JP4406121B2 - スルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体、その製造方法および用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体、該化合物からなる有機物質の安定剤、および前記スルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然高分子、合成高分子、油脂或いは潤滑油等の有機物質の酸化による劣化を防止するために、現在多くの酸化防止剤が使用されている。代表的な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、有機イオウ系、有機リン系、芳香族アミン系等が挙げられる。これらは、単独で或いは複数の組み合わせで用いると効果があるとされている。従来知られている酸化防止剤の多くは、酸化防止効率は優れているが、有機高分子材料に練り込んで加熱、加工する際に、一部分解や揮散したり、加工後成型品として使用する際に、徐々に揮発飛散する問題がある。
【0003】
これを改善するために、酸化防止剤を高分子量化したり、不揮発性官能基を付加することにより、揮発、飛散の欠点を改良する試みが行われてきたが、酸化防止効率の点で十分に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、それ自体熱安定性にすぐれ、かつ酸化分解を受けやすい有機物質に対して有効な酸化防止能力を有する新規化合物およびその製造方法を提供する点にある。
【0005】
本発明の第二の目的は、前記新規化合物を含む有機物質組成物を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、下記一般式(1)
【化11】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基よりなる群か ら選ばれた基であり、R2は、水素原子および炭素数1〜4の直鎖のアルキル基より なる群から選ばれた基であり、R3は、炭素数4〜8の分岐のアルキル基よりなる群 から選ばれた基である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体に関する。
【0007】
本発明の第二は、請求項1記載のスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を有効成分として含有することからなる高分子物質用酸化防止剤に関する。
【0008】
本発明の第三は、請求項1記載のスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を含有する高分子物質組成物に関する。
【0009】
本発明の第四は、下記一般式(2)
【化12】
(式中、R1およびR2は前記と同一である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸と、下記一般式(3)
【化13】
(式中、Xは塩素原子または臭素原子を表し、R3は前記と同一である。)
で示されるヒドロキシベンジルハライド誘導体を有機溶剤中で、脱酸剤の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(1)
【化14】
(式中、R1、R2およびR3は前記と同一である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を製造する方法に関する。
【0010】
本発明の第五は、下記一般式(4)
【化15】
(式中、Mはアルカリ金属であり、R1およびR2は前記と同一である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸誘導体のアルカリ金属塩と、下記一般式(3)
【化16】
(式中、Xは塩素原子または臭素原子を表し、R3は前記と同一である。)
で示されるヒドロキシベンジルハライド誘導体を有機溶剤中、直接的に反応させることを特徴とする下記一般式(1)
【化17】
(式中、R1、R2およびR3は前記と同一である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を製造する方法に関する。
【0011】
本発明の第六は、下記一般式(2)
【化18】
(式中、R1およびR2は前記と同一である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸誘導体と、下記一般式(5)
【化19】
(式中、R3は前記と同一である。)
で示されるヒドロキシベンジルアルコール誘導体を有機溶剤中で、エステル化触媒の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(1)
【化20】
(式中、R1、R2およびR3は前記と同一である。)
で示されるスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を製造する方法に関する。
【0012】
前記R1における直鎖または分岐のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基などが挙げられるが、その炭素数は1〜3のものが好ましい。前記R2における直鎖のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基などを挙げることができるが、その炭素数は1〜2のものが好ましい。前記R3における分岐のアルキル基の例としては、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基などを挙げることができるがその炭素数は4〜8のものが好ましい。
【0013】
本発明の反応に用いる溶媒としては、通常ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロエチレン、クロロホルム、酢酸エステル類などを挙げることができる。これらは1種単独または2種以上混合して使用される。かかる溶媒の使用量は特に制限されるものではなく、撹拌の容易さ、基質の溶解度に応じて適宜選択することができる。
【0014】
前記脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ナトリウムアミド、カリウムアミド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムなどを挙げることができる。
【0015】
前記エステル化触媒としては、p−トルエンスルホン酸が好ましく、他に、シュウ酸、酢酸亜鉛、塩酸、硫酸等、通常用いられるエステル化触媒を用いてもよい。
【0016】
反応温度は室温から溶媒の沸点付近で実施するが、好ましくは40〜80℃で実施するのがよい。
【0017】
本発明の前記一般式(1)により安定化される有機物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソプレンなどのα−オレフィンのホモポリマーあるいはコポリマー等のポリ−α−オレフィン類、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル類、α,β−不飽和ケトン類、α,β−不飽和アルデヒド類、α,β−不飽和ニトリル酸、α,β−不飽和酸類、その他エステル類、ジエン類、スチレン類などの不飽和炭化水素のホモポリマーあるいはコポリマー、ポリオール類、ポリイソシアネート類からなるポリウレタン類、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレンオキシドなどの合成高分子、半合成高分子、天然高分子などの高分子物質がある。また、本発明化合物による安定化される他の有機物質としては、例えば、油脂、塗料等に使用される動植物性油、各種揮発油、天然および合成機械油、鉱油、燃料油、切削油、ワックス等の炭化水素系物質が挙げられる。
【0018】
本発明の下記一般式(1)
【化21】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、R2は、水素原子および炭素数1〜4の直鎖のアルキル基よりなる群から選ばれた基であり、R3は、炭素数4〜8の分岐のアルキル基よりなる群から選ばれた基である。とくにR3の分岐アルキル基の存在により酸化防止剤としての機能を発揮する。)
で表されるスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
【0019】
ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジプロピオネート、
ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジプロピオネート、
ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジブチレート、
ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジブチレート、
ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジバレレート、
ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジカプロエート、
ビス[4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジプロピオネート、
ビス[4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジプロピオネート、
ビス[4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジブチレート、
ビス[4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジブチレート、
ビス[4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジバレレート、
ビス[4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジカプロエート、
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジプロピオネート、
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジプロピオネート、
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジブチレート、
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジブチレート、
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジバレレート、
ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−3,3′−スルホニルジカプロエート。
【0020】
下記一般式(2)
【化22】
(式中、R1およびR2は前記と同一である。)
の化合物の具体例としては、つぎの化合物群を例示できる。
【0021】
3,3′−スルホニルジプロピオン酸、2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジプロピオン酸、3,3′−スルホニルジラク酸、2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジラク酸、3,3′−スルホニルジバレリアン酸、3,3′−スルホニルジカプロン酸。
【0022】
下記一般式(3)
【化23】
(式中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、R3は前記と同一である。)
の化合物の具体例としては、つぎの化合物群を例示することができる。
【0023】
4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル クロライド、
4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル ブロマイド、
4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル クロライド、
4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル ブロマイド、
4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル クロライド、
4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル ブロマイド。
【0024】
下記一般式(4)
【化24】
(式中、Mはナトリウムまたはカリウム金属を表し、R1およびR2は前記
と同一である。)
の化合物の具体例としては、つぎの化合物群を例示できる。
【0025】
3,3′−スルホニルジプロピオン酸、2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジプロピオン酸、3,3′−スルホニルジラク酸、2,2′−ジメチル−3,3′−スルホニルジラク酸、3,3′−スルホニルジバレリアン酸、3,3′−スルホニルジカプロン酸などのナトリウムまたはカリウム塩。
【0026】
下記一般式(5)
【化25】
(式中、R3は前記と同一である。)
の化合物の具体例としては、つぎの化合物群を例示することができる。
【0027】
4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル アルコール、
4−(1,1−ジメチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル アルコール、
4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル アルコール。
【0028】
本発明の前記一般式(1)に示される化合物の有機物質への添加量は有機物質の種類により異なるが、0.005%以下ではその効果はあまり期待できず、5%以上ではいくら加えてもその効果の向上に貢献しない。すなわち安定化させようとする有機物質の重量に対して0.005〜5重量%濃度で使用するのが好ましいが、0.01〜2重量%の添加が望ましい。
【0029】
一般式(1)で表される化合物によって安定化された有機高分子物質は、例えば、慣用の添加物をさらに含有してもよく、例えば、酸化防止剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物スカベンジャーを含有してもよい。
【0030】
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルウンデシ−1′−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルヘプタデシ−1′−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチルトリデシ−1′−イル)フェノール及びそれらの混合物、
2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール及びそれらの混合物、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート及びそれらの混合物、
2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等およびそれらの混合物、
2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2′−メチレンビス[6−α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプタン、エチレングリコールビス[3,3′−ビス(3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル−4−n−ドデシルメルカプタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン等およびそれらの混合物、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−フェノール等およびそれらの混合物、
4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート等およびそれらの混合物、
ジメチル 2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、モノエチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸 カルシウム塩等およびそれらの混合物、
3,5,3′,5′−テトラ−tert−ブチル−4,4′−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル 4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル) ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート等およびそれらの混合物、
ジオクタデシル 2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル 2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート等およびそれらの混合物、
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシ)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル;アルコールの例としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン等およびそれらの混合物、
N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン等およびそれらの混合物等が挙げられる。
【0031】
光安定剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2′−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−[2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルメチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−{3′−tert−ブチル−5′−[2−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル]}ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換体等およびそれらの混合物、4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2′,4′−トリヒドロキシ−、2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−、または4−(2−エチルヘキシルオキシ)−の2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等およびそれらの混合物、4−tert−ブチルフェニル サリシレート、フェニル サリシレート、オクチルフェニル サリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等およびそれらの混合物、エチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン等およびそれらの混合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、4,4′−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキシオキサニリド等およびそれらの混合物、および上記化合物のそれぞれと2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、o−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物、等:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0032】
金属不活性化剤としては、例えば、N,N′−ジフェニルオキサミド、N−サルチラル−N′−サリチロイルヒドラジン、N,N′−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N′−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジン、N,N′−ジアセタールアジポイルジヒドラジド、N,N′−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフィット、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、ビス[2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)]ペンタエリスリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,e]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト等およびそれらの混合物等が挙げられる。
【0033】
過酸化物スカベンジャーとしては、例えば、ジラウリル、ジステアリル、ジミリスチルまたはジトリデシルチオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート等である。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは好ましい実施態様の例示に過ぎず、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0035】
実施例1
30mlのDMF中に2.93g(13.8mmol)の3,3′−スルホニルジプロピオン酸、6.36g(28mmol)の4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル クロリドおよび2.80g(27.7mmol)のトリエチルアミンを加え、95〜105℃で10時間加熱撹拌を行う。反応終了後、室温に達したら、撹拌を続けながら200mlの冷水を加える。沈殿した油状物を50mlの酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル溶液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで脱水する。脱水された酢酸エチル溶液は濃縮する。残留油状物をシリカゲル カラムを用い、n−ヘキサン:酢酸エチル(1:1)展開液で分離した。流出液5mlずつを分取し、Rf値(0.65)に主要なスッポトを示すフラクションを集め、ローターベーパーを使用して溶媒を十分に留去した。微黄褐色粘性のある液体は次第に固化する。n−ヘキサン/酢酸エチル(7:3)の混合溶媒を加えてかき混ぜると、無色の融点131〜133℃を示すビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジプロピオネートの粉末6.2g(75%)が得られる。このものの同定資料はつぎのとうりである。
【0036】
元素分析:
計算値(C32H46O8Sに基ずく):C;65.06%、H;7.85%
分析値:C;65.20、65.22%、H:7.69、7.88%
【0037】
赤外吸収スペクトル:cm−1(KBr) 3517(OH)、2957および2871(アルキル基)、1731(エステル C=O)、1413、1389、1315、1254(C−O−C)、1219(C−O−C)、1176、1121、1090、1046、985、933、876、826、764、732、603、490、448、430、410。
【0038】
1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz)(CDCl3):
δppm:1.39〔s,18H,C(CH3)3〕、2.22(s,6H,Ar−CH3、2−位)、2.30(s,6H,Ar−CH3、6−位)、2.85(t,4H,J=7.3,OOCCH2)、3.30(t,4H,J=7.3,CH2SO2)、4.72(s,2H,OH)、5.21(s,4H,Ar−CH2O)、6.97(s,2H,Ar−H)。
【0039】
実施例2
60mlのDMF中に3.53g(13.8mmol)の3,3′−スルホニルジプロピオン酸 ジナトリウム塩および6.36g(28mmol)の4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル クロリドを加え、105〜115℃で10時間加熱撹拌を行う。反応終了後、室温に達したら、撹拌を続けながら200mlの冷水を加える。沈殿した油状物を50mlの酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル溶液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで脱水する。脱水された酢酸エチル溶液は濃縮する。残留油状物をシリカゲル カラムを用い、n−ヘキサン:酢酸エチル(1:1)展開液で分離した。流出液5mlずつを分取し、Rf値(0.65)に主要なスッポトを示すフラクションを集め、ローターベーパーを使用して溶媒を十分に留去した。微黄褐色粘性のある液体は次第に固化する。n−ヘキサン/酢酸エチル(7:3)の混合溶媒を加えてかき混ぜると、無色の融点131〜133℃を示すビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジプロピオネートの粉末5.0g(63%)が得られる。
【0040】
実施例3
60mlのトルエンおよび10mlのDMF混合溶液中に2.90g(13.8mmol)の3,3′−スルホニルジプロピオン酸、5.82g(28mmol)の4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルアルコ−ルおよび0.5gのp−トルエンスルホン酸を加え、水分分離器を付して計算量の水分の流出が終わるまで還流加熱を行う。反応終了後、溶媒を留去する。残留油状物をシリカゲル カラムを用い、n−ヘキサン:酢酸エチル(1:1)展開液で分離した。流出液5mlずつを分取し、Rf値(0.65)に主要なスッポトを示すフラクションを集め、ローターベーパーを使用して溶媒を十分に留去した。微黄褐色粘性のある液体は次第に固化する。n−ヘキサン/酢酸エチル(7:3)の混合溶媒を加えてかき混ぜると、無色の融点131〜133℃を示すビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−3,3′−スルホニルジプロピオネートの粉末5.0g(52%)が得られる。
【0041】
実施例4
未安定化ポリプロピレン粉末に、実施例1で得られた本発明化合物0.1重量%を添加し、ミキサーで窒素雰囲気下に十分混合した。次いでスクリュー型押出機を用いて260℃で押出し、ペレタイザーにてペレット化する。得られたペレットの、230℃でのMFR(JIS K6758)を測定した。その結果を表1に示す。MFRは分子量の指標を表すもので、その値が小さい程、押出機中での酸化劣化による分子量の低下が著しいことを示す。これは酸化防止効果の大きいことを示す。
【0042】
また、得られたペレットを、230℃で厚さ0.5mmのシートに圧縮成型して試験片を作成した。耐熱老化性は、150℃の循環式空気炉中で試験片を加熱して、酸化劣化によって試験片が黄変脆化するまでの所要時間を測定した。
【0043】
また、耐候性試験は、上記シートを、ウエザーオメータ中、ブラックパネル温度80℃にて、キセノンランプにより光照射して、折り曲げにより、試験片にクラックが生ずるまでの所要時間を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
(1)本発明により、それ自体が熱安定性にすぐれ、かつ酸化分解を受けやすい有機物質のための酸化防止能力を有する新規化合物とその製造方法を提供できた。
(2)本発明の新規化合物を含む有機物質組成物は、酸化に対して極めて高い安定性を示すことができた。
Claims (6)
- 請求項1記載のスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を有効成分として含有することからなる高分子物質用酸化防止剤。
- 請求項1記載のスルホニルジアルキルカルボン酸エステル誘導体を含有する高分子物質組成物。
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