JP4482986B2 - 振動モータ及びその駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動モータ及びその駆動方法に関する。具体的には、本発明は、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力されることによって微動する振動モータと、この振動モータの駆動方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、振動モータは、2種の圧電素子に、互いの位相が(π/2)異なるとともに所定の周波数を有する連続波からなる2相の駆動信号(交流電圧)をそれぞれ入力することによって、これらの圧電素子が装着された弾性体に位相が異なる二つの定在波を励振し、これらの定在波が合成されて弾性体の駆動力取出部に発生した楕円運動を利用して、この駆動力取出部に加圧接触する相対運動部材を摩擦駆動する。この種の振動モータとして、超音波の振動域を利用した超音波モータが知られているため、以降の説明ではこの超音波モータを例にとる。
【0003】
この超音波モータは、所望の停止位置に停止した後は電気入力を停止するだけでドリフトもなく、さらに外力にも乱されずにその位置で静止し続けることができるという、いわゆる自己保持性を有する。これに対し、例えばステッピングモータも、電気入力を継続すればある程度の自己保持性を奏することはできる。しかし、電気入力を必要とするために効率の点で超音波モータには及ばない。
【0004】
ところで、このステッピングモータでは1ステップの歩幅、つまり送り量が、電極パターンの幅というかなり大きな量によって支配され、いわばデジタル化されている。このため、Xステップ分の動作パルスによる送り量は、1ステップ分のX倍として極めて正確に求めることができ、その再現性も高い。しかし、現実には、ステッピングモータの発生トルクは一般的に低いために減速ギヤ列を用いる必要があり、バックラッシュが生じるといった問題がある。これに対し、超音波モータは、発生トルクが高いために減速ギヤ列を用いる必要性は低いが、1ステップの送り量は基本的にデジタル化されておらず、アナログ的である。
【0005】
なお、超音波モータでは、駆動周波数1周期分によって駆動力取出部が1回転分だけ楕円運動を描くことから、これを1ステップの送り量とみなすこともできる。しかし、この1ステップの送り量は、駆動電圧、駆動周波数さらには駆動時の摩擦状態等により変動するため、高い再現性を期待することができない。
【0006】
このように、ステッピングモータの動作はデジタル的であるのに対し、超音波モータの動作は極めてアナログ的である。このため、超音波モータは、ステッピングモータに比較すると、自己保持性や高い発生トルクを有するといった長所を有する反面、1ステップ分の動作パルスによる送り量が変動し易く、その再現性が低いとも言える。
そこで、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力することによって超音波モータの1ステップの歩幅をデジタル的に扱えるようにし、これにより、特に超低速での微動時における1ステップ分の動作パルスによる送り量を安定させる発明が、これまでにも多数提案されている。
【0007】
例えば、特開平3−190577号公報には、超音波モータが目標停止位置に接近するに応じて、デューティ比が100%から0%までの範囲で変化するコントロールパルスを入力することにより、相対運動速度を徐々に低下させる発明が提案されている。
【0008】
特開平5−53650号公報には、超音波モータが停止位置に接近するに応じて、駆動信号におけるバースト波形部の印加時間を減少させることにより、超音波モータを超低速で駆動する発明が提案されている。
【0009】
特開平7−222466号公報には、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力して超音波モータを駆動する際に、相対運動速度に応じて常に1回の移動量がスムーズに動く最大移動量になるように制御することにより、連続波からなる駆動信号を入力された場合と同様に動作を円滑化できるとともに、起動及び停止の回数を低減して電力損失を抑制できる発明が提案されている。
【0010】
特開平8−214571号公報には、超音波モータを構成する弾性体の振動減衰区間において包絡線が減衰特性を有するとともにバースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力して、弾性体に発生した楕円運動を自由減衰させずに振幅が零になるまで同一周波数を保ったまま減衰させることにより、逆推力を発生させない発明が提案されている。
【0011】
特開平9−289784号公報には、超音波モータを構成する弾性体に発生する超音波振動の周波数よりも高い周波数を有するとともにバースト波形部を間欠的に有する駆動信号のパルス幅(印加時間)を変更することにより、超音波モータの相対運動速度を容易に切り替える発明が提案されている。
【0012】
さらに、特開平10−234191号公報には、粗動時には連続波からなる2種の駆動信号を入力し、微動時にはバースト波形部を有する1種の駆動信号を入力することにより、微動時の超音波モータが粗動時と反対方向へ移動することを防止する発明が提案されている。
【0013】
これらの従来の発明は、いずれも、目標位置に接近するにつれてバースト波形部を間欠的に有する駆動信号を用い、振動子の送り量を1バースト波形部毎に区切って擬似的にデジタル化するものである。このため、駆動信号におけるバースト波形部のデューティ比を変更することにより、1バースト波形部の送り量をコントロールすることができる。したがって、現在位置と目標位置との偏差が減少するに応じて、駆動信号におけるバースト波形部のデューティ比を段階的に変更することにより、振動子の停止位置を目標位置に近づけることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来の発明には、いずれも、以下に列記する課題1〜課題4がある。
(課題1)
従来の発明では、いずれも、駆動信号におけるバースト波形部の周波数は一定のままである。このため、入力された一つのバースト波形部によって弾性体の駆動力取出部に発生する楕円運動の大きさは一定であって、これを小さくすることはできない。したがって、入力された一つのバースト波形部による超音波モータの送り量、すなわち超音波モータの速度の最小値をこれ以上小さくすることはできず、超音波モータをさらに超低速で駆動することができない。
(課題2)
弾性体と相対運動部材との摩擦状態は、一定せず、両者の相対的な位置関係により絶えず変動する。したがって、弾性体と相対運動部材との間における摩擦力も絶えず変動するため、入力された一つのバースト波形部による超音波モータの送り量(ステップ幅)、すなわち超音波モータの微動時の速度が安定しない。
【0015】
図16は、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力することによって超音波モータを微動させた場合について、一つのバースト波形部による超音波モータの送り量と原点からの距離との関係の一例を示すグラフである。同図にグラフで示すように、微動時の超音波モータのステップ幅は、2μmから6μm程度の範囲で変動してしまうことがわかる。このように、超音波モータを超低速の一定速度で駆動させることができず、所望の停止位置精度が得られない。
(課題3)
超音波モータの駆動時に、外部の環境温度及びモータ自身の発熱による温度変化等が発生すると、超音波モータの共振周波数が変動するためにバースト波形部の周波数の適正値が変動する。しかし、従来の発明では、バースト波形部の周波数は一定のままであるため、駆動信号におけるバースト波形部の周波数が適正値からずれてしまう。このため、温度変化により超音波モータを駆動できなかったり、微動時の停止精度が低下してしまう。
【0016】
図17は、高温、常温及び低温の3状態について、超音波モータの速度と駆動信号の周波数との関係の一例を示すグラフである。図17における周波数f1 は、超音波モータの微動時(バースト波形部を間欠的に有する駆動信号の入力時)の周波数を示す。
【0017】
起動時には低温であった超音波モータが、駆動に伴って温度上昇し、常温さらには高温へと温度変化したとする。図17に示すグラフにおいて、低温時には駆動周波数がf1 であることにより所望の速度v1 が得られる。しかし、超音波モータの温度上昇に関係なく駆動周波数はf1 で常に一定であることから、速度はv1 からv2 へと徐々に低下し、高温域では駆動周波数f1 は可動域内の最大周波数flim を超えてしまうために駆動できなくなってしまう。このように、超音波モータは、温度変化等によって駆動特性が変動し、特に、超低速では駆動できなくなってしまう。
(課題4)
従来より、目標位置からの偏差を例えばエンコーダを用いて検出し、この検出値に基づいて超音波モータの速度制御を行う方法が知られている。特にインクリメンタルエンコーダを用いてこの方法を行うには、超音波モータの電源投入時に、原点検出動作を行う必要がある。この原点検出は、超音波モータの速度が速いと原点位置のずれや応答不良による検出不良が発生するため、原点検出が可能な速度vr 以下に超音波モータの速度を低下させて行う必要がある。
【0018】
一方、図18は、超音波モータの駆動周波数と速度との関係の一例を示すグラフである。同図にグラフで示すように、超音波モータは、低温時と高温時とで異なる温度特性を有する。なお、図18のグラフにおける速度vr は原点検出が可能な速度の最大値である。
図18に示すグラフから、低温時に原点検出が可能な速度vr を与える周波数域はf3 〜f4 であるのに対し、高温時に原点検出が可能な速度vr を与える周波数域はf1 〜f2 であることがわかる。このように、超音波モータは図18にグラフで示すような温度特性を示すため、常に原点検出が可能な速度vr を与える駆動周波数は存在せず、温度によっては原点検出動作を行えない。
【0019】
本発明の第1の目的は、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力することによって振動モータを微動させる際に、超音波モータを超低速で駆動させることである。
【0020】
本発明の第2の目的は、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力することによって振動モータを微動させる際に、超音波モータを超低速で一定速度で駆動させることである。
【0021】
本発明の第3の目的は、外部の環境温度及びモータ自身の発熱による温度変化が発生しても、超音波モータを超低速で駆動させることである。
【0022】
本発明の第4の目的は、インクリメンタルエンコーダを用いて検出した目標位置からの偏差に基づいて速度制御を行う超音波モータについて、その電源投入時に原点検出動作を行う場合にも、温度変化の影響を受けずに確実に原点検出動作を行うことである。
【0023】
さらに、本発明の第5の目的は、これら第1の目的1〜第4の目的のうちの少なくとも2種以上を同時に達成することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バースト波形部を有する駆動信号を用いることによる擬似的なデジタル化のメリットを充分に生かしながら、超音波モータの分解能及び停止精度を高めるためには、駆動信号のバースト波形部の少なくとも周波数を制御すればよい、との新規な知見に基づくものである。
【0025】
請求項1の発明では、振動を発生する振動子と、この振動子に加圧接触し、振動子との間で相対運動を行う相対運動部材と、連続波を有する第1の駆動信号を振動子に入力して振動子又は相対運動部材を移動させて目標位置へ接近させる第1の制御と、第1の制御の後に、第1の駆動信号の周波数より高い周波数のバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を振動子に入力して振動子又は相対運動部材を移動させて目標位置へ停止させる第2の制御とを行う駆動装置とを有し、駆動装置は、第1の制御時の振動子又は相対運動部材の存在位置に基づいて、バースト波形部の周波数を決定し、第2の制御時に、振動子又は相対運動部材の存在位置と目標位置との偏差が小さくなるに応じて、バースト波形部の周波数が高くなるように制御することを特徴とする振動モータを提供する。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1に記載された振動モータにおいて、第2の制御が、バースト波形部による振動子又は相対運動部材の駆動結果に基づいて、バースト波形部の周波数の制御を行うことを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2に記載された振動モータにおいて、駆動結果が、相対運動の量であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載された振動モータにおいて、第1の制御開始時の第1の駆動信号の周波数に基づいて、バースト波形部の周波数を決定することを特徴とする。
【0029】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された振動モータにおいて、環境温度に基づいて第2の駆動信号のバースト波形部の周波数を決定することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1に記載された振動モータにおいて、第2の制御時に、バースト波形部のデューティ比を変化させることを特徴とする。
【0030】
請求項7の発明では、振動を発生する振動子及びこの振動子との間で相対運動を生じる相対運動部材を備える振動モータを駆動させる際に、連続波を有する第1の駆動信号を振動子に入力して振動子又は相対運動部材を移動させて目標位置へ接近させる第1の制御と、第1の制御の後に、第1の駆動信号の周波数より高い周波数のバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を振動子に入力して振動子又は相対運動部材を移動させて目標位置へ停止させる第2の制御とを行い、第1の制御時の振動子又は相対運動部材の存在位置に基づいて、バースト波形部の周波数を決定し、第2の制御時に、振動子又は相対運動部材の存在位置と目標位置との偏差が小さくなるに応じて、バースト波形部の周波数が高くなるように制御することを特徴とする振動モータの駆動方法を提供する。
請求項8の発明は、請求項7に記載された振動モータの駆動方法において、第2の制御が、バースト波形部による振動子又は相対運動部材の駆動結果に基づいて、バースト波形部の周波数の制御を行うことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載された振動モータの駆動方法において、駆動結果が、相対運動の量であることを特徴とする。
【0031】
請求項10の発明は、請求項7に記載された振動モータの駆動方法において、第1の制御開始時の第1の駆動信号の周波数に基づいて、バースト波形部の周波数を決定することを特徴とする。
【0033】
請求項11の発明は、請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載された振動モータの駆動方法において、振動モータの作動時の環境温度に基づいて第2の駆動信号のバースト波形部の周波数を決定することを特徴とする。
【0034】
さらに、請求項12の発明は、請求項7に記載された振動モータの駆動方法において、目標位置が、インクリメンタルエンコーダを用いて原点検出時に検出される振動モータの原点位置であることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる振動モータ及びその駆動方法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施形態は、振動モータが超音波の振動域を利用した超音波モータである場合を例にとって、説明する。
【0036】
図1は、本実施形態の超音波モータ10の主要部を抽出して示す斜視図である。また、図2は、超音波モータ10を構成する振動子11を、発生する振動波形例とともに示す説明図である。
【0037】
図1および図2に示すように、本実施形態の超音波モータ10は、第1の振動である1次の縦振動L1と、第2の振動である4次の曲げ振動B4とを発生する振動子11と、この振動子11との間で相対運動を行う相対運動部材21と、駆動装置30とを備える。まず、これらの構成要素について、順次説明する。
〔振動子11〕
振動子11は、弾性体12と、弾性体12の一方の平面に装着された圧電体13とを備える。
【0038】
弾性体12は、鉄鋼、ステンレス鋼、リン青銅又はエリンバー材等といった共振先鋭度が大きな金属材料により構成されることが望ましく、矩形平板状に形成される。また、弾性体12の各部の寸法は、発生する1次の縦振動L1および4次の曲げ振動B4それぞれの固有振動数が略一致するように、設定される。
【0039】
弾性体12の一方の平面には、後述する圧電体13が例えば接着される。また、弾性体12の他方の平面には、弾性体12の幅方向に2本の溝部が相対運動方向(図1における両矢印方向)に関して所定距離だけ離れて設けられる。これらの溝部に、横断面形状が矩形である角棒型の、高分子材等を主成分とした摺動部材が嵌め込まれて接着され、突起状に突出して装着される。高分子材としては、PTFE、ポリイミド樹脂、PEN、PPS、PEEK等が例示される。
【0040】
そして、この摺動部材が駆動力取出部12a、12bとして機能する。したがって、弾性体12は、これら摺動部材からなる駆動力取出部12a、12bを介して相対運動部材21に接触する。
【0041】
この駆動力取出部12a、12bは、図2に示すように、弾性体12に発生する4次の曲げ振動B4の4つの腹位置l1 〜l4 のうちの外側に位置する腹位置l1 、l4 に一致する位置に設けられる。なお、駆動力取出部12a、12bは、曲げ振動B4の腹位置l1 、l4 に正確に一致する位置に設けられる必要はなく、この腹位置の近傍に設けられていてもよい。
【0042】
圧電体13は、本実施形態ではPZT(チタンジルコン酸鉛)からなる薄板状の圧電素子により構成される。この圧電体13には、A相の駆動信号が入力される入力領域13a、13cと、A相の駆動信号とは位相が(π/2)だけずれたB相の駆動信号が入力される入力領域13b、13dとが形成される。各入力領域13a〜13dは、図2に示すように、弾性体12に発生する曲げ振動B4の5つの節位置n1 〜n5 により区画された4つの領域に連続して形成される。すなわち、駆動信号の入力により変形する各入力領域13a〜13dが、いずれも、不動点である節位置n1 〜n5 を跨がない。そのため、入力領域13a〜13dの変形が節位置n1 〜n5 によって抑制されることがない。これにより、各入力領域13a〜13dに入力された電気エネルギを最大の効率で弾性体12の変形、すなわち機械エネルギに変換することができる。
【0043】
また、曲げ振動B4の節位置n2 、n4 には、振動子11が発生する縦振動L1により電気エネルギを出力する検出領域13p、13p’が設けられる。これにより、振動子11が発生する縦振動L1の振動状態がモニタされる。
【0044】
各入力領域13a〜13dと各検出領域13p、13p’とは、それぞれの表面に、銀電極15a〜15d、15p、15p’を接着される。また、図示しないが、各銀電極15a〜15d、15p、15p’には、電気エネルギの授受を行うためのリード線が、それぞれ半田付けされて、接続される。これにより、各入力領域13a〜13dに独立して駆動信号を入力したり、各検出領域13p、13p’から独立して検出信号を出力することができる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、振動子11は、その平面の中央部を中心として点対称となるように、形成される。これにより、駆動力取出部12a、12bに発生する楕円運動を略同じ形状とすることができ、相対運動方向の反転に伴う駆動差が殆ど解消される。
【0045】
また、本実施形態では、振動子11は図示しない加圧支持装置により固定支持されている。このため、後述する相対運動部材21が、図1における両矢印方向に駆動される。
本実施形態では、振動子11は以上のように構成される。
〔相対運動部材21〕
図2に示すように、振動子11の駆動力取出部12a、12bに加圧接触して、移動子である相対運動部材21が配置される。
【0046】
相対運動部材21は、本実施形態ではステンレス鋼により帯板状に構成される。相対運動部材21は、駆動力取出部12a、12bに発生する楕円運動により、縦振動L1の振動方向とは同方向(図2における左右方向)へ駆動される。なお、相対運動部材21は、銅合金やアルミニウム合金さらには高分子材等により構成されていてもよい。
【0047】
相対運動部材21は、相対運動部材21の一方の平面に接触する2基の搬送ローラと、相対運動部材21の幅方向の両端面に接触する4基の搬送ローラ(いずれも図示しない。)とにより、案内されて搬送される。これにより、相対運動部材21は、相対運動方向の両方向への往復移動が可能となる。
【0048】
本実施形態では、相対運動部材21は以上のように構成される。
〔駆動装置30〕
図3は、超音波モータ10の駆動装置30のブロック図である。
【0049】
同図に示すように、この駆動装置30は制御装置31を有する。制御装置31は、CPU35からの指令信号を入力されることにより、2相の駆動信号を生成する。
【0050】
すなわち、超音波モータ10の粗動時には、互いの位相が(π/2)異なるとともに所定の周波数を有する連続波からなる2相の第1の駆動信号(交流電圧)を、超音波モータドライバ32へそれぞれ出力する。この場合、制御装置31は、超音波モータ10の相対運動速度を上げる場合には、2相の第1の駆動信号それぞれの駆動周波数を下げる制御を行い、逆に、相対運動速度を下げる場合には、2相の第1の駆動信号それぞれの駆動周波数を上げる制御を行う。
【0051】
一方、制御装置31は、例えば、超音波モータ10の目標停止位置への停止精度の向上を目的とする駆動時、すなわち超音波モータ10の超低速での微動時には、連続波からなる2相の第1の駆動信号に替えて、バースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を、超音波モータドライバ32へそれぞれ出力する。
【0052】
図4は、バースト波形部40aを間欠的に有する第2の駆動信号40の波形例を示す説明図である。同図に示すように、第2の駆動信号40は、高い駆動周波数を有するバースト波形部40aをBH時間印加した後にBL時間印加しないという周期(間欠周波数fK =1/BT)のバースト波である。
【0053】
制御装置31は、入力した第2の駆動信号40のうちのバースト波形部40aによる相対運動部材21の移動量に基づいて、第2の駆動信号40のバースト波形部40aの少なくとも駆動周波数の制御を行う。相対運動部材21の移動量は、後述するインクリメンタルエンコーダ33により検出される。
【0054】
具体的には、相対運動部材21の存在位置と目標位置との偏差をインクリメンタルエンコーダ33により検出し、この検出値が小さくなるに応じて、バースト波形部40aの駆動周波数が高くなるように制御する。これにより、相対運動部材21を超低速で安定して駆動することができる。
【0055】
超音波モータドライバ32は、制御装置31から入力される2相の駆動信号を適正値に増幅して、超音波モータ10の入力領域13a〜13dへ入力する。
【0056】
このようにして、駆動装置30により、粗動時及び微動時のいずれの場合にも、圧電体13の入力領域13a、13cにA相の駆動信号が入力され、また、入力領域13b、13dにはA相の駆動信号とは(π/2)の位相差を有するB相の駆動信号が入力される。すると、図2に示すように、弾性体12には、相対運動方向(図2における両矢印方向)へ振動する第1の振動である1次の縦振動L1と、この相対運動方向に直交する方向へ振動する第2の振動である4次の曲げ振動B4とが同時に発生する。これらの振動は合成されて、駆動力取出部12a、12bには楕円運動が発生する。この楕円運動を利用して、駆動力取出部12a、12bに加圧接触する相対運動部材21が、摩擦駆動される。
【0057】
図1及び図2には図示していないが、図3に示すように、相対運動部材21にはインクリメンタルエンコーダ33が装着される。このインクリメンタルエンコーダ33は、一定の単位変位毎に一つのパルスを出力してそのパルス数を数えることにより任意の位置からの相対運動部材21の移動量を出力する。インクリメンタルエンコーダ33により、バースト波形部40aによる相対運動部材21の移動量が検出される。検出された移動量は、エンコーダ回路34により電気信号に変換され、CPU35に入力される。CPU35は、入力されたこの電気信号に基づいて、制御装置31へ入力する指令信号を補正する。これにより、制御装置31により生成される第2の駆動信号40は、相対運動部材21の存在位置と目標位置との偏差が小さくなるに応じて、バースト波形部40aの駆動周波数が高くなるように、制御される。
【0058】
このように、本実施形態の駆動装置30は、連続波を有する第1の駆動信号を入力して相対運動部材21を粗動させて目標位置へ接近させた後に、バースト波形部40aを間欠的に有する第2の駆動信号40を入力して相対運動部材21を微動させて目標位置へ停止させるとともに、バースト波形部による相対運動部材21の駆動結果に基づいて、駆動信号のバースト波形部40aの少なくとも周波数の制御を行う。
本実施形態では、駆動装置30は以上のように構成される。
〔超音波モータ10の動作〕
次に、この超音波モータ10の動作を説明する。
図5は、超音波モータ10の相対運動部材21の移動軌跡を示す説明図であり、図5(A)は相対運動部材21の移動軌跡の一例を直接的に示す説明図、図5(B)は相対運動部材21の移動軌跡を一般化して示す説明図である。また、図6は、超音波モータ10の振動子11に入力される駆動信号の駆動周波数と、その時の相対運動部材21の速度又は1ステップ分の移動量との関係の一例を示すグラフである。
【0059】
なお、この図5(A)に示す例は、超音波モータ10の相対運動部材21が複数回の微動を繰り返しながら最終的に目標位置Bに停止する場合であるが、各微動の移動量が前回の微動の移動量よりも少なくなるように制御される場合を示している。
図5(A)を参照しながら、相対運動部材21が位置Aを出発し、位置Aから離れた目標位置Bに到達する場合を説明する。
【0060】
図5(A)の矢印1に示すように、相対運動部材21は駆動装置30からの駆動信号により位置Aから目標位置Bに向けて移動を開始する。このとき、相対運動部材21の現在位置と目標位置Bとは相当離れているため、振動子11には駆動装置30により連続波からなる第1の駆動信号(図6における駆動周波数:fa )が入力される。これにより、相対運動部材21は高速・粗動モードで目標位置Bに接近する。
【0061】
次に、図5(A)の矢印1に示すように、相対運動部材21が目標位置Bにさらに接近して領域Dの一端の位置Cに到達すると、駆動装置30から出力される駆動信号は、第1の駆動信号から第2の駆動信号40(図6における駆動周波数:fb1)に切り替えられる。これにより、相対運動部材21は、低速・微動モードで目標位置Bに接近する。
【0062】
次に、図5(A)の矢印1に示すように、相対運動部材21は目標位置Bを通り越して位置Eに停止する。駆動装置30はインクリメンタルエンコーダ33により検出される相対運動部材21の移動量に基づいて位置Eと目標位置Bとの偏差を求め、この偏差の大きさに応じて、第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数を、fb1からfb2(fb1<fb2)に変更し、振動子11に入力する。これにより、相対運動部材21は、さらに速度を低下させて目標位置Bに接近する。
【0063】
次に、図5(A)の矢印2に示すように、相対運動部材21は目標位置Bを通り越して位置Fに停止する。駆動装置30はインクリメンタルエンコーダ33により検出される相対運動部材21の移動量に基づいて位置Fと目標位置Bとの偏差を求め、この偏差の大きさに応じて、第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数を、fb2からfb3(fb2<fb3)に変更し、振動子11に入力する。これにより、相対運動部材21は、さらに速度を低下させて目標位置Bに接近する。
【0064】
次に、図5(A)の矢印3に示すように、相対運動部材21は目標位置Bを通り越して位置Gに停止する。駆動装置30はインクリメンタルエンコーダ33により検出される相対運動部材21の移動量に基づいて位置Gと目標位置Bとの偏差を求め、この偏差の大きさに応じて、第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数を、fb3からfb4(fb3<fb4)に変更し、振動子11に入力する。これにより、相対運動部材21は、さらに速度を低下させて目標位置Bに接近する。
【0065】
次に、図5(A)の矢印4に示すように、相対運動部材21は目標位置Bを通り越して位置Hに停止する。駆動装置30はインクリメンタルエンコーダ33により検出される相対運動部材21の移動量に基づいて位置Hと目標位置Bとの偏差を求め、この偏差の大きさに応じて、第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数をfb4からfb5(fb4<fb5)に変更し、振動子11に入力する。これにより、相対運動部材21は、さらに速度を低下させて目標位置Bに接近する。
【0066】
そして、図5(A)の矢印5に示すように、相対運動部材21が目標位置Bの停止許容範囲内に停止したときに、位置決めが終了する。
【0067】
図5(A)に示す例は、前述したように各微動の移動量が前回の微動の移動量よりも減少する場合である。しかし、一般的には、本実施形態の駆動装置30は、図5(B)に示すように、インクリメンタルエンコーダ33により検出される相対運動部材21の移動量に基づいて、現在位置nと目標位置Bとの間の距離Ln を測定するとともに、さらに、直前に行った1バースト波形部40aによる移動距離Xn-1 との比較を行う。
【0068】
そして、駆動装置30は、(i)移動距離Xn-1 >距離Ln である場合には、図5(A)を参照しながら説明したように第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数fb を高くする制御を行い、(ii)移動距離Xn-1 <距離Ln である場合には第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数fb を低くする制御を行い、また、(iii)移動距離Xn-1 =距離Ln である場合には第2の駆動信号40のバースト波形部40aの駆動周波数fb を変化させない制御を行う。ただし、駆動周波数fb は、振動子10が移動可能な限界周波数であるfb-lim よりも大きな値には設定しない。
【0069】
本実施形態では、予め駆動周波数−移動量のマップを作成しておきこのマップを参照することにより、駆動周波数fb の変化量を決定して、第2の駆動信号40のバースト波形部40aの周波数fb を決定した。図7は、このような駆動周波数−移動量のマップの一例を示すグラフである。
このように、本実施形態によれば、バースト波形部40aを間欠的に有する駆動信号40を用いることから、送り量を1バースト波形部40aにより疑似的にデジタル化できるとともに、このバースト波形部40aの駆動周波数fb を制御するため、1バースト波形部40aによる送り量を、無段階かつ自在に制御することができる。すなわち、本実施形態では、バースト波形部40aの駆動周波数fb を制御することにより駆動力取出部12a、12bに発生する楕円運動の形状を無段階で制御することができる。
【0070】
したがって、サブミクロンオーダで柔軟に刻々と送り量を変化させることができる。このため、超音波モータ10の駆動装置30のソフトウェアを変更するだけで様々な用途や状態に適用させて、極めて高分解能な位置決め制御能が得られ、停止位置精度を顕著に向上することができる。
【0071】
なお、図5(A)および図5(B)に示す例では、相対運動部材21が目標位置Bを通過して逆戻りすることを1回以上繰り返す場合を例にとった。しかし、これとは異なり、相対運動部材21が停止許容範囲内に入った後に、バースト波形部40aを間欠的に有する駆動信号に切り替え、初めのバースト波形部40aの入力による相対運動部材21aの移動距離Xn-1 と目標位置Bまでの距離Ln とを比較し、図7にグラフで示す関係に基づいて、移動距離Xn-1 >距離Ln の場合には第2の駆動信号40のバースト波形部40aの周波数fb を高く設定し、一方、移動距離Xn-1 <距離Ln の場合には第2の駆動信号40のバースト波形部40aの周波数fb を低く設定することにより、目標位置Bを一度も通り越さずに相対運動部材21を停止許容範囲内に停止することも、可能である。
【0072】
なお、本実施形態では、第2の駆動信号40のバースト波形部40aのデューティ比(間欠周波数fK =1/BT)は一定のままとした。しかし、本発明はこれには限定されず、バースト波形部40aの周波数を変化させるのに伴って、このデューティ比(間欠周波数fK =1/BT)も適宜変化させるようにしてもよい。
【0073】
図8は、デューティ比を異ならせた第2の駆動信号44、45を生成する状況を模式的に示すグラフである。
【0074】
同図に示すように、パルス波41と駆動周波数がf1 である駆動信号42とを重畳させることにより第2の駆動信号44を生成することができ、またパルス波41と駆動周波数がf2 である駆動信号43とを重畳させることにより第2の駆動信号45を生成することができる。
【0075】
このように、パルス波41のデューティ比を適宜変更することにより、生成される第2の駆動信号44、45の間欠周波数を自在に設定することができる。第2の駆動信号44、45の間欠周波数を異ならせることにより、用途や状態に適用させた多種の分解能を超音波モータ10に与えることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を説明する。なお、以降の各実施形態では、前述した第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については同一の図中符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
【0076】
本実施形態が前述した第1実施形態と相違するのは、駆動装置30から振動子11にバースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力する際に、駆動装置30によって、直近の前回の1つのバースト波形部により得られたステップ幅、又は直近の前回までの1つのバースト波形部により得られたステップ幅の平均値に基づいて、次回のバースト駆動条件を決定する点である。すなわち、本実施形態では、駆動装置30に学習機能を与え、直近の前回の1つのバースト波形部により得られたステップ幅、又は直近の前回までの1つのバースト波形部の平均値により得られたステップ幅の平均値に基づいて、次回のバースト駆動条件を決定する。
【0077】
図9は、本実施形態により駆動装置30から振動子11に入力される第2の駆動信号40−1の波形例を示すグラフである。
【0078】
同図にグラフで示すように、第2の駆動信号40−1は、バースト波形部40−1a及び40−1bを間欠的に有する。本実施形態の駆動装置30は、バースト波形部40−1aの印加時間である時間BH1に得られたステップ幅を、インクリメンタルエンコーダ33によって非印加時間である時間BL1に測定し、次回のバースト波形部40−1bの印加時間である時間BH2のバースト駆動条件を変化させることによって、次回のバースト波形部40−1bによるステップ幅の制御を行う。ここで、バースト駆動条件とは、駆動周波数と、必要に応じて、駆動電圧及び駆動信号中のバースト波形部の数のうちの少なくとも1種とを意味する。
【0079】
例えば、時間BH1以前に比較してバースト波形部40−1aのステップ幅が減少してきた場合には、時間BH2のバースト波形部40−1bの周波数の波の数を増加させるように、制御する。
【0080】
図10は、本実施形態による、一つのバースト波形部による超音波モータの送り量と原点からの距離との関係の一例を示すグラフである。
【0081】
図10にグラフで示すように、本実施形態により、バースト波形部により得られるステップ幅の変動を3μm〜5μmの範囲に抑制することができ、ステップ幅を略一定に保つことができる。このため、超音波モータを超低速で一定速度で駆動させることができ、所望の停止位置精度が得られる。
(第3実施形態)
本実施形態が、第1実施形態及び第2実施形態と相違するのは、駆動開始位置から予め定めた所定位置までは連続波からなる第1の駆動信号を超音波モータに入力し、この所定位置から目標位置まではバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を入力する際に、第1の駆動信号による駆動時に得られた駆動結果に基づいて第2の駆動信号の駆動条件を決定する点である。
【0082】
図11は、本実施形態における超音波モータ10−2を用いた位置決め制御装置50の概略構成図である。同図に示すように、超音波モータ10−2は、振動子11とこの振動子11に適宜加圧力で加圧接触するステージ(相対運動部材)21−2とからなる。ステージ21−2は、振動子11に対して移動自在に支持される。
【0083】
ステージ21−2にはインクリメンタルエンコーダ33が装着されており、ステージ21−2の位置が検出される。ステージ21−2の位置の検出値は制御装置31に入力され、この制御装置31により、第1の駆動信号により駆動時に得られた駆動結果として処理される。
【0084】
制御装置31では、駆動開始位置から所定位置までは連続波からなる第1の駆動信号を超音波モータに入力し(本実施形態の説明では、以下「モード1」という。)、この所定位置から目標位置まではバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を入力する(本実施形態の説明では、以下「モード2」という。)。図12(A)は、第1の駆動信号51の駆動波形例を示し、図12(B)は、第2の駆動信号52の駆動波形例を示す。
【0085】
図13は、本実施形態の振動子11の制御状況の一例を示す説明図である。
【0086】
同図に示すように、制御装置31は、モード1では、外部からの入力情報(移動距離、速度及び加速度)に基づいて、基準速度を決定する。
図14は、制御装置13により決定された基準速度53の一例を示すグラフである。
【0087】
図13に示すように、制御装置31は、決定した基準速度53に基づいて、駆動開始位置Aから予め定めた所定位置Bと目標位置Cとの間の領域までは、連続波からなる第1の駆動信号51を振動子11に入力して、相対運動部材21を目標位置Cに向けて粗動する。
【0088】
また、制御装置31は、モード1において、駆動開始時からの経過時間に対する相対運動部材21の位置を演算して相対運動部材21の速度を求め、求めた速度と駆動周波数との関係を求める。この関係から、粗動開始時の第1の駆動信号の周波数を求めておく。
【0089】
振動子11が所定位置Bと目標位置Cとの間の領域に達すると、制御装置31は、第1の駆動信号51を切り替えて第2の駆動信号52を入力し、モード2へ移行する。そして、この第2の駆動信号52の駆動条件、すなわち第2の駆動信号52のバースト波形部52aの周波数を、モード1で求めた粗動開始時の第1の駆動信号の周波数に基づいて変更することにより、相対運動部材21の速度の制御を行う。
【0090】
第2の駆動信号52のバースト波形部52aの周波数の変更は、例えば以下に列記する手段(1)〜(3)により行う。
(1)インクリメンタルエンコーダ33によりモード1における駆動開始を検出し、この駆動開始時の駆動周波数から所定値だけ小さい周波数を、モード2における第2の駆動信号52の駆動周波数とする。これにより、異なる温度環境等により振動子11の共振周波数が変化しても、この変化に対応してモード2における第2の駆動信号52の駆動周波数を設定することができる。
(2)インクリメンタルエンコーダ33により予め設定された速度に達した時点の駆動周波数を検出し、この駆動周波数をモード2における第2の駆動信号52の駆動周波数とする。これにより、異なる温度環境等により振動子11の共振周波数が変化しても、この変化に対応してモード2における第2の駆動信号52の駆動周波数を設定することができる。
(3)振動子11又は相対運動部材21−2に適当な温度センサを設置して振動子11又は相対運動部材21−2の温度を検出するとともに、予め移動速度と駆動周波数との関係が温度変化によって受ける影響をテーブル等に持ち、モード1とモード2との間に温度変化があっても、このテーブル等によって駆動周波数が補正することにより、温度毎に予め設定した駆動周波数をモード2における第2の駆動信号52の駆動周波数とすることができ、これにより、確実な駆動ができる。
【0091】
制御装置31は、インクリメンタルエンコーダ33からの信号をカウントし、相対運動部材21がパルス停止位置Dに到達した時点でモード2の動作を停止する。これにより、相対運動部材21は目標位置Cに停止する。
【0092】
なお、制御装置31は、相対運動部材21の停止位置が位置決め完了範囲Eの外部となった場合には、相対運動部材21の停止位置が位置決め完了範囲Eに入まで、モード2の動作を繰り返して行う。
【0093】
このように、本実施形態では、モード2における第2の駆動信号52の駆動周波数を、モード1による駆動時に得られた駆動結果(振動子11の移動量)に基づいて、変更する。このため、環境温度の変化等により超音波モータ10−2の共振周波数が変化しても、この変化に対応してモード2における第2の駆動信号52のバースト波形部52aの周波数を最適値に設定できるため、超音波モータ10−2を駆動できなかったり期待する微少駆動ができなくなることを、いずれも、確実に防止できる。このため、本実施形態によれば、位置決め制御装置50の位置決め精度を向上できる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態と同様に、インクリメンタルエンコーダ33を用いて検出した目標位置からの偏差に基づいて速度制御を行う超音波モータについて、その電源投入時に第2の駆動信号を用いて原点検出動作を行うものである。
【0094】
図15は、本実施形態で用いる駆動信号60の波形例を示す説明図である。すなわち、本実施形態では、バースト波形部60a〜60dを間欠的に有する駆動信号60を入力することによって、振動子11及びこの振動子11との間で相対運動を生じる相対運動部材21を備える超音波モータを、原点検出が可能な速度vr で微動させることによって、超音波モータ10の原点検出動作を行う。
【0095】
この際に、本実施形態では、超音波モータ10の存在位置と目標位置との偏差が小さくなるに応じて、バースト波形部60a〜60dの周波数が高くなるように制御する。具体的には、バースト波形部60a〜60dを有する駆動信号60の駆動周波数を、前述した図18のグラフにおける周波数f1 及び周波数f2 の間の周波数fr に設定する。
【0096】
本実施形態では、駆動周波数をfr と設定するため、高温時に速度vr 以下の超低速で超音波モータ10を駆動することができ、原点検出動作を確実に行うことができる。また、本実施形態では、駆動周波数をfr と設定するとともに駆動信号60のデューティ比を、50〜20%程度、例えば30%程度と低く設定することにより、低温時にも、速度vr 以下の超低速で超音波モータ10を駆動することができ、原点検出動作を確実に行うことができる。
【0097】
なお、原点検出動作は、・超音波モータ10の駆動周波数を低周波数側から高周波数側に走査し、検出速度が設定速度に達したら走査を中止し、その時の周波数fr で駆動を継続するか、又は・超音波モータ10の駆動電圧を低電圧側から高電圧側に走査し、検出速度が設定速度に達したら走査を中止し、その時の電圧で駆動を継続することにより、行えばよい。
【0098】
このように、本実施形態によれば、バースト波形部60a〜60dを有する駆動信号60を用いることにより、温度に依らずに確実に原点検出動作を行うことができる。
(変形形態)
各実施形態の説明では、振動モータが超音波モータである場合を例にとった。しかし、本発明は超音波モータには限定されず、超音波以外の他の振動域を利用した振動モータであれば、等しく適用される。
【0099】
また、各実施形態の説明では、図1及び図2に示す超音波モータ10を用いた場合を例にとった。しかし、本発明はこの超音波モータ10には限定されず、振動子とこの振動子に加圧接触する相対運動部材とを備える超音波モータであれば、その形態や用いる振動の種類等には何ら限定されずに、等しく適用される。
【0100】
また、各実施形態の説明では、(i)バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を振動子に入力することによって、相対運動部材を微動させるとともに、バースト波形部による相対運動部材の駆動結果に基づいて、駆動信号のバースト波形部の少なくとも周波数の制御を行う駆動装置を用いて、バースト波形部の少なくとも周波数の制御を行うこと、(ii)バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を振動子に入力することによって、相対運動部材を微動させた後に目標位置へ停止させるとともに、相対運動部材の存在位置と目標位置との偏差が小さくなるに応じて、バースト波形部の周波数が高くなるように制御する駆動装置を用いて、この偏差が小さくなるに応じて、バースト波形部の周波数が高くなるように制御すること、又は(iii)連続波を有する第1の駆動信号を入力して相対運動部材を粗動させて目標位置へ接近させた後にバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を入力して相対運動部材を微動させて目標位置へ停止させるとともに、粗動時の相対運動部材の駆動結果に基づいて微動時の駆動条件を決定する駆動装置を用いて、粗動時の相対運動部材の駆動結果に基づいて微動時の駆動条件を決定することを行う場合を例にとった。しかし、本発明はこれらの形態には限定されず、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を振動子に入力するとともにバースト波形部の少なくとも周波数の制御を行う駆動装置を用いて、バースト波形部の少なくとも周波数の制御を行う場合に、等しく適用される。
【0101】
また、各実施形態の説明では、振動子を固定支持し、この振動子により相対運動部材を駆動する場合を例にとった。しかし、本発明は、この形態には限定されず、相対運動部材を固定支持し、この相対運動部材に対して振動子を移動させる場合であっても、等しく適用される。
【0102】
また、各実施形態の説明では、エンコーダがインクリメンタルエンコーダである場合を例にとった。しかし、本発明はインクリメンタルエンコーダには限定されず、アブソリュートエンコーダにも同様に適用される。
【0103】
さらに、各実施形態の説明では、電気機械変換素子が圧電体である場合を例にとったが、本発明は圧電体には限定されず、例えば電歪素子等の圧電体以外の、電気エネルギと機械エネルギとの相互変換素子である電気機械変換素子であれば、等しく用いることができる。
【0104】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1〜請求項14の本発明は、バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を用いるとともにこのバースト波形部の駆動周波数を制御するため、送り量を1バースト波形部により疑似的にデジタル化できるとともに、1バースト波形部による送り量を無段階で自在に調節することができる。このため、請求項1〜請求項14の本発明によれば、振動モータの分解能を高めて停止位置精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波モータの主要部を抽出して示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の超音波モータを構成する振動子を、発生する振動波形例とともに示す説明図である。
【図3】第1実施形態の超音波モータの駆動装置のブロック図である。
【図4】第1実施形態において、バースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号の波形例を示す説明図である。
【図5】第1実施形態の超音波モータの相対運動部材の移動軌跡を示す説明図であり、図5(A)は相対運動部材の移動軌跡の一例を直接的に示す説明図、図5(B)は相対運動部材の移動軌跡を一般化して示す説明図である。
【図6】第1実施形態の超音波モータの振動子に入力される駆動信号の駆動周波数と、その時の相対運動部材の速度又は1ステップ分の移動量との関係の一例を示すグラフである。
【図7】第1実施形態において、駆動周波数−移動量のマップの一例を示すグラフである。
【図8】第1実施形態において、デューティ比を異ならせた第2の駆動信号を生成する状況を模式的に示すグラフである。
【図9】第2実施形態により駆動装置から振動子に入力される第2の駆動信号の波形例を示すグラフである。
【図10】第2実施形態による、一つのバースト波形部による超音波モータの送り量と原点からの距離との関係の一例を示すグラフである。
【図11】第3実施形態における超音波モータを用いた位置決め制御装置の概略構成図である。
【図12】図12(A)は、第3実施形態における第1の駆動信号の駆動波形例を示し、図12(B)は、第3実施形態における第2の駆動信号の駆動波形例を示す。
【図13】第3実施形態の相対運動部材の制御状況の一例を示す説明図である。
【図14】第3実施形態において、制御装置により決定された基準速度の一例を示すグラフである。
【図15】第4実施形態で用いる駆動信号の波形例を示す説明図である。
【図16】バースト波形部を間欠的に有する駆動信号を入力することによって超音波モータを微動させた場合について、一つのバースト波形部による超音波モータの送り量と原点からの距離との関係の一例を示すグラフである。
【図17】高温、常温及び低温の3状態について、超音波モータの速度と駆動周波数との関係の一例を示すグラフである。
【図18】超音波モータの駆動周波数と速度との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 超音波モータ
11 振動子
21 相対運動部材
30 駆動装置
40 駆動信号
40a バースト波形部
Claims (12)
- 振動を発生する振動子と、
該振動子に加圧接触し、前記振動子との間で相対運動を行う相対運動部材と、
連続波を有する第1の駆動信号を前記振動子に入力して前記振動子又は前記相対運動部材を移動させて目標位置へ接近させる第1の制御と、前記第1の制御の後に、前記第1の駆動信号の周波数より高い周波数のバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を前記振動子に入力して前記振動子又は前記相対運動部材を移動させて前記目標位置へ停止させる第2の制御とを行う駆動装置とを有し、
前記駆動装置は、前記第1の制御時の前記振動子又は前記相対運動部材の存在位置に基づいて、前記バースト波形部の周波数を決定し、前記第2の制御時に、前記振動子又は前記相対運動部材の存在位置と前記目標位置との偏差が小さくなるに応じて、前記バースト波形部の周波数が高くなるように制御すること
を特徴とする振動モータ。 - 前記第2の制御は、前記バースト波形部による前記振動子又は前記相対運動部材の駆動結果に基づいて、前記バースト波形部の周波数の制御を行うこと
を特徴とする請求項1に記載された振動モータ。 - 前記駆動結果は、前記相対運動の量であること
を特徴とする請求項2に記載された振動モータ。 - 前記第1の制御開始時の前記第1の駆動信号の周波数に基づいて、前記バースト波形部の周波数を決定すること
を特徴とする請求項1に記載された振動モータ。 - 環境温度に基づいて前記第2の駆動信号の前記バースト波形部の周波数を決定すること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された振動モータ。 - 前記第2の制御時に、前記バースト波形部のデューティ比を変化させること
を特徴とする請求項1に記載された振動モータ。 - 振動を発生する振動子及び該振動子との間で相対運動を生じる相対運動部材を備える振動モータを駆動させる際に、
連続波を有する第1の駆動信号を前記振動子に入力して前記振動子又は前記相対運動部材を移動させて目標位置へ接近させる第1の制御と、前記第1の制御の後に、前記第1の駆動信号の周波数より高い周波数のバースト波形部を間欠的に有する第2の駆動信号を前記振動子に入力して前記振動子又は前記相対運動部材を移動させて前記目標位置へ停止させる第2の制御とを行い、
前記第1の制御時の前記振動子又は前記相対運動部材の存在位置に基づいて、前記バースト波形部の周波数を決定し、前記第2の制御時に、前記振動子又は前記相対運動部材の存在位置と前記目標位置との偏差が小さくなるに応じて、前記バースト波形部の周波数が高くなるように制御すること
を特徴とする振動モータの駆動方法。 - 前記第2の制御は、前記バースト波形部による前記振動子又は前記相対運動部材の駆動結果に基づいて、前記バースト波形部の周波数の制御を行うこと
を特徴とする請求項7に記載された振動モータの駆動方法。 - 前記駆動結果は、前記相対運動の量であること
を特徴とする請求項8に記載された振動モータの駆動方法。 - 前記第1の制御開始時の前記第1の駆動信号の周波数に基づいて、前記バースト波形部の周波数を決定すること
を特徴とする請求項7に記載された振動モータの駆動方法。 - 振動モータの作動時の環境温度に基づいて前記第2の駆動信号の前記バースト波形部の周波数を決定すること
を特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載された振動モータの駆動方法。 - 前記目標位置は、インクリメンタルエンコーダを用いて原点検出時に検出される前記振動モータの原点位置であること
を特徴とする請求項7に記載された振動モータの駆動方法。
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