JP4426671B2 - 熱処理装置及びその洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱処理装置及びその洗浄方法に関し、特に、反応生成物の装置内への付着を防止することができる熱処理装置及びその洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に縦型熱処理装置は、石英等から形成された円筒状の反応管(リアクタ)と、ヒータと、ウエハボートに載置された被処理体としての半導体基板(ウエハ)を反応管内にロードし、処理後のウエハボートを反応管内からアンロードするローディング機構と、反応管内に処理ガスを供給するガス供給配管と、反応管内のガスを排気する排気配管とを備えている。
【0003】
処理対象の半導体基板は、ウエハボートに載置されて反応管にロードされ、加熱下で、反応管に処理ガスが供給され、半導体基板と処理ガスが反応して又は処理ガス同士が反応して、半導体基板表面に成膜処理がなされる。成膜処理終了後、ウエハボードが反応管からアンロードされ、半導体基板がウエハボートから引き出され、この半導体基板は、次の工程に搬送される。
【0004】
しかし、縦型熱処理装置内で行われる成膜処理では、反応副生成物が生成される。生成された反応副生成物は半導体基板に吸着し、パーティクル発生の要因の1つとなっている。
例えば、シリコン窒化膜(Si3N4膜)の成膜中には、塩化アンモニウム(NH4Cl)が反応管内の低温部分で固化する。この塩化アンモニウムが、半導体基板のローディング時に昇華し、半導体基板に吸着すると、その後の成膜工程で、この塩化アンモニウムが種となって、基板表面にパーティクルが形成される場合がある。また、昇華した塩化アンモニウムと雰囲気中の水分とが反応して形成されるパーティクルが半導体基板に吸着し欠陥を引き起こす場合がある。
このため、高品質の半導体装置を高歩留まり率で製造することが困難な場合がある。
【0005】
この問題を低減するため、縦型熱処理装置の構成では、反応管や排気管内での反応生成物の除去を図る必要がある。このため、従来より、ディスクトラップや水トラップを排気ガスの流路に設けることにより、排気ガス中の反応生成物の除去を行っていた。
【0006】
ディスクトラップは、例えば盤状の部材(ディスク)が流路内に多数配置された構成を備えており、コンダクタンスが小さくなった流路内を流れる排気ガスがディスクと接触する結果、これらのディスク上に反応副生成物を析出させて排気ガスより反応生成物を除去する。
【0007】
水トラップは、水冷された冷却管等が流路内に配置された構成を備えており、流路内を流れる排気ガスが冷却管等と熱交換を行う結果、冷却管上に反応副生成物を析出させ、これにより排気ガスより生成物を除去する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、トラップなどにより副生成物を除去したとしても、熱処理装置に反応生成物(主生成物及び副生成物)が付着することは避けられない。特に、反応管のマニホールド部及び排気部近傍と排気管とは、ウエハボートが配置される成膜処理領域に比べて温度が低いことや、排気コンダクタンスが低いため、反応生成物が多量に付着してしまう。
【0009】
付着した反応生成物は、特に、ウエハボートの反応管内へのローディング及びアンローディング時にパーティクルとなって半導体基板に吸着したり、吸着したものを核に新たなパーティクルの発生をもたらす。従って、従来の縦型熱処理装置では、所定期間毎にクリーニングして、付着物を除去する必要がある。クリーニングのため従来は、装置を分解した上で各構成部品をフッ化水素(HF)酸溶液を用いてウエット洗浄するなど、長期間の稼働停止を伴う大規模なメンテナンスを必要としていた。このため、装置の稼働率が低下していた。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、内部に付着した反応生成物を短時間で容易に除去することができ、排気ガスの流路中の反応生成物の付着を防止することができる熱処理装置及びその洗浄方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる熱処理装置は、
被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管(排気用配管)を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記排気管に配置され、前記排気管内の反応生成物を除去するトラップ手段とを備え、
前記インレットは、前記排気管のトラップ手段近傍で、前記反応室からみた流路の上流側に配置されている、
ことを特徴とする。
【0012】
この構成の熱処理装置によれば、HFガス供給手段が供給するフッ化水素により、反応室内部や排気管に付着した反応生成物(副生成物を含む)が短時間で容易に除去される。また、HFガスによる洗浄の間、加熱手段により洗浄対象の排気管を加熱すると共に圧力制御手段により排気管内の圧力を制御して、洗浄を適切に行うことができる。
【0014】
前記トラップ手段は、成膜対象の材質に応じて、複数配置されてもよい。前記圧力制御手段は、反応副生成物の種類とその特性を考慮して、前記複数のトラップの間に配置される。
【0016】
前記圧力制御手段は、例えば、前記排気管の管路の開度を調整することにより、前記排気管内の圧力を一定に維持する。このような構成は、例えば、前記排気管内の圧力を検出し、検出した圧力と設定圧力との偏差に基づいて、バルブの開度を自動制御することにより実現できる。この圧力制御手段により、排気管の構造が簡素化され、排気ガスの温度が下がったりコンダクタンスが低下したりして反応生成物が特に付着しやすい場所が生じることが防止される。
【0017】
前記圧力制御手段は、例えば、前記排気管内のフッ化水素の分圧を、洗浄作用を発揮しうる10kPa以上に維持する。
【0018】
また、本発明の第2の観点にかかる熱処理装置は、
被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記反応室を昇温する昇温手段とを備え、
前記加熱手段は、前記排気管を100℃〜200℃に加熱し、
前記圧力制御手段は、前記排気管内を10kPa〜30kPaの圧力に維持する、
ことを特徴とする。
このような条件とすることにより、洗浄を効率的に行うことができる。
【0019】
一方、本発明の第3の観点にかかる熱処理装置は、
被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段とを備え、
前記圧力制御手段は、前記排気管内のフッ化水素雰囲気の圧力を変動させる手段を備える、
ことを特徴とする。
これにより、凹凸部などのコンダクタンスが低い部位にもフッ化水素ガスが浸透(到達)し易くなり、より効率的に洗浄を行うことができ、又、材料の腐食防止になる。
【0020】
この場合、前記圧力制御手段は、例えば、前記排気管内の圧力を0.1kPa〜30kPaの間で変動させる。さらに、前記圧力制御手段は、前記排気管内の圧力が10kPa以上になる期間と10kPa未満になる期間とを繰り返すように、前記排気管内の圧力を変動させる。フッ化水素は、その圧力が10kPaのときに、洗浄作用を発揮するので、圧力が10kPa以上の期間が10kPa未満の期間よりも長くなるように、圧力を変動させることが望ましい。
また、第1乃至第3の観点にかかる発明において、前記反応室は、アルコキシシランの分解により被処理体の上にシリコン酸化膜を形成する装置とアンモニア及びジクロロシランの反応により被処理体の上にシリコン窒化膜を形成する装置との少なくとも一方により構成されていればよい。
【0021】
洗浄に使用したフッ化水素は、最終的には、熱処理装置の外に排出する必要がある。この排出処理を短時間で効率良く行うために、本発明の第4の観点にかかる熱処理装置は、
被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方へ、成膜用ガスを供給する成膜用ガス供給手段と、
前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方へ、パージ用ガスを供給するパージ用ガス供給手段と、
前記HFガス供給手段が前記フッ化水素の供給を停止したのち、前記パージ用ガス供給手段と前記排気手段とにより、前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方への前記パージ用ガスの供給と排気とを複数サイクル繰り返すと共に、該複数サイクルの間に、前記成膜用ガス供給手段により前記成膜用ガスを供給する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
パージ用ガスの供給と排気の間に成膜用ガスを供給することにより、フッ化水素が排気され易くなり、短時間で効率よく、フッ化水素を排気することができる。
【0022】
成膜用ガス供給手段は、この熱処理装置で形成すべき(成膜すべき)膜の形成ガスと同一のものが望ましい。この構成によれば、特別な排気用の装置を配置することなく、本来の成膜ガスを用いて、効率良くフッ化水素を排気することができる。
【0023】
前記成膜用ガス供給手段は、例えば、前記成膜用ガスとして、シリコン酸化膜の原料であるアルコキシシラン(望ましくはテトラエトキシシラン)を供給し、前記パージ用ガス供給手段は、例えば、前記パージ用ガスとして窒素ガスを供給する。
【0024】
また、本発明の第5の観点にかかる洗浄方法は、
熱処理装置の反応室と該反応室に接続された排気管との少なくとも一方を洗浄する洗浄方法であって、
前記反応室を昇温し、前記排気管を100℃〜200℃に加熱し、
前記排気管内を10kPa〜30kPaの圧力に維持しながら排気しつつ、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方にフッ化水素ガスを供給する、
ことにより洗浄する、ことを特徴とする。
この洗浄方法によれば、フッ化水素により、反応室や排気管に付着した反応生成物(主生成物及び副生成物)が短時間で容易に除去され、洗浄を効率よく実施できる。
【0026】
また、この発明の第6の観点に係る洗浄方法は、
熱処理装置の反応室と該反応室に接続された排気管との少なくとも一方を洗浄する洗浄方法であって、
前記反応室と前記排気管との少なくとも一方を加熱し、
前記排気管内の圧力を変動させつつ、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方にフッ化水素ガスを供給する、
ことにより洗浄する、ことを特徴とする。
この洗浄方法によれば、コンダクタンスが低い部位にもフッ化水素ガスが浸透しやすくなり、効率よく洗浄を行うことができる。
【0027】
洗浄は、例えば、前記排気管内の圧力を0.1kPa〜30kPaの間で変動させつつ、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方に前記フッ化水素ガスを供給することにより行う。さらに、前記排気管内の圧力が10kPa以上になる期間と10kPa未満になる期間とを繰り返すように、前記排気管内の圧力を変動させる。フッ化水素は、その圧力が10kPaのときに、洗浄作用を発揮するので、圧力が10kPa以上の期間が10kPa未満の期間よりも長くなるように、圧力を変動させることが望ましい。
【0028】
第5及び第6の観点にかかる発明において、洗浄の前に、アルコキシシランの分解により被処理体の上にシリコン酸化膜を形成する処理と、アンモニア及びジクロロシランの反応により被処理体の上にシリコン窒化膜を形成する処理との少なくとも一方を行い、形成後、被処理体を前記反応室より取り出し、被処理体を取り出した後、前記フッ化水素ガスを供給して前記反応室と前記排気管との少なくとも一方を洗浄するようにしてもよい。
【0029】
前記排気管の複数箇所で、排気中の不純物を複数のトラップにより除去し、
前記複数のトラップの間で、前記排気管の管路の開度を制御することにより、前記フッ化水素ガスの圧力を制御するようにしてもよい。
【0030】
洗浄に使用したフッ化水素を効率良く排出するために、本発明の第7の観点にかかる洗浄方法は、
熱処理装置の反応室と該反応室に接続された排気管との少なくとも一方を洗浄する洗浄方法であって、
前記反応室と前記排気管との少なくとも一方を加熱し、
前記反応室と前記排気管との少なくとも一方にフッ化水素ガスを供給し、
前記フッ化水素ガスの供給を停止したのち、前記排気管内を減圧し、
パージ用ガスの供給と前記排気管内の減圧とを所定回数行ったのち、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方に成膜用ガスを供給し、
再び、前記パージ用ガスの供給と前記排気管内の減圧とを所定回数繰り返す、
ことを特徴とする。
この除去方法を採用することで、洗浄に用いたフッ化水素ガスを短時間で除去することができる。
【0031】
前記パージ用ガスは、例えば、窒素ガスから構成され、前記成膜用ガスはアルコキシシラン(例えば、テトラエトキシシラン)を含んでもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の構成を示す。
この縦型熱処理装置は、図1に示すごとく長手方向が垂直方向に向けられた円筒状の反応管(反応室)11を備えている。反応管11は、耐熱材料、例えば、石英よりなる下端開口の外筒12と、外筒12内にその内壁に適宜離間されて同心円状に収容された上下端開口の内筒13とから構成された二重管構造を有する。
【0033】
反応管11内には、石英等よりなるウエハボート(熱処理用ボート)14が設けられている。ウエハボート14には、被処理体としての半導体基板(半導体ウエハ)15が垂直方向に所定の間隔で積層されて収容されている。
【0034】
反応管11の周辺部には、反応管11を囲むように形成された、抵抗発熱体等よりなる昇温用ヒータ16が設けられている。
【0035】
外筒12及び内筒13の下部には、外筒12及び内筒13を支持するステンレス製のマニホールド17が設けられている。
マニホールド17の上端部には、フランジ18が環状に形成されており、外筒12の下端部に形成されたフランジ19と、弾性部材よりなるOリング20を介して、気密封止可能に構成されている。また、内筒13の下端部はマニホールド17の内壁より内方に突出して形成された支持部21に載置されている。
【0036】
マニホールド17の一側面部には、熱処理部(上方)に向けて曲折りされた石英等からなる第1〜第3のガス供給管31a、31b及び31cがシール部材を介して挿通されている。
【0037】
第1のガス供給管31aには、接合部32aを介して第1のガス配管33aが接続されている。第1のガス配管33aはガス流量を調整するマスフローコントローラ(MFC)34aとガスの流れを制御するバルブVB1を介して第1のガス源35aに接続されている。第1のガス源35aは、例えば、ジクロロシラン(SiH2Cl2)のガス源である。また、第1のガス配管33aは、MFC34aとバルブVB3を介して窒素ガス源36aにも接続されている。
【0038】
第2のガス供給管31bには、接合部32bを介して第2のガス配管33bが接続されている。第2のガス配管33bはガス流量を調整するマスフローコントローラ(MFC)34bとガスの流れを制御するバルブVB2を介して第2のガス源35bに接続されている。第2のガス源35bは、例えば、アンモニア(NH3)のガス源である。また、第2のガス配管33bは、MFC34bとバルブVB4を介して窒素ガス源36bにも接続されている。
【0039】
第3のガス供給管31cには、接合部32cを介して第3のガス配管33cが接続されている。第3のガス配管33cはMFC34cとバルブVB5を介して第3のガス源35cに接続されている。第3のガス源35cは、例えば、アルコキシシラン、望ましくは、テトラエトキシシラン(以下、単にTEOSと呼ぶ)のガス源である。
【0040】
マニホールド17の下端部に形成されたフランジ22には、円盤状の蓋体51が弾性部材よりなるOリング52を介して気密封止可能に設けられている。蓋体51の上面には保温筒53が配置され、保温筒53の上にウエハボート14が載置されている。蓋体51は、蓋体51に載置されている保温筒53及びウエハボート14を反応管11に搬入・搬出(ロード・アンロード)するために上下方向に移動する昇降機構54に取り付けられている。
【0041】
マニホールド17の下端側部には、洗浄用のフッ化水素(HF)を反応管11内に導くためのインレット64aが接続されており、インレット64aは第4のガス配管33d及びバルブVB6を介して、フッ化水素のガス源である第4のガス源35dに接続されている。
なお、第4のガス源35dは、バルブVB6及び第5のガス配管33eを介して後述のインレット64bにも接続されており、また、バルブVB6及び第6のガス配管33fを介して後述のインレット64cにも接続されている。
【0042】
マニホールド17の他側面部には、排気管61が接続されている。排気管61は、ステンレス等からなり、接合部62を介して、排気ガスを外部に排気するための排気配管63に接続されている。
【0043】
排気配管63は、配管63a〜63cを備える。配管63aは、接合部62を介して排気管61に接続され、反応管11からの排気ガスを配管63bに導く。配管63bは、排気ガスを、ホットディスクトラップTRP1から、コンビネーションバルブCV及び切替トラップTRP2を順次介して真空ポンプVPの吸気口に導く。配管63cは、一端が真空ポンプVPの排気口に接続され、他端が2つに分岐している。
また、配管63aの所定位置に、配管63a内を通過する排気ガスをいわゆる工場排気へ導く工場排気管63dが接続されている。この工場排気管63dには、開閉式の工場排気バルブEVと図示せぬダンパなどが配置されている。
また、この縦型熱処理装置は、配管63aとコンビネーションバルブCVとを加熱するための排気経路用ヒータ65を備えている。
【0044】
配管63aは屈曲部を有し、屈曲部の上流側の近傍には、上述のように、配管63a内にフッ化水素を導くためのインレット64bが接続されている。インレット64bは、第5のガス配管33e及びバルブVB6を介して第4のガス源35dに接続されている。
【0045】
また、配管63aの、ホットディスクトラップTRP1のガス導入口の上流側近傍には、ホットディスクトラップTRP1内にフッ化水素を導くためのインレット64cが接続されている。インレット64cは、上述のように、第6のガス配管33f及びバルブVB6を介して第4のガス源35dに接続されている。
【0046】
ホットディスクトラップTRP1は、TEOSからSiO2を生成する際に発生する生成物である炭化水素等を吸着するものであり、例えば、両端に排気ガスが流入及び流出するガス導入口及びガス排出口を有するハウジングと、このハウジング内に収納されているディスクアッセンブリ及びカバーと、加熱器とを備える。
ガス導入口は配管63aに接続されており、ガス排出口は配管63bを介してコンビネーションバルブCVに接続されている。
【0047】
ディスクアッセンブリは、両端が開放されている筒状をなしており、複数枚の、例えば開口部を有する盤状の吸着材よりなるディスクを、互いに対峙しつつガス導入口からガス排出口へ向かって所定間隔おきに列をなして並ぶように保持している。ディスクアッセンブリの、ガス導入口に望む側の開放端は、カバーにより塞がれている。
加熱器は、ディスクアッセンブリに保持されているディスクにNH4Clが付着するのを阻止するために、ディスクを加熱するものであり、ハウジングの周囲を囲むように構成されていてもよいし、ハウジング内に設けられていてもよい。
【0048】
ガス導入口から流入したガスは、ディスクアッセンブリとハウジングの内壁との間隙に流れ込み、ディスクアッセンブリに保持されている各ディスクの間にある間隙を通って、ディスクアッセンブリの内側空間に流入し、次いでガス排出口から排出される。TEOSからSiO2を生成する際に発生する反応副生成物である炭化水素CxHy(xとyは自然数)等は、排出ガスが各ディスクの間にある間隙を通るときに、各ディスクに吸着される。
【0049】
切替トラップTRP2は、排気ガス中のNH4Clを吸着するためのものであり、並列に配置され、各自を通過する排気ガス中のNH4Clを吸着する複数の水冷トラップと、切替部と、洗浄室とを備える。
【0050】
切替トラップTRP2が備える各水冷トラップは、排気ガスが流入及び流出するガス導入口及びガス排出口を有するハウジングと、該ハウジング内に配置された冷却部と、冷却部内を循環する冷却水の流入出部を備えている。冷却部は冷却水により冷却される冷却水循環部と、冷却水循環部の表面に設けられた複数の冷却フィンとを備えている。
ガス導入口から流入したガスは、冷却部に当たり冷却フィンに接触して冷却される。それによって冷却により付着しうる物質、例えばアンモニア及びジクロロシランの反応によりシリコン窒化膜を生成する際に発生する反応副生成物である塩化アンモニウムNH4Clが冷却部上に析出し、これにより排気ガスからNH4Clが除去される。NH4Clが除去された排気ガスはガス排出口から真空ポンプVPへと排出される。
【0051】
切替トラップTRP2の一つのトラップを排気ガスが通過しているとき、切替部は、操作者の操作等に従って、他のトラップにも排気ガスが通過するようにし、次いで、従前から排気ガスが通過していた方のトラップに流れる排気ガスを遮断して、該トラップを洗浄室に接続する。すると、洗浄室に蓄えられている水が、洗浄室が備えるポンプにより加圧され、洗浄室に接続されたトラップに流入する。流入した水は、このトラップが捕集したNH4Clを洗い流して洗浄室に戻り、洗浄室から排出され、洗浄室には新たな水が蓄えられる。
このような手順を繰り返すことにより、切替トラップTRP2のそれぞれのトラップは、他のいずれかのトラップが排気ガスを通過させている間に洗浄され、従って切替トラップTRP2は間断なく排気ガスを通過させ、排気ガス中のNH4Clを吸着する。
【0052】
コンビネーションバルブCVは、反応管11内の圧力を自動制御しながら排気を行うために設けられている。コンビネーションバルブCVは、バルブと、バルブ制御部と、圧力検出部とを備える。
圧力検出部は、配管63a、63b内の圧力を検出してバルブ制御部に通知し、バルブ制御部は、圧力検出部が通知した圧力が所定の値に収束するようにバルブの開度を調整することにより、ホットディスクトラップTRP1から切替トラップTRP2へと流れる排気ガスの流量を制御する。
【0053】
このような動作により、コンビネーションバルブCVは、自己に並列に配置される他のバルブ等を用いることなく、配管63a,63b内の圧力を、実質的に0〜1013hPaの範囲の任意の値に調整し、維持する。
従って、排気ガスの流路を開閉する機構はコンビネーションバルブCVを用いることにより簡素に構成され、複数のバルブや、これら複数のバルブに並列に排気ガスを導くための配管などを含んだ、複雑でしかも流路のコンダクタンスの低下を招くような構成が不要となる。この結果、排気ガスの流路内にコンダクタンスが低下する部分が形成されることが防止され、後述する成膜処理の間に生成される生成物が付着する箇所の増加が抑止される。
【0054】
真空ポンプVPは、吸気口及び排気口を備え、15000〜20000リットル/分程度の排気容量を有する。
真空ポンプVPの排気口は、配管63cの一端に接続される。配管63cの他端は2つに分岐しており、その一方はシリコン酸化膜SiO2及びシリコン窒化膜Si3N4を生成する際の排気ガスを排出するための第1の排気口を形成し、他方は洗浄に使用したフッ化水素ガスを排出するための第2の排気口を形成する。また配管63cは弁69を備え、真空ポンプVPから排出された排気ガスは、第1及び第2の排気口のうち、弁69の切替により選択された方から排出される。
【0055】
次に、この縦型熱処理装置の動作を、シリコン酸化膜SiO2及びシリコン窒化膜Si3N4を成膜し、成膜処理終了後、この縦型熱処理装置の内部を洗浄する場合を例として説明する。
【0056】
なお、昇温用ヒータ16、マスフローコントローラ34a〜34c、コンビネーションバルブCV、ガス源35a〜35d,36a,36b、バルブVB1〜VB6、昇降機構54、真空ポンプVP、排気経路用ヒータ65は、これらを制御するためのコントローラ(図示せず)に接続されている。コントローラは、この縦型熱処理装置の各部の温度、圧力等を図示せぬセンサにより測定し、以下に説明する一連の処理を、各部に制御信号等を供給することにより、自動的に制御する。
【0057】
まず、図2に示すように、昇降機構54が下げられている状態において、半導体基板15が載置されたウエハボート14が、蓋体51上の保温筒53の上に載置される。このとき、昇温用ヒータ16を約700℃〜800℃に加熱しておく。
次に、昇降機構54を上昇させて、蓋体51及びウエハボート14を上方に移動させ、これによりウエハボート14を反応管11内にロードする。この際、工場排気バルブEVを閉めた状態で、真空ポンプVPを駆動すると共にコンビネーションバルブCVの開度を制御して、反応管11内の圧力(大気圧)に対して−500Pa程度の圧力差で反応管11内のガスを吸引しながら、ウエハボート14をロードする。これにより、図3に模式的に示すように、反応管11内のパーティクルを吸引し、半導体基板15へのパーティクルの付着を防止する。
【0058】
ウエハボート14の反応管11内へのロードが完了し、マニホールド17の下端部に形成されたフランジ22と蓋体51がOリング52を介して気密状態に達すると、コンビネーションバルブCVの開度を制御してスロー排気(すなわち、処理対象の半導体基板15の動きや反応管11内での反応生成物の巻上が起きないような排気速度での排気)を行い、反応管11内を所定圧力、例えば、0.5〜0.7Paまで減圧する。
【0059】
反応管11内の圧力が所定値に達すると、バルブVB1とVB2を開いて第1のガス源35aよりNH3を、第2のガス源35bよりSiH2Cl2を反応管11内に供給すると共に昇温用ヒータ16により半導体基板15の温度を600〜700℃に調整し、排気経路用ヒータ65は、配管63aとコンビネーションバルブCVとを約100℃〜150℃に加熱し、配管63cの弁69は、排気ガスが第1の排気口から排出されるように流路を選択する。
さらに、コンビネーションバルブCVの開度を制御して、反応管11内の圧力を25〜50Pa程度に制御した状態で排気を続け、この状態を所定時間、例えば、2時間維持する。
この間、反応管11内では、化学式1に示す反応が起こり、半導体基板15の表面にシリコン窒化膜(Si3N4膜)が形成される。
【0060】
【化1】
10NH3+3SiH2Cl2→Si3N4+6NH4Cl+6H2
【0061】
この成膜処理の間、ホットディスクトラップTRP1の加熱部は、ホットディスクトラップTRP1の各ディスクを100℃〜150℃程度に加熱する。これにより、排気ガスがこれらのディスクにより冷却されることが阻止され、従って、排気ガス中の副生成物NH4Clがこれらのディスクに付着することが阻止される。
【0062】
排気ガス中の副生成物NH4Clは、この成膜処理の間、切替トラップTRP2により冷却されて捕集される。
切替トラップTRP2から流れ出す排気ガスは、真空ポンプVPにより吸気され、配管63cに排出されて、配管63cの第1の排気口から排出される。
【0063】
シリコン窒化膜Si3N4の成膜処理が完了した後、バルブVB1とVB2を閉じ、反応ガスの供給を停止し、真空ポンプVPを駆動させたままコンビネーションバルブCVの開度を制御してスロー排気を行うことにより、反応管11内を再び、0.1Pa程度にまで減圧する。
【0064】
反応管11内の圧力が所定値に達すると、バルブVB5を開いて第3のガス源35cより、アルコキシシラン(望ましくはTEOS)を反応管11内に供給すると共に、昇温用ヒータ16により半導体基板15の温度を約700℃に調整する。なお、排気経路用ヒータ65は、配管63aとコンビネーションバルブCVとを約100℃〜150℃に保つ。そして、コンビネーションバルブCVの開度を制御して反応管11内の圧力を約60Paに制御した状態で排気を続け、この状態を所定時間、例えば、20分間維持する。
第3のガス源35cから供給するガスをTEOSとした場合、反応管11内では、化学式2に示す反応が起こり、半導体基板15の表面にシリコン酸化膜(SiO2膜)が形成される。
【0065】
【化2】
TEOS→SiO2+CxHy+H2O
x,yはともに自然数
【0066】
排気ガス中の副生成物である炭化水素CxHyは、ホットディスクトラップTRP1で排気コンダクタンスが低下するため、各ディスクに付着し、排気ガスから除去される。
一方、排気ガスには、Si3N4膜の成膜処理の間にマニホールド17や排気管61近傍等の比較的低温の部分に固着したNH4Clが昇華するなどの原因でNH4Clも含まれている。しかし、NH4Clは、ホットディスクトラップTRP1の加熱部がホットディスクトラップTRP1の各ディスクを100℃〜150℃程度に加熱しているため、各ディスクには付着せず、切替トラップTRP2により捕集される。
切替トラップTRP2から流れ出す排気ガスは、真空ポンプVPを経て、配管63cの弁69により選択されている第1の排気口から排出される。
【0067】
ただし、この成膜処理の間、反応管11の内面にシリコン酸化物SiO2が付着したり、マニホールド17の下端部や、配管63aの屈曲部や、ホットディスクトラップTRP1の内部など、流路のコンダクタンスが低い部分には、シリコン酸化物SiO2や炭化水素CxHy等がある程度付着する。
【0068】
成膜処理完了後、バルブVB5を閉じて反応ガスの供給を停止し、真空ポンプVPにより、反応管11内を再び、0.5〜0.7Paまで減圧する。続いて、コンビネーションバルブCVを閉じ、バルブVB3とVB4を開いて、窒素ガス源36a,36bから反応管11内に窒素ガスを供給し、反応管11内を常圧状態(大気圧)に戻す。
この後、所定の時間、例えば、15分間放置して冷却する。
【0069】
その後、コンビネーションバルブCVを開き、その開度を制御しつつ、反応管11内の圧力(すなわち大気圧)に対して−500Pa程度の圧力差で反応管11内のガスを吸引しながら、昇降機構54を駆動して、図2に示すように、ウエハボート14を反応管11から下降させてアンロードし、半導体基板15を搬出する。
ウエハボート14のアンロード時に、反応管11内の低温部などに付着しているNH4Clが、熱処理後の高温の半導体基板15が近傍を通る際に昇華し、昇華ガスが雰囲気中の水分と反応してパーティクルが生成されることがある。しかし、このようなアンロード方法を採用することにより、図3に模式的に示すように、昇華ガスやパーティクルが穏やかに吸引され、半導体基板15に付着することなく排出される。
【0070】
次に、ウエハボート14ごと半導体基板15を搬出し、必要に応じて、半導体基板15をカセットなどに移載する。
【0071】
続いて、この縦型熱処理装置の内部を洗浄するため、昇降機構54を上昇させ、蓋体51を上方に移動させ、マニホールド17のフランジ22と蓋体51がOリング52を介して気密状態に達するようにする。なお、ウエハボート14も併せて洗浄する場合には、半導体基板15を移載した後のウエハボート14を保温筒53に配置しておく。
また、配管63cの弁69は、排気ガスが第2の排気口から排出されるように流路を選択する。
【0072】
真空ポンプVPを起動した状態でコンビネーションバルブCVを制御して、配管63a内を10kPa〜30kPa程度まで減圧する。また、昇温用ヒータ16により、反応管11内を約50℃程度に加熱し、ホットディスクトラップTRP1の加熱部は、ホットディスクトラップTRP1の各ディスクを100℃〜150℃程度に加熱し続け、また、排気経路用ヒータ65も、配管63aとコンビネーションバルブCVとを約100℃〜150℃に加熱し続ける。
【0073】
次いで、バルブVB6を開け、インレット64a〜64cにフッ化水素を、所定時間、例えば約10分間、供給する。フッ化水素は、インレット64aからマニホールド17の下端部へ流入し、インレット64bから配管63aの屈曲部の上流側へ流入し、インレット64cからホットディスクトラップTRP1のガス導入口へ流入し、真空ポンプVPに向かって流れる。
【0074】
インレット64a〜64cに供給されたフッ化水素により、反応管11の内面に付着したシリコン酸化物SiO2自体や、マニホールド17の下端部や、配管63aの屈曲部や、ホットディスクトラップTRP1の内部など、流路のコンダクタンスが低い部分に付着した炭化水素CxHy等がこれらの部分から分離され(すなわち洗浄され)、真空ポンプVPを介して、配管63cの弁69により選択されている第2の排気口から排出される。
【0075】
洗浄完了後、バルブVB6を閉じてフッ化水素の供給を停止し、真空ポンプVPにより、反応管11内を0.5〜0.7Paまで減圧する。続いて、バルブVB3とVB4を開いて、窒素ガス源36a,36bから反応管11内に窒素ガスを供給してパージを行う。これを数回繰り返して、その後、反応管11内を常圧状態(大気圧)に戻す。
【0076】
このようにして、この第1の実施の形態に係る縦型熱処理装置によれば、複数種類の膜を成膜する熱処理装置において、成膜時の排気ガスに含まれる反応副生成物を適切に除去し、さらに、装置を分解・脱着することなく、付着してしまった生成物(主生成物及び反応副生成物)を簡単に洗浄することができる。従って、装置の利用効率を向上し、維持コストを低減することが可能である。
【0077】
なお、洗浄時に、フッ化水素と他のガスの混合ガスを反応管11及び排気配管63に供給してもよい。例えば、洗浄時に、バルブVB6とVB3(又はVB4)とを開いて、フッ化水素と窒素とを反応管11及び排気配管63に導入してもよい。
また、洗浄時の反応管50の温度は、50℃に限定されるものではなく、30〜200℃程度の間で、適宜設定可能である。
【0078】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、成膜処理終了後インレット64a〜64cにフッ化水素を供給して洗浄する際に、配管63a内を10kPa〜30kPa程度に維持している。
【0079】
一般に、このようにフッ化水素を供給して洗浄する際には、10kPa以上で洗浄の効果が現れ、20kPa程度で最も付着物を分離させやすい状態となる。しかし、圧力を10kPa〜30kPa程度の一定値に維持したままでは、コンダクタンスが低い部分やガスの流れの淀んだ部分にフッ化水素が到達しにくく、付着物が分離されずに残留する場合がある。例えば、反応管11の下端となるマニホールド17は、ガス供給管31a〜31cが挿通されていること等から凹凸部が多く、フッ化水素ガスが浸透しにくい。排気配管63中の屈曲部近傍や管の接続部分についても同様にフッ化水素が到達しにくい。このため、マニホールド17や排気配管63の内面に付着した生成物(主生成物及び反応副生成物)が残留し、適切に除去できないおそれがある。
【0080】
そこで、この発明の第2の実施の形態に係る縦型熱処理装置では、洗浄の際、反応管11内の圧力を繰り返し変動させることにより、フッ化水素ガスの浸透を促し、付着物をより適切に除去できるようにする。
【0081】
この発明の第2の実施の形態に係る縦型熱処理装置は、上記第1の実施の形態に係る縦型熱処理装置と同様の構成を有している。
【0082】
そして、洗浄の際には、上記第1の実施の形態と同様に、昇降機構54を上昇させ、蓋体51を上方に移動させ、マニホールド17のフランジ22と蓋体51がOリング52を介して気密状態に達するようにする。なお、ウエハボート14も併せて洗浄する場合には、半導体基板15を移載した後のウエハボート14を保温筒53に配置しておく。
また、配管63cの弁69は、排気ガスが第2の排気口から排出されるように流路を選択する。
【0083】
次に、真空ポンプVPを起動した状態でコンビネーションバルブCVを制御して、配管63a内を10kPa程度まで減圧する。また、昇温用ヒータ16により、反応管11内を約50℃程度に加熱し、ホットディスクトラップTRP1の加熱部は、ホットディスクトラップTRP1の各ディスクを100℃〜150℃程度に加熱し続け、また、排気経路用ヒータ65も、配管63aとコンビネーションバルブCVとを約100℃〜150℃に加熱し続ける。
【0084】
次いで、バルブVB6を開け、インレット64a〜64cにフッ化水素を、所定時間、例えば約10分間、供給する。フッ化水素は、インレット64aからマニホールド17の下端部へ流入し、インレット64bから配管63aの屈曲部の上流側へ流入し、インレット64cからホットディスクトラップTRP1のガス導入口へ流入し、真空ポンプVPに向かって流れる。
【0085】
インレット64a〜64cに供給されたフッ化水素により、反応管11の内面に付着したシリコン酸化物SiO2自体や、マニホールド17の下端部や、配管63aの屈曲部や、ホットディスクトラップTRP1の内部など、流路のコンダクタンスが低い部分に付着した炭化水素CxHy等がこれらの部分から分離され(すなわち洗浄され)、真空ポンプVPを介して、配管63cの弁69により選択されている第2の排気口から排出される。
【0086】
この際、コンビネーションバルブCVを制御して、配管63a内の圧力を、例えば、0.1kPa〜30kPa程度のあいだで変動させる。
すなわち、コンビネーションバルブCVの開度を大きくして、真空ポンプVPにより配管63a内を減圧し、0.1kPa程度に減圧した後、コンビネーションバルブCVの開度を小さくして、配管63a内の圧力を20〜30kPa程度に昇圧する。
【0087】
配管63a内の圧力を変動させる範囲は、真空ポンプVPの排気能力等により定まるが、反応管11や排気配管63内のコンダクタンスが低い部分にフッ化水素ガスが浸透できればよい。特に、圧力変動の範囲の下限は0.1kPaに限定されるものではなく、フッ化水素の浸透を促して適切に洗浄を行うことができる程度の圧力、例えば、2kPa(1〜3kPa)であればよい。
【0088】
図4は、このような反応管11内の圧力を繰り返し変動させて洗浄を行う際の、配管63aの圧力変動の一例を示す図である。
図示する例では、配管63a内の圧力を約2kPa〜30kPaの間で変動させている。また、配管63a内の圧力が10kPa以上となる期間と10kPa未満となる期間とを周期的に繰り返すように、配管63a内の圧力を変動させている。
【0089】
この際、上述のように、フッ化水素ガスを供給することによる洗浄の効果は10kPa以上で現れる。このため、フッ化水素ガスを対流させつつ、配管63a内の圧力が10kPa以上となる期間ができるだけ長くなるように、コンビネーションバルブCV及び真空ポンプVPを制御するのが好ましい。
【0090】
このように、反応管11内の圧力を変動させることで、反応管11内及び排気配管63内のコンダクタンスが低い部位等にもフッ化水素ガスが浸透し、付着した生成物を効果的に除去することができる。
【0091】
(第3の実施の形態)
上記第1及び第2の実施の形態において洗浄に用いたフッ化水素ガスを除去する方法としては、窒素ガス(パージガス)の供給と真空引きとを交互に繰り返す方法が考えられる。
【0092】
例えば、図5のシーケンス図に示すように、フッ化水素ガスによるクリーニングとその後の真空引きの後に、窒素ガスの供給と真空引きとを11回(11サイクル)繰り返して、反応管11及び排気配管63に残留するフッ化水素ガスを除去することが考えられる。
しかし、フッ化水素はコンダクタンスの低い部分に滞留したり、また、反応管11や排気配管63などに吸着しており、窒素ガスの供給と真空引きとを交互に繰り返すだけでは、効率よく除去することができない。例えば、図5のシーケンス図に示す処理では、約5時間を費やすにもかかわらず、反応管11及び排気配管63内には10ppm以上のフッ化水素が残留する。
【0093】
そこで、この発明の第3の実施の形態に係る縦型熱処理装置は、アルコキシシラン(望ましくはTEOS)を用いて、洗浄後に反応管11内等に残留するフッ化水素を短時間で除去できるようにする。
【0094】
この発明の第3の実施の形態に係る縦型熱処理装置は、上記第1及び第2の実施の形態に係る縦型熱処理装置と同様に構成される。
【0095】
図6は、洗浄に用いたフッ化水素ガスを除去するための縦型熱処理装置の動作を示すシーケンス図である。
以下、図6のシーケンス図に示される縦型熱処理装置の動作について説明する。
【0096】
この縦型熱処理装置は、フッ化水素を用いて反応管11及び排気配管63内を洗浄した後、バルブVB6を閉じてフッ化水素の供給を停止し、真空ポンプVPを起動して反応管11内を減圧させる。
【0097】
次いで、真空ポンプVPを起動したままバルブVB3とVB4を開いて、窒素ガス源36a,36bから反応管11内に窒素ガスを供給し、コンビネーションバルブCVの開度を制御して、反応管11内を30kPa程度に戻す。また、昇温用ヒータ16により、反応管11内を約650℃程度に加熱する。
この後、バルブVB3とVB4を閉じて、反応管11内への窒素ガスの供給を停止し、真空ポンプVPにより、再び反応管11内を減圧する。
このように、反応管11内の減圧と窒素ガスの供給とを、所定回数、例えば、3回(3サイクル)繰り返す。
【0098】
こうして反応管11内の減圧と窒素ガスの供給とを繰り返した後、反応管11内が減圧された状態で、バルブVB5を開いて第3のガス源35cより、アルコキシシラン、望ましくはTEOSを反応管11内に供給する。そして、コンビネーションバルブCVの開度を制御して反応管11内の圧力を約133Pa程度に制御した状態で排気を続け、この状態を所定時間、例えば、2分間保持する。
【0099】
次いで、バルブVB5を閉じて反応ガスの供給を停止し、バルブVB3とVB4を開き、窒素ガス源36a,36bから反応管11内に窒素ガスを供給し、コンビネーションバルブCVの開度を制御して反応管11内を30kPa程度に戻す。この後、所定の時間、例えば、15分間放置して冷却する。
【0100】
そして、真空ポンプVPと、バルブVB3及びVB4と、コンビネーションバルブCVを制御して、再び反応管11内の減圧と窒素ガスの供給とを所定回数、例えば、3回(3サイクル)繰り返す。
これにより、反応管11内に残留するフッ化水素を、約4時間程度で完全に除去することができる。すなわち、内部に付着した反応生成物を除去するために要する時間を短縮することができる。
【0101】
なお、TEOS供給前後における、窒素ガスの供給及び真空引きのサイクル数と継続時間はそれぞれ3サイクルで72分に限定されず、フッ化水素を除去できるならば、任意のサイクル数及び継続時間に設定できる。
また、フッ化水素の除去のために供給するガスもシリコン酸化膜成膜用のアルコキシシランに限定されず、シリコン窒化膜成膜用のNH3とSiH2Cl2とでもよい。即ち、反応管11内で成膜されるべき膜の成膜用ガスを供給することができる。
【0102】
この発明は、上記第1〜第3の実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、反応管11から真空ポンプVPに至る流路を開閉するためにコンビネーションバルブCVを用いたが、コンビネーションバルブCVに代えて、メインバルブと、自己の流路を開閉するサブバルブを備え、メインバルブを跨いで配置されるバイパス管とを配置してもよい。このような構成において、上述した成膜処理においてスロー排気を行う場合や、半導体基板15のアンロード時の排気の場合には、メインバルブを閉じたまま、サブバルブの開度を調整することにより、スロー排気やアンロード時の排気を行うようにすればよい。
【0103】
また、洗浄用のフッ化水素の注入位置は任意であり、排気ガスの温度を低下させたり排気ガスのコンダクタンスを低下させたりするなどのため成膜処理の間に発生する生成物が付着する危険がある任意の箇所にインレットを設け、これらのインレットを介して、第4のガス源35dに蓄えられているフッ化水素を排気ガスの流路内に注入してよい。
【0104】
例えば、図7に示すように、インレット64aに代えて、接合部62に隣接した位置にインレット64dを設け、排気配管63内のみを洗浄するようにしてもよい。また、インレット64aのみを配置して、反応管11にフッ化水素を注入し、反応管11から流出するフッ化水素により排気配管63を洗浄するようにしてもよい。
また、フッ化水素排出時の成膜ガスを、本来の成膜ガスとは別個の配管から反応管11及び/又は排気配管63に供給してもよい。
【0105】
また、切替トラップTRP2に代えて、例えば、切替トラップTRP2が備えるものと実質的に同一の水冷トラップが1個配置されていてもよい。
また、ホットディスクトラップTRP1及びコンビネーションバルブCVを互いに接続する部分をなす配管や、また、コンビネーションバルブCV及び切替トラップTRP2を互いに接続する部分をなす配管を、排気経路用ヒータ65が加熱を行っている期間と同じ期間中、例えば100℃〜150℃に加熱するようにしてもよい。これにより、これらの配管に炭化水素CxHy等やNH4Clが付着するおそれが減少する。
【0106】
上記実施の形態では、真空ポンプVPにより排気しながら、半導体基板15を反応管11内にロード又はアンロードしたが、反応管11内を排気する手法は任意である。例えば、ウエハボート14のロード/アンロード時に、コンビネーションバルブCVを閉じ、工場排気バルブEVを開き、反応管11内のガスが大気圧に対して−50〜−700Pa程度の圧力差となるように、ダンパで制御して排気してもよい。
【0107】
上記実施の形態においては、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を成膜する場合を例に、この発明を説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されず、様々な成膜処理に応用可能である。例えば、TiCl4ガスとNH3ガスとを反応させて被処理基板にTiN膜を形成する場合(反応副生成物としてNH4Clが生成される)にも用いることができる。また、アルコキシシラン以外の有機シリコン化合物を原料ガスとして用いる場合にも適用できる。また、多層絶縁膜以外の薄膜を形成する場合にも用いることができる。
さらに、上記実施の形態では、半導体基板(半導体ウエハ)上に成膜する熱処理装置を例にこの発明を説明したが、この発明はガラス基板などの任意の被処理体上に成膜する装置に適用可能である。
【0108】
上記実施の形態においては、窒素ガス源36a,36bにより窒素ガスを供給するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、配管33dにバルブVB7を介して窒素ガス源36cを接続し、バルブVB7の開度をコントローラにより制御して窒素ガスを供給するようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内部に付着した反応生成物を短時間で容易に除去することができ、排気ガスの流路中の反応生成物の付着を防止することができる熱処理装置及びその洗浄方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の構造を示す図である。
【図2】図1の縦型熱処理装置から熱処理用ウエハボートを取り出した状態を示す図である。
【図3】反応管内のパーティクルが排気される様子を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の反応管内を洗浄する際の圧力変動を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の変形例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる縦型熱処理装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
11 反応管
12 外筒
13 内筒
14 ウエハボート
15 半導体基板
16 昇温用ヒータ
17 マニホールド
31a〜31c ガス供給管
32a〜32c 接合部
33a〜33f ガス配管
34a〜34c MFC
35a〜35d ガス源
36a〜36c 窒素ガス源
51 蓋体
53 保温筒
54 昇降機構
61 排気管
63 排気配管
63a〜63c 配管
64a〜64d インレット
65 排気経路用ヒータ
69 弁
TRP1 ホットディスクトラップ
TRP2 切替トラップ
VB1〜VB7 バルブ
VP 真空ポンプ
Claims (19)
- 被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記排気管に配置され、前記排気管内の反応生成物を除去するトラップ手段とを備え、
前記インレットは、前記排気管のトラップ手段近傍で、前記反応室からみた流路の上流側に配置されている、
ことを特徴とする熱処理装置。 - 前記トラップ手段は、前記排気管中に配置された複数のトラップを備え、
前記圧力制御手段は、前記複数のトラップの間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。 - 前記圧力制御手段は、前記排気管の管路の開度を調整することにより、前記排気管内の圧力を一定に維持する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理装置。 - 前記圧力制御手段は、前記排気管内を10kPa以上の圧力に維持する、
ことを特徴とする請求項3に記載の熱処理装置。 - 被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記反応室を昇温する昇温手段とを備え、
前記加熱手段は、前記排気管を100℃〜200℃に加熱し、
前記圧力制御手段は、前記排気管内を10kPa〜30kPaの圧力に維持する、
ことを特徴とする熱処理装置。 - 被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段とを備え、
前記圧力制御手段は、前記排気管内のフッ化水素雰囲気の圧力を変動させる手段を備える、
ことを特徴とする熱処理装置。 - 前記圧力制御手段は、前記排気管内の圧力を0.1kPa〜30kPaの間で変動させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の熱処理装置。 - 前記圧力制御手段は、前記排気管内の圧力が10kPa以上になる期間と10kPa未満になる期間とを繰り返し、かつ、前記排気管内の圧力が10kPa以上になる期間が10kPa未満になる期間よりも長くなるように、前記排気管内の圧力を変動させる、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の熱処理装置。 - 前記反応室は、アルコキシシランの分解により被処理体の上にシリコン酸化膜を形成する装置とアンモニア及びジクロロシランの反応により被処理体の上にシリコン窒化膜を形成する装置との少なくとも一方により構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱処理装置。 - 被処理体を収納可能な反応室と、
前記反応室に接続された排気管を有し、前記反応室内のガスを排出するための排気手段と、
フッ化水素のガス源に接続されるHF用配管と、前記HF用配管に設置されて前記ガス源からのフッ化水素ガスの供給を制御するHF用バルブと、前記ガス源から前記HF用配管を通じて供給された前記フッ化水素を前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方に導くインレットと、を備えるHFガス供給手段と、
前記排気管を加熱する加熱手段と、
前記排気管内の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方へ、成膜用ガスを供給する成膜用ガス供給手段と、
前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方へ、パージ用ガスを供給するパージ用ガス供給手段と、
前記HFガス供給手段が前記フッ化水素の供給を停止したのち、前記パージ用ガス供給手段と前記排気手段とにより、前記排気管内と前記反応室内との少なくとも一方への前記パージ用ガスの供給と排気とを複数サイクル繰り返すと共に、該複数サイクルの間に、前記成膜用ガス供給手段により前記成膜用ガスを供給する制御手段と、
を備えることを特徴とする熱処理装置。 - 前記成膜用ガス供給手段は、前記成膜用ガスとしてアルコキシシランを供給し、
前記パージ用ガス供給手段は、前記パージ用ガスとして窒素ガスを供給する、
ことを特徴とする請求項10に記載の熱処理装置。 - 熱処理装置の反応室と該反応室に接続された排気管との少なくとも一方を洗浄する洗浄方法であって、
前記反応室を昇温し、前記排気管を100℃〜200℃に加熱し、
前記排気管内を10kPa〜30kPaの圧力に維持しながら排気しつつ、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方にフッ化水素ガスを供給する、
ことにより洗浄する、ことを特徴とする洗浄方法。 - 熱処理装置の反応室と該反応室に接続された排気管との少なくとも一方を洗浄する洗浄方法であって、
前記反応室と前記排気管との少なくとも一方を加熱し、
前記排気管内の圧力を変動させつつ、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方にフッ化水素ガスを供給する、
ことにより洗浄する、ことを特徴とする洗浄方法。 - 前記排気管内の圧力を0.1kPa〜30kPaの間で変動させつつ、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方に前記フッ化水素ガスを供給することにより洗浄する、
ことを特徴とする請求項13に記載の洗浄方法。 - 前記排気管内の圧力が10kPa以上になる期間と10kPa未満になる期間とを繰り返し、前記排気管内の圧力が10kPa以上になる期間が10kPa未満になる期間よりも長くなるように前記排気管内の圧力を変動させる、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の洗浄方法。 - 前記反応室内に被処理体を収容して、アルコキシシランの分解により被処理体の上にシリコン酸化膜を形成する処理と、アンモニア及びジクロロシランの反応により被処理体の上にシリコン窒化膜を形成する処理との少なくとも一方を行い、形成後、被処理体を前記反応室より取り出し、
被処理体を取り出した後、前記フッ化水素ガスを供給して前記反応室と前記排気管との少なくとも一方を洗浄する、
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の洗浄方法。 - 前記排気管の複数箇所で、排気中の不純物を複数のトラップにより除去し、
前記複数のトラップの間で、前記排気管の管路の開度を制御することにより、前記フッ化水素ガスの圧力を制御する、
ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の洗浄方法。 - 熱処理装置の反応室と該反応室に接続された排気管との少なくとも一方を洗浄する洗浄方法であって、
前記反応室と前記排気管との少なくとも一方を加熱し、
前記反応室と前記排気管との少なくとも一方にフッ化水素ガスを供給し、
前記フッ化水素ガスの供給を停止したのち、前記排気管内を減圧し、
パージ用ガスの供給と前記排気管内の減圧とを所定回数行ったのち、前記反応室と前記排気管との少なくとも一方に成膜用ガスを供給し、
再び、前記パージ用ガスの供給と前記排気管内の減圧とを所定回数繰り返す、
ことにより前記フッ化水素ガスを除去する、ことを特徴とする洗浄方法。 - 前記パージ用ガスは、窒素ガスから構成され、
前記成膜用ガスはアルコキシシランを含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の洗浄方法。
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