JP4422920B2 - 光偏向走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを用いた画像形成装置においてレーザビームを感光体上に走査するための回転多面鏡を有する光偏向走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームを用いた画像形成装置において、高速・高耐久化のために動圧空気軸受を用いた光偏向走査装置を使用している。例えば、特開2000−231072号公報には、回転軸下端に永久磁石を取り付け、その永久磁石の外側に別の永久磁石を互いが吸引するように配置することによって、その吸引力でスラスト方向に保持される構成の動圧空気軸受が提案されている。
【0003】
図3は上記特開平2000−231072号公報に開示された動圧空気軸受を使用した光偏向走査装置の断面図である。
【0004】
図3に示す光偏向走査装置において、駆動モータのハウジング115にセラミック材から成る固定スリーブ107が固定され、この固定スリーブ107には回転軸101が回転自在に嵌合保持されており、これによりラジアル方向に軸支する動圧空気軸受が構成されている。そして、回転軸101の外周には金属製の部材103が焼き嵌めによって取り付け固定されている。この金属製の部材103には回転多面鏡102が取り付けられており、その外周部に駆動モータの一部を構成するロータ104が固定されている。
【0005】
更に、ハウジング115上に固定された基板116にはステータ106が取り付けられており、このステータ106にはコイル105が巻き付けられ、ステータ106が駆動マグネット114に対向するように配置されることによって駆動モータが構成され、この駆動モータによって回転多面鏡102を高速回転させてレーザビームを走査する。
【0006】
次に、スラスト軸受の構成を以下に説明する。
【0007】
回転軸101の下端にリング状の第1のマグネット108を紫外線硬化型の接着剤により固定する。尚、このリング状の第1のマグネット108の内側に接着剤を塗布することによって接着効果が高められる。そして、リング状の第2のマグネット109をスリーブ107の下端部に紫外線硬化型の接着剤によって固定し、両マグネット108,109の吸引力によって回転軸101を浮上支持するよう構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光偏向走査装置には以下のような問題があった。
【0009】
即ち、第2のマグネット109をハウジング115に接着剤を塗布して固定するため、塗布した接着剤の硬化が不十分であった場合、回転軸101とスリーブ107の隙間に接着剤が流入し、回転軸101とスリーブ107が固着してしまう。
【0010】
又、軸受下端部を密閉空間119とするための蓋118をハウジング115の下端に接着剤を塗布して固定するため、その接着剤の硬化が不十分であった場合には接着剤が回転軸101とスリーブ107の隙間に流入し、回転軸101とスリーブ107が固着してしまう。回転軸101とスリーブ107には隙間が数μmしかなく、その隙間に接着剤が流入すると回転軸101がスリーブ107に固着してしまい、回転軸101が回転しなくなって光偏向走査装置としての機能を果たさなくなる。
【0011】
更に、スリーブ107の下端部に接着固定されている第2のマグネット109の公差上、蓋118を第2のマグネット109に突き当てられない。このため、回転軸101が下降したとき、第2のマグネット109と蓋118との隙間に空気が逃げてしまい、密閉空間119の圧力が高くならない。そのため、エアダンパーとしての効果が弱くなり、外部からの振動や衝撃に対して回転軸101も振動してしまい、回転軸101に取り付けられた回転多面鏡102が上下に動いてレーザビームの走査精度が低下するという問題が発生する。
【0012】
従って、本発明の目的とする処は、回転軸と固定スリーブの固着を防いで安定した走査を行うことができる光偏向走査装置を提供することにある。
【0013】
又、本発明の目的とする処は、振動や衝撃に対して信頼性が高く、高精度な走査が可能な光偏向走査装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、回転軸と、前記回転軸の外周にあって前記回転軸を回転自在に嵌合保持する固定スリーブと、前記固定スリーブの外周にあって前記固定スリーブを支持するハウジングと、前記回転軸に固定された回転多面鏡と、前記回転軸を浮上支持するために前記回転軸の下端部に固定された第1の永久磁石と、前記第1の永久磁石に対向する位置に配置された第2の永久磁石と、を有する光偏向走査装置において、前記第2の永久磁石が接着固定されるカップ状の蓋を有し、前記カップ状の蓋が前記ハウジングの外周部に嵌合して接着固定されることにより、前記固定スリーブ及び前記回転軸の下端部と前記蓋との間に空気溜りを形成することを特徴とする。
【0017】
従って、請求項1記載の発明によれば、接着剤の未硬化が防がれるため、回転軸と固定スリーブの隙間に接着剤が流入することがなくなり、接着剤の流入による回転軸と固定スリーブの固着を防いで安定した走査が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る光偏向走査装置の断面図である。
【0022】
本発明に係る光偏向走査装置においては、真鍮やアルミニウム等の金属から成るハウジング1にセラミックや金属から成る固定スリーブ2が固定され、この固定スリーブ2には回転軸3が回転自在に嵌合保持されており、これにより回転軸3をラジアル方向に軸支する動圧空気軸受が構成されている。
【0023】
そして、回転軸3の外周には金属製の部材4が焼き嵌めによって取り付け固定されており、この金属製の部材4には回転多面鏡5が取り付けられ、部材4の外周部には駆動モータの一部を構成するロータ17が固定されている。
【0024】
更に、ハウジング1上に固定された基板7にはステータ9が取り付けられている。このステータ9にはコイル8が巻き付けられており、該ステータ9が駆動マグネット6に対向するように配置されることによって駆動モータが構成され、この駆動モータは回転多面鏡5を高速回転させてレーザビームを走査する。尚、駆動マグネット6は、粉末状にしたフェライト等の磁性材料にゴムや樹脂を混合して構成された所謂ボンド磁石である。
【0025】
次に、スラスト軸受の構成について説明する。
【0026】
回転軸3の下端部に第1の永久磁石13を接着固定し、真鍮やアルミニウム等の金属の切削加工によって成形したカップ状の蓋10の内側に第1の永久磁石13に吸引する向きで第2の永久磁石11を熱硬化性や紫外線硬化性の接着剤12によって接着固定する。このとき、紫外線や熱を十分に掛けて第2の永久磁石11の接着部分を完全に硬化させる。
【0027】
次に、カップ状の蓋10全体に熱を加え、目視確認できない接着部分を完全に硬化させる。
【0028】
以上の工程を経ることによって、カップ状の蓋10の内側に第2の永久磁石11を接着するための接着剤の未硬化を防ぐことができる。尚、第1の永久磁石13と第2の永久磁石11は、粉末状にしたフェライト等の磁性材料に粉末状のゴムや樹脂を混合させて構成した所謂ボンド磁石である。
【0029】
次に、ハウジング1の外周部に嫌気性を有する紫外線硬化型の接着剤18を塗布してカップ状の蓋10を固定する。カップ状の蓋10をハウジング1に取り付けるとき、嫌気性の紫外線硬化型の接着剤18がはみ出す部分ができるが、これを硬化させるために紫外線を十分に照射する。接着剤の嫌気性の効果が十分発揮されるように、ハウジング1とカップ状の蓋10のクリアランスを狭くする。又、ハウジング1の外周とカップ状の蓋10にプライマーを塗布することによって、ハウジング1とカップ状の蓋10を接着固定するための接着剤の硬化を確実にする。
【0030】
以上のような構成とすることによって接着剤18の未硬化を防ぎ、且つ、固定スリーブ2の下端部に接着剤を塗布する必要がないため、回転軸3と固定スリーブ2の隙間に接着剤が流入することがなくなり、接着剤の流入による回転軸3と固定スリーブ2の固着を防ぐことができる。つまり、接着剤塗布を回転軸3と固定スリーブ2との隙間に近い位置で行わないことと、回転軸3と固定スリーブ2との隙間に近い位置で接着剤を使う場合には十分硬化させることによって、回転軸3と固定スリーブ2との隙間への接着剤の流入を防ぎ、回転軸3と固定スリーブ2の固着を防ぐ。
【0031】
又、カップ状の蓋10の材質をハウジング1と同じ材質にするとカップ状の蓋10とハウジング1の線膨張係数が同じになるため、外気温が変化してもカップ状の蓋10の内径とハウジング1の外径とが常に一定になり、その間に存在する接着剤に応力が作用せず、これによって接着剤の剥離を防ぐことができる。
【0032】
更に、カップ状の蓋10を取り付けることによって回転軸3の下部に閉じた空間19が形成される。この閉じた空間19は、回転軸3と固定スリーブ2のクリアランスが数μmと狭いためにほぼ密閉空間であると見なすことができる。
【0033】
そして、カップ状の蓋10をハウジング1に取り付けるとき、カップ状の蓋10に取り付けられた第2の永久磁石11の上端部をハウジング1の下端部に突き当てて取り付けることによって、第2の永久磁石11と固定スリーブ2には隙間が無くなる。この結果、回転軸3が下降したとき、隙間があるときの回転軸3が同じ高さにあるときに比べて、密閉空間19の圧力が高くなる。このことを図2を用いて詳細に説明する。
【0034】
図2(a)従来例の密閉空間119の拡大図、同図(b)は本実施の形態における密閉空間19の拡大断面図である。
【0035】
ここで、各密閉空間119,19の体積をそれぞれV,Vi、それぞれの内部圧力をP,Piとする。このとき、条件として
V>Vi …(1)
とする。
【0036】
又、気体の状態方程式から、
P・V=Pi・Vi …(2)
となる。
【0037】
式(1)と式(2)から、
P<Pi
となる。
【0038】
このため、密閉空間19が大きな振動に対するダンパーとして有効に機能し、外部からの大きな振動や衝撃に対して回転軸3の上下動は抑制され、回転多面鏡5の上下動も抑制されるため、高精度な走査が可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1記載の発明によれば、接着剤の未硬化が防がれるため、回転軸と固定スリーブの隙間に接着剤が流入することがなくなり、接着剤の流入による回転軸と固定スリーブの固着を防いで安定した走査が可能となる。
【0040】
請求項2記載の発明によれば、蓋とハウジングの線膨張係数が同じになるため、外気温が変化しても蓋の内径とハウジングの外径とが常に一定になり、その間に存在する接着剤に応力が作用せず、接着剤の剥離が防がれる。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、空気溜りの圧力が高められて該空気溜りが大きな振動に対するダンパーとして有効に機能し、外部からの大きな振動や衝撃に対して回転軸の上下動を抑制するため、回転多面鏡の上下動も抑制されて高精度な走査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光偏向走査装置の断面図である。
【図2】従来と本発明の実施の形態に係る密閉空間の拡大断面図である。
【図3】従来の光偏向走査装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 固定スリーブ
3 回転軸
5 回転多面鏡
11 第2の永久磁石
12,18 接着剤
13 第1の永久磁石
19 密閉空間(空気溜り)
Claims (3)
- 回転軸と、前記回転軸の外周にあって前記回転軸を回転自在に嵌合保持する固定スリーブと、前記固定スリーブの外周にあって前記固定スリーブを支持するハウジングと、前記回転軸に固定された回転多面鏡と、前記回転軸を浮上支持するために前記回転軸の下端部に固定された第1の永久磁石と、前記第1の永久磁石に対向する位置に配置された第2の永久磁石と、を有する光偏向走査装置において、
前記第2の永久磁石が接着固定されるカップ状の蓋を有し、前記カップ状の蓋が前記ハウジングの外周部に嵌合して接着固定されることにより、前記固定スリーブ及び前記回転軸の下端部と前記蓋との間に空気溜りを形成することを特徴とする光偏向走査装置。 - 前記ハウジングと前記蓋を同一の材質で構成したことを特徴とする請求項1記載の光偏向走査装置。
- 前記蓋に接着固定された前記第2の永久磁石が前記固定スリーブの下端部に突き当てられていることを特徴とする請求項1又は2記載の光偏向走査装置。
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