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JP4491506B2 - 筒内噴射式エンジンの制御装置 - Google Patents

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JP4491506B2 JP2009230132A JP2009230132A JP4491506B2 JP 4491506 B2 JP4491506 B2 JP 4491506B2 JP 2009230132 A JP2009230132 A JP 2009230132A JP 2009230132 A JP2009230132 A JP 2009230132A JP 4491506 B2 JP4491506 B2 JP 4491506B2
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Description

本発明は、筒内噴射式エンジンのエンジン制御装置に関する。
エンジンの排気ガスを浄化するために、排気管に触媒を設けている。燃料やエンジンオイルに硫黄成分が含まれている場合には、排気ガス中のSOx(硫黄酸化物)を吸着する特性を持っており、SOxを吸着(以下、被毒と称する)に応じて触媒の性能が低下することが一般に知られており、触媒の温度を高温にできれば、SOxの被毒を回復することも知られている。
特許文献1では、触媒被毒を回復させる為に、吸気行程と圧縮行程の2回に分けて燃料噴射を行うことが提案されている。
特開平11−107740号公報
従来の技術にあっては、2回噴射及び点火時期の遅角(以下リタードと称する)制御を行った場合、噴射形態及び点火時期を操作することでエンジントルクが変化してしまい、エンジントルク段差が生じるために運転性悪化を招いてしまう。そこで、運転性悪化を招くトルク段差を発生させない手段が必要である。
本発明は、燃料噴射を一サイクル中の吸気行程と圧縮行程とに分けて少なくとも1回ずつ噴射する場合に、エンジントルク段差を発生させないエンジン制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、燃焼室に直接燃料噴射する筒内噴射式エンジンの制御装置において、一サイクル中の吸気行程と圧縮行程とに分けて少なくても1回ずつ燃料噴射を行う噴射制御手段と、前記噴射制御手段によって吸気行程と圧縮行程とに分割された燃料量の比である分割比に基づいて、前記筒内噴射式エンジンに供給する空気量を補正することを特徴とする制御装置である。
以上の制御を行うことで、同一サイクル中の吸気行程と圧縮行程とに分けて少なくても1回ずつ燃料噴射を行った場合の運転性を悪化させないエンジン制御が可能となる。
本実施形態のエンジンの制御装置に係る筒内噴射エンジンの制御システム図。 本発明のエンジンの制御の全体構成図の1例。 本発明の触媒被毒解除制御時のエンジン性能の1例。 本発明の触媒被毒解除制御時のエンジントルクを制御する方法。 本発明の空気量補正によるエンジントルク制御を行うフローチャートの1例。 本発明の点火時期補正によるエンジントルク制御を行うフローチャートの1例。 エンジントルク同一点での燃料噴射2度噴きの際の1回目噴射と2回目噴射の分割比と空気量の関係を示した図。 本発明の点火時期補正及び燃料噴射分割比に基づいたエンジントルク制御を行うフローチャートの1例。 本発明の点火時期補正によるエンジントルク制御を行うフローチャートの1例。 一定燃圧下でのインジェクタの流量特性を示した図。 本発明の燃料噴射分割比による空燃比制御性悪化させない方法の1例。 本発明の触媒被毒解除制御時の点火リタード限界を拡大する方法の1例。 本発明の触媒被毒解除制御時の燃圧制御のフローチャートの1例。 本発明の触媒被毒解除制御用の目標燃圧収束判定方法の1例。 触媒被毒解除制御を行った時の排気温度の傾向を示した図。 本発明の排気温度推定方法の1例。
以下、本発明にかかる一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態のエンジンの制御装置に係る筒内噴射式エンジンの制御システムを示す図である。図1において、エンジン1に吸入される空気は、エアクリーナ3の入力部4から取り入れられ、吸入空気計5を通り、吸入流量を制御する絞弁6を設置した絞弁ボディ7を通り、コレクタ8に入る。ここで、絞弁6は、これを駆動するモータ10と連結しており、該モータ10を駆動することにより絞弁6を操作して、吸入空気量を制御できるようになっている。
コレクタ8に至った吸入空気は、エンジン1の各シリンダ2に接続された吸気管19に分配され、前記シリンダ2内の燃焼室に導かれる。
一方、ガソリン等の燃料は、燃料タンク11から燃料ポンプ12により吸引,加圧されて燃料噴射弁13と燃圧を所定の範囲内に制御する可変燃圧レギュレータ14が配管されている燃料系に供給される。燃圧は、燃圧センサ34により測定されている。前記燃料は、各シリンダ2の燃焼室に燃料噴射口を開口している燃料噴射弁13から該燃焼室内に噴射される。該燃焼室内に流入した空気と噴射燃料とは、混合され、点火コイル17から圧電により点火プラグ35によって点火されて燃焼される。
前記エンジン1の燃焼室で燃焼した排気ガスは、排気管28に導かれ、触媒を介してエンジン1外に放出される。
前記空気量計5からは、吸気流量を示す信号が出力され、コントロールユニット15に入力されるようになっており、更に前記絞弁ボディ7には、絞弁6の開度を検出するスロットルセンサ18が取り付けられており、その出力もコントロールユニット15に入力されるようになっている。
クランク角センサ16は、エンジン1のカム軸(図示省略)によって回転駆動され、該クランク軸の回転位置を少なくても1〜10°程度の精度で検出する。該信号もコントロールユニット15に入力されるようになっている。
前記各信号により燃料の噴射タイミング,噴射流量(燃料噴射弁のパルス幅制御),点火のタイミング等が制御される。
排気管28に設けられたA/Fセンサ20は、排気ガスの成分から実運転空燃比を検出して出力し、該信号も同じく前記コントロールユニット15に入力されるようになっている。
図2は、本実施形態のエンジンの制御の全体構成図の1例である。
ブロック201では、前記図1で説明したコントロール15に入力される各センサの情報に基づいて、エンジンの運転状態を検出する。ブロック202では、ブロック201で検出した運転状態に基づいて、触媒が硫黄被毒されているか否かを判定し、該判定に応じて、触媒被毒を回復する制御(以下、触媒被毒解除制御と称する)を実行するか否かを判定する。ブロック202で触媒被毒解除制御を実行すると判定した場合には、ブロック204にて、触媒被毒解除制御用に通常運転とは異なる専用の目標燃圧を算出し、ブロック205の目標燃圧フィードバック演算及び高圧ポンプを駆動するブロック206を経て、高圧駆動ポンプを駆動制御するブロック207により、所望の燃圧制御を行う。ブロック203では、空燃比となる当量比演算を行い、ブロック209にて、ブロック203で三種通された当量比を実現できるインジェクタの基本噴射パルス幅を演算する。ブロック208では、触媒被毒解除制御を行う為の2回噴射用の分割比(1回目噴射と2回目噴射の割合)を演算する。ブロック210では、前記ブロック209で算出したインジェクタ基本パルス幅と、前記ブロック208で算出した分割比に応じてインジェクタ噴射パルス幅を算出する。ブロック211では、ブロック210で算出されたインジェクタ噴射パルス幅に対して、インジェクタの噴射量特性に応じた非直線補正を行い、インジェクタ噴射量制御の安定化補正を行い、ブロック212での最小インジェクタ噴射パルス幅制限処理を行い、ブロック215でインジェクタ噴射パルスの出力を行う。一方、インジェクタ噴射タイミングは、ブロック213により、前記ブロック202で判定された触媒被毒解除制御実行判定に基づいて、1回目と1回目の燃料噴射タイミングの演算を行い、ブロック214で実際に出力するインジェクタ噴射タイミング演算を行い、前記ブロック215でインジェクタ噴射パルスの出力を行う。
一方、ブロック226では、前記ブロック201で求めたエンジンの運転状態に基づいて、触媒被毒解除制御の為の燃料噴射1度噴きと燃料噴射2度噴き用の目標点火時期リタード量を算出する。ブロック216では、ブロック226で算出した目標リタード量に対し、エンジントルクが変動しない様に、ダンパ(点火時期を少しずつ変化させる)補正の演算を行う。ブロック218では、前記ブロック216で算出した点火時期リタードダンパ補正量に基づいて、触媒被毒解除制御の為の点火時期補正量を算出する。ブロック219では、前記ブロック218で求めた触媒被毒解除制御の為の点火時期と通常運転時の最適点火時期であるMBT演算値に基づいて点火時期を算出する。ブロック220では、該点火時期演算値に対して、点火時期変化幅(ΔADV)及び最大リタード量と最大進角量のリミッタ処理を行う。該ブロック220の点火時期リミッタ処理後の点火時期とブロック221で算出した点火コイル通電角により、ブロック222にて実際に点火出力処理を行う。
次に、ブロック223では、前記ブロック201で求めたエンジンの運転状態に基づいて、エンジンに供給する目標空気量演算を行う。ブロック224では、前記触媒被毒解除制御の為の、点火リタード制御(ブロック218)と燃料噴射2度噴きの分割比(ブロック208)の制御量によるエンジントルク低下分を補正する為の空気量補正と空気量ダンパ制御演算を行う。ブロック225では、ブロック224の補正量に基づいて空気量を演算して、エンジントルクマネージメント制御へ引き渡し、スロットル開度制御を行うことで、触媒被毒解除制御を行った場合においても、エンジントルクの安定化を実現する。
図3は、本実施形態の触媒被毒解除制御時のエンジン性能の1例を示した図である。図3中に示した点線は、燃料噴射1度噴きを行った場合で、実線は燃料噴射2度噴きを行った場合の試験結果である。点火時期(図中の横軸)をリタード側に制御するに伴って、排気温度が上昇することは、既知である。一方、燃焼の安定性(運転性)の指標であるサージトルク(低周波成分のトルク変動)は、点火時期をリタード側に制御するに伴って、悪化傾向を示し、所定角度点火時期をリタードさせると目標値を上回ってしまう。ここで、燃料噴射1度噴きに比べて、燃料噴射2度噴きをした方が、目標サージトルク以内となる点火時期リタード限界が広がることが実験で確認できている。図3の最上段に示した空気量は、各点火時期及び燃料噴射形態(1度噴き,2度噴き)で制御した場合に、エンジントルクが一定とするのに必要なエンジン供給空気量を示したものである。点火時期をリタード制御することで、最適点火時期(MBT)に対してエンジントルクは低下してしまう為、所定量の空気量が必要となる。また、燃料噴射形態(1度噴き,2度噴き)でもエンジントルクを一定にする為の必要な空気量が異なることは実験で確認できている。本実施例では、図3で示したエンジン性能から、触媒被毒解除制御を行う際のエンジントルクを一定に保つ(=運転者が要求するエンジントルクを保つ)為の点火リタード量及び燃料噴射形態(1度噴き,2度噴き)に基づいて、空気量を制御するエンジン制御装置を提供するものである。
図4は、本実施形態の触媒被毒解除制御時のエンジントルクを制御する方法の例を示したものである。図中実線は、触媒被毒解除を行う為の燃料噴射2度噴きを行った場合に、燃料噴射形態のみを変えた場合のエンジントルク性能である。燃料噴射形態を変えたことによるエンジントルクの差が生じることは、前記図3で説明した実験結果の通りである。そこで、燃料噴射を1度噴きから2度噴きに切り換えた際のエンジントルク変動を発生させないための制御方法を図4の中段(対応その1)と下段(対応その2)に示す。図中の対応その1では、空気量(スロットルク開度)補正により、エンジントルク補正を行う本実施形態の1例である。空気によるエンジントルクを制御する場合には、燃料形態を変えることに対して、エンジンのトルク応答は遅いため(スロットルで空気量を制御した場合、エンジンコレクタ内の応答遅れ分がある為、空気によるトルク応答は、直接筒内に燃料噴射することに対して遅れが生じる)、燃料噴射を2度噴きに切り換える前に予め、前記空気応答遅れ分を先に補正するものである。この方法により、エンジントルクへの応答が異なる燃料噴射と空気の補正を協調させることが実現でき、触媒被毒解除制御の為の2度噴射へ切り換えた場合でも、エンジントルク変動を発生させることがない、円滑な運転性を確保することが出来る。一方の図中の対応その2では、点火時期を燃料噴射形態(1度噴き,2度噴き)に合わせて、補正する方法である。この場合(点火時期)では、前記空気量補正に対し、エンジントルクへの応答は燃料と同等であり、対応その1に対して、エンジントルクを補正する為の応答協調は必要としない。従って、対応その1の空気量(スロットル開度)補正または、対応その2の点火時期補正の何れか、もしくは両制御方法を行えば、触媒被毒解除制御の為の2度噴射へ切り換えた場合でも、エンジントルク変動を発生させることがない、円滑な運転性を確保することが出来る。
図5は、図4で示した本実施形態の空気量補正によるエンジントルク制御を行うフローチャートの1例を示したものである。
ブロック501では、触媒被毒解除制御を実行するか否かを判定する。本ブロックで触媒被毒解除制御条件が成立したと判定された場合には、ブロック502で空気量補正と空気量補正を実行後の時間判定を行う。ここで、空気量補正量はエンジンの運転状態(例えば、エンジン回転数と負荷)に基づいて算出すれば良く、空気量補正後の時間判定は、前記図4で説明した空気と燃料のエンジントルクに対する応答差分を判定する。ブロック503では、ブロック502で演算及び判定した空気量補正を実行した後、インジェクタの燃料噴射を2回に分割して燃料噴射を行う。ブロック504では、後述(図15及び図17で説明する)する触媒被毒が回復したか否かを判定し、触媒被毒が回復したと判定した場合には、ブロック505により先ずは、前記ブロック502で行った、空気量補正を解除する。ブロック506では、前記ブロック505で空気量補正を解除した後、燃料噴射2度噴きを止めて、1度噴きにする。ここで、触媒被毒解除制御を終える際に、燃料噴射を通常の1度噴きに戻す前に、空気量を先に解除することは、前記図4で説明したエンジントルクの安定化で説明したことの逆の理由によるものであり、前記エンジントルクの応答分の違いに基づいて、空気量補正を燃料噴射形態に対し、先に行うものである。
図6は、図4で示した本実施形態の点火時期補正によるエンジントルク制御を行うフローチャートの1例を示したものである。
ブロック501では、図5で説明したのと同様に触媒被毒解除制御を実行するか否かを判定する。本ブロックで触媒被毒解除制御条件が成立したと判定された場合には、ブロック503にて燃料噴射2度噴き制御を行う。ブロック601では、前記燃料噴射2度噴きに制御が移行したのと同期して、点火時期の補正を行う。ここで、点火時期補正は、前記図4で説明した燃料噴射1度噴きと2度噴きに対して同一エンジントルクとなる点火時期となる様に行うものである。ブロック504にて触媒被毒解除が終了と判定された場合には、ブロック506にて燃料噴射1度噴きに移行する(ブロック504及びブロック506は、図5でも説明しており、同一ブロック名で表現している)。次にブロック602では、前記燃料噴射1度噴きに制御が移行したのと同期して、前記ブロック601で行った点火時期の補正を解除する。
以上、図5及び図6のフローチャートにより、図4で説明した触媒被毒解除制御への移行または解除によるエンジントルクが変化しない制御が行える。
次に図7は、エンジントルク同一点での燃料噴射2度噴きの際の1回目噴射と2回目噴射の分割比と空気量の関係を示した図である。
分割比が小さい(2回目の噴射量が多くなる方向)ほど、エンジントルクを一定に保つための空気量が必要である。この特性から、分割比に応じて空気量を制御すれば、前記図4〜図6で説明したエンジントルク制御に加えて、更に緻密にエンジントルク制御することが可能となる。
このことから、図3で示した様に点火リタード限界の制限が狭いエンジン仕様であったり、燃料噴射1度噴きと2度噴きのエンジントルク段差が比較的大きいエンジン仕様の場合には、更に触媒被毒制御によるエンジントルク制御を円滑に行うことができることになる。次に、該エンジントルク制御を更に円滑に行う為の本実施形態の制御方法の1例について説明する。
図8は、本実施形態の点火時期補正及び燃料噴射分割比に基づいたエンジントルク制御を行うフローチャートの1例を示したものである。
図中の点線及び矢印で示した触媒被毒解除制御条件が成立した時に、点火時期を緩やかにリタード側に補正する。この時、点火リタードによるエンジントルク低下にならない様に、点火時期リタード量に基づいて、空気量(スロットル開度)を補正する。点火リタード量が所望の値に到達して時点で、今度は燃料噴射を触媒被毒解除するのに必要な燃料噴射2度噴きを行う。ここで、2度噴きを行う際の、1回目の噴射と2回目の噴射の分割比は、図で示した通り徐々に変化させて、所望の分割比に制御する。該分割比を徐々に変化させると同時に分割比に基づいて空気量(スロットル)を補正し、触媒被毒解除制御である所望の分割比による燃料噴射2度噴きと点火時期制御を行う。この様に、触媒被毒制御に移行する際に、点火時期補正及び燃料噴射分割比に基づいて、空気量を補正することで、緻密なエンジントルク制御を行うことができ、通常のエンジン制御から触媒被毒解除制御への移行の際に、運転性を損なうことが無いエンジン制御装置を提供できる。
図9は、図8で示した本実施形態の点火時期補正によるエンジントルク制御を行うフローチャートの1例を示したものである。
ブロック501では、図5及び図6で説明したのと同様に触媒被毒解除条件の判定を行い、該条件が成立したと判定した場合には、ブロック901で、燃料噴射1度噴きでの点火リタード制御を行う。ブロック902では、ブロック901での点火リタード補正が、所望の値に到達した判定に基づいて、燃料噴射2度噴きを実行するか否かの判定を行う。ブロック903では、燃料噴射2度噴きを行う際の、1回目の燃料噴射と2回目の燃料噴射の分割比を演算する。ここで、分割比の演算は、前記図8で説明した様に、触媒被毒解除制御を行う為の所望の分割比に対し、徐々に変化させるダンパ演算を行うものである。ブロック503では、前記ブロック902と903の演算結果に基づいて、燃料噴射2度噴きを実行する。ブロック904では、燃料噴射1度噴きでの点火リタード制御を行う。ブロック905では、前記ブロック901と904による点火時期補正量に加えて、前記ブロック903による燃料噴射分割比に基づいて、エンジントルクを制御する為の空気量補正の演算を行う。ここで、点火時期補正量及び燃料噴射分割比に対する空気量補正値は、演算式(例えば、点火時期補正量×A+分割比×B)で算出すれば良い。もしくは、点火時期補正量または燃料分割比による予め適合したテーブルを参照してもよく、前記演算式とテーブル参照値の組合せで算出しても良い。例えば、点火時期補正は演算式とし分割比補正は、テーブルもしくは、逆の組合せでも良い。
以上、図7から図9では、燃料噴射2度噴きを行う分割比を用いて、且つ該分割比を徐々に変化させることで、触媒被毒解除制御移行の際のエンジントルクを緻密に制御できることを説明したが、インジェクタの噴射特性から、分割比を微細に演算した結果をインジェクタ噴射パルスとして出力した場合の問題点とそれに対応する本発明について以下、図10及び図11を用いて説明する。
図10は、一定燃圧下でのインジェクタの流量特性を示したものである。
図10で示した通り、インジェクタはエンジン制御装置から供給される噴射パルス幅に対して、燃料噴射量は直線的な特性を示す。しかしながら、噴射パルス幅が通常使用される以下の極端に短い領域では、インジェクタ内のプランジャがインジェクタ開弁する際に、ストッパに衝突しバウンドすることで、図10に示した非線型な流量特性となる。この特性は、一般に知られているので、これ以上の詳細の説明は必要としない為、省略する。この特性から、極端に短い噴射パルス幅で制御した場合、所望の燃料噴射量を制御出来ないため、空燃比制御性が保てない為、図中で示したTIMIN以下ならない様に噴射パルス幅最小値を制限することも一般に知られている。したがって、分割比が一方の噴射(燃料噴射2度噴きの1回目の噴射もしくは2回目の噴射の何れか)に片寄った演算値の結果をインジェクタ噴射パルスとして出力した場合には、前記TIMINの制限を行う必要性から、所望の噴射量を制御することができずに、空燃比制御性が悪化してしまい、排気エミッション及び運転性が悪化することになる。このことより、分割比を微少に制御することによる、空燃比制御悪化を回避する必要がある。
図11は、本実施形態の燃料噴射分割比による空燃比制御性悪化させない方法の1例を示したものである。図11の上段は、前記分割比が一方に片寄ったことにより、インジェクタ噴射流量特性が直線性を保てる最小パルス幅を下回った場合(図中では、2度噴きの1回目の噴射パルス幅が短い例である)の図を示したものである。この様に、前記噴射パルス幅制限値TISMINに対して、短い要求通りの噴射を実行した場合には、1回目の燃料噴射量の精度が保てなくなり、該図11の上段で示した通りの制御を行うと、空燃比制御性が悪化することは、図10で説明した通りである。そこで、本実施形態では、前記図11の上段で示したような噴射パルス幅演算がなされた場合でも、空燃比制御性を悪化させない方法として、図11の下段に示す。前記片寄った分割比の演算により、噴射パルス幅が前記TIMINよりも下回った場合には、当該噴射時には、TISMINのパルス幅で燃料噴射を行い、TISMINの制限によりパルス幅が長く出力された分(図中の(+)分)は、2回目の噴射パルス幅から減算(図中の(−)分)して、パルス幅を出力すれば、燃料噴射量は所望の値を確保することが出来、空燃比は悪化しないことになる。ここで、TISMINの制限により1回目の噴射パルス幅が長くなった値は、“TISMIN−1回目の要求噴射パルス幅”で容易に算出することができ、その算出結果を2回目の噴射パルス幅から減算すれば良い。図11では、1回目の噴射パルス幅がTISMINよりも短い場合の例で説明したが、2回目の噴射パルス幅がTISMINよりも短い場合でも、同様の演算及び噴射パルス幅出力を行えば良い(2回目の噴射パルス幅をTISMINに制限して、これにより長くなる噴射パルス幅を予め1回目の噴射パルス幅から減算して出力する)。
以上、触媒被毒解除制御に移行する際に、本実施形態によるエンジントルクを変化させないことを可能とする、エンジントルク制御方法について説明したが、次に、触媒被毒解除による点火リタード限界を広く確保する実施形態について説明する。
図12は、本実施形態の触媒被毒解除制御時の点火リタード限界を拡大する方法の1例である。
図12は、筒内噴射方式の燃料圧力(以下、燃圧と称する)と点火リタード限界を測定した結果である。燃圧を高く設定するに伴って、点火リタード限界(図3で説明したサージトルク目標値以内)が拡大して、所定値以上でサチュレートする。該点火リタード限界が拡大することで、排気温度も上昇することになり、触媒の被毒を回復する効果がより大きくなる。このことから、触媒被毒解除制御を行う時には、通常運転時の燃圧により点火リタード限界が制限されない様に、触媒被毒解除制御の為の別の燃圧値制御を行うことで、より効果的な触媒の被毒を回復できるエンジン制御装置を提供することが可能となる。
図13は、本実施形態の触媒被毒解除制御時の燃圧制御のフローチャートの1例である。
ブロック501では、前記図5及び図6で説明したのと同様に触媒被毒解除条件の判定を行い、該条件が不成立と判定した場合には、ブロック1404にて通常運転時の目標燃圧演算を行う。前記ブロック501にて、触媒被毒解除条件が成立したと判定した場合には、ブロック1401にて、前記ブロック1404とは異なる触媒被毒解除制御専用の目標燃圧を演算する。ここで、触媒被毒解除制御専用の目標燃圧は、エンジン回転数とエンジン負荷のマップによる演算で算出すれば良い。また、エンジンの燃焼状態が安定する場合には、エンジン回転数もしくはエンジン負荷によるテーブル、または1点定数の何れの算出方法で良い。ブロック1402では、ブロック1401で演算された触媒被毒解除制御用の目標燃圧に対し、実際の燃圧が該目標燃圧に収束しているかを判定する。ここで、目標燃圧に対し、前記図1で説明した燃圧センサ34より検出された実際の燃圧が収束したか否かの判定方法は、図14により後述する。前記ブロック1402にて、触媒被毒解除制御用の目標燃圧に収束したと判定した場合には、ブロック1403にて、燃料噴射2度噴き制御を行う。
図14は、本実施形態の触媒被毒解除制御用の目標燃圧収束判定方法の1例である。図中の上段(燃圧)に示した図は、図中に示した矢印部分を境に、触媒被毒解除条件が成立した時に、前記触媒被毒解除制御用の目標燃圧に切り換った状態を示したものである。該目標燃圧が切り換ったことにより、実際の燃圧は、目標燃圧フィードバック制御により、図中の実線で示した様に、1次遅れで目標燃圧に収束していく。このときの目標燃圧と実燃圧の差を図の中段に示す。加えて、この時の目標燃圧フィードバック値(PI制御)は、目標燃圧と実燃圧の比例分であるP分と積分分であるI分で行われ、目標燃圧と実燃圧の差が大きい程、フィードバック値は大きな補正値となり、目標燃圧に近づくに伴い、一定値に安定する様になる。ここで、図中の下段には、上記フィードバックI分のみの動作を図中の下段(I分)に示す。以上説明したことから、前記図13のブロック1402の被毒解除制御用目標燃圧に収束したか否かの判定は、図14の中段の説明をした両者の絶対値の差分:|目標燃圧−実際の燃圧|≦AAとして判定すれば良い。もしくは、目標燃圧フィードバック値の変化量により判定しても良い。
次に図15は、これまで説明してきた触媒被毒解除制御を行った時の排気温度の傾向を示したものである。
触媒被毒解除制御を行ってもエンジンの運転状態の違いにより、図16で示した様に、排気温度の上昇量及び上昇速度は異なる傾向を示す。この為に、図中に示した触媒が被毒から回復できる目標排気温度を達成させる為には、運転領域毎に判定する必要がある。ここで、如何なる運転条件にあっても、必ず排気温度が該目標値に到達するまでの時間とした場合には、燃費悪化及び触媒への熱ダメージを与える可能性があり、必ずしも、選択すべき方法ではない。また、排気温度センサがある車両に関しては、直接排気温度センサを検出して、該目標排気温度に到達したか否かを判定すれば良い。
図16は、本実施形態の排気温度推定方法の1例を示したものである。図16は、前記図16で説明した様に、運転領域で排気温度上昇量及び速度が異なることから、エンジン回転数とエンジン負荷のマップを準備して、該マップ上に運転領域毎の重み付けを割り当てたものである。ここで、該重み付け値はエンジン低回転及び低負荷の時ほど小さい値を設定し、エンジン高回転及び高負荷の時ほど大きい値を設定するものである。この重み付けの積算値(Σ重み付け)を算出し、積算値が目標排気温度到達に基づいた値となった時に、触媒の被毒が回復したと判定し、触媒被毒解除制御を終了すれば良い。ここでは、各運転領域毎の重み付けの積算として説明したが、その他の運転領域の状態を積算できるパラメータ、例えば吸入空気量の積算等、同等の方法を用いて演算しても良い。
1…エンジン、7…絞弁ボディ、13…燃料噴射弁(インジェクタ)、15…コントロールユニット、26…CPU演算手段(演算手段)。

Claims (5)

  1. 燃焼室に直接燃料噴射する筒内噴射式エンジンの制御装置において、一サイクル中の吸気行程と圧縮行程とに分けて少なくても1回ずつ燃料噴射を行う噴射制御手段と、前記噴射制御手段によって吸気行程と圧縮行程とに分割された燃料量の比である分割比に基づいて、前記筒内噴射式エンジンに供給する空気量を制御する空気量制御手段を特徴とする制御装置。
  2. 前記空気量制御手段は、圧縮行程における噴射量が多くなる方向に前記分割比が変化した場合、前記筒内噴射式エンジンに供給する空気量が多くなる方向に該空気量を制御することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 一サイクル中の燃料噴射を1度噴きから2度噴きに切り換えた後に前記分割比を徐々に変化させて目標の分割比に制御することを特徴とする請求項1,2に記載の制御装置。
  4. 前記空気量制御手段は、点火時期リタード量に基づいて、空気量を制御することを特徴とする請求項1−3に記載の制御装置。
  5. 一サイクル中の吸気行程と圧縮行程とに分けて少なくても1回ずつ行われる燃料噴射のうち少なくとも一つが、最小噴射量未満の場合、該燃料噴射は最小噴射量で行い、該燃料噴射における増加分を他のいずれかの燃料噴射量から減算することを特徴とする請求項1−4記載の制御装置。
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