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JP4423619B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents

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JP4423619B2 JP2007090513A JP2007090513A JP4423619B2 JP 4423619 B2 JP4423619 B2 JP 4423619B2 JP 2007090513 A JP2007090513 A JP 2007090513A JP 2007090513 A JP2007090513 A JP 2007090513A JP 4423619 B2 JP4423619 B2 JP 4423619B2
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Description

本発明は、高周波信号に対して非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、特に携帯電話等の移動体通信システム中で使用され、一般にアイソレータと呼ばれる非可逆回路素子に関する。
数100MHzから十数GHzの周波数帯を利用した移動体通信機器、すなわちPHS(パーソナル・ハンデイ・ホン)の基地局や、携帯電話の端末機等には、アイソレータ等の非可逆回路素子が多く使用されている。アイソレータは、例えば移動体通信機器の送信段において電力増幅器とアンテナとの間に配置され、電力増幅器への不要信号の逆流を防ぐとともに、電力増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる。従って、アイソレータは挿入損失特性、反射損失特性及びアイソレーション特性に優れていることが要求される。
図7は特許文献1に開示された2端子対アイソレータの等価回路であり、図8はその各部品を示す分解斜視図である。この2端子対アイソレータは、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間に設けられ、第1のインダクタンス素子L1を形成する第1中心導体21と、第1中心導体21と電気的絶縁状態で交差するように第2入出力ポートP2とグランドとの間に設けられ、第2のインダクタンス素子L2を形成する第2中心導体22と、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に設けられ、第1のインダクタンス素子L1と第1並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ci及び抵抗素子Rと、第2入出力ポートP2とグランドとの間に設けられ、第2のインダクタンス素子L2と第2並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子Cfとを有する。
第1入出力ポートP1から第2入出力ポートP2に高周波信号が伝搬する際には、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間の第1並列共振回路は共振しないが、第2並列共振回路が共振するため伝送損失が少ない(挿入損失特性に優れている)。第2入出力ポートP2から第1入出力ポートP1に逆流する電流は、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間の抵抗素子Rに吸収される。
図8に示すように、2端子対アイソレータ1は、磁気回路を構成するように軟鉄等の強磁性金属からなるケース(上側ケース4、下側ケース8)と、永久磁石9と、マイクロ波フェライト20及び中心導体21,22からなる中心導体組立体13と、中心導体組立体13を搭載する積層基板30とを備えている。中心導体組立体13は、円板状マイクロ波フェライト20と、その上面に絶縁層(図示せず)を介して直交するように配置された第1及び第2の中心導体21,22とを備えている。第1及び第2の中心導体21,22はそれぞれ二本の線路で構成され、各線路の両端部は相互に分離した状態でマイクロ波フェライト20の下面に延在している。
積層基板30には、第1の並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ciと、第2の並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子Cfと、抵抗素子Rとが形成されている。積層基板30は、中心導体21,22の端部と接続する電極51〜54を備え、第1中心導体21の一端部は、電極51を介して入力外部電極14に接続されている。第1中心導体21の他端部は、電極54を介して出力外部電極15に接続されている。第2中心導体22の一端部は、電極53を介して出力外部電極15に接続されている。第2中心導体22の他端部は、電極52を介してグランド外部電極16に接続されている。
電気的特性に優れた2端子対アイソレータを得ようとすれば、リアクタンス素子を接続する接続線路によって生じるインダクタンスや、電極パターン間の干渉により生じる浮遊キャパシタンス等、製造上の様々なばらつき要因を考慮する必要がある。前記2端子対アイソレータでは、不要なリアクタンス成分が、前記第1、第2並列共振回路に接続する場合があり、その結果、2端子対アイソレータの入力インピーダンスが所望の値からずれ、2端子対アイソレータと接続する他の回路とのインピーダンス不整合を生じ、その結果、挿入損失特性、アイソレーション特性を劣化させる問題があった。
前記不要なリアクタンス成分を考慮して、前記第1、第2並列共振回を構成するインダクタンス、キャパシタンスを決定することは可能である。しかしながら、単純に第1、第2中心導体21,22を構成する線路の幅や間隔等を変更するなどしても、第1、第2中心導体21,22が相互に結合しているために、第1、第2インダクタンス素子L1,L2のインダクタンス値が共に変化し、第1入出力ポートP1,第2入出力ポートP2の入力インピーダンスを,それぞれ独立して調整するのが難しく、外部回路との最適な整合条件を得るのが困難な場合があった。また、特に第1入出力ポートP1の入力インピーダンスのずれは、挿入損失の増加を招く為に好ましいものでは無かった。
このような問題を解決する為、本発明者等は特許文献2において、第1入出力ポートP1から第1インダクタンス素子との間に、インピーダンス調整手段を配置することを提案している。
特開2004−88743 特開2006−50543
前記インピーダンス調整手段はリアクタンス素子で構成されており、積層基板に形成された電極パターンで形成したり、チップ部品として積層基板に実装したりして形成することが開示されている。この方法はインピーダンス調整するのに、実効的で有効なものであるが、特にキャパシタンス素子を設ける場合には、積層基板の小型化に伴う電極パターン形成面積や積層基板の厚みの制限から、所望の容量値を得るのに、電極パターンが形成出来ない場合があった。また形成されたキャパシタンス素子について、所望の容量値であるかを計測する必要があるが、第1キャパシタンス素子Ciと第2キャパシタンス素子Cfの影響により困難である場合もあった。
そこで本発明は、インピーダンス調整手段として用いられるキャパシタンス素子を、積層基板が大型化する事無く形成可能な非可逆回路素子を提供することを第1の目的とする。また前記キャパシタンス素子の容量値を第1キャパシタンス素子Ciと第2キャパシタンス素子Cfの影響を受けないで計測可能とすることを第2の目的とする。
第1の発明は、第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとグランドとの間に接続された第2インダクタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続され、前記第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2入出力ポートとグランドとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートとグランドとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続された抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であって、
前記第3キャパシタンス素子は、誘電体層と電極パターンで構成された積層基板に形成され、前記積層基板の底面には入力端子電極と出力端子電極と第1グラント電極が設けられ、前記入力端子電極を、誘電体層を介して積層基板の内部に設けられた第2グラント電極を対向させて前記第3キャパシタンス素子を形成し、前記第1グラント電極と前記第2グラント電極とをビアホールで接続したことを特徴とする非可逆回路素子である。
本発明においては、積層基板の内部に前記入力端子電極と接続する第1キャパシタンス素子用電極を設け、誘電体層を介して前記第2グラント電極とを対向させるのが好ましい。
第2の発明は、第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとグランドとの間に接続された第2インダクタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続され、前記第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2入出力ポートとグランドとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートとグランドとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続された抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であって、
前記第3キャパシタンス素子は、誘電体層と電極パターンで構成された積層基板に形成され、前記積層基板の底面には入力端子電極と出力端子電極と第1グラント電極と第3グランド電極が設けられ、積層基板の内部には第2グラント電極と、前記入力端子電極と接続する第1キャパシタンス素子用電極が設けられ、誘電体層を介して前記第2グラント電極と第1キャパシタンス素子用電極を対向させて前記第3キャパシタンス素子を形成し、前記第2グラント電極と前記第3グラント電極とをビアホールで接続したことを特徴とする非可逆回路素子である。
第1または第2の発明においては、前記積層体内に、積層体の下面側から順に第4グランド電極と、出力端子電極と接続する第1キャパシタンス素子用電極を設け、誘電体層を介して対向して第2キャパシタンス素子を形成し、前記第4グランド電極と前記第1グラント電極とをビアホールで接続するのが好ましい。
また、前記積層体の上面に実装用電極を設け、前記実装用電極にマイクロ波フェライトに配置された複数の中心導体を備えた中心導体組立体を実装し、前記中心導体で第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子を形成するのが好ましい。
(第1の実施態様)
図1は、発明の一実施態様による非可逆回路素子の外観斜視図であり、図2はその上面図を示す。また、図3は非可逆回路素子の等価回路を示し、図4は非可逆回路素子の分解斜視図であり、図5は非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。
この非可逆回路素子は、第1のインダクタンス素子L1と、第2のインダクタンス素子L2と、第1のインダクタンス素子L1と第1の並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子Ciと、第2のインダクタンス素子L2と第2の並列共振回路とを構成する第2キャパシタンス素子Cfと、第1入出力ポートP1とグランドとの間に接続された第3キャパシタンス素子Cinと、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2の間に接続された抵抗素子Rとを具備する。
非可逆回路素子1は、マイクロ波フェライト20及びそれを包むように配置された中心導体(マイクロ波フェライト20上で互いに電気的絶縁状態で交差する第1中心導体21及び第2中心導体22からなる)を備えた中心導体組立体13と、内部にコンデンサCi及びCfが形成され、表面に電極パターン35、40,45,60、入出力端子電極IN,OUT、第1グランド電極GND1が形成され、チップ抵抗Rを実装した積層基板30と、積層基板30を収容する下ケース8と、マイクロ波フェライト20に直流磁界を供給する永久磁石9と、永久磁石9を収容するとともに、下ケース8と係合する上ケース4とを具備する。
中心導体組立体13には、例えば矩形状のマイクロ波フェライト20の表面に、第1中心導体21及び第2中心導体22が絶縁層(図示せず)を介して交差するように配置されている。本実施例では第1中心導体21及び第2中心導体22は直交している(交差角が90°である)が、交差角が90°以外の場合も本発明の範囲内である。一般に、第1中心導体21及び第2中心導体22は80°〜110°の角度範囲で交差していれば良い。
このような中心導体は、例えば厚さ30μmの銅板から打ち抜き等により形成することができる。高周波における表皮効果により損失を低減するために、銅板に厚さ1〜4μmの銀メッキを施すのが好ましい。本実施例において、第1中心導体21は3本の並列導体(線路)からなり、第2中心導体22は1本の導体(線路)からなる。このような構成により、第1中心導体21のインダクタンスは第2中心導体22のインダクタンスより小さく形成されて、インピーダンスが調整される。
第1中心導体21及び第2中心導体22を一枚の銅板により一体的に形成する代わりに、別々の銅板により形成しても良い。またポリイミド等の可撓性耐熱絶縁シートの両面に、第1中心導体21及び第2中心導体22を、印刷法又はエッチング法により形成しても良い。さらにマイクロ波フェライト20に第1中心導体21及び第2中心導体22を印刷しても良い。このように、第1中心導体21及び第2中心導体22の形態は限定的ではない。
マイクロ波フェライト20は、永久磁石9からの直流磁界に対して非可逆回路素子としての機能を果たす磁性材であれば良い。好ましい磁性材として、イットリウム−鉄−ガーネット(YIG)等のようなガーネット構造を有するフェライトが挙げられるが、使用周波数によってはNi系フェライト等のスピネル構造を有するフェライトを用いることもできる。YIGの場合、Yの一部をGd,Ca,V等で置換しても良く、またFeの一部をAl,Ga等で置換しても良い。また第1及び第2の中心導体21,22を印刷して形成する場合、中心導体を構成する電極パターンと同時焼成可能なように、所定量のBiを添加しても良い。
中心導体組立体13に直流磁界を印加する永久磁石9は、上ケース4の内壁面に接着剤等により固定される。永久磁石9としては、コスト及びマイクロ波フェライト20との温度特性の相性の観点から、フェライト磁石[例えば、(Sr/Ba)O・nFe]が好ましい。さらに(Sr/Ba)RO・n(FeM)[RはYを含む希土類元素の少なくとも1種の元素で、Sr及び/又はBaの一部を置換し、MはCo、Mn、Ni及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で、Feの一部を置換している]により表される組成を有し、マグネトプランバイト型結晶構造を有し、R元素及び/又はM元素が化合物の状態で仮焼後の粉砕工程で添加されたフェライト磁石は、高い磁束密度を有するので、非可逆回路素子の小型化及び薄型化を可能にする。フェライト磁石の磁気特性としては、残留磁束密度Brが430mT以上、特に440mT以上であり、保持力iHcが340kA/m以上であり、最大エネルギー積(BH)maxが35kJ/m以上であるのが好ましい。
積層基板30は、公知のLTCC(Low Temperature Co−fireable Ceramics)法で作製される。低温焼成が可能なセラミックからなる誘電体シート上に、Ag,Cu等を主体とする導電ペーストを印刷して所望の導体パターンを形成し、得られた複数の導体パターン付き誘電体シートを積層し、焼成することにより得られる。これにより、複数のキャパシタンス素子を一体化した積層基板30が得られる。積層基板50に低温焼結セラミックスを用いることにより、Ag,Cu,Au等の高い導電率を有する金属を電極パターンに使用できる。そして高いQ値を有する誘電体材料を用いるとともに、電気抵抗による損失を抑えた電極を用いることにより、極めて損失の小さい非可逆回路素子が得られる。
誘電体シートS1には実装用電極35,40,45,50が配設され、誘電体シートS2には第1キャパシタンス素子用電極36が形成され、誘電体シートS3には第2キャパシタンス素子用電極37が形成され、誘電体シートS4には第1キャパシタンス素子用電極38が形成され、誘電体シートS5には第2グランド電極GND2、第4グランド電極GND4が形成されている。積層基板30の裏面には、入力端子電極INと出力端子電極OUTとが第1グランド電極GND1を挟んで配設されている。
誘電体シートS1〜S5上の電極パターンは、導電性ペーストを充填したビアホール(図中黒丸で表示)を介して適宜電気的に接続されている。積層基板30の表面に形成された実装用電極60は、ビアホールと誘電体シートS3の第2キャパシタンス素子用電極37を介して入力端子電極INと接続する。また、実装用電極40及び45は電気的に接続されており、ビアホールと誘電体シートS2の第1キャパシタンス素子用電極36、及び誘電体シートS4の第1キャパシタンス素子用電極38を介して、出力端子電極OUTと接続する。また電極パターン35は、ビアホールと第2グランド電極GND2を介して第1グランド電極GND1と接続する。電極パターン36,37,38は第1のキャパシタンス素子Ciを形成し、電極パターン38と誘電体シートS5の第4グランド電極GND4で第2のキャパシタンス素子Cfを形成している。
そして、誘電体シートS5の第2グランド電極GND2は、誘電体シートS3の第2キャパシタンス素子用電極37、及び入力端子電極INとで、インピーダンス整合用の第3のキャパシタンス素子Cinを形成している。この様に入力端子電極INを第3のキャパシタンス素子Cinを形成するキャパシタ用電極パターンとすることで、積層基板を大型化する事無く、所望の容量値を有する第3のキャパシタンス素子Cinを形成することが可能となった。
下ケース8内に積層基板30を収容し、積層基板30の入力端子電極IN及び出力端子電極OUTを、下ケース8の入力端子の露出端及び出力端子の露出端(図視せず)にそれぞれ半田付する。積層基板30の底部の第グランド電極GND1は、下ケース8のフレーム底部に半田付される。下ケース8や、これと係合する上ケース4は、軟鉄等の強磁性体により形成され、永久磁石40、中心導体組立体30及び積層基板50を囲む磁気回路を形成する磁気ヨークとして機能する。また下ケース8は樹脂壁を備えており、端子IN、OUTを保持して下ケース8と一体化している。
上、下ケース4,8には、Ag、Au、Cu及びAlからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属、又はその合金からなるメッキ層を形成するのが好ましい。メッキ層の電気抵抗率は5.5μΩcm以下が好ましく、3μΩcm以下がより好ましく、1.8μΩcm以下が最も好ましい。メッキ層の厚さは0.5〜25μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜8μmが最も好ましい。このような構成により、外部回路との相互干渉を抑制して損失を低減することができる。
以上の様にして小型で、かつ電気的特性に優れた非可逆回路素子を得ることが出来た。
(第2の実施態様)
本実施態様の非可逆回路素子は、第3キャパシタンス素子の容量値を正確に計測可能とした積層基板を用いたものである。なお、第1の実施態様の非可逆回路素子と共通する構成も多いので、相違する点を中心にして以下説明する。
図6は本実施態様の非可逆回路素子に用いた積層基板の分解斜視図である。この積層基板もまた、公知のLTCC法で作製される。誘電体シートS1には実装用電極35,40,45,60,65が配設され、誘電体シートS2には第5グランド電極GND5が形成され、誘電体シートS3には第1キャパシタンス素子用電極36が形成され、誘電体シートS4には第2キャパシタンス素子用電極37が形成され、誘電体シートS5には第1キャパシタンス素子用電極38と第2グランド電極GND2が形成され、誘電体シートS6には第4グランド電極GND4が形成されている。積層基板30の裏面には、入力端子電極INと出力端子電極OUTとが第1グランド電極GND1を挟んで、略中間部に配設されている。更に、第1グランド電極GND1と電気的に離隔して第3グランド電極GND3が形成されている。
誘電体シートS1〜S6上の電極パターンは、導電性ペーストを充填したビアホール(図中黒丸で表示)を介して適宜電気的に接続されている。積層基板30の表面に形成された実装用電極60、65は、ビアホールと誘電体シートS4の第2キャパシタンス素子用電極37を介して入力端子電極INと接続する。また、実装用電極40及び45は電気的に接続されており、ビアホールと誘電体シートS3の第1キャパシタンス素子用電極36、及び誘電体シートS5の第1キャパシタンス素子用電極38を介して、出力端子電極OUTと接続する。また電極パターン35は、ビアホールと第5グランド電極GND5、第4グランド電極GND4を介して第1グランド電極GND1と接続する。また誘電体シートS4の第2グランド電極GND2は、ビアホールを介して積層基板の裏面に設けられた第3グランド電極GND3と接続する。電極パターン36,37,38は第1のキャパシタンス素子Ciを形成し、電極パターン36と第5グランド電極GND5、及び電極パターン38と第4グランド電極GND4で第2のキャパシタンス素子Cfを形成している。
そして第2グランド電極GND2は、誘電体シートS4の第2キャパシタンス素子用電極37とで、インピーダンス整合用の第3のキャパシタンス素子Cinを形成している。この様に積層基板の裏面でグランド電極を分割することで、第1及び第2キャパシタンス素子Ci、Cfと第3キャパシタンス素子Cinとが電気的に分離された状態となる。積層基板の状態で、入力端子電極INと出力端子電極OUTの間では第1キャパシタンス素子Ciが、出力端子電極OUTと第1グランド電極GND1との間では第2キャパシタンス素子Cfが、実装用電極60あるいは65と第3グランド電極GND3との間では第3キャパシタンス素子Cinの容量値が正確に計測できる。
積層基板の実装用電極45と60との間に抵抗素子Rを実装し、更に中心導体組立体30を実装した後、下ケース内に積層基板を収容し、積層基板の入力端子電極IN及び出力端子電極OUTを、下ケースの入力端子の露出端及び出力端子の露出端にそれぞれ半田付する。なお、下ケースの入力端子の露出端及び出力端子の露出端は、積層基板の入力端子電極IN及び出力端子電極OUTに対応する位置形成されている。積層基板の底部の第グランド電極GND1及び第3グランド電極GND3は、下ケースのフレーム底部に半田付されて相互に電気的接続がなされる。
本発明によれば、インピーダンス調整手段として用いられるキャパシタンス素子を、積層基板が大型化する事無く形成可能とし、また前記キャパシタンス素子の容量値を第1キャパシタンス素子Ciと第2キャパシタンス素子Cfの影響を受けないで計測可能とし、積層基板が大型化する事無く形成可能で、小型でかつ、電気的特性に優れた非可逆回路素子を得ることが出来たる。
本発明の一実施態様による非可逆回路素子の外観斜視図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の平面図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の等価回路図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の分解斜視図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。 本発明の他の実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板の分解斜視図である。 従来の非可逆回路素子の等価回路図である。 従来の非可逆回路素子の分解斜視図である。
符号の説明
1 非可逆回路素子
4 上ケース
8 下ケース
9 永久磁石
13 中心導体組立体
20 マイクロ波フェライト
21,22 中心導体
30 積層基板
35,60,40,45 表面電極パターン

Claims (5)

  1. 第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとグランドとの間に接続された第2インダクタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続され、前記第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2入出力ポートとグランドとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートとグランドとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続された抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であって、
    前記第3キャパシタンス素子は、誘電体層と電極パターンで構成された積層基板に形成され、前記積層基板の底面には入力端子電極と出力端子電極と第1グラント電極が設けられ、前記入力端子電極を、誘電体層を介して積層基板の内部に設けられた第2グラント電極を対向させて前記第3キャパシタンス素子を形成し、前記第1グラント電極と前記第2グラント電極とをビアホールで接続したことを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 積層基板の内部に前記入力端子電極と接続する第1キャパシタンス素子用電極が設けられ、誘電体層を介して前記第2グラント電極とが対向することを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタンス素子と、第2入出力ポートとグランドとの間に接続された第2インダクタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続され、前記第1インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第1キャパシタンス素子と、前記第2入出力ポートとグランドとの間に接続され、前記第2インダクタンス素子と並列共振回路を構成する第2キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートとグランドとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、前記第1入出力ポートと前記第2入出力ポートとの間に接続された抵抗素子とを備えた非可逆回路素子であって、
    前記第3キャパシタンス素子は、誘電体層と電極パターンで構成された積層基板に形成され、前記積層基板の底面には入力端子電極と出力端子電極と第1グラント電極と第3グランド電極が設けられ、積層基板の内部には第2グラント電極と、前記入力端子電極と接続する第1キャパシタンス素子用電極が設けられ、誘電体層を介して前記第2グラント電極と第1キャパシタンス素子用電極を対向させて前記第3キャパシタンス素子を形成し、前記第2グラント電極と前記第3グラント電極とをビアホールで接続したことを特徴とする非可逆回路素子。
  4. 前記積層体内には、積層体の下面側から順に第4グランド電極と、出力端子電極と接続する第1キャパシタンス素子用電極が設けられ、誘電体層を介して対向して第2キャパシタンス素子を形成し、前記第4グランド電極と前記第1グラント電極とをビアホールで接続したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5. 前記積層体の上面には実装用電極が設けられ、前記実装用電極にマイクロ波フェライトに配置された複数の中心導体を備えた中心導体組立体を実装してなり、前記中心導体で第1インダクタンス素子と第2インダクタンス素子を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の非可逆回路素子。
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