JP4463950B2 - シリコンウエーハの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、窒素をドープして引上げたチョクラルスキー法(CZ法)シリコン単結晶から作製されたシリコンウエーハに熱処理(アニール)を施すことにより、ウエーハ表層部に無欠陥層を有し、バルク部にイントリンシックゲッタリング(IG、Intrinsic Gettering)層が形成されるシリコンウエーハ(アニールウエーハ)を製造するのに好適なシリコンウエーハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの高集積化・微細化に伴い、ウエーハ表層の一層の完全性とバルク中のゲッタリング能力の強化が強く要求されている。それに対し、最近、窒素をドープしたCZ法シリコンウエーハに熱処理を施すことにより、上記の2つの要求を同時に満たしたウエーハが開発された。
【0003】
すなわち、CZ法シリコン単結晶に窒素をドープすることにより、as−grown結晶中のグローンイン(grown−in)欠陥(主に原子空孔の集合体により形成されるボイド欠陥)のサイズが小さくなるため、後工程の高温アニールによりウエーハ表層部の無欠陥化が容易になり、しかもバルク部においては窒素が有する酸素析出促進効果により、析出熱処理やデバイス熱処理工程を経ることによって、ゲッタリングに寄与する酸素析出物等の欠陥(以下、BMD(Bulk Micro Defects)と呼ぶことがある)を高密度に有するIG層が形成されるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CZ法シリコンウエーハのバルク部に形成され、ゲッタリングに寄与するBMDの密度と、表層部の無欠陥層の形成に影響するグローンイン欠陥のサイズは、通常、面内分布を有することが知られており、特に、ウエーハの中心付近でBMD密度、グローンイン欠陥サイズともに大きく、ウエーハ周辺では両者とも徐々に低下している傾向がある。
【0005】
この傾向は窒素ドープ結晶においても同様で、BMD密度やグローンイン欠陥サイズの絶対値は変化するが、面内分布を持つことには変わりはない。よって、表層部に無欠陥層を形成するための高温アニールを施した後は、アニールウエーハの中心部分に特にグローンイン欠陥が残り易いことになる。
【0006】
また、バルクのゲッタリング能力を決定する析出熱処理後のBMD密度に関し、ウエーハ周辺部でBMD密度が低下する傾向は、特に窒素ドープウエーハに関して顕著であることが、本発明者の調査により明確になった。
【0007】
このように、アニールウエーハに求められるウエーハ表層部に形成される無欠陥層と析出熱処理またはデバイス熱処理後のBMD密度のいずれの特性も、現時点では面内で不均一であるという問題を抱えている。
【0008】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、熱処理後のアニールウエーハに見られる無欠陥層の面内バラツキ(すなわち、グローンイン欠陥サイズの面内バラツキ)と、析出熱処理またはデバイス熱処理等の熱処理後のBMD密度の面内バラツキを抑えて、十分な無欠陥層とBMD密度を面内均一に有するアニールウエーハを作製するために好適なシリコンウエーハを製造する方法およびそのようなシリコンウエーハを提供することを主たる目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のシリコンウエーハの製造方法に係る発明は、チョクラルスキー法により窒素をドープして引上げられたシリコン単結晶からシリコンウエーハを作製し、該シリコンウエーハに熱処理を施すシリコンウエーハの製造方法において、前記シリコン単結晶を引上げる際の引上速度V(mm/min)と固液界面の温度勾配G(K/mm)の比V/Gが、引上げ結晶径方向の90%以上の範囲において0.175〜0.225mm2/K・minとなる条件で育成することを特徴としている。
【0010】
このような条件下で育成された窒素をドープしたシリコン単結晶から切り出されたシリコンウエーハは、グローンイン欠陥サイズの面内分布もBMD密度の面内分布も均一なものとすることができる。従って、これに高温熱処理を施せば、ウエーハ表層部の無欠陥層の面内バラツキがなく、バルク部のBMD密度が面内均一で高密度なIG能力の高いアニールウエーハを得ることができる。
【0011】
この場合、前記シリコンウエーハ中の窒素濃度は、1×1013〜5×1015個/cm3であることが好ましい。
窒素濃度をこのような範囲内に納めれば、グローンイン欠陥のサイズを小さくする効果が十分であるとともに、単結晶の育成にも悪影響を及ぼさないので、後工程の高温アニールによりウエーハ表層部の無欠陥化が容易になるとともに、バルク部においては窒素が有する酸素析出促進効果により、析出熱処理やデバイス熱処理を経ることによって、ゲッタリングに寄与するBMDを高密度に有するIG層を形成することができる。
【0012】
そして本発明によれば、熱処理後のアニールウエーハに見られる無欠陥層の面内バラツキと、析出熱処理またはデバイス熱処理等の熱処理後のBMD密度の面内バラツキを抑えて、十分な無欠陥層とBMD密度を面内均一に有するアニールウエーハを得ることのできるシリコンウエーハが提供される。
【0013】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明者は、十分な無欠陥層とBMD密度を面内均一に有するアニールウエーハを作製するためには、シリコンウエーハとして、バルク部に形成されるゲッタリングに寄与するBMDの密度と、表層部の無欠陥層の形成に影響するグローンイン欠陥のサイズがともに面内分布を持たないものを用意する必要があることを知見した。
【0014】
すなわち本発明者は、アニールウエーハ用として現状製造している窒素ドープされたCZ法シリコンウエーハに高温アニールを施した後のウエーハ表層部のグローンイン欠陥密度と、追加熱理後のBMD密度に関して鋭意調査を行った。
その結果、ウエーハ中心部では残存欠陥数は多く、BMD密度も高いが、ウエーハ周辺部では残存欠陥数は少なく、BMD密度も少ないことがわかった。また、その中間の位置(以下、R/2位置という。Rはウエーハ半径)では、残存欠陥も程々に少なく、BMD密度も程々に高くなっていた。
【0015】
これら3箇所の中ではR/2位置が、表層部の完全性とバルク中のゲッタリング能力のバランスが最も良いことになる。つまり、このR/2位置の状態をウエーハ面内に拡大できれば、面内均一で高品質なウエーハが得られることになる。そこで、このR/2位置の状態を拡大するため、BMDやグローンイン欠陥の分布とCZ法シリコン単結晶の引上げ方法との相関関係を調査した。
【0016】
その結果、このようにグローンイン欠陥サイズやBMD密度の面内分布が不均一になる原因は、少なくとも結晶育成時の引上げ速度V(mm/min)とシリコンの融点から1400℃までの範囲における引き上げ軸方向の固液界面の温度勾配G(K/mm)の比であるV/Gが面内で分布を持つ、すなわちV/Gが面内で変動するためであることがわかってきた。そこでウエーハ面内の位置に関わらずグローンイン欠陥サイズやBMD密度を所望のものとするために必要な具体的なV/G値を求めることにした。以下、これについて説明する。
【0017】
グローンイン欠陥がV/Gの影響を受けることは既に良く知られているので、結晶引上げ装置の特定のホットゾーン(Hot Zone、HZ、炉内構造)を用いて引上げ結晶中に取り込まれる窒素濃度を1×1013個/cm3 とし、1.0〜1.4mm/minの範囲から選択された引上げ速度にて複数本の結晶の育成を行い、それぞれのV/Gの面内分布とグローンイン欠陥のサイズとの関係及び800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理後のBMD密度との関係を調査した。その結果を図1および図2に示す。
【0018】
図1はウエーハの面内の中央部、R/2部、周辺部(ウエーハ外周より10mmの位置)について測定したBMD密度の全データとV/Gとの関係を示しており、BMD密度がV/Gと直接相関していることを表している。V/Gが0.190mm2 /K・min付近より小さくなるとBMD密度が急激に低下し、0.175mm2 /K・minを下回るとゲッタリング能力が不十分となる1×109 個/cm3 以下に低下することがわかる。すなわち、高密度のBMDを得るためには、ウエーハ面内位置にかかわらず、V/Gを0.175mm2 /K・min以上とすれば良いことがわかった。
【0019】
一方、図2はOPP(Optical Precipitate Profiler)によりグローンイン欠陥のサイズを相対評価し、V/Gとの関係を調査した結果を示している。図1と同様にウエーハの面内の中央部、R/2部、周辺部について測定したOPPサイズの全データとV/Gとの関係を示しており、OPPサイズがV/Gと直接相関していることを表している。すなわち、V/Gが0.225mm2 /K・min以下ではグローンイン欠陥のサイズが急激に小さくなり、0.225mm2 /K・minを越えるような範囲では、グローンイン欠陥のサイズが大きな値で飽和傾向にあることを新規に発見した。従って、熱処理により消滅させ易いサイズの小さいグローンイン欠陥とするためには、ウエーハの面内の位置に関わらず、V/Gを0.225mm2 /K・min以下とすればよい。
【0020】
以上、図1および図2の結果から、窒素ドープされたCZ法シリコン単結晶を引上げる際に、V/Gを結晶の径方向で0.175〜0.225mm2 /K・minの範囲内となるように製造すれば、ウエーハ面内で不均一とはならず、グローンイン欠陥サイズが適度に小さいためウエーハ全面にわたり十分にグローンイン欠陥を消滅させ、かつ、適度なBMD密度が形成されるアニールウエーハが得られることになる。
【0021】
ここで、引上げ結晶の外周部においては、グローンイン欠陥のサイズやBMD密度を決める点欠陥が、結晶育成中に外方拡散してしまう。従って、引上げ結晶の外周端から半径の5%程度までの領域(例えば、直径200mmの結晶を引上げた場合には外周端から10mmまで)においては、グローンイン欠陥のサイズやBMD密度とV/Gの相関が弱くなる。すなわち、本発明におけるV/Gが適用されるのは、引上げ結晶の径方向の両外周部5%づつを除く、少なくとも90%の領域であり、この領域は引上げ条件により90〜100%の範囲で変動する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明で使用したCZ法による単結晶引上げ装置の構成例を図6により説明する。図6に示すように、この単結晶引上げ装置30は、引上げ室31と、引上げ室31中に設けられたルツボ32と、ルツボ32の周囲に配置されたヒータ34と、ルツボ32を回転させるルツボ保持軸33及びその回転機構(図示せず)と、シリコンの種結晶5を保持するシードチャック6と、シードチャック6を引上げるワイヤ7と、ワイヤ7を回転又は巻き取る巻取機構(図示せず)を備えて構成されている。ルツボ32は、その内側のシリコン融液(湯)2を収容する側には石英ルツボが設けられ、その外側には黒鉛ルツボが設けられている。また、ヒータ34の外側周囲には断熱材35が配置されている。
【0023】
また、本発明の製造方法に関わる製造条件として、V/Gの適正な範囲を径方向および軸方向に拡大する方法は既に良く知られている方法で行えばよい。即ち、結晶周辺の温度勾配(Ge)と結晶中心の温度勾配(Gc)の差(Ge−Gc)を小さくして固液界面温度勾配Gが面内でフラットになるように、例えば結晶の固液界面の外周に環状の固液界面断熱材8を設け、その上に上部囲繞断熱材9を配置したHZを設置している。この固液界面断熱材8は、その下端とシリコン融液2の湯面との間に3〜5cmの隙間10を設けて設置されている。上部囲繞断熱材9は条件によっては使用しないこともある。さらに、冷却ガスを吹き付けたり、輻射熱を遮って単結晶を冷却する筒状の冷却装置36を設けてもよい。
【0024】
別に、最近では引上げ室31の水平方向の外側に、図示しない磁石を設置し、シリコン融液2に水平方向あるいは垂直方向等の磁場を印加することによって、融液の対流を抑制し、単結晶の安定成長をはかる、いわゆるMCZ法が用いられることも多い。
【0025】
次に、上記の単結晶引上げ装置30による単結晶育成方法について説明する。まず、ルツボ32内でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420°C)以上に加熱して融解する。窒素ドープは、例えば原料シリコン中に窒化膜付きシリコンウエーハを投入することによって行うことができる。次に、ワイヤ7を巻き出すことにより融液2の表面略中心部に種結晶5の先端を接触又は浸漬させる。その後、ルツボ保持軸33を適宜の方向に回転させるとともに、ワイヤ7を回転させながら巻き取り種結晶5を引上げることにより、単結晶育成が開始される。以後、引上げ速度と温度を適切に調節することにより略円柱形状の単結晶棒1を得ることができる。
【0026】
得られた単結晶棒を通常の方法により、ワイヤーソー等で切り出し、面取り、ラッピング、エッチング、研磨等を施すことによって、窒素ドープシリコンウエーハとすることができる。
【0027】
次に、本発明では、得られたシリコンウエーハに熱処理を施す。これによって表面に面内均一に無欠陥層が形成され、バルク部には高密度にBMDが発生する。具体的な熱処理条件としては、通常のヒータ式のバッチ炉を用い、アルゴン等の不活性ガス、水素ガス、またはこれらの混合雰囲気下で、1000〜1350℃で1時間以上の熱処理(例えば、1200℃・1時間、または1150℃・4時間等)を行う。また、ランプ加熱等によるRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて、急速加熱・急速冷却による熱処理を行ったり、バッチ炉とRTA装置を併用した熱処理とすることもできる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、結晶中心温度勾配Gc=3.543[K/mm]、結晶周辺温度勾配Ge=3.933[K/mm]、Ge−Gc=0.390[K/mm]と比較的Ge−Gcの小さいHZを有する単結晶引上げ装置を用い、引上げ速度を約0.74mm/minに調整して、直径6インチの窒素ドープシリコン単結晶を引上げた。窒素ドープは、原料シリコン中に窒化膜付きシリコンウエーハを投入し、引上げ結晶の肩の位置での窒素濃度(計算値)が2×1013/cm3 となるようにした。また、酸素濃度は14〜15ppma(JEIDA(日本電子工業振興協会)規格)となるように調整した。
【0029】
図3に結晶引上げ時のV/Gの結晶径方向の分布を示した。V/Gは径方向全体が約0.180〜0.223mm2 /K・minの範囲に入っていた。
【0030】
引上げられた結晶からシリコンウエーハを作製し、OPP法によりグローンイン欠陥のサイズを測定した後、800℃、4時間+1000℃、16時間の析出熱処理を加えてBMDを形成し、OPP法によりBMD密度を測定した。グローンイン欠陥のサイズの測定結果を図4に、BMD密度の測定結果を図5に示した。
【0031】
グローンイン欠陥は、1200℃、1時間のアルゴン雰囲気により十分に消滅させることができるサイズ(1.5以下)であり(図4)、面内分布も小さかった。また、BMD密度は、ウエーハ面内いずれの位置においても、ほぼ2〜5×109/cm3 であり、高密度でかつ均一な面内分布が得られた(図5)。
【0032】
(比較例1、比較例2)
比較例1、2として、Gc=3.778[K/mm]、Ge=4.904[K/mm]、Ge−Gc=1.126[K/mm]と比較的Ge−Gcの大きいHZを有する単結晶引上げ装置を用い、比較例1では引上速度を約0.84mm/min、比較例2では約0.87mm/minに調整して、直径6インチの窒素ドープシリコン単結晶を引上げた。窒素ドープは、原料シリコン中に窒化膜付きシリコンウエーハを投入し、引上げ結晶の肩の位置での窒素濃度(計算値)が2×1013/cm3 となるようにした。また、酸素濃度は14〜15ppma(JEIDA)となるように調整した。
【0033】
比較例1、比較例2の結晶引上げ時のV/Gの結晶径方向の分布を図3に併記した。比較例1でV/Gが0.175〜0.225mm2 /K・minの範囲に入っていたのは、結晶の中心から約62mmの範囲までの約83%であり、比較例2の場合は、結晶の中心から外周方向に約30mmの位置から約66mmの位置までの約48%であった。
【0034】
引上げられた結晶からシリコンウエーハを作製し、OPP法によりグローンイン欠陥のサイズを測定した後、800℃、4時間+1000℃、16時間の析出熱処理を加えてBMDを形成し、OPP法によりBMD密度を測定した。グローンイン欠陥のサイズの測定結果を図4に、BMD密度の測定結果を図5に併記した。
【0035】
比較例1ではウエーハ中心側においてグローンイン欠陥サイズがある程度小さく、ウエーハ周辺部では極めて小さくなっており、欠陥サイズの面内分布こそ大きいが、全体的にアニールにより消え易いサイズの欠陥であった。しかしながら、析出熱処理後のBMD密度に関してはV/Gの値が低いウエーハ周辺部においてBMD密度が2×108/cm3 程度と低くなっており、周辺部でゲッタリング能力の小さい、面内分布が大きいものであることがわかった。
【0036】
比較例2では、BMD密度に関しては面内でほぼ1×109/cm3 以上が得られたが、グローンイン欠陥サイズの面内分布が大きく、特にウエーハ中心側のサイズがかなり大きいため、1200℃、1時間のアルゴン雰囲気によるアニールを行っても中心部分のグローンイン欠陥が一部残留することを確認した。
【0037】
これらの結果より、比較例1、2で使用した結晶引上げ装置のHZの場合、グローンイン欠陥のサイズとBMD密度の双方を面内均一にするためには、たとえ引上げ速度を0.84〜0.87mm/minの限られた範囲に制御したとしても極めて困難であることがわかる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0039】
例えば、上記実施形態においては、直径6インチのシリコン単結晶を育成する場合につき例を挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、直径8〜16インチあるいはそれ以上のシリコン単結晶にも適用できる。
また、本発明は、シリコン融液に水平磁場、縦磁場、カスプ磁場等を印加するいわゆるMCZ法にも適用できることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、グローンイン欠陥サイズの面内分布もBMD密度の面内分布も均一な窒素をドープしたシリコンウエーハを形成することができる。従って、これに高温熱処理を施せば、ウエーハ表層部の無欠陥層の面内バラツキがなく、バルク部にBMD密度が面内均一なIG層を有するアニールウエーハを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるV/GとBMD密度との関係を示す図である。
【図2】本発明におけるV/Gとグローンイン欠陥サイズとの関係を示す図である。
【図3】実施例1、比較例1、比較例2に関し、結晶引上げ時の結晶径方向におけるV/Gの分布図である。
【図4】実施例1、比較例1、比較例2に関し、引上げ結晶の結晶径方向におけるグローンイン欠陥サイズの分布図である。
【図5】実施例1、比較例1、比較例2に関し、引上げ結晶の結晶径方向におけるBMD密度の分布図である。
【図6】本発明で使用したCZ法による単結晶引上げ装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1…成長単結晶棒、 2…シリコン融液、 3…湯面、 4…固液界面、
5…種結晶、 6…シードチャック、 7…ワイヤ、
8…固液界面断熱材、 9…上部囲繞断熱材、
10…湯面と固液界面断熱材下端との隙間、
30…単結晶引上げ装置、 31…引上げ室、 32…ルツボ、
33…ルツボ保持軸、 34…ヒータ、 35…断熱材、 36…冷却装置。
Claims (2)
- チョクラルスキー法により窒素をドープして引上げられたシリコン単結晶からシリコンウエーハを作製し、該シリコンウエーハに熱処理を施すシリコンウエーハの製造方法において、前記シリコン単結晶を引上げる際の引上速度V(mm/min)と固液界面の温度勾配G(K/mm)の比V/Gが、引上げ結晶径方向の90%以上の範囲において0.175〜0.225mm2/K・minとなる条件で育成し、かつ、前記シリコンウエーハ中の窒素濃度を1×10 13 〜5×10 15 個/cm 3 とすることを特徴とするシリコンウエーハの製造方法。
- 前記請求項1に記載した製造方法により製造されたことを特徴とするシリコンウエーハ。
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