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JP4479270B2 - ワイヤ放電加工用電極線の製造方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工用電極線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤ放電加工に用いる電極線の製造方法に係り、放電加工速度が速い電極線を高い生産性で製造できるワイヤ放電加工用電極線の製造方法に関する。
ワイヤ放電加工用電極線として、Cu−Zn合金を用いたものが活用されている。この種の電極線は、放電特性が優れているため、放電加工における加工速度が速い、加工精度が高いという利点があると共に、コストが低いという利点もある。
従来、この種の電極線として、32〜36重量%のZnを含む単一合金(Cu−35重量%Zn合金、即ち65/35黄銅線)が使用されてきた。しかし、この電極線は、放電加工速度が遅いため、近年重視されるようになった放電加工速度の高さを満足できない。
そこで、特許文献1では、Cu又はCu合金からなる心材の外周にZn層を被覆する第1被覆ステップと、このZn層の外周に低Zn濃度のCu−Zn層を被覆して被覆線材を形成する第2被覆ステップと、この被覆線材を縮径加工する縮径ステップ(このステップは省いてもよい)と、この被覆線材に熱処理を施すことで前記Zn層中のZnを前記Cu−Zn層に拡散させて高Zn濃度のCu−Zn拡散層を形成する熱処理ステップと、この被覆線材を縮径加工することにより、所望の線径の電極線を得る最終的縮径ステップとを行ってワイヤ放電加工用電極線を製造することを提案している。
なお、縮径加工は伸線加工と同義である。
特開2002−172529号公報
しかしながら、特許文献1のワイヤ放電加工用電極線は、熱処理ステップで得られたCu−Zn拡散層におけるZn濃度が38〜50重量%と高濃度であるため、最終的縮径ステップにおける伸線加工性が低い(伸線させにくい或いは断線が生じる)。このため、電極線製造における生産性が著しく劣る。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、放電加工速度が速い電極線を高い生産性で製造できるワイヤ放電加工用電極線の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の製造方法は、Cu又はCu合金からなる心材の外周にZn層を被覆する第1被覆ステップと、このZn層の外周に低Zn濃度のCu−Zn層を被覆して被覆線材を形成する第2被覆ステップと、この被覆線材を縮径加工する第1縮径ステップと、この被覆線材に500〜700℃で1〜5時間の熱処理を施すことで前記Zn層中のZnを前記Cu−Zn層に拡散させて高Zn濃度のCu−Zn拡散層を形成する第1熱処理ステップと、この被覆線材を縮径加工する第2縮径ステップと、熱処理後の被覆線材に450℃で0.5〜2時間の熱処理を施すことで被覆線材を軟化させる第2熱処理ステップと、この被覆線材を縮径加工することにより、被覆線材に所望の引っ張り強さを与える第3縮径ステップとを有するものである。
第1縮径ステップは、Cu−Zn層の加工度が50〜80%となるように縮径加工を行ってもよい。
第1熱処理ステップは、500〜700℃で1〜5時間の熱処理を施してもよい。
第2縮径ステップは、Cu−Zn拡散層の加工度が50〜80%となるように縮径加工を行ってもよい。
第3縮径ステップは、Cu−Zn拡散層の加工度が70〜98%となるように縮径加工を行ってもよい。
第1被覆ステップは、前記心材の外周にZnテープを縦添えすることによりZn層を被覆し、第2被覆ステップは、前記Zn層の外周にCu−Znテープを縦添えしてもよい。
前記心材は、Cu−0.02〜0.2重量%Zr合金、Cu−0.15〜0.25重量%Sn−0.15〜0.25重量%In合金、Cu−0.15〜0.70重量%Sn合金、Cu−0.10〜0.70重量%In合金、Cu−5〜30重量%Zn合金、Cu−5〜30重量%Zn合金にZr,Cr,Si,Mg,Al,Fe,P,Ni,Ag,Snのいずれか1種以上の添加物を添加した合金のうちいずれかの合金であってもよい。
第1熱処理ステップは、当該熱処理後にCu−Zn拡散層におけるZn濃度が38〜50重量%であってもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)高い放電加工速度を有する電極線を製造できる。良好な伸線加工性を有する
(2)電極線を高い生産性で製造できる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1及び図2に、本発明に係るワイヤ放電加工用電極線の製造方法における製造途中の被覆線材を示す。図1に示されるように、被覆線材1は、Cu又はCu合金からなる心材2の外周にZn層3を被覆し、さらに、このZn層3の外周に低Zn濃度のCu−Zn層4を被覆したものである。一方、図2に示されるように、電極線5は、Cu又はCu合金からなる心材2の外周に高Zn濃度のCu−Zn拡散層6を形成したものである。Cu−Zn拡散層6は、Zn層3とCu−Zn層4とを熱処理することによって形成されたものである。
本発明の製造方法は、特許文献1に記載の製造方法に新たなステップを加えると共に、各ステップを適切に行うための諸条件を設定したものである。
以下、本発明の製造方法の各工程における詳細を工程の実施順に説明する。
まず最初に、心材2の外周にZn層3を被覆する第1被覆ステップを行う。
心材2には、Cu単体又はCu合金を用いる。そのCu合金には、Cu−0.02〜0.2重量%Zr合金、又はCu−0.15〜0.25重量%Sn−0.15〜0.25重量%In合金、又はCu−0.15〜0.70重量%Sn合金、又はCu−0.10〜0.70重量%In合金、又はCu−5〜30重量%Zn合金、又はCu−5〜30重量%Zn合金にZr,Cr,Si,Mg,Al,Fe,P,Ni,Ag,Snのいずれか1種以上の添加物を添加した合金を用いるとよい。これらの合金は、導電性が良く、耐熱性も高いので、放電加工において電極線の性能を高めるのに有効である。
Zn層3にはZn単体からなるZnテープを用いると良い。このZnテープを心材2の外周に縦添えすることでZn層3を被覆することになる。Znテープを用いる利点は後に述べる。
次に、Zn層3の外周にCu−Zn層4を被覆して被覆線材1を形成する第2被覆ステップを行う。
Cu−Zn層4には、低Zn濃度のCu−Zn合金を用いる。ここで、低Zn濃度のCu−Zn合金とは、後述するCu−Zn拡散層6よりもZn濃度が低いものであり、例えば、Cu−33〜37重量%Znのことを言う。
Cu−Zn層4には、Cu−Zn合金からなるCu−Znテープを用いると良い。このCu−ZnテープをZn層3の外周に縦添えし、そのCu−Znテープの突き合わせ部同士を溶接して繋ぐことでCu−Zn層4を被覆することになる。Cu−Znテープを用いると、Znテープを縦添え被覆して行う第1被覆ステップと、その際Znテープの突き合わせ部(Znテープの幅方向両側端)同士を溶接して繋ぐ第1閉じ合わせステップとCu−Znテープを縦添え被覆して行う第2被覆ステップと、その際Cu−Znテープの突き合わせ部(Cu−Znテープの幅方向両側端)同士を溶接して繋ぐ第2閉じ合わせステップとを連続的に行うことができ、製造コストが低減される。
次に、この被覆線材1を縮径加工する第1縮径ステップを行う。
この第1縮径ステップでは、Cu−Zn層4の加工度が50〜80%となるように縮径加工を行う。これにより、被覆線材1の伸線性を損なうことなく、心材2とZn層3との間の界面及びZn層3とCu−Zn層4との間の界面をよく密着させることができる。もし、加工度が50%未満では上記界面の密着性の向上が図れず、その結果、後の縮径加工における伸線性が低下する。また、もし、加工度が80%より大であると、Cu−Zn層4が加工硬化して後の縮径加工における伸線性が低下する。
なお、加工度とは、加工前の径から加工後の径を差し引いた値を加工前の径で割った数値のことである。例えば、1の径の被覆線材1を0.2の径まで縮径加工すると加工度は80%である。
次に、この被覆線材1に熱処理を施す第1熱処理ステップを行う。
この第1熱処理ステップでは、図1の被覆線材1に500〜700℃で1〜5時間の熱処理を施すことでZn層3中のZnをCu−Zn層4に拡散させ、図2のように、高Zn濃度のCu−Zn拡散層6を形成する。つまり、心材2の外周に高Zn濃度のCu−Zn拡散層6を形成した電極線5が得られる。ここで、高Zn濃度とは、38〜50重量%のことを言う。もし、熱処理温度が500℃未満であったり、熱処理時間が1時間未満であったりすると、Znの拡散が十分でなく、伸線性が低下する。また、もし、熱処理温度が700℃より大であったり、熱処理時間が時間より大であったりすると、Znの拡散の進行が過度になり、Cu−Zn拡散層6のZn濃度が所望よりも低下してしまう。
ここでCu−Zn拡散層6のZn濃度が低下する理由は、熱処理の過程において、被覆線材1におけるCu−Zn層4の表面からZnが蒸発してしまったり、心材2のCu成分がCu−Zn拡散層6に拡散するためである。
次に、この電極線5を縮径加工する第2縮径ステップを行う。
この第2縮径ステップでは、Cu−Zn拡散層6の加工度が50〜80%となるように縮径加工を行う。これにより、Cu−Zn拡散層6と心材2との間の界面をよく密着させることができる。もし、加工度が50%未満では上記界面の密着性の向上が図れず、その結果、後の縮径加工における伸線性が低下する。また、もし、加工度が80%より大であると、Cu−Zn拡散層6が加工硬化して後の縮径加工における伸線性が低下する。
次に、この電極線5に熱処理を施す第2熱処理ステップを行う。
この第2熱処理ステップでは、図2の電極線5に400〜500℃で0.5〜2時間の熱処理を施すことで、Znの再拡散を促すことなく電極線5に適切な伸線性を与える程度に電極線5を軟化させる。もし、熱処理温度が400℃未満であったり、熱処理時間が0.5時間未満であったりすると、電極線5を軟化させることができず、次の第3縮径ステップでの伸線性が低下する。また、もし、熱処理温度が500℃より大であったり、熱処理時間が2時間より大であったりすると、Znの再拡散が進行してしまい、Cu−Zn拡散層6のZn濃度が所望よりも低下してしまう。Cu−Zn拡散層6のZn濃度が所望よりも低下してしまうと、その電極線を使用して行う放電加工速度が低下してしまう。
次に、この電極線5を縮径加工する第3縮径ステップを行う。
この第3縮径ステップでは、Cu−Zn拡散層6の加工度が70〜98%となるように縮径加工を行う。これにより、電極線5に所望の引っ張り強さを与えることができる。もし、加工度が70%未満では所望の引っ張り強さを得ることができない。また、もし、加工度が98%より大であると、Cu−Zn拡散層6が加工限界を超えてしまい、この第3縮径ステップでの伸線加工時に断線が発生するようになる。
ここで電極線5に所望の引っ張り強さをもたせる理由は、ワイヤ放電加工を行う際に、ワイヤ放電加工用電極線に張力をかけながら放電加工を行うためで、もし、そのときに所望の引っ張り強さがないと、ワイヤ放電加工中にワイヤ放電加工用電極線が断線してしまう。
第3縮径ステップでは、仕上がり外径が0.1〜0.4mmの電極線が得られるように縮径加工を行う。
以上の製造工程を経て製造されたワイヤ放電加工用電極線は、Cu−Zn拡散層6のZn濃度が高いため放電加工速度が高い。また、このワイヤ放電加工用電極線は、製造中における伸線加工性が良好であるため生産効率が高く、よって低コストで製造が可能となる。つまり、本発明により安価なワイヤ放電加工用電極線を提供することができる。
なお、第1熱処理ステップにおいて、当該熱処理後にCu−Zn拡散層6におけるZn濃度が38〜50重量%となるようにしたのは、電極線5の伸線性を損なうことなく、電極線5に所望の高Zn濃度を持たせるためである。もし、Cu−Zn拡散層6のZn濃度が38重量%未満であるとその電極線を使用して放電加工をするときの加工速度が低下してしまう。また、もし、Cu−Zn拡散層6のZn濃度が50重量%より大であると、伸線加工性が著しく低下してしまう。
また、背景技術では、熱処理ステップ後のZn濃度が38〜50重量%と高濃度であるため、最終的縮径ステップでの伸線加工性が低かったが、本発明では第1熱処理ステップでZn濃度を38〜50重量%にしても、その後、第2熱処理ステップにおいて軟化を図っているので、第3縮径ステップで高い伸線加工性を得ることができる。
本発明の効果を明らかにするために、本発明で製造した電極線(実施例)とそれ以外の電極線(比較例及び従来例)を種々の観点から比較した。まず、各電極線の製造方法及び諸条件を明確にしておく。
(実施例1)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45重量%Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
(実施例2)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.16重量%Zr合金線を用いる。その他は実施例1と同様にして線径が0.25mmの電極線を製造する。
(実施例3)
心材2として直径が4.0mmのCu−10重量%Zn合金線を用いる。その他は実施例1と同様にして線径が0.25mmの電極線を製造する。
(実施例4)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.3重量%Sn合金線を用いる。その他は実施例1と同様にして線径が0.25mmの電極線を製造する。
なお、これらの実施例においては心材2としてCu合金を用いているが、本発明はこれに限られるものではなく、心材2としてCu単体を用いても良い。
(比較例1)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、400℃×4時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例1は、第1熱処理ステップの条件が400℃×4時間である以外は実施例1と同様である。よって、第1熱処理ステップにおける熱処理温度が本発明の条件に不足である。
(比較例2)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×0.5時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例2は、第1熱処理ステップの条件が600℃×0.5時間である以外は実施例1と同様である。よって、第1熱処理ステップにおける熱処理時間が本発明の条件に不足である。
(比較例3)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×6時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例3は、第1熱処理ステップの条件が600℃×6時間である以外は実施例1と同様である。よって、第1熱処理ステップにおける熱処理時間が本発明の条件を越えている。
(比較例4)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、800℃×4時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例4は、第1熱処理ステップの条件が800℃×4時間である以外は実施例1と同様である。よって、第1熱処理ステップにおける熱処理温度が本発明の条件を越えている。
(比較例5)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度40%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例5は、第2縮径ステップの条件が加工度40%である以外は実施例1と同様である。よって、第2縮径ステップにおける加工度が本発明の条件に不足である。
(比較例6)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度90%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例5は、第2縮径ステップの条件が加工度90%である以外は実施例1と同様である。よって、第2縮径ステップにおける加工度が本発明の条件を越えている。
(比較例7)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、300℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例7は、第2熱処理ステップの条件が300℃×1時間である以外は実施例1と同様である。よって、第2熱処理ステップにおける熱処理温度が本発明の条件に不足である。
(比較例8)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、600℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度90%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例8は、第2熱処理ステップの条件が600℃×1時間である以外は実施例1と同様である。よって、第2熱処理ステップにおける熱処理温度が本発明の条件を越えている。
(比較例9)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度65%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例9は、第3縮径ステップの条件が加工度65%である以外は実施例1と同様である。よって、第3縮径ステップにおける加工度が本発明の条件に不足である。
(比較例10)
心材2として直径が4.0mmのCu−0.19重量%Sn−0.2重量%In合金線を用い、厚さ0.2mm、幅13mmのZnテープを縦添えし、その上に厚さ0.50mmのCu−Znテープ(Cu−35重量%Zn)を縦添えし、突き合わせ部を溶接して直径が5.4mmの被覆線材1を形成する。この被覆線材1に加工度60%の冷間伸線加工を施した後、600℃×2時間の熱処理を施してCu−45Zn拡散層6を形成して電極線5を形成する。この電極線5に加工度65%の冷間伸線加工を施した後、450℃×1時間の熱処理を施す。最後に、この電極線5を複数の伸線ダイスに通して加工度99%で縮径加工を施し、線径が0.25mmの電極線を製造する。
つまり、比較例9は、第3縮径ステップの条件が加工度99%である以外は実施例1と同様である。よって、第3縮径ステップにおける加工度が本発明の条件を越えている。
(従来例1)
Cu−35Zn合金線のみからなり、線径が0.25mmの電極線を製造する。
Figure 0004479270
表1は、各例の電極線の製造方法及び諸条件と評価をまとめたものである。すなわち、表1は、左から、各例の番号、心材の組成、拡散熱処理条件(第1熱処理ステップの条件)、中間伸線の加工度(第2縮径ステップの条件)、熱処理条件(第2熱処理ステップの条件)、最終伸線加工度(第3縮径ステップの条件)、伸線加工性、放電加工速度の欄となっている。
評価のうち、伸線加工性については、所定のサイズに伸線加工する際に計測される、1回断線するまでの伸線重量(kg/回)で評価した。
この、伸線重量は、被覆線材1或いは電極線5を所定の伸線前の径から所定の目標の径に伸線加工する際に計測される量であり、伸線したトータルの製品重量をその間の断線回数で割った値である。よって、伸線重量は、断線1回あたりの製品重量を表す。伸線重量が大きい方が伸線加工性に優れているといえる。表1では、各例の電極線の伸線重量を三段階評価した。すなわち100kg/回以上ならば丸(良好)という評価、50〜100kg/回ならば三角(普通)という評価、50kg以下ならばバツ(不可)という評価を与えた。
放電加工速度については、各例における放電加工速度を測定し、その測定結果を従来例1を1.0としたときの指数で示した。この指数は、各例における放電加工速度を従来例1における放電加工速度で割って計算され、大きい方が優れている。ただし、伸線重量の評価が不可だったものは放電加工速度を測定しなかった。
さて、表1によれば、実施例1〜4の電極線は、従来例1よりも30〜40ポイント高い放電加工速度を有することがわかる。また、実施例1〜4の電極線は、従来例1と同様に良好な伸線加工性を有することがわかる。
これに対し、比較例1は、拡散温度(第1熱処理ステップにおける熱処理温度)が低いために、Znが拡散しきれず、その結果、第3縮径ステップにおける伸線加工性が著しく低下してしまい、放電加工に供することができなかった。
比較例2は、拡散時間(第1熱処理ステップにおける熱処理時間)が短いために、Znが均一に拡散せず、その結果、第3縮径ステップにおける伸線加工性が著しく低下してしまい、放電加工に供することができなかった。
比較例3は拡散時間が長く、また、比較例4は拡散温度が高いために、いずれもCu−Zn拡散層6のZn濃度が所望よりも低下してしまい、放電加工速度に大きな向上が認められない。
比較例5〜10は、中間伸線の加工度(第2縮径ステップの条件)、熱処理条件(第2熱処理ステップの条件)、最終伸線加工度(第3縮径ステップの条件)が適正でないために、伸線時に断線が生じたり、放電加工速度に大きな向上が認められない。
以上の評価から、本発明は、放電加工速度の速い電極線を高い生産性(低コスト)で製造する効果があると結論できる。
本発明の一実施形態を示す製造途中の被覆線材の断面図である。 本発明の一実施形態を示す製造途中の被覆線材及び完成品の電極線の断面図である。
符号の説明
1 被覆線材
2 伸線
3 Zn層
4 Cu−Zn層
5 電極線
6 Cu−Zn拡散層

Claims (7)

  1. Cu又はCu合金からなる心材の外周にZn層を被覆する第1被覆ステップと、このZn層の外周に低Zn濃度のCu−Zn層を被覆して被覆線材を形成する第2被覆ステップと、この被覆線材を縮径加工する第1縮径ステップと、この被覆線材に500〜700℃で1〜5時間の熱処理を施すことで前記Zn層中のZnを前記Cu−Zn層に拡散させて高Zn濃度のCu−Zn拡散層を形成する第1熱処理ステップと、この被覆線材を縮径加工する第2縮径ステップと、熱処理後の被覆線材に450℃で0.5〜2時間の熱処理を施すことで被覆線材を軟化させる第2熱処理ステップと、この被覆線材を縮径加工することにより、被覆線材に所望の引っ張り強さを与える第3縮径ステップとを有することを特徴とするワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
  2. 第1縮径ステップは、Cu−Zn層の加工度が50〜80%となるように縮径加工を行うことを特徴とする請求項1記載のワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
  3. 第2縮径ステップは、Cu−Zn拡散層の加工度が50〜80%となるように縮径加工を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
  4. 第3縮径ステップは、Cu−Zn拡散層の加工度が70〜98%となるように縮径加工を行うことを特徴とする請求項1〜いずれか記載のワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
  5. 第1被覆ステップは、前記心材の外周にZnテープを縦添えすることによりZn層を被覆し、第2被覆ステップは、前記Zn層の外周にCu−Znテープを縦添えすることを特徴とする請求項1〜いずれか記載のワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
  6. 前記心材は、Cu−0.10〜0.70重量%In合金であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載のワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
  7. 第1熱処理ステップは、当該熱処理後にCu−Zn拡散層におけるZn濃度が38〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載のワイヤ放電加工用電極線の製造方法。
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