JP4490162B2 - 磁性体除去方法 - Google Patents
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Description
たとえば、特開2002−273263号公報では、磁石をシリンダー内に挿入して鉄分を除去し、圧縮空気により磁石をシリンダー内で移動させ、集めた鉄粉を脱離させる方法が開示されている。しかし、この方法では大きく強力な磁石を使用できないこと、および磁石の移動に伴い集めた鉄粉が再び処理粉末に混合するおそれがあった。
さらに、一般に鉄粉の除去に際しては複数の磁性を有する棒が必要とされるので、同時にシリンダー内の磁石を移動させると、集められた鉄粉の動きはさらに複雑となり、鉄粉の製品への再混入のおそれが大きかった。
また、本発明は両端に非磁性部分を有する棒状の磁石体、該磁石体を移動させる手段、流体が移動する領域を画定する部材、および流体が移動する領域の外に設けられたスキージを有する、流体からの磁性体除去装置であって、該磁石体は流体の移動する領域内を往復し、該スキージは該磁石体が流体の移動する領域内に入いる際に磁石体表面に密着し、流体の移動する領域内への磁性体の同伴を防止する装置に関する。
磁性体は磁性を有するものであれば任意の物質であることができるが、典型的には鉄粉である。また、鉄粉としては鉄片などの他、砂鉄などが包含される。
本発明において用いられる磁石体は、両端に非磁性部分を有する。すなわち、磁石体の両端の部分は磁力を有しない。これは、たとえば非磁性体を磁石体の両端にネジなどの任意の手段により固定することにより得ることができる。
また、両端の非磁性部分の直径は、磁石体の中央部分の直径よりも小さいことが好ましい。これは、磁石を収納するシリンダー状の外筒部分の外径よりも小さい外径の非磁性体を用いることにより得ることができる。すなわち、外筒部分の直径よりも小さい外径を有するステンレス棒にネジを切り、これを外筒部分の末端に設けたネジ穴に挿入して固定することにより得ることができる。このようにすることにより、磁石体が移動してスキージが非磁性部分上に来たときに、磁性体が容易に除去される。
磁石体の長さは、流体の移動する領域の長さの2倍以上であることが好ましく、典型的には200mmから500mm、より典型的には250mmから350mmである。
両端の非磁性部分の直径は、磁石体の中央部分の直径と同じかまたはそれよりも小さく、磁石体の中央部分の直径よりも、好ましくは1mmから10mm、より好ましくは1mmから5mm小さい。
両端の非磁性部分の長さは、好ましくは10mmから30mm、より好ましくは約20mmである。
磁石体の強さは、好ましくは約6000ガウス以上である。かかる磁力を得るため、シリンダー状の外筒の厚さを適当に選択する必要がある。好ましくは外筒の厚さは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
互いの磁石体間の距離は、すべての流体が磁石体と接触するよう適宜設定することができるが、一般的には15mmから100mmの間であり、典型的には20mmから45mmの間である。
スキージの材質は、密着性がよく、かつ磁石体のスムーズな移動を妨げない物であることが必要とされ、好ましくはフッ素樹脂、たとえばテフロン(登録商標)が使用される。
スキージの形状は、磁石体が移動する際に表面に付着した磁性体の移動を禁止することができるものであれば種々の物が使用できる。たとえば、磁石体の中心を境界にして上下に分割され、密着される場合には、それらの上下方向から圧力が加えられ、磁石体に強く押しつけられる物が好適に使用できる。
磁石体は、モーターにより移動され、流体の移動する領域内を通過する。たとえば、流体の移動する領域内を磁石体が右方向に進む場合には、部材の左側に設けられたスキージが作動し、磁石体の表面に付着した磁性体が流体の移動する領域内に同伴されないようにする。磁石体がさらに右に移動し、スキージが非磁性部分の上に至ると、スキージで止められていた磁性体は磁石体から脱離し、受容器内に回収される。その後、磁石体は進行方向を変え、左側に移動を開始する。その時、部材の左側に設けられたスキージは開放され、流体の移動する領域の右側に設けられたスキージが作動し、磁性体の移動領域内への同伴を防止する。
図1−7に本発明の方法を実施するための好ましい装置の例を示す。
図1−4は、本発明の方法を実施するための好ましい装置の、それぞれ透視図、正面図、上面図、側面図である。
図1−4に示される本発明の装置は、レール1、ホッパー2などの供給装置を有し、この場合には粉体が落下する領域である流体が移動する領域を画定する部材3、および磁石体4を含む。磁石体は上から2列、3列、2列および3列に配置され、合計で10個設けられている。処理される粉体をホッパー2から上段の磁石体4の上に落ちるように部材内に落下させつつ、磁石体4を移動させる。たとえば図2では、磁石体4は右側に移動してゆく。このとき、部材3の左側面に取り付けられたスキージが磁石体の表面に密着され、磁石体表面に付着した磁性体を表面から除去し、清浄な表面を有する磁石体が部材内に入ってゆく。磁石体は右側への移動を続け、粉体に含まれる砂鉄などの磁性体をその表面に付着させて除去する。そして所定位置まで移動したら、進行方向を変え、左側に進む。同時に部材左側のスキージの磁石体表面への密着が解かれ、部材の右側面に取り付けられたスキージが磁石体の表面に密着される。そして清浄な表面を有する磁石体が部材内に右側から入ってゆき、処理が継続される。
スキージ支持体11の間にスキージ12が保持される。図5では右側のスキージが閉じられて磁石体表面に密着し、左側のスキージが開放されている。したがって、この場合は磁石体は右側から左側へ進み、右側のスキージにより磁石体表面に付着した磁性体が除去され、清浄な表面の磁石体が部材内に進む。
スキージは図5のようにヒンジ13の周囲に回転することにより開閉されても良い。またスキージの上下方向の移動により開閉しても良いし、磁石体表面に良好に密着されうる任意の方法をとることができる。
スキージはヒンジ13を有し、これを中心に回転可能である。また磁石体との密着を向上させるためスキージにはスキージリング14が形成されることが好ましい。
図7にレール上に設けられた磁石体ユニットを示す。
磁石体ユニットはモーター16によりレール1の上を移動し、所定位置まで移動したらスイッチにより進行方向を変え、反対方向へと移動する。
2:ホッパー
3:部材
4:磁石体
11:スキージ支持体
12:スキージ
13:ヒンジ
14:スキージリング
15:スキージヒンジ
16:モーター
Claims (4)
- 流体が移動している領域内において流体と磁石体を接触させて流体から磁性体を除去する方法において、該磁石体が両端に非磁性部分を有する棒状の磁石体であり、該磁石体の長さは流体の移動する領域内に存在する磁石体の長さの2倍以上であり、流体が移動する領域の両側にスキージを備え、該磁石体が流体が移動している領域内を往復運動する際に、該磁石体の進行方向前方のスキージが解放され、かつ進行方向後方のスキージが磁石体表面に密着される、流体からの磁性体除去方法。
- 流体が粉末であり、磁性体が鉄粉である、請求項1記載の方法。
- 両端の非磁性部分の直径が、磁石体の中央部分の直径よりも小さい、請求項1または2記載の方法。
- 両端に非磁性部分を有する棒状の磁石体、流体が移動する領域を画定する部材、該流体が移動する領域を画定する部材の両側に設けられたスキージ、および該流体が移動する領域内を該磁石体を往復運動させる手段を有する流体からの磁性体除去装置であって、該磁石体の長さは流体の移動する領域内に存在する磁石体の長さの2倍以上であり、該磁石体が流体が移動している領域内を往復運動する際に、該磁石体の進行方向前方のスキージが解放され、かつ進行方向後方のスキージが磁石体表面に密着される、流体からの磁性体除去装置。
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