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JP4462412B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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JP4462412B2
JP4462412B2 JP2004184990A JP2004184990A JP4462412B2 JP 4462412 B2 JP4462412 B2 JP 4462412B2 JP 2004184990 A JP2004184990 A JP 2004184990A JP 2004184990 A JP2004184990 A JP 2004184990A JP 4462412 B2 JP4462412 B2 JP 4462412B2
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Description

本発明は、押出成形性、射出成形性に優れ、かつ耐熱性、溶融時の流動性および強度、靭性、摺動特性に優れた新規な樹脂組成物に関する。
芳香族ポリアミドイミド樹脂(以下、PAI樹脂と略記することがある)は、耐熱性、機械的強度、電気特性、耐薬品性に優れ、しかも自己潤滑性をもつプラスチック材料である。しかしながら、ワニス、フィルム用途以外は、溶融流動性に劣り、ほとんどのものは射出成形が困難な場合が多い。そのため、コンプレッションモールド法による成形を行っているのが現状である。
一方、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPSと略記することがある)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PAS樹脂と略記することがある)は、耐熱性、電気特性、耐溶剤性に優れ、特に溶融流動性が優れているのが特徴である。また、充填材等を用いて強化することにより、優れた機械強度、剛性および寸法安定性を付与せしめることが知られている。
これらPAI樹脂およびPAS樹脂を複合化することにより、耐熱性、機械強度、流動性に優れた樹脂組成物を得られることが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
しかしながら、上記の樹脂組成物においてもPAI樹脂が良好に相溶化しておらず、複合化後、良好な溶融流動性、靭性、機械的強度のある材料は得られていない。そのため、精密成形や薄物成形等の用途に不適であった。
特許第2868043号公報 特開平11−293109号公報
本発明の目的は、上記した欠点に鑑み、PAI樹脂およびPAS樹脂からなる樹脂組成物の、相溶性を改善し、溶融混練による複合化を容易にすることにある。また、溶融時の流動性、強度、靭性、耐熱性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
即ち、本発明は、(1)重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であり、かつ分子中に含まれるアミノ基が、0.00002〜0.002mol/gである芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)5〜60重量部、(2)ポリアリーレンスルフィド樹脂(B)95〜40重量部および、(3)(A)および(B)の合計100重量部に対して0.01〜10重量部のエピスルフィド化合物(C)からなる樹脂組成物である。
また本発明は、該樹脂組成物からなる成形品を包含する。
さらに本発明は、芳香族ポリアミドイミド樹脂およびポリアリーレンスルフィド樹脂からなる樹脂組成物の溶融流動性を向上させる方法であって、重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であり、かつ分子中に含まれるアミノ基が、0.00002〜0.002mol/gである芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)5〜60重量部およびポリアリーレンスルフィド樹脂(B)95〜40重量部からなる樹脂組成物に対して、0.01〜10重量部のエピスルフィド化合物(C)を添加することからなる方法を包含する。
本発明によれば、特定の(A)芳香族ポリアミドイミド樹脂、(B)ポリアリーレンスルフィド樹脂および(C)エピスルフィド化合物を特定の割合で配合することによって、相溶性に優れ、溶融時の複合化に優れ、溶融時の流動性、強度、靭性、耐熱性に優れた樹脂組成物を提供することが出来る。
<芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)>
本発明の樹脂組成物の(A)成分である芳香族ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)は、下記一般式(I)で表される。
Figure 0004462412
(Arは炭素数6〜18の2価の芳香族基、炭素数6〜18の2価の脂環族基または炭素数2〜12の2価の脂肪族基である。Arは炭素数6〜18の3価の芳香族基、nは4〜400の整数を表す)
Arの炭素数6〜18の2価の芳香族基として、置換若しくは非置換のアリーレン基が挙げられる。アリーレン基としてフェニレン基、ナフタレン基、ビフェニリレン基、ベンジレン基(トルエン−ジイル基)、1,4−フェニレンビス(メチレン)基が挙げられる。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
またArとして下記式で表される芳香族基が挙げられる。
Figure 0004462412
(式中、Zは、−CH−、−C(CH−、−SO−、−S−、−CO−または−O−である)
より具体的には、下記式で表される芳香族基が挙げられる。
Figure 0004462412
Arの炭素数6〜18の2価の脂環族基として、置換若しくは非置換のシクロアルキレン基が挙げられる。具体的には以下のシクロアルキレン基が挙げられる。
Figure 0004462412
Arの炭素数2〜12の2価の脂肪族基として、炭素数2〜12のアルキレン基が挙げられる。より具体的には−(CH−で表される基(m=2〜12)が挙げられる。
Arの具体例としては、上記のものが挙げられるが、2種以上の化合物を混
合して用いることもできる。
特に好ましいものとして、以下のものが例示される。
Figure 0004462412
Arは炭素数6〜18の3価の芳香族基である。芳香族基として置換若しくは非置換のフェニル−トリイル(phenyl−trily)基、下記式
Figure 0004462412
で表される芳香族基(Yは、−CO−、−O−CO−)が挙げられる。
より具体的には、以下のものが例示されるが、2種以上の化合物を混合して使用することもできる。
Figure 0004462412
PAI樹脂の製造方法は、例えば芳香族ジアミンとトリメリット酸無水物モノクロリドを重合反応させる酸クロリド法(例えば、特公昭46−15513号公報)、芳香族ジイソシアネートとトリメリット酸無水物を重合反応させるイソシアネート法(例えば、特公昭44−19274号公報)、芳香族ジアミンとトリメリット酸無水物を200〜250℃に加熱する直接重合法(例えば、特公昭49−4077号公報)など、公知のいずれの製造方法でも用いることができる。
本発明に使用されるPAI樹脂は、GPCを用いたPEG換算重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であるものが使用できる。好ましくは、PEG換算重量平均分子量が1,000〜50,000であり、より好ましくは1,000〜30,000である。
PEG換算重量平均分子量の測定は、株式会社島津製作所製LC−6AおよびRID−6A(検出器)を用い、以下の条件で測定することが出来る。PEG換算重量平均分子量は、分子量既知のPEGを測定し、検量線を作成しておき、求めることが出来る。
使用カラム:shodex KD−806M
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド
カラム温度:50℃
溶離液流量:0.5ml/min
また、本発明に使用されるPAI樹脂の分子中に含まれるアミノ基が、塩酸を使用した中和滴定で測定して0.00002〜0.002mol/gであるものが使用できる。好ましくは、0.00005〜0.001mol/gである。
中和滴定は、PAI樹脂をジメチルホルムアミドに溶解し、0.1mol/l塩酸を滴下し電位差計を用いて中和点を判断した。
<ポリアリーレンスルフィド樹脂(B)>
本発明の樹脂組成物の(B)成分であるポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS樹脂)とは、下記一般式(II)
〔−Ar−S−〕 (II)
(式中、−Ar−は、アリーレン基である。)
で表されるアリーレンスルフィドの繰り返し単位を主たる構成要素とする芳香族ポリマーである。
〔−Ar−S−〕を1モル(基本モル)と定義すると、本発明で使用するPAS樹脂は、この繰り返し単位を通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有するポリマーである。
アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基である。)、p、p’−ジフェニレンスルホン基、p、p’−ビフェニレン基、p、p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基などを挙げることができる。PAS樹脂としては、主として同一のアリーレン基を有するポリマーを好ましく用いることができるが、加工性や耐熱性の観点から、2種以上のアリーレン基を含んだコポリマーを用いることもできる。
これらのPAS樹脂の中でも、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を主構成要素とするPPS樹脂が、加工性に優れ、しかも工業的に入手が容易であることから特に好ましい。この他に、ポリアリーレンケトンスルフィド、ポリアリーレンケトンケトンスルフィドなどを使用することができる。
コポリマーの具体例としては、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位とm−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンケトンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンスルホンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマーなどを挙げることができる。これらのPAS樹脂は、結晶性ポリマーであることが好ましい。
また、PAS樹脂は、靭性や強度の観点から、直鎖状ポリマーであることが好ましい。このようなPAS樹脂は、極性溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロゲン置換芳香族化合物とを重合反応させる公知の方法(例えば、特公昭63−33775号公報)により得ることができる。
アルカリ金属硫化物としては、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムなどを挙げることができる。反応系中で、NaSHとNaOHを反応させることにより生成させた硫化ナトリウムなども使用することができる。
ジハロゲン置換芳香族化合物としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、p−ジブロモベンゼン、2,6−ジクロロナフタレン、1−メトキシ2,5−ジクロロベンゼン、4,4’−ジクロロビフェニル、3,5−ジクロロ安息香酸、p、p’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジクロロジフェニルケトンなどを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
PAS樹脂に多少の分岐構造または架橋構造を導入するために、1分子当たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン置換芳香族化合物を少量併用することができる。ポリハロゲン置換芳香族化合物の好ましい例としては、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロモベンゼンなどのトリハロゲン置換芳香族化合物、およびこれらのアルキル置換体を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、経済性、反応性、物性などの観点から、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、および1,2,3−トリクロロベンゼンがより好ましい。
極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、テトラアルキル尿素、ヘキサアルキル燐酸トリアミドなどに代表されるアプロチック有機アミド溶媒が、反応系の安定性が高く、高分子量のポリマーが得られやすいので好ましい。
PAS樹脂は、温度310℃、剪断速度1200/秒で測定した溶融粘度が、通常、10〜600Pa・s、好ましくは50〜550Pa・s、より好ましくは70〜550Pa・sである。溶融粘度が異なる2種以上のPAS樹脂をブレンドして使用する場合には、ブレンド物の溶融粘度が前記範囲内にあることが好ましい。また、PAS樹脂の溶融粘度が100Pa・s以上であることが、機械的強度や靭性などの観点から特に望ましい。PAS樹脂の溶融粘度が小さすぎると、機械的強度や靭性などの物性が不充分となる恐れがある。PAS樹脂の溶融粘度が大きすぎると、溶融流動性が不充分となり、射出成形性や押し出し成形性が不充分となる恐れがある。
PAS樹脂は、重合終了後の洗浄したものを使用することができるが、さらに、塩酸、酢酸などの酸を含む水溶液、あるいは水−有機溶剤混合溶液により処理したものや、塩化アンモニウムなどの塩溶液で処理を行ったものなどを使用することが好ましい。特に、アセトン:水=1:2(容積比)に調整した混合溶媒中でのpHが8以下を示すようになるまで洗浄処理したPAS樹脂を用いると、樹脂組成物の溶融流動性および機械的物性をより一層向上させることができる。
PAS樹脂は、100μm以上の平均粒子径を有する粒状物であることが望ましい。PAS樹脂の平均粒子径が小さすぎると、押出機による溶融押出しの際、フィード量が制限されるため、樹脂組成物の押出機内での滞留時間が長くなり、樹脂組成物の劣化等の問題が生じる恐れがある。また、製造効率上も望ましくない。
<エピスルフィド化合物(C)>
(C)成分であるエピスルフィド化合物は、分子内に1つ以上のエピスルフィド基を有する化合物である。
エピスルフィド化合物としては、下記一般式(III)で表される化合物が好適に用いられる。
Figure 0004462412
(式中、Xはそれぞれ独立に水素原子または一般式:E−R−X−を表し、Eはエピスルフィド基またはエポキシ基を表し、エピスルフィド基は分子中に必ず1つ以上含まれる。
ここで、エピスルフィド基は下記式で表される。
Figure 0004462412
はそれぞれ独立に炭素数1〜6の2価の炭化水素基、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、ジスルフィド結合(−S−S−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−NHCO−)、または単結合を表す。
2価の炭化水素基として炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基としてアルカン−ジイル基が好ましい。アルカン−ジイル基としてメチレン基、トリメチレン基などの炭素数1〜3のアルキレン基、エタン−ジイル基が挙げられる。
はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜24の1価の炭化水素基、ビニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ウレイド基、イソシアネート基、エピスルフィド基、エポキシ基、およびメルカプト基を表す。
1価の炭化水素基として、炭素数1〜24の脂肪族基、置換若しくは非置換の芳香族基が挙げられる。脂肪族基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。芳香族基として、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
はそれぞれ独立に炭素数1〜24の4価の炭化水素基を表す。炭化水素基として炭素数1〜6の4価の脂肪族基、炭素数6〜8の4価の脂環族基または炭素数6〜15の4価の芳香族基が挙げられる。脂肪族基として炭素数1〜6のアルカン−テトライル基、脂環族炭化水素基として炭素数1〜8のシクロアルカン−テトライル基、芳香族炭化水素基として炭素数6〜15のアレーン−テトライル基が好ましい。
はそれぞれ独立に炭素数1〜24の2価の炭化水素基を表す。炭化水素基として炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基としてアルカン−ジイル基が好ましい。アルカン−ジイル基としてメチレン基、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜3のアルキレン基、エタン−ジイル基が挙げられる。nは0以上20以下の整数を表す。)
エピスルフィド化合物(C)は、下記一般式(III-1)で示される化合物であることが好ましい。一般式(III-1)は、一般式(III)において、n=0、X=E―R―X―の場合である。
Figure 0004462412
(式中、Rは、メチレン基、エチレン基またはエタン−1,1−ジイル基を表す。Xは、単結合、−O−、アルカン−ジイル基を表す。アルカン−ジイル基としてメチレン基、エチレン基、トリメチレン基が挙げられる。Xは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基、−OH、フェニル基またはベンジル基を表す。)
またエピスルフィド化合物(C)は、下記一般式(III-2)で示される化合物であることが好ましい。一般式(III-2)は、一般式(III)において、n=1、X=E―CH―X―、( )内のX=H、( )内のX=H、( )内のX=単結合の場合である。
Figure 0004462412
(式中、Xは、単結合、−O−、−S−または−S−S−を表す。Xは、−SHまたはエピスルフィド基を表す。Rは、炭素数1〜6のアルカン−テトライル基、炭素数6〜8のシクロアルカン−テトライル基または炭素数6〜15のアレーン−テトライル基を表す。)
アルカン−テトライル基として、メタン−テトライル基、エタン−テトライル基、プロパン−テトライル基、ブタン−テトライル基、ペンタン−テトライル基などが挙げられる。シクロアルカン−テトライル基としてシクロヘキサン−テトライル基などが挙げられる。アレーン−テトライル基として、ベンゼン−テトライル基、キシレン−テトライル基、ジフェニル−テトライル基、ジフェニルメタン−テトライル基、ジフェニルプロパン−テトライル基などが挙げられる。
さらにエピスルフィド化合物(C)は、下記一般式(III-3)で示される化合物であることが好ましい。一般式(III-3)は、一般式(III)において、n=1、X=E―CH―X―)、X=H、X=単結合の場合である。
Figure 0004462412
(式中、Xは、それぞれ独立に―S―または−O−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルカン−テトライル基、炭素数6〜8のシクロアルカン−テトライル基または炭素数6〜15のアレーン−テトライル基を表す。)
アルカン−テトライル基として、メタン−テトライル基、エタン−テトライル基、プロパン−テトライル基、ブタン−テトライル基、ペンタン−テトライル基などが挙げられる。シクロアルカン−テトライル基としてシクロヘキサン−テトライル基などが挙げられる。アレーン−テトライル基として、ベンゼン−テトライル基、キシレン−テトライル基、ジフェニル−テトライル基、ジフェニルメタン−テトライル基、ジフェニルプロパン−テトライル基などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるエピスルフィド化合物を以下に例示するが、これらを単独で用いてもよく、また2種類以上を併用しても良い。
(a−1) エピスルフィド化合物が一般式(III-1)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:メチレン基、エタン−1,1−ジイル基
:単結合
:炭素数1〜6のアルキル基
Figure 0004462412
(a−2) エピスルフィド化合物が一般式(III-1)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:メチレン基
:−O−
:炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ベンジル基
Figure 0004462412
(a−3) エピスルフィド化合物が一般式(III-1)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:メチレン基、エタン−1,1−ジイル基
:単結合、アルカン−ジイル基
:−OH
Figure 0004462412
(a−4) エピスルフィド化合物が一般式(III−1)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:メチレン基
:単結合、アルカン−ジイル基
:−OH
Figure 0004462412
(b) エピスルフィド化合物が一般式(III-2)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:―O―、―S―、−S−S−、単結合
:−E、−SH
:メタン−テトライル、べンゼン−テトライル
Figure 0004462412
(c−1) エピスルフィド化合物が一般式(III-3)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:―O―、―S―
:アルカン−テトライル
Figure 0004462412
(c−2) エピスルフィド化合物が一般式(III-3)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:―O―、―S―
:炭素数6〜8のシクロアルカン−テトライル基
Figure 0004462412
(c−3) エピスルフィド化合物が一般式(III−3)で表される化合物の場合。
Figure 0004462412
:―O―、―S―
:アレーン−テトライル基
Figure 0004462412
(d)その他
Figure 0004462412
また本発明においては、上記化合物のエピスルフィド基の一部をエポキシ基に置換した化合物が使用できる。より好ましくは、メチルチオグリシジルエーテル、プロピルチオグリシジルエーテル、ブチルチオグリシジルエーテル、フェニルチオグリシジルエーテル、ベンジルチオグリシジルエーテル、2,3−エピスルフィド−1−プロパノール、2,3−エピスルフィド−1−ブタノール、3,4−エピスルフィド−1−ブタノール、3,4−エピスルフィド−2−ブタノール、ビスチオグリシジルスルフィド、ビスチオグリシジルエーテル、である。
本発明におけるPAI樹脂含有量は、PAI樹脂とPAS樹脂の合計100重量部に対して、5〜60重量部、好ましくは、20〜50重量部、さらに好ましくは30〜50重量部である。本発明におけるPAS樹脂含有量は、PAI樹脂とPAS樹脂の合計100重量部に対して、95〜40重量部、好ましくは、80〜50重量部、さらに好ましくは70〜50重量部である。本発明におけるエピスルフィド化合物の含有量は、PAI樹脂とPAS樹脂の合計100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部である。
本発明の樹脂組成物は、PAI樹脂、PAS樹脂およびエピスルフィド化合物を溶融混練りして製造される。溶融混練り温度は250〜400℃、好ましくは280〜360℃である。混練り方法は、押し出し機、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールその他で行うことが出来るが、好ましい方法は、2軸押し出し機による方法である。
本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、充填材、顔料、滑剤、可塑剤、安定剤、紫外線剤、難燃剤、難燃助剤の添加剤、他の樹脂などその他の成分が適宣配合され得る。
充填材の例としては、ガラスビーズ、ウオラストナイト、マイカ、タルク、カオリン、二酸化珪素、クレー、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、ケイソウ土、グラファイト、カーボランダム、二硫化モリブデンに代表される鉱物質充填材;ガラス繊維、ミルドファイバー、チタン酸カリウム繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、等を挙げることが出来る。充填材は、樹脂組成物の1〜70重量%使用することが出来る。好ましい充填材は、ガラス繊維、ミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維であり、ウレタン、アミノ系等のシランカップリング剤で処理したものも好適に使用できる。
顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等が例示できる。
滑剤としては、鉱物油、シリコン油、エチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ステアリン酸ナトリウムなどの金属塩、モンタン酸ナトリウム等の金属塩、モンタン酸アミドなどが代表的なものとして例示される。
また可塑剤としては、一般に用いられるシラン系化合物や、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸化合物等が挙げられる。また、一般に用いられる紫外線吸収剤、着色剤等を用いることができる。
難燃剤としては、トリフェニルフォスフェートのようなリン酸エステル類、デカブロモビフェニル、ペンタブロモトルエン、ブロモ化エポキシ樹脂、等の臭化化合物;メラミン誘導体などの含窒素リン化合物等が挙げられる。難燃助剤を使用しても良く、その例としては、アンチモン、ほう素、亜鉛等の化合物等が挙げられる。
他樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、4フッ化エチレンをはじめとするフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の芳香族樹脂が挙げられる。
前述のように本発明は、(A)PAI樹脂、(B)PAS樹脂および(C)エピスルフィド化合物よりなる樹脂組成物である。また本発明はかかる樹脂組成物よりなる成形品を包含する。成形は、通常の射出成形法によって行われ、シリンダー温度は、290〜360℃の範囲で行い、金型は十分な耐熱性を得るために120〜160℃にすることが望ましい。また、耐熱性を改良し、且つ残留応力を取り除く目的で成形後に熱処理することが望ましい。特に、金型温度が120℃より低い温度で成形した場合は熱処理するのが好ましい。熱処理の方法は、特に限定されるものではなく、例えば通常の熱風式オーブン、電子レンジまたはオーブンレンジを用いられる。熱処理温度は、150〜300℃、好ましくは、180〜280℃、最も好ましくは、200〜260℃で30秒〜48時間、好ましくは1時間〜36時間常圧もしくは減圧で行うこともできる。
本発明は、芳香族ポリアミドイミド樹脂およびポリアリーレンスルフィド樹脂からなる樹脂組成物の溶融流動性を向上させる方法であって、重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であり、かつ分子中に含まれるアミノ基が、0.00002〜0.002mol/gである芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)5〜60重量部およびポリアリーレンスルフィド樹脂(B)95〜40重量部からなる樹脂組成物に対して、0.01〜10重量部のエピスルフィド化合物(C)を添加することからなる方法を包含する。ここで、成分(A)(B)および(C)、並びにこれらの使用量は樹脂組成物について説明した通りである。
また、本発明は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であり、かつ分子中に含まれるアミノ基が、0.00002〜0.002mol/gである芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)5〜60重量部およびポリアリーレンスルフィド樹脂(B)95〜40重量部からなる樹脂組成物に対するエピスルフィド化合物の溶融流動性付与剤としての使用を包含する。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
<合成例1:PAI樹脂(1)の合成>
水分含有量15ppmのN−メチルピロリドン3リットルを、5リットルの攪拌機、温度計、先端に塩化カルシウムを充填した乾燥管を装着した還流冷却器を備えた反応器に仕込んだ。ここにトリメリット酸無水物555g(50モル%)、次いで2,4−トリレンジイソシアネート503g(50モル%)を加えた。トリメリット酸無水物の添加時の系内水分は30ppmであった。最初、室温から30分を要して内容物温度を120℃とし、この温度に保ったまま8時間継続した。
重合終了後N−メチルピロリドンの2倍容量のメタノール中に強力な攪拌下で重合液を滴下し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーを吸引ろ別し、さらにメタノールでよく洗浄し、200℃で減圧乾燥を行いポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂(1))を得た。
GPCを用いてPEG(ポリエチレングリコール)換算重量平均分子量を測定したところ、Mw=9,000であった。測定条件は以下の通りである。
GPC機種:株式会社島津製作所製LC−6Aおよび検出器RID−6A
使用カラム:shodex KD−806M
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド
カラム温度:50℃
溶離液流量:0.5ml/min
検量線:分子量既知のPEGを測定し作成した。
また、ポリアミドイミド樹脂をジメチルホルムアミドに溶解し、塩酸を使用した中和滴定を行なったところ、分子中に含まれるアミノ基は0.0001mol/gであった。
<合成例2:PAI樹脂(2)の合成>
5リットルの攪拌機を備えた反応器にアセトン1.5リットル、および水1.5リットルを仕込み、次いでトリエチルアミン202g、次いでトリメリット酸クロリド無水物421g(50モル%)、さらにm−トリレンジアミン244g(50モル%)を加えた。室温で2時間攪拌し、析出したポリマーを吸引ろ別し、さらにメタノールでよく洗浄し、200℃で減圧乾燥を24時間行いポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂(2))を得た。
合成例1と同様に、GPCを用いてPEG換算重量平均分子量を測定したところ、Mw=7,000であった(溶媒ジメチルホルムアミド)。ポリアミドイミド樹脂をジメチルホルムアミドに溶解し、塩酸を使用した中和滴定を行なったところ、分子中に含まれるアミノ基は0.00007mol/gであった。
<合成例3:PAI樹脂(3)の合成>
合成例1で無水トリメリット酸および2,4−トリレンジイソシアネートを加えた後に室温から50分を要して内容物温度を200℃とし、この温度を保ったまま6時間継続した。その後ポリマーを析出させた以降は合成例1と同様の方法にてポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂(3))を得た。
合成例1と同様に、GPCを用いてPEG換算重量平均分子量を測定したところ、Mw=120,000であった(溶媒ジメチルホルムアミド)。ポリアミドイミド樹脂をジメチルホルムアミドに溶解し、塩酸を使用した中和滴定を行なったところ、分子中に含まれるアミノ基は0.00008mol/gであった。
<合成例4:PAI樹脂(4)の合成>>
合成例1でトリメリット酸無水物および2,4−トリレンジイソシアネートを加えた後に室温から20分を要して内容物温度を90℃とし、この温度を保ったまま50分継続した。ついで115℃に昇温し、この温度に保ったまま8時間継続した。その後は合成例1と同様の方法にてポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂(4))を得た。
合成例1と同様に、GPCを用いてPEG換算重量平均分子量を測定したところ、Mw=8,000であった(溶媒ジメチルホルムアミド)。ポリアミドイミド樹脂をジメチルホルムアミドに溶解し、塩酸を使用した中和滴定を行なったところ、分子中に含まれるアミノ基は0.000001mol/gであった。
実施例1
合成例1で製造したPAI樹脂(1)49.5wt%とPAS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03、繰り返し単位はp−フェニレン、温度310℃、剪断速度1200/秒で測定した溶融粘度は300Pa・s)49.5wt%とフェニルチオグリシジルエーテル1wt%をブレンドし、2軸押出機を用いて320℃で溶融混錬してペレット化し、樹脂組成物を製造した。
(溶融流動性の測定)
溶融流動性は、ペレットから測定した((株)東洋精機製作所キャピログラフ1B、350℃、シェアレート=1200sec−1)。
(曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪み、熱変形温度の測定)
このペレットを射出成形し、1/8インチ厚の抗折試験片を得た。この試験片を用いて、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪み、熱変形温度を測定した。
曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪みは、島津製作所(株)オートグラフ AG5000B)を用いて測定した(測定条件:23℃、ASTM D790)。
熱変形温度(DTUL)は、この試験片を用いて、安田精機(株)HD−500−PCにより、18.6kg/cm荷重、窒素雰囲気下で測定した(ASTM D648)。
測定結果を表10に示す。
実施例2
エピスルフィド化合物として、ビスチオグリシジルスルフィドを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
実施例3
合成例1で製造したPAI樹脂(1)46wt%とPAS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03)46wt%とフェニルチオグリシジルエーテル8wt%をブレンドし、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
実施例4
合成例1で製造したPAI樹脂(2)49.5wt%とPAS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03)49.5wt%とフェニルチオグリシジルエーテル1wt%をブレンドし、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
実施例5
エピスルフィド化合物として、2,3−エピスルフィド−1−プロパノールを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
実施例6
エピスルフィド化合物として、2,2−ビス{4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル}プロパンを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
比較例1
合成例1で製造したPAI樹脂(1)50wt%とPAS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03)50wt%をブレンドした以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
比較例2
合成例1で製造したPAI樹脂(1)40wt%とPAS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03)40wt%とフェニルチオグリシジルエーテル20wt%をブレンドし、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
比較例3
合成例1で製造したPAI樹脂(1)40wt%とPAS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03)40wt%とビスチオグリシジルスルフィド20wt%をブレンドし、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、評価した。結果を表10に示す。
比較例4
合成例3で製造したPAI樹脂(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、物性を測定した。結果を表10に示す。
比較例5
合成例4で製造したPAI樹脂(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて樹脂組成物を製造し、物性を測定した。結果を表10に示す。
Figure 0004462412
表中の記号は以下の通りである。
PAI樹脂(1):合成例1のPAI樹脂
PAI樹脂(2):合成例2のPAI樹脂
PAI樹脂(3):合成例3のPAI樹脂
PAI樹脂(4):合成例4のPAI樹脂
PAS樹脂:ポリアリーレンスルフィド樹脂
大日本インキ化学工業(株)製 DIC−PPS−LR03
EPS化合物(1):フェニルチオグリシジルエーテル
EPS化合物(2):ビスチオグリシジルスルフィド
EPS化合物(3):2,3−エピスルフィド−1−プロパノール
EPS化合物(4):2,2−ビス{4−(2,3−エピチオプロピルオキシ)フェニル}プロパン
DTUL:熱変形温度

Claims (12)

  1. (1)重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であり、かつ分子中に含まれるアミノ基が、0.00002〜0.002mol/gである芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)5〜60重量部、(2)ポリアリーレンスルフィド樹脂(B)95〜40重量部および(3)(A)および(B)の合計100重量部に対して0.01〜10重量部のエピスルフィド化合物(C)からなる樹脂組成物。
  2. 芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)中に含まれるアミノ基が、0.00005〜0.001mol/gである請求項1記載の樹脂組成物。
  4. ポリアリーレンスルフィド樹脂(B)は、温度310℃、剪断速度1200/秒で測定した溶融粘度が10〜600Pa・sである請求項1記載の樹脂組成物。
  5. エピスルフィド化合物(C)が、下記一般式(III)で表される化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 0004462412
    (式中、Xはそれぞれ独立に水素原子または一般式:E−R−X−を表し、Eはエピスルフィド基またはエポキシ基を表し、エピスルフィド基は分子中に必ず1つ以上含まれる。Xはそれぞれ独立に炭素数1〜6の2価の炭化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、カルボニル結合、エステル結合、アミド結合、または単結合を表す。Xはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜24の1価の炭化水素基、ビニル基、水酸基、アミノ基、ウレイド基、イソシアネート基、エピスルフィド基、エポキシ基、およびメルカプト基を表す。Rはそれぞれ独立に炭素数1〜24の4価の炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜24の2価の炭化水素基を表す。nは0以上20以下の整数を表す。)
  6. エピスルフィド化合物(C)が、下記一般式(III-1)、(III-2)および(III-3)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 0004462412
    (式中、Rは、メチレン基、エチレン基またはエタン−1,1−ジイル基を表す。Xは、単結合、−O−、メチレン基、エチレン基またはトリメチレン基を表す。Xは、炭素数1〜6のアルキル基、−OH、フェニル基またはベンジル基を表す。)
    Figure 0004462412
    (式中、Xは、単結合、−O−、−S−または−S−S−を表す。Xは、−SHまたはエピスルフィド基を表す。Rはメタン−テトライル基またはベンゼン−テトライル
    基を表す。)
    Figure 0004462412
    (式中、Xは、それぞれ独立に−S−または−O−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルカン−テトライル基、炭素数6〜8のシクロアルカン−テトライル基または炭素数6〜15のアレーン−テトライル基を表す。)
  7. エピスルフィド化合物(C)が、下記一般式(III-1)で表される化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 0004462412
    (式中、Rは、メチレン基、エチレン基またはエタン−1,1−ジイル基を表す。Xは、単結合、−O−、メチレン基、エチレン基またはトリメチレン基を表す。Xは、炭素数1〜6のアルキル基、−OH、フェニル基またはベンジル基を表す。)
  8. エピスルフィド化合物(C)が、下記一般式(III-2)で表される化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 0004462412
    (式中、Xは、単結合、−O−、−S−または−S−S−を表す。Xは、−SHまたはエピスルフィド基を表す。Rはメタン−テトライル基またはベンゼン−テトライル基を表す。)
  9. エピスルフィド化合物(C)が、下記一般式(III-3)で表される化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 0004462412
    (式中、Xは、−S−または−O−を表す。Rは、炭素数1〜5のアルカン−テトライル基、炭素数6〜8のシクロアルカン−テトライル基または炭素数6〜15のアレーン−テトライル基を表す。)
  10. 請求項1記載の樹脂組成物からなる成形品。
  11. 芳香族ポリアミドイミド樹脂およびポリアリーレンスルフィド樹脂からなる樹脂組成物の溶融流動性を向上させる方法であって、重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000であり、かつ分子中に含まれるアミノ基が、0.00002〜0.002mol/gである芳香族ポリアミドイミド樹脂(A)5〜60重量部およびポリアリーレンスルフィド樹脂(B)95〜40重量部からなる樹脂組成物に対して、0.01〜10重量部のエピスルフィド化合物(C)を添加することからなる方法。
  12. エピスルフィド化合物(C)が、下記一般式(III)で表される化合物である請求項11記載の方法。
    Figure 0004462412
    (式中、Xはそれぞれ独立に水素原子または一般式:E−R−X−を表し、
    Eはエピスルフィド基またはエポキシ基を表し、エピスルフィド基は分子中に必ず1つ以上含まれる。Xはそれぞれ独立に炭素数1〜6の2価の炭化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、カルボニル結合、エステル結合、アミド結合、または単結合を表す。Xはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜24の1価の炭化水素基、ビニル基、水酸基、アミノ基、ウレイド基、イソシアネート基、エピスルフィド基、エポキシ基、およびメルカプト基を表す。Rはそれぞれ独立に炭素数1〜24の4価の炭化水素基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜24の2価の炭化水素基を表す。nは0以上20以下の整数を表す。)
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