JP4412501B2 - 処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
・第1に、前記燐酸再生装置6は、前記分岐配管60によって分岐した燐酸を一旦入れる受け槽63と、前記受け槽63から導入される燐酸にフッ酸を加えて加熱する処理槽100と、前記処理槽100で再生処理された燐酸を一時貯留する貯留槽113とからなり、前記処理槽100は、処理槽内から蒸発する蒸気を冷却して液化する冷却器200及び該冷却器200で液化された液を一定温度に調整する恒温槽201、並びに該恒温槽201で調整された液中のフッ素濃度を計測するフッ素計測器205等からなる測定部112を有している構成である。この構造では、例えば、受け槽63の回収燐酸を処理槽100にバッチ的に移し、該処理槽100で回収燐酸を再生処理し、該再生の終点判断を測定部112を介し行う。そして、回収された燐酸が所定の低酸化珪素濃度になると、該燐酸を貯留槽113に貯留したり、貯留槽113の燐酸をエッチング槽3側への補充用として使用可能にする。フッ酸による再生原理は、特開平11−293479号や特開平9−45660号と同じである。装置的には、エッチング処理と再生処理とを簡明な制御により連続的に行うことを可能にする。
・第2に、前記フッ素計測器205が比抵抗計又は導電率計からなる構成である。これは、特に再生燐酸中のフッ素濃度を高精度で計測可能にし、その結果、当該燐酸中の酸化珪素濃度を一定に制御できるようにして、本発明装置の制御精度の向上を図るようにしたものである。
・第3に、前記貯留槽113は、前記処理槽100から導入される再生された燐酸を所定温度に制御する加熱手段116,120を有していると共に、前記溢流部3aとの間が前記補給配管67aで接続されている構成である。これは、特に、貯留槽113の再生されかつ加温された燐酸が補給配管67aを介しエッチング槽3の溢流部3aへ一旦送られ、該溢流部3aから循環濾過経路部5を通ってエッチング槽3内に導入されるようにし、使用中の燐酸に補充される再生燐酸の濃度及び温度変動を極力小さく抑えるようにした点に意義がある。
・第4に、前記貯留槽113から送る燐酸補給量が、前記溢流部3aに設けた液面計36からの信号により制御可能になっている構成である。これは、燐酸補給量を溢流部3aの燐酸量に応じて自動制御されるようにし、エッチング槽3に必要な量の燐酸を確保するようにした点に意義がある。
・第5に、前記補給配管は、前記貯留槽113から取り出された再生燐酸を、前記エッチング槽3又は溢流部3aへ送る経路67aと、再び貯留槽へ戻す循環経路67bとを切換可能に構成していることである。これは、特に、循環経路67bにより貯留槽113内の再生燐酸を循環して温度等を均一にし、最適な状態で使用できるようにする。
(装置構造)このウエハ処理装置は、複数のウエハ1をウエハカセット2に収容した状態で熱燐酸(エッチング液)に浸して同ウエハ1の窒化膜をエッチングするエッチング槽3を主体としたエッチング部4と、エッチング槽3から溢流した燐酸を濾過、加熱及び純水添加工程を経て再びエッチング槽3へ戻す循環濾過経路部5と、循環濾過経路部5から燐酸を分岐して同燐酸中の酸化珪素濃度を下げ、当該エッチング液に使用可能な一定の酸化珪素濃度の燐酸に再生してエッチング槽3の溢流部3aへ戻す燐酸再生装置6とを備えている。
(エッチング部)このエッチング部4では、エッチング槽3と共に不図示の自動移送ロボットやベルトコンベヤ等が配置され、ウエハ1がエッチング槽3の槽本体内に出し入れされてエッチング処理される。エッチング槽3は、内周壁30及び底壁31で槽本体を区画形成していると共に、内周壁30の上端から溢れる燐酸を受け入れる溢流部3aを外周に形成している。内周壁30及び底壁31には不図示の発熱体である面ヒータが内設されている。槽本体には、底内側に分散板であるメッシュ32が設けられ、該メッシュ32の上にウエハカセット2が保持される。また、液の導入・排出構造は、溢流部3aの上側に設けられて燐酸(主に再生燐酸)を補給する補給口33と、溢流部3aの底壁に設けられて溢流した燐酸を循環濾過経路部5へ排出する排出口34と、底壁31に設けられて循環濾過経路部5で処理された燐酸を槽本体内に導入する供給口35とからなる。制御系としては、溢流部3aの燐酸液面を計測する複数の液面センサ(S1〜S3)36と、槽本体内の燐酸の液温度を検出する温度センサ37と、温度センサ37による検出温度を基にして前記した面ヒータを制御して燐酸を一定の所定温度に維持するヒータコントローラ38とが設けられている。
(循環濾過経路部)この循環濾過経路部5は、排出口34から排出される燐酸を供給口35からエッチング槽3の槽本体に戻すためのポンプ50と、その燐酸を濾過するフィルタ51と、この濾過した燐酸を一定の所定温度にする加熱器であるラインヒータ52と、このラインヒータ52を制御するための温度センサ53及びヒータコントローラ54と、その一定温度に加温された燐酸に所定量の純水を添加するための計量ポンプ55とを備えている。即ち、ここでは、溢流部3aから排出されたエッチング液つまり燐酸について、まず、フィルタ51により燐酸を濾過する。次に、燐酸は、ラインヒータ52で一定の温度まで加温された後、計量ポンプ55で純水を添加して燐酸濃度が一定に保たれるよう調整されて槽本体内へ戻される。なお、ラインヒータ52は溢流部3aから排出された燐酸の温度が少し下がるため加温し、計量ポンプ55は蒸発に起因した燐酸濃度の変動を補正し、フィルタ51は燐酸中の不純物(析出された酸化珪素を含む)を除去する。従って、フィルタ51の濾過は、溢流部3aから排出された燐酸を加温する前に行うことが重要となる。
(燐酸再生装置)この燐酸再生装置6は、循環濾過経路部5において、ポンプ50とフィルタ51の間の配管部に設けられた分岐配管60及び流量調節手段(圧力計61とニードル弁65等)を介し循環濾過経路部5を流れる燐酸の適量を受け槽63に回収し、図2の再生部7にてその回収された燐酸を再利用可能に処理する。即ち、分岐配管60には、圧力計61、流量計62、ニードル弁65及び自動弁66が設けられている。ここで、圧力計61は、ポンプ50とフィルタ51の間の配管部、つまりフィルタ51の手前の液圧力(循環液圧又は濾過圧)を測定する。流量計62は積算型であり、分岐配管60を介して分岐された燐酸(再生処理の対象となる燐酸)の流量を計測する。ニードル弁65は流量調整弁であり、このニードル弁65の弁開度を適宜に調整しておくことにより、分岐配管60から分岐される燐酸の流量は前記した循環液圧に対応して自動的に制御される。自動弁66は開閉弁である。そして、自動弁66の開状態のとき、分岐配管60から分岐された燐酸が受け槽63に回収される。この受け槽63は、複数の液面センサ(S4,S5)64を有し、前記回収量を常に計測している。ここに回収された燐酸は、所定量以上にある状態で、後述する制御回路300からの信号で自動弁101を制御することにより底部の排水口72から処理槽100へ導入される。
(装置稼動)次に、以上のウエハ処理装置の稼動又は動作例について概説する。まず、窒化膜を施したウエハ1は、ウエハカセット2に収納された状態で、加熱された燐酸で満たされたエッチング槽3に入れられると、その熱燐酸によってウエハ1の窒化膜がエッチング処理される。この処理過程では、エッチング槽3の本体から溢れ出る熱燐酸が溢流部3aに集められ排出口34から循環濾過経路部5へ排出され、ポンプ50によってフィルタ51側へ送られる。このフィルタ51を通過した燐酸は、ラインヒータ52で所望の温度(例えば燐酸の沸点直前の温度)に昇温されると共に、昇温された燐酸に計量ポンプ55を介し所定量の純水が添加されて供給口35からエッチング槽3の本体内に送られて循環される。このようにして、燐酸がエッチング槽3に循環されるため、ウエハ1の窒化膜が適切にエッチング処理される。この処理過程において、燐酸中の酸化珪素濃度が高くなると、ウエハ1の窒化膜の選択的エッチングが適切に行われず、しかもフィルタ51の酸化珪素沈着が多くなり、フィルタ51の濾過圧つまり循環濾過経路部5におけるフィルタ51の手前の循環液圧が高くなる。
(変形例)本発明は以上の形態例に何ら制約されるものではなく、請求項の技術要件を備えている範囲内で種々変形したり、展開することも可能である。その例としては、貯留槽113内の再生燐酸を溢流部3aではなく、循環濾過経路部5へ供給したり、エッチング槽3の本体内へ供給するようにしてもよい。循環濾過経路部5へ供給させる場合は、フィルタ51の上流側に再生燐酸が合流する形態が好ましい。再生燐酸がエッチング槽3に供給される前にフィルタ51を通過することにより、再生燐酸中に含まれるパーテイクルなどを自動的に除去することができるからである。更に、ラインヒータ52及び計量ポンプ55の上流側に再生燐酸が合流する形態を採用すると、再生燐酸がエッチング槽3に供給される前に、計量ポンプ55から純水を供給することで燐酸の濃度調整を効率的に行うことができ、ラインヒータで温度調節を効率的に行うことができる。また、エッチング槽3の容量が大きい場合等においては、処理槽100を対に設けておき、受け槽63の回収燐酸を両処理槽100へ切換方式で導入し再生処理するようにしてもよい。一方、再生燐酸を貯蔵する貯留槽113にも計量ポンプを設けて、純水を供給できる構成であってもよい。この場合、再生燐酸が貯留槽113内に貯留されている状態で、その濃度調節を行うことができる。つまり、貯留槽113内にある再生燐酸を、常にエッチング処理にそのまま使用できる状態に保つことができるので、貯留槽113内にある再生燐酸をそのままエッチング処理に用いる場合は、エッチング槽3への燐酸の供給時間を短縮することができる。
Claims (24)
- 半導体ウエハを燐酸によりエッチング処理するエッチング槽を含む、エッチング部と、
前記エッチング部から前記燐酸が導入される分岐配管と、
前記分岐配管から前記燐酸が導入される第1の濾過部と、
前記第1の濾過部から前記エッチング部に前記燐酸が導入される第1の配管と、
前記分岐配管から前記燐酸が導入される燐酸再生装置と、
前記燐酸再生装置から前記エッチング部に前記燐酸が導入される第2の配管と、を含み、
前記分岐配管は、圧力計と、該圧力計に接続された制御回路と、を含む流量調節手段を有し、
前記流量調節手段は、前記圧力計で計測される液圧に応じて、前記制御回路により前記燐酸再生装置側へ分岐する前記燐酸の量を制御することを特徴とする処理装置。 - 請求項1記載の処理装置において、
前記流量調節手段は、前記圧力計で計測される液圧に比例した前記燐酸の量を、前記燐酸再生装置側へ分岐するように制御することを特徴とする処理装置。 - 請求項1記載の処理装置において、
前記流量調節手段は、前記圧力計で計測される液圧が大きいほど前記燐酸再生装置に導入する前記燐酸の量が大きくなり、前記液圧が小さいほど前記燐酸再生装置に導入する前記燐酸の量が小さくなるように制御することを特徴とする処理装置。 - 請求項1ないし請求項3いずれかに記載の処理装置において、
前記流量調節手段は、前記圧力計で計測される液圧が所定の値以下の場合に、前記燐酸が前記燐酸再生装置側に分岐されないように制御することを特徴とする処理装置。 - 請求項1ないし請求項4いずれかに記載の処理装置において、
前記流量調節手段は、前記圧力計と前記燐酸再生装置との間に第1の弁を有し、
前記第1の弁は、前記圧力計で計測される液圧が所定の値以上の場合に、開度が最大になるように制御されることを特徴とする処理装置。 - 請求項1ないし請求項5いずれかに記載の処理装置において、
前記エッチング部は、エッチング槽と、前記エッチング槽の周囲に設けられた溢流部と、を含むことを特徴とする処理装置。 - 請求項6記載の処理装置において、
前記エッチング部は、第1の導入構造と第2の導入構造とを更に有し、
前記第1の導入構造は、前記第1の配管に接続され、前記第2の導入構造は、前記第2の配管に接続されることを特徴とする処理装置。 - 請求項7記載の処理装置において、
前記第1の導入構造は、前記エッチング部の底壁に設けられ、
前記第2の導入構造は、前記溢流部に設けられることを特徴とする処理装置。 - 請求項1ないし請求項8いずれかに記載の処理装置において、
前記第1の濾過部に接続された加熱手段と、
前記加熱手段に接続された純水を添加する手段と、を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項1ないし請求項9いずれかに記載の処理装置において、
前記燐酸再生装置は、前記分岐配管によって分岐した前記燐酸を入れる受け槽と、
前記受け槽から導入される前記燐酸を処理する処理槽と、
前記処理槽で処理された前記燐酸を貯留する貯留槽と、を含み、
前記処理槽は、該処理槽内から蒸発する蒸気を冷却する冷却器と、該冷却器で冷却された液を一定温度に調整する恒温槽と、前記恒温槽で調整された前記液中の濃度を計測する測定部と、を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10記載の処理装置において、
前記測定部は導電率計を含むことを特徴とする処理装置。 - 請求項10または請求項11記載の処理装置において、
前記処理槽は、純水供給手段と、フッ酸供給手段とを更に有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項12いずれかに記載の処理装置において、
前記貯留槽は、前記処理槽から導入される前記燐酸を所定温度に制御する加熱手段を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項13いずれかに記載の処理装置において、
前記処理槽は、前記受け槽から導入される前記燐酸を所定温度に制御する加熱手段を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項14いずれかに記載の処理装置において、
前記エッチング部は、前記燐酸の量を計測する液面計を有し、
前記液面計の信号により、前記エッチング部内の前記燐酸の量を制御することを特徴と
する処理装置。 - 請求項10ないし請求項15いずれかに記載の処理装置において、
前記第2の配管は、前記燐酸を前記貯留槽から前記エッチング部へ導入する第1の経路と、前記第1の経路に導入された前記燐酸を再び前記貯留槽に導入する第2の経路と、を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項16記載の処理装置において、
前記第2の経路は、第2の弁を有し、
前記燐酸が前記貯留層から前記エッチング部に導入される時に、前記第2の弁の開度が最小となるように制御されることを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項17いずれかに記載の処理装置において、
前記処理槽は、対に設けられ、
前記受け槽から導入される前記燐酸は、対に設けられた前記処理槽へ切換方式で導入されることを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項18いずれかに記載の処理装置において、
前記貯留層は、純水を添加する手段を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項19いずれかに記載の処理装置において、
前記第1の濾過部は前記エッチング部に接続する第4の配管を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項20いずれかに記載の処理装置において、
前記第2の配管は、第2の濾過部を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項21いずれかに記載の処理装置において、
前記貯留槽は、第3の濾過部を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項10ないし請求項22いずれかに記載の処理装置において、
前記処理槽は、第4の濾過部を有することを特徴とする処理装置。 - 請求項1ないし請求項23いずれかに記載の処理装置を使用して半導体装置を製造する半導体装置の製造方法。
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