JP4405272B2 - 動画像復号化方法、動画像復号化装置及びプログラム - Google Patents
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Description
ここで、MPEG(Moving Picture Experts Group)とは、ISO/IEC(国際標準化機構 国際電気標準会議)で標準化された動画像信号圧縮の国際規格であり、MPEG-1は、動画像信号を1.5Mbpsまで、つまりテレビ信号の情報を約100分の1にまで圧縮する規格である。また、MPEG-1規格では対象とする品質を伝送速度が主として約1.5Mbpsで実現できる程度の中程度の品質としたことから、さらなる高画質化の要求をみたすべく規格化されたMPEG-2では、動画像信号を2〜15MbpsでTV放送品質を実現する。さらに現状では、MPEG-1,MPEG-2と標準化を進めてきた作業グループ(ISO/IEC JTC1/SC29/WG11) によって、MPEG-1,MPEG-2を上回る圧縮率を達成し、更に物体単位で符号化・復号化・操作を可能とし、マルチメディア時代に必要な新しい機能を実現するMPEG-4が規格化された。MPEG-4では、当初、低ビットレートの符号化方法の標準化を目指して進められたが、現在はインタレース画像も含む高ビットレートも含む、より汎用的な符号化に拡張されている。更に、現在は、ISO/IECとITU-Tが共同でより高圧縮率の次世代画像符号化方式として、MPEG-4 AVCおよびITU H.264 の標準化活動が進んでいる。2002年8月の時点で、次世代画像符号化方式はコミッティー・ドラフト(CD)と呼ばれるものが発行されている(また、例えば、非特許文献1参照。)。
図19は、従来の動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像信号Vinは、減算演算部104と、動き検出部103に入力される。
動き検出部103は、メモリ110から読み出した符号化済みの復号化画像データを参照ピクチャとして用いて、そのピクチャ内の探索領域において最適と予測される位置を示す動きベクトルMVの検出し、動き補償部106へ出力する。
減算演算部104は、入力された動画像信号Vinと、動き補償部106より入力された動き補償画像信号MCRefとの差分を演算し、差分信号Difを符号化部105へ出力する。
符号化部105は、入力された差分信号Difに対して周波数変換や量子化等の符号化処理を行い、符号化信号を生成し、可変長符号化部107および復号化部108へ出力する。可変長符号化部107は、入力された符号化信号に対して可変長符号化等を行い、さらに動き補償部106から入力された動きベクトルMV等を付加することにより符号化ストリームStrを生成し、動画像符号化装置の外部へ出力する。
加算演算部109は、復号化部108より入力された差分信号RecDifと、動き補償部106より入力された画像信号RecMCRefとを加算し、ローカル復号画像LocalReconを生成する。生成されたローカル復号画像LocalReconは、メモリ111へ出力される。
なお、図中stageで示した番号は、メモリの遷移段階を示していて、stage1はそのピクチャの処理において不使用マーク処理をする前の段階、stage2は不使用マーク処理がされた後の段階、stage3は空き領域を確保した後の段階、stage4はピクチャを格納した後の段階を意味している。
動画像復号化装置は、可変長復号化部402、画像復号化部202、MMCO復号化部204、メモリ206、およびメモリ管理部401を備えている。
動画像符号化信号Strを入力とし、可変長復号化部402にて可変長復号化を行い、符号化されているピクチャデータcomp_picを画像復号化部202にて復号化し復号画像信号Reconをメモリ206へ格納する。画像復号化部202は、ピクチャが画面間符号化されている場合には、復号化の際、動き情報MVをメモリ206へ送り動き補償済み参照画像MCPicを作成し、動き補償を行う。ピクチャの格納領域の決定、空き領域の確保等の、メモリ管理の指示mctrlはメモリ管理部401により出力される。表示順情報POCが可変長復号化部402からメモリ管理部401へ出力され保持される。また、前述した不使用マーキング処理の一つであるMMCOコマンド MMCOは可変長復号化部402からMMCO復号化部204へ入力され、デコードされメモリ管理部401へunusedの指示が入力される。また、メモリ206から表示される復号画像信号Voutが出力される。
ISO/IEC 14496-10 Editor's Proposed Changes Relative to JVT-E146d37ncm, revision 4, 2002-12
図26はシーケンスの不連続が表示順情報POCの不連続をひきおこし、未表示のピクチャを消去してしまう問題を説明する概念図である。あるシーケンスの二つ部分Clip1とClip2をつなぎ合わせてデコードする場合を示している。このように編集等によって発生したシーケンスの不連続が発生している場所を編集ポイントと呼ぶことにする。この例では表示順情報POCの巡回は考えなくてもよいような表示順情報POCの最大値が設定されているとする。図中(A)はClip1をデコードした後のメモリの状態を示していて、ピクチャI19、P22、B20、B21が格納されている。それぞれの表示順情報POCは図に示すようにそれぞれ“4”、“7”、“5”、“6”であり、ピクチャI19、B20、B21がunusedとマークされているとする。次にClip2の最初のピクチャI85をデコードし、2枚目のピクチャP86をデコードする前の状態を図中(B)に示す。ここでは、ピクチャI85はピクチャB20のあった位置へ格納されたとする。次に、不使用マーキング処理を行うが、このClip2の場合、ピクチャI85がunusedとマークされたとする(図中(B))。次に、空き領域確保処理を行うが、前述のように、unusedのピクチャがあるので、unusedのピクチャの中で、最初の表示順を持つピクチャを削除するので、ピクチャI85を削除する。ここで、デコードしてから表示するまでの遅延が平均して3枚だとすると、ピクチャB21、P22、I85はまだ表示されていない。しかし、ピクチャI85はまだ表示していないにも関わらず、メモリから消去されてしまう。
これによって、ピクチャの表示順情報が不連続であることに起因して非表示ピクチャを消去してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明は、このような動画像復号化方法として実現することができるだけでなく、このような動画像復号化方法が含む特徴的なステップを手段として備える動画像復号化装置として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置は、動き検出部103、減算演算部104、符号化部105、動き補償部106、可変長符号化部113、復号化部108、加算演算部109、メモリ110、111、およびフラグ情報生成部112を備えている。
フラグ情報生成部112は、編集等によって、表示順情報POCが不連続になる場合、表示順情報POCが不連続であることを示すフラグを生成する。
可変長符号化部113は、入力された符号化信号に対して可変長符号化等を行い、さらにフラグ情報生成部112によって生成されたフラグ、および動き補償部106から入力された動きベクトルMV等の情報を付加することにより符号化ストリームStrを生成し、動画像符号化装置の外部へ出力する。
編集検出部203は可変長復号化部201から表示順情報POCが不連続になっていることを示すフラグ、あるいは、編集ポイント情報を格納する情報を取得し、解析し、メモリ管理部205へ制御信号mctrlcを出力する。メモリ管理部205は編集を意味する制御信号mctrlcが入力されたならば、編集ポイントより前のピクチャが、編集ポイントより後のピクチャよりも表示順が前になるように管理する。つまり、unusedピクチャの中から削除するピクチャを選択するときに、編集ポイント前のピクチャの表示順は、編集ポイント後のピクチャよりも前であるとする。
このような本発明の動画像復号化方法(図2、図3、図4、図5)で編集の不連続が解決できるためには、編集ポイントを示す情報が必要である。従って、編集ポイント情報が含まれていることを示す情報が復号化装置にとって入手しやすい場所にあることが望ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態における動画像符号化装置の構成は、図1に示す実施の形態1のブロック図と同様である。
なお、フラグ情報生成部112が生成するフラグBは、無効ピクチャの挿入を行わないように指示するフラグであってもよい。フラグBの付与の形式は実施の形態1に示すフラグAの形式と同等である。
編集検出部214は、可変長復号化部201からフレームナンバー FNが不連続になっていることを示すフラグを取得し、メモリ管理部212へ制御信号ctrl_cを出力する。メモリ管理部212は、FNギャップ検出部211から制御信号ctrl_cによって無効ピクチャの挿入の要求が入力された場合でも、編集検出部214から編集されていることが通知された場合は、無効ピクチャの挿入を行わないこととする。
なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様にフレームナンバー FNが不連続になっていることを示す符号化時に付加されたフラグを、フレームナンバー FNが不連続になっているピクチャの間に付加しているが、これに限られるものではない。例えば、実施の形態1と同様に、フラグ情報生成部112が、フレームナンバー FNが不連続になっていることを示すフラグと、フレームナンバー FNが不連続になっている位置(編集ポイント)を特定する情報とを生成しても構わない。そして、これらの情報を、実施の形態1と同様に格納する。
図8は、実施の形態1と実施の形態2における、本発明の動画像符号化方法の出力するデータの構造、本発明の動画像復号化方法の入力するデータの構造を示す図である。符号化された動画像信号であるシーケンスは、同図(A)に示すように、RAP、MMCO、PICTUREのデータを含む。RAPはRandom access point SEIのことであり、その中の broken_link_fieldが、実施の形態1のフラグAであり、また、実施の形態2におけるフラグBである。PICTUREはピクチャ単位に符号化された動画像信号であり、PICTUREの前にはMMCOがある場合もある(ない場合もある)。MMCOとはMemory management control operationの指示情報である。また、同図(B)に示すように、シーケンスの内部、あるいは、シーケンスに関連付けられたファイルフォーマットの所定の位置、あるいは、シーケンスを記録する記録媒体等に、実施の形態1のフラグA2であり、また、実施の形態2におけるフラグB2が格納されている。
図9は、本実施の形態に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置は、並び替えメモリ101、符号化スケジューリング部102、動き検出部103、減算演算部104、符号化部105、動き補償部106、可変長符号化部107、復号化部108、加算演算部109、およびメモリ110、111を備えている。
図10は本実施の形態の動画像符号化方法の概念を説明する図である。図34に示す問題を解決する、本実施の形態の動画像符号化方法は、あるGOPには表示順の連続するピクチャしか格納しないこと、そして、あるGOPの任意のピクチャの表示順は、次にデコードするGOPの任意のピクチャの表示順よりも前となるように符号化することである。このように符号化することで、GOP1、GOP2ともに、図34に示すケースにおいて、再生の不連続は発生しない。
なお、本実施の形態で説明したように符号化されたことを示すフラグを符号化ストリームに付加しても構わない。
図12は本実施の形態の動画像符号化方法の概念を説明する図である。実施の形態3では、編集の問題解決とランダムアクセス時の問題解決を同時に行う方法であったが、本実施の形態における本動画像符号化方法は、ランダムアクセス時の問題を解決する方法である。実施の形態3の方法よりも、制約が緩いので、符号化効率などを向上させることができる。
なお、本実施の形態で説明したように符号化されたことを示すフラグを符号化ストリームに付加しても構わない。
さらに、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または動画像復号化方法の構成を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記憶媒体に記録するようにすることにより、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
図14(b) は、フレキシブルディスクの正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディスクを示し、図14(a) は、記録媒体本体であるフレキシブルディスクの物理フォーマットの例を示している。フレキシブルディスクFDはケースF内に内蔵され、該ディスクの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクでは、上記フレキシブルディスクFD上に割り当てられた領域に、上記プログラムとしての動画像符号化方法および動画像復号化方法が記録されている。
さらにここで、上記実施の形態で示した動画像符号化方法や動画像復号化方法の応用例とそれを用いたシステムを説明する。
このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex107〜ex110を介して、コンピュータex111、PDA(personal digital assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、カメラ付きの携帯電話ex115などの各機器が接続される。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
その一例として携帯電話について説明する。
図16は、上記実施の形態で説明した動画像符号化方法と動画像復号化方法を用いた携帯電話ex115を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キーex204群から構成される本体部、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記録メディアex207、携帯電話ex115に記録メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記録メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものである。
携帯電話ex115は、CPU、ROM及びRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声信号を音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話機ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208を介して出力する。
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより画像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
また、本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
102 符号化スケジューリング部
103 動き検出部
104 減算演算部
105 符号化部
106 動き補償部
107 可変長符号化部
108 復号化部
109 加算演算部
110、111 メモリ
112 フラグ情報生成部
113 可変長符号化部
201、213、402、411 可変長復号化部
202 画像復号化部
203、214 編集検出部
204 MMCO復号化部
205、212、401、412 メモリ管理部
206 メモリ
211 FNギャップ検出部
Claims (5)
- 符号化ストリームをピクチャ単位で復号化する動画像復号化方法であって、
前記ピクチャの順が不連続であることを示すフラグ情報を抽出する情報抽出ステップと、
前記フラグ情報に基づいて復号化済みピクチャを格納する領域を管理する管理ステップとを含み、
前記フラグ情報は、ピクチャの表示順情報が不連続であることを示す情報であり、
前記管理ステップでは、前記表示順情報および前記フラグ情報に基づいて、前記領域に格納されている復号化済みピクチャの中で表示順が最も前であるピクチャを決定し、決定されたピクチャを削除対象ピクチャとする
ことを特徴とする動画像復号化方法。 - 前記管理ステップでは、前記領域に格納されている復号化済みピクチャに対して、前記フラグ情報が抽出された時に更新するクリップ情報を与え、前記表示順情報および前記クリップ情報に基づいて、前記領域に格納されている復号化済みピクチャの中で表示順が最も前であるピクチャを決定し、決定されたピクチャを削除対象ピクチャとする
ことを特徴とする請求項1記載の動画像復号化方法。 - 前記動画像復号化方法は、さらに、
ピクチャの符号化順情報が不連続である場合に、前記領域に無効ピクチャを格納する無効ピクチャ格納ステップを含み、
前記フラグ情報は、前記符号化順情報が不連続であることを示す情報であり、
前記管理ステップでは、前記フラグ情報および前記符号化順情報に基づいて、前記領域に無効ピクチャを格納するか否かを判定し、
前記無効ピクチャ格納ステップでは、前記管理ステップでの判定結果に基づいて前記領域に無効ピクチャを格納する
ことを特徴とする請求項1記載の動画像復号化方法。 - 符号化ストリームをピクチャ単位で復号化する動画像復号化装置であって、
前記ピクチャの順が不連続であることを示すフラグ情報を抽出する情報抽出手段と、
前記フラグ情報に基づいて復号化済みピクチャを格納する領域を管理する管理手段とを備え、
前記フラグ情報は、ピクチャの表示順情報が不連続であることを示す情報であり、
前記管理手段は、前記表示順情報および前記フラグ情報に基づいて、前記領域に格納されている復号化済みピクチャの中で表示順が最も前であるピクチャを決定し、決定されたピクチャを削除対象ピクチャとする
ことを特徴とする動画像復号化装置。 - 符号化ストリームをピクチャ単位で復号化するためのプログラムであって、
請求項1記載のステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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