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JP4417035B2 - 観察装置 - Google Patents

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JP4417035B2
JP4417035B2 JP2003163466A JP2003163466A JP4417035B2 JP 4417035 B2 JP4417035 B2 JP 4417035B2 JP 2003163466 A JP2003163466 A JP 2003163466A JP 2003163466 A JP2003163466 A JP 2003163466A JP 4417035 B2 JP4417035 B2 JP 4417035B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術用顕微鏡装置や細隙灯顕微鏡装置等の観察装置の改良に関し、特に、眼の状態を観察するときに生じる非点収差や色収差を除去することを可能とする観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、手術を受ける眼(手術眼と称することとする)を観察するために用いられる手術用顕微鏡装置(後述の特許文献1参照)や、被検眼の前眼部および眼底部を観察するために用いられる細隙灯顕微鏡(後述の特許文献2参照)などの観察装置が広く用いられている。
【0003】
以下、このような観察装置のうち、手術用顕微鏡装置について特に取り上げて説明する。その一例として、図1に示すような外観構成を有する手術用顕微鏡装置が知られている。同図に示す手術用顕微鏡装置は、装置を床面上に支持するための支持ポスト1と、手術用顕微鏡本体を支持するための支持アーム2と、この支持アーム2の先端部に装着された手術用顕微鏡本体取り付け用のブラケット3とを含んで構成されている。
【0004】
支持アーム2は、L字状アーム4と揺動アーム5とから構成されている。L字状アーム4は、支持ポスト1の上端に水平方向に回動操作可能に装着されている。また、揺動アーム5は、その内部に格納されたスプリングの弾性作用により、上方にバネ付勢されている。
【0005】
揺動アーム5の先端部には、水平方向に回動操作可能に支持されたアーム6が下方に向かって設けられている。ブラケット3は、アーム6の下端部に取り付けられている。また、ブラケット3には、この手術用顕微鏡装置の本体部を構成する手術用顕微鏡10が取り付けられている。
【0006】
手術用顕微鏡10は、各種光学系を格納した鏡筒11を中心として構成されている。鏡筒11には、術者が観察対象である手術眼を観察するための接眼レンズ鏡筒11’が設けられている。
【0007】
手術用顕微鏡10の鏡筒11の内部には、例えば、図2に示すような照明光学系12および観察光学系13が配設されている。手術眼Eを照明するために用いられる照明光学系12は、照明光源14、集光レンズ15、照明野絞り16、コリメータレンズ17、プリズム18および対物レンズ19をこの順に含んで構成されている。なお、符号18bは、プリズム18の反射面を示している。照明用光源14から発せられた照明光は、集光レンズ15、照明野絞り16、コリメータレンズ17を経由し、プリズム18の反射面18bにより反射され、対物レンズ19によって手術眼Eに導かれて、瞳孔Ea、虹彩Eb、角膜Ecを照明するようになっている。
【0008】
観察光学系13は、照明光学系12によって照明された手術眼Eを観察するための観察光を受光するための光学系で、図3に更に示すように、左観察光学系13aおよび右観察光学系13bから構成されている。
【0009】
左観察光学系13aは、対物レンズ19と、レンズ20a、20bおよび20cからなる変倍レンズ系(ズームレンズ系)20と、ビームスプリッタ21と、結像レンズ22と、像正立プリズム23と、眼幅調整プリズム24と、視野絞り25と、接眼レンズ26とこの順に含んでいる。なお、符号2a1は入射瞳を示し、符号26aはアイポイントを示している。
【0010】
一方、右観察光学系13bも同様に、対物レンズ19と、レンズ30a、30bおよび30cからなる変倍レンズ系(ズームレンズ系)30と、ビームスプリッタ31と、結像レンズ32と、像正立プリズム33と、眼幅調整プリズム34と、視野絞り35と、接眼レンズ36とをこの順に含んでいる。また、符号2b1は入射瞳を示し、符号36aはアイポイントを示している。
【0011】
照明光学系12により照明された手術眼Eからの反射光(観察光)は、対物レンズ19を経由し、左右観察光学系13a、13bの各光学素子を更に経由して術者の左右眼に向けてそれぞれ導かれるようになっている。また、観察光の一部は、ビームスプリッタ21および31によって反射されて、補助観察光学系40およびTV撮像系50に案内されるようになっている。
【0012】
補助観察光学系40は、術者の助手が手術眼Eを観察するために用いられる光学系で、結像レンズ41、反射ミラー42および接眼レンズ43を含んだ構成とされている。また、TV撮像系50は、手術眼Eの画像を撮影するための光学系で、結像レンズ51、反射ミラー52およびTVカメラ53を含んで構成されている。このTVカメラ53は、受像手段としてのCCD撮像素子53aを備えている。
【0013】
図4は、図3に示す観察光学系13を上方から見た場合の概略を示している。同図中において、対物レンズ19の光軸をOと示し、左右観察光学系13a、13bの光軸(観察光軸)をO1、O2とそれぞれ示してある。また、プリズム18の面18aは、照明光学系12の射出瞳となっており、左右観察光学系13a、13bの観察光路2a2、2b2に近接して配置されている。
【0014】
ところで、このような手術用顕微鏡装置によれば、手術眼Eの前眼部を観察することは可能だが、手術眼Eの眼底Erの周辺部(眼底周辺部)をそのままの構成により観察することはできない。そこで、眼底周辺部の観察を可能とするために、図5に示すような所定の頂角θ(例えば45度)を有するプリズムなどの光学部材60を手術眼Eの角膜Ecにあてがい角膜Ecの屈折力を減じるとともに、照明光を屈折させることによって眼底周辺部Er’を照明する手法が採用されることが多々ある(また、後述の特許文献3に開示されたような眼内観察用のコンタクトレンズも使用されている)。
【0015】
このような光学部材60を角膜Ecにあてがうと、対物レンズ19の光軸Oおよび照明光学系12の照明光軸O’(図2,図4参照)が屈折されるのに加え、左右観察光学系13a、13bの観察光軸O1,O2が屈折されるので、眼底周辺部Er’の観察を行うことが可能となる。このとき、光学部材60として、各種の頂角θを有するプリズムなどを適宜用いることにより、眼底周辺部Er’の観察部位を適宜変更することができる。
【0016】
また、特許文献1に示すような昨今の手術用顕微鏡装置には、手術眼と対物レンズとの間に挿脱可能に設けられた光学部材(前置レンズと呼ばれる)を備え、両手を使って手術を行えるようにされたものも多くなってきた。
【0017】
【特許文献1】
特開2003−62003号公報(〔0029〕−〔0032〕、第4図、第5図、第9図 )
【特許文献2】
特開2001−037726号公報(明細書段落〔0017〕−〔0020〕、第1図)
【特許文献3】
特開平5−23304号公報(明細書段落〔0016〕−〔0027〕、第1図)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
プリズムやコンタクトレンズのような偏角作用を有する光学部材60を手術眼Eにあてがって眼底周辺部Er’を観察する場合、光の屈折分散作用によって非点収差、色収差が生じてしまう。即ち、眼底周辺部Er’上の点像は、光学部材60をあてがった場合には、点像の合焦状態が合焦位置前側から後側に変化されるのに伴って、点像は縦長の楕円形の状態から最小円を経由して横長の楕円形の状態として観察されるという非点収差が生じて観察像が歪んでしまうため、観察像の鮮鋭度は劣化してしまう。
【0019】
また、色収差についても、光学部材60をあてがった場合には、合焦位置においても光学部材60の偏角の方向に色収差が生じてしまう。このように色収差が生じていると、非点収差を除去したとしても色収差が結局残ってしまい、観察像はその色毎に分離して見えるので、やはり観察像の鮮鋭度は劣化してしまう。
【0020】
なお、このような非点収差や色収差は、光学部材60の頂角θを小さくするかまたは光学部材60を形成する材料の屈折率を高くするとより顕著なものとなるため、眼底Erからより離れた眼底周辺部を観察する場合に、観察像の鮮鋭度の劣化はより大きなものとなってしまう。
【0021】
このような非点収差や色収差は、手術眼Eの眼球光学系によっても生じるもので、特に、白内障の治療等に使用される眼内レンズ(IOL)が挿入された手術眼を観察する場合には、その影響が大きくなる。
【0022】
また、光学部材60および手術眼の眼球光学系によって発生する非点収差、色収差の量は、観察光束の光学部材60からの射出角の大きさにほぼ比例して増加する。
【0023】
手術用顕微鏡装置を使用して手術を行う場合、術者は患者の頭部越しに(図4における下方側に配置して)手術眼Eを観察するのが通常である。したがって、手術眼Eの眼底Erに対し、術者から見て前後方向(患者の身長方向)の眼底周辺部Er’を観察する場合、左右の観察光束の光学部材60からの射出角(光学部材60の斜面の垂線方向に対して観察光軸O1、O2がなす角)は等しいが、術者から見て左右方向の眼底周辺部Er’を観察する場合には、左右観察光束の射出角は大きく異なる。
【0024】
例えば、図5に示すように、光学部材(プリズム)60の頂角をθ、手術用顕微鏡の輻輳角(左右観察光軸O1とO2とにより形成される角度)をβとすると、術者から見て左方向の眼底周辺部Er’を観察する場合、左観察光学系13aの観察光軸O1の出射角α=90°−θ+β/2となり、右観察光学系13bの観察光軸O2の出射角α=90°−θ−β/2となる。したがって、この場合は、術者の左眼により観察される眼底周辺部Er’の像の方が非点収差および色収差の影響を強く受けることとなる。同様に、術者から見て右側の眼底周辺部を観察する場合には、術者の右眼により観察される眼底周辺部Er’の像の方が非点収差および色収差の影響を強く受ける。
【0025】
このように左右眼によりそれぞれ観察される像の収差量が異なると、術者は眼底周辺部Er’の像を正常に立体視することが困難となる。
【0026】
なお、以上のような非点収差の問題は、偏角作用を有するプリズムのような光学部材を角膜にあてがった状態でレーザ光により眼底周辺部に凝固治療を施すような場合にも影響を与えるものである。また、上述の前置レンズを手術眼と対物レンズとの間にあてがったときにも非点収差や色収差の問題が生じていた。
【0027】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、眼底や硝子体など眼の状態を観察するときの非点収差を好適に除去することが可能な観察装置を提供することを目的としている。
【0028】
また、本発明は、眼の状態を観察するときの色収差を好適に除去することが可能な観察装置を提供することを目的とするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、観察の対象となる被観察眼に対峙される対物レンズから左右眼用の接眼レンズに至るまでの間の左右のそれぞれの観察光路に、前記被観察眼を観察する観察倍率を変更するための変倍レンズ系と、前記変倍レンズ系を経由した光束を結像させるための結像レンズとを有し、前記対物レンズから前記変倍レンズ系に至るまでの間が前記被観察眼からの反射光を平行光束として前記変倍レンズ系にリレーする観察光路を形成しているとともに、前記変倍レンズ系から前記結像レンズに至るまでの間が前記変倍レンズを通して得られた反射光束を前記結像レンズに平行光束としてリレーする観察光路を形成している観察装置において、前記左右の観察光路に、非点収差を生じさせる所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる非点収差のパワーを打ち消すための、左右それぞれ独立して動作可能な非点収差打ち消し用光学素子を設けたことを特徴とする。
【0030】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の観察装置であって、前記非点収差打ち消し用光学素子は、前記観察光路の観察光軸を中心として相対的に回転可能に設けられた凹凸一対のシリンダーレンズからなるバリアブルクロスシリンダーレンズであることを特徴とする。
【0031】
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の観察装置であって、前記非点収差の前記パワーの方向を設定するための収差方向設定手段と、前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を設定するための補正量設定手段とを、左右の前記バリアブルクロスシリンダーレンズのそれぞれについて備えていることを特徴とする。
【0032】
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項2記載の観察装置であって、前記所定の光学部材は、前記被観察眼の角膜に接触して装着されるプリズムであり、更に、前記プリズムの頂角の角度を入力するための頂角入力手段と、前記プリズムの前記角膜への装着角度を入力するための装着角度入力手段と、左右の前記バリアブルクロスシリンダーレンズをそれぞれ独立に回転駆動させるための駆動手段と、前記頂角入力手段により入力された前記頂角の角度と、前記装着角度入力手段により入力された前記装着角度とに応じて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0033】
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項4記載の観察装置であって、前記制御手段は、前記変倍レンズ系により変更される前記観察倍率に応じて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御することを特徴とする。
【0034】
また、上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の観察装置であって、前記左右の観察光路により案内される前記被観察眼からの前記反射光をそれぞれ受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第1の補正量演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記第1の補正量演算手段により演算された前記補正量を基に、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、ことを特徴とする。
【0035】
また、上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の観察装置であって、前記被観察眼にパターン像を投影するための投影光学系と、前記左右の観察光路により案内される、前記投影光学系により前記被観察眼に投影された前記パターン像の反射像をそれぞれ受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記パターン像の前記反射像に所定の解析処理を施して、前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第2の補正量演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記第2の補正量演算手段により演算された前記補正量を基に、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、ことを特徴とする。
【0036】
また、上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の観察装置であって、前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量を基に、他方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第3の補正量演算手段と、を更に備え、前記非点収差打ち消し用光学素子は、前記第3の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて左右それぞれ独立に動作されることを特徴とする。
【0037】
また、上記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の観察装置であって、前記プリズムの前記頂角と前記装着角度とに応じた前記非点収差のパワーを打ち消し補正するための補正量を記憶する記憶手段と、前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量と前記記憶手段に記憶された前記頂角および前記装着角度とに応じた前記補正量とから、他方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第3の補正量演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記第3の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、ことを特徴とする。
【0038】
また、上記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の観察装置であって、所定の頂角を有するプリズムによる非点収差のパワーを打ち消し補正するための補正量を、前記変倍レンズ系による観察倍率に関連づけて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記観察倍率に関連付けて記憶された前記補正量と、あらかじめ取得された前記所定の頂角とは異なる頂角を有するプリズムの特定の観察倍率における前記補正量とを基に、前記所定の頂角とは異なる頂角を有する前記プリズムの、前記特定の観察倍率とは異なる観察倍率における前記補正量を算出する補正量算出手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記補正量算出手段により算出された前記補正量に応じて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、ことを特徴とする。
【0039】
また、上記目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、請求項2ないし請求項10のいずれか一項に記載の観察装置であって、前記バリアブルクロスシリンダーレンズによって発生される正負のパワーを前記非点収差の正負のパワーの方向に変更させるための補正レンズを更に備えたことを特徴とする。
【0040】
また、上記目的を達成するために、請求項12に記載の発明は、請求項2ないし請求項10のいずれかに記載の観察装置であって、前記バリアブルクロスシリンダーレンズにより前記非点収差を打ち消し補正するときに生じる合焦位置のずれを補正するための合焦位置補正手段を更に有することを特徴とする。
【0041】
また、上記目的を達成するために、請求項13に記載の発明は、請求項12記載の観察装置であって、前記合焦位置補正手段は、前記バリアブルクロスシリンダーレンズによって発生される正負のパワーを前記非点収差の正負のパワーの方向に変更させるための球面度の異なる複数の補正レンズからなる補正レンズ群であることを特徴とする。
【0042】
また、上記目的を達成するために、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の観察装置であって、前記左右の観察光路の前記変倍レンズ系と前記結像レンズとの間に、前記所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる色収差を打ち消すための、左右それぞれ独立して動作可能な色収差打ち消し用光学素子が設けられていることを特徴とする。
【0043】
また、上記目的を達成するために、請求項15に記載の発明は、観察の対象となる被観察眼に対峙される対物レンズから左右眼用の接眼レンズに至るまでの間の左右のそれぞれの観察光路に、前記被観察眼を観察する観察倍率を変更するための変倍レンズ系と、前記変倍レンズ系を経由した光束を結像させるための結像レンズとを有し、前記対物レンズから前記変倍レンズ系に至るまでの間が前記被観察眼からの反射光を平行光束として前記変倍レンズ系にリレーする観察光路を形成しているとともに、前記変倍レンズ系から前記結像レンズに至るまでの間が前記変倍レンズを通して得られた反射光束を前記結像レンズに平行光束としてリレーする観察光路を形成している観察装置において、前記左右の観察光路に、色収差を生じさせる所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる色収差を打ち消すための、左右それぞれ独立して動作可能な色収差打ち消し用光学素子を設けたことを特徴とする。
【0044】
また、上記目的を達成するために、請求項16に記載の発明は、請求項15記載の観察装置であって、前記色収差の方向を設定するための収差方向設定手段と、前記色収差を打ち消し補正する補正量を設定するための補正量設定手段とを、左右の前記色収差打ち消し用光学素子のそれぞれについて備えていることを特徴とする。
【0045】
また、上記目的を達成するために、請求項17に記載の発明は、請求項15記載の観察装置であって、前記所定の光学部材は、前記被観察眼の角膜に接触して装着されるプリズムであり、更に、前記プリズムの頂角の角度を入力するための頂角入力手段と、前記プリズムの前記角膜への装着角度を入力するための装着角度入力手段と、前記頂角入力手段により入力された前記頂角の角度と、前記装着角度入力手段により入力された前記装着角度とに応じて、前記色収差打ち消し用光学素子の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0046】
また、上記目的を達成するために、請求項18に記載の発明は、請求項17記載の観察装置であって、前記制御手段は、前記変倍レンズ系により変更される前記観察倍率に応じて、前記色収差打ち消し用光学素子の動作を制御する、ことを特徴とする。
【0047】
また、上記目的を達成するために、請求項19に記載の発明は、請求項15ないし請求項18のいずれか一項に記載の観察装置であって、前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量を基に、他方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算する第4の補正量演算手段と、を更に備え、前記色収差打ち消し用光学素子は、前記第4の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて左右それぞれ独立に動作されることを特徴とする。
【0048】
また、上記目的を達成するために、請求項20に記載の発明は、請求項17または請求項18に記載の観察装置であって、前記プリズムの前記頂角と前記装着角度とに応じた前記色収差を打ち消し補正するための補正量を記憶する記憶手段と、前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量と前記記憶手段に記憶された前記頂角および前記装着角度とに応じた前記補正量とから、他方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算する第4の補正量演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記第4の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて、前記色収差打ち消し用光学素子を左右それぞれ独立に制御する、ことを特徴とする。
【0049】
また、上記目的を達成するために、請求項21に記載の発明は観察の対象となる被観察眼に対峙される対物レンズから左右眼用の接眼レンズに至るまでの間の左右のそれぞれの観察光路に、前記被観察眼を観察する観察倍率を変更するための変倍レンズ系と、前記変倍レンズ系を経由した光束を結像させるための結像レンズとを有し、前記対物レンズから前記変倍レンズ系に至るまでの間が前記被観察眼からの反射光を平行光束として前記変倍レンズ系にリレーする観察光路を形成しているとともに、前記変倍レンズ系から前記結像レンズに至るまでの間が前記変倍レンズを通して得られた反射光束を前記結像レンズに平行光束としてリレーする観察光路を形成している観察装置において、前記左右の観察光路により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の左右のそれぞれの観察像を受像するための受像手段と、前記受像手段により受像された前記左右の観察像をそれぞれ表示するための表示手段と、色収差を生じさせる所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる色収差により分離されて前記受像手段に受像された前記左右の観察像におけるR、G、Bの点像の位置を前記表示手段上で左右それぞれ合致させるようデジタル処理を施して、前記左右の観察像の前記色収差をそれぞれ補正するための色収差補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る観察装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明される上記観察装置としては、特に眼科分野において広く利用されている手術用顕微鏡装置を取り上げることとする。よって、観察の対象となる被観察眼を手術眼と呼ぶこととする。ただし、本発明の特徴的な構成は、被検眼を観察するための細隙灯顕微鏡装置や、眼底にレーザ光を照射して光凝固による治療を行う光凝固装置(の被検眼を観察するための構成部分)など、眼の状態を観察するための観察装置一般に適用可能であることを付け加えておく。また、本発明は、眼科分野への適用に限られるものではなく、人体の或る一部を顕微鏡等で観察するための観察装置に対して本発明の特徴的構成を適用したときに同様の効果を得られるような場合には、当該観察装置に適用することができる。また、本発明のような観察装置は、観察像に各種の画像処理を行うための画像処理装置や、観察像を表示するためのモニタと接続されて使用されることが多々ある。よって、「観察装置」と称する場合、観察を行うための光学系を備えた観察装置自体、この観察装置に画像処理装置を接続したときの構成、および、この構成に更にモニタを接続したときの構成を含んでいるものとする。
【0051】
[第1の実施の形態]
本実施形態の手術用顕微鏡装置(観察装置)は、図1に示すような外観構成を有し、その手術用顕微鏡10の鏡筒11の内部には、図6および図7に示すような光学系が配設されている。なお、図6および図7において、図2および図3に表す構成要素と同一の構成要素については、特に指摘しない限り、同一の符号を付して説明することとする。また、図6,図7には術者の助手用の補助観察光学系が示されていないが、光学系の構成を適宜変更するなどして補助観察光学系を設けることができる。一方、図2および図3とは異なる構成要素については、以下、重点的に説明することとする。
【0052】
〔光学系の構成〕
左右観察光学系13a、13bは、対物レンズ19から変倍レンズ系20(30)に至るまでの間が眼底Erからの反射光を平行光束として変倍レンズ系20(30)にリレーする観察光路となっており、また、変倍レンズ系20(30)から結像レンズ22(32)に至るまでの間が変倍レンズ系20(30)を通して得られた上記反射光を結像レンズ22(32)に平行光束としてリレーする観察光路となっている。
【0053】
ここでは、手術眼Eの角膜Ecにコンタクトプリズム(本発明にいうプリズム)60をあてがったときに生じる非点収差のパワーを打ち消す非点収差打ち消し用光学素子61が変倍レンズ系20(30)と結像レンズ22(32)との間に設けられている。これは、平行光学系式観察装置の付属品取付位置として一般的である。
【0054】
なお、変倍レンズ系20は、図示しない駆動機構によりレンズ20a、20bおよび20cの光軸O1方向における相対位置が変更されることによってズーム倍率を変更するようになっている。変倍レンズ系30も、同じく図示しない駆動機構によりレンズ30a、30bおよび30cの光軸O2方向における相対位置が変更されることによってズーム倍率を変更するよう作用する。
【0055】
非点収差打ち消し用光学素子61は、図8および図9に示すように一対のシリンダーレンズ61A、61Bから構成されるバリアブルクロスシリンダーレンズである。シリンダーレンズ61Aは凸のシリンダーレンズから構成され、シリンダーレンズ61Bは凹のシリンダーレンズから構成されている。
【0056】
シリンダーレンズ61Aの母線軸61Cとシリンダーレンズ61Bの母線軸61Dとが平行な場合(図6に示す配置の場合)、そのパワーは0ディオプターであり、シリンダーレンズ61Aの母線軸61Cとシリンダーレンズ61Bの母線軸61Dとが直交する場合(図7に示す配置の場合)、そのパワーが最大となる。
【0057】
また、シリンダーレンズ61A、61Bは、観察光軸O1,O2の回りに一体回転可能であるとともに、相対回転可能とされている。このシリンダーレンズ61A、61Bを観察光軸O1,O2の回りに一体回転させると、コンタクトプリズム60の手術眼Eへのあてがい方によって生じる非点収差の方位に非点収差打ち消し用光学素子61を対応させることができる。さらに、非点収差打ち消し用光学素子61の方位を固定した状態で、シリンダーレンズ61Aとシリンダーレンズ61Bとの両者を相対回転させることにより非点収差打ち消し用光学素子61のパワーを適宜変更させると、コンタクトプリズム60を手術眼Eにあてがったときに生じる非点収差を打ち消すことができる。
【0058】
図10は、非点収差打ち消し用光学素子61のこのような作用の一例を模型眼を用いて説明したもので、符号62は模型眼の眼底相当部を、符号63は角膜相当部をそれぞれ示し、頂角θが45度のコンタクトプリズム60を角膜相当部63にあてがった状態が示されている。また、同図に示す対物レンズ19の焦点距離fは200mm、(変倍レンズ系20(30)に基づく)結像レンズ22(32)の観察倍率は4.2倍とされている。このような設定条件における場合に生じる非点収差を打ち消すための非点収差打ち消し用光学素子61のパワーは、−0.017ディオプターであった。
【0059】
この非点収差打ち消し用光学素子61を用いない場合、眼底相当部62に投影される点像の観察像の合焦状態は、合焦位置前側から後側に変化されるのに伴い、縦長の楕円形の状態から最小円を経由して横長の楕円形の状態として観察され(非点収差)、観察像が歪んでしまうため、観察像の鮮鋭度が劣化してしまう。このような状態に対し、非点収差打ち消し用光学素子61によって上記のパワーを付加してやることにより、非点収差が打ち消されて観察像の歪みは補正され、その鮮鋭度を良好なものとすることができる。
【0060】
一方、結像レンズ22(32)の観察倍率を6.3倍としたときの非点収差を打ち消すための非点収差打ち消し用光学素子61のパワーは−0.043ディオプターであり、また、観察倍率を10.5倍としたときの非点収差を打ち消すための非点収差打ち消し用光学素子61のパワーは−0.11ディオプターであり、更に、観察倍率を16倍としたときの非点収差を打ち消すための非点収差打ち消し用光学素子61のパワーは−0.284ディオプターであり、更にまた、観察倍率を21倍としたときの非点収差を打ち消すための非点収差打ち消し用光学素子61のパワーは−0.445ディオプターであった。
【0061】
また、図7に示すように、左観察光学系13aにはTV撮像系50Lが、右観察光学系13bにはTV撮像系50Rがそれぞれ設けられており、それぞれの観察光学系13a、13bによって案内される観察光の一部はビームスプリッタ21、31により反射されてTV撮像系50L、50Rに入射され、手術眼Eの画像をそれぞれ撮影できるようになっている。
【0062】
左観察光学系13aのTV撮像系50Lは、術者の左眼により視認される手術眼Eの画像を撮影するための光学系で、結像レンズ51L、反射ミラー52LおよびTVカメラ53Lを含んで構成されている。TVカメラ53Lは、受像手段としてのCCD撮像素子54Lを備えている。また、右観察光学系13bのTV撮像系50Rは、術者の右眼により視認される手術眼Eの画像を撮影するための光学系で、結像レンズ51R、反射ミラー52RおよびTVカメラ53Rを含んで構成されている。TVカメラ53Rは、受像手段としてのCCD撮像素子54Rを備えている。なお、詳細については後述するが、TV撮像系50Lおよび50Rには、これらによってそれぞれ撮影された画像に所定のデジタル処理を施すための画像処理装置が接続されている。
【0063】
〔コントロールパネルの構成〕
図11は、本実施形態の観察装置が備える後述の非点収差打ち消し機能(および第3の実施形態として説明する色収差打ち消し機能)における各種設定や操作を行うためのコントロールパネル100を示している。このコントロールパネル100は、術者が被検眼の観察を行いながら操作できるように、例えば手術用顕微鏡10の鏡筒11に配設されている。
【0064】
コントロールパネル100には、当該観察装置の非点収差打ち消し機能(および色収差打ち消し機能)のON/OFFを切り換えるためのON/OFFスイッチ101と、当該機能のための各種設定をリセットするためのリセットボタン102と、手術眼Eの角膜Ecに接触配置されるコンタクトプリズム60に関する設定を行うためのプリズム設定部110と、このコンタクトプリズム60に起因する非点収差を補正するための設定を行うための非点収差設定部120と、同じくコンタクトプリズム60に起因する色収差を補正するための設定を行うための色収差設定部130とが設けられている。この色収差設定部130については、本発明に係る観察装置の第3の実施の形態の説明において詳述することとする。ここで、ON/OFFスイッチ101に代えて、非点収差打ち消し機能と色収差打ち消し機能とをそれぞれON/OFFするためのスイッチを設けてもよい。また、非点収差打ち消し機能と色収差打ち消し機能とを切り換え動作させるための切り換えスイッチを設けるようにしてもよい。
【0065】
プリズム設定部110は、使用されるコンタクトプリズム60の頂角θの角度を設定入力するための頂角設定ツマミ111(本発明にいう頂角入力手段)と、コンタクトプリズム60を角膜Ec上に装着する角度を設定入力するための装着角度設定ツマミ112(本発明にいう装着角度入力手段)とを含んで構成されている。術者は、頂角設定ツマミ111を回動操作することにより、使用されるコンタクトプリズム60の頂角θとして例えば20°〜50°に設定する。また、装着角度設定ツマミ112を回動操作することにより、装着するコンタクトプリズム60のプリズム基底方向を設定する。なお、術者側から見てプリズム基底方向が右側にある場合を0°とし、そこから反時計回りに度数が設定されているものとする。
【0066】
また、非点収差設定部120は、左観察光学系13aの非点収差打ち消し用光学素子61に関する設定操作を行うためのツマミと、右観察光学系13bの非点収差打ち消し用光学素子61に関する設定操作を行うためのツマミとを備えている。前者としては、左観察光学系13aの非点収差打ち消し用光学素子61の軸角度方向を設定するための軸角度設定ツマミ121L(収差方向設定手段)と、その非点収差の補正量を設定するための補正量設定ツマミ122L(補正量設定手段)とが含まれている。また、後者としては、右観察光学系13bの非点収差打ち消し用光学素子61の軸角度方向を設定するための軸角度設定ツマミ121R(収差方向設定手段)と、その非点収差の補正量を設定するための補正量設定ツマミ122R(補正量設定手段)とが含まれている。
【0067】
なお、軸角度設定ツマミ121L、121Rにより設定される軸角度は、プリズム設定部110の装着角度設定ツマミ112によるプリズム基底方向の設定角度と(ほぼ)一致するように調整されるのが一般的である。したがって、装着角度設定ツマミ112の設定に連動して、上記軸角度が設定されるような構成とすることもできる。また、このような自動的な軸角度の設定と、軸角度設定ツマミ121L、121Rを用いた手動の軸角度の設定とを選択的に切り換え可能とする切換スイッチを設けてもよい。
【0068】
ここで、装着角度設定ツマミ112および軸角度設定ツマミ121L、121Rの周囲に示してある角度は、任意の方向を0°として設定することが可能であるが、本実施形態では、術者側から見て水平方向右側を0°と設定し、そこから反時計回りに角度が増加していくように設定されている。
【0069】
また、補正量設定ツマミ122L、122Rの周囲に示す数字0〜10は、非点収差打ち消し用光学素子61により形成されるパワー(補正量)の度合いを相対的に示した目盛で、そのパワーが0ディオプターのときを0目盛、パワーが最大のときを10目盛として設定されている。
【0070】
〔制御系の構成〕
図12は、本実施形態の観察装置の制御系の構成を示すブロック図である。同図に表すように、本観察装置には、TV撮像系50L、50RのCCD撮像素子54L、54Rによって受像された手術眼Eの眼底像に各種の解析処理や演算処理を施すとともに、モニタ66(本発明にいう表示手段)による画像の表示処理や、本観察装置の動作を制御する制御信号の生成、送信などの処理を行うための画像処理装置64が設けられている。この画像処理装置64は、CPU等からなる演算制御装置および記憶装置(ROMやハードディスクドライブなど)を内蔵しており、この記憶装置に記憶されたプログラムにしたがって上記演算制御手段が動作することにより、上記の処理を行うようになっている。なお、左右のTV撮像系50L、50Rに対しそれぞれ別個の画像処理装置を設けた構成としてもよい。
【0071】
画像処理装置64には、本発明にいう制御手段641、演算手段642および解析手段643が含まれている。これらの各手段は、上述の記憶装置に記憶されたプログラムにしたがって動作する演算制御装置により構成されている。制御手段641は、各種の制御信号の生成および送信や、変倍レンズ系20,30による観察倍率の認識等の処理を行うためのものである。また、解析手段643は、TV撮像系50L、50Rにより撮影された手術眼Eの眼底像に所定の解析処理(後述)を施すためのものである。また、演算手段642は、解析手段643による解析結果を基に、コンタクトプリズム60により生じる非点収差のパワーを打ち消し補正する補正量(後述)を算出するためのものである。なお、このような各手段を手術用顕微鏡装置に内蔵した構成を採用することも可能である。ここで、解析手段643と演算手段642とは、本発明にいう第1の補正量演算手段を構成するものである。
【0072】
更に、本観察装置の手術用顕微鏡10には、左観察光学系13aの非点収差打ち消し用光学素子61を形成するシリンダーレンズ61A、61Bを観察光軸O1回りにそれぞれ回転駆動させるためのバリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Lと、右観察光学系13bの非点収差打ち消し用光学素子61を形成するシリンダーレンズ61A、61Bを観察光軸O2回りにそれぞれ回転駆動させるためのバリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Rとが設けられている。バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rは、画像処理装置64の制御手段641によってそれぞれ独立に動作制御されるようになっている。このバリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rは、例えばステッピングモータを用いて構成することができる。なお、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rは、本発明にいう駆動手段を構成するもので、図12中においても「駆動手段」と示されている。
【0073】
また、変倍レンズ系20、30による手術眼Eの観察倍率は、画像処理装置64の制御手段641によって認識されるようになっている。この認識は、変倍レンズ系20、30を動作させる図示しない駆動系からの信号により行われるようになっている。なお、観察倍率を設定入力するときの入力信号を基に観察倍率を認識するよう構成してもよい。
【0074】
また、コントロールパネル100を操作すると、その操作信号が制御手段641に送信されるようになっている。
【0075】
〔使用形態〕
続いて、このような構成を備えた本実施形態の観察装置の使用形態について説明する。本観察装置によれば、以下に示すように各種の使用形態を行うことができる。なお、以下の使用形態をすべて行えるよう構成する必要はなく、そのうちの少なくとも一つを行えるものであればよい。このとき、採用しない使用形態に用いられる構成部分については具備している必要はない。また、複数の使用形態を選択的に行えるよう構成する場合には、各使用形態を切り換えるための切り換えスイッチを、例えばコントロールパネル100に設けることができる。
【0076】
(使用例1)
まず、図13に示すフローチャートを参照して、マニュアル使用における使用形態について説明する。まず、コントロールパネル100の非点収差設定部120を用いて設定入力を行う。具体的には、軸角度設定ツマミ121Lを回動操作して左観察光学系13aの非点収差の軸角度、即ちその非点収差を補正するためにパワーを付加する方向、を設定し(S1)、補正量設定ツマミ122Lを回動操作して左観察光学系13aの非点収差の補正量を設定する(S2)。同様に、軸角度設定ツマミ121Rを回動操作して右観察光学系13bの非点収差の軸角度を設定し(S3)、補正量設定ツマミ122Rを回動操作して右観察光学系13bの非点収差の補正量を設定する(S4)。なお、左観察光学系13aに対する設定操作および右観察光学系13bに対する設定操作は、どちらを先に行ってもよいことは言うまでもない。
【0077】
コントロールパネル100から以上の設定操作がなされると、その信号が画像処理装置64の制御手段641に送られる。制御手段641は、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Lを制御して、左観察光学系13aのバリアブルクロスシリンダーレンズ61を構成するシリンダーレンズ61A、61B(図13では「VCC」と略記されている)をそれぞれ回転させて、設定された軸角度および補正量とする(S5)。同時に、制御手段641は、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Rを制御して、右観察光学系13bのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させて、設定された軸角度および補正量とする(S6)。
【0078】
これにより、手術眼Eにあてがったコンタクトプリズム60による非点収差が補正されるので、観察像を良好に視認することが可能となる。特に、左右それぞれ独立して補正量等を設定することができるので、眼底周辺部Er’を観察する場合のように左右で収差量が異なるケースにおいても、像を正常に立体視することが可能となる。また、一度の補正で非点収差が十分に除去されない場合、術者はコントロールパネル100を操作して更なる補正を施すことができる。
【0079】
(使用例2)
次に、本実施形態の観察装置の他の使用形態について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。本使用形態では、非点収差の軸角度および補正量を設定入力する代わりに、手術眼Eにあてがうコンタクトプリズム60の態様のみを入力するようになっているので操作が容易なものとなる。
【0080】
まず、コントロールパネル100のプリズム設定部110の頂角設定ツマミ111を回動操作して手術眼Eにあてがうコンタクトプリズム60の頂角の角度θを入力し(S11)、装着角度設定ツマミ112を回動操作してコンタクトプリズム60の装着角度を入力する(S12)。この入力された内容は、画像処理装置64の制御手段641に信号として送信される。
【0081】
ここで、画像処理装置64の前述の記憶装置には、コンタクトプリズム60の頂角θから非点収差打ち消し用光学素子61のパワーを決定するためのデータがあらかじめ入力されている。このデータとしては、用意されたコンタクトプリズム60各々について上述したような模型眼による試験を行い、変倍レンズ系20、30の観察倍率と関連付けたものなどを用いることができる。このとき、コンタクトプリズム60に対する観察光軸の位置を、左観察光学系13aの観察光軸O1の位置と、右観察光学系13bの観察光軸O2の位置とに設定してそれぞれ試験を行い、その結果を記憶しておく。
【0082】
制御手段641は、変倍レンズ系20、30による観察倍率を認識し、この観察倍率とS11で入力された頂角θとを基に、上記データを参照して、左観察光学系13aの非点収差の補正量を決定し(S13)、右観察光学系13bの非点収差の補正量を決定する(S14)。更に、S12で入力されたコンタクトプリズム60の装着角度を基に、左観察光学系13aの非点収差の軸角度および右観察光学系13bの非点収差の軸角度を決定する(S15、S16)。当該決定は、例えば、装着角度イコール軸角度とすればよい。
【0083】
補正量および軸角度が決定されると、制御手段641は、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Lを制御して、左観察光学系13aのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させて、決定された軸角度および補正量とし(S17)、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Rを制御して、右観察光学系13bのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させて、決定された軸角度および補正量とする(S18)。
【0084】
(使用例3)
続いて、本実施形態の観察装置の更に他の使用形態について説明する。本使用形態では、TV撮像系50L、50RのCCD撮像素子54L、54Rによって受像される左右それぞれの観察像に基づいて自動的に非点収差の補正が行われるようになっている。
【0085】
モニタ66の画面66Aには、左観察光学系13aおよび右観察光学系13bを介して観察される観察像がそれぞれ表示される。図15には、モニタ66に表示される眼底周辺部Er’の眼底像Er”の概略図が示されている(簡略化のために左観察光学系13aを介しての観察像のみを示す)。コンタクトプリズム60に起因する非点収差が生じていると、同図に模式的に示すような画像の流れ67が生じる。例えば、血管68の輪郭線の像が流れて見えてしまう。当該使用形態では、次のような処理を実行することにより非点収差による画像の流れ67を補正する。
【0086】
図16には、本使用形態における処理を表すフローチャートが示されている。まず、左右の観察光学系13a、13bを介して得られる眼底像Er”をモニタ66に表示させ(S21)、解析手段643によりこの眼底像Er”に生じている血管68の輪郭線の流れ67を抽出して解析し、その流れ67の方向および大きさを検出する(S22)。
【0087】
次に、演算手段642により、検出された血管68の輪郭線の流れ67の方向および大きさに基づいて、シリンダーレンズ61A、61Bの軸角度およびパワー(補正量)が、左観察光学系13a、右観察光学系13bのそれぞれについて決定される(S23、S24)。演算手段642は、具体的には以下のような処理を行う。まず軸角度については、流れ67の方位から45°隔たった方位とされる。また、補正量については、その流れ67の大きさに対応したものとされる。
【0088】
続いて、制御手段641は、決定された軸角度および補正量にシリンダーレンズ61A、61Bを回転動作させるための制御信号を生成し、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rに送信する。バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rは、受信した制御信号に基づいて、左右の観察光学系13a、13bのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させる(S25、S26)。具体的には、シリンダーレンズ61A、61Bは、血管68の輪郭線の流れ67に対応する方位から45°隔たった方位に一体的に回転され、その方位にそれぞれの母線軸が固定された後、流れ67の大きさに対応して相対的に回転される。これにより、非点収差打ち消し用光学素子61は、非点収差を打ち消すためのパワーを有するディオプターに設定される。
【0089】
このような処理により、観察される眼底像に生じる画像の流れ67が補正され、図17に示すように血管68の輪郭線の流れ67は小さくなる。
【0090】
次に、この補正された眼底像に画像の流れ67がどれだけ残存しているか確認をする(S27)。つまり、再び解析手段643によって残存している流れ67の(方向および)大きさを解析し、演算手段642によって流れ67の(方向および)大きさを求め、制御手段641によってこの流れ67の大きさとあらかじめ設定された所定の値とが比較判断される。なお、この所定値は、眼底像が十分明瞭となる範囲のしきい値として設定されている。
【0091】
残存している流れ67の大きさがこの所定値よりも大きい場合、S27で求めた流れ67の(方向および)大きさに基づいて、左右の観察光学系13a、13bのシリンダーレンズ61A、61Bを制御する(S23〜S26)。そして、再度残存している流れ67の大きさを確認し(S27)、上記所定値との比較判断を行う(S28)。この処理は、残存している流れ67の大きさが上記所定値よりも小さくなるまで繰り返される。流れ67の大きさがこの所定値よりも小さくなったら、非点収差補正処理を終了する(S29)。
【0092】
なお、図示は省略するが、シリンダーレンズ61A、61Bによって発生される正または負の球面度誤差を変更補正するための補正レンズ(群)を、左右の観察光学系13a、13bのそれぞれに設けて、残存している流れ67の大きさを打ち消すためのパワーを発生させるようにしてもよい。
【0093】
また、コントロールパネル100を用いてシリンダーレンズ61A、61Bによって発生される正または負の球面度誤差を変更補正するようにしてもよい。
【0094】
以上のような処理を実行する本使用形態によれば、設定動作や入力動作を行わなくとも自動的に非点収差が補正されるので、操作性を向上させることが可能となる。特に、コンタクトプリズム60の頂角θや装着角度、観察倍率などの如何を問わずに自動補正されるので、利便性が高いものとなる。また、上記の所定値を適正に設定することにより、シャープな画像を自動的に得ることが可能となるため、非常に精密な手術を行う場合にも対応することが可能である。また、左右の観察光学系13a、13bを介して観察される眼底像に対して補正を左右別個に施すことができるので、適正な立体視が可能となる。
【0095】
〔変形例〕
図18は、第1の実施形態として説明した上記観察装置の変形を備える光学系の構成を示している。当該変形例は、非点収差打ち消し用光学素子61が対物レンズ19と変倍レンズ系20(30)との間に配設された構成を備えている。
【0096】
このように、非点収差打ち消し用光学素子61を対物レンズ19と変倍レンズ系20(30)との間で眼底Erからの反射光束を平行にリレーする観察光路上に設けることにより、観察倍率の変更に応じて非点収差打ち消し用光学素子61のパワーを変更しなくとも、変倍の影響を受けずに非点収差を打ち消すことが可能となるため、操作上便利である。
【0097】
また、この変形例のように対物レンズ19と変倍レンズ系20(30)との間で眼底Erからの反射光束を平行にリレーする観察光路上に非点収差打ち消し用光学素子61を配置するか、または、上述の第1の実施形態のように変倍レンズ系20(30)を通して得られた眼底Erからの反射光束を結像レンズ22(32)に平行にリレーする観察光路上に非点収差打ち消し用光学素子61を配置することにより、一対のシリンダーレンズ61A、61Bの間隔に左右されずに非点収差を打ち消すことが可能となるため、非点収差の打ち消し補正を容易に行うことができる。なお、非点収差打ち消し用光学素子61は、対物レンズ19から接眼レンズ26(36)に至るまでの左右観察光学系13a、13bの観察光路上の任意の位置に配置することができる。
【0098】
以上の本実施形態では、非点収差打ち消し用光学素子61として、凹凸一対のシリンダーレンズ61A、61Bからなるバリアブルクロスシリンダーレンズを用いたが、その他にも例えばアルバレッツレンズにより非点収差を打ち消し補正することができる。アルバレッツレンズは、相対的に移動される一対のレンズからなり、その相対的移動方向に応じて所望の球面度および円柱度をそれぞれ独立に発生させることができる。なお、アルバレッツレンズを用いる場合には、上述の補正レンズ(群)を設けなくともよい。ただし、装置の設計上の制限等によってアルバレッツレンズを構成する一対のレンズの移動方向が限定されているなどの場合には、補正レンズを設けて球面度誤差を補正するよう構成してもよい。
【0099】
[第2の実施の形態]
以下、本発明にかかる観察装置の第2の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0100】
〔構成〕
本実施形態の観察装置は、第1の実施形態の観察装置と同様の光学系を備えている。また、同様のコントロールパネル100が設けられている。
【0101】
図19は、本実施形態の観察装置の制御系の構成を示すブロック図である。同図に示す画像処理装置64には、制御手段641、メモリ644および算出手段645が設けられている。制御手段641は、第1の実施形態のそれと同様のものである。また、メモリ644は、ROMやハードディスクドライブなどからなる本発明に言う記憶手段であり、後述する図20に示すような情報を保存するためのものである。なお、第1の実施形態で登場した記憶装置と兼用としてもよい。また、算出手段645は、変倍レンズ系20、30による観察倍率と、装着されるコンタクトプリズム60の頂角θと、メモリ644に保存された情報とに基づいて、非点収差の補正量を算出するためのものである。なお、この算出手段645は、所定の動作プログラムを実行するCPUなどから構成されている。また、メモリ644は画像処理装置64に内蔵されたものである必要はなく、外付けのメモリ装置であってもよく、また、同様の情報が記録されたCD−ROMやフロッピー(登録商標)ディスク等の情報記録媒体を画像処理装置64のドライブを用いて読み取るような構成としてもよい。
【0102】
図20は、あらかじめメモリ644に保存される情報の一例を模式的に示した図である。メモリ644には、いかに詳述するような基準情報6441およびプリズム情報6442が保存されている。基準情報6441は、基準となる所定の頂角θstan(基準頂角と略称する)を有するコンタクトプリズム(基準プリズムと称することとする)により発生される非点収差を打ち消し補正するためのパワー(補正量)を、各種の観察倍率と関連付けたデータから構成されている。また、プリズム情報6442は、各種の頂角θを有するコンタクトプリズムが或る特定の観察倍率(一つでよい)において発生させる非点収差を打ち消し補正するための補正量から構成されている。これらの情報は、例えば、第1の実施形態で説明した模型眼を用いた試験によって求めることができる。
【0103】
図20に示す基準情報6441には、基準頂角θstan=45°を有する基準プリズムにより発生される非点収差を補正するための補正値が示されている。詳しくは、変倍レンズ系20、30による観察倍率を4.2倍としたときの補正量−0.017ディオプター、観察倍率を6.3倍としたとき補正量−0.043ディオプター、観察倍率を10.5倍としたときの補正量−0.11ディオプター、観察倍率を16倍としたときの補正量−0.284ディオプター、観察倍率を21倍としたときの補正量−0.445ディオプターといったデータが含まれている。なお、基準プリズムの基準頂角θstanは45°である必要はなく、任意の頂角とすることができる。また、観察倍率についても、上記の各倍率である必要はない。
【0104】
また、プリズム情報6442としては、手術用に用意された各種のコンタクトプリズムの頂角θごと(図20では5°刻み)に、一の観察倍率に対する補正量が記述されている。例えば、頂角θ=30°のコンタクトプリズムでは、観察倍率が10.5倍のときに発生される非点収差を打ち消すための補正量は−0.05ディオプターとされている。
【0105】
〔使用形態〕
以下、このような構成を備えた本実施形態の観察装置の使用形態の一例を、図21および図22に示すフローチャートに基づいて説明する。図22のフローチャートは、図21のフローチャートのステップS36、S37で行う処理を具体的に説明するためのものである。
【0106】
まず、コントロールパネル100のプリズム設定部110の頂角設定ツマミ111を回動操作して手術眼Eにあてがうコンタクトプリズム60の頂角の角度θを入力し(S31)、装着角度設定ツマミ112を回動操作してコンタクトプリズム60の装着角度を入力する(S32)。この入力された内容は、画像処理装置64の算出手段645に信号として送信される。
【0107】
続いて、制御手段641は、変倍レンズ系20、30による観察倍率を認識し(S33)、S32で入力されたコンタクトプリズム60の装着角度を基に、左観察光学系13aの非点収差の軸角度および右観察光学系13bの軸角度を決定する(S34、S35)。
【0108】
更に、算出手段645が、S31で入力されたコンタクトプリズム60の頂角θと、S33で認識された観察倍率とを基に、メモリ644に記憶された情報を参照して左観察光学系13aの非点収差の補正量を算出し(S36)、同様に右観察光学系13bの非点収差の補正量を算出する(S37)。この補正量の算出は、例えば次のようにして実行される(図22参照)。ここで、手術眼Eにあてがわれるコンタクトプリズム60の頂角は30°であり、S33で認識された観察倍率は21倍であるとする。
【0109】
まず、算出手段645は、メモリ644に記憶されたプリズム情報6442から頂角が30°のコンタクトプリズム60に対する補正量の情報を取得する(S41)。具体的には、図20に示すように、観察倍率が10.5倍のときの補正量は−0.050ディオプターとされている。次に、算出手段645は、メモリ644に記憶された基準情報6441のうち、プリズム情報6442から取得した上記の補正量に対応する観察倍率のときの基準プリズムによる補正量を取得する(S42)。当該例においては、観察倍率が10.5倍のときの基準プリズムによる補正量は−0.110ディオプターである。算出手段645は、更に、上記認識された観察倍率21倍のときの基準プリズムによる補正量−0.445ディオプターを取得する(S43)。
【0110】
次に、算出手段645は、観察倍率が10.5倍のときの補正量と21倍のときの補正量とを比較して、21倍のときの補正量の10.5倍のときの補正量に対する比率(補正比と称することとする)を演算する(S44)。当該例では、−0.445/−0.110=4.04545・・・・であり、補正比は約4倍となる。
【0111】
続いて、算出手段645は、S41で取得したコンタクトプリズム60に対する補正量に、S44で演算した補正比を積算して、補正量の算出を終了する(S45)。当該例では、−0.050×4であり、−0.200ディオプターとなる。このように、算出手段645は、本発明にいう補正量算出手段を構成するものである。なお、ここでは、求めた補正値を小数点以下第1位において四捨五入した値を採用したが、その他の近似値を適宜採用することができる。以下、図21を再び参照する。
【0112】
補正量および軸角度が決定されると、制御手段641は、S34およびS36の結果に基づき、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Lを制御して、左観察光学系13aのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させ、決定された軸角度および算出された補正量とする(S38)。同様に、S35およびS37の結果に基づき、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Rを制御して、右観察光学系13bのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させ、決定された軸角度および算出された補正量とする(S39)。
【0113】
このような非点収差の補正処理を行うよう構成された本実施形態の観察装置によれば、基準プリズムの基準頂角とは異なる頂角を有するコンタクトプリズムの特定の観察倍率に対する補正量が求まれば、他の観察倍率に対する補正量が算出され、この算出結果を用いて自動的に非点収差が補正されるので、補正処理を迅速に補正することが可能となる。また、左右の観察光学系13a、13bのそれぞれに対する基準情報6441およびプリズム情報6442を記憶しておくようにし、左右の非点収差打ち消し用光学素子61をそれぞれ独立に制御するよう構成すれば立体視を適正なものとすることができる。
【0114】
なお、メモリ644に記憶される基準情報6441として、各観察倍率に対する補正比を記憶するよう構成してもよい。このようにすれば、図22のフローチャートにおける補正比の演算処理(S44)を行う必要がなくなるので、更なる処理の迅速化を図ることができる。
【0115】
〔変形例〕
以下、本実施形態の観察装置の一変形例について説明する。当該変形例では、プリズム情報6442をメモリ644に最初から記憶しておく代わりに、手術中に術者等自らが設定するようになっている。このような構成は、特に、非点収差の補正に熟練した術者等に向いているもので、個々の手術眼の有するパワーを考慮した適正な補正処理を行うことを可能とする。また、手術眼にあてがうコンタクトプリズムの頂角の角度や装着角度を入力する必要がないため、コントロールパネル100を設けなくともよい。
【0116】
本変形例の観察装置は、図19に示す構成に前述のモニタ66を付加した構成を備えている(図12等参照)。また、画像処理装置64のメモリ644には、図20に示す基準情報6441のみがあらかじめ記憶されている。(いずれも図示を省略することとする。)
【0117】
当該変形例においては、まず、術者等は、基準頂角θstanとは異なる頂角を有するコンタクトプリズム60が手術眼Eにあてがわれたことに対応して、モニタ66の画面66A(図15等を参照)を見ながら左右の観察光学系13a、13bの非点収差打ち消し用光学素子61を観察光軸O1,O2回りにそれぞれ回転させて、特定の観察倍率のときの非点収差を打ち消すためのパワー量を設定する。
【0118】
例えば、コンタクトプリズム60の頂角θ=30°とし、パワー量を設定したときの観察倍率を10.5倍とする。また、このときに設定されたパワー量を−0.05ディオプターとする。
【0119】
術者が観察倍率を変更すると(装着角度は変更せず)、制御手段641は、この変更された観察倍率を認識する。ここでは、21倍に変更されたものとする。以下、このような数値例に基づいて説明を行う。
【0120】
次に、算出手段645は、メモリ644の基準情報6441から、基準頂角θstan=45°を有する基準プリズムの補正値であって、かつ、観察倍率が10.5倍のときの補正値−0.110ディオプターと、観察倍率が21倍のときの補正値−0.445ディオプターとを取得する。そして、観察倍率が21倍のときには、観察倍率が10.5倍のときの補正値の何倍の補正比が必要となるかを演算する。ここでは、その補正値は約4倍である。
【0121】
更に、算出手段645は、この補正比に基づいて、頂角30°のコンタクトプリズム60を手術眼Eにあてがい、かつ、観察倍率を21倍に設定したときに非点収差打ち消し用光学素子61が必要とする補正量を算出する。即ち、観察倍率が10.5倍のときに設定されたパワー量−0.05ディオプターに補正比4(倍)を積算して、補正量−0.2ディオプターが求まる。
【0122】
なお、観察倍率とともに装着角度も変更されるときには、例えば、次の2通りの使用形態を用いることができる。第1に、コントロールパネル100が設けられているときには、装着角度設定ツマミ112を回転操作してコンタクトプリズム60の装着角度を設定入力し、これを基にシリンダーレンズ61A、61Bの軸角度を設定すればよい。第2に、コントロールパネル100を用いない場合(設けられていないまたは使用しない場合)は、手作業で軸角度を調整すればよい。
【0123】
[第3の実施の形態]
以下、本発明にかかる観察装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態に示す観察装置は、手術眼にコンタクトプリズム等をあてがったときに生じる色収差を打ち消し補正するための構成を備えたものである。なお、前述したものと同様の構成要素については、同一の符号を付すこととする。
【0124】
〔構成〕
図23および図24は、本実施形態の観察装置の光学系の構成を示し、図18に示す第1の実施形態の変形例としての観察装置とほぼ同様の構成となっている。具体的には、本実施形態の観察装置は、図18に示す非点収差打ち消し用光学素子61に代えて、色収差打ち消し用光学素子70を左右の観察光学系13a、13bに備えている。
【0125】
色収差打ち消し用光学素子70は、対物レンズ19から変倍レンズ系20,30に至るまでの間の、手術眼Eの眼底Erからの反射光束を平行光束として変倍レンズ系20,30に導く観察光路に配設されている(図24参照)。なお、色収差打ち消し用光学素子70を、変倍レンズ系20,30と接眼レンズ26,36との間にそれぞれ配置するよう構成してもよい。
【0126】
左右の観察光学系13a、13bのそれぞれに設けられているこの色収差打ち消し用光学素子70は、例えば、図25および図26に示すように、バリアブルプリズム70A、70Bから構成されている。
【0127】
更に、バリアブルプリズム70Aは、プリズム71aと71bとが貼り合わされて構成されており、またバリアブルプリズム70Bは、プリズム71cと71dとが貼り合わされて構成されている。プリズム71aおよびプリズム71d、そしてプリズム71bおよびプリズム71cは、それぞれ基本波長(d線)の屈折率ndが同一とされている。また、プリズム71aの分散νはプリズム71bの分散νよりも小さくなっており、プリズム71dの分散νはプリズム71cの分散νよりも小さくなっている。ここでは、バリアブルプリズム70A、70Bは同一構成とされているものとするが、それぞれ異なる構成のものを採用することも可能である。
【0128】
また、本実施形態の観察装置にも、図7に示したような、左右の観察光学系13a、13bによる眼底像を撮像するためのTV撮像系50L、50Rがそれぞれ設けられている。
【0129】
本実施形態の観察装置には、図11に示したコントロールパネル100が設けられている。以下、色収差設定部130について説明する。この色収差設定部130は、左観察光学系13aの色収差打ち消し用光学素子70に関する設定操作を行うツマミと、右観察光学系13bの色収差打ち消し用光学素子70に関する設定操作を行うツマミとをそれぞれ備えている。前者としては、左観察光学系13aの色収差打ち消し用光学素子70の軸角度方向を設定するための軸角度設定ツマミ131L(収差方向設定手段)と、その色収差の補正量を設定するための補正量設定ツマミ132L(補正量設定手段)とが含まれている。また、後者としては、右観察光学系13bの色収差打ち消し用光学素子70の軸角度方向を設定するための軸角度設定ツマミ131R(収差方向設定手段)と、その色収差の補正量を設定するための補正量設定ツマミ132R(補正量設定手段)とが含まれている。
【0130】
なお、軸角度設定ツマミ131L、131Rにより設定される軸角度は、プリズム設定部110の装着角度設定ツマミ112によるプリズム基底方向の設定角度と(ほぼ)一致するように調整されるのが一般的である。したがって、装着角度設定ツマミ112の設定に連動して、上記軸角度が設定されるような構成とすることもできる。また、このような自動的な軸角度の設定と、軸角度設定ツマミ121L、121Rを用いた手動の軸角度の設定とを選択的に切り換え可能とする切換スイッチを設けてもよい。
【0131】
ここで、軸角度設定ツマミ131L、131Rの周囲に示してある角度は、任意の方向を0°として設定することが可能であるが、本実施形態では、術者側から見て水平方向右側を0°と設定し、そこから反時計回りに角度が増加していくように設定されている。
【0132】
また、補正量設定ツマミ132L、132Rの周囲に示す数字0〜10は、色収差打ち消し用光学素子70により形成される補正量の度合いを相対的に示した目盛で、補正量がゼロのときを0目盛、補正量が最大のときを10目盛として設定されている。
【0133】
次に、本実施形態の観察装置の制御系の構成について、図27に示すブロック図を参照して説明する。本観察装置の制御系は、図12に示した第1の実施形態とほぼ同様の構成を備えている。本観察装置は、左観察光学系13aの色収差打ち消し用光学素子70を構成するバリアブルプリズム70A、70Bを、観察光軸O1回りに回転駆動させるためのバリアブルプリズム回転駆動手段85Lと、右観察光学系13aの色収差打ち消し用光学素子70を構成するバリアブルプリズム70A、70Bを、観察光軸O2回りに回転駆動させるためのバリアブルプリズム回転駆動手段85Rとを備えている。
【0134】
また、画像処理装置64、および、この画像処理装置64に含まれている制御手段641、解析手段642および演算手段643については、第1の実施形態のものとほぼ同様の処理を行うものであるので、同一の符号を付すこととする。制御手段641は、各種の制御信号の生成および送信や、変倍レンズ系20,30による観察倍率の認識等の処理を行うためのものである。また、解析手段643は、TV撮像系50L、50Rにより撮影された手術眼Eの眼底像に後述する解析処理を施すためのものである。また、演算手段642は、解析手段643による解析結果を基に、コンタクトプリズム60により生じる色収差を打ち消し補正する補正量を算出するためのものである。
【0135】
さて、一般に、色収差はプリズムの有する屈折力の方向に発生する。図24は、手術眼Eにコンタクトプリズム60をあてがったときに生じる色収差の状態の概略を示している。同図には、眼底Erによる反射光がコンタクトプリズム60により屈折されて対物レンズ19に導かれるときに、反射光がコンタクトプリズム60によってR、G、B波長の光線R’、G’、B’に分離された状態が示されている。各光線R’、G’、B’が色収差打ち消し用光学素子70を通過したときに平行光束となるように、色収差打ち消し用光学素子70を回転調整すると、コンタクトプリズム60の屈折作用に起因する色収差が除去されることとなる。以下に続く使用形態では、色収差打ち消し用光学素子70は、このように調整・制御されるようになっている。なお、図24において、左観察光学系13a側の光線R、G、Bの間隔が右観察光学系13b側の光線R’、G’、B’の間隔よりも大きく描かれている。これは、左観察光学系13aの観察光軸のコンタクトプリズム60からの出射角の方が右観察光学系13bの出射角よりも大きいため、色収差の影響をより強く受けるためである(図5を参照)。したがって、左右の光学系13a、13bに生じる色収差の補正は、左右別々に行われる必要がある。
【0136】
また、左右の観察光路の長さの差によって観察像にZ方向のボケが生じている場合には、このボケを解消するために所定の球面度を作用させるようにしてもよい。
【0137】
〔使用形態〕
続いて、このような構成を備えた本実施形態の観察装置の使用形態について説明する。本観察装置によれば、以下に示すように各種の使用形態を行うことができる。なお、以下の使用形態をすべて行えるよう構成する必要はなく、そのうちの少なくとも一つを行えるものであればよい。このとき、採用しない使用形態に用いられる構成部分については具備している必要はない。また、複数の使用形態を選択的に行えるよう構成する場合には、各使用形態を切り換えるための切り換えスイッチを、例えばコントロールパネル100に設けることができる。
【0138】
(使用例1)
まず、図28に示すフローチャートを参照して、マニュアル使用における使用形態について説明する。まず、コントロールパネル100の色収差設定部130を用いて設定入力を行う。具体的には、軸角度設定ツマミ131Lを回動操作して左観察光学系13aの色収差の軸角度、即ちその色収差を補正するためにバリアブルプリズム70A、70Bの基底方向を向ける方向、を設定し(S51)、補正量設定ツマミ132Lを回動操作して左観察光学系13aの色収差の補正量を設定する(S52)。同様に、軸角度設定ツマミ131Rを回動操作して右観察光学系13bの色収差の軸角度を設定し(S53)、補正量設定ツマミ132Rを回動操作して右観察光学系13bの色収差の補正量を設定する(S54)。なお、左観察光学系13aに対する設定操作および右観察光学系13bに対する設定操作は、どちらを先に行ってもよいことは言うまでもない。
【0139】
コントロールパネル100から以上の設定操作がなされると、その信号が画像処理装置64の制御手段641に送られる。制御手段641は、バリアブルプリズム回転駆動手段85Lを制御して、左観察光学系13aのバリアブルプリズム70A、70B(図28では「VP」と略記されている)をそれぞれ回転させて、設定された軸角度および補正量とする(S55)。同時に、制御手段641は、バリアブルプリズム回転駆動手段85Rを制御して、右観察光学系13bのバリアブルプリズム70A、70Bをそれぞれ回転させて、設定された軸角度および補正量とする(S56)。
【0140】
これにより、手術眼Eにあてがったコンタクトプリズム60による色収差が補正されるので、観察像を良好に視認することが可能となる。特に、左右それぞれ独立して補正量等を設定することができるので、眼底周辺部Er’を観察する場合のように左右で収差量が異なるケースにおいても、像を正常に立体視することが可能となる。また、一度の補正で色収差が十分に除去されない場合、術者はコントロールパネル100を操作して更なる補正を施すことができる。
【0141】
(使用例2)
次に、本実施形態の観察装置の他の使用形態について、図29に示すフローチャートを参照して説明する。本使用形態では、色収差の軸角度および補正量を設定入力する代わりに、手術眼Eにあてがうコンタクトプリズム60の態様のみを入力するようになっているので操作が容易なものとなる。
【0142】
まず、コントロールパネル100のプリズム設定部110の頂角設定ツマミ111を回動操作して手術眼Eにあてがうコンタクトプリズム60の頂角の角度θを入力し(S61)、装着角度設定ツマミ112を回動操作してコンタクトプリズム60の装着角度を入力する(S62)。この入力された内容は、画像処理装置64の制御手段641に信号として送信される。
【0143】
ここで、画像処理装置64の前述した記憶手段には、コンタクトプリズム60の頂角θから色収差打ち消し用光学素子70により作用される補正量を決定するためのデータがあらかじめ入力されている。このデータとしては、例えば、第1の実施形態でも説明したように、用意されたコンタクトプリズム60各々について模型眼による試験を行えばよい。
【0144】
制御手段641は、変倍レンズ系20、30による観察倍率を認識し、この観察倍率とS61で入力された頂角θとを基に、上記データを参照して、左観察光学系13aの色収差の補正量を決定し(S63)、右観察光学系13bの非点収差の補正量を決定する(S64)。更に、S62で入力されたコンタクトプリズム60の装着角度を基に、左観察光学系13aの色収差の軸角度および右観察光学系13bの色収差の軸角度を決定する(S65、S66)。当該決定は、例えば、装着角度イコール軸角度とすればよい。
【0145】
補正量および軸角度が決定されると、制御手段641は、バリアブルプリズム回転駆動手段85Lを制御して、左観察光学系13aのバリアブルプリズム70A、70Bをそれぞれ回転させて、決定された軸角度および補正量とし(S67)、バリアブルプリズム回転駆動手段85Rを制御して、右観察光学系13bのバリアブルプリズム70A、70Bをそれぞれ回転させて、決定された軸角度および補正量とする(S68)。
【0146】
(使用例3)
続いて、本実施形態の観察装置の更に他の使用形態について説明する。本使用形態では、TV撮像系50L、50RのCCD撮像素子54L、54Rによって受像される左右それぞれの観察像に基づいて自動的に非点収差の補正が行われるようになっている。
【0147】
モニタ66の画面66Aには、左観察光学系13aおよび右観察光学系13bを介して観察される観察像がそれぞれ表示される。図30ないし図34には、モニタ66に表示される表示画面の一例が示されている(簡略化のために左観察光学系13aを介しての観察像のみを示す)。また、図35には、本使用形態による色収差の補正処理を表すフローチャートが示されている。
【0148】
まず、左右の観察光学系13a、13bを介して得られる眼底像Er”をモニタ66に表示させる(S71)。このとき、コンタクトプリズム60による色収差が生じている場合、図30に模式的に示すように、白色の点像QがR、G、Bの3色に分離され、点像R’、G’、B’として表示される。色収差が生じていない場合には、白色の点像Qは分解されずに表示される。
【0149】
次に、解析手段643により、左右それぞれの画像はR、G、Bのレイヤーに分解され(S72)、各レイヤーにおける点像R’、G’、B’のピクセルの番地が記憶装置(第1の実施形態を参照)に記憶される(S73)。例えば、図31ないし図33に示すように、基準とするGレイヤーにおける番地を(Xi、Yj)とすると、Rレイヤーにおける番地は(Xi、Yj+y)、Bレイヤーにおける番地は(Xi、Yj−y)となり、これらの番地が記憶装置に記憶される。ここで、「y(=0、1、2、・・・・・)」は、Gレイヤーにおける点像G’の番地に対する、RレイヤーおよびBレイヤーにおける点像R’およびB’の色収差による番地のずれを示している。
【0150】
次に、演算手段642は、各レイヤーにおけるピクセルの番地を比較して、それらが同じか否か判断をする(S74)。色収差による点像Qの分解が介在せず3つのレイヤーにおける番地が同じである場合(y=0の場合)は、色収差補正処理を終了する(S78)。
【0151】
番地が同じでない場合、制御手段641は、各レイヤーの番地を一致させるための、バリアブルプリズム70A、70Bの軸角度(基底方向の向き)および補正量を演算する(S75)。上記の例では、Rレイヤーにおける点像R’をY方向に−y番地だけ移動させ、かつ、Bレイヤーにおける点像B’をY方向に+y番地だけ移動させるための軸角度および補正量を求める。なお、Rレイヤーにおける点像R’またはBレイヤーにおける点像B’を基準としてこのような演算処理を行ってもよいことは言うまでもない。制御手段641によるこの演算は、例えば、X方向およびY方向に1番地だけ移動させるために必要な軸角度および補正量を上記の記憶装置等にそれぞれ保存しておき、これを参照することによって実行することができる。
【0152】
更に、制御手段641は、この演算結果に基づいて左右の観察光学系13a、13bのバリアブルプリズム70A、70Bをそれぞれ回転駆動させるための制御信号をバリアブルプリズム回転駆動手段85L、85Rに送信して、バリアブルプリズム70A、70Bを回転させる(S76、S77)。以上で、本使用形態の色収差補正処理は終了となる(S78)。なお、本実施形態における制御手段641、演算手段642および解析手段643は、本発明にいう色収差補正手段を構成するものである。
【0153】
ここで、色収差が完全に打ち消されていないような場合には、コントロールパネル100を用いて左右のバリアブルプリズム70A、70Bを回転させて補正するようにしてもよい。
【0154】
以上のような処理を実行する本使用形態によれば、設定動作や入力動作を行わなくとも自動的に色収差が補正されるので、操作性を向上させることが可能となる。特に、コンタクトプリズム60の頂角θや装着角度、観察倍率などの如何を問わずに自動補正されるので、利便性が高いものとなる。また、左右の観察光学系13a、13bを介して観察される眼底像に対して補正を左右別個に施すことができるので、適正な立体視が可能となる。
【0155】
〔変形例〕
図36は、本実施形態の一変形例である観察装置の光学系の構成を示している。当該観察装置では、変倍レンズ系20,30と接眼レンズ系26,36との間に、第1の実施形態で示した非点収差打ち消し用光学素子61がそれぞれ配置されているとともに、対物レンズ19と変倍レンズ系20,30との間に、色収差打ち消し用光学素子70がそれぞれ配置されている。更に、図示は省略するが、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rと、バリアブルプリズム回転駆動手段85L、85Rとが設けられ、それぞれ左右独立して駆動制御されるよう構成されている。このような観察装置によれば、手術眼Eにコンタクトプリズム60をあてがったときに生じる非点収差および色収差をともに打ち消し補正することが可能となる。
【0156】
[第4の実施の形態]
以下、本発明に係る観察装置の第4の実施形態について説明する。図37は、本実施形態の観察装置の光学系および制御系の概略構成を示している。また、当該観察装置は、図12と同様の制御系を備えており、以下、同図を適宜参照して説明を行う。なお、前述した構成部分については同一の符号を付すこととする。
【0157】
〔構成〕
本実施形態の観察装置には、変倍レンズ系20,30と非点収差打ち消し用光学素子61との間に、ここでは図示を省略した手術眼Eの眼底Erにパターン像を投影するための投影光学系72が、左右の観察光学系13a、13bのそれぞれに設けられている。この投影光学系72は、リング状のパターン(リングパターン)を形成するリング状パターン板73と、投影レンズ74と、投影光学系72の光軸および観察光軸O1またはO2をそれぞれ合成するためのハーフミラー75とを含んで構成されている。
【0158】
なお、図37では図示されていないが、左観察光学系13a側のTV撮像系50Lにより撮影された画像も画像処理装置64に送信されるようになっている。また、左観察光学系13aの非点収差打ち消し用光学素子61は、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65Lによって駆動されるようになっている。
【0159】
左観察光学系13a側のリング状パターン板73により形成されたリングパターンは、投影レンズ74およびハーフミラー75を介し、変倍レンズ系20および対物レンズ19を経由して図示しないコンタクトプリズム60に導かれ、このコンタクトプリズム60によって屈折されて、眼底周辺部Er’に投影される。同様に、右観察光学系13b側のリング状パターン板73により形成されたリングパターンは、投影レンズ74およびハーフミラー75を介し、変倍レンズ系30および対物レンズ19を経由して図示しないコンタクトプリズム60に導かれ、このコンタクトプリズム60によって屈折されて、眼底周辺部Er’に投影される。
【0160】
このとき、眼底周辺部Er’には、図38に示すようなリングパターン像76が形成される。なお、同図では、左観察光学系13aを経由して投影されたリングパターン像のみが示されている。リングパターン像76を非点収差打ち消し用光学素子61のパワーを0ディオプターとした状態で受像素子54Lが受像すると、図39に示すように、コンタクトプリズム60により生じる非点収差に起因する流れ77を有するリングパターン像78が得られてしまう。
【0161】
〔使用形態〕
このような構成を有する本実施形態の観察装置の使用形態の一例について、図40に示すフローチャートを参照して説明する。まず、左右の投影光学系72によって、手術眼Eの眼底Er(眼底周辺部Er’)にリングパターンを投影し(S81)、左右の観察光学系13a、13bを介して得られる眼底像Er”をモニタ66に表示させる(S82)。
【0162】
次に、解析手段643により、撮像されたリングパターン像78の流れ77を抽出して解析し、その流れ77の方向および大きさを検出する(S83)。
【0163】
続いて、演算手段642により、検出されたリングパターン像78の流れ77の方向および大きさに基づいて、シリンダーレンズ61A、61Bの軸角度およびパワー(補正量)が、左観察光学系13a、右観察光学系13bのそれぞれについて決定される(S84、S85)。ここで、本実施形態における解析手段643と演算手段642とは、本発明にいう第2の補正量演算手段を構成している。
【0164】
制御手段641は、決定された軸角度および補正量にシリンダーレンズ61A、61Bを回転動作させるための制御信号を生成し、バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rに送信する。バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rは、受信した制御信号に基づいて、左右の観察光学系13a、13bのシリンダーレンズ61A、61Bをそれぞれ回転させる(S86、S87)。このような処理により、リングパターン像78の流れ77は補正される。
【0165】
次に、この補正されたリングパターン像78の流れ77がどれだけ残存しているか確認をする(S88)。つまり、再び解析手段643によって残存している流れ77の(方向および)大きさを解析し、演算手段642によって流れ77の(方向および)大きさを求め、制御手段641によってこの流れ77の大きさとあらかじめ設定された所定の値とが比較判断される。なお、この所定値は、眼底像が十分明瞭となる範囲のしきい値として設定されている。
【0166】
残存している流れ77の大きさがこの所定値よりも大きい場合は、更に同様の補正を施し、再度残存している流れ77の大きさを確認して上記所定値との比較判断を行う。この処理は、残存している流れ77の大きさが上記所定値よりも小さくなるまで繰り返される。流れ77の大きさがこの所定値よりも小さくなったら、非点収差補正処理を終了する(S90)。
【0167】
なお、図示は省略するが、シリンダーレンズ61A、61Bによって発生される正または負の球面度誤差を変更補正するための補正レンズ(群)を、左右の観察光学系13a、13bのそれぞれに設けて、残存している流れ77の大きさを打ち消すためのパワーを発生させるようにしてもよい。
【0168】
また、第1の実施形態で説明したコントロールパネル100を用いてシリンダーレンズ61A、61Bによって発生される正または負の球面度誤差を変更補正するようにしてもよい。
【0169】
以上のような処理を実行する本実施形態の観察装置によれば、設定動作や入力動作を行わなくとも自動的に非点収差が補正されるので、操作性を向上させることが可能となる。また、既知のリングパターンに基づいて補正量を演算するよう構成されているので、補正量を正確に求めることができる。また、左右の観察光学系13a、13bを介してそれぞれ投影されるリングパターン像に基づいて、補正量を左右別個に求めることができるので、適正な立体視が可能となる。
【0170】
なお、左右の観察光学系13a、13bを介して投影されるリングパターン像を区別するために、それぞれ異なる色を有するリングパターンを投影するようにしてもよい。
【0171】
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る観察装置の第5の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0172】
〔構成〕
本実施形態の観察装置は、第1〜第4の実施形態の観察装置のように左右の観察光学系の両方にTV撮像系を設けることができない場合に適用可能な構成を備えている。
【0173】
本実施形態の観察装置は、従来と同様の構成の光学系を有している(図3を参照)。即ち、従来のように、一つのTV撮像系50と、助手用の補助観察光学系40とが設けられている。以下に説明する本実施形態の構成は、従来の観察装置の左右の観察光学系に非点収差打ち消し用光学素子(バリアブルクロスシリンダーレンズ61)および/または色収差打ち消し用光学素子(バリアブルプリズム70)を付加することで適用できる。ここで、非点収差打ち消し用光学素子を制御する場合でも、また色収差打ち消し用光学素子を制御する場合でも、その制御態様は同様であるので、非点収差打ち消し用光学素子を用いた場合について説明を行うこととする。なお、非点収差の補正処理を行う場合、演算手段642は、本発明にいう第4の補正量演算手段として作用する。
【0174】
図41には、本実施形態の観察装置の制御系の構成が示されている。同図に示す画像処理装置64には、制御手段641と、本発明にいう第3の補正量演算手段である演算手段642と、記憶装置としてのメモリ644とが設けられている。演算手段642は、メモリ644に記憶されたデータを基に左右の観察光学系13a、13bのシリンダーレンズ61A、61Bの駆動量(非点収差補正量)をそれぞれ演算する。
【0175】
メモリ644には、TV撮像系50により撮影される手術眼Eの観察像や、コンタクトプリズム60の頂角およびその手術眼Eに対する装着角度に応じた左右の観察光学系13a、13bの非点収差補正量を決定するためのデータがあらかじめ記憶されている。TV撮像系50により画像が撮影される右観察光学系13bに関する上記データは、手術眼Eの観察像を基に補正量を決定するための第1、第2の実施形態で説明したようなデータである。また、観察像から直接に補正量を求めることができない左観察光学系13aに関する上記データは、観察像を解析して決定される右観察光学系13bの補正量と、コントロールパネル100から入力されるコンタクトプリズム60の頂角および装着角度とを基に補正量を決定するためのデータである。
【0176】
〔使用形態〕
以下、このような構成を有する本実施形態の観察装置の使用形態について、図42に示すフローチャートを参照して説明する。まず、コントロールパネル100を操作して、手術眼Eにあてがわれるコンタクトプリズム60の頂角およびその装着角度を入力する(S91、S92)。次に、右観察光学系13bによる観察像をTV撮像系50で撮影し、手術眼Eの眼底像をモニタ66に表示させる(S93)。
【0177】
続いて、演算手段642は、メモリ644にあらかじめ保存されたデータを用いてモニタ66に表示された眼底像を解析し、右観察光学系13bの非点収差の補正量を演算する(S94)。このとき、S92で入力されたコンタクトプリズム60の装着角度を基に右観察光学系13bのシリンダーレンズ61A、61Bの軸角度が設定される。なお、眼底像の解析手法としては、前述の画像の流れを検出して解析する手法や、リングパターンを投影して解析する手法などを適宜採用することができる。
【0178】
更に、演算手段642は、S91で入力されたコンタクトプリズム60の頂角およびS92で入力された装着角度を用いて、S94で演算された右観察光学系13bの補正量から左観察光学系13aの非点収差の補正量を演算する(S95)。ここで、左観察光学系13aのシリンダーレンズ61A、61Bの軸角度は、右観察光学系13bのそれと同じ方向に設定される。
【0179】
次に、制御手段641は、(必要があれば変倍レンズ系20、30による観察倍率に基づいて補正量を調整し、)制御信号を生成するとともに、この制御信号をバリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段65L、65Rに送信し、左右の観察光学系13a、13bのシリンダーレンズ61A、61Bを左右独立に回転させ、演算された補正量を左右それぞれ発生させる(S96、S97)。
【0180】
このように動作する本実施形態の観察装置によれば、TV撮像系50を左右のいずれか一方にのみ設けた構成で、左右の観察光学系13a、13bの非点収差の補正をそれぞれ独立に行うことが可能となるので、装置の構成を簡略化することができるとともに、コストダウンを図ることが可能となる。
【0181】
なお、図42のフローチャートと同様のプロセスにより、左右の観察光学系13a、13bの色収差の補正を左右独立に行うことができる。
【0182】
〔変形例〕
本実施形態の観察装置の変形例として、入力されたコンタクトプリズム60の頂角および装着角度と、撮影される眼底像の解析結果とに応じた、左右の観察光学系13a、13bの双方の補正量をあらかじめ演算しておき、その演算結果をメモリ644に保存しておくようにしてもよい。このような構成とすれば、入力された頂角および装着角度と撮影された眼底像とから、左右の観察光学系13a、13bの非点収差(色収差)の補正量が直接に決定されるので、手術中に演算処理を行う必要がなくなり、処理の迅速化を図ることができる。
【0183】
[第6の実施の形態]
次に、本発明に係る観察装置の第6の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の観察装置は、非点収差打ち消し用光学素子(バリアブルクロスシリンダーレンズ61)で非点収差を補正する場合に最適な位置で合焦させるための構成を備えている。
【0184】
バリアブルクロスシリンダーレンズ61は、軸が互いに直行する方向に同一の屈折度の円柱度を発生させるよう作用するので、最小錯乱円の位置に合焦させた状態で非点収差を補正すれば、前焦線および後焦線が最小錯乱円に近接されるので、好適な補正を施すことが可能となる。一方、前焦線の位置で合焦した状態で非点収差を補正すると、補正の効果は表れるものの、前側にピントが合ってしまい(前ピンと称することがある)観察される眼底像はぼやけてしまう。逆に、後焦線の位置で合焦した状態で補正を行うと、同様に後側にピントが合ってしまう(後ピンと称することがある)。したがって、前ピンや後ピンとなってしまった場合には再度合焦が必要となり迅速性が損なわれてしまう。
【0185】
本実施形態の観察装置では、このような事態を回避するために前述の補正レンズ群(本発明にいう合焦位置補正手段)を用いる。この補正レンズ群は、シリンダーレンズ61A、61Bによって発生される正または負の球面誤差を変更補正するための各種のレンズから構成されている。補正レンズ群の各種のレンズは、例えば図示しないフットスイッチからの操作に応じて選択的に観察光路上に配置されるようになっている。
【0186】
シリンダーレンズ61A、61Bによる非点収差の補正量をCディオプターとする。このときに必要となる球面度の最大補正量は、前ピンまたは後ピンとなった状態でそれぞれC/2ディオプターとなる。しかしながら、補正レンズ群による補正前の最初の合焦位置は、最小錯乱円、前焦線または後焦線の位置であるとは限らないので、非点収差の補正量Cディオプターの範囲内で球面度を変換することとする。なお、補正レンズ群には、この補正量Cディオプターに対応して、+C、+C/2、0、−C/2、−Cの各ディオプターを有する補正レンズ(ピント補正レンズと称することとする)があらかじめ設けられている。
【0187】
術者は、手術眼Eを観察しながら上記のフットスイッチを操作して5つのピント補正レンズを入れ換え、ピント状態が最適なものを選択する。これによりシリンダーレンズ61A、61Bによる合焦位置のずれを補正することができる。また、5つのピント補正レンズが自動的にかつ順々に入れ換えられ、適当なものが配置されたときにフットスイッチ等を操作して、ピント補正レンズを決定するようにしてもよい。
【0188】
このピント補正処理は、術者が手作業で行うよう構成されているが、ピントのずれを検出してこれを自動補正するようにしてもよい。
【0189】
また、ピントのずれを補正するために、手術用顕微鏡10自体を手術眼Eに対して前後に微動させて合焦位置を補正してもよい。この場合にも、補正の範囲は、シリンダーレンズ61A、61Bによる非点収差の補正量をCディオプターとするのが好適である。
【0190】
[第7の実施の形態]
以上で説明した各実施形態では、観察装置としての手術用顕微鏡装置を取り上げたが、本発明はこれに限られるものではなく、細隙灯顕微鏡およびその他の観察装置、特に眼科用の観察装置にも適用できるものである。
【0191】
図43は、本発明の観察装置の構成を備えたレーザ治療装置の一例の光学系の構成を示している。なお、前述した構成部分については同一の符号を付して説明することとする。このレーザ治療装置は、治療用レーザ光を手術眼Eの眼底Erに照射することが可能な公知の照射光学系80を備えている。この照射光学系80からの治療用レーザ光は、図示しないコリメートレンズによって平行光束としてリレーされ、プリズム18により反射されて対物レンズ19に導かれるようになっている。
【0192】
プリズム18と対物レンズ19との間には、手術眼Eにコンタクトプリズム60をあてがったときに、このコンタクトプリズム60を通して治療用レーザ光を眼底Erに照射したときに生じる非点収差を打ち消すための非点収差打ち消し用光学素子81が設けられている。この非点収差打ち消し用光学素子81は、第1の実施形態と同様に一対のシリンダーレンズ81A、81Bから構成されている。シリンダーレンズ81A、81Bの非点収差補正量は、左右の観察光学系13a、13b(図43ではまとめて「13」と表記されている)のそれぞれを介して検出された画像データを基に、左右の観察像に生じる非点収差の補正量のソフトウェア処理をそれぞれ行い、自動補正を行うようにすることもできる。また、非点収差打ち消し用光学素子81によるパワーの方向および大きさを任意に補正可能な図示しない補正レンズ(系)が設けられている。
【0193】
このようなレーザ治療装置によれば、コンタクトプリズム60を手術眼Eにあてがった状態で眼底Erのレーザ治療を行う場合に生じる非点収差を除去することができる。また、照射光学系80が対物レンズを共用しない場合でも、治療用レーザ光の照射角度を考慮することによって非点収差を除去した照射を行うことが可能となる。
【0194】
[本発明のその他の適用例]
以上で説明した観察装置は、被観察眼(手術眼)にコンタクトプリズムをあてがったときの非点収差、色収差の除去を目的としているが、本発明によれば、コンタクトプリズム以外の光学部材をあてがった場合に生じる非点収差や色収差も同様に除去することが可能である。
【0195】
このような光学部材としては、例えば、図44に示すようなコンタクトレンズ(三面鏡)200がある。コンタクトレンズ200は、その内部に反射面201を備えており、観察光軸O(左右の観察光軸O1、O2の何れかまたは双方)がこの反射面201によって偏向されることにより被観察眼Eの眼底周辺部Er’を観察できるようになっている。このようなコンタクトレンズ200を被観察眼Eにあてがったときにも観察像に非点収差や色収差が生じるが、上述したような本発明の構成を採用することによりそれらを打ち消し補正することができる。
【0196】
また、図45に示すような手術用顕微鏡300に対しても、本発明の構成を採用することにより好適な効果を上げることができる。この手術用顕微鏡300は、回動軸301を中心として回動可能に設けられた前置レンズ302を備えている。これにより、前置レンズ302は、対物レンズを含む観察光学系を格納した鏡筒301と手術眼Eとの間に挿脱可能とされている。このような前置レンズ302を対物レンズと手術眼Eとの間にあてがったときにも観察像には非点収差や色収差が生じてしまうが、鏡筒303内の(左右の)観察光学系として本発明の構成を適用することにより、これらの影響を除去することが可能となる。
【0197】
更には、ルビー(Hruby)レンズを備えた細隙灯顕微鏡に対しても、本発明の構成を適用することが可能である。図46には、このような細隙灯顕微鏡の光学系の概略が示されており、符号401は接眼レンズ、符号402は対物レンズ、符号403はルビーレンズを表している。ルビーレンズ403は、同図に示すような凹状の前置レンズで、狭い細隙光を被観察眼Eに照射するためのものであり、被観察眼Eの後部硝子体や眼底を観察するときに用いられる。このようなルビーレンズ403を被観察眼Eと対物レンズ402との間にあてがったときにも、観察像に非点収差や色収差が生じてしまうが、本発明の構成を用いることによりこれらの収差を補正することができる。
【0198】
なお、ここに例示した前置レンズ以外にも、対物レンズと被観察眼との間に、被観察眼に対して非接触状態で配置される各種の前置レンズによる収差補正に、本発明の構成を適用することが可能である。また、観察眼に接触して配置される各種の光学部材により生じる収差の補正にも、本発明の構成を適用することができる。
【0199】
また、術者等の観察者の眼球の屈折力により生じる非点収差や色収差(以下、まとめて収差と称する)の補正を行うための構成を付加することも可能である。例えば、観察者の眼球の屈折力をあらかじめ測定し、これを画像処理装置の前述の記憶装置等に記憶しておく。そして、この眼球の屈折力により生じる収差の方向および大きさを算出し、この算出結果に応じて非点収差打ち消し用光学素子、色収差打ち消し用光学素子をする。このとき、コンタクトプリズム等による収差があるときには、この収差と眼球による収差との双方を打ち消すよう制御を行う。なお、観察装置に観察者の眼球の屈折力を測定するための測定光学系を設け、この測定光学系による測定結果を上記の記憶装置等に記憶するようにしてもよい。このような観察者の眼球の屈折力による収差を補正するための構成を備えることにより、観察者毎に適正な収差補正を行うことが可能となる。
【0200】
以上で詳述した本発明に係る観察装置の構成は、実施形態としての一例に過ぎないもので、本発明の主旨の範囲内における各種の変形や変更、追加等を適宜施すことができる。
【0201】
例えば、被観察眼にリングパターンを投影してリングパターン像を撮像し、そのリングパターン像の歪み方向を検出することによって、被観察眼にあてがわれているコンタクトプリズムの装着角度を自動的に検出し、この装着角度を用いて非点収差打ち消し用光学素子や色収差打ち消し用光学素子を動作制御するよう構成することにより、本発明にいう装着角度入力手段を有しない構成とすることもできる。
【0202】
また、観察者の眼の屈折力の観察像に対する影響を除去するための構成を更に設けることも可能である。例えば、観察者の眼の球面度数、乱視度数および乱視軸をあらかじめ記憶しておき、その影響を加味して非点収差や色収差の補正量および補正の方向を決定するよう構成することができる。コントロールパネル等から観察者の眼屈折力を設定入力できるようにしてもよい。
【0203】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項14に記載の観察装置によれば、眼底周辺部を観察するときに左右の観察像に生じる非点収差をそれぞれ別個に補正することができるので、好適な収差補正を行うことができる。
【0204】
請求項2に記載の観察装置によれば、バリアブルクロスシリンダーレンズによって効果的な収差補正を行うことができる。
【0205】
請求項3に記載の観察装置によれば、左右の観察像に生じる非点収差に対する補正の方向および補正量を左右それぞれ別個に設定でき、それに応じた補正を行うことができるので、操作性を向上させることができる。
【0206】
請求項4に記載の観察装置によれば、コンタクトプリズムの頂角および装着角度を入力するだけで左右の観察像の非点収差がそれぞれ補正されるので、操作上便利である。
【0207】
請求項5に記載の観察装置によれば、観察倍率に応じて左右の観察像に生じる被点収差をそれぞれ自動的に補正することができるので、適正な補正が可能となるとともに、操作性が向上される。
【0208】
請求項6に記載の観察装置によれば、受像される眼底像に基づいて、左右の観察像に生じる非点収差をそれぞれ自動的に補正することができるので、操作性を向上させることが可能である。
【0209】
請求項7に記載の観察装置によれば、眼底に投影されるパターンのパターン像にを受像し、これに基づいて左右の観察像に生じる非点収差をそれぞれ自動的に補正することができるので、操作性を向上させることが可能である。また、既知の形状のパターンを使用するので、補正を正確に行うことができる。
【0210】
請求項8および請求項9に記載の観察装置によれば、左右の観察光学系の一方のみの観察像に基づいて左右双方の観察像に生じる非点収差を補正することができるので、装置の構成が簡略化されるとともに、コストの低減を図ることが可能となる。
【0211】
特に、請求項9に記載の観察装置によれば、非点収差補正のための処理時間が短縮されるので、使用上便利である。
【0212】
請求項10に記載の観察装置によれば、基準の頂角とは異なる頂角のコンタクトプリズムを観察眼にあてがった場合であっても、左右の観察像に生じる非点収差をそれぞれ自動的にかつ迅速に補正することができる。
【0213】
請求項11に記載の観察装置によれば、補正レンズを作用させることにより、より適正な収差補正を行うことができる。
【0214】
請求項12および請求項13に記載の観察装置によれば、バリアブルクロスシリンダーレンズにより生じる合焦位置のずれを補正することができるので、使用上の利便性が向上される。
【0215】
特に、請求項13に記載の観察装置によれば、球面度の異なる複数の補正レンズを用いて容易に合焦位置のずれを補正することができる。
【0216】
請求項14に記載の観察装置によれば、非点収差の補正および色収差の補正の双方を、左右それぞれ別個に行うことができる。
【0217】
請求項15ないし請求項21に記載の観察装置によれば、眼底周辺部を観察するときに左右の観察像に生じる色収差をそれぞれ別個に補正することができるので、好適な収差補正を行うことができる。
【0218】
請求項16に記載の観察装置によれば、左右の観察像に生じる色収差に対する補正の方向および補正量を左右それぞれ別個に設定でき、それに応じた補正を行うことができるので、操作性を向上させることができる。
【0219】
請求項17に記載の観察装置によれば、コンタクトプリズムの頂角および装着角度を入力するだけで左右の観察像の色収差がそれぞれ補正されるので、操作上便利である。
【0220】
請求項18に記載の観察装置によれば、観察倍率に応じて左右の観察像に生じる色収差をそれぞれ自動的に補正することができるので、適正な補正が可能となるとともに、操作性が向上される。
【0221】
請求項19および請求項20に記載の観察装置によれば、左右の観察光学系の一方のみの観察像に基づいて左右双方の観察像に生じる色収差を補正することができるので、装置の構成が簡略化されるとともに、コストの低減を図ることが可能となる。
【0222】
特に、請求項20に記載の観察装置によれば、色収差補正のための処理時間が短縮されるので、使用上便利である。
【0223】
請求項21に記載の観察装置によれば、受像した眼底像にデジタル処理を施して色収差を左右それぞれ自動的に補正することができるので、色収差打ち消し用光学素子を観察光路に設ける必要が無く、例えば既存の観察光路の構成を変更せずにそのまま適用することができるので便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】手術用顕微鏡装置の構成の概要を示す外観図である。
【図2】手術用顕微鏡装置の従来の光学系の構成の概要を示す側面図である。
【図3】手術用顕微鏡装置の従来の光学系の構成の概要を示す正面図である。
【図4】対物レンズと観察光路との位置関係を説明するための平面図である。
【図5】手術眼にコンタクトプリズムをあてがったときの左右の観察光軸の屈折状態を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の光学系の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の光学系の構成を示す正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の光学系に含まれる非点収差打ち消し用光学素子の一例を示す斜視図であって、その有するパワーがゼロの状態を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の光学系に含まれる非点収差打ち消し用光学素子の一例を示す斜視図であって、その有するパワーが最大の状態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の光学系に含まれる非点収差打ち消し用光学素子の作用を説明するための光学模式図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置が備えるコントロールパネルの構成の概要を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図15】非点収差補正前の眼底像を示す図であって、コンタクトプリズムによる非点収差のために画面上に流れが生じている状態を示す模式図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図17】図16に示す使用形態によって非点収が補正されたときの眼底像を示す図であって、画面上の流れが小さくなった状態を示す模式図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態の一変形例として示す観察装置の光学系の構成を示す側面図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態として示す観察装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態として示す観察装置を構成するメモリに保存される情報の一例を模式的に示した図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の光学系の構成を示す側面図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の光学系の構成の一部を示す正面拡大図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の光学系に含まれる色収差打ち消し用光学素子の一例を示す側面図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の光学系に含まれる色収差打ち消し用光学素子の一例を示す斜視図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図30】色収差があるときに点像が画面上においてR、G、Bの3つの点像に分離されて見られる現象を模式的に示す説明図である。
【図31】画像のGレイヤーのみを抽出して記憶した状態を模式的に示す説明図である。
【図32】画像のRレイヤーのみを抽出して記憶した状態を模式的に示す説明図である。
【図33】画像のBレイヤーのみを抽出して記憶した状態を模式的に示す説明図である。
【図34】画像の各レイヤーを重ねて表示した状態を模式的に示す説明図である。
【図35】本発明の第3の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図36】本発明の第3の実施の形態の一変形例として示す観察装置の光学系の構成を示す側面図である。
【図37】本発明の第4の実施の形態として示す観察装置の光学系の構成の一部を示す正面図である。
【図38】本発明の第4の実施の形態として示す観察装置の光学系に含まれる投影光学系により眼底周辺部に投影されたリングパターンを示す説明図である
【図39】コンタクトプリズムを通して受像素子により得られたリングパターン像に、非点収差による画像の流れが生じている状態を示す説明図である。
【図40】本発明の第4の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図41】本発明の第5の実施の形態として示す観察装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図42】本発明の第5の実施の形態として示す観察装置の使用形態の一例を示すフローチャートである。
【図43】本発明の第7の実施の形態として示す観察装置を備えたレーザ治療装置の光学系の構成を示す側面図である。
【図44】コンタクトレンズを被観察眼にあてがった状態を示す説明図である。
【図45】前置レンズを備えた手術用顕微鏡装置の一例の外観構成を示す斜視図である。
【図46】ルビーレンズを備えた細隙灯顕微鏡の光学系の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
13a 左観察光学系
13b 右観察光学系
19 対物レンズ
20、30 変倍レンズ系
26、36 接眼レンズ
50L、50R TV撮像系
61 非点収差打ち消し用光学素子
61A、61B シリンダーレンズ
64 画像処理装置
641 制御手段
642 演算手段
643 解析手段
65L、65R バリアブルクロスシリンダーレンズ回転駆動手段
66 モニタ
100 コントロールパネル
110 プリズム設定部
111 頂角設定ツマミ
112 装着角度設定ツマミ
120 非点収差設定部
121L、121R 軸角度設定ツマミ
122L、122R 補正量設定ツマミ
130 色収差設定部
131L、131R 軸角度設定ツマミ
132L、132R 補正量設定ツマミ

Claims (21)

  1. 観察の対象となる被観察眼に対峙される対物レンズから左右眼用の接眼レンズに至るまでの間の左右のそれぞれの観察光路に、前記被観察眼を観察する観察倍率を変更するための変倍レンズ系と、前記変倍レンズ系を経由した光束を結像させるための結像レンズとを有し、
    前記対物レンズから前記変倍レンズ系に至るまでの間が前記被観察眼からの反射光を平行光束として前記変倍レンズ系にリレーする観察光路を形成しているとともに、前記変倍レンズ系から前記結像レンズに至るまでの間が前記変倍レンズを通して得られた反射光束を前記結像レンズに平行光束としてリレーする観察光路を形成している観察装置において、
    前記左右の観察光路に、非点収差を生じさせる所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる非点収差のパワーを打ち消すための、左右それぞれ独立して動作可能な非点収差打ち消し用光学素子を設けたことを特徴とする観察装置。
  2. 前記非点収差打ち消し用光学素子は、前記観察光路の観察光軸を中心として相対的に回転可能に設けられた凹凸一対のシリンダーレンズからなるバリアブルクロスシリンダーレンズであることを特徴とする請求項1記載の観察装置。
  3. 前記非点収差の前記パワーの方向を設定するための収差方向設定手段と、前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を設定するための補正量設定手段とを、左右の前記バリアブルクロスシリンダーレンズのそれぞれについて備えていることを特徴とする請求項2記載の観察装置。
  4. 記所定の光学部材は、前記被観察眼の角膜に接触して装着されるプリズムであり、
    更に、前記プリズムの頂角の角度を入力するための頂角入力手段と、
    前記プリズムの前記角膜への装着角度を入力するための装着角度入力手段と、
    左右の前記バリアブルクロスシリンダーレンズをそれぞれ独立に回転駆動させるための駆動手段と、
    前記頂角入力手段により入力された前記頂角の角度と、前記装着角度入力手段により入力された前記装着角度とに応じて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の観察装置。
  5. 前記制御手段は、前記変倍レンズ系により変更される前記観察倍率に応じて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御することを特徴とする請求項4記載の観察装置。
  6. 前記左右の観察光路により案内される前記被観察眼からの前記反射光をそれぞれ受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第1の補正量演算手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記第1の補正量演算手段により演算された前記補正量を基に、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の観察装置。
  7. 前記被観察眼にパターン像を投影するための投影光学系と、
    前記左右の観察光路により案内される、前記投影光学系により前記被観察眼に投影された前記パターン像の反射像をそれぞれ受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記パターン像の前記反射像に所定の解析処理を施して、前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第2の補正量演算手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記第2の補正量演算手段により演算された前記補正量を基に、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の観察装置。
  8. 前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量を基に、他方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第3の補正量演算手段と、を更に備え、
    前記非点収差打ち消し用光学素子は、前記第3の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて左右それぞれ独立に動作されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の観察装置。
  9. 前記プリズムの前記頂角と前記装着角度とに応じた前記非点収差のパワーを打ち消し補正するための補正量を記憶する記憶手段と、
    前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量と前記記憶手段に記憶された前記頂角および前記装着角度とに応じた前記補正量とから、他方の観察光路に生じる前記非点収差の前記パワーを打ち消し補正する補正量を演算する第3の補正量演算手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記第3の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の観察装置。
  10. 所定の頂角を有するプリズムによる非点収差のパワーを打ち消し補正するための補正量を、前記変倍レンズ系による観察倍率に関連づけて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に前記観察倍率に関連付けて記憶された前記補正量と、あらかじめ取得された前記所定の頂角とは異なる頂角を有するプリズムの特定の観察倍率における前記補正量とを基に、前記所定の頂角とは異なる頂角を有する前記プリズムの、前記特定の観察倍率とは異なる観察倍率における前記補正量を算出する補正量算出手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記補正量算出手段により算出された前記補正量に応じて、前記駆動手段による前記バリアブルクロスシリンダーレンズの回転駆動を左右それぞれ独立に制御する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の観察装置。
  11. 前記バリアブルクロスシリンダーレンズによって発生される正負のパワーを前記非点収差の正負のパワーの方向に変更させるための補正レンズを更に備えたことを特徴とする請求項2ないし請求項10のいずれか一項に記載の観察装置。
  12. 前記バリアブルクロスシリンダーレンズにより前記非点収差を打ち消し補正するときに生じる合焦位置のずれを補正するための合焦位置補正手段を更に有することを特徴とする請求項2ないし請求項10のいずれかに記載の観察装置。
  13. 前記合焦位置補正手段は、前記バリアブルクロスシリンダーレンズによって発生される正負のパワーを前記非点収差の正負のパワーの方向に変更させるための球面度の異なる複数の補正レンズからなる補正レンズ群であることを特徴とする請求項12記載の観察装置。
  14. 前記左右の観察光路の前記変倍レンズ系と前記結像レンズとの間に、前記所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる色収差を打ち消すための、左右それぞれ独立して動作可能な色収差打ち消し用光学素子が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の観察装置。
  15. 観察の対象となる被観察眼に対峙される対物レンズから左右眼用の接眼レンズに至るまでの間の左右のそれぞれの観察光路に、前記被観察眼を観察する観察倍率を変更するための変倍レンズ系と、前記変倍レンズ系を経由した光束を結像させるための結像レンズとを有し、
    前記対物レンズから前記変倍レンズ系に至るまでの間が前記被観察眼からの反射光を平行光束として前記変倍レンズ系にリレーする観察光路を形成しているとともに、前記変倍レンズ系から前記結像レンズに至るまでの間が前記変倍レンズを通して得られた反射光束を前記結像レンズに平行光束としてリレーする観察光路を形成している観察装置において、
    前記左右の観察光路に、色収差を生じさせる所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる色収差を打ち消すための、左右それぞれ独立して動作可能な色収差打ち消し用光学素子を設けたことを特徴とする観察装置。
  16. 前記色収差の方向を設定するための収差方向設定手段と、前記色収差を打ち消し補正する補正量を設定するための補正量設定手段とを、左右の前記色収差打ち消し用光学素子のそれぞれについて備えていることを特徴とする請求項15記載の観察装置。
  17. 記所定の光学部材は、前記被観察眼の角膜に接触して装着されるプリズムであり、
    更に、前記プリズムの頂角の角度を入力するための頂角入力手段と、
    前記プリズムの前記角膜への装着角度を入力するための装着角度入力手段と、
    前記頂角入力手段により入力された前記頂角の角度と、前記装着角度入力手段により入力された前記装着角度とに応じて、前記色収差打ち消し用光学素子の動作を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項15記載の観察装置。
  18. 前記制御手段は、前記変倍レンズ系により変更される前記観察倍率に応じて、前記色収差打ち消し用光学素子の動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項17記載の観察装置。
  19. 前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量を基に、他方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算する第4の補正量演算手段と、を更に備え、
    前記色収差打ち消し用光学素子は、前記第4の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて左右それぞれ独立に動作されることを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれか一項に記載の観察装置。
  20. 前記プリズムの前記頂角と前記装着角度とに応じた前記色収差を打ち消し補正するための補正量を記憶する記憶手段と、
    前記左右の観察光路のいずれか一方により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の観察像を受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記観察像に所定の解析処理を施して、前記一方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算するとともに、演算された前記補正量と前記記憶手段に記憶された前記頂角および前記装着角度とに応じた前記補正量とから、他方の観察光路に生じる前記色収差を打ち消し補正する補正量を演算する第4の補正量演算手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記第4の補正量演算手段により演算された前記補正量に基づいて、前記色収差打ち消し用光学素子を左右それぞれ独立に制御する、
    ことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の観察装置。
  21. 観察の対象となる被観察眼に対峙される対物レンズから左右眼用の接眼レンズに至るまでの間の左右のそれぞれの観察光路に、前記被観察眼を観察する観察倍率を変更するための変倍レンズ系と、前記変倍レンズ系を経由した光束を結像させるための結像レンズとを有し、
    前記対物レンズから前記変倍レンズ系に至るまでの間が前記被観察眼からの反射光を平行光束として前記変倍レンズ系にリレーする観察光路を形成しているとともに、前記変倍レンズ系から前記結像レンズに至るまでの間が前記変倍レンズを通して得られた反射光束を前記結像レンズに平行光束としてリレーする観察光路を形成している観察装置において、
    前記左右の観察光路により案内される前記被観察眼からの前記反射光を受けて前記被観察眼の左右のそれぞれの観察像を受像するための受像手段と、
    前記受像手段により受像された前記左右の観察像をそれぞれ表示するための表示手段と、
    色収差を生じさせる所定の光学部材を前記被観察眼にあてがったとき又は前記被観察眼と前記対物レンズとの間に配置させたときに生じる色収差により分離されて前記受像手段に受像された前記左右の観察像におけるR、G、Bの点像の位置を前記表示手段上で左右それぞれ合致させるようデジタル処理を施して、前記左右の観察像の前記色収差をそれぞれ補正するための色収差補正手段と、
    を備えたことを特徴とする観察装置。
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