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JP4460943B2 - 蒸気タービン - Google Patents

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JP4460943B2
JP4460943B2 JP2004147808A JP2004147808A JP4460943B2 JP 4460943 B2 JP4460943 B2 JP 4460943B2 JP 2004147808 A JP2004147808 A JP 2004147808A JP 2004147808 A JP2004147808 A JP 2004147808A JP 4460943 B2 JP4460943 B2 JP 4460943B2
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Description

本発明は、蒸気タービンに係り、特に高温化させた蒸気温度に対処してタービンノズルボックスの強度保証を高く維持させる蒸気タービンに関する。
最近の蒸気タービンでは、プラント熱効率の向上の強化見直しの一環として蒸気の高温化が検討されている。
蒸気の高温化は、ランキンサイクルの特性であり、蒸気温度を高くすればする程、プラント熱効率を向上させることができるとされている。
このため、蒸気タービンは、ひところの比較的低温、低圧の蒸気条件から蒸気温度538℃/566℃または538℃/538℃の一段再熱にほぼ定着しつつある。
しかし、最近のように、温暖化現象や環境破壊等が地球規模レベルでクローズアップされている今日、蒸気タービンプラントの分野でも燃料の消費をより一層少なくさせて単機容量を増加させる研究開発が進められており、その一つに再熱蒸気温度を700℃以上にし、この高温再熱蒸気を中圧タービンに供給することが提案されている。
600℃程度の高温の蒸気を中圧タービンに導入する技術について、中圧タービンの主蒸気インレット管を二重構造として蒸気冷却することなども提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら導入される蒸気温度が700℃以上の場合、強度保証や冷却方法など解決すべき多くの問題が残されている。
このような700℃以上の高温蒸気を蒸気タービンに導入する場合、中圧タービンであってもタービンノズルボックスを設けることが検討されている(例えば、特許文献2参照。)。このタービンノズルボックスは、ボイラの再熱器などから供給される高温の蒸気を蒸気供給管を介してタービン段落に供給する際の蒸気室であり、タービンケーシングなどのタービン構成部品が直接高温の蒸気に晒されることを防ぐ機能も有する。しかしながらタービンノズルボックス自体は高温の再熱蒸気に直接晒されることとなるため、高い強度保証が要求される。
特開平11−350911号公報 特願2003−125672明細書
従来の火力発電プラントでは、タービンノズルボックスを高圧タービンの蒸気入口に設置するのが通常であったため、タービンノズルボックスは温度538℃〜566℃の主蒸気に対処できるように強度保証を行っていた。
しかし、従来高圧タービンに設置していたタービンノズルボックスにそのまま700℃以上の高温蒸気を導入する場合、十分な強度保証を維持することが難しくなりつつある。さらに、十分な強度保証ができたとしても、タービンノズルボックスの外周面が高温となるために輻射熱によってタービンノズルボックスが配置されている周囲の構成部品であるタービンケーシング、タービンロータなどが高温となる懸念が生じている。
このため、蒸気タービンには、タービンノズルボックスを中圧タービンに設置しても強度保証を高く維持できる新たな技術の実現化が望まれており、その解決手段として蒸気による冷却の採用が進められている。
しかし、蒸気冷却の採用と言えども、蒸気タービンにとっては未開発の分野であり、蒸気タービンの構成部品の強度保証をいかにして行うかが課題となっている。
本発明は、このような背景技術に基づいてなされたものであり、高温蒸気に対処してタービンノズルボックスなどのタービン構成部品に高い強度保証を維持することのできる蒸気タービンを提供することを目的とする。
本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、ケーシングと、前記ケーシング内に収納されて回転するロータと、前記ケーシング側に固定され前記ロータの回転軸に対する円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて前記ロータに植設され前記ロータとともに回転する動翼で構成される少なくとも1つのタービン段落と、前記ロータと前記ケーシングのとの間隙に前記ロータの回転軸と同心状に配置されて前記タービン段落に連通するタービンノズルボックスと、前記タービンノズルボックスの外側に当該タービンノズルボックスの壁面に沿って、当該タービンノズルボックスの外側全域を密閉して覆設するように設けられた遮蔽版と、タービンノズルボックスの壁内に形成された冷却蒸気通路と、当該冷却蒸気通路に冷却蒸気を供給する冷却蒸気供給口と、遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の空間を区分けする仕切りと、前記冷却蒸気通路から外側に設けた遮蔽板に向って、前記仕切りにより区分けされた空間ごとに冷却蒸気を噴出させる噴出口と、遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の、前記仕切りにより区分けされた空間からそれぞれ冷却蒸気を回収する冷却蒸気回収口と、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、ケーシングと、前記ケーシング内に収納されて回転するロータと、前記ケーシング側に固定され前記ロータの回転軸に対する円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて前記ロータに植設され前記ロータとともに回転する動翼で構成される少なくとも1つのタービン段落と、前記ロータと前記ケーシングとの間隙に前記ロータの回転軸と同心状に配置されて前記タービン段落に連通するタービンノズルボックスと、前記タービンノズルボックスの外側に当該タービンノズルボックスに沿って、当該タービンノズルボックスの外側全域を密閉して覆設するように設けられた遮蔽板と、タービンノズルボックスの壁内に形成された冷却蒸気通路と、当該冷却蒸気通路に冷却蒸気を供給する冷却蒸気供給口と、前記冷却蒸気通路から外側に設けた遮蔽板に向って冷却蒸気を噴出させる噴出口と、遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の空間を区分けする少なくともひとつの仕切りと、当該仕切りのうち少なくともいずれかひとつに設けられた冷却蒸気通過口とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る蒸気タービンによれば、高温の蒸気をタービンノズルボックスに供給した場合でもタービンノズルボックスやその他のタービン構成部品の強度保証を高く維持することができる。
以下、本発明に係る蒸気タービンの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
本実施例は、本発明に係る蒸気タービンを蒸気タービンプラントの中圧タービンに適用した例を示したものである。
中圧タービン2は、外部ケーシング32と内部ケーシング33との二重ケーシング構造を有し、内部ケーシング33にタービン動翼30を複数備えたタービンロータ34を収容している。
内部ケーシング33は、その内側に複数のタービンノズル29をタービンノズルダイアフラムを介して支持している。タービンノズル29とタービン動翼30とは、タービンロータ34の回転軸に対する半径方向位置がほぼ等しい位置に隣接して配置され、タービンノズル29とタービン動翼30との一対が一つのタービン段落28を構成する。そして、複数のタービン段落28が蒸気の通り道となるタービン通路部を構成している。
また、内部ケーシングと33とタービンロータ34との間の空間には、タービンノズルボックス31が備えられている。タービンノズルボックス31は、蒸気供給管27から供給される高温蒸気を一旦集め、集めた高温蒸気をタービンロータ34の軸方向に沿ってタービン通路部、すなわちタービン段落28に向けて噴出させる。
このタービンノズルボックス31は、タービンロータ34の周囲にタービンロータ34と同軸に設けられる。図1および図2に示すようにタービンノズル31は壁面37によって略四角形の断面を有するよう構成されており、内部に形成された空間が蒸気室36となっている。
蒸気室36を形成する壁面37のうち、外側円周面となる上側側面にはタービン蒸気供給管27が接続されている。また、タービン段落28に臨む他側面には、ノズル口(絞り口)35が備えられている。壁面37の内部には冷却蒸気通路38が設けられており、壁面37には冷却蒸気通路への蒸気供給口49と、冷却蒸気通路38に導かれた冷却蒸気を壁面37の外側に噴出させるための噴出口39が設けられている。蒸気供給口49には、外部からの冷却蒸気管70が接続されて冷却蒸気が供給される。
壁面37の外側、つまりタービンノズルボックス31の外周には、支持部40で支持された遮蔽版41が設けられている。遮蔽板41は支持部40により壁面37と間隔をあけて壁面37に沿うように設けられており、本実施例では壁面37の外側全体を断続的に覆設している。さらに遮蔽版41には、噴出口39から流出した冷却蒸気を遮蔽板41の外部へ噴出させる冷却蒸気流出口45が備えられている。
この遮蔽板41には、例えば、板状の耐熱材が用いられる。また、タービンノズルボックス31に支持部40を介して取り付けられることから、同じ程度の熱伸びが実現できるようにタービンノズルボックス31を構成する材料と同材料を用いるのが好ましい。具体的には耐酸化性に優れたオーステナイト系合金SUS310等が使用される。
図3は図2の“X”部を拡大した断面図である。タービンノズルボックス31に冷却蒸気供給口から供給された冷却蒸気は、図3に示すように、壁面37内に形成する冷却蒸気通路38を流れる間に壁面37を冷却した後、噴出口39から遮蔽板41に向って噴出し、ここからさらに冷却蒸気流出口45を介してタービンロータ34側等に向って噴出する。
なお、遮蔽板41の形状については、図3に示したような平板状のものだけでなく、図4に示すように、波状板の遮蔽板42を用いてもよい。このような波状板の遮蔽板42を用いると、遮蔽板42の熱伸びを効果的に吸収することができ、また表面積が増えることで熱伝達率の向上も期待できる。
また、本実施例では、タービンノズルボックス31の外側を断続的に覆設する遮蔽板41を壁37から同じ高さにして支持部40で支持させているが、この例に限らず、例えば、図5に示すように、支持部41を他の支持部40b,40cよりも高くし、タービンノズルボックス31の壁37と遮蔽板41との空間部43をより広く確保して噴出口39から噴出する冷却蒸気の圧力を回復させてもよい。
さらに、例えば、図6に示すように、遮蔽板41a,41b,41c,…を支持する支持部40a,40b,40c,…を順次タービンノズルボックス31の壁37から高くし外側に向って高くし、層状に配置した遮蔽板41a,41b,41c,…で通路44a,44b,…を形成し、遮蔽板41a,41b,41c,…の内径側、外径側の両面に冷却蒸気を流して冷却させてもよい。
図7から図12は、本実施例に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックス31の変形例を示したものである。図7はタービンノズルボックス31全体の断面図を示している。
図7に示すように、この変形例に係るタービンノズルボックス31の外周部には、遮蔽板41が壁面37の外側を密閉するように覆設されている。遮蔽板41は図2で示した例と同様に支持部40で支持されている。また、タービンノズルボックス31の壁37内に設けた冷却蒸気通路38と遮蔽板41との間に形成する空間部47に冷却蒸気通路38からの冷却蒸気を噴出させる噴出口46が設けられている。そして、冷却蒸気通路38に冷却蒸気を供給する冷却蒸気供給口49と、噴出口46を介して空間部47に導かれた冷却蒸気を回収する冷却蒸気回収口50が設けられている。冷却蒸気供給口49には冷却蒸気供給管70が外部から接続されて冷却蒸気の供給を行い、また冷却蒸気回収口50には冷却蒸気回収管71が接続されて冷却蒸気の回収を行う。
この変形例では、タービンノズルボックス31の壁面や周囲を冷却した冷却蒸気を回収するようにしたので、回収した冷却蒸気をさらにプラント内の別の構成機器に利用することが容易になる。
図7に示した構成では、冷却蒸気通路38に供給した冷却蒸気を空間部47に供給する噴出口46を設け、冷却を終えた冷却蒸気を空間部47から回収する構成としたが、図8に示したような構成とすることもできる。図8は図7の“Y”部を拡大して模式的に示した斜視図である。
図8に示したように、この構成では壁面37に噴出口46のほかに空間部47を冷却した冷却蒸気を回収する回収口48を設けている。
さらに、図9に示すように、タービンノズルボックス31の壁37の外側全域を遮蔽板41で密閉にして覆設し、その密閉する遮蔽板41を第1遮蔽板41a、第2遮蔽板41b、…と細く複数に区分けし、区分けした遮蔽板41a,41b,…のそれぞれに形成する空間部47a,47b,…と冷却蒸気通路38との間に噴出口46と回収口48とを設けてもよい。
また、図10に示すように、遮蔽板41a,41b,41c,…を支持する支持部40a,40b,40c,…を順次タービンノズルボックス31の壁37から外側に向って高くし、層状に配置した遮蔽板41a,41b,41c,…で通路44a,44b,…を形成し、遮蔽板41a,41b,41c,…の内径側、外径側の両面に冷却蒸気を流して冷却させてもよい。
図11は、本実施例に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの更なる変形例を示す、タービンノズルボックスの壁面近傍を拡大して模式的に示した一部切欠き斜視図である。
図11に示すように、本実施例ではタービンノズルボックス31の壁面37に設けた冷却蒸気通路から壁面37と遮蔽板41との空間部47に冷却蒸気を噴出させるのでなく、空間部47に直接冷却用蒸気を供給する冷却蒸気供給口49と冷却蒸気を空間部47から回収する冷却蒸気回収口50を設けた。なお、壁面37の内部に別に冷却蒸気通路を形成してもよい。
さらに、図12に示すように、空間部47を区分けする仕切り51を設けてもよい。この場合、仕切り51に冷却蒸気通過口52を設けることによって空間部47に供給された冷却蒸気を空間部47の全体に行き渡らせることができる。
ここで、このように仕切り51と冷却蒸気通貨口52を設ける構成とする場合、供給された冷却蒸気が空間部47内を蛇行して流れるように、例えば各仕切り51,51,…の互い違いの位置に冷却蒸気通過口52,52,…を設けるとよい。このようにすることで冷却蒸気を蛇行させて効果的にタービンノズルボックス31の壁面37や遮蔽板41を冷却させることができる。
なお、空間部47を仕切り51によって区分けする構成については、図7や図8、また図10などに示した構成にも適用できることは言うまでもない。
図13は、タービンノズルボックス31に高温蒸気が供給されたときの遮蔽板の有無における周囲の構成部品に与える温度分布線図で、横軸にタービンノズルボックス31の壁37、壁37の外側の遮蔽板41、タービンロータ34のそれぞれの構成部品の各位置を模式的に示し、縦軸に温度を示している。
この図から、遮蔽板41があるために、タービンロータ34には、遮蔽板41がない場合に較べて、高温蒸気から与えられる熱勾配が全体として少なくなり、タービンロータ34の表面温度を低くできることがわかった。これによってタービンロータ34に生じる熱応力を少なくすることができる。
このように、本実施例に係る蒸気タービンは、タービンノズルボックス31の壁37内に冷却蒸気を流す冷却蒸気通路38を形成し、高温蒸気とタービンノズルボックス31の壁37との温度差を少なくさせるとともに、タービンノズルボックス31の壁面37の外側に遮蔽板41を断続的、あるいは密閉するように配置し、タービンロータ34への高温蒸気からの熱や輻射熱を遮蔽させる構成にしたので、タービンノズルボックス31およびタービンロータ34に発生する熱応力等を少なくさせることができ、高い強度保証を維持させて蒸気タービンに安定運転を行わせることができる。
このように、本実施例に係る蒸気タービンにおいては、タービンノズルボックスに冷却蒸気を供給する構成としているが、次にこの冷却蒸気の供給について、蒸気タービンプラントの系統図に基づいて説明する。
図14は、図1に示した中圧タービン2を備える蒸気タービンプラントの例を示したものである。
この蒸気タービンプラントは、蒸気タービン1,蒸気発生器であるボイラ9,復水系13,および給水系14から構成されている。
蒸気タービン1は、中圧タービン2,高圧タービン3,複流タイプの低圧タービン7,および発電機8が互いに軸結合され一軸として構成されている。蒸気発生器であるボイラ9は主蒸気を発生させ、この主蒸気は高圧タービン3に導かれ高圧タービン3内を膨張しながら流れることで膨張仕事をして高圧タービンを駆動する。また、高圧タービン3には、その中間段落から蒸気を抽気する高圧タービン抽気系5が設けられている。
高圧タービン3内で膨張仕事を終えた高圧タービン排気は低温排熱系10により再びボイラ9に導かれ、ボイラ9の再熱器11に供給され、ここで温度700℃以上の再熱蒸気となる。この再熱蒸気は中圧タービン2へと供給され、膨張仕事をして中圧タービン2を駆動する。さらに中圧タービン2には、高圧タービン3からの抽気蒸気の一部を高圧タービン抽気系5から分岐させて冷却蒸気として導く蒸気冷却系4が当該中圧タービンの上流部に接続されている。また、中圧タービン2の中間段落から蒸気を抽気する抽気配管が接続されている。
そして中圧タービン2で膨張仕事を終えた中圧タービン排気は低圧タービン7へ導かれ、さらにここでも膨張仕事をして低圧タービン7を駆動する。このようにして高圧タービン3,中圧タービン2,低圧タービン7がそれぞれ駆動され、これにより発電機8を駆動している。低圧タービン7にもその中間段落から蒸気を抽気する抽気配管が接続されている。
復水系13は、復水の流れに沿って復水器15、復水ポンプ16、第1低圧給水加熱器17、第2低圧給水加熱器18、第3低圧給水加熱器19、第4低圧給水加熱器20を備え、低圧タービン7からの低圧タービン排気を復水器15で凝縮して復水にし、この復水を復水ポンプ16で昇圧させ、第1〜第4低圧給水加熱器17,18,19,20で低圧タービン7から抽気配管を介して供給される低圧抽気蒸気を熱源として順次予熱(再生)させている。
一方、給水系14は、給水の流れに沿って脱気器21、給水ポンプ22、第1高圧給水加熱器23、第2高圧給水加熱器24、第3高圧給水加熱器25、過熱低減器27を備える。脱気器21は、復水系13の第4低圧給水加熱器20から供給される復水を蒸気タービン1の中圧タービン2の下流部からの抽気蒸気を熱源として加熱脱気させて給水としている。過熱低減器27は、蒸気タービン1の中圧タービン2の比較的上流側に接続された抽気配管から供給される過熱度の高い過熱蒸気の顕熱により給水を加熱するものであり、給水系14の最下流部に設けられている。
脱気器21にて得られた給水は、給水ポンプ22で昇圧され、第1〜第3高圧給水加熱器23,24,25で順次予熱され、最後に過熱低減器6に導かれてさらに予熱される。ここで、第1高圧給水加熱器における給水の加熱源は過熱低減器6にて顕熱をほぼ奪われて飽和蒸気に近づいた蒸気であり、第2高圧給水加熱器,第3高圧給水加熱器における給水の加熱源はそれぞれ、高圧タービン3からの高圧タービン排気,高圧タービン3からの高圧抽気蒸気である。これらの第1〜第3高圧給水加熱器23〜25,および過熱低減器6を通過して順次予熱された給水はボイラ9に戻される。
この例では、高圧タービン抽気系5,蒸気冷却系4を介して中圧タービン2aに供給された冷却蒸気が、中圧タービン2のノズルボックスに導かれ、例えば図1から図12に示したような各構成により冷却される。
なお、この例では冷却蒸気として高圧タービン3からの抽気蒸気を用いたが、これに限らず中圧タービン2からの抽気や、ボイラで加熱中の蒸気、また他のプラントなどから供給する構成としてもよい。さらに、本発明に係る蒸気タービンは中圧タービンに限らず、高圧タービンやその他のタービンにも適用することができる。
本発明に係る蒸気タービンの実施例を示す概略断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの例を示す概略断面図。 図2のX部の部分拡大断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す概略断面図。 図7のY部の部分拡大断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分断面図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分斜視図。 本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの変形例を示す部分斜視図。 タービンノズルボックスに遮蔽板を覆設した場合と、遮蔽板を覆設しない場合とを比較した高温蒸気の温度分布線図。 本発明の蒸気タービンを中圧タービンに適用した場合の中圧タービンの概略縦断面図。
符号の説明
1 蒸気タービン部
2 中圧タービン
3 高圧タービン
4 蒸気冷却系
5 高圧タービン抽気系
6 過熱低減器
7 低圧タービン
8 発電機
9 ボイラ
10 低温再熱系
11 再熱器
13 復水系
14 給水系
15 復水器
16 給水ポンプ
17 第1低圧給水加熱器
18 第2低圧給水加熱器
19 第3低圧給水加熱器
20 第4低圧給水加熱器
21 脱気器
22 給水ポンプ
23 第1高圧給水加熱器
24 第2高圧給水加熱器
25 第3高圧給水加熱器
27 蒸気供給管
28 タービン段落
29 タービンノズル
30 タービン動翼
31 タービンノズルボックス
32 外部ケーシング
33 内部ケーシング
34 タービンロータ
35 ノズル口
36 蒸気室
37 壁面
38 冷却蒸気通路
39 噴出口
40,40a,40b… 支持部
41,41a,40b… 遮蔽板
42 遮蔽板
43 空間部
44a,44b… 通路
45 冷却蒸気流出口
46 噴出口
47 空間部
48 回収口
49 冷却蒸気供給口
50 冷却蒸気回収口
51 仕切り
52 冷却蒸気通過口

Claims (8)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシング内に収納されて回転するロータと、
    前記ケーシング側に固定され前記ロータの回転軸に対する円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて前記ロータに植設され前記ロータとともに回転する動翼で構成される少なくとも1つのタービン段落と、
    前記ロータと前記ケーシングとの間隙に前記ロータの回転軸と同心状に配置されて前記タービン段落に連通するタービンノズルボックスと、
    前記タービンノズルボックスの外側に当該タービンノズルボックスに沿って、当該タービンノズルボックスの外側全域を密閉して覆設するように設けられた遮蔽板と、
    タービンノズルボックスの壁内に形成された冷却蒸気通路と、
    当該冷却蒸気通路に冷却蒸気を供給する冷却蒸気供給口と、
    遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の空間を区分けする仕切りと、
    前記冷却蒸気通路から外側に設けた遮蔽板に向って、前記仕切りにより区分けされた空間ごとに冷却蒸気を噴出させる噴出口と、
    遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の、前記仕切りにより区分けされた空間からそれぞれ冷却蒸気を回収する冷却蒸気回収口と、
    を備えることを特徴とする蒸気タービン。
  2. 前記冷却蒸気回収口の少なくともいずれかは、前記仕切りにより区分けされた空間から前記冷却蒸気を前記冷却蒸気通路に回収するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  3. ケーシングと、
    前記ケーシング内に収納されて回転するロータと、
    前記ケーシング側に固定され前記ロータの回転軸に対する円周方向に配置されたノズルおよび当該ノズルと隣接する位置にて前記ロータに植設され前記ロータとともに回転する動翼で構成される少なくとも1つのタービン段落と、
    前記ロータと前記ケーシングとの間隙に前記ロータの回転軸と同心状に配置されて前記タービン段落に連通するタービンノズルボックスと、
    前記タービンノズルボックスの外側に当該タービンノズルボックスに沿って、当該タービンノズルボックスの外側全域を密閉して覆設するように設けられた遮蔽板と、
    タービンノズルボックスの壁内に形成された冷却蒸気通路と、
    当該冷却蒸気通路に冷却蒸気を供給する冷却蒸気供給口と、
    前記冷却蒸気通路から外側に設けた遮蔽板に向って冷却蒸気を噴出させる噴出口と、
    遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の空間を区分けする少なくともひとつの仕切りと、
    当該仕切りのうち少なくともいずれかひとつに設けられた冷却蒸気通過口と
    を備えることを特徴とする蒸気タービン。
  4. タービンノズルボックスの外側を覆設する遮蔽板は、平板状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービン。
  5. タービンノズルボックスの外側を覆設する遮蔽板は、波状板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービン。
  6. タービンノズルボックスの外側を覆設する遮蔽板は、支持部により前記タービンノズルボックスに支持されるように構成にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービン。
  7. タービンノズルボックスの外側を覆設する遮蔽板は、前記タービンノズルボックスの壁面に対して層状に複数枚が配置され、層状に配置した各遮蔽板間を冷却蒸気の通路として構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービン。
  8. 冷却蒸気通過口は、遮蔽板とタービンノズルボックスとの間の空間内を蛇行して流れるように配置されていることを特徴とする請求項記載の蒸気タービン。
JP2004147808A 2003-05-20 2004-05-18 蒸気タービン Expired - Fee Related JP4460943B2 (ja)

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