JP4490558B2 - Car equipped with X-ray CT system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走式車両に搭載したX線CT装置によって、災害被災地や山間部などの過疎地において、画像診断を行うためのX線CT装置搭載車に係り、特にX線CT装置の可動部を固定したり、その固定を解除する保護装置の作動状態に応じて、X線CT装置の動作あるいはX線CT装置を搭載している自走式車両の走行を制御するようにしたX線CT装置搭載車に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検者の周囲からX線を曝射するとともに、被検者を透過したX線量を計測し、得られた投影データをコンピュータを用いて画像再構成処理を施すことによって被検者の断層像を得るX線CT装置は、病気の早期発見や適切な治療方針の決定などに威力を発揮している。また、バス形式などの自走式車両にX線CT装置を搭載したいわゆるX線CT装置搭載車を災害被災地へ移動させて、現地で骨折の有無や内臓の損傷の状況などの画像診断を行なったり、あるいは、山間部などの過疎地における巡回診断や集団検診などにも活用されている。
特に近時、ヘリカル走査型のX線CT装置の出現によって、一呼吸の間に胸部領域の撮影が可能となったことに伴ない、胸部疾患の早期発見のための集団検診用としても、ヘリカル走査型のX線CT装置を搭載したX線CT装置搭載車の実現が強く望まれるようになった。
【0003】
ところで、従来のX線CT装置搭載車としては、実用新案登録第3027769号公報に開示されたものが知られており、その概要を図7に示してある。すなわち、大型バス形式の車両1の長さ方向中央部に、X線CT装置の架台2aと寝台2bを搭載し、車両前部の運転席18と架台2a、寝台2bとの間の空間に電源装置3および高圧発生器4を設置し、さらに車両1の後方にX線モニタ5や操作卓6を設けたものである。そして、車両1の後壁面に担架や車椅子に乗った被検者の出入口12とリフト装置15を設け、さらに車両1の後方側壁面にも自力で歩行できる被検者用の出入口13を設けたものである。
なお、その他のX線CT装置搭載車として、特開平6−154202号公報、特開平8−127282号公報などに開示されたものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案登録第3027769号公報に開示されたものは、電源装置3がX線CT装置の架台2a、寝台2bと同じ室内に設置されているので、安全性に不安があるとともに、検査中の被検者に騒音による不快感を与えるという問題があった。
また、特開平6−154202号公報に開示されたものは、被検者を椅子に座らせた状態でX線CT撮影を行うものであるため、重傷な被検者のX線CT撮影には不向きだった。さらに、特開平8−127282号公報に開示されたものは、大型トレーラに搭載した産業用X線CT装置であり、道路事情などの問題もあって、山間部などの過疎地における巡回診断や集団検診などに使用するものとしては不向きだった。
そして、これら従来のX線CT装置搭載車は、搭載されたX線CT装置の可動部に対する保護手段についての配慮が特にされてなく、X線CT装置搭載車の走行に伴なう振動や衝撃によって、X線CT装置の可動部を損傷させるおそれがあった。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、自走式車両にX線CT装置の架台および寝台を設置したX線CT装置搭載車において、前記X線CT装置の架台に設けたX線管およびX線検出器を対向配置した回転部および/または前記架台を傾斜させるチルト機構を固定したり固定を解除する保護手段と、この保護手段が前記回転部および/またはチルト機構が固定されていることを検出しているときに、前記自走式車両の走行を可能とし、および/または前記X線CT装置による撮影動作を阻止する制御手段とを具備することを特徴とするものである。
これにより、保護手段の動作に応じて、自走式車両の走行の可否やX線CT装置による撮影動作の可否を制御するので、チルト機構や回転部の損傷を防止することができる。
【0006】
また、上述の課題を解決するため、本発明の他の観点は、自走式車両にX線CT装置の架台および寝台を設置したX線CT装置搭載車において、前記X線CT装置の架台に設けたX線管およびX線検出器を対向配置した回転部および/または前記架台を傾斜させるチルト機構を固定したり固定を解除する保護手段と、この保護手段が前記回転部および/またはチルト機構の固定が解除されていることを検出しているときに、前記X線CT装置による撮影動作を可能とし、および/または前記自走式車両の走行を阻止する制御手段とを具備することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るX線CT装置搭載車の実施の形態について、図1ないし図6を参照して詳細に説明する。なお、これらの図において、同一部分には同一符号を付して示してある。
図1は、本発明に係るX線CT装置搭載車の一実施の形態を説明するための全体レイアウトを示した平面図であり、図2は、同じく側面図である。なお、図1では、車両の天井部分を除いて示してある。
さて、本発明に係るX線CT装置搭載車100は、例えば大型バス形式のような前部に運転席110を有する自走式車両の略中間部にCT室120を形成し、運転席110とCT室120との間に一部が2層構造とした電源室130を形成し、CT室120の後方にスタッフ室140を形成したものとなっている。また、自走式車両の後壁部にスタッフ室140に通じるように被検者などの出入口150が形成されていて、スタッフ室140は被検者の更衣室を兼用している。
CT室120は自走式車両内で最も広いスペースをもち、X線CT装置の架台121および寝台122が床に固定されて設置されているとともに、空調設備123や配電盤124などが設置されている。X線CT装置は通常、架台121、寝台122とコンソール141とから構成されており、コンソール141は、後述するようにスタッフ室140に設けられている。
【0009】
なお、図3に、CT室120内に設けられた架台121と寝台122の一部を拡大して示してあるが、架台121の中央には撮影口となる貫通穴121aが形成されており、寝台122の天板122aに載せられた被検者が、天板122aのスライドによって撮影口121aへ送り込まれるようになっている。この天板122aの撮影口121a側へのスライドストロークは、CT室120の空間条件例えば、CT室120と電源室130とを仕切っている仕切壁120aと、架台121との間の距離に応じて適宜設定できるようになっている。
これは、自走式車両の形式あるいはCT室120に設置するX線CT装置の形式などによって、架台121などの大きさが異なることが予想されるので、CT室120が小さい場合に、スライドする天板122aが仕切壁120aと干渉しないようにするためである。
なお、寝台122は被検者の乗り降りを容易にするために、天板122aを退避させた状態で、床上35cm程度まで下降させることができるとともに、所定の高さまで上昇しなければ天板122aがスライドできないように、インターロック回路が設けられている。
【0010】
また、架台121内には図示していないが、撮影口121aを挟んで対向するように、X線管とX線検出器を取付けた回転部が設けられ、さらに回転部を駆動する駆動部や架台121をチルトさせるチルト機構、およびX線管へ供給する高電圧を発生する高電圧発生器や、X線検出器で検出された信号を増幅する信号増幅器などが収納されている。このチルト機構のチルト角度も、CT室120の空間条件に応じて適宜設定できるようになっている。これも寝台122の天板122aと同様に、CT室120に形式の異なる種々の架台121を設置しても、CT室120の天井や仕切壁120aと干渉しないようにするためである。
そして、架台121の表面はカバーで覆われており、このカバーは、フロントカバー121b、サイドカバー121c、アッパーカバー121d、バックカバー121eなどに分割されていて、一般的なメインテナンスは、図2に示されているように、フロントカバー121bを自走式車両の天井側へ開いて、正面から内部の機器にアクセスすることができるように設計されている。
また、架台121のサイドカバー121cから突出するように、保護装置としてのハンドル121fが設けられている。このハンドル121fは、チルト機構の固定または固定を解除するためのものであって、X線CT装置搭載車100の走行時に、振動などによってチルト機構に損傷を与えないように、走行時には固定し、X線CT装置搭載車100を所定位置に停止させて、X線CT装置を稼動させる時にはその固定を解除するものである。なお、X線CT装置による撮影動作時には、必要に応じてチルト機構により架台121を所望角度にチルトさせることがあるが、この時の架台121の固定は、上記の保護装置としてのハンドル121fによるチルト機構の固定とは異なることは言うまでもない。
【0011】
この保護装置としてのチルト機構の固定または固定解除に伴なう各種制御について、図4に示した模式的な回路図を参照して説明する。
ハンドル121fの操作によって、チルト機構が固定されたことを検出する第1のマイクロスイッチSW1と、固定が解除されたことを検出する第2のマイクロスイッチSW2とがチルト機構部に設置されている。具体的には、架台121がチルト角0度の位置(垂直な状態)にあるとき、ハンドル121fを回転させることによって、チルト機構部の図示しない可動部材を固定部材によって挟持し、この挟持が確実になった状態で第1のマイクロスイッチSW1をオンさせる。一方、ハンドル121fを逆回転させると、チルト機構部の可動部材の固定部材による挟持が緩み出し、第1のマイクロスイッチSW1はオフになるとともに、この挟持が確実に解除された状態で第2のマイクロスイッチSW2がオンになる。なお、第1のマイクロスイッチSW1と第2のマイクロスイッチSW2のオン、オフは、ハンドル121fのストロークに応じて動作させるようにしてもよい。
このハンドル121fの操作状態、すなわち保護用としてのチルト機構の固定/解除の状態は、X線CT装置搭載車100の走行開始あるいは、X線CT装置の稼動開始に当たって、オペレータなどに誤解を与えないように、CT室120内の壁に備えられている表示器125に表示される。すなわち、第1のマイクロスイッチSW1がオンになると、表示器125にはチルト機構が固定されていること、所謂保護装置が作動していることが表示される。また、第2のマイクロスイッチSW2がオンになると、表示器125にはチルト機構の固定が解除されていること、所謂保護装置が解除されていることが表示される。さらに、チルト機構を固定あるいは固定を解除する途中であったり、固定や解除が確実になされていない場合には、第1、第2のマイクロスイッチSW1、SW2共オフ状態にあるので、このときは、ノアゲートG1を介して表示器125へ信号が供給され、保護装置が異常である旨を表示する。
【0012】
加えて、この第1、第2のマイクロスイッチSW1、SW2の動作信号を利用して、X線CT装置の稼動すなわち撮影操作を可能としたり、X線CT装置搭載車100すなわち自走式車両の走行を可能とする制御を実施している。
そのため、第1のマイクロスイッチSW1からの信号は、自走式車両のスタータ制御回路111およびX線CT装置の制御部141bの緊急停止回路141gへ供給されており、例えば、第1のマイクロスイッチSW1からオン信号(Hレベル)が出力されていれば、スタータ制御回路111はオンとなって自走式車両の走行を可能とし、同時に、ゲートG2を介して緊急停止回路141gをオンとして、X線CT装置の撮影操作を阻止する。なお、第1のマイクロスイッチSW1の出力がオフ信号(Lレベル)のときは、ゲートG3の作用によりスタータ制御回路111をオフにして、エンジンを始動させることができないようになっており、緊急停止回路141gをオンにすることもない。
また、第2のマイクロスイッチSW2からの信号も、X線CT装置の制御部141bの緊急停止回路141gおよび自走式車両のスタータ制御回路111へ供給されており、例えば、第2のマイクロスイッチSW2からオン信号(Hレベル)が出力されていれば、X線CT装置の緊急停止回路141gをオフさせるので、X線CT装置を正常に動作させることができ、同時にゲートG3を介してスタータ制御回路111をオフとして、自走式車両のエンジンの始動を阻止する。なお、第2のマイクロスイッチSW2の出力がオフ信号(Lレベル)のときは、ゲートG2の作用により緊急停止回路141gをオンさせるので、X線CT装置を動作させることができないし、スタータ制御回路111はオフのままで、自走式車両のエンジンを始動させることはできない。
よって、第1、第2のマイクロスイッチSW1、SW2が共にオフのときは、X線CT装置を動作させることも自走式車両を走行させることもできないこととなる。
【0013】
なお、既に述べたX線管とX線検出器を撮影口121aを挟んで対向するように取付けた回転部にも、X線CT装置搭載車100の走行時には固定し、X線CT装置を稼動させる時にはその固定を解除する保護装置が、図示しないが架台121内に設けることができる。この保護装置は、チルト機構を保護するものと同様に、機械的な固定手段でもよいが、例えば非通電時にブレーキ作用を働かせ、通電時にブレーキ作用を解除する電磁ブレーキのような手段でよく、この場合、フロントカバー121bに設ける操作スイッチの操作や、スタッフ室140からの遠隔操作によって、ON/OFFが行われる。また、保護手段による回転部の固定は、回転部に対向するように取付られているX線管およびX線検出器が、架台121に垂直すなわち自走式車両100の床面に対して略垂直となる位置で行うことが望ましい。
そして、回転部が固定されていることや固定が解除されたことを検出するスイッチの出力は、上記の第1、第2のマイクロスイッチSW1、SW2の出力と並列的に取扱って、スタータ制御回路111や緊急停止回路141gの制御と表示器125への表示を行うことができる。
【0014】
次に、電源室130について説明する。
電源室130は、運転席110とCT室120との間に位置し、一部が2層構造に形成されており、下層部に発電機から成る電源装置131を設置し、上層部には電源装置131を冷却するためのファンなどの空冷設備132が設置されている。このように、電源室130を2層構造に形成し、その下層部に重量物である電源装置131を自走式車両の長手方向に直交する向きに配置したので、自走式車両のスペース効率が改善される。また、電源室130を独立の室としたので、CT室120内の被検者に、騒音による不快感を与えることが少なくなり、安全性も向上される。
そして、この電源室130からX線CT装置の各構成機器へ必要な電源が供給されることとなるが、電源室130のスペースは限られており、大型の電源装置131を設置することが困難であり、そのため、必ずしも十分な電源供給がされることにはなっていない。よって、本発明のX線CT装置搭載車100は、電源装置131の容量に応じて負荷を調整することができるようになっているが、その手段については後述する。
【0015】
次に、CT室120の後方に形成されているスタッフ室140について説明する。
スタッフ室140は、X線CT装置を操作したり取得したCT画像を読影したりするために、医師や技師などの医療スタッフが主に使用する室である。そして、スタッフ室140には、X線CT装置のコンソール141、CT画像を表示するモニタ142を始めとして、肺癌検診用のコンピュータ支援診断システム(肺癌CAD)143a、通信システム143b、解析装置143cなどの各種の機器143が、スタッフ室140の一方の側壁面に沿って、換言すれば、自走式車両の長手方向の側壁の一方の面に沿って配列されている。
図5は、スタッフ室140に設置されたコンソール141部分を拡大して示したものである。このコンソール141は、テーブル141a、テーブル141aの下に置かれた制御部141b、テーブル141aの上に置かれたキーボード141c、マウス141dを有している。なお、テーブル141aの上には、モニタ142やその他の機器143のモニタなども置かれている。
【0016】
そして、X線CT装置の各種設定操作例えば、架台121内のX線管から曝射されるX線の条件を設定するための管電圧、管電流の設定、撮影部位を撮影口121aに位置させるための寝台天板122aのスライドストロークの設定、撮影枚数の設定などは、医療スタッフがキーボード141cやマウス141dを使用して制御部141bへ指示を入力することにより行われる。このとき、制御部141bでは、入力された管電圧、管電流に基づき、負荷が電源装置131の容量の範囲内か否かを判断し、負荷が電源容量を越えると判断される場合には、警報を発するなどしてX線の曝射を保留するようにする。よって、医療スタッフが設定を変更することにより、電源容量の範囲内と判断されると正常にX線が曝射され、CTデータが収集される。
すなわち既に述べたように、X線CT装置搭載車100は、搭載している発電機などの電源装置131によって、X線CT装置をはじめとして関連設備の電力を賄っており、その容量には限度がある。よって、通常のX線CT装置の最大出力条件でX線を曝射すると、過負荷状態となるおそれがありその状態を繰り返すと電源装置131の故障の原因となる。また、電源が停止してコンピュータの動作を異常にしたり、収集した貴重な画像データを消失させるおそれがある。そこで、最も電力を必要とするX線曝射の条件に基づく所用電力から、関連設備を含めた消費電力を計算し、電源装置131の容量の範囲内かどうかを判定するようにしている。
【0017】
ところで、モニタ142は、テーブル141a上に水平方向に対して回転自在となるように固定されている首振り部144に、2本のバンド144a、144bによって一体となるように固定されている。従って、モニタ142は首振り部144とともに、テーブル141a上を水平方向に所定範囲内で自由に向きを変えことができる。よって、走行時の振動などに耐えられるように保護しながら、使用時の操作性を向上することができる。
また、CT室120内で撮影中の被検者とスタッフ室140側に居る医療スタッフとがコミュニケーションをとるためのマイク141eが、テーブル141a上に固定されている。なおマウス141dは、非使用時には、図示のようにモニタ142の側面に固着されているマウスポケット141fに収納されるようになっている。
さらに、図5には、キーボード141cが、首振り部144とテーブル141aとに介装させた固定バンド144cによって固定された様子が示されている。これは、X線CT装置搭載車100の走行時の様子を示したものであって、X線CT装置の稼動時には、固定バンド144cは外されている。なお、固定バンド144cは、略V字状に形成した弾性を有しており、X線CT装置搭載車100の走行時に、キーボード141cのみならずモニタ142も首振り部144とともに固定して、走行時の振動などに耐えられるように保護することができる。
【0018】
従来、X線CT装置搭載車100の走行時には、キーボード141cやマウス141dなどをコネクタから外して保護ケースなどに収納し、X線CT装置の稼動時に再度接続するようにしていたためその作業が煩わしかったが、固定バンド144cによる固定とマウスポケット141fへの収納により、この煩わしさから開放されるとともに、保護ケースを置くための場所も不要となり、スペースを有効に活用することができる。
なお、図示したモニタ142とキーボード141cだけでなく、その他の機器143用のモニタも、同様にテーブル141a上に載置される首振り部に取付けられ、そのキーボードも固定バンドによって固定されるものであるが、図5にはこれらの図示を省略した。
また、テーブル141aの下に置かれた制御部141bはその底部が、スタッフ室140の床に防振ゴムを介して固定した2本のガイド板145に嵌め合わされるようにして固定される。図示は省略したが、ガイド板145の上面にはローラが設けられており、制御部141bの底部に取付られているスロープの付いたベース板を、ローラ上を滑らせて矢印方向へ移動させると、所定位置で嵌め合わされて固定されるようになっている。なお、メインテナンス時などには、制御部141bの片側を持ち上げるようにして、図5の左側(矢印の反対側)へ引き出せば、制御部141bの底部にキャスタが設けられているので、容易にテーブル141aの左側スペースへ移動させることができる。
このように、ガイド板145は、制御部141bの底部からはみ出すことなく制御部141bを固定することができるので、スタッフ室140内の省スペース化に寄与できる。
【0019】
また、図1に示されているように、スタッフ室140のコンソール141を始めとして各種の機器143の配列されている面とは逆の側壁側に、更衣用の空間146が形成されている。そして、この更衣用の空間146と壁面に沿って配列されている機器143との間を、必要に応じて仕切ることができるように、カーテン147のような可動式の遮蔽体を備え、更衣用の空間146には、固定した椅子146aが設置されている。
このように、スタッフ室140には一方の側壁面に沿ってコンソール141、モニタ142、各種機器143を一列に配列し、医療スタッフは、壁面側を向いてモニタ142や各種機器143の画面を見ながら作業を行うことができるので、スタッフ室140内の空間を広く利用することができる。よって、スタッフ室140を必要に応じて更衣室146と兼用することもできる。このとき、カーテン147によって更衣室146とモニタ142や各種機器143とが遮られるので、診断画像が他の被検者に見られるおそれがなくなり、被検者のプライバシーを保護することができる。
なお、出入口150は、自走式車両の後壁部にスタッフ室140の中央部に通じるように形成されており、出入口150には非使用時に車体内に収納されるステップ151が設けられている。
【0020】
次に、X線CT装置の架台121および寝台122とコンソール141とを接続するケーブルや電源供給ケーブルなどの敷設手段としてのピットについて説明する。
図6は、CT室120とスタッフ室140との床下に設置したピットの配置図であり、斜線を施した部分がピット160である。このピット160は、電源室130からCT室120へ仕切り壁120aの下を通り、仕切り壁120aに沿って形成され、架台121の下を通るように屈曲し、自走式車両の後輪位置を避けるように寝台122に沿って直進し、さらに屈曲して配電盤124の設置位置に達している。さらに、CT室120とスタッフ室140との仕切り壁120bの下を通り、屈曲してスタッフ室140側の仕切り壁120bに沿って、コンソール141に達するように形成されている。
なお、ピット160は、信号ケーブル用と電源ケーブル用とに仕切られており、架台121、寝台122、コンソール141間の信号の授受のための信号ケーブルは、ピット160内の信号ケーブル側に収納されている。また、電源装置131からの電源ケーブルは、ピット160内の電源ケーブル側を通して一旦配電盤124へ入り、配電盤124から改めてピット160の電源ケーブル側を通して、架台121、寝台122、空調設備123、コンソール141や各種の機器143などへと給電されるようになっている。
【0021】
このように、自走式車両の床下にピットを設置し、ここに信号ケーブルや電源ケーブルを収納して、X線CT装置を構成する機器間を相互に接続するようにしたことにより、床や壁に突出する部分をなくすことができるので、作業性、居住性、操作性、サービス性などを向上させることができる。よって、従来のX線CT装置搭載車1のように、床や壁に配線用のピットが突出して取付けられていたため、空間的な広がりを制約して医療スタッフの作業に支障を与えたり、各種機器の設置に制限を与えたりする不具合が解消できる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、保護手段によるチルト機構の固定/解除の状態を検出して、チルト機構が確実に固定されている場合には自走式車両の走行を可能とし、固定が解除されている場合には走行を阻止するようにしたので、自走式車両の走行に伴なう振動や衝撃からチルト機構の損傷を防止することができる。また逆に、保護手段によるチルト機構の固定が確実に解除されている場合にX線CT装置による撮影動作を可能とし、固定が解除されていない場合には撮影動作を阻止するので、無理な動作を強いることによるチルト機構の損傷を防止することができる。
なお、X線管およびX線検出器を対向配置した回転部についても同様に、保護手段により確実に固定されている場合には自走式車両の走行を可能とするとともに、固定が解除されている場合には走行を阻止し、保護手段による固定が確実に解除されている場合にX線CT装置による撮影動作を可能とするとともに、固定が解除されていない場合には撮影動作を阻止することにより、回転部の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるX線CT装置搭載車の一実施の形態を説明するための全体レイアウトを示した平面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】X線CT装置搭載車のCT室内に設けられた架台と寝台の一部を拡大して示した斜視図である。
【図4】X線CT装置搭載車における制御手段の一実施の形態を説明するために示した模式的な回路図である。
【図5】X線CT装置搭載車のスタッフ室に設置されたコンソール部分を拡大して示した斜視図である。
【図6】X線CT装置搭載車の床下に設置したピットの配置図である。
【図7】従来のX線CT装置搭載車を説明するために示した平面図である。
【符号の説明】
110 X線CT装置搭載車
110 運転席
111 スタータ制御回路
120 CT室
121 架台
122 寝台
122a 天板
125 表示器
130 電源室
131 電源装置
140 スタッフ室
141 コンソール
141g 緊急停止回路
142 モニタ
160 ピット
SW1 第1のマイクロスイッチ
SW2 第2のマイクロスイッチ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus for performing an image diagnosis in a depopulated area such as a disaster-affected area or a mountainous area by using an X-ray CT apparatus mounted on a self-propelled vehicle. X that controls the operation of the X-ray CT apparatus or the traveling of the self-propelled vehicle equipped with the X-ray CT apparatus according to the operating state of the protective device that fixes the movable part or releases the fixed part. The present invention relates to a vehicle equipped with a line CT apparatus.
[0002]
[Prior art]
A tomogram of the subject by exposing the subject to X-rays, measuring the X-ray dose transmitted through the subject, and subjecting the obtained projection data to image reconstruction processing using a computer The X-ray CT apparatus that obtains the power is effective in the early detection of diseases and the determination of an appropriate treatment policy. In addition, a so-called X-ray CT device equipped vehicle with a self-propelled vehicle such as a bus is moved to a disaster-stricken area to perform diagnostic imaging such as the presence or absence of fractures and internal organ damage. It is also used for traveling diagnosis and mass screening in depopulated areas such as mountainous areas.
In particular, with the advent of helical scanning X-ray CT devices, the chest area can be imaged during a single breath. Realization of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus equipped with a scanning X-ray CT apparatus has been strongly desired.
[0003]
Incidentally, as a conventional vehicle equipped with an X-ray CT apparatus, one disclosed in Utility Model Registration No. 3027769 is known, and an outline thereof is shown in FIG. In other words, the gantry 2a and the couch 2b of the X-ray CT apparatus are mounted in the central portion in the longitudinal direction of the large
As other vehicles equipped with an X-ray CT apparatus, those disclosed in JP-A-6-154202, JP-A-8-127282, and the like are also known.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the utility model registration No. 3027769, the
Moreover, since what was disclosed by Unexamined-Japanese-Patent No. 6-154202 performs X-ray CT imaging in the state where the subject was sitting on the chair, in X-ray CT imaging of a seriously injured subject It was unsuitable. Further, what is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-127282 is an industrial X-ray CT apparatus mounted on a large trailer. It was unsuitable for use in medical examinations.
In these conventional X-ray CT apparatus-equipped vehicles, no particular consideration is given to the protection means for the movable parts of the mounted X-ray CT apparatus, and vibrations and shocks associated with traveling of the X-ray CT apparatus-equipped vehicle are not considered. As a result, the movable part of the X-ray CT apparatus may be damaged.
The present invention has been made to solve such conventional problems.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventionTheTraveling carX on bothInstalled a line CT system frame and bedXIn a vehicle equipped with a line CT apparatus, a rotating part in which an X-ray tube and an X-ray detector provided on the frame of the X-ray CT apparatus are arranged to face each other and / or a tilt mechanism for tilting the frameSolidifyProtecting means for fixing or releasing the fixing, and this protecting meansEnables the self-propelled vehicle to travel and / or prevents the imaging operation by the X-ray CT apparatus when detecting that the rotating part and / or the tilt mechanism is fixed.And a control means.
Accordingly, whether or not the self-propelled vehicle is allowed to travel and whether or not the imaging operation is performed by the X-ray CT apparatus is controlled in accordance with the operation of the protection unit, so that damage to the tilt mechanism and the rotating unit can be prevented.
[0006]
In order to solve the above-mentioned problems,Another aspect of the present invention is an X-ray CT apparatus-equipped vehicle in which a stand and a bed for an X-ray CT apparatus are installed in a self-propelled vehicle, and an X-ray tube and an X-ray detector provided on the mount of the X-ray CT apparatus. Protecting means for fixing or releasing the fixing of the rotating part and / or the tilting mechanism for tilting the gantry, and detecting that the fixing of the rotating part and / or the tilting mechanism is released And a control means for enabling the imaging operation by the X-ray CT apparatus and / or preventing the self-propelled vehicle from traveling.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus according to the present invention will be described in detail with reference to FIGS. In these drawings, the same portions are denoted by the same reference numerals.
FIG. 1 is a plan view showing an overall layout for explaining an embodiment of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus according to the present invention, and FIG. 2 is a side view of the same. In FIG. 1, the vehicle is shown excluding the ceiling.
Now, an X-ray CT apparatus-equipped
The
[0009]
In FIG. 3, a part of the
This is because the size of the
The
[0010]
Although not shown in the
The surface of the
Further, a
[0011]
Various controls associated with fixing or releasing the tilt mechanism as the protective device will be described with reference to the schematic circuit diagram shown in FIG.
A first micro switch SW1 that detects that the tilt mechanism is fixed by operating the
The operation state of the
[0012]
In addition, using the operation signals of the first and second micro switches SW1 and SW2, the operation of the X-ray CT apparatus, that is, the imaging operation can be performed, or the
Therefore, the signal from the first microswitch SW1 is supplied to the starter control circuit 111 of the self-propelled vehicle and the emergency stop circuit 141g of the control unit 141b of the X-ray CT apparatus. For example, the first microswitch SW1 If the on signal (H level) is output from the starter control circuit 111, the starter control circuit 111 is turned on to allow the self-propelled vehicle to travel, and at the same time, the emergency stop circuit 141g is turned on via the gate G2, and the X-ray The imaging operation of the CT apparatus is blocked. When the output of the first micro switch SW1 is an off signal (L level), the starter control circuit 111 is turned off by the action of the gate G3 so that the engine cannot be started, and an emergency stop is performed. The circuit 141g is not turned on.
A signal from the second micro switch SW2 is also supplied to the emergency stop circuit 141g of the control unit 141b of the X-ray CT apparatus and the starter control circuit 111 of the self-propelled vehicle. For example, the second micro switch SW2 If the ON signal (H level) is output from the X-ray CT, the emergency stop circuit 141g of the X-ray CT apparatus is turned off, so that the X-ray CT apparatus can be operated normally, and at the same time, the starter control circuit via the gate G3. 111 is turned off to prevent the engine of the self-propelled vehicle from starting. When the output of the second micro switch SW2 is an off signal (L level), the emergency stop circuit 141g is turned on by the action of the gate G2, so that the X-ray CT apparatus cannot be operated, and the starter control circuit 111 remains off and the self-propelled vehicle engine cannot be started.
Therefore, when both the first and second micro switches SW1 and SW2 are off, the X-ray CT apparatus cannot be operated and the self-propelled vehicle cannot be driven.
[0013]
In addition, the X-ray tube and the X-ray detector, which have already been described, are also fixed to the rotating part mounted so as to face each other with the imaging port 121a interposed therebetween, and the X-ray CT device is operated while the
The output of the switch that detects that the rotating part is fixed or released is handled in parallel with the output of the first and second micro switches SW1 and SW2, and the starter control circuit 111 and the emergency stop circuit 141g can be controlled and displayed on the
[0014]
Next, the
The
Then, necessary power is supplied from the
[0015]
Next, the
The
FIG. 5 is an enlarged view of the
[0016]
Then, various setting operations of the X-ray CT apparatus, for example, setting of the tube voltage and tube current for setting the conditions of X-rays emitted from the X-ray tube in the
That is, as already described, the
[0017]
By the way, the
In addition, a
Further, FIG. 5 shows a state in which the keyboard 141c is fixed by a fixing band 144c interposed between the swinging
[0018]
Conventionally, when the X-ray CT apparatus-equipped
In addition to the
Further, the bottom of the control unit 141b placed under the table 141a is fixed so as to be fitted to two
Thus, since the
[0019]
Further, as shown in FIG. 1, a changing
In this way, the
The entrance /
[0020]
Next, a description will be given of pits as laying means such as cables and power supply cables for connecting the
FIG. 6 is a layout view of the pits installed under the floor of the
The
[0021]
In this way, a pit is installed under the floor of a self-propelled vehicle, a signal cable and a power cable are accommodated therein, and the devices constituting the X-ray CT apparatus are connected to each other. Therefore, workability, comfortability, operability, serviceability, etc. can be improved. Therefore, the wiring pit protrudes and is mounted on the floor or wall as in the
[0022]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, the state of fixing / releasing of the tilt mechanism by the protection means is detected, and the self-propelled vehicle can be driven when the tilt mechanism is securely fixed. Since the traveling is prevented when the fixing is released, it is possible to prevent the tilt mechanism from being damaged by vibrations and impacts associated with traveling of the self-propelled vehicle. On the other hand, if the tilt mechanism is fixedly released by the protection means, the X-ray CT apparatus can perform the imaging operation. If the locking mechanism is not released, the imaging operation is blocked. It is possible to prevent the tilt mechanism from being damaged due to forcing.
Similarly, the rotating part in which the X-ray tube and the X-ray detector are arranged to face each other is allowed to travel on the self-propelled vehicle when it is securely fixed by the protective means, and the fixation is released. If it is, the travel will be blocked, and if the fixing by the protective means is securely released, the imaging operation by the X-ray CT apparatus will be possible, and if the fixing is not released, the imaging operation will be blocked Thus, damage to the rotating part can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing an overall layout for explaining an embodiment of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a side view of the same.
FIG. 3 is an enlarged perspective view showing a part of a gantry and a bed provided in a CT chamber of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus.
FIG. 4 is a schematic circuit diagram shown for explaining an embodiment of the control means in the vehicle equipped with the X-ray CT apparatus.
FIG. 5 is an enlarged perspective view showing a console portion installed in a staff room of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus.
FIG. 6 is a layout view of pits installed under the floor of a vehicle equipped with an X-ray CT apparatus.
FIG. 7 is a plan view for explaining a conventional vehicle equipped with an X-ray CT apparatus.
[Explanation of symbols]
110 Car with X-ray CT system
110 Driver's seat
111 Starter control circuit
120 CT room
121 frame
122 sleeper
122a Top plate
125 display
130 Power supply room
131 Power supply
140 Staff room
141 console
141g Emergency stop circuit
142 Monitor
160 pits
SW1 First micro switch
SW2 Second micro switch
Claims (6)
前記X線CT装置の架台に設けたX線管およびX線検出器を対向配置した回転部および/または前記架台を傾斜させるチルト機構を固定したり固定を解除する保護手段と、
この保護手段が前記回転部および/またはチルト機構が固定されていることを検出しているときに、前記自走式車両の走行を可能とし、および/または前記X線CT装置による撮影動作を阻止する制御手段と
を具備することを特徴とするX線CT装置搭載車。In X-ray CT apparatus equipped vehicles were installed gantry and the bed of the X-ray CT apparatus in the own Hashishikisha both,
And protection means for releasing the fixed or solid boss tilt mechanism for tilting the rotating unit and / or the frame placed opposite the X-ray tube and X-ray detector which is provided to the frame of the X-ray CT apparatus,
When this protection means the rotating part and / or the tilt mechanism is detected that it is being fixed, the to allow the running of the self-propelled vehicle, and / or prevent the shooting operation by the X-ray CT apparatus A vehicle equipped with an X-ray CT apparatus.
前記X線CT装置の架台に設けたX線管およびX線検出器を対向配置した回転部および/または前記架台を傾斜させるチルト機構を固定したり固定を解除する保護手段と、
この保護手段が前記回転部および/またはチルト機構の固定が解除されていることを検出しているときに、前記X線CT装置による撮影動作を可能とし、および/または前記自走式車両の走行を阻止する制御手段と
を具備することを特徴とするX線CT装置搭載車。In X-ray CT apparatus equipped vehicles were installed gantry and the bed of the X-ray CT apparatus in the own Hashishikisha both,
And protection means for releasing the fixed or solid boss tilt mechanism for tilting the rotating unit and / or the frame placed opposite the X-ray tube and X-ray detector which is provided to the frame of the X-ray CT apparatus,
When this protective means is detecting that the fixing is released the rotating part and / or tilt mechanism, to enable the imaging operation by the X-ray CT apparatus, and / or running of the self-propelled vehicle A vehicle equipped with an X-ray CT apparatus.
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