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JP4465739B2 - 密封装置 - Google Patents

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JP4465739B2
JP4465739B2 JP15589699A JP15589699A JP4465739B2 JP 4465739 B2 JP4465739 B2 JP 4465739B2 JP 15589699 A JP15589699 A JP 15589699A JP 15589699 A JP15589699 A JP 15589699A JP 4465739 B2 JP4465739 B2 JP 4465739B2
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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、各種装置の軸封部等に利用される密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の密封装置としては、例えば図5に示すようなものがある。この密封装置100は、図5に示す通り、大きく分けるとゴム状弾性体製のシール部102と、ハウジング115に固定される固定部104と、この二つの部分の間に介在するベロー部103と、から構成される。
【0003】
また更に、シール部102は、軸111に接触し、密封対象側Sの油などを密封するシールリップ102Aと、バンパー部102Bと、から構成されている。
【0004】
軸111が全く偏心せず、首振りもしなければ、バンパー部102Bは軸111に当接することなく、シールリップ102Aによってシールされる。
【0005】
これに対し、軸111の偏心及び首振り運動時には、バンパー部102Bが軸111から直接に力を受け、ベロー部103にその力を伝え、そのベロー部103が撓むことにより軸111のほとんどの変位を吸収する構成となっている。
【0006】
即ち、バンパー部102Bは、軸111が傾斜した際、シールリップ102Aの軸111に対する接触状態が変化しないように、軸111の傾斜による力をベロー部103へ伝えるためのものである。
【0007】
これにより、シール部102からみた軸111の相対位置関係は、上記のようにベロー部103によって吸収された部分以外の、バンパー部102Bを中心とした首振り運動が主となる。この場合にも、シールリップ102Aが軸111に対し追随し、比較的大きな偏心運動や首振り運動にも対応することができる構成になっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、シール部102はゴムによって一体成型されたものが一般的であり、バンパー部102Bも他のシールリップ102A等と同様に比較的剛性の低いゴムからなっていたため、高偏心時に、シールリップ102Aが軸111に対し追随できず、シール性が悪化していた。
【0009】
これはつまり、高偏心時に、軸111に対して強く当たっているバンパー部102Bの周方向の当接部分が変形することから、バンパー部102Bのこの変形する当接部分の周方向の反対側部分が偏心に追随できずに軸111との間に隙間を形成し、バンパー部102Bを根元として支持されているシールリップ102Aと軸111との間にも隙間ができてしまっていたためである。
【0010】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、バンパー部の偏心時の変形を抑えることによって、シールリップのシール性を向上する高品質の密封装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、互いに同心的に相対可動自在に組みつけられる2部材間の環状の隙間をシールするもので、前記2部材の内一方の部材に固定される固定部と、前記2部材の内他方の部材に摺動自在に密封接触するシール部と、該シール部と前記固定部間に設けられ、シール部を前記他方の部材の偏心に対して追随させるためのベロー部と、を備え、前記シール部は、前記他方の部材に摺動自在に密封接触するゴム状弾性体製のシールリップと、該シールリップの大気側に連続して設けられ、前記他方の部材の偏心によって受けた力を前記ベロー部に伝えるゴム状弾性体製のバンパー部とを有する密封装置において、前記バンパー部に、該バンパー部を補強する、剛性を有するリングが設けられており、該リングは、前記バンパー部の外周面に嵌め込まれる嵌め込み部と、大気側からのダストが前記シールリップまで到達させるのを抑制するダストリップとを有することを特徴とする。
【0012】
したがって、バンパー部を補強して強化することができるので、高偏心時でも、バンパー部の変形を抑えることができ、ひいてはシールリップが密接しなくなることを防止してシール性を向上することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
参考例)図1は、参考例に係る密封装置を示す図である。
【0017】
図1において、密封装置1は、従来技術と同様に軸封部で、互いに相対移動自在に組み付けられた2部材としてのハウジング15とハウジング15内に挿入される軸11間の環状の隙間を密封するものである。
【0018】
密封装置1は、概略、軸11に密封接触するシールリップ2Aを有するシール部2と、ハウジング15の内周に嵌合固定される固定部4と、この二つの部分の間に介在する波形状のベロー部3と、を備えている。
【0019】
固定部4は、固定部4の変形を防止する補強環7と、補強環7に一体的に焼付き固定されたゴム状弾性体6と、から成っている。
【0020】
補強環7は、円筒部71と円筒部71の大気側A端部で内径方向に延びる内向きフランジ部72とを有する円筒状部材である。この補強環7の内向きフランジ部72の大気側A端面と円筒部71の外周面及び密封対象側S端面に連続してゴム状弾性体6が一体的に焼付き固定されている。
【0021】
この固定部4は、補強環7の円筒部71がハウジング2の内周面にゴム状弾性体6を介して嵌合され固定されている。
【0022】
一方、補強環7の内向きフランジ部72の内端にゴム状弾性体製のベロー部3が設けられており、このベロー部3の内端にシール部2が設けられている。
【0023】
ベロー部3は、軸11が偏心や首振りを起こした場合に、シール部2のバンパー部2Bから軸11の傾斜する力が直接伝えられ、その力で撓むことにより、軸11のほとんどの変位を吸収し、シール部2の形状及び軸11に対する相対的な変位関係を維持する。
【0024】
シール部2は、軸11の外周面に摺動自在の密封接触するゴム状弾性体製のシールリップ2Aと、シールリップ2Aの大気側Aに連続して設けられた断面略矩形状のゴム状弾性体製のバンパー部2Bと、を備えている。
【0025】
シールリップ2Aは、軸11の外周面に沿って密封対象側Sに延びており、断面楔状となっており、そのリップ先端部が軸11の外周面に摺動自在に密封接触する摺動面を形成する。そして、密封対象側Sの油などを密封して大気側Aへの漏れを防止している。
【0026】
シールリップ2Aの外周側の背面には、シールリップ2Aのリップ先端に軸11に対して緊迫力を付与するガータスプリング8が設けられている。
【0027】
バンパー部2Bは、軸11の偏心や首振りが起きた場合に、軸11の傾斜する力をこのバンパー部2Bで受け、直接ベロー部3にその力を伝える。これにより、軸11の傾斜ではシールリップ2Aに対し偏った大きな力がかかることがなく、常にほぼ同様の接触力で軸11に接触することとなり、シールリップ2Aの軸11に対する接触状態が変化しないようにしている。
【0028】
ここで、バンパー部2Bの外周面には、環状溝8設けられており、環状溝に8に補強手段としてのリング9が嵌め込まれている。
【0029】
リング9は、金属や樹脂などの剛性を有する材質で設けられた円環状であり、高偏心時の軸11の傾斜による力で生じるゴム状弾性体製の変形を抑えるように、バンパー部2Bの剛性を高めるよう補強し、強化している。
【0030】
したがって、以上の構成の密封装置1では、バンパー部2Bが嵌め込まれた剛性を有するリング9によって補強され、強化でき、軸11の高偏心時でも、バンパー部2Bの変形を抑えることができ、ひいてはシールリップ2Aが密接しなくなることを防止してシール性を向上することができる。
【0031】
即ち、軸11の高偏心時に、バンパー部2Bが強化されたため、軸11がバンパー部2Bを中心とした首振り運動を行うことになり、軸11とバンパー部2Bに隙間ができず、バンパー部2Bを根元とするシールリップ2Aの軸11追随性も向上し、シール性も向上する。 また、リング9はバンパー部2B外周面の環状溝8に嵌め込まれる構成であるので、まず密封装置1をゴム状弾性体で一体成形して装着した後、別体で製造したリング9を環状溝8に嵌め込めばよく、取り付けも容易に行うことができる。
【0032】
なお、リング9は、上記したように、バンパー部2Bを強化する剛性を有して入ればよく、材質は金属や樹脂に限られるものではない。材質だけでなく、リング9を装着する方法も、環状溝8に嵌め込む方法だけでなく、例えば、ゴム状弾性体での一体成形や焼付け或いは接着などによるバンパー部2Bへの貼付け等の方法によって装着することもできる。
【0033】
またリング9は、一部切断されており、装着後円環状となるものであっても本参考例と同様の効果を得ることができる。
【0034】
本発明の実施の形態)図3及び図4に、剛性を有するリング9にダストリップ9cが設けられた構成を以下に説明する。ここでは特徴部分であるリング9についてだけ説明し、その他の構成については上記の参考例と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0035】
3及び図4に示すように、本実施の形態のリング9は、バンパー部2Bの大気側Aでに円環状となったリング本体9aと、リング本体9aからバンパー部2Bの外周面に対して嵌め込まれる複数の嵌め込み部9bと、リング本体9aの内端に設けられたダストリップ9cと、から構成される。
【0036】
このようにしても、参考例と同様な効果を得ることができる。また、ダストをシールリップ2Aまで到達させることがなく、よりよいシール性を発揮することができる
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、バンパー部に、バンパー部を補強する、剛性を有するリングを設けたので、高偏心時でも、バンパー部の変形を抑えることができ、ひいてはシールリップが密接しなくなることを防止してシール性を向上することができる。また、リングに設けられたダストリップによってダストがシールリップまで到達することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例に係る密封装置を示す断面図である。
【図2】 参考例に係るリングを示す説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る密封装置を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るリングを示す説明図である。
【図5】従来技術の密封装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 密封装置
2 シール部
2A シールリップ
2B バンパー部
3 ベロー部
4 固定部
6 ゴム状弾性体
7 補強環
71 円筒部
72 内向きフランジ部
8 ガータスプリング
9 リング(補強手段)
9a リング本体
9b 嵌め込み部
9c ダストリップ
11 軸
15 ハウジング

Claims (1)

  1. 互いに同心的に相対可動自在に組みつけられる2部材間の環状の隙間をシールするもので、
    前記2部材の内一方の部材に固定される固定部と、
    前記2部材の内他方の部材に摺動自在に密封接触するシール部と、
    該シール部と前記固定部間に設けられ、シール部を前記他方の部材の偏心に対して追随させるためのベロー部と、を備え、
    前記シール部は、前記他方の部材に摺動自在に密封接触するゴム状弾性体製のシールリップと、該シールリップの大気側に連続して設けられ、前記他方の部材の偏心によって受けた力を前記ベロー部に伝えるゴム状弾性体製のバンパー部とを有する密封装置において、
    前記バンパー部に、該バンパー部を補強する、剛性を有するリングが設けられており、
    該リングは、前記バンパー部の外周面に嵌め込まれる嵌め込み部と、大気側からのダストが前記シールリップまで到達させるのを抑制するダストリップとを有することを特徴とする密封装置。
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