JP4404667B2 - 光走査装置 - Google Patents
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Description
このような光走査装置として、光偏向手段の前段において光源を配置し易くするために、入射光束が主走査方向に平行である、いわゆる平行光束としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この光走査装置は、半導体レーザから射出した光束が、コリメートレンズによって平行光束とされ、シリンドリカルレンズによって球欠方向である副走査方向にのみ収束して光偏向手段として用いられる回転多面曲偏向器もしくはポリゴンミラーの付近に結像し、単玉の走査用レンズによって感光体ドラムの軸方向に等速走査されるように構成されている。
この光走査装置は、光源から射出した光束を集光して光偏向手段の偏向面に設けられた偏向点に向けて出射する第1光学系と、1枚のレンズで構成されたfθレンズで構成された第2光学系を有する走査光学系を有している。これにより、量産コストの低いプラスチックレンズを採用することができると共にレンズの肉厚を薄くし、製作が容易であるレンズを採用することができる。
また、後者の光走査装置では、収束光をfθレンズに入射しており、レンズの成形性は上述した前者の光走査装置より良好だが、光源から感光体までの光路を長くすると、倍率が非常に大きくなるため、光源部の組み立て調整精度が厳しくなり、組み立ての生産性が劣化するという問題がある。また、コリメートレンズの外径を大きくする必要があることから、部品コストが高くなり、さらに温度変化などの環境変動に対する性能変化も大きくなるという問題がある。近年、タンデム方式カラープリンタ用走査光学系として、コストの高い偏向器を4ビーム共通にした安価な走査光学系が求められているが、偏向器を共通にした場合、4つのビームの光路を合成する光路合成部と、合成した4つの光路を再び分割する光路分割部とが必要となり、光路全長が長くなる傾向があり、後者の光走査装置では、採用が困難である。
また、光学系の倍率を小さくすることによって、物体側の調整精度を緩めることができ、組み立ての生産性が向上する。
さらに、副走査方向と主走査方向とで独立して集光する第1及び第2集光素子を用いることによって、副走査方向または主走査方向単独での走査方向に対する焦点位置の調整が容易となる。
すなわち、副走査方向は、被走査面(記録媒体)上で走査線と直交する方向を意味する場合と、光路方向に直交する方向の1つであってこの光路に沿って走査線上に至るときに走査線と直交する方向を意味する場合とがある。
また、主走査方向は、走査線の方向を意味する場合と、光路方向に直交する方向において副走査方向と直交する方向を意味する場合と、光ビームが偏向される平面内で光学系の光軸と直交する方向を意味する場合とがある。
この発明によれば、第2集光素子にプラスチックレンズを用いることでコストの低減が図れる。
この発明によれば、プリンタに使用される光走査装置のスポット径は、通常60〜70μm程度であるが、焦点ずれ量が±2mm以内であれば、感光体上のスポット径変化を焦点深度内に収まり、性能上大きな問題とならない。
この発明によれば、1つの光偏向手段に対して複数光源と第1及び第2集光素子とが複数設けられることによって、いわゆるタンデム型走査光学系の小型化及び低コスト化が図れる。
また、光学系の倍率を小さくすることで物体側の調整誤差に対する許容量を大きくすることができ、光学系の組み立てが容易となって生産性が向上する。
さらに、第1及び第2集光素子が、副走査方向または主走査方向で独立して集光するので、副走査方向または主走査方向単独で走査方向に対する焦点位置の調整ができる。
本実施形態によるレーザ走査ユニット1(光走査装置)は、いわゆるタンデムカラープリンタに用いられる光走査光学系であって、複数のレーザビームをそれぞれ異なる走査線上で所定のスポット径に結像し、一定方向に反復走査するものである。
この距離Wは、LDアレイ21A21Bなどの配置スペースを確保し、相互に熱的影響を受けにくい距離とされる。
また、距離hは、本実施形態のようにフルカラー画像システムに用いる場合は、各部材の配置スペース、ポリゴンミラー6の反射面の大きさなどを考慮して、なるべく近接するように適宜決めればよい。一方、例えばマルチビーム走査に用いる場合には、走査線の副走査ピッチを正確な値とする必要があるので、走査線の副走査ピッチが所望の印字密度に一致するように、光学系の副走査方向の倍率に基づいて距離を決める。
アパーチャ25A、25Bは、コリメートレンズ23A、23Bから出射した平行光束を所定の光束径に整形するための光規制部材であり、主走査方向に長径が延ばされたほぼ楕円形状の開口を有する金属板で構成されている。
ここで、保持部材27の温度変化時の焦点ずれは、第2シリンドリカルレンズ5A、5B及びfθレンズ10a〜10dの温度変化時の焦点ずれとそのずれ方向が互いに異なるように構成されている。
なお、保持部材27は、ベース26と同一の材料で形成されてもよく、このようにすることで、部品点数を削減できる。
第2シリンドリカルレンズ5A、5Bは、主走査方向のみのパワーを有するプラスチックレンズであって、レーザビーム15a〜15dを主走査方向に収束化し、それぞれスポット状の光束とする光学素子である。
第1調整ミラー31A、31B及び第2調整ミラー32A、32Bは、第1シリンドリカルレンズ3A、3Bを透過したレーザビーム15a〜15dをミラー面で反射して、主として主走査方向に沿う平面内でほぼZ字状に折りたたむためのミラーである。
これら第1調整ミラー31A、31B及び第2調整ミラー32A、32Bは、それぞれ例えば、付勢手段とミラー本体を押圧する調整ネジとの組み合わせなどから構成される2軸方向の傾斜角度調整手段(図示略)を備えている。これにより、それぞれのミラー面の姿勢が可変となる。
なお、本実施形態では、この2軸方向は、副走査方向軸回りの回動と、それに直交する主走査方向軸回りの回動とし、それぞれの回動中心を光学系の軸上主光線上に設ける。
そして、第1調整ミラー31A及び第2調整ミラー32A、並びに第1調整ミラー31B及び第2調整ミラー32Bは、それぞれの調整の中立位置において、第1シリンドリカルレンズ3A、3Bから結像位置に向かう軸上主光線を第2調整ミラー32A、32Bから結像位置までの間で、副走査方向に沿う平面上に整列させ、かつそれらが互いに平行となるような位置に配置されている。
分離反射ミラー42は、レーザビーム15cをほぼ副走査方向に向けて折り返して、光路を副走査方向の断面でほぼ三角形状に折りたたむように配置された分離反射ミラー43、44に導き、この分離反射ミラー43、44によりレーザビーム15cがレーザビーム15dと平行な平面内で走査されるように配置されている。
分離反射ミラー45は、レーザビーム15bをほぼ副走査方向に向けて折り返して、光路を副走査方向の断面でほぼ三角形状に折りたたむように配置された分離反射ミラー46、47に導き、この分離反射ミラー46、47によりレーザビーム15bがレーザビーム15c、15dと平行な平面内で走査されるように配置されている。
分離反射ミラー48は、レーザビーム15aをほぼ副走査方向に向けて折り返して、分離反射ミラー48とほぼ平行に配置された分離反射ミラー49に導くものである。そして、分離反射ミラー49は、レーザビーム15aをレーザビーム15b〜15dと平行な平面内で走査されるように配置されている。
そして、副走査方向において、fθレンズ10の結像位置と第1シリンドリカルレンズ3A、3B及び第2シリンドリカルレンズ5A、5Bの結像位置とは光学的に共役の関係となっている。それにより、ポリゴンミラー6の面倒れによる走査線の副走査方向のずれが著しく低減される面倒れ補正光学系を構成している。
同期センサユニット12は、光束を適宜形状に集光・整形して、光検知のS/N比を向上させる同期検知用レンズ51と、同期検知用レンズ51を透過して集光された光束を検知する水平同期センサ52とからなる。水平同期センサ52は、例えばPINフォトダイオードなどの光束応答性を有する光検出センサなどからなる。水平同期センサ52には、光検知出力の発生タイミングを信号化する電気回路を接続され、レーザ走査ユニット1の外部に水平同期信号を出力できるように構成されている。なお、このような電気回路はIC化され、水平同期センサ52の近傍に一体に形成されていてもよい。
まず、レーザ走査ユニット1の外部からポリゴンミラー6を回転駆動する駆動信号を入力し、ポリゴンミラー6を等速回転する。そして、少なくともLDアレイ21Bにより、レーザビーム15dがDC点灯する。
第1シリンドリカルレンズ3Bに入射したレーザビーム15dは、第1シリンドリカルレンズ3Bにより、副走査方向に集光され、第1調整ミラー31B、第2調整ミラー32Bにより光路をZ字状に折り返されて第2シリンドリカルレンズ5Bに入射する。
第2シリンドリカルレンズ5Bに入射したレーザビーム15dは、第2シリンドリカルレンズ5Bにより、主走査方向に集光され、ポリゴンミラー6の反射面近傍で副走査方向に結像され、主走査方向に延びるほぼ線状の光束となる。そして、ポリゴンミラー6により主走査方向に偏向される。
画像形成システムが、黒色印字を行うモードであれば、上記により作像が進められ、モノクロ画像が形成される。
そして、レーザビーム15a〜15cは、ポリゴンミラー6の反射面に入射する直前の光路が第1調整ミラー31A、31B及び第2調整ミラー32A、32Bの作用により、副走査方向に沿う平面上に平行に整列されるため、ポリゴンミラー6に対する入射角が同一となる。そして、fθレンズ10a〜10dに対する走査画角も同一となる。その結果、レーザビーム15a〜15cは、光路分離光学系8、fθレンズ10a〜10dなどの製作誤差、配置誤差などによる相違を除いてほぼ同一の走査特性、有効走査領域を備えるものとなる。
さらに、温度変化に対する保持部材27の焦点ずれ量と、第2シリンドリカルレンズ5A、5B及びfθレンズ10a〜10dの焦点ずれ量とが互いに打ち消しあうように構成されているので、環境変動時の性能変化を抑制できる。
例えば、フルカラー画像形成システムにおいて各色をマルチビーム走査するものに用いてもよく、8つの光源を用いて各色2ビームずつ走査するようにしてもよい。
以下に、数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。図3に表記されたri、ni(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのri、niにそれぞれ対応する。また、面間隔については25℃におけるものを表記しており、屈折率については波長783nmにおけるものを表記している。また、ポリゴンミラー6における入射角と反射角との和であるαは、65°としている。
1 r1 = ∞(光源)
2 r2 = 265 d1 = 18.87
3 非球面[1] d2 = 2 n23= 1.576
4 主走査方向r3a= ∞(平面) d3 = 22
副走査方向r3b= 103
5 r5= ∞(平面) d4 = 3 n3 = 1.511
6 主走査方向r6a= 211 d5 = 157
副走査方向r6b= ∞(平面)
7 r7= ∞(平面) d6 = 3 n5 = 1.503
8 r8= ∞(平面) d7 = 40.48
9 非球面[2] d8 = 144.52
10 非球面[3] d9 = 15 n10= 1.503
11 r11= ∞(平面) d10= 8
12 r12= ∞(平面) d11= 2 n16= 1.511
13 ∞(像面) d12= 156
座標系は、副走査方向をX軸、主走査方向をY軸、光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)をZ軸であり、右手直交座標系となっている。
そして、コリメートレンズ23Bの出射面である面番号3の非球面定義式は、式1に示すようになっている。
また、fθレンズ10dの入射面及び出射面である面番号9、10の非球面定義式は、式2に示すようになっている。
曲率半径 r3 = 12.075
k=-7.6722x10-1
a= 7.8967x10-6 b= 1.8077x10-8 c=-1.2414x10-9 d= 1.6923x10-11
非球面[2]
主走査方向
曲率半径 r9a= 160.449
y>0のとき
k = 0
A4 =-1.6004x10-6 A6 = 1.6687x10-9 A8 =-2.9158x10-13 A10=-7.9890x10-17
A3 =-6.9062x10-7 A5 = 1.5387x10-8 A7 =-3.5950x10-11 A9 = 1.2314x10-15
B4 = 0 B6 = 0 B8 = 0 B10= 0
B3 = 0 B5 = 0 B7 = 0 B9 = 0
y≦0のとき
k =0
A4 = 3.4929x10-7 A6 = 7.1298x10-10 A8 = 2.1438x10-13 A10= 3.0461x10-18
A3 =-9.6570x10-6 A5 =-2.6498x10-8 A7 =-1.5641x10-11 A9 =-1.4091x10-15
B4 = 0 B6 = 0 B8 = 0 B10= 0
B3 = 0 B5 = 0 B7 = 0 B9 = 0
副走査方向
曲率半径 r9b=-135.335
非球面[3]
主走査方向
曲率半径 r10a= 257
y>0のとき
k = 0
A4 =-1.5010x10-6 A6 = 2.0157x10-9 A8 =-2.0990x10-13 A10=-6.8089x10-17
A3 =-9.1236x10-7 A5 = 4.4772x10-9 A7 =-4.0528x10-11 A9 = 1.0677x10-14
B4 = 8.7154x10-8 B6 =-3.0748x10-10 B8 = 7.6960x10-14 B10= 1.0350x10-17
B3 =-3.8363x10-6 B5 = 6.2140x10-9 B7 = 2.8536x10-12 B9 =-1.7861x10-15
y≦0のとき
k = 0
A4 = 8.7154x10-8 A6 =-3.0748x10-10 A8 = 7.6960x10-14 A10= 1.0350x10-17
A3 =-3.8363x10-5 A5 = 6.2140x10-9 A7 = 2.8536x10-12 A9 =-1.7861x10-15
B4 = 8.6452x10-8 B6 =-1.5609x10-10 B8 = 8.6804x10-14 B10= 7.3001x10-18
B3 =-3.6210x10-6 B5 = 3.7587x10-9 B7 =-2.2218x10-13 B9 =-1.4269x10-15
副走査方向
曲率半径 r10b=-32.021
なお、第1シリンドリカルレンズ3Bは、ガラスレンズであるため、温度変化に対する焦点距離の変化量が無視できるものとしている。
ここで、保持部材27の熱膨張係数を3.7×10−5とすると、LDアレイ21Bの出射面とコリメートレンズ23Bとの距離の変化量は、2.4×10−2[mm]となる。また、第2シリンドリカルレンズ5Bの主走査方向、fθレンズ10dの主走査方向及び副走査方向の数値データは、以下の表2に示すようになっている。
以上より、LDアレイ21Bの波長変化による光学系全体の焦点ずれ量と、LDアレイ21Bの出射面及びコリメートレンズ23Bの距離変動による光学系全体の焦点ずれ量と、第2シリンドリカルレンズ5Bの焦点変動による光学系全体の焦点ずれ量と、fθレンズ10dの焦点変動による光学系全体の焦点ずれ量とは、それぞれ主走査方向及び副走査方向において以下の表3に示すようになった。
なお、各数値において、+は上述した軸上主光線であるZ軸の正方向と同じである。
2 マルチビーム光源
3A、3B 第1シリンドリカルレンズ(第1集光素子)
5A、5B 第2シリンドリカルレンズ(第2集光素子)
6 ポリゴンミラー(光偏向手段)
10a〜10d fθレンズ(単玉プラスチックfθレンズ)
21A、21B LDアレイ(半導体レーザアレイ)
23A、23B コリメートレンズ
27 保持部材
Claims (2)
- 収束光を走査線上に繰り返し走査する光走査装置であって、
少なくとも2つの平行光束を出射するマルチビーム光源と、
該光源から出射された各々の平行光束を副走査方向に各々集光する少なくとも2つの第1集光素子と、
前記各々の平行光束を主走査方向に各々集光する少なくとも2つの第2集光素子と、
該第1及び第2集光素子により集光された光束を主走査方向に偏向する光偏向手段と、
前記第1集光素子と前記第2集光素子との間に配置され、各々の第1集光素子の出射光を反射して前記光偏向手段に照射される光の各々の経路を変更するために、2軸方向の傾斜角度調整手段を各々備える第1及び第2調整ミラーを有する光路変更手段と、
前記光偏向手段により偏向された各々の光束を前記走査線上に各々収束させる少なくとも2つの単玉プラスチックfθレンズと、を備え、
前記光源は、半導体レーザ、コリメートレンズ及びこれらを保持する保持部材によって構成され、
温度変化時において、前記保持部材の熱収縮によって発生する半導体レーザの出射面とコリメートレンズ間との距離変動による焦点ずれ量は、前記半導体レーザの波長変化による焦点ずれ量と、前記第2集光素子の焦点距離変化による焦点ずれ量と、前記単玉プラスチックfθレンズの焦点距離変化による焦点ずれ量とで互いに反対符号の値によって相殺され、
温度変化時において、前記半導体レーザの波長変化による焦点ずれ量と、前記保持部材の熱収縮による焦点ずれ量と、前記第2集光素子の焦点距離変化による焦点ずれ量と、前記単玉プラスチックfθレンズの焦点距離変化による焦点ずれ量とのすべてを加算した量が、±2mm以内であることを特徴とする光走査装置。 - 前記第1集光素子がガラスレンズであると共に、
前記第2集光素子がプラスチックレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
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