JP4498548B2 - Manufacturing method of decorative board - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具並びに各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧等に用いる表面化粧用として利用させれる化粧シートを用いて化粧ボードを製造するときの、加熱プレス方式による連続的製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の内装や家具、キャビネット等の装飾用の材料として、メラミン化粧板、ダップ化粧板、ポリエステル化粧板、プリント合板、塩化ビニル化粧板等の各種化粧材が用いられている。
特に、建築物の内装や家具、キャビネット等の表面装飾に、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等の物性が要求される化粧材として、メラミン樹脂化粧板が用いられてきた。
メラミン樹脂化粧板は絵柄を印刷したチタン紙に未硬化のメラミン樹脂を含浸し、更に未硬化のメラミン樹脂を含浸したオーバーレイ紙を表面に、また、裏面にフェノール樹脂を含浸したコア紙を積層した上で、加熱、加圧(熱プレス)して、各層の含浸した未硬化の樹脂を硬化させ、且つ各層を一体化させてなるものである。
【0003】
しかし、メラミン樹脂化粧板は価格が高く、又可撓性に乏しいという欠点も有しているので、より低価格で可撓性を必要とする場合には、化粧材として、紙を基材とする化粧材(化粧シート)が用いられてきた。
かかる化粧シートとしては、基材シートの片面に絵柄層又はベタ印刷層等の印刷インキ層を設け、このインキ層を保護するために、トップコート層として、熱硬化型のウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等を塗布し、熱乾燥、熱硬化させて硬化した熱硬化性樹脂層を形成するもの、又はトップコート層として電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射して塗膜を硬化して、表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂層を形成するものがある。
特に、架橋密度の高い電離放射線硬化性樹脂を用いて硬化した電離放射線硬化性樹脂層は、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等の物性に優れたものである。
【0004】
上記の如く表面保護層として硬い樹脂を使用することで、確かに表面硬度が高く耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性も保持した上で価格も下がり且つ可撓性は向上する。
また、可撓性が向上するため、化粧シートを連続帯状のシートとして連続的に量産し、巻き取ることにより、保管、搬送も容易となる。且つ該化粧シートは曲面部への化粧も可能となる。
しかし、基材として、厚みの薄い紙やプラスチックシートのような可撓性、柔軟性を有する基材を使用する場合は、樹脂の架橋密度を高くすると樹脂層の可撓性、柔軟性が損なわれて、巻き取ったり、或いは曲面部に貼着する際に、表面樹脂層が衝撃によって割れたり、亀裂が発生し易くなる等の問題が生じる。
また、化粧シートを巻き取り状で製造し、該化粧シートが曲面部分にも貼着できる程度に、可撓性、柔軟性を上げるには、表面樹脂の架橋密度を低下させる必要があり、表面保護層の硬度も低下するので、化粧シートを巻き取り状で生産する場合には、耐摩耗性等の物性には限界があった。
【0005】
そのため、表面保護層の可撓性、柔軟性を低下させずに耐摩耗性を改良する方法として、可撓性、柔軟性を有するが、表面硬度等の物性が低い低架橋密度の樹脂を用いて、これに高硬度の無機粒子を添加することにより、表面硬度の不足を補う方法が従来から行われている。
例えば、特開昭60ー23642号公報には、サンドブラスト法やブラシ研磨法等の研磨剤として使用されている平均粒径が1〜50μmのシリカ(SiO2 )及びアルミナ(Al2 O3 )を主成分とする天然ガラスの粉末を配合した塗料を用いて、表面樹脂層を形成することが開示されている。
上記塗料によって形成された表面保護層は、従来品に比べて、硬度が硬く、耐摩耗性等の物性も良好で、且つ可撓性、柔軟性も両立して有しており、優れた物性を有するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、表面に電離放射線硬化性樹脂層を形成した化粧シートを中密度繊維板(以下MDFと略記する)、パーチクルボード等の木質板にラミネートした化粧板は、メラミン樹脂化粧板に比較して耐擦傷性、衝撃による耐陥没性、耐シガレット性(火のついた煙草や熱い煙草の灰に対する耐性を示す)が劣っており、これらの性能を向上させることが望まれている。
【0007】
メラミン化粧板を製造する方法として、一般的には、半硬化のメラミン樹脂を含浸した化粧シートとパーティクルボード等の木質板を重ねて、高圧メラミン化粧板の場合は多段プレスにより加熱、加圧し、低圧メラミン化粧板の場合はショートサイクルプレスで加熱、加圧して化粧板を製造する。
そのため、化粧板の表面に絵柄に同調したエンボス模様を形成して高意匠性を付与することは非常に困難である。
また、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板いずれの場合も、化粧シートは木質板のサイズに合わせて枚葉に断裁する必要がある。
しかし、表面保護層として硬化した電離放射線硬化性樹脂層を形成した化粧シートの場合、枚葉に断裁したとき、カールが生じ易いので、カールなしの枚葉の化粧シートを得ることは非常に困難であるので、高圧メラミン化粧板や低圧メラミン化粧板のように、枚葉の化粧シートを用いる化粧板の製造には適さない。
そのため、メラミン化粧板に匹敵する表面物性を有し、同調エンボス等による高意匠性を付与でき、且つ巻取状の化粧シートを用いて製造できる生産性に優れた化粧板の製造方法が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、化粧ボードの製造方法を以下のようにした。繊維質基材に未硬化の架橋型樹脂を含浸させ、加熱により未硬化の架橋型樹脂を半硬化の状態とした後、前記繊維質基材の表面に絵柄層を印刷形成し、前記絵柄層の上に未硬化の電離放射線硬化性樹脂をコーティングし電離放射線を照射して未硬化の電離放射線硬化性樹脂を硬化させてなる透明な保護層を設けた化粧シートの裏面を木質板の片面又は両面に接するように重ね合わせ、加熱プレス方式により連続的に積層することを特徴とする化粧ボードの製造方法とした。また、前記架橋型樹脂が、アクリル成分を含むメラミン樹脂からなることを特徴とする化粧ボードの製造方法とした。
【0010】
本発明の化粧ボードの製造方法は、先ず、紙又は不織布等の繊維質基材に未硬化の架橋型樹脂(熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂)を塗布して繊維質基材に未硬化の架橋型樹脂を含浸し、次いで、加熱により架橋型樹脂を架橋、硬化させて半硬化の状態にする。
即ち、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材がベトツキやブロッキングがしない程度に架橋型樹脂を硬化させるが、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材が可撓性や柔軟性を失わず、巻き取り状態で取り扱えるように半硬化の状態で留める。
尚、架橋型樹脂に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、紫外線又は電子線等の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を半硬化の状態にする。
【0011】
次に、前記半硬化の架橋型樹脂を含浸した繊維質基材の表面に、印刷等により絵柄層を形成した後、その絵柄層の上に電離放射線硬化性樹脂をコーティングし、これに電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を架橋、硬化せしめて表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂からなる透明な保護層を形成して化粧シートを作製する。
以上のように作製した巻き取り状の化粧シートを、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスができる装置を用いて、MDF(中密度繊維板)やパーチクルボード等の木質板の表面に連続的に加熱、加圧して接着することにより、化粧シートの半硬化の架橋型樹脂を完全に架橋、硬化して、硬度の高い表面保護層を形成した化粧ボード(化粧板)を作製する。
【0012】
本発明において、化粧シートは可撓性、柔軟性があるため巻取から連続的に供給されるので、従来の高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板に比較して、生産スピードが格段に向上する。また、MDFやパーチクルボードに曲面部分がある場合でも連続的に効率よく貼着することができる。
得られた化粧ボードは硬化した架橋型樹脂(例えば硬度の硬いメラミン樹脂)が含浸した繊維質基材の上に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層が形成されているので、化粧ボードの表面は硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなり、メラミン化粧板に匹敵する表面物性を有するようになる。
【0013】
また、本発明の化粧ボードの製造方法には、前記の化粧シートの他に以下のような化粧シートも使用することができる。
即ち、繊維質基材として薄紙等の比較的薄いものを用いて、その薄紙に絵柄層と硬化した電離放射線硬化性樹脂層を形成して印刷シートを作製し、その印刷シートの裏面(薄紙の面)に、前述のように、未硬化の架橋型樹脂を塗布し、直ちに加熱により未硬化の架橋型樹脂を架橋、硬化して、半硬化の架橋型樹脂層を形成して化粧シートとする。
上記のように、薄紙に未硬化の架橋型樹脂を塗布したとき、薄紙には未硬化の架橋型樹脂が浸透し、薄紙の中で加熱により半硬化の状態になるので、化粧シートは半硬化の架橋型樹脂を含浸した薄紙の表面に絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層が形成され、裏面には半硬化の架橋型樹脂層が形成された状態となる。
【0014】
上記化粧シートは裏面の架橋型樹脂が半硬化の状態であるため、加熱プレスにより、MDF(中密度繊維板)やパーチクルボード等の木質板に接着剤なしで連続的に積層することができる。
また、上記化粧シートを加熱プレスにより、木質板に接着することにより、化粧シートの半硬化の架橋型樹脂は加熱、加圧の際に、溶融した架橋型樹脂は薄紙に浸透し、薄紙の中で架橋、硬化するので、得られた化粧ボードの表面は硬化した架橋型樹脂が含浸された薄紙の上に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層が形成された状態となり、硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の化粧ボードの製造方法の概要を示した模式図である。
図2は本発明の製造方法により作製した化粧ボードの一例を示した模式断面図である。
図3は本発明の製造方法により作製した別の態様の化粧ボードの模式断面図である。
図4は化粧ボードの製造に用いる化粧シートの一例を示した模式断面図である。
図5は化粧ボードの製造に用いる別の態様の化粧シートの模式断面図である。
図6は化粧ボードの製造に用いる更に別の態様の化粧シートの模式断面図である。
図7は化粧ボードの製造に用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
図8は化粧ボードの製造に用いる木質板の模式断面図である。
図9は本発明の化粧ボードの製造方法により化粧ボードを製造するときの説明図である。
図10は実施例1により化粧ボードを製造するときの説明図で、それに用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
図11は実施例1により化粧ボードの製造するときの説明図で、それに用いるMDFの模式断面図である。
図12は実施例1により化粧ボードの製造するときの説明図で、化粧シートとMDFを用いて化粧ボードを連続的に製造するときの説明図である。
図13は実施例2により化粧ボードを製造するときの説明図である。
【0017】
本発明の化粧ボードの製造方法は、基本的には、半硬化の架橋型樹脂を含浸した紙等の繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂からなる透明な保護層を設けた化粧シート2の裏面を、図1に示すように、ダブルベルトプレス装置20等の連続的に加熱プレスできる装置を用いて、MDF(中密度繊維板)、パーチクルボード等の木質板3の表面(又は両面)に連続的に加熱プレスして接着することにより、化粧ボード1を連続的に低コストで製造する方法である。
そして、木質板3の表面に化粧シート2を加熱プレスして接着することにより、図4に示すように、化粧シート2の繊維質基材11に含浸した半硬化の架橋型樹脂12aを架橋、硬化させて、木質板3の表面に、図2に示すように、硬化した架橋型樹脂12を含浸した繊維質基材11の上に、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14を形成した状態にして、硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れた保護層を形成した化粧ボード1を作製するものである。
【0018】
本発明の化粧ボードの製造方法は、図1に示すように、ダブルベルトプレス装置20を用いて、化粧シート2を巻取から繰り出して木質板3に連続的にラミネートするため、化粧シート2は枚葉に断裁する必要がなくなるので、従来の高圧メラミン化粧板や低圧メラミン化粧板に比較して、生産性が格段に向上する。
また、高圧メラミン化粧板のように化粧シート表面に高圧がかからないので、化粧シートとして、表面に電離放射線硬化性樹脂を用いて絵柄に同調したエンボス模様等を形成した化粧シートを使用することができる。そのため、化粧ボード表面に意匠性の高い絵柄模様を形成することができる。
【0019】
以上説明したように、本発明の化粧ボードの製造方法によって作製された化粧ボード1は、図2に示すように、木質板3の表面に、硬化した架橋型樹脂12が含浸した繊維質基材11、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14が積層された構成となる。
即ち、繊維質基材11に含浸している半硬化の架橋型樹脂は、加熱により完全に架橋、硬化して硬度が非常に硬くなっているで、木質板3の表面は高圧メラミン化粧板に匹敵する物性が得られる。
従って、得られた化粧ボードは硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れた表面保護層を有するものとなる。
【0020】
また、本発明の化粧ボードの製造方法によって、図3に示すように、木質板3の表面に、硬化した架橋型樹脂層15、繊維質基材11、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14が積層された別の態様の化粧ボード1を作製することもできる。
即ち、化粧シート2として、図5に示すように、繊維質基材11の表面に絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14を設け、裏面に半硬化の架橋型樹脂層15aを形成した化粧シート2を用いて、前述と同様に、木質板3の表面に加熱プレスすることにより、繊維質基材11の裏面の半硬化の架橋型樹脂層15aは加熱により架橋、硬化して、図3に示すように、硬化した架橋型樹脂層15となり硬度の高い架橋型樹脂層が形成された化粧ボード1となる。
【0021】
それと同時に、繊維質基材11の裏面の半硬化の架橋型樹脂層15aは加熱プレスにより、繊維質基材11の中にも浸透して硬化するので、繊維質基材11は硬度の高い硬化した架橋型樹脂を含浸した状態になる。
そのため、硬化した電離放射線硬化性樹脂層14及び絵柄層13の下には硬度の高い架橋型樹脂層が形成されることになり、前述と同様に、木質板3の表面は硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れた表面保護層を有するようになる。
【0022】
本発明の化粧ボードの製造方法は、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスができる装置を用いて、木質板に化粧シートを連続的に積層する方法が採られるため、化粧シートとしては可撓性、柔軟性を有し、巻き取り状で生産できる化粧シートが使用される。
以下に、その代表的な化粧シートについて説明する。
基本的な化粧シートとしては、図4に示すように、半硬化の架橋型樹脂12aを含浸した紙等の繊維質基材11に絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂13を形成したものである。
即ち、紙等の繊維質基材11に未硬化の架橋型樹脂を塗布し、繊維質基材11に未硬化の架橋型樹脂を含浸した後、加熱等により未硬化の架橋型樹脂を架橋、硬化させるが、架橋型樹脂を完全に硬化せずに、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材11がベトツキやブロッキングがしない程度の半硬化の状態に留めて、化粧シートを帯状の巻き取り形状で生産できるようにする。
【0023】
次に、前記半硬化の架橋型樹脂112aを含浸した繊維質基材11の表面に、印刷等により木目柄等の絵柄層13を設けて印刷シートを作製する。
次いで、図4に示すように、その絵柄層13の上に電離放射線硬化性樹脂を塗布し、直ちに、電子線や紫外線等の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を架橋、硬化せしめて、絵柄層13の上に硬化した電離放射線硬化性樹脂層14からなる保護層を形成して化粧シート2を作製する。
以上のように絵柄層13の上に硬化した電離放射線硬化性樹脂層14からなる保護層を形成することにより、絵柄層が繊維質基材から剥離することがなくなると共に、化粧シート表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性等が付与される。
得られた化粧シートは繊維質基材11に含浸した架橋型樹脂が半硬化の状態であり、可撓性、柔軟性があるため、化粧シートを巻き取り状で保管してもブロッキングしたり、表面に白化や亀裂が生じることもない。
【0024】
そして、以上のように作製した化粧シート2は、図1に示すように、MDFやパーティクルボード等の木質板3の表面(又は両面)に、加熱、加圧により連続的に接着することにより、化粧シート2の半硬化の架橋型樹脂12aを完全に硬化せしめて、前述のように、化粧ボード1の表面に耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性を付与するものである。
また、上記化粧シートは可撓性、柔軟性があるため、木質板3に曲面部がある場合でも、連続的に積層することができると共に、曲面部に積層した化粧シートの表面に白化や亀裂が発生することもない。
【0025】
また、化粧シートの別の態様として、図5に示すように、前述と同様に、繊維質基材11の表面に、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14を設けた後、繊維質基材11の裏面に未硬化の架橋型樹脂を塗布し、これを加熱等により架橋、硬化せしめて半硬化の状態にして、半硬化の架橋型樹脂層15aを形成して化粧シート2とする。
得られた化粧シートは、前述と同様に、可撓性、柔軟性があるため、化粧シートを巻き取り状で保管してもブロッキングしたり、表面に白化や亀裂が生じることがない。
【0026】
次に、化粧シート2は、前述と同様に、木質板3の表面に、加熱、加圧により連続的に接着することにより、化粧シート2の半硬化の架橋型樹脂層15aの一部の架橋型樹脂は繊維質基材11に浸透して硬化するので、繊維質基材11は硬化した架橋型樹脂が含浸した状態になる。
更に、半硬化の架橋型樹脂層15aの繊維質基材11に浸透した残りの架橋型樹脂は加熱により架橋、硬化するので、木質板3の表面には、図3に示すように、硬化した架橋型樹脂層15、繊維質基材11(硬化した架橋型樹脂を含浸している)、絵柄層13、及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14が積層された状態になり、化粧ボード1の表面は耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなる。
【0027】
更に化粧シートの別の態様として、図6に示すように、印刷用基材シートとしてアクリル樹脂やウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂16を含浸した繊維質基材11を用いて、この熱可塑性樹脂16を含浸した繊維質基材11の表面に、前述と同様に、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14を設けた後、熱可塑性樹脂16を含浸した繊維質基材11の裏面に、半硬化の架橋型樹脂層15aを形成して化粧シート2を作製する。
得られた化粧シートは繊維質基材11に熱可塑性樹脂が含浸しているため、図4及び図5に示した化粧シートに比較して可撓性、柔軟性に優れている。
そのため、曲面を有する木質板表面でも接着不良等の問題を生じることなく連続的に積層することができる。更に、その曲面部分に接着した化粧シートの表面に白化や亀裂が発生することもない。
上記化粧シートは、前述と同様に、木質板3の表面に、加熱、加圧することにより、木質板3の表面に耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性を付与することができる。
【0028】
また、印刷用基材シートとして、上記の熱可塑性樹脂の代わりに、半硬化又は硬化した架橋型樹脂(熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂)を含浸した繊維質基材を用いて、上記と同様に化粧シートを作製する場合がある。
この場合、得られた化粧ボードの表面には、より厚い硬化した架橋型樹脂層が形成されるので、高い表面硬度が得られ、耐陥没性、耐シガレット性に優れた化粧ボードとなる。
【0029】
以下に、本発明の化粧ボードの製造方法について工程順に説明する。
先ず、図7(a)に示すように、繊維質基材11として、含浸性のある紙、合成紙、不織布等を用いて、この繊維質基材11に、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂等の未硬化の架橋型樹脂を塗布、又は未硬化の架橋型樹脂に繊維質基材11を浸漬して、繊維質基材11に未硬化の架橋型樹脂を含浸し、次いで、未硬化の架橋型樹脂を含浸した繊維質基材11を加熱又は電離放射線を照射して未硬化の架橋型樹脂を架橋、硬化させるが、架橋型樹脂を完全に硬化せずに、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材11がベトツキやブロッキングがしない程度の半硬化の状態に留めて、繊維質基材11は半硬化の架橋型樹脂12aを含浸した状態にする。
この半硬化の架橋型樹脂12aを含浸した繊維質基材11は可撓性、柔軟性があるので、帯状の巻き取り形状で印刷、コーティング等がきるようになる。
【0030】
次に、前記半硬化の架橋型樹脂12aを含浸した繊維質基材11の表面に、図7(a)に示すように、グラビア印刷等により木目柄等の絵柄層13を形成して印刷シート4を作製する。
次いで、図7(b)に示すように、印刷シート4の絵柄層13側に、電離放射線硬化性樹脂脂を塗布して未硬化の電離放射線硬化性樹脂層14aを形成し、この未硬化の電離放射線硬化性樹脂層14aの上から、直ちに、電子線や紫外線等の電離放射線17を照射して、未硬化の電離放射線硬化性樹脂層14aを架橋、硬化させて、図7(c)に示すように、表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂層14からなる保護層を形成して化粧シート2を作製する。
【0031】
印刷シート4の表面に前記硬化した電離放射線硬化性樹脂層14からなる保護層を形成することにより、絵柄層が繊維質基材から剥離することがなくなると共に、化粧シート表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性等が付与される。
また、硬化した電離放射線硬化性樹脂層14にアルミナやシリカ等の無機質のフィラーを添加することにより、更に、耐熱性、耐摩耗性、耐陥没性、耐シーガレット性等を向上させることもできる。
一方、図8に示すように、化粧ボードを製造するために化粧ボードの基材となる木質板3としてMDF(中密度繊維板)やパーティクルボード等を用意する。
【0032】
次に、本発明の化粧ボードの製造方法には、図9(a)に示すように、ダブルベルトプレス装置20のような化粧シート2と木質板3を連続的に、加熱、加圧して接着できる装置が用いられる。
ダブルベルトプレス装置20は、図9(a)に示すように、上側ローラ21と下側ローラ22の外側に、それぞれステンレス製、又は耐熱ゴム等からなるエンドレスの上側ベルト23と下側ベルト24が取り付けられており、化粧シート2と木質板3を重ねて上下のベルト23と24の間を通すことにより、連続的に加熱、加圧できる装置である。
即ち、上側ローラ21は加熱しながら回転できるようになっており、上側ローラ21を所定の温度に加熱することにより、それに接する上側ベルト23が加熱されて所定の温度に維持されるようになっている。
また、下側ローラ22は回転しながら上下に移動できるようになっており、下側ローラ22を上昇させることにより、上下のロール間に圧力が加わり、上下のベルト23及び24に挟まれた化粧シート2と木質板3が加圧される。
尚、ダブルベルトプレス装置20は、下側のローラを固定し、上側のローラを上下に移動できるようにして、化粧シート2と木質板3を加熱、加圧することもある。
【0033】
従って、図9(b)に示すように、所定の温度に加熱された上側ベルト23と下側ベルト24の間に、木質板3の上に化粧シート2をを重ねて通し、下側ローラ22を上昇させて、上側ローラ21と下側ローラ22を加圧することにより、化粧シート2は加熱、加圧されて木質板3の上に接着される。
このように、化粧シート2を加熱、加圧することにより、化粧シート2の繊維質基材11に含浸している半硬化の架橋型樹脂12aは架橋、硬化されて硬化した架橋型樹脂となり、図9(c)に示すように、木質板3の表面には硬化した架橋型樹脂12を含浸した繊維質基材11、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14が積層された化粧ボード1となる。
【0034】
本発明においては、図9(b)に示すように、ダブルベルトプレス装置20の上下のベルト23と24の間に、巻き取りから供給された化粧シート2を木質板3の上に重ねて通すことにより、化粧シート2は加熱、加圧されて木質板3の表面に接着するので、化粧ボード1を連続的に生産することができる。
即ち、巻き取りから供給された化粧シート2の下に木質板3を連続的に供給することにより、化粧ボードは連続的に効率よく生産される。
そのため、従来の高圧メラミン化粧板のように基材の木質板の大きさに合わせて化粧シートを断裁し、その化粧シートを木質板の上に重ね合わせる等の作業が不要になるので、生産能率が向上し生産コストを大幅に低減することがでる。
得られた化粧ボード1は、図9(c)に示すように、木質板3の表面に硬化した架橋型樹脂12を含浸した繊維質基材11が積層されて硬度の高い層になっており、その上に絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14が形成されているので、従来の高圧メラミン化粧板に匹敵する物性を有し、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなる。
【0035】
本発明に使用される化粧シートの繊維質基材11としては、紙、合成紙、不織布等のシート状のものが用いられる。
繊維質基材に用いられる紙としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、上質紙、コート紙、パーチメント紙、和紙等が挙げられる。
また、紙類似シートとしては、ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維、等の無機繊維質のシート状のもの、ポリエステル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維からなる不織布又は織布等が使用される。
【0036】
また、繊維質基材として用いられる不織布としては、セルロース系繊維又は無機繊維からなる不織布が使用される。
セルロース系繊維からなる不織布としては、綿、レーヨン、パルプ等の繊維を公知の湿式法又は乾式法で製造した不織布が使用される。
例えば、綿はニードルパンチング法、スパンレース法、その他多くの方法で製造されたもの、レーヨンはケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、パルプは主として湿式法で製造されたものが使用される。
また、無機繊維からなる不織布としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維を主として湿式法で製造したものが使用される。
【0037】
繊維質基材11には、印刷等により絵柄層13が形成される。また、絵柄層を設ける前に、基材表面にベタ印刷層を設ける場合がある。
絵柄層としては、印刷による印刷模様、エンボス加工によるエンボス模様、ヘアライン加工による凹凸模様等があり、更に、凹凸模様の凹部に公知のワイピング加工法によって着色インキを充填して絵柄層を形成することもできる。
印刷絵柄層としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ印刷等がある。
全面ベタ印刷の隠蔽層は化粧シートを貼付する木質板の表面状態によって省略されることがある。
【0038】
絵柄印刷のインキとしては、基材の材質や形態によって異なるが、一般的には、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、硝化綿、酢酸セルロース、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の単独又は2種以上の樹脂を混合したものをビヒクルとし、これと通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、硬化剤、添加剤、溶剤等からなるインキが使用される。
【0039】
着色剤として、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、バンザイイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。
また、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。添加量は通常5〜60重量%である。
【0040】
絵柄の印刷としては、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等通常の印刷方式が使用できる。
もしくは、別に離型性シート上に一旦絵柄模様を形成して転写シートを作成し、得られた転写シートからの転写印刷方式によって印刷模様を転写して設けてもよい。
印刷模様の代りに、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を真空蒸着、スパッタリング等によって、基材に、金属薄膜を全面又は部分的に形成して絵柄層とすることもできる。
【0041】
本発明に用いられる化粧シート2の保護層として形成される硬化した電離放射線硬化性樹脂層14は、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工した後、その塗膜に電子線や紫外線などの電離放射線を照射して塗膜を硬化させたものである。
電離放射線硬化性樹脂は架橋密度によって硬化塗膜の物性が変化するので、化粧シートの用途に応じて電離放射線硬化性樹脂を選定する必要がある。
電離放射線硬化性樹脂は架橋密度が高くなるほど硬化塗膜の硬度が高くなり、耐摩耗性は向上するが、柔軟性は低下する。そのため、柔軟性があり且つ耐摩耗性に優れた表面塗膜を得るには、電離放射線硬化性樹脂に球状のアルミナ等のフィラーを添加して、フィラーによって耐摩耗性を向上させる場合がある。
【0042】
本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に重合不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有するプレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した組成物で、電離放射線により硬化可能なものが用いられる。
尚、ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線の中で、分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、電子線又は紫外線が用いられる。
【0043】
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオール基を2個以上有する単量体、又はプレポリマーからなるものである。
これら、単量体、又はプレポリマーは単体で用いるか、又は数種類混合して用いる。
尚、ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いており、以下(メタ)は同様の意味で用いるものとする。
【0044】
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用できる。
分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。
【0045】
ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0046】
カチオン重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂が挙げられる。
チオール基を有する単量体の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等がある。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0047】
以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2種以上混合して用いるが、電離放射線硬化性樹脂に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
【0048】
単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。又、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上の(メタ)アクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整することも出来る。
【0049】
電離放射線硬化性樹脂として紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0050】
上記電離放射線硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を添加する場合がある。これらの添加剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からなる体質顔料(充填剤)、染料、顔料等の着色剤等がある。
【0051】
電離放射線硬化性樹脂のコーティング法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコートによるベタコート、ワイヤーバーコート、コンマコート、スプレーコート、フロートコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。その中でもグラビアコートが好ましい。
【0052】
電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放射線照射装置としては、紫外線照射装置や電子線照射装置が用いられる。
紫外線照射装置としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては、通常、190〜380nmの波長領域が主として用いられる。
電子線照射装置としては、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が用いられる。
【0053】
そして、電子線を照射する場合、加速電圧100〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300kGy(キログレイ)程度である。吸収線量が1kGy未満では、塗膜の硬化が不十分となり、又、照射量が300kGyを超えると硬化した塗膜及び繊維質基材が黄変したり、損傷したりする。
また、紫外線照射の場合、その照射量は50〜1000mJ/cm2 の範囲 が好ましい。
紫外線照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化が不十分となり、また、照射量が1000mJ/cm2 を超えると硬化した塗膜が黄変したりする。
また、電離放射線の照射方法として、先ず紫外線を照射して電離放射線硬化性樹脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以上に硬化させ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全に硬化させる方法もある。
【0054】
本発明に用いる化粧シートの架橋型樹脂としては、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂が使用される。電離放射線硬化性樹脂としては前記保護層に用いられたものが使用される。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用される。
これらの樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加して塗料として用いる。
通常、硬化剤としては、有機スルホン酸塩が不飽和ポリエステル系樹脂に、イソシアネートが不飽和ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂に、アミンがエポキシ樹脂に、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル系樹脂に多く使用される。
【0055】
イソシアネートとしては、二価以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートを使用できるが、熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。
具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の硬化方法としては、硬化反応を促進するために、必要に応じて加熱することがある。
例えば、イソシアネート硬化型不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン硬化型ポリウレタン系樹脂の場合は40〜60℃で1〜5日間、ポリシロキサン樹脂の場合は80〜150℃で1〜30分、メラミン樹脂は90〜160℃で30秒〜3分、程度加熱する。
本発明においては、耐熱性、耐汚染性があり、硬度の硬いメラミン樹脂が好適である。
【0056】
メラミン樹脂はメラミン(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)とホルムアルデヒドの付加縮合によって得られる熱硬化性樹脂である。
透明で硬度が高く、着色性、耐熱性、耐汚染性に優れているため、化粧板、成形材料、塗料等幅広い用途をもっている。
また、メラミン樹脂にはアクリル成分をブレンドすることにより、半硬化のメラミン樹脂を含浸した化粧シートをパーチクルボード等の被着体に接着するまでの見掛け上のライフを延ばすことがある。
アクリル成分としては、モノマー、オリゴマー、ポリマー等を用いることができる。また、添加量は3〜16重量%程度である。
【0057】
モノマーの例としては、単官能モノマーでは、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマーでは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0058】
また、ポリマーの例としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂が挙げられる。
【0059】
本発明により作製した化粧ボードは、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いることができる。
例えば、化粧シートをパーチクルボード、MFD等の木質基材に積層した化粧ボードは、壁、天井、床等の建築物の内装、家具又は弱電・OA機器のキャビネット等に利用できる。
本発明に用いる木質板としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
【0060】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
繊維質基材として、坪量45g/m2 のチタン紙11a(三興製紙(株)製「EBT」)を用いて、これに未硬化のメラミン樹脂(日産化学(株)製「M−700」)を三本ロールコート方式にて塗布量50g/m2 でコーティングし、チタン紙11aに未硬化のメラミン樹脂を含浸させた。
次いで、120℃のフロードライヤーにて1.5分間加熱してメラミン樹脂をタックフリー及び巻取状態でブロッキングがしない程度に硬化し、図10(a)に示すように、半硬化のメラミン樹脂12bをチタン紙11aに含浸した状態にした。
【0061】
次に、図10(a)に示すように、前記半硬化のメラミン樹脂12bを含浸したチタン紙11aの表面に、グラビア印刷により木目柄を印刷して絵柄層13を形成して印刷シート4を作製した。
次いで、図10(b)に示すように、半硬化のメラミン樹脂12bを含浸したチタン紙11aの絵柄層13の上に、下記の電子線硬化性樹脂(A)を用いて、ロールコート方式にてコーティングして未硬化の電子線硬化性樹脂層14bを形成し、直ちに電子線照射装置を用いて、加速電圧175keVにて、吸収線量が50kGy(キログレイ)になるように電子線17aを照射して未硬化の電子線硬化性樹脂を硬化させて、塗布量10g/m2 の硬化した電子線硬化性樹脂層14cを形成して、図10(c)に示すような化粧シート2を、幅920mm、長さ2000mの巻き取り状態で作製した。
【0062】
電子線硬化性樹脂(A)の組成
・ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート 70重量部
・トリメチロールプロパン変性トリアクリレート 29重量部
・両末端メタクリレート変性シリコーン 1重量部
【0063】
一方、図11に示すように、木質板として、長さ1800mm、幅900mm、厚さ30mmのMDF3a(中密度繊維板)を用意した。
次に、図12(a)に示すように、上記MDF3aの上に、巻き取りから繰り出した化粧シート2を、半硬化のメラミン樹脂12bを含浸したチタン紙11aの面がMDF3aに接するように重ね合わせ、図11(b)に示すように、ダブルベルトプレス装置20の上下のベルト23と24の間を通して、化粧ボード1を作製した。
【0064】
前記ダブルベルトプレス装置20は、図12(b)に示すように、上側ローラ21と下側ローラ22の外側に耐熱ゴム等からなるエンドレスの上側ベルト23と下側ベルト24が取り付けられており、化粧シート2とMDF3aを重ねて上下のベルト23と24の間を通すことにより、連続的に加熱、加圧できる装置を使用した。
即ち、上側ローラ21は120〜170℃の範囲で加熱しながら回転できるローラを用い、また、下側ローラ22は回転しながら上下に移動できるもので、下側ローラ22を上昇させることにより、上下のロール21と22間に20〜80kg/cm2 の圧力がかけられ、ラインスピードが15〜25m/分で化粧ボードを製造できるダブルベルトプレス装置20を用いた。
【0065】
次に、上記ダブルベルトプレス装置20の上側ベルト23の表面温度を150℃、上側ロール21と下側ロール22の圧力を40kg/cm2 、ラインスピードを20m/分に設定して、化粧ボード1を製造した。
即ち、図12(b)に示すように、化粧シート2を巻取から繰り出して、半硬化のメラミン樹脂12bを含浸したチタン紙11aの面がMDF3aに接するように重ね合わせて、ダブルベルトプレス装置20の上下のベルト23と24の間を通すことにより、化粧シート2は150℃に加熱され、40kg/cm2 の圧力でMDF3aの表面に接着されて、図12(c)に示すような化粧ボード1となってダブルベルトプレス装置20から搬出された。
更に、ダブルベルトプレス装置20の中にMDF3aを連続的に供給し、化粧シートを巻取から連続的に供給することにより、化粧シート2はMDF3aの表面に連続的に加熱、加圧されて接着し、化粧ボード1を連続的に生産することができた。
【0066】
化粧シート2はダブルベルトプレス装置20の中で加熱、加圧によりMDF3aの表面に接着したとき、化粧シート2のチタン紙11aに含浸していた半硬化のメラミン樹脂12bは、加熱により架橋、硬化して、図12(c)に示すように、硬化したメラミン樹脂12cとなり硬度の高い樹脂層となった。
そのため、MDF3aの表面は、硬度の高い硬化したメラミン樹脂12cを含浸したチタン紙11aの上に、絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14cが形成された状態になるので、得られた化粧ボード1は従来の高圧メラミン化粧板に匹敵する物性を有し、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなった。
【0067】
(実施例2)
実施例1と同様に、繊維質基材としてチタン紙11aを使用し、これに絵柄層13及び硬化した電子線硬化性樹脂層14cを形成して、図13(a)に示すように、印刷シート4を作製した。
次いで、図13(b)に示すように、前記印刷シート4の裏面に、未硬化のメラミン樹脂(日産化学(株)製「M−700」)を三本ロールコート方式にて塗布量80g/m2 でコーティングし、直ちに、120℃のフロードライヤーにて1.5分間加熱してメラミン樹脂をタックフリー及び巻取状態でブロッキングがしない程度に硬化し、印刷シート4の裏面に半硬化のメラミン樹脂層15bを形成して、実施例1と同様に、化粧シート2を巻き取り状で作製した。
尚、未硬化のメラミン樹脂をコーティングした際に、一部のメラミン樹脂はチタン紙に浸透して、チタン紙は一部メラミン樹脂を含浸した状態となった。
【0068】
次に、図13(c)に示すように、木質板としてMDF3aを用いて、このMDF3aの表面に、前記化粧シート2の半硬化のメラミン樹脂層15bの面が接するように重ね合わせ、実施例1と同様に、ダブルベルトプレス装置20の上下のベルト23と24の間を通して、図13(d)に示すような化粧ボード1を作製した。
得られた化粧ボード1は、実施例1で得られた化粧ボードと同様に、MDF3aの表面に硬度の高い硬化したメラミン樹脂層15cが形成され、その上に絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14cが形成されているので、従来の高圧メラミン化粧板に匹敵する物性を有し、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の化粧ボードの製造方法は、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスができる装置を用いて、半硬化の架橋型樹脂を含浸した繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層を設けた巻き取り状の化粧シートを、MDF(中密度繊維板)やパーチクルボード等の木質板の表面に連続的に加熱、加圧して接着することにより、化粧シートの半硬化の架橋型樹脂を完全に架橋、硬化して、木質板の表面に耐熱性があり、硬度の高い樹脂層を連続的に形成して化粧ボードを製造する方法である。
得られた化粧ボードは絵柄層を形成した繊維質基材が硬化した架橋型樹脂(例えば硬度の硬いメラミン樹脂)を含浸しているので、従来の化粧シートを用いた化粧ボードに比較して、化粧ボードの表面は硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなる。
また、本発明の化粧ボードの製造方法に用いる化粧シートは可撓性、柔軟性があるので、巻取から繰り出してダブルベルトプレス装置に連続的に供給できるため、化粧ボードを連続的に製造することができる。
そのため、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたメラミン樹脂板等と同等の性能を有する化粧ボードを、巻取り状の化粧シートを用いて生産できるので、生産能率が向上し、生産コストの低減を図ることができる。
更に、化粧シートは可撓性、柔軟性があるため、木質板に曲面部がある場合でも、連続的に積層することができると共に、曲面部に積層した化粧シートの表面に白化や亀裂が発生することもなくなる。
また、最表面の電離放射線硬化性樹脂層にアルミナやシリカ等の無機質粒子を含有させることにより、低圧メラミン樹脂板以上の物性を有する化粧板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧ボードの製造方法の概要を示した模式図である。
【図2】本発明の製造方法により作製した化粧ボードの一例を示した模式断面図である。
【図3】本発明の製造方法により作製した別の態様の化粧ボードを示した模式断面図である。
【図4】化粧ボードの製造に用いる化粧シートの一例を示した模式断面図である。
【図5】化粧ボードの製造に用いる別の態様の化粧シートの模式断面図である。
【図6】化粧ボードの製造に用いる更に別の態様の化粧シートの模式断面図である。
【図7】化粧ボードの製造に用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
【図8】化粧ボードの製造に用いる木質板の模式断面図である。
【図9】本発明の化粧ボードの製造方法により化粧ボードを製造するときの説明図である。
【図10】実施例1により化粧ボードを製造するときの説明図で、それに用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
【図11】実施例1により化粧ボードの製造するときの説明図で、それに用いるMDFの模式断面図である。
【図12】実施例1により化粧ボードの製造するときの説明図で、化粧シートとMDFを用いて化粧ボードを連続的に製造するときの説明図である。
【図13】実施例2により化粧ボードを製造するときの説明図である。
【符号の説明】
1 化粧ボード
2 化粧シート
3 木質板
3a MDF(中密度繊維板)
4 印刷シート
11 繊維質基材
11a チタン紙
12 含浸した硬化した架橋型樹脂
12a 含浸した半硬化の架橋型樹脂
12b 含浸した半硬化のメラミン樹脂
12c 含浸した硬化したメラミン樹脂
13 絵柄層
14 硬化した電離放射線硬化性樹脂層
14a 未硬化の電離放射線硬化性樹脂層
14b 未硬化の電子線硬化性樹脂層
14c 硬化した電子線硬化性樹脂層
15 硬化した架橋型樹脂層
15a 半硬化の架橋型樹脂層
15b 半硬化のメラミン樹脂層
15c 硬化したメラミン樹脂層
16 含浸した熱可塑性樹脂
17 電離放射線
17a 電子線
20 ダブルベルトプレス
21 上側ローラ
22 下側ローラ
23 上側ベルト
24 下側ベルト[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention manufactures a decorative board using a decorative sheet that can be used for interior decoration of floors, walls, ceilings, etc. of buildings, surface decoration materials such as furniture and various cabinets, and surface cosmetics used for surface decoration of joinery, etc. It is related with the continuous manufacturing method by a heating press system.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, various decorative materials such as melamine decorative boards, dup decorative boards, polyester decorative boards, printed plywood, and vinyl chloride decorative boards have been used as decorative materials for building interiors, furniture, cabinets and the like.
In particular, melamine resin decorative boards have been used as decorative materials that require physical properties such as surface hardness, chemical resistance, and contamination resistance for interior decoration of buildings, furniture, cabinets, and other surface decorations.
The melamine resin decorative board is made by impregnating titanium paper printed with a pattern with an uncured melamine resin, and then overlaying an uncoated melamine resin with an overlay paper on the front side and a core paper impregnated with a phenolic resin on the back side. The uncured resin impregnated in each layer is cured by heating and pressurizing (hot pressing), and the layers are integrated.
[0003]
However, melamine resin decorative boards are expensive and have the disadvantage of poor flexibility, so if you need flexibility at a lower price, you can use paper as a base material as a decorative material. A decorative material (decorative sheet) has been used.
As such a decorative sheet, a printing ink layer such as a pattern layer or a solid printing layer is provided on one side of a base sheet, and a thermosetting urethane resin or aminoalkyd resin is used as a top coat layer in order to protect the ink layer. Applying an ionizing radiation curable resin as a top coat layer, or curing the coating film by irradiating with ionizing radiation Some of which form a cured ionizing radiation curable resin layer on the surface.
In particular, an ionizing radiation curable resin layer cured using an ionizing radiation curable resin having a high crosslink density has excellent physical properties such as surface hardness, chemical resistance, and contamination resistance.
[0004]
By using a hard resin as the surface protective layer as described above, the surface hardness is surely high, wear resistance, chemical resistance, and contamination resistance are maintained, the price is reduced, and flexibility is improved.
Further, since the flexibility is improved, the decorative sheet is continuously mass-produced as a continuous belt-like sheet, and is easily wound and stored. In addition, the decorative sheet can be applied to the curved surface portion.
However, when a base material having flexibility and flexibility such as thin paper or plastic sheet is used as the base material, if the crosslink density of the resin is increased, the flexibility and flexibility of the resin layer are impaired. However, when winding or sticking to a curved surface portion, there arises a problem that the surface resin layer is cracked by an impact or a crack is easily generated.
Moreover, in order to increase the flexibility and softness to the extent that the decorative sheet is manufactured in a wound form and the decorative sheet can be attached to a curved surface portion, it is necessary to reduce the crosslinking density of the surface resin. Since the hardness of the protective layer is also reduced, there are limits to physical properties such as wear resistance when producing decorative sheets in a wound form.
[0005]
Therefore, as a method for improving the wear resistance without deteriorating the flexibility and flexibility of the surface protective layer, a low crosslink density resin having flexibility and flexibility but low physical properties such as surface hardness is used. Conventionally, a method for compensating for the lack of surface hardness by adding high-hardness inorganic particles to this has been performed.
For example, JP-A-60-23642 discloses silica (SiO 2) having an average particle size of 1 to 50 μm, which is used as an abrasive for sandblasting or brush polishing. 2 ) And alumina (Al 2 O Three It is disclosed that a surface resin layer is formed using a paint in which a natural glass powder containing) as a main component is blended.
The surface protective layer formed by the above paint is harder than conventional products, has good physical properties such as wear resistance, and has both flexibility and flexibility, and has excellent physical properties. It was what had.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, a decorative sheet in which a decorative sheet having an ionizing radiation curable resin layer formed on a surface is laminated on a wooden board such as a medium density fiberboard (hereinafter abbreviated as MDF) or a particle board is more scratch resistant than a melamine resin decorative board. , Resistance to depression due to impact, and cigarette resistance (indicating resistance to ash of fired cigarettes and hot cigarettes) are inferior, and it is desired to improve these performances.
[0007]
As a method for producing a melamine decorative board, generally, a decorative sheet impregnated with a semi-cured melamine resin and a wooden board such as particle board are stacked, and in the case of a high-pressure melamine decorative board, it is heated and pressed by a multistage press, In the case of a low-pressure melamine decorative board, a decorative board is produced by heating and pressing with a short cycle press.
For this reason, it is very difficult to form an embossed pattern in synchronism with the pattern on the surface of the decorative board to impart high designability.
In both cases of the high-pressure melamine decorative board and the low-pressure melamine decorative board, the decorative sheet needs to be cut into single sheets according to the size of the wooden board.
However, in the case of a decorative sheet formed with an ionizing radiation curable resin layer cured as a surface protective layer, curling is likely to occur when cut into single sheets, so it is very difficult to obtain a single sheet decorative sheet without curling. Therefore, it is not suitable for the production of a decorative board using a single sheet decorative sheet, such as a high-pressure melamine decorative board and a low-pressure melamine decorative board.
Therefore, there is a demand for a method for producing a decorative board that has surface properties comparable to a melamine decorative board, can impart high design properties such as synchronized embossing, and can be manufactured using a wound decorative sheet. It was.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a method for manufacturing a decorative board is as follows. After impregnating a fibrous base material with an uncured crosslinkable resin and heating the uncured crosslinkable resin to a semi-cured state, The surface of the fibrous base material Picture Pattern Is formed by printing, coating the uncured ionizing radiation curable resin on the pattern layer and irradiating with ionizing radiation. Ionizing radiation curable resin Harden The back side of the decorative sheet provided with a transparent protective layer is on one or both sides of the wooden board Superimpose to touch, A method for producing a decorative board is characterized by continuously laminating by a heating press method. Also, The crosslinkable resin is composed of a melamine resin containing an acrylic component. The method for producing a decorative board is characterized by the above.
[0010]
In the method for producing a decorative board of the present invention, first, an uncured cross-linked resin (thermosetting resin or ionizing radiation curable resin) is applied to a fibrous base material such as paper or nonwoven fabric, and the fibrous base material is not yet applied. The cured cross-linked resin is impregnated, and then the cross-linked resin is cross-linked and cured by heating to a semi-cured state.
That is, the crosslinkable resin is cured to such an extent that the fibrous base material impregnated with the crosslinkable resin does not become sticky or blocked. However, the fibrous base material impregnated with the crosslinkable resin does not lose flexibility and flexibility, and is wound. Fasten in a semi-cured state so that it can be handled.
When an ionizing radiation curable resin is used for the crosslinkable resin, the ionizing radiation curable resin is made to be in a semi-cured state by irradiation with ionizing radiation such as ultraviolet rays or electron beams.
[0011]
Next, a pattern layer is formed on the surface of the fibrous base material impregnated with the semi-cured cross-linked resin by printing or the like, and then an ionizing radiation curable resin is coated on the pattern layer, and this is subjected to ionizing radiation. Is applied to form a transparent protective layer made of an ionizing radiation curable resin which is cured by crosslinking and curing the ionizing radiation curable resin on the surface.
The wound decorative sheet produced as described above is continuously applied to the surface of a wooden board such as MDF (medium density fiberboard) or particle board using an apparatus capable of continuously heating and pressing such as a double belt press apparatus. By heating and pressurizing, the semi-cured cross-linked resin of the decorative sheet is completely cross-linked and cured to produce a decorative board (decorative board) having a surface protective layer with high hardness.
[0012]
In the present invention, since the decorative sheet has flexibility and flexibility and is continuously supplied from the winding, the production speed is greatly improved as compared with the conventional high-pressure melamine decorative board and low-pressure melamine decorative board. . Further, even when the MDF or the particle board has a curved surface portion, it can be continuously and efficiently attached.
The resulting decorative board has a pattern layer and a cured ionizing radiation curable resin layer formed on a fibrous base material impregnated with a cured cross-linked resin (for example, a hard melamine resin). The surface is hard and has excellent heat resistance, scratch resistance, depression resistance, and cigarette resistance, and has surface properties comparable to a melamine decorative board.
[0013]
In addition to the decorative sheet described above, the following decorative sheet can also be used in the method for manufacturing a decorative board of the present invention.
That is, using a relatively thin material such as thin paper as a fibrous base material, a printed sheet is prepared by forming a pattern layer and a cured ionizing radiation curable resin layer on the thin paper, and the back surface of the printed sheet (thin paper As described above, an uncured cross-linked resin is applied to the surface), and the uncured cross-linked resin is immediately cross-linked and cured by heating to form a semi-cured cross-linked resin layer to obtain a decorative sheet. .
As described above, when an uncured cross-linked resin is applied to thin paper, the uncured cross-linked resin penetrates into the thin paper and becomes semi-cured by heating in the thin paper. A pattern layer and a cured ionizing radiation curable resin layer are formed on the surface of a thin paper impregnated with the crosslinkable resin, and a semi-cured crosslinkable resin layer is formed on the back surface.
[0014]
Since the above-mentioned decorative sheet has a cross-linked resin on the back surface in a semi-cured state, the decorative sheet can be continuously laminated on a wooden board such as MDF (medium density fiber board) or particle board without an adhesive by a hot press.
In addition, by adhering the decorative sheet to a wooden board with a heating press, the semi-cured cross-linked resin of the decorative sheet penetrates into the thin paper when heated and pressurized, and the thin paper The surface of the decorative board thus obtained becomes a state in which a pattern layer and a cured ionizing radiation curable resin layer are formed on a thin paper impregnated with a cured crosslinked resin, and the hardness is high. Excellent heat resistance, scratch resistance, depression resistance, and cigarette resistance.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic view showing an outline of a method for producing a decorative board according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing an example of a decorative board produced by the production method of the present invention.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view of another embodiment of the decorative board produced by the production method of the present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing an example of a decorative sheet used for manufacturing a decorative board.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of another embodiment of a decorative sheet used for manufacturing a decorative board.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view of a decorative sheet of still another embodiment used for manufacturing a decorative board.
FIG. 7 is an explanatory view when a decorative sheet used for manufacturing a decorative board is produced.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view of a wooden board used for manufacturing a decorative board.
FIG. 9 is an explanatory view when the decorative board is manufactured by the decorative board manufacturing method of the present invention.
FIG. 10 is an explanatory diagram when manufacturing a decorative board according to Example 1, and is an explanatory diagram when manufacturing a decorative sheet used therefor.
FIG. 11 is an explanatory diagram when a decorative board is manufactured according to Example 1, and is a schematic cross-sectional view of an MDF used therefor.
FIG. 12 is an explanatory diagram when the decorative board is manufactured according to Example 1, and is an explanatory diagram when the decorative board is continuously manufactured using the decorative sheet and the MDF.
FIG. 13 is an explanatory view when a decorative board is manufactured according to the second embodiment.
[0017]
The method for producing a decorative board of the present invention basically comprises a transparent protection comprising a pattern layer and a cured ionizing radiation curable resin on the surface of a fibrous base material such as paper impregnated with a semi-cured cross-linked resin. As shown in FIG. 1, a
Then, the decorative sheet 2 is heated and pressed on the surface of the
[0018]
As shown in FIG. 1, the method for manufacturing a decorative board according to the present invention uses a double belt press device 20 to unwind the decorative sheet 2 from the winding and continuously laminate it onto the
In addition, since a high pressure is not applied to the surface of the decorative sheet unlike the high-pressure melamine decorative board, a decorative sheet in which an embossed pattern or the like synchronized with a pattern is formed on the surface using an ionizing radiation curable resin can be used. . Therefore, a design pattern with high designability can be formed on the surface of the decorative board.
[0019]
As described above, the decorative board 1 produced by the method for manufacturing a decorative board according to the present invention has a fibrous base material in which the cured
That is, the semi-cured cross-linked resin impregnated in the
Accordingly, the decorative board obtained has a hard surface and has a surface protective layer excellent in heat resistance, scratch resistance, depression resistance, and cigarette resistance.
[0020]
Further, by the method for producing a decorative board of the present invention, as shown in FIG. 3, the cured
That is, as the decorative sheet 2, as shown in FIG. 5, the
[0021]
At the same time, the semi-cured crosslinked resin layer 15a on the back surface of the
Therefore, a hardened cross-linkable resin layer is formed under the cured ionizing radiation
[0022]
The method for producing a decorative board of the present invention employs a method in which a decorative sheet is continuously laminated on a wooden board using a device capable of continuous heat pressing, such as a double belt press device. A decorative sheet that has flexibility and flexibility and can be produced in a wound form is used.
Below, the typical decorative sheet is demonstrated.
As a basic decorative sheet, as shown in FIG. 4, a
That is, after applying an uncured crosslinkable resin to a
[0023]
Next, a
Next, as shown in FIG. 4, an ionizing radiation curable resin is applied onto the
By forming the protective layer made of the ionizing radiation
The resulting decorative sheet is a semi-cured cross-linked resin impregnated into the
[0024]
And, as shown in FIG. 1, the decorative sheet 2 produced as described above is continuously adhered to the surface (or both surfaces) of the
Further, since the decorative sheet is flexible and flexible, it can be continuously laminated even when the
[0025]
Further, as another embodiment of the decorative sheet, as shown in FIG. 5, after providing the
Since the obtained decorative sheet has flexibility and softness as described above, even if the decorative sheet is stored in a wound form, it is not blocked, and the surface is not whitened or cracked.
[0026]
Next, in the same manner as described above, the decorative sheet 2 is continuously bonded to the surface of the
Further, since the remaining cross-linked resin that has penetrated into the
[0027]
Further, as another aspect of the decorative sheet, as shown in FIG. 6, a
Since the obtained decorative sheet is impregnated with the thermoplastic resin in the
Therefore, it can be continuously laminated without causing problems such as poor adhesion even on the surface of a wooden board having a curved surface. Further, no whitening or cracking occurs on the surface of the decorative sheet adhered to the curved surface portion.
In the same manner as described above, the decorative sheet is heated and pressurized on the surface of the
[0028]
Moreover, as a base material sheet for printing, instead of the thermoplastic resin, a fibrous base material impregnated with a semi-cured or cured cross-linked resin (thermosetting resin or ionizing radiation curable resin) is used. A decorative sheet may be produced in the same manner as described above.
In this case, since a thicker cured cross-linked resin layer is formed on the surface of the resulting decorative board, a high surface hardness is obtained, and the decorative board is excellent in depression resistance and cigarette resistance.
[0029]
Below, the manufacturing method of the decorative board of this invention is demonstrated in order of a process.
First, as shown in FIG. 7 (a), as the
Since the
[0030]
Next, as shown in FIG. 7A, a
Next, as shown in FIG. 7B, an ionizing radiation curable resin fat is applied to the
[0031]
By forming a protective layer composed of the cured ionizing radiation
Further, by adding an inorganic filler such as alumina or silica to the cured ionizing radiation
On the other hand, as shown in FIG. 8, MDF (medium density fiber board), a particle board, etc. are prepared as the
[0032]
Next, in the method for manufacturing a decorative board according to the present invention, as shown in FIG. 9 (a), the decorative sheet 2 and the
As shown in FIG. 9A, the double belt press device 20 includes an endless upper belt 23 and a lower belt 24 made of stainless steel or heat-resistant rubber on the outside of the
That is, the
The
The double belt press device 20 may heat and pressurize the decorative sheet 2 and the
[0033]
Therefore, as shown in FIG. 9B, the decorative sheet 2 is passed over the
In this way, by heating and pressurizing the decorative sheet 2, the semi-cured cross-linked resin 12a impregnated in the
[0034]
In the present invention, as shown in FIG. 9 (b), the decorative sheet 2 supplied from the winding is passed over the
That is, the decorative board is continuously and efficiently produced by continuously supplying the
Therefore, it is not necessary to cut the decorative sheet according to the size of the wooden board of the base material like the conventional high-pressure melamine decorative board, and to superimpose the decorative sheet on the wooden board. As a result, production costs can be significantly reduced.
As shown in FIG. 9 (c), the resulting decorative board 1 has a high hardness layer in which a
[0035]
As the
Examples of the paper used for the fibrous base material include thin paper, kraft paper, titanium paper, linter paper, fine paper, coated paper, parchment paper, and Japanese paper.
In addition, paper-like sheets include glass fiber, asbestos, potassium titanate fiber, alumina fiber, silica fiber, carbon fiber, and other inorganic fiber sheets, and synthetic resin fibers such as polyester, vinylon, polyethylene, and polypropylene. A non-woven fabric or woven fabric made of is used.
[0036]
Moreover, as a nonwoven fabric used as a fibrous base material, the nonwoven fabric which consists of a cellulosic fiber or an inorganic fiber is used.
As the non-woven fabric made of cellulosic fibers, non-woven fabrics produced by known wet methods or dry methods of fibers such as cotton, rayon and pulp are used.
For example, cotton is manufactured by needle punching, spunlace, and many other methods, rayon is chemically bonded, needle punched, spunlace, and pulp is mainly manufactured by wet processing. .
Moreover, as a nonwoven fabric which consists of inorganic fiber, what manufactured the glass fiber, the carbon fiber, and the ceramic fiber mainly with the wet method is used.
[0037]
A
As the pattern layer, there are a printing pattern by printing, an embossing pattern by embossing, a concavo-convex pattern by hairline processing, etc., and further, a colored ink is filled into the concave part of the concavo-convex pattern by a known wiping method to form a pattern layer You can also.
Examples of the printed pattern layer include a wood grain pattern, a stone pattern, a cloth pattern, a leather pattern, a geometric figure, characters, symbols, various abstract patterns, and a full-color printing.
The concealing layer for full-surface printing may be omitted depending on the surface state of the wood board to which the decorative sheet is attached.
[0038]
Ink for pattern printing varies depending on the material and form of the substrate, but in general, chlorinated polyolefin such as chlorinated polyethylene and chlorinated polypropylene, nitrified cotton, cellulose acetate, vinyl chloride, vinyl acetate, vinyl chloride, A vinyl acetate copolymer, polyvinyl butyral, urethane resin, acrylic resin, polyester resin, etc., or a mixture of two or more resins is used as a vehicle, and this is combined with colorants such as ordinary pigments and dyes, extender pigments, curing An ink composed of an agent, an additive, a solvent and the like is used.
[0039]
Inorganic pigments such as titanium white, zinc white, petal, vermilion, ultramarine blue, cobalt blue, titanium yellow, carbon black, and other organic pigments such as isoindolinone, banzai yellow A, quinacridone, permanent red 4R, phthalocyanine blue Alternatively, metallic pigments made of foil powder such as dye, aluminum, brass, pearlescent pigment made of foil powder such as titanium dioxide-coated mica, basic zinc carbonate, etc. are used.
Moreover, you may add an inorganic filler as needed, and powders, such as calcium carbonate, barium sulfate, clay, talc, silica (silicon dioxide), and alumina (aluminum oxide), etc. are mentioned. The addition amount is usually 5 to 60% by weight.
[0040]
As the printing of the pattern, ordinary printing methods such as gravure printing, intaglio printing, offset printing, letterpress printing, flexographic printing, silk screen printing, electrostatic printing, and inkjet printing can be used.
Alternatively, a separate pattern may be formed once on the releasable sheet to create a transfer sheet, and the printed pattern may be transferred by a transfer printing method from the obtained transfer sheet.
Instead of the printed pattern, a metal film such as aluminum, chromium, gold, silver, copper or the like may be formed on the base material by vacuum evaporation, sputtering, or the like to form a metal thin film on the entire surface or part of the substrate to form a picture layer.
[0041]
The cured ionizing radiation
Since the physical properties of the cured coating film change depending on the crosslinking density of the ionizing radiation curable resin, it is necessary to select the ionizing radiation curable resin according to the use of the decorative sheet.
In the ionizing radiation curable resin, the higher the crosslink density, the higher the hardness of the cured coating film and the higher the wear resistance, but the lower the flexibility. Therefore, in order to obtain a surface coating film that is flexible and excellent in wear resistance, a filler such as spherical alumina may be added to the ionizing radiation curable resin, and the wear resistance may be improved by the filler.
[0042]
The ionizing radiation curable resin used in the present invention is a composition in which prepolymers (including so-called oligomers) having a polymerized unsaturated bond or a cationically polymerizable functional group in the molecule and / or monomers are appropriately mixed and ionized. Those that can be cured by radiation are used.
Here, the ionizing radiation means an electromagnetic wave or a charged particle beam having an energy quantum capable of polymerizing or cross-linking molecules, and usually an electron beam or an ultraviolet ray is used.
[0043]
Specifically, as the ionizing radiation curable resin, a radically polymerizable unsaturated group such as a (meth) acryloyl group or (meth) acryloyloxy group, a cationically polymerizable functional group such as an epoxy group, or a thiol group is included in the molecule. It consists of a monomer having two or more or a prepolymer.
These monomers or prepolymers are used alone or in combination.
Here, the (meth) acryloyl group is used in the meaning of an acryloyl group or a methacryloyl group, and hereinafter (meth) is used in the same meaning.
[0044]
Examples of prepolymers having radically polymerizable unsaturated groups include polyester (meth) acrylate, epoxy (meth) acrylate, urethane (meth) acrylate, polyether (meth) acrylate, melamine (meth) acrylate, and triazine (meth). Acrylate, silicone (meth) acrylate, etc. can be used.
The molecular weight is usually about 250 to 100,000.
[0045]
Examples of polyfunctional monomers having radically polymerizable unsaturated groups include diethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolpropane ethylene oxide tri (meth) ) Acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, and the like.
[0046]
Examples of the prepolymer having a cationically polymerizable unsaturated group include epoxy resins such as bisphenol type epoxy resins and novolak type epoxy resins, and vinyl ether type resins such as aliphatic vinyl ethers and aromatic vinyl ethers.
Examples of the monomer having a thiol group include trimethylolpropane trithioglycolate, trimethylolpropane trithiopropylate, dipentaerythritol tetrathioglycolate, and the like.
Examples of monomers having a radically polymerizable unsaturated group include monofunctional monomers of (meth) acrylate compounds such as methyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, and phenoxyethyl (meth) acrylate. Etc.
[0047]
The above compounds are used alone or as a mixture of two or more if necessary. In order to impart ordinary coating suitability to the ionizing radiation curable resin, the prepolymer or oligomer is added in an amount of 5% by weight or more, and the single amount. The body and / or polythiol is preferably 95% by weight or less.
[0048]
When selecting the monomer, if the flexibility of the cured product is required, the amount of the monomer is reduced within the range that does not hinder the suitability of coating, or a monofunctional or bifunctional acrylate monomer is used. A structure with a relatively low crosslink density. In addition, when the heat resistance, hardness, solvent resistance, etc. of the cured product are required, the amount of monomer is increased within a range that does not hinder coating suitability, or a trifunctional or higher (meth) acrylate-based unit is used. It is preferable to use a monomer and to have a structure with a high crosslinking density. It is also possible to adjust the coating suitability and the physical properties of the cured product by mixing a monofunctional monomer and a trifunctional or higher monomer.
[0049]
When the ionizing radiation curable resin is cured with ultraviolet rays or visible light, a photopolymerization initiator is added to the ionizing radiation curable resin. In the case of a resin system having a radical polymerizable unsaturated group, acetophenones, benzophenones, thioxanthones, benzoin, benzoin methyl ether and the like can be used alone or in combination as a photopolymerization initiator.
In the case of a resin system having a cationic polymerizable functional group, an aromatic diazonium salt, an aromatic sulfonium salt, an aromatic iodonium salt, a metatheron compound, a benzoin sulfonic acid ester or the like is used alone or as a mixture as a photopolymerization initiator. be able to.
In addition, the addition amount of these photopolymerization initiators is about 0.1 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the ionizing radiation curable resin.
[0050]
Various additives may be added to the ionizing radiation curable resin as necessary. These additives include, for example, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, thermoplastic resin such as acrylic resin, cellulosic resin, etc., and constitution comprising fine powder such as calcium carbonate, barium sulfate, silica, alumina, etc. There are colorants such as pigments (fillers), dyes, and pigments.
[0051]
As a coating method of ionizing radiation curable resin, gravure coating, gravure reverse coating, gravure offset coating, spinner coating, roll coating, reverse roll coating, kiss coating, dip coating, solid coating by silk screen coating, wire bar coating, comma coating, Spray coating, float coating, pouring coating, brush coating, spray coating and the like can be used. Of these, gravure coating is preferred.
[0052]
As the ionizing radiation irradiation apparatus for curing the ionizing radiation curable resin, an ultraviolet irradiation apparatus or an electron beam irradiation apparatus is used.
As the ultraviolet irradiation device, for example, a light source such as an ultra-high pressure mercury lamp, a high pressure mercury lamp, a low pressure mercury lamp, a carbon arc, a black light lamp, a metal halide lamp or the like is used. As a wavelength of ultraviolet rays, a wavelength region of 190 to 380 nm is usually mainly used.
As the electron beam irradiation device, various electron beam accelerators such as a Cockloftwald type, a bandegraph type, a resonant transformer type, an insulated core transformer type, a linear type, a dynamitron type, and a high frequency type are used.
[0053]
And when irradiating an electron beam, it irradiates with acceleration voltage 100-1000 KeV, Preferably it is 100-300 KeV, and as an absorbed dose, it is about 1-300 kGy (kilo gray) normally. When the absorbed dose is less than 1 kGy, the coating film is insufficiently cured, and when the irradiation dose exceeds 300 kGy, the cured coating film and the fibrous base material are yellowed or damaged.
In the case of ultraviolet irradiation, the irradiation amount is 50 to 1000 mJ / cm. 2 The range of is preferable.
UV irradiation amount is 50mJ / cm 2 If it is less than 1, the curing of the coating film becomes insufficient, and the irradiation amount is 1000 mJ / cm. 2 If it exceeds 1, the cured coating will turn yellow.
In addition, as a method of irradiating with ionizing radiation, first, ultraviolet rays are irradiated to cure the ionizing radiation curable resin at least to the extent that the surface is dry to the touch, and then the electron beam is irradiated to completely cure the coating film. There is also a way to make it.
[0054]
As the crosslinkable resin of the decorative sheet used in the present invention, a thermosetting resin or an ionizing radiation curable resin is used. As the ionizing radiation curable resin, those used for the protective layer are used.
Thermosetting resins include phenolic resin, urea resin, melamine resin, diallyl phthalate resin, guanamine resin, unsaturated polyester resin, polyurethane resin, epoxy resin, aminoalkyd resin, melamine-urea cocondensation resin, silicon resin, Polysiloxane resin or the like is used.
If necessary, a curing agent such as a crosslinking agent and a polymerization initiator, a polymerization accelerator, a solvent, a viscosity modifier, an extender pigment, and the like are added to these resins and used as a paint.
Usually, as the curing agent, organic sulfonate is used for unsaturated polyester resin, isocyanate is used for unsaturated polyester resin and polyurethane resin, amine is used for epoxy resin, peroxide such as methyl ethyl ketone peroxide, azobisiso Radical initiators such as butyronitrile are often used in unsaturated polyester resins.
[0055]
As the isocyanate, a divalent or higher aliphatic or aromatic isocyanate can be used, but an aliphatic isocyanate is desirable from the viewpoint of prevention of thermal discoloration and weather resistance.
Specific examples include tolylene diisocyanate, xylene diisocyanate, 4,4-diphenylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate and the like.
As a method for curing the thermosetting resin, heating may be performed as necessary in order to accelerate the curing reaction.
For example, in the case of an isocyanate curable unsaturated polyester resin or a urethane curable polyurethane resin, it is 1 to 5 days at 40 to 60 ° C., in the case of a polysiloxane resin, 1 to 30 minutes at 80 to 150 ° C., and the melamine resin is 90 Heat at ~ 160 ° C for 30 seconds to 3 minutes.
In the present invention, a melamine resin having heat resistance and contamination resistance and having a high hardness is suitable.
[0056]
The melamine resin is a thermosetting resin obtained by addition condensation of melamine (2,4,6-triamino-1,3,5-triazine) and formaldehyde.
Because it is transparent and has high hardness and excellent coloration, heat resistance, and stain resistance, it has a wide range of uses such as decorative plates, molding materials, and paints.
Further, blending an acrylic component with the melamine resin may prolong the apparent life until the decorative sheet impregnated with the semi-cured melamine resin is adhered to an adherend such as a particle board.
As the acrylic component, monomers, oligomers, polymers and the like can be used. Moreover, the addition amount is about 3 to 16% by weight.
[0057]
Examples of the monomer include methyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, phenoxyethyl (meth) acrylate and the like as monofunctional monomers. In addition, among polyfunctional monomers, diethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolpropane ethylene oxide tri (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate And dipentaerythritol hexa (meth) acrylate.
[0058]
Examples of the polymer include poly (meth) methyl acrylate, poly (meth) ethyl acrylate, poly (meth) butyl acrylate, methyl (meth) acrylate-butyl (meth) acrylate copolymer, ( (Meth) methyl acrylate-styrene copolymer, methyl (meth) acrylate-butyl (meth) acrylate-butyl (meth) acrylate-2-hydroxyethyl copolymer, methyl (meth) acrylate- (meth) acryl Examples thereof include acrylic resins such as butyl acid- (meth) acrylic acid-2-hydroxyethyl-styrene copolymer.
[0059]
The decorative board produced according to the present invention can be used for various purposes by performing a predetermined molding process and the like.
For example, a decorative board in which a decorative sheet is laminated on a wooden substrate such as a particle board or MFD can be used for interiors of buildings such as walls, ceilings, and floors, furniture, or cabinets for light electrical / OA equipment.
Examples of the wood board used in the present invention include wood veneer, wood plywood, particle board, medium density fiber board (MDF) and the like.
[0060]
【Example】
Below, based on an Example, this invention is demonstrated in more detail.
Example 1
As a fibrous base material, basis weight 45g / m 2 Titanium paper 11a (“EBT” manufactured by Sanko Paper Co., Ltd.) was used, and an uncured melamine resin (“M-700” manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) was applied in a three-roll coating method. 50 g / m 2 The titanium paper 11a was impregnated with uncured melamine resin.
Next, the melamine resin is heated for 1.5 minutes with a flow dryer at 120 ° C. and cured to the extent that it is not blocked in a tack-free and wound state, and as shown in FIG. 10 (a), a semi-cured melamine resin 12b Was impregnated with titanium paper 11a.
[0061]
Next, as shown in FIG. 10 (a), on the surface of the titanium paper 11a impregnated with the semi-cured melamine resin 12b, a wood grain pattern is printed by gravure printing to form a
Next, as shown in FIG. 10 (b), on the
[0062]
Composition of electron beam curable resin (A)
70 parts by weight of bisphenol A ethylene oxide modified diacrylate
・ 29 parts by weight of trimethylolpropane-modified triacrylate
・ Both-end methacrylate-modified silicone 1 part by weight
[0063]
On the other hand, as shown in FIG. 11, MDF3a (medium density fiber board) having a length of 1800 mm, a width of 900 mm, and a thickness of 30 mm was prepared as a wooden board.
Next, as shown in FIG. 12A, on the
[0064]
In the double belt press device 20, as shown in FIG. 12B, endless upper belt 23 and lower belt 24 made of heat-resistant rubber or the like are attached to the outside of
That is, the
[0065]
Next, the surface temperature of the upper belt 23 of the double belt press device 20 is 150 ° C., and the pressure of the
That is, as shown in FIG. 12 (b), the decorative sheet 2 is unwound from the take-up and overlapped so that the surface of the titanium paper 11a impregnated with the semi-cured melamine resin 12b is in contact with the
Further, the
[0066]
When the decorative sheet 2 is bonded to the surface of the
Therefore, the surface of the
[0067]
(Example 2)
As in Example 1, titanium paper 11a was used as the fibrous base material, and the
Next, as shown in FIG. 13 (b), an uncured melamine resin ("M-700" manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) is applied to the back surface of the printed sheet 4 by a three-roll coating method. m 2 The melamine resin is immediately heated with a flow dryer at 120 ° C. for 1.5 minutes to cure the melamine resin in a tack-free and wound state so as not to block, and a semi-cured melamine resin layer on the back surface of the printed sheet 4 15b was formed, and the decorative sheet 2 was produced in a wound form in the same manner as in Example 1.
When uncured melamine resin was coated, part of the melamine resin penetrated into the titanium paper, and the titanium paper was partially impregnated with the melamine resin.
[0068]
Next, as shown in FIG. 13C, the
The resulting decorative board 1 is formed with a hardened melamine resin layer 15c having a high hardness on the surface of the
[0069]
【The invention's effect】
The decorative board manufacturing method of the present invention uses a device capable of continuous heat pressing, such as a double belt press device, on the surface of a fibrous base material impregnated with a semi-cured cross-linked resin, and a cured image layer. A wound decorative sheet provided with an ionizing radiation curable resin layer is bonded to the surface of a wooden board such as MDF (medium density fiberboard) or particle board by continuous heating and pressurization, so that the decorative sheet half In this method, a cured cross-linked resin is completely cross-linked and cured to continuously form a resin layer having heat resistance and high hardness on the surface of the wooden board, thereby producing a decorative board.
Since the obtained decorative board is impregnated with a crosslinked resin (for example, a hard melamine resin) in which the fibrous base material on which the pattern layer is formed is cured, compared to a conventional decorative board using a decorative sheet, The surface of the decorative board is hard and has excellent heat resistance, scratch resistance, depression resistance, and cigarette resistance.
Further, since the decorative sheet used in the method for manufacturing a decorative board according to the present invention is flexible and flexible, it can be fed out from the winding and continuously supplied to the double belt press device, so that the decorative board is manufactured continuously. be able to.
Therefore, it is possible to produce decorative boards that have the same performance as melamine resin boards with excellent heat resistance, scratch resistance, depression resistance, and cigarette resistance, using roll-up decorative sheets, improving production efficiency In addition, the production cost can be reduced.
Furthermore, since the decorative sheet is flexible and flexible, it can be continuously laminated even when the wooden board has a curved surface portion, and whitening and cracks occur on the surface of the decorative sheet laminated on the curved surface portion. You do n’t have to.
Moreover, the decorative board which has a physical property more than a low voltage | pressure melamine resin board can be produced by containing inorganic particles, such as an alumina and a silica, in the outermost surface ionizing radiation-curable resin layer.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an outline of a method for producing a decorative board according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing an example of a decorative board produced by the production method of the present invention.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing a decorative board of another embodiment produced by the production method of the present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing an example of a decorative sheet used for manufacturing a decorative board.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of another embodiment of a decorative sheet used for manufacturing a decorative board.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view of a decorative sheet of still another embodiment used for manufacturing a decorative board.
FIG. 7 is an explanatory diagram when producing a decorative sheet used for manufacturing a decorative board.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view of a wooden board used for manufacturing a decorative board.
FIG. 9 is an explanatory view when a decorative board is manufactured by the decorative board manufacturing method of the present invention.
FIG. 10 is an explanatory diagram when manufacturing a decorative board according to Example 1, and is an explanatory diagram when manufacturing a decorative sheet used therefor.
FIG. 11 is an explanatory diagram when a decorative board is manufactured according to Example 1, and is a schematic cross-sectional view of an MDF used therefor.
12 is an explanatory diagram when a decorative board is manufactured according to Example 1, and is an explanatory diagram when a decorative board is continuously manufactured using a decorative sheet and MDF. FIG.
13 is an explanatory view when a decorative board is manufactured according to Embodiment 2. FIG.
[Explanation of symbols]
1 makeup board
2 Makeup sheet
3 Wood board
3a MDF (medium density fiberboard)
4 Print sheets
11 Fibrous substrate
11a Titanium paper
12 Impregnated cured cross-linked resin
12a Impregnated semi-cured cross-linked resin
12b Impregnated semi-cured melamine resin
12c Impregnated cured melamine resin
13 Pattern layer
14 Cured ionizing radiation curable resin layer
14a Uncured ionizing radiation curable resin layer
14b Uncured electron beam curable resin layer
14c Cured electron beam curable resin layer
15 Cured cross-linked resin layer
15a Semi-cured cross-linked resin layer
15b Semi-cured melamine resin layer
15c cured melamine resin layer
16 Impregnated thermoplastic resin
17 Ionizing radiation
17a electron beam
20 Double belt press
21 Upper roller
22 Lower roller
23 Upper belt
24 Lower belt
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