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JP4419457B2 - ジヒドロピラン化合物、この化合物を含有する液晶組成物およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子 - Google Patents

ジヒドロピラン化合物、この化合物を含有する液晶組成物およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子 Download PDF

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JP4419457B2
JP4419457B2 JP2003190324A JP2003190324A JP4419457B2 JP 4419457 B2 JP4419457 B2 JP 4419457B2 JP 2003190324 A JP2003190324 A JP 2003190324A JP 2003190324 A JP2003190324 A JP 2003190324A JP 4419457 B2 JP4419457 B2 JP 4419457B2
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JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン環を含む化合物、これを含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物およびこの組成物を含有する液晶表示素子に関する。
【0002】
液晶性化合物の用語は、液晶相を有する化合物および液晶相を有さないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称として用いる。液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と表記することがある。式(1)から式(14)で表わされる化合物をそれぞれ化合物(1)から化合物(14)と表記することがある。式(1)から式(14)などにおいて、六角形で囲んだA、B、D、Eなどの構造単位はそれぞれ環A、環B、環D、環Eなどを示す。百分率で表した化合物の量は組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。
【0003】
【従来の技術】
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、BTN(bistable twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PM(passive matrix)はスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。
【0004】
これらの素子は、適切な物性を有する組成物を含有する。素子の特性を向上させるには、この組成物が適切な物性を有するのが好ましい。組成物の成分である化合物に必要な一般的物性は、次のとおりである。(1)化学的な安定性と物理的な安定性。(2)高い透明点。透明点は、液晶相−等方相の転移温度である。(3)液晶相の低い下限温度。液晶相は、ネマチック相、スメクチック相などを意味する。(4)小さな粘度。(5)適切な光学異方性。(6)適切な誘電率異方性。大きな誘電率異方性を有する化合物は、大きな粘度を有することが多い。(7)大きな比抵抗。
【0005】
組成物は多くの化合物を混合して調製される。したがって、化合物は他の化合物とよく混和するのが好ましい。素子を0℃以下で使うこともあるので、このような低い温度で良好な相溶性を有する化合物が好ましい。高い透明点または液晶相の低い下限温度を有する化合物は、組成物におけるネマチック相の広い温度範囲に寄与する。好ましい組成物は、小さな粘度と素子のモードに適した光学異方性を有する。化合物の大きな誘電率異方性は、組成物の低いしきい値電圧に寄与する。このような組成物によって、使用できる温度範囲が広い、応答時間が短い、コントラスト比が大きい、駆動電圧が小さい、消費電力が小さい、電圧保持率が大きいなどの特性を有する素子を得ることができる。
【0006】
従来の技術は下記のとおりである。さらに好ましい液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子が望まれている。
【0007】
【特許文献1】
欧州特許出願公開第276204号明細書
【特許文献2】
米国特許第4747871号明細書
【特許文献3】
欧州特許出願公開第1150937号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、化合物に必要な一般的物性、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する液晶性化合物である。第二の目的は、この化合物を含有し、ネマチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、および低いしきい値電圧を有する液晶組成物である。第三の目的は、この組成物を含有し、短い応答時間、小さな消費電力、大きなコントラスト、および高い電圧保持率を有する液晶表示素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の態様は、項1から項26のとおりである。化合物(1)における末端基、環および結合基に関して好ましい例も述べる。1. 式(1)で表される化合物。
Figure 0004419457
式(1)において、RaおよびRbは独立して水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、−CN、または−C≡C−CNであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、または−SiH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
【0010】
「アルキルにおいて任意の−CH−は−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、または−SiH−で置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。C−において任意の−CH−を−O−または−CH=CH−で置き換えた基の例は、CO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−CH−O−などである。このように「任意の」語は、「区別なく選択された少なくとも一つの」を意味する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。
【0011】
好ましいRaまたはRbは、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アシル、アシルアルキル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、アルキニルオキシ、シラアルキル、およびジシラアルキルである。少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられたこれらの基も好ましい。好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。さらに好ましいハロゲンはフッ素である。これらの基において分岐よりも直鎖の方が好ましい。RaおよびRbが分岐の基であっても光学活性であるときは好ましい。好ましいRaまたはRbは、フッ素、塩素、−CN、および−C≡C−CNでもある。最も好ましいRaおよびRbはアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フッ素、および−CNである。
【0012】
アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。
【0013】
具体的なRaまたはRbは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、1−プロピニル、および1−ペンチニルである。
【0014】
具体的なRaまたはRbは、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロビニル、2,2−ジフルオロビニル、2−フルオロ−2−ビニル、3−フルオロ−1−プロペニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル、4−フルオロ−1−プロペニル、および4,4−ジフルオロ−3−ブテニルである。
【0015】
具体的なRaまたはRbは、−CF、−CHF、−CHF、−CFCF、−CFCHF、−CFCHF、−CFCFCF、−CFCHFCF、−CHFCFCF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCFCF、−OCFCHF、−OCFCHF、−OCFCFCF、−OCFCHFCF、−OCHFCFCF、−CN、フッ素、および塩素である。
【0016】
より好ましいRaまたはRbは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCFCF、−OCFCHF、−OCFCHF、−OCFCFCF、−OCFCHFCF、−OCHFCFCF、−CN、フッ素、および塩素である。最も好ましいRaまたはRbは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシメチル、ビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、3−ペンテニル、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、−OCFCHFCF、−CN、およびフッ素である。
【0017】
環AおよびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンの任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、1,4−シクロヘキシレンの任意の−CH<は、−SiH<、または−SiMe<で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の水素はハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよい。
【0018】
「これらの環において任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンの任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、1,4−シクロヘキシレンの任意の−CH<は、−SiH<、または−SiMe<で置き換えられてもよく」の好ましい例は、下記の環(15−1)〜(15−57)である。さらに好ましい例は、環(15−1)、(15−2)、(15−3)、(15−4)、(15−15)、(15−23)、(15−31)、(15−32)、(15−33)、(15−40)、(15−43)、(15−48)、および(15−53)である。
【0019】
「これらの環において任意の水素はハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく」の好ましい環の例は、下記の環(16−1)〜(16−71)および環(17−1)〜(17−20)である。さらに好ましい環(16−1)〜(16−71)は、環(16−1)、(16−2)、(16−3)、(16−4)、(16−6)、(16−10)、(16−11)、(16−12)、(16−13)、(16−14)、(16−15)、(16−54)、(16−55)、(16−56)、(16−57)、(16−58)、および(16−59)である。さらに好ましい環(17−1)〜(17−20)は、(17−1)、(17−2)、(17−9)、(17−10)、(17−17)、(17−18)、(17−19)、および(17−20)である。「これらの環において任意の水素はハロゲン、−CF・・・で置き換えられてもよく」の句における「これらの環」は、この句の前に記載された総ての環を意味する。
【0020】
Figure 0004419457
【0021】
Figure 0004419457
【0022】
Figure 0004419457
【0023】
Figure 0004419457
【0024】
Figure 0004419457
【0025】
Figure 0004419457
【0026】
特に好ましい環AおよびAは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、6−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、およびナフタレン−2,6−ジイルである。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。1,3−ジオキサン−2,5−ジイルは、4,6−ジオキサン−2,5−ジイルと構造的に同一であるので、後者は例示しなかった。この規則は、2−フルオロ−1,4−フェニレンと2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンの関係などにも適用される。
【0027】
最も好ましい環AおよびAは、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、およびピリミジン−2,5−ジイルである。
【0028】
およびZは独立して単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
【0029】
好ましいZおよびZは、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCO−、−COCH−、−CHSiH−、−SiHCH−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−(CHCFO−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、および−OCH−CH=CH−である。−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−CHO−、および−OCH−CH=CH−のような結合基の二重結合の立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
【0030】
さらに好ましいZおよびZは、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、および−(CH−である。最も好ましいZおよびZは、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、および−C≡C−である。
【0031】
mおよびnは独立して0、1、2または3であり、そしてmおよびnの和は1、2または3である。mとnの和が1である化合物は二環を有する。mとnの和が2である化合物は三環を有する。mとnの和が3である化合物は四環を有する。mが2または3であるとき、任意の二つの環A(または任意の二つのZ)は同一であってもよいし、または異なってもよい。nが2または3であるとき、任意の二つのA(または任意の二つのZ)は同一であってもよいし、または異なってもよい。mが2または3であり、二つの環Aの一方が1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルのようなヘテロ環であるとき、他方はへテロ環でない方が好ましい。mまたはnが2または3であるとき、またはmが1または2であり、そしてnが1または2であるとき、1つのヘテロ環が同様に好ましい。化合物の物性に大きな差異がないので、化合物(1)はH(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。
【0032】
2. 式(1)において、mが0であり、nが1、2または3である項1に記載の化合物。
3. 式(1)において、mが1、2または3であり、nが0である項1に記載の化合物。
【0033】
4. 式(1)において、mが1または2であり、nが1または2である項1に記載の化合物。
5. 式(1)において、mが1であり、nが1である項1に記載の化合物。
【0034】
6. 下記の式(1−1)から式(1−8)で表される化合物。
Figure 0004419457
【0035】
Figure 0004419457
【0036】
式(1−1)から式(1−8)において、RaおよびRbは独立して水素、炭素数1〜20のアルキル、フッ素、塩素、−CN、または−C≡C−CNであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられもよく;環AおよびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、6−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり;ZおよびZは独立して単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−C≡C−、−CHCO−、−COCH−、−CHSiH−、−SiHCH−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−(CHCFO−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、または−OCH−CH=CH−である。
【0037】
7. 式(1−1)から式(1−8)において、RaおよびRbが独立してアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、−CN、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、−OCFCHFCF、またはフッ素であり;環AおよびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;ZおよびZが独立して単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または−C≡C−である項6に記載の化合物。
【0038】
8. 式(1−1)から式(1−8)において、RaおよびRbが独立してアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルである項6または7に記載の化合物。
9. 式(1−1)から式(1−8)において、RaおよびRbの一方がアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり、そして他方が−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFである項6または7に記載の化合物。
【0039】
10. 式(1−1)から式(1−8)において、RaおよびRbの一方がアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり、そして他方がフッ素または塩素である項6または7に記載の化合物。
11. 式(1−1)から式(1−8)において、RaおよびRbの一方がアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり、そして他方が−CNである項6または7に記載の化合物。
【0040】
12. 式(1−1)から式(1−8)において、環AおよびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである項6から11のいずれか1項に記載の化合物。
【0041】
13. 式(1−1)から式(1−8)において、環AおよびAの1つが2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンである請求項6から11のいずれか1項に記載の化合物。
【0042】
14. 式(1−1)から式(1−8)において、環AおよびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである項6から11のいずれか1項に記載の化合物。
【0043】
15. 式(1−1)から式(1−8)において、ZおよびZが独立して単結合または−(CH−である項6から14のいずれか1項に記載の化合物。
【0044】
16. 項1〜15のいずれか1項に記載した化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
【0045】
17. 下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項16に記載の液晶組成物。
Figure 0004419457
【0046】
式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−(CH)−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
【0047】
この組成物においては、負に大きな誘電率異方性を有する化合物(1)よりも正に大きな誘電率異方性または小さな誘電率異方性を有する化合物(1)が好ましい。
【0048】
18. 下記の式(5)および(6)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項16に記載の液晶組成物。
Figure 0004419457
【0049】
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH)−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
【0050】
この組成物においては、負に大きな誘電率異方性を有する化合物(1)よりも正に大きな誘電率異方性または小さな誘電率異方性を有する化合物(1)が好ましい。
【0051】
19. 下記の式(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項16に記載の液晶組成物。
Figure 0004419457
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、あるいはRはフッ素であってもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−COO−または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素であり、LとLの少なくとも一つはフッ素である。
【0052】
この組成物においては、正に大きな誘電率異方性を有する化合物(1)よりも負に大きな誘電率異方性または小さな誘電率異方性を有する化合物(1)が好ましい。
【0053】
20. 下記の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項16に記載の液晶組成物。
Figure 0004419457
【0054】
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZは独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
【0055】
この組成物においては、小さな誘電率異方性を有する化合物(1)よりも正に大きな誘電率異方性または負に大きな誘電率異方性を有する化合物(1)が好ましい。
【0056】
21. 項18に記載の式(5)および(6)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項17に記載の組成物。
【0057】
22. 項20に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項17に記載の組成物。
【0058】
23. 項20に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項18に記載の組成物。
【0059】
24. 項20に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項19に記載の組成物。
【0060】
25. 少なくとも一つの光学活性化合物をさらに含有する項16〜24のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【0061】
26. 項16〜25のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
【0062】
化合物(2)から化合物(12)において、好ましい基は次のとおりである。直鎖のアルキルは分岐のアルキルよりも好ましい。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。「アルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよい」の句の意味は、本発明の態様の項1において述べた。R、環Bなどの記号を複数の化合物において用いた。これらのR(または環Bなど)は同一であってもよいし、互いに異なってもよい。化合物の物性に大きな差異がないので、これらの化合物はH(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。
【0063】
【発明の実施の形態】
【0064】
第一に、本発明の化合物(1)をさらに説明する。化合物(1)は6−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−2H−ピラン環を有する二環、三環および四環の化合物である。この化合物は、素子が通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であり、そして他の液晶性化合物との相溶性がよい、などの物性を有する。
【0065】
この化合物を含有する組成物は素子が通常使用される条件下で安定である。この組成物を低い温度で保管しても、この化合物が結晶(またはスメクチック相)として析出することがない。この化合物は、化合物に必要な一般的物性、適切な光学異方性、そして適切な誘電率異方性を有する。
【0066】
化合物(1)の末端基、環および結合基を適切に選択することによって、光学異方性、誘電率異方性などの物性を任意に調整することが可能である。末端基RaおよびRb、環AおよびA、結合基ZおよびZの種類が、化合物(1)の物性に与える効果を以下に説明する。
【0067】
化合物(1)は、誘電率異方性が正で大きい、負で大きい、そして小さい、の三つに分類される。大きな誘電率異方性を有する化合物は、組成物のしきい値電圧を下げるための成分である。小さな誘電率異方性を有する化合物は、粘度などを調整するための成分である。このように、「大きい」と「小さい」は相対的な表現である。「小さい」の一例は、約−1から約+2の範囲である。Raが水素、アルキル、アルコキシなどであり、そしてRbが−OCF、−OCHF、フッ素、−CNなどであるとき、この化合物の誘電率異方性は正で大きい。RaおよびRbがアルキル、アルコキシなどであるとき、この化合物の誘電率異方性は負で大きいまたは小さい。RaおよびRbがアルキルであるとき、この化合物の誘電率異方性は約−2から約−3の範囲である。このように化合物(1)は、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンを有しなくても、負の誘電率異方性を有する。(西井様:他の環の種類により誘電率異方性値は変わり、その範囲は−2〜−3を逸脱します。「6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン環により発現が期待される誘電率異方性値が−2〜−3」です。
【0068】
RaまたはRbが直鎖であるときは液晶相の温度範囲が広くそして粘度が小さい。RaまたはRbが分岐鎖であるときは他の液晶性化合物との相溶性がよい。RaまたはRbが光学活性基である化合物は、キラルドーパントとして有用である。この化合物を組成物に添加することによって、素子に発生するリバース・ツイスト・ドメイン(Reverse twisted domain)を防止することができる。RaまたはRbが光学活性基でない化合物は組成物の成分として有用である。RaまたはRbがアルケニルであるとき、好ましい立体配置は二重結合の位置に依存する。好ましい立体配置を有するアルケニル化合物は、高い上限温度または液晶相の広い温度範囲を有する。Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 109およびMol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 327に詳細な説明がある。
【0069】
環AまたはAにおいて、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは誘電率異方性が正に大きい。環AまたはAが、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−3,6−ジイルであるときは光学異方性が大きい。環AまたはAが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは光学異方性が小さい。
【0070】
少なくとも二つの環が1,4−シクロヘキシレンであるときは、上限温度が高く、光学異方性が小さく、そして粘度が小さい。少なくとも一つの環が1,4−フェニレンのときは、光学異方性が比較的大きく、そして配向秩序パラメーター(orientational order parameter)が大きい。少なくとも二つの環が1,4−フェニレンであるときは、光学異方性が大きく、液晶相の温度範囲が広く、そして上限温度が高い。
【0071】
結合基ZまたはZが単結合、−(CH22−、−CH2O−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−(CH2−であるときは粘度が小さい。結合基が単結合、−(CH22−、−OCF−、−CFO−、または−CH=CH−であるときは粘度がより小さい。結合基が−CH=CH−であるときは液晶相の温度範囲が広く、そして弾性定数比K33/K11(K33:ベンド弾性定数、K11:スプレイ弾性定数)が大きい。結合基が−C≡C−のときは光学異方性が大きい。
【0072】
化合物(1)が二環または三環を有するときは粘度が小さい。化合物(1)が三環または四環を有するときは上限温度が高い。以上のように、末端基、環および結合基の種類、環の数を適当に選択することにより目的の物性を有する化合物を得ることができる。したがって、化合物(1)はPC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどの素子に用いられる組成物の成分として有用である。
【0073】
化合物(1)の好ましい例は、本発明の項6に記載した化合物(1−1)〜(1−8)である。より好ましい例は、下記の化合物(1−1a)〜(1−8e)である。これらの化合物におけるRa、Rb、Z1、およびZ2の記号の意味は、項6に記載した記号の意味と同一である。
【0074】
Figure 0004419457
【0075】
Figure 0004419457
【0076】
Figure 0004419457
【0077】
Figure 0004419457
【0078】
Figure 0004419457
【0079】
Figure 0004419457
【0080】
Figure 0004419457
【0081】
Figure 0004419457
【0082】
化合物(1)は有機合成化学における手法を適切に組み合わせることにより合成できる。出発物に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、フーベン・ヴァイル(Houben Wyle, Methoden der Organischen Chemie, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、 オーガニック・シンセセス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。
【0083】
結合基Z、またはZを生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項(XI)でスキームを説明する。このスキームにおいて、MSGまたはMSGは少なくとも一つの環を有する1価の有機基である。スキームで用いた複数のMSG(またはMSG)は、同一であってもよいし、または異なってもよい。化合物(1A)から(1L)は化合物(1)に相当する。
【0084】
Figure 0004419457
【0085】
Figure 0004419457
【0086】
Figure 0004419457
【0087】
Figure 0004419457
【0088】
Figure 0004419457
【0089】
Figure 0004419457
【0090】
Figure 0004419457
【0091】
Figure 0004419457
【0092】
Figure 0004419457
【0093】
Figure 0004419457
【0094】
Figure 0004419457
【0095】
Figure 0004419457
【0096】
(I)単結合の生成
アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっても合成される。
【0097】
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。化合物(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(25)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成できる。
【0098】
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)を(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化しても合成される。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成できる。P. Kirsch et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の方法によってこれらの結合基を生成させることも可能である。
【0099】
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのホルムアミドと反応させてアルデヒド(27)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(28)をカリウムtert-ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
【0100】
(V)−(CH−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
【0101】
(VI)−(CH−の生成
ホスホニウム塩(28)の代わりにホスホニウム塩(29)を用い、項(IV)の方法に従って−(CH−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1F)を合成する。
【0102】
(VII)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
【0103】
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(31)を得る。化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(31)と反応させて化合物(1H)を合成する。
【0104】
(IX)−CHO−または−OCH−の生成
化合物(27)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(33)を化合物(25)と反応させて化合物(1J)を合成する。
【0105】
(X)−(CH23O−または−O(CH23−の生成
化合物(27)の代わりに化合物(34)を用いて、項(IX)の方法に従って化合物(1K)を合成する。
【0106】
(XI)−(CF22−の生成
J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414.に記載された方法に従い、ジケトン(37)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF22−を有する化合物(1L)を得る。
【0107】
6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン環を生成する方法の一例を下記のスキームに示す。このスキームを説明したあと、スキームにおける出発物を合成する方法の一例を述べる。
【0108】
Figure 0004419457
【0109】
化合物(37)〜(43)において、QまたはQは式(1)の構造単位である。構造単位はスキームに示した。これらの化合物におけるRa、Rb、A1、A2、Z、およびZの記号の意味は、項1に記載した記号の意味と同一である。
【0110】
γ−置換−ブチロラクトン(38)を、酸性条件下、アルコールと反応させ開環生成物(39)を合成する。化合物(39)を、DIBAL等の還元剤で還元させ、アルデヒド(40)を合成する。化合物の(40)の2級水酸基をハロゲン化、例えば、臭素化させ、臭素化物(41)を合成する。臭素化は中性条件下で行うのが好ましい。具体的には、ジクロロメタン中、トリフェニルホスホニウムブロミドと反応する。または、クロロホルム中、トリフェニルホスフィンおよび四臭化炭素と反応することである。化合物(40)にグリニヤール試薬、リチウム試薬あるいは銅リチウム試薬等を作用させ、アルコール(42)を合成する。前述の試薬は化合物(41)の2級臭素とも反応する可能性がある。従って、化学選択性を向上するために、本反応は低温で行う事が好ましい。具体的には、−78℃、好ましくは、−100℃である。化合物(42)を、トルエン、ベンゼン中、トリフェニルホスフィンの存在下で加熱させ、ホスホニウム塩(43)を合成する。
【0111】
化合物(43)に、トリフルオロ酢酸無水物を作用させ、トリフルオロ酢酸エステル(44)を合成する。化合物(44)に塩基を作用させ、化合物(1)を合成する。塩基としては、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、n−ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、NaHMDS(ナトリウムヘキサメチルジシラザン)等が好適である。
【0112】
次に、環AまたはAに関する合成法を説明する。1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルなどの環に関しては出発物が市販されているまたは合成法がよく知られている。そこで、下に示した化合物(46)、(49)および(53)について説明する。
【0113】
Figure 0004419457
【0114】
デカヒドロナフタレン−2,6−ジオン(46)はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイルを有する化合物の出発物である。この化合物(46)は、特開2000−239564号公報に記載された方法に従って、ジオール(45)を酸化ルテニウム存在下で接触水素還元し、さらに酸化クロムで酸化することによって合成する。
Figure 0004419457
【0115】
2,3−ビストリフルオロメチルフェニレンの構造単位は、Org. Lett., 2000, 2 (21), 3345の文献に記載された方法で合成する。フラン(47)と1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブチンとを高温でディールズ・アルダー反応をさせることによってアニリン(48)を合成する。この化合物は、Org. Synth. Coll., Vol. 2, 1943, 355に記載された方法にしたがってサンド・マイヤー型反応によってヨウ化物(49)を得る。この化合物は一般的な有機合成化学の手法によって化合物(1)に変換する。
【0116】
Figure 0004419457
【0117】
2−ジフルオロメチル−3−フルオロフェニレンの構造単位は、次のような方法で合成する。化合物(50)の水酸基を適切な保護基で保護して化合物(51)を得る。Pは保護基を意味する。化合物(51)にsec-ブチルリチウムを作用させ、続いてDMFを反応させてアルデヒド(52)を得る。この化合物をDASTでフッ素化し、続いて脱保護してフェノール(53)を得る。この化合物は一般的な有機合成化学の手法によって化合物(1)に変換する。
【0118】
第二に、本発明の組成物をさらに説明する。この組成物の成分は化合物(1)から選ばれた複数の化合物のみであってもよい。好ましい組成物は、第一成分として化合物(1)から選択された少なくとも一つの化合物を1〜99%の割合で含有する。この組成物は、第二成分などとして、化合物(2)〜(14)の群から選択された化合物を含有する。このような組成物は第一から第十の組成物である。これらの組成物を調製するときには、化合物(1)の誘電率異方性を考慮して成分を選択する。
【0119】
誘電率異方性が正で大きい化合物(1)を含有する好ましい組成物において、第二成分などは次のとおりである。第一の組成物の第二成分は、化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。第二の組成物の第二成分は、化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。第三の組成物の第二および第三成分は、それぞれ化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも一つの化合物および化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。第一、第二および第三の組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
【0120】
第四の組成物の第二成分は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
【0121】
誘電率異方性が負で大きい化合物(1)を含有する好ましい組成物において、第二成分などは次のとおりである。第五の組成物の第二成分は、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。この組成物は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(2)〜(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、VA素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
【0122】
第六の組成物の第二成分は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。この組成物は、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で化合物(2)〜(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、VA素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
【0123】
誘電率異方性が小さい化合物(1)を含有する好ましい組成物において、第二成分などは次のとおりである。第七の組成物の第二成分は、化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。。第八の組成物の第二成分は、化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。。第九の組成物の第二および第三成分は、それぞれ化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも一つの化合物および化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。第七、第八および第九の組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
【0124】
第十の組成物の第二成分は、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物である。この組成物は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(2)〜(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、VA素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
【0125】
化合物(2)、(3)および(4)は、誘電率異方性が正で大きいので、AM−TN素子用の組成物に主として用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。この組成物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
【0126】
化合物(5)および(6)は、誘電率異方性が正で非常に大きいので、STN素子用の組成物に主として用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。この組成物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
【0127】
化合物(7)〜(11)は、誘電率異方性が負であるので、VA素子用の組成物に主として用いられる。これらの化合物の好ましい量は80%以下である。より好ましい量は40〜80%である。この組成物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
【0128】
化合物(12)、(13)および(14)の誘電率異方性は小さい。化合物(12)は粘度または光学異方性を調整する目的で主に使用される。化合物(13)および(14)は上限温度を上げて液晶相の温度範囲を広げる、または光学異方性を調整する目的で使用される。化合物(12)、(13)および(14)の量を増加させると組成物のしきい値電圧が高くなり、粘度が小さくなる。したがって、組成物のしきい値電圧の要求値を満たすかぎり多量に使用してもよい。
【0129】
好ましい化合物(2)〜(14)は、それぞれ化合物(2−1)〜(2−9)、化合物(3−1)〜(3−97)、化合物(4−1)〜(4−33)、化合物(5−1)〜(5−56)、化合物(6−1)〜(6−3)、化合物(7−1)〜(7−4)、化合物(8−1)〜(8−6)、化合物(9−1)〜(9−4)、化合物(10−1)、化合物(11−1)、化合物(12−1)〜(12−11)、化合物(13−1)〜(13−21)、および化合物(14−1)〜(14−6)である。これらの化合物において、R1、R、R、R4、R、R6、R、X1、およびXの記号の意味は、化合物(2)〜(14)におけるこれらの記号の意味と同一である。
【0130】
Figure 0004419457
【0131】
Figure 0004419457
【0132】
Figure 0004419457
【0133】
Figure 0004419457
【0134】
Figure 0004419457
【0135】
Figure 0004419457
【0136】
Figure 0004419457
【0137】
Figure 0004419457
【0138】
Figure 0004419457
【0139】
Figure 0004419457
【0140】
Figure 0004419457
【0141】
Figure 0004419457
【0142】
Figure 0004419457
【0143】
Figure 0004419457
【0144】
Figure 0004419457
【0145】
Figure 0004419457
【0146】
Figure 0004419457
【0147】
本発明の組成物は公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。組成物に適当な添加物を加えて組成物の物性を調整してもよい。このような添加物は当業者によく知られている。メロシアニン、スチリル、アゾ、アゾメチン、アゾキシ、キノフタロン、アントラキノン、テトラジンなどの化合物である二色性色素を添加してGH素子用の組成物を調製してもよい。一方、液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与える目的でキラルドーパントが添加される。キラルドーパントの例は上記の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−13)である。
【0148】
キラルドーパントを組成物に添加してねじれのピッチを調整する。TN素子およびTN−TFT素子用の好ましいピッチは40〜200μmの範囲である。STN素子用の好ましいピッチは6〜20μmの範囲である。BTN素子用の好ましいピッチは1.5〜4μmの範囲である。PC素子用の組成物にはキラルドーパントを比較的多量に添加する。ピッチの温度依存性を調整する目的で少なくとも二つのキラルドーパントを添加してもよい。
【0149】
本発明の組成物は、PC、TN、STN、BTN,ECB、OCB、IPS、VAなどの素子に使用できる。これらの素子は駆動方式がPMであってもよいし、またはAMであってもよい。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
【0150】
【実施例】
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって制限されない。(1−1a−1)などの化合物番号は、実施例3において表で示した化合物のそれと対応する。化合物の相転移温度において、C、NおよびIは、それぞれ、結晶、ネマチック相および等方相である。かっこ内の相転移はそれがモノトロピックであることを示す。温度の単位は℃である。得られた化合物は核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトルなどで同定した。核磁気共鳴スペクトルにおいて、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレット、quintはクインテッドである。化合物の量(百分率)は組成物の全重量に基づいた重量%である。
物性値の測定は、日本電子機械工業規格(Standard of Electronic Industries Association of Japan)、EIAJ・ED−2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法に従った。
【0151】
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。
【0152】
ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶(またはスメクチック相)に変化したとき、Tを<−20℃と記載した。
【0153】
化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。測定する化合物とこの母液晶とを混合した組成物を得た。混合する割合の一例は、15%の化合物と85%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを変更した。このようにして測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。これらの条件が相溶性の尺度である。
【0154】
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
【0155】
光学異方性(Δn;25℃で測定):光学異方性は、波長が589nmの光によりアッベ屈折計を用いて測定した。
【0156】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに20ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0157】
2)誘電率異方性が負である組成物:ホメオトロピック配向に処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε‖)を測定した。ホモジニアス配向に処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0158】
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度である、ノーマリーホワイトモード(normally white mode)の液晶表示素子に試料を入れた。Δnは上記の方法で測定した光学異方性の値である。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
【0159】
2)誘電率異方性が負である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μmであり、ホメオトロピック配向に処理したノーマリーブラックモード(normally black mode)の液晶表示素子に試料を入れた。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率10%になったときの電圧の値を測定した。
【0160】
実施例1
2−ブチル−5−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1−2a−1)の合成
下記の経路に従い化合物(1−2a−1)を合成する。
Figure 0004419457
【0161】
4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−γ−ブチロラクトン(a)[23.8g、0.1mol]および濃硫酸(5mL)のメタノール(1L)溶液を、12時間還流する。反応混合物を、10℃に冷却し、減圧下でメタノールを除去する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ペンタン/ジエチルエーテル)で精製し、4−ヒドロキシ−4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ブタン酸メチルエステル(b)を得る。
【0162】
化合物(b)[25.0g、92mmol]のTHF(250mL)溶液を−78℃に冷却し、ジイソブチル水素化アルミニウム(トルエン溶液、95mmol相当)をゆっくり滴下する。反応混合物を、0℃で2時間撹拌する。0℃を保ちつつ、3M塩酸(20mL)を加え、得られた反応混合物を、水(5×50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下、溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ペンタン/トルエン)で精製し、4−ヒドロキシ−4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ブタナール(c)を得る。
【0163】
トリフェニルホスフィン(13.1g、49.9mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に、−60℃で臭素(8.0g、49.9mmol)を加え、トリフェニルホスホニウム ブロミドの赤色溶液を得る。この溶液を−30℃とし、化合物(c)[10.0g、41.6mmol]のジクロロメタン(100mL)溶液を、ゆっくりと加える。反応混合物を室温で12時間撹拌し、減圧下溶媒を除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ペンタン/酢酸エチル)で精製し、4−ブロモ−4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ブタナール(d)を得る。
【0164】
化合物(d)[7.50g、24.7mmol]のジエチルエーテル(80mL)の溶液を−100℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液、25.0mmol相当)をゆっくり滴下する。反応混合物を、−78℃で2時間撹拌する。0℃を保ちつつ、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加え、得られた反応混合物を、食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下、溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ペンタン/酢酸エチル)で精製し、4−(1−ブロモ−4−ヒドロキシオクチル)−1−ペンチルシクロヘキサン(e)を得る。
【0165】
化合物(e)[6.0g、16.6mmol]およびトリフェニルホスフィン(4.36g、16.6mmol)のベンゼン(30mL)溶液を、封管中で、120℃で8時間撹拌する。析出した結晶を集め、0℃に冷やしたベンゼン(30mL)で洗浄し、1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシオクチル トリフェニルホスホニウム ブロミド(f)を得る。
【0166】
化合物(f)[3.60g、5.77mmol]のジクロロメタン(30mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸無水物(940mg、6.0mmol)を滴下する。反応混合物を室温で5時間撹拌した後、低沸点成分を、バルブ・バルブ蒸留(13.3Pa)で除去し、残留物としてホスホニウム塩を得る。ここに、THF(30mL)を加え、−78℃まで冷却し、NaHDMS(6.2mmol相当)をゆっくり滴下する。反応混合物を徐々に室温に戻し、同温度で10時間撹拌する。反応混合物にヘキサン(100mL)を加えよく撹拌する。分離した有機相を十分水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標題化合物(1−2a−1)を得る。H−NMR(500MHz、CDCl)において、ジヒドロ−2H−ピラン特有のシグナル(5.60ppm,t,1H)を観測する。
【0167】
実施例2
2−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−5−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1−4d−1)の合成
【0168】
Figure 0004419457
【0169】
実施例1における化合物(a)、およびn−BuLiの代わりに、それぞれ、化合物(h)、およびトランス−4−プロピルシクロヘキシルリチウムを使用し、下記の経路に従い、実施例1と同様な方法で化合物(1−4d−1)を合成する。
【0170】
実施例3
実施例1および2、さらに記載した合成法をもとに、下記の化合物(1−1a−1)〜(1−8e−2)を合成する。実施例1および2で得られた化合物(1−2a−1)および(1−4d−1)も掲載した。
【0171】
Figure 0004419457
【0172】
Figure 0004419457
【0173】
Figure 0004419457
【0174】
Figure 0004419457
【0175】
Figure 0004419457
【0176】
Figure 0004419457
【0177】
Figure 0004419457
【0178】
Figure 0004419457
【0179】
Figure 0004419457
【0180】
Figure 0004419457
【0181】
Figure 0004419457
【0182】
Figure 0004419457
【0183】
Figure 0004419457
【0184】
Figure 0004419457
【0185】
Figure 0004419457
【0186】
本発明の代表的な組成物を使用例1〜19にまとめた。最初に、組成物の成分である化合物とその量(重量%)を示した。化合物は上記の表1の取り決めに従い、左末端基、結合基、環構造、および右末端基の記号によって表示した。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はトランスである。末端基の記号がない場合は、末端基が水素であることを意味する。かっこ中の番号は上の表で示した化合物に対応する。
【0187】
Figure 0004419457
【0188】
使用例1
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 12%
2−BEB(F)−C (5−12) 5%
3−BEB(F)−C (5−12) 4%
2−BEB(F,F)−C (5−11) 16%
3−HB−O2 (12−5) 10%
3−HH−4 (12−1) 3%
3−HHB−F (3−1) 3%
3−HHB−1 (13−1) 8%
3−HHB−O1 (13−1) 4%
3−HBEB−F (3−34) 4%
3−HHEB−F (3−10) 7%
5−HHEB−F (3−10) 7%
3−H2BTB−2 (13−15) 4%
3−H2BTB−3 (13−15) 4%
3−H2BTB−4 (13−15) 4%
3−HB(F)TB−2 (13−14) 5%
【0189】
使用例2
3−KmHB(F,F)−F (1−4d−1) 12%
2−HB−C (5−2) 5%
3−HB−O2 (12−5) 15%
2−BTB−1 (12−10) 3%
3−HHB−F (3−1) 4%
3−HHB−1 (13−1) 8%
3−HHB−O1 (13−1) 5%
3−HHB−3 (13−1) 14%
3−HHEB−F (3−10) 4%
5−HHEB−F (3−10) 4%
2−HHB(F)−F (3−2) 7%
3−HHB(F)−F (3−2) 7%
5−HHB(F)−F (3−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 5%
【0190】
使用例3
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 8%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 8%
3−BEB(F)−C (5−12) 4%
3−HB−C (5−2) 4%
V−HB−C (5−2) 4%
1V−HB−C (5−2) 4%
3−HB−O2 (12−5) 3%
3−HH−2V (12−1) 14%
3−HH−2V1 (12−1) 7%
V2−HHB−1 (13−1) 15%
3−HHB−1 (13−1) 5%
3−HHEB−F (3−10) 7%
3−H2BTB−2 (13−15) 6%
3−H2BTB−3 (13−15) 6%
3−H2BTB−4 (13−15) 5%
【0191】
使用例4
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 6%
5−BEB(F)−C (5−12) 5%
V−HB−C (5−2) 5%
5−PyB−C (5−8) 6%
4−BB−3 (12−8) 11%
3−HH−2V (12−1) 10%
5−HH−V (12−1) 11%
V−HHB−1 (13−1) 7%
V2−HHB−1 (13−1) 15%
3−HHB−1 (13−1) 9%
1V2−HBB−2 (13−4) 10%
3−HHEBH−3 (14−6 5%
【0192】
使用例5
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 5%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 5%
1V2−BEB(F,F)−C (5−11) 6%
3−HB−C (5−2) 8%
2−BTB−1 (12−10) 10%
5−HH−VFF (12−1) 30%
3−HHB−1 (13−1) 4%
VFF−HHB−1 (13−1) 8%
VFF2−HHB−1 (13−1) 11%
3−H2BTB−2 (13−15) 5%
3−H2BTB−3 (13−15) 4%
3−H2BTB−4 (13−15) 4%
【0193】
使用例6
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 9%
5−HB−CL (2−1) 16%
3−HH−4 (12−1) 12%
3−HH−5 (12−1) 4%
3−HHB−F (3−1) 4%
3−HHB−CL (3−1) 3%
4−HHB−CL (3−1) 4%
3−HHB(F)−F (3−2) 10%
4−HHB(F)−F (3−2) 6%
5−HHB(F)−F (3−2) 6%
7−HHB(F)−F (3−2) 5%
5−HBB(F)−F (3−23) 4%
1O1−HBBH−5 (14−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (4−6) 2%
4−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
5−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
4−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
【0194】
使用例7
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 10%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 10%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 9%
3−H2HB(F,F)−F (3−15) 8%
4−H2HB(F,F)−F (3−15) 8%
5−H2HB(F,F)−F (3−15) 8%
3−HBB(F,F)−F (3−24) 11%
5−HBB(F,F)−F (3−24) 10%
3−H2BB(F,F)−F (3−27) 10%
5−HHBB(F,F)−F (3−27) 3%
5−HHEBB−F (4−13) 2%
3−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
1O1−HBBH−4 (14−1) 4%
1O1−HBBH−5 (14−1) 4%
上記組成物に光学活性化合物(Op−5)を0.25%添加した
【0195】
使用例8
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 10%
5−HB−F (2−1) 12%
6−HB−F (2−1) 9%
7−HB−F (2−1) 7%
2−HHB−OCF3 (3−1) 7%
3−HHB−OCF3 (3−1) 7%
4−HHB−OCF3 (3−1) 7%
5−HHB−OCF3 (3−1) 5%
3−HH2B−OCF3 (3−4) 4%
5−HH2B−OCF3 (3−4) 4%
3−HHB(F,F)−OCF2H (3−3) 4%
3−HHB(F,F)−OCF3 (3−3) 5%
3−HH2B(F)−F (3−5) 3%
3−HBB(F)−F (3−23) 5%
5−HBB(F)−F (3−23) 5%
5−HBBH−3 (14−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (14−2) 3%
【0196】
使用例9
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 10%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 10%
5−HB−CL (2−1) 11%
3−HH−4 (12−1) 8%
3−HHB−1 (13−1) 5%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 8%
3−HBB(F,F)−F (3−24) 15%
5−HBB(F,F)−F (3−24) 8%
3−HHEB(F,F)−F (3−12) 8%
4−HHEB(F,F)−F (3−12) 3%
2−HBEB(F,F)−F (3−36) 3%
3−HBEB(F,F)−F (3−36) 5%
3−HHBB(F,F)−F (4−6) 6%
【0197】
使用例10
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 8%
3−HB−CL (2−1) 6%
5−HB−CL (2−1) 4%
3−HHB−OCF3 (3−1) 5%
3−H2HB−OCF3 (3−13) 5%
5−H4HB−OCF3 (3−19) 15%
V−HHB(F)−F (3−2) 5%
3−HHB(F)−F (3−2) 5%
5−HHB(F)−F (3−2) 5%
3−H4HB(F,F)−CF3 (3−21) 8%
5−H4HB(F,F)−CF3 (3−21) 7%
5−H2HB(F,F)−F (3−15) 5%
5−H4HB(F,F)−F (3−21) 7%
2−H2BB(F)−F (3−26) 5%
3−H2BB(F)−F (3−26) 5%
3−HBEB(F,F)−F (3−36) 5%
【0198】
使用例11
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 8%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 6%
5−HB−CL (2−1) 17%
7−HB(F,F)−F (2−3) 3%
3−HH−4 (12−1) 10%
3−HH−5 (12−1) 5%
3−HB−O2 (12−5) 15%
3−HHB−1 (13−1) 8%
3−HHB−O1 (13−1) 5%
2−HHB(F)−F (3−2) 4%
3−HHB(F)−F (3−2) 4%
5−HHB(F)−F (3−2) 4%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 4%
3−H2HB(F,F)−F (3−3) 4%
4−H2HB(F,F)−F (3−3) 3%
【0199】
使用例12
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 7%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 4%
5−HB−CL (2−1) 3%
7−HB(F)−F (2−2) 7%
3−HH−4 (12−1) 9%
3−HH−EMe (12−2) 14%
3−HHEB−F (3−10) 8%
5−HHEB−F (3−10) 8%
3−HHEB(F,F)−F (3−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (3−12) 3%
4−HGB(F,F)−F (3−91) 5%
5−HGB(F,F)−F (3−91) 6%
2−H2GB(F,F)−F (3−94) 4%
3−H2GB(F,F)−F (3−94) 5%
5−GHB(F,F)−F (3−97) 7%
【0200】
使用例13
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 12%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 9%
3−HH−4 (12−1) 8%
3−HHB−1 (13−1) 6%
3−HHB(F,F)−F (3−3) 10%
3−H2HB(F,F)−F (3−15) 9%
3−HBB(F,F)−F (3−24) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−85) 25%
1O1−HBBH−5 (14−1) 7%
2−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
3−HHBB(F,F)−F (4−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (4−15) 3%
【0201】
使用例14
4−KmH−5 (1−2a−1) 7%
3−HKmH−3 (1−4a−1) 5%
3−HKmB(2F,3F)−3 (1−4e−1) 5%
3−HH−4 (12−1) 5%
3−HH−5 (12−1) 5%
3−HH−O1 (12−1) 3%
3−HH−O3 (12−1) 3%
3−HB−O1 (12−1) 5%
3−HB−O2 (12−1) 5%
3−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
5−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
3−HHEH−3 (13−20) 3%
3−HHEH−5 (13−20) 2%
4−HHEH−3 (13−20) 2%
2−HHB(2F,3F)−1 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−2 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 10%
上記組成物に光学活性化合物(Op−8)を0.25%添加した。
【0202】
使用例15
4−KmH−5 (1−2a−1) 10%
3−HKmH−3 (1−4a−1) 4%
3−HH−4 (12−1) 5%
3−HH−5 (12−1) 5%
3−HH−O1 (12−1) 6%
3−HH−O3 (12−1) 6%
3−HB−O1 (12−1) 5%
3−HB−O2 (12−1) 5%
3−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
3−HHEH−3 (13−20) 5%
3−HHEH−5 (13−20) 5%
4−HHEH−3 (13−20) 5%
2−HHB(2F,3F)−1 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 13%
Δn=0.075;Δε=−3.5.
【0203】
使用例16
4−KmH−5 (1−2a−1) 12%
3−HH−4 (12−1) 5%
3−HH−5 (12−1) 5%
3−HH−O1 (12−1) 4%
3−HH−O3 (12−1) 4%
3−HB−O1 (12−1) 4%
3−HB−O2 (12−1) 3%
3−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
5−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 5%
3−HHEH−3 (13−20) 5%
3−HHEH−5 (13−20) 5%
4−HHEH−3 (13−20) 5%
2−HHB(2F,3F)−1 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−2 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 13%
Δn=0.078;Δε=−3.9.
【0204】
使用例17
3−HKmH−3 (1−4a−1) 8%
3−HH−4 (12−1) 5%
3−HH−5 (12−1) 5%
3−HH−O1 (12−1) 6%
3−HH−O3 (12−1) 6%
3−HB−O1 (12−1) 5%
3−HB−O2 (12−1) 5%
3−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
5−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
3−HHEH−3 (13−20) 4%
3−HHEH−5 (13−20) 3%
2−HHB(2F,3F)−1 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−2 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 13%
Δn=0.077;Δε=−4.0.
【0205】
使用例18
3−HKmB(2F,3F)−3 (1−4e−1) 13%
3−HH−4 (12−1) 5%
3−HH−5 (12−1) 5%
3−HH−O1 (12−1) 3%
3−HH−O3 (12−1) 3%
3−HB−O1 (12−1) 5%
3−HB−O2 (12−1) 5%
3−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
5−HB(2F,3F)−O2 (7−1) 10%
3−HHEH−3 (13−20) 5%
3−HHEH−5 (13−20) 5%
4−HHEH−3 (13−20) 5%
2−HHB(2F,3F)−1 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−2 (8−1) 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 10%
5−HHB(2F,3F)−O2 (8−1) 8%
Δn=0.068;Δε=−3.0.
【0206】
使用例19
3−HKmB(F,F)−F (1−4d−1) 10%
3−KmHB(F,F)−F (1−5g−1) 8%
2−BEB(F)−C (5−12) 5%
3−BEB(F)−C (5−12) 4%
1V2−BEB(F,F)−C (5−11) 14%
3−HB−O2 (12−5) 9%
3−HH−4 (12−1) 3%
3−PyB(F)−F (6−2) 3%
3−HHB−F (3−1) 3%
3−HHB−1 (13−1) 6%
3−HHB−O1 (13−1) 4%
3−HBEB−F (3−34) 4%
3−HHEB−F (3−10) 5%
5−HHEB−F (3−10) 5%
3−H2BTB−2 (13−15) 4%
3−H2BTB−3 (13−15) 4%
3−HB(F)TB−2 (13−14) 5%
3−PyBB−F (6−3) 4%
【0207】
【発明の効果】
化合物(1)は、化合物に必要な一般的な特性、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する。この化合物を含有する組成物は、ネマチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、および低いしきい値電圧を有する。この組成物を含有する素子は、短い応答時間、小さな消費電力、大きなコントラスト、および高い電圧保持率を有する。

Claims (15)

  1. 下記の式(1)で表される化合物。
    Figure 0004419457
    式(1)において、Raは炭素数1〜のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−で置き換えられてよく、−CH −は−CH=CH−で置き換えられてもよく;Rbは炭素数1〜5のアルキル、フッ素、または−CNであり、このアルキルにおいて任意の−CH −は、−O−で置き換えられてよく、−(CH −は−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Aは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、または1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり、1,4−シクロヘキシレンにおいて任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンの任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、1,4−シクロヘキシレンの任意の−CH<は、−SiH<で置き換えられてもよく、そして1,4−フェニレンにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環A は1,4−シクロヘキシレン、または1,4−フェニレンであり、そして1,4−フェニレンまたは1,4−フェニレンの任意の水素がフッ素に置き換えられた環において任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;ZおよびZは独立して単結合または炭素数1〜のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−、−CO−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;mおよびnは独立して0、1または2であり、そしてmおよびnの和は1、2または3である。
  2. 下記の式(1−1)から式(1−8)で表される化合物。
    Figure 0004419457
    Figure 0004419457
    式(1−1)から式(1−8)において、Raは炭素数1〜のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−で置き換えられてよく、、−CH −は−CH=CH−で置き換えられてもよく;Rbは炭素数1〜5のアルキル、フッ素、または−CNであり、このアルキルにおいて任意の−CH −は、−O−で置き換えられてもよく、−(CH −は−C≡C−で置き換えられてもよく;環Aは1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、または1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルであり;環A は1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、であり;Zは単結合、−(CH−、−COO−、−CHO−、または−CFO−であり;Z は単結合、−(CH −、−COO−、−OCH −、または−CF O−である。
  3. 式(1−1)から式(1−8)において、Raが炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のアルコキシアルキル、炭素数2〜5のアルケニルであり;Rbが炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、−CN、−OCF 、−OCHF 、−CF 、またはフッ素であり;環A およびA が独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Z およびZ が独立して単結合、−(CH −、または−COO−である請求項に記載の化合物。
  4. 式(1−1)から式(1−8)において、Raが炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜5のアルケニルであり、そしてRbが−OCF、−OCHFまたは−CFである請求項2または3に記載の化合物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載した化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
  6. 下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項記載の液晶組成物。
    Figure 0004419457
    式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−(CH)−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
  7. 下記の式(5)および(6)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項に記載の液晶組成物。
    Figure 0004419457
    式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH)−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
  8. 下記の式(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項に記載の液晶組成物。
    Figure 0004419457
    式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、あるいはRはフッ素であってもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−COO−または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素であり、LとLの少なくとも一つはフッ素である。
  9. 下記の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項に記載の液晶組成物。
    Figure 0004419457
    式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZは独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
  10. 請求項に記載の式(5)および(6)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項に記載の組成物。
  11. 請求項に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項に記載の組成物。
  12. 請求項に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項に記載の組成物。
  13. 請求項に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項に記載の組成物。
  14. 少なくとも一つの光学活性化合物をさらに含有する請求項13のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  15. 請求項5〜14のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
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