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JP4443817B2 - 電気式装置および該電気式装置を備えた制御システム - Google Patents

電気式装置および該電気式装置を備えた制御システム Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータ機能やセンサ機能を備えた電気式装置およびこれを備えた制御システムに関し、特に電気式装置の個体間ばらつきの低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、車両の内燃機関はエンジンルーム内に搭載されたエンジンアッセンブリが各種の電気式装置を含み構成されており、電気式装置として、駆動信号を受けて作動するアクチュエータ機能を有するインジェクタ、スロットルバルブや、検出信号を出力するセンサ機能を有する各種のセンサ類がある。これらのインジェクタやセンサ類は、車室内の制御ユニットと信号線を介して接続されており、制御ユニットとで制御システムを構成している。制御ユニットが、各種のセンサの検出信号を取り込み、これに基づいて、インジェクタ等に駆動信号を出力するようになっている。
【0003】
ところで、燃料噴射の高精度化にはインジェクタ等の部品の特性に個体間でばらつきが小さいことが重要であり、部品の生産技術等の面で多くの努力が払われているが、制御面でも種々の工夫がなされている。すなわち、インジェクタ個々について噴射特性を予め試験しておき、そのインジェクタが使われる燃料噴射制御システムの制御ユニットに、特性試験結果に基づく各インジェクタの個別のデータを記憶しておいて、その個別データに基づいて前記駆動信号を補正し、インジェクタの噴射特性のばらつきを相殺する技術がある。この技術では、インジェク個々に、その噴射特性を特定する手段が設けられることになる。例えば、個別データをコード化してインジェクタ表面に表したものがある。この例では、コードリーダによりコードを読み取り、読み取ったコードのデータを制御ユニットのROMに書き込むことで、インジェクタの個別データを制御ユニットで補正に使用可能にしている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−332142号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インジェクタと、そのインジェクタの個別データが格納されたROMを有する制御ユニットとは、必ず対になるものが組み合わされなければならない。しかるに、ROMを有する制御ユニットは、エンジンルーム内に搭載されるエンジンンアッセンブリと異なり、車室内に搭載されるから、インジェクタと制御ユニットとは別の工程で組み付けられることになる。このため、インジェクタと、その個別データが格納されたROMを有する制御ユニットとが不整合になるおそれがあり、コードの読み取りやROMの書き込み時に、作業者が相当の注意負担を強いられる。
【0006】
また、制御ユニットは市場に出てから、製品不良やシステム上の不具合の対策、レベルアップのための小変更を予定しておかねばならず、その都度、データの再書き込みが必要になるから、市場にROMライタやコードリーダ等を配備しておかなければならない。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑みなされたもので、電気式装置と制御ユニットとの間の対応関係が正確となり、しかも構成が簡単な電気式装置および制御システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、端子部にて信号線を介して接続される外部の制御ユニットからの駆動信号を受けて作動するアクチュエータ機能が与えられた機能部と、該機能部の特性に応じた個別データを記憶するとともに該個別データを出力可能な個別データ記憶部とを有する、燃料をエンジンの気筒内に噴射するインジェクタである電気式装置において、
前記インジェクタである電子式装置は、前記個別データ記憶部への給電用および出力用の端子部を、前記機能部の端子部と共通に設け、前記共通の端子部を介して前記制御ユニットから入力する制御信号の種類に応じて、前記機能部若しくは個別データ記憶部のいずれかを前記端子部と接続するように切り換える切り換え手段を具備せしめる。
【0009】
電気式装置と制御ユニットとが信号線で接続された状態で、制御ユニットが電気式装置の個別データを取り込むことになるので、制御ユニットで補正に使われる個別データと、制御ユニットに接続された電気式装置との組み合わせが正しく確定する。
【0010】
また、端子部において、個別データ記憶部からの個別データの出力用または個別データ記憶部への給電用の端子を、機能部の駆動信号若しくは検出信号用の端子と共通化することができるので、構成を簡略化することができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記端子部は1対の端子よりなり、
前記1対の端子は、前記機能部の前記駆動信号若しくは前記検出信号用の正側および負側の端子であり、
かつ、前記1対の端子のうち一方の端子は、前記個別データ記憶部および前記切り換え手段への給電用の端子とし、
前記1対の端子のうち他方の端子は、前記個別データの出力用の端子とする。
【0012】
個別データの出力用の端子と、個別データ記憶部の給電用の端子との両方を、機能部の駆動信号若しくは検出信号用の端子と共通化できるので、さらに構成を簡略化することができる。
【0013】
請求項3記載の発明では、制御システムを、請求項1または2いずれか記載の電気式装置と、前記制御ユニットとからなる制御システムであって、前記制御ユニットには、前記信号線および前記電気式装置の端子部を介して給電する電源を、電圧値の異なる前記機能部の電源と前記個別データ記憶部の電源との間で切り換える電源切り換え手段を具備せしめ、
前記電気式装置の前記切り換え手段には、端子部を介して給電される電源電圧を前記制御信号として検出する電圧検出手段を具備せしめて、検出電圧の大きさにより、前記機能部と個別データ記憶部との間で前記端子部の接続先を切り換えるようにする。
【0014】
端子部の小規模な前記電気式装置を用いて制御システムを構築することで、信号線の本数を減じることができ、制御システムの構成を簡略化することができる
また、電源の切り換えがそのまま制御信号の種類の切り換えになるので、別途制御信号を信号線上に出力する必要がなく、さらに制御システムの構成を簡略化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って説明する。図1に本発明の電気式装置および制御システムを適用したエンジンの燃料噴射制御システムを示す。インジェクタ11はエンジンルーム内に搭載されるエンジンアッセンブリに電気式装置の1つとして取り付けられ、例えばコモンレールからの高圧燃料を気筒内に噴射する。インジェクタ11は、その機能部であるソレノイド3の励磁による吸引力でノズル内のニードルを昇降せしめて噴射と停止とを切り換えるアクチュエータである。1気筒分のみ図示しているが、各気筒ごとに1対1に対応して実質的に同一構成のインジェクタが設けられており、全インジェクタに共通の制御ユニットであるECU12と、燃料噴射制御システムを構成する。以下、インジェクタについては、説明の便宜のため、適宜、図示のインジェクタ11についてのみ言及する。ECU12はエンジンルームと隔てられた車室側に搭載され、インジェクタ11と信号線131,132により接続されている。
【0018】
信号線131,132は基本的に各インジェクタごとに2本ずつあり、その一端部で、インジェクタ11の1対の端子21,22と1対1に対応して導通、接続される。インジェクタ11の端子部2はこの端子21,22のみにより構成されている。端子21,22と信号線131,132の一端部とは、一般的なインジェクタと同様に、インジェクタ11の基端部でコネクタ構造にて接続される。信号線131,132は他端部ではECU12の端子と導通、接続される。この2本の信号線131,132のうち一方の信号線131は途中で集合して単一の信号線となっており、これをECU12が単一の端子で受けるようになっている。以下、適宜、信号線131をコモン信号線131といい、信号線132を気筒別信号線132という。
【0019】
ECU12は、基本的にはマイクロコンピュータ構成のもので、CPU61や、ソレノイド3の駆動用の電源であるインジェクタ駆動電流生成部71等を備えている。そして、インジェクタ11の他、エンジンアッセンブリの各部の図示しない種々のセンサと接続されている。CPU61は、これらセンサに基づくスロットル開度、エンジン回転数、コモンレール内燃料圧力等の、エンジン状態の検出信号に基づいて、燃料の噴射時期および噴射量に対応するソレノイド3の駆動時期および駆動時間を演算し、演算結果に基づいて、インジェクタ駆動電流生成部71が信号線131,132および端子部2を介して駆動信号をソレノイド3に出力する。駆動信号は、バッテリ電圧である12Vや24Vの電圧出力であり、出力期間中、ソレノイド3の励磁でインジェクタ11が開弁し、燃料が噴射される。ソレノイド3への電圧出力は、インジェクタ11の端子21側を正として出力され、以下、適宜、端子21を正側端子21といい、端子22を負側端子22という。また、駆動信号の電圧値を12Vとして説明する。
【0020】
駆動時期および駆動時間の演算においては、さらに、噴射気筒番号に対応する個別データをバックアップRAM62から読み込み、ソレノイド3の駆動時期および駆動時間を補正する。個別データは、例えば、駆動時期および駆動時間のオフセット量であり、公知の燃料噴射制御の補正方法として知られている手法が採用し得る。
【0021】
次に、インジェクタ11および燃料噴射制御システムの特徴部分であり、インジェクタ11からの個別データの送信のためにとられている構成について説明する。インジェクタ11には、そのインジェクタ11の個別データを記憶する個別データ記憶部5が搭載されている。個別データ記憶部5は、データ記憶回路51とデータ通信回路52とで構成されている。
【0022】
データ記憶回路51にはEEPROMが含まれており、これにインジェクタ11の製造工程の最終工程で個別データが書き込まれる。すなわち、完成した個々のインジェクタ11について燃料噴射に関する特性試験を行い、特性試験から基準の燃料噴射特性とのずれを求める。このずれに基づいて補正量を設定し、これを個別データとして前記EEPROMに書き込む。
【0023】
データ通信回路52は個別データの送信用の回路で、個別データの出力部が前記端子部2の負側端子22と接続されている。個別データ記憶部5への給電が開始されると、所定のタイミングで前記個別データを負側端子22を介して気筒別信号線132上に送信し、ECU12側で受けるようになっている。個別データ記憶部5の給電は、後述するスイッチ回路41および正側端子21を介してECU12からなされる。
【0024】
このように、2つの端子21,22のみからなる端子部2は、ソレノイド3への給電用として用いられるだけではなく、個別データ記憶部5への給電用および、個別データの出力用としても用いられる。ソレノイド3若しくは個別データ記憶部5のいずれかを端子部2に接続する切り換え手段である切り換え部4が設けてある。
【0025】
図2はインジェクタ11内の電気構成を示すもので、切り換え部4は、スイッチ回路41と、電圧検出手段である電圧検出回路42とからなる。スイッチ回路41は、ソレノイド3にスイッチ413が直列に接続され、両端子21,22間からソレノイド3への電圧印加をオンオフする。また、正側端子21と個別データ記憶部51との間には2つのトランジスタ411,412が直列に接続されており、スイッチ413とともにスイッチ回路41を構成している。トランジスタ411,412により、第1の端子21から個別データ記憶部5への給電がオンオフされる。インジェクタ11内の回路の接地はボデーアースによりなされている。
【0026】
トランジスタ411,412によりオンオフする個別データ記憶部5の電源電圧は、前記スイッチ413の制御信号となっている。スイッチ413は常閉のスイッチであり、トランジスタ411,412のオン時にはオフ(開)するようになっている。
【0027】
電圧検出回路42は、トランジスタ411,412のオンとオフとを切り換えるもので、トランジスタ411,412のベースに出力電流を供給するコンパレータ421,422がトランジスタ411,412と1対1に対応して設けてある。第1のコンパレータ421の+入力端子には、正側端子21の電位を抵抗器423,424により分割した電位が入力しており、第2のコンパレータ422の−入力端子には、正側端子21の電位を抵抗器425,426により分割された電位が入力している。抵抗器423〜426の抵抗値については後述する。
【0028】
また、第1のコンパレータ421の−入力端子と第2のコンパレータ422の+入力端子とには共通に、正側端子21の電位が抵抗器427の電圧降下の分、落とされて入力している。この第1のコンパレータ421の−入力端子および第2のコンパレータ422の+入力端子への入力電圧はツェナーダイオード428により定圧化されている。
【0029】
次に、抵抗器423〜426の抵抗値について説明する。以下、ツェナーダイオード428の降伏電圧は0.6Vに設定されているものとして説明する。第1のコパレータ421の+入力端子への入力電圧を規定する抵抗器423,424は正側端子21側の抵抗器423が6.5kΩで、接地側の抵抗器424が1kΩのものである。したがって、正側端子21の電位が4.5Vを越えると、第1のコンパレータ421では+入力端子の電位が0.6Vを越えて第1のトランジスタ411をオンする。
【0030】
一方、第2のコンパレータ422の−入力端子への入力電圧を規定する抵抗器425,426は正側端子21側の抵抗器425が8.2kΩで、接地側の抵抗器426が1kΩのものである。したがって、正側端子21の電位が5.52Vを下回ると、第2のコンパレータ422では−入力端子の電位が0.6Vを下回って第2のトランジスタ422をオンする。
【0031】
したがって、正側端子21の電位が4.50V〜5.52Vの範囲に入ると、両トランジスタ421,422がオンして、スイッチ423がオフするととともに、個別データ記憶部5への給電が開始される。そして、個別データが負側端子22を介して信号線132上に送信される。
【0032】
一方、正側端子21に、ソレノイド3用の駆動信号として12Vの電圧出力が現れたときには、スイッチ423はオン状態を保持してソレノイド3に駆動用の電圧が印加され、個別データ記憶部5は作動しない。なお、この場合、第1コンパレータ421の+入力端子、第2コンパレータ422の−入力端子への入力電圧が上昇するので、コンパレータ421,422の仕様を考慮して、正側端子21の電位の分圧比率を決める抵抗器423〜426の抵抗値、およびツェナーダイオード428の降伏電圧を設定する。
【0033】
ECU12における、コモン信号線131への出力電圧の切り換えについて説明する。コモン信号線131は、第1のスイッチ81により、インジェクタ駆動電流生成部71とCPU61等用の5V電源72とのいずれかに接続が切り換えられるようになっている。
【0034】
一方、各インジェクタ11ごとの気筒別信号線132は、各気筒別信号線132と1対1に対応して設けられた気筒選択用のトランジスタ83、および共通の第2のスイッチ82を介して、インジェクタ駆動電流生成部71とCPU61とのいずれかと接続される。
【0035】
第1、第2のスイッチ81,82は連動しており、CPU61により切り換え制御される。第1のスイッチ81がインジェクタ駆動電流生成部71側のときには第2のスイッチ82はインジェクタ駆動電流生成部71側に切り換えられる。また、第1のスイッチ81が5V電源72側のときには第2のスイッチ82はCPU61側に切り換えられる。なお、ECU12内の回路の接地もボデーアースによりなされている。
【0036】
図3は本燃料噴射制御システムの作動状態を示すタイミングチャートで、前半が個別データの送信処理実行時のもので、後半が通常の燃料噴射時のものである。個別データの送信処理はイグニッションキーオン時等に実行される。先ず、第1のスイッチ81を5V電源72側に切り換えるとともに、第2スイッチ82をCPU61側に切り換える。また、♯1気筒の気筒選択スイッチ83をオンする。これにより、コモン信号線131から♯1気筒のインジェクタ11の正側端子21に5Vの電圧が印加され、前記のごとく、個別データ記憶部51が起動して♯1気筒用の個別データを出力する。このとき、スイッチ413のオフで第1の信号線131に流れる電流が第2の信号線132に環流するのが禁止されるから、第2の信号線132が、「1」と「0」よりなる個別データの伝送用としてのみ作用する。また、ソレノイド3がコモン信号線131から切り離されることで、インジェクタ11が誤作動することが回避される。CPU61に伝送された個別データはバックアップRAM62に記憶される。
【0037】
個別データの送信処理は、この後は、インジェクタ11やECU12の交換、あるいはCPU61における制御プログラムの入れ替え時等に個別データの送信処理が実行される。なお、この個別データの記憶領域は必ずしもバックアップRAMである必要はなく、その場合は、イグニッションキーをオンする毎に個別データの送信処理を実行するようにしてもよい。
【0038】
♯1気筒のインジェクタ11の個別データの送信が終わると、CPU61は♯1気筒の気筒選択スイッチ83をオフにするとともに、次の、例えば♯3気筒の気筒選択スイッチ83をオンする。これにより、♯1気筒の場合と同様に、♯3気筒のインジェクタ11の個別データ記憶部51からそのインジェクタ11の個別データが送信され、バックアップRAM62に書き込まれる。なお、各インジェクタ11の個別データ記憶部5の個別データ出力のタイミングは、第1、第2のスイッチ81,82が5V電源72およびCPU61側に切り換わった時を基準としてタイマ制御で行うことで、各インジェクタ11からの個別データの出力時期が重ならないようにしてもよいし、個別データ記憶部5とCPU61とで多重通信システムを構築し、順次、個別データが出力されるようにしてもよい。このようにして順次、全気筒について、実際に搭載されているインジェクタ11の個別データがバックアップRAM62に書き込まれると、第1、第2のスイッチ81,82をインジェクタ駆動電流生成部71側に切り換える。
【0039】
これにより、再び、インジェクタ11の正側端子21への印加電圧が0Vになることで、スイッチ413はオンし、ソレノイド3の駆動が可能な状態となる。そして、所定の噴射時期になると、インジェクタ駆動電流生成部71から駆動信号が出力されて、ソレノイド3の両端に12Vの電圧が印加されて、インジェクタ11が開弁し、燃料が噴射される。
【0040】
このように、本制御システムは、インジェクタ11とECU12とが信号線131,132で接続された状態で、ECU12がインジェクタ11の個別データを取り込むことになるので、ECU12で補正に使われる個別データと、ECU12に接続されたインジェクタ11との組み合わせが正しく確定する。
【0041】
また、電気式装置側に個別データ記憶部を設けると、原則、電気式装置の端子部の端子、および信号線が、機能部(ここではソレノイドが相当)の駆動用に2本、個別データ記憶部の給電用に1本、個別データの出力用に1本、の合計4本必要になるところ、本発明によれば、正側端子21およびコモン信号線131が、ソレノイド3の駆動用と、個別データ記憶部5の給電用とで共通化し、さらに、負側端子22および気筒別信号線132が、ソレノイド3の駆動用と個別データの出力用とで共通化するので、構成を簡略化することができる。
【0042】
また、正側の端子21の電位が5Vと12Vとの間で切り換わると、これが電圧検出回路42で検出されて、ソレノイド3と個別データ記憶部51との間で前記端子部2の接続先を切り換えるから、切り換え用の制御信号を信号線に別途出力する必要がなく、制御システムの構成を簡略化することができる。
【0043】
なお、電圧検出回路42の抵抗器423〜426の分割電圧は、積分回路等により構成された遅延回路を介してコンパレータ421,422に入力するようにしてもよい。この場合、インジェクタ駆動電流生成部71からの駆動信号の出力で正側端子21の電位が12Vに向けて立ち上がる途中で、コンパレータ421,422の出力が反転するのを防止することができ、信頼性が向上する。
【0044】
また、信号線の数を半減しているが、要求される仕様によっては、個別データ出力用として独立した信号線を設けてもよい。この場合でも原則4本が必要になることと比較すれば信号線は1本少ない。また、負側端子および気筒別信号線がソレノイド用に特化するので、5Vでインジェクタが作動しないことを条件として、スイッチ413を省略することができる。また、個別データ記憶部5の給電用として独立した信号線を設けてもよい。この場合でも信号線を少なくすることができる。
【0045】
また、ソレノイド3若しくは個別データ記憶部5とのうちいずれかを接続部2と接続されるようにするのを、正側端子21の電位が5Vか12Vかで切り換えるようにしているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、信号線を介して端子部に別途制御信号を入力し、その種類に応じて切り換えるようにしてもよい。
【0046】
また、本発明の具体的な仕様は前記実施形態に記載のものに限らず、本発明の趣旨に反しない限り、任意である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料噴射制御システムの構成図である。
【図2】前記燃料噴射制御システムを構成するインジェクタの電気構成図である。
【図3】前記燃料噴射制御システムの作動状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
11 インジェクタ(電気式装置)
12 ECU(制御ユニット)
131 コモン信号線(信号線)
132 気筒別信号線(信号線)
2 端子部
21 正側端子(一方の端子)
22 負側端子(他方の端子)
3 ソレノイド
4 切り換え部(切り換え手段)
41 スイッチ回路
42 電圧検出回路(電圧検出手段)
5 個別データ記憶部
61 CPU
62 バックアップRAM
71 インジェクイタ駆動電流生成部
72 5V電源
81 スイッチ(電源切り換え手段)
82 スイッチ(電源切り換え手段)
83 気筒選択スイッチ

Claims (3)

  1. 端子部にて信号線を介して接続される外部の制御ユニットからの駆動信号を受けて作動するアクチュエータ機能が与えられた機能部と、該機能部の特性に応じた個別データを記憶するとともに該個別データを出力可能な個別データ記憶部とを有する、燃料をエンジンの気筒内に噴射するインジェクタである電気式装置において、
    前記インジェクタである電子式装置は、前記個別データ記憶部への給電用および出力用の端子部を、前記機能部の端子部と共通に設け、前記共通の端子部を介して前記制御ユニットから入力する制御信号の種類に応じて、前記機能部若しくは個別データ記憶部のいずれかを前記端子部と接続するように切り換える切り換え手段を具備せしめたことを特徴とする電気式装置。
  2. 請求項1記載の電気式装置において、前記端子部は1対の端子よりなり、
    前記1対の端子は、前記機能部の前記駆動信号若しくは前記検出信号用の正側および負側の端子であり、
    かつ、前記1対の端子のうち一方の端子は、前記個別データ記憶部および前記切り換え手段への給電用の端子とし、
    前記1対の端子のうち他方の端子は、前記個別データの出力用の端子とした電気式装置。
  3. 請求項1または2いずれか記載の電気式装置と、前記制御ユニットとからなる制御システムであって、前記制御ユニットには、前記信号線および前記電気式装置の端子部を介して給電する電源を、電圧値の異なる前記機能部の電源と前記個別データ記憶部の電源との間で切り換える電源切り換え手段を具備せしめ、
    前記電気式装置の前記切り換え手段には、端子部を介して給電される電源電圧を前記制御信号として検出する電圧検出手段を具備せしめて、検出電圧の大きさにより、前記機能部と個別データ記憶部との間で前記端子部の接続先を切り換えるようにした制御システム。
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