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JP4467929B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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JP4467929B2
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Description

本発明は、二種類の燃料電池セルスタックを組み合わせて、高効率な発電を行うようにした燃料電池発電システムにおいて、低温で作動する燃料電池セルスタックを用いた燃料電池発電システムに関する。
図16は、二種類の燃料電池セルスタックを組み合わせて高効率な発電を行う従来の燃料電池発電システムの構成を示す図(例えば、非特許文献1参照)である。図16に示した従来の燃料電池発電システムでは、第一の燃料電池セルスタックとして固体酸化物形燃料電池セルスタックを用い、第二の燃料電池セルスタックとして固体高分子形燃料電池セルスタックを用いている。
図16に示した燃料電池発電システムは、主に脱硫器2、改質器3、固体酸化物形燃料電池セルスタック38、COシフトコンバータ4、CO選択酸化器5、凝縮器29、固体高分子形燃料電池セルスタック9、出力調整装置16、48、流量制御弁(10、11、27等)、空気供給用ブロワ12、および配管類により構成される。図16において、1は天然ガス、2は脱硫器、3は改質器、4はCOシフトコンバータ、5はCO選択酸化器、6は燃料極、7は固体高分子電解質、8は空気極、9は固体高分子形燃料電池セルスタック、10は固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25の流量を制御する流量制御弁、11はCO選択酸化器用空気26の供給量を制御する流量制御弁、12は空気供給用ブロワ、13は固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス、14は空気、15は固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、16は出力調整装置、17は負荷、18は燃料電池直流出力、19は送電端交流出力、20は一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させた改質ガス、21は一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス、22は水素リッチな改質ガス、23は水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス、24は脱硫天然ガス、25は固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気、26はCO選択酸化器用空気、27は天然ガス1の供給量を制御する流量制御弁、28は未反応水蒸気を凝縮させた改質ガス、29は凝縮器、30は電池反応による生成水、31は凝縮水、32は脱硫器リサイクル用改質ガス、33は脱硫器リサイクル用改質ガスの供給量を制御する流量制御弁、34はCO選択酸化器用改質ガス、35は燃料極、36は固体酸化物電解質、37は空気極、38は固体酸化物形燃料電池セルスタック、39は固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気、40は改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス41の供給量を制御する流量制御弁、41は改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、42は固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、43は固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量を制御する流量制御弁、44は固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス、45は排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、46は水素リッチな改質ガス22のCOシフトコンバータ4への供給量を制御する流量制御弁、47は水素リッチな改質ガス22の固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35への供給量を制御する流量制御弁、48は出力調整装置、49は負荷、50は燃料電池直流出力、51は送電端交流出力である。
上記「水素リッチ」とは、電池反応によって発電に寄与するに足りる濃度の水素を含有することを意味する。
図16において、固体高分子形燃料電池セルスタック9が一組の燃料極6、固体高分子電解質7、および空気極8からなる単セルによって構成されているように示されているが、実際には固体高分子形燃料電池セルスタック9は複数の単セルから構成されている。同様に、固体酸化物形燃料電池セルスタック38も一組の燃料極35、固体酸化物電解質36、および空気極37からなる単セルによって構成されているように示されているが、実際には固体酸化物形燃料電池セルスタック38は複数の単セルから構成されている。
以下、図16を用いて、二種類の燃料電池セルスタックを組み合わせて高効率な発電を行う従来の燃料電池発電システムの作用を説明する。燃料の天然ガス1を脱硫器2に供給する。天然ガス1の供給量は、あらかじめ設定された燃料電池直流出力18の電池電流および燃料電池直流出力50の電池電流と流量制御弁27の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁37の開度を制御することによって、燃料電池直流出力18の電池電流および燃料電池直流出力50の電池電流に見合った値に設定する。
脱硫器2では、充填された脱硫触媒のコバルト−モリブデン系触媒と酸化亜鉛吸着剤の働きにより、改質器3の改質触媒と固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6および固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35の電極触媒の劣化原因となる天然ガス1中のメルカプタン等の腐臭剤に含まれる硫黄分を水添脱硫により吸着除去する。すなわち、コバルト−モリブデン系触媒により最初に硫黄と水素を反応させて硫化水素を生成させ、次にこの硫化水素と酸化亜鉛を反応させることによって硫化亜鉛を生成させ、硫黄分を除去する。
硫化水素の生成に必要な水素を供給するために、水素リッチな一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部を、脱硫器リサイクル用改質ガス32として脱硫器2にリサイクルする。脱硫器リサイクル用改質ガス32の供給量は、あらかじめ設定された流量制御弁27の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁33の開度(すなわち、脱硫器リサクル用改質ガス32の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁33の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量と見合った値に設定する。硫化水素と硫化硫黄の生成反応は吸熱反応であり、反応に必要な反応熱は、後述する発熱反応であるCOシフトコンバータ4での水性シフト反応によって発生する熱をCOシフトコンバータ4から脱硫器2に供給することによって賄う。
脱硫器2で脱硫された脱硫天然ガス24は、固体酸化物形燃料電池セルスタック38で電池反応により生成した水蒸気を含む改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス41と混合した後に、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス23として改質器3に供給する。改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス41の供給量は、あらかじめ設定された流量制御弁27の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁40の開度(すなわち、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス41の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁40の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に対して水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス23のスチームカーボン比(水蒸気の天然ガス1中の炭秦に対するモル比)があらかじめ設定された所定の値となるように設定する。
改質器3では、充填されたニッケル、ルテニウム等の金属を担持したアルミナ等の金属酸化物からなる改質触媒の働きにより天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素リッチな改質ガス22が作られる。天然ガス1の主成分であるメタンの水蒸気改質反応は(化1)式で表される。
(メタンの水蒸気改質反応)
CH+HO→CO+3H………(化1)
この(化1)式に示したメタンの水蒸気改質反応等の炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、効率的に水素を生成させるためには、改質器3の外部から必要な反応熱を供給し、改質器3の温度を700〜750℃に維持することが必要である。このため、後述する改質器3の近傍に設置された800〜1000℃で発電を行う固体酸化物形燃料電池セルスタック38の高温排熱を、炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として改質器3に供給する。
改質器3で作られた水素リッチな改質ガス22の一部はCOシフトコンバータ4に供給し、残りは固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給する。COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス22の供給量は、あらかじめ設定された燃料電池直流出力18の直流電流と流量制御弁46の開度(すなわち、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス22の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁46の開度を制御することによって、燃料電池直流出力18の直流電流に見合った値に設定する。一方、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35への水素リッチな改質ガス22の供給量は、あらかじめ設定した燃料電池直流出力50の直流電流と流量制御弁47の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35への水素リッチな改質ガス22の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁47の開度を制御することによって、燃料電池直流出力50の直流電流に見合った値に設定する。
固体酸化物形燃料電池セルスタック38の空気極37には、空気供給用ブロワ12を用いて取り込んだ空気14の一部を固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39として供給する。固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量は、あらかじめ設定した燃料電池直流出力50の直流電流と流量制御弁43の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁43の開度を制御することによって、燃料電池直流出力50の直流電流に見合った値に設定する。
固体酸化物形燃料電池セルスタック38の空気極37では、金属酸化物系電極触媒の働きで、固体酸化物形燃料電池セルスタック発電用空気39中の酸素が(化2)式に示す空気極反応により電子と反応し酸素イオンに変わる。
(空気極反応)
1/2O+2e→O2−………(化2)
空気極37で生成した酸素イオンは、安定化ジルコニア(YSZ)等の固体酸化物電解質36の内部を移動し、燃料極35に到達する。燃料極35では、ニッケル−YSZサーメット、ルテニウム−YSZサーメット等の金属系電極触媒の働きで、空気極から固体酸化物電解質36の内部を燃料極に移動してきた酸素イオンが、(化3)式および(化4)式に示す反応により燃料極35に供給された水素リッチ改質ガス22中の水素および一酸化炭素と反応し、水蒸気または二酸化炭素と電子が生成する。
(燃料極反応)
+O2−→HO+2e………(化3)
CO+O2−→CO+2e………(化4)
燃料極35で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極37に到達する。空気極37に到達した電子は、前述した(化2)式に示した空気極反応により酸素と反応する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを燃料電池直流出力50として取り出すことができる。
(化2)式と(化3)式、および(化2)式と(化4)式をまとめると、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の電池反応は、(化5)式に示す水素と酸素から水蒸気ができる水の電気分解の逆反応と、(化6)式に示す一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が生成する反応として表すことができる。
(電池反応)
+1/2O→HO………(化5)
CO+1/2O→CO………(化6)
固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発電によって得られた燃料電池直流出力50は、負荷49に合わせて出力調整装置48で電圧の変換と直流から交流への変換を行った後に、送電端交流出力51として負荷49に供給する。なお、図16では、出力調整装置48で直流から交流への変換を行っているが、出力調整装置48で電圧変換のみを行い、送電端直流出力を負荷49に供給してもよい。
固体酸化物燃料電池セルスタック38の作動温度は、一般的に800〜1000℃であり、電池反応による発熱により作動温度が維持されている。このため、固体酸化物燃料電池セルスタック38の排熱は、前述したように改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応の反応熱として利用することができる。実際、固体酸化物燃料電池セルスタック38での電池反応による発熱量は多く、発電温度を維持するために、固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39を多量に固体酸化物形燃料電池セルスタック38の空気極37に供給し、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の冷却を行っており、空気極37での酸素利用率は20%程度である。したがって、天然ガス1の供給量に合わせて、固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量を変化させて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38から改質器3に供給する排熱量を変化させることによって、改質器3で効率的に炭化水素の水蒸気改質反応を行わせることが可能である。すなわち、あらかじめ設定した流量制御弁27の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁43の開度の補正量(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量の補正量)の関係に基づいて、天然ガス1の供給量が増加した場合には、流量制御弁43の開度を減少させることによって固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量を減少させる補正を行い、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度を800〜1000℃に維持しながら、空気極37での酸素利用率を上昇させると共に、固体酸化物形燃料電池セルスタック38から改質器3に供給する排熱量を増やす。一方、天然ガス1の供給量が減少した場合には、流量制御弁43の開度を増加させることによって固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気39の供給量を増加させる補正を行い、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度を800〜1000℃に維持しながら、空気極37での酸素利用率を低下させると共に、固体酸化物形燃料電池セルスタック38から改質器3に供給する排熱量を減らす。
燃料極35で電池反応により生成した水蒸気を含む固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42の一部は、前述したように改質器3での炭化水素の水蒸気改質反応に必要な水蒸気を供給するために、改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス41として脱硫天然ガス24と混合して改質器3に供給する。固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42の残りは、排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス45として排出する。この排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス45を、給湯、暖房、および吸収式冷凍機による冷房の熱源として利用することにより、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。また、固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス44も、給湯、暖房、および吸収式冷凍機の熱源として利用することにより、システムの電気出力と熱利用を合わせた総合熱効率を向上させることが可能である。
水素リッチな改質ガス22には、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6の電極触媒の劣化原因となる一酸化炭素が含まれているので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給しない水素リッチな改質ガス22は、銅−亜鉛系触媒等のシフト触媒が充填されたCOシフトコンバータ4に供給し、シフト触媒の働きにより(化7)式に示す水性シフト反応を行わせることによって、水素リッチな改質ガス22に含まれる一酸化炭素の濃度を1%以下まで低減させる。
(水性シフト反応)
CO+HO→CO+H………(化7)
水性シフト反応は発熱反応であり、発生した熱は脱硫器2に供給し、前述した吸熱反応である脱硫器2の硫化水素と硫化亜鉛の生成反応の反応熱として利用する。
COシフトコンバータ4でつくられた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部は、前述したように脱硫器リサイクル用改質ガス32として脱硫器2に供給し、残りは、一酸化炭素濃度が100ppm以上であると、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給した場合に電極触媒の劣化原因となるので、一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させるために、CO選択酸化器用改質ガス34として、白金、ルテニウム等の貴金属系触媒がCO選択酸化触媒として充填されたCO選択酸化器5に供給する。また、空気供給用ブロワ12で取り込んだ空気14の一部を、CO選択酸化器用空気26としてCO選択酸化器5に供給する。CO選択酸化器5では、CO選択酸化器用改質ガス34に含まれる一酸化炭素を、CO選択酸化用空気26中の酸素と反応させることによって二酸化炭素に変換し、CO選択酸化器用改質ガス34の一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させる。この発熱反応であるCO酸化反応を(化8)式に示す。
(CO酸化反応)
CO+1/2O→CO………(化8)
CO選択酸化器用空気26の供給量は、あらかじめ設定された流量制御弁46の開度(すなわち、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス22の供給量)と流量制御弁11の開度(すなわち、CO選択酸化器用空気26の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁11の開度を制御することによって、COシフトコンバータ4への水素リッチな改質ガス22の供給量に見合った値に設定する。 CO選択酸化器5で作られた一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させた改質ガス20に含まれる未反応水蒸気は、凝縮器29で100℃以下に冷却することによって、凝縮水31として回収する。凝縮器29で未反応水蒸気を凝縮させた改質ガス28は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給する。
一方、空気供給用ブロワ12で取り込んだ空気14の一部を、高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25として、固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8に供給する。固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8への固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25の供給量は、あらかじめ設定された燃料電池直流出力22の電池電流と流量制御弁10の開度(すなわち、固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁10の開度を制御することによって、燃料電池直流出力18の電池電流に見合った値に設定する。固体高分子形燃料電池セルスタック9の作動温度は、60〜80℃が一般的であり、電池反応による発熱により作動温度が維持される。
固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6では、白金系電極触媒の働きで、未反応水蒸気を凝縮させた改質ガス28中に含まれる水素の約80%が、(化9)式に示す燃料極反応により水素イオンと電子に変わる。
(燃料極反応)
→2H+2e………(化9)
燃料極6で生成した水素イオンは、ナフィオン等のスルフォン酸基を有するフッ素系高分子から構成される固体高分子電解質7の内部を移動し、空気極8に到達する。一方、燃料極6で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極8に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを燃料電池直流出力18として取り出すことができる。
固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8では、白金系電極触媒の働きで、燃料極6から固体高分子電解質7の内部を空気極8に移動してきた水素イオン、燃料極6から外部回路を空気極8に移動してきた電子、及び空気極8に供給された固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25中の酸索が、(化10)式に示す空気極反応により反応し、水が生成する。
(空気極反応)
2H+1/2O+2e→HO………(化10)
(化9)式と(化10)式をまとめると、固体高分子形燃料電池セルスタック9の電池反応は、(化11)式に示す水素と酸素から水ができる水の電気分解の逆反応として表すことができる。
(電池反応)
十1/2O→HO………(化11)
固体高分子形燃料電池セルスタック9の発電によって得られた燃料電池直流出力18は、負荷17に合わせて出力調整装置16で電圧の変換と直流から交流への変換を行った後に、送電端交流出力19として負荷17に供給する。なお、図16では、出力調整装置16で直流から交流への変換を行っているが、出力調整装置16で電圧変換のみを行い、送電端直流出力を負荷17に供給してもよい。 固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の空気極8で酸素の一部を(化10)式に示した空気極反応により消費した後に、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13として排出する。一方、未反応水蒸気を凝縮させた改質ガス28は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6で水素の約80%を(化9)式に示した燃料極反応により消費した後に、固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15として排出する。
なお、二種類の燃料電池セルスタックを組み合わせて発電を行う燃料発電システムは、本出願人による例えば、特願2002-327233号(未公開)がある。
「竹原善一郎監修:燃料電池の技術とその応用、pp.141-142、テクノシステム(2000)」
本発明の解決しようとする課題は、従来の固体酸化物形燃料電池セルスタックは、燃料極にニッケル−YSZサーメット、固体酸化物電解質にYSZ、空気極にランタンストロンチウムマンガナイト等の金属酸化物を用い、1000℃で作動し発電を行っていた。しかし、作動温度が高いと、寿命が短い、起動に長時間を要する、安価な金属材料の使用が困難であり装置コストが高いという間題があった。そこで、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の低温作動化に向けて、YSZに代わる低温での酸素イオン導電性が高い固体酸化物電解質材料と低温でも反応性が高い燃料極材料および空気極材料の開発が行われている。現在注目をあびている低温作動型固体酸化物形燃料電池セルスタックの一つに、燃料極35にNiO−(CeO0.8(SmO1.50.2等のニッケル−セリア系高性能サーメット燃料極、固体酸化物電解質にLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23−α等の高酸素イオン導電性ランタンガレート系電解質、空気極にSm0.5Sr0.5CoO3−δ等のサマリウムコバルタイト系高活性空気極を用いた固体酸化物形燃料電池セルスタックがあり、600〜800℃で作動することが期待されている。しかし、このような低温作動型固体酸化物形燃料電池セルスタックを図16に示した燃料電池発電システムに適用すると、長寿命化、起動時間の短縮、および装置の低コスト化が期待できるが、固体酸化物形燃料電池セルスタック38から改質器3に供給される排熱の温度が低下することによって改質器3の温度が700℃以下に低下すると、熱力学的な平行状態におけるメタン濃度が上昇し、その結果として水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度も上昇するので、固体酸化物形燃料電池スタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率が低下することによって、燃料電池発電システムの発電効率の低下を引き起こすという問題があった。
本発明の課題は、低温作動の燃料電池セルスタックを用いても高効率で発電することが可能な、二種類の燃料電池セルスタックを組み合わせた燃料電池発電システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、
請求項1に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記第一の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項2に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記第一の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭秦を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項3に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記第一の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項4に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項5に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
前記水素分離器で分離した前記水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項6に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項7に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
を有し、
前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものである燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項8に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
を有し、
前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスと前記水素分離器の排出ガスの一部を燃焼させるものである燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項9に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
を有し、
前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものである燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項10に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
燃料極で前記燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素を生成させると共に、前記水素、もしくは前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した熱を前記燃料極での前記燃料の水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、また、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた改質器と、
前記改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
を有し、
前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものである燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項11に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
燃料極で前記燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素を生成させると共に、前記水素、もしくは前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した熱を前記燃料極での前記燃料の水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、また、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた改質器と、
前記改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
を有し、
前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスと前記水素分離器の排出ガスの一部を燃焼させるものである燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項12に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
燃料極で前記燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素を生成させると共に、前記水素、もしくは前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した熱を前記燃料極での前記燃料の水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、また、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた改質器と、
前記改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
を有し、
前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものである燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項13に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって、二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項14に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項15に記載のように、燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有する燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項16に記載のように、請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムにおいて、前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックからなり、前記第二の燃料電池セルスタックが固体高分子形燃料電池セルスタックからなる燃料電池発電システムとするものである。
また、請求項17に記載のように、請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムにおいて、前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックからなり、前記第二の燃料電池セルスタックがりん酸形燃料電池セルスタックである燃料電池発電システムとするものである。
本発明によれば、低温作動の燃料電池セルスタックを用いても燃料の水蒸気改質反応によって発電に必要な水素リッチな改質ガスを効率的に作ることが可能であり、二種類の燃料電池セルスタックを組み合わせて高効率な燃料電池発電システムを実現できるという利点がある。
[実施例1]
図1は、実施例1として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図1において、前述した図16と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図1において、52は第一の改質器、53は第二の改質器、54は改質器バーナ、55はメタン濃度を低減させた改質ガス、56は改質器バーナ燃焼排出ガス、88はメタン濃度を低減させた改質ガス55のCOシフトコンバータヘの供給量を制御する流量制御弁、89はメタン濃度を低減させた改質ガス55の固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35への供給量を制御する流量制御弁である。
図1を用いて、実施例1で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。
本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図1に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図1を参照して説明する。本実施例では、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス23を第一の改質器52に供給する。第一の改質器52では、充填された改質触媒の働きにより天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素リッチな改質ガス22が作られる。この炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であり、効率的に水素を生成させるために、第一の改質器52の近傍に設置された固体酸化物形燃料電池セルスタック38の高温排熱を、炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として第一の改質器52に供給する。しかし、固体酸化物燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合には、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の排熱の温度が低下するために第一の改質器52の温度も700℃より低下し、熱力学的な平衡の関係で未反応メタンが水素リッチな改質ガス22中に多く含まれることになる。そこで、水素リッチな改質ガス22を700℃以上の温度に設定した第二の改質器53に供給し、充填された改質触媒の働きにより(化1)式に示したメタンの水蒸気改質反応を行わせ、水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度を低減させる。第二の改質器53の排出ガスであるメタン濃度が低減された改質ガス55の一部は、COシフトコンバータ4に供給し、残りは、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給する。
COシフトコンバータ4へのメタン濃度が低減された改質ガス55の供給量は、あらかじめ設定された燃料電池直流出力18の直流電流と流量制御弁88の開度(すなわち、COシフトコンバータ4へのメタン濃度が低減された改質ガス55の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁88の開度を制御することによって、燃料電池直流出力18の直流電流に見合った値に設定する。一方、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35へのメタン濃度が低減された改質ガス55の供給量は、あらかじめ設定した燃料電池直流出力50の直流電流と流量制御弁89の開度(すなわち、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35へのメタン濃度が低減された改質ガス55の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁89の開度を制御することによって、燃料電池直流出力50の直流電流に見合った値に設定する。
第二の改質器53を700℃以上に設定し吸熱反応であるメタンの水蒸気改質反応を行わせるために、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ54に供給し、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13中の未反応酸素と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15中の未反応燃料および未反応水素を燃焼させることによって、改質器バーナ54から第二の改質器53に必要な熱を供給する。改質器バーナ54からは改質バーナ燃焼排ガス56を放出する。なお、図1では、第二の改質器53に必要な熱を供給するために、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ54に供給し燃焼させたが、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13、固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス44、および空気14のいずれか一つ以上と、固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15と排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス45の一つ以上を改質器バーナ54に供給し、酸素と未反応燃料、未反応水素、および未反応一酸化炭素を燃焼させれば、改質器バーナ54での燃焼のために新たに燃料である天然ガス1を供給することなく、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を効率的に行わせ、水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度を低減させることができる。
図1に示した実施例1では、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例2]
図2は、実施例2として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図2において、前述した図16および図1と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図2において、57は水素分離器、58は水素分離器排出ガス、59は水素、60は未反応水素、61はパージ弁、62はパージガス、63は水素分離器用改質ガスである。
図2を用いて、実施例2で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図2に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点と、CO選択酸化器5と凝縮器29の代わりに水素分離器57を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図2を参照して説明する。本実施例では、第二の改質器53を700℃以上に設定し吸熱反応であるメタンの水蒸気改質反応を行わせるために、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ54に供給し、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13中の未反応酸素と水素分離器排出ガス58中の未反応燃料および未反応水素を燃焼させることによって、改質器バーナ54から第二の改質器53に必要な熱を供給する。改質器バーナ54からは改質バーナ燃焼排ガス56を放出する。なお、図2では、第二の改質器53に必要な熱を供給するために、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ54に供給し燃焼させたが、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13、固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス44、および空気14のいずれか一つ以上と、水素分離器排出ガス58と排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス45のいずれか一つ以上を改質器バーナ54に供給し、酸素と未反応燃料、未反応水素、および未反応一酸化炭素を燃焼させれば、改質バーナ54での燃焼のために新たに燃料である天然ガス1を供給することなく、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を効率的に行わせ、水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度を低減させることができる。
COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部は、水素分離器用改質ガス63としてパラジウム膜等の水素分離膜を有する水素分離器57に供給され、水素59が分離される。その際、効率的な水素分離を行うために、必要に応じて水素分離器用改質ガス63の加圧を行う。水素59は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給され、固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気25中の酸素と電気化学的に反応させることによって、固体高分子形燃料電池セルスタック9の発電が行われる。未反応水素60は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の送電端効率を向上させるために、すべて燃料極6にリサイクルして発電に利用する。しかし、未反応水素60中には、水素以外の不純物が若干含まれるので、パージ弁61を間欠的に開け、パージガス62を放出する。
図2に示した実施例2においても、図1に示した実施例1と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例3]
図3は、実施例3として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図3において、前述した図16、図1、および図2と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図3において、64は燃料極、65はりん酸電解質、66は空気極、67はりん酸形燃料電池セルスタック、68はりん酸形燃料電池セルスタック用改質ガス、69はりん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス、70はりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、85はりん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気、86はりん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気85の供給量を制御する流量制御弁である。
図3を用いて、実施例3で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図3に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点、CO選択酸化器5と凝縮器29が不要で、燃料極6、固体高分子電解質7、および空気極8からなる単セルより構成される固体高分子形燃料電池セルスタック9の代わりに、燃料極64、りん酸電解質65、空気極66からなる単セルより構成されるりん酸形燃料電池セルスタック67を設けた点が異なる。なお、図3において、りん酸形燃料電池セルスタック67が一組の燃料極64、りん酸電解質65、および空気極66からなる単セルによって構成されているように示されているが、実際にはりん酸形燃料電池セルスタック67は複数の単セルから構成されている。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図3を参照して説明する。本実施例では、第二の改質器53を700℃以上に設定し吸熱反応であるメタンの水蒸気改質反応を行わせるために、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ54に供給し、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69中の未反応酸素とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70中の未反応燃料および未反応水素を燃焼させることによって、改質器バーナ54から第二の改質器53に必要な熱を供給する。改質器バーナ54からは改質器バーナ燃焼排出ガス56を放出する。なお、図3では、第二の改質器53に必要な熱を供給するために、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ54に供給し燃焼させたが、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69、固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス44、および空気14のいずれか一つ以上と、りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70と排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス45の一つ以上を改質器バーナ54に供給し、酸素と未反応燃料、未反応水素、および未反応一酸化炭素を燃焼させれば、改質器バーナ54での燃焼のために新たに燃料である天然ガス1を供給することなく、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を効率的に行わせ、水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度を低減させることができる。
COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭秦濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部を、りん酸形燃料電池セルスタック用改質ガス68として第二の燃料電池セルスタックであるりん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極64に供給する。一方、空気供給用ブロア12で取り込んだ空気14の一部を、りん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気85として、りん酸形燃料電池セルスタック67の空気極66に供給する。りん酸形燃料電池セルスタック67の空気極66へのりん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気85の供給量は、あらかじめ設定された燃料電池直流出力18の電池電流と流量制御弁86の開度(すなわち、りん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気85の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁86の開度を制御することによって、燃料電池直流出力18の電池電流に見合った値に設定する。りん酸形燃料電池セルスタック67の作動温度は190℃が一般的であり、電池反応による発熱により作動温度が維持される。
りん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極64では、白金系電極触媒の働きで、りん酸形燃料電池セルスタック用改質ガス68中に含まれる水素の約80%が、固体高分子形燃料電池セルスタックの場合と同様に(化9)式に示した燃料極反応により水素イオンと電子に変わる。燃料極65で生成した水素イオンは、りん酸電解質の内部を移動し、空気極66に到達する。一方、燃料極64で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極66に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で電気エネルギーを燃料電池直流出力18として取り出すことができる。
りん酸形燃料電池セルスタック67の空気極66では、白金系電極触媒の働きで、燃料極64からりん酸電解質65の内部を空気極66に移動してきた水素イオン、燃料極64から外部回路を空気極66に移動してきた電子、および空気極66に供給されたりん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気85中の酸索が、固体高分子形燃料電池セルスタックの場合と同様に(化10)式に示した空気極反応により反応し、水が生成(水蒸気で生成)する。(化9)式と(化10)式をまとめると、りん酸形燃料電池セルスタック67の電池反応は、固体高分子形燃料電池セルスタックの場合と同様に、(化11)式に示した水素と酸素から水ができる水の電気分解の逆反応として表すことができる。
りん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気85は、りん酸形燃料電池セルスタック67の空気極66で酸素の一部を(化10)式に示した空気極反応により消費した後に、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69として排出する。一方、りん酸形燃料電池セルスタック用改質ガス68は、りん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極64で水素の約80%を(化9)式に示した燃料極反応により消費した後に、りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70として排出する。
図3に示した実施例3においても、図1および図2に示した実施例1および実施例2と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69と、りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38とりん酸形燃料電池セルスタック67で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例4]
図4は、実施例4として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図4において、前述した図16、図1、図2、および図3と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図4において、71は一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、72はCO選択酸化器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、73は一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、74は未反応水蒸気を凝縮させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、75は脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、76は脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス75の供給量を制御する流量制御弁、77はCOシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスである。
図4を用いて、実施例4に例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図4に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点と、水素リッチな改質ガス22の代わりにCOシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス77をシフトコンバータ4に供給する点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図4を参照して説明する。本実施例では、脱硫器2で、第一の改質器52および第二の改質器53の改質触媒と固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6および固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35の電極触媒の劣化原因となる天然ガス1中のメルカプタン等の腐臭剤に含まれる硫黄分を水添脱硫により吸着除去する。すなわち、コバルト−モリブデン系触媒により最初に硫黄と水素を反応させて硫化水素を生成させ、次にこの硫化水素と酸化亜鉛を反応させることによって硫化亜鉛を生成させ、硫黄分を除去する。硫化水秦の生成に必要な水素を供給するために、水素リッチな一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部を、脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス75として脱硫器2にリサイクルする。脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス75の供給量は、あらかじめ設定された流量制御弁27の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁76の開度(すなわち、脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス75の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁76の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量と見合った値に設定する。
第二の改質器53でメタン濃度が低減された改質ガス55は、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給し、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発電を行う。
COシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス77には、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6の電極触媒の劣化原因となる一酸化炭素が含まれているので、COシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス77はCOシフトコンバータ4に供給し、COシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス77中の一酸化炭素濃度を1%以下まで低減させる。COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部は、前述したように脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス75として脱硫器2に供給し、残りは、一酸化炭素濃度が100ppm以上であると、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給した場合に電極触媒の劣化原因となるので、一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させるために、CO選択酸化器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス72としてCO選択酸化器5に供給する。CO選択酸化器5では、CO選択酸化器用の固体酸化物形燃料電池の燃料極排出ガス72中の一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させる。
CO選択酸化器用空気26の供給量は、あらかじめ設定された流量制御弁27の開度(すなわち、天然ガス1の供給量)と流量制御弁11の開度(すなわち、CO選択酸化器用空気26の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁11の開度を制御することによって、天然ガス1の供給量に見合った値に設定する。
CO選択酸化器5で作られた一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス73に含まれる未反応水蒸気は、凝縮器29で100℃以下に冷却することによって、凝縮水31として回収する。凝縮器29で未反応水蒸気を凝縮させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス74は、固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6に供給する。
固体高分子形燃料電池セルスタック9の燃料極6では、白金系電極触媒の働きで、未反応水蒸気を凝縮させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス74に含まれる水素の約80%が、(化9)式に示した燃料極反応により水素イオンと電子に変わる。燃料極6で生成した水素イオンは、ナフィオン等のスルフォン酸基を有するフッ素系高分子から構成される固体高分子電解質7の内部を移動し、空気極8に到達する。一方、燃料極6で生成した電子は、外部回路を移動し、空気極8に到達する。この電子が外部回路を移動する過程で、電気エネルギーを燃料電池直流出力18として取り出すことができる。
図4に示した実施例4においても、図1、図2、および図3に示した実施例1、実施例2、および実施例3と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例5]
図5は、実施例5として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図5において、前述した図16、図1、図2、図3、および図4と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図5において、78は水素分離器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスである。
図5を用いて、実施例5で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図5に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点、水素リッチな改質ガス22の代わりにCOシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス77をシフトコンバータ4に供給する点、およびCO選択酸化器5と凝縮器29の代わりに水素分離器57を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図5を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部は、水素分離器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス78としてパラジウム膜等の水素分離膜を有する水素分離器57に供給され、水素59が分離される。その際、効率的な水素分離を行うために、必要に応じて水素分離器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス78の加圧を行う。
図5に示した実施例5においても、図1、図2、図3、および図4に示した本発明の実施例1、実施例2、実施例3、および実施例4と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例6]
図6は、実施例6として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図6において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、および図5と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図6において、79はりん酸形燃料電池セルスタック用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスである。
図6を用いて、実施例6で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図6に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点、水素リッチな改質ガス22の代わりにCOシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス77をCOシフトコンバータ4に供給する点、およびCO選択酸化器5と凝縮器29が不要で、燃料極6、固体高分子電解質7、および空気極8からなる単セルより構成される固体高分子形燃料電池セルスタック9の代わりに、燃料極64、りん酸電解質65、空気極66からなる単セルより構成されるりん酸形燃料電池セルスタック67を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図6を参照して説明する。本実施例では、一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部を、りん酸形燃料電池セルスタック用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス79として、りん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極64に供給し、りん酸形燃料電池セルスタック67の発電を行う。
図6に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、および図5に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、および実施例5と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38とりん酸形燃料電池セルスタック67で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例7]
図7は、実施例7として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図7において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、および図6と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図7において、80は第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス、81はメタン濃度を低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスである。
図7を用いて、実施例7で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図7に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点と、第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80を第二の改質器53に供給する点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図7を参照して説明する。本実施例では、固体酸化物燃料電池セルスタック38の発電温度が600〜800℃と低い場合には、第一の改質器52の温度が700℃より低下し、熱力学的な平衡の関係で未反応メタンが水素リッチな改質ガス22中に多く含まれることになる。水素リッチな改質ガス22は、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給され、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発電が行われる。未反応メタンを多く含む第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80は、第二の改質器53に供給され、充填された改質触媒の働きにより(化1)式に示したメタンの水蒸気改質反応を行わせ、第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタン濃度を低減させる。メタン濃度を低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス81は、COシフトコンバータ4に供給する。
図7に示した実施例7においても、図1、図2、図3、図4、図5、および図6に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、および実施例6と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例8]
図8は、実施例8として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図8において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
図8を用いて、実施例8で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図8に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点、第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80を第二の改質器53に供給する点、CO選択酸化器5と凝縮器29の代わりに水素分離器57を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図8を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータ4の排出ガスである一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部を、水素分離器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス78として水素分離器58に供給する。
図8に示した実施例8においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、および実施例7と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発電温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例9]
図9は、実施例9として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図9において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、および図8と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
図9を用いて、実施例9で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図9に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点、第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80を第二の改質器53に供給する点、およびCO選択酸化器5と凝縮器29が不要で、燃料極6、固体高分子電解質7、および空気極8からなる単セルより構成される固体高分子形燃料電池セルスタック9の代わりに、燃料極64、りん酸電解質65、空気極66からなる単セルより構成されるりん酸形燃料電池セルスタック67を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図9を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部を、りん酸形燃料電池セルスタック用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス79としてりん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極64に供給し、りん酸形燃料電池セルスタック67の発電を行う。
図9に示した実施例9においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、および図8に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、および実施例8と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低下するために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス80中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38とりん酸形燃料電池セルスタック67で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例10]
図10は、実施例10として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図10において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、および図9と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図10において、82は改質器、83は改質器バーナ、84は改質器バーナ燃焼排出ガス、87は改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガスである。
図10を用いて、実施例10で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図10に示したように、改質器3の代わりに、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87を供給し、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせる改質器バーナ83を有する改質器82を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図10を参照して説明する。本実施例では、水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス23を固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給する。固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35では、燃料極触媒の働きにより天然ガス1に含まれる炭化水素の水蒸気改質反応が行われ、水素と一酸化炭素が生成する。燃料極35で生成した水素と一酸化炭素がその場で(化3)式および(化4)式に示した燃料極反応により消費され、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発電が行われる。炭化水素の水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、発電に伴う固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発熱を、炭化水素の水蒸気改質反応に必要な反応熱として利用する。しかし、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が700℃より低い場合には、天然ガス1中の炭化水素がすべて水素と一酸化炭素に変換されることはなく、熱力学的な平衡の関係で未反応のメタンが固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42中に多く存在することになる。
そこで、未反応メタンを含む固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42の一部を、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87として改質器82に供給する。改質器82では、充填されたニッケル、ルテニウム等の金属を担持したアルミナ等の金属酸化物からなる改質触媒の働きにより、(化1)式に示した改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることにより、メタン濃度を低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス81が作られる。(化1)式に示したメタンの水蒸気改質反応は吸熱反応であり、反応に必要な反応熱は、改質器バーナ83に固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を供給し、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13中の未反応酸素と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15中の未反応燃料および未反応水素を燃焼させることによって、改質器バーナ83から改質器82に供給する。改質器バーナ83からは改質器バーナ燃焼排ガス84を放出する。COシフトコンバータ4の排出ガスである一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部は、CO選択酸化器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス72としてCO選択酸化器5に供給する。
図10では、改質器82に必要な熱を供給するために、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ83に供給し燃焼させたが、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13、固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス44、および空気14のいずれか一つ以上と、固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ83に供給し、酸素と未反応燃料および未反応水素を燃焼させれば、改質器バーナ83での燃焼のために新たに燃料である天然ガス1を供給することなく、改質器82で改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を効率的に行わせ、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタン濃度を低減させることができる。
図10に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、および図9に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、および実施例9と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42中のメタン濃度が上昇しても、改質器82で改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、改質器82での改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ83で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例11]
図11は、実施例11として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図11において、前述した図16、図1、図2、図3、図4図5、図6、図7、図8、図9、および図10と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
図11を用いて、実施例11で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図11に示したように、改質器3の代わりに、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87を供給し、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせる改質器バーナ83を有する改質器82を設けた点と、CO選択酸化器5と凝縮器29の代わりに水素分離器57を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図11を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部は、水素分離器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス78として水素分離器57に供給する。
図11に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6図7、図8、図9、および図10に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、および実施例10と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の発電温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42中のメタン濃度が上昇しても、改質器82で改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、改質器82での改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ83で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例12]
図12は、実施例12として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図12において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、および図11と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
図12を用いて、実施例12で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例による燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図12に示したように、改質器3の代わりに、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87を供給し、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせる改質器バーナ83を有する改質器82を設けた点と、CO選択酸化器5と凝縮器29が不要で、燃料極6、固体高分子電解質7、および空気極8からなる単セルより構成される固体高分子形燃料電池セルスタック9の代わりに、燃料極64、りん酸電解質65、空気極66からなる単セルより構成されるりん酸形燃料電池セルスタック67を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図12を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス71の一部を、りん酸形燃料電池セルスタック用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス79として、りん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極に供給し、りん酸形燃料電池セルスタック67の発電を行う。改質器82を700℃以上に設定し吸熱反応であるメタンの水蒸気改質反応を行わせるために、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ83に供給し、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69中の未反応酸素とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70中の未反応燃料および未反応水素を燃焼させることによって、改質器バーナ83から改質器82に必要な熱を供給する。改質器バ一ナ83からは改質器バーナ燃焼排出ガス56を放出する。
なお、図12では、改質器82に必要な熱を供給するために、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69とりん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ83に供給し燃焼させたが、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69、固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス44、および空気14のいずれか一つ以上と、りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ83に供給し、酸素と未反応燃料および未反応水素を燃焼させれば、改質器バーナ83での燃焼のために新たに燃料である天然ガス1を供給することなく、改質器82で改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を効率的に行わせ、改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタン濃度を低減させることができる。
図12に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、および図11に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、および実施例11と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス42中のメタン濃度が上昇しても、改質器82で改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、改質器82での改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス87中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69と、りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ83で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38とりん酸形燃料電池セルスタック67で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例13]
図13は、実施例13として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図13において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、および図12と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。図13において、90は水素リッチな改質ガス22の第二の改質器への供給量を制御する流量制御弁である。
図13を用いて、実施例13で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図13に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図13を参照して説明する。本実施例では、第一の改質器52で作られた水素リッチな改質ガス22の一部は第二の改質器53に供給し、残りは固体酸化物形燃料電池セルスタック38の燃料極35に供給する。第二の改質器53への水素リッチな改質ガス22の供給量は、あらかじめ設定された燃料電池直流出力18の直流電流と流量制御弁90の開度(すなわち、第二の改質器55への水素リッチな改質ガス22の供給量)の関係に基づいて、流量制御弁90の開度を制御することによって、燃料電池直流出力18の直流電流に見合った値に設定する。第二の改質器53の排出ガスであるメタン濃度を低下させた改質ガス55はすべてCOシフトコンバータ4に供給する。COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部は、CO選択酸化器用改質ガス34としてCO選択酸化器5に供給する。
図13に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、および図12に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、および実施例12と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス15を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例14]
図14は、実施例14として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図14において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12、および図13と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
図14を用いて、実施例14で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図14に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点と、CO選択酸化器5と凝縮器29の代わりに水素分離器57を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図14を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータ4で作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部は、水素分離器用改質ガス63として水素分離器57に供給する。
図14に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12、および図13に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、および実施例13と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中の未反応メタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス13と水素分離器排出ガス58を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38と固体高分子形燃料電池セルスタック9で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
[実施例15]
図15は、実施例15として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図である。図15において、前述した図16、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13、および図14と同一のものは同一符号で表し、これらのものについてはその説明を省略する。
図15を用いて、実施例15で例示した本発明の燃料電池発電システムについて説明する。本実施例の燃料電池発電システムは、図16に示した従来の燃料電池発電システムとは、図15に示したように、改質器3の代わりに第一の改質器52と第二の改質器53という二つの改質器を設け、さらに第二の改質器53には改質器バーナ54を設けた点と、CO選択酸化器5と凝縮器29が不要で、燃料極6、固体高分子電解質7、および空気極8からなる単セルより構成される固体高分子形燃料電池セルスタック9の代わりに、燃料極64、りん酸電解質65、空気極66からなる単セルより構成されるりん酸形燃料電池セルスタック67を設けた点が異なる。
次に、本実施例の燃料電池発電システムの作用について、図15を参照して説明する。本実施例では、COシフトコンバータで作られた一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス21の一部は、りん酸形燃料電池セルスタック用改質ガス68としてりん酸形燃料電池セルスタック67の燃料極64に供給し、りん酸形燃料電池セルスタック67の発電を行う。
図15に示した本実施例においても、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13、および図14に示した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、実施例13、および実施例14と同様に、図16に示した従来例と比べて、固体酸化物形燃料電池セルスタック38の作動温度が600〜800℃と低い場合に、固体酸化物燃料電池セルスタック38から第一の改質器52に供給される排熱の温度が低いために第一の改質器52の温度が700℃以下に低下して水素リッチな改質ガス22中のメタン濃度が上昇しても、第二の改質器53で水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応を行わせることによって水素が作られ、また、第二の改質器53での水素リッチな改質ガス22中のメタンの水蒸気改質反応に必要な反応熱は、新たに燃料である天然ガス1を用いることなく、りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス69と、りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス70を改質器バーナ54で燃焼させることによって供給するので、固体酸化物形燃料電池セルスタック38とりん酸形燃料電池セルスタック67で有効利用される燃料の割合を示すメタン換算の燃料利用率の低下を抑制することができ、燃料電池発電システムの発電効率の低下を抑えることが可能である。
実施例1として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例2として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例3として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例4として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例5として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例6として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例7として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例8として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例9として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例10として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例11として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例12として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例13として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例14として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 実施例15として例示した本発明の燃料電池発電システムの構成を示す図。 従来の燃料電池発電システムの構成を示す図。
符号の説明
1 天然ガス 2 脱硫器
3 改質器 4 COシフトコンバータ
5 CO選択酸化器 6 燃料極
7 固体高分子電解質 8 空気極
9 固体高分子形燃料電池セルスタック
10 流量制御弁 11 流量制御弁
12 空気供給用ブロワ
13 固体高分子形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス
14 空気
15 固体高分子形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
16 出力調整装置 17 負荷
18 燃料電池直流出力 19 送電端交流出力
20 一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させた改質ガス
21 一酸化炭素濃度を1%以下に低減させた改質ガス
22 水素リッチな改質ガス
23 水蒸気と脱硫天然ガスの混合ガス
24 脱硫天然ガス
25 固体高分子形燃料電池セルスタックの発電用空気
26 CO選択酸化器用空気 27 流量制御弁
28 未反応水蒸気を凝縮させた改質ガス
29 凝縮器 30 電池反応による生成水
31 凝縮水 32 脱硫器リサイクル用改質ガス
33 流量制御弁 34 CO選択酸化器用改質ガス
35 燃料極 36 固体酸化物電解質
37 空気極 38 固体酸化物形燃料電池セルスタック
39 固体酸化物形燃料電池セルスタックの発電用空気
40 流量制御弁
41 改質器リサイクル用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
42 固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
43 流量制御弁
44 固体酸化物形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス
45 排出用固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
46 流量制御弁 47 流量制御弁
48 出力調整装置 49 負荷
50 燃料電池直流出力 51 送電端交流出力
52 第一の改質器 53 第二の改質器
54 改質器バーナ 55 メタン濃度を低減させた改質ガス
56 改質器バーナ燃焼排出ガス 57 水素分離器
58 水素分離器排出ガス 59 水素
60 未反応水素 61 パージ弁
62 パージガス 63 水素分離器用改質ガス
64 燃料極 65 りん酸電解質
66 空気極 67 りん酸形燃料電池セルスタック
68 りん酸形燃料電池セルスタック用改質ガス
69 りん酸形燃料電池セルスタックの空気極排出ガス
70 りん酸形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
71 ー酸化炭素濃度を1%以下に低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
72 CO選択酸化器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
73 一酸化炭素濃度をppmオーダーに低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
74 未反応水蒸気を凝縮させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
75 脱硫器リサイクル用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
76 流量制御弁
77 COシフトコンバータ用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
78 水素分離器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
79 りん酸形燃料電池セルスタック用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
80 第二の改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
81 メタン濃度を低減させた固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
82 改質器 83 改質器バーナ
84 改質器バーナ燃焼排出ガス
85 りん酸形燃料電池セルスタックの発電用空気
86 流量制御弁
87 改質器用の固体酸化物形燃料電池セルスタックの燃料極排出ガス
88 流量制御弁 89 流量制御弁
90 流量制御弁

Claims (17)

  1. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記第一の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
    前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記第一の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭秦を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
    前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  3. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記第一の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  4. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
    前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  5. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
    前記水素分離器で分離した前記水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  6. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  7. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
    前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
    を有し、
    前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  8. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
    前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
    を有し、
    前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスと前記水素分離器の排出ガスの一部を燃焼させるものであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  9. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
    を有し、
    前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  10. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    燃料極で前記燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素を生成させると共に、前記水素、もしくは前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した熱を前記燃料極での前記燃料の水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、また、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた改質器と、
    前記改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
    前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
    を有し、
    前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  11. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    燃料極で前記燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素を生成させると共に、前記水素、もしくは前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した熱を前記燃料極での前記燃料の水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、また、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた改質器と、
    前記改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排出ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
    前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
    を有し、
    前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスと前記水素分離器の排出ガスの一部を燃焼させるものであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  12. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    燃料極で前記燃料の水蒸気改質反応によって水素と一酸化炭素を生成させると共に、前記水素、もしくは前記水素および前記一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した熱を前記燃料極での前記燃料の水蒸気改質反応に必要な反応熱として消費し、また、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記燃料極に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記燃料極排出ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた燃料極排出ガスを作る改質器バーナを設けた改質器と、
    前記改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた燃料極排ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、
    を有し、
    前記改質器バーナは、前記第二の燃料電池セルスタックの空気極排出ガスおよび燃料極排出ガスを燃焼させるものであることを特徴とする燃料電池発電システム。
  13. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって、二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の一酸化炭素を酸素で酸化し二酸化炭素に変換するCO選択酸化器と、
    前記CO選択酸化器の排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  14. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を選択的に分離する水素分離器と、
    前記水素分離器で分離した前記水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  15. 燃料の水蒸気改質反応によって生成する水素と酸素を電気化学的に反応させることによって発電を行う燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料の水蒸気改質反応によって水素リッチな改質ガスを作る第一の改質器と、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中の水素、もしくは水素および一酸化炭素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行い、前記発電に伴って発生した排熱を前記第一の改質器に供給すると共に、前記発電に伴って生成した水蒸気を含む燃料極排出ガスを前記第一の改質器に供給する第一の燃料電池セルスタックと、
    前記第一の改質器から排出される前記水素リッチな改質ガス中のメタンの水蒸気改質反応によってメタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガスを作る改質器バーナを設けた第二の改質器と、
    前記第二の改質器から排出される前記メタン濃度を低減させた水素リッチな改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させることによって二酸化炭素と水素に変換するCOシフトコンバータと、
    前記COシフトコンバータの排出ガス中の水素を酸素と電気化学的に反応させることによって発電を行う第二の燃料電池セルスタックと、を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムにおいて、前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックからなり、前記第二の燃料電池セルスタックが固体高分子形燃料電池セルスタックからなることを特徴とする燃料電池発電システム。
  17. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムにおいて、前記第一の燃料電池セルスタックが固体酸化物形燃料電池セルスタックからなり、前記第二の燃料電池セルスタックがりん酸形燃料電池セルスタックであることを特徴とする燃料電池発電システム。
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