JP4474716B2 - 編集装置、編集方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はファイルが記憶される記録媒体、及びこの記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行うことのできる編集装置、編集方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばフラッシュメモリなどの固体記憶素子を搭載した小型の記録媒体を形成し、専用のドライブ装置や、或いはドライブ装置をオーディオ/ビデオ機器、情報機器などに内蔵して、コンピュータデータ、画像データ、音声データなどを記憶できるようにするものが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような固体記憶素子を利用した記憶システムにおいては、記憶したファイルに対する編集処理を行うことが求められている。
そしてさらに、単に編集可能とするだけでなく、その編集処理がより効率化されること、例えば記録媒体内でのファイル編集のために必要となるデータ移動・複製・書換などが最小限であることや、編集のための処理時間や消費電力を最小限とすることが要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような要望に応じて、効率的な編集処理を実現できる記憶システムを構築することを目的とする。
【0007】
また本発明の編集装置は、記録媒体に記録された、固定長の記録データブロックを1または複数連結した主データと、上記主データに付加されて上記主データの上記記録媒体におけるアドレスとして示される記録位置及び再生されない無効データの位置を上記アドレスの更新により管理可能とする管理データとから構成されるデータファイルを、分割する編集装置として、上記データファイルを分割する分割位置を指定して、上記分割位置のアドレスにおいて前後となる第1のデータファイルと第2のデータファイルに分割することを指示できる操作手段と、上記操作手段の分割指示に応じて、上記管理データにおける主データの記録位置及び無効データの位置を更新して第1の管理データとすることで、該第1の管理データで管理される上記第1のデータファイルが生成される第1データファイル生成手段と、上記操作手段の分割指示に応じて、主データの記録位置及び無効データの位置を管理する第2の管理データを生成し、上記分割位置より後のデータファイル部分に付加することで、上記第2の管理データで管理される上記第2のデータファイルが生成される第2データファイル生成手段と、を備え、上記第1の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置より後ろに位置されていた主データ部分であり、上記第2の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置より前に位置されていた主データであるようにする。
【0008】
さらに本発明では、記録媒体に記録された、固定長の記録データブロックを1または複数連結した主データと、上記主データに付加されて上記主データの上記記録媒体におけるアドレスとして示される記録位置及び再生されない無効データの位置を上記アドレスの更新により管理可能とする管理データとから構成されるデータファイルを分割する編集装置における編集方法として、上記データファイルを、第1のデータファイルと第2のデータファイルに分割するための分割位置を設定する設定手順と、上記設定手順で設定された分割位置に基づいて、上記管理データにおける主データの記録位置及び無効データの位置を更新して第1の管理データとすることで、該第1の管理データで管理される上記第1のデータファイルが生成されるようにする第1データファイル生成手順と、上記設定手順で設定された分割位置に基づいて、主データの記録位置及び無効データの位置を管理する第2の管理データを生成し、上記分割位置よりアドレスにおいて後のデータファイル部分に付加することで、上記第2の管理データで管理される上記第2のデータファイルが生成されるようにする第2データファイル生成手順と、が行われ、上記第1の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置よりアドレスにおいて後ろに位置されていた主データ部分であり、上記第2の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置よりアドレスにおいて前に位置されていた主データであるようにする。
【0009】
即ち本発明では、データファイル毎に管理データが記録され、その管理データが書き換えられること、必要に応じて分割位置を含む単位データが複製されること、及び管理データ内で再生対象としない部分を設定できることで、データファイルを分割するという編集のために必要となるデータ移動・複製・書換を最小限とする。そしてまたそれによって編集のための処理時間や消費電力を最小限とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、実施の形態としての記録媒体は板状の外形形状を有する板状メモリとし、また本発明の編集装置、編集方法は、板状メモリに対してファイルの記録再生を行うことのできるドライブ装置及びそのドライブ装置による編集方法が相当するものとする。
説明は次の順序で行う。
1.板状メモリの外形形状
2.板状メモリのフォーマット
2−1.メモリファイルシステム処理階層
2−2.物理的データ構造
2−3.物理アドレス及び論理アドレスの概念
2−4.論理−物理アドレス変換テーブル
3.ドライブ装置の構成
4.FAT構造
5.板状メモリのファイル構造
5−1 ディレクトリ構成
5−2 メッセージリストファイル
5−3 メッセージデータファイル
6.デバイド編集処理
【0011】
1.板状メモリの外形形状
まず図1により、本例の記録媒体である、板状メモリ1の外形形状について説明する。
板状メモリ1は、例えば図1に示すような板状の筐体内部に例えば所定容量ののメモリ素子を備える。本例としては、このメモリ素子としてフラッシュメモリ(Flash Memory)が用いられるものである。
図1に平面図、正面図、側面図、底面図として示す筐体は例えばプラスチックモールドにより形成され、サイズの具体例としては、図に示す幅W11、W12、W13のそれぞれが、W11=60mm、W12=20mm、W13=2.8mmとなる。
【0012】
筐体の正面下部から底面側にかけて例えば9個の電極を持つ端子部2が形成されており、この端子部2から、内部のメモリ素子に対する読出又は書込動作が行われる。
筐体の平面方向の左上部は切欠部3とされる。この切欠部3は、この板状メモリ1を、例えばドライブ装置本体側の着脱機構へ装填する際などに挿入方向を誤ることを防止するためのものとなる。
また筐体底面側には使用性の向上のため滑り止めを目的とした凹凸部4が形成されている。
さらに底面側には、記憶内容の誤消去を防止する目的のスライドスイッチ5が形成されている。
【0013】
2.板状メモリのフォーマット
2−1.メモリファイルシステム処理階層
続いて、板状メモリ1を記録媒体とするシステムにおけるフォーマットについて説明していく。
図2は、板状メモリ1を記録媒体とするシステムのファイルシステム処理階層を示すものである。
この図に示すように、ファイルシステム処理階層としては、アプリケーション処理層の下に、順次、ファイル管理処理層、論理アドレス層、物理アドレス層、フラッシュメモリアクセスがおかれる。
この階層では、ファイル管理処理層がいわゆるFAT(File Allocation Table)となる。
また、この図から分かるように、本例のファイルシステムでは論理アドレス及び物理アドレスという概念が導入されているが、これについては後述する。
【0014】
2−2.物理的データ構造
図3には、板状メモリ1内の記憶素子である、フラッシュメモリの物理的データ構造が示されている。
フラッシュメモリとしての記憶領域は、セグメントという固定長のデータ単位が大元となる。このセグメントは、1セグメントあたり4MB(メガバイト)或いは8MBとして規定されるサイズであり、1つのフラッシュメモリ内におけるセグメント数は、そのフラッシュメモリの容量に依存して異なってくる。
【0015】
そして、この1セグメントを図3(a)に示すように、ブロックという固定長のデータ単位として8KB(キロバイト)又は16KBにより区切るようにされる。原則として、1セグメントは512ブロックに区切られることから、図3(a)に示すブロックnについては、n=511とされることになる。但し、フラッシュメモリでは、書き込み不可な損傷エリアであるディフェクトエリアとしてのブロック数が所定数の範囲で許可されているため、データ書き込みが有効とされる実質的なブロック数を対象とすれば、上記nは511よりも少なくなる。
【0016】
図3(a)に示すようにして形成されるブロック0〜nのうち、先頭の2つのブロック0,1はブートブロックといわれる。但し、実際には有効なブロックの先頭から2つのブロックがブートブロックとして規定されることになっており、必ずしもブートブロックがブロック0,1である保証はない。
そして、残りのブロックが、ユーザデータが格納されるユーザブロックとなる。
【0017】
1ブロックは、図3(d)に示すようにして、ページ0〜mにより分割される。1ページの容量は、図3(e)に示すように、512バイトのデータエリアと16バイトの冗長部よりなる、528(=512+16)バイトの固定長とされる。なお、冗長部の構造については図3(f)により後述する。
また、1ブロック内のページ数としては、1ブロックの容量が8KBの場合には16ページ、16KBの場合には32ページとなる。
【0018】
このような、図3(d)(e)に示されるブロック内のページ構造は、上記ブートブロックとユーザブロックとで共通である。
また、フラッシュメモリでは、データの読み出し、及び書き込みはページ単位で行われ、データの消去はブロック単位で行われるものとされる。そして、データの書き込みは、消去済みのページに対してしか行われないものとされている。従って、実際のデータの書き換えや書き込みは、ブロック単位を対象として行われることになる。
【0019】
先頭のブートブロックは、図3(b)に示すように、ページ0に対してヘッダーが格納され、ページ1には初期不良データの位置(アドレス)を示す情報が格納される。また、ページ2にはCIS/IDSといわれる情報が格納される。
2つめのブートブロックは図3(c)に示すように、ブートブロックとしてのバックアップのための領域とされている。
【0020】
図3(e)に示された冗長部(16バイト)は、図3(f)に示す構造を有する。
この冗長部は、図のように先頭の第0バイト〜第2バイトの3バイトが、データエリアのデータ内容の更新に応じて書き換えが可能なオーバーライトエリアとされる。このオーバーライトエリアのうち、第0バイトにはブロックステータスが格納され、第1バイトにはデータステータスが格納される(Block Flag Data)。また、第2バイトの上位の所定ビットを利用して変換テーブルフラグ(Page Data Status1)が格納される。
【0021】
原則として第3バイト〜第15バイトは、その内容が現ページのデータ内容に応じて固定とされ、書き換えが不可とされる情報が格納される領域となる。
第3バイトには管理フラグ(Block Info)が格納され、第4,第5バイトから成る2バイトの領域には、後述する論理アドレス(Logic Address)が格納される。第6〜第10バイトの5バイトの領域は、フォーマットリザーブの領域とされ、続く第11,第12バイトの2バイトが、上記フォーマットリザーブに対して誤り訂正を施すための分散情報ECCを格納する領域とされる。
残る第13〜第15バイトには、図3(e)に示すデータエリアのデータに対して誤り訂正を行うためのデータECCが格納される。
【0022】
上記図3(f)に示した冗長部の第3バイトに格納される管理フラグは、図4に示すようにして、ビット7〜ビット0の各ビットに、その内容が定義されている。
ビット7,6、及びビット1,0はリザーブ(未定義)領域とされている。
ビット5は現ブロックに対してのアクセス許可の「有効」(‘1’;Free)/「無効」(‘0’;Read Protected)を示すフラグが格納される。ビット4には現ブロックについてのコピー禁止指定(‘1’;OK /‘0’;NG)についてのフラグが格納される。
【0023】
ビット3は変換テーブルフラグとされる。この変換テーブルフラグは、現ブロックが後述する論理−物理アドレス変換テーブルであるのか否かを示す識別子であり、このビット3の値が‘0’とされていれば、現ブロックは論理−物理アドレス変換テーブルであることが識別され、‘0’であれば無効となる。つまり、現ブロックは論理−物理アドレス変換テーブルではないことが識別される。
【0024】
ビット2はシステムフラグが格納され、‘1’であれば現ブロックがユーザブロックであることが示され、‘0’であればブートブロックであることが示される。
【0025】
ここで、セグメント及びブロックと、フラッシュメモリ容量との関係を図8(左3列を参照)により説明しておく。
板状メモリ1のフラッシュメモリ容量としては、4MB,8MB,16MB,32MB,64MB,128MBの何れかであるものとして規定されている。
そして、最も容量の小さい4MBの場合であると、1ブロックは8KBと規定された上で、そのブロック数としては512個とされる。つまり、4MBはちょうど1セグメントの容量を有するものとされる。そして、4MBの容量であれば、同様に1ブロック=8KBの容量が規定された上で、2セグメント=1024ブロックとなる。なお、前述したように、1ブロック=8KBであれば、1ブロック内のページ数は16ページとなる。
但し16MBの容量では、1ブロックあたりの容量として8KBと16KBの両者が存在することが許可されている。このため、2048ブロック=4セグメント(1ブロック=8KB)のものと、1024ブロック=2セグメント(1ブロック=16KB)のものとの2種類が在ることになる。1ブロック=16KBの場合には、1ブロック内のページ数は32ページとなる。
【0026】
また、32MB,64MB,128MBの容量では、1ブロックあたりの容量は16KBのみであるとして規定される。従って、32MBでは2048ブロック=4セグメントとなり、64MBでは4096ブロック=8セグメントとなり、128MBでは8192ブロック=16セグメントとなる。
【0027】
2−3.物理アドレス及び論理アドレスの概念
次に、上述したようなフラッシュメモリの物理的データ構造を踏まえたうえで、図5に示すデータ書き換え動作に従って、本例のファイルシステムにおける物理アドレスと論理アドレスの概念について説明する。
【0028】
図5(a)には、或るセグメント内から4つのブロックを抜き出して、これを模式的に示している。
各ブロックに対しては物理アドレスが付される。この物理アドレスはメモリにおけるブロックの物理的な配列順に従って決まるもので、或るブロックとこれに対応付けされた物理アドレスとの関係は不変となる。ここでは、図5(a)に示す4ブロックに対して、上から順に物理アドレスの値として、105,106,107,108が付されている。なお、実際の物理アドレスは2バイトにより表現される。
【0029】
ここで、図5(a)に示すように、物理アドレス105,106で示されるブロックがデータの記憶されている使用ブロックで、物理アドレス107,108で示されるブロックがデータが消去(即ち、未記録領域)された未使用ブロックとなっている状態であるとする。
【0030】
そして、論理アドレスであるが、この論理アドレスは、ブロックに対して書き込まれたデータに付随するようにして割り振られるアドレスとされる。そして、この論理アドレスが、後述するFATファイルシステムが利用するアドレスとされている。
図5(a)では、4つの各ブロックに対して、上から順に論理アドレスの値として、102,103,104,105が付されている状態が示されている。なお、論理アドレスも実際には2バイトにより表現されるものである。
【0031】
ここで、上記図5(a)に示す状態から、例えば物理アドレス105に格納されているデータの更新として、内容の書き換え又は一部消去を行うとする。
このような場合、フラッシュメモリのファイルシステムでは、同じブロックに対して更新したデータを再度書き込むことはせずに、未使用のブロックに対してその更新したデータを書き込むようにされる。
つまり、例えば図5(b)に示すようにして、物理アドレス105のデータは消去したうえで、更新されたデータはこれまで未使用ブロックであった物理アドレス107で示されるブロックに書き込むようにされる(処理▲1▼)。
【0032】
そして、処理▲2▼として示すように、データ更新前(図5(a))の状態では物理アドレス105に対応していた論理アドレス102が、更新されたデータが書き込まれたブロックの物理アドレス107に対応するように、論理アドレスについての変更を行うものである。これに伴って、データ更新前は物理アドレス107に対応していた論理アドレス104については、物理アドレス105に対応するように変更されている。
【0033】
つまり、物理アドレスはブロックに対して固有に付されるアドレスであり、論理アドレスは、一旦ブロックに対して書き込まれたデータに付随するようにしてついて回る、ブロック単位の書き込みデータに固有となるアドレスであるとみることができる。
【0034】
このようなブロックのスワップ処理が行われることで、或る同一の記憶領域(ブロック)に対して繰り返し集中的にアクセスされることが無くなり、書き換え回数の上限があるフラッシュメモリの寿命を延ばすことが可能となる。
そして、この際に論理アドレスを上記処理▲2▼のようにして扱うことで、ブロックのスワップ処理によって更新前と更新後のデータとで書き込まれるブロックの移動があるようにされても、FATからは同一のアドレスが見えることになり、以降のアクセスを適正に実行することができるものである。
なお、後述する論理−物理アドレス変換テーブル上での更新のための管理を簡略にすることなどを目的として、ブロックのスワップ処理は、1セグメント内で完結するものとして規定されている。逆に言えば、ブロックのスワップ処理はセグメント間で跨るようにしては行われない。
【0035】
2−4.論理−物理アドレス変換テーブル
上記図5による説明から分かるように、ブロックのスワップ処理が行われることで、物理アドレスと論理アドレスの対応は変化する。従って、フラッシュメモリに対するデータの書き込み及び読み出しのためのアクセスを実現するには、物理アドレスと論理アドレスとの対応が示される論理−物理アドレス変換テーブルが必要となる。つまり、論理−物理アドレス変換テーブルをFATが参照することで、FATが指定した論理アドレスに対応する物理アドレスが特定され、この特定された物理アドレスにより示されるブロックにアクセスすることが可能になるものである。逆に言えば、論理−物理アドレス変換テーブルが無ければ、FATによるフラッシュメモリへのアクセスが不可能となる。
【0036】
従来では、例えばセット本体に対して板状メモリ1が装着されたときに、セット本体側のマイクロプロセッサが板状メモリ1の記憶内容をチェックすることで、セット本体側で論理−物理アドレス変換テーブルの構築を行い、更にこの構築された論理−物理アドレス変換テーブルをセット本体側のRAMに格納するようにしていた。つまり、板状メモリ1内には、論理−物理アドレス変換テーブルの情報は格納されてはいなかった。
これに対して本例では、以降説明するように板状メモリ1に対して、論理−物理アドレス変換テーブルを格納するように構成している。
【0037】
図6は、本例の板状メモリ1に対して格納される論理−物理アドレス変換テーブルの構築形態を概念的に示すものである。
つまり、本例では、例えば論理アドレスの昇順に従って、これに対応する2バイトの物理アドレスを格納するようにしたテーブル情報を論理−物理アドレス変換テーブルとして構築するようにされる。
なお、前述したように、物理アドレス、及び論理アドレスは共に2バイトで表現される。これは、128MBの最大容量のフラッシュメモリの場合には8192個のブロックが存在するため、最大で、この8192個のブロック数をカバーできるだけのビット数が必要とされることに基づく。
このため、図6において例示している物理アドレスと論理アドレスとについても、実際に即して2バイトで表現している。
但し、ここでは、この2バイトを16進数により表記している。つまり、「0x」によりその後続く値が16進法表記であることが示される。なお、この「0x」により16進数であることを表す表記は、以降の説明において16進数を表記する場合にも同様に用いることとする。(但し、表記の煩雑化を防ぐため「0x」を省略している図面もある。)
【0038】
図7に、上記図6に示した概念に基づく論理−物理アドレス変換テーブルの構造例を示す。
論理−物理アドレス変換テーブルは、フラッシュメモリの最後のセグメント内の或るブロックに対して、図7に示すようにして格納される。
先ず図7(a)に示すように、ブロックを分割するページのうち、ページ0,1からなる2ページの領域がセグメント0用の論理−物理アドレス変換テーブルとして割り当てられる。例えば、図8にて説明したように、フラッシュメモリが4MBの容量であれば1セグメントしか有さないために、このページ0,1のみの領域が論理−物理アドレス変換テーブルの領域となる。
また、例えばフラッシュメモリが8MBの容量であれば2セグメントを有するため、セグメント0用の論理−物理アドレス変換テーブルとして割り当てられるページ0,1に加え、これに続くページ2,3の2ページがセグメント1用の論理−物理アドレス変換テーブルとして割り当てられることになる。
【0039】
以降、フラッシュメモリの容量の増加に応じて、続く2ページごとにセグメントごとの論理−物理アドレス変換テーブルの割り当て領域が設定されていくことになる。そして、最大の128MBの容量を有する場合であれば16セグメントが存在するため、最大では、セグメント15用までのページが論理−物理アドレス変換テーブルの領域として割り当てられることになる。従って、最大の128MBの容量のフラッシュメモリでは、30ページが使用されることになり、図7(a)に示すページNとしては、最大でN=29となる。
これまでの説明から分かるように、論理−物理アドレス変換テーブルは、セグメントごとに管理されるものである。
【0040】
図7(b)は、1セグメントあたりの論理−物理アドレス変換テーブルの構造を示すものとして、2ページ分のデータエリアを抜き出して示している。つまり、1ページのデータエリアは512バイト(図3(e)参照)であることから、図7(b)には、1024(=512×2)バイトが展開されている状態が示されている。
【0041】
図7(b)に示すように、この2ページ分のデータエリアである1024バイトについて2バイトごとに区切り、この2バイトごとの領域を、先頭から順次、論理アドレス0用、論理アドレス1用・・・・、のようにして割付を行い、最後は先頭から991バイト目と992バイト目の2バイトの領域を論理アドレス495用の領域として割り付けるように規定を行う。これら2バイトごとの領域に対して、各論理アドレスが対応する物理アドレスを書き込むようにする。従って、本例の論理−物理アドレス変換テーブルでは、実際のデータ更新によるブロックのスワップ処理などにより物理アドレスと論理アドレスの対応が変更された場合には、論理アドレスを基準として、物理アドレスの格納状態が更新されるようにしてテーブル情報の書き換えが行われることになる。
【0042】
また、残る993バイト目から最後の1024バイト目までの計32バイトの領域は、余剰ブロックの物理アドレスが格納される領域として割り当てられる。つまり、16個の余剰ブロックの物理アドレスを管理することができる。ここでいう余剰ブロックとは、例えばブロック単位でデータの更新を行う際に書き換え対象となるデータを一時待避させる領域として設定されたいわゆるワークブロックなどを言うものである。
【0043】
ところで、1セグメントは512ブロックに分割されているものであると先に説明したのにも関わらず、図7に示したテーブル構造では、管理可能なブロック数が論理アドレス0用〜論理アドレス495用の496ブロックとしている。これは、実際上、上記した余剰アドレスが設定されることと、前述したように、フラッシュメモリでは、或ブロック数のディフェクト(使用不可領域)が許可されている。そのため現実には、相当数のディフェクトブロックが存在することに依る。
従って、実際には、書き込み/消去が有効なブロックを管理するのに、496ブロックを管理できるように構成しておけば充分とされるものである。
【0044】
そして、このようにして論理−物理アドレス変換テーブルが格納されるブロックについては、これを形成する各ページの冗長部における管理フラグ(図4参照)のデータ内容として、この管理フラグのビット3に対して‘0’がセットされることになる。これにより、当該ブロックが論理−物理アドレス変換テーブルが格納されているブロックであることが示されることになる。
【0045】
論理−物理アドレス変換テーブルが格納されるブロックも、論理−物理アドレス変換テーブルの内容の書き換えがあった場合には、例外なく、先に図5にて説明したスワップ処理が行われる。従って、論理−物理アドレス変換テーブルが記録されているブロックは不定であり、或る特定のブロックに論理−物理アドレス変換テーブルを格納するように規定することは出来ない。
そこで、FATは、フラッシュメモリにアクセスして上記した管理フラグのビット3が‘0’とされているブロックを検索することで、論理−物理アドレス変換テーブルが格納されているブロックを識別するようにされる。但し、論理−物理アドレス変換テーブルが格納されているブロックの検索がFATによって容易に行われるようにすることを考慮して、論理−物理アドレス変換テーブルが格納されているブロックは、そのフラッシュメモリ内における最後のナンバが付されたセグメントに在るように、本例では規定するものとされる。これにより、FATは最後のナンバが付されたセグメントのブロックのサーチだけで、論理−物理アドレス変換テーブルを検索することができる。つまり、論理−物理アドレス変換テーブルを検索するのに、フラッシュメモリの全てのセグメントを検索する必要は無いようにされる。
上記図7に示した論理−物理アドレス変換テーブルは、例えば板状メモリ1の製造時において格納するようにされる。
【0046】
ここで、再度図8を参照して、フラッシュメモリ容量と論理−物理アドレス変換テーブルのサイズとの関係を説明しておく。
上記図7にて説明したように、1セグメントを管理するための論理−物理アドレス変換テーブルのサイズは2ページ分の1024バイト、つまり1KBとなる。従って、図8の最右列に記されているように、フラッシュメモリが4MB(1セグメント)の容量では論理−物理アドレス変換テーブルは1KBのサイズとなる。また、フラッシュメモリの容量が8MB(2セグメント)では論理−物理アドレス変換テーブルは2KB(4ページ)となる。
また、フラッシュメモリの容量が16MBの場合、2048ブロック=4セグメントのものでは論理−物理アドレス変換テーブルは4KB(8ページ)、1024ブロック=2セグメントのものでは論理−物理アドレス変換テーブルは2KB(4ページ)となる。
そして、フラッシュメモリの容量が32MB(4セグメント)では論理−物理アドレス変換テーブルは4KB(8ページ)、フラッシュメモリの容量が64MB(8セグメント)では論理−物理アドレス変換テーブルは8KB(16ページ)となり、フラッシュメモリの容量が最大の128MB(16セグメント)では論理−物理アドレス変換テーブルは16KB(32ページ)となる。
【0047】
3.ドライブ装置の構成
続いて図9で本例のドライブ装置の構成を説明する。
図9は、これまで説明した板状メモリ1に対応してデータの読出・書込・編集を行うことの出来るドライブ装置のセット本体(本体装置)の構成を示している。この図に示すセット本体100と板状メモリ1とにより、ファイル記憶システムが構成される。
なお、セット本体100が、板状メモリ1に対する書込や読出の対象として扱うことのできる主データの種類は多様であり、例えば動画データ、静止画データ、マイクロホンから入力される口述音声等のマイクロホン入力音声データ(以下、メッセージデータ)、CD(Compact Disc:商標)やMD(Mini Disc:商標)等の記録媒体に記録された高音質なオーディオデータ(以下、音楽用データ)、制御用データ、電話帳データなどがある。
本例では、説明の簡略化のため、主データとしてメッセージデータ(マイクロホン入力音声データ)を記憶/再生するシステムとして説明していくが、セット本体100内に、動画、静止画、音楽等のデータの入出力系/処理系を備えることにより、上記の動画データ等のデータファイルの記憶システムとできることはいうまでもない。
【0048】
セット本体100の構成としては、当該セット本体100が着脱可能に装填される着脱機構120が備えられ、この着脱機構120に装填された板状メモリ1と、マイクロプロセッサ109とのデータの授受は、ホストインターフェイスIC101を介することで行われる。
【0049】
また、このセット本体100には、例えば、マイクロフォン103が備えられて、このマイクロフォン103により収音された音声は、マイクアンプ104を介して音声信号としてDSP(Digital Signal Processor)102に対して供給される。DSP102では、この入力された音声信号をデジタルオーディオデータに変換して、エンコード処理等をはじめとする所要の信号処理を施し、記録データとして制御用マイクロプロセッサ109に供給する。
マイクロプロセッサ109は、この記録データをホストインターフェイスIC101を介して板状メモリ1に記録するための処理を実行することが可能とされる。
【0050】
また、マイクロプロセッサ109は、板状メモリ1に記録されているオーディオデータ又はメッセージデータとしてのデータファイルをホストインターフェイスIC101を介して読み出し、この読み出したデータをDSP102に供給する。
DSP102では、供給されたデータについて復調処理をはじめとする所要の信号処理を施して、最終的にはアナログ音声信号としてスピーカアンプ105に出力する。スピーカアンプ105では、入力された音声信号を増幅してスピーカ106に出力する。これにより、再生音声が出力される。
【0051】
また、マイクロプロセッサ109は、表示ドライバ107を制御することで、表示部108に対して、所要の画像を表示させることが可能とされる。例えばユーザーの操作のためのメニューやガイド表示、或いは板状メモリ1に記憶されたファイル内容などの表示が実行される。また、例えば板状メモリ1に対して動画若しくは静止画の画像データが記録されているとすれば、この画像データを読み出して、表示部108に表示させるようにすることも可能とされる。
【0052】
操作部112には、セット本体100に対する各種操作をユーザが行うための各種キーが設けられている。マイクロプロセッサ109は、この操作部112に対して行われた操作に応じたコマンドを受信し、コマンドに応じた所要の制御処理を実行する。
操作内容としては、ファイル記憶指示、ファイル選択指示、ファイル再生指示、編集指示(後述するデバイド指示その他)などが可能とされる。
【0053】
なお、この図に示すセット本体100の構成はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。つまり、板状メモリ1に対応してデータの送受信が可能な構成を採る限りは、どのようなタイプの電子機器とされていても構わないものである。
【0054】
4.FAT構造
図2のファイルシステム階層で説明したように、ファイル管理処理はFATにより行われることになる。
即ち図9に示した構成のドライブ装置により、板状メモリ1に対する記録再生(データ書込/読出)を実現するには、アプリケーション処理での要求に伴ってFATによるファイル記憶位置管理が参照され、さらに上述した論理−物理アドレス変換が行われて実際のアクセスが行われることになる。
ここで、FATの構造について説明しておく。
【0055】
図10はFATによる管理構造の概要を示している。
なお、本例ではFAT及び論理−物理アドレス変換テーブルは板状メモリ1内に格納されることになるが、図10に示すFAT構造が、板状メモリ1内での管理構造となるものである。
【0056】
そして、図示するようにFAT管理構造は、パーティションテーブル、空き領域、ブートセクタ、FAT、FATのコピー、ルートディレクトリ、データ領域から成る。
データ領域には、クラスタ2、クラスタ3・・・として単位データを示しているが、このクラスタとは、管理単位となるFATで扱う1データ単位である。
一般にFATでは、クラスタサイズは標準で4Kバイトとされるが、このクラスタサイズは512バイト〜32Kバイトの間で2のべき乗の大きさをとることができる。
本例の板状メモリ1では、上述したように1つのブロックが8Kバイト又は16Kバイトとされるが、1ブロック=8Kバイトとされる板状メモリ1の場合は、FATで扱うクラスタは8Kバイトとされる。また1ブロック=16Kバイトとされる板状メモリ1の場合は、FATで扱うクラスタは16Kバイトとされる。即ち、8Kバイト又は16KバイトがFAT管理上でのデータ単位であり、かつ板状メモリ1でのブロックとしての1つのデータ単位とされる。なお、従って板状メモリからみれば、FATで扱われるクラスタサイズ=その板状メモリのブロックサイズとなる。このため、本例の以降の説明については、簡略化のためにブロック=クラスタとして考えることとする。
【0057】
そして図10左側にブロックナンバとしてx・・・(x+m−1)、(x+m)(x+m+1)(x+m+2)・・・と示したが、例えばこのように各ブロックにおいてFAT構造を構築する各種データは記憶されることになる。
なお、実際には必ずしもこのように物理的に連続する各ブロックに各情報が記憶されるものではない。
【0058】
FAT構造において、まずパーティションテーブルには、FATパーティション(最大2Gバイト)の先頭と終端のアドレスが記述されている。
ブート領域には、いわゆる12bitFAT、16bitFATの別や、FAT構造(大きさ、クラスタサイズ、各領域のサイズなど)が記述される。
【0059】
FATは、後述するように各ファイルを構成するクラスタのリンク構造を示すテーブルとなり、またFATについては続く領域にコピーが記述される。
ルートディレクトリには、ファイル名、先頭クラスタ番号、各種属性が記述される。これらの記述は1つのファイルにつき32バイト使用される。
【0060】
FATにおいては、FATのエントリとクラスタは1対1で対応しており、各クラスタのエントリにはリンク先、つまり後に続くクラスタの番号が記述される。つまり、複数のクラスタ(=ブロック)で形成されている或るファイルについてみると、まずディレクトリによって先頭のクラスタ番号が示され、FATにおけるその先頭クラスタのエントリには、次のクラスタ番号が示される。さらに次のクラスタ番号のエントリには、さらに次のクラスタ番号が示される。このようにクラスタのリンクがFATに記述される。
【0061】
図11はこのようなリンクの概念を模式的に示している(数値は16進値)。例えば2つのファイル「MAIN.C」「FUNC.C」が存在するとすると、ディレクトリにはこの2つのファイルの先頭クラスタ番号が例えば「002」「004」と記述される。
そしてファイル「MAIN.C」については、クラスタ番号「002」のエントリに次のクラスタ番号「003」が記述され、またクラスタ番号「003」のエントリに次のクラスタ番号「006」が記述される。さらに、クラスタ番号006がこのファイル「MAIN.C」の最後のクラスタであるとすると、クラスタ番号「006」のエントリには、最後のクラスタであることを示す「FFF」が記述される。
これによりファイル「MAIN.C」がクラスタ「002」→「003」→「006」という順番で記憶されている。即ち、仮にクラスタ番号と板状メモリ1でのブロック番号が一致していると仮定すると、ファイル「MAIN.C」は、板状メモリ1内でブロック「002」「003」「006」に記憶されていることが表現されている。(但し、FATで扱うクラスタは、上述のように論理アドレスで扱うものとなるため、ブロックの物理アドレスとそのまま一致するものではない)
【0062】
また同様にファイル「FUNC.C」については、FATにより、クラスタ「004」→「005」に記憶されていることが表現される。
【0063】
なお、未使用のブロックに対応するクラスタについては、そのエントリは「000」とされる。
【0064】
ところでルートディレクトリの領域に記憶される各ファイルのディレクトリにおいては、図11に示した先頭クラスタ番号だけでなく、例えば図12のように各種データが記述される。
即ちファイル名、拡張子、属性、変更時刻情報、変更日付情報、先頭クラスタ番号、ファイルサイズが、それぞれ図示するバイト数で記述される。
【0065】
また或るディレクトリの下層となるサブディレクトリについては、図10のルートディレクトリの領域ではなく、データ領域に記憶される。つまりサブディレクトリは、ディレクトリ構造を持つファイルとして扱われる。そしてサブディレクトリの場合はサイズは無制限とされ、また自分自身へのエントリと親ディレクトリへのエントリが必要になる。
【0066】
図13に、或るルートディレクトリ内にファイル「DIR1」(属性=ディレクトリ:つまりサブディレクトリ)があり、さらにその中にファイル「DIR2」(属性=ディレクトリ:つまりサブディレクトリ)があり、さらにその中にファイル「FILE」が存在する場合の構造例を示している。
つまりルートディレクトリの領域には、サブディレクトリであるファイル「DIR1」としての先頭クラスタ番号が示され、上述したFATにより、クラスタX、Y、Zがリンクされている状態となる。
この図からわかるように、サブディレクトリ「DIR1」「DIR2」についてはファイルとして扱われてFATのリンクに組み込まれる。
【0067】
以上の説明を図29を用いてまとめる。
図29にFAT管理による管理方法を説明する。
図29は、板状メモリ1内の模式図(メモリマップ)を示しており、上からパーティションテーブル、空き領域、ブートセクター、FAT領域、FATのコピー領域、ルートディレクトリ領域、サブディレクトリ領域、データ領域が積層されている。
なお、このメモリマップは上述した論理−物理アドレス変換テーブルに基づく、論理アドレス→物理アドレス変換後のメモリマップである。
【0068】
ブートセクター、FAT領域、FATのコピー領域、ルートディレクトリ領域、サブディレクトリ領域、データ領域を全部まとめてFATパーティション領域と称する。
【0069】
上記パーティションテーブルにはFATパーティション領域のはじめと終わりのアドレスが記録されている。
なお通常フロッピーディスクで使用されているFATには上記パーティションテーブルは備えられていない。
またメモリ内の先頭領域にはパーティションテーブル以外のものは置かないために図示するように空きエリアが生ずる。
【0070】
ブートセクターには12ビットFAT/16ビットFATであるかの別に応じてFAT構造の大きさ、クラスタサイズ、それぞれの領域のサイズが記録されている。
FATはデータ領域に記録されているファイル位置を管理するものである。
FATのコピー領域はFATのバックアップ用の領域である。
【0071】
ルートディレクトリはファイル名、先頭クラスタアドレス、各種属性が記録されており、1ファイルにつき32バイト使用する。
サブディレクトリはディレクトリというファイルの属性のファイルとして存在しており、この図29の例ではPBLIST.MSV,CAT.MSV,DOG.MSV、MAN.MSVという4つのファイルが存在する。
【0072】
このサブディレクトリにはファイル名とFAT上の記録位置が管理されている。即ち、図29においては、CAT.MSVというファイル名が記録されているスロットには”5”というFAT上のアドレスが管理されており、DOG.MSVというファイル名が記録されているスロットには”10”というFAT上のアドレスが管理されている。更に、MAN.MSVというファイル名が記録されているスロットには”110”というFAT上のアドレスが管理されている。
【0073】
クラスタ2以降が実際のデータ領域で、このエリアに本例ではADPCMで圧縮処理された音声データ(メッセージデータ)が記録される。
本例では、クラスタ5〜クラスタ8にCAT.MSVというファイル名のADPCMで圧縮処理された音声データが記録され、クラスタ10〜クラスタ12にDOG.MSVというファイル名の前半パートであるDOG−1がADPCMで圧縮処理された音声データが記録され、クラスタ100〜クラスタ101にDOG.MSVというファイル名の後半パートであるDOG−2がADPCMで圧縮処理された音声データが記録されている。
更に、クラスタ110〜クラスタ111にMAN.MSVというファイル名のADPCMで圧縮処理された音声データが記録されている。
またデータ領域上のEmpryとかかれた領域は記録可能領域である。
【0074】
この例において、DOG.MSVというファイル名のファイルは、単一のファイルが2分割されて離散的に記録されている例となっている。
【0075】
クラスタ200以降はファイルネームを管理する領域であり、クラスタ200にはCAT.MSVというファイルが、クラスタ201にはDOG.MSVというファイルが、クラスタ202にはMAN.MSVというファイルが記録されている。
ファイル順を並び替える場合には上記クラスタ200以降で並び替えを行えばよい。
【0076】
最初、このような板状メモリ1が挿入された場合には、ドライブ装置は、先頭のパーティションテーブルを参照してFATパーティション領域のはじめと終わりのアドレスを把握する。
そしてブートセクタの再生を行った後にルートディレクトリ,サブディレクトリの再生を行う。
そしてサブディレクトリに記録されている再生管理情報である、PBLIST.MSFが記録されているスロットを検索して、PBLIST.MSFが記録されているスロットの終端部のアドレスを参照する。
図29の例では、PBLIST.MSFが記録されているスロットの終端部には”200”というアドレスが記録されているので、これに基づいてクラスタ200を参照することになる。
【0077】
上述したようにクラスタ200以降はファイル名を管理するとともにファイルの再生順を管理する領域であり、この例の場合にはCAT.MSVというファイルが1番目となり、DOG.MSVというファイルが2番目となり、MAN.MSVというファイルが3番目となる。
【0078】
ここでクラスタ200以降を全て参照したら、サブディレクトリに移行して、上記CAT.MSV及びDOG.MSV及びMAN.MSVという名前のファイル名と合致するスロットを参照する。
図29においては、CAT.MSVというファイル名が記録されたスロットの終端には”5”というアドレスが記録され、DOG.MSVというファイルが記録されたスロットの終端には”10”というアドレスが記録され、MAN.MSVというファイルが記録されたスロットの終端には110というアドレスが記録されている。
【0079】
ここで、CAT.MSVのスロットにおける”5”というアドレスに基づいて、FAT上のエントリーアドレスを検索すると”6”というクラスタアドレスがエントリーをされており、”6”というエントリーアドレスを参照すると”7”というクラスターアドレスがエントリーされており、”7”というエントリーアドレスを参照すると”8”というクラスターアドレスがエントリーされており、”8”というエントリーアドレスを参照すると”FFF”という終端を意味するコードが記録されている。
よって、CAT.MSVというファイルは、クラスタ5,6,7,8の領域を使用しており、データ領域のクラスタ5,6,7,8を参照することでCAT.MSVというADPCMデータが実際に記録されている領域をアクセスすることができる。
【0080】
また離散的に記録されているDOG.MSVというファイルを検索する場合は以下のようになる。
DOG・MSVというファイルが記録されたスロットの終端には”10”というアドレスが記録されている。
ここで、上記”10”というアドレスに基づいて、FAT上のエントリーアドレスを検索すると”11”というクラスタアドレスがエントリーをされており、”11”というエントリーアドレスを参照すると”12”というクラスターアドレスがエントリーされており、”12”というエントリーアドレスを参照すると”100”というクラスターアドレスがエントリーされており、”100”というエントリーアドレスを参照すると”101”というクラスターアドレスがエントリーされており、”101”というエントリーアドレスを参照するとFFFという終端を意味するコードが記録されている。
【0081】
よって、DOG.MSVというファイルは、クラスタ10,11,12、100,101というクラスタ領域を使用しており、データ領域のクラスタ10,11,12を参照することでDOG.MSVというファイルの前半パートに対応するADPCMデータが実際に記録されている領域をアクセスすることができる。更に、データ領域のクラスタ100,101を参照することでDOG.MSVというファイルの後半パートに対応するADPCMデータが実際に記録されている領域をアクセスすることができる。
【0082】
また、上記MAN.MSVのスロットにおける”110”というアドレスに基づいて、FAT上のエントリーアドレスを検索すると”111”というクラスタアドレスがエントリーをされており、”111”というエントリーアドレスを参照すると”FFF”という終端を意味するコードが記録されている。
よって、MAN.MSVというファイルは、クラスタ110,111という領域を使用していることがわかる。
【0083】
以上のように板状メモリ1上に記録されたデータファイルをFATを参照して再生することができ、またデータファイルが離散的に記録されていても、それらを連結してシーケンシャルに再生することが可能となる。
【0084】
5.板状メモリのファイル構造
5−1 ディレクトリ構成
次に、板状メモリ1に記憶されるファイル構造について説明していく。
まずディレクトリ構成例を図14に示す。
上述したように、板状メモリ1で扱うことのできる主データとしては、動画データ、静止画データ、メッセージデータ、オーディオデータ、制御用データ、電話帳データなどがあるが、このためディレクトリ構造としては、ルートディレクトリから、「VOICE」(メッセージ用ディレクトリ)、「DCIM」(静止画用ディレクトリ)、「MOxxxxnn」(動画用ディレクトリ)、「CONTROL」(制御用ディレクトリ)、「HIFI」(オーディオ用ディレクトリ)、「TEL」(電話帳ディレクトリ)が配される。
【0085】
本例では、特にメッセージデータのファイルについて詳しく述べていくこととする。
ディレクトリ「VOICE」のサブディレクトリとしては、図示するように、メッセージリストファイル(MSGLIST.MSF)、メッセージリストファイルのコピーとされるメッセージリストファイルB(MSGLISTB.MSF)、フォルダ(FOLDER1、FOLDER2・・・)等が形成される。
また、例えばフォルダ内には、実際のメッセージデータのファイル(ファイル名「98120100.MSV」等)が形成される。
【0086】
なお、もちろんこのようなディレクトリ構成は一例にすぎず、例えばフォルダ(FOLDER1等)の下にさらにフォルダが形成される場合などもある。
このような「VOICE」ディレクトリ内の構造は、メッセージリストファイルに登録した上で機器により任意に作成するものである。
なお、メッセージリストファイルはディレクトリ構造の管理ファイルとなり、このメッセージリストファイルはバックアップのためのコピーを常に板状メモリ内に持つことで、事故による消失を防ぐようにする。
【0087】
5−2 メッセージリストファイル
上記メッセージリストファイルの構造について図15〜図18を用いて説明する。
図15はメッセージリストファイルのデータ構成を示しており、縦及び横の数値はバイト数(16進表記)を示している。
【0088】
図示するようにメッセージリストファイルの先頭の32バイトはヘッダーとされる。
続いて64バイトのフォルダエントリと各32バイトの複数のメッセージエントリが配される。
そしてメッセージリストファイル内では、このフォルダエントリとメッセージエントリの組が以降、所要数記述されることになる。
【0089】
このようなメッセージリストファイルでは、フォルダエントリで記述されるフォルダの並び順がフォルダの切り換え・表示順を表す。またメッセージエントリに記述されるメッセージデータの並び順が、メッセージデータの切り換え・表示・再生順番を表す。
【0090】
メッセージリストファイル先頭の32バイトのヘッダーの構造を図16に示す。
図示するようにヘッダーには、4バイトのメッセージリストファイルID(MSG−ID)、2バイトのフォーマットバージョンナンバ(FMT−VER)、2バイトのメーカーコード(MCode)、8バイトの編集日時(YMDHMSW)、4バイトのファイルナンバ(FILE−NO)、2バイトのフォルダエントリサイズ(FSIZE)、2バイトのメッセージエントリサイズ(MSIZE)、2バイトのフォルダエントリオフセット(OFFSET)、2バイトのキャラクタコード(CCODE)、2バイトのリビジョンナンバ(REV)が記述される。
なお(R)はリザーブの意味であり、後述の図17、図20についても同様である。
【0091】
まず先頭のメッセージリストファイルID(MSG−ID)は、当該ファイルがメッセージリストファイルであることの識別をするための値とされる。例えばその値は、「0x4D53474C」( ="MSGL")という固定値とされる。
【0092】
フォーマットバージョンナンバ(FMT−VER)は、板状メモリに対するシステムにおいてメッセージデータファイル記憶のために規定されたフォーマットのバージョンナンバであり、この値により使用しているバージョンの番号が識別される。値としては、例えば上位2ビットがメジャー番号、下位2ビットがマイナー番号とされ、これにより「0x0100」 がバージョン1.0を示すなどのように設定される。
【0093】
メーカーコード(MCode)は、メッセージリストファイルを最後に編集した機器の、メーカー・モデルを識別するコードである。
編集日時(YMDHMSW)は、メッセージリストファイルを最後に編集した年・月・日・時・分・秒・曜日を示す値となる。つまり最終編集日時を識別するための値という機能を持つ。値としては、バイナリとされ、年(西暦)が2バイト、その他が1バイトづつ割り当てられた計8バイトとなる。なお、曜日(日〜土)については特定の値が設定される。
【0094】
ファイルナンバ(FILE−NO)は、最後に作成したメッセージのファイル名番号を示す。これはメッセージのファイル名を作成する際に使用する為の通し番号となる。そしてファイル作成の度にインクリメントされることで、次に作成するファイル名の値を保持することになる。なお、日にちが変わっていたら0にリセットする。
【0095】
フォルダエントリサイズ(FSIZE)は、図15に示したフォルダエントリのサイズを示す値とされる。
例えばその値は、64という固定値とされ、フォルダエントリーのサイズが64バイトであることを示している。
メッセージエントリサイズ(MSIZE)は、図15に示したメッセージエントリのサイズを示す値とされる。
例えばその値は、32という固定値とされ、メッセージエントリのサイズが32バイトであることを示している。
フォルダエントリオフセット(OFFSET)は、最初のフォルダエントリの開始位置を、ファイルの先頭からのオフセット値で表すものである。例えば図15に示したデータ構成においては、「0x0020」となる。
【0096】
続いてフォルダエントリの構造を図17に示す。
フォルダエントリには2バイトのフォルダID(FLD−ID)、2バイトのメーカーコード(MCode)、12バイトのフォルダネーム(FLD−NAME)、2バイトのキャラクタコード(C−CODE)、44バイトのディスプレイネーム(DISP−NAME)が記述される。
【0097】
フォルダID(FLD−ID)は、フォルダエントリデータの先頭を識別するための値である。例えばその値は「0x4644」( ="FD")の固定値とされる。
メーカーコード(MCode)は、このフォルダを作成した機器の、メーカー及びモデルを識別するためのコードとなる。
【0098】
フォルダネーム(FLD−NAME)としては、FAT上でのフォルダの名前が文字列で記録される。値は、例えばJIS X 0201で規定されたコードで、ディレクトリ名を記録する。基本的にはディレクトリ名(最大8バイト)+”.”(ドット)+拡張子(最大3バイト)となるが、拡張子を必要としない場合はディレクトリのみとし、”.”及び拡張子は省略することが可能とされる。また、文字列の最後には、終端記号「0x00」を記述する。ただし、文字列でフォルダネーム(FLD−NAME)の記録領域がすべて満たされて、終端記号を記録するエリアが無い場合は、終端記号の記録は不要とされる。
【0099】
キャラクタコード(C−CODE)は、次のディスプレイネームを記述する文字コードを識別するコードとなる。値は、例えば「0x90」がJISX0208−1997(いわゆるshift JIS)、「0x03」がISO8859−1などのように決められる。
ディスプレイネーム(DISP−NAME)は、機器上に表示されるフォルダ名であり、機器上に表示されるフォルダ名の文字列が記録される。値は、上記キャラクタコードで指定された文字コードで記録されることになる。また文字列の最後には終端記号「0x00」を1バイト以上記録し、終端記号「0x00」以降の値は任意とする。もしディスプレイネーム(DISP−NAME)の記録領域がすべてにフォルダ名を記録して、終端記号を記録するエリアが無い場合は、終端記号の記録は不要とされる。
なお、機器が自動的に作成する場合は、FAT上のフォルダ名を記録する。
【0100】
次に、メッセージエントリの構造を図18に示す。
メッセージエントリには、1バイトのメッセージID(MID)、1バイトのプライオリティ(PRI)、1バイトのアラームモード(AL−M)、5バイトのアラームデイト(AL−DATE)、8バイトのファイルネーム(FILE−NAME)、6バイトの記録日時(REC−DATE)が記述される。
【0101】
メッセージID(MID)は、メッセージエントリデータの先頭を識別するための値である。値は例えば「0x4D」 ( ="M")の固定値とされる。
プライオリティ(PRI)は、メッセージの重要度又は優先度を表す。値は例えば「0x00」〜「0x03」の4段階とされ、値の大きい方が重要度が高いことを示す。また未使用時は「0x00」とされる。
【0102】
アラームモード(AL−M)は、アラーム機能のモードを表す。
各ビットは次のように定義される。
bit1、bit0・・・日時設定
bit1=0,bit0=0:指定時刻に動作する。
bit1=0,bit0=1:指定曜日に動作する。
bit1=1,bit0=0:指定月日時刻に動作する。
bit1=1,bit0=1:RESERVED
bit2・・・リザーブ(0固定)
bit3・・・残留フラグ
0:アラーム動作後bit7を0にクリアする。
1:アラーム動作後bit7を0にクリアしない。
bit4・・・リザーブ(0固定)
bit5・・・メッセージ再生フラグ
0:アラーム時刻にメッセージを再生しない。
1:アラーム時刻にメッセージを再生する。
bit6・・・アラーム音フラグ
0:アラーム時刻にアラーム音を鳴らさない。
1:アラーム時刻にアラーム音を鳴らす。
bit7・・・アラーム設定フラグ
0:アラームがセットされていない。
1:アラームがセットされている。
なお、アラーム機能を使用しないときはアラームモード(AL−M)は「0x00」とする。またbit5, bit6が重複して1のときは、アラーム音→メッセージ再生の順で動作する。
【0103】
アラームデイト(AL−DATE)は、アラーム動作日時を示す。値は年・月・日・時・分・曜日の順で各1バイトのバイナリで記録する。年は西暦1980年からのオフセット値で表される。つまり「0」〜「127」は1980年〜2107年を表し、年を設定しない場合は「0xFF」を記入する。また「0」〜「127」及び「0xFF」以外の値は使用不可とされている。
【0104】
ファイルネーム(FILE−NAME)はメッセージのFAT上のファイル名が記録される。値は、拡張子を除くファイル名を、例えばJIS X 0201で規定されたコードで記録する。文字列の最後には、終端記号「0x00」を記述する。もしファイルネーム(FILE−NAME)の記録領域がすべて文字列で満たされて、終端記号を記録するエリアが無い場合は、終端記号の記録は不要とされる。
【0105】
記録日時(REC−DATE)には、メッセージが記録された日時が記録される。値は年・月・日・時・分・秒の順で1バイトのバイナリで記録する。年は西暦1980年からのオフセット値で表し、「0」〜「127」は1980年〜2107年を表す。年を使用しない場合は「0xFF」を記入する。また「0」〜「127」及び「0xFF」以外の値は使用されない。
【0106】
メッセージリストファイルは以上のように構成されるが、このようなメッセージリストファイルは、「VOICE」ディレクトリの直下に置かれる。そしてこのメッセージリストファイルは、各機器間で共通に使用される。
機器リセット時・板状メモリ挿入時等、機器側が初めて板状メモリ1を認識するときは以下の(1)〜(7)の処理を行うことになる。
【0107】
(1)「VOICE」ディレクトリに存在するサブディレクトリのエントリと、メッセージリストファイルの内容の整合がとれているか確認する。
(2)新たに発生したサブディレクトリをメッセージリストファイルに追加する。
(3)削除されているサブディレクトリをメッセージリストファイルから削除する。(PC上でメッセージリストファイルの編集なしに、サブディレクトリの追加・削除等が行われることがあるので、これらの作業を必要とする。)
(4)「VOICE」ディレクトリ内のサブディレクトリに存在するファイルエントリと、メッセージリストファイルの内容の整合がとれているか確認する。
(5)新たに発生したファイルをメッセージリストファイルに追加する。
(6)削除されているファイルをメッセージリストファイルから削除する。(PC上でメッセージリストファイルの編集なしに、ファイルの追加・削除等が行われることがあるので、これらの作業を必要とする。
(7)セットで使用するディレクトリが存在しない場合は、新たに作成する。
【0108】
このメッセージリストファイルの最大サイズは32768バイト(32×1024−32)と固定される。
最後のメッセージエントリの後ろには32バイトの領域を「0x00」で埋めるようにされる。
またエントリできるメッセージ(FAT上のファイル)の最大数はVOICEディレクトリのサブディレクトリが1つの場合で1020個となる。
またメッセージリストファイルにおいて、フォルダエントリ(サブディレクトリ)はメッセージエントリの2つ分のエリアを必要とするので、フォルダエントリを1つ増やす度にエントリできるメッセージの最大数は2つ減ることとなる。
【0109】
5−3 メッセージデータファイル
続いて実際のメッセージデータが格納されるメッセージデータファイルについて説明する。
メッセージデータファイルのファイル名は、メッセージリストファイルに登録した上で機器側が任意に作成するものである。
【0110】
図19はメッセージデータファイルのデータ構造を示している。
図示するようにメッセージデータファイルは、フォーマットフレーム(FORMAT FRAME)、TOCフレーム(TOC FRAME)、タイトルフレーム(TITLE FRAME)、メーカーフレーム(MAKER FRAME)、オーサーフレーム(AUTHOR FRAME)、インフォメーションフレーム(INFORMATION FRAME)、スペースフレーム(SPACE FRAME)、データフレーム(DATA FRAME)を含んで構成される。
但し、タイトルフレーム(TITLE FRAME)、メーカーフレーム(MAKER FRAME)、オーサーフレーム(AUTHOR FRAME)、インフォメーションフレーム(INFORMATION FRAME)を設けることは任意であり、基本的には、太枠で囲ったフォーマットフレーム(FORMAT FRAME)、TOCフレーム(TOC FRAME)、スペースフレーム(SPACE FRAME)、データフレーム(DATA FRAME)によってメッセージデータファイルが構成されることになる。
【0111】
フォーマットフレームは、当該メッセージデータファイルの基本的な管理情報となり、コーデックの種類等が示される。詳細は後述する。
TOCフレームは、当該メッセージデータファイルの各フレームの配列状態を表す管理情報となる。つまりTOCフレームの記述によりメッセージデータファイルのフレーム構造が識別される。
データフレームは、実際のメッセージデータが格納される領域となる。
スペースフレームは、詳しくは後述するが、再生不可の未使用のエリアとされ、これがTOCフレームの拡大の場合の予備領域や、ファイル内の再生不可エリアの設定のために機能する。
【0112】
このような各フレームにおいて、データフレームとスペースフレームは同一ファイル内に複数個存在する場合もある。
ただし、データフレームとスペースフレーム以外のフレームは、同一ファイル内に1つとなる。
また、フォーマットフレームは必ずファイルの先頭に配置される。そしてTOCフレームはフォーマットフレームの直後に配置される。
上述した必須でないフレーム(タイトルフレーム、メーカーフレーム、オーサーフレーム、インフォメーションフレームは、TOCフレームの後にまとめて配置される。これらは後述するフレームIDが小さい順番に配置されることになる。
また、必須でないフレームの並びの次には、必ずスペースフレームが配置される。
【0113】
フォーマットフレームの構造を図20で説明する。
フォーマットフレームは使用コーデック等を記述する必須のフレームとなり、必ずファイルの先頭にあることが要求される。
このフォーマットフレームには図示するように、8バイトのファイルID(FILE−ID)、4バイトのサイズオブフォーマットフレーム(SIZE−FMT)、2バイトのフォーマットバージョンナンバ(FMT−VER)、16バイトのカンパニーネーム(C−NAME)、16バイトのセットネーム(S−NAME)、2バイトのセットファームウエアバージョンナンバ(SET−VER)、8バイトの記録日時(DATE−TIME)、2バイトのフォーマットID(FMT−ID)、2バイトのチャンネル数(CHAN)、4バイトのサンプリング周波数(SAMP)、4バイトのアベレージバイトper秒(BYTE)、2バイトのブロックアライメント(ALIGN)、2バイトのビットperサンプル(BIT)、2バイトのサイズオブエキストラエリア(EXT)が記述される。なお、エキストラエリアが設けられる場合がある。
【0114】
ファイルID(FILE−ID)は、例えばISO8859−1文字コードを使用してボイスフォーマットファイル(本例でいうメッセージデータファイルフォーマット)であることを表す。値は例えば「MS_VOICE」の固定値とされる。
サイズオブフォーマットフレーム(SIZE−FMT)は、当該フォーマットフレームのサイズをバイト単位で表す。後述するが、フォーマットフレームのサイズがここに記述されることで、TOCフレームへのアクセスが可能となる。
【0115】
フォーマットバージョンナンバ(FMT−VER)は、ボイスフォーマットのバージョンを表す。上位1バイトがメジャーバージョンナンバ、下位1バイトがマイナーバージョンナンバとなる。例えば値が「0x0100」であればバージョン1.0、「0x0203」であればバージョン2.3となる。
【0116】
カンパニーネーム(C−NAME)は、例えばISO8859−1文字コードを使用してファイル作成セットの会社名を表す文字列が記入される。文字列の最後には終端記号「0x00」を記述する。カンパニーネーム(C−NAME)の領域のすべてが文字列で満たされた場合は、終端記号を記入は省かれる。
【0117】
セットネーム(S−NAME)は、例えばISO8859−1文字コードを使用してファイル作成セットの名前を表す文字列が記入される。文字列の最後には終端記号「0x00」を記述する。セットネーム(S−NAME)の領域のすべてが文字列で満たされた場合は、終端記号を記入は省かれる。
【0118】
セットファームウエアバージョンナンバ(SET−VER)は、機器のファームウエアのバージョンを表す。上位1バイトがメジャーバージョンナンバ、下位1バイトがマイナーバージョンナンバとなる。例えば「0x0100」はバージョン1.0、「0x0203」はバージョン2.3となる。
【0119】
記録日時(DATE−TIME)は、値がバイナリで表され、年は西暦で2バイト、月、日、時、分、秒、曜日は各々に1バイトが用いられる。
フォーマットID(FMT−ID)には、使用コーデックが例えば次のように示される。
0x0002:G726 ADPCM 22kHz / 3bit
0x0005:G726 ADPCM 11kHz / 3bit
0x0007:G726 ADPCM 8kHz / 4bit
0x0009:G726 ADPCM 8kHz / 2bit
【0120】
チャンネル数(CHAN)により、チャンネル数が次のように表される。
0x0001:モノラル
0x0002:ステレオ
サンプリング周波数(SAMP)によりサンプリング周波数が次のように表される。
0x00001F40:8kHz
0x00002B11:11.025kHz
【0121】
アベレージバイトper秒(BYTE)により、1秒あたりのデータがバイト数で表される。これはデータサイズから再生時間を算出する際に使用される。
ブロックアライメント(ALIGN)では、切り離せないデータの一群を、バイト単位で表す。これはデータの頭出し時に使用される。例えば「0x0030」では48バイトであり、「0x0010」では16バイトとなる。
【0122】
ビットperサンプル(BIT)は、1サンプリングあたりのビット数を次のように表す。
0x0004:4bit
0x0003:3bit
0x0002:2bit
【0123】
サイズオブエキストラエリア(EXT)には、コーデックに特有の情報を記述するエリア(エクストラデータエリア)のサイズをバイト単位で表す。つまりエクストラデータエリアが作成される場合は、そのサイズが示される。
なお、エクストラデータエリアは16バイト単位で作成される。またエクストラデータエリアが必用無い場合はサイズオブエキストラエリア(EXT)の値は「0x0000」とされる。
【0124】
以上のようなフォーマットフレームに続いて、図31に示すようなTOCフレームが配される。
TOCフレームはファイル内の各フレームの配列状態を記述するが、1フレームあたり8バイトを使用するため、TOCフレームのサイズは(8バイト×全フレーム数)となる。
またこのことは、フレームの追加や削除に応じてTOCフレームのサイズは変更されることを意味する。
全フレーム数が奇数の場合、最後の未使用エリアの8バイトには「0x00」が記入される。図31の例では、アドレス「0x0028」〜「0x002F」には「0x00」が記入されている。
【0125】
図31に示すように、1つのフレームあたりに用いられる8バイトは次のような構成となる。
フレームID(FRAME ID) :1Byte
リザーブ(R) :3Byte (0x00固定値)
フレームサイズ(FRAME SIZE):4Byte
【0126】
まずフレームID(FRAME ID)によりフレームの種類が次のように表される。
フォーマットフレーム :0x01
TOCフレーム :0x02
スペースフレーム :0x03
データフレーム :0x04
タイトルフレーム :0x05
メーカーフレーム :0x06
オーサーフレーム :0x07
インフォメーションフレーム:0x08
【0127】
またフレームサイズ(FRAME SIZE)に、フレームIDで指定したフレームのサイズがバイト単位で記述される。
【0128】
TOCフレームには、このような8バイトのデータ群が、フレームの並び順に各フレームについて記述される。TOCフレーム内容の具体例は後述する。
また、このTOCフレームの内容により、そのメッセージデータファイルのフレーム構造が認識されるわけである。従って当該メッセージデータファイルへのアクセスの際には、まずフォーマットフレームが確認された後、TOCフレーム内容が確認されることになる。なお、TOCフレームへのアクセスは、上記フォーマットフレームのサイズオブフォーマットフレーム(SIZE−FMT)により、フォーマットフレームのサイズが記述されていることで可能となる。つまりファイル先頭からサイズオブフォーマットフレーム分のオフセットを与えたアドレスがTOCフレームの先頭アドレスとなる。
【0129】
上述したようにTOCフレームに続いては、タイトルフレーム、メーカーフレーム、オーサーフレームが設けられる場合があるが、これらは次のような情報となる。
【0130】
タイトルフレームは、タイトルを記録するフレームとされ、先頭の2バイトで例えば次のように記録されているタイトルのキャラクタコードタイプを表す。
0x0000:JISx0208-1997(SJIS)
0x0001:ISO8859-1
例えばタイトルフレームは16バイトの倍数であって、タイトルの文字列の最後には終端記号「0x00」が記入される。
【0131】
メーカーフレームはファイルを作成した機種の会社名、機種名、ファームウエアバージョンNoを記述する。タイトルフレームと同様に先頭の2バイトでキャラクタコードタイプを表し、続いて文字列が記入される。メーカーフレームのサイズは16バイトの倍数であって、文字列の最後には終端記号「0x00」が記入される。
【0132】
オーサーフレームは著作権者の名称等を文字列で表す。同じく先頭の2バイトでキャラクタコードタイプを表し、続いて文字列が記入される。オーサーフレームのサイズは16バイトの倍数であって、文字列の最後には終端記号「0x00」が記入される。
【0133】
インフォメーションフレームは付加情報を記録するフレームとされる。付加情報とは例えばアルバム名、アーティスト名、指揮者、さらには平均音量学習用には再生回数と言った種類があって、先頭の1バイトで情報の分類IDが指定され、先頭から3バイト目と4バイト目で情報文字列の記述されているキャラクタコードタイプを表し、フレームの先頭から9バイト目から情報として文字列が記入される。インフォメーションフレームのサイズは16バイトの倍数とされ、使用されないエリアは0x00でうめられる。
【0134】
これらのオプションとなるフレームもしくはTOCフレームの後はスペースフレームとなる。
スペースフレームは、再生不可のエリアに相当するフレームとなり、必ず設けられる。このフレームは再生処理時に読み飛ばすことが必要となる。
このフレームはTOCフレームが拡大されたときの予備として用いられたり、或いは後述するデバイド処理時などに、1クラスタ内に再生不可のエリアが発生した場合に使用される。フレーム内のデータは任意であるが、特定のダミーデータを記録しても良い。スペースフレームのサイズは16バイトの倍数とされる。
スペースフレームの扱いについては後述する。
【0135】
データフレームは実際のメッセージデータが格納される。
メッセージデータは、データフレームの先頭バイトのMSBから、指定されたビット数で隙間無く格納される。データの格納境界はバイト境界となる。
図32に示したような1サンプリングあたり4ビット、もしくは図33に示したような1サンプリングあたり2ビットのデータは1バイトが格納の境界であり、図34に示したような1サンプリングあたり3ビットのデータは3バイトが格納の境界になる。
メッセージデータの分割処理を行う場合、この格納の単位が分割するデータの単位になる。
【0136】
以上のような各種フレームによりメッセージデータファイルが構成されるが、メッセージデータファイルのフレーム構成例を図21、図22に示す。
なお、以降の説明では、オプションであるタイトルフレーム、メーカーフレーム、オーサーフレーム、インフォメーションフレームは設けられないものとする。
【0137】
通常にメッセージデータを録音した場合のフレーム構造は図21(a)のようになり、複数のクラスタ(ブロック)に対して、図示するようにファイル先頭側からフォーマットフレーム、TOCフレーム、スペースフレーム、データフレームが形成される。
なお、ここで示している1ファイルを構成する複数のブロック(クラスタ)はFATでリンクされるブロックであり、これまでの説明から理解されるように物理的に連続するブロックとは限らない。
【0138】
このようなフレーム構成の情報は、TOCフレームに示されることになるが、例えばこの場合TOCフレームの内容は図21(b)のようになる。
即ち上述したように1フレームにつき8バイトの情報が、形成されているフレームの順に記述されることになる。
従って、まず最初の8バイトにフレームIDが「0x01」とされて、フォーマットフレームのサイズが示される。
次の8バイトにはフレームIDが「0x02」とされて、TOCフレーム自身のサイズが示される。フレーム数は4つのため、TOCフレームのサイズは4×8バイト=32バイト(=0x00000020)となる。
さらに次の8バイトにはフレームIDが「0x03」とされて、スペースフレームのサイズが示される。
最後の8バイトにはフレームIDが「0x04」とされて、データフレームのサイズが示される。
【0139】
また、メッセージデータファイルでは、スペースフレームを利用することにより、一部のデータを消去部分として再生不可とすることができる。
例えば図22(a)は、データフレームの途中に消去して再生させたくないメッセージ部分が存在した場合に、そこをスペースフレームとした例を示している。スペースフレームは再生時に跳ばされるため、再生されるメッセージとしては、一部が消去された状態と同等となる。
【0140】
例えば図21から図22のようにフレーム構成が変化した場合は、TOCフレームの内容は図22(b)のように更新される 。
最初の8バイトのフォーマットフレームのサイズは同様である。
次の8バイトとしてフレームIDが「0x02」とされて、TOCフレーム自身のサイズが示されるが、このとき、フレーム数が2つ増えて6個となったため、TOCフレームのサイズは6×8バイト=48バイト(=0x00000030)となる。
次の8バイトにはフレームIDが「0x03」とされて、スペースフレームのサイズが示されるが、TOCフレームが16バイト拡大される際に、スペースフレームの16バイトが用いられたことで、スペースフレームのサイズは16バイト減って「0x00000180」とされる。
次の8バイトには、再生させたくないメッセージが存在する新たなスペースフレームで分断された最初のデータフレームのサイズが示され、続く8バイトに新たなスペースフレームのサイズが示される。そして最後の8バイトに分断された後ろ側のデータフレームのサイズが示される。
【0141】
例えばこのようにTOCフレームによりメッセージデータファイルのフレーム構成が管理されることになり、また、スペースフレーム、データフレームの追加などによるフレーム構成の変化や、後述するデバイド(ファイル分割)、コンバイン(ファイル連結)などの編集処理によるフレーム構成の変化に応じて、TOCフレームの内容は更新されていくことになる。
【0142】
ところで、スペースフレームは次のように扱われることになる。
まず新規にメッセージデータファイルを作成する際には、図23に示すように、TOCフレームの後に128バイト以上640(=128+512)バイト以下のスペースフレームを配置する。
この時、データフレームの開始位置がセクタ境界になるようにスペースフレームのサイズが決められることとなる。
【0143】
また、詳しくは後述するが、メッセージデータファイルの分割(デバイド)処理時には、分割ポイントが含まれるクラスタにおいて、再生禁止データエリアをスペースフレームとする。
即ち図24のように、或るクラスタの途中の位置が分割点とされた場合、分割による後半のファイルでは、メッセージデータの先頭が、そのクラスタの分割点となる。あくまでファイルの最小単位はクラスタとなるため、このようにそのクラスタ内の分割点以前のデータは、再生してはいけないデータが含まれることとなるが、その部分(図24の斜線部分)は、スペースフレームとして再生されないようにする。
【0144】
また、メッセージデータファイルの分割、結合処理の結果、2つのスペースフレームがとなり合う状況になる場合もあり得る。このようにとなり合う2つのスペースフレームが存在する場合は、それを1つのスペースフレームにまとめる。つまり具体的には、1つのスペースフレームとしてTOCフレームで管理されるようにする。
【0145】
以上説明したようにメッセージデータファイルにはメッセージデータが格納されるデータフレームのみならずフォーマットフレーム,TOCフレーム,タイトルフレーム,メーカーフレーム,オーサーフレーム,インフォメーションフレーム,スペースフレームを設けることができ、特にフォーマットフレーム,TOCフレーム、スペースフレームは必須とされるが、これは以下の理由による。
【0146】
板状メモリ1は図9に示したようなドライブ装置で利用されるのはもちろん、PC(パーソナルコンピュータ)等のFATシステムが使用可能な装置でも利用されることが可能とされている。
すなわち、当該メッセージデータファイルを図9に示したようなドライブ装置で記録し管理するようにした板状メモリ1をPC等に装着してファイルの移動やファイル名の変更が可能である。
【0147】
このようにPC等において板状メモリ内1に記録されたメッセージデータファイルをFATシステムを利用して移動させたり、ファイル名称の変更を行った場合、先に説明したメッセージリストファイルにて管理されているメッセージデータファイルとの整合が取れないものとなる。この問題を解決するために板状メモリ1が図9に示したようなドライブ装置に初めて認識されるときには、先に説明したようなメッセージリストファイルの内容とVOICEディレクトリに存在するサブディレクトリのエントリとの整合をとる処理を行うことで、例えばユーザーがメッセージデータファイルを好みのファイル名にPCにおいて変更したとしても図9に示したようなドライブ装置で利用可能となるのである。
【0148】
このときにメッセージファイルがデータフレームだけでなく他のフレームを合わせて設けていたとすると、図9に示したようなドライブ装置で記録し管理するようにした板状メモリ1をPC等においてファイルの移動が行われたとしても、データフレームを再生するのに必要な情報も同時に移動されているためドライブ装置では大きな支障なく再生が可能となるためである。
【0149】
ところで以上の情報を使ってメッセージを再生する場合にメッセージの記録時間や残り時間を表示したりすることが望まれる。この場合たとえば図9に示したドライブ装置の表示部108に表示することが考えられる。
通常FATファイルシステムにおいてはシステムとして管理するファイルサイズを例えばバイト単位で表示するなどしているが、メッセージデータファイルにおいてはFATファイルシステムが管理するファイルサイズをそのまま利用せず以下の方法で時間に換算をしている。
【0150】
まず、TOCフレームを用いて当該メッセージファイル内にあるデータフレームの合計サイズを算出し、フォーマットフレームに記録されているアベレージバイトper秒の値を用いて先に算出した合計サイズを全体の再生時間に換算する。また、残り時間を算出する場合は例えば、全体の再生時間から再生済みのメッセージの再生時間を引くことによって算出できる。
このような算出を行うことでスペースフレームやその他のフレームのデータ量による算出誤差を取り除くことが可能となる。
【0151】
6.デバイド編集処理
続いて本例のシステムにおける特徴的な編集動作となるデバイド編集処理について説明していく。
デバイド編集とは、1つのメッセージデータファイルを、任意の分割点を設定(例えばユーザーが操作により分割点を指示)し、その分割点の前後で2つのメッセージデータファイルに分ける処理である。
この動作を図9及び図25〜図28を参照しながら説明する。
図25は、図9に示したドライブ装置のマイクロプロセッサ109の制御により実行される処理のフローチャートであり、また図26は板状メモリ1上での或るメッセージデータファイルのデバイド処理状態を概念的に示すものである。さらに、図27、図28はデバイド処理前後でのFAT内容を示している。
【0152】
或る板状メモリ1がドライブ装置に装填されることで、ユーザーは表示部108においてその板状メモリ1に記憶されているメッセージデータファイルを確認することができる。
そしてユーザーが或るメッセージデータファイルを、その途中の或る位置で分割して2つのファイルに分けたいと思った場合は、まず表示部108のファイル名表示等を確認しながら操作部112からの操作により、その分割させたいメッセージデータファイルを選択する。
【0153】
ユーザーがこのようなファイル選択操作を行ったら、マイクロプロセッサ109は図25のステップF101として、分割対象のメッセージデータファイルを設定する。
続いてユーザーは、その選択されたファイルのどの位置を分割点とするかの操作を行うことになる。
この分割点設定操作については多様な操作例が考えられるが、このとき例えばマイクロプロセッサ109は分割対象となったメッセージデータファイルを再生させ、ユーザーは再生メッセージを聞きながら、分割点としたいタイミングで分割点としてのエンター操作を行うことなどが考えられる。
また、メッセージを聞きながらタイミングを見計らって分割点を指定する操作では、分割させたいポイントと指示した分割点が微妙にずれる場合もあるため、ユーザーが分割点を微調整できるような操作機能を付加することが好ましい。
【0154】
ユーザーが分割点を指示する操作を行ったら、マイクロプロセッサ109はステップF102で分割点を決定し、実際のデバイド動作に移る。
まずステップF103では、設定された分割点が或るクラスタ(ブロック)の途中の位置であった場合は、そのクラスタのデータを未使用のクラスタにコピーして、同一内容のクラスタを2つとする。
但し後述するが、設定された分割点がクラスタ(ブロック)の境界位置であった場合は、そのクラスタのデータを複製する必要はない。
また、管理ヘッダを有するファイル先頭のクラスタのデータを未使用のクラスタにコピーして、同一内容のクラスタを2つとする。なお、ここでいう管理ヘッダとはフォーマットフレーム、TOCフレーム、スペースフレームから構成されたデータ部分のことである。
【0155】
続いてステップF104でFATのクラスタリンクを変更する。さらにステップF105でFATのディレクトリエントリを変更する。
これにより、上記ステップF103で新たに複製した分割点を含むクラスタ→、ヘッダを含むクラスタとを使用して、元の1つのファイルが2つのファイルに分割されるように新たなクラスタリンクが形成されることになる。具体例は後述する。
【0156】
次に、ステップF106で、元々のファイル先頭の管理ヘッダにおけるTOCフレームを更新する。これにより、元々のファイルの分割点より前半部分に相当する新たな第1のファイルが形成される。
またステップF107で、複製されファイル先頭にリンクされた管理ヘッダを含むクラスタにおいて、その管理ヘッダを更新する。これによって元々のファイルの分割点より後半部分に相当する新たな第2のファイルが形成される。
以上の処理によりデバイド処理が完了するわけであるが、この処理によって実行されるデバイド処理例を図26〜図28で述べる。
【0157】
図26(a)に示すファイルF1が、ユーザーがデバイド対象として選択したメッセージデータファイルであるとする。
そして仮にこのファイルF1は、クラスタCL(2)〜CL(9)に記憶されているものとする。
このファイルF1のクラスタリンクを示すFATは図27のようになっている。即ち図示していないディレクトリエントリ(図11参照)によってファイルF1の先頭のクラスタがクラスタCL2とされ、図27のFATのクラスタCL(2)のエントリには、「003」と記憶されている。つまりクラスタCL(2)がクラスタCL(3)にリンクすることが示される。またクラスタCL(3)のエントリには「004」と記憶され、クラスタCL(4)にリンクすることが示される。以降同様にリンク状態が記録され、最後のクラスタCL(9)のエントリには最終クラスタであることを示す値「FFF」が記憶される。
このようなFATによって、図26(a)のファイルF1がクラスタCL(2)〜CL(9)に格納されていることが管理される。なお、クラスタCL(A)以降は「000」つまり未使用とされている状態としている。
【0158】
ここで、ファイルF1に対してユーザーが、図26(a)に示す分割点DPでの分割を指示したとする。
分割点DPはクラスタCL(5)の途中の位置である。
このため上記図25のステップF103の処理として、クラスタCL(5)が未使用のクラスタCL(A)にコピーされる。
また管理ヘッダを含む先頭のクラスタCL(2)が未使用のクラスタCL(B)にコピーされる。
【0159】
そして上記図25のステップF104、F105でFATのクラスタリンク及びディレクトリエントリが更新され、図26(b)(c)に示すようなクラスタリンクが形成される。
分割後の2つのファイルをファイルF1−1、F1−2とすると、まずファイルF1−1についてのディレクトリエントリが形成され、先頭のクラスタがクラスタCL(2)と指示される。
そして図28に示すように、FATにおいてクラスタCL(2)のエントリには「003」、クラスタCL(3)のエントリには「004」、クラスタCL(4)のエントリには「00A」、クラスタCL(A)のエントリには「FFF」と記憶される。
これによって、ファイルF1−1が、図26(b)のようにクラスタCL(2)→CL(3)→CL(4)→CL(A)に記憶されていると管理される状態となる。
【0160】
また、ファイルF1−2についてのディレクトリエントリが形成され、先頭のクラスタがクラスタCL(B)と指示される。
そして図28に示すように、FATにおいてクラスタCL(B)のエントリには「005」、クラスタCL(5)のエントリには「006」、クラスタCL(6)のエントリには「007」、クラスタCL(7)のエントリには「008」、クラスタCL(8)のエントリには「009」、クラスタCL(9)のエントリには「FFF」と記憶される。
これによって、ファイルF1−2が、図26(c)のようにクラスタCL(B)→CL(5)→CL(6)→CL(7)→CL(8)→CL(9)に記憶されていると管理される状態となる。
【0161】
続いてステップF106ではファイルF1−1の管理ヘッダ、即ちクラスタCL(2)の内容が更新される。
具体的には、TOCフレームに記述されているデータフレームのサイズが更新されることになる。
図26(b)からわかるように、この場合、最後のクラスタCL(A)は分割点DPのデータを含むクラスタとなり、このファイルF1−1にとっては、クラスタCL(A)の分割点DP相当位置より後ろのメッセージデータは不要なデータとなる。
そこで、データフレームが一点鎖線の矢印で示す範囲となるように(つまり斜線部分を除外するように)、データフレームのサイズが更新されることになる。
これによって、ファイルF1−1では、クラスタCL(A)の斜線部分は無効領域とされ、従って、ファイルF1−1は、もとのファイルF1の分割点DPより前のデータが再生対象とされたファイルとなる。
【0162】
次に上記図25のステップF107では、ファイルF1−2の管理ヘッダ、即ちクラスタCL(B)の内容が更新される。
具体的には、TOCフレームに記述されているデータフレームのサイズが更新されるとともに、スペースフレームの設定が更新されることになる。
図26(c)からわかるように、2番目のクラスタCL(5)は分割点DPのデータを含むクラスタとなる。このファイルF1−2にとっては、クラスタCL(5)内での分割点DPより前のメッセージデータは不要なデータとなる。
また、クラスタCL(B)はクラスタCL(2)をコピーしたものであるが、クラスタCL(2)においてスペースフレームの後ろに存在したデータフレームのメッセージデータも、ファイルF1−2にとっては不要なデータとなる。
そこで、元々のクラスタCL(2)に存在し、クラスタCL(B)にコピーされたスペースフレームが、クラスタCL(5)の分割点DPまで拡大されるように、TOCフレームでスペースフレームのサイズを更新する。
またTOCフレームでのデータフレームのサイズも更新されることになる。
これによって、ファイルF1−2では、クラスタCL(B)からCL(5)にかけてスペースフレームが拡大され、その部分が再生禁止領域となる。従って、ファイルF1−2は、もとのファイルF1の分割点DPより後ろのデータが再生対象とされたファイルとなる。
【0163】
このような分割処理を、上述した図29のメモリマップ及び図30でみると以下のようになる。
図30は図29に示した3つのファイルのうちからCAT.MSVを分割処理した際を例に挙げて説明するためのメモリマップである。
【0164】
いま図29のようにクラスタ5〜クラスタ8に記録されているデータファイルであるCAT.MSVをクラスタ6とクラスタ7を境界、つまり分割点として分割することを指示する操作がユーザによって行われたとする。
この操作に応じて、上述のデバイド処理が行われ、図30に示すようにCAT1.MSVとCAT2.MSVという2つのファイルが作成されたとする。
【0165】
このように2つのファイル(CAT1.MSVとCAT2.MSV)が形成されるまでの経過は例えば次のようになる。
まず、図29の状態でクラスタ201及び202に記録されているDOG.MSVとMAN.MSVをクラスタ202及び203に移動する。
更に、クラスタ200のファイルネームとして、例えばユーザが入力したCAT1に識別子MSVを付与したCAT1.MSVを記録するとともに、クラスタ201には、例えばユーザが入力したCAT2に識別子MSVを付与したCAT2.MSVを記録する。
【0166】
次にサブディレクトリに記録されていたCAT.MSVをCAT1.MSVに書き換えるとともに未使用スロットにCAT2.MSVを追加する。
上記CAT2.MSVが記録されているスロットには分割されたCAT2.MSVが記録されているクラスタ番号”7”が終端に記録される。
次にサブディレクトリーのCAT1.MSVスロットが指し示すFAT上の終点がクラスタ6になるようにFATのエントリーアドレスを”FFF”に書き換える。
以上により、図30の状態となり、これが分割処理時のFAT上での編集手順となる。
【0167】
以上の説明から理解されるように、本例ではデバイド処理に際して、分割位置を含むクラスタと管理ヘッダを含むクラスタが複製され、また分割後の各ファイルの管理ヘッダ(TOCフレーム)の一部が更新され、データフレーム、スペースフレームのサイズが変更されるのみで、分割点から前後の2つのメッセージデータファイルに分割されることになる。
これは、メッセージデータファイルを分割するという編集のために必要となるデータの複製や書換が最小限となっていることを意味する。
そしてこれによって編集処理が効率化され、編集処理のためのアクセスも最小限となるため、処理時間や消費電力を最小限とできる。
【0168】
なお、分割点DPがクラスタの境界とされた場合は、分割点を含むクラスタの複製は不要となる。
例えば上記図26(a)のファイルF1のクラスタCL(5)とCL(6)の境界が分割点となった場合は、分割後のファイルF1−1は、クラスタCL(2)〜CL(5)により形成され、ファイルF1−2は、クラスタCL(2)から複製された或るクラスタCL(X)からクラスタCL(6)・・・CL(9)により形成されることになる。
従ってその様な場合は、分割処理のための複製は管理ヘッダを含むクラスタのみとなり、処理はより簡易かつ短時間で実現できるものとなる。
【0169】
また、図26の例では、クラスタCL(5)とそれをコピーしたクラスタCL(A)について、クラスタCL(5)をファイルF1−1側に組み込み、クラスタCL(A)をファイルF1−2側に組み込んだが、クラスタCL(A)をファイルF1−1側に組み込み、クラスタCL(5)をファイルF1−2側に組み込むようにしてもよい。
管理ヘッダを含むクラスタについても同様である。
【0170】
ところで、元々のクラスタCL(5)のデータが記憶されていて新たにスペースフレームに組み込んだ領域、つまりファイルF1−2のクラスタCL(5)の前半部分では、その音声データをそのまま残しておくようにしてもよいし、例えばゼロデータなどのダミーデータを充填しても良い。或いは何らかの付加データの記憶領域として利用できるようにしても良い。
これは、スペースフレームとはしないで無効領域とされたエリア、つまりファイルF1−1のクラスタCL(A)の後半の斜線部分についても同様である。
【0171】
スペースフレームとした部分のデータの扱いはこのように各種考えられるが、例えばメッセージデータをそのまま残しておくとすると、分割された2つのファイルを後に元の1つのファイルに戻すような場合に、そのクラスタがそのまま使用できることになるため、処理が効率的となる。
さらに、分割処理の結果2つのスペースフレームが隣り合う状況になった場合、それらを1つのスペースフレームにまとめる処理を行っても良い。
【0172】
また分割処理の手順や処理内容としては、上記例に限らず各種考えられる。
例えば上記例では分割点を含むクラスタを複製した後、分割後の各ファイルにおいてTOCフレームの更新により一部をスペースフレームもしくは無効部分としたが、例えば分割点より前のメッセージデータにダミーデータを加えて1クラスタ分のデータを生成して未使用クラスタに記憶させ、さらに分割点より後ろのメッセージデータにダミーデータを加えて1クラスタ分のデータを生成して未使用クラスタに記憶させ、これらのクラスタを分割後の各ファイルを構成するクラスタリンクに組み込むという手法も考えられる。
この場合は、その各クラスタのダミーデータ部分が、上記例と同様にスペースフレーム又は無効部分として管理されればよいことはいうまでもない。
【0173】
以上、実施の形態としてのシステム構成及びデバイド編集動作について述べてきたが、本発明はこれらの構成及び動作に限定されるものではない。
特に実施の形態においては板状メモリを用いたシステムにおいて主データがメッセージデータであるメッセージデータファイルのデバイド処理を例にあげたが、上述したように板状メモリ1を用いたシステムではメッセージデータファイル以外に、オーディオデータファイル、動画データファイルなども扱うことができる。
そしてこのオーディオデータファイル、動画データファイルについても、上記同様にデバイド処理が実行されることで、デバイド編集を効率化できる。
【0174】
また、本発明のシステムとしては、図1のような板状メモリに限定されるものではなく、他の外形形状とされた固体メモリ媒体(メモリチップ、メモリカード、メモリモジュール等)でも構わない。
また、これまで説明したファイルシステムのフォーマットも、例えば実際に応じてその細部の規定などは変更されて構わない。
更には、フラッシュメモリ容量のバリエーションも図8に示したものに限定されるものではない。もちろん、本発明の記録媒体のメモリ素子はフラッシュメモリに限られず、他の種のメモリ素子でもよい。
【0175】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、本発明の記録媒体は、記録されるデータファイルは、ファイル毎にそのデータファイルにかかる管理データ(ファイル内管理データ)が記憶され、しかもその管理データは少なくとも主データの位置及び再生対象とならない無効データ部分を管理できるものとされている。
また、1又は複数のデータファイルを管理するデータファイル管理情報により、各データファイルが管理される。
つまり、階層的な管理データが形成されていることで、データファイルの編集の際に、管理データの更新を最小限とすることができる。
【0176】
また、本発明の編集装置、編集方法によれば、データファイルの分割編集の際には、必要に応じて分割位置を含む記録データブロック(例えば上述したクラスタ/ブロック)が複製される。また分割対象となったデータファイルの管理データが書き換えられることで分割後の第1のデータファイルが形成される。さらに、分割による第2のデータファイルのための管理データが生成され第2のデータファイルの先頭に付加されるとともにその第2のデータファイル内に分割位置より前の主データ部分が存在する場合はそれが再生対象外の部分として扱われるようにすることで第2のデータファイルが形成される。さらに分割位置を含む記録データブロックは、複製され、それぞれ分割して生成される2つのデータファイルの構成部分となるように、記録データブロックの結合状態が編集される。これらのことにより、データファイルを分割するという編集のために必要となるデータ移動・複製・書換を最小限とすることができるという効果がある。
そしてまたそれによって編集のための処理時間や消費電力を最小限とできるという利点も有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の板状メモリの外形形状を示す平面図、正面図、側面図、底面図である。
【図2】実施の形態のファイルシステム処理階層の説明図である。
【図3】実施の形態の板状メモリの物理的データ構造の説明図である。
【図4】実施の形態の板状メモリの管理フラグ内容の説明図である。
【図5】実施の形態の板状メモリにおけるデータ更新処理と物理アドレス及び論理アドレスの概念の説明図である。
【図6】実施の形態の論理−物理アドレス変換テーブルの管理形態の説明図である。
【図7】実施の形態の論理−物理アドレス変換テーブルの構造の説明図である。
【図8】実施の形態の板状メモリのフラッシュメモリ容量/ブロック数/1ブロックの容量/1ページの容量/論理−物理アドレス変換テーブルのサイズの関係の説明図である。
【図9】実施の形態のドライブ装置のブロック図である。
【図10】FAT構造の説明図である。
【図11】FATによるクラスタ管理形態の説明図である。
【図12】ディレクトリの内容の説明図である。
【図13】サブディレクトリ及びファイルの格納形態の説明図である。
【図14】実施の形態の板状メモリのディレクトリ構成の説明図である。
【図15】実施の形態のメッセージリストファイルの説明図である。
【図16】実施の形態のメッセージリストファイルのヘッダの説明図である。
【図17】実施の形態のメッセージリストファイルのフォルダエントリの説明図である。
【図18】実施の形態のメッセージリストファイルのメッセージエントリの説明図である。
【図19】実施の形態のメッセージデータファイルの構造の説明図である。
【図20】実施の形態のメッセージデータファイルのフォーマットフレームの説明図である。
【図21】実施の形態のメッセージデータファイルのフレーム構成例の説明図である。
【図22】実施の形態のメッセージデータファイルのフレーム構成例の説明図である。
【図23】実施の形態のメッセージデータファイルのスペースフレームの扱いの説明図である。
【図24】実施の形態のメッセージデータファイルのスペースフレームの扱いの説明図である。
【図25】実施の形態のデバイド処理のフローチャートである。
【図26】実施の形態のデバイド処理の説明図である。
【図27】実施の形態のデバイド処理前のFATの説明図である。
【図28】実施の形態のデバイド処理後のFATの説明図である。
【図29】実施の形態のFAT管理構造の説明図である。
【図30】実施の形態のデバイド処理後のFAT管理構造の説明図である。
【図31】実施の形態のTOCフレームの構成の説明図である。
【図32】実施の形態のデータフレームのデータ格納境界の説明図である。
【図33】実施の形態のデータフレームのデータ格納境界の説明図である。
【図34】実施の形態のデータフレームのデータ格納境界の説明図である。
【符号の説明】
1 板状メモリ、2 端子部、4 凹凸部、5 スライドスイッチ、100 セット本体、103 マイクロフォン、104 マイクアンプ、105 スピーカアンプ、106 スピーカ、107 表示ドライバ、108 表示部、109マイクロプロセッサ、112 操作部、120 着脱機構
Claims (19)
- 記録媒体に記録された、固定長の記録データブロックを1または複数連結した主データと、上記主データに付加されて上記主データの上記記録媒体におけるアドレスとして示される記録位置及び再生されない無効データの位置を上記アドレスの更新により管理可能とする管理データとから構成されるデータファイルを、分割する編集装置として、
上記データファイルを分割する分割位置を指定して、上記分割位置のアドレスにおいて前後となる第1のデータファイルと第2のデータファイルに分割することを指示できる操作手段と、
上記操作手段の分割指示に応じて、上記管理データにおける主データの記録位置及び無効データの位置を更新して第1の管理データとすることで、該第1の管理データで管理される上記第1のデータファイルが生成される第1データファイル生成手段と、
上記操作手段の分割指示に応じて、主データの記録位置及び無効データの位置を管理する第2の管理データを生成し、上記分割位置より後のデータファイル部分に付加することで、上記第2の管理データで管理される上記第2のデータファイルが生成される第2データファイル生成手段と、
を備え、
上記第1の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置より後ろに位置されていた主データ部分であり、
上記第2の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置より前に位置されていた主データである
編集装置。 - 上記操作手段によって、上記データファイルが分割される記録データブロックが指定される請求項1に記載の編集装置。
- 上記操作手段によって指示された分割位置を含む記録データブロックを上記記録媒体の空きエリアに複製する複製手段と、
上記複製手段の複製により2つとされた記録データブロックの一方が、上記第1のデータファイルの構成部分となり、上記複製手段の複製により2つとされた記録データブロックの他方が、上記第2のデータファイルの構成部分となるように記録データブロックの結合状態を編集する結合編集手段と、
をさらに備えた請求項1に記載の編集装置。 - 上記無効データとして管理される部分に、ダミーデータが記録される請求項1に記載の編集装置。
- 上記操作手段によって指示された分割位置を含む記録データブロックを管理している上記管理データを複製する管理データ複製手段をさらに備え、
上記第2データファイル生成手段は、上記管理データ複製手段により複製された管理データを更新して上記第2の管理データを生成する請求項1に記載の編集装置。 - 上記操作手段によって指示された分割位置に基づく分割処理において、上記無効データの位置として管理される複数の領域が物理的に隣接した場合は、その複数の領域が、無効データが記録された1つの領域として管理されるように、上記第1の管理データ又は上記第2の管理データを更新する無効データ領域編集手段をさらに備えた請求項1に記載の編集装置。
- 固定長の記録データブロックを1または複数連結した主データと、上記主データに付加されて上記主データの記録位置及び再生されない無効データの位置を管理可能とする管理データとから構成されるデータファイルが記録された記録媒体を着脱可能とする着脱手段をさらに備え、
上記操作手段によって指示された分割位置に基づく分割処理により形成される上記第1のデータファイルと上記第2のデータファイルは、上記記録媒体上に作られる請求項1に記載の編集装置。 - 上記記録媒体は不揮発性メモリである請求項7に記載の編集装置。
- 上記主データは、オーディオデータである請求項1に記載の編集装置。
- 上記主データは、動画データである請求項1に記載の編集装置。
- 記録媒体に記録された、固定長の記録データブロックを1または複数連結した主データと、上記主データに付加されて上記主データの上記記録媒体におけるアドレスとして示される記録位置及び再生されない無効データの位置を上記アドレスの更新により管理可能とする管理データとから構成されるデータファイルを分割する編集装置における編集方法として、
上記データファイルを、第1のデータファイルと第2のデータファイルに分割するための分割位置を設定する設定手順と、
上記設定手順で設定された分割位置に基づいて、上記管理データにおける主データの記録位置及び無効データの位置を更新して第1の管理データとすることで、該第1の管理データで管理される上記第1のデータファイルが生成されるようにする第1データファイル生成手順と、
上記設定手順で設定された分割位置に基づいて、主データの記録位置及び無効データの位置を管理する第2の管理データを生成し、上記分割位置よりアドレスにおいて後のデータファイル部分に付加することで、上記第2の管理データで管理される上記第2のデータファイルが生成されるようにする第2データファイル生成手順と、
が行われ、
上記第1の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置よりアドレスにおいて後ろに位置されていた主データ部分であり、
上記第2の管理データが管理する無効データは、少なくとも上記分割位置を含む上記記録データブロックのうちの、上記分割位置よりアドレスにおいて前に位置されていた主データである
編集方法。 - 上記設定手順において、上記分割位置が含まれる記録データブロックが設定される請求項11に記載の編集方法。
- 上記設定手順において設定された分割位置を含む記録データブロックを上記記録媒体の空きエリアに複製する複製手順と、
上記複製手順での複製により2つとされた記録データブロックの一方が、上記第1のデータファイルの構成部分となり、上記複製手順での複製により2つとされた記録データブロックの他方が、上記第2のデータファイルの構成部分となるように記録データブロックの結合状態を編集する結合編集手順と、
がさらに行われる請求項11に記載の編集方法。 - 上記無効データとして管理される部分にダミーデータが記録されるダミーデータ記録手順がさらに行われる請求項11に記載の編集方法。
- 上記設定手順によって設定された分割位置を含む記録データブロックを管理している上記管理データを複製する管理データ複製手順をさらに備え、
上記第2データファイル生成手順では、上記管理データ複製手順において複製された管理データを更新して上記第2の管理データを生成する請求項11に記載の編集方法。 - 上記設定手順によって設定された分割位置に基づく分割処理において、上記無効データの位置として管理される複数の領域が物理的に隣接した場合は、その複数の領域が、無効データが記録された1つの領域として管理されるように、上記第1の管理データ又は上記第2の管理データを更新する無効データ領域編集手順がさらに請求項12に記載の編集方法。
- 着脱可能な記録媒体上に存在する、固定長の記録データブロックを1または複数連結した主データと上記主データに付加されて上記主データの記録位置及び再生されない無効データの位置を管理可能とする管理データとから構成されるデータファイルについて、上記設定手順によって設定された分割位置に基づく分割処理がさらに行われる請求項12に記載の編集方法。
- 上記主データは、オーディオデータである請求項11に記載の編集方法。
- 上記主データは、動画データである請求項11に記載の編集方法。
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