JP4407016B2 - オキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂および一液湿気硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、潜在性硬化剤および湿気硬化性樹脂として好適に用いられるポリ(メタ)アクリレート樹脂、および、それを用いた硬化後の耐候性に優れる一液湿気硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン樹脂は、耐磨耗性および耐久性に優れた樹脂として、塗料、接着剤、シーラント等に利用されてきた。従来、一液型ウレタン組成物としては、ポリエーテル型ポリオールと過剰のポリイソシアネートから得られるイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーに、各種添加剤が配合されたもの等が提案されている。しかし、このような一液型ウレタン組成物は、主鎖がポリエーテル構造であるために、日光の照射等による影響を受けやすく、耐候性に劣るという欠点を有している。また、ポリエーテル構造は一般に界面機能に乏しく、そのため基剤への密着性に乏しい。
【0003】
従来の一液型ウレタン系シーラントの欠点を解消するために種々の提案がなされており、例えば、特開平7−278247号公報に記載の発明を挙げることができる。この発明は、分子内に1〜3個の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物またはそのオリゴマー、ポリオール、および、有機ポリイソシアネートを反応させて得られたウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化性ウレタン組成物に関するものである。この組成物は、従来のウレタン系シーラントの欠点である耐候性を改善したものであるが、タックが残り、汚れやすい。
【0004】
特開平11−50045号公報には、(A)数平均分子量が3000〜20000のポリオキシアルキレンエーテル型ポリオール中でアクリル酸C2-6 アルキルエステルを重合させて得られるアクリルポリマー含有ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーおよび(B)ポリエチレングリコールジエステルを含有する一液湿気硬化型シーラントが開示される。この一液湿気硬化型シーラントは、耐候性、基材や塗料との密着性、および貯蔵安定性の向上を狙ったものである。しかし、アクリルポリマーが反応性を持つ官能基を有しないため、得られるシーラントには、タックが残りやすい。
【0005】
特開平7−179845号公報には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするアクリル系重合体とポリイソシアネート化合物との反応により得られ、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート基含有アクリル系重合体と;プロピレングリコールに由来する繰り返し単位と2個以上の末端ヒドロキシル基を持つ重量平均分子量300〜4000のポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネート化合物との反応により得られ、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート基含有ポリエーテル系重合体と;を必須成分として含むシーラー組成物が開示されている。このシーラー組成物は、塗膜表面に生じる炭酸カルシウムの白華により目地部が汚染されることを防止し、さらに、目地部での塗膜密着性を向上させることを目指したものである。しかし、貯蔵安定性が良好ではなく、硬化性も十分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、貯蔵安定性および硬化性に優れ、硬化後においては、高伸度で、タックが残らず、耐候性に優れる一液湿気硬化性樹脂組成物およびそれに好適に用いられる潜在性硬化剤および湿気硬化性樹脂を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、分子内に少なくとも一つのオキサゾリジンを有する数平均分子量が2000以上のポリ(メタ)アクリレート樹脂を提供する。
【0008】
また、本発明は、分子内に、少なくとも一つのオキサゾリジンおよび少なくとも一つのイソシアネート基を有する数平均分子量が2000以上の湿気硬化性ポリ(メタ)アクリレート樹脂を提供する。
【0009】
前記ポリ(メタ)アクリレート樹脂は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体との共重合体と、
ポリイソシアネートと、
水酸基を有するオキサゾリジンと
の反応物であるのが好ましい。
【0010】
前記共重合体の製造に用いられる重合開始剤および連鎖移動剤の濃度が、製造に用いられる原料の全量に対して、1質量%以下であるのが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)と、イソシアネート基を分子内に少なくとも二つ有するウレタンプレポリマー(B)とを含有する一液湿気硬化性樹脂組成物を提供する。
【0012】
前記(A)および(B)の含有量の割合が、質量比で、(A)/(B)=10/90〜90/10であるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
<オキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂>
本発明の第一の態様は、分子内に少なくとも一つのオキサゾリジンを有する数平均分子量が2000以上のポリ(メタ)アクリレート樹脂(以下「オキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂」ともいう。)である。
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂は、分子内に少なくとも一つのオキサゾリジンを有し、かつ、数平均分子量が2000以上であれば特に限定されないが、オキサゾリジンのほかに分子内に少なくとも一つのイソシアネート基を有するのは好ましい態様の一つである。このような樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体との共重合体と、ポリイソシアネートと、水酸基を有するオキサゾリジンとの反応物であるのが好ましい。
【0014】
<水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂>
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂の製造に好適に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体との共重合体(以下「水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂」ともいう。)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体とを共重合して得られる。
【0015】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレートが挙げられる。中でも、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートが物性の点で好ましい。
【0016】
水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートが好適に例示される。
【0017】
水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと上記水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体との共重合体であり、その製造方法は特に限定されず、一般的には、溶媒中、重合開始剤および連鎖移動剤を用いて作ることができる。
中でも、共重合体の製造に用いられる重合開始剤および連鎖移動剤の濃度が、製造に用いられる原料の全量に対して、1質量%以下であるのが好ましい。上記範囲であると、耐候性の点で特に効果的である。具体的には、重合開始剤および連鎖移動剤ならびに溶媒をほとんど使用せずに高温高圧下で合成される、東亞合成社より提供されているARUFON(アルフォン)が、特に耐候性に優れ、好適に用いられる。
【0018】
水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂の数平均分子量は、2000〜30000であるのが好ましく、5000〜20000であるのがより好ましい。数平均分子量が2000未満であると、モジュラスおよび伸びの点で所望の特性が得られない場合があり、30000を超えると、粘度が高くなり作業性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂の水酸基価は、10〜200であるのが好ましく、15〜150であるのがより好ましい。
【0019】
<ポリイソシアネート>
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂の製造に好適に用いられるポリイソシアネートは、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチレンキシレンジイソシアネート(TMXDI)、これらの多量体、これらのイソシアネート基をポリプロピレングリコール(PPG)やジプロピレングリコール(DPG)のようなアルコールなどの活性水素を有する化合物で変性したポリイソシアネート化合物誘導体が挙げられる。中でも、IPDI、HDI、XDI、TMXDIが好ましい。
【0020】
<水酸基を有するオキサゾリジン>
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂の製造に好適に用いられる水酸基を有するオキサゾリジンとしては、2−イソプロピル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、N−ヒドロキシエチル−2−フェニルオキサゾリジン、2−(p−メトキシフェニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン等のヒドロキシアルキルオキサゾリジンが好適に例示され、中でも、N−ヒドロキシエチル−2−フェニルオキサゾリジンが貯蔵安定性、硬化性および硬化後の物性の点で好ましい。
これらのヒドロキシアルキルオキサゾリジンは、相当するアルデヒドまたはケトンとヒドロキシアルキルアミンとから、公知の方法により合成される。
【0021】
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂は、上記水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂と、上記ポリイソシアネートと、上記水酸基を有するオキサゾリジンとを反応させることにより得られる。
水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂とポリイソシアネートと水酸基を有するオキサゾリジンとの反応は、三者同時に反応させてもよく、水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂とポリイソシアネートとを反応させて得られる反応物に、水酸基を有するオキサゾリジンを反応させてもよい。
後者の場合は、例えば、まず、水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂とポリイソシアネートとを、当量比(ポリイソシアネートのNCO基/水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂のOH基)が、好ましくは1.8〜7.0、より好ましくは2.0〜5.0となるようにして反応させ、ついで、反応物中に未反応のままで残ったNCO基に対して水酸基量が10〜100%となるように水酸基を有するオキサゾリジンを反応させ、本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂を得ることができる。前記反応の反応率が100%未満であると、オキサゾリジンとイソシアネート基とが共存することにより、湿気硬化性のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂を得ることができる。
【0022】
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレートの数平均分子量は、2000以上であるが、3000〜30000であるのが好ましく、3000〜25000であるのがより好ましい。数平均分子量が2000以上であると、伸び等の硬化物の物性の点で好ましい。
【0023】
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂は、後述するように、ウレタンプレポリマーに加える潜在性硬化剤として好適に用いられる。
また、本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂が、水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂と、ポリイソシアネートと、水酸基を有するオキサゾリジンとの反応物であり、オキサゾリジンとイソシアネート基が共存する場合には、大気中の湿気により硬化して、硬化物を生成する。そのような場合においては、貯蔵安定性および硬化性に優れ、硬化後には、高伸度の硬化物となり、硬化物表面にはタックが残らず、更に、硬化物は耐候性に優れ、土木、建築分野におけるシーリング材、接着剤、塗料等として好適に用いられる。
【0024】
<一液湿気硬化性樹脂組成物>
本発明の第二の態様は、ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)と、イソシアネート基を分子内に少なくとも二つ有するウレタンプレポリマー(B)とを含有する一液湿気硬化性樹脂組成物である。
本発明の一液湿気硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)に用いられるポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)は、本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂である。
【0025】
<ウレタンプレポリマー>
本発明の組成物に用いられるウレタンプレポリマー(B)は、イソシアネート基を分子内に少なくとも二つ有するものであれば、特に限定されない。
本発明に用いられるウレタンプレポリマー(B)は、分子末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られる、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであるのが好ましい。このウレタンプレポリマーは、通常の一液型ポリウレタン樹脂組成物に含有されるものと同様に、ポリエーテルポリオールと過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる反応物であり、一般に0.5〜5%のイソシアネート基を分子末端に有する。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、好ましくは1000〜20000、より好ましくは2000〜10000である。数平均分子量が上記範囲であると、得られる本発明の組成物からなるシーラントの硬化物が、柔軟性に富み、かつ、タックが残らないものとなる。
【0026】
ウレタンプレポリマー(B)の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、ポリ(メタ)アクリレート(A)を得るために用いられるポリイソシアネートとして上述した化合物と同様のポリイソシアネートを例示することができる。例示したポリイソシアネートの中でも、MDI、TDI、HDI、XDIが好ましい。
ポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
ウレタンプレポリマー(B)の製造に用いられる分子末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、通常の一液型ポリウレタン樹脂組成物に配合されるウレタンプレポリマーの製造に用いられるポリエーテルポリオールを用いることができる。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから選ばれた少なくとも1種に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等から選ばれた少なくとも1種を付加して得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシプロピレンポリオールが、本発明の組成物の硬化後の物性に優れるという理由から好ましい。
【0028】
上記分子末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールと、上記ポリイソシアネートとを反応させて分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得る場合において、該ポリエーテルポリオールと該ポリイソシアネートとの混合割合は、通常、ポリエーテルポリオール1当量(OH当量)当り、ポリイソシアネート1.2〜5当量(NCO当量)となる割合が好ましく、1.5〜3当量となる割合がより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポリマーと同様に、所定量比の両化合物を混合し、通常、30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱かくはんすることによって行われる。
【0029】
本発明の組成物の組成は、特に限定されないが、前記ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)およびウレタンプレポリマー(B)の含有量の割合が、質量比で、(A)/(B)=10/90〜90/10であるのが好ましく、30/70〜80/20であるのがより好ましい。上記範囲であると、得られる本発明の組成物の硬化物が、伸びに優れ、耐候性に優れたものとなり、硬化物表面にはタックが残らない。
【0030】
本発明の組成物には、上記ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)およびウレタンプレポリマー(B)に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の溶剤;ジオクチルフタレート等の可塑剤;炭酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、クレイ等の充填剤;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸錫等の金属化合物やトリエチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のアミンといった硬化促進剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;顔料、染料等の着色剤を含有することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の組成物の用途に応じて適宜決めることができる。充填剤として、炭酸カルシウム、特に、脂肪酸エステルまたは特開平9−263708号公報に記載の炭酸カルシウム用表面処理剤で処理した炭酸カルシウムを用いると、貯蔵安定性、チクソトロピー性および硬化性の点で優れる。
【0031】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、通常の一液型ウレタン組成物と同様の方法を用いることができる。例えば、上記ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)およびウレタンプレポリマー(B)に、必要に応じて上記添加剤を加え、各成分を減圧下で十分に混練し、均一に分散させる方法が挙げられる。また、あらかじめウレタンプレポリマー(B)に添加剤を加えたものに、ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)を加えて、減圧下で十分に混練し、均一に分散させてもよい。
【0032】
本発明の組成物は、上記構成を採ることにより、一液型のポリウレタン組成物としての貯蔵安定性および硬化性に優れる。また、硬化後には、高伸度の硬化物となり、硬化物表面にはタックが残らず、更に、硬化物は耐候性に優れる。本発明の組成物は、土木、建築分野におけるシーリング材、接着剤、塗料等として好適に用いられる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7ならびに比較例1および2)
(i)下記第1表に示す質量比で、化合物を配合し、組成物を製造した。得られた組成物について、耐候性の評価を行なった。結果を下記第1表に示す。
なお、実施例7は、オキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート(A)をウレタンプレポリマー(B)と混合せずに単独で用いたものであり、比較例1は、ウレタンプレポリマー(B)を単独で用いたものである。
【0034】
<残留タック>
20℃、相対湿度56%の恒温室に7日間放置した後、組成物の表面にポリエチレンシートで触れ、シートへの組成物の付着の有無を観察し、残留タックを評価した。
第1表中、付着のないものを「良好」、付着のあるものを「タックあり」と表した。
【0035】
<硬化物の伸び>
各組成物を20℃、相対湿度65%の恒温室に7日間放置して硬化させた硬化物について、JIS K6251の規定に準拠して引張試験を行い、伸び(Eb )を測定した。
【0036】
<耐候性試験>
実施例および比較例で得られた未硬化の組成物を、3mm厚のシート状に成形し、20℃、相対湿度55%の条件下で14日間養生した後、サンシャインウェザオメーターに設置し、1500時間および2000時間照射した後の組成物の表面状態の劣化を目視にて評価した。
第1表中、組成物表面にクラックが発生しておらず、劣化が見られない場合を「良好」、クラックが一部に発生したが実用上問題がない場合を「一部クラック発生」、クラックが発生しており表面が劣化した場合を「クラック発生」と表した。
【0037】
【表1】
【0038】
<表中の各成分>
(1)オキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂
▲1▼ポリアクリレート樹脂1
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体との共重合体(商品名:UH2000、東亞合成社製、数平均分子量13000、水酸基価20)とTDIとをNCO/OH=2.0の割合で反応させて得られたNCO基含量0.88%の反応生成物と、N−ヒドロキシエチル−2−フェニルオキサゾリジンとを反応させ、残存NCO基の60%を封鎖したもの。NCO含量は0.33%である。
▲2▼ポリアクリレート樹脂2
UH2000とIPDIとをNCO/OH=2.0の割合で反応させて得られたNCO基含量0.95%の反応生成物と、N−ヒドロキシエチル−2−フェニルオキサゾリジンとを反応させ、残存NCO基の60%を封鎖したもの。NCO含量は0.35%である。
▲3▼ポリアクリレート樹脂3
UH2000とTMXDIとをNCO/OH=2.0の割合で反応させて得られたNCO基含量0.81%の反応生成物と、N−ヒドロキシエチル−2−フェニルオキサゾリジンとを反応させ、残存NCO基の60%を封鎖したもの。NCO含量は0.30%である。
【0039】
(2)ポリアクリレート樹脂4
UH2000とIPDIとをNCO/OH=2.0で反応させて得られた反応生成物であるNCO含有量0.95%のイソシアネート基含有ポリアクリレート樹脂。
(3)ポリウレタン系シーラント
商品名:シール21、横浜ゴム社製、MDI系ウレタンプレポリマー(NCO基含量1.35%)を30質量%含有する。
【0040】
【発明の効果】
本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂は、本発明の一液湿気硬化性樹脂組成物の潜在性硬化剤として好適に用いられる。
また、本発明のオキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂が、水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂と、ポリイソシアネートと、水酸基を有するオキサゾリジンとの反応物であり、オキサゾリジンとイソシアネート基が共存する場合には、大気中の湿気により硬化して、硬化物を生成する。そのような場合においては、土木、建築分野におけるシーリング材、接着剤、塗料等として好適に用いられる。
更に、本発明の一液湿気硬化性樹脂組成物は、前記オキサゾリジン含有ポリ(メタ)アクリレート樹脂を含有する一液型の組成物であり、大気中の湿気により硬化して、硬化物を生成する。本発明の一液湿気硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性および硬化性に優れ、硬化後には、高伸度の硬化物となり、硬化物表面にはタックが残らず、更に、硬化物は耐候性に優れる。したがって、本発明の一液湿気硬化性樹脂組成物は、土木、建築分野におけるシーリング材、接着剤、塗料等として好適に用いられる。
Claims (5)
- 分子内に、少なくとも一つのオキサゾリジンおよび少なくとも一つのイソシアネート基を有する数平均分子量が2000以上の湿気硬化性ポリ(メタ)アクリレート樹脂。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステルと水酸基を少なくとも一つ有する重合性不飽和単量体との共重合体と、
ポリイソシアネートと、
水酸基を有するオキサゾリジンと
の反応物である請求項1に記載の湿気硬化性ポリ(メタ)アクリレート樹脂。 - 前記共重合体の製造に用いられる重合開始剤および連鎖移動剤の濃度が、製造に用いられる原料の全量に対して、1質量%以下である請求項2に記載の湿気硬化性ポリ(メタ)アクリレート樹脂。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の湿気硬化性ポリ(メタ)アクリレート樹脂(A)と、イソシアネート基を分子内に少なくとも二つ有するウレタンプレポリマー(B)とを含有する一液湿気硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)および(B)の含有量の割合が、質量比で、(A)/(B)=10/90〜90/10である請求項4に記載の一液湿気硬化性樹脂組成物。
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