JP4471577B2 - Ceramic green sheet and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミック電子部品あるいはコンデンサとして機能する誘電体層を内蔵したセラミック配線基板等の製造に用いるセラミックグリーンシートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用端末等の電子機器の小型化や使用される周波数帯域の高周波化に伴い、電子機器に組み込まれる配線基板にも小型化・高周波化へ対応できるものが要求されており、これまで配線基板の表面に実装されていたチップコンデンサに代えて内蔵コンデンサを、配線基板内部に形成することで、実装面積を削減し配線基板を小型化しつつ、低インダクタンスで高周波特性を向上させることのできるコンデンサを内蔵したセラミック配線基板が提案されている。
【0003】
セラミック配線基板にコンデンサを内蔵する方法としては、例えば絶縁層の一部を誘電体層とし、その誘電体層を挟むように上下に電極層を形成してコンデンサを形成する方法がある。この形成方法においては、誘電体層を他の絶縁層より比誘電率の高い絶縁層としたり、他の絶縁層より厚みの薄い絶縁層としたりすることによりコンデンサとして機能するような適正な静電容量を得ることができる。
【0004】
このようなコンデンサ内蔵セラミック配線基板は、導体ペーストを塗布してコンデンサ電極パターンが形成された誘電体層となるセラミックグリーンシートを、コンデンサ電極パターンと導通するように所定の導体パターンが形成された他の絶縁層となるセラミックグリーンシートで挟んで積層し、焼成することにより得られる。
【0005】
さらに、このようなセラミックグリーンシートは、通常、無機粉末・バインダ・溶媒・可塑剤および分散剤等を添加混合してセラミックスラリーとなし、このセラミックスラリーをドクターブレード法やダイコート法等の塗工方法により膜状に成形し、乾燥することで得られる。
【0006】
ところが、このようなコンデンサ内蔵セラミック配線基板のような多層配線基板は、積層工程における加圧により伸びやすく、積層体も変形したままの形を残してしまうので、得られた基板も変形を生じ、寸法誤差が大きいという問題があった。この変形の程度は一様ではなく、使用する基板用無機材料が多岐に渡るため、粒度や粒径の相違・セラミックグリーンシート内での密度のばらつき・導体パターンの厚みばらつき等により変形量やばらつきが異なってくる。
【0007】
この積層工程における変形を小さくするためには、回路設計による基板の収縮率の傾向を調べたり、製造工程において基板材料およびセラミックグリーンシート組成の管理・粉体粒度のばらつき・積層圧力・温度等の積層条件を十分管理する必要がある。しかしながら、一般に変形の誤差は、±0.1%程度は存在するといわれており、多層配線基板を小型化・高密度化することが困難となっていた。
【0008】
これらの諸問題に対して、以下のことが特許文献1に開示されている。
積層セラミック電子部品では、積層されるグリーンシートの薄膜化と積層枚数の増加による高容量化とともにこれらの部品が小形化され、積層されるセラミックグリーンシートの厚みが次第にセラミックグリーンシート上の印刷される導電ペーストの厚みに接近するようになってきている。このような状態でセラミックグリーンシートを積層・圧着すると、導電ペーストが印刷された部分の重なり部分と、導電ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシートのみの重なり部分とで、グリーンシートおよび導電ペーストの受ける押圧が異なり、積層体の内部に応力が偏在するようになり、積層体を裁断後焼成したときに、チップ素子端面にクラックが発生するという課題があった。
【0009】
この課題に対して特許文献1開示の方法は、積層される従来のセラミックグリーンシートに代えて、支持体上に第1のセラミックグリーンシートを形成し、その上に第1のシートよりも可塑性の高い第2のセラミックグリーンシートを形成して構成した多層構造のセラミックグリーンシートを用いることにより、これら複数枚のセラミックグリーンシートを積層して得られる積層体に内設される導電ペーストを印刷した導体パターンが、必ず上記セラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシートに接するか、またはこれに埋設されるように、適宜これらのセラミックグリーンシートを積層すれば、積層されるセラミックグリーンシートの薄層化が進んで、セラミックグリーンシートがセラミックグリーンシート上に印刷される導体パターンの厚みに接近しても、積層・圧着の際、積層体の内部に応力の偏在がなく、したがって積層体を分割したチップ素子の焼成後、端面にクラックが発生することのない積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができるというものである。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−213274号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に開示されたような支持体上に第1のセラミックグリーンシートを形成し、その上に第1のセラミックグリーンシートよりも可塑性の高い第2のセラミックグリーンシートを形成して構成したいわゆる2層構造のセラミックグリーンシートの製造方法においては、第2のセラミックグリーンシートの可塑性が高いことから積層工程における加圧により伸びやすく、そのため積層体も変形したままの形を残してしまい、得られた基板も変形を生じ、寸法誤差が大きいという問題点があった。
【0012】
また、第1のグリーンシート上に第2のセラミックスラリーを塗工することにより、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとからなる2層構造の複合セラミックグリーンシートを形成するものとしている。このような第1のセラミックグリーンシート上に第2のセラミックスラリーを塗工する方法では、第1のセラミックグリーンシート上の凹凸を第2のセラミックスラリーで充填しきれなかった場合や、セラミックグリーンシートとセラミックスラリーとの濡れ性が悪い場合、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックスラリーの界面に空気が取り込まれやすくなって、この取り込まれた空気が乾燥後空孔として残る。例えばこのようにして得られたグリーンシートに導体ペーストを塗布してコンデンサ電極パターンを形成しコンデンサとした場合、セラミックグリーンシートの空孔が焼成後の誘電体層中にも空孔として残るため、電圧をかけた際、空孔に電界が集中し誘電体磁器が破壊される結果、コンデンサが絶縁不良を起こし機能しなくなるという問題点があった。その結果、セラミック配線基板が高周波信号を通すことができなくなったり、セラミック配線基板に搭載された電子部品が正常に作動しなくなるというような問題点があった。
【0013】
本発明は、上記従来技術を解決すべく完成されたものであり、その目的は積層時の変形のばらつきが小さく、かつ塗工時の空気の巻き込みによる空孔の残存のないセラミックグリーンシートおよびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2層構造を形成するセラミックグリーンシートの引っ張り伸度と厚みと塗工時のセラミックスラリーの粘度および溶剤の蒸発速度指数に着目することによって、積層時の変形のばらつきを小さくし、かつ塗工時の空気の巻き込みによる空孔の発生を有効に制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明のセラミックグリーンシートは、無機粉末とバインダとから成り、第1の層およびその上に積層された前記第1の層よりも引っ張り伸度の小さい第2の層で構成されており、前記第1の層および前記第2の層の引っ張り伸度が10%より40%の範囲であり、前記第1の層と前記第2の層との引っ張り伸度の差が10%以上30%以下の範囲であるとともに、前記第1の層の前記第2の層に対する厚みの比が0.1以上0.5以下であることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法は、無機粉末と第1のバインダと溶剤とを混練して第1のセラミックスラリーを調製する工程と、無機粉末と前記第1のバインダよりも分子量の小さい第2のバインダと溶剤とを混練して前記第1のセラミックスラリーよりも粘度の低い第2のセラミックスラリーを調製する工程と、支持体の上に前記第1のセラミックスラリーの層を塗工する工程と、前記第1のセラミックスラリーの層の上に前記第2のセラミックスラリーの層を塗工する工程とを有することを特徴とするものである。
【0017】
また本発明のセラミックグリーンシートの製造方法は、上記構成において、前記第1のセラミックスラリーの前記溶剤の蒸発速度指数が前記第2のセラミックスラリーの前記溶剤の蒸発速度指数よりも高いことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法は、上記構成において、前記第2のセラミックスラリーのチキソトロピー指数が2以上5以下であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明のセラミックグリーンシートによれば、無機粉末とバインダとから成り、第1の層およびその上に積層された前記第1の層よりも引っ張り伸度の小さい第2の層で構成されており、前記第1の層および前記第2の層の引っ張り伸度が10%より40%の範囲であり、前記第1の層と前記第2の層との引っ張り伸度の差が10%以上30%以下の範囲であるとともに、前記第1の層の前記第2の層に対する厚みの比が0.1以上0.5以下であることにより、積層時において積層圧力や温度などの外力を受けたときに、積層圧力や温度などの外力により第2の層が第1の層よりも引っ張り伸度が小さいために塑性変形を起こしにくいということから、セラミックグリーンシートの第1の層が塑性変形を起こそうとしても第2の層が第1の層の塑性変形を抑えることとなり、積層時の変形のばらつきを効果的に抑えることが可能となる。
【0020】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、無機粉末と第1のバインダと溶剤とを混練して第1のセラミックスラリーを調製する工程と、無機粉末と前記第1のバインダよりも分子量の小さい第2のバインダと溶剤とを混練して前記第1のセラミックスラリーよりも粘度の低い第2のセラミックスラリーを調製する工程と、支持体の上に前記第1のセラミックスラリーの層を塗工する工程と、前記第1のセラミックスラリーの層の上に前記第2のセラミックスラリーの層を塗工する工程とを有するものとしたことにより、第1のセラミックスラリーの方が第2のセラミックスラリーよりも粘度が高く流動性が低いので、第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗工する際、第1のセラミックスラリーの平滑な塗工膜の表面形状を保持しようとする力、すなわち保持力が大きくなり、第1と第2のセラミックスラリー同士が混じり合うことなく界面で一体化する。その結果、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとが混合することがなく、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーの溶剤以外の組成を保持したままで一体化したセラミックグリーンシートを得ることが可能となる。
【0021】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、セラミックスラリーは平滑な表面を容易に形成できる溶剤が成分であることによって第1のセラミックスラリーの層の表面に凹凸がなく、かつセラミックスラリーは液体である溶剤が成分であることによって濡れ性に問題がないため、第1のセラミックスラリーの層と第2のセラミックスラリーの層との界面での空気の巻き込みが抑制される。その結果、この2層のセラミックスラリーを乾燥して得られるグリーンシートに、このようにして巻き込まれた空気が空孔として残る場合が減少する。
【0022】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、第1のセラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数が第2のセラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数よりも高いときには、第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗工する際に、第1のセラミックスラリーの方が速く乾燥して流動性が低下し、平滑な塗工膜の表面形状を保持しようとする力、すなわち保持力が大きくなり、第1と第2のセラミックスラリー同士が混じり合うことなく界面で一体化したセラミックグリーンシートを得ることが可能となる。
【0023】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、第2のセラミックスラリーのチキソトロピー指数が2以上5以下であるものとしたときには、第2のセラミックスラリーを第1のセラミックスラリー上に塗工する際に、第2のセラミックスラリーの粘度や降伏値を適度に低いものとし、第2のセラミックスラリーをより一層、均一かつ滑らかに、かつ保形性を維持して成形することができるようになるため、第1のセラミックスラリー上に塗布された第2のセラミックスラリーのレベリング性をより一層向上させることができ、塗工された第2のセラミックスラリーを乾燥して得られるセラミックグリーンシートの平坦性をより一層向上することが可能となるので、より高精度なコンデンサを内蔵したセラミック配線基板を製造することができる。
【0024】
さらにまた、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、セラミックスラリーの乾燥後は、第1の層の上に第1の層よりも引っ張り伸度の小さい第2の層で構成された2層構造のセラミックグリーンシートが形成されることから、積層時において積層圧力や温度を受けたときに、第2の層が第1の層よりも引っ張り伸度が小さいために塑性変形をおこしにくいことにより、第1の層のセラミックグリーンシートが塑性変形を起こそうとしても第2の層が第1の層の塑性変形を抑えることができる。その結果、積層時の変形のばらつきを効果的に抑えることが可能となる。
【0025】
以上により、本発明のセラミックグリーンシートおよびその製造方法によれば、積層時の変形のばらつきが小さく、かつ塗工時の空気の巻き込みによる空孔の残存のないセラミックグリーンシートおよびその製造方法を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のセラミックグリーンシートを添付図面に基づき詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明のセラミックグリーンシートおよびその製造方法の実施の形態の一例を示すセラミックグリーンシートの断面図である。図1において、1aは無機粉末とバインダとから成る第1の層、1bは第1の層1aの上に積層された第1の層1aよりも引っ張り伸度が小さくかつ第1の層1aよりも厚い第2の層である。2は支持体である。
【0028】
また、図2は本発明のセラミックグリーンシートの製造方法の実施の形態の一例を示す装置の概略図である。図3は、図2に示す装置の要部拡大図である。図2および図3において、3aは第1塗工ヘッド、3bは第2塗工ヘッド、図2に示す4は乾燥部であり、図3に示す5は第1のセラミックスラリー、6は第2のセラミックスラリー、2は支持体である。
【0029】
セラミックスから成る第1の層1a、第2の層1bの無機粉末の材質としては、ガラス粉末・セラミック粉末・またはガラス粉末とセラミック粉末との混合粉末が用いられる。
【0030】
ガラス粉末としては、例えばSiO2−B2O3系・SiO2−B2O3−Al2O3系・SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa・Sr・Mg・BaまたはZnを示す)・SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同一または異なってCa・Sr・Mg・BaまたはZnを示す)・SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は前記と同じである)・SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi・NaまたはKを示す)・SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じである)・Pb系ガラス・Bi系ガラス等が挙げられる。
【0031】
また、セラミック粉末としては、例えばAl2O3・SiO2・ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物・TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物・Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル・ムライト・コージェライト)等が挙げられる。
【0032】
無機粉末の製造方法・形状等は特に制限されるものではなく、既存の種々の無機粉末が使用可能であり、その平均粒径については、分散性または塗工性の点から、0.01μm以上3μm以下であることが好ましい。
【0033】
この無機粉末に添加混合されるバインダとしては、ポリアクリル系バインダ・ポリオキサゾリン系バインダ・ポリアルキルイミン系バインダ等が用いられるが、その具体例としては、例えばポリメチルメタクリレート・ポリエチルアクリレート・ポリブチルメタクリレート・ポリラウリルメタクリレート・2−ビニル−2−オキサゾリン・2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン・2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン・2−イソプロペニル−2−オキサゾリン・2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン・2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン・ポリエチレンイミン・ポリプロピレンイミン・ポリブチレンイミン等が挙げられ、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合物を各層に使用することができる。
【0034】
本発明のセラミックグリーンシートは、上記のような無機粉末とバインダとから成り、第1の層1aの上に第1の層1aよりも引っ張り伸度の小さい第2の層1bで構成されていて、かつ第1の層1aよりも第2の層1bが厚いことが重要である。なお、第1の層1aおよび第2の層1bの厚みは、無機粉末の材料・組成・形状・粒径・粒度分布等やバインダの材料・組成・分子量・添加量等やセラミックグリーンシートの使用用途・目的に応じて適切な値に決めればよい。例えば、高寸法精度なコンデンサ内蔵セラミック配線基板を得るには粒径2μmのガラスセラミック成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60質量部、1.2μmのCaZrO3粉末20質量部、1.5μmのSrTiO3粉末17質量部および1μmのAl2O3粉末3質量部を秤量し、それにバインダとして第1の層1aに質量平均分子量30万のポリメチルメタアクリレートを粉体100質量部に対して15質量部、第2の層1bに質量平均分子量15万のポリメチルメタアクリレートを粉体100質量部に対して15質量部、溶剤としてトルエンを50質量部加えて調製したセラミックスラリーを作製し、第1の層1aの厚みが15μm、第2の層1bの厚みが35μmとすればよい。
【0035】
また例えば、セラミックグリーンシートの変形ばらつきを±0.05%の範囲とするための、第1の層1aと第2の層1bとの厚みの関係については、積層時において積層圧力や温度を受けたときに第1の層1aが塑性変形を起こそうとしても第2の層1bが塑性変形を抑えるのに十分な厚みが必要であることから、第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比が0.1以上0.5以下であるものとすること、すなわち第1の層1aの厚みが第2の層1bの厚みの0.1倍以上0.5倍以下の厚みであることが好ましい。
【0036】
第1の層1aの上に第1の層1aよりも引っ張り伸度の小さい第2の層1bが形成され、かつ第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比が0.1以上0.5以下であるものとしたときには、積層時において積層圧力や温度を受けたときに、積層圧力や温度によりセラミックグリーンシートの第1の層が塑性変形を起こそうとしても第2の層1bの引張り伸度が小さいので塑性変形を起こしにくいということと、その第2の層1bの厚みが第1の層1aよりも第1の層1aの塑性変形を抑えるのに十分大きいので、同じく塑性変形を起こしにくいこととによって、第1の層1aおよび第2の層1bを積層したセラミックグリーンシートは、積層時の変形を、例えば、積層前後のセラミックグリーンシートの辺の長さ方向で±0.05%以下の寸法ばらつき等に効果的に抑えることが可能となるからである。
【0037】
ここで、引っ張り伸度としては10%より40%の範囲とすることが好ましい。第1の層1aの上に第1の層1aより引っ張り伸度が小さくて、この10%の引っ張り伸度より小さい引っ張り伸度の第2の層1bで構成した場合は、外力が作用したときに変形して外力により生じる応力を緩和する作用が不十分となり、セラミックグリーンシートを取り扱う際に加えられる外力に対してその形状を保つことができなくなる傾向がある。例えば、セラミックグリーンシートを支持体から剥離する際等にセラミックグリーンシート、特に第2の層1bに割れや亀裂が生じやすくなる傾向がある。
【0038】
第1の層1aが40%の引っ張り伸度より大きく、この上にこの40%より引っ張り伸度の小さい第2の層を構成した場合は、第1の層1aが非常に塑性変形を起こしやすくなるため、この上により引っ張り伸度の小さい第2の層1bを積層したとしても、積層時において積層圧力や温度等の外力を受けたときに、外力による積層時の変形のばらつきを抑えることが困難となる傾向がある。
【0039】
第1の層1aと第2の層1bとの引っ張り伸度の差は、10%以上30%以下の範囲とすることが好ましい。
【0040】
引っ張り伸度の差が10%より小さいときは、引っ張り伸度の差が少ないことから、積層時において積層圧力や温度を受けた際、引っ張り伸度の大きい第1の層1aの塑性変形を引っ張り伸度の小さい第2の層1bにより抑えられなくなる傾向があるので、積層時における寸法ばらつきが、例えば積層前後のセラミックグリーンシートの辺の長さ方向で±0.05%以上となる傾向があり、引っ張り伸度の差が30%より大きいときは、第1の層1aまたは第2の層1bの片方の層が好ましい引張り伸度の領域から外れてしまい、第1の層1aおよび第2の層1bからなるセラミックグリーンシートの積層時における寸法ばらつきを抑えることが困難となる傾向がある。
【0041】
ここで引っ張り伸度とは、引っ張り試験において、セラミックグリーンシートが破断するまでに伸びる長さを試験前のサンプル長さで除して%比率で表したものである。セラミックグリーンシートをプレス金型等によりダンベル形状に打ち抜き加工し、10Nの引っ張り荷重および50mm/minの引っ張り速度のもと、セラミックグリーンシートが破断したときの伸びを測定することで求めることができる。
【0042】
一方、第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比が0.1未満の場合、積層時において第1の層1aの厚みが第2の層1bの厚みに対して10分の1未満となって薄すぎることから、例えば第1の層1aの厚みが10μm程度となった場合、第1の層1aおよび第2の層1bから成るセラミックグリーンシートを上下積層するとき、第1の層1aの、第2の層1b表面への食い込みが少なくなって、第1の層1aが第2の層1bに密着する性質が十分でなくなり、第1の層1aと第2の層1bのセラミックグリーンシート同士の界面で剥離が生じやすくなる。
【0043】
また第1の層1aに対する第2の層1bの厚みが10倍以上になると、第2の層1bの引っ張り伸度が支配的になって、セラミックグリーンシート全体の引っ張り伸度が第2の層1bの引っ張り伸度とほぼ同じになるために、セラミックグリーンシートを取り扱う際に加えられる外力に対してその形状を保つことができなくなる傾向がある。
【0044】
また、第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比が0.5を超えるものとした場合、第1の層1aの厚みに対して第2の層1bの厚みが薄くなることから、セラミックグリーンシートの第1の層1aが積層時の外力により塑性変形を起こそうとしたときに、この塑性変形を、第1の層1aより引っ張り伸度が小さくて塑性変形しにくい第2の層1bにより十分抑えることができず、その結果、積層時のセラミックグリーンシートの変形ばらつきを効果的に抑えることができなくなる。
【0045】
従って、第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比を0.1以上0.5以下とすることにより、第1の層1aと第2の層1bとから成るセラミックグリーンシートを上下積層するとともに加圧するとき、第1の層1aを第2の層1bに十分に食い込ませてセラミックグリーンシート同士を強固に積層することができるとともに、十分に厚い第2の層1bにより第1の層1aへの加圧等の外力に起因する塑性変形を効果的に防止することができ、層間の剥離や変形のないセラミックグリーンシートの積層体を得ることができる。
【0046】
ここで、セラミックグリーンシートの積層時の変形は、引っ張り強度と引っ張り伸度のいずれにも影響される特性である可塑性よりも、主にセラミックグリーンシートの引っ張り伸度に大きく影響しているのであり、セラミックグリーンシートの引っ張り伸度が10〜20%程度に小さいと積層時の変形が小さくなる傾向がある。
【0047】
なお、セラミックグリーンシートの引っ張り伸度は、バインダの分子量および添加量を調整する方法や、可塑剤の種類および添加量を調整する方法等によって調整することができる。
【0048】
例えば、バインダの分子量にてセラミックグリーンシートの引っ張り伸度を調整する場合であれば、バインダの分子量を大きくすることによりセラミックグリーンシートの引っ張り伸度を大きくするように調整することができ、分子量を小さくすると引っ張り伸度を小さくするように調整することができる。
【0049】
またバインダの添加量にてセラミックグリーンシートの引っ張り伸度を調整する場合であれば、バインダの添加量を多くすることによりセラミックグリーンシートの引っ張り伸度を大きくするように調整することができ、バインダの添加量を少なくすることにより引っ張り伸度を小さくするように調整することができる。
【0050】
なお、バインダの分子量を重量平均分子量で1万以下に小さくしすぎたり、バインダの添加量を無機粉末100重量部に対して3重量部以下に少なくしすぎるとセラミックグリーンシートを取り扱う際に加えられる外力に対してセラミックグリーンシートの形状を保つだけのバインダとしての特性が足りなくなるのでセラミックグリーンシートがもろくなり、取り扱いが困難になるという問題点が発生することがある。このため、セラミックグリーンシートの引っ張り伸度を小さくする際、バインダの分子量を小さくしたり、バインダの添加量を少なくするような場合で、その分子量を1万以下としたり、バインダの添加量を無機粉末100重量部に対して3重量部以下としたりする必要が生じるようであれば、他の方法(可塑剤の調整等)を併用して、バインダの分子量を重量平均分子量で1万を超えるものとし、またバインダの添加量を無機粉末100重量部に対して3重量部を超えるものとなるようにすることが好ましい。
【0051】
セラミックスラリーの粘度を調整するには、溶剤の添加量によりセラミックスラリー中の固形分比率を調整する方法や、バインダの酸価および分子量を調整する方法、または分散剤の種類および添加量を調整する方法等を用いることができる。
【0052】
例えば、溶剤の添加量にてセラミックスラリー中の固形分比率を調整する方法の場合であれば、溶剤の添加量を多くすることによりセラミックスラリーの粘度を低く調整することができ、添加量を少なくすると粘度を高く調整することができる。
【0053】
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法において、無機粉末と第1のバインダと溶剤とを混練して第1のセラミックスラリー5を調整する工程と、無機粉末と第1のバインダよりも分子量の小さい第2のバインダと溶剤とを混練して第1のセラミックスラリー5よりも粘度の低い第2のセラミックスラリー6を調製し、第1のセラミックスラリー5よりも粘度の低い第2のセラミックスラリー6を第1のセラミックスラリー5上に塗工する工程とを有することが重要である。
【0054】
これは、無機粉末と第1のバインダよりも分子量の小さい第2のバインダと溶剤とを混練して第1のセラミックスラリー5よりも粘度の低い第2のセラミックスラリー6を調製し、第1塗工ヘッド3aにより塗工された第1のセラミックスラリー5よりも第2塗工ヘッド3bにより塗工された粘度の低い第2のセラミックスラリー6を第1のセラミックスラリー5上に塗工するものとしたことにより、第2のセラミックスラリー6の塗工圧力より第1のセラミックスラリー5の粘度が高く、流動性が低いので第1のセラミックスラリー5の方が平滑な塗工膜の表面形状を保持しようとする力が大きくなり、第2のセラミックスラリーの流動に巻き込まれることがないので、第1と第2のセラミックスラリー5・6同士が混じり合うことなく界面で一体化する。その結果、第1のセラミックスラリー5と第2のセラミックスラリー6とが混合することがなく、第1のセラミックスラリー5と第2のセラミックスラリー6の組成を保持したセラミックグリーンシートを得ることが可能となる。
【0055】
また、従来技術においてはセラミックグリーンシート上にセラミックスラリーを塗工することにより2層構造を形成していたが、塗工の際に、平滑な表面を容易に形成できる液体の溶剤が成分であるセラミックスラリーと異なり、無機粉末が主な成分であるセラミックグリーンシートは、粉体である無機粉末が主な成分であるため、その粉体の形状により生じるセラミックグリーンシートの凹凸を後から塗工するセラミックスラリーで充填しきれなかった場合や、セラミックグリーンシートとセラミックスラリーとの濡れ性が悪い場合にセラミックスラリーが濡れなかった部分を濡れた部分が取り囲んでしまい、濡れなかった面およびその近傍の空気を閉じ込めてしまうことにより空気をセラミックグリーンシートとセラミックスラリーとの界面で巻き込んでしまう問題があった。
【0056】
これに対し、第1塗工ヘッド3aにより塗工された第1のセラミックスラリー5の層の上に第2塗工ヘッド3bにより塗工された第2のセラミックスラリー6の層を塗工するものとしたことにより、セラミックスラリーはともに無機粉末とバインダと溶剤とからなる液体状であるため凹凸がなく、かつ濡れ性が問題ないため、第1のセラミックスラリー5の層と第2のセラミックスラリー6の層との界面での空気の巻き込みが抑制される。その結果、このようにして得られたグリーンシートに、例えば導体ペーストを塗布してコンデンサ電極パターンを形成しコンデンサとした場合、セラミックグリーンシートが焼成された後の誘電体層中に残る空孔の発生を有効に抑えることができ、このコンデンサ電極に電圧をかけた際に空孔に電界が集中して発生する誘電体磁器中での絶縁不良をなくすことが可能となる。
【0057】
一方、第1のセラミックスラリー5の粘度と等しい第2のセラミックスラリー6を、第1塗工ヘッド3aにより塗工された第1のセラミックスラリー5上に第2塗工ヘッド3bにより塗工した場合、セラミックスラリーの粘度が等しく、流動性が同じなので、第2のセラミックスラリー6と第1のセラミックスラリー5との平滑な塗工膜の表面形状の保持力が等しくなる。その結果、支持体の搬送速度やポンプのセラミックスラリー供給量の経時的な微小変動に対して影響を受けやすくなるので、第1のセラミックスラリー5と第2のセラミックスラリー6との界面付近で双方のセラミックスラリーの混じり合いが起こってしまうという問題が発生する。双方のスラリーが混じり合ってしまうと、例えばコンデンサ電極パターンを形成しコンデンサとした場合、セラミックグリーンシートが焼成された後の誘電体層が有する誘電率等の磁器特性が変わってしまい、容量性成分が設計通り得られないという不具合を生じる。
【0058】
また、第1のセラミックスラリー5よりも粘度の高い第2のセラミックスラリー6を第1のセラミックスラリー5上に塗工するものとした場合、第1のセラミックスラリーの方が第2のセラミックスラリーよりも粘度が低く流動性が高いため、第1のセラミックスラリー5の平滑な塗工膜の保持力が第2のセラミックスラリー6の塗工圧力よりも小さくなるので第1のセラミックスラリー5と第2のセラミックスラリー6とが界面付近にとどまらず、双方のスラリー全体で混じり合いが起こってしまうという問題点が発生する。
【0059】
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法においては、第1のセラミックスラリー5の蒸発速度指数が第2のセラミックスラリー6の蒸発速度指数よりも高いことが好ましい。これに対し、第2のセラミックスラリー6の蒸発速度指数が第1のセラミックスラリー5の蒸発速度指数よりも高いと、第2のセラミックスラリー6が速く乾燥してしまって被膜を形成する結果、第1のセラミックスラリー5の溶剤が残ったままの状態となりやすく、この第1のセラミックスラリー5の溶剤が乾燥気化する際に、第1のセラミックスラリー5の溶剤の気化力が第2のセラミックスラリー6の被膜強度より強いと被膜から気化した溶剤が抜けるときに、第2のセラミックスラリー6に亀裂を生じる場合がある。
【0060】
また、第1のセラミックスラリーの蒸発速度指数が第2のセラミックスラリーの蒸発速度指数よりも高いときには、第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗工する際、第1のセラミックスラリーが急速に乾燥して流動性が低下し、平滑な塗工膜の表面形状を保持しようとする力、すなわち保持力が大きくなり、第1と第2のセラミックスラリー同士が混じり合うことなく界面で一体化したセラミックグリーンシートを得ることが可能となる。
【0061】
第1のセラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数は、第2のセラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数より10%程度以上高くするのがその効果の面で望ましい。
【0062】
ここで、蒸発速度指数とは酢酸ブチルの蒸発速度指数を100としたときに表される蒸発速度の比で、蒸発速度指数をEとするとE=14.7PMであり、20℃で測定した溶剤の蒸気圧(Pa)と溶剤の分子量Mによって計測されるものである。
【0063】
セラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数を調整するには、溶剤の種類を変えて蒸発速度指数が異なる溶剤を用いる方法や、蒸発速度指数の異なる溶剤を混合する方法等を用いることができる。
【0064】
例えば、溶剤を蒸発速度指数の高いものに変更すればセラミックスラリーにおける溶剤の蒸発速度指数は高く調整することができ、蒸発速度指数の低い溶剤に蒸発速度指数の高い溶剤を添加すれば蒸発速度指数を高く調整することができる。
【0065】
一方、第1のセラミックスラリー5と第2のセラミックスラリー6のそれぞれに同一種類の溶剤を用いる場合は、第1のセラミックスラリー5の蒸発速度指数と第2のセラミックスラリー6の蒸発速度指数が同じなので、第2のセラミックスラリー6が乾燥し形成した被膜に亀裂が生じることはない。
【0066】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法においては、第2のセラミックスラリー6のチキソトロピー指数を2以上5以下とすることが好ましい。
【0067】
ここで、チキソトロピーとは、異常粘性の一種で、粘弾性体にかき混ぜる等の応力を加えた場合、ゲルが流動性のゾルに変わり、これを放置しておくと再びゲルにもどる性質のことで、チキソトロピー指数とは粘弾性体に低ずれ応力を加えた場合の粘度を、粘弾性体に高ずれ応力を加えた場合の粘度で割った値である。
【0068】
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法においては、第2のセラミックスラリー6のチキソトロピー指数を2以上5以下であるものとしたときには、第2のセラミックスラリー6を第1のセラミックスラリー5上に塗工する際に、第2のセラミックスラリー6の粘度や降伏値を適度に低いものとし、第2のセラミックスラリー6をより一層、均一かつ滑らかに、かつ保形性を維持して第1のセラミックスラリー5上に塗工することができるようになるため、第1のセラミックスラリー6上に塗工された第2のセラミックスラリー6のレベリング性(平滑性)をより一層向上させることができ、塗工された第1のセラミックスラリー5および第2のセラミックスラリー6を乾燥して得られるセラミックグリーンシートの平坦性をより一層向上することが可能となる。
【0069】
チキソトロピー指数が2未満になると、第2のセラミックスラリー6が流れやすくなる傾向があり、第1のセラミックスラリー5上に塗工したときに第2のセラミックスラリー6の保形性が劣化し、乾燥時にセラミックグリーンシートの表面の平坦性が悪くなる傾向がある。
【0070】
他方、チキソトロピー指数が5を超えると、第2のセラミックスラリー6を第1のセラミックスラリー5上に塗工する際に、第2のセラミックスラリー6の粘度や降伏値が若干高くなりすぎて塗工しにくくなる傾向があり、第1のセラミックスラリー5上に塗工された第2のセラミックスラリー6の平坦性を向上させることが困難となる。
【0071】
なお、第2のセラミックスラリー6のチキソトロピー指数を2以上5以下とするには、有機溶剤添加量にて第2のセラミックスラリー6中の固形分比率を調整する方法や、有機バインダの酸価および分子量を調整する方法、または分散剤の種類および添加量を調整するといった方法を用いることができる。
【0072】
例えば、有機溶剤添加量にて第2のセラミックスラリー6中の固形分比率を調整する方法の場合、有機溶剤の添加量を多くすることにより、チキソトロピー指数を低く調整することができ、有機溶剤の添加量を少なくするとチキソトロピー指数を高く調整することができる。
【0073】
また、セラミックスラリーの乾燥後は、第1の層1aの上に第1の層1aよりも引っ張り伸度の小さい第2の層1bで構成された2層構造のセラミックグリーンシートが形成されることから、乾燥後の第1の層1aが塑性変形を起こそうとしたときにこの塑性変形を第2の層1bにより抑えることができ、例えば積層時のセラミックグリーンシートの変形のばらつきを効果的に抑えることができる。
【0074】
ここで図2および図3に示すように、離型処理された支持体2が連続的に供給されるようになっている。そして支持体2の離型処理面の上に、第1塗工ヘッド3aにより第1の層1aを塗工し、第1の層の上に第2塗工ヘッド3bにより第2の層1bを塗工した後、乾燥部4で乾燥しセラミックグリーンシートを得ることができる。
【0075】
また、各塗工ヘッドに高精度精密ポンプ(図示せず)を用いてセラミックスラリーを第1塗工ヘッド3a・第2塗工ヘッド3bに供給することにより、セラミックグリーンシートの厚みを制御している。
【0076】
また、第2塗工ヘッド3bはリバースロール・ドクターブレード等の塗工方法を使用しても良い。
【0077】
この様にして得られた第1の層1aよりも引っ張り伸度の小さい第2の層1bで構成されていて、かつ第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比が0.1以上0.5以下である本発明のセラミックグリーンシートを、例えば厚みの薄い誘電体層として形成してコンデンサ内蔵セラミック配線基板を構成すれば、積層時において引っ張り伸度が大きい第1の層1aが密着性を発揮しつつ、積層圧力や温度を受けた際に、引っ張り伸度の大きい第1の層1aが塑性変形しようとしても引っ張り伸度の小さい第2の層1bによって変形が抑えられるので積層時の寸法ばらつきが小さいコンデンサ内蔵配線基板を得ることができる。
【0078】
また、セラミックグリーンシートに残る空孔を有効に抑えることができることから、コンデンサ電極に電圧をかけた際に、空孔に電界が集中して発生する絶縁不良を低減できるので、設計通りに高周波信号を通すことが可能となって、搭載された電子部品を正常に作動させることが可能なコンデンサ内蔵セラミック配線基板を得ることができる。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を具体例によって詳細に説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
<実施例1>
まず、ガラスセラミック成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60質量部、CaZrO3粉末20質量部、SrTiO3粉末17質量部およびAl2O3粉末3質量部を秤量し、それにバインダとしてポリメチルメタアクリレート、溶剤としてトルエンおよびイソプロピルアルコールを加えて調製したセラミックスラリーを作製した。
【0080】
次に、図2に示すシート成形機を用いて、成形速度2m/min、成形シート幅250mm、シート総厚みが100μmで、第1の層1aの第2の層1bに対する厚みの比が0.05から0.6の2層構造のセラミックグリーンシートを成形した。
【0081】
セラミックスラリーのせん断応力は、HAAKE社製HS100型円錐円盤粘度計において円盤直径が18mmを用いたとき、回転速度が50r/min以下の領域において、100Pa以上であり、100Pa以下のスラリーを前記第1の層1aに用いるとセラミックスラリー混合が激しく、前記第2の層1bに用いると前記第2の層1bを塗工する際、第2塗工ヘッド3bの部分で第2のセラミックスラリーが垂れてしまい塗工することができなかった。
【0082】
また、セラミックスラリーの粘度は、シバウラシステムズ社製E型粘度計において25℃にて測定子径2mm、測定子長さ15mmのものを用いて、回転速度30r/minでの粘度を測定した。
【0083】
なお、セラミックスラリーの粘度を調整するには、溶剤の添加量によりセラミックスラリー中の固形分比率を調整する方法や、バインダの酸価および分子量を調整する方法、または分散剤の種類および添加量を調整する方法等によって、粘度を調整する方法を用いることができる。
【0084】
例えば、溶剤の添加量にてセラミックスラリー中の固形分比率を調整する方法の場合であれば、溶剤の添加量を多くすることによりセラミックスラリーの粘度を低く調整することができ、添加量を少なくすると粘度を高く調整することができる。
【0085】
本実施例においては上記ガラスセラミック成分の無機粉末100質量部に対して、溶媒としてトルエンおよびイソプロピルアルコール50から70質量部を加え、ボールミル法により混合したセラミックスラリーとしたことによって第1のセラミックスラリー5を粘度17から39ポイズに、第2のセラミックスラリー6を粘度8から60ポイズに調整した。
【0086】
セラミックグリーンシートの引っ張り伸度はセラミックグリーンシートをプレス金型等によりダンベル形状に打ち抜き加工し、5Nの引っ張り荷重および50mm/minの引っ張り速度において、セラミックグリーンシートの降伏点までの変位を測定することができる特性値である。ここでは20%以下のものを低伸度または小、20%以上のものを高伸度または大とした。
【0087】
なお、セラミックグリーンシートの引っ張り伸度を調整するには、バインダの分子量および添加量を調整する方法や、可塑剤の種類および添加量を調整する方法等によって、引っ張り伸度を調整する方法を用いることができる。
【0088】
例えば、バインダの分子量にてセラミックグリーンシートの引っ張り伸度を調整する場合であれば、バインダの分子量を大きくすることによりセラミックグリーンシートの引っ張り伸度を大きくするように調整することができ、分子量を小さくすると引っ張り伸度を小さくするように調整することができる。
【0089】
本実施例においては、ポリメチルメタアクリレートをバインダとして用い、その分子量を重量平均分子量5万から50万に変更することにより、第1の層1aとなるグリーンシートは無機粉末100質量部に対してポリメチルメタアクリレートを10から40%、第2の層1bとなるグリーンシートは無機粉末100質量部に対してポリメチルメタアクリレートを10から30%に混合して調整した。
【0090】
初期寸法は、複数枚のセラミックグリ−ンシートを198×198mmのサイズに切断し、固定するためのステンレス枠に固定用テープで貼り付け固定して計測した。また、積層前の初期寸法は3次元測定機で測定し、評価用試料とした。
【0091】
これらグリーンシートをそれぞれ4層重ね合わせて5MPaの圧力および60℃の温度で加熱圧着して積層体を作製し、積層後の寸法を3次元測定機で測定して評価した。
【0092】
各材料種別の積層前後における評価の結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
表1の評価結果において、成形性はセラミックグリーンシートの外観および断面を金属顕微鏡にて確認し、まったくセラミックスラリーが交じり合わず、2層構造を形成しているものや皮膜に亀裂などが生じていないものを合格として○とし、198×198mmシート20枚の内5%以内で2層構造が完全でないものや皮膜に亀裂などが生じているものを△とし、それを超えるものを不合格として×で示した。積層寸法に関しては、積層時における寸法ばらつきが従来の0.1%に比べ明らかな効果がみられる±0.05%以下のものを合格として○とし、やや外れる±0.07%以下のものを△とし、積層時における寸法ばらつきが±0.07%を超えるものを不合格として×で示した。磁器空孔に関しては、10枚のセラミックグリーンシートを5MPaの圧力および60℃の温度で加熱圧着して積層体を作製し、大気中で900℃の温度で焼成することにより焼結体を作製し、その断面を電子顕微鏡にて磁器空孔発生の有無を観察して行なった。焼結体中に磁器空孔が皆無で500V以上の電圧をかけた際、誘電体磁器が破壊されて絶縁不良を起こさないものを合格として○とし、磁器空孔が観察されたものを不合格として×で示した。なお、評価が行なえなかった場合は−で示した。
【0095】
表1の結果から明らかように、第1の層のセラミックグリーンシートと第2の層のセラミックグリーンシートが同じ引っ張り伸度で、かつ引っ張り伸度の大きいもの同士で、さらに第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が高い試料No.2は、塗工工程で第1のセラミックスラリーの成分と第2のセラミックスラリーの成分とが界面付近にとどまらず、双方のスラリー全体で混じり合いが起こってしまい、2層構造のセラミックグリーンシートを形成できないという成形性の問題があった(表中の成形性の欄に×で示す)。また、積層寸法および磁器空孔は、成形性に問題があったため評価できなかった(表中の積層寸法・磁器空孔の欄にそれぞれ−で示す)。
【0096】
セラミックグリーンシートの引っ張り伸度が第1の層より第2の層の方が小さく、さらに第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が高い試料No.3は、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとが界面付近にとどまらず、双方のスラリー全体で混合が起こってしまい、2層構造のセラミックグリーンシートを形成できないという成形性の問題があった(表中の成形性の欄に×で示す)。また、積層寸法および磁器空孔は、成形性に問題があったため評価できなかった(表中の積層寸法・磁器空孔の欄にそれぞれ−で示す)。
【0097】
第1の層のセラミックグリーンシートと第2の層のセラミックグリーンシートが同じ引っ張り伸度で、かつ引っ張り伸度の小さいもの同士で、さらに第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が低い試料No.4は、引っ張り伸度小さな第1の層のセラミックグリーンシートと第2の層のセラミックグリーンシートで2層構造を構成することから、セラミックグリーンシートを支持体から剥離する際、セラミックグリーンシートに割れや亀裂が生じやすくなるという問題があった(表中の成形性の欄に×で示す)。また、積層寸法および磁器空孔は、成形性に問題があったため評価できなかった(表中の積層寸法・磁器空孔の欄にそれぞれ−で示す)。
【0098】
セラミックグリーンシートの引っ張り伸度が第1の層より第2の層の方が大きく、さらに第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が高い試料No.5は、塗工工程で第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとが界面近傍にとどまらず、双方のスラリー全体で双方のスラリーが入り混じってしまい、成形性に問題があった(表中の成形性の欄に×で示す)。また、積層寸法および磁器空孔は、成形性に問題があったため評価できなかった(表中の積層寸法・磁器空孔の欄にそれぞれ−で示す)。
【0099】
セラミックグリーンシートの引っ張り伸度が第1の層より第2の層の方が小さく、さらに第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が高い試料No.7は、塗工工程で第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとが界面近傍にとどまらず、双方のスラリー全体で双方のスラリーが入り混じってしまい、成形性に問題があった(表中の成形性の欄に×で示す)。また、積層寸法および磁器空孔は、成形性に問題があったため評価できなかった(表中の積層寸法・磁器空孔の欄にそれぞれ−で示す)。
【0100】
セラミックグリーンシートの引っ張り伸度が第1の層より第2の層の方が小さく、かつ第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が低く、さらに第1の層と第2の層との厚みの比が0.1未満(0.05)の試料No.8は、セラミックグリーンシート総厚みが100μmであって、第1の層の厚みが10μm未満となることから第1の層の形成が困難であった。また、引っ張り伸度第2の層が2層構造の主要な層となることから、セラミックグリーンシートを支持体から剥離する際、セラミックグリーンシートに割れや亀裂が生じやすくなるという傾向が見られた(表中の成形性の欄に△で示す)。また、積層寸法および磁器空孔は、成形性にやや問題が見られたので正確な評価は行なわなかった(表中の積層寸法・磁器空孔の欄にそれぞれ−で示す)。
【0101】
セラミックグリーンシートの引っ張り伸度が第1の層より第2の層の方が小さく、かつ第1のセラミックスラリーよりも第2のセラミックスラリーの粘度が低く、さらに第1の層と第2の層との厚みの比が0.5を超える(0.6)の試料No.11は、第1の層の厚みに対して第2の層の厚みが薄くなるためセラミックグリーンシートが伸びて元の位置に復元可能な弾性体として作用する第2の層の効果が少なくなるため積層時の変形のばらつきを合否判定とした±0.05%の基準を外れるものがあった。(表中の積層寸法の欄に△で示す)。
【0102】
これに対して、本発明のセラミックグリーンシート試料No.1,6,9,10は成形性も良好で、積層時における寸法ばらつきも±0.05%以下で、第1の層と第2の層の界面でのはがれや磁器空孔も全く見られず良好なものであった(表中の成形性・積層寸法・磁器空孔の欄に○で示す)。
【0103】
<実施例2>
セラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数が31(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)および240(トルエン)の溶剤をそれぞれ用いてセラミックグリーンシートを作製した以外は、実施例1の試料No.6と同様のセラミックグリーンシートを作製し、評価した。
【0104】
【表2】
【0105】
トルエンを溶剤に用いたことにより第1のセラミックスラリーにおける溶剤の蒸発速度指数が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶剤に用いた第2のセラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数よりも高い試料No.12は成形性も良好で積層時における寸法ばらつきも±0.05%以下で、第1の層と第2の層の界面でのはがれや磁器空孔も全く見られず良好なものであった(表中の成形性・積層寸法・磁器空孔の欄に○で示す)。
【0106】
これに対して、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶剤に用いたことにより第1のセラミックスラリーにおける溶剤の蒸発速度指数が、トルエンを溶剤に用いた第2のセラミックスラリーの溶剤の蒸発速度指数よりも低い試料No.13は、成形時に第1のセラミックスラリーの溶剤が乾燥気化する際に、第1のセラミックスラリーの気化力が第2のセラミックスラリーの被膜強度よりも強くなったために、第2のセラミックスラリーの被膜から気化した溶剤が抜けるときに、第2のセラミックスラリーに亀裂を生じる場合が若干あった(表中の成形性の欄に△で示す)。
【0107】
<実施例3>
セラミックスラリーの溶剤にトルエンを用い、固形分比率を調整することでチキソトロピー指数を調整してセラミックグリーンシートを作製した以外は、実施例1の試料No.6と同様のセラミックグリーンシートを作製し、評価した。
【0108】
【表3】
【0109】
セラミックグリーンシートの厚みばらつきは、測定点としてセラミックグリーンシートの成形幅方向に対して等間隔に20点を、成形流れ方向に対して長さ2000mmまでは100mm間隔で、それ以降は成形長さ5m・10m・50mで設定し、合計460点について、株式会社セイコーem社製フィルム厚み測定器(型式:ミリトロン1240型、測定精度:±0.1%)で厚みを測定し、3σ(標準偏差の3倍)が平均厚みの3%以内の試料の厚み精度の場合を「○」とし、平均厚みの4.5%以内の試料を「△」とし、4.5%を超える試料を「×」として評価した。
【0110】
また、第2のセラミックスラリーのチキソトロピー指数を1とした試料No.14では、第1のセラミックスラリー上に塗工された第2のセラミックスラリーの保形性が低下する傾向があり、乾燥時に表面に凹凸が生じやすく、厚み精度が劣化する傾向が見られた(表中の厚み精度の欄に△で示す)。
【0111】
また、チキソトロピー指数を6とした試料No.16では、第1のセラミックスラリー上に塗工された第2のセラミックスラリーの成形性が低下し、表面に凹凸が生じて厚み精度が若干劣化する傾向が見られた(表中の厚みばらつきの欄に△で示す)。
【0112】
これに対して、本発明の試料の中でも、第2のセラミックスラリーのチキソトロピー指数が2以上5以下とした試料であるNo.15は、セラミックグリーンシートの厚み精度・成形性も良好で積層時における寸法ばらつきも±0.05%以下で、第1の層と第2の層の界面でのはがれや磁器空孔も全く見られず良好なものであった(表中の厚み精度・積層寸法・磁器空孔の欄に○で示す)。
【0113】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能である。
【0114】
例えば、上述の実施の形態の例では、無機粉末とバインダと溶媒を添加混合してセラミックスラリーを作製したが、セラミックグリーンシートに柔軟性を付与するために可塑剤を添加してもよく、また無機粉末の分散性を高めるために分散剤を添加してもよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明のセラミックグリーンシートによれば、無機粉末とバインダとから成り、第1の層およびその上に積層された前記第1の層よりも引っ張り伸度の小さい第2の層で構成されており、前記第1の層および前記第2の層の引っ張り伸度が10%より40%の範囲であり、前記第1の層と前記第2の層との引っ張り伸度の差が10%以上30%以下の範囲であるとともに、前記第1の層の前記第2の層に対する厚みの比が0.1以上0.5以下であることにより、積層時において積層圧力や温度などの外力を受けたときに、第2の層が第1の層よりも引っ張り伸度が小さいために塑性変形を起こしにくいということから、セラミックグリーンシートの第1の層が塑性変形を起こそうとしても第2の層が第1の層の塑性変形を抑えることとなり、積層時の変形のばらつきを効果的に抑えることが可能となる。
【0116】
本発明のセラミックグリーンシートの製造方法によれば、無機粉末と第1のバインダと溶剤とを混練して第1のセラミックスラリーを調製する工程と、無機粉末と前記第1のバインダよりも分子量の小さい第2のバインダと溶剤とを混練して前記第1のセラミックスラリーよりも粘度の低い第2のセラミックスラリーを調製する工程と、支持体の上に前記第1のセラミックスラリーの層を塗工する工程と、前記第1のセラミックスラリーの層の上に前記第2のセラミックスラリーの層を塗工する工程とを有するものとしたことにより、第1のセラミックスラリーの方が第2のセラミックスラリーよりも粘度が高く流動性が低いので、第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗工する際、第1のセラミックスラリーの平滑な塗工膜の表面形状を保持しようとする力が大きくなり、第1と第2のセラミックスラリー同士が混じり合うことなく界面で一体化する。その結果、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとが混合することがなく、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーの所要組成を保持したままで一体化したセラミックグリーンシートを得ることが可能となる。
【0117】
また、第1のセラミックスラリーの層の上に第2のセラミックスラリーの層を塗工する工程としたことにより、セラミックスラリーは平滑な表面を容易に形成できる溶剤が成分である液体状であるため第1のセラミックスラリーの層の表面に凹凸がなく、かつ濡れ性に問題がないため第1のセラミックスラリーの層と第2のセラミックスラリーの層との界面での空気の巻き込みが抑制される。その結果、この2層のセラミックスラリーを乾燥して得られるグリーンシートには、このようにして巻き込まれた空気が空孔として残る場合が減少する。このようにして得られたグリーンシートに、例えば導体ペーストを塗布してコンデンサ電極パターンを形成しコンデンサとした場合、セラミックグリーンシートが焼成された後の誘電体層中に残る空孔の発生を有効に抑えることができ、このコンデンサ電極に電圧をかけた際、空孔に電界が集中して発生する誘電体磁器中での絶縁不良を低減することが可能となる。
【0118】
また、第1のセラミックスラリーの蒸発速度指数が第2のセラミックスラリーの蒸発速度指数よりも高いときには、第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗工する際に、第1のセラミックスラリーの方が速く乾燥して流動性が低下し、平滑な塗工膜の表面形状を保持しようとする力、すなわち保持力が大きくなり、第1と第2のセラミックスラリー同士が混じり合うことなく界面で一体化したセラミックグリーンシートを得ることが可能となる。
【0119】
また、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法において、第2のセラミックスラリーのチキソトロピー指数が2以上5以下であるものとしたときには、第2のセラミックスラリーを第1のセラミックスラリー上に塗工する際に、第2のセラミックスラリーの粘度や降伏値を適度に低いものとし、第2のセラミックスラリーをより一層、均一かつ滑らかに、かつ保形性を維持して成形することができるようになるため、第1のセラミックスラリー上に塗工された第2のセラミックスラリーのレベリング性をより一層向上させることができ、塗工された第1のセラミックスラリーおよび第2のセラミックスラリーを乾燥して得られるセラミックグリーンシートの平坦性をより一層向上することが可能となる。
【0120】
さらにまた、セラミックスラリーの乾燥後は、第1の層の上に第1の層よりも引っ張り伸度の小さい第2の層で構成された2層構造のセラミックグリーンシートが形成されることから、積層時において積層圧力や温度を受けたときに、第2の層が第1の層よりも引っ張り伸度が小さいために塑性変形を起こしにくくなる。その結果、積層時の変形のばらつきを効果的に抑えることが可能となる。
【0121】
以上により、本発明のセラミックグリーンシートおよびその製造方法によれば、積層時の変形のばらつきが小さく、かつ塗工時の空気の巻き込みによる空孔の残存のないセラミックグリーンシートおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックグリーンシートおよびその製造方法の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のセラミックグリーンシートの製造方法の実施の形態の一例を示す装置の概略図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【符号の説明】
1a・・・・・第1の層
1b・・・・・第2の層
2・・・・・・支持体
3a・・・・・第1塗工ヘッド
3b・・・・・第2塗工ヘッド
4・・・・・・乾燥部
5・・・・・・第1のセラミックスラリー
6・・・・・・第2のセラミックスラリー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic green sheet used for manufacturing a ceramic wiring board or the like incorporating a dielectric layer that functions as a multilayer ceramic electronic component or a capacitor, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the downsizing of electronic devices such as portable terminals and the increase in the frequency band used, wiring boards incorporated in electronic devices are required to be able to cope with downsizing and high frequencies. By forming a built-in capacitor inside the wiring board instead of the chip capacitor mounted on the surface of the wiring board, the mounting area can be reduced, the wiring board can be downsized, and the high frequency characteristics can be improved with low inductance. Ceramic wiring boards with built-in capacitors have been proposed.
[0003]
As a method of incorporating a capacitor in a ceramic wiring substrate, for example, there is a method of forming a capacitor by forming a part of an insulating layer as a dielectric layer and forming electrode layers vertically so as to sandwich the dielectric layer. In this formation method, the dielectric layer is an insulating layer having a relative dielectric constant higher than that of other insulating layers, or an insulating layer having a thickness smaller than that of the other insulating layers, so that an appropriate electrostatic function can be obtained. Capacity can be obtained.
[0004]
In such a ceramic wiring board with a built-in capacitor, a ceramic green sheet serving as a dielectric layer on which a capacitor electrode pattern is formed by applying a conductive paste is provided with a predetermined conductor pattern so as to be electrically connected to the capacitor electrode pattern. It is obtained by laminating and firing between ceramic green sheets to be an insulating layer.
[0005]
Furthermore, such ceramic green sheets are usually mixed with inorganic powders, binders, solvents, plasticizers, dispersants and the like to form a ceramic slurry, and this ceramic slurry is applied by a doctor blade method, a die coating method or the like. It can be obtained by molding into a film and drying.
[0006]
However, a multilayer wiring board such as a ceramic wiring board with a built-in capacitor is easily stretched by pressurization in the laminating process, and the laminated body also remains in a deformed shape. There was a problem that the dimensional error was large. The degree of this deformation is not uniform, and since there are a wide variety of inorganic materials for substrates used, the amount of deformation and variation due to differences in particle size and particle size, variations in density within the ceramic green sheet, variations in conductor pattern thickness, etc. Will be different.
[0007]
In order to reduce the deformation in this lamination process, the tendency of the shrinkage of the substrate by circuit design is investigated, the management of the substrate material and ceramic green sheet composition in the production process, the dispersion of the powder particle size, the lamination pressure, the temperature, etc. It is necessary to manage the lamination conditions sufficiently. However, it is generally said that there is a deformation error of about ± 0.1%, and it has been difficult to reduce the size and increase the density of the multilayer wiring board.
[0008]
The following is disclosed in Patent Document 1 for these problems.
In multilayer ceramic electronic parts, these parts are miniaturized as the capacity of the laminated green sheets is reduced and the number of layers is increased, and the thickness of the laminated ceramic green sheets is gradually printed on the ceramic green sheets. It is getting closer to the thickness of the conductive paste. When the ceramic green sheets are laminated and pressure-bonded in such a state, the green sheet and the conductive paste are received by the overlapping portion of the portion where the conductive paste is printed and the overlapping portion of only the ceramic green sheet where the conductive paste is not printed. There is a problem in that the pressure is different and stress is unevenly distributed inside the laminated body, and when the laminated body is cut and fired, cracks are generated on the end face of the chip element.
[0009]
In order to solve this problem, the method disclosed in Patent Document 1 replaces a conventional ceramic green sheet to be laminated, and forms a first ceramic green sheet on a support, and is more plastic than the first sheet. A conductor printed with a conductive paste provided in a laminate obtained by laminating a plurality of ceramic green sheets by using a multilayer ceramic green sheet formed by forming a high second ceramic green sheet If these ceramic green sheets are appropriately laminated so that the pattern must be in contact with or embedded in the second ceramic green sheet of the ceramic green sheet, the laminated ceramic green sheets can be thinned. Advancing, the ceramic green sheet is printed on the ceramic green sheet Even when approaching the thickness of the pattern, there is no uneven distribution of stress inside the laminate when laminating and crimping. Therefore, after firing the chip element that divides the laminate, no multilayer ceramic electronics will crack It is possible to provide a method for manufacturing a component.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-8-213274
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, a first ceramic green sheet is formed on a support as disclosed in Patent Document 1, and a second ceramic green sheet having a higher plasticity than the first ceramic green sheet is formed thereon. In the so-called two-layer ceramic green sheet manufacturing method constructed, the second ceramic green sheet has high plasticity, so that it is easily stretched by pressurization in the laminating process, so that the laminate remains in a deformed shape. The obtained substrate is also deformed, and there is a problem that a dimensional error is large.
[0012]
In addition, by applying the second ceramic slurry on the first green sheet, a composite ceramic green sheet having a two-layer structure composed of the first ceramic green sheet and the second ceramic green sheet is formed. Yes. In such a method of coating the second ceramic slurry on the first ceramic green sheet, when the irregularities on the first ceramic green sheet cannot be completely filled with the second ceramic slurry, When the wettability between the ceramic slurry and the ceramic slurry is poor, air is easily taken into the interface between the first ceramic green sheet and the second ceramic slurry, and the taken-in air remains as pores after drying. For example, when a capacitor electrode pattern is formed by applying a conductive paste to the green sheet thus obtained to form a capacitor, the ceramic green sheet vacancies remain in the baked dielectric layer as well, When a voltage is applied, the electric field concentrates in the vacancies and the dielectric porcelain is destroyed. As a result, there is a problem that the capacitor fails to function due to insulation failure. As a result, there is a problem that the ceramic wiring board cannot pass a high-frequency signal or an electronic component mounted on the ceramic wiring board does not operate normally.
[0013]
The present invention has been completed to solve the above-described prior art, and the object thereof is a ceramic green sheet having a small variation in deformation at the time of lamination and having no voids remaining due to air entrainment at the time of coating, and its It is to provide a manufacturing method.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventor has obtained the tensile elongation and thickness of the ceramic green sheet forming the two-layer structure, the viscosity of the ceramic slurry during coating, and the evaporation rate index of the solvent. By paying attention to the above, it has been found that the variation in deformation at the time of lamination can be reduced, and the generation of holes due to the entrainment of air during coating can be effectively controlled, and the present invention has been completed.
[0015]
That is, the ceramic green sheet of the present invention comprises an inorganic powder and a binder, and is composed of a first layer and a second layer having a lower tensile elongation than the first layer laminated thereon. ,The tensile elongation of the first layer and the second layer is in the range of 10% to 40%, and the difference in tensile elongation between the first layer and the second layer is 10% or more and 30%. In addition to the following ranges,Said first layerThe thickness ratio of the second layer to the second layer is 0.1 or more and 0.5 or less.It is characterized by this.
[0016]
The method for producing a ceramic green sheet of the present invention includes a step of preparing a first ceramic slurry by kneading an inorganic powder, a first binder, and a solvent, and an inorganic powder and the first binder.Molecular weightPreparing a second ceramic slurry having a viscosity lower than that of the first ceramic slurry by kneading a second binder having a small particle size and a solvent; and applying a layer of the first ceramic slurry on the support. And a step of coating the second ceramic slurry layer on the first ceramic slurry layer.
[0017]
The method for producing a ceramic green sheet of the present invention is characterized in that, in the above configuration, the evaporation rate index of the solvent of the first ceramic slurry is higher than the evaporation rate index of the solvent of the second ceramic slurry. To do.
[0018]
The method for producing a ceramic green sheet of the present invention is characterized in that, in the above configuration, the thixotropy index of the second ceramic slurry is 2 or more and 5 or less.
[0019]
According to the ceramic green sheet of the present invention, it is composed of an inorganic powder and a binder, and is composed of a first layer and a second layer having a lower tensile elongation than the first layer laminated thereon. ,The tensile elongation of the first layer and the second layer is in the range of 10% to 40%, and the difference in tensile elongation between the first layer and the second layer is 10% or more and 30%. In addition to the following ranges,Said first layerThe thickness ratio of the second layer to the second layer is 0.1 or more and 0.5 or less.Thus, when an external force such as a lamination pressure or temperature is applied during lamination, the second layer is less likely to undergo plastic deformation due to an external force such as the lamination pressure or temperature, because the tensile elongation is smaller than that of the first layer. Therefore, even if the first layer of the ceramic green sheet tries to cause plastic deformation, the second layer suppresses plastic deformation of the first layer, and effectively suppresses variation in deformation during lamination. It becomes possible.
[0020]
Further, according to the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, the step of preparing the first ceramic slurry by kneading the inorganic powder, the first binder, and the solvent, and the inorganic powder and the first binder.Molecular weightPreparing a second ceramic slurry having a viscosity lower than that of the first ceramic slurry by kneading a second binder having a small particle size and a solvent; and applying a layer of the first ceramic slurry on the support. And the step of applying the layer of the second ceramic slurry on the layer of the first ceramic slurry, so that the first ceramic slurry is the second ceramic. Since the viscosity is higher than that of the rally and the fluidity is lower, when applying the second ceramic slurry onto the first ceramic slurry, the force to keep the surface shape of the smooth coating film of the first ceramic slurry. That is, the holding force increases, and the first and second ceramic slurries are integrated at the interface without being mixed. As a result, the first ceramic slurry and the second ceramic slurry are not mixed, and the integrated ceramic green sheet while retaining the composition other than the solvent of the first ceramic slurry and the second ceramic slurry. Can be obtained.
[0021]
In addition, according to the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, the ceramic slurry is free from irregularities on the surface of the first ceramic slurry layer because the solvent is a component that can easily form a smooth surface, and the ceramic slurry. Since the liquid solvent is a component, there is no problem in wettability, so that air entrainment at the interface between the first ceramic slurry layer and the second ceramic slurry layer is suppressed. As a result, the case where the air entrained in this way remains as pores in the green sheet obtained by drying the two-layer ceramic slurry is reduced.
[0022]
According to the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, when the evaporation rate index of the solvent of the first ceramic slurry is higher than the evaporation rate index of the solvent of the second ceramic slurry, When the second ceramic slurry is applied, the first ceramic slurry dries faster and the fluidity decreases, and the force to maintain the surface shape of the smooth coating film, that is, the holding force is large. Thus, it is possible to obtain a ceramic green sheet integrated at the interface without the first and second ceramic slurries being mixed.
[0023]
According to the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, when the thixotropy index of the second ceramic slurry is 2 or more and 5 or less, the second ceramic slurry is applied onto the first ceramic slurry. When making the second ceramic slurry, the viscosity and yield value of the second ceramic slurry are set to be moderately low so that the second ceramic slurry can be molded more uniformly and smoothly while maintaining its shape retention. Therefore, the leveling property of the second ceramic slurry applied on the first ceramic slurry can be further improved, and the flatness of the ceramic green sheet obtained by drying the applied second ceramic slurry. Therefore, it is possible to manufacture a ceramic wiring board with a built-in more accurate capacitor. It can be.
[0024]
Furthermore, according to the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, after the ceramic slurry is dried, the second layer is formed on the first layer with the second layer having a lower tensile elongation than the first layer. Since a ceramic green sheet with a layer structure is formed, the second layer has a lower tensile elongation than the first layer when subjected to the lamination pressure and temperature during lamination, so that plastic deformation is difficult to occur. Thus, even if the ceramic green sheet of the first layer tries to cause plastic deformation, the second layer can suppress plastic deformation of the first layer. As a result, it is possible to effectively suppress variation in deformation during stacking.
[0025]
As described above, according to the ceramic green sheet of the present invention and the manufacturing method thereof, there is provided a ceramic green sheet having a small variation in deformation at the time of lamination and having no voids remaining due to air entrainment during coating, and a manufacturing method thereof. can do.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the ceramic green sheet of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0027]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a ceramic green sheet showing an example of an embodiment of a ceramic green sheet and a method for producing the same according to the present invention. In FIG. 1, 1a is a first layer made of an inorganic powder and a binder, and 1b has a lower tensile elongation than the first layer 1a laminated on the first layer 1a and is smaller than the first layer 1a. Is also a thick second layer. 2 is a support.
[0028]
FIG. 2 is a schematic view of an apparatus showing an example of an embodiment of a method for producing a ceramic green sheet of the present invention. FIG. 3 is an enlarged view of a main part of the apparatus shown in FIG. 2 and 3, 3a is a first coating head, 3b is a second coating head, 4 is a drying section, 5 is a first ceramic slurry, and 6 is a second ceramic slurry. The ceramic slurry, 2 is a support.
[0029]
As the material of the inorganic powder of the first layer 1a and the
[0030]
Examples of glass powder include SiO.2-B2OThreeSeries ・ SiO2-B2OThree-Al2OThreeSeries ・ SiO2-B2OThree-Al2OThree-MO system (where M represents Ca, Sr, Mg, Ba or Zn), SiO2-Al2OThree-M1OM2O system (however, M1And M2Are the same or different and indicate Ca, Sr, Mg, Ba or Zn).2-B2OThree-Al2OThree-M1OM2O system (however, M1And M2Is the same as above) · SiO2-B2OThree-MThree 2O system (however, MThreeRepresents Li.Na or K) .SiO2-B2OThree-Al2OThree-MThree 2O system (however, MThreeAre the same as described above), Pb glass, Bi glass, and the like.
[0031]
Moreover, as ceramic powder, for example, Al2OThree・ SiO2・ ZrO2Oxide and TiO of alkaline earth metal oxides2Oxide of Al and alkaline earth metal oxide, Al2OThreeAnd SiO2And composite oxides containing at least one selected from (for example, spinel, mullite, cordierite) and the like.
[0032]
The production method and shape of the inorganic powder are not particularly limited, and various existing inorganic powders can be used. The average particle size is 0.01 μm or more and 3 μm from the viewpoint of dispersibility or coatability. The following is preferable.
[0033]
As the binder added to and mixed with the inorganic powder, a polyacrylic binder, a polyoxazoline binder, a polyalkylimine binder, etc. are used. Specific examples thereof include, for example, polymethyl methacrylate, polyethyl acrylate, polybutyl. Methacrylate, polylauryl methacrylate, 2-vinyl-2-oxazoline, 2-vinyl-4-methyl-2-oxazoline, 2-vinyl-5-methyl-2-oxazoline, 2-isopropenyl-2-oxazoline, 2-iso Propenyl-4-methyl-2-oxazoline, 2-isopropenyl-5-ethyl-2-oxazoline, polyethyleneimine, polypropyleneimine, polybutyleneimine and the like, and one or more kinds selected from these groups Use the mixture in each layer. Can.
[0034]
The ceramic green sheet of the present invention is composed of the inorganic powder and the binder as described above, and is composed of the
[0035]
Further, for example, regarding the relationship between the thicknesses of the first layer 1a and the
[0036]
A
[0037]
Here, the tensile elongation is preferably in the range of 10% to 40%. When an external force is applied on the first layer 1a when the
[0038]
When the first layer 1a is larger than the tensile elongation of 40% and the second layer having a smaller tensile elongation than 40% is formed thereon, the first layer 1a is very likely to undergo plastic deformation. Therefore, even when the
[0039]
The difference in tensile elongation between the first layer 1a and the
[0040]
When the difference in tensile elongation is less than 10%, the difference in tensile elongation is small. Therefore, when subjected to lamination pressure or temperature during lamination, the plastic deformation of the first layer 1a having a high tensile elongation is pulled. Since there is a tendency that the
[0041]
Here, the tensile elongation is a percentage expressed by dividing the length of the ceramic green sheet that elongates until it breaks in the tensile test by the sample length before the test. It can be obtained by punching a ceramic green sheet into a dumbbell shape with a press die or the like, and measuring the elongation when the ceramic green sheet breaks under a tensile load of 10 N and a pulling speed of 50 mm / min.
[0042]
On the other hand, when the ratio of the thickness of the first layer 1a to the
[0043]
When the thickness of the
[0044]
Further, when the ratio of the thickness of the first layer 1a to the
[0045]
Therefore, by making the ratio of the thickness of the first layer 1a to the
[0046]
Here, the deformation at the time of lamination of the ceramic green sheets mainly has a greater influence on the tensile elongation of the ceramic green sheets than the plasticity, which is a characteristic affected by both the tensile strength and the tensile elongation. If the tensile elongation of the ceramic green sheet is as small as about 10 to 20%, the deformation during lamination tends to be small.
[0047]
The tensile elongation of the ceramic green sheet can be adjusted by a method for adjusting the molecular weight and the addition amount of the binder, a method for adjusting the kind and the addition amount of the plasticizer, and the like.
[0048]
For example, if the tensile elongation of the ceramic green sheet is adjusted by the molecular weight of the binder, it can be adjusted to increase the tensile elongation of the ceramic green sheet by increasing the molecular weight of the binder. If it is made smaller, the tensile elongation can be adjusted to be smaller.
[0049]
If the tensile elongation of the ceramic green sheet is adjusted by the amount of binder added, it can be adjusted to increase the tensile elongation of the ceramic green sheet by increasing the amount of binder added. The tensile elongation can be adjusted to be small by reducing the addition amount of.
[0050]
In addition, if the molecular weight of the binder is too small to 10,000 or less in weight average molecular weight, or if the additive amount of the binder is too small to 3 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the inorganic powder, it is added when handling the ceramic green sheet. There may be a problem that the ceramic green sheet becomes brittle and difficult to handle because the characteristics as a binder for maintaining the shape of the ceramic green sheet with respect to external force are insufficient. For this reason, when the tensile elongation of the ceramic green sheet is reduced, the molecular weight of the binder is decreased or the amount of the binder added is reduced. If it is necessary to use 3 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the powder, the molecular weight of the binder exceeds 10,000 in terms of weight average molecular weight in combination with other methods (adjustment of plasticizer, etc.) In addition, it is preferable that the added amount of the binder exceeds 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the inorganic powder.
[0051]
To adjust the viscosity of the ceramic slurry, adjust the solid content ratio in the ceramic slurry according to the amount of solvent added, adjust the acid value and molecular weight of the binder, or adjust the type and amount of dispersant. A method or the like can be used.
[0052]
For example, in the case of a method of adjusting the solid content ratio in the ceramic slurry with the amount of solvent added, the viscosity of the ceramic slurry can be adjusted low by increasing the amount of solvent added, and the amount added is reduced. Then, the viscosity can be adjusted high.
[0053]
In the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, the step of adjusting the first ceramic slurry 5 by kneading the inorganic powder, the first binder, and the solvent, and the inorganic powder and the first binder.Molecular weightThe second
[0054]
This is more than inorganic powder and the first binderMolecular weightThe second
[0055]
In the prior art, a two-layer structure is formed by coating a ceramic slurry on a ceramic green sheet, but a liquid solvent that can easily form a smooth surface during coating is a component. Unlike ceramic slurry, ceramic green sheet, which is mainly composed of inorganic powder, is mainly composed of inorganic powder, which is a powder. Therefore, the unevenness of the ceramic green sheet caused by the shape of the powder is applied afterwards. When the ceramic slurry could not be filled, or when the wetness between the ceramic green sheet and the ceramic slurry was poor, the wet part surrounded the part where the ceramic slurry was not wet. By trapping the air between the ceramic green sheet and the ceramic slurry There is a problem that is involved in the surface.
[0056]
On the other hand, the layer of the second
[0057]
On the other hand, when the second
[0058]
Further, when the second
[0059]
In the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, the evaporation rate index of the first ceramic slurry 5 is preferably higher than the evaporation rate index of the second
[0060]
In addition, when the evaporation rate index of the first ceramic slurry is higher than the evaporation rate index of the second ceramic slurry, the first ceramic slurry is applied when the second ceramic slurry is applied onto the first ceramic slurry. It dries quickly and the fluidity decreases, and the force to maintain the surface shape of the smooth coating film, that is, the holding force increases, and the first and second ceramic slurries are integrated at the interface without mixing. It becomes possible to obtain a modified ceramic green sheet.
[0061]
In view of the effect, it is desirable that the evaporation rate index of the solvent of the first ceramic slurry is about 10% higher than the evaporation rate index of the solvent of the second ceramic slurry.
[0062]
Here, the evaporation rate index is the ratio of the evaporation rate expressed when the evaporation rate index of butyl acetate is 100. When the evaporation rate index is E, E = 14.7 PM, and the solvent measured at 20 ° C. It is measured by the vapor pressure (Pa) and the molecular weight M of the solvent.
[0063]
In order to adjust the evaporation rate index of the solvent of the ceramic slurry, a method using a solvent having a different evaporation rate index by changing the type of solvent, a method of mixing solvents having different evaporation rate indexes, or the like can be used.
[0064]
For example, if the solvent is changed to one with a high evaporation rate index, the evaporation rate index of the solvent in the ceramic slurry can be adjusted high, and if a solvent with a high evaporation rate index is added to a solvent with a low evaporation rate index, the evaporation rate index Can be adjusted higher.
[0065]
On the other hand, when the same kind of solvent is used for each of the first ceramic slurry 5 and the second
[0066]
In the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, the thixotropy index of the second
[0067]
Here, thixotropy is a kind of abnormal viscosity. When stress such as stirring is applied to a viscoelastic body, the gel turns into a fluid sol and returns to the gel again if left untreated. The thixotropy index is a value obtained by dividing the viscosity when a low shear stress is applied to a viscoelastic body by the viscosity when a high shear stress is applied to the viscoelastic body.
[0068]
In the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, when the thixotropy index of the second
[0069]
When the thixotropy index is less than 2, the second
[0070]
On the other hand, when the thixotropy index exceeds 5, when the second
[0071]
In order to set the thixotropy index of the second
[0072]
For example, in the case of the method of adjusting the solid content ratio in the second
[0073]
In addition, after the ceramic slurry is dried, a ceramic green sheet having a two-layer structure composed of the
[0074]
Here, as shown in FIGS. 2 and 3, the
[0075]
Moreover, the thickness of the ceramic green sheet is controlled by supplying ceramic slurry to the
[0076]
The
[0077]
The
[0078]
In addition, since the voids remaining in the ceramic green sheet can be effectively suppressed, insulation defects caused by the concentration of electric field in the voids when voltage is applied to the capacitor electrode can be reduced. Therefore, it is possible to obtain a ceramic wiring board with a built-in capacitor that can normally operate the mounted electronic component.
[0079]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of specific examples, but the present invention is not limited to the following specific examples.
<Example 1>
First, as a glass ceramic component, SiO2-Al2OThree-MgO-B2OThree-60 parts by mass of ZnO-based glass powder, CaZrOThree20 parts by mass of powder, SrTiOThree17 parts by mass of powder and Al2OThreeA ceramic slurry was prepared by weighing 3 parts by mass of the powder and adding polymethyl methacrylate as a binder and toluene and isopropyl alcohol as solvents.
[0080]
Next, using the sheet forming machine shown in FIG. 2, the forming speed is 2 m / min, the forming sheet width is 250 mm, the total sheet thickness is 100 μm, and the thickness ratio of the first layer 1a to the
[0081]
The shear stress of the ceramic slurry is 100 Pa or more in a region where the rotational speed is 50 r / min or less when the disk diameter is 18 mm in the HA100 HS100 conical disk viscometer, and the slurry of 100 Pa or less is used as the first slurry. When used for the second layer 1a, the ceramic slurry mixing is intense, and when used for the
[0082]
Further, the viscosity of the ceramic slurry was measured at a rotational speed of 30 r / min using an E-type viscometer manufactured by Shibaura Systems Co., Ltd. at 25 ° C. with a probe diameter of 2 mm and a probe length of 15 mm.
[0083]
In order to adjust the viscosity of the ceramic slurry, the method of adjusting the solid content ratio in the ceramic slurry by the addition amount of the solvent, the method of adjusting the acid value and molecular weight of the binder, or the type and addition amount of the dispersant A method of adjusting the viscosity can be used depending on the method of adjusting.
[0084]
For example, in the case of a method of adjusting the solid content ratio in the ceramic slurry with the amount of solvent added, the viscosity of the ceramic slurry can be adjusted low by increasing the amount of solvent added, and the amount added is reduced. Then, the viscosity can be adjusted high.
[0085]
In this example, the first ceramic slurry 5 was obtained by adding 50 to 70 parts by mass of toluene and isopropyl alcohol as a solvent to 100 parts by mass of the inorganic powder of the glass ceramic component and mixing them by a ball mill method. Was adjusted to a viscosity of 17 to 39 poise and the second
[0086]
The tensile elongation of the ceramic green sheet is measured by punching the ceramic green sheet into a dumbbell shape using a press die, etc., and measuring the displacement of the ceramic green sheet up to the yield point at a tensile load of 5 N and a pulling speed of 50 mm / min. It is a characteristic value that can be Here, 20% or less was regarded as low elongation or small, and 20% or more was regarded as high elongation or large.
[0087]
In order to adjust the tensile elongation of the ceramic green sheet, a method of adjusting the tensile elongation by a method of adjusting the molecular weight and addition amount of the binder or a method of adjusting the kind and addition amount of the plasticizer is used. be able to.
[0088]
For example, if the tensile elongation of the ceramic green sheet is adjusted by the molecular weight of the binder, it can be adjusted to increase the tensile elongation of the ceramic green sheet by increasing the molecular weight of the binder. If it is made smaller, the tensile elongation can be adjusted to be smaller.
[0089]
In this example, the green sheet used as the first layer 1a is based on 100 parts by mass of the inorganic powder by using polymethyl methacrylate as a binder and changing the molecular weight from 50,000 to 500,000. The green sheet to be the
[0090]
The initial dimensions were measured by cutting a plurality of ceramic green sheets to a size of 198 × 198 mm, and affixing them to a stainless steel frame for fixing with a fixing tape. Moreover, the initial dimension before lamination | stacking was measured with the three-dimensional measuring machine, and it was set as the sample for evaluation.
[0091]
Four layers of each of these green sheets were stacked and heat-pressed at a pressure of 5 MPa and a temperature of 60 ° C. to produce a laminate, and the dimensions after lamination were measured with a three-dimensional measuring machine and evaluated.
[0092]
Table 1 shows the results of evaluation before and after lamination for each material type.
[0093]
[Table 1]
[0094]
In the evaluation results of Table 1, the formability was confirmed by confirming the appearance and cross-section of the ceramic green sheet with a metal microscope, and the ceramic slurry was not mixed at all, and the two-layer structure or the film was cracked. The one that does not pass is marked as “good”, and the two-layer structure is not perfect within 20% of 20 198 × 198mm sheets or the film is cracked, etc. It showed in. Regarding stacking dimensions, ± 0.05% or less where the dimensional variation at the time of stacking has a clear effect compared with the conventional 0.1% is accepted as ○, and a slightly different ± 0.07% or less is marked as △, Those with a dimensional variation exceeding ± 0.07% were shown as x for failure. Regarding porcelain holes, 10 ceramic green sheets are thermocompression bonded at a pressure of 5 MPa and a temperature of 60 ° C. to produce a laminate, and sintered in the atmosphere at a temperature of 900 ° C. to produce a sintered body. The cross section was observed by observing the occurrence of porcelain holes with an electron microscope. When the sintered body has no porcelain pores and a voltage of 500 V or more is applied, the dielectric porcelain is destroyed and does not cause poor insulation. As x. In addition,-was shown when evaluation was not able to be performed.
[0095]
As is clear from the results in Table 1, the ceramic green sheet of the first layer and the ceramic green sheet of the second layer have the same tensile elongation and large tensile elongation, and more than the first ceramic slurry. Sample No. 2 in which the viscosity of the second ceramic slurry is high. No. 2, the first ceramic slurry component and the second ceramic slurry component do not stay in the vicinity of the interface in the coating process, and the entire slurry is mixed and a two-layer ceramic green sheet is formed. There was a problem of moldability that could not be formed (indicated by x in the column of moldability in the table). Further, the stacking dimensions and the porcelain holes could not be evaluated because there was a problem in formability (indicated in each column of the stacking dimensions and porcelain holes in the table).
[0096]
The tensile strength of the ceramic green sheet is smaller in the second layer than in the first layer, and the viscosity of the second ceramic slurry is higher than that in the first ceramic slurry. No. 3 has the problem of formability that the first ceramic slurry and the second ceramic slurry do not stay in the vicinity of the interface and mixing occurs in both of the slurries, and a two-layer ceramic green sheet cannot be formed. (Indicated in the column of formability in the table by x). Further, the stacking dimensions and the porcelain holes could not be evaluated because there was a problem in formability (indicated in each column of the stacking dimensions and porcelain holes in the table).
[0097]
The ceramic green sheet of the first layer and the ceramic green sheet of the second layer have the same tensile elongation and small tensile elongation, and the viscosity of the second ceramic slurry is higher than that of the first ceramic slurry. Low sample No. 4 is composed of a first layer ceramic green sheet having a low tensile elongation and a second layer ceramic green sheet, so that when the ceramic green sheet is peeled off from the support, it breaks into the ceramic green sheet. And cracks easily occur (indicated by x in the column of moldability in the table). Further, the stacking dimensions and the porcelain holes could not be evaluated because there was a problem in formability (indicated in each column of the stacking dimensions and porcelain holes in the table).
[0098]
The tensile elongation of the ceramic green sheet is larger in the second layer than in the first layer, and the viscosity of the second ceramic slurry is higher than that in the first ceramic slurry. No. 5, the first ceramic slurry and the second ceramic slurry did not stay in the vicinity of the interface in the coating process, and both slurries entered and mixed in the entire slurry, and there was a problem in formability (in the table) In the column of the moldability of X). Further, the stacking dimensions and the porcelain holes could not be evaluated because there was a problem in formability (indicated in each column of the stacking dimensions and porcelain holes in the table).
[0099]
The tensile strength of the ceramic green sheet is smaller in the second layer than in the first layer, and the viscosity of the second ceramic slurry is higher than that in the first ceramic slurry. In No. 7, the first ceramic slurry and the second ceramic slurry did not stay in the vicinity of the interface in the coating process, and both slurries entered and mixed in the entire slurry, and there was a problem in formability (in the table). In the column of the moldability of X). Further, the stacking dimensions and the porcelain holes could not be evaluated because there was a problem in formability (indicated in each column of the stacking dimensions and porcelain holes in the table).
[0100]
The tensile elongation of the ceramic green sheet is smaller in the second layer than in the first layer, and the viscosity of the second ceramic slurry is lower than that in the first ceramic slurry. Further, the first layer and the second layer Sample No. having a thickness ratio of less than 0.1 (0.05). In No. 8, the total thickness of the ceramic green sheet was 100 μm, and since the thickness of the first layer was less than 10 μm, it was difficult to form the first layer. In addition, since the second layer of tensile elongation is the main layer of the two-layer structure, when the ceramic green sheet is peeled from the support, there is a tendency that the ceramic green sheet is likely to be cracked or cracked. (Indicated by Δ in the column of formability in the table). Further, the stacking dimensions and the porcelain holes were not evaluated accurately because some problems were observed in the moldability (indicated in the columns of the stacking dimension and porcelain holes in the table).
[0101]
The tensile elongation of the ceramic green sheet is smaller in the second layer than in the first layer, and the viscosity of the second ceramic slurry is lower than that in the first ceramic slurry. Further, the first layer and the second layer Sample No. with a thickness ratio exceeding 0.5 (0.6). 11 is because the thickness of the second layer is smaller than the thickness of the first layer, so that the effect of the second layer acting as an elastic body that can be restored to the original position by extending the ceramic green sheet is reduced. Some deviations from the ± 0.05% criterion in which the variation in deformation at the time of stacking was judged as acceptable. (Indicated by Δ in the column of the lamination dimension in the table).
[0102]
On the other hand, the ceramic green sheet samples No. 1, 6, 9, and 10 of the present invention have good moldability, and the dimensional variation during lamination is ± 0.05% or less, and the first and second layers are different. No peeling or porcelain at the interface was observed, and it was satisfactory (indicated in the columns of formability, stacking dimensions and porcelain in the table).
[0103]
<Example 2>
Sample No. 1 of Example 1 was prepared except that ceramic green sheets were prepared using solvents having a solvent evaporation rate index of 31 (propylene glycol monomethyl ether acetate) and 240 (toluene), respectively. A ceramic green sheet similar to 6 was prepared and evaluated.
[0104]
[Table 2]
[0105]
Sample No. 12 in which the evaporation rate index of the solvent in the first ceramic slurry is higher than the evaporation rate index of the solvent in the second ceramic slurry using propylene glycol monomethyl ether acetate as the solvent is obtained by using toluene as the solvent. Formability was also good and dimensional variation during lamination was ± 0.05% or less, and no peeling or porcelain at the interface between the first layer and the second layer was seen at all. (Circled in the column of formability, stacking dimensions, porcelain holes).
[0106]
On the other hand, by using propylene glycol monomethyl ether acetate as a solvent, the evaporation rate index of the solvent in the first ceramic slurry is lower than the evaporation rate index of the solvent in the second ceramic slurry using toluene as the solvent. In sample No. 13, when the solvent of the first ceramic slurry was dried and vaporized during molding, the vaporization force of the first ceramic slurry became stronger than the coating strength of the second ceramic slurry. When the solvent evaporated from the rally film escaped, there were some cases where cracks occurred in the second ceramic slurry (indicated by Δ in the column of formability in the table).
[0107]
<Example 3>
Sample No. 1 in Example 1 except that toluene was used as the solvent for the ceramic slurry and the thixotropy index was adjusted by adjusting the solid content ratio to produce a ceramic green sheet. A ceramic green sheet similar to 6 was prepared and evaluated.
[0108]
[Table 3]
[0109]
The thickness variation of the ceramic green sheet is 20 points at equal intervals in the forming width direction of the ceramic green sheet as measurement points, the interval is 100 mm up to 2000 mm in the forming flow direction, and thereafter the forming length is 5 m.・ Set 10m and 50m, and measure a total of 460 points with a film thickness measuring instrument (model: Millitron 1240, measurement accuracy: ± 0.1%) manufactured by Seiko EM Co., Ltd., 3σ (3 times the standard deviation) ) Was evaluated as “◯” when the thickness accuracy was within 3% of the average thickness, “Δ” when the sample was within 4.5% of the average thickness, and “X” when the sample exceeded 4.5%.
[0110]
Sample No. 1 with a thixotropy index of 1 for the second ceramic slurry was used. In No. 14, the shape retention of the second ceramic slurry coated on the first ceramic slurry tends to decrease, the surface tends to be uneven during drying, and the thickness accuracy tends to deteriorate ( It is indicated by Δ in the column of thickness accuracy in the table).
[0111]
Sample No. with a thixotropy index of 6 was used. In No. 16, the moldability of the second ceramic slurry coated on the first ceramic slurry was lowered, and unevenness was generated on the surface, and the thickness accuracy was slightly deteriorated (thickness variation in the table). (Indicated by a triangle in the column).
[0112]
On the other hand, among the samples of the present invention, No. 2 is a sample in which the thixotropic index of the second ceramic slurry is 2 or more and 5 or less. No. 15 has good thickness accuracy and formability of the ceramic green sheet, and dimensional variation during lamination is ± 0.05% or less. No peeling or porcelain at the interface between the first and second layers is observed. It was good (indicated by a circle in the column of thickness accuracy, stacking dimensions, porcelain holes in the table).
[0113]
Note that the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications can be made without departing from the scope of the present invention.
[0114]
For example, in the example of the above-described embodiment, an inorganic powder, a binder, and a solvent are added and mixed to produce a ceramic slurry. However, a plasticizer may be added to impart flexibility to the ceramic green sheet. A dispersant may be added to increase the dispersibility of the inorganic powder.
[0115]
【The invention's effect】
According to the ceramic green sheet of the present invention, it is composed of an inorganic powder and a binder, and is composed of a first layer and a second layer having a lower tensile elongation than the first layer laminated thereon. ,The tensile elongation of the first layer and the second layer is in the range of 10% to 40%, and the difference in tensile elongation between the first layer and the second layer is 10% or more and 30%. In addition to the following ranges,Said first layerThe thickness ratio of the second layer to the second layer is 0.1 or more and 0.5 or less.Thus, when an external force such as lamination pressure or temperature is applied during lamination, the second layer is less likely to undergo plastic deformation because the tensile elongation is smaller than that of the first layer. Even if the first layer tries to cause plastic deformation, the second layer suppresses the plastic deformation of the first layer, and it is possible to effectively suppress variation in deformation during lamination.
[0116]
According to the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, the step of preparing the first ceramic slurry by kneading the inorganic powder, the first binder, and the solvent, and the inorganic powder and the first binder.Molecular weightPreparing a second ceramic slurry having a viscosity lower than that of the first ceramic slurry by kneading a second binder having a small particle size and a solvent; and applying a layer of the first ceramic slurry on the support. And the step of applying the layer of the second ceramic slurry on the layer of the first ceramic slurry, so that the first ceramic slurry is the second ceramic. Since the viscosity is higher than that of the rally and the fluidity is lower, when applying the second ceramic slurry onto the first ceramic slurry, the force to keep the surface shape of the smooth coating film of the first ceramic slurry. And the first and second ceramic slurries are integrated at the interface without being mixed. As a result, the first ceramic slurry and the second ceramic slurry are not mixed, and an integrated ceramic green sheet is obtained while maintaining the required composition of the first ceramic slurry and the second ceramic slurry. Is possible.
[0117]
In addition, since the second ceramic slurry layer is applied on the first ceramic slurry layer, the ceramic slurry is in a liquid form that is a component of a solvent that can easily form a smooth surface. Since the surface of the first ceramic slurry layer is not uneven and there is no problem with wettability, air entrainment at the interface between the first ceramic slurry layer and the second ceramic slurry layer is suppressed. As a result, in the green sheet obtained by drying the two-layer ceramic slurry, the case where the air entrained in this way remains as pores is reduced. For example, when a capacitor electrode pattern is formed by applying a conductive paste to the green sheet thus obtained to form a capacitor, it is effective to generate voids remaining in the dielectric layer after the ceramic green sheet is fired It is possible to reduce the insulation failure in the dielectric ceramic that is generated by concentrating the electric field in the holes when a voltage is applied to the capacitor electrode.
[0118]
In addition, when the evaporation rate index of the first ceramic slurry is higher than the evaporation rate index of the second ceramic slurry, the first ceramic slurry is applied when the second ceramic slurry is applied onto the first ceramic slurry. This is faster drying and fluidity is reduced, the force to maintain the surface shape of the smooth coating film, that is, the holding force is increased, the interface between the first and second ceramic slurry without mixing It becomes possible to obtain an integrated ceramic green sheet.
[0119]
In the method for producing a ceramic green sheet of the present invention, when the thixotropy index of the second ceramic slurry is 2 or more and 5 or less, the second ceramic slurry is applied onto the first ceramic slurry. In addition, since the viscosity and yield value of the second ceramic slurry are set to be moderately low, the second ceramic slurry can be molded more uniformly and smoothly while maintaining its shape retention. The leveling property of the second ceramic slurry coated on the first ceramic slurry can be further improved and obtained by drying the coated first ceramic slurry and the second ceramic slurry. It becomes possible to further improve the flatness of the ceramic green sheet.
[0120]
Furthermore, after the ceramic slurry is dried, a ceramic green sheet having a two-layer structure composed of a second layer having a lower tensile elongation than the first layer is formed on the first layer. When receiving the stacking pressure or temperature during stacking, the second layer has a lower tensile elongation than the first layer, so that plastic deformation hardly occurs. As a result, it is possible to effectively suppress variation in deformation during stacking.
[0121]
As described above, according to the ceramic green sheet of the present invention and the manufacturing method thereof, there is provided a ceramic green sheet having a small variation in deformation at the time of lamination and having no voids remaining due to air entrainment during coating, and a manufacturing method thereof. can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of an embodiment of a ceramic green sheet and a manufacturing method thereof according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of an apparatus showing an example of an embodiment of a method for producing a ceramic green sheet of the present invention.
FIG. 3 is an enlarged view of a main part of FIG. 2;
[Explanation of symbols]
1a: the first layer
1b ... the second layer
2 .... Support
3a: First coating head
3b: Second coating head
4 .... Dry section
5 ・ ・ ・ ・ ・ ・ First ceramic slurry
6 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Second ceramic slurry
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