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JP4425839B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

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JP4425839B2 JP2005257714A JP2005257714A JP4425839B2 JP 4425839 B2 JP4425839 B2 JP 4425839B2 JP 2005257714 A JP2005257714 A JP 2005257714A JP 2005257714 A JP2005257714 A JP 2005257714A JP 4425839 B2 JP4425839 B2 JP 4425839B2
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Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを変更することができる可変バルブタイミング機構および排気ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置を備える内燃機関において、バルブタイミングに応じてEGR量を切り換えるための制御装置に関する。
車両の内燃機関の制御において、吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構を設け、内燃機関の運転状態に応じて吸入空気量を制御するようにしたものがある。可変バルブタイミング機構による吸入空気量制御は、吸気バルブを閉じるタイミングを通常より遅くすることによって吸入空気量を少なくする。このため、スロットルバルブで吸気管を絞る必要が無くなるので、ポンピングロスを低減させ、燃費を向上させることができる。
この可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関において、排気ガスを吸気管へ還流するEGR装置を使用する場合、バルブタイミングに応じて、排気管から吸気管へ還流するEGR量を変更しなければならない。吸気バルブを閉じるタイミングを通常時より遅くしたバルブタイミング(遅閉じバルブタイミング)では、吸入空気量が少なくなるので、これに比例してEGR量の許容量も少なくなる。このため、従来、通常の吸気バルブの開閉タイミング(通常バルブタイミング)と遅閉じバルブタイミングにおいて、内燃機関の運転状態からEGR量を決めるマップをそれぞれ別々に用意しておき、バルブタイミングが切り替わるのに応じて、マップを持ち替えていた(例えば特許文献1を参照)。
特開昭64−80735号
本願の発明者は、可変バルブタイミング機構によって通常バルブタイミングから遅閉じバルブタイミングへ切り替わるのと同時にマップを持ち替えると、遅閉じバルブタイミングにおけるEGR量の許容量を超えた排気ガスが吸気管に導入される場合があり、このとき吸気管内の圧力が大きく増大してサージングが発生することを見出した。サージングの発生は、空燃比制御のための演算などに好ましくない影響を与える。
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、スムーズにバルブタイミングを切り替えることができる内燃機関の制御装置を提供することである。
本発明は、内燃機関の吸気バルブの開閉を第1の開閉タイミングと、該第1の開閉タイミングより前記吸気バルブを閉じるタイミングを遅くした第2の開閉タイミングとの間で切り替える可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関における排気系と吸気系とを連通するEGR通路と、EGR量を調整するEGR弁と、を備えるEGR装置と、を有する内燃機関の制御装置を提供する。この装置は、前記可変バルブタイミング機構が前記第1の開閉タイミングから前記第2の開閉タイミングに切り替える際、所定時間前に前記第1の開閉タイミングにおける第1のEGR量から、該第1のEGR量より減少された、前記第2の開閉タイミングにおける第2のEGR量へと切り替えるよう構成されている。
この発明により、バルブタイミングを切り替える前にEGR量マップを持ち替えるので、吸気管内の圧力の急増によるサージングを回避することができ、吸気管圧力の安定した状態でバルブタイミングを切り替えることができる。
本発明の一実施形態によれば、内燃機関の制御装置は、前記内燃機関の運転状態を検出する検出手段と、前記運転状態に応じて、前記第1の開閉タイミングから前記第2の開閉タイミングに切り換えるための要求信号を出力する出力手段と、前記要求信号が出力されてからの時間を計時する計時手段と、をさらに有する。この制御装置は、前記計時手段で計時された時間が所定時間経過した後、前記第1のEGR量から前記第2のEGR量に切り換えるように構成されている。
次に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(以下「エンジン」という)およびその制御装置の構成を示す概略図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)5は、車両各部から送られてくるデータを受け入れる入力インタフェース5a、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU5b、読取り専用メモリ(ROM)および一時記憶用のランダムアクセスメモリ(RAM)を有するメモリ5c、および車両の各部に制御信号を送る出力インタフェース5dを備えるコンピュータである。メモリ5cのROMには、車両の各部の制御を行うためのプログラムおよび各種のデータが格納されている。
本発明に従うEGRのリフト量マップの切替のためのプログラム、および該プログラムの実行の際に用いるデータおよびテーブルは、メモリ5cのROMに格納されている。このROMは、EEPROMのような書替え可能なROMであっても良い。RAMには、CPU5bによる演算の作業領域が設けられ、車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号が一時的に記憶される。
ECU5に向けて送られたセンサ出力等の各種信号は入力インタフェース5aに渡され、アナログ−デジタル変換される。CPU5bは、変換されたデジタル信号をメモリ5cに格納されているプログラムに従って処理して、制御信号を作り出す。出力インタフェース5dは、これらの制御信号を車両の各部位へと送る。
エンジン1は、例えば4気筒4サイクルのエンジンであり、図には、そのうちの一つの気筒が概略的に示されている。エンジン1は、吸気バルブ17を介して吸気管2に連結され、排気バルブ19を介して排気管14に連結されている。ECU5からの制御信号に従って燃料を噴射する燃料噴射弁6が、吸気管2に設けられている。燃料室1cには、ECU5からの点火時期信号に従って火花を飛ばす点火プラグ18が設けられている。なお、エンジン1は、各気筒に吸気バルブ2個、排気バルブ2個を備える4バルブ式であるが、ここでは説明の便宜上、吸気バルブおよび排気バルブを1個ずつ示している。
エンジン1は、吸気管2から吸入される空気と、燃料噴射弁6から噴射される燃料との混合気を、燃焼室1cに吸入し、該混合気を、点火プラグ18による火花により燃焼する。この燃焼により混合気の体積は増大し、ピストン1aを下方に押し下げる。ピストン1aの往復運動は、クランクシャフト(図示せず)の回転運動に変換される。4サイクルエンジンでは、エンジンのサイクルは、吸入、圧縮、燃焼、および排気行程からなる。ピストン1aは、1サイクルにつき2往復する。
エンジン1は、ECU5からの指令に応じて、吸気バルブ17と排気バルブ19の開閉タイミングを変化させて、運転条件に応じた最適なバルブタイミングを実現する。
エンジン1には、クランク角センサ13が設けられている。クランク角センサ13は、クランクシャフト(図示せず)の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU5に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角で(たとえば、30度ごとに)出力されるパルス信号である。ECU5は、該CRK信号に応じ、エンジン1の回転数NEを算出する。TDC信号は、ピストン1aのTDC位置(上死点)に関連したクランク角度で出力されるパルス信号である。
エンジン1には、水温センサ10が取り付けられている。水温センサ10は、エンジン1のシリンダブロックの冷却水が充満した気筒周壁(図示せず)に取り付けられている。水温センサ10は、エンジン冷却水の温度TWを検出し、その信号をECU5に送る。
吸気管2の途中には、吸気管内を流れる空気の流量を調節するスロットル弁3が取り付けられ、開度θTHを制御するためのアクチュエータ(図示せず)に連結されている。アクチュエータはECU5に電気的に接続されており、ECU5からの信号によってスロットル開度θTH、すなわち吸気量を変化させる。
吸気管2のスロットル弁3より下流側、吸気マニホールド(図示せず)の近傍には、圧力センサ8及び吸気温センサ9が取り付けられており、それぞれ吸気官内の圧力PB及び温度TAを検出して、その信号をECU5に送る。
吸気管2および排気管14の間には、排気ガス再循環(EGR:Exhaust gas recirculation)装置11が設置されている。EGR装置11は、吸気管2および排気管14を連通するEGR通路11bを介して、排気ガスを再び吸気管2に導入して吸入空気と混合させる。EGR装置11は、排気ガスの一部を吸気に混ぜることにより、燃焼温度を低下させ、窒素酸化物NOxを低減することができる。
EGR装置11は、EGR通路11bに設けられたEGRバルブ11aのリフト量を調整することにより、再循環させる排気ガスの量を制御する。EGRバルブ11aは、ECU5から送られる制御指令に応じてバルブの開度を調整する。
可変バルブタイミング機構21は、ECUからの制御信号に従って、吸気バルブ17および排気バルブ19の開閉タイミングを変更することができる機構である。具体的には、カムシャフトにリフトプロファイルの異なる2つのカムを備えており、これらのカムはロッカアームを介してバルブに連結される。ロッカアーム内のピンを油圧で移動させることによって、2つのカムとロッカアームとの結合関係を変更し、バルブの開閉タイミングを切り替える。
本実施形態では、可変バルブタイミング機構21は、図2に示すような2種類のバルブタイミングを取る。
図2(a)は、通常のバルブタイミング(通常V/T)における吸気バルブおよび排気バルブのリフト量を示す図である。グラフの横軸はカム角度であり、ピストン1aの上死点を0度、下死点を±180度として表している。グラフの縦軸はバルブのリフト量である。曲線31は吸気バルブ17のリフト量の推移を示しており、曲線33は排気バルブ19のリフト量の推移を示す。
吸気バルブ17は、ピストン1aが上死点(0度)に達する前に開き始め、ピストン1aが下死点(180度)に達して圧縮行程が始まった後に閉じる。一方、排気バルブ19は、ピストン1aが下死点(−180度)に達する前に開き始め、ピストン1aが上死点(0度)に達して吸気行程が始まった後に閉じる。
図2(b)は、吸気バルブ17のうちの1つの閉じるタイミングを遅らせたバルブタイミング(遅閉じV/T)おける吸気バルブおよび排気バルブのリフト量を示す図である。グラフの横軸と縦軸は図2(a)と同様である。曲線35は遅閉じV/Tの吸気バルブ17のリフト量の推移を示す。曲線37は他方の吸気バルブのリフト量の推移を示しており、曲線39は排気バルブ19のリフト量の推移を示す。曲線37および曲線39の推移は、図2(a)の曲線31および曲線33のものと同様である。
遅閉じV/Tにおいて、吸気バルブ17はピストン1aが上死点(0度)に達する前に開き始め、最大リフト量を一定時間保持する。そして、通常V/Tの閉じるタイミングより遅いタイミングで、ピストン1aが下死点(180度)を過ぎた後の圧縮行程の間に吸気バルブ17は閉じる。
遅閉じV/Tは、圧縮行程の間で通常V/Tよりも遅いタイミングで吸気バルブ17が閉じるので、燃焼室1cに吸入される空気量を少なくすることができる。スロットル弁3を絞ることなく吸入空気量を減らすことができるので、ポンピングロスを低減して燃費を向上させることができる。
可変バルブタイミング機構21は、エンジン始動時や高負荷領域では通常V/Tを選択し、クルーズ走行中などの低負荷領域では遅閉じV/Tを選択する。
ここで、EGR装置11は、エンジン回転数NEや吸気管圧力PBなどエンジンの運転状態に応じて、最適なEGR量を得るためのEGR弁11aのリフト量LCMDを予め用意したマップから検索して、EGR量を制御している。可変バルブタイミング機構21によってバルブタイミングが遅閉じV/Tに切り替わると、エンジン1の吸入空気量が少なくなるので、これに比例してEGR量の許容量も少なくなる。したがって、EGR装置11は、EGR弁11aのリフト量マップを、設定されたバルブタイミング毎に別々に用意しておき、可変バルブタイミング機構21がバルブタイミングを切り替えるのに応じてマップを持ち替える。
しかし、可変バルブタイミング機構21がバルブタイミングを変更するときに同時にマップを持ち変えると、遅閉じV/TにおけるEGR量の許容量を超えた排気ガスが吸気管に導入される場合があり、このとき吸気管内の圧力Pbが大きく増大してサージングが発生する。
本実施形態では、スムーズにバルブタイミングを切り替えるために、可変バルブタイミング機構21がバルブタイミングを変更する前に、EGR弁11aのリフト量マップを持ち替えることでこの問題を解消する。
図3は、本実施形態におけるバルブタイミングおよびEGR弁11aのリフト量マップの切り替え処理の概略を示す図である。
図3の(a)を参照すると、まず始めに、エンジン1の運転状態に応じて、バルブタイミング切替要求フラグが立ち上がる。このフラグが立ってからバルブタイミング切換タイマが始動して、図3の(c)に見られるように、所定時刻経過後にバルブタイミングが切り替わるように設定されている。バルブタイミング切換タイマは、例えば3秒である。
バルブタイミング切換要求フラグが立ち上がると同時に、マップ切替タイマが始動し、図3の(b)に見られるように、所定時刻経過後にリフト量マップが通常V/T用マップから遅閉じV/T用マップへと切り替わる。マップ切替タイマは、図3の(b)に示すように、バルブタイミング切換タイマより短く設定されており、例えば2秒である。
リフト量マップが切り替わると、遅閉じV/Tマップに従ったEGR量が吸気管へと還流され、吸気管圧力Pbは新たなEGR量に応じた値に変化する。遅閉じV/TマップによるEGR量は通常V/Tマップのものより少ないので、図3(d)に示すように吸気管圧力Pbは低下する。
そして、図3の(c)に見られるように、バルブタイミング切換タイマが0になって時点で、バルブタイミングが通常V/Tから遅閉じV/Tへと切り替わる。
図3の(d)に示すように、バルブタイミングが遅閉じV/Tに切り替えられる前にEGR量が変更され、吸気管圧力Pbが低下した状態でバルブタイミングを切り替える。これにより、サージングを回避して切替時のショックを低減することができる。
図4は、EGR弁11aのリフト量を算出するためのフローチャートである。
ステップS101において、EGRを実施する許可が出ているかどうかを確認する。EGR実施可能ならばステップS103に進み、不可ならばEGR11を制御せずに処理を終了する。
ステップS103において、EGR弁11aのリフト量マップの選択フラグを確認する。リフト量マップは、本実施形態では、通常V/T用および遅閉じV/T用の2種類である。EGRリフト量マップを切り替える処理については図5を参照して後述する。選択フラグが1のとき、通常V/T用マップが選択されてステップS105に進む。選択フラグが0のとき、遅閉じV/T用マップが選択されてステップS107に進む。
ステップS105において、通常V/T用マップを用いて、EGR弁11aのリフト量LCMDを検索する。リフト量LCMDは、エンジン回転数NEおよび吸気管圧力Pbから求められる。
ステップS107において、遅閉じV/T用マップを用いて、EGR弁11aのリフト量LCMDを検索する。リフト量LCMDは、エンジン回転数NEおよび吸気管圧力Pbから求められる。
図5は、EGRのリフト量マップを切り替える処理のためのフローチャートである。
ステップS201において、バルブタイミング切換要求フラグを確認する。バルブタイミング切換要求フラグが1ならば、バルブタイミングの切替要求が有りと判断してステップS205に進む。バルブタイミング切換要求フラグが0ならば、バルブタイミングの切替要求が無いと判断してステップS203に進む。
ステップS203では、マップ切替タイマを所定値に設定する。マップ切替タイマは、バルブタイミング切換要求フラグが立ってから、EGRのリフト量マップが切り替わるまでの時間であり、例えば2秒である。
ステップS205では、マップ切替タイマが0となったかどうかを確認する。タイマが0となるまでは、ステップS209に進み通常V/T用マップを選択する。そして、タイマが0になったら、ステップS207に進み遅閉じV/T用マップを選択する。
以上にこの発明を特定の実施例について説明したが、この発明はこのような実施例に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る内燃機関およびその制御装置の構成を示す概略図である。 本実施形態で適用する通常バルブタイミングおよび遅閉じバルブタイミングにおける、吸気バルブおよび排気バルブのリフト量を示す図である。 本実施形態におけるバルブタイミングおよびEGR弁のリフト量マップの切り替え処理の概略を示す図である。 EGR弁のリフト量を算出する処理のフローチャートである。 EGRのリフト量マップを切り替える処理のフローチャートである。
符号の説明
5 ECU
8 圧力センサ
11 EGR装置
13 クランク角センサ
17 吸気バルブ
21 可変バルブタイミング機構

Claims (1)

  1. 内燃機関の吸気バルブの開閉を第1の開閉タイミングと、該第1の開閉タイミングより前記吸気バルブを閉じるタイミングを遅くした第2の開閉タイミングとの間で切り替える可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関における排気系と吸気系とを連通するEGR通路と、EGR量を調整するEGR弁と、を備えるEGR装置と、を有する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態を検出する検出手段と、
    前記運転状態に応じて、前記第1の開閉タイミングから前記第2の開閉タイミングに切り換えるための要求信号を出力する出力手段と、
    前記要求信号が出力されてからの時間を計時する計時手段と、をさらに有し、
    前記可変バルブタイミング機構は、前記要求信号が出力されてから第1所定時間の経過後にバルブタイミングが切り替わるように設定され、
    前記EGR装置は、前記第1の開閉タイミングでの第1のEGR量を得るための前記EGR弁のリフト量を規定する第1のマップと、前記第2の開閉タイミングでの、前記第1のEGR量より少ない第2のEGR量を得るための前記EGR弁のリフト量を規定する第2のマップとを備え、
    前記制御装置は、前記計時手段で計時された時間が前記第1所定時間よりも短い第2所定時間を経過した後、前記第1のマップから前記第2のマップに切り替えるよう構成されている、内燃機関の制御装置。
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