording mark) the amorphous phase that has passed for a long time after recording. is there. The reason why the amorphous phase cannot be successfully recrystallized is not necessarily clear, but the amorphous state once formed by rapid cooling shifts to another amorphous state that is more stable over time. It is thought that crystallization after long-term storage cannot be performed well. Since the amorphous state once formed by rapid cooling is a locally stable state, the bonding state of atoms changes slightly over a long period of time, and the amorphous state becomes a more energetically stable state. That is possible. From the viewpoint of emphasizing the recording characteristics when re-crystallizing (erasing) the amorphous mark after a long period of time and performing overwrite recording of the amorphous mark again, the Ge content should be as low as possible. Thus, even if the storage stability of the amorphous phase near room temperature is made somewhat unstable, it is desired to obtain the effect of improving the erasing characteristics after a long period of time.
However, as described above, in the SbSnGe-based ternary composition, if the Ge content is less than 10 atomic%, the crystallization speed becomes too high, and the crystalline state becomes the unrecorded state and the amorphous state becomes the recorded state. It becomes difficult to do. Furthermore, even if an amorphous state is formed, this amorphous state is likely to be recrystallized in a room temperature storage state. Therefore, in the SbSnGe ternary composition, the Ge content is more than 10 atomic%. It is difficult to reduce it. Therefore, in the present invention, by using the element M1, the effect of slowing the crystallization speed of the element M1 or the effect of improving the storage stability of the amorphous phase, and the crystal by reducing the content of Ge The effect of increasing the crystallization speed or the effect of decreasing the storage stability of the amorphous material is offset, and the recording characteristics after the above-mentioned long period of time can be improved with almost no change in the crystallization speed. .
However, the effect of decreasing the crystallization rate of the element M1 is not as high as the effect of decreasing the crystallization rate of Te, as will be described later. For this reason, when the element M1 is contained in the SbSnGe-based ternary composition, if the lower limit value of the Ge content is less than 5 atomic% (y = 0.05), the crystallization speed of the phase change recording material increases. Too much. Therefore, as will be described later, when Te is contained in the ternary composition of the SbSnGe system, the lower limit of the Ge content can be lowered to 1 atomic% (y = 0.01). In the case where only the element M1 is contained in the ternary composition, the lower limit value of the Ge content can only be lowered to 5 atomic% (y = 0.05).
[0041]
That is, in the general formula (1b), the value of y is 0.05 or more, preferably 0.08 or more, more preferably 0.1 or more, and 0.12 or more. Is more preferable, and 0.15 or more is particularly preferable. By setting it within this range, good recording characteristics can be obtained even after a long period of time. On the other hand, the value of y is 0.3 or less, preferably 0.25 or less, and more preferably 0.2 or less. By setting it within this range, it becomes possible to obtain a crystallization speed necessary for recording and erasing at a high transfer rate.
(C) When 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1
In the general formula (1), when 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1, the phase change recording material of the present invention has a composition containing Te. And general formula (1) becomes like the following general formula (1c).
[0042]
[Chemical 8]
(Sb1-xSnx)1-ywzGeyTewM1z      (1c)
X and y are numbers satisfying 0.01 ≦ x ≦ 0.5 and 0.01 ≦ y ≦ 0.3, respectively. Further, in the general formula (1c), the element M1 includes In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and It is at least one selected from the group consisting of V.
In the general formula (1c), the point where the value of x is in the range of 0.01 ≦ x ≦ 0.5 is as described in the above (A). As in the above general formula (1a), in the ternary composition of SbSnGe, the optical characteristic difference between the crystalline state and the amorphous state when x is increased (for example, x ≦ 0.2). Therefore, when the information recording medium of the present invention is used as an optical information recording medium, there is an advantage that the signal amplitude is increased. However, it is preferable to reduce x to some extent from the viewpoint of further improving the overwriting durability and the signal characteristics when further overwriting is performed on a recording mark stored for a long time. Here, when Te is added, even when x is relatively large such as 0.2 or more, it is possible to improve the repeated recording durability and the signal characteristics when further overwriting is performed on the recording mark stored for a long time. it can. As a result, it is possible to obtain a phase change recording material excellent in all of initial characteristics, repeated recording durability, and signal characteristics when further overwriting is performed on a recording mark stored for a long time.
[0043]
The Te content is greater than 0 atomic% (0 <w), but is preferably 0.1 atomic% or more (0.001 ≦ w), and is preferably 1 atomic% or more (0.01 ≦ w). ) Is more preferable, and 3 atomic% or more (0.03 ≦ w) is particularly preferable. If it is within this range, it becomes possible to improve the overwriting characteristics when a recording mark stored for a long time is overwritten. On the other hand, when the Te content increases, a GeTe crystal phase or a GeSbTe crystal phase tends to appear, the crystal uniformity in the phase change recording material of the present invention containing SbSn as a main component is reduced, and the crystalline state Therefore, the Te content is 10 atomic% or less (w ≦ 0.1), but 9 atomic% or less (w ≦ 0.09). Preferably, it is more preferably 7 atomic% or less (w ≦ 0.07). When the Te content is 7 atomic% or less, the crystal state reflectivity and signal amplitude can be sufficiently secured.
The further significance of using Te in the phase change recording material of the present invention will be described. That is, in the general formula (1c), by using Te, the Ge content is less than 10 atomic% (y <0.1), and further less than 5 atomic% (y <0.05). It will be possible. As described in the above (A), in the ternary composition of SbSnGe, the content of Ge is adjusted in that the crystallization speed is adjusted to change the crystalline state to the unrecorded state and the amorphous state to the recorded state. Y which represents can not be less than 0.1. Furthermore, as described in (B) above, if the quaternary composition is added to SbSnGe with M1 (M1 is In or the like) having the function of adjusting the crystallization rate, the lower limit of the Ge content. Can be reduced to 5 atomic% (y = 0.05). However, even in this case, if it is less than 5 atomic%, the crystallization speed of the phase change recording material becomes too fast.
When Te is contained in the phase change recording material with respect to the phase change recording materials having these compositions, the crystallization rate can be further reduced. Thus, Te is an element having a strong function of slowing down the crystallization speed. Therefore, the lower limit of the Ge content can be lowered as compared with the case of each composition of SbSnGe or SbSnGeM1. Reducing the Ge content has the following effects.
[0044]
When a large amount of Ge is contained, the crystallization speed of the phase change recording material is decreased, and the storage stability of the amorphous phase is improved. That is, by using Ge, it becomes possible to suppress amorphous recrystallization mainly in the storage state near room temperature, and the storage stability in the amorphous state is improved. Therefore, the recording stability of the phase change recording material is improved by using Ge.
However, this improvement in the storage stability of the amorphous phase may cause a problem that the phase change cannot be satisfactorily performed when the amorphous phase that has passed for a long time after recording is recrystallized (erasing the recording mark). is there. The reason why the amorphous phase cannot be successfully recrystallized is not necessarily clear, but it is thought that the amorphous state once formed by rapid cooling shifts to another more stable amorphous state over time. It is done.
Therefore, from the viewpoint of emphasizing the recording characteristics when the amorphous mark is recorded again after recrystallizing (erasing) the amorphous mark after a long period of time, the Ge content is minimized. Thus, even if the storage stability of the amorphous phase near room temperature is made somewhat unstable, it is desired to obtain the effect of improving the erasing characteristics after a long period of time. However, as described above, when the Ge content is reduced, the crystallization speed becomes too high, making it difficult to make the crystalline state unrecorded and the amorphous state recorded. Furthermore, even if an amorphous state is formed, this amorphous state is likely to be recrystallized in a room temperature storage state. For this reason, in the present invention, by using Te, the effect of slowing the crystallization rate of Te or the effect of improving the storage stability of the amorphous phase, and the crystallization rate by reducing the content of Ge The effect of increasing the recording speed or the effect of decreasing the storage stability of the amorphous matter is offset, and the recording characteristics after the long period of time can be improved with almost no change in the crystallization speed.
It is also presumed that by using Te, an effect of suppressing the transition of the amorphous state to another more stable amorphous state due to the above-described change with time is also exhibited.
[0045]
Based on the above, y representing the Ge content in the general formula (1c) is 0.01 or more, preferably 0.05 or more, more preferably 0.08 or more, and More preferably, it is 1 or more. By setting it within this range, good recording characteristics can be obtained even after a long period of time. On the other hand, the value of y is 0.3 or less, preferably 0.25 or less, and more preferably 0.2 or less. By setting it within this range, it becomes possible to obtain a crystallization speed required for recording / erasing at a high transfer rate.
One purpose of using Te in combination with Ge in the phase change recording material is to further improve the long-term storage stability as compared with the case of using Ge alone. From this point, Te is preferably used as an auxiliary to Ge. Furthermore, the total content of Ge and Te is preferably y + w ≦ 0.3, and more preferably y + w ≦ 0.2. On the other hand, in order to ensure the stability of the amorphous mark, y + w is usually 0.05 or more, preferably 0.07 or more, more preferably 0.1 or more.
Further, the significance of using the element M1 in the general formula (1c) is as described in (B) above (the use of the element M1 suppresses the increase in noise, and the element M1 depends on the type used. It is possible to obtain another effect, etc.). Furthermore, the range of z indicating the content of the element M1 in the general formula (1c), the reason for setting such a range, and the like are as described in the above (B).
[0046]
Note that the addition of Te tends to reduce the reflectivity and signal amplitude of the crystalline state of the phase change recording material. Therefore, at the same time as Te is added, for example, the signal amplitude of In, Pd, Ag, Au, etc. is increased. If an element that functions to increase is added as the element M1, an even better phase change recording material can be obtained. In is most preferable as the element M1 used in combination with Te. In that case, (1d)
[Chemical 9]
(Sb1-xSnx)1-ywzGeyTewInz      (1d)
In particular, in order to suppress a decrease in optical contrast due to the addition of Te, it is necessary to increase the amount of In or Sn, and the total content of In and Sn {xx (1-ywz) ) + Z} to Te content w, {xx (1-ywz) + z} / w is preferably 2 or more, more preferably 3 or more.
(D) Other matters
The phase change recording material of the present invention preferably contains Sb as a main component. Since the most effective element for high-speed crystallization is Sb, if a phase change recording material containing Sb as a main component is used, for example, the recrystallization (erasing) of an amorphous mark takes energy in a time shorter than 100 nsec. Even in the case of performing irradiation with a beam, good recrystallization can be performed. Therefore, in the general formula (1), the Sb content is preferably 50 atomic% or more. That is, (1-x) × (1-ywz) ≧ 0.5 is preferable. Thus, by using Sb as a main component, a single crystal phase based on the hexagonal crystal of Sb can be easily selected.
In the above general formula (1), it is important to control the total value of the Ge content, Te, and the content of the element M1 for precise control of the crystallization speed. For this reason, y + z + w is preferably 0.1 or more, and more preferably 0.15 or more. Within this range, an amorphous mark can be formed satisfactorily. On the other hand, y + z + w is preferably 0.4 or less, and more preferably 0.3 or less. If it is within this range, the phase change speed can be made sufficiently fast, and the reflectance change during the phase change can be increased. Furthermore, if it is the said range, it can also suppress that another stable crystal phase appears by the coupling | bonding of Ge, Te, and element M1.
[0047]
The significance of controlling the sum of y, z, and w in the general formula (1) will be described in detail below.
In the general formula (1), the crystallization rate can be controlled by changing the Ge content. That is, the recording layer composition (Sb1-xSnx)1-ywzGeyTewM1zWhen y is small, the crystallization rate tends to increase. In general, a rewritable information recording medium requires a high crystallization speed for recording and erasing in a short time. For this reason, in order to obtain the crystallization speed according to the recording conditions of the rewritable information recording medium, the amount of Ge contained may be appropriately controlled. However, the crystallization speed is also related to the values of z and w, and the crystallization speed decreases as z and w increase. Therefore, in order to control the crystallization speed, it is effective to reduce y when z and w are increased and to control y + z + w within the predetermined range.
[0048]
Japanese Patent Laid-Open No. 63-201927 describes a write-once recording element using an SbSnGe alloy, but the principle of forming a recording mark is different from that of the present invention. That is, in the write-once medium described in the above publication, an amorphous film obtained at the time of manufacturing the medium is in an unrecorded state, and a crystalline recording mark is formed therein by light irradiation. On the other hand, in the phase change recording material of the present invention, the crystal state of the phase change recording material is the unrecorded state and the amorphous state is the recorded state. In particular, when the phase change recording material of the present invention is used for an optical information recording medium, it is important that the entire recording layer containing the phase change recording material is in a uniform crystal state. In the optical information recording medium, amorphous recording marks are formed in the uniform crystalline recording layer.
[0049]
Here, the performance required for the phase change recording material is greatly different between the case where a crystalline recording mark is formed on a write-once medium and the case where an amorphous recording mark is formed like the medium of the present invention. .
First, the crystallization speed range required for the phase change recording material is different between a case where a crystalline recording mark is formed in a write-once medium and a case where an amorphous recording mark is formed as in the medium of the present invention. Different. That is, when forming a crystalline recording mark on a write-once medium, it is necessary to use a phase change recording material having a very high crystallization speed. This is because it is not necessary to return the recording mark of the crystal once formed to an amorphous state, but rather it is not preferable to return to an amorphous state from the viewpoint of ensuring the stability of the crystal mark. Furthermore, in the phase change recording material having a low crystallization speed, a part of the melted part due to light irradiation or the like becomes amorphous before it becomes a crystalline state. is there.
[0050]
On the other hand, when forming an amorphous recording mark as in the medium of the present invention, if the crystallization speed of the phase change recording material is too high, the melted part due to light irradiation or the like will recrystallize and become amorphous. Recording marks cannot be formed. Therefore, in order to stably form an amorphous recording mark, it is necessary to set the crystallization speed so as to balance the crystallization speed and the stability of the amorphous recording mark. Here, in order to maintain a good balance between the crystallization speed and the stability of the amorphous mark, it is preferable that the temperature dependence of the crystallization speed is large. That is, when recrystallizing amorphous recording marks, the temperature during crystallization is a high temperature region that is sufficiently higher than the crystallization temperature and close to the melting point, but in this temperature region, the crystallization speed is increased. Is preferred. On the other hand, from the viewpoint of increasing the storage stability of the amorphous recording mark, the crystallization speed is slowed to prevent recrystallization of the amorphous mark in a low temperature region that is sufficiently lower than the crystallization temperature and near room temperature. It is preferable. In the phase change recording material of the present invention, the temperature dependence of the crystallization rate can be realized by using Ge and further controlling the Ge content.
[0051]
Next, crystal nuclei in the phase change recording material are required when a crystalline recording mark is formed in a write-once medium and when an amorphous recording mark is formed as in the medium of the present invention. The nature is also completely different. That is, when a crystal recording mark is formed in an amorphous state, a large number of crystal nuclei need to exist in the amorphous state. This is because a crystal recording mark cannot be formed in a region where there is no crystal nucleus, and in order to accurately control the shape and position of the crystal recording mark, there are many in the region where the recording mark is formed. This is because crystal nuclei need to exist. If the number of crystal nuclei is insufficient, the position at which a crystal recording mark is formed depends on the position of the crystal nucleus, so that the recording characteristics such as jitter deteriorate.
[0052]
On the other hand, in the case where an amorphous recording mark is formed in a uniform crystal state as in the medium of the present invention, there is no crystal nucleus in the phase change recording material. Is preferably so small that crystal nuclei do not substantially function in the process of forming amorphous recording marks. This is because if the crystal nucleus functions effectively in the mark formation process, a part or all of the molten region where the amorphous mark is to be formed is recrystallized without becoming amorphous. That is, when forming an amorphous mark, the mark shape is preferably determined only by the thermal history of the phase change recording material without being affected as much as possible by the number and position of crystal nuclei.
Furthermore, in the present invention, when an amorphous recording mark is erased by recrystallization, even if no crystal nucleus exists in the recording mark, crystal growth occurs starting from the crystal around the recording mark. There is no need to have crystal nuclei in the material. In the present invention, by using Ge and controlling the Ge content, crystal nucleation in the phase change recording material can be effectively suppressed. Crystal nucleation generally proceeds in a temperature range lower than the temperature range where crystal growth occurs. Therefore, suppression of crystal nucleation is preferable from the viewpoint of storage stability of amorphous marks near room temperature.
[0053]
As described above, in the case where a crystalline recording mark is formed on a write-once medium and in the case where an amorphous recording mark is formed as in the medium of the present invention, properties required for a phase change recording material (for example, crystal And the crystal state of the phase change recording material (for example, whether the crystal state has a large number of crystal nuclei or a uniform crystal state with few crystal nuclei). As a result, the composition range of the phase change recording material for forming the crystalline recording mark and the phase change recording material for forming the amorphous recording mark are naturally different.
JP 2002-11958 discloses a write-once optical information recording medium in which a small amount of Ge is added to InSnSb. However, the optical information recording medium forms a crystalline recording mark in a recording layer in an amorphous state (crystal recording type). There is no consideration for improving the storage stability of record marks in quality state. And since it is an optical information recording medium of crystal type recording, in the recording layer composition specifically disclosed, the Ge content is less than 5 atomic%.
2. Information recording medium
The information recording medium of the present invention is an information recording medium in which a crystalline state is an unrecorded state and an amorphous state is a recorded state, and the phase change mainly comprises the composition represented by the general formula (1). A recording material is used. As described above in “1. Phase change recording material”, when the phase change recording material mainly composed of the composition represented by the general formula (1) is used for a rewritable information recording medium, the quality of the recording signal is improved. The improvement effect and the improvement effect of the productivity of the information recording medium are particularly prominent. Therefore, in the present invention, the phase change recording material having the composition represented by the general formula (1) as a main component changes reversibly between a crystalline state and an amorphous state. Thus, it is preferable to use a rewritable information recording medium in which information on the information recording medium is rewritten.
[0054]
More preferably, the information recording medium in the present invention is an optical information recording medium, and includes at least a phase change recording layer containing a phase change recording material mainly composed of the composition represented by the general formula (1). And an information recording medium having one protective layer. More preferably, the optical information recording medium is a rewritable information recording medium.
[0055]
Therefore, in the following, the phase change recording material used in the present invention is referred to as a rewritable optical information recording medium (hereinafter, “rewritable optical information recording medium” is simply referred to as “optical information recording medium”). The specific configuration of the medium and the recording / reproducing method when applied to () will be described in detail in (A) to (C).
(A) Layer structure
As the optical information recording medium, a medium having a multilayer structure as shown in FIG. 1 (a) or FIG. 1 (b) is usually used. That is, as is clear from FIGS. 1A and 1B, a recording layer used for the optical information recording medium of the present invention and a heat-resistant protective layer are laminated on at least one surface of the substrate. Is preferred. In many cases, a reflective layer is provided on the side opposite to the recording / reproducing light beam incidence, but this reflective layer is not always essential. In addition, a translucent absorbent film may be appropriately provided on the light incident surface side for controlling light absorption. In addition, in the protective layer that is preferably provided on at least one surface of the recording layer, materials having different characteristics may be multilayered.
[0056]
Next, the recording layer will be described.
The material contained in the recording layer is mainly composed of the phase change recording material represented by the general formula (1). In order to effectively exhibit the effects of the present invention, the phase change recording material represented by the general formula (1) in the entire recording layer is usually 50 atomic% or more, preferably 80 atomic% or more, more preferably. Is contained at 90 atomic% or more, particularly preferably 95 atomic% or more. The higher the content is, the more the effect of the present invention is exhibited. However, even if other components such as O and N are contained during the formation of the recording layer, it is several atomic percent to 20 atomic percent. If it is within the range, the effects of the present invention such as high-speed recording and erasure are reliably exhibited.
[0057]
The thickness of the recording layer is usually 1 nm or more, preferably 5 nm or more, and particularly preferably 10 nm or more. In this way, the contrast of the reflectance between the crystal and the amorphous state is sufficient, the crystallization speed is sufficient, and recording and erasing can be performed in a short time. Also, the reflectance itself is a sufficient value. On the other hand, the thickness of the recording layer is usually 30 nm or less, preferably 25 nm or less, particularly preferably 20 nm or less. In this way, sufficient optical contrast can be obtained, and cracks are less likely to occur in the recording layer. Further, there is no significant deterioration in recording sensitivity due to an increase in heat capacity. Furthermore, if the film thickness is within the above range, the volume change accompanying the phase change can be moderately suppressed, and when the overwriting is repeated, the recording layer itself or the upper and lower sides thereof that causes noise can be provided. Microscopic and irreversible deformation of the protective layer that can be made is less likely to accumulate. Since accumulation of such deformation tends to reduce repeated overwrite durability, this tendency can be suppressed by setting the film thickness of the recording layer within the above range.
[0058]
When recording / reproduction is performed with a focused light beam of an LD (laser diode) having a wavelength of about 650 nm and an objective lens having a numerical aperture of about 0.6 to 0.65 as in a rewritable DVD, a blue LD having a wavelength of about 400 nm, and a numerical aperture In a high-density medium that performs recording / reproduction with a focused light beam of an objective lens of about 0.7 to 0.85, the requirement for noise is more severe. In such a case, a more preferable recording layer thickness is 25 nm. It is as follows.
[0059]
The recording layer can be obtained by DC or RF sputtering of a predetermined alloy target in an inert gas, particularly Ar gas.
The density of the recording layer is usually 80% or more, preferably 90% or more of the bulk density. As the bulk density ρ herein, an approximate value according to the following equation (2) is usually used, but it can also be measured by creating a lump of alloy composition constituting the recording layer.
[0060]
[Expression 1]
ρ = Σmiρi(2)
(Where mi Is the molar concentration of each element i and ρi Is the atomic weight of element i. )
In the sputtering film forming method, the pressure of a sputtering gas (usually a rare gas such as Ar: a case where Ar is used as an example) is reduced, or a substrate is disposed close to the front of the target. Thus, the density of the recording layer can be increased by increasing the amount of high energy Ar irradiated to the recording layer. The high energy Ar is usually one in which Ar ions irradiated to the target for sputtering are partially rebounded and reach the substrate side, or Ar ions in the plasma are accelerated by the sheath voltage across the substrate and reach the substrate. Either.
[0061]
The irradiation effect of such a high energy rare gas is referred to as an atomic peening effect. In sputtering with Ar gas that is generally used, Ar is mixed into the sputtered film due to the atomic peening effect. The atomic peening effect can be estimated from the amount of Ar in the film. That is, if the amount of Ar is small, it means that the effect of high energy Ar irradiation is small, and a film with a low density is likely to be formed.
[0062]
On the other hand, when the amount of Ar is large, irradiation with high energy Ar becomes intense and the density of the film becomes high, but Ar taken in the film precipitates as void during repeated overwriting and degrades repeated durability. Easy to make. Therefore, moderate pressure, usually 10-2-10-1Discharge is performed in the order of Pa.
Furthermore, another component of the structure of the optical information recording medium, which is a preferred embodiment of the present invention, will be described.
[0063]
As the substrate used in the present invention, resins such as polycarbonate, acrylic and polyolefin, or metals such as glass and aluminum can be used. Since a guide groove having a depth of about 20 to 80 nm is usually provided on the substrate, a resin substrate capable of forming the guide groove by molding is preferable. In addition, in the case of so-called substrate surface incidence (see FIG. 1A) where a focused light beam for recording / erasing / reproduction is incident from the substrate side, the substrate is preferably transparent.
[0064]
In order to prevent evaporation / deformation accompanying the phase change of the recording layer and to control thermal diffusion at that time, a protective layer is usually formed on one or both of the recording layer, preferably both. The material of the protective layer is determined in consideration of the refractive index, thermal conductivity, chemical stability, mechanical strength, adhesion, and the like. In general, a metal having high transparency and a high melting point, or a dielectric such as oxide, sulfide, carbide, nitride, fluoride such as Ca, Mg, Li or the like can be used.
[0065]
In this case, these oxides, sulfides, carbides, nitrides, and fluorides do not necessarily have a stoichiometric composition, and the composition is controlled or mixed for controlling the refractive index and the like. Is also effective. In consideration of repetitive recording characteristics, a mixture of dielectrics is preferable. More specifically, a mixture of a chalcogen compound such as ZnS or rare earth sulfide and a heat-resistant compound such as oxide, nitride, carbide, or fluoride can be used. For example, a mixture of a heat-resistant compound containing ZnS as a main component, a rare earth sulfate, particularly Y2O2A mixture of heat-resistant compounds containing S as a main component is an example of a preferred protective layer composition.
As a material for forming the protective layer, a dielectric material can be generally used. Examples of the dielectric material include oxides such as Sc, Y, Ce, La, Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Zn, Al, Cr, In, Si, Ge, Sn, Sb, and Te. Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Cr, Mo, W, Zn, B, Al, Ga, In, Si, Ge, Sn, Sb, Pb, and other nitrides, Ti, Zr, Hf, Examples thereof include carbides such as V, Nb, Ta, Cr, Mo, W, Zn, B, Al, Ga, In, and Si, or mixtures thereof. As dielectric materials, sulfides such as Zn, Y, Cd, Ga, In, Si, Ge, Sn, Pb, Sb and Bi, selenides or tellurides, fluorides such as Mg and Ca, or Mention may be made of these mixtures.
Furthermore, as a specific example of the dielectric material, ZnS-SiO2, SiN, SiO2TiO2, CrN, TaS2, Y2O2S and the like can be mentioned. Among these materials, ZnS-SiO2Is widely used because of its high film formation speed, low film stress, small volume change rate due to temperature change, and excellent weather resistance.
[0066]
Considering repeated recording characteristics, it is desirable from the viewpoint of mechanical strength that the film density of the protective layer is 80% or more of the bulk state. When using a mixture of dielectrics, the theoretical density of the above formula (2) is used as the bulk density.
The thickness of the protective layer is generally 1 nm or more and 500 nm or less. By setting the thickness to 1 nm or more, the effect of preventing deformation of the substrate and the recording layer can be sufficiently secured, and the role as a protective layer can be sufficiently achieved. In addition, if the thickness is 500 nm or less, it can prevent the occurrence of cracks due to the significant internal stress of the protective layer itself and the difference in elastic properties from the substrate, while sufficiently serving as the protective layer. it can.
[0067]
In particular, when a protective layer (sometimes referred to as a lower protective layer) is provided between a substrate on the incident light side (such a substrate can be exemplified by a substrate) and a recording layer, the lower protective layer is Since it is necessary to suppress deformation of the substrate due to heat, the thickness is usually 1 nm or more, preferably 5 nm or more, particularly preferably 10 nm or more. In this way, accumulation of microscopic substrate deformation during repeated overwriting is suppressed, and reproduction light is not scattered and noise rises significantly.
[0068]
On the other hand, the thickness of the lower protective layer is preferably 200 nm or less, more preferably 150 nm or less, and still more preferably 100 nm or less, in view of the time required for film formation. By doing so, the groove shape of the substrate as seen in the recording layer plane is not changed. That is, the phenomenon that the depth and width of the groove become smaller than the intended shape on the surface of the substrate is less likely to occur.
[0069]
On the other hand, when a protective layer (sometimes referred to as an upper protective layer) is provided on the side opposite to the incident light side of the recording layer, the upper protective layer usually has a thickness of 1 nm or more in order to suppress deformation of the recording layer. , Preferably 5 nm or more, particularly preferably 10 nm or more. Further, in order to prevent accumulation of microscopic plastic deformation inside the upper protective layer that occurs with repeated overwriting, and to suppress an increase in noise due to scattering of reproduction light, preferably 200 nm or less, more preferably 150 nm or less, More preferably, it is 100 nm or less, Most preferably, it is 50 nm or less.
[0070]
Note that the thickness of the recording layer and the protective layer is not only limited in terms of mechanical strength and reliability, but also considers the interference effect associated with the multilayer structure, so that the absorption efficiency of the laser beam is good and the amplitude of the recording signal is It is selected so that the contrast between the recorded state and the unrecorded state is large.
In the optical information recording medium, a reflective layer can be further provided. The position where the reflective layer is provided usually depends on the incident direction of the reproduction light, and is provided on the opposite side of the recording layer with respect to the incident side. That is, when reproducing light is incident from the substrate side, it is normal to provide a reflective layer on the opposite side of the recording layer with respect to the substrate. When reproducing light is incident from the recording layer side, the recording layer and the substrate Usually, a reflective layer is provided between them (see FIGS. 1A and 1B).
[0071]
The material used for the reflective layer is preferably a substance having a high reflectivity, and is particularly preferably a metal such as Au, Ag, or Al that can be expected to have a heat dissipation effect. Although the heat dissipation is determined by the film thickness and the thermal conductivity, the thermal conductivity of these metals is almost proportional to the volume resistivity, so that the heat dissipation performance can be expressed by the area resistivity. The sheet resistivity is usually 0.05Ω / □ or more, preferably 0.1Ω / □ or more, and usually 0.6Ω / □ or less, preferably 0.5Ω / □ or less.
[0072]
This guarantees particularly high heat dissipation, and competition between amorphization and recrystallization is significant in the formation of amorphous marks as in the recording layer used for optical information recording media. In some cases, this is necessary to suppress recrystallization to some extent. A small amount of Ta, Ti, Cr, Mo, Mg, V, Nb, Zr, Si, or the like may be added to the above metal for controlling the thermal conductivity of the reflective layer itself or improving the corrosion resistance. The addition amount is usually 0.01 atomic percent or more and 20 atomic percent or less. Aluminum alloy containing 15 atomic% or less of Ta and / or Ti, particularly Alα Ta1-The alloy of α (0 ≦ α ≦ 0.15) has excellent corrosion resistance and is a particularly preferable reflective layer material for improving the reliability of the optical information recording medium.
[0073]
Alternatively, an Ag alloy containing any one of Mg, Ti, Au, Cu, Pd, Pt, Zn, Cr, Si, Ge, and rare earth elements in an amount of 0.01 atomic percent to 10 atomic percent in Ag is also reflectivity and thermal conductivity. The rate is high and the heat resistance is excellent, which is preferable.
In particular, when the thickness of the upper protective layer is 5 nm or more and 50 nm or less, it is preferable that the contained additive element is 2 atomic% or less in order to make the reflective layer have high thermal conductivity.
As a material for the reflective layer, Ag is the main component. The reason why Ag is the main component is as follows. That is, when the recording mark stored for a long time is overwritten again, there may be a phenomenon that the recrystallization speed of the phase change recording layer is increased only by the first overwriting immediately after storage. The reason why such a phenomenon occurs is unknown, but due to the increase in the recrystallization speed of the recording layer immediately after the storage, the size of the amorphous mark formed by the first overwriting immediately after the storage is desired. It becomes smaller than the size of the mark. Therefore, when such a phenomenon occurs, recording at the first overwriting immediately after storage is performed by increasing the cooling rate of the recording layer by using Ag having a very high heat dissipation property for the reflective layer. It becomes possible to keep the size of the amorphous mark at a desired size by suppressing recrystallization of the layer.
[0074]
The thickness of the reflective layer is preferably 10 nm or more so that there is no transmitted light and the incident light is completely reflected. On the other hand, if it is too thick, there is no change in the heat dissipation effect, and the productivity is worsened and cracks are likely to occur.
[0075]
A preferable layer configuration of the optical information recording medium is a configuration in which a first protective layer, a recording layer, a second protective layer, and a reflective layer are provided in order along the incident direction of the reproduction light. That is, when reproducing light is incident from the substrate side, the layer structure is a substrate, a lower protective layer, a recording layer, an upper protective layer, and a reflective layer. When reproducing light is incident from the recording layer side, the substrate, the reflective layer, A layer structure of a lower protective layer, a recording layer, and an upper protective layer is preferable.
[0076]
Of course, each of these layers may be formed of two or more layers, and an intermediate layer may be provided between them. For example, a translucent extremely thin metal, semiconductor, or dielectric having absorption on a substrate / protective layer when reproducing light is incident from the substrate side, or on a protective layer when reproducing light is incident from the opposite side of the substrate It is also possible to provide a layer or the like to control the amount of light energy incident on the recording layer.
[0077]
The recording layer, the protective layer, and the reflective layer are usually formed by a sputtering method or the like.
In order to prevent oxidation and contamination between layers, it is desirable to form a film with an in-line apparatus in which a target for a recording layer, a target for a protective layer, and, if necessary, a target for a reflective layer material are installed in the same vacuum chamber. It is also excellent in terms of productivity.
On the outermost surface side of the optical information recording medium, it is preferable to provide a protective coat made of an ultraviolet curable resin or a thermosetting resin in order to prevent direct contact with air or damage due to contact with foreign matter. The protective coat is usually 1 μm to several hundred μm thick. Further, a dielectric protective layer having high hardness can be further provided, and a resin layer can be further provided thereon.
[0078]
(B) Initial crystallization method of optical information recording medium
The recording layer is usually formed by a physical vapor deposition method in a vacuum such as a sputtering method, but the state immediately after the film formation (as-deposited state. In this specification, this may be simply referred to as as-depo.). ), Since the recording layer is usually amorphous, in the present invention, this is crystallized to an unrecorded erase state. This operation is called initialization. Examples of the initial crystallization operation include, for example, oven annealing in a solid phase at a crystallization temperature (usually 150 to 300 ° C.) or higher and a melting point or lower, annealing by irradiation with light energy such as laser light or flash lamp light, and melting initialization. And the like. In the present invention, since a phase change recording material with little crystal nucleation is used, it is preferable to use melt initialization among the above initial crystallization operations.
[0079]
In the melt initialization, if the recrystallization rate is too slow, there is a time margin for achieving thermal equilibrium, so that another crystal phase may be formed. Therefore, it is preferable to increase the cooling rate to some extent. In addition, holding in a molten state for a long time is not preferable because the recording layer flows, a thin film such as a protective layer peels off due to stress, or a resin substrate or the like is deformed, leading to destruction of the medium.
[0080]
For example, the time for maintaining the melting point or more is usually 10 μs or less, preferably 1 μs or less.
In addition, it is preferable to use laser light for melting initialization, and in particular, initial crystallization is performed using elliptical laser light having a minor axis substantially parallel to the scanning direction (hereinafter, this initialization method is referred to as “bulk”). It is sometimes referred to as “erase”). In this case, the length of the major axis is usually 10 to 1000 μm, and the length of the minor axis is usually 0.1 to 5 μm.
[0081]
Here, the lengths of the major axis and the minor axis of the beam are defined from the half width when the light energy intensity distribution in the beam is measured. In order to make it easy to realize local heating and rapid cooling in the short axis direction, the beam shape is more preferably 5 μm or less, and more preferably 2 μm or less.
Various laser light sources such as a semiconductor laser and a gas laser can be used. The power of the laser beam is usually about 100 mW to 10 W. Other light sources may be used as long as the same power density and beam shape can be obtained. Specific examples include Xe lamp light.
[0082]
At the time of initialization by bulk erase, for example, when a disk-shaped recording medium is used, the minor axis direction of the elliptical beam is substantially coincident with the circumferential direction, the disk is rotated and scanned in the minor axis direction, and one round ( The entire surface can be initialized by moving in the major axis (radius) direction every rotation. By doing so, it is possible to realize a polycrystalline structure oriented in a specific direction with respect to the recording / reproducing focused light beam scanned along the circumferential track.
[0083]
It is preferable that the moving distance in the radial direction per rotation is shorter than the long axis of the beam so as to be overlapped so that the same radius is irradiated with the laser beam multiple times. As a result, reliable initialization is possible, and non-uniformity of the initialization state derived from the energy distribution in the beam radial direction (usually 10 to 20%) can be avoided. On the other hand, if the amount of movement is too small, the other unfavorable crystal phase is likely to be formed. Therefore, the amount of movement in the normal radial direction is usually set to 1/2 or more of the long axis of the beam.
[0084]
At least whether or not the optical information recording medium used in the present invention could be obtained by the melt initialization is based on the reflectance R1 in the unrecorded state after initialization and the focused light beam for recording having an actual diameter of about 1 μm. It can be judged by whether or not the reflectance R2 in the erased state by recrystallization after overwriting the amorphous mark is substantially equal. Here, R2 is the reflectivity of the erased portion after being overwritten 10 times.
[0085]
Therefore, the optical information recording medium used in the present invention has the following relational expression (3) where the reflectance R1 of the unrecorded portion after initial crystallization is R2 and the reflectance of the erased portion after overwriting 10 times is R2. It is preferable to satisfy.
[0086]
[Expression 2]
ΔR = 2 | R1-R2 | / (R1 + R2) × 100 (%) ≦ 10 (3)
Here, the reason why the reflectivity R2 of the erased portion after 10 overwrites is used as a judgment index is that the crystal state reflectivity that can remain in an unrecorded state after only one recording is performed. This is because the influence can be removed and the entire surface of the optical information recording medium can be recrystallized at least once by recording / erasing. On the other hand, if the number of overwrites greatly exceeds 10, conversely, factors other than changes in crystal structure, such as microscopic deformation due to repeated overwrites and diffusion of foreign elements from the protective layer, cause reflectance changes. This is because it is difficult to determine whether or not a desired crystal state has been obtained.
[0087]
In the relational expression (3), ΔR is set to 10% or less, but preferably 5% or less. If it is 5% or less, an optical information recording medium with lower signal noise can be obtained.
For example, in the case of an optical information recording medium having R1 of about 17%, R2 may generally be in the range of 16 to 18%. The scanning speed of the initialization energy beam is usually in the range of about 3 to 20 m / s.
[0088]
The erased state can also be obtained by irradiating the recording power in a direct current to melt the recording layer and resolidifying it without necessarily modulating the recording focused laser beam according to the actual recording pulse generation method. .
In order to obtain a desired initial crystal state for the phase change recording material used in the present invention, the setting of the scanning speed of the initialization energy beam with respect to the recording layer plane is particularly important. Basically, it is important that the crystal state after the initial crystallization is similar to the crystal state of the erased part after overwriting, so the focused light beam recording when actually overwriting using the focused light beam It is desirable to be close to the scanning linear velocity relative to the layer surface. Specifically, the initialization energy beam is scanned at a linear velocity of about 20 to 80% of the maximum linear velocity at which the optical information recording medium is overwritten.
[0089]
Note that the maximum linear velocity of the overwrite here means, for example, that the erasing ratio becomes 20 dB or more when the erasing power Pe is applied in a direct current at the linear velocity.
The erasure ratio is generally defined as the difference between the carrier level of the signal of the amorphous mark recorded at a single frequency and the carrier level after erasure by direct current irradiation of Pe. The erasure ratio is measured as follows, for example. First, among the modulation signals to be recorded under recording conditions that provide sufficient signal characteristics (that is, characteristics such as reflectance, signal amplitude, and jitter (in this specification, sometimes referred to as jitter) satisfying specified values). A high frequency condition is selected and overwritten 10 times as a single frequency to form an amorphous mark, and a carrier level (CL during recording) is measured. Thereafter, the amorphous mark is subjected to direct current irradiation once while changing the erasing power Pe, and the carrier level (CL after erasing) is measured at this time, and the difference between the CL during recording and the CL after erasing, that is, the erasing ratio. Is calculated. When the power Pe of direct current irradiation is changed, the erasure ratio generally tends to increase once, decrease, and increase, but here, the peak value at the beginning of the erasure ratio seen when the power Pe starts to increase is shown for the sample. The erase ratio.
[0090]
The scanning speed of the initialization energy beam is such that when the initialization energy beam is scanned at a speed lower than about 20% of the maximum linear velocity defined above, phase separation occurs and it is difficult to obtain a single phase. Even in the phase, the crystallites particularly grow in the initializing beam scanning direction and become giant or are oriented in an unfavorable direction. Preferably, the initialization energy beam may be scanned at a speed of 30% or more of the maximum linear speed that can be overwritten.
[0091]
On the other hand, when the initialization energy beam is scanned at a speed equivalent to the maximum usable linear velocity at which overwrite recording is possible, that is, approximately at a speed higher than 80%, the region once melted by the initialization scanning is preferably made amorphous again. Absent. This is because if the scanning line speed is increased, the cooling rate of the melted portion is increased and the time until re-solidification is shortened. With a focused light beam having a diameter of about 1 micron for recording, recrystallization by crystal growth from the crystal region around the molten region can be completed in a short time. However, when scanning with an initialized elliptical light beam, the area of the melting region in the major axis direction becomes larger, so the scanning velocities are lower than during actual overwriting to melt recrystallization during resolidification. It needs to be spread throughout the area. From such a viewpoint, the scanning linear velocity of the initialization energy beam is preferably 70% or less, more preferably 60% or less of the maximum linear velocity of the overwrite.
[0092]
The optical information recording medium used in the present invention has a feature that, when initial crystallization is performed by laser light irradiation, the moving speed of the medium relative to the laser light can be increased. This is preferable in that the initial crystallization can be performed in a short time, and the productivity can be improved and the cost can be reduced.
(C) Recording / reproducing method of optical information recording medium
The recording / reproducing light that can be used for the optical information recording medium used in the present invention is usually a laser beam such as a semiconductor laser or a gas laser, and the wavelength is usually about 300 to 800 nm, preferably about 350 to 800 nm. Especially 1Gbit / inch2In order to achieve the above high surface recording density, it is necessary to reduce the diameter of the focused light beam, using blue to red laser light having a wavelength of 350 to 680 nm and an objective lens having a numerical aperture NA of 0.5 or more. It is desirable to obtain a focused light beam.
[0093]
In the present invention, the amorphous state is used as the recording mark as described above. In the present invention, it is effective to record information by the mark length modulation method. This is particularly noticeable in mark length recording where the shortest mark length is 4 μm or less, particularly 1 μm or less.
[0094]
When forming a recording mark, it is possible to perform recording by a conventional binary power level modulation method, but in the present invention, a multi-value power of three or more values providing an off-pulse period when forming a recording mark as described below. It is particularly preferable to employ a recording method using a level modulation method.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a power pattern of recording light in the recording method of the optical information recording medium. When forming an amorphous mark with a mark length modulated to a length nT (T is a reference clock period, n is a mark length that can be taken in mark length modulation recording and is an integer value), (n−j) T (Where j is a real number of 0 or more and 2 or less) is divided into m = n−k (where k is an integer of 0 or more) recording pulses, and the width of each recording pulse is expressed as α.i T (1 ≦ i ≦ m) and β for each recording pulsei An off-pulse interval of time T (1 ≦ i ≦ m) is attached. In the divided recording pulse of FIG. 2, the reference clock synchronization T is omitted from the viewpoint of easy viewing. That is, in FIG.i Where T should be written simply αi It is described. Where αi ≦ βi Or αi ≦ βi-1(2 ≦ i ≦ m or m−1) is preferable. Σαi + ΣβiIs usually n, but to get an accurate nT mark Σαi + Σβi= N−j (j is a constant satisfying −2 ≦ j ≦ 2).
[0095]
During recording, recording light having an erasing power Pe that can crystallize amorphous is irradiated between the marks. Αi At T (i = 1 to m), recording light having a recording power Pw sufficient to melt the recording layer is irradiated, and βi In the time T (1 ≦ i ≦ m−1), the recording light with the bias power Pb satisfying Pb <Pe, preferably Pb ≦ (1/2) Pe is irradiated.
[0096]
Period βm The power Pb of the recording light irradiated at time T is βi As in the period of T (1 ≦ i ≦ m−1), Pb <Pe, preferably Pb ≦ 1 / 2Pe, but may be Pb ≦ Pe.
By adopting the above recording method, the power margin and the recording linear velocity margin can be expanded. This effect is particularly remarkable when the bias power Pb is sufficiently low so that Pb ≦ 1 / 2Pe.
[0097]
The above recording method is particularly suitable for an optical information recording medium using the phase change recording material of the present invention for the recording layer. If the amount of Ge is decreased in order to ensure erasure in a short time, the critical cooling rate required for recording the amorphous mark becomes extremely high. It will be difficult.
That is, reducing the amount of Ge promotes recrystallization from the peripheral crystal part of the amorphous mark and also increases the crystal growth rate during melt resolidification. If the recrystallization rate from the periphery of the amorphous mark is increased to some extent, the recrystallization from the periphery of the molten region proceeds during the resolidification of the molten region formed for recording the amorphous mark, and the cooling rate If it is not very fast, the tendency to recrystallize without becoming amorphous becomes strong.
[0098]
In addition, since the clock cycle is shortened and the off-pulse period is shortened and the cooling effect is impaired, the recording pulse is divided at the time of nT mark recording, and the cooling period by the off-pulse is set to 1 nsec or more, more preferably 3 nsec. Setting above is effective.
(D) Use of the information recording medium of the present invention other than the optical information recording medium
As described above, the information recording medium used in the present invention can be used as an optical information recording medium because at least reversible phase change recording by light irradiation is possible. However, the rewritable information recording medium used in the present invention can also be applied to phase change recording, for example, by passing a current through a very small area. This point will be described below.
[0099]
FIG. 3 is a conceptual diagram of a temperature history (curve a) at the time of recording an amorphous mark and a temperature history (curve b) at the time of erasing by recrystallization. At the time of recording, the temperature of the recording layer is raised to a melting point Tm or more in a short time by heating with a high voltage and short pulse current or a high power level light beam, and after the current pulse or light beam irradiation is turned off, It becomes amorphous by being rapidly cooled by heat dissipation to the periphery. Time τ from melting point Tm to crystallization temperature Tg0If the temperature cooling rate at is higher than the critical cooling rate for amorphization, the material is amorphized. On the other hand, at the time of erasing, by applying a relatively low voltage or irradiating light energy at a low power level, it is heated to a crystallization temperature Tg or higher and generally a melting point Tm or lower and held for a predetermined time or more, so that a substantially solid state Thus, recrystallization of the amorphous mark proceeds. That is, holding time τ1Is sufficient, crystallization is complete. Here, regardless of the state of the recording layer before application of energy for recording or erasing, if the temperature history of curve a is given to the recording layer, the recording layer becomes amorphous, and the recording layer If the temperature history of curve b is given to, the recording layer is crystallized.
[0100]
The reason why the rewritable information recording used in the present invention can be used not only as an optical information recording medium but also for phase change recording by passing a current through a minute region is as follows. That is, it is the temperature history as shown in FIG. 3 that causes the reversible phase change. The energy source that causes the temperature history is either a focused light beam or current heating (Joule heat by energization). But that's fine.
[0101]
The resistivity change accompanying the phase change between the crystal and the amorphous phase change recording material used in the present invention is the GeTe-Sb that is currently being developed as a nonvolatile memory.2TeThreePseudo binary alloy, especially Ge2Sb2TeFiveIt is sufficiently comparable to a resistivity change of two orders of magnitude or more as shown in a compound stoichiometric alloy (J. Appl. Phys., Vol. 87 (2000), pp4130-4133). Actually, the resistivity in the as-depo. Amorphous state of the rewritable information recording medium using the phase change recording material mainly composed of the SbSnGeTeM1 composition as represented by the general formula (1), and When the resistivity after crystallization by annealing was measured individually, a change of 3 digits or more was confirmed (see Examples described later). Although the amorphous state obtained by current pulse, the amorphous state obtained by crystallization, and the crystalline state are considered to be slightly different from the amorphous state of the as-depo. Even when the phase change recording material used in the invention is phase-changed by a current pulse, it is expected that a large resistivity change of about two orders of magnitude can occur sufficiently.
[0102]
FIG. 4 is a cross-sectional view showing the structure of one cell of such a non-volatile memory. (Such non-volatile memory is also described in Phase Change Optical Recording Symposium 2001, pp 61-66. ). In FIG. 4, a voltage is applied between the upper electrode 1 and the lower electrode 2, and a phase change recording layer 3 containing a phase change recording material (hereinafter sometimes simply referred to as phase change recording layer 3) and a heater unit 4. And are energized. The phase change recording layer 3 is made of SiO.2Etc. are covered with an insulator 10. The phase change recording layer 3 is crystallized in the initial state. The initial crystallization in this case is performed by heating the entire system of FIG. 4 to the crystallization temperature of the recording layer (usually about 100-300 ° C.). In the formation of an integrated circuit, this level of temperature rise is normally performed.
[0103]
In particular, the thinned portion 4 (heater portion) in FIG. 4 functions as a local heater because heat generation due to Joule heat is likely to occur due to energization between the upper electrode 1 and the lower electrode 2. The reversible change part 5 adjacent thereto is locally heated to become amorphous through a temperature history as shown by a curve a in FIG. 3, and a temperature history as shown by a curve b in FIG. It is recrystallized after that.
[0104]
In reading, a low current is passed to such an extent that the heat generation of the heater unit 4 can be ignored, and a potential difference generated between the upper and lower electrodes is read. Note that since there is a difference in electric capacity between the crystalline and amorphous states, the difference in electric capacity may be detected.
Actually, a further integrated memory using a semiconductor integrated circuit formation technique has been proposed (US Pat. No. 6,311,014), but its basic configuration is shown in FIG. If the phase change recording material used in the present invention is contained, an exactly equivalent function can be realized.
[0105]
As an energy source that causes a temperature change as shown in FIG. As an example of a recording device using an electron beam, there is a method of causing a phase change in a phase change recording material by locally irradiating an electron beam emitted from a field emitter as disclosed in US Pat. No. 5,557,596. is there.
[0106]
【Example】
In the following, the phase change recording material of the present invention is applied to an optical information recording medium (in some embodiments, the optical information recording medium may be simply referred to as a disk), and recording is performed by electric resistance change. Examples in which the applicability of the phase change recording material of the present invention to the rewritable information recording medium to be performed will be described. The following examples are merely embodiments of the present invention, and the present invention can be applied to optical information recording media and rewritable information recording media that perform recording by changing electrical resistance, as long as the scope of the gist is not exceeded. It is not limited to applications only.
In the embodiment of the optical information recording medium, the reflectance in the portion where the amorphous recording mark is formed is relative to the reflectance in the crystalline state after initial crystallization (unrecorded state) and after erasing. Is low. Further, in the recording layer of the optical information recording medium, it was confirmed by observation with a transmission electron microscope of the recording layer that the recording mark portion became an amorphous state and the erased / unrecorded state became a polycrystalline state. Further, the crystal state was substantially a single phase, and the crystal grain size was approximately several μm or less.
[0107]
For measurement of the composition of the phase change recording material used for the recording layer of the optical information recording medium, acid-dissolved ICP-AES (Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry) was used. The analysis device uses JY 38 S manufactured by JOBIN YVON, and the recording layer is dil-HNO.ThreeThe sample was dissolved in (diluted nitric acid) and quantified by a matrix matching calibration curve method.
[0108]
  The measurement of the disk characteristics was performed using Pulse Tech DDU1000 with a reproduction power of less than 1 mW and applying focus servo and tracking servo in the groove.
(Reference examples 2 and 3Comparative Examples 1 to 4)
  On a disk-shaped polycarbonate substrate having a diameter of 120 mm and a thickness of 1.2 mm having a guide groove having a groove width of about 0.5 μm, a groove depth of about 40 nm, and a groove pitch of 1.6 μm, (ZnS)80(SiO2)20Layer (80 nm), Ge—Sb—Sn recording layer (15 nm), (ZnS)80(SiO2)20Layer (30 nm), Al99.5Ta0.5An alloy reflective layer (200 nm) was formed by sputtering to produce a phase change optical disk.
[0109]
The recording layer composition is (Sb1-xSnx)1-yGeyTable 1 shows the values of x and y when denoted by.
[0110]
[Table 1]
Figure 0004427261
[0111]
These disks were initially crystallized as follows. That is, a laser beam having a shape having a width of about 1 μm and a length of about 150 μm and having a wavelength of 810 nm and a power of 1600 mW is applied to a disk rotated at 12 m / s so that the long axis is perpendicular to the guide groove. Initialization was performed by continuously moving in a radial direction at a feed amount of 60 μm per rotation.
[0112]
Thereafter, an EFM random signal was recorded as described later at a linear velocity of 28.8 m / s using a disk evaluation apparatus having a laser wavelength of 780 nm and a pickup of NA 0.5. Marks having a length of 3T to 11T (T is a reference clock cycle of 9.6 nsec) included in the EFM signal were formed by irradiating a pulse train in which the following laser pulses were sequentially connected.
[0113]
[Table 2]
3T: A pulse having a length of 2T at power Pw and a pulse having a length of 0.6T at power Pb.
4T: 1 P pulse with power Pw, 0.95 T pulse with power Pb, 1.05 T pulse with power Pw, 0.3 T pulse with power Pb.
5T: 1 P pulse with power Pw, 1.35 T pulse with power Pb, 1.45 T pulse with power Pw, 0.3 T pulse with power Pb.
6T: 1 P pulse with power Pw, 1 T pulse with power Pb, 1 T pulse with power Pw, 0.9 T pulse with power Pb, 1 T pulse with power Pw, power A pulse of 0.3T in length with Pb.
7T: 1T pulse with power Pw, 1.35T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power Pb, 1.4T pulse with power Pw , A pulse of 0.3T in length with power Pb.
8T: 1 P pulse with power Pw, 1 T pulse with power Pb, 1 T pulse with power Pw, 1 T pulse with power Pb, 1 T pulse with power Pw, 1 P pulse with power Pb A pulse with a length of 0.9T, a pulse with a power Pw and a length of 1T, and a power Pb with a pulse of a length of 0.3T.
9T: 1T pulse with power Pw, 1.35T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, power A pulse with a length of 1T at Pb, a pulse with a length of 1.4T at power Pw, and a pulse with a length of 0.3T at power Pb.
10T: 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, power Pb A pulse of 1T length, a pulse of 1T length at power Pw, a pulse of 0.9T length at power Pb, a pulse of 1T length at power Pw, and a pulse of 0.3T length at power Pb.
11T: 1P pulse with power Pw, 1.35T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power Pb, 1T pulse with power Pw, power A 1T pulse with Pb, a 1T pulse with power Pw, a 1T pulse with power Pb, a 1.4T pulse with power Pw, and a 0.3T pulse with power Pb.
[0114]
When the above 3T to 11T laser pulses are shown using the notation shown in FIG.i, ΒiIs as shown in Table-2. And interval αiAt T, the recording power Pw is irradiated and the section βiAt T, bias power Pb = 0.8 mW is applied.
[0115]
[Table 3]
Figure 0004427261
[0116]
An erasing power Pe was applied between the mark forming pulse trains. Further, the irradiation position of the 3T mark forming pulse is shifted by 0.35T before the position of the original 3T mark of the random signal (the irradiation time is made earlier than the original time), and the irradiation position of the 4T mark forming pulse is the original position of the random signal. The position is shifted by 0.1T from the position of the 4T mark. By doing so, the mark formed becomes close to the original random signal. At the time of recording, the Pe / Pw ratio was fixed at 0.31 unless otherwise specified.
[0117]
  The recording part was reproduced at a linear velocity of 1.2 m / s and the characteristics of the recording signal were evaluated.
  Reference examples 2 and 3The evaluation results of this disk are shown in FIGS. The contents of evaluation are 3T mark jitter and 3T space jitter of the reproduction signal when the PFM is changed from 22 to 28 mW and the EFM random signal is overwritten 10 times (the results are shown in FIGS. 5A and 6A). ), Crystal part reflectivity (results shown in FIGS. 5B and 6B), and “signal level of crystal part reflectivity−signal level of 11T mark part reflectivity”. (The results are shown in FIG. 5 (c) and FIG. 6 (c)), and 3T mark jitter and 3T space jitter of the reproduced signal when the recording power is fixed and repeated direct overwrite is performed (the results are shown in FIG. d), as shown in FIG. Recording power during repeated direct overwritesReference example 225 mWReference example 324 mW.
[0118]
  From the results of FIG. 5 (d) and FIG. 6 (d),Reference examples 2 and 3It can be seen that recording conditions exist such that the jitter value becomes sufficiently smaller than 40 nsec after overwriting up to 1000 times. So at this pointReference examples 2 and 3It can be seen that each of these discs can be sufficiently used as a rewritable information recording medium.Reference examples 2 and 3In the vicinity of the recording layer composition of each disk, the recording layer composition (Sb1-xSnx)1-yGeyAs shown by comparing FIG. 6D and FIG. 5D, the smaller the x, the better the repeat overwrite characteristic. Further, as can be seen by comparing FIG. 5C and FIG. 6C, the larger the x, the better the signal amplitude.
[0119]
  Also,Reference examples 2 and 3In each disk, Sb—Sn—Ge—M1 is used as the phase change recording material, and Bi, Ta, W, Nb, N, O, C, Se, Al, Si, Zn, and V are used as the element M1. When about 10 atomic% is added ((Sb1-xSnx)1-yzGeyM1zX = 0.25, y = 0.18, 0.01 ≦ z ≦ 0.1, or x = 0.32, y = 0.18, 0.01 ≦ z ≦ 0.1 )Also,Reference examples 2 and 3The same rewritable recording characteristics as those of the other discs.
  Further, when these discs were kept in an environment of 105 ° C. for 3 hours and then the recording portion was reproduced, there was no deterioration in the jitter or signal amplitude of the recorded signal.
[0120]
As shown in Table 1, the disk of Comparative Example 1 does not show a uniform increase in reflectivity due to the initial crystallization operation, and there are always several places where the reflectivity is locally low in the track around the disk. It was. Further, as shown in Table 1, uniform initial crystallization could not be performed on the disk of Comparative Example 1 even if the crystallization rate was changed by controlling the Ge amount.
[0121]
  The disk of Comparative Example 1 was measured for a noise level at a spectrum analyzer (Advantest, TR 4171) 500 kHz under the conditions of a linear velocity of 1.2 m / s, a resolution band width of 30 kHz, and a video band width of 30 Hz.Reference example 2The noise level was 13 dB higher than that of the disc.
  Regarding the disk of Comparative Example 1, although initial crystallization was attempted by irradiating a DC laser beam having a linear velocity of 1.2 to 4.8 m / s and 6 to 12 mW using a disk evaluation apparatus, it was uniform. No increase in reflectivity was observed, and initial crystallization could not be performed satisfactorily. An attempt was made to record an amorphous mark on the above-mentioned disk where the initial crystallization could not be performed uniformly, but the jitter became 40 nsec or more after the first recording. This means that in the disc of Comparative Example 1, the crystal state cannot be set to the unrecorded state and the amorphous state cannot be set to the recorded state.
[0122]
From these results, it can be seen that when the phase change recording material does not contain Sn, it is difficult to use the recording medium as an information recording medium in which the crystalline state is the unrecorded state and the amorphous state is the recorded state.
In addition, the disk of Comparative Example 3 did not show a uniform reflectance increase due to the initialization operation. This is presumably because the Ge content is high (y = 0.35) and the phase change rate from the amorphous phase to the crystalline phase is too slow. For the disk of Comparative Example 3, using a disk evaluation apparatus, a linear velocity of 1.2 to 4.8 m / s (in this linear velocity range, the disk is very close to a stationary state), 6 to 12 mW. Although initial crystallization was also attempted by irradiating a DC laser beam, uniform increase in reflectivity was not observed and initial crystallization could not be performed satisfactorily. From these results, it can be seen that when the Ge content of the phase change recording material exceeds 0.3, it becomes difficult to use it as a rewritable information recording medium.
[0123]
In the disk of Comparative Example 2, a uniform reflectance was obtained after the initial crystallization, but an amorphous mark could not be formed. Further, an attempt was made to form an amorphous mark by changing the linear velocity. However, an amorphous mark could not be formed at least at a linear velocity of 38.4 m / s or less. This is presumably because the Ge content was low (y = 0.09) and the crystallization rate was too high, resulting in recrystallization of the molten part. From these results, it can be seen that if the Ge content of the phase change recording material is less than 0.1, the use as a rewritable information recording medium becomes substantially difficult. Since a linear velocity of 38.4 m / s or more cannot be used due to limitations on the apparatus, it can be said that it is substantially impossible to form an amorphous mark on the disk of Comparative Example 2.
Further, even if the disk of Comparative Example 2 can be made amorphous under very special conditions, the recording layer composition of the disk of Comparative Example 2 is amorphous with a low Ge content (y = 0.09). Since the mark is recrystallized immediately at room temperature, it is not suitable for use in an optical information recording medium.
[0124]
  Although the disk of Comparative Example 4 obtained a uniform reflectance after the initial crystallization,Reference examples 2 and 3When recording and reproduction were performed under the same conditions as above, a jitter between 3T marks of 40 nsec or less could not be obtained. Further, for the disc of Comparative Example 4, as shown in Table 1, discs were produced by changing the Ge content and changing the crystallization speed, and the recording characteristics of these discs were also examined. As a result, in each disk of Comparative Example 4 fixed at x = 0.59, it is difficult to achieve both the formation of the amorphous mark and the crystallization of the amorphous mark even if the Ge content is changed. In addition, it was found that the signal amplitude was as small as about 0.05 in the composition having a crystallization speed necessary for crystallization of the mark. That is, if the Sn content is too high, it will be substantially difficult to use as a rewritable medium.
(Comparative Example 5)
  The disk of Comparative Example 5Reference example 2In this example, a phase change recording material in which Ge is replaced with In is used. The recording layer composition in each disc of Comparative Example 5 is (Sb1-xSnx)1-yInyTable 1 shows the values of x and y, the possibility of initial crystallization, and the recording characteristics.
[0125]
The phase change recording material used for each disk of Comparative Example 5 has an Sn amount in the range of 0.01 to 0.5 and an In amount in the vicinity of 0.1 to 0.3 (Ge in the present invention). The content range). In these discs, uniform reflectivity was obtained after initial crystallization, but amorphous marks could not be formed at least at a linear velocity of 38.4 m / s or less. An amorphous mark could not be formed even when the In content was changed.
[0126]
  From this result, it is understood that Ge is important for the formation of the amorphous mark, and when Ge is replaced with In, it is substantially difficult to use it as an information recording medium. In addition, the amount of In was further increased (Sb0.73Sn0.27)0.56In0.44In the initial crystallization, it changed to a state that seems to be another crystal phase with low reflectivity.
  From the above, (Sb1-xSnx)1-yGeyWhen 0.01 ≦ x ≦ 0.5 and 0.1 ≦ y ≦ 0.3, a good optical information recording medium can be obtained.
(Reference example 4)
  Next, in order to examine whether or not the phase change recording material of the present invention can be used as a recording material for an information recording medium on which recording is performed by a change in electrical resistance, the following experiment was conducted.
  That is, a Ge film having a thickness of 50 nm on a polycarbonate substrate having a diameter of 120 mm.0.18Sb0.66Sn0.16((Sb1-xSnx)1-yGeyX = 0.2, y = 0.18) An amorphous film was formed by sputtering. And after measuring the resistivity of this amorphous film, it was crystallized and the resistivity of the film after crystallization was measured again. Crystallization described aboveReference exampleThe resistivity measurement device Loresta MP (MCP-T350) manufactured by Dia Instruments was used for the resistivity measurement. Resistivity before and after crystallization is 1.03 × 10 respectively.-1Ωcm, 0.80 × 10-4It was found that a resistivity change of nearly three orders of magnitude occurs between the amorphous state and the crystalline state.
  In the same manner as above, the Ge substrate is formed on the polycarbonate substrate.0.17Sb0.75Sn0.08((Sb1-xSnx)1-yGeyX = 0.1, y = 0.17) An amorphous film was formed by sputtering, and the resistivity of the film in an amorphous state and a crystalline state was measured. As a result, the resistivity in the amorphous state is 5.96 × 10 6.-1Ωcm, resistivity in the crystalline state is 0.8 × 10-4It was found that a resistivity change of nearly three orders of magnitude occurs between the amorphous state and the crystalline state.
  In the same manner as described above, Ge is formed on the polycarbonate substrate.0.16Sb0.84((Sb1-xSnx)1-yGeyX = 0, y = 0.16) An amorphous film was formed by sputtering, and the resistivity of the film in an amorphous state and a crystalline state was measured. As a result, the resistivity in the amorphous state is 1.51 × 10-0Ωcm, resistivity in the crystalline state is 0.7 × 10-4It was found that a resistivity change of nearly 4 orders of magnitude occurred between the amorphous state and the crystalline state.
  From the resistivity measurement result of the film formed from the above three phase change recording materials, if the Sn content in the phase change recording material is changed, the change in resistivity between the amorphous state and the crystalline state It can be seen that can be controlled. That is, it can be seen that when the Sn content is reduced, the change in resistivity between the amorphous state and the crystalline state increases.
  When the phase change recording material of the present invention is used in a nonvolatile memory utilizing the change in resistivity, if only the change in resistivity is increased, a composition not containing Sn can also be employed ((Sb1-xSnx)1-ywzGeyTewM1zIn this case, 0 ≦ x. ). However, it is usually necessary to control the change in resistivity within a predetermined range for the convenience of designing an electronic circuit incorporating the nonvolatile memory. Therefore, by using a phase change recording material containing Sn, it is possible to obtain a high-performance nonvolatile memory in which the change in resistivity is controlled within a predetermined range.
  Furthermore, even when an additive element such as Te or element M1 is added to the ternary composition of GeSbSn, a favorable resistivity change can be obtained between the amorphous state and the crystalline state. Actually, Ge on the polycarbonate substrate0.08In0.11Sb0.65Sn0.11Te0.05((Sb1-xSnx)1-ywzGeyTewInzX = 0.14, y = 0.08, w = 0.05, z = 0.11) An amorphous film is formed by sputtering, and the resistivity of this film in the amorphous state and in the crystalline state is determined. It was measured. As a result, the resistivity in the amorphous state is 8.73 × 10.-1Ωcm, resistivity in the crystalline state is 1.12 × 10-4It was found that a resistivity change of nearly three orders of magnitude occurs between the amorphous state and the crystalline state.
  From the above experiments, the phase change recording material used in the present invention can be controlled within a predetermined range while increasing the difference in resistivity in the phase change between the amorphous state and the crystalline state. It can be seen that the present invention can be applied to a rewritable information recording medium that performs recording by resistance change.
(Example5-8, 10-11, Reference Examples 5, 6,Comparative Example 6)
  For the measurement of the composition of the phase change recording material used for the recording layer of the optical information recording medium, an acid-soluble ICP-AES (Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry) and a fluorescent X-ray An analyzer was used. For acid-dissolved ICP-AES, JY 38 S manufactured by JOBIN YVON was used as the analyzer, and the recording layer was dil-HNO.3And was quantified by matrix matching calibration curve method. As the X-ray fluorescence analyzer, RIX3001 manufactured by Rigaku Corporation was used.
[0127]
  The disk characteristics were measured using Pulse Tech DDU1000, with a reproduction power of 0.8 mW and applying a focus servo and tracking servo in the groove.
  On a disk-shaped polycarbonate substrate having a diameter of 120 mm and a thickness of 1.2 mm having a guide groove having a groove width of about 0.5 μm, a groove depth of about 40 nm, and a groove pitch of 1.6 μm, (ZnS)80(SiO2)20Layer, Ge-Sb-Sn-M1 recording layer, (ZnS)80(SiO2)20Layer, Al99.5Ta0.5The alloy reflective layer was formed by sputtering to produce eight types of phase change optical disks (Comparative Example 6, Example).5-8, 10, Reference Examples 5 and 6). Similarly, (ZnS)80(SiO2)20Layer, Ge-Sb-Sn-M recording layer, (ZnS)80(SiO2)20A phase-change optical disk comprising a layer, a germanium nitride layer, and an Ag reflective layer was also produced (Example 11). The germanium nitride layer is (ZnS)80(SiO2)20It is an interface layer for preventing interdiffusion of elements between the layer and the Ag layer.
[0128]
The film thickness and the recording layer composition of each disk (Sb1-xSnx)1-yzGeyM1zTable 3 shows the values of x, y, and z. As can be seen from Table 3, the thickness of each layer constituting each disk is slightly different. This is because the crystal part reflectance and the signal amplitude are made comparable. And the crystal part reflectance of all the disks except the comparative example 6 was in the range of 19 to 21%.
[0129]
[Table 4]
Figure 0004427261
[0130]
These disks were initially crystallized as follows. That is, a laser beam having a shape having a width of about 1 μm and a length of about 150 μm and having a wavelength of 810 nm and a power of 1600 mW is applied to a disk rotated at 12 m / s so that the long axis is perpendicular to the guide groove. Initialization was performed by continuously moving in a radial direction at a feed amount of 60 μm per rotation. Since this initialization condition may not be optimal for some discs, a 10 mW DC laser beam is then used at a linear velocity of 4 m / s using a disc evaluation device having a laser wavelength of 780 nm and an NA of 0.5 pickup. Irradiated once.
[0131]
  The disk of Comparative Example 6 did not function as a recording medium because the change in reflectance due to the initialization operation was small.
  Reference Example 5For the disks of Examples 5 to 8, the noise measurement of the initialization unit was performed under the following conditions. That is, the noise level at 500 kHz was measured using a spectrum analyzer (Advantest, TR 4171) under the conditions of a linear velocity of 1.2 m / s, a resolution band width of 30 kHz, and a video band width of 30 Hz. The results are shown in Table-3. The disks of Examples 5-8 areReference Example 5Noise is small compared to other discs. GeSbSn-based materials tend to increase noise when the Sn content (value of x) is small. Therefore, x = 0.2Reference Example 5The disc has a little noise,Reference Example 5It can be seen that Examples 5 to 8 having a value of x equal to or less than that of FIG.
[0132]
  Next, the example5, 10, 11 and Reference Examples 5 and 6A disk evaluation apparatus having a laser wavelength of 780 nm and a pickup of NA 0.5 was used to record an EFM random signal at a linear velocity of 28.8 m / s as described below. Marks having a length of 3T to 11T (T is a reference clock cycle of 9.6 nsec) included in the EFM signal were formed by irradiating a pulse train in which the following laser pulses were sequentially connected.
[0133]
[Table 5]
3T: a pulse of 2T length with power Pw, a pulse of 0.6T length with power 0.8mW.
4T: a 1T pulse with power Pw, a 0.95T pulse with power 0.8mW, a 1.05T pulse with power Pw, and a 0.3T pulse with power 0.8mW.
5T: 1 P pulse with power Pw, 1.35 T pulse with power 0.8 mW, 1.45 T pulse with power Pw, 0.3 T pulse with power 0.8 mW.
6T: 1 P pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw, 0.9 T pulse with power 0.8 mW, 1 T length with power Pw Pulse with a power of 0.8 mW and a length of 0.3 T.
7T: 1 P pulse with power Pw, 1.35 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, 1 length with power Pw .4T pulse, power 0.8mW and pulse length 0.3T.
8T: 1 P pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw A pulse of 0.9T length with a power of 0.8 mW, a pulse of 1T length with a power Pw, and a pulse of 0.3T length with a power of 0.8 mW.
9T: 1T pulse with power Pw, 1.35T pulse with power 0.8mW, 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power 0.8mW, 1T length with power Pw A pulse of 1T length with a power of 0.8 mW, a pulse of 1.4T length with a power Pw, a pulse of 0.3T length with a power of 0.8 mW.
10T: 1 P pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw A 1T pulse with a power of 0.8mW, a 1T pulse with a power Pw, a 0.9T pulse with a power of 0.8mW, a 1T pulse with a power Pw, a length of 0.8MW 0.3T pulse.
11T: 1T pulse with power Pw, 1.35T pulse with power 0.8mW, 1T pulse with power Pw, 1T pulse with power 0.8mW, 1T length with power Pw A pulse of 1T length at a power of 0.8 mW, a pulse of 1T length at a power Pw, a pulse of 1T length at a power of 0.8 mW, a pulse of 1.4T length at a power Pw, a power of 0.8 mW Pulse with a length of 0.3T.
[0134]
An erasing power Pe was applied between the mark forming pulse trains. Further, the irradiation position of the 3T mark forming pulse is shifted by 0.35T before the position of the original 3T mark of the random signal (the irradiation time is made earlier than the original time), and the irradiation position of the 4T mark forming pulse is the original position of the random signal. The position is shifted by 0.1T from the position of the 4T mark. By doing so, the mark formed becomes close to the original EFM random signal. Further, the Pe / Pw ratio was fixed at 0.31 during recording.
[0135]
The recording power at which the jitter between marks corresponding to a length of 3T (denoted as “3T mark-to-mark jitter”) is almost minimized in 10 overwrite recordings when the recording power Pw is changed on each disk. The above EFM random signal was overwritten 10 times (hereinafter sometimes referred to as “recording before acceleration”), and the jitter between 3T marks was measured. Table 3 shows the jitter between 3T marks and the value of recording power. In Table 3, the values of 3T mark-to-mark jitter and recording power are shown in the “recording before acceleration” column.
[0136]
  Next example5, 10, 11 and Reference Example 6Each disk was kept in an environment of 105 ° C. for 3 hours (acceleration test). Thereafter, the recording portion was reproduced (hereinafter sometimes referred to as “after acceleration”), and the jitter between 3T marks was measured. Table 3 shows the value of jitter between 3T marks. In Table-3, the value of the jitter between 3T marks is shown in the “after acceleration” column.
[0137]
Further, the EFM random signal was overwritten once by changing the recording power after the acceleration test in the pre-acceleration recording part (hereinafter sometimes referred to as “recording after acceleration”), and the jitter between 3T marks was measured. Table 3 shows the values of the 3T mark-to-mark jitter and the recording power, which are the smallest values. In Table 3, the values of 3T mark-to-mark jitter and recording power are shown in the “recording after acceleration” column.
[0138]
  This accelerated test is performed under extremely severe conditions as compared with a normal environmental test. Therefore, even in the case where the characteristics after the acceleration test deteriorate in the acceleration test, it can be said that the disk is sufficiently secured in practical use.
  The recording mark was reproduced at a linear velocity of 1.2 m / s.
  Reference Example 5Although this disc has a little noise, the jitter between 3T marks in recording before acceleration is 40 nsec or less, which can be said to be sufficiently usable.
[0139]
  Reference Example 6Jitter characteristics of pre-acceleration recording (3T mark jitter value) areReference Example 5It is even better because there is more Sn (x is larger) than the other disks. However, the jitter value between the 3T marks in the post-acceleration recording is slightly large at 48.8 nsec. On the other hand, it can be seen that in the disks of Examples 5, 10 and 11 in which In is added to a composition with a small amount of Sn (x is small), the jitter value between 3T marks for recording after acceleration is improved.
[0140]
  As can be seen from a comparison between Example 10 and Example 11 using almost the same recording layer composition, the post-acceleration recording characteristics are further improved by using Ag as the reflective film.
  In addition, in any of the disks, deterioration due to the acceleration test of the recording portion jitter before acceleration is not seen, and it can be seen that the amorphous mark is sufficiently stable.
(Example 12, Comparative Example 7)
  The above (Examples) except that Te was used as an additive element and the Te content was 5 atomic% (Example 12) and 11 atomic% (Comparative Example 7).5-8, 10-11, Reference Examples 5, 6,Disks were produced in the same manner as in Comparative Example 6), and each disk was evaluated. The film thickness and the recording layer composition of each disk (Sb1-xSnx)1-ywGeyTewTable 4 shows the values of x, y, and w.
[0141]
[Table 6]
Figure 0004427261
[0142]
In the disk of Example 12, the post-acceleration recording characteristics similar to those in Examples 5 and 10 were obtained, and it can be seen that the post-acceleration recording characteristics are improved by adding Te. The crystal part reflectance of the disk of Example 12 was 16.6%, which was slightly lower than the disks of the other examples.
The disc of Comparative Example 7 had a crystal state reflectivity of 12.1% and a small signal amplitude, and thus could not be a practically usable phase change optical disc.
[0143]
  In addition, in the disk of Example 12, deterioration due to the acceleration test of the recording portion jitter before acceleration was not observed, and it was found that the amorphous mark was sufficiently stable.
(Example13-14, 16-17, Reference Example 7)
  For the measurement of the composition of the phase change recording material used for the recording layer of the optical information recording medium, an acid-soluble ICP-AES (Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry) and a fluorescent X-ray An analyzer was used. For acid-dissolved ICP-AES, JY 38 S manufactured by JOBIN YVON was used as the analyzer, and the recording layer was dil-HNO.3And was quantified by matrix matching calibration curve method. As the X-ray fluorescence analyzer, RIX3001 manufactured by Rigaku Corporation was used.
[0144]
The disk characteristics were measured using Pulse Tech DDU1000, with a reproduction power of 0.8 mW and applying a focus servo and tracking servo in the groove.
On a disk-shaped polycarbonate substrate having a diameter of 120 mm and a thickness of 1.2 mm having a guide groove having a groove width of about 0.5 μm, a groove depth of about 40 nm, and a groove pitch of 1.6 μm, (ZnS)80(SiO2)20Layer, Ge-Sb-Sn-M1 recording layer, (ZnS)80(SiO2)20Layer, Al99.5Ta0.5An alloy reflective layer was formed by a sputtering method, and two types of phase change optical disks with M1 as Tb or Gd, respectively, were produced (Examples 13 and 14). That is, in Example 13, Tb was used as the element M1, and in Example 14, Gd was used as the element M1.
[0145]
  next,Reference Example 51 produced a phase change optical disc in which the reflective layer was an Ag reflective layer and a germanium nitride layer was inserted between the reflective layer and the protective layer (Reference Example 7). Similarly, in Examples 13 and 14, a phase change type optical disc in which the reflective layer was an Ag reflective layer and a germanium nitride layer was inserted between the reflective layer and the protective layer was produced (Examples 16 and 17). In the case of using an Ag reflective layer, the reason for inserting a germanium nitride layer between the reflective layer and the protective layer is (ZnS)80(SiO2)20This is for preventing mutual diffusion of elements between the protective layer and the Ag reflective layer.
[0146]
  Table 5 shows examples.13, 14 and Reference Example 5The element M1, the layer configuration, the film thickness, and the recording layer composition of each disk of (Sb)1-xSnx)1-yzGeyM1zThe values of x, y, and z are respectively shown.
[0147]
[Table 7]
Figure 0004427261
[0148]
These disks were initially crystallized as follows. That is, a laser beam having a shape having a width of about 1 μm and a length of about 150 μm and having a wavelength of 810 nm and a power of 1600 mW is applied to a disk rotated at 12 m / s so that the long axis is perpendicular to the guide groove. Was continuously moved in the radial direction at a feed amount of 60 μm per rotation. Thereafter, a 10 mW DC laser beam was irradiated once at a linear velocity of 4 m / s using a disk evaluation apparatus having a laser wavelength of 780 nm and a pickup of NA 0.5.
[0149]
  The crystal part reflectance of the disks of Examples 13 and 14 after the initial crystallization was in the range of 19 to 21%. Also,Reference Example 5The crystal part reflectivity after initial crystallization of the disk was 19-21% (Reference Example 5reference).
  Regarding the disks of Examples 13 and 14,Reference Example 5And noise measurement was performed in the same manner as the disks of Examples 5-8. The results are shown in Table-5. The disks of Examples 13 and 14Reference Example 5It can be seen that the noise is smaller than that of the disk of FIG. 1, and that the lanthanoid elements such as Tb, Gd and the like, and thus the noise improvement effect by adding rare earth elements is large.
[0150]
  Next, a disk evaluation apparatus having a pickup with a laser wavelength of 780 nm and NA of 0.5 was used.16-17 and Reference Example 7The repetitive overwriting durability of the disc was measured. The linear velocity was 28.8 m / s and an EFM random signal was recorded as described below. Marks having a length of 3T to 11T (T is a reference clock cycle of 9.6 nsec) included in the EFM signal were formed by irradiating a pulse train in which the following laser pulses were sequentially connected.
3T: a pulse of 2T length with power Pw, a pulse of 0.6T length with power 0.8mW.
4T: A pulse with a length of 1.1T at a power Pw, a pulse with a length of 0.95T at a power of 0.8 mW, a pulse with a length of 1.15T at a power Pw, and a pulse with a length of 0.3T at a power of 0.8 mW.
5T: a pulse of 1.1T length at power Pw, a pulse of length 1.4T at power 0.8mW, a pulse of length 1.55T at power Pw, and a pulse of length 0.3T at power 0.8mW.
6T: A pulse with a length of 1.1T at a power Pw, a pulse with a length of 1T at a power of 0.8 mW, a pulse with a length of 1T at a power Pw, a pulse with a length of 0.9T at a power of 0.8 mW, and a long pulse at a power Pw 1.1T pulse, 0.8mW power and 0.3T long pulse.
7T: Power Pw with a pulse length of 1.1T, Power 0.8mW with a pulse length of 1.4T, Power Pw with a length of 1T pulse, Power 0.8mW with a pulse length of 1T, Power Pw with a length 1.5T pulse, power 0.8mW and pulse length 0.3T.
8T: a pulse of 1.1T length at power Pw, a pulse of 1T length at power 0.8mW, a pulse of 1T length at power Pw, a pulse of 1T length at power 0.8mW, a length 1T at power Pw A pulse of 0.9 T in length with a power of 0.8 mW, a pulse of 1.1 T in length with a power Pw, and a pulse of 0.3 T in length with a power of 0.8 mW.
9T: 1.1 P pulse with power Pw, 1.4 T pulse with power 0.8 mW, 1 T pulse with power Pw, 1 T pulse with power 0.8 mW, long with power Pw A pulse of 1T length, a pulse of 1T length at a power of 0.8 mW, a pulse of 1.5T length at a power Pw, and a pulse of 0.3T length at a power of 0.8 mW.
10T: a pulse of 1.1T length at power Pw, a pulse of 1T length at power 0.8mW, a pulse of 1T length at power Pw, a pulse of 1T length at power 0.8mW, a length 1T at power Pw Pulse, power 0.8 mW, pulse 1T long, power Pw, pulse 1 T long, power 0.8 mW, pulse 0.9 T long, power Pw, pulse 1.1 T long, power 0. 8mW pulse with 0.3T length.
11T: A pulse with a length of 1.1T at power Pw, a pulse with a length of 1.4T at power 0.8mW, a pulse with a length of 1T at power Pw, a pulse with a length of 1T at power 0.8mW, and a length at power Pw 1T pulse with a power of 0.8 mW, a pulse of 1T length with a power Pw, a pulse of 1T length with a power of 0.8 mW, a pulse of 1.5T length with a power Pw, a power 0. 8mW pulse with 0.3T length.
[0151]
An erasing power Pe was applied between the mark forming pulse trains. Also, the irradiation position of the 3T mark forming pulse is shifted by 0.3T before the position of the original 3T mark of the random signal (the irradiation time is made earlier than the original time), and the irradiation position of the 4T mark forming pulse is the original position of the random signal. The position is shifted by 0.1T from the position of the 4T mark. By doing so, the mark formed becomes close to the original EFM random signal. In recording, Pe / Pw = 8 mW / 26 mW.
[0152]
  Example16-17 and Reference Example 7FIG. 7 shows the relationship between the number of repeated overwriting of the disc and the jitter between 3T marks. Reproduction was performed at 1.2 m / s. Example16-17 and Reference Example 7These discs show good jitter characteristics up to 1000 times of repeated overwriting, indicating that there is no problem in practical use. However,Reference Example 7In this disk, when the number of overwriting was further repeated, the jitter between 3T marks became 46.2 nsec at the time of overwriting 2000 times.Reference Example 7In this disc, the phase change recording material does not contain a lanthanoid element, and thus a rare earth element. Therefore, repeated overwriting reduces the crystallization speed, resulting in incomplete mark erasing, and thus increases in jitter. . On the other hand, the disks of Examples 16 and 17 in which the lanthanoid elements (Tb and Gd) were incorporated in the phase change recording material showed good jitter values even after overwriting 2000 times. This is thought to be due to the reduction of the crystallization rate that occurs with the repeated overwriting by the addition of the lanthanoid.
(Reference Example 1)
  Reference Example 7It is investigated whether the recording layer composition used in the disc is suitable for forming a crystal mark, that is, whether the crystal mark can be recorded in the amorphous film after the recording layer is sputtered. Therefore, the following experiment was conducted.
[0153]
  The disc used in the experiment is in contact with the substrate (ZnS)80(SiO2)20Except that the layer thickness is 150 nmReference Example 7It was produced in the same manner as the disc. this is,Reference Example 7Since the reflectivity of the amorphous film (unrecorded state in the case of forming a crystal mark) in which the recording layer was sputtered was low and the focus servo could not be applied with the disc as it was (ZnS)80(SiO2)20Layer thicknessReference Example 7This is to increase the reflectance of the amorphous film and to apply focus servo. Contact with substrate (ZnS)80(SiO2)20As a result of setting the thickness of the layer to 150 nm, the reflectance of the amorphous film was 7%, and focus and tracking servo could be applied.
[0154]
  The linear velocity is 28.8 m / s,Reference Example 75 to 20 mW DC laser light was irradiated once using the disk evaluation apparatus (Pulstec DDU1000) used in the above, but no crystallization occurred.Reference Example 7In FIG. 5, the erasing power Pe (erasing power means crystallization power because of the power for erasing the amorphous mark) is 8 mW. The laser power is wide enough to confirm whether it can be formed. Since a crystal phase mark cannot be formed even with such a wide range of laser power, it can be said that it is very difficult to record a crystal mark on the amorphous film of this disk. In other words, the amorphous recording layer immediately after the formation of the disk is considered to have almost no crystal nuclei or, if present, not so dense as to form crystal marks. It is done.
[0155]
  Furthermore, when the above-mentioned DC laser light was irradiated several times, crystallization occurred and an increase in reflectance was observed, but it was observed that a portion that was difficult to crystallize and a portion that was difficult to crystallize were mixed rather than a uniform increase in reflectance. It was. this is,Reference Example 7In the recording layer composition, the number of crystal nuclei to the extent that a crystal mark having high signal quality can be formed originally does not exist. Therefore, no matter how much pretreatment such as laser irradiation is performed on this disk, the number of crystal nuclei in the recording layer in the amorphous state is small so that a crystal mark having a recording characteristic that can withstand actual use can be obtained. It is difficult to form.
[0156]
From the above, it can be seen that the phase change recording material of the present invention has a very low density of crystal nuclei in an amorphous state, particularly in an amorphous state immediately after sputtering film formation. Therefore, it can be seen that it is very difficult to use a recording method in which the crystal state is a recording mark in an information recording medium using this phase change recording material.
(Examples 18 to 19, Comparative Examples 8 to 9)
For the measurement of the composition of the phase change recording material used for the recording layer of the optical information recording medium, acid-dissolved ICP-AES (Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry) and X-ray fluorescence are used. An analyzer was used. For acid-dissolved ICP-AES, JY 38 S manufactured by JOBIN YVON was used as the analyzer, and the recording layer was dil-HNO.ThreeAnd was quantified by matrix matching calibration curve method. As the X-ray fluorescence analyzer, RIX3001 manufactured by Rigaku Corporation was used.
[0157]
The disk characteristics were measured using Pulse Tech DDU1000, with a reproduction power of 0.8 mW and applying a focus servo and tracking servo in the groove.
On a disk-shaped polycarbonate substrate having a diameter of 120 mm and a thickness of 1.2 mm having a guide groove having a groove width of about 0.5 μm, a groove depth of about 40 nm, and a groove pitch of 1.6 μm, (ZnS)80(SiO2)20Layer, Ge-Sb-Sn-M1-Te recording layer, (ZnS)80(SiO2)20A layer, a Ta layer, and an Ag reflective layer were formed by sputtering to produce a phase-change optical disk in which M1 was In (Examples 18 and 19, Comparative Example 8). When using the Ag reflective layer, the reason for inserting the Ta layer between the reflective layer and the protective layer is (ZnS)80(SiO2)20This is to prevent interdiffusion of elements between the protective layer and the Ag reflection layer. In Comparative Example 9, In was not used as the element M1, and Al instead of the Ta layer and the Ag reflection layer was used.99.5Ta0.5A reflective layer was provided.
Table-6 shows the element M1, layer structure, film thickness, and recording layer composition of each disk (Sb1-xSnx)1-yzGeyM1zTewThe values of x, y, z, and w are respectively shown.
[0158]
[Table 8]
Figure 0004427261
[0159]
These disks were initially crystallized as follows. That is, a laser beam having a shape having a width of about 1 μm and a length of about 150 μm and having a wavelength of 810 nm and a power of 1600 mW is applied to a disk rotated at 12 m / s so that the long axis is perpendicular to the guide groove. Was continuously moved in the radial direction at a feed amount of 60 μm per rotation.
Next, using a disk evaluation apparatus having a laser wavelength of 780 nm and a pickup of NA 0.5, the recording signal characteristics of the disks of Examples 18 and 19 and Comparative Examples 8 and 9 after overwriting 10 times were measured.
[0160]
The disk of Example 18 was recorded under the following conditions. The linear velocity was 28.8 m / s and an EFM random signal was recorded as described below. Marks having a length of 3T to 11T (T is a reference clock cycle of 9.6 nsec) included in the EFM signal were formed by irradiation with a pulse train in which laser pulses shown below were sequentially connected.
3T: A pulse with a length of 1.4T at a power Pw, and a pulse with a length of 0.85T at a power of 0.8 mW.
4T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 0.4 T pulse with power 0.8 mW
5T: 1 P pulse with power Pw, 1.45 T pulse with power 0.8 mW, 1.4 T pulse with power Pw, 0.4 T pulse with power 0.8 mW
6T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.9T, a pulse with a power of 0.8mW and a length of 0.4T.
7T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 1.45 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 1.4T, a pulse with a power of 0.8mW and a length of 0.4T.
8T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse of 0.9T in length, a pulse of 1.1T in length with power 0.8mW, a pulse of 0.9T in length with power Pw, and a pulse of 0.4T in length with power 0.8mW.
9T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.9T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.45 T, a pulse with a power Pw of 1.4 T and a length of 0.4 T, and a power of 0.8 mW and a pulse with a length of 0.4 T.
10T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.9T, a pulse with a power of 0.8 mW and a pulse with a length of 1.1T, a pulse with a power Pw of 0.9T, a pulse with a power of 0.8 mW and a pulse with a length of 1.1T, 0.9T pulse, 0.8mW power and 0.4T long pulse.
11T: 1 P pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, 0.9 T pulse with power Pw, 1.1 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.9T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.1 T, a pulse with a power Pw of 0.9 T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.45 T, and a power with a length of Pw 1.4T long pulse, 0.8mW power and 0.4T long pulse.
[0161]
  An erasing power Pe was applied between the mark forming pulse trains. At the time of recording, Pe / Pw = 0.27.
  Table 6 shows 3T mark-to-mark jitter and Pw values after 10 overwrites. Reproduction was performed at 1.2 m / s. Table 6 shows that the disk of Example 18 has excellent overwrite jitter characteristics. The value of y representing the Ge amount is 0.07, for exampleReference example 2The value is considerably smaller than the value of y. This indicates that the amount of Ge can be reduced by including Te and In even in a disk having a similar crystallization speed.
[0162]
The disc of Example 19 was recorded under the following conditions. The linear velocity was 38.4 m / s and an EFM random signal was recorded as described below. Marks having a length of 3T to 11T (T is a reference clock cycle of 7.2 nsec) included in the EFM signal were formed by irradiation with a pulse train in which laser pulses shown below were sequentially connected.
3T: A pulse having a length of 1.81T at a power Pw and a pulse having a length of 0.75T at a power of 0.8 mW.
4T: a 1T pulse with power Pw, a 1.06T pulse with power 0.8mW, a 0.94T pulse with power Pw, and a 0.31T pulse with power 0.8mW.
5T: a 1T pulse with power Pw, a 1.31T pulse with power 0.8mW, a 1.38T pulse with power Pw, and a 0.31T pulse with power 0.8mW.
6T: 1 P pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, 0.94 T pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.94T, a power of 0.8mW and a pulse with a length of 0.31T.
7T: 1 P pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, 0.94 T pulse with power Pw, 1.31 T pulse with power 0.8 mW, power Pw Pulse with a length of 1.38T, pulse with a power of 0.8mW and length of 0.31T.
8T: 1 P pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, 0.94 T pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.94 T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.06 T, a pulse with a power Pw of 0.94 T and a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 0.31 T.
9T: 1 P pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, 0.94 T pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.94T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.31 T, a pulse with a power Pw of 1.38 T and a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 0.31 T.
10T: 1 P pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, 0.94 T pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.94T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.06 T, a pulse with a power of Pw of 0.94 T, a pulse with a power of 0.8 mW and a pulse of 1.06 T in length, a long with a power Pw 0.94T pulse, 0.8mW power and 0.31T pulse.
11T: 1 P pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, 0.94 T pulse with power Pw, 1.06 T pulse with power 0.8 mW, power Pw A pulse with a length of 0.94 T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.06 T, a pulse with a power of Pw of 0.94 T, a pulse with a power of 0.8 mW and a length of 1.31 T, 1.38T pulse, power 0.8mW and length 0.31T pulse.
[0163]
An erasing power Pe was applied between the mark forming pulse trains. Further, the irradiation position of the 3T mark forming pulse was shifted by 0.06T before the position of the original 3T mark of the random signal (irradiation time was made earlier than originally). By doing so, the mark formed becomes close to the original EFM random signal. At the time of recording, Pe / Pw = 0.25.
Table 6 shows 3T mark-to-mark jitter and Pw values after 10 overwrites. Reproduction was performed at 1.2 m / s. Table 6 shows that the disk of Example 19 has excellent overwrite jitter characteristics. The value of y representing the Ge amount is 0.04. It can be seen that the amount of Ge can be reduced by including Te and In. That is, this indicates that even if the disk has the same crystallization speed, the amount of Ge can be reduced by including Te and In.
On the other hand, in the disks of Comparative Examples 8 and 9 containing no Ge, an amorphous mark could not be sufficiently formed at a linear velocity of at least 38.4 m / s or less. Therefore, it is practically difficult to use as an information recording medium.
[0164]
【The invention's effect】
According to the present invention, a phase change recording material having a high phase change speed and capable of high-speed recording / erasing, excellent storage stability, large signal intensity, and high-speed initialization can be obtained, and information recording using the same A medium can be obtained. When the phase change recording material of the present invention is used for a rewritable information recording medium, the recording characteristics are particularly good.
[0165]
In addition, when the phase change recording material of the present invention is used in an optical information recording medium, particularly a rewritable optical information recording medium, high-speed recording and erasure is possible, amorphous mark storage stability is excellent, and jitter characteristics It is possible to obtain an optical information recording medium that is excellent in reflexivity and signal amplitude, excellent in repetitive overwriting characteristics, and overwriting characteristics when a recording mark stored for a long time is overwritten.
[0166]
Furthermore, an information recording medium with high productivity can be obtained by using the phase change recording material of the present invention. In particular, when the phase change recording material of the present invention is used for an optical information recording medium, it is possible to obtain an optical information recording medium that can be easily crystallized at an initial stage and the productivity can be dramatically improved.
Although the invention has been described in detail using specific embodiments, it will be apparent to those skilled in the art that various modifications and variations can be made without departing from the spirit and scope of the invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a layer structure of an optical information recording medium.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a power pattern of recording light in an optical information recording medium recording method.
FIG. 3 is a conceptual diagram showing a temperature history at the time of recording an amorphous mark and a temperature history at the time of erasing by recrystallization.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing the structure of one cell of a nonvolatile memory.
FIG. 5 is a diagram showing recording characteristics of an optical information recording medium in an example of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing recording characteristics of an optical information recording medium according to another embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram showing recording characteristics of an optical information recording medium in still another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Upper electrode
2 Lower electrode
3 Phase change recording layer
4 Heater part
5 Reversible change region
10 Insulating film

Claims (12)

結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする情報記録媒体に用いる相変化記録材料であって、下記一般式(1)で表される組成を主成分とすることを特徴とする相変化記録材料。
Figure 0004427261
(ただしx、y、z、wは原子数比を表し、x、z、wは、それぞれ0.05≦x≦0.4、0≦z≦0.3、0≦w≦0.1を満たす数であり、元素M1はIn、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、かつ
(I)z=0かつw=0のときを除き、
(II)0<z≦0.3、w=0のとき
yを、0.05≦y≦0.3を満たす数とし、
(III)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき
yを、0.01≦y≦0.3を満たす数とする。)
A phase change recording material for use in an information recording medium in which a crystalline state is an unrecorded state and an amorphous state is a recorded state, and the main component is a composition represented by the following general formula (1) Phase change recording material.
Figure 0004427261
(Where x, y, z, and w represent the atomic ratio, and x, z, and w are 0.05 ≦ x ≦ 0.4, 0 ≦ z ≦ 0.3, and 0 ≦ w ≦ 0.1, respectively. The element M1 is selected from the group consisting of In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V. And (I) except when z = 0 and w = 0 ,
(II) When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0, y is a number satisfying 0.05 ≦ y ≦ 0.3,
(III) When 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1, y is a number satisfying 0.01 ≦ y ≦ 0.3. )
前記情報記録媒体が書き換え型の情報記録媒体である請求項1に記載の相変化記録材料。The phase change recording material according to claim 1, wherein the information recording medium is a rewritable information recording medium. 前記一般式(1)において、さらに(1−x)×(1−y−w−z)≧0.5を満たす請求項1又は2に記載の相変化記録材料。The phase change recording material according to claim 1, wherein, in the general formula (1), (1-x) × (1-ywz) ≧ 0.5 is satisfied. 前記一般式(1)において、さらに0.1≦y+z+w≦0.4を満たす請求項1乃至3のいずれかに記載の相変化記録材料。The phase change recording material according to claim 1, further satisfying 0.1 ≦ y + z + w ≦ 0.4 in the general formula (1). 前記一般式(1)において、xの値を0.1≦x≦0.35とする請求項1乃至4のいずれかに記載の相変化記録材料。5. The phase change recording material according to claim 1, wherein a value of x in the general formula (1) is 0.1 ≦ x ≦ 0.35. 結晶状態を未記録状態とし、非晶質状態を記録状態とする光学的情報記録媒体であって、下記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料を用いることを特徴とする光学的情報記録媒体。
Figure 0004427261
(ただしx、y、z、wは原子数比を表し、x、z、wは、それぞれ0.05≦x≦0.4、0≦z≦0.3、0≦w≦0.1を満たす数であり、元素M1はIn、Ga、Pt、Pd、Ag、希土類元素、Se、N、O、C、Zn、Si、Al、Bi、Ta、W、Nb、及びVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、かつ
(I)z=0かつw=0のときを除き、
(II)0<z≦0.3、w=0のとき
yを、0.05≦y≦0.3を満たす数とし、
(III)0≦z≦0.3、0<w≦0.1のとき
yを、0.01≦y≦0.3を満たす数とする。)
An optical information recording medium having a crystalline state as an unrecorded state and an amorphous state as a recorded state, wherein a phase change recording material having a composition represented by the following general formula (1) as a main component is used. An optical information recording medium.
Figure 0004427261
(Where x, y, z, and w represent the atomic ratio, and x, z, and w are 0.05 ≦ x ≦ 0.4, 0 ≦ z ≦ 0.3, and 0 ≦ w ≦ 0.1, respectively. The element M1 is selected from the group consisting of In, Ga, Pt, Pd, Ag, rare earth elements, Se, N, O, C, Zn, Si, Al, Bi, Ta, W, Nb, and V. And (I) except when z = 0 and w = 0 ,
(II) When 0 <z ≦ 0.3 and w = 0, y is a number satisfying 0.05 ≦ y ≦ 0.3,
(III) When 0 ≦ z ≦ 0.3 and 0 <w ≦ 0.1, y is a number satisfying 0.01 ≦ y ≦ 0.3. )
前記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料が結晶状態と非晶質状態との間を可逆的に変化することによって、光学的情報記録媒体の情報が書き換えられる請求項6に記載の光学的情報記録媒体。Information in the optical information recording medium is rewritten by reversibly changing the phase change recording material having the composition represented by the general formula (1) as a main component between a crystalline state and an amorphous state. The optical information recording medium according to claim 6. 前記一般式(1)において、さらに(1−x)×(1−y−w−z)≧0.5を満たす請求項6又は7に記載の光学的情報記録媒体。The optical information recording medium according to claim 6 or 7, wherein, in the general formula (1), (1-x) × (1-ywz) ≧ 0.5 is satisfied. 前記一般式(1)において、さらに0.1≦y+z+w≦0.4を満たす請求項6乃至8のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。The optical information recording medium according to claim 6, further satisfying 0.1 ≦ y + z + w ≦ 0.4 in the general formula (1). 前記一般式(1)において、xの値を0.1≦x≦0.35とする請求項6乃至9のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。The optical information recording medium according to claim 6, wherein a value of x in the general formula (1) satisfies 0.1 ≦ x ≦ 0.35. 前記一般式(1)で表される組成を主成分とする相変化記録材料を含有する相変化型記録層と少なくとも1層の保護層とを有する請求項6乃至10のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。11. The optical device according to claim 6, comprising a phase change recording layer containing a phase change recording material mainly composed of the composition represented by the general formula (1) and at least one protective layer. Information recording medium. 前記光学的情報記録媒体がさらに反射層を有し、前記反射層がAgを主成分とする請求項6乃至11のいずれかに記載の光学的情報記録媒体。The optical information recording medium according to claim 6, wherein the optical information recording medium further includes a reflective layer, and the reflective layer contains Ag as a main component.
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