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JP4483440B2 - モーション制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動要素を有する制御対象を制御するサーボ制御装置へ入力する指令のパラメータ設定方法に関し、特に、振動を低減できるパラメータの設定方法とモーション制御装置に関する。
従来のサーボ制御装置の指令は、振動を低減できるパラメータを学習手段により設定している(例えば、特許文献1参照)。
図5は従来のモーション制御装置を示す構成図である。図において、1はサーボモータの動作条件を入力する動作条件入力部、51は動作条件に応じたカム曲線を生成するカム曲線生成部、52はカム曲線生成部で生成されたカム曲線を記憶しておくカム曲線記憶部、4はモータに与える指令値を計算するモータ指令計算部、5はモータ指令計算部4で計算された指令値をもとにサーボ制御装置6に位置指令や速度指令を出力するモータ指令出力部である。6はモータに電流を流して駆動するサーボ制御装置、7は制御対象であるモータ、8はモータの軸の回転量を調べるエンコーダ、9はモータで駆動する負荷であり、100はモーション制御装置全体を示す。53はカム曲線評価部であり、54はカム曲線学習部である。
カム曲線評価部53では、カム曲線生成部51で生成した曲線に従ってモータを動作させた直後にモータに流れる電流値の絶対値を一定時間積分してカム曲線の評価値Icを求める。動作後に負荷に残留振動が残っている場合、振動を止めるようにモータに大きな電流が流れるため、Icの値が大きくなるので、Icによって残留振動の検出ができる。カム曲線学習部54では、Icの値をもとにカム曲線の曲線生成パラメータtvの学習を行う。図6のフローチャートに学習のアルゴリズムを示す。
まず、ステップST61では、tv=0、0.125、0.375の3通りの曲線を生成し、それらの曲線で実際に負荷を動かし、モータに流れる電流の絶対値の積分値Icを求める。
ステップST62では、学習回数nに3をセットする。
ステップST63では、実際にモータを動かして得られた電流の積分値Icとtvの値の組(tv,Ic)(i=1,2,...,n)からIcが最小になると予想されるtvn+1を推定する。tvの推定は、データ(tv,Ic)(i=1,2,...,n)をもとにtv−Ic平面上でスプライン補間を行い、スプライン曲線上のIcが最小となるtvを推定値とすることによって行う。このとき、推定したtvの値が0.375かつステップST64においてtv=0.5で、まだモータを動作させていない場合は推定値tvn+1=0.5とする。
ステップST64では、推定した値tvn+1を用いて カム曲線を生成し、モータを動かしてIcn+1を求める。
ST65では、これが予め設定した許容電流積分値Icsetより小さいかまたは試行回数n+1が試行回数の上限Nより大きいかを判断し、これらの条件を満たす場合、終了する。条件を満たさない場合は、試行して得られたデータを元にtvを推定し、試行することを繰り返す。
以上の動作を繰り返すことにより 動作後の残留振動の少ないtvを得ることができる。
このように、従来のモーション制御装置では、実際に複数回機械を動作させ、その時のモータの電流値等を監視し、評価基準を満足するパラメータを決定するという手順で、動作後の残留振動の少ないパラメータtvの値を得るという手順がとられていた。
特許第3477792号公報(第6−7頁、図5、図6)
従来のモーション制御装置のパラメータ設定方法では、実際に機械を数回動作させる必要があるため、パラメータを決定するために時間がかかるという問題があった。
また、評価基準に試行回数の上限Nを設定する必要があるため、どれぐらいの値にしたら良いかユーザに分かりにくいとともに、Nの値によって、性能が大きく変わる可能性があり、ユーザによって設定後の性能がばらつくという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、機械を動かさなくとも簡単な関数を用いて、振動しないパラメータを自動的に設定でき、誰でも簡単に振動しない指令を作成することができ、かつユーザによって設定後の性能がばらつかないパラメータ設定方法とモーション制御装置を提供することを目的とする。
また、単純な時間関数で、振動しないパラメータを設定でき、振動が小さくなる指令を自動的に作成できるパラメータ設定方法とモーション制御装置を提供することを目的とする。
また、一定速度区間をもつような指令を作成する場合も、自動的に振動しないパラメータを設定できるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、一定速度区間を持つような動作時も、振動しないパラメータkを自動的に設定し、計算量とメモリ量が大幅に低減できるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、加速時間と減速時間とを変えて動作させる場合も、簡単に、加速時の指令パラメータと減速時の指令パラメータを自動的に決定できるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、加速時間と減速時間とを変えて動作させる場合も、単純な時間関数を用いて、振動しないパラメータkを自動的に設定できるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、指令パラメータを決定する関数を、時間の多項式で表せるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、指令パラメータを決定する際に、関数を用いる代わりに、テーブルを用いることができるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、振動周期を自動的に検出し、自動的にパラメータを設定できるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
また、産業用ロボットの動作位置を教示する用途でも使用できるパラメータ設定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のようにしたのである。
請求項1に記載の発明は、複数の動作条件を入力する動作条件入力部を有し、負荷と振動要素で結合されたモータを制御するサーボ制御装置に速度指令および加速度指令を出力するモーション制御装置において、
前記負荷が振動する振動周期tfを入力する振動周期入力部と、
前記負荷の動作条件として移動距離distと移動時間tbを入力した場合には移動時間tbを前記振動周期tfで除した比(x)を算出し、移動速度V、加速時間および減速時間ta、ならびに一定速度時間tcを入力した場合には加速時間taを前記振動周期tfで除した比(x)を算出し、移動速度V、加速時間ta1、減速時間ta2ならびに一定速度時間tcを入力した場合には加速時間ta1と減速時間ta2のそれぞれを前記振動周期tfで除した比(x1)、(x2)を算出し、予め決定された前記比(x)ならびに(x1)、(x2)の多項式関数(F(x))に算出した前記比(x)ならびに(x1)、(x2)を代入し、振動低減パラメータ(k)ならびに(k1)、(k2)を算出する振動低減パラメータ導出部と、
前記振動低減パラメータ(k)を設定パラメータとする時間関数である前記速度指令および前記加速度指令を算出し、前記振動低減パラメータ(k1)、(k2)を設定パラメータとする時間関数である前記加速度指令を算出するモータ指令計算部と、を備えるものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の前記振動周期入力部に代わって、前記モータの応答に基づいて前記負荷が振動する振動周期を検出する振動検出部を備えるものである。
また、請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の前記動作条件入力部に代わって、前記負荷の移動前と移動後の座標を教示データとして格納する教示データ格納部と、前記教示データに基づいて前記動作条件を算出する動作条件設定部と、を備えるものである。
請求項1に記載の発明によると、パラメータを振動周期tfと移動時間tbの比xの関数を用いて、自動的に振動しないパラメータを設定できるため、パラメータ設定の時間を大幅に短縮することができ、また、機械を実際に動かしながらの設定が必要ないため、誰でも簡単に振動しない指令を作成するとこができ、さらに、振動周期tfと移動時間tbから一意に決定されるため、ユーザによって設定後の性能がばらつくという問題も発生しない。また、単純な時間関数を用いても、振動しないパラメータkを自動的に設定し、振動が小さくなるような指令を作成できるため、三角関数を用いたカム曲線を用いる場合に比べて、計算量もメモリ量も大幅に低減できる。
また、一定速度区間をもつような指令を作成する場合も、パラメータを振動周期tfと、加速時間および減速時間taの比xの関数を用いて、自動的に振動しないパラメータを設定できるため、本アルゴリズムを一定速度区間を持つような動作にも問題なく使用することができる。また、一定速度区間を持つような動作時も、単純な時間関数を用いて、振動しないパラメータk を自動的に設定し、振動が小さくなるような指令を作成できるため、三角関数を用いたカム曲線を用いる場合に比べて、計算量もメモリ量も大幅に低減できる。
さらに、加速時間と減速時間とを変えて動作させる場合も、同じ手順で、簡単に、加速時の指令パラメータと減速時の指令パラメータを決定できる。また、加速時間と減速時間とを変えて動作させる場合も、単純な時間関数を用いて、振動しないパラメータk を自動的に設定し、振動が小さくなるような指令を作成できるため、三角関数を用いたカム曲線を用いる場合に比べて、計算量もメモリ量も大幅に低減できる。
請求項に記載の発明によると、振動周期を自動的に検出し、自動的に設定できるので、ユーザは振動周期の測定を行わないで良くなる。
請求項に記載の発明によると、動作条件を自動的に設定する用途でも使用できるため、産業用ロボット等のように、動作する位置を教示しておいて、その間をある速度で移動するような用途にも、本発明を問題なく使用できる。
以下、本発明の方法の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図2は、本発明のモーション制御装置の構成を示すブロック図である。図において1および4〜9は、(背景技術)で記述した従来例と全く同じである。2は振動周期入力部であり、3は振動低減パラメータ導出部である。また100はモーション制御装置全体を指す。
動作条件入力部1では移動距離distや移動時間tbを入力する。振動周期入力部2では振動周期tfを入力する。振動低減パラメータ導出部3では、1で入力された移動時間tbと2で入力された振動周期tfをもとに、振動を低減できる、指令パラメータkの値を計算により導出し出力する。
図1はモーション制御装置において、振動を低減できる指令パラメータkを導出する方法の処理手順を示すフローチャートである。この図を用いて本発明の方法を順を追って説明する。
はじめにステップ1で、動作条件を入力する。ここでは、動作条件として移動距離distと移動時間tbを入力する。
ステップ2では、振動周期tfを入力する。ここで、入力する振動周期tfの値は、実際に機械を動作させたときの、振動1周期(山から山など)の時間を測定するか、機械の設計情報(質量とばね定数など)から、振動周期を机上で算出して決定すればよい。
ステップ3では、移動時間tbと振動周期tfの比xを式(2)により求める。
x=tb/tf ・・・(2)
ステップ4で、予め格納されている、指令パラメータを計算する関数F(x)にxを代入し、パラメータkの値を算出する。
関数F(x)は、例えば、式(3)のような時間の多項式で表しておけば良く、
k=F(x)= p5・x+p4・x+p3・x+p2・x+p1・x+p0
・・・(3)
p0からp5の係数は、実験やシミュレーション、数値解析等により、予め決定しておけばよい。このように、入力された移動時間tbと振動周期tfの比xを計算し、計算されたxの値を、関数F(x)に代入することで、振動を低減できるパラメータkを自動的に計算できる。
例えば入力する指令が、aを移動距離distに依存する変数、tbを移動時間を表す変数、kを設定パラメータとする時間の関数
v(t)=a・t・(tb−t) (0≦t≦tb) ・・・(4)
で表される速度指令v(t)であるとすると、上の手順で算出されたkの値を用いて、モータ指令計算部4で、速度指令v(t)の変数aの値を移動距離distから計算し、モータ指令出力部5では、指令周期ごとに、サーボ制御装置6へ指令を出力すればよいのである。これにより、簡単な処理で、振動を低減できる指令を作成することができるのである。
では次に、振動を低減できるパラメータkが、移動時間tbと振動周期tfの比xの関数となる理由について説明する。
ここでは、制御対象が2慣性系であるとして説明する。2慣性系とは、一次側と二次側の2つの慣性がばね要素で結合されている系を指す。入力は一次側に与えられる。例えば、モータに減速器を介して負荷が取り付けれられている場合、一次側イナーシャがモータイナーシャとなり、二次側イナーシャが負荷イナーシャとなり、減速器の剛性がばね要素となる。また、入力はモータへ与えるトルク指令ということになる。
上述した制御対象において、負荷側の運動方程式は式(5)のようになる。ここで、XM(t)はモータ位置、XL(t)は負荷位置、J1はモータイナーシャ、J2は負荷イナーシャ、K2は減速機ばね定数を表すものとする。またXL(t) (2)はXL(t)の2階微分を表すものとする。
J2・XL(t) (2) = K2・(XM(t)−XL(t)) ・・・(5)
ここで√(J2/K2)を反共振周波数Wとし、式(5)を整理すると式(6)のようになる。
W^2はWの2乗を表す。
XL(t) (2)+W^2・XL(t) = W^2・XM(t) ・・・(6)
ここで、サーボ制御装置によって、モータ指令XR(t)と実際のモータ位置XM(t)が完全に一致したと仮定すると。式(6)は式(7)のようになる。
XL(t) (2)+W^2・XL(t) = W^2・XR(t) ・・・(7)
そして、式(7)の微分方程式を解くことにより、モータ指令XR(t)を入力したときの、負荷位置XL(t)が求まる。
ここで、負荷XL(t)が振動しないためには、時刻t=0およびt=tb時に、負荷速度XL(t) (1)および負荷加速度XL(t) (2)が0になるという条件を満たせばよいため、式(7)の微分方程式を解くことにより得られた、負荷位置XL(t)を用いて、式(8)を満足するように指令のパラメータを決定すればよいことになる。
XL(0)(1)=XL(0)(2) =XL(tb)(1)=XL(tb)(2)=0・・・(8)
一方、式(7)の微分方程式の解XL(t)は、一般的に、時間の多項式と三角関数の和の形で表現できるため、その微分値や2階微分値も、時間の多項式P1(t)、P2(t)と三角関数を用いて、式(9)、式(10)のように表現できる。ここで、時間の多項式P1(t)、P2(t)や、係数s1、s2、s3、s4は、XR(t)によって変化するものである。
XL(t)(1)=P1(t)+s1・cos[t・W]+s2・sin[t・W]・・・(9)
XL(t)(2)=P2(t)+s3・cos[t・W]+s4・sin[t・W]
・・・(10)
式(9)、(10)で、t=0の時、三角関数はcos[0]=1、sin[0]=0となるため、P1(0)とP2(0)、s1,s2,s3,s4の関係を求めることができる。
また、t=tbの時は、式(8)の条件を満たすために、式(11)、式(12)のようになる。
XL(tb)(1)
=P1(tb)+s1・cos[tb・W]+s2・sin[tb・W]=0
・・・(11)
XL(tb)(2)
=P2(tb)+s3・cos[tb・W]+s4・sin[tb・W]=0
・・・(12)
ここで、移動時間tbは、動作条件として入力される決まった値であるから、P1(tb)もP2(tb)も、s1,s2,s3,s4もすべて入力した指令XR(t)によってのみ変化する定数となる。
それに対しcos[tb・W]およびsin[tb・W]は、指令XR(t)を変えても、変化しない項であり、この項はtb・Wのみに依存した値となる。ここで、振動周期をtfとすると、W=2π/tf であるから、tb・W=2π・(tb/tf)=2π・xとなる。2πは定数であるため、結果として、式(11)、式(12)を満たす条件は、x=tb/tfの値と、指令XR(t)のみで決定できる。
言い換えれば、XR(t)が設定可能なパラメータkを持っている時は、式(11)、式(12)を満たす条件は、xとkの関係のみとなる。
したがって、振動を低減できるパラメータkをxのみの関数で表すことができるのである。
また、指令として、一定速度区間を有するような指令を考えた場合、式(8)に該当する、振動しないための条件は、式(13)のようになる。
XL(0)(2)=XL(ta)(2)=0 ・・・(13)
この場合も、xがx=ta/tfのように、加速時間taと振動周期tfの比になるだけで、後は同様の理由で、振動を低減できるパラメータkをxだけに依存する関数で表すことができるのである。
例えば、一定速度区間を有する指令として、入力する指令がaを移動速度Vに依存する変数、taを加速時間および減速時間を表す変数、tcを一定速度時間を表す変数とした時、kを設定パラメータとする、加速区間、一定速度区間、減速区間で場合分けされた時間の関数
加速区間:α(t)=a・t・(tb−t) (0≦t≦ta)
一定速区間:α(t)=0 (ta<t<ta+tc)
減速区間:α(t)=a・(t−(ta+tc))・((2ta+tc)−t)
(ta+tc≦t≦2ta+tc)
・・・(14)
で表される加速度指令α(t)を積分した速度指令である場合は、式(2)のxを求める計算をx=ta/tfと変え、それ以外は同じ方法で、パラメータkの値を算出し、算出されたkの値を用いて、モータ指令計算部4で、加速度指令α(t)の変数aの値を移動速度Vから計算し、モータ指令出力部5では、指令周期ごとに、サーボ制御装置6へ指令を出力すればよいのである。これにより、簡単な処理で、振動を低減できる指令を作成することができるのである。
また、例えば入力する指令が、a1,a2を移動速度Vに依存する変数、ta1を加速時間、ta2を減速時間を表す変数、tcを一定速度時間を表す変数とした時、k1を加速時の設定パラメータ、k2を減速時の設定パラメータとする、加速区間、一定速度区間、減速区間で場合分けされた時間の関数
加速区間:α(t)=a1・tk1・(tb−t)k1 (0≦t≦ta1)
一定速区間:α(t)=0 (ta1<t<ta1+tc)
減速区間:α(t)
=a2・(t−(ta1+tc))k2・((ta1+ta2+tc)−t)k2
(ta1+tc≦t≦ta1+ta2+tc)
・・・(15)
で表される加速度指令α(t)を積分した速度指令である場合は、式(2)のxを求める計算をx1=ta1/tf、x2=ta2/tfと変え、x1を関数F(x)に代入し求めたパラメータk1と、x2を関数F(x)に代入し求めたk2の値を用いて、モータ指令計算部4で、加速度指令α(t)の変数a1およびa2の値を移動速度Vから計算し、モータ指令出力部5では、指令周期ごとに、サーボ制御装置6へ指令を出力すればよいのである。これにより、簡単な処理で、振動を低減できる指令を作成することができるのである。
本実施例では、実施例1と異なり、図1の処理フローにおいて、ステップ4で関数F(x)にxを代入し、パラメータxの値を求める変わりに、メモリ上にテーブルを有しておき、xの値によって、テーブルからパラメータkの値を読み込むようにしているところである。
このように、関数ではなくテーブルを用いるため、演算がまったく必要なくなりパラメータ決定時間の短縮につながるという効果が得られる。
図3は本実施例を適用する構成を示すブロック図である。実施例1の図2と異なる点は、2の振動周期入力部の変わりに、11の振動周期検出部を有する点である。
実施例1との方法の違いは、振動周期tfを入力するか、自動で検出するかのみである。それ以外に関しては、実施例1と全く同様の方法で実現できるものである。
振動周期tfの検出には、どのような方法を用いても良いが、例えば1度だけ実機モータを動作させ、その時の、例えば位置検出値をサーボ制御装置から11の振動周期検出部に入力する。検出された位置検出値の振動の山と山の間の時間を計測し、それを振動周期tfとして自動的に検出するなどの方法を用いればよい。
このように、振動周期を自動的に検出し、自動的に設定できるので、ユーザは振動周期の測定を行わないで良くなるという効果が得られる。
図4は本実施例を適用する構成を示すブロック図である。実施例1の図2と異なる点は、1の動作条件入力部の変わりに、10の教示データ格納部および12の動作条件設定部を有する点である。
実施例1との方法の違いは、動作条件である、移動距離distや移動速度Vや、加速時間ta等を直接入力する変わりに、教示データなどから、自動的に動作条件を設定するところである。それ以外に関しては、実施例1と全く同様の方法で実現できるものである。
例えば、教示データとして、移動前と移動後の座標および、その間を動作する際の最高速度Vmaxが教示されているとすると、移動距離distを(移動後の座標)と(移動前の座標)の差の絶対値とし、移動時間tbは、移動距離distと最高速度Vmaxを用いて、式(16)により逆算で求めればよい。
tb=2・dist/Vmax ・・・(16)
このように、教示データなどから動作条件を自動的に設定する用途でも使用できるため、産業用ロボット等のように動作する位置を教示しておいて、その間をある速度で移動するような用途のシステムにも、本発明を問題なく使用できる。
振動周期tfと移動時間tbの比xを求め、xの値から関数を用いて一意に振動を低減できるパラメータkの値が決定するという手順をとるため、簡単に振動低減ができる指令が作成でき、クレーンやエレベータ、ロボットなどの振動抑制という用途にも適用できる。
本発明の方法の処理手順を示すフローチャート 本発明の方法を適用するモーション制御装置の構成を示すブロック図 本発明の第2の方法を適用するモーション制御装置の構成を示すブロック図 本発明の第2の方法の処理手順を示すフローチャート 従来の方法を適用したモーション制御装置の構成を示すブロック図 従来の方法の処理手順を示すフローチャート
符号の説明
1 動作条件入力部
2 振動周期入力部
3 振動低減パラメータ導出部
4 モータ指令計算部
5 モータ指令出力部
6 サーボ制御装置
7 モータ
8 エンコーダ
9 負荷
10 教示データ格納部
11 振動周期検出部
12 動作条件設定部
51 カム曲線生成部
52 カム曲線記憶部
53 カム曲線評価部
54 カム曲線学習部
100 モーション制御装置

Claims (3)

  1. 複数の動作条件を入力する動作条件入力部を有し、負荷と振動要素で結合されたモータを制御するサーボ制御装置に速度指令および加速度指令を出力するモーション制御装置において、
    前記負荷が振動する振動周期tfを入力する振動周期入力部と、
    前記負荷の動作条件として移動距離distと移動時間tbを入力した場合には移動時間tbを前記振動周期tfで除した比(x)を算出し、移動速度V、加速時間および減速時間ta、ならびに一定速度時間tcを入力した場合には加速時間taを前記振動周期tfで除した比(x)を算出し、移動速度V、加速時間ta1、減速時間ta2ならびに一定速度時間tcを入力した場合には加速時間ta1と減速時間ta2のそれぞれを前記振動周期tfで除した比(x1)、(x2)を算出し、予め決定された前記比(x)ならびに(x1)、(x2)の多項式関数(F(x))に算出した前記比(x)ならびに(x1)、(x2)を代入し、振動低減パラメータ(k)ならびに(k1)、(k2)を算出する振動低減パラメータ導出部と、
    前記振動低減パラメータ(k)を設定パラメータとする時間関数である前記速度指令および前記加速度指令を算出し、前記振動低減パラメータ(k1)、(k2)を設定パラメータとする時間関数である前記加速度指令を算出するモータ指令計算部と、を備えることを特徴とするモーション制御装置。
  2. 前記振動周期入力部に代わって、
    前記モータの応答に基づいて前記負荷が振動する振動周期を検出する振動検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載のモーション制御装置。
  3. 前記動作条件入力部に代わって、前記負荷の移動前と移動後の座標を教示データとして格納する教示データ格納部と、前記教示データに基づいて前記動作条件を算出する動作条件設定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のモーション制御装置。
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