[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4471698B2 - 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法 - Google Patents

金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4471698B2
JP4471698B2 JP2004097423A JP2004097423A JP4471698B2 JP 4471698 B2 JP4471698 B2 JP 4471698B2 JP 2004097423 A JP2004097423 A JP 2004097423A JP 2004097423 A JP2004097423 A JP 2004097423A JP 4471698 B2 JP4471698 B2 JP 4471698B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
magnetic field
magnet
mold
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004097423A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005287181A (ja
Inventor
浩二 宮田
孝治 佐藤
貴弘 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2004097423A priority Critical patent/JP4471698B2/ja
Publication of JP2005287181A publication Critical patent/JP2005287181A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4471698B2 publication Critical patent/JP4471698B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、サーボモータ、DCブラシレスモータ、発電機等の同期式の永久磁石回転機、永久磁石、永久磁石磁場成形機に関する。
永久磁石回転機は、効率が高く制御性が良いことから、サーボモータを始めとする制御用モータに用いられている。永久磁石回転機に従来から用いられている容易磁化方向が平行なC形磁石の製造方法について説明する。
異方性焼結磁石としては、Baフェライト系、Srフェライト系などのフェライト磁石、Sm−Co系、Nd−Fe−B系などの希土類磁石が広く使用されているが、近年高性能磁石として希土類磁石の使用が急激に伸びている。これら異方性焼結磁石は、磁性を担っている各結晶粒の容易磁化方向をある一定の方向に揃えたものであり、そのため、結晶粒の容易磁化方向がばらばらの方向を向いている等方性磁石に比較して、その容易磁化方向に着磁されたときに残留磁束密度の値が大きく、したがって、最大エネルギー積を大きくすることができる。また、焼結磁石であるため、樹脂などで結合されたボンド磁石と比較して、非磁性物質の存在量が少ないため、残留磁束密度の値が大きくなり、最大エネルギー積を大きくできる。したがって、異方性焼結磁石が、同じ材料を用いた磁石の中で、一番大きな最大エネルギー積を得ることができるため、永久磁石材料として広く利用されている。
異方性焼結磁石は、磁性結晶粒の容易磁化方向をある一定の方向に揃えるために、その材料を、それぞれの粉砕粉が単結晶になるまで粉砕し、その粉砕粉に外部磁場を印加することにより磁石粉の磁化容易軸を外部磁場の方向と平行な方向に揃え、圧力をかけて圧縮し成形する。その後、成形された磁石粉は、所定の条件で焼結され、異方性焼結磁石を製造する。材料によっては、焼結後、熱処理を要する場合もある。例えば、Sm2 Co17系磁石では、焼結後、溶体化処理を行い、さらに時効処理を行う。Nd−Fe−B系磁石では、焼結後、500℃近傍で熱処理を行うことにより磁石を製造している。
成形工程で使用される磁場プレス機は、通常、ダイス、上パンチ、下パンチおよび磁場発生手段からなる。ダイス、上パンチおよび下パンチで構成されるキャビティ内に磁石粉を供給し、磁場発生手段により配向磁場を印加することにより磁石粉の容易磁化方向を一方向に揃え、上パンチ、下パンチにより圧力を伝達し、キャビティ内の磁石粉を成形する。成形は電磁石などで静磁場を印加し、その静磁場を印加したまま行われるのが一般的である。キャビティ内に充填された磁石粉に配向磁場をかける方向には、上下パンチによる圧力印加の方向と平行方向に磁場をかける縦磁場成形と、垂直方向に磁場を印加する横磁場成形とがある。横磁場成形を選択するか縦磁場成形を選択するかは、製造される材料、特性、形状、着磁方向などによって判断されるが、縦磁場成形により製造された焼結磁石は横磁場成形の場合と比較して磁気特性が低下するので、横磁場成形を用いることが多い。
回転機用のC形あるいはD形の磁石を横磁場成形するには、図11のように焼結時の収縮を考慮して作られたキャビティをもつダイスを用いる。図11は3個の磁石が同時に同じ方向に成形できる場合で、実際には成形機の大きさやキャビティの大きさで変化し、成形効率を上げるためにできるだけ多くのキャビティを配置するので3個に限らない。更に、キャビティ内の配向磁場を平行にするために、特許文献1にも開示されているが、ダイスを飽和磁化4πIsが500〜12000ガウスの磁性を有する材料とし、ダイスと成形体があたかも一つの磁性体であると見做すことができるようにする。このようにして作られた永久磁石を用いると、図12に示すような永久磁石の中心線を基準線として、容易磁化方向が基準線に平行(基準線と容易磁化方向の成す角度が0°)の永久磁石回転子を得ることができる。
特開平9−35977号公報
ところで、高精度のトルク制御を必要とするACサーボモータ等のトルクは、脈動の小さなものでなければならない。したがって、永久磁石が回転したときに固定子のスロットと永久磁石との位置関係から、空隙の磁束分布が変化することに起因するコギングトルク(コイルに電流を流さない状態でのトルク)やコイルの電流を流して駆動した時のトルクリップルが発生することは好ましくない。トルクリップルは、制御性を悪くする他に騒音の原因にもなる。
本発明の目的は、コギングトルクを低減した高出力高精度制御の永久磁石回転機及び永久磁石を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、コギングトルクが小さい偏心磁石を用いた回転機に下記なる改良を加え、トルクむらのないスムーズな回転を実現した。
本発明は、弧が外部に向く外弧と弧が内部に向く内弧と両弧を結ぶ二本の線で構成されるC形状または外弧と三本の線で構成されるD形状を有し2の整数倍となる数のキャビティであって、(i)2個1組でキャビティの外弧同士が対称に接するように配置されたキャビティ(参考例として(ii)2個1組でキャビティの外弧側が磁性体片を挟んで対称に配置されたキャビティ、又は(iii)キャビティの外弧側に磁性体片が配置されたキャビティと、該キャビティを形成するダイスと、キャビティ内を圧縮するためにプレスに連動可能なパンチとを備えてなる金型を提供する。
また、本発明は、この金型と、該金型を挟むように配置され該金型に一定方向の磁場を印加する少なくとも二つの磁石と、該金型のパンチに連動してキャビティを該磁場方向に対して垂直方向に圧縮するためのプレスとを含んでなる永久磁石磁場成形機を提供し、参考例として、この金型に永久磁石粉を充填し、一定の磁場方向を有する磁場に、該磁場方向が該金型のC形断面またはD形断面の対向する二本線と略平行となるように該金型を配置し、該永久磁石粉末の容易磁化方向を配向させ、該磁場方向に対して垂直な方向に圧縮成形を行い、その後焼結する永久磁石の製造方法を提供する。
本発明により、コギングトルクを低減しながら駆動トルク向上が可能となり、ACサーボ永久磁石モータやDCブラシレス永久磁石モータ等の高性能化と小型化に有用であり、産業上その利用価値は極めて高い。
以下、本発明について、図面を参照してさらに詳細に説明する。
永久磁石回転機は、効率が高く制御性が良いことから、サーボモータを始めとする制御用モータに用いられている。例えば、ACサーボモータには、図1に示すようなラジアルエアギャップ形の永久磁石回転機が用いられている。図1に示した永久磁石回転機1は、回転子ヨーク2の表面に、C形の永久磁石3を貼り付けた回転子4と、空隙(ギャップ)5を介して配置された複数のスロットを有する固定子ヨークとティース6に巻かれたコイル7からなる固定子8とで構成されている。図1に示す永久磁石回転機の場合、永久磁石の極数は6、ティースの数は9であり、永久磁石内の矢印は永久磁石の磁化の方向を示している。また、コイルはティースに集中巻きで巻かれ、U相V相W相の3相のY結線がなされており、コイルの巻き数は1ティース当たり50ターンである。コイルのU+はU相コイルの巻き方向が手前、U−はU相コイルの巻き方向が奥であることを意味している。
参考例として、回転子ヨーク及び該回転子ヨークの側面に張り付けられた複数個の永久磁石セグメントを含み、P極(Pは4以上の整数)の磁極をもつ回転子と、該回転子と同心円をなし、該回転子の外側に空隙を介して配置された、複数のスロットを有する鉄心に巻線を巻いた固定子とを含んでなる永久磁石回転機であって、該永久磁石回転機の横断面において、上記永久磁石セグメントの各々が、上記回転子の中心と各永久磁石セグメントの中心を結ぶ線を基準線として、該回転子の中心を回転の中心とし反時計回りを正として基準線から正方向の角度θの位置での容易磁化方向と基準線との成す角度αを、α=(180/P−90)°から0°の範囲に有し、基準線に対して対称となる容易磁化方向を有する永久磁石回転機を提供する。
永久磁石回転機1の例では、図2と図3に示すように、偏心磁石を有する永久磁石回転機において、永久磁石の中心線を角度0°の基準線として、回転子の中心11を回転の中心とし反時計回りを正として基準線から正方向の角度θの位置での容易磁化方向12と基準線との成す角度αが、α=(180/P−90)°から0°であり、容易磁化方向は基準線に対して対称である永久磁石回転子を用いる。即ち、永久磁石の容易磁化方向が中心線側に向いている永久磁石回転子を用いる。これにより、トルクむらのないスムーズな回転となり、コギングトルクが低減される。
また、本願の磁石は円弧端に行くほど磁化方向が基準線から傾いている。
本発明の永久磁石回転子は、図2に示すように、回転子ヨーク2の側面に、交互にN極、S極と磁化された永久磁石3を張り付けた構造になっている。永久磁石の形状は、図2ではC形の断面となっているが、図4(b)のように、D形としてもよく、内周形状は、回転子ヨーク側面に合わせた内周形状として、切削・加工して調整してもよい。
コギングトルクを低減する方法として、図4に示すように、永久磁石の端部形状が薄くなるように、C形あるいはD形の外径の中心を偏心させた永久磁石を用いる方法がある。図4は、(a)C形偏心磁石と(b)D形偏心磁石について、永久磁石の頂点を結ぶ外半径aと永久磁石の外半径bにおいて偏心量cとなる例を示す。また、図4(a)に回転ヨークの外半径dを示し、図4(b)に回転ヨークの内接円半径eを示す。
この方法により、磁束分布の変化が大きな磁極の切り替わり部分である永久磁石端部での磁束分布が滑らかになり、コギングトルクを低減することができる。しかし、磁石体積が減る分、駆動トルクの低下も招いてしまう。目標の駆動トルクを得るために軸方向に長くしたり、外径を大きくしたりすると機器が大きくなってしまうため、機器を大きくしないためにも、偏心量をできるだけ少なくすることが好ましい。
また、上記角度θにおいて該回転子の中心から最遠となる各永久磁石セグメントの点と該中心との距離が、上記基準線上で上記回転子の中心から最遠となる各永久磁石セグメントの点と該中心との距離より小さく、該角度θが大きくなるにつれてより小さくなることが好ましい。これは、磁石端部の厚みが薄くなることで磁極の切り替わり部分の磁束分布が滑らかになるためである。
図1の永久磁石回転機において、永久磁石の中心線を角度0°の基準線として、基準線との角度θ°の位置での容易磁化方向と基準線との成す角度が−θ°と平行配向の0°の回転子で磁石の偏心量(図4で説明)とコギングトルクの関係を調べた。モータの駆動条件は後述する実施例と同様である。
図5に偏心量とコギングトルクの関係を示す。偏心量を大きくとるとコギングトルクが低減できる。容易磁化方向が−θ°の場合、偏心が少なくてもコギングトルクが小さいので、目標のコギングトルクを同じとした時の偏心量は平行配向品より小さくできる。
図6に偏心量とトルクの関係を示す。偏心量を大きくすると磁石の体積が減るので、トルクは小さくなっている。同じ偏心量で比較すると容易磁化方向が−θ°の方が平行配向品より小さくなっているが、差は大きくない。
コギングトルクが小さく駆動トルクが大きい回転機を実現するには、いかに偏心量の小さい永久磁石でコギングトルク低減ができるかが重要である。図5と図6の結果より永久磁石の容易磁化方向が中心線側に向いている場合、従来(θ=0°)の平行配向より小さな偏心量でコギングトルク低減が可能で、偏心量が少ない分トルクが大きくなる。即ち、永久磁石の容易磁化方向が中心線側に向いているものであれば、従来のものより低コギングトルク、高トルク回転機を実現できることが分かった。ここで、永久磁石の基準線から角度θ°の位置での容易磁化方向と基準線との成す角度は最少で(180/P−90)°である。これより小さくなると極性が逆転してしまう。例えば図1の回転機はP=6極なので最小の角度は−60°となる。6極磁石の弧端のθ=30°で容易磁化方向角度−60°は、円周方向を向く。また、最大は、平行配向の0°より小さい。また、θ°の位置での容易磁化方向の角度は線形で変化しているとは限らない。例えば、θ=10°、20°、30°での容易磁化方向の角度が−10°、−20°、−30°のように線形で変化する場合や、θ=10°、20°、30°での容易磁化方向の角度が−10°、−10°、−20°のように非線形で変化する場合がある。したがって、Pは4以上の整数である極数である。
次に、永久磁石の容易磁化方向が中心線側に向いている永久磁石の製造方法を検討する。従来の回転機用のC形あるいはD形の磁石を横磁場成形方法は、前述のように磁性を有するダイスを用いて平行配向の永久磁石を得る。例えば、図11は、磁性ダイス112とキャビティ113を有する金型111に磁石粉114を充填し、配向磁場115中に設置したものを示し、図12は、永久磁石の中心線を角度0°の基準線として、回転子の中心101を回転の中心とし反時計回りを正として基準線から正方向の角度θの位置での、回転ヨーク102の側面にある永久磁石103の容易磁化方向104を示す。
図13は、ダイスを非磁性体にしたものであり、非磁性ダイス122とキャビティ123を有する金型121に磁石粉124を充填し、配向磁場125中に設置したものを示す。ダイスを非磁性体にすると、配向磁場は磁性体である磁石粉内を通ろうとするので、配向磁場は永久磁石の中心線からより離れた位置の配向磁場方向が中心線側に向くようになると考える。ただし、図13のような多数個のキャビティが存在する場合、個々のキャビティでの配向磁場は異なって磁場のばらつきが生じる。配向磁場のばらつきは、コギングトルクに悪影響を与えるので好ましくない。
図14は、ダイスを非磁性体にしキャビティを1個にしたものであり、非磁性ダイス132とキャビティ133を有する金型131に磁石粉134を充填し、配向磁場135中に設置したものを示す。キャビティを1個にすれば、磁石の配向バラツキは小さくなるが生産性に問題がある。
そこで、C形のキャビティで、その数は2の整数倍として上限18の個数、好ましくは4であり、2個1組でキャビティの外周側同志が接し対称に配置された形状で、非磁性体のダイスを用いた場合の配向磁場は図7のようにする。図7は、非磁性ダイス22とキャビティ23を有する金型21に磁石粉24を充填し、磁石26によって発生する配向磁場25中に設置したものを示す。この場合も、磁性体である磁石粉内を通ろうとするので、配向磁場は永久磁石の中心線側に向くようになることができる。図7のように多数個のキャビティがあってもキャビティの形状が対称形なので、キャビティ間の配向のばらつきがない。さらに、形状的な効果で配向磁場の角度は、図14のものより大きくなる。図7は非磁性のダイスを用いたが、ダイスの磁気特性を変化させることによって、配向磁場と永久磁石中心線との角度を制御することもできる。
図8は磁性ダイスを用いた場合で、非磁性ダイス32とキャビティ33を有する金型31に磁石粉34を充填し、配向磁場35中に設置したものを示す。この場合、図7の配向磁場より角度が小さくなる。ダイスの飽和磁化4πIsは12000ガウス以下である。本発明においては、ダイス材質として使用される磁性を有する材料の飽和磁化4πIsを12000ガウス以下とすることが好ましい。この範囲内でも、特に、0〜8000ガウスの範囲の飽和磁化を有する磁性材料を使用するのが、本発明の効果が顕著に現われ好ましい。飽和磁化4πIsが12000ガウスより大きい場合には、配向磁場が、永久磁石の中心線を角度0°の基準線として、基準線から角度θ°の位置での容易磁化方向と基準線との成す角度が0°より大きくなってしまう。
図9は、ダイス42とキャビティ43を有する金型41に磁石粉44を充填し、配向磁場45中に設置したものを示す。図9のようにC形のキャビティで、その数は2の整数倍(例示は4)であり、2個1組でキャビティの外周側が磁性体片を挟んで対称に配置された形状であっても同様の効果がある、この場合はキャビティ間においた磁性体片の形状や飽和磁化を変化することでも、配向磁場の制御が行える。磁性体片の形状は直方体、円柱、楕円柱などで、鉄等の磁性体でよい。また、好ましくは磁性体片の飽和磁化がダイスの飽和磁化より大きいことがよく、磁性体片の飽和磁化がダイスの飽和磁化より大きいと磁性体片に磁束が集中し、配向磁場が永久磁石の中心線側に向くのに効果がある。同様の理由から、磁性体片がパンチの飽和磁化より大きい磁性を有する材料としたことが好ましい。
図10は、ダイス52とキャビティ53を有する金型51に磁石粉54を充填し、配向磁場55中に設置したものを示す。図10のようにC形のキャビティで、キャビティの外周側に磁性体片が配置された形状であると、従来の図13の金型以上に配向磁場と永久磁石中心線との角度大きくすることができる他、磁性体片の飽和磁化の大きさや形状を変更することにより、配向磁場の角度制御をすることができる。
本発明の図7〜8と参考例の図9〜10のキャビティはC形磁石の場合であり、D形の磁石であっても同様である。
本発明においては、ダイスだけでなく、上パンチおよび下パンチも飽和磁化4πIsが12000ガウス以下の磁性を有する材料で構成されていると、配向磁場の角度制御に効果があるので好ましい。その際、上パンチおよび下パンチの全体が磁性材料からなっていてもよいが、その成形体と接する先端部分のみが磁性を有する材料から構成されていてもよい。
本発明の飽和磁化4πIsが12000ガウス以下の磁性を有する材料としては、超硬合金、合金炭素鋼が望ましい。超硬合金とは、WC、TiC、MoC、NbC、TaC、Cr3 2 等のIVa,Va,VIa族に属する金属の炭化物粉末をCo、Ni、Mo、Fe、Cu、Pb、Sn、またはそれらの合金を用いて焼結結合した合金であり、これらは、超硬合金に含有される炭素量、および鉄、コバルト、ニッケル等の量、さらに添加物の種類、添加量等によりその磁性は様々に変化する。所定の磁気特性を有していれば、どのような超硬合金を本発明に適用しても差しつかえない。
また、合金炭素鋼とは、Fe−Cを主体とする合金であり、特にダイス鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度鋼等を用いるのが好ましい。これらについても所定の磁気特性を有していれば、どのような合金炭素鋼を使用しても問題ない。
また異方性焼結磁石としては、Baフェライト系、Srフェライト系などのフェライト磁石、Sm−Co系、Nd−Fe−B系などの希土類磁石等が使用可能である。
キャビティ内に充填する磁石粉末の平均粒径は特に限定しないが、1〜20μmであることが好ましく、加圧磁場成形してさらに、磁石の組成のより適宜焼結温度を調整して、必要により時効処理し、焼結磁石を得るものである。
焼結温度は、磁石によって異なるが、フェライト系では1150〜1300℃、Sm−Co系では1100〜1250℃、Nd−Fe−B系は1000〜1100℃が好ましい。
以下、実施例にて詳しく説明する。なお、Nd−Fe−B系の永久磁石について説明するが、本発明はNd−Fe−B系磁石に限るものではない。永久磁石は以下の工程にて製作した。それぞれ純度99.7重量%のNd,Fe,Co,M(MはAl,Si,Cu)と純度99.5重量%のBを用い、真空溶解炉で溶解鋳造してインゴットを作製した。このインゴットをジョークラッシャーで粗粉砕し、更に窒素気流中ジェットミル粉砕により平均粒径3.5μmの微粉末を得た。この微粉末を比較例では図11の金型、実施例1では図7で示す非磁性の超硬合金からなる金型4個のキャビティに充填し垂直磁場プレスにて12kGの磁場中において、1.0t/cm2の成形圧にて成形した。この成形体はArガス中1090℃で1時間焼結を行い、引き続き580℃で1時間の熱処理を行った。熱処理を終えた焼結体はC形磁石の外径側でつながっているが、接合面が少ないので工具によって簡単に割ることができる。破断面はC形磁石の外径に沿っている。その後、砥石による研削加工を行い、C形の永久磁石を得た。本永久磁石の特性は、Br:13.0kG,iHc:22kOe,(BH)max:40MGOeであった。
比較例として、図1の回転子と固定子の奥行きが40mm、回転子の外径が40mmである。図11で示す磁性体である飽和磁化4000Gの超硬合金からなる金型で製造したC形永久磁石を用い、図12に示した容易磁化方向が平行である回転機のコギングトルクと、各コイルに電流を入力した時の駆動トルクを測定した。コギングトルクは、トルク検出器に永久磁石回転機の軸を固定し、軸の一方を別の永久磁石回転機で10rpm以下のゆっくりとした速度で回転させたときのトルクを測定した。駆動トルクは、各コイルに実効値で2Aの正弦波の三相交流電流を入力した場合である。
永久磁石は、コギングトルクの低減を図るため外径を偏心させた。図5のように偏心量を増やしていくとコギングトルクが小さくなり、今回の偏心量は9mmとした。コギングトルクと駆動トルクの値を表1に示す。コギングトルクは脈動する波形の最大値と最小値の差であり、駆動トルクは平均値である。今回の永久磁石回転機では、コギングトルクは0.01Nm以下を目標としており比較例のコギングトルクは目標値をクリアーしている。この時の駆動トルクは0.695Nmであった。
実施例1として、図7で示す金型で製造したC形永久磁石を用い、図2に示したような永久磁石の容易磁化方向が中心線側を向いた回転子を、比較例と同じ固定子に組み込んだ回転機のコギングトルクと駆動トルクを評価した。駆動条件は、比較例と同様にした。
永久磁石は、比較例と同様にコギングトルクの低減を図るため外径を偏心させた。図5のように偏心量を増やしていくとコギングトルクが小さくなり、今回の偏心量は6mmとした。コギングトルクと駆動トルクの値を表1に示す。コギングトルクは比較例とほぼ同じで目標の0.01Nm以下となっている。この時の駆動トルクは0.741Nmであり、比較例より6.6%の駆動トルク向上があった。
参考例2として、図9で示す金型で製造したC形永久磁石を得、図2に示したような永久磁石の容易磁化方向が中心線側を向いた回転子を、比較例と同じ固定子に組み込んだ回転機のコギングトルクと駆動トルクを評価した。なお、図9のダイスは非磁性の超硬合金を用い、磁性体片の飽和磁化は18000ガウスである。駆動条件は、比較例と同様にした。
永久磁石は、比較例と同様にコギングトルクの低減を図るため外径を偏心させた。図5のように偏心量を増やしていくとコギングトルクが小さくなり、今回の偏心量は6mmとした。コギングトルクと駆動トルクの値を表1に示す。コギングトルクは比較例とほぼ同じで目標の0.01Nm以下となっている。この時の駆動トルクは0.755Nmであり、比較例より8.6%の駆動トルク向上があった。
Figure 0004471698
ラジアルエアギャップ形の永久磁石回転機を示す。 永久磁石回転子を示す。 角度θでの容易磁化方向を示す。 (a)はC形偏心磁石を示し、(b)はD形偏心磁石を示す。 偏心量とコギングトルクの関係との関係を示す。 偏心量とトルクの関係との関係を示す。 本発明のダイスおよび配向磁場を示す。 本発明のダイスおよび配向磁場を示す。 参考例のダイスおよび配向磁場を示す。 参考例のダイスおよび配向磁場を示す。 従来のダイスおよび配向磁場を示す。 (a)従来の永久磁石回転子と、(b)従来の永久磁石回転子の角度θでの容易磁化方向を示す。 従来のダイスおよび配向磁場を示す。 従来のダイスおよび配向磁場を示す。
符号の説明
1 永久磁石回転機
2 回転子ヨーク
3 永久磁石
4 回転子
5 空隙(ギャップ)
6 ティース
7 コイル
8 固定子
11 回転子の中心
12 容易磁化方向
21 金型
22 非磁性ダイス
23 キャビティ
24 磁石粉
25 配向磁場
26 磁石
31 金型
32 磁性ダイス
33 キャビティ
34 磁石粉
35 配向磁場
41 金型
42 非磁性ダイス
43 キャビティ
44 磁石粉
45 配向磁場
47 磁性体片
51 金型
52 非磁性ダイス
53 キャビティ
54 磁石粉
55 配向磁場
57 磁性体片
101 回転子の中心
102 永久磁石
103 回転子ヨーク
104 容易磁化方向
111 金型
112 非磁性ダイス
113 キャビティ
114 磁石粉
115 配向磁場
116 磁石
121 金型
122 非磁性ダイス
123 キャビティ
124 磁石粉
125 配向磁場
131 金型
132 非磁性ダイス
133 キャビティ
134 磁石粉
135 配向磁場
a 永久磁石の頂点を結ぶ外半径
b 永久磁石の外半径
c 偏心量
d 回転ヨークの外半径
e 回転ヨークの内接円半径

Claims (2)

  1. 弧が外部に向く外弧と弧が内部に向く内弧と両弧を結ぶ二本の線で構成されるC形断面形状または外弧と三本の線で構成されるD形断面形状を有し2の整数倍となる数のキャビティであって、2個1組でキャビティの外弧同士が対称に接するように配置されたキャビティと、該キャビティを形成するダイスと、キャビティ内を圧縮するためにプレスに連動可能なパンチとを備えてなる、永久磁石粉の配向磁場中圧縮成形用金型。
  2. 請求項1に記載の金型と、該金型を挟むように配置され該金型に一定方向の磁場を印加する少なくとも二つの磁石と、該金型のパンチに連動してキャビティを該磁場方向に対して垂直方向に圧縮するためのプレスとを含んでなる永久磁石磁場成形機。
JP2004097423A 2004-03-30 2004-03-30 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法 Expired - Lifetime JP4471698B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004097423A JP4471698B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004097423A JP4471698B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010009302A Division JP4890620B2 (ja) 2010-01-19 2010-01-19 金型、磁場成形機及び永久磁石の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005287181A JP2005287181A (ja) 2005-10-13
JP4471698B2 true JP4471698B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=35184983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004097423A Expired - Lifetime JP4471698B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4471698B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4737431B2 (ja) * 2006-08-30 2011-08-03 信越化学工業株式会社 永久磁石回転機
US7898137B2 (en) 2006-08-30 2011-03-01 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Permanent magnet and permanent magnet rotating machine
JP4919109B2 (ja) * 2009-04-03 2012-04-18 信越化学工業株式会社 永久磁石回転機及び永久磁石回転機用永久磁石セグメントの製造方法
JP5506234B2 (ja) * 2009-04-24 2014-05-28 三菱電機株式会社 異方性磁石、モータ、及び異方性磁石の製造方法
JP5904124B2 (ja) * 2010-12-28 2016-04-13 日立金属株式会社 極異方性配向を有する円弧状磁石、その製造方法、及びそれを製造するための金型
JP2019054670A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 Tdk株式会社 永久磁石組立体、永久磁石回転子、リニアモータ用永久磁石移動子、リニアモータ用永久磁石固定子、モータおよび発電機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005287181A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101402451B1 (ko) 영구 자석 및 영구 자석 회전기
EP1308970B1 (en) Radial anisotropic sintered magnet production method
JP4650643B2 (ja) ラジアル異方性リング磁石の製造方法
WO2012090841A1 (ja) 極異方性配向を有する円弧状磁石、その製造方法、及びそれを製造するための金型
JP4890620B2 (ja) 金型、磁場成形機及び永久磁石の製造方法
JP5089979B2 (ja) ラジアル異方性円筒焼結磁石、その製造方法及び永久磁石モータ
JP4471698B2 (ja) 金型、永久磁石磁場成形機及び永久磁石の製造方法
WO2005124800A1 (ja) ラジアル異方性円筒焼結磁石及び永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法
JP4133686B2 (ja) ラジアル異方性リング磁石及びその製造方法
JP2009111418A (ja) 異方性磁石の製造に用いる金型、成形機、方法及び得られる磁石
JP4425682B2 (ja) 異方性磁石の製造に用いる金型、成形機、方法及び得られる磁石
JP4238971B2 (ja) ラジアル異方性焼結磁石の製造方法
JP5353976B2 (ja) ラジアル異方性焼結磁石並びに磁石ロータ
JP5448314B2 (ja) 永久磁石及び永久磁石回転機
JP2000116089A (ja) 永久磁石モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100302

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4471698

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160312

Year of fee payment: 6