JP4406435B2 - マルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法、マルチホップ無線システム、中継局、中継局の電波障害回避方法およびプログラム - Google Patents
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Description
マルチホップ無線システムで利用するアプリケーションとしては、種々のセンサによって検出された情報の伝達に用いることが考えられている。例えば、ホームオートメーションでは、空調や照明などの制御のための通信に用いることが考えられている。また、ファクトリーオートメーションでは、稼働している機器の動作状態などの監視制御のための通信に用いることが考えられている。
例えば、特許文献1には、端局および基地局が階層的に配置された無線ネットワークにおいて、電波障害を回避するために、基地局から端局に対して時間同期をとるための同期フレームを同報によって送出する方法が記載されている。その同期フレームには、次におこなう通信において使用する通信周波数情報が含ませてある。そして、その通信周波数は、ランダムに決められており、頻繁に通信周波数を変更することによって、恒常的に電波障害を受けないようにするものである。
図1を用いて、本発明の実施形態に係るマルチホップ無線システム1の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るマルチホップ無線システム1の構成を示す図である。
マルチホップ無線システム1は、図1に示すように、端局(ZD)104、中継局a(ZRa)103、中継局b(ZRb)102および基地局(ZC)101からなるマルチホップを形成する無線局によって構成される。例えば、端局104には、センサ105などが取り付けられており、これらセンサ105の情報を端局104から中継局a103、中継局b102を介して基地局101に送信し、その情報をPC(Personal Computer)や記憶装置などに収集する。
したがって、端局104から基地局101へ送信されるデータは、中継局a103、中継局b102、基地局101と順おくりでデータが送信されることになる。各局間の距離は通信可能な範囲の境界とほぼ同程度にとられているため、もし、別のマルチホップ無線システムから、現在通信している周波数を含む妨害波(電波障害となる電波)が到来した場合には、1の妨害波の影響を受ける局は、端局104単独、端局104と中継局a103の組、中継局a103と中継局b102の組、中継局b102と基地局101の組または基地局101単独となる可能性があり、それぞれの場合において通信に障害をともなうことが予想される。
次に、図2を用いて、各局の内部構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る各局の内部構成を示す図である。
各局20は、電波送受信部201、処理部202、記憶部203、電波強度測定部204、通信周波数変更部205、タイマ部206およびアンテナ207を備える。
電波送受信部201は、通信データを変調して電波に変換する、あるいは、受信した電波を復調してデータに変換する機能を有する。また、電波強度測定部204を備えている。この電波送受信部201は、請求項に記載の通信部である。
処理部202は、電波強度の判定に係る処理、通信周波数の変更の処理、あるいは通信に係る処理をおこなう。また、通信周波数変更部205を備えている。図には示さないが、CPU(Central Processing Unit)、RAMなどからなるメモリ、I/F(Interface)およびI/O(Input/Output)を備えている。そして、各種の処理は、記憶部203に格納されているプログラムがメモリに展開され、CPUによって実行される。
記憶部203は、通信に使用する通信周波数や、電波強度測定部204によって測定された電波強度、あるいは処理部202の演算結果などを記憶する。なお、記憶部203には、HD(Hard Disk)やフラッシュメモリなどが用いられる。
電波強度測定部204は、通信に使用している通信周波数(この通信周波数を中心とする通信に使用される周波数帯域)のみの電波の強度を測定する。その測定結果は、処理部202を介して、記憶部203に記憶される。
通信周波数変更部205は、電波強度測定の結果に基づいて、通信に使用する周波数の変更処理をおこなう。この変更処理の結果は、記憶部203に格納される。
タイマ部206は、処理部202によって設定された時間を計測するための時刻を提供する。
アンテナ207は、局間での電波の送受をおこなう。
ここで、マルチホップ無線システムの通信方式について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態で使用する2.4GHz帯域の周波数の割当状態(チャネル)と無線LANの周波数の割当状態の一例とを示す図である。
なお、このマルチホップ無線システム1の通信方式については、IEEE802.15.4規格に記載されている。また、このマルチホップ無線システムで使用する周波数帯域は、無線LANで使用されている2.4GHz帯域(IEEE802.11b,IEEE802.11g)の通信と、通信周波数帯域が重なっている。その無線LANの信号についても合わせて示す。図3中の縦軸は、電波出力を示している。
さらに、無線LANはIEEE802.15.4規格より電波出力が大きいため、マルチホップ無線システムの通信が障害を受けるということが知られている。現実的には、無線LANが3チャネル分すべてを同時に使用することはまれなので、障害の度合いが小さいチャネルを使って通信することは可能である。しかし、通信している最中にも、外部から突然に無線LANの別のチャネルが混信してくる可能性がある。この場合には、チャネル302を別のチャネル(別の通信周波数)に切り替えて通信を継続する必要がある。
このチャネル26(F=fc)303を本願では、コントロールチャネルと称し、チャネル26の周波数のことを、コントロールチャネル周波数と称する。
まず、通信に使用する通信周波数や、測定された電波強度を記憶する記憶部203について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態に係る記憶部203において、情報を格納する構成を示す図である。
送信チャネル記憶部401は、通信に使用する通信周波数(チャネル)を記憶するところであり、本発明の実施形態においては、2.4GHz帯域を使用するIEEE802.15.4規格に基づいて、チャネル11から26までのどのチャネルを使用しているかを記憶する。例えば、チャネル13(Ch13)に1を設定する(ビットを立てる)ことによって、通信周波数としてチャネル13が選択されていることを示す。選択されていないチャネルには、すべて0が設定される。
前回値受信電波強度記憶部402と今回値受信電波強度記憶部403とは、チャネル11からチャネル26までのチャネルごとに、電波強度測定部204(図2参照)によって測定された電波強度を記憶する16本のレジスタ群で構成される。本発明の実施形態では、各レジスタは1バイト(0〜255)の情報量を有し、電波強度が256階調で表現されるものとする。
通信周波数変更部205(図2参照)は、前述の前回値受信電波強度記憶部402に記憶された通信信号の電波強度と、今回値受信電波強度記憶部403に記憶された妨害波の電波強度とを読み出して、両者を比較する。そして、送信チャネル記憶部401に設定されている通信周波数(チャネル)が、電波障害が所定の度合いより大きいと判断した場合に、予め決めておいた規則にしたがって、通信周波数を変更する。
無線LANにおいて使用されるチャネルは、それぞれ2.412GHz、2.437GHz、2.462GHzを中心とした周波数帯域である。一方、本発明の実施形態で使用するIEEE802.15.4規格の通信周波数として選択すべきチャネルは、無線LANのチャネルの中心周波数に近い、2.415GHz(Ch13、f0)、2.440GHz(Ch18、f1)、2.465GHz(Ch23、f2)である。これらのチャネルを選ぶ理由は、無線LANの各チャネルの中心に近いので、無線LANが他のチャネルを使用していれば、その影響を最小にできるためである。
そして、通信周波数を変更する規則としては、図5の線501に示すように、f0⇒f1⇒f2⇒f0・・・と循環して変更されるようにする。ちなみに、マルチホップ無線システム1において、最初に設定される通信周波数は、f0、f1、f2のいずれでもよいが、各局で共通にしておく。
本発明の実施形態におけるマルチホップ無線システム1(図1参照)の動作は、周期的に通信をおこなうものである。この周期には、3つのフェーズがある。第1フェーズは、主に第2フェーズでおこなわれるデータ通信に使用する通信周波数の変更情報を各局に伝達する期間である。第2フェーズは、主に第1フェーズで設定された通信周波数を使用してデータ通信をおこなうとともに、電波強度を測定してそれを記憶する期間である。そして、第3フェーズは、主に端局が電力消費を低減するためにスリープ状態となる期間である。
本発明の実施形態では、端局はバッテリ等で駆動されるデバイスであり、低消費電力で動作するために、データを送信したあとにスリープ状態になることを想定している。その他の中継局a、中継局b、基地局はいずれも電源で動作するデバイスであることを想定している。
なお、1周期は、Tで示す区間である。
第1フェーズにおいて、コントロールチャネル周波数を使用する理由は、コントロールチャネル周波数には、無線LANによる妨害となる電波を受けにくい周波数になるためである。そこで、通信周波数の変更情報をより確実に各局に伝達することが可能になる。各局は、通信周波数変更フレーム(通信周波数変更情報)601をZD(端局)104から、ZRa(中継局a)103、ZRb(中継局b)102を介してZC(基地局)101に順送りに送受信しながら伝達(往信)する。その往信の際に、各局の処理部202(図2参照)は、通信周波数変更フレーム601に、自局で選択した、第2フェーズで使用する通信周波数を格納する。
通信周波数変更フレーム601は、発信元や送信先などが書かれたヘッダと、各局ごとに選択された通信周波数(周波数変更情報)が格納される本体と、最後にフレームの終わりを示すフレームエンドによって構成される。この本体部分に格納される周波数変更情報は、各局の通信周波数変更部205(図2参照)によって決定された通信周波数である。
現在の周期Tより前の周期のデータ通信で使用された通信周波数がf0であって、通信の障害となるような妨害が存在しない場合には、通信周波数f0を変更する必要がないので、通信周波数変更フレーム601には、順次、周波数変更情報f0が追加され、格納されていく。それらの通信周波数変更フレーム601は、それぞれ702〜705によって示される。なお、ZC(基地局)101において通信周波数変更フレーム601に格納された情報は、返信605の際には、返信フレームに格納され、返信フレーム705となる。
返信605における返信フレーム705(図7参照)は、格納されている周波数変更情報の全てがf0であるので、次の第2フェーズで使用する通信周波数は、周波数設定期間606の間に、F=f0に設定される。
第1フェーズの周波数設定期間606において、送信チャネル記憶部401には、第2フェーズで使用する通信周波数が設定されているので、その通信周波数(図6ではF=f0)でデータフレーム607をZD(端局)104から順送りでZC(基地局)101へ送信(往信)する。なお、ZC(基地局)101では、データフレームを受信する際に、電波強度測定部204がその信号の電波強度を測定する。
一方、ZC(基地局)101はデータフレーム607を受信すると、次に、返信フレーム(不図示)をZD(端局)104に向けて返信する(608)。ZRb(中継局b)102、ZRa(中継局a)103およびZD(端局)104のそれぞれの電波強度測定部204は、返信フレーム(不図示)を受信する際に、その信号の電波強度を測定する。そして、この測定した電波強度を、自局の前回値受信電波強度記憶部402に格納する。
次に、返信フレーム(不図示)の送信が終わった後の通信信号が存在しない間((妨害)電波強度測定期間609)に、通信周波数と同じ周波数について電波強度を測定する。そして、この測定した電波強度を、自局の今回値受信電波強度記憶部403に格納する。
ここで、ZD(端局)104がデータを送信する周期Tは、計装システムの監視用データなどのデータ送信周期が数秒オーダの比較的ゆっくりしたアプリケーションを想定して決められる。したがって、1周期Tのうち、第1フェーズや第2フェーズの時間は実際には数100msのオーダであり、スリープしている時間が秒以上あるような動作も可能である。
前述の第1フェーズから第3フェーズまでの、マルチホップ無線システム1の処理の流れを、図8、図9を用いて説明する(適宜、図6参照)。図8は、本発明の実施形態に係る第1フェーズの処理を示す図である。図9は、本発明の実施形態に係る第2フェーズと第3フェーズの処理を示す図である。
ZC(基地局)101は、通信周波数変更フレーム704を受信し、それに周波数変更情報を格納し(S804)、ZRb(中継局b)102に返信フレーム705を送信する(S805)。そして、返信フレーム705に格納されている全ての周波数変更情報を読み出して、通信周波数を変更する規則に基づいて、第2フェーズで使用する通信周波数を決定し、通信周波数をfcからf0に切り替える(S806)。
ZRb(中継局b)102は、返信フレーム705を受信して、返信フレーム705に格納されている全ての周波数変更情報を読み出してから、ZRa(中継局a)103に返信フレーム705を送信する(S807)。そして、通信周波数を変更する規則に基づいて、第2フェーズで使用する通信周波数を決定し、通信周波数をfcからf0に切り替える(S808)。
ZRa(中継局a)103は、返信フレーム705を受信して、返信フレーム705に格納されている全ての周波数変更情報を読み出してから、ZD(端局)104に返信フレーム705を送信する(S809)。そして、通信周波数を変更する規則に基づいて、第2フェーズで使用する通信周波数を決定し、通信周波数をfcからf0に切り替える(S810)。
ZD(端局)104は、返信フレーム705を受信して(S811)、返信フレーム705に格納されている全ての周波数変更情報を読み出す。そして、通信周波数を変更する規則に基づいて、第2フェーズで使用する通信周波数を決定し、通信周波数をfcからf0に切り替える(S812)。
なお、図8において、図6に示した、ZRa(中継局a)103からZD(端局)104へ返される(603)信号や、ZRb(中継局b)102からZRa(中継局a)103を介してZD(端局)104へ返される(604)信号に対する処理は、不図示としている。
まず、ZD(端局)104からデータフレーム607をZC(基地局)101に順送りで送信する(S813からS815)。
ZC(基地局)101は、データフレーム607を受信し、その電波強度を測定する(S816)。そして、データフレーム607を受信したことに対する応答として返信フレーム705をZRb(中継局b)102に送信する(S817)。返信フレーム705を送信後に、(妨害)電波強度測定期間609において、妨害波の電波強度測定をおこなう(S818)。
ZRb(中継局b)102は、返信フレーム705を受信し、その電波強度を測定し、ZRa(中継局a)103に送信する(S819)。返信フレーム705を送信後に、(妨害)電波強度測定期間609において、妨害波の電波強度測定をおこなう(S820)。
ZRa(中継局a)103は、ZRb(中継局b)102と同様の処理をおこなう(S821、S822)。
ZD(端局)104は、返信フレーム705を受信し、その電波強度を測定する(S823)。そして、(妨害)電波強度測定期間609において、妨害波の電波強度測定をおこなう(S824)。
次に、各局は、(妨害)電波強度測定期間609の後に、通信周波数をf0からfcへ切り替える(610)(S825〜S828)。
そして、ZD(端局)104のみが、スリープ動作(611)に入る(S829)。
次に、データ通信の障害を避けるために、通信周波数を切り替える処理について、図10、図11を用いて説明する。この場合の例として、ZC(基地局)101の近傍に、通信の障害となる妨害波が到来しているものとする。図10は、ZC(基地局)101で通信の障害となる電波が存在するときの各局の処理を示す図である。図11は、図10に示す通信の障害となる電波が存在するときの通信周波数変更フレームを示す図である。なお、図6において説明したものと同じ処理については、同じ符号を付して、説明を省略する。
通信周波数変更フレーム1001は、ZD(端局)104から、ZRa(中継局a)103とZRb(中継局b)102を介して、ZC(基地局)101へと順送りに送信される(1002、1003、1004)。その際、図11に示すように、各局の処理部202は、通信周波数変更フレーム1001に、周波数変更情報としてf0が格納されていく。それらの通信周波数変更フレーム1001は、それぞれ1102、1103、1104によって示される。そして、ZC(基地局)101では、電波障害が所定の度合いより大きいと判断されるため、通信周波数変更フレーム1001に、周波数変更情報としてf1が格納される。その通信周波数変更フレーム1001の情報は、返信1005の際には、返信フレームに格納され、返信フレーム1105となる。
次に、図10に戻って、ZC(基地局)101からZD(端局)104へ返信フレーム1105を返信するときに(1005)、各局の処理部202は、返信フレーム1105から格納されている全ての周波数変更情報を読み出す。そして、通信周波数を変更する規則(f0⇒f1⇒f2⇒f0・・・)を参照して、次の順番の通信周波数、すなわちf1が格納されているかを検索する。そして、図11に示すように、返信フレーム1105には周波数変更情報としてf1が格納されているので、各局において、第2フェーズで使用する通信周波数をf1に設定することが可能となる。
一方、返信フレームが送信された後の電波強度測定タイミング609において、(妨害)電波強度が、電波強度測定部204によって測定される(S1204)。そして、電波強度測定部204は、その電波強度測定結果を、処理部202を介して、今回値電波強度記憶部403のCh13(f0)に書き込む(S1205)。
次に、通信周波数変更部205によって、前回値電波強度記憶部403に記憶した電波強度(前回値電波強度)から今回値電波強度記憶部403に記憶した電波強度(今回値電波強度)を引いた値が、予め設定されているしきい値(x)より小さいか否かが判断される(S1206)。すなわち、電波障害の有無の判断がおこなわれる。一方、しきい値(x)より小さくない場合には(S1206のNo)、処理を終了する(S1209)。一方、しきい値(x)より小さい場合には(S1206のYes)、送信チャネル記憶部401のCh13(f0)を0に設定し(S1207)、Ch18(f1)を1に設定し(S1208)、処理を終了する(S1209)。
次に、ZRa(中継局a)103、ZRb(中継局b)102およびZC(基地局)101の近傍で妨害波が到来して通信の障害となって、通信周波数を切り替える処理について、図13、図14を用いて説明する。図13は、ZRa(中継局a)103、ZRb(中継局b)102およびZC(基地局)101の近傍で通信の障害となる電波が存在するときの各局の処理を示す図である。図14は、図13に示す通信の障害となる電波が存在するときの通信周波数変更フレームを示す図である。なお、図10において説明したものと同じ処理については、説明を省略する。
まず、通信周波数変更フレーム1301は、ZD(端局)104から、ZRa(中継局a)103とZRb(中継局b)102を介して(1302、1303、1304)、ZC(基地局)101へと順送りに送信される。その際、図14に示すように、ZD(端局)104の処理部202は、通信周波数変更フレーム1301に、周波数変更情報としてf1を格納する。それらの通信周波数変更フレーム1301は、それぞれ1402、1403、1404によって示される。そして、ZRa(中継局a)103、ZRb(中継局b)102およびZC(基地局)101では、電波障害が所定の度合いより大きいと判断されるため、通信周波数変更フレーム1301に、周波数変更情報としてf2が格納される。その通信周波数変更フレーム1301の情報は、返信1305の際には、返信フレームに格納され、返信フレーム1405となる。
次にZC(基地局)101からZD(端局)104へ返信フレーム1405を返信する際に(1305)、各局の処理部202は、返信フレーム1405から格納されている全ての周波数変更情報を読み出す。そして、通信周波数を変更する規則(f0⇒f1⇒f2⇒f0・・・)を参照して、次の順番の通信周波数、すなわちf2が格納されているかを検索する。図14に示す返信フレーム1405には周波数変更情報としてf2が格納されているので、各局20において、第2フェーズで使用する通信周波数をf2に設定することが可能となる。
次に、通信周波数変更フレームが消失した場合の処理について、図15、図16を用いて説明する。図15は、本発明の実施形態において、通信周波数変更フレームが消失した場合の処理を示す図である。図16は、通信周波数変更フレームが消失した場合の通信周波数変更フレームを示す図である。なお、図10において説明したものと同じ処理については、説明を省略する。
まず、通信周波数変更フレーム1501は、ZD(端局)104から、ZRa(中継局a)103とZRb(中継局b)102を介して(1502、1503、1504)、ZC(基地局)101へと順送りに送信される。その際、図16に示すように、通信周波数変更フレーム1501に、周波数変更情報としてf2が格納される。それらの通信周波数変更フレーム1501は、それぞれ1402、1403、1404によって示される。一方、ZRb(中継局b)102からZC(基地局)101に至る過程(1504)において、通信周波数変更フレーム1501が消失し、ZC(基地局)101で受信されなかったものとする。したがって、ZRb(中継局b)102,ZRa(中継局a)103,ZD(端局)104は、いずれもZC(基地局)101からの返信1505を受け取ることができない。
この場合には、各局の処理部202は、この周期Tが始まる前の周期における第1フェーズの返信を正しく受信した時に、時刻を提供するタイマ部206から時刻を取得し、その時刻からT+αの時間が経っても、返信1505を受信できないときに、周波数fcの近傍で妨害波が到来している可能性が高いと判断して、送信チャネル記憶部401には、fcから最も離れている周波数Ch13(f0)に1を設定する。
前述の本発明の実施形態では、妨害波の電波強度測定を、第2フェーズにおける返信フレームを返信した後の(妨害)電波強度測定期間609(図6参照)においてするものとしていた。一方、本発明の実施形態の変形例では、端局のスリープ動作の後に妨害波の電波強度測定(609)をおこなうものとする。この変形例を、図17、図18を用いて説明する。
図17に示すように、第2フェーズにおいて、データフレーム1707がZD(端局)104からZC(基地局)101に送信され、その返信フレームがZC(基地局)101からZD(端局)104に返信される(1708)。この返信後から、ZD(端局)104のスリープ動作の時間T’経ってから妨害波の電波強度を測定する期間を設ける構成とする。
まず、ZD(端局)104から送信されたデータフレーム1707は、ZRa(中継局a)103とZRb(中継局b)102において受信・送信されて、ZC(基地局)101に伝達される(S1801〜S1803)。
ZC(基地局)101では、データフレーム1707を受信したときに、データフレーム1707の電波強度を測定する(S1804)。そして、データフレーム1707を受信したことに対する返信1708として返信フレームをZRb(中継局b)102に返信する(S1805)。返信フレームを返信後に、ZD(端局)104のスリープ動作と同じ時間T’となるタイマを設定し(S1806)、時間T’経過後の(妨害)電波強度測定期間609において妨害波の電波強度測定をおこない(S1807)、通信周波数をf0からfcに切り替える(S1808)。
ZRb(中継局b)102では、データフレーム1707を受信し、その際に、通信信号の電波強度を測定して、返信フレームをZRa(中継局a)103に送信する(S1809)。返信フレームを送信後に、時間T’となるタイマを設定し(S1810)、時間T’経過後の(妨害)電波強度測定期間609において妨害波の電波強度測定をおこない(S1811)、通信周波数をf0からfcに切り替える(S1812)。
ZRa(中継局a)103では、データフレーム1707を受信し、その際に、通信信号の電波強度を測定して、返信フレームをZD(端局)104に送信する(S1813)。返信フレームを送信後に、時間T’となるタイマを設定し(S1814)、時間T’経過後の、(妨害)電波強度測定期間609において妨害波の電波強度測定をおこない(S1815)、通信周波数をf0からfcに切り替える(S1816)。
ZD(端局)104では、データフレーム1707を受信し、その際に、通信信号の電波強度を測定する(S1817)。そして、ZD(端局)104のみが、スリープ動作(611)に入る(S1818)。スリープ動作が終了した後の、(妨害)電波強度測定期間609において妨害波の電波強度測定をおこない(S1819)、通信周波数をf0からfcに切り替える(S1820)。
この処理により、次の周期のデータフレーム1707のデータ通信時期(第2フェーズ)に近い時点での妨害波の到来状況を測定するので、データ通信時期に近い電波障害の状況を反映した電波障害回避が可能となる。
101 基地局(ZC)
102 中継局b(ZRb)
103 中継局a(ZRa)
104 端局(ZD)
201 電波送受信部
202 処理部
203 記憶部
204 電波強度測定部
205 通信周波数変更部
206 タイマ部
401 送信チャネル記憶部
402 前回値受信電波強度記憶部
403 今回値受信電波強度記憶部
601 通信周波数変更フレーム(通信周波数変更情報)
606 周波数変更期間
607 データフレーム
609 電波強度測定タイミング
610 周波数変更期間
611 スリープ
Claims (11)
- 端局、中継局および基地局から構成され、端局から発出した信号を中継局を介して基地局まで順送りに送信し、その信号に対する返信信号を前記基地局から前記中継局を介して前記端局へ順送りに返信するマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法であって、
端局、中継局および基地局ごとに、それぞれ記憶部、処理部および通信部を備え、
各局の記憶部には、データ通信に使用する通信信号の通信周波数情報が格納されており、
各局の処理部は、自局の記憶部から読み出した通信周波数が電波障害を受けるか否かを判断し、電波障害が所定の度合いより小さいと判断した場合には、自局の記憶部に格納されている通信周波数を選択し、電波障害が所定の度合いより大きいと判断した場合には、予め決められた通信周波数を選択する順番に基づいて、自局の記憶部に格納されている通信周波数の次の順番の通信周波数を選択し、
各局の通信部は、端局、中継局および基地局の順に通信周波数変更情報を送受信しながら往信し、
その往信の際に、前記各局の処理部は、受信した前記通信周波数変更情報に、自局の前記通信周波数変更部によって選択した通信周波数を格納し、
各局の通信部は、前記基地局、前記中継局および前記端局の順に、前記通信周波数変更情報を送受信しながら返信し、
その返信の際に、各局の処理部は、前記基地局から返信された通信周波数変更情報に格納された通信周波数の中に前記次の順番の通信周波数が存在するか否かを判断し、前記次の順番の通信周波数が存在する場合には、前記次の順番の通信周波数を通信信号の通信周波数として自局の記憶部に格納すること、
を特徴とするマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 前記電波障害を受けるか否かの判断において、
前記各局は、自局の記憶部に格納されている通信周波数近傍の電波強度を測定する電波強度測定部を備え、
前記各局の電波強度測定部は、受信した通信信号の電波強度を測定し、前記処理部を介して第1の電波強度として自局の記憶部に記憶し、前記通信信号が存在しないときの電波強度を測定して、前記処理部を介して第2の電波強度として自局の記憶部に記憶し、
前記各局の処理部は、自局に記憶した第1の電波強度と第2の電波強度とを比較し、この比較結果に基づいて、電波障害を受けるか否かを判断すること、
を特徴とする請求項1に記載のマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 前記電波障害を受けるか否かの判断において、
前記各局の処理部は、自局の記憶部から前記第1の電波強度と前記第2の電波強度を読み出し、前記比較として、前記第1の電波強度から、前記第2の電波強度を減算する演算をおこない、その結果が、予め設定した値より小さい場合に、通信妨害が所定の度合いより大きいと判断すること、
を特徴とする請求項2に記載のマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 前記電波障害を受けるか否かの判断において、
前記各局の処理部は、自局の記憶部から前記第1の電波強度と前記第2の電波強度を読み出し、前記比較として、前記第1の電波強度を第2の電波強度で除算する演算をおこない、その結果が、予め設定した値より小さい場合に、通信妨害が所定の度合いより大きいと判断すること、
を特徴とする請求項2に記載のマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 記載の前記通信信号が存在しないときの電波強度の測定は、前記各局の処理部が、時刻の提供を受けて、前記通信信号に対する応答が基地局、中継局および端局の順に返信される際に、前記各局ごとに返信したときから予め決められた時間を演算し、該予め決められた時間が経過した時であること、
を特徴とする請求項2に記載のマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 前記各局は、時刻を提供するタイマ部を備え、
前記各局の処理部は、タイマ部から時刻の提供を受けて前記通信周波数変更情報を送信した時から前記予め決められた時間の計測を開始し、前記予め決められた時間に達したときに、自局へ返信されるべき通信周波数変更情報を受信しなかった場合に、前記次の順番の通信周波数を、各局の記憶部に通信周波数として格納すること、
を特徴とする請求項1に記載のマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 各局の通信部が前記通信周波数変更情報を送信する通信周波数は、2.4GHzから2.4835GHzの周波数帯域の中に、0.005GHz間隔で配置された16チャネルのうち、2.48GHzを中心周波数とする通信周波数であること、
を特徴とする請求項1に記載のマルチホップ無線システムにおける電波障害回避方法。 - 端局、中継局および基地局から構成され、端局から発出した信号を中継局を介して基地局まで順送りに送信し、その信号に対する返信信号を前記基地局から前記中継局を介して前記端局へ順送りに返信するマルチホップ無線システムであって、
端局、中継局および基地局ごとに、それぞれ記憶部、処理部および通信部を備え、
各局の記憶部には、データ通信に使用する通信信号の通信周波数情報が格納されており、
各局の処理部は、自局の記憶部から読み出した通信周波数が電波障害を受けるか否かを判断し、電波障害が所定の度合いより小さいと判断した場合には、自局の記憶部に格納されている通信周波数を選択し、電波障害が所定の度合いより大きいと判断した場合には、予め決められた通信周波数を選択する順番に基づいて、自局の記憶部に格納されている通信周波数の次の順番の通信周波数を選択する通信周波数変更部を備え、
各局の通信部は、端局、中継局および基地局の順に通信周波数変更情報を送受信しながら往信し、
その往信の際に、前記各局の処理部は、受信した前記通信周波数変更情報に、自局の前記通信周波数変更部によって選択した通信周波数を格納し、
各局の通信部は、前記基地局、前記中継局および前記端局の順に、前記通信周波数変更情報を送受信しながら返信し、
その返信の際に、各局の処理部は、前記基地局から返信された通信周波数変更情報に格納された通信周波数の中に前記次の順番の通信周波数が存在するか否かを判断し、前記次の順番の通信周波数が存在する場合には、前記次の順番の通信周波数を通信信号の通信周波数として自局の記憶部に格納すること、
を特徴とするマルチホップ無線システム。 - 端局、中継局および基地局から構成され、端局から発出した信号を中継局を介して基地局まで順送りに送信し、その信号に対する返信信号を前記基地局から前記中継局を介して前記端局へ順送りに返信するマルチホップ無線システムにおいて備えられる中継局であって、
前記中継局は、記憶部、処理部および通信部を備え、
前記記憶部には、データ通信に使用する通信信号の通信周波数情報が格納されており、
前記通信部は、受信した通信信号の電波強度を測定して、前記処理部を介して第1の電波強度として前記記憶部に記憶し、前記通信信号が存在しないときの電波強度を測定して、前記処理部を介して第2の電波強度として前記記憶部に記憶し、
前記処理部は、前記記憶部に記憶した第1の電波強度と第2の電波強度とを比較し、この比較結果に基づいて、前記記憶部から読み出した通信周波数が電波障害を受けるか否かを判断し、電波障害が所定の度合いより小さいと判断した場合には、前記記憶部に格納されている通信周波数を選択し、電波障害が所定の度合いより大きいと判断した場合には、予め決められた通信周波数を選択する順番に基づいて、前記記憶部に格納されている通信周波数の次の順番の通信周波数を選択する通信周波数変更部を備え、
端局、中継局および基地局の順に通信周波数変更情報を順送りに送信する往信の際に、前記処理部は、受信した前記通信周波数変更情報に、前記通信周波数変更部によって選択した通信周波数を格納し、
前記基地局、前記中継局および前記端局の順に、前記通信周波数変更情報を送信する返信の際に、前記処理部は、前記基地局から返信された通信周波数変更情報に格納された通信周波数の中に前記次の順番の通信周波数が存在するか否かを判断し、前記次の順番の通信周波数が存在する場合には、前記次の順番の通信周波数を通信信号の通信周波数として前記記憶部に格納すること、
を特徴とする中継局。 - 端局、中継局および基地局から構成され、端局から発出した信号を中継局を介して基地局まで順送りに送信し、その信号に対する返信信号を前記基地局から前記中継局を介して前記端局へ順送りに返信するマルチホップ無線システムにおいて備えられる中継局の電波障害回避方法であって、
前記中継局は、記憶部、処理部および通信部を備え、
前記記憶部には、データ通信に使用する通信信号の通信周波数情報が格納されており、
前記通信部は、受信した通信信号の電波強度を測定して、前記処理部を介して第1の電波強度として前記記憶部に記憶し、前記通信信号が存在しないときの電波強度を測定して、前記処理部を介して第2の電波強度として前記記憶部に記憶し、
前記処理部は、前記記憶部に記憶した第1の電波強度と第2の電波強度とを比較し、この比較結果に基づいて、前記記憶部から読み出した通信周波数が電波障害を受けるか否かを判断し、電波障害が所定の度合いより小さいと判断した場合には、前記記憶部に格納されている通信周波数を選択し、電波障害が所定の度合いより大きいと判断した場合には、予め決められた通信周波数を選択する順番に基づいて、前記記憶部に格納されている通信周波数の次の順番の通信周波数を選択する通信周波数変更部を備え、
端局、中継局および基地局の順に通信周波数変更情報を順送りに送信する往信の際に、前記処理部は、受信した前記通信周波数変更情報に、前記通信周波数変更部によって選択した通信周波数を格納し、
前記基地局、前記中継局および前記端局の順に、前記通信周波数変更情報を送信する返信の際に、前記処理部は、前記基地局から返信された通信周波数変更情報に格納された通信周波数の中に前記次の順番の通信周波数が存在するか否かを判断し、前記次の順番の通信周波数が存在する場合には、前記次の順番の通信周波数を通信信号の通信周波数として前記記憶部に格納すること、
を特徴とする中継局の電波障害回避方法。 - コンピュータ に請求項10に記載の電波障害回避方法を実行させることを特徴とする電波障害回避プログラム 。
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