JP4464551B2 - Hybrid drive control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハイブリッド駆動制御装置に係り、特に、摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジン動力を駆動輪に伝達するとともに電動機で駆動輪を回転駆動するフリクション走行モードを備えているハイブリッド駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 燃料の燃焼で動力を発生するエンジンと、(b) 電気エネルギーで動力を発生する電動機と、(c) サンギヤに前記エンジンが連結されるとともにキャリアに前記電動機が連結されたダブルピニオン型の遊星歯車装置と、(d) その遊星歯車装置のリングギヤをケースに連結するブレーキと、(e) 前記キャリアを出力部材に連結する第1クラッチと、(f) 前記リングギヤを前記出力部材に連結する第2クラッチと、を有するハイブリッド駆動制御装置において、(g) 第1クラッチを係合させるとともに電動機を逆方向へ回転させて後進走行を行うとともに、必要に応じてエンジンを作動させるとともにブレーキを係合させて後進走行をアシストする技術が、例えば特開2000−92612号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなハイブリッド駆動制御装置においては、急ブレーキ時などに速やかにブレーキを開放しないとエンジンストールする可能性があるとともに、ブレーキの係合、開放時に駆動力変動が生じる恐れがあるなど、高精度で応答性に優れた制御が要求される。
【0004】
これに対し、未だ公知ではないが、エンジンを作動させてサンギヤを正方向へ回転させるとともに、そのサンギヤの回転に伴ってリングギヤが正方向へ回転させられている状態で、前記ブレーキをスリップ係合させてそのサンギヤの回転を制限することにより、キャリアに逆方向の回転力を作用させて車両を後進走行させるようにすれば、上記駆動力変動やエンジンストールが抑制される。しかし、この場合にはブレーキに過大な負荷がかかるため、摩擦材の耐久性が危惧される。電動機によってアシストすればブレーキの負荷が軽減されるが、バッテリ等の電力源の残容量が低下した場合にはアシスト不能になるため、必ずしも十分にブレーキの負荷を軽減することができない。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ブレーキ等の摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジンにより走行する場合に、摩擦係合要素の負荷を軽減して耐久性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 燃料の燃焼で動力を発生するエンジンと駆動輪との間の動力伝達を摩擦係合によって接続、遮断する摩擦係合要素と、(b) 駆動輪へ駆動力を付与できる電動機と、(c) その電動機に電力を供給する電力源と、(d) その電力源の残容量を検出または推定する電力残容量検出手段と、(e) 前記摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジン動力を駆動輪に伝達するフリクション走行モードを成立させるフリクション走行モード制御手段と、を有するハイブリッド駆動制御装置において、(f) 前記フリクション走行モードによる走行時に前記電動機を作動させるとともに、運転者の出力要求量および車速に基づいて決定される車両要求駆動力を、前記摩擦係合要素のスリップ係合で駆動輪に伝達されるフリクション分担分と、前記電動機から駆動輪に伝達される電動機分担分とに分配する駆動力分配手段を有し、且つ、(g) その駆動力分配手段は、前記電力残容量検出手段によって検出または推定された残容量が小さくなるに従って前記電動機分担分の比率を小さくするようになっていることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、(a) 燃料の燃焼で動力を発生するエンジンと駆動輪との間の動力伝達を摩擦係合によって接続、遮断する摩擦係合要素と、(b) 駆動輪へ駆動力を付与できる電動機と、(c) 前記摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジン動力を駆動輪に伝達するフリクション走行モードを成立させるフリクション走行モード制御手段と、を有するハイブリッド駆動制御装置において、(d) 前記フリクション走行モードによる走行時に前記電動機を作動させるとともに、運転者の出力要求量および車速に基づいて決定される車両要求駆動力を、前記摩擦係合要素のスリップ係合で駆動輪に伝達されるフリクション分担分と、前記電動機から駆動輪に伝達される電動機分担分とに分配する駆動力分配手段を有し、且つ、(e) その駆動力分配手段は、前記摩擦係合要素の温度が高くなるに従って前記フリクション分担分の比率を小さくするようになっていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明のハイブリッド駆動制御装置において、前記駆動力分配手段は、前記摩擦係合要素の温度が所定温度以上と検出または推定された場合は、前記電力源の残容量に基づく分配に優先して、その摩擦係合要素の温度が高くなるに従って前記フリクション分担分の比率が小さくなるように分配することを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第2発明または第3発明のハイブリッド駆動制御装置において、前記摩擦係合要素の温度が、焼き付きを生じる恐れがある予め定められた所定温度以上の場合は、前記フリクション走行モードを禁止することを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第2発明〜第4発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、前記エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて、前記摩擦係合要素の温度を推定することを特徴とする。
【0011】
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記エンジンのクランク軸に連結されて回転駆動されることにより電気エネルギーを発生する発電機を有し、前記フリクション走行モード時に前記電動機を駆動するための電力の一部または全部をその発電機で発電した電力で賄うようになっていることを特徴とする。
【0012】
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、(a) 第3回転要素の回転停止時に互いに逆方向へ回転させられる関係にある第1回転要素および第2回転要素を有する歯車式の合成分配装置を備えているとともに、(b) 前記第1回転要素に前記エンジンが連結され、前記第2回転要素に前記電動機が連結され、前記摩擦係合要素は前記第3回転要素の回転を制限できるように設置されており、(c) 前記フリクション走行モードは、前記エンジンを作動させて前記第1回転要素を正方向へ回転させるとともに、その第1回転要素の回転に伴って前記第3回転要素が正方向へ回転させられている状態で、前記摩擦係合要素をスリップ係合させてその第3回転要素の回転を制限することにより、前記第2回転要素に逆方向の回転力を作用させるとともに、前記電動機によってその第2回転要素に逆方向の回転力を付与して、その第2回転要素に接続された駆動輪を回転駆動して車両を後進走行させるものであることを特徴とする。
【0013】
第8発明は、第1発明〜第7発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記フリクション走行モードは、前記電動機に電力を供給する電力源の残容量が所定値以下になった場合に実行されることを特徴とする。
【0014】
第9発明は、第1発明〜第7発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記フリクション走行モードは、前記車両要求駆動力が所定値以上になった場合に実行されることを特徴とする。
第10発明は、第1発明〜第9発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記車両要求駆動力は、前記運転者の出力要求量および前記車速の他にシフトポジションを考慮して決定されることを特徴とする。
【0015】
第11発明は、(a) 第3回転要素の回転停止時に互いに逆方向へ回転させられる関係にある第1回転要素および第2回転要素を有する歯車式の合成分配装置と、(b) 前記第1回転要素に連結されるとともに燃料の燃焼で動力を発生するエンジンと、(c) 前記第2回転要素に連結されるとともに電気エネルギーで動力を発生する電動機と、(d) 前記第3回転要素の回転を制限できるように設置されたスリップ係合可能な摩擦係合要素と、(e) 前記エンジンのクランクシャフトに連結されて回転駆動されることにより電気エネルギーを発生する発電機と、を有するハイブリッド駆動制御装置において、(f) 前記エンジンを作動させて前記第1回転要素を正方向へ回転させるとともに、その第1回転要素の回転に伴って前記第3回転要素が正方向へ回転させられている状態で、前記摩擦係合要素をスリップ係合させてその第3回転要素の回転を制限することにより、前記第2回転要素に逆方向の回転力を作用させてその第2回転要素に接続された駆動輪を回転駆動して車両を後進走行させるフリクション走行モードを備えている一方、(g) そのフリクション走行モードの走行時に、前記発電機によって電気エネルギーを発生させるとともに、その電気エネルギーを前記電動機に供給して逆方向へ回転させることにより、前記後進走行をアシストするアシスト手段を有することを特徴とする。
【0016】
第12発明は、第1発明〜第11発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記フリクション走行モード時は前記エンジンを所定の目標エンジン回転速度で定回転制御することを特徴とする。
【0017】
第13発明は、第12発明のハイブリッド駆動制御装置において、前記目標エンジン回転速度は、前記摩擦係合要素の温度が低い時程高回転速度を許容または高回転速度に設定されることを特徴とする。
【0018】
第14発明は、第13発明のハイブリッド駆動制御装置において、前記摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、前記エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて前記目標エンジン回転速度を設定することを特徴とする。
【0019】
第15発明は、第13発明のハイブリッド駆動制御装置において、前記摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、前記エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて、前記摩擦係合要素の温度を推定することを特徴とする。
【0020】
第16発明は、第1発明〜第15発明の何れかのハイブリッド駆動制御装置において、前記電動機は発電機としても機能するモータジェネレータで、前記フリクション走行モード時はそのモータジェネレータの発電作用を禁止することを特徴とする。
【0021】
【発明の効果】
第1発明のハイブリッド駆動制御装置は、摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジンにより車両を走行させるフリクション走行モード時に電動機を作動させるとともに、車両要求駆動力をフリクション分担分と電動機分担分とに分配するようになっているため、摩擦係合要素の負荷が軽減されて摩擦材の耐久性が向上する。特に、バッテリ等の電力源の残容量が小さくなるに従って電動機分担分の比率が小さくなるため、電力残容量の低下で電動機が使用不可になることを回避しつつ、車両要求駆動力の一部を電動機に分担させることにより、摩擦係合要素の耐久性を確実に向上させることができる。
【0022】
第2発明では、摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジンにより車両を走行させるフリクション走行モード時に電動機を作動させるとともに、車両要求駆動力をフリクション分担分と電動機分担分とに分配するようになっているため、摩擦係合要素の負荷が軽減されて摩擦材の耐久性が向上する。特に、摩擦係合要素の温度が高くなるに従ってフリクション分担分の比率が小さくなるため、スリップ係合に起因する摩擦係合要素の焼き付きが抑制され、焼き付きに伴う摩擦材の耐久性悪化が防止される。
【0023】
摩擦係合要素の温度が所定温度以上と検出または推定された場合は、電力源の残容量に基づく分配に優先して、その摩擦係合要素の温度が高くなるに従ってフリクション分担分の比率が小さくなるように分配する第3発明についても、第2発明と同様に、スリップ係合に起因する摩擦係合要素の焼き付きが抑制されて、焼き付きに伴う摩擦材の耐久性悪化が防止される。
【0024】
第4発明では、摩擦係合要素の温度が、焼き付きを生じる恐れがある予め定められた所定温度以上の場合は、フリクション走行モードが禁止されるため、スリップ係合に起因する摩擦係合要素の焼き付きが回避され、焼き付きに伴う摩擦材の耐久性悪化が確実に防止される。
【0025】
第5発明では、摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて摩擦係合要素の温度を推定するため、摩擦係合要素の温度を高い精度で推定することが可能で、必要以上にフリクション分担分の比率を小さくしたりフリクション走行モードを禁止したりすることなく、スリップ係合に起因する摩擦係合要素の焼き付きを防止して摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0026】
第6発明では、エンジンのクランク軸に連結されて回転駆動されることにより電気エネルギーを発生する発電機を有し、フリクション走行モード時に前記電動機を駆動するための電力の一部または全部をその発電機で発電した電力で賄うようになっているため、電力源の残容量不足などに拘らず常に電動機による駆動力を得ることが可能で、摩擦係合要素の負荷を軽減して摩擦材の耐久性を確実に向上させることができる。
【0027】
第7発明のフリクション走行モードは、摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジンにより車両を後進走行させるもので、エンジンによる大きな駆動力で車両を後進走行させることができるとともに、摩擦係合要素のスリップ係合で駆動力を発生させることから、大きな駆動力変動や急減速時のエンジンストールが抑制される。
【0028】
第8発明では、電力源の残容量が所定値以下になった場合にフリクション走行モードが実行されるため、電力消費を節減して残容量不足により電動機などが使用不可になることを抑制しつつ、フリクション走行モードによる走行頻度を少なくして摩擦係合要素の摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0029】
第9発明では、車両要求駆動力が所定値以上になった場合にフリクション走行モードが実行されるため、エンジンによる大きな駆動力で車両を走行させることができるとともに、フリクション走行モードによる走行頻度を少なくして摩擦係合要素の摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0030】
第11発明のハイブリッド駆動制御装置は、摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジンにより車両を後進走行させるフリクション走行モードを備えているため、大きな駆動力で車両を後進走行させることができるとともに、摩擦係合要素のスリップ係合で駆動力を発生させることから、大きな駆動力変動や急減速時のエンジンストールが抑制される。また、フリクション走行モードの走行時に、エンジンのクランクシャフトに連結された発電機によって電気エネルギーを発生させるとともに、その電気エネルギーを電動機に供給して逆方向へ回転させることにより、後進走行をアシストするアシスト手段を備えているため、摩擦係合要素の負荷が軽減されて摩擦材の耐久性が向上する。特に、発電機で発生させた電気エネルギーを用いて電動機を回転駆動しているため、バッテリ等の電力源の残容量不足に拘らず常時電動機によるアシストを行うことが可能で、摩擦係合要素の耐久性が確実に向上する。
【0031】
第12発明では、フリクション走行モード時にエンジンを所定の目標エンジン回転速度で定回転制御するため、エンジンの吹上りやエンジンストールを回避しつつ摩擦係合要素のスリップ係合で車両を走行させることができる。
【0032】
第13発明では、フリクション走行モード時の目標エンジン回転速度が、摩擦係合要素の温度が低い時程高回転速度を許容または高回転速度に設定されるため、高温時ほど摩擦係合要素のスリップ回転速度が低回転速度に制限されることになり、摩擦材の耐久性が更に効果的に向上する。すなわち、高温時ほど焼き付きなどで摩擦材に作用するダメージは大きくなるのであり、その高温時に摩擦係合要素のスリップ回転速度が低回転速度に制限されることにより、焼き付きなどによる摩擦材の耐久性悪化を回避できる。
【0033】
第14発明では、フリクション走行モード時の目標エンジン回転速度が、摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて設定されるため、摩擦係合要素の温度を直接検出することなく、その摩擦係合要素の温度に応じて高い精度で目標エンジン回転速度を設定することが可能で、必要以上に目標エンジン回転速度を低く設定することなく、スリップ係合に起因する摩擦係合要素の焼き付きを防止して摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0034】
第15発明では、摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて摩擦係合要素の温度を推定するため、摩擦係合要素の温度を高い精度で推定することが可能で、必要以上に目標エンジン回転速度を低く設定することなく、スリップ係合に起因する摩擦係合要素の焼き付きを防止して摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0035】
第16発明では、前記電動機が発電機としても機能するモータジェネレータで、フリクション走行モード時はモータジェネレータの発電作用を禁止するようになっているため、スリップ制御される摩擦係合要素の負荷増大が回避されて耐久性悪化が防止される。
【0036】
【発明の実施の形態】
前記摩擦係合要素を介して回転駆動される駆動輪と電動機によって回転駆動される駆動輪とは同じであっても良いし、異なる場合であっても良い。摩擦係合要素は、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる単板式、多板式等の油圧式摩擦ブレーキやクラッチが好適に用いられるが、電磁式クラッチやブレーキなど、スリップ係合が可能な種々の係合要素を採用できる。
【0037】
電力源は、充放電が可能なバッテリ(二次電池)が好適に用いられるが、燃料電池等の他の電力源を用いることもできる。第2発明では、電力源は必ずしも必須ではなく、例えば発電機で発生した電気エネルギーのみで電動機を作動させる場合であっても良い。
【0038】
駆動力分配手段は、例えば車両要求駆動力の変化に応じて電動機分担分を変化させることにより、摩擦係合要素の係合トルクを略一定に維持して摩擦材の耐久性を更に向上させることもできる。第11発明のアシスト手段は、駆動力分配手段の一態様と見做すことができる。
【0039】
第1発明の駆動力分配手段は、例えば電力源の残容量が小さくなるに従って連続的(直線的、或いは曲線的など)に電動機分担分の比率を小さくするように構成されるが、1段階、2段階、或いは3段階以上の多段階などステップ的に変化させるものでも良い。摩擦係合要素の温度が高くなるに従ってフリクション分担分の比率を小さくする第2発明の駆動力分配手段についても同様である。
【0040】
第5発明、第14発明、第15発明では、摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、エンジンの冷却水温、および外気温の何れか1つのみに基づいて、目標エンジン回転速度を設定したり摩擦係合要素の温度を推定したりすることもできるが、高い制御制度を得るために、何れか2つ或いは3つを用いて上記設定や推定を行うことが望ましい。上記流体の温度、エンジン冷却水温、および外気温以外のパラメータを加えて上記設定や推定を行うことも可能である。
【0041】
第11発明の好適な態様は、前記フリクション走行モードでは、運転者の出力要求量に対応した車両要求駆動力が得られるとともに前記エンジンの回転速度が所定の目標エンジン回転速度になるように、前記アシスト手段のアシストトルクを考慮して前記摩擦係合要素の係合トルク制御および前記エンジンの出力制御を行うように構成される。
【0042】
第11発明の別の好適な態様は、(a) 前記エンジンを作動させて前記第1回転要素を正方向へ回転させるとともに、前記摩擦係合要素を完全係合させて前記第3回転要素の回転を阻止することにより、前記第2回転要素を逆方向へ回転させて車両を後進走行させるエンジン走行モードを備えている一方、(b) 前記電動機は、発電機としても使用できるモータジェネレータで、前記エンジン走行モードでは該モータジェネレータの発電制御が許容されるが、前記フリクション走行モードでは該モータジェネレータの発電制御が禁止されるように構成される。その場合には、フリクション走行モードではモータジェネレータの発電制御が禁止されているため、スリップ制御される摩擦係合要素の負荷増大が回避されて耐久性悪化が防止される一方、エンジン走行モードではモータジェネレータの発電制御が許容されているため、後進走行時においても必要に応じてバッテリを充電することができる。なお、第11発明の実施に際しては、必ずしもエンジン走行モードを備えている必要はないし、バッテリの蓄電量(残容量)が不足している場合など必要に応じてフリクション走行モードで発電制御を行うことも可能である。
【0043】
上記歯車式の合成分配装置は、シングルピニオン型またはダブルピニオン型の遊星歯車装置や傘歯車式の差動装置である。第2回転要素と駆動輪側の出力部材との間に第1クラッチを設けるとともに、その出力部材と第3回転要素との間に第2クラッチを設けるなど、クラッチやブレーキを必要に応じて追加して設けることにより、前進走行モードや充電モードなど種々の運転モードを成立させることができる。
【0044】
第2回転要素に連結される電動機としては、第16発明のようにモータジェネレータを用いることもできるが、発電機の機能を備えていない単純な電動機であっても良い。エンジンのクランクシャフトに連結される発電機としては、エンジンの始動時にクランキングするスタータとしても用いられるようにモータジェネレータを採用することが望ましいが、電動機の機能を備えていない単純な発電機であっても良く、スタータと別個に設けるなどすれば良い。
【0045】
第11発明のアシスト手段は、発電機によって発生した電気エネルギーだけで電動機を回転駆動するものでも良いが、電力源(バッテリなど)に余裕があれば、電力源から電気エネルギーを持ち出して電動機を駆動することにより、スリップ係合させられる摩擦係合要素の負荷を更に小さくすることもできる。フリクション走行モードでは、常にアシスト手段によってアシストすることが望ましいが、一定の条件下でアシスト手段によるアシストを中止したり、電力源から持ち出した電気エネルギーだけで電動機を駆動してアシストしたりするなど、種々の態様を採用できる。
【0046】
また、発電機によって発生した総ての電気エネルギーを電動機に供給する必要はなく、発生した電気エネルギーの一部をエアコンや油圧回路の電動オイルポンプ等の各種の補機類に使用しても良い。
【0047】
アシスト手段の具体的態様としては、例えば所定の電気エネルギーを発生するように発電機の発電トルクを制御するとともに、運転者の出力要求量(要求トルク)から電動機のアシストトルクを差し引いた不足トルクが、前記摩擦係合要素のスリップ係合に基づいて前記第2回転要素に作用するように、前記合成分配装置のギヤ比を考慮してその摩擦係合要素の係合トルクを制御する一方、エンジン回転速度が所定の目標エンジン回転速度になるようにエンジントルクをフィードバック制御するように構成される。エンジントルクのフィードバック制御では、摩擦係合要素の係合トルクのエンジン分担分、すなわち合成分配装置のギヤ比を考慮したトルクに、発電機の発電トルクを加算したトルクをフィードフォワード項とすることが望ましい。
【0048】
また、アシスト手段の別の態様としては、例えば所定の電気エネルギーを発生するように発電機の発電トルクを制御するとともに、運転者の出力要求量(要求トルク)から前記電動機のアシストトルクを差し引いた不足トルクおよび上記発電トルクに応じてエンジントルクを制御する一方、該エンジンの回転速度が所定の目標エンジン回転速度になるように前記摩擦係合要素の係合トルクをフィードバック制御するように構成することもできる。すなわち、運転者の出力要求量から前記電動機のアシストトルクを差し引いた不足トルクが、前記摩擦係合要素のスリップ係合に基づいて前記第2回転要素に作用するように、前記合成分配装置のギヤ比および発電機の発電トルクを考慮してエンジントルクを制御する一方、そのエンジンの回転速度が所定の目標エンジン回転速度になるように前記摩擦係合要素の係合トルクをフィードバック制御するのである。摩擦係合要素のフィードバック制御では、エンジントルクから発電トルクを差し引いたトルクの摩擦係合要素分担分、すなわち合成分配装置のギヤ比を考慮したトルクをフィードフォワード項とすることが望ましい。
【0049】
第14発明では、例えば外気温、エンジンの冷却水温、および摩擦係合要素の温度の何れか1つを検出して目標エンジン回転速度を設定するように構成されるが、上記3種類の温度をそれぞれ検出して、個々に設けられたマップなどから目標エンジン回転速度を求め、それ等の最低の目標エンジン回転速度を選択するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。摩擦係合要素の温度に関係する他の部分の温度を検出して目標エンジン回転速度を設定するようにしても良い。なお、第11発明の実施に際しては、各部の温度に拘らず一定の目標エンジン回転速度が設定されるようになっていても良いし、目標エンジン回転速度を定めることなく摩擦係合要素の係合トルクや発電機のトルクなどに応じてエンジントルクを制御しても良いなど、種々のエンジン制御が可能である。
【0050】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド駆動制御装置10を説明する概略構成図で、図2は変速機12を含む骨子図であり、このハイブリッド駆動制御装置10は、燃料の燃焼で動力を発生するエンジン14、電動機および発電機として用いられるモータジェネレータ16、およびダブルピニオン型の遊星歯車装置18を備えて構成されており、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などに横置きに搭載されて使用される。遊星歯車装置18のサンギヤ18sにはエンジン14が連結され、キャリア18cにはモータジェネレータ16が連結され、リングギヤ18rは第1ブレーキB1を介してケース20に連結されるようになっている。また、キャリア18cは第1クラッチC1を介して変速機12の入力軸22に連結され、リングギヤ18rは第2クラッチC2を介して入力軸22に連結されるようになっている。モータジェネレータ16は電動機に相当し、遊星歯車装置18は歯車式の合成分配装置に相当し、サンギヤ18sは第1回転要素、キャリア18cは第2回転要素、リングギヤ18rは第3回転要素、第1ブレーキB1は摩擦係合要素に相当する。また、変速機12の入力軸22は出力部材に相当する。
【0051】
上記クラッチC1、C2および第1ブレーキB1は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路24から供給される作動油によって摩擦係合させられるようになっている。図3は、油圧制御回路24の要部を示す図で、電動ポンプを含む電動式油圧発生装置26で発生させられた元圧PCが、マニュアルバルブ28を介してシフトレバー30(図1参照)のシフトポジションに応じて各クラッチC1、C2、ブレーキB1へ供給されるようになっている。シフトレバー30は、運転者によって操作されるシフト操作部材で、本実施例では「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の5つのシフトポジションに選択操作されるようになっており、マニュアルバルブ28はケーブルやリンク等を介してシフトレバー30に連結され、そのシフトレバー30の操作に従って機械的に切り換えられるようになっている。
【0052】
「B」ポジションは、前進走行時に変速機12のダウンシフトなどにより比較的大きな動力源ブレーキが発生させられるシフトポジションで、「D」ポジションは前進走行するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート28aからクラッチC1およびC2へ元圧PCが供給される。第1クラッチC1へは、シャトル弁31を介して元圧PCが供給されるようになっている。「N」ポジションは動力源からの動力伝達を遮断するシフトポジションで、「R」ポジションは後進走行するシフトポジションで、「P」ポジションは動力源からの動力伝達を遮断するとともに図示しないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転を阻止するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート28bから第1ブレーキB1へ元圧PCが供給される。出力ポート28bから出力された元圧PCは戻しポート28cへも入力され、上記「R」ポジションでは、その戻しポート28cから出力ポート28dを経てシャトル弁31から第1クラッチC1へ元圧PCが供給されるようになっている。
【0053】
クラッチC1、C2、およびブレーキB1には、それぞれコントロール弁32、34、36が設けられ、それ等の油圧PC1、PC2、PB1が制御されるようになっている。クラッチC1の油圧PC1についてはON−OFF弁38によって調圧され、クラッチC2およびブレーキB1についてはリニアソレノイド弁40によって調圧されるようになっている。
【0054】
そして、上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1の作動状態に応じて、図4に示す各走行モードが成立させられる。すなわち、「B」ポジションまたは「D」ポジションでは、「ETCモード」、「直結モード」、「モータ走行モード(前進)」の何れかが成立させられ、「ETCモード」では、第2クラッチC2を係合するとともに第1クラッチC1および第1ブレーキB1を開放した状態、言い換えればサンギヤ18s、キャリア18c、およびリングギヤ18rが相対回転可能な状態で、エンジン14およびモータジェネレータ16を共に作動させてサンギヤ18sおよびキャリア18cにトルクを加え、リングギヤ18rを回転させて車両を前進走行させる。「直結モード」では、クラッチC1、C2を係合するとともに第1ブレーキB1を開放した状態で、エンジン14を作動させて車両を前進走行させる。また、「モータ走行モード(前進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレータ16を作動させて車両を前進走行させる。「モータ走行モード(前進)」ではまた、アクセルOFF時などにモータジェネレータ16を回生制御することにより、車両の運動エネルギーで発電してバッテリ42(図1参照)を充電するとともに車両に制動力を作用させることができる。
【0055】
図5は、上記前進モードにおける遊星歯車装置18の作動状態を示す共線図で、「S」はサンギヤ18s、「R」はリングギヤ18r、「C」はキャリア18cを表しているとともに、それ等の間隔はギヤ比ρ(=サンギヤ18sの歯数/リングギヤ18rの歯数)によって定まる。具体的には、「S」と「C」の間隔を1とすると、「R」と「C」の間隔がρになり、本実施例ではρが0.6程度である。また、(a) のETCモードにおけるトルク比は、エンジントルクTe:CVT入力軸トルクTin:モータトルクTm=ρ:1:1−ρであり、モータトルクTmはエンジントルクTeより小さくて済むとともに、定常状態ではそれ等のモータトルクTmおよびエンジントルクTeを加算したトルクがCVT入力軸トルクTinになる。CVTは無段変速機の意味であり、本実施例では変速機12としてベルト式無段変速機が設けられている。
【0056】
図4に戻って、「N」ポジションまたは「P」ポジションでは、「ニュートラル」または「充電・Eng始動モード」の何れかが成立させられ、「ニュートラル」ではクラッチC1、C2および第1ブレーキB1の何れも開放する。「充電・Eng始動モード」では、クラッチC1、C2を開放するとともに第1ブレーキB1を係合し、モータジェネレータ16を逆回転させてエンジン14を始動したり、エンジン14により遊星歯車装置18を介してモータジェネレータ16を回転駆動するとともに発電制御することにより、電気エネルギーを発生させてバッテリ42(図1参照)を充電したりする。
【0057】
「R」ポジションでは、「モータ走行モード(後進)」、「フリクション走行モード」、または「エンジン走行モード」が成立させられ、「モータ走行モード(後進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレータ16を逆方向へ回転駆動してキャリア18c、更には入力軸22を逆回転させることにより車両を後進走行させる。「フリクション走行モード」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2を開放した状態で、エンジン14を始動してサンギヤ18sを正方向へ回転させるとともに、そのサンギヤ18sの回転に伴ってリングギヤ18rが正方向へ回転させられている状態で、第1ブレーキB1をスリップ係合させてそのリングギヤ18rの回転を制限することにより、キャリア18cに逆方向の回転力を作用させて後進走行させる。この「フリクション走行モード」ではまた、エンジン14のクランクシャフトに連結されたスタータ70(図1参照)を発電制御して電気エネルギーを発生させるとともに、その電気エネルギーをモータジェネレータ16に供給して逆方向へ回転させることにより、後進走行をアシストするようになっている。スタータ70は、エンジン14を始動する際にクランキングするための電動機であるが、本実施例では発電機としても使用できるモータジェネレータが用いられている。なお、上記「フリクション走行モード」では、第1ブレーキB1の負荷増を防止するため、バッテリ42の蓄電量SOCが不足している時を含めて、如何なる条件下においてもモータジェネレータ16の発電制御が禁止されている。
【0058】
また、「エンジン走行モード」では、第1クラッチC1および第1ブレーキB1を係合するとともに第2クラッチC2を開放した状態で、エンジン14によりサンギヤ18sを正方向へ回転させることにより、第1ブレーキB1によって回転が阻止されているリングギヤ18rの作用でキャリア18cを逆方向へ回転させ、車両を後進走行させる。この「エンジン走行モード」では、必要に応じてモータジェネレータ16を発電制御することにより、電気エネルギーを発生させてバッテリ42を充電する。
【0059】
図6は、上記「フリクション走行モード」および「エンジン走行モード」における遊星歯車装置18の作動状態を示す共線図で、前記図5に相当する図であり、(a) の「フリクション走行モード」では、第1ブレーキB1の係合トルクTB1 に対して(1−ρ)×T B1 のトルクがキャリア18c「C」に作用させられるとともに、スタータ70の発電トルクTsに応じて発生した電気エネルギーのみで回転駆動されるモータジェネレータ16の力行トルクTmdが、同じくキャリア18c「C」に作用させられ、それ等を加算したトルク{(1−ρ)×TB1+Tmd}がCVT入力軸22に出力される。第1ブレーキB1の係合トルクTB1は、前記リニアソレノイド弁40による油圧PB1の調圧制御によって制御される。また、スタータ70の発電制御で発生した電気エネルギーの一部は、エアコンや電動式油圧発生装置26等の補機類で消費され、残りがモータジェネレータ16に供給されて力行制御に使用される。なお、R/L(ロード/ロード)は走行抵抗である。
【0060】
図6(b) の「エンジン走行モード」では、エンジントルクTeに対してTe×(1−ρ)/ρのトルクがキャリア18c「C」に作用させられ、モータジェネレータ16が発電制御される場合には、そのトルクTe×(1−ρ)/ρから発電トルクTmeを差し引いたトルク{Te×(1−ρ)/ρ−Tme}がCVT入力軸22に出力される。なお、この「エンジン走行モード」においても、厳密には補機類を作動させるためにスタータ70が発電制御され、エンジントルクTeからスタータ70の発電トルクTsを差し引いたトルク(Te−Ts)によってキャリア18c「C」に逆回転方向のトルクが作用させられる。
【0061】
前記変速機12はベルト式無段変速機で、その出力軸44からカウンタ歯車46を経て差動装置48のリングギヤ50に動力が伝達され、その差動装置48により左右の駆動輪(本実施例では前輪)52に動力が分配される。
【0062】
本実施例のハイブリッド駆動制御装置10は、図1に示すHVECU60によって制御されるようになっている。HVECU60は、CPU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行することにより、電子スロットルECU62、エンジンECU64、M/GECU66、T/MECU68、前記油圧制御回路24のON−OFF弁38、リニアソレノイド弁40、エンジン14のスタータ70などを制御する。電子スロットルECU62はエンジン14の電子スロットル弁72を開閉制御するもので、エンジンECU64はエンジン14の燃料噴射量や可変バルブタイミング機構、点火時期などによりエンジン出力を制御するもので、M/GECU66はインバータ74を介してモータジェネレータ16の力行トルクや回生制動トルク等を制御するもので、T/MECU68は変速機12の変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout )やベルト張力などを制御するものである。前記油圧制御回路24は、変速機12の変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えている。スタータ70はモータジェネレータで、ベルト或いはチェーンなどの動力伝達装置を介してエンジン14のクランクシャフトに連結されている。
【0063】
上記HVECU60には、アクセル操作量センサ76からアクセル操作部材としてのアクセルペダル78の操作量θacを表す信号が供給されるとともに、シフトポジションセンサ80からシフトレバー30のシフトポジションを表す信号が供給される。また、エンジン回転速度センサ82、モータ回転速度センサ84、入力軸回転速度センサ86、出力軸回転速度センサ88、外気温センサ90、冷却水温センサ92、ATF温度センサ94、SOCセンサ96から、それぞれエンジン回転速度(回転数)Ne、モータ回転速度(回転数)Nm、入力軸回転速度(入力軸22の回転速度)Nin、出力軸回転速度(出力軸44の回転速度)Nout 、外気温Tha、エンジン14の冷却水温Thw、ATF温度(油圧制御回路24の流体の温度)ThATF、バッテリ42の蓄電量SOCを表す信号がそれぞれ供給される。出力軸回転速度Nout は車速Vに対応する。蓄電量SOCは単にバッテリ電圧であっても良いが、充放電量を逐次積算して求めるようにしても良い。バッテリ42は電力源に相当し、蓄電量SOCは電力源の残容量で、SOCセンサ96は電力残容量検出手段に相当する。また、ATF温度ThATFは油圧制御回路24の流体、すなわち第1ブレーキB1等の摩擦係合装置を係合させたり冷却したりする流体の温度である。上記アクセル操作量θacは運転者の出力要求量(要求トルク)を表している。
【0064】
そして、かかるHVECU60は、基本的に図7に示す各機能を備えていて、前記図4の各走行モードを実施するようになっている。図7のETCモード制御手段100は「ETCモード」を実施するもので、直結モード制御手段102は「直結モード」を実施するもので、モータ前進手段104は「モータ走行モード(前進)」を実施するもので、充電制御手段106は「充電・Eng始動モード」を実施するもので、モータ後進手段108は「モータ走行モード(後進)」を実施するもので、フリクション走行モード制御手段110は「フリクション走行モード」を実施するもので、エンジン走行モード制御手段112は「エンジン走行モード」を実施するものであり、ETCモード制御手段100および直結モード制御手段102はエンジン前進手段114を構成しており、フリクション走行モード制御手段110およびエンジン走行モード制御手段112はエンジン後進手段116を構成している。また、モード判定手段118は、アクセル操作量θacや車速V(出力軸回転速度Nout )、蓄電量SOC、シフトレバー30のシフトポジション等に基づいて走行モードを判定し、その判定した走行モードで運転が行われるように上記各手段を切り換える。
【0065】
図8および図9は、シフトレバー30が「R」ポジションへ操作され、前記「モータ走行モード(後進)」、「フリクション走行モード」、或いは「エンジン走行モード」で後進走行が行われる際の作動を説明するフローチャートで、HVECU60、エンジンECU64、M/GECU66などの信号処理により所定のサイクルタイムで繰り返し実行される。ステップS1〜S7は前記モード判定手段118によって実行され、ステップS8は前記エンジン走行モード制御手段112によって実行され、ステップS9は前記モータ後進手段108によって実行され、ステップS10〜S23はフリクション走行モード制御手段110によって実行される。
【0066】
図8のステップS1では、シフトレバー30が「R」ポジションへ操作されているか否かをシフトポジションセンサ80からの信号に基づいて判断し、「R」ポジションの場合にステップS2以下を実行する。ステップS2では、第1クラッチC1が既に係合している場合はその係合状態を維持し、開放している場合は前記ON−OFF弁38によって第1クラッチC1を係合(完全係合)させる。なお、第2クラッチC2は開放状態とされ、第1ブレーキB1は、後進走行の走行モードに応じて前記図4に示すように開放、スリップ係合、或いは完全係合の何れかの状態に制御されている。また、ステップS3では、運転者の出力要求量であるアクセル操作量θacおよび車速Vに基づいて、予め定められた演算式やマップなどから車両要求駆動力Pdrv を算出する。
【0067】
次のステップS4では、バッテリ42の蓄電量SOCが予め定められた所定値SOC1以下か否かを判断する。所定値SOC1は、例えば所定の充放電効率以上で充電および放電を行うことができる最低の蓄電量で、予め一定値が設定されており、所定値SOC1以下の場合はステップS6以下を実行するが、所定値SOC1より多い場合はステップS5で車両要求駆動力Pdrv が所定値Pdrv 1以上か否かを判断する。所定値Pdrv 1は、モータジェネレータ16の許容最大トルクに対応するもので、例えばモータジェネレータ16によって連続出力できる最大出力に基づいて、車速Vや変速機12の変速比γなどをパラメータとして設定されており、所定値Pdrv 1以上の場合はステップS6以下を実行するが、所定値Pdrv 1より小さい場合はステップS9を実行し、前記モータ後進手段108により「モータ走行モード(後進)」で車両を後進走行させる。上記所定値SOC1は第8発明の所定値に相当し、所定値Pdrv 1は第9発明の所定値に相当する。なお、ステップS5の判断を、アクセル操作量θacに基づいて行うことも可能である。
【0068】
ステップS6では、エンジン14が既に作動している場合はその作動状態を維持し、停止している場合は、スタータ70によりエンジン14をクランキングするとともに燃料噴射などの始動制御を実施してエンジン14を始動する。このエンジン14の始動は、第1ブレーキB1を開放した状態で行われる。ステップS7では、モータ回転速度Nmが予め定められた所定値Nm1以上か否かを判断し、所定値Nm1以上の場合は、ステップS8で前記エンジン走行モード制御手段112により第1ブレーキB1を完全係合させて「エンジン走行モード」で車両を後進走行させる一方、所定値Nm1より低い場合は、図9のステップS10以下を実行して前記フリクション走行モード制御手段110により第1ブレーキB1をスリップ係合させて「フリクション走行モード」で車両を後進走行させる。所定値Nm1は、第1ブレーキB1を完全係合させてもエンジン14がストールしない回転速度(例えばエンジン回転速度Neが1000rpm以上)になるように、ギヤ比ρに応じて予め設定されている。なお、モータ回転速度Nmの代わりに車速Vに基づいて判断することもできる。変速機12の変速比γは、通常は後進走行時には最大値に保持されているため、一定の判定車速V1以上か否かによって判断すれば良いが、後進走行時にも変速制御が行われる場合は、その変速比γをパラメータとして判定車速V1を設定するようにすれば良い。
【0069】
図9のステップS10では、ATF温度ThATFが予め定められた所定値αより低いか否かを判断する。所定値αは、第1ブレーキB1の温度が低くてスリップ係合させても焼き付く恐れがないと予想される上限温度で、例えば110℃程度の一定値が設定され、ATF温度ThATFが所定値αより低い場合はステップS11以下を実行するが、所定値α以上の場合はステップS17を実行し、ATF温度ThATFが所定値αよりも高い予め定められた所定値βより低いか否かを判断する。所定値βは、第1ブレーキB1の温度が高く、スリップ係合させると摩擦材が焼き付いて損傷する恐れがあると予想される温度で、例えば150℃程度の一定値が設定され、ATF温度ThATFが所定値βより低い場合はステップS18以下を実行するが、所定値β以上の場合は「フリクション走行モード」による後進走行を中止して、前記図8のステップS9で「モータ走行モード(後進)」によりモータジェネレータ16のみを用いて車両を後進走行させる。上記所定値αは第3発明の所定温度で、所定値βは第4発明の所定温度である。なお、ここではATF温度ThATFに基づいて第1ブレーキB1の温度を推定しているが、エンジン冷却水温Thwや外気温Thaなど、第1ブレーキB1の温度に関連する他の温度を用いて第1ブレーキB1の温度を推定したり、それ等の温度に基づいて推定した複数のブレーキ温度の最高値を採用するなど、総合的にブレーキ温度を推定して判断したりすることもできる。
【0070】
そして、ATF温度ThATFが所定値αより低い場合に実行するステップS11では、先ず目標エンジン回転速度netagを設定する。この目標エンジン回転速度netagの設定は、例えば図10のフローチャートに従って行われ、ステップR1では外気温Thaから予め定められたマップに従って目標エンジン回転速度nethaを算出し、ステップR2ではエンジン冷却水温Thwから予め定められたマップに従って目標エンジン回転速度nethwを算出し、ステップR3ではATF温度ThATFから予め定められたマップに従って目標エンジン回転速度nethATFを算出する。図11の(a) 〜(c) は、それぞれ予め定められたマップの一例を説明する図で、何れも温度Tha、Thw、ThATFが高くなる程目標エンジン回転速度netha、nethw、nethATFが低下するように定められている。そして、ステップR4では、それ等の目標エンジン回転速度netha、nethw、nethATFのうち最も低回転のものを最終的な目標エンジン回転速度netagに設定する。
【0071】
図9に戻って、ステップS12では、前記ステップS3で求めた車両要求駆動力Pdrv を、蓄電量SOCに基づいて予め定められた分配条件に従って第1ブレーキB1のスリップ係合で駆動輪52に伝達されるフリクション分担分と、モータジェネレータ16から駆動輪52に伝達される電動機分担分とに分配し、各分配駆動力に基づいて変速機12の変速比γや車速V、遊星歯車装置18のギヤ比ρなどから、第1ブレーキB1の係合トルクTB1、モータジェネレータ16のアシストトルク(力行トルク)Tmdをそれぞれ設定する。上記分配条件は、例えば図13に示すように蓄電量SOCが小さくなるに従ってモータジェネレータ16のアシストトルクTmdの分配比が連続的(実施例では直線的)に小さくなるように、演算式やマップなどで定められている。HVECU60などによる一連の信号処理のうちステップS12を実行する部分は第1発明の駆動力分配手段として機能している。
【0072】
次のステップS13では、エンジン14のクランクシャフトに接続されたスタータ70の発電トルクTsを設定し、その発電トルクTsでスタータ70を発電制御する。発電トルクTsは、エアコンや電動式油圧発生装置26等の補機類で消費される電気エネルギーを発生させるための発電トルクに、蓄電量SOCに応じてマップなどから求められた発電トルク(蓄電量SOCが少ない程大きくなる)を付加して設定される。また、ステップS14では、基本的にバッテリ42から必要な電気エネルギーを持ち出してモータジェネレータ16を前記アシストトルクTmdで逆方向へ回転するように力行制御する。
【0073】
ステップS15では、前記第1ブレーキB1の係合トルクTB1およびスタータ70の発電トルクTsから次式(1) に従ってエンジントルクTeを求め、そのエンジントルクTeでエンジン14が作動するように前記電子スロットル72のスロットル弁開度や燃料噴射量などを制御する。また、ステップS16では、第1ブレーキB1が前記係合トルクTB1でスリップ係合するように、第1ブレーキB1の油圧アクチュエータの受圧面積や摩擦板の数などから油圧PB1を算出するとともに、その油圧PB1が得られるデューティ比を予め定められたマップなどから求め、そのデューティ比をフィードフォワード項として、エンジン回転速度Neが前記ステップS11で求めた目標エンジン回転速度netagになるようにリニアソレノイド弁40をフィードバック制御する。これにより、前記ステップS14のモータジェネレータ16の力行制御と合わせて車両要求駆動力Pdrv が得られる。
Te=−(ρ×TB1+Ts) ・・・(1)
【0074】
一方、ATF温度ThATFが所定値α以上で且つ所定値βより低い場合に実行するステップS18では、前記ステップS11と同様にして目標エンジン回転速度netagを設定する。また、ステップS19では、前記ステップS3で求めた車両要求駆動力Pdrv を、ATF温度ThATFに基づいて予め定められた分配条件に従って第1ブレーキB1のスリップ係合で駆動輪52に伝達されるフリクション分担分と、モータジェネレータ16から駆動輪52に伝達される電動機分担分とに分配し、各分配駆動力に基づいて変速機12の変速比γや車速V、遊星歯車装置18のギヤ比ρなどから、第1ブレーキB1の係合トルクTB1、モータジェネレータ16のアシストトルク(力行トルク)Tmdをそれぞれ設定する。この場合は、第1ブレーキB1の負荷すなわちフリクション分担分が大きいと、スリップ係合に起因して摩擦材が焼き付きを生じる可能性があるため、上記分配条件は、例えば図12に示すようにATF温度ThATFが高くなるに従ってモータジェネレータ16のアシストトルクTmdの分配比が連続的(実施例では直線的)に大きくなるように、言い換えれば第1ブレーキB1の負荷(フリクション分担分)が少なくなるように、演算式やマップなどで定められている。HVECU60などによる一連の信号処理のうちステップS19を実行する部分は第2発明の駆動力分配手段として機能している。
【0075】
次のステップS20では、エンジン14のクランクシャフトに接続されたスタータ70の発電トルクTsを設定し、その発電トルクTsでスタータ70を発電制御する。発電トルクTsは、前記ステップS13と異なり、エアコンや電動式油圧発生装置26等の補機類で消費される電気エネルギーを発生させるための発電トルクに、蓄電量SOCに応じてマップなどから求められた発電トルク(蓄電量SOCが少ない程大きくなる)を加えるとともに、更にモータジェネレータ16を前記アシストトルクTmdで力行制御するのに必要な電気エネルギーの一部または全部を賄うことができるように、所定の発電トルクを付加したり、補正係数を掛け算するなど所定割合だけ増大させたりして設定される。本実施例では、アシストトルクTmdでモータジェネレータ16を力行制御するのに必要な全部の電気エネルギーを賄うことができるように設定され、ステップS21では、そのスタータ70によって発生させられた電気エネルギーを用いてモータジェネレータ16を前記アシストトルクTmdで逆方向へ回転するように力行制御する。これにより、バッテリ42の蓄電量SOCの消費を抑制しつつ、第1ブレーキB1の負荷を軽減して摩擦材の耐久性を向上させることができる。HVECU60などによる一連の信号処理のうちステップS20、S21を実行する部分は第11発明のアシスト手段として機能している。
【0076】
この後のステップS22、S23では、前記ステップS15、S16と同様にしてエンジン14の出力制御、第1ブレーキB1のスリップ制御(係合トルク制御)が行われる。
【0077】
また、ステップS24では、蓄電量SOCが所定値SOC2より少ないか否かを判断し、所定値SOC2より少ない場合は、ステップS25で運転者に音声表示や視覚表示などで警告を行うとともに、ステップS26で退避走行を実施する。すなわち、スタータ70の故障などでバッテリ42の蓄電量SOCが極端に低下した場合、モータジェネレータ16でアシストすることなく、第1ブレーキB1の係合トルクTB1を大きくして所望の車両要求駆動力Pdrv が得られるようにすることも考えられるが、ここではATF温度ThATFが比較的高く、第1ブレーキB1が焼き付いて損傷する可能性があるため、アクセル操作量θacに応じた車両要求駆動力Pdrv が得られない旨の警告を行うとともに、その車両要求駆動力Pdrv にガードを設けるなどして走行を制限するのである。所定値SOC2は、前記所定値SOC1よりも小さな値が設定される。
【0078】
このように、本実施例のハイブリッド駆動制御装置10は、第1ブレーキB1をスリップ係合させてエンジン16により車両を走行させる「フリクション走行モード」での走行時に、ステップS14、S21でモータジェネレータ16をアシスト制御(力行制御)するとともに、車両要求駆動力Pdrv をフリクション分担分と電動機分担分とに分配するようになっているため、第1ブレーキB1の負荷が軽減されて摩擦材の耐久性が向上する。
【0079】
特に、第1ブレーキB1の温度が比較的低くて焼き付きの恐れがない場合、すなわちステップS11以下の実行時には、ステップS12でバッテリ42の蓄電量SOCに基づいて、蓄電量SOCが小さくなるに従ってモータジェネレータ16のアシストトルクTmdの分配比が小さくされるため、蓄電量SOCの低下でモータジェネレータ16が使用不可になることを回避しつつ、車両要求駆動力Pdrv の一部をモータジェネレータ16に分担させることにより、第1ブレーキB1の耐久性を確実に向上させることができる。
【0080】
また、第1ブレーキB1の温度が比較的高い場合、すなわちステップS18以下の実行時には、ステップS19で第1ブレーキB1の温度に対応するATF温度ThATFに基づいて、ATF温度ThATFが高くなるに従ってフリクション分担分の比率が小さくされるため、スリップ係合に起因する第1ブレーキB1の焼き付きが抑制され、焼き付きに伴う摩擦材の耐久性悪化が防止される。
【0081】
また、第1ブレーキB1の温度に対応するATF温度ThATFが、焼き付きを生じる恐れがある所定値β以上の場合は、ステップS17に続いてステップS9の「モータ走行モード(後進)」を実施することにより、「フリクション走行モード」を禁止するようになっているため、スリップ係合に起因する第1ブレーキB1の焼き付きが回避され、焼き付きに伴う摩擦材の耐久性悪化が確実に防止される。
【0082】
また、ステップS17、S19では、第1ブレーキB1の温度の代わりにATF温度ThATFに基づいて所定の判断を行ったり駆動力の分担比率を設定したりしているが、ATF温度ThATFは第1ブレーキB1の温度と比較的高い対応関係が得られるため、必要以上に「フリクション走行モード」を禁止したり、フリクション分担分の比率を小さくしたりすることなく、スリップ係合に起因する第1ブレーキB1の焼き付きを防止して摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0083】
また、エンジン14のクランク軸に連結されたスタータ70としてモータジェネレータが用いられ、ステップS21でアシスト制御されるモータジェネレータ16に必要な電力の一部または全部を賄うように、ステップS20で上記スタータ70を発電制御するようになっているため、バッテリ42の蓄電量不足に拘らず常にモータジェネレータ16による駆動力を得ることが可能で、第1ブレーキB1の負荷を軽減して摩擦材の耐久性を確実に向上させることができる。
【0084】
また、本実施例の「フリクション走行モード」は、第1ブレーキB1をスリップ係合させてエンジン14により車両を後進走行させるもので、エンジン14による大きな駆動力で車両を後進走行させることができるとともに、第1ブレーキB1のスリップ係合で駆動力を発生させることから、大きな駆動力変動や急減速時のエンジンストールが抑制される。
【0085】
また、バッテリ42の蓄電量SOCが所定値SOC1以下でステップS4の判断がYES(肯定)となった場合に、所定の条件下(Nm<Nm1)で「フリクション走行モード」が実行されるため、電力消費を節減して蓄電量不足によりモータジェネレータ16の力行制御が不可になることを抑制しつつ、「フリクション走行モード」による走行頻度を少なくして第1ブレーキB1の耐久性を向上させることができる。
【0086】
また、車両要求駆動力Pdrv が所定値Pdrv 1以上でステップS5の判断がYES(肯定)となった場合に、所定の条件下(Nm<Nm1)で「フリクション走行モード」が実行されるため、エンジン14による大きな駆動力で車両を走行させることができるとともに、「フリクション走行モード」による走行頻度を少なくして第1ブレーキB1の耐久性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施例では、「フリクション走行モード」での走行時に、ステップS16、S23において、第1ブレーキB1の係合トルクTB1のフィードバック制御でエンジン14が所定の目標エンジン回転速度netagで回転するように定回転制御が行われるため、エンジン14の吹上りやエンジンストールを回避しつつ第1ブレーキB1のスリップ係合で車両を走行させることができる。
【0088】
また、上記目標エンジン回転速度netagは、ステップS11、S18で第1ブレーキB1の温度が低い時程高回転速度に設定されるため、高温時ほど第1ブレーキB1のスリップ回転速度が低回転速度に制限されることになり、摩擦材の耐久性が更に効果的に向上する。すなわち、高温時ほど焼き付きなどで摩擦材に作用するダメージは大きくなるのであり、その高温時に第1ブレーキB1のスリップ回転速度が低回転速度に制限されることにより、焼き付きなどによる摩擦材の耐久性悪化を回避できる。
【0089】
また、上記目標エンジン回転速度netagは、ATF温度ThATF、エンジン冷却水温Thw、および外気温Thaから総合的に設定される(ミニマムセレクト)ため、第1ブレーキB1の温度を直接検出することなく、その第1ブレーキB1の温度に応じて高い精度で目標エンジン回転速度netagを設定することが可能で、必要以上に目標エンジン回転速度netagを低く設定することなく、スリップ係合に起因する第1ブレーキB1の焼き付きを防止して摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0090】
また、モータ回転速度Nmが所定値Nm1以上になると、第1ブレーキB1を完全係合させてエンジン14により車両を後進走行させる「エンジン走行モード」へ切り換えられ、その「エンジン走行モード」ではモータジェネレータ16の発電制御が許容されて、後進走行時においても必要に応じてバッテリ42を充電することができるが、「フリクション走行モード」ではモータジェネレータ16の発電制御が禁止されているため、スリップ制御される第1ブレーキB1の負荷増大が回避されて耐久性悪化が防止される。
【0091】
なお、前記図10の代わりに図14のフローチャートに従って目標エンジン回転速度netagを設定するようにしても良い。図14のステップQ1ではATF温度ThATFから予め定められたマップに従って第1ブレーキB1の推定温度TB1F を算出し、ステップQ2ではエンジン冷却水温Thwから予め定められたマップに従って第1ブレーキB1の推定温度TB1W を算出し、ステップQ3では外気温Thaから予め定められたマップに従って第1ブレーキB1の推定温度TB1A を算出する。上記マップは、何れも温度ThATF、Thw、Thaが高くなる程第1ブレーキB1の推定温度TB1F 、TB1W 、TB1A が高くなるように定められている。そして、ステップQ4では、それ等の推定温度TB1F 、TB1W 、TB1A のうち最も高い温度を第1ブレーキB1の推定温度TB1として選択し、ステップQ5では、その推定温度TB1から予め定められたマップに従って目標エンジン回転速度netagを算出する。図15は、第1ブレーキB1の推定温度TB1から目標エンジン回転速度netagを算出するためのマップの一例で、推定温度TB1が低い程高回転の目標エンジン回転速度netagが設定されるようになっている。
【0092】
この場合は、ATF温度ThATF、エンジン冷却水温Thw、および外気温Thaの3つの組合せから総合的に第1ブレーキB1の温度が推定(最大値セレクト)されるため、第1ブレーキB1の温度を高い精度で推定することが可能で、必要以上に目標エンジン回転速度netagを低く設定することなく、スリップ係合に起因する第1ブレーキB1の焼き付きを防止して摩擦材の耐久性を向上させることができる。
【0093】
前記図9のステップS10、S17でも、上記ステップQ1〜Q4に従って求めた第1ブレーキB1の推定温度TB1を用いて判断するようにしても良い。
【0094】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド駆動制御装置を説明する概略構成図である。
【図2】図1のハイブリッド駆動制御装置の動力伝達系を示す骨子図である。
【図3】図1の油圧制御回路の一部を示す回路図である。
【図4】図1のハイブリッド駆動制御装置において成立させられる幾つかの走行モードと、クラッチおよびブレーキの作動状態との関係を説明する図である。
【図5】図4のETCモード、直結モード、およびモータ走行モード(前進)における遊星歯車装置の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図6】図4のフリクション走行モードおよびエンジン走行モードにおける遊星歯車装置の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図7】図1のHVECUが備えている幾つかの機能を示すブロック線図である。
【図8】図9と共に、後進走行時にモータ走行モード(後進)、フリクション走行モード、およびエンジン走行モードが蓄電量SOCや車両要求駆動力Pdrv などに応じて切り換えられる際の作動を説明するフローチャートである。
【図9】図8の続きを示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS11、S18の内容を具体的に説明するフローチャートである。
【図11】図10のステップR1〜R3で使用するデータマップの具体例を示す図である。
【図12】図9のステップS19で使用するデータマップの一例を示す図である。
【図13】図9のステップS12で使用するデータマップの一例を示す図である。
【図14】図10のフローチャートの別の例を示す図である。
【図15】図14のステップQ5で使用するデータマップの一例を示す図である。
【符号の説明】
10:ハイブリッド駆動制御装置 14:エンジン 16:モータジェネレータ(電動機) 18:遊星歯車装置(合成分配装置) 22:入力軸42:バッテリ(電力源) 70:スタータ(発電機) 96:SOCセンサ(電力残容量検出手段) 110:フリクション走行モード制御手段B1:第1ブレーキ(摩擦係合要素) Tha:外気温 Thw:エンジン水温 ThATF:ATF温度(流体の温度) SOC:蓄電量(残容量)netag:目標エンジン回転速度ステップS12、S19:駆動力分配手段ステップS20、S21:アシスト手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hybrid drive control device, and more particularly, a hybrid drive control device having a friction running mode in which friction engagement elements are slip-engaged to transmit engine power to drive wheels and the drive wheels are driven to rotate by an electric motor. It is about.
[0002]
[Prior art]
(a) an engine that generates power by burning fuel, (b) an electric motor that generates power by electric energy, and (c) a double pinion type in which the engine is connected to a sun gear and the electric motor is connected to a carrier. A planetary gear device, (d) a brake for connecting the ring gear of the planetary gear device to a case, (e) a first clutch for connecting the carrier to an output member, and (f) connecting the ring gear to the output member. And (g) engaging the first clutch and rotating the electric motor in the reverse direction to perform reverse travel, and operate the engine and brake as necessary. A technique for assisting reverse travel by engaging is described in, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 2000-92612.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in such a hybrid drive control device, there is a possibility that the engine will stall if the brake is not quickly released at the time of sudden braking, etc. Control with high accuracy and excellent responsiveness is required.
[0004]
On the other hand, although not yet publicly known, the engine is operated to rotate the sun gear in the forward direction, and the ring gear is rotated in the forward direction along with the rotation of the sun gear, and the brake is slip-engaged. Thus, by restricting the rotation of the sun gear so that a reverse rotational force is applied to the carrier to cause the vehicle to travel backward, the driving force fluctuation and engine stall are suppressed. However, in this case, since an excessive load is applied to the brake, the durability of the friction material is a concern. If the assist is provided by the electric motor, the load on the brake is reduced. However, if the remaining capacity of the power source such as a battery is reduced, the assist cannot be performed. Therefore, the load on the brake cannot be reduced sufficiently.
[0005]
The present invention has been made against the background of the above circumstances. The object of the present invention is to reduce the load of the frictional engagement element when the frictional engagement element such as a brake is slip-engaged to travel by the engine. It is to improve durability.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, the first invention comprises: (a) a friction engagement element that connects and blocks power transmission between an engine that generates power by combustion of fuel and a drive wheel by friction engagement; b) an electric motor capable of imparting driving force to the drive wheels; (c) an electric power source that supplies electric power to the electric motor; (d) an electric power remaining capacity detecting means that detects or estimates the remaining capacity of the electric power source; And a friction drive mode control means for establishing a friction drive mode in which the friction engagement element is slip-engaged to transmit engine power to the drive wheels, and (f) travel in the friction drive mode. Sometimes the motor is operated and the driver's output demand and vehicleQuicklyThe driving force that distributes the required vehicle driving force determined on the basis of the friction share that is transmitted to the drive wheel by the slip engagement of the friction engagement element and the motor share that is transmitted from the motor to the drive wheel And (g) the driving force distribution means decreases the ratio of the electric motor share as the remaining capacity detected or estimated by the remaining power detection means decreases. It is characterized by that.
[0007]
The second invention includes (a) a friction engagement element that connects and blocks power transmission between an engine that generates power by combustion of fuel and a drive wheel by friction engagement, and (b) provides drive force to the drive wheel. (D) a friction drive mode control unit that establishes a friction drive mode in which the friction engagement element is slip-engaged to transmit engine power to the drive wheels; ) The motor is operated during traveling in the friction traveling mode, and the driver's output request amount and vehicleQuicklyThe driving force that distributes the required vehicle driving force determined on the basis of the friction share that is transmitted to the drive wheel by the slip engagement of the friction engagement element and the motor share that is transmitted from the motor to the drive wheel And (e) the driving force distribution means is characterized in that the ratio of the friction share is reduced as the temperature of the friction engagement element increases.
[0008]
According to a third aspect of the present invention, in the hybrid drive control device of the first aspect, the driving force distribution means is based on a remaining capacity of the power source when the temperature of the friction engagement element is detected or estimated to be equal to or higher than a predetermined temperature. Prior to the distribution, the distribution is performed such that the ratio of the friction share decreases as the temperature of the frictional engagement element increases.
[0009]
According to a fourth aspect of the present invention, in the hybrid drive control device of the second or third aspect of the invention, the friction running mode is set when the temperature of the friction engagement element is equal to or higher than a predetermined temperature that may cause seizure. It is characterized by prohibition.
[0010]
5th invention is the hybrid drive control apparatus in any one of 2nd invention-4th invention, 1 of the temperature of the fluid for engaging or cooling the said friction engagement element, the cooling water temperature of the said engine, and external temperature The temperature of the frictional engagement element is estimated based on one or a plurality of combinations.
[0011]
A sixth aspect of the invention is the hybrid drive control device according to any one of the first to fifth aspects of the invention, further comprising a generator that generates electric energy by being connected to the crankshaft of the engine and driven to rotate. A part or all of the electric power for driving the electric motor in the traveling mode is covered by electric power generated by the generator.
[0012]
A seventh aspect of the invention is the hybrid drive control device according to any one of the first to sixth aspects of the invention, in which (a) the first rotating element and the second rotating element are in a relationship of being rotated in opposite directions when the third rotating element stops rotating. (B) the engine is connected to the first rotation element, the electric motor is connected to the second rotation element, and the friction engagement element is (C) In the friction running mode, the engine is operated to rotate the first rotating element in the positive direction, and the first rotating element is rotated. In a state where the third rotating element is rotated in the positive direction along with the rotation, the friction engaging element is slip-engaged to limit the rotation of the third rotating element. Opposite to And the reverse rotation force is applied to the second rotating element by the electric motor, and the drive wheel connected to the second rotating element is rotationally driven to drive the vehicle backward. It is characterized by being.
[0013]
An eighth aspect of the invention is the hybrid drive control device according to any one of the first to seventh aspects of the invention, wherein the friction running mode is executed when a remaining capacity of an electric power source that supplies electric power to the motor becomes a predetermined value or less. It is characterized by being.
[0014]
A ninth aspect of the invention is the hybrid drive control apparatus according to any one of the first to seventh aspects of the invention, wherein the friction running mode is executed when the vehicle required driving force becomes a predetermined value or more. .
A tenth aspect of the invention is the hybrid drive control apparatus according to any one of the first to ninth aspects of the invention, wherein the vehicle required driving force is determined in consideration of a shift position in addition to the driver's required output amount and the vehicle speed. It is characterized by that.
[0015]
First11The invention includes (a) a gear-type combining / distributing device having a first rotating element and a second rotating element that are rotated in opposite directions when the rotation of the third rotating element is stopped, and (b) the first rotating element. An engine connected to the element and generating power by combustion of fuel; (c) an electric motor connected to the second rotating element and generating power by electric energy; and (d) rotation of the third rotating element. A hybrid drive having a slip-engageable frictional engagement element installed so as to be able to limit the pressure, and (e) a generator that is connected to the crankshaft of the engine and generates electric energy by being rotationally driven. In the control device, (f) the engine is operated to rotate the first rotating element in the forward direction, and the third rotating element is rotated in the forward direction along with the rotation of the first rotating element. In this state, the friction engagement element is slip-engaged to restrict the rotation of the third rotation element, thereby applying a reverse rotational force to the second rotation element and connecting to the second rotation element. (G) when traveling in the friction travel mode, the generator generates electrical energy and travels the electrical energy in the friction travel mode. It has an assist means for assisting the backward running by supplying the electric motor and rotating it in the reverse direction.
[0016]
First12The invention is from the first invention to the first11The hybrid drive control device according to any one of the inventions is characterized in that the engine is controlled to rotate at a predetermined target engine speed in the friction running mode.
[0017]
First13Invention12In the hybrid drive control device of the invention, the target engine rotational speed is set such that a higher rotational speed is allowed or a higher rotational speed as the temperature of the friction engagement element is lower.
[0018]
First14Invention13In the hybrid drive control device of the invention, the target engine rotation speed is set based on one or a combination of a temperature of a fluid for engaging or cooling the friction engagement element, a cooling water temperature of the engine, and an outside air temperature. It is characterized by setting.
[0019]
First15Invention13In the hybrid drive control device of the invention, the friction engagement element is based on one or a combination of a temperature of a fluid for engaging or cooling the friction engagement element, a cooling water temperature of the engine, and an outside air temperature. The temperature is estimated.
[0020]
First16The invention is from the first invention to the first15In any of the hybrid drive control devices of the invention, the electric motor is a motor generator that also functions as a generator, and the electric power generating action of the motor generator is prohibited in the friction running mode.
[0021]
【The invention's effect】
The hybrid drive control device according to the first aspect of the invention operates the motor in the friction running mode in which the friction engagement element is slip-engaged and the vehicle is driven by the engine, and the vehicle required driving force is divided into the friction share and the motor share. Since it distributes, the load of the friction engagement element is reduced and the durability of the friction material is improved. In particular, since the ratio of the electric motor share decreases as the remaining capacity of the power source such as a battery decreases, a part of the vehicle required driving force is reduced while avoiding that the electric motor cannot be used due to a decrease in the remaining power capacity. By sharing the electric motor, the durability of the frictional engagement element can be reliably improved.
[0022]
In the second aspect of the invention, the motor is operated in the friction travel mode in which the friction engagement element is slip-engaged and the vehicle is driven by the engine, and the vehicle required driving force is distributed to the friction share and the motor share. Therefore, the load of the friction engagement element is reduced and the durability of the friction material is improved. In particular, since the ratio of the friction share decreases as the temperature of the friction engagement element increases, seizure of the friction engagement element due to slip engagement is suppressed, and deterioration of the durability of the friction material due to seizure is prevented. The
[0023]
When the temperature of the friction engagement element is detected or estimated to be equal to or higher than the predetermined temperature, the ratio of the friction share decreases as the temperature of the friction engagement element increases in preference to the distribution based on the remaining capacity of the power source. Also in the third invention to be distributed as in the case of the second invention, the seizure of the friction engagement element due to the slip engagement is suppressed as in the second invention, and the deterioration of the durability of the friction material due to the seizure is prevented.
[0024]
In the fourth aspect of the invention, when the temperature of the friction engagement element is equal to or higher than a predetermined temperature that may cause seizure, the friction running mode is prohibited. Seizure is avoided, and deterioration of the durability of the friction material due to seizure is surely prevented.
[0025]
In the fifth invention, in order to estimate the temperature of the friction engagement element based on one or more combinations of the temperature of the fluid for engaging or cooling the friction engagement element, the cooling water temperature of the engine, and the outside air temperature, It is possible to estimate the temperature of the friction engagement element with high accuracy, and it is possible to estimate the friction engagement element caused by slip engagement without reducing the ratio of the friction share more than necessary or prohibiting the friction running mode. This can prevent the seizure of the friction material and improve the durability of the friction material.
[0026]
In a sixth aspect of the invention, a generator that generates electric energy by being rotationally driven by being coupled to a crankshaft of an engine is provided, and a part or all of the electric power for driving the electric motor in the friction running mode is generated. Because the power generated by the machine is covered, it is possible to always obtain the driving force from the motor regardless of the remaining capacity of the power source, etc., reducing the load of the friction engagement elements and durability of the friction material Can be improved with certainty.
[0027]
The friction travel mode of the seventh aspect of the invention is that the friction engagement element is slip-engaged and the vehicle is driven backward by the engine. The vehicle can be driven backward by a large driving force of the engine, and the friction engagement element of Since the driving force is generated by slip engagement, large driving force fluctuations and engine stall during sudden deceleration are suppressed.
[0028]
In the eighth aspect of the invention, since the friction running mode is executed when the remaining capacity of the power source becomes a predetermined value or less, the power consumption is reduced and the electric motor or the like is prevented from being unusable due to insufficient remaining capacity. In addition, it is possible to improve the durability of the friction material of the friction engagement element by reducing the traveling frequency in the friction traveling mode.
[0029]
In the ninth aspect, since the friction running mode is executed when the vehicle required driving force becomes a predetermined value or more, the vehicle can be driven with a large driving force by the engine, and the running frequency in the friction running mode is reduced. Thus, the durability of the friction material of the friction engagement element can be improved.
[0030]
First11The hybrid drive control device of the invention has a friction running mode in which the vehicle is driven backward by the engine by slip-engaging the friction engagement elements, so that the vehicle can be driven backward by a large driving force and the friction Since the driving force is generated by slip engagement of the combined elements, large driving force fluctuations and engine stall during sudden deceleration are suppressed. In addition, when driving in the friction driving mode, an electric energy is generated by a generator connected to the crankshaft of the engine, and the electric energy is supplied to the electric motor and rotated in the reverse direction to assist reverse driving. Since the means is provided, the load of the friction engagement element is reduced and the durability of the friction material is improved. In particular, since the electric motor is rotationally driven using the electric energy generated by the generator, it is possible to always assist with the electric motor regardless of the remaining capacity of the power source such as a battery, and the friction engagement element Durability is definitely improved.
[0031]
First12In the invention, since the engine is controlled to rotate at a predetermined target engine speed in the friction running mode, the vehicle can be run by slip engagement of the friction engagement element while avoiding engine blow-up or engine stall.
[0032]
First13In the invention, since the target engine speed in the friction running mode is set to a higher or higher speed when the temperature of the friction engagement element is lower, the slip rotation speed of the friction engagement element is higher as the temperature is higher. Is limited to a low rotational speed, and the durability of the friction material is further effectively improved. In other words, the damage that acts on the friction material due to seizure increases as the temperature rises, and the slip rotation speed of the friction engagement element is limited to a low rotation speed at that high temperature. Deterioration can be avoided.
[0033]
First14In the invention, the target engine speed in the friction running mode is set based on one or more combinations of the temperature of the fluid for engaging or cooling the friction engagement element, the cooling water temperature of the engine, and the outside air temperature. Therefore, it is possible to set the target engine speed with high accuracy according to the temperature of the friction engagement element without directly detecting the temperature of the friction engagement element, and lower the target engine speed more than necessary. Without setting, it is possible to prevent seizure of the frictional engagement element due to slip engagement and improve the durability of the friction material.
[0034]
First15In the invention, the friction engagement element is estimated to estimate the temperature of the friction engagement element based on one or more combinations of the temperature of the fluid for engaging or cooling the friction engagement element, the engine coolant temperature, and the outside air temperature. The temperature of the joint element can be estimated with high accuracy, and the frictional material durability is prevented by preventing seizure of the friction engagement element due to slip engagement without setting the target engine speed lower than necessary. Can be improved.
[0035]
First16In the invention, the motor is a motor generator that also functions as a generator, and the power generation action of the motor generator is prohibited in the friction running mode, so that an increase in the load of the friction engagement element that is slip-controlled is avoided. This prevents deterioration of durability.
[0036]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The drive wheel that is rotationally driven via the friction engagement element and the drive wheel that is rotationally driven by the electric motor may be the same or different. As the friction engagement element, a single-plate or multi-plate hydraulic friction brake or clutch that is frictionally engaged by a hydraulic actuator is preferably used. A combination element can be adopted.
[0037]
As the power source, a chargeable / dischargeable battery (secondary battery) is preferably used, but another power source such as a fuel cell can also be used. In the second invention, the power source is not necessarily essential, and for example, the electric motor may be operated only by the electric energy generated by the generator.
[0038]
The driving force distribution means maintains the engagement torque of the friction engagement elements substantially constant by, for example, changing the electric motor share in accordance with the change in the vehicle required driving force, thereby further improving the durability of the friction material. You can also. First11The assist means of the invention can be regarded as one aspect of the driving force distribution means.
[0039]
The driving force distribution means of the first invention is configured to decrease the ratio of the electric motor share continuously (linearly or curvilinearly) as the remaining capacity of the power source decreases, for example, It may be changed in a stepwise manner such as two or three or more stages. The same applies to the driving force distribution means according to the second aspect of the present invention that reduces the ratio of the friction share as the temperature of the friction engagement element increases.
[0040]
5th invention, 4th14Invention, No.15In the invention, the target engine rotational speed is set based on any one of the temperature of the fluid for engaging or cooling the friction engagement element, the cooling water temperature of the engine, and the outside air temperature. Although the temperature can be estimated, in order to obtain a high control system, it is desirable to perform the above setting and estimation using any two or three. It is also possible to perform the above setting and estimation by adding parameters other than the temperature of the fluid, the engine coolant temperature, and the outside air temperature.
[0041]
First11According to a preferred aspect of the present invention, in the friction running mode, the assist means is configured so that a required vehicle driving force corresponding to a driver's required output amount can be obtained and the engine rotational speed becomes a predetermined target engine rotational speed. In consideration of the assist torque, the engagement torque control of the friction engagement element and the engine output control are performed.
[0042]
First11In another preferred aspect of the invention, (a) the engine is operated to rotate the first rotating element in the positive direction, and the friction engagement element is completely engaged to rotate the third rotating element. (B) The electric motor is a motor generator that can also be used as a generator, and is provided with an engine traveling mode in which the second rotating element is rotated in the reverse direction to prevent the vehicle from traveling backward. The power generation control of the motor generator is allowed in the travel mode, but the power generation control of the motor generator is prohibited in the friction travel mode. In that case, since the power generation control of the motor generator is prohibited in the friction running mode, an increase in the load of the friction engagement element to be slip-controlled is avoided and the durability is prevented from being deteriorated. Since power generation control of the generator is allowed, the battery can be charged as necessary even during reverse travel. The first11In carrying out the invention, it is not always necessary to have the engine running mode, and it is also possible to perform power generation control in the friction running mode as necessary, for example, when the storage amount (remaining capacity) of the battery is insufficient. .
[0043]
The gear-type synthesizing / distributing device is a single pinion type or double pinion type planetary gear device or a bevel gear type differential device. Add a clutch or brake as needed, such as providing a first clutch between the second rotating element and the output member on the drive wheel side, and a second clutch between the output member and the third rotating element. Thus, various operation modes such as a forward traveling mode and a charging mode can be established.
[0044]
As an electric motor connected to the second rotating element,16Although a motor generator can be used as in the invention, a simple electric motor that does not have the function of a generator may be used. The generator connected to the engine crankshaft is preferably a motor generator so that it can also be used as a starter for cranking when the engine is started, but it is a simple generator that does not have a motor function. It may be provided separately from the starter.
[0045]
First11The assist means of the invention may be a device that rotates the electric motor only with the electric energy generated by the generator, but if there is a margin in the power source (battery, etc.), the electric power is taken from the power source to drive the motor. Thus, the load of the frictional engagement element that is slip-engaged can be further reduced. In the friction running mode, it is desirable to always assist with the assist means, but the assist by the assist means is stopped under certain conditions, or the motor is assisted only by electric energy taken from the power source, etc. Various modes can be adopted.
[0046]
Further, it is not necessary to supply all electric energy generated by the generator to the electric motor, and a part of the generated electric energy may be used for various auxiliary machines such as an air conditioner and an electric oil pump of a hydraulic circuit. .
[0047]
As a specific mode of the assist means, for example, the power generation torque of the generator is controlled so as to generate predetermined electric energy, and the insufficient torque obtained by subtracting the motor assist torque from the driver's output request amount (requested torque). The engagement torque of the friction engagement element is controlled in consideration of the gear ratio of the composite distributor so as to act on the second rotation element based on the slip engagement of the friction engagement element. The engine torque is feedback-controlled so that the rotation speed becomes a predetermined target engine rotation speed. In the engine torque feedback control, the torque obtained by adding the power generation torque of the generator to the engine share of the engagement torque of the friction engagement elements, that is, the torque taking into account the gear ratio of the combining / distributing device may be used as a feedforward term. desirable.
[0048]
As another aspect of the assist means, for example, the power generation torque of the generator is controlled so as to generate predetermined electric energy, and the assist torque of the motor is subtracted from the driver's output request amount (request torque). The engine torque is controlled in accordance with the insufficient torque and the power generation torque, and the engagement torque of the friction engagement element is feedback-controlled so that the rotation speed of the engine becomes a predetermined target engine rotation speed. You can also. That is, the gear of the synthesizing / distributing device is set so that the insufficient torque obtained by subtracting the assist torque of the electric motor from the driver's required output amount acts on the second rotation element based on the slip engagement of the friction engagement element. The engine torque is controlled in consideration of the ratio and the power generation torque of the generator, while the engagement torque of the friction engagement element is feedback controlled so that the engine rotation speed becomes a predetermined target engine rotation speed. In the feedback control of the friction engagement element, it is desirable that a torque engagement torque share obtained by subtracting the power generation torque from the engine torque, that is, a torque in consideration of the gear ratio of the synthesizing / distributing device is used as the feedforward term.
[0049]
First14In the invention, for example, any one of the outside air temperature, the engine cooling water temperature, and the temperature of the friction engagement element is detected to set the target engine rotation speed. Various modes are possible, such as obtaining the target engine speed from a map or the like provided individually, and selecting the lowest target engine speed. The target engine speed may be set by detecting the temperature of another part related to the temperature of the friction engagement element. The first11In carrying out the invention, a constant target engine speed may be set regardless of the temperature of each part, and the engagement torque of the friction engagement element and the generator may be set without setting the target engine speed. Various engine controls are possible, such as controlling the engine torque according to the torque of the engine.
[0050]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic configuration diagram illustrating a hybrid
[0051]
The clutches C1 and C2 and the first brake B1 are wet multi-plate hydraulic friction engagement devices that are frictionally engaged by a hydraulic actuator, and are frictionally engaged by hydraulic oil supplied from the
[0052]
The “B” position is a shift position in which a relatively large power source brake is generated due to a downshift of the
[0053]
The clutches C1, C2 and the brake B1 are provided with
[0054]
Then, according to the operating states of the clutches C1 and C2 and the brake B1, the travel modes shown in FIG. 4 are established. That is, in the “B” position or the “D” position, any one of “ETC mode”, “direct connection mode”, and “motor traveling mode (forward)” is established, and in the “ETC mode”, the second clutch C2 is engaged. In a state where the first clutch C1 and the first brake B1 are disengaged and in other words, the sun gear 18s, the
[0055]
FIG. 5 is a collinear diagram showing the operating state of the
[0056]
Returning to FIG. 4, in the “N” position or the “P” position, either “neutral” or “charging / engage start mode” is established, and in “neutral”, the clutches C1, C2 and the first brake B1 are Both are open. In the “charging / engage start mode”, the clutches C1 and C2 are disengaged and the first brake B1 is engaged, and the
[0057]
In the “R” position, the “motor travel mode (reverse)”, “friction travel mode”, or “engine travel mode” is established, and in the “motor travel mode (reverse)”, the first clutch C1 is engaged. At the same time, with the second clutch C2 and the first brake B1 released, the
[0058]
Further, in the “engine running mode”, the first brake C1 and the first brake B1 are engaged and the second clutch C2 is disengaged, and the
[0059]
FIG. 6 is a collinear diagram showing the operating state of the
[0060]
In the “engine running mode” of FIG. 6B, when Te × (1-ρ) / ρ is applied to the
[0061]
The
[0062]
The hybrid
[0063]
The
[0064]
The
[0065]
FIGS. 8 and 9 show the operation when the
[0066]
In step S1 of FIG. 8, it is determined based on a signal from the
[0067]
In the next step S4, it is determined whether or not the charged amount SOC of the
[0068]
In step S6, if the
[0069]
In step S10 of FIG. 9, it is determined whether or not the ATF temperature ThATF is lower than a predetermined value α. The predetermined value α is an upper limit temperature at which the temperature of the first brake B1 is low and is predicted not to cause seizure even if the first brake B1 is slip-engaged. For example, a constant value of about 110 ° C. is set, and the ATF temperature ThATF is set to the predetermined value α. If it is lower, step S11 and subsequent steps are executed, but if it is equal to or higher than the predetermined value α, step S17 is executed to determine whether the ATF temperature ThATF is lower than a predetermined value β that is higher than the predetermined value α. . The predetermined value β is a temperature at which the temperature of the first brake B1 is high, and it is predicted that there is a risk of the friction material being seized and damaged when the first brake B1 is slip-engaged. For example, a constant value of about 150 ° C. is set, and the ATF temperature ThATF Is lower than the predetermined value β, step S18 and the subsequent steps are executed. However, when the predetermined value β is higher than the predetermined value β, the reverse running in the “friction running mode” is stopped, and the “motor running mode (reverse)” is stopped in step S9 in FIG. ”Causes the vehicle to travel backward using only the
[0070]
In step S11, which is executed when the ATF temperature ThATF is lower than the predetermined value α, first, a target engine speed nettag is set. The target engine speed nettag is set according to the flowchart of FIG. 10, for example. In step R1, the target engine speed neta is calculated from the outside air temperature Tha in accordance with a predetermined map, and in step R2, the engine cooling water temperature Thw is previously set. The target engine speed nethw is calculated according to the predetermined map, and at step R3, the target engine speed nethATF is calculated from the ATF temperature ThATF according to the predetermined map. (A) to (c) of FIG. 11 are diagrams for explaining examples of predetermined maps, and the target engine rotation speeds netha, neww, and netATF decrease as the temperatures Tha, Thw, and ThATF increase. It is prescribed as follows. In step R4, the lowest target engine rotational speed neta, netw, or netATF is set as the final target engine rotational speed netag.
[0071]
Returning to FIG. 9, in step S12, the vehicle required driving force Pdrv obtained in step S3 is transmitted to the
[0072]
In the next step S13, the power generation torque Ts of the
[0073]
In step S15, the engagement torque T of the first brake B1B1The engine torque Te is obtained from the power generation torque Ts of the
Te = − (ρ × TB1+ Ts) (1)
[0074]
On the other hand, in step S18 executed when the ATF temperature ThATF is equal to or higher than the predetermined value α and lower than the predetermined value β, the target engine speed nettag is set in the same manner as in step S11. Further, in step S19, the vehicle requested driving force Pdrv obtained in step S3 is distributed to the
[0075]
In the next step S20, the power generation torque Ts of the
[0076]
In subsequent steps S22 and S23, output control of the
[0077]
In step S24, it is determined whether or not the charged amount SOC is smaller than the predetermined value SOC2. If the stored amount SOC is smaller than the predetermined value SOC2, a warning is given to the driver by voice display or visual display in step S25, and step S26 is performed. The evacuation is carried out at. That is, when the charged amount SOC of the
[0078]
Thus, the hybrid
[0079]
In particular, when the temperature of the first brake B1 is relatively low and there is no risk of seizure, that is, when execution is performed after step S11, the motor generator decreases as the charged amount SOC decreases based on the charged amount SOC of the
[0080]
In addition, when the temperature of the first brake B1 is relatively high, that is, when step S18 and subsequent steps are executed, the friction sharing is performed as the ATF temperature ThATF increases based on the ATF temperature ThATF corresponding to the temperature of the first brake B1 in step S19. Since the ratio of minutes is reduced, seizure of the first brake B1 due to slip engagement is suppressed, and deterioration of the durability of the friction material due to seizure is prevented.
[0081]
If the ATF temperature ThATF corresponding to the temperature of the first brake B1 is equal to or higher than a predetermined value β that may cause burn-in, the “motor running mode (reverse)” in step S9 is performed following step S17. As a result, the “friction running mode” is prohibited, so that the seizure of the first brake B1 due to the slip engagement is avoided, and the durability of the friction material due to seizure is reliably prevented.
[0082]
In steps S17 and S19, a predetermined determination is made based on the ATF temperature ThATF instead of the temperature of the first brake B1, and the sharing ratio of the driving force is set. However, the ATF temperature ThATF is determined by the first brake. Since a relatively high correspondence relationship with the temperature of B1 is obtained, the first brake B1 caused by slip engagement without prohibiting the “friction running mode” more than necessary or reducing the ratio of the friction share. This can prevent the seizure of the friction material and improve the durability of the friction material.
[0083]
Further, a motor generator is used as the
[0084]
In addition, the “friction running mode” of the present embodiment is one in which the first brake B1 is slip-engaged and the vehicle is driven backward by the
[0085]
In addition, when the charged amount SOC of the
[0086]
Further, when the vehicle required driving force Pdrv is equal to or greater than the
[0087]
Further, in this embodiment, during traveling in the “friction traveling mode”, the engagement torque T of the first brake B1 is obtained in steps S16 and S23.B1In this feedback control, constant rotation control is performed so that the
[0088]
Further, since the target engine speed nettag is set to a higher rotational speed when the temperature of the first brake B1 is lower in steps S11 and S18, the slip rotational speed of the first brake B1 becomes lower as the temperature is higher. As a result, the durability of the friction material is further effectively improved. That is, the damage acting on the friction material due to seizure increases as the temperature increases, and the slip rotation speed of the first brake B1 is limited to a low rotation speed at the high temperature, so that the durability of the friction material due to seizure or the like is increased. Deterioration can be avoided.
[0089]
Further, the target engine speed netag is set comprehensively from the ATF temperature ThATF, the engine coolant temperature Thw, and the outside air temperature Tha (minimum select), so that the temperature of the first brake B1 is not directly detected. The target engine speed nettag can be set with high accuracy according to the temperature of the first brake B1, and the first brake B1 resulting from slip engagement can be set without setting the target engine speed nettag lower than necessary. This can prevent the seizure of the friction material and improve the durability of the friction material.
[0090]
When the motor rotational speed Nm is equal to or higher than the predetermined value Nm1, the
[0091]
The target engine speed nettag may be set according to the flowchart of FIG. 14 instead of FIG. In step Q1 of FIG. 14, the estimated temperature T of the first brake B1 is determined according to a predetermined map from the ATF temperature ThATF.B1F In step Q2, the estimated temperature T of the first brake B1 is determined from the engine coolant temperature Thw according to a predetermined map.B1W In step Q3, the estimated temperature T of the first brake B1 is determined from the outside air temperature Tha according to a predetermined map.B1A Is calculated. The above maps all show the estimated temperature T of the first brake B1 as the temperatures ThATF, Thw, Tha increase.B1F , TB1W , TB1A Is set to be high. In step Q4, the estimated temperature TB1F , TB1W , TB1A Is the highest temperature of the first brake B1 estimated temperature TB1In step Q5, the estimated temperature TB1To calculate a target engine speed nettag according to a predetermined map. FIG. 15 shows the estimated temperature T of the first brake B1.B1Is an example of a map for calculating the target engine speed nettag from the estimated temperature TB1The lower the value is, the higher the target engine speed nettag is set.
[0092]
In this case, since the temperature of the first brake B1 is comprehensively estimated from the three combinations of the ATF temperature ThATF, the engine coolant temperature Thw, and the outside air temperature Tha (maximum value selection), the temperature of the first brake B1 is increased. It is possible to estimate with accuracy, and to prevent the seizure of the first brake B1 due to slip engagement and improve the durability of the friction material without setting the target engine speed nettag lower than necessary. it can.
[0093]
Also in steps S10 and S17 of FIG. 9, the estimated temperature T of the first brake B1 obtained according to steps Q1 to Q4 above.B1You may make it judge using.
[0094]
As mentioned above, although the Example of this invention was described in detail based on drawing, these are one Embodiment to the last, This invention is implemented in the aspect which added the various change and improvement based on the knowledge of those skilled in the art. be able to.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram illustrating a hybrid drive control device to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a skeleton diagram showing a power transmission system of the hybrid drive control device of FIG. 1;
FIG. 3 is a circuit diagram showing a part of the hydraulic control circuit of FIG. 1;
4 is a diagram for explaining the relationship between several travel modes established in the hybrid drive control device of FIG. 1 and the operating states of clutches and brakes. FIG.
5 is a collinear diagram showing the relationship between the rotational speeds of the rotating elements of the planetary gear device in the ETC mode, the direct connection mode, and the motor travel mode (forward movement) of FIG. 4;
6 is a collinear diagram showing the relationship between the rotational speeds of the rotating elements of the planetary gear device in the friction traveling mode and the engine traveling mode of FIG. 4;
7 is a block diagram showing some functions provided in the HVECU of FIG. 1; FIG.
FIG. 8 is a flow chart for explaining the operation when the motor travel mode (reverse travel), the friction travel mode, and the engine travel mode are switched in accordance with the storage amount SOC, the required vehicle driving force Pdrv, and the like, together with FIG. is there.
FIG. 9 is a flowchart showing a continuation of FIG. 8;
FIG. 10 is a flowchart for specifically explaining the contents of steps S11 and S18 of FIG. 9;
11 is a diagram showing a specific example of a data map used in steps R1 to R3 in FIG.
12 is a diagram showing an example of a data map used in step S19 of FIG.
13 is a diagram showing an example of a data map used in step S12 of FIG.
14 is a diagram showing another example of the flowchart of FIG.
15 is a diagram showing an example of a data map used in step Q5 of FIG.
[Explanation of symbols]
10: Hybrid drive control device 14: Engine 16: Motor generator (electric motor) 18: Planetary gear device (composite distribution device) 22: Input shaft 42: Battery (power source) 70: Starter (generator) 96: SOC sensor (electric power) 110: Friction travel mode control means B1: First brake (friction engagement element) Tha: outside air temperature Thw: engine water temperature ThATF: ATF temperature (fluid temperature) SOC: charged amount (remaining capacity) netag: Target engine speed steps S12, S19: Driving force distribution means steps S20, S21: Assist means
Claims (16)
駆動輪へ駆動力を付与できる電動機と、
該電動機に電力を供給する電力源と、
該電力源の残容量を検出または推定する電力残容量検出手段と、
前記摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジン動力を駆動輪に伝達するフリクション走行モードを成立させるフリクション走行モード制御手段と、
を有するハイブリッド駆動制御装置において、
前記フリクション走行モードによる走行時に前記電動機を作動させるとともに、運転者の出力要求量および車速に基づいて決定される車両要求駆動力を、前記摩擦係合要素のスリップ係合で駆動輪に伝達されるフリクション分担分と、前記電動機から駆動輪に伝達される電動機分担分とに分配する駆動力分配手段を有し、
且つ、該駆動力分配手段は、前記電力残容量検出手段によって検出または推定された残容量が小さくなるに従って前記電動機分担分の比率を小さくするようになっている
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。A friction engagement element that connects and disconnects the power transmission between the engine that generates power by combustion of the fuel and the drive wheel by friction engagement;
An electric motor capable of applying a driving force to the drive wheels;
A power source for supplying power to the motor;
Power remaining capacity detection means for detecting or estimating the remaining capacity of the power source;
Friction running mode control means for establishing a friction running mode in which the friction engagement element is slip-engaged to transmit engine power to drive wheels;
In a hybrid drive control device having
Actuates the electric motor during running by the friction drive mode, is transmitted to the required vehicle driving force is determined based on the requested output amount and vehicle speed of the driver, the driving wheel slip engagement of the frictional engagement elements Driving force distribution means for distributing the friction sharing to the motor and the motor sharing transmitted from the electric motor to the driving wheel,
In addition, the driving force distribution means reduces the ratio of the electric motor share as the remaining capacity detected or estimated by the remaining power detection means decreases. .
駆動輪へ駆動力を付与できる電動機と、
前記摩擦係合要素をスリップ係合させてエンジン動力を駆動輪に伝達するフリクション走行モードを成立させるフリクション走行モード制御手段と、
を有するハイブリッド駆動制御装置において、
前記フリクション走行モードによる走行時に前記電動機を作動させるとともに、運転者の出力要求量および車速に基づいて決定される車両要求駆動力を、前記摩擦係合要素のスリップ係合で駆動輪に伝達されるフリクション分担分と、前記電動機から駆動輪に伝達される電動機分担分とに分配する駆動力分配手段を有し、
且つ、該駆動力分配手段は、前記摩擦係合要素の温度が高くなるに従って前記フリクション分担分の比率を小さくするようになっている
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。A friction engagement element that connects and disconnects the power transmission between the engine that generates power by combustion of the fuel and the drive wheel by friction engagement;
An electric motor capable of applying a driving force to the drive wheels;
Friction running mode control means for establishing a friction running mode in which the friction engagement element is slip-engaged to transmit engine power to drive wheels;
In a hybrid drive control device having
Actuates the electric motor during running by the friction drive mode, is transmitted to the required vehicle driving force is determined based on the requested output amount and vehicle speed of the driver, the driving wheel slip engagement of the frictional engagement elements Driving force distribution means for distributing the friction sharing to the motor and the motor sharing transmitted from the electric motor to the driving wheel,
In addition, the driving force distribution means is configured to reduce the ratio of the friction share as the temperature of the friction engagement element increases.
前記駆動力分配手段は、前記摩擦係合要素の温度が所定温度以上と検出または推定された場合は、前記電力源の残容量に基づく分配に優先して、該摩擦係合要素の温度が高くなるに従って前記フリクション分担分の比率が小さくなるように分配する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to claim 1,
When the temperature of the friction engagement element is detected or estimated to be equal to or higher than a predetermined temperature, the driving force distribution means has a higher temperature of the friction engagement element in preference to distribution based on the remaining capacity of the power source. The hybrid drive control device is characterized in that the distribution is performed so that the ratio of the friction share becomes smaller as it goes.
前記摩擦係合要素の温度が、焼き付きを生じる恐れがある予め定められた所定温度以上の場合は、前記フリクション走行モードを禁止する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to claim 2 or 3,
The hybrid drive control device, wherein the friction running mode is prohibited when the temperature of the friction engagement element is equal to or higher than a predetermined temperature that may cause seizure.
前記摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、前記エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて、前記摩擦係合要素の温度を推定する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 2 to 4,
Estimating the temperature of the frictional engagement element based on one or more combinations of the temperature of the fluid for engaging or cooling the frictional engagement element, the cooling water temperature of the engine, and the outside air temperature. A hybrid drive control device.
前記エンジンのクランク軸に連結されて回転駆動されることにより電気エネルギーを発生する発電機を有し、前記フリクション走行モード時に前記電動機を駆動するための電力の一部または全部を該発電機で発電した電力で賄うようになっている
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 1 to 5,
A generator that generates electric energy by being connected to a crankshaft of the engine and driven to rotate, and generates a part or all of electric power for driving the motor in the friction running mode by the generator; A hybrid drive control device characterized in that it is covered by generated electric power.
第3回転要素の回転停止時に互いに逆方向へ回転させられる関係にある第1回転要素および第2回転要素を有する歯車式の合成分配装置を備えているとともに、
前記第1回転要素に前記エンジンが連結され、前記第2回転要素に前記電動機が連結され、前記摩擦係合要素は前記第3回転要素の回転を制限できるように設置されており、
前記フリクション走行モードは、前記エンジンを作動させて前記第1回転要素を正方向へ回転させるとともに、該第1回転要素の回転に伴って前記第3回転要素が正方向へ回転させられている状態で、前記摩擦係合要素をスリップ係合させて該第3回転要素の回転を制限することにより、前記第2回転要素に逆方向の回転力を作用させるとともに、前記電動機によって該第2回転要素に逆方向の回転力を付与して、該第2回転要素に接続された駆動輪を回転駆動して車両を後進走行させるものである
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 1 to 6,
A gear-type combining / distributing device having a first rotating element and a second rotating element that are rotated in opposite directions to each other when rotation of the third rotating element is stopped;
The engine is connected to the first rotating element, the electric motor is connected to the second rotating element, and the friction engagement element is installed so as to limit the rotation of the third rotating element,
In the friction running mode, the engine is operated to rotate the first rotating element in the forward direction, and the third rotating element is rotated in the forward direction along with the rotation of the first rotating element. Then, the frictional engagement element is slip-engaged to limit the rotation of the third rotation element, so that a reverse rotational force is applied to the second rotation element, and the second rotation element is operated by the electric motor. A hybrid drive control device characterized in that a reverse rotational force is applied to the drive wheel and the drive wheels connected to the second rotation element are rotated to drive the vehicle backward.
前記フリクション走行モードは、前記電動機に電力を供給する電力源の残容量が所定値以下になった場合に実行される
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 1 to 7,
The friction drive mode is executed when a remaining capacity of a power source that supplies power to the electric motor becomes a predetermined value or less.
前記フリクション走行モードは、前記車両要求駆動力が所定値以上になった場合に実行される
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 1 to 7,
The friction driving mode is executed when the vehicle required driving force becomes a predetermined value or more.
前記車両要求駆動力は、前記運転者の出力要求量および前記車速の他にシフトポジションを考慮して決定されるThe required vehicle driving force is determined in consideration of a shift position in addition to the driver's required output amount and the vehicle speed.
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。A hybrid drive control device characterized by that.
前記第1回転要素に連結されるとともに燃料の燃焼で動力を発生するエンジンと、
前記第2回転要素に連結されるとともに電気エネルギーで動力を発生する電動機と、
前記第3回転要素の回転を制限できるように設置されたスリップ係合可能な摩擦係合要素と、
前記エンジンのクランクシャフトに連結されて回転駆動されることにより電気エネルギーを発生する発電機と、
を有するハイブリッド駆動制御装置において、
前記エンジンを作動させて前記第1回転要素を正方向へ回転させるとともに、該第1回転要素の回転に伴って前記第3回転要素が正方向へ回転させられている状態で、前記摩擦係合要素をスリップ係合させて該第3回転要素の回転を制限することにより、前記第2回転要素に逆方向の回転力を作用させて該第2回転要素に接続された駆動輪を回転駆動して車両を後進走行させるフリクション走行モードを備えている一方、
該フリクション走行モードの走行時に、前記発電機によって電気エネルギーを発生させるとともに、該電気エネルギーを前記電動機に供給して逆方向へ回転させることにより、前記後進走行をアシストするアシスト手段を有する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。A gear-type combining / distributing device having a first rotating element and a second rotating element that are rotated in opposite directions when rotation of the third rotating element is stopped;
An engine coupled to the first rotating element and generating power by combustion of fuel;
An electric motor coupled to the second rotating element and generating power with electric energy;
A slip-engageable frictional engagement element installed to limit the rotation of the third rotation element;
A generator that generates electrical energy by being connected to the crankshaft of the engine and driven to rotate;
In a hybrid drive control device having
The friction engagement is performed in a state where the engine is operated to rotate the first rotating element in the forward direction and the third rotating element is rotated in the forward direction as the first rotating element is rotated. By restricting the rotation of the third rotating element by slip-engaging the element, the driving wheel connected to the second rotating element is driven to rotate by applying a reverse rotational force to the second rotating element. While having a friction running mode that makes the vehicle run backward,
When the vehicle travels in the friction travel mode, the power generator generates electrical energy and supplies assisting means for assisting the reverse travel by supplying the electrical energy to the electric motor and rotating it in the reverse direction. A hybrid drive control device.
前記フリクション走行モード時は前記エンジンを所定の目標エンジン回転速度で定回転制御する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 1 to 11 ,
A hybrid drive control device characterized in that, in the friction running mode, the engine is controlled to rotate at a predetermined target engine speed.
前記目標エンジン回転速度は、前記摩擦係合要素の温度が低い時程高回転速度を許容または高回転速度に設定される
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。The hybrid drive control device according to claim 12 ,
The target engine rotation speed is set such that a higher rotation speed is allowed or a higher rotation speed when the temperature of the friction engagement element is lower.
前記摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、前記エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて前記目標エンジン回転速度を設定する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to claim 13 ,
The target engine rotation speed is set based on one or a combination of a temperature of a fluid for engaging or cooling the friction engagement element, a cooling water temperature of the engine, and an outside air temperature. Drive control device.
前記摩擦係合要素を係合または冷却するための流体の温度、前記エンジンの冷却水温、および外気温の1つまたは複数の組合せに基づいて、前記摩擦係合要素の温度を推定する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to claim 13 ,
Estimating the temperature of the frictional engagement element based on one or more combinations of the temperature of the fluid for engaging or cooling the frictional engagement element, the cooling water temperature of the engine, and the outside air temperature. A hybrid drive control device.
前記電動機は発電機としても機能するモータジェネレータで、前記フリクション走行モード時は該モータジェネレータの発電作用を禁止する
ことを特徴とするハイブリッド駆動制御装置。In the hybrid drive control device according to any one of claims 1 to 15 ,
The hybrid drive control device according to claim 1, wherein the electric motor is a motor generator that also functions as a generator, and the electric power generating action of the motor generator is prohibited in the friction running mode.
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