JP4415544B2 - Metal dusting metal material with excellent high temperature strength - Google Patents
Metal dusting metal material with excellent high temperature strength Download PDFInfo
- Publication number
- JP4415544B2 JP4415544B2 JP2002365723A JP2002365723A JP4415544B2 JP 4415544 B2 JP4415544 B2 JP 4415544B2 JP 2002365723 A JP2002365723 A JP 2002365723A JP 2002365723 A JP2002365723 A JP 2002365723A JP 4415544 B2 JP4415544 B2 JP 4415544B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- metal material
- content
- dusting
- metal dusting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油精製や石油化学プラントなどにおける熱交換型の炭化水素改質装置や廃熱回収装置等において、高温での雰囲気に曝される容器、反応管、部品等に使用される高Cr−高Ni−Fe系合金である金属材料、複層金属材料及びそれらを素材とする金属管に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素やメタノールといったクリーンエネルギの燃料となるガスは、今後、大幅な需要増加が予想され、そのためには炭化水素改質装置は大型化し、より一層熱効率が高く量産に適した装置が要求される。又、従来の石油精製や石油化学プラントなどにおける炭化水素改質装置、或いは石油などを原料とするアンモニア製造装置、水素製造装置などにおいても、エネルギー効率を高めるために、廃熱回収のための熱交換が多用されるようになってきている。
【0003】
このような高温ガスの熱を有効活用するためには、従来対象とされてきたよりも低い、400〜700℃の温度域における熱交換が重要であり、この温度域において反応管や熱交換器等に使用する高Cr−高Ni−Fe合金系金属材料の浸炭現象に伴う腐食が課題となっている。
【0004】
通常、上述のような反応装置において反応ガス、すなわちH2 、CO、CO2 、H2O 及びメタンなど炭化水素を含むガスと、反応管などの金属材料とは、1000℃前後或いはそれ以上の高い温度で接している。この温度域において金属材料の表面では、FeやNiなどよりも酸化傾向の大きい元素が選択的に酸化され、酸化Crや酸化Siなどの緻密な酸化皮膜の形成により腐食が抑制される。ところが、熱交換部分など相対的に温度の低い部分では、金属材料中から表面への元素の拡散が不十分となって腐食抑制効果のある酸化皮膜の形成が遅れるため、ガスからC原子が金属材料表面に吸着され、金属材料中にCが侵入して浸炭が生じる。
【0005】
このような環境下で浸炭が進み、CrやFeなどの炭化物を含む浸炭層が形成されるとその部分の体積が膨張し、その結果、微細な割れが生じやすくなる。更に、Cが金属材料中に侵入して炭化物の形成が飽和すると、炭化物が分解して生じた金属粉末が金属材料表面から剥離し、メタルダスティングといわれる腐食消耗が進行する。又、剥離した金属粉末が触媒となり、金属材料表面での炭素析出が促進される。このような損耗や炭素析出による管内閉塞が拡大すると装置故障等による操業中断に到る恐れがあるので、装置部材としての材料選定に十分な配慮が必要である。
【0006】
従来、メタルダスティングに対して、種々の対策が検討されてきた。例えば、特許文献1には、H2 、CO、CO2 、H2O を含む400〜700℃の雰囲気ガス中での耐メタルダスティング性は、Crを11〜60%(重量%、以下同様)含むFe基合金又はNi基合金が優れているので、Fe基合金ではCrを24%以上、且つNiを35%以上含む材料、Ni基合金ではCrを20%以上、且つNiを60%以上含む材料、及びこれらのFe基合金又はNi基合金に更にNbを添加した材料の発明が開示されている。しかし、一般には、Fe基合金又はNi基合金のCrやNiの含有量を増しただけでは十分な浸炭抑制効果が得られず、より一層のメタルダスティング抑制を図る必要がある。
【0007】
特許文献2に開示されている方法は、鉄、ニッケル及びクロムを含む『高温合金』のメタルダスティングによる腐食に対し、元素周期表の第8族、第1B族、第4族及び第5族の1種以上の金属及びそれらの混合物を、通常の物理的或いは化学的手段で表面に付着させ、不活性雰囲気中でアニーリングして0.01〜10μmの厚さの薄層を形成させる技術である。なかでも、Sn、Pb、Bi等の薄層の場合に効果が大きいと記載されている。しかし、この方法は初期には効果があっても長期にわたる使用により薄層が剥離すれば効果がなくなる。
【0008】
その他、雰囲気ガス中にH2Sを添加する方法も考えられているが、H2Sは炭化水素の改質に用いられる触媒の活性を著しく低下させる恐れがあるので、その適用は限定される。このように、種々の検討はなされてはいるが、メタルダスティングを十分に抑制できる金属材料は、現状では得られていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−78204号公報
【特許文献2】
特開平11−172473号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、その目的は、H2 、CO、CO2 、H2O 及び炭化水素等を含むガス雰囲気中のように、メタルダスティングの発生しやすい環境下において、優れた耐食性とともに優れた高温強度を有する高Cr−高Ni−Fe系合金である金属材料、複層金属材料及びそれらを素材とする金属管を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)〜(7)に示す高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料、(8)に示す複層金属材料、(9)に示す金属管及び(10)に示す複層金属管にある。
【0012】
(1)質量%で、C:0.2%を超えて0.6%まで、Si:0.01〜4%、Mn:0.01〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:18〜35%、Ni:40〜78%、Al:0.005%以上4%未満、N:0.001〜0.2%で、Cu:0.13〜5.5%及びCo:0.015〜5.5%のいずれか1種又は2種を含有し、残部はFe及び不純物からなり、下記(1)式で表されるfn1の値が50以上であることを特徴とする高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0013】
fn1=40Si+Ni+5Al+40N+10(Cu+Co)・・・・(1)。
ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
【0014】
(2)質量%で、C:0.2%を超えて0.6%まで、Si:0.01〜4%、Mn:0.01〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:18〜35%、Ni:40〜78%、Al:0.005%以上4%未満、N:0.001〜0.2%で、Cu:0.13〜5.5%及びCo:0.015〜5.5%のいずれか1種又は2種を含有し、更に以下に示す(a)のグループの成分のうちの少なくとも1種を含み、残部はFe及び不純物からなり、下記(1)式で表されるfn1の値が50以上であることを特徴とする高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0015】
(a)Mo:0.05〜10%、Ta:0.05〜5%、W:0.05〜5%、Ti:0.01〜1.4%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜2.5%、Nb:0.01〜2.5%及びHf:0.01〜1%。
【0016】
(3)質量%で、C:0.2%を超えて0.6%まで、Si:0.01〜4%、Mn:0.01〜2%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Cr:18〜35%、Ni:40〜78%、Al:0.005%以上4%未満、N:0.001〜0.2%で、Cu:0.13〜5.5%及びCo:0.015〜5.5%のいずれか1種又は2種を含有し、更に以下に示す(a)のグループの成分のうちの少なくとも1種を含み、残部はFe及び不純物からなり、下記(1)式で表されるfn1の値が50以上、且つ下記(2)式で表されるfn2の値が0.003以上であることを特徴とする高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0017】
fn2=(Mo/192)+(Ta/181)+(W/368)+(Ti/48)+(V/51)+(Zr/92)+(Nb/93)+(Hf/179)・・・・(2)。
ここで、各式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
【0018】
(4)Feの一部に代えて、以下に示す(b)のグループの成分のうちの少なくとも1種を含有する上記(1)から(3)までのいずれかに記載の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0019】
(b)B:0.0005〜0.02%、Ca:0.0005〜0.02%及びMg:0.0005〜0.02%。
【0020】
(5)Feの一部に代えて、以下に示す(c)のグループの成分のうちの少なくとも1種を含有する上記(1)から(4)までのいずれかに記載の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0021】
(c)La:0.005〜0.3%、Ce:0.005〜0.3%、Nd:0.005〜0.3%及びY:0.005〜0.3%。
【0022】
(6)Feの含有量が10%以下である上記(1)から(5)までのいずれかに記載の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0023】
(7)炭化水素、CO及びH2 の含有量の総和が25vol%以上、炭化水素とCOとの合計が1vol%以上、且つ1000℃以下の雰囲気で使用する部材用である上記(1)から(6)までのいずれかに記載の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料。
【0024】
(8)上記(1)から(6)までのいずれかに記載の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料の層を1又は複数含み、且つ少なくともメタルダスティングが発生する雰囲気に接する表面の層が前記の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料の層であることを特徴とする複層金属材料。
【0025】
(9)素材が上記(1)から(6)までのいずれかに記載の高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料である金属管。
【0026】
(10)素材が上記(8)に記載の複層金属材料であって、メタルダスティングが発生する雰囲気に接する表面が高温強度に優れた耐メタルダスティング金属材料の層である複層金属管。
【0027】
以下、上記(1)〜(10)の耐メタルダスティング金属材料、複層金属材料、金属材料管、或いは複層金属管に係る発明をそれぞれ(1)〜(10)の発明という。
【0028】
本発明者らは、1000℃以下の温度で発生するメタルダスティングといわれる腐食現象に対し、優れた耐性を有する金属材料について種々検討を行った。
【0029】
メタルダスティングの発生には、表面に形成される酸化皮膜の保護性とその内部に形成される浸炭層の発達が影響する。つまり、酸化皮膜に割れが生じたり、酸化皮膜が剥離すると、金属中にCが侵入して浸炭層が形成され、そのときの体積変化や炭化物の形成分解などによってメタルダスティングが生じると考えられる。そこで、酸化皮膜の保護性を高めるとともに、浸炭層の成長を抑制するための金属材料の組成に関して検討した。
【0030】
酸化皮膜の保護性を高めるには、Crの含有量を高めることが最も有効であり、更に、SiやAlといった酸素との親和力の強い元素を含有させることがよい。これは、耐酸化性を高めるための一般的手法と同様である。
【0031】
上記の対策によって、金属材料中へのCの侵入は相当抑制されることになるが、Cの侵入を完全に遮断すること、換言すれば、長時間にわたって酸化皮膜が全く割れず、剥離もしないことを実現するのは不可能である。そのため、酸化皮膜によってCの進入を遮断することと同様、浸炭層の成長を抑制することが耐メタルダスティング性を高めるために必要不可欠である。
【0032】
そこで、高温材料としての基本になるCrが25%、Niが60%程度で残部は主としてFeからなる合金をベースに、浸炭層の成長に及ぼす種々の元素添加の影響を調査した。その結果、一つはSi、Al、Niなど炭素との親和力がほとんどないと思われる元素と、もう一つはTi、Nb、V、Moなど金属材料中で安定な炭化物を作る元素とが、浸炭層の成長速度を抑制する効果のあることが明らかになった。
【0033】
浸炭層は、例えば金属表面において雰囲気の条件により、
C+CO2=2CO・・・・(3)
のような反応が右辺から左辺の方向に進み、生じたCが金属材料表面に吸着され、金属材料内部に侵入することによって形成される。
【0034】
炭化物形成元素が存在する場合、侵入したCがこれらの元素と結合することにより、Cの拡散が抑制され、浸炭層の成長を抑制するのではないかと考えられる。しかしながら、Si、Al、Niなどが浸炭層の成長を抑制する理由については必ずしも明らかではない。
【0035】
更に調査を進めていくと、他にも炭化物形成元素ではないが、浸炭層の成長を抑制する元素が見出された。そこで、これらの元素についてFe中の溶質元素の観点からCとの相互作用について調べてみると、いずれも相互作用助係数Ωが正の値を示す元素であった。
【0036】
Ωが正であれば、溶質元素であるCの活量を高める効果があり、金属材料中のCの活量が高くなれば固溶C量が低下し、内部への流束が小さくなることで成長が遅くなるのではないかと思われる。
【0037】
Ωが正である元素を調べると、例えば、PやSは大きな正のΩ値を示すが、金属材料の熱間加工性や靱性などの性質を劣化させるので、含有量を低減させなければならない。同様にΩ値の高いAgとAsに関しては、Agはコストの点から、又、Asは毒性の点からいずれも使用することが難しい。
【0038】
上記Ωが正である元素の中で、Co及びCuは、通常、鋼の添加元素として利用されていることから、その添加の効果を調査した結果、耐メタルダスティング性改善に有効であることが判明した。又、多量の含有は困難であるが、Nも耐メタルダスティング性改善のために利用できることが明らかになった。
【0039】
上記Si、Al、Ni、Co、Cu及びNの各元素について、その含有量と浸炭層の成長抑制効果との関係を試験溶製材を用いて調査し、得られた結果を多重回帰計算することで、浸炭層の成長抑制効果、したがって、耐メタルダスティング性に及ぼす各元素の含有量の影響を明確にすることができた。
【0040】
次に、Ti、Nb、V、Moなど金属材料中で安定な炭化物を作る元素も、浸炭層の成長を抑制する作用を有するので、それぞれの含有量の影響について検討した。その結果、上記金属材料中で安定な炭化物を作る元素が浸炭層の成長を抑制する効果はほぼ原子濃度に比例しており、含有量をMo及びWは原子濃度の1/2、他の元素は原子濃度として、それらの合計の濃度を指数とすれば、その指数により上記効果を定量的に示し得ることがわかった。このことは、前述のようにこれらの元素が、表面から侵入してきた炭素と結合して安定な炭化物を形成することにより、浸炭層の成長を抑制することを示している。
【0041】
このように、表面に形成される酸化皮膜を強固にする元素を含有させることによるCの金属材料中への侵入抑制と、上述の相互作用助係数Ωが正である元素を含有させること及びこれに加えて更に炭化物形成元素を同時に適量含有させることによる浸炭性雰囲気における浸炭層の成長抑制とによって、高Cr−高Ni−Fe合金の耐メタルダスティング性を大きく改善できることがわかった。
【0042】
しかし、上記の各種元素の添加は、その含有量によっては熱間加工性や耐高温腐食性に悪影響を及ぼすことがある。そのような悪影響を防ぐには、次の元素を含有させることが有効である。
【0043】
すなわち、B、Ca及びMgを少量含有させると、対象とする金属材料の熱間加工時の割れが抑制されて熱間加工性が向上する。これらの元素は、鋼の粒界の強化や微量介在物の形態の変化によって、熱間加工性の向上効果をもたらすものと思われる。
【0044】
La、Ce、NdやYなどの希土類元素を少量含有させると、高温における耐食性や耐酸化性が向上する。これは、上記元素がCr、Al及びSiの酸化皮膜の均一生成を促進し、しかも酸化皮膜と金属材料界面との密着性を高めることによるものと考えられる。
【0045】
なお、表面に形成する酸化皮膜の保護性を高める作用と、相互作用助係数Ωが正であることによる浸炭層の成長を抑制する作用との2つの作用によって、耐メタルダスティング性を大きく高めるSi及びAlを多量に含有させる場合には、熱間加工性と溶接性の低下が著しくなる。
【0046】
しかし、本発明者らの検討の結果、Si及びAlを多量に含むことによる熱間加工性と溶接性の低下は、金属材料中のP、S及びNの含有量を同時に低減すれば改善できることが明らかになった。
【0047】
すなわち、熱間加工性及び溶接性に劣る金属材料の場合には粒界の結合が弱くなっており、又、粒内が強化されていると粒内強度と粒界強度の相対的な差が大きくなるので、熱間加工時や溶接時に粒界を起点とした割れが多発する。このため、粒界に偏析して結合力を弱めるPやSを制限し、同時に粒内に窒化物を析出するNも制限することが熱間加工時や溶接時の粒界割れを抑制するのに有効である。
【0048】
上記のP、S及びNは相互作用助係数Ωを高める元素であり、耐メタルダスティング性を向上させる。しかし、耐メタルダスティング性は、P、S及びNを含有させるよりも、Si及びAlを多量に含有させることによって大きく高めることができる。したがって、高い耐メタルダスティング性が要求される場合には、Si及びAlを多量に含有させ、これによる熱間加工性や溶接性の低下を、P、S及びNの含有量を制限することで抑制するのがよい。
【0049】
なお、金属材料が高温で使用される場合、高温での強度が大きいほど長寿命化できる。一方、寿命が同程度であれば、高温での強度が大きいほど部材の設計肉厚を薄くすることができるのでコストの軽減が可能である。
【0050】
そこで、高温での強度上昇手段についても検討した。その結果、Cを質量%で、0.2%を超えて含有させ、且つ、相互作用助係数Ωが正の値を示す元素を積極的に含有させてCの活量を高めることによって素地に固溶するC量を低下させれば、炭化物が粒界及び粒内に析出して、高温強度の大幅な改善が達成できることが明らかになった。
【0051】
前記(1)〜(10)の発明は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0052】
【発明の実施の形態】
本発明において、耐メタルダスティング金属材料の組成を限定する理由は次のとおりである。なお、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
【0053】
Cr:
Crは、高温での使用を目的とする本発明に係る耐メタルダスティング金属材料の基本成分である。Crは、高温の使用環境において、金属材料中に侵入したCと結合して浸炭層の成長を遅延する作用を有し、これによって良好な耐メタルダスティング性が確保される。この効果は、Crの含有量が18%以上で良好になる。しかし、その含有量が35%を超えると、靱性の低下及び熱間加工性の劣化が生じて製造が困難になる。したがって、Crの含有量を18〜35%とした。なお、Crの好ましい含有量は18〜33%であり、25.2〜33%であれば極めて好ましい。
【0054】
Ni:
Niは、本発明に係る耐メタルダスティング金属材料の基本成分であり、高温強度と組織安定性を維持し、Crと共存することによって耐食性を高める作用を有する。Niには、メタルダスティングの発生を抑制する効果もある。これらの効果はNiの含有量が40%以上で顕著に発揮され、78%までは含有量が多いほど効果が顕著になる。したがって、Niの含有量を40〜78%とした。なお、Niの含有量は48〜78%とすることが好ましく、50〜78%であれば一層好ましい。Niの含有量が56〜78%であれば極めて好ましい。
【0055】
C:
Cは、金属材料の強度を高める作用を有し、0.2%を超えて含有させることによって、大きな高温強度を確保することができる。しかし、その含有量が0.6%を超えると金属材料の靱性の低下をきたす。更に、極度の延性低下により、却って高温強度の低下が生じる。したがって、Cの含有量を0.2%を超えて0.6%までとした。なお、Cの含有量は0.22〜0.55%とすることが好ましく、0.25〜0.5であれば一層好ましい。
【0056】
Si:
Siは、金属材料の溶製時に脱酸作用を有する。Siは、金属材料表面のCr酸化皮膜の下層にSi酸化皮膜を形成して金属中へのCの侵入を抑制するとともに金属材料中のCの活量を高めて、耐メタルダスティング性を大幅に向上させる作用も有する。これらの効果を得るためには、Siの含有量は0.01%以上とする必要がある。しかし、Siの多量の添加は熱間加工性や溶接性の低下をきたす。特にその含有量が4%を超えると、熱間加工性や溶接性の低下が著しくなる。したがって、Si含有量の下限を0.01%、上限を4%とした。Si含有量の下限と上限はそれぞれ0.05%と3.5%であれば更に好ましく、0.1%と3.2%であれば一層好ましい。
【0057】
なお、後述するNの含有量が0.055%を超える場合には、特に、溶接性や熱間加工性の観点からSi含有量の上限を2%とし、併せてAl含有量の上限も2%とするのがよい。
【0058】
後述するNの含有量の上限を0.055%とする場合には、良好な熱間加工性と溶接性が確保できるので、この場合には、耐メタルダスティング性を大きく高めるためにSiの含有量を1.1%以上としてもよい。なお、この場合に、より良好な熱間加工性と溶接性を得るためには、Alの含有量の上限を0.5%とすることが一層好ましい。
【0059】
Mn:
Mnは、不純物として含まれるSによる熱間加工脆性を抑制する作用や溶製時に脱酸作用を有する。こうした効果を得るために、Mnは少なくとも0.01%以上含有させる。しかし、Mnは金属材料中のCの活量を低下させること及び金属材料表面におけるCrやAlの酸化皮膜の形成を阻害することによって、雰囲気からのCの侵入を促進してメタルダスティングを発生させやすくする元素であるため、その含有量は多くても2%までとする必要がある。なお、Mnの含有量は0.05〜1.0%とすることがより好ましく、0.1〜0.8%であれば更に好ましい。
【0060】
P:
Pは金属材料を溶製する際に原料などから混入してくる不純物元素である。耐食性の低下を招き、熱間加工性、溶接性を劣化させるので、可能な限り低減することが望ましいため、その含有量を0.03%以下とする。なお、Pの含有量は0.025%以下とすることが更に好ましく、0.02%以下であれば極めて好ましい。
【0061】
S:
Sも金属材料を溶製する際に原料などから混入してくる不純物元素である。耐食性の低下を招き、熱間加工性、溶接性を劣化させるので、可能な限り低減することが望ましいため、その含有量を0.01%以下とする。なお、Sの含有量は0.007%以下とすることが更に好ましく、0.002%以下であれば極めて好ましい。
【0062】
Al:
Alは、金属材料の溶製時に脱酸作用を有する。Alには、金属材料表面のCr酸化皮膜の下層にAl酸化皮膜を形成すること、又は金属材料の最表面でAl酸化皮膜を形成することによって、Cの金属材料中への侵入を抑制するとともに金属材料中のCの活量を高めて、耐メタルダスティング性を大幅に向上させる作用もある。これらの効果を得るためには、Alの含有量は0.005%以上とする必要がある。しかし、Alの多量の添加は熱間加工性や溶接性の低下をきたす。特にその含有量が4%以上になると、熱間加工性や溶接性の低下が著しくなる。したがって、Al含有量の下限を0.005%、上限を4%未満とした。Al含有量の下限が0.01%、上限が3.7%未満であれば一層好ましい。
【0063】
なお、後述するNの含有量が0.055%を超える場合には、特に、溶接性や熱間加工性の観点からAl含有量の上限を2%とし、併せてSi含有量の上限も2%とするのがよい。
【0064】
後述するNの含有量の上限を0.055%とする場合には、良好な熱間加工性と溶接性が確保できるので、この場合には、耐メタルダスティング性を大きく高めるためにAlの含有量を2.6%以上としてもよい。なお、この場合に、より良好な熱間加工性と溶接性を得るためには、Siの含有量の上限を0.5%とすることが一層好ましい。
【0065】
N:
Nは、金属材料中のCの活量を高めて、耐メタルダスティング性を向上させる作用を有する。しかし、その含有量が0.001%未満では前記効果が十分には得られない。一方、Nの含有量が0.2%を超えると、CrやAlの窒化物が多く形成されて、熱間加工性及び溶接性が著しく低下する。したがって、N含有量の下限を0.001%、上限を0.2%とした。
【0066】
前述のSi及びAlの含有量の上限をいずれも2%にする場合には、Nの含有量の下限は0.005%とするのがよい。この場合のN含有量の上限は0.15%とすることがより好ましい。
【0067】
一方、耐メタルダスティング性を大きく高めるために、前述のSi及びAlについて、これらの含有量をそれぞれ1.1%以上及び2.6%以上としたうえで、Siについては4%までの含有量、Alについては4%未満の含有量とする場合には、溶接性や熱間加工性の観点からN含有量の上限は0.055%とするのがよい。この場合のN含有量の上限は、0.035%とすることが一層好ましく、0.025%とすれば極めて好ましい。
【0068】
Cu及びCo:
Cu及びCoは本発明において重要な元素である。これらの元素はいずれも金属材料中のCの活量を高め、その結果浸炭層の成長を抑制して耐メタルダスティング性を向上させる。前記の効果は、Cuを0.13%以上含有するかCoを0.015%以上含有することで得られる。しかし、Cu及びCoをいずれも5.5%を超えて含有させると金属材料の硬さが高くなって製造性が低下する。したがって、Cuの含有量を0.13〜5.5%とし、Coの含有量を0.015〜5.5%とした。Cuの好ましい含有量は0.13〜4.8%であり、更に好ましいのは0.13〜4.2%、また、Coの好ましい含有量は0.02〜4.8%であり、更に好ましいのは0.05〜4.2%である。なお、Cu及びCoは、いずれか1種の含有でもよいし両方含有していてもよい。
【0069】
fn1:
既に述べたように、本発明者らは金属材料中のCの活量を高めるSi、Al、Ni、Co、Cu及びNの各元素について、その含有量と浸炭層の成長抑制効果との関係を試験溶製材を用いて調査した。
【0070】
その結果、浸炭層の成長抑制効果、したがって、耐メタルダスティング性に及ぼす各元素の含有量の影響が前記(1)式で表されるfn1の値で整理できることが明らかになった。fn1の値が大きいほど、耐メタルダスティング性、つまり、メタルダスティング発生の抑制効果も大きくなり、fn1の値が50以上の場合に、良好な耐メタルダスティング性が確保できる。したがって、前記(1)式で表されるfn1の値を50以上と規定した。より顕著な効果を得るためにはfn1の値を60以上とするのがよい。なお、fn1の値は、70以上とすることが更に好ましく、80以上であれば一層好ましい。
【0071】
なお、Siの含有量が1.1〜4%で且つfn1の値が95以上の場合、又は、Alの含有量が2.6%以上4%未満で且つfn1の値が70以上の場合には、極めて良好な耐メタルダスティング性が得られる。Siの含有量が1.1〜4%で且つfn1の値が110以上の場合、又は、Alの含有量が2.6%以上4%未満で且つfn1の値が90以上の場合には、一層良好な耐メタルダスティング性が得られる。
【0072】
(1)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料が含有するFe以外の成分元素は、上記のCrからNまでの元素、並びに、Cu及びCoのいずれか1種以上の元素だけであってもよい。しかし、上記の成分に加え、必要に応じて、前記(a)〜(c)のグループの元素の1種以上を選択的に含有させることができる。すなわち、前記(a)〜(c)のグループの元素の1種以上を任意添加元素として添加し、含有させてもよい。
【0073】
以下、上記の任意添加元素に関して説明する。
【0074】
Mo、Ta、W、Ti、V、Zr、Nb及びHf:(a)グループ
これらの元素はいずれも炭化物形成元素であり、添加すれば、浸炭層の成長を抑制して耐メタルダスティング性を高める作用を有する。又、上記の各元素には高温強度を高める作用もある。
【0075】
前記の効果を確実に得るには、Mo、Ta及びWはいずれも0.05%以上の含有量とすることが好ましく、Ti、V、Zr、Nb及びHfはいずれも0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Moを10%を超えて、Ta及びWを5%を超えて、Tiを1.4%を超えて、Zr及びNbを2.5%を超えて、V及びHfを1%を超えてそれぞれ含有させると、熱間加工性、靱性及び溶接性の低下を招く。
【0076】
したがって、Mo、Ta、W、Ti、V、Zr、Nb及びHfを添加する場合のそれぞれの含有量は、Moは0.05〜10%、Taは0.05〜5%、Wは0.05〜5%、Tiは0.01〜1.4%、Vは0.01〜1%、Zrは0.01〜2.5%、Nbは0.01〜2.5%及びHfは0.01〜1%とするのがよい。添加する場合の好ましい含有量の範囲は、Moが1〜10%、Ta及びWがいずれも0.5〜5%、Tiが0.01〜0.8%、Zr及びNbがいずれも0.01〜2.0%、V及びHfがいずれも0.01〜0.6%である。添加する場合の更に好ましい含有量の範囲は、Moが1〜8%、Ta及びWがいずれも1〜3%、Tiが0.01〜0.4%、Zr及びNbがいずれも0.02〜1.6%、Vが0.01〜0.3%、Hfが0.02〜0.6%である。
【0077】
上記のMo、Ta、W、Ti、V、Zr、Nb及びHfはいずれか1種のみ、又は2種以上の複合で添加することができる。
【0078】
(1)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料に、上記のMo、Ta、W、Ti、V、Zr、Nb及びHfのいずれか1種のみ、又は2種以上を複合して含有させることによって、(2)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料が得られる。
【0079】
fn2:
既に述べたように、本発明者らは、金属材料中で安定な炭化物を作る元素の含有量と浸炭層の成長を抑制する効果との関係について検討した。
【0080】
その結果、金属材料中で安定な炭化物を作るMo、Ta、W、Ti、V、Zr、Nb及びHfが浸炭層の成長を抑制する効果はほぼ原子濃度に比例しており、含有量をMo及びWは原子濃度の1/2、他の元素は原子濃度として、それらの合計の濃度を指数とすればその指数によって、すなわち、前記(2)式で表されるfn2の値によって、浸炭層の成長抑制効果、したがって、耐メタルダスティング性が整理できることが明らかになった。
【0081】
fn2の値が大きいほど、耐メタルダスティング性、つまり、メタルダスティング発生の抑制効果も大きくなり、fn2の値が0.003以上の場合に、特に、良好な耐メタルダスティング性が確保できる。したがって、前記(2)式で表されるfn2の値を0.003以上とするのがよい。なお、fn2の値は0.005以上とするのが更に好ましく、0.007以上であれば一層好ましい。
【0082】
(2)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料において、上記fn2の値が0.003以上となるようにMo、Ta、W、Ti、V、Zr、Nb及びHfのいずれか1種のみ、又は2種以上を複合して含有させることによって、(3)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料が得られる。
【0083】
B、Ca及びMg:(b)グループ
これらの元素は、添加すれば、いずれも熱間加工性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、いずれも0.0005%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Bの含有量が0.02%を超えると、金属材料が脆化するとともに融点が低下して熱間加工性と溶接性の低下を招く。又、Ca及びMgは、いずれも0.02%を超える含有量では、酸化物系介在物となって製品表面品質の劣化や耐食性の低下を招く。したがって、B、Ca及びMgを添加する場合の含有量は、いずれも0.0005〜0.02%とするのがよい。いずれの元素も含有量の好ましい範囲は0.0005〜0.015%、より好ましい範囲は0.0005〜0.012%である。なお、これらの元素はいずれか1種のみ又は2種以上の複合で添加することができる。
【0084】
(1)〜(3)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料に、上記のB、Ca及びMgのいずれか1種のみ、又は2種以上を複合して含有させることによって、(4)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料が得られる。
【0085】
La、Ce、Nd及びY:(c)グループ
これらの元素は、添加すれば、いずれも使用環境において金属材料表面に生成するCrやAlを含む酸化皮膜の均一性を良好にして密着性を向上させ、耐食性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、いずれも0.005%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、いずれの元素もその含有量が0.3%を超えると、粗大な酸化物を形成して靱性や熱間加工性の低下を招き、又、表面疵の発生を多くする。したがって、La、Ce、Nd及びYを添加する場合の含有量は、いずれも0.005〜0.3%とするのがよい。いずれの元素も含有量の好ましい範囲は0.005〜0.1%、より好ましい範囲は0.005〜0.07%である。なお、これらの元素はいずれか1種のみ又は2種以上の複合で添加することができる。
【0086】
(1)〜(4)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料に、上記のLa、Ce、Nd及びYのいずれか1種のみ、又は2種以上を複合して含有させることによって、(5)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料が得られる。
【0087】
Fe:
Feは本発明に係る耐メタルダスティング金属材料にとって、実質的な残部元素である。しかし、Feは金属材料の表面に生成するCr、Al及びSiの酸化皮膜の緻密度を低下させてしまう。上記の金属材料の表面に生成する酸化皮膜は緻密、且つ金属材料との密着性に優れる方が、Cの金属材料中への侵入を遮断する効果が大きく、この場合に良好な耐メタルダスティング性が得られる。したがって、上記酸化皮膜の緻密度を低下させるFeの含有量は低減するほうがよい。この場合、Feの含有量が10%以下であれば、上記酸化皮膜によるCの金属材料中への侵入遮断効果に対する悪影響は小さいので、Feの含有量は10%以下にまで低減しておくのがよい。Feの含有量のより好ましい上限は9%、一層好ましい上限は8%である。
【0088】
(1)〜(5)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料に実質的な残部元素として含まれるFeの含有量を制限することによって、(6)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料が得られる。
【0089】
なお、(1)〜(6)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料において、Siの含有量を1.1〜4%、且つfn1の値を95以上とすることで、一層良好な耐メタルダスティング性が得られる。更に、上記のSi含有量とfn1の値の規定に加えて、Alの含有量を0.005〜0.5%とすれば、より一層良好な熱間加工性と溶接性も得ることができる。
【0090】
又、(1)〜(6)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料において、Alの含有量を2.6%以上4%未満、且つfn1の値を70以上とすることで、一層良好な耐メタルダスティング性が得られる。更に、上記のAl含有量とfn1の値の規定に加えて、Siの含有量を0.01〜0.5%とすれば、より一層良好な熱間加工性と溶接性も得ることができる。
【0091】
上記の各場合において、更に、Feの含有量を10%以下にまで低減すれば極めて良好な耐メタルダスティング性が得られる。
【0092】
(1)〜(6)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料は、特に、炭化水素、CO及びH2 の含有量の総和が25vol%以上、炭化水素とCOとの合計が1vol%以上、且つ1000℃以下の雰囲気中における耐メタルダスティング性に優れている。このため、これらの耐メタルダスティング金属材料を石油化学プラントの熱交換型改質装置や廃熱回収装置における反応管や周辺機器等の部材に適用すれば、装置の耐久性及び安全性を大幅に向上させることができる。つまり、(1)〜(6)の発明に係る耐メタルダスティング金属材料は上記環境に曝される部材用として適している((7)の発明)。
【0093】
本発明に係る耐メタルダスティング金属材料は、鋼やその他の金属材料に適用される一般的な製造工程によって、すなわち、溶解、鋳造、熱間加工、冷間加工、溶接等の手段によって、継目無管、溶接管、板及び棒等の所要の形状に成形すればよく、粉末冶金や遠心鋳造等の手法によって所要の形状に成形してもよい。
【0094】
(9)の発明は、成形後の形状が「管」に関するものである。
【0095】
なお、成形した後に、例えば1050〜1250℃に加熱する均一化処理(固溶化熱処理)を施してもよい。更に、成形した後、又は均一化処理を施した後で、金属材料表面に対し、酸洗、ショットブラスト、グラインダ研磨及び電解研磨等の表面加工処理を施してもよい。
【0096】
本発明に係る耐メタルダスティング金属材料は、メタルダスティングが発生する雰囲気で優れた耐性を発揮することから、これを単独で使用するだけではなく、2層以上の複層金属材料として用いてもよい。
【0097】
複層金属材料として用いる場合、メタルダスティングが発生する雰囲気に本発明に係る耐メタルダスティング金属材料が面しておりさえすればよいので、少なくともメタルダスティングが発生する雰囲気に接する表面の層を本発明に係る耐メタルダスティング金属材料で構成しておけばよい((8)の発明)。この場合、支持部材(強度部材)は炭素鋼、ステンレス鋼、Ni基合金及びCo基合金等のいずれか1種以上の組合せで構成すればよい。
【0098】
本発明に係る複層金属材料を製造する方法は特に限定されるものではない。例えば、通常の圧接又は溶接によって接合した後に、熱間加工や冷間加工を施して、所要の形状に成形すればよい。
【0099】
(10)の発明は、成形後の形状が「管」に関するものである。
【0100】
なお、メタルダスティングが発生する雰囲気に面する複層金属材料の層を肉盛溶接や化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)やメッキ等の表面処理によって作製してもよい。上記表面処理層が、本発明に係る耐メタルダスティング金属材料の成分範囲内にあれば、メタルダスティングに対する抵抗性を高めることができる。
【0101】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0102】
表1〜4に示す化学組成の金属材料を高周波加熱真空炉を用いて溶製し、通常の方法で熱間鍛造した後、1200℃で固溶化熱処理を施し、厚さ20mmの板材を作製した。次いで、この厚さ20mmの板材から、厚さ4mm、幅10mm、長さ20mmの試験片を切り出した。
【0103】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
このようにして得た各金属材料の試験片を用いて、体積比で26%H2−60%CO−11.5%CO2−25%H2Oの雰囲気中で、650℃にて1000時間保持する試験を行った。
【0104】
次いで、試験片の表面堆積物を除去し、超音波洗浄を施した後、深度測定器によって最大の減肉深さを測定し、耐メタルダスティング性を評価した。
【0105】
又、固溶化熱処理を施した厚さ20mmの板材から、厚さ2mmの板状引張試験片を作製し、650℃で引張試験を行って引張強度を測定することも行った。
【0106】
上記の各調査結果を表5にまとめて示す。
【0107】
【表5】
表5から、化学組成が本発明で規定する条件を満たす試験番号1〜7、11〜19、21〜26の金属材料は、最大減肉深さが極めて小さく耐メタルダスティング性に優れ、更に、650℃での引張強度も大きく高温強度にも優れていることが明らかである。
【0108】
これに対し、化学組成が本発明で規定する条件から外れた金属材料のうち、試験番号27の金属材料は耐メタルダスティング性と高温強度のいずれにも劣っており、試験番号28及び29の金属材料は耐メタルダスティング性に劣っている。
【0109】
【発明の効果】
本発明の金属材料は、耐メタルダスティング性及び高温強度に優れているので、石油精製や石油化学プラントなどにおける加熱炉管、配管、或いは熱交換器管などに利用することができ、装置の耐久性や安全性を大幅に向上させることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a high Cr used in containers, reaction tubes, parts, etc. exposed to high-temperature atmospheres in heat exchange type hydrocarbon reforming equipment and waste heat recovery equipment in petroleum refining and petrochemical plants. -It relates to the metal material which is a high Ni-Fe system alloy, a multilayer metal material, and the metal tube which uses them as a raw material.
[0002]
[Prior art]
Gases for clean energy fuels such as hydrogen and methanol are expected to greatly increase demand in the future. To that end, hydrocarbon reformers are becoming larger and more highly efficient and suitable for mass production. In addition, conventional hydrocarbon reformers in petroleum refining and petrochemical plants, ammonia production equipment using petroleum as a raw material, hydrogen production equipment, etc. also use heat for waste heat recovery to increase energy efficiency. Exchange is becoming increasingly used.
[0003]
In order to effectively utilize the heat of such a high-temperature gas, heat exchange in a temperature range of 400 to 700 ° C., which is lower than that conventionally targeted, is important. In this temperature range, a reaction tube, a heat exchanger, etc. Corrosion associated with the carburization phenomenon of high Cr—high Ni—Fe alloy-based metallic materials used in the present invention is a problem.
[0004]
Usually, the reaction gas, ie H2 , CO, CO2 , H2A gas containing a hydrocarbon such as O 2 and methane and a metal material such as a reaction tube are in contact with each other at a high temperature around 1000 ° C. or higher. In this temperature range, elements having a higher oxidation tendency than Fe and Ni are selectively oxidized on the surface of the metal material, and corrosion is suppressed by forming a dense oxide film such as Cr oxide and Si oxide. However, in relatively low temperature parts such as heat exchange parts, the diffusion of elements from the metal material to the surface is insufficient and the formation of an oxide film with a corrosion-inhibiting effect is delayed. It is adsorbed on the surface of the material, C enters the metal material and carburization occurs.
[0005]
When carburization proceeds in such an environment and a carburized layer containing carbides such as Cr and Fe is formed, the volume of the portion expands, and as a result, fine cracks are likely to occur. Further, when C penetrates into the metal material and the formation of carbide is saturated, the metal powder generated by the decomposition of the carbide is peeled off from the surface of the metal material, and corrosion consumption called metal dusting proceeds. Further, the peeled metal powder becomes a catalyst, and carbon deposition on the surface of the metal material is promoted. When such blockage due to wear or carbon deposition increases, there is a risk of operation interruption due to equipment failure or the like, so that sufficient consideration must be given to the selection of materials as equipment members.
[0006]
Conventionally, various countermeasures have been studied for metal dusting. For example, in Patent Document 1, H2 , CO, CO2 , H2Since the Fe-based alloy or Ni-based alloy containing 11 to 60% of Cr (wt%, the same applies hereinafter) is excellent in the resistance to metal dusting in an atmosphere gas of 400 to 700 ° C containing O 2, the Fe-based alloy Nb is added to materials containing 24% or more of Cr and 35% or more of Ni, Ni-based alloys containing 20% or more of Cr and 60% or more of Ni, and Fe-based alloys or Ni-based alloys. An invention of such materials is disclosed. However, in general, a sufficient carburization suppressing effect cannot be obtained only by increasing the Cr or Ni content of the Fe-based alloy or Ni-based alloy, and it is necessary to further suppress metal dusting.
[0007]
The method disclosed in Patent Document 2 is based on the elements 8th, 1B, 4th and 5th groups of the periodic table for corrosion caused by metal dusting of “high temperature alloy” containing iron, nickel and chromium. A technique in which one or more metals and mixtures thereof are attached to a surface by ordinary physical or chemical means and annealed in an inert atmosphere to form a thin layer having a thickness of 0.01 to 10 μm. is there. In particular, it is described that the effect is large in the case of a thin layer of Sn, Pb, Bi or the like. However, even if this method is effective in the initial stage, the effect is lost if the thin layer is peeled off after long-term use.
[0008]
In addition, H in atmosphere gas2A method of adding S is also considered, but H2Since S may significantly reduce the activity of the catalyst used for hydrocarbon reforming, its application is limited. As described above, although various studies have been made, no metal material capable of sufficiently suppressing metal dusting has been obtained at present.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-9-78204
[Patent Document 2]
JP-A-11-172473
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above situation, and its purpose is to2 , CO, CO2 , H2In an environment where metal dusting is likely to occur, such as in a gas atmosphere containing O 2 and hydrocarbons, a metallic material that is a high Cr—high Ni—Fe alloy having excellent high temperature strength as well as excellent corrosion resistance. It is to provide a layer metal material and a metal tube made of them.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention is as follows: (1) to (7), a metal dusting-resistant metal material excellent in high-temperature strength, a multilayer metal material shown in (8), a metal tube shown in (9), and (10) In the multilayer metal tube shown.
[0012]
(1) By mass%, C: more than 0.2% to 0.6%, Si: 0.01-4%, Mn: 0.01-2%, P: 0.03% or less, S: 0.01% or less, Cr: 18 to 35%, Ni: 40 to 78%, Al: 0.005% or more4%N: 0.001 to 0.2%, Cu: 0.13 to 5.5% and Co: 0.015 to 5.5%, either one or two, and the balance is Fe And a metal dusting-resistant metal material excellent in high-temperature strength, wherein the value of fn1 represented by the following formula (1) is 50 or more.
[0013]
fn1 = 40Si + Ni + 5Al + 40N + 10 (Cu + Co)...(1).
here,(1)The element symbol in the formula represents the content of the element in mass%.
[0014]
(2) By mass%, C: more than 0.2% up to 0.6%, Si: 0.01-4%, Mn: 0.01-2%, P: 0.03% or less, S: 0.01% or less, Cr: 18 to 35%, Ni: 40 to 78%, Al: 0.005% or more4%N: 0.001 to 0.2%, Cu: 0.13 to 5.5% and Co: 0.015 to 5.5%, or any one or two of them, and further below The high temperature strength is characterized in that it contains at least one of the components of the group (a) shown, the balance is Fe and impurities, and the value of fn1 expressed by the following formula (1) is 50 or more. Excellent metal dusting metal material.
[0015]
(A) Mo: 0.05 to 10%, Ta: 0.05 to 5%, W: 0.05 to 5%, Ti: 0.01 to 1.4%, V: 0.01 to 1%, Zr: 0.01-2.5%, Nb: 0.01-2.5% and Hf: 0.01-1%.
[0016]
(3) By mass%, C: more than 0.2% to 0.6%, Si: 0.01-4%, Mn: 0.01-2%, P: 0.03% or less, S: 0.01% or less, Cr: 18 to 35%, Ni: 40 to 78%, Al: 0.005% or more4%N: 0.001 to 0.2%, Cu: 0.13 to 5.5% and Co: 0.015 to 5.5%, or any one or two of them, and further below It contains at least one of the components of the group shown in (a), the balance is made of Fe and impurities, the value of fn1 expressed by the following formula (1) is 50 or more, and expressed by the following formula (2) An anti-metal dusting metal material excellent in high-temperature strength, wherein the value of fn2 is 0.003 or more.
[0017]
fn2 = (Mo / 192) + (Ta / 181) + (W / 368) + (Ti / 48) + (V / 51) + (Zr / 92) + (Nb / 93) + (Hf / 179). ...(2).
Here, the element symbol in each formula represents the content in mass% of the element.
[0018]
(4) In place of a part of Fe, the high-temperature strength according to any one of (1) to (3) above containing at least one of the components of the group (b) shown below was excellent. Metal dusting resistant metal material.
[0019]
(B) B: 0.0005 to 0.02%, Ca: 0.0005 to 0.02%, and Mg: 0.0005 to 0.02%.
[0020]
(5) In place of a part of Fe, the high-temperature strength according to any one of (1) to (4) above containing at least one of the components of the group (c) shown below was excellent. Metal dusting resistant metal material.
[0021]
(C) La: 0.005-0.3%, Ce: 0.005-0.3%, Nd: 0.005-0.3% and Y: 0.005-0.3%.
[0022]
(6) Fe content10% Of the above-mentioned (1) to (5), the metal dusting-resistant metal material having excellent high-temperature strength.
[0023]
(7) Hydrocarbon, CO and H2 The sum of the contents of is for a member used in an atmosphere having a total of 25 vol% or more, a total of hydrocarbon and CO of 1 vol% or more, and 1000 ° C or less, according to any one of (1) to (6) above Metal dusting metal material with excellent high temperature strength.
[0024]
(8) The surface of the surface in contact with an atmosphere in which at least metal dusting occurs, including at least one metal dusting-resistant metal material layer having excellent high-temperature strength as described in any of (1) to (6) aboveLayerA multilayer metal material characterized by being a layer of the above-described metal dusting metal material excellent in high temperature strength.
[0025]
(9) A metal tube which is a metal dusting-resistant metal material excellent in high-temperature strength according to any one of (1) to (6) above.
[0026]
(10) The material is a multilayer metal material according to (8) above,Table in contact with the atmosphere where metal dusting occursMulti-layer metal tube whose surface is a layer of metal dusting metal material with excellent high-temperature strength.
[0027]
Hereinafter, the inventions related to (1) to (10) of the metal dusting-resistant metal material, the multilayer metal material, the metal material tube, or the multilayer metal tube are referred to as the inventions of (1) to (10), respectively.
[0028]
The present inventors have conducted various studies on metal materials having excellent resistance against a corrosion phenomenon called metal dusting that occurs at a temperature of 1000 ° C. or lower.
[0029]
The occurrence of metal dusting is affected by the protection of the oxide film formed on the surface and the development of the carburized layer formed inside. In other words, when the oxide film is cracked or peeled off, C penetrates into the metal and a carburized layer is formed, and metal dusting is considered to occur due to volume change or carbide formation decomposition at that time. . Then, while improving the protective property of an oxide film, it examined about the composition of the metal material for suppressing the growth of a carburized layer.
[0030]
In order to increase the protective property of the oxide film, it is most effective to increase the Cr content, and it is preferable to contain an element having a strong affinity for oxygen such as Si or Al. This is the same as a general method for improving oxidation resistance.
[0031]
By the above measures, the intrusion of C into the metal material is considerably suppressed, but the intrusion of C is completely blocked, in other words, the oxide film does not crack at all and does not peel off for a long time. It is impossible to realize that. Therefore, as in the case of blocking the entry of C by the oxide film, it is indispensable to suppress the growth of the carburized layer in order to improve the metal dusting resistance.
[0032]
Therefore, the effect of various element additions on the growth of the carburized layer was investigated on the basis of an alloy composed of approximately 25% Cr, Ni approximately 60%, and the balance mainly composed of Fe as a high temperature material. As a result, one element, such as Si, Al, Ni, which seems to have little affinity with carbon, and the other element, which forms stable carbides in metal materials such as Ti, Nb, V, Mo, etc. It became clear that it has the effect of suppressing the growth rate of the carburized layer.
[0033]
The carburized layer is, for example, on the metal surface depending on the atmospheric conditions,
C + CO2= 2CO ...(3)
Such a reaction proceeds from the right side to the left side, and the generated C is adsorbed on the surface of the metal material and penetrates into the metal material.
[0034]
When carbide-forming elements are present, it is considered that the invaded C bonds with these elements, thereby suppressing the diffusion of C and suppressing the growth of the carburized layer. However, the reason why Si, Al, Ni, etc. suppress the growth of the carburized layer is not necessarily clear.
[0035]
Upon further investigation, other elements that suppress the growth of the carburized layer were found, although they were not other carbide-forming elements. Therefore, when these elements were examined for interaction with C from the viewpoint of solute elements in Fe, all of them were elements in which the interaction assistant coefficient Ω showed a positive value.
[0036]
If Ω is positive, there is an effect of increasing the activity of C, which is a solute element, and if the activity of C in the metal material is increased, the amount of solute C is reduced and the flux to the inside is reduced. It seems that growth will slow down.
[0037]
When an element having positive Ω is examined, for example, P and S show a large positive Ω value, but the properties such as hot workability and toughness of the metal material are deteriorated, so the content must be reduced. . Similarly, regarding Ag and As having a high Ω value, it is difficult to use both Ag for cost and As for toxicity.
[0038]
Among the elements with positive Ω, Co and Cu are usually used as additive elements in steel, and as a result of investigating the effect of the addition, it is effective for improving metal dusting resistance. There was found. Further, although it is difficult to contain a large amount, it has been clarified that N can also be used for improving metal dusting resistance.
[0039]
For each element of Si, Al, Ni, Co, Cu, and N, the relationship between the content and the growth inhibition effect of the carburized layer is investigated using a test molten metal, and the obtained result is subjected to multiple regression calculation. Thus, the effect of the content of each element on the effect of suppressing the growth of the carburized layer and, therefore, the metal dusting resistance could be clarified.
[0040]
Next, elements that form stable carbides in metal materials such as Ti, Nb, V, and Mo also have an action of suppressing the growth of the carburized layer, so the influence of their contents was examined. As a result, the effect of suppressing the growth of the carburized layer by the element that forms a stable carbide in the metal material is almost proportional to the atomic concentration, and the contents of Mo and W are 1/2 of the atomic concentration, other elements It has been found that if the total concentration is an index as the atomic concentration, the above effect can be quantitatively shown by the index. This indicates that these elements suppress the growth of the carburized layer by combining with the carbon that has entered from the surface to form a stable carbide as described above.
[0041]
In this way, the entry of C into the metal material by containing an element that strengthens the oxide film formed on the surface, the inclusion of an element having a positive interaction assistant coefficient Ω, and this In addition, it has been found that the metal dusting resistance of the high Cr-high Ni-Fe alloy can be greatly improved by further suppressing the growth of the carburized layer in a carburizing atmosphere by simultaneously containing an appropriate amount of a carbide forming element.
[0042]
However, the addition of the above various elements may adversely affect hot workability and high temperature corrosion resistance depending on the content. In order to prevent such an adverse effect, it is effective to contain the following elements.
[0043]
That is, when a small amount of B, Ca, and Mg is contained, cracks during hot working of the target metal material are suppressed, and hot workability is improved. These elements are thought to bring about an effect of improving hot workability by strengthening the grain boundaries of steel and changing the form of trace inclusions.
[0044]
When a small amount of rare earth elements such as La, Ce, Nd and Y are contained, the corrosion resistance and oxidation resistance at high temperatures are improved. This is considered to be due to the fact that the above elements promote the uniform formation of Cr, Al, and Si oxide films and increase the adhesion between the oxide film and the metal material interface.
[0045]
In addition, the metal dusting resistance is greatly enhanced by the two actions of the action of enhancing the protective property of the oxide film formed on the surface and the action of suppressing the growth of the carburized layer due to the positive interaction assistant coefficient Ω. When a large amount of Si and Al is contained, the hot workability and weldability are significantly reduced.
[0046]
However, as a result of the study by the present inventors, the reduction in hot workability and weldability due to containing a large amount of Si and Al can be improved if the contents of P, S and N in the metal material are simultaneously reduced. Became clear.
[0047]
That is, in the case of a metal material that is inferior in hot workability and weldability, the bond between the grain boundaries is weak, and if the grain interior is strengthened, there is a relative difference between the grain grain strength and the grain boundary strength. Since it becomes large, cracks originating from the grain boundary frequently occur during hot working or welding. For this reason, limiting P and S which segregate at the grain boundaries and weaken the bonding force, and at the same time, limit N which precipitates nitrides within the grains, suppresses grain boundary cracking during hot working or welding. It is effective for.
[0048]
P, S, and N are elements that increase the interaction coefficient Ω and improve the metal dusting resistance. However, the metal dusting resistance can be greatly improved by containing a large amount of Si and Al rather than containing P, S and N. Therefore, when high metal dusting resistance is required, Si and Al are contained in a large amount, and the hot workability and weldability are thereby reduced, and the contents of P, S and N are limited. It is good to suppress with.
[0049]
When the metal material is used at a high temperature, the life can be extended as the strength at the high temperature increases. On the other hand, if the lifespan is approximately the same, the greater the strength at high temperature, the thinner the design thickness of the member, so the cost can be reduced.
[0050]
Therefore, the means for increasing the strength at high temperature was also examined. As a result, by adding C in a mass% exceeding 0.2% and positively containing an element having a positive interaction assistant coefficient Ω, the activity of C can be increased to increase the activity of C. It was found that if the amount of C dissolved in the solid solution is reduced, carbides precipitate at the grain boundaries and within the grains, and a significant improvement in high-temperature strength can be achieved.
[0051]
The inventions (1) to (10) have been completed based on the above findings.
[0052]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the reason for limiting the composition of the metal dusting metal material is as follows. In the following description, “%” display of the content of each element means “mass%”.
[0053]
Cr:
Cr is a basic component of a metal dusting metal material according to the present invention intended for use at high temperatures. Cr has an action of delaying the growth of the carburized layer by combining with C that has penetrated into the metal material in a high-temperature use environment, thereby ensuring good metal dusting resistance. This effect is due to the Cr content18% Or better. However, if its content exceeds 35%, the toughness is lowered and the hot workability is deteriorated, making it difficult to produce. Therefore, the Cr content18To 35%. In addition, the preferable content of Cr is 18 to 33%, and 25.2 to 33% is extremely preferable.
[0054]
Ni:
Ni is a basic component of the metal dusting-resistant metal material according to the present invention, and maintains the high temperature strength and the structural stability, and has the effect of increasing the corrosion resistance by coexisting with Cr. Ni also has an effect of suppressing the occurrence of metal dusting. These effects are remarkably exhibited when the Ni content is 40% or more, and the effect becomes more remarkable as the content increases up to 78%. Therefore, the content of Ni is set to 40 to 78%. The Ni content is preferably 48 to 78%, and more preferably 50 to 78%. It is very preferable if the Ni content is 56 to 78%.
[0055]
C:
C has the effect | action which raises the intensity | strength of a metal material, and a big high temperature intensity | strength is securable by making it contain exceeding 0.2%. However, when the content exceeds 0.6%, the toughness of the metal material is lowered. Furthermore, due to the extreme decrease in ductility, the high temperature strength is decreased. Therefore, the C content is set to more than 0.2% and up to 0.6%. The C content is preferably 0.22 to 0.55%, more preferably 0.25 to 0.5.
[0056]
Si:
Si has a deoxidizing action when the metal material is melted. Si forms a Si oxide film under the Cr oxide film on the surface of the metal material, suppresses the intrusion of C into the metal, and increases the activity of C in the metal material, greatly improving the metal dusting resistance. It also has the effect of improving. In order to obtain these effects, the Si content needs to be 0.01% or more. However, the addition of a large amount of Si causes a decrease in hot workability and weldability. In particular, when its content exceeds 4%, the hot workability and weldability deteriorate significantly. Therefore, the lower limit of the Si content is set to 0.01%, and the upper limit is set to 4%. The lower limit and upper limit of the Si content are more preferably 0.05% and 3.5%, respectively, and more preferably 0.1% and 3.2%.
[0057]
In addition, when the N content described later exceeds 0.055%, the upper limit of the Si content is 2% from the viewpoint of weldability and hot workability, and the upper limit of the Al content is also 2 % Is good.
[0058]
In the case where the upper limit of the N content described later is 0.055%, good hot workability and weldability can be secured. In this case, in order to greatly improve the metal dusting resistance, The content may be 1.1% or more. In this case, in order to obtain better hot workability and weldability, the upper limit of the Al content is more preferably 0.5%.
[0059]
Mn:
Mn has an action of suppressing hot work brittleness due to S contained as an impurity and a deoxidation action at the time of melting. In order to obtain such effects, Mn is contained at least 0.01% or more. However, Mn promotes the penetration of C from the atmosphere and reduces the activity of C in the metal material and inhibits the formation of Cr or Al oxide film on the surface of the metal material to generate metal dusting. Since it is an element that makes it easy to cause it to be contained, its content must be at most 2%. The Mn content is more preferably 0.05 to 1.0%, and even more preferably 0.1 to 0.8%.
[0060]
P:
P is an impurity element mixed from the raw material when the metal material is melted. Since corrosion resistance is lowered and hot workability and weldability are deteriorated, it is desirable to reduce as much as possible. Therefore, the content is made 0.03% or less. The P content is more preferably 0.025% or less, and extremely preferably 0.02% or less.
[0061]
S:
S is also an impurity element mixed from the raw material when the metal material is melted. Since corrosion resistance is lowered and hot workability and weldability are deteriorated, it is desirable to reduce as much as possible. Therefore, the content is made 0.01% or less. The S content is more preferably 0.007% or less, and very preferably 0.002% or less.
[0062]
Al:
Al has a deoxidizing action when the metal material is melted. For Al, by forming an Al oxide film below the Cr oxide film on the surface of the metal material, or by forming an Al oxide film on the outermost surface of the metal material, the penetration of C into the metal material is suppressed. It also has the effect of increasing the activity of C in the metal material and greatly improving the resistance to metal dusting. In order to obtain these effects, the Al content needs to be 0.005% or more. However, the addition of a large amount of Al causes a decrease in hot workability and weldability. Especially its content4%If it becomes above, the fall of hot workability and weldability will become remarkable. Therefore, the lower limit of the Al content is 0.005% and the upper limit is4%Less than. Al contentUnderMore preferably, the limit is 0.01% and the upper limit is less than 3.7%.
[0063]
In addition, when the N content described later exceeds 0.055%, the upper limit of the Al content is 2% from the viewpoint of weldability and hot workability, and the upper limit of the Si content is also 2 % Is good.
[0064]
When the upper limit of the N content described later is 0.055%, good hot workability and weldability can be ensured. In this case, in order to greatly improve the metal dusting resistance, Al The content may be 2.6% or more. In this case, in order to obtain better hot workability and weldability, the upper limit of the Si content is more preferably 0.5%.
[0065]
N:
N has an action of increasing the activity of C in the metal material and improving the resistance to metal dusting. However, if the content is less than 0.001%, the above effect cannot be obtained sufficiently. On the other hand, if the N content exceeds 0.2%, a large amount of Cr or Al nitride is formed, and the hot workability and weldability are significantly reduced. Therefore, the lower limit of N content is 0.001% and the upper limit is 0.2%.
[0066]
When the upper limit of the Si and Al contents is 2%, the lower limit of the N content is preferably 0.005%. In this case, the upper limit of the N content is more preferably 0.15%.
[0067]
On the other hand, in order to greatly enhance the resistance to metal dusting, the content of Si and Al is set to 1.1% or more and 2.6% or more, respectively, and Si is contained up to 4%. For quantity and Al4%When the content is less than the upper limit, the upper limit of the N content is preferably 0.055% from the viewpoints of weldability and hot workability. In this case, the upper limit of the N content is more preferably 0.035%, and extremely preferably 0.025%.
[0068]
Cu and Co:
Cu and Co are important elements in the present invention. All of these elements increase the activity of C in the metal material, and as a result, suppress the growth of the carburized layer and improve the metal dusting resistance. The effect is CuContaining 0.13% or moreCo0.015% Or more. However, if both Cu and Co are contained in excess of 5.5%, the hardness of the metal material is increased and the productivity is lowered. Therefore, CuContent of 0.13 to 5.5%,Co content0.015˜5.5%. CuThe preferred content of is 0.13 to 4.8%, more preferred is 0.13 to 4.2%, andThe preferable content is 0.02 to 4.8%, and more preferably 0.05 to 4.2%. In addition, Cu and Co may contain any 1 type and may contain both.
[0069]
fn1:
As already described, the present inventors have investigated the relationship between the content of each element of Si, Al, Ni, Co, Cu, and N that increases the activity of C in the metal material and the effect of suppressing the growth of the carburized layer. Were investigated using test melts.
[0070]
As a result, the effect of the content of each element on the effect of suppressing the growth of the carburized layer, and thus on the metal dusting resistance(1)It became clear that it can be arranged by the value of fn1 expressed by the equation. The larger the value of fn1, the greater the metal dusting resistance, that is, the effect of suppressing the occurrence of metal dusting. When the value of fn1 is 50 or more, good metal dusting resistance can be ensured. Therefore, the(1)The value of fn1 represented by the formula was defined as 50 or more. In order to obtain a more remarkable effect, the value of fn1 is preferably 60 or more. The value of fn1 is more preferably 70 or more, and more preferably 80 or more.
[0071]
Note that when the Si content is 1.1 to 4% and the value of fn1 is 95 or more, or the Al content is 2.6% or more.4%If the value is less than 70 and the value of fn1 is 70 or more, extremely good metal dusting resistance can be obtained. When the Si content is 1.1 to 4% and the value of fn1 is 110 or more, or the Al content is 2.6% or more4%If the value is less than 90 and the value of fn1 is 90 or more, better metal dusting resistance can be obtained.
[0072]
The component elements other than Fe contained in the metal dusting metal material according to the invention of (1) may be only the above elements from Cr to N, and any one or more elements of Cu and Co. Good. However, in addition to the above components, one or more elements of the groups (a) to (c) can be selectively contained as necessary. That is, one or more elements of the groups (a) to (c) may be added and added as optional additional elements.
[0073]
Hereinafter, the above optional additive elements will be described.
[0074]
Mo, Ta, W, Ti, V, Zr, Nb and Hf: (a) group
Any of these elements is a carbide forming element, and if added, has the effect of suppressing the growth of the carburized layer and enhancing the resistance to metal dusting. Each of the above elements also has the effect of increasing the high temperature strength.
[0075]
In order to reliably obtain the above effects, it is preferable that Mo, Ta, and W each have a content of 0.05% or more, and Ti, V, Zr, Nb, and Hf all have a content of 0.01% or more. The content is preferable. However, Mo exceeds 10%, Ta and W exceed 5%, Ti exceeds 1.4%, Zr and Nb exceed 2.5%, and V and Hf exceed 1%. If they are contained, the hot workability, toughness, and weldability are reduced.
[0076]
Therefore, when adding Mo, Ta, W, Ti, V, Zr, Nb and Hf, the respective contents are 0.05 to 10% for Mo, 0.05 to 5% for Ta, and 0. 05-5%, Ti 0.01-1.4%, V 0.01-1%, Zr 0.01-2.5%, Nb 0.01-2.5% and Hf 0 .01 to 1% is preferable. The range of preferable content in the case of adding is as follows: Mo is 1 to 10%, Ta and W are both 0.5 to 5%, Ti is 0.01 to 0.8%, and Zr and Nb are both 0.00. 01 to 2.0%, V and Hf are both 0.01 to 0.6%. The range of more preferable content when added is 1 to 8% for Mo, 1 to 3% for Ta and W, 0.01 to 0.4% for Ti, and 0.02 for both Zr and Nb. -1.6%, V is 0.01-0.3%, and Hf is 0.02-0.6%.
[0077]
The above-mentioned Mo, Ta, W, Ti, V, Zr, Nb, and Hf can be added alone or in combination of two or more.
[0078]
The anti-metal dusting metal material according to the invention of (1) contains only one of Mo, Ta, W, Ti, V, Zr, Nb and Hf, or a combination of two or more. Thus, the metal dust-proof metal material according to the invention of (2) is obtained.
[0079]
fn2:
As already described, the present inventors examined the relationship between the content of elements that form stable carbides in metal materials and the effect of suppressing the growth of the carburized layer.
[0080]
As a result, the effect of Mo, Ta, W, Ti, V, Zr, Nb, and Hf, which produce stable carbides in the metal material, suppresses the growth of the carburized layer is almost proportional to the atomic concentration, and the content is Mo. And W is ½ of the atomic concentration, other elements are atomic concentrations, and if the total concentration is taken as an index, that index, that is,(2)It has been clarified that the effect of suppressing the growth of the carburized layer, and hence the resistance to metal dusting, can be arranged by the value of fn2 expressed by the equation.
[0081]
The larger the value of fn2, the greater the resistance to metal dusting, that is, the effect of suppressing the occurrence of metal dusting. Particularly when the value of fn2 is 0.003 or more, good metal dusting resistance can be secured. . Therefore, the(2)The value of fn2 represented by the formula is preferably 0.003 or more. The value of fn2 is more preferably 0.005 or more, and even more preferably 0.007 or more.
[0082]
In the metal dusting-resistant metal material according to the invention of (2), only one of Mo, Ta, W, Ti, V, Zr, Nb and Hf so that the value of fn2 is 0.003 or more, Alternatively, the metal dusting metal material according to the invention of (3) can be obtained by compounding two or more kinds.
[0083]
B, Ca and Mg: (b) group
Any of these elements, when added, has the effect of improving hot workability. In order to surely obtain this effect, it is preferable that the content is 0.0005% or more. However, if the B content exceeds 0.02%, the metal material becomes embrittled and the melting point is lowered, resulting in a decrease in hot workability and weldability. Further, when both Ca and Mg contents exceed 0.02%, they become oxide inclusions, leading to deterioration of product surface quality and deterioration of corrosion resistance. Therefore, the contents when adding B, Ca and Mg are all preferably 0.0005 to 0.02%. The preferable range of the content of any element is 0.0005 to 0.015%, and the more preferable range is 0.0005 to 0.012%. In addition, these elements can be added only in any 1 type or 2 or more types of composite.
[0084]
By containing only one of the above-mentioned B, Ca and Mg, or a combination of two or more thereof in the metal dust-resistant metal material according to the invention of (1) to (3), (4) A metal dusting metal material according to the invention is obtained.
[0085]
La, Ce, Nd and Y: (c) group
Any of these elements, when added, has the effect of improving the adhesion and improving the corrosion resistance by improving the uniformity of the oxide film containing Cr and Al generated on the surface of the metal material in the use environment. In order to reliably obtain this effect, it is preferable that the content is 0.005% or more. However, if the content of any element exceeds 0.3%, a coarse oxide is formed, leading to a decrease in toughness and hot workability, and the occurrence of surface defects is increased. Therefore, the contents when adding La, Ce, Nd and Y are all preferably 0.005 to 0.3%. The preferable range of the content of any element is 0.005 to 0.1%, and the more preferable range is 0.005 to 0.07%. In addition, these elements can be added only in any 1 type or 2 or more types of composite.
[0086]
By including only one of La, Ce, Nd and Y, or a combination of two or more in the metal dust-proof metal material according to the inventions (1) to (4), (5 The metal dusting metal material according to the invention is obtained.
[0087]
Fe:
Fe is a substantial balance element for the metal dusting metal material according to the present invention. However, Fe lowers the density of the oxide film of Cr, Al and Si generated on the surface of the metal material. If the oxide film formed on the surface of the metal material is dense and has excellent adhesion to the metal material, the effect of blocking the penetration of C into the metal material is greater. In this case, good metal dusting resistance Sex is obtained. Therefore, it is better to reduce the Fe content, which reduces the density of the oxide film.Yes. ThisIn this case, if the Fe content is 10% or less, the adverse effect of the oxide film on the intrusion blocking effect of C into the metal material is small, so the Fe content should be reduced to 10% or less. Is good. A more preferable upper limit of the Fe content is 9%, and a more preferable upper limit is 8%.
[0088]
By limiting the content of Fe contained as a substantial balance element in the metal-resistant metal dusting metal material according to the inventions of (1) to (5), the metal dust-resistant metal material according to the invention of (6) is obtained. can get.
[0089]
In the metal dusting metal material according to the inventions (1) to (6), the Si content is 1.1 to 4% and the value of fn1 is 95 or more, so that the metal resistance is further improved. Dusting property can be obtained. Furthermore, in addition to the above-described definition of the Si content and the value of fn1, if the Al content is 0.005 to 0.5%, even better hot workability and weldability can be obtained. .
[0090]
Further, in the metal dust-proof metal material according to the inventions (1) to (6), the Al content is 2.6% or more.4%When the value is less than 70 and the value of fn1 is 70 or more, better metal dusting resistance can be obtained. Furthermore, if the Si content is 0.01 to 0.5% in addition to the above-mentioned definition of the Al content and the value of fn1, even better hot workability and weldability can be obtained. .
[0091]
In each of the above cases, if the Fe content is further reduced to 10% or less, extremely good metal dusting resistance can be obtained.
[0092]
Metal dust-resistant metal materials according to the inventions (1) to (6) are particularly hydrocarbons, CO and H2 Is excellent in metal dusting resistance in an atmosphere having a total content of 25 vol% or more, a total of hydrocarbon and CO of 1 vol% or more and 1000 ° C. or less. Therefore, if these metal dusting metal materials are applied to members such as reaction tubes and peripheral equipment in heat exchange reformers and waste heat recovery equipment in petrochemical plants, the durability and safety of the equipment will be greatly increased. Can be improved. That is, the metal dusting metal material according to the inventions (1) to (6) is suitable for a member exposed to the environment (the invention of (7)).
[0093]
The metal dusting resistant metal material according to the present invention is produced by a general manufacturing process applied to steel and other metal materials, that is, by means such as melting, casting, hot working, cold working, welding, etc. What is necessary is just to shape | mold to a required shape, such as a non-pipe, a welded tube, a board, and a rod, and you may shape | mold to a required shape by methods, such as powder metallurgy and centrifugal casting.
[0094]
The invention of (9) relates to a “pipe” whose shape after molding.
[0095]
In addition, after shaping | molding, you may give the homogenization process (solution heat treatment) heated, for example to 1050-1250 degreeC. Furthermore, after the molding or the homogenization treatment, the metal material surface may be subjected to a surface processing treatment such as pickling, shot blasting, grinder polishing, and electrolytic polishing.
[0096]
The metal dusting-resistant metal material according to the present invention exhibits excellent resistance in an atmosphere where metal dusting occurs, so it is not only used alone but also as a multilayer metal material having two or more layers. Also good.
[0097]
When used as a multilayer metal material, the metal dusting-resistant metal material according to the present invention only needs to face the atmosphere where metal dusting occurs, so at least the surface in contact with the atmosphere where metal dusting occursLayerWhat is necessary is just to comprise with the metal dusting metal material which concerns on this invention ((8) invention). In this case, the support member (strength member) may be composed of one or more combinations of carbon steel, stainless steel, Ni-base alloy, Co-base alloy, and the like.
[0098]
The method for producing the multilayer metal material according to the present invention is not particularly limited. For example, after joining by normal pressure welding or welding, hot working or cold working may be performed to form a desired shape.
[0099]
The invention of (10) relates to a “pipe” whose shape after molding.
[0100]
In addition, you may produce the layer of the multilayer metal material which faces the atmosphere where metal dusting generate | occur | produces by surface treatments, such as overlay welding, chemical vapor deposition (CVD), physical vapor deposition (PVD), and plating. If the said surface treatment layer exists in the component range of the metal-dusting metal material which concerns on this invention, the resistance with respect to metal dusting can be improved.
[0101]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention more concretely, this invention is not limited to this Example.
[0102]
Metal materials having chemical compositions shown in Tables 1 to 4 were melted using a high-frequency heating vacuum furnace, hot forged by a normal method, and then subjected to a solution heat treatment at 1200 ° C. to produce a plate material having a thickness of 20 mm. . Next, a test piece having a thickness of 4 mm, a width of 10 mm, and a length of 20 mm was cut out from the plate material having a thickness of 20 mm.
[0103]
[Table 1]
[Table 2]
[Table 3]
[Table 4]
Using the test piece of each metal material thus obtained, the volume ratio is 26% H2-60% CO-11.5% CO2-25% H2In the atmosphere of O, the test which hold | maintains at 650 degreeC for 1000 hours was done.
[0104]
Subsequently, after removing the surface deposit of a test piece and performing ultrasonic cleaning, the maximum thickness reduction thickness was measured with the depth measuring device, and metal dusting resistance was evaluated.
[0105]
In addition, a plate-like tensile test piece having a thickness of 2 mm was prepared from a plate material having a thickness of 20 mm subjected to solution heat treatment, and a tensile test was performed at 650 ° C. to measure the tensile strength.
[0106]
The results of the above investigations are summarized in Table 5.
[0107]
[Table 5]
From Table 5, the test numbers 1-7, 11 which satisfy | fill the conditions which a chemical composition prescribes | regulates by this invention.19, 21-It is apparent that the metal material No. 26 has a very small maximum thickness reduction and excellent metal dusting resistance, and also has a high tensile strength at 650 ° C. and excellent high-temperature strength.
[0108]
On the other hand, among the metal materials whose chemical compositions deviate from the conditions specified in the present invention, the metal material of test number 27 is inferior in both metal dusting resistance and high temperature strength. Metal materials are inferior in metal dusting resistance.
[0109]
【The invention's effect】
Since the metal material of the present invention is excellent in metal dusting resistance and high-temperature strength, it can be used for heating furnace tubes, piping, heat exchanger tubes, etc. in petroleum refining and petrochemical plants. Durability and safety can be greatly improved.
Claims (10)
fn1=40Si+Ni+5Al+40N+10(Cu+Co)・・・・(1)
ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。In mass%, C: more than 0.2% to 0.6%, Si: 0.01-4%, Mn: 0.01-2%, P: 0.03% or less, S: 0.01 %: Cr: 18-35%, Ni: 40-78%, Al: 0.005% or more and less than 4%, N: 0.001-0.2%, Cu: 0.13-5.5% And Co: Any one or two of 0.015 to 5.5%, the balance being Fe and impurities, and the value of fn1 represented by the following formula (1) being 50 or more Metal dusting metal material with excellent high-temperature strength.
fn1 = 40Si + Ni + 5Al + 40N + 10 (Cu + Co) (1)
Here, the element symbol in the formula (1) represents the content in mass% of the element.
(a)Mo:0.05〜10%、Ta:0.05〜5%、W:0.05〜5%、Ti:0.01〜1.4%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜2.5%、Nb:0.01〜2.5%及びHf:0.01〜1%
fn1=40Si+Ni+5Al+40N+10(Cu+Co)・・・・(1)
ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。In mass%, C: more than 0.2% to 0.6%, Si: 0.01-4%, Mn: 0.01-2%, P: 0.03% or less, S: 0.01 %: Cr: 18-35%, Ni: 40-78%, Al: 0.005% or more and less than 4%, N: 0.001-0.2%, Cu: 0.13-5.5% And Co: Any one or two of 0.015 to 5.5%, and further including at least one of the components of group (a) shown below, with the balance being Fe and impurities A metal dusting-resistant metal material excellent in high-temperature strength, wherein the value of fn1 represented by the following formula (1) is 50 or more.
(A) Mo: 0.05 to 10%, Ta: 0.05 to 5%, W: 0.05 to 5%, Ti: 0.01 to 1.4%, V: 0.01 to 1%, Zr: 0.01-2.5%, Nb: 0.01-2.5% and Hf: 0.01-1%
fn1 = 40Si + Ni + 5Al + 40N + 10 (Cu + Co) (1)
Here, the element symbol in the formula (1) represents the content in mass% of the element.
(a)Mo:0.05〜10%、Ta:0.05〜5%、W:0.05〜5%、Ti:0.01〜1.4%、V:0.01〜1%、Zr:0.01〜2.5%、Nb:0.01〜2.5%及びHf:0.01〜1%
fn1=40Si+Ni+5Al+40N+10(Cu+Co)・・・・(1)、
fn2=(Mo/192)+(Ta/181)+(W/368)+(Ti/48)+(V/51)+(Zr/92)+(Nb/93)+(Hf/179)・・・・(2)
ここで、各式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。In mass%, C: more than 0.2% to 0.6%, Si: 0.01-4%, Mn: 0.01-2%, P: 0.03% or less, S: 0.01 %: Cr: 18-35%, Ni: 40-78%, Al: 0.005% or more and less than 4%, N: 0.001-0.2%, Cu: 0.13-5.5% And Co: Any one or two of 0.015 to 5.5%, and further including at least one of the components of group (a) shown below, with the balance being Fe and impurities The resistance to metallization with excellent high-temperature strength, wherein the value of fn1 represented by the following formula (1) is 50 or more and the value of fn2 represented by the following formula (2) is 0.003 or more. Sting metal material.
(A) Mo: 0.05 to 10%, Ta: 0.05 to 5%, W: 0.05 to 5%, Ti: 0.01 to 1.4%, V: 0.01 to 1%, Zr: 0.01-2.5%, Nb: 0.01-2.5% and Hf: 0.01-1%
fn1 = 40Si + Ni + 5Al + 40N + 10 (Cu + Co) (1),
fn2 = (Mo / 192) + (Ta / 181) + (W / 368) + (Ti / 48) + (V / 51) + (Zr / 92) + (Nb / 93) + (Hf / 179). ... (2)
Here, the element symbol in each formula represents the content in mass% of the element.
(b)B:0.0005〜0.02%、Ca:0.0005〜0.02%及びMg:0.0005〜0.02%It replaces with a part of Fe and contains at least 1 sort (s) of the component of the group of (b) shown below, The high-temperature-strength resistance in any one of Claim 1 to 3 characterized by the above-mentioned. Metal dusting metal material.
(B) B: 0.0005 to 0.02%, Ca: 0.0005 to 0.02% and Mg: 0.0005 to 0.02%
(c)La:0.005〜0.3%、Ce:0.005〜0.3%、Nd:0.005〜0.3%及びY:0.005〜0.3%The high-temperature strength resistance according to any one of claims 1 to 4, characterized in that it contains at least one member of the group (c) shown below instead of a part of Fe. Metal dusting metal material.
(C) La: 0.005-0.3%, Ce: 0.005-0.3%, Nd: 0.005-0.3% and Y: 0.005-0.3%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365723A JP4415544B2 (en) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | Metal dusting metal material with excellent high temperature strength |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365723A JP4415544B2 (en) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | Metal dusting metal material with excellent high temperature strength |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004197149A JP2004197149A (en) | 2004-07-15 |
JP4415544B2 true JP4415544B2 (en) | 2010-02-17 |
Family
ID=32763197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002365723A Expired - Fee Related JP4415544B2 (en) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | Metal dusting metal material with excellent high temperature strength |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4415544B2 (en) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4672433B2 (en) * | 2005-05-17 | 2011-04-20 | 株式会社東芝 | Heat-resistant casting alloy and manufacturing method thereof |
EP2059620B1 (en) * | 2006-08-08 | 2013-01-16 | Huntington Alloys Corporation | Welding alloy and articles for use in welding, weldments and method for producing weldments |
WO2010038826A1 (en) | 2008-10-02 | 2010-04-08 | 住友金属工業株式会社 | Ni‑BASED HEAT-RESISTANT ALLOY |
DE102008051014A1 (en) * | 2008-10-13 | 2010-04-22 | Schmidt + Clemens Gmbh + Co. Kg | Nickel-chromium alloy |
CN104213013B (en) * | 2014-09-28 | 2016-09-21 | 哈尔滨工业大学 | A kind of TiZrNbMoxhfymany pivots high temperature alloy and preparation method thereof |
CN105364428A (en) * | 2015-12-24 | 2016-03-02 | 常熟市欧迪管业有限公司 | Titanium tube for condenser |
CN105970090A (en) * | 2016-05-18 | 2016-09-28 | 安徽合矿机械股份有限公司 | Automotive bolt material high in plastic deformation resisting capacity |
CN105803315A (en) * | 2016-05-18 | 2016-07-27 | 安徽合矿机械股份有限公司 | Good-creep-resistance alloy steel material used for automobile part |
CN105886898A (en) * | 2016-05-18 | 2016-08-24 | 安徽合矿机械股份有限公司 | High-elongation alloy steel material for automobile springs |
CN111719057A (en) * | 2019-03-20 | 2020-09-29 | 沈阳人和机械制造有限公司 | Falling film tube and manufacturing process thereof |
CN112375958A (en) * | 2020-10-28 | 2021-02-19 | 滦县天时矿山机械设备有限公司 | Preparation process of high-strength and high-toughness rare earth wear-resistant steel by rare earth treatment and pure smelting |
CN114574757B (en) * | 2022-02-17 | 2022-08-09 | 天津水泥工业设计研究院有限公司 | High-temperature roll ring material for roll pair machine and preparation method thereof |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365723A patent/JP4415544B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004197149A (en) | 2004-07-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3952861B2 (en) | Metal material with metal dusting resistance | |
JP5177330B1 (en) | Carburization-resistant metal material | |
JP4329883B1 (en) | Carburization-resistant metal material | |
EP1975267B1 (en) | Metallic material having excellent metal dusting resistance | |
JP4280898B2 (en) | Metal dusting metal material with excellent high temperature strength | |
JPWO2005078148A1 (en) | Metal tube for use in carburizing gas atmosphere | |
JP4692289B2 (en) | Metal material with excellent metal dusting resistance | |
JP4415544B2 (en) | Metal dusting metal material with excellent high temperature strength | |
EP2058412A1 (en) | Martensitic stainless steel for welded structure | |
JP4687467B2 (en) | Metal material with excellent workability and metal dusting resistance | |
JP2008214734A (en) | Metallic material having excellent metal dusting resistance | |
JP4513466B2 (en) | Welded joints and welding materials | |
JP4610272B2 (en) | Method for producing Zn-Al-Mg alloy-plated steel sheet excellent in resistance to molten metal embrittlement cracking | |
JP2001247940A (en) | Heat resistant alloy excellent in carburizing resistance and metal dusting resistance | |
JP5399000B2 (en) | Heat-resistant cast steel jig material for vacuum carburizing heat treatment | |
US7186370B2 (en) | Copper-base alloy and its use | |
JP7054078B2 (en) | Duplex stainless clad steel and its manufacturing method | |
JP5310655B2 (en) | Welding material, welded joint, and manufacturing method thereof | |
JP2020079437A (en) | Austenite stainless steel |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041216 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20041227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080513 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080710 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20080710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090416 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090826 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091009 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091104 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4415544 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |