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JP4339082B2 - 牛乳壜用樹脂キャップ - Google Patents

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JP4339082B2 JP2003387387A JP2003387387A JP4339082B2 JP 4339082 B2 JP4339082 B2 JP 4339082B2 JP 2003387387 A JP2003387387 A JP 2003387387A JP 2003387387 A JP2003387387 A JP 2003387387A JP 4339082 B2 JP4339082 B2 JP 4339082B2
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Description

本発明は、ガラス製の牛乳壜の口部を封鎖するための牛乳壜用樹脂キャップの改良に関するものである。
牛乳壜の口部を封鎖するキャップとしては古くから紙栓が用いられてきたが、近年においてはより密封性に優れた樹脂製のキャップが用いられている。このような牛乳壜用樹脂キャップは、牛乳壜の口部内面に嵌合される環状シール部と、牛乳壜の口部外周面に嵌合されるスカート壁とを備え、このスカート壁の下部内周面に牛乳壜の口部外周面の段部と係合する周方向の係合突条を設け、またスカート壁の外周に開栓用のタブを設けた構造となっている。
牛乳壜用樹脂キャップは、力の弱い子供や老人であっても容易に開栓できるものでなければならない。そこで通常の牛乳壜用樹脂キャップは、スカート壁に薄肉の弱化部を設け、開栓時にタブを引き上げると弱化部が破断されて開栓できる構造となっている。しかしこの弱化部は、充填ラインにおいて牛乳壜用樹脂キャップを牛乳壜の口部に打栓する際に破断されないような安全率を見込んで肉厚や形状が設定されているのが普通であるため、開栓に力を要することがあった。
この問題を解決するために、タブに近いスカート壁にその下面から延びるスリットを複数個設けた牛乳壜用樹脂キャップが、特許文献1として提案されている。この牛乳壜用樹脂キャップは最初から弱化部が切断されているために、容易に開栓することができる。ところがこのようなスリットを設けた牛乳壜用樹脂キャップは、打栓機に供給するためにキャップをチャックする際に変形し易いという問題がある。また打栓前の牛乳壜用樹脂キャップに欠陥がないかどうかを検査する真空リークテストを行おうとしても、スリットから空気が吸引されてしまうため、リークテストが行えないという問題がある。さらに充填ラインにおいてスリットが引っ掛かり、詰まりを生じる可能性がある。
特開2000−238814号公報
本発明は上記した従来の問題点を解決して、力の弱い子供や老人であっても容易に開栓することができ、しかも打栓機への供給時などに変形や詰まりなどのトラブルを招くことがなく、リークテストも正常に行うことができる牛乳壜用樹脂キャップを提供するためになされたものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、牛乳壜の口部内面に嵌合される環状シール部と、牛乳壜の口部外周面に嵌合されるスカート壁とを備え、このスカート壁の下部内周面に牛乳壜の口部外周面の段部と係合する周方向の係合突条を設け、スカート壁の外周に開栓用のタブを設けた牛乳壜用樹脂キャップであって、スカート壁の複数位置に、打栓時に破断される弱化部を形成したことを特徴とするものである。
なお、打栓時に切断される弱化部が、スカート壁の内面側及び外面側に相対向させて形成したノッチにより形成されたものであることが好ましく、ノッチの形状を、水平断面がV字状と台形状のものとすることが好ましい。また弱化部の肉厚は0.1〜0.3mmとし、弱化部の長さをスカート壁の下端から1.0〜6.0mmとすることが好ましい。さらに、スカート壁をタブ側の180°領域と反タブ側の180°領域とに2分したとき、分割線を含むタブ側の180°領域に、2以上の弱化部を形成することが好ましい。
本発明の牛乳壜用樹脂キャップは、スカート壁の複数位置に打栓時に破断される弱化部を形成したものであり、打栓前の弱化部は破断されていない。このためにキャップをチャックする際に変形しにくく、打栓機への供給時などに変形や詰まりなどのトラブルを招くことがないうえ、真空リークテストも行うことができる。また打栓時に弱化部は破断されるので、消費者はタブを持ち上げることによりきわめて容易に開栓することができる。なお、打栓後はキャップの外周はフィルムにより覆われるため、打栓時に弱化部が破断されても衛生上の問題は生じない。以下に本発明の実施形態を示す。
図1は本発明の実施形態を示す平面図、図2はその底面図、図3はタブ部分の拡大断面図、図4は牛乳壜口部に打栓された状態を示す断面図である。本発明の牛乳壜用樹脂キャップは、図4に示されるように口部外周面に段部1を備えたガラス製の牛乳壜の口部2を密封するためのものである。その材質は軟質の合成樹脂であり、一般的には低密度ポリエチレン(LDPE)が用いられ、全体が射出成形により一体に成形されている。
本発明の牛乳壜用樹脂キャップは従来と同様に、天板3と、その中央部下面に突設された環状シール部4と、天板3の外周部から垂下する環状のスカート壁5とからなるものである。図4に示されるように、環状シール部4は牛乳壜の口部内面に嵌合され密封性を高めるための部分であり、スカート壁5は牛乳壜の口部外周面に嵌合される部分である。このスカート壁5の下部内周面には、牛乳壜の口部外周面の段部1と係合する周方向の係合突条6が設けられており、打栓後はスカート壁5を外側に広げなければ、係合突条6が段部1から外れないようになっている。なお以下に説明する弱化部10の部分には、係合突条6は設けられていない。
スカート壁5の下端部外周の一箇所には、開栓用のタブ7が設けられている。このタブ7は指先で摘んで引き上げることにより開栓するためのもので、この実施形態ではスカート壁5との間に4つの三角リブ8を設けてある。タブ7は連続したものであってよいが、この実施形態ではタブ7の中央部に切り込み9を設け、タブ7を左右に分断して片側ずつ引き上げることができるようにしてある。
タブ7の両側のスカート壁5には、弱化部10が形成されている。本発明では弱化部10は牛乳壜の口部に打栓されるまではつながっているが、打栓時にスカート壁5が押し広げられる際に破断されるようにしたものである。このためには図5、図6に示されるように、スカート壁5の内面側及び外面側に相対向させてノッチ11、12を形成し、打栓時に確実に破断されるようにすることが好ましい。
この実施形態では、弱化部10は水平断面がV字状のノッチ11と、V字の底面をフラットにした水平断面が台形状のノッチ12とを内外両面から相対向させて設けたものである。V字状のノッチ11は60〜120°の開き角度を与えることが好ましく、この実施形態では90°である。一方、台形状のノッチ12は底面の周方向幅を1〜1.5mm程度としておくことが好ましい。このように一方のノッチ12を幅広としておくことにより、内面成形用金型と外面成形用金型との間の僅かなずれを吸収することが可能となる。この実施形態ではスカート壁5の内面にV字状のノッチ11を設け、外面に台形状のノッチ12を設けたが、内外は逆にしても差し支えない。
弱化部10の肉厚、すなわちV字状のノッチ11の先端と台形状のノッチ12との間の半径方向の距離は、0.1〜0.3mmとすることが好ましい。弱化部10の肉厚が0.1mm未満では強度が不足して打栓前に破断されるおそれがある。逆に0.3mmを越えると強度が大きくなり過ぎ、打栓時に確実に破断されにくくなる。材質を軟質ポリエチレンとしたこの実施形態では、0.2mmに設定されている。なお弱化部10の縦方向の長さ(ノッチ11の長さ)は、スカート壁5の下端から1.0〜6.0mmとすることが好ましい。これよりも短いと開栓時に力を要することとなり、これより長いとスカート壁5の強度及び密封性が損なわれるからである。
このように弱化部10が打栓時に確実に破断されるようにするためには、その肉厚を0.1〜0.3mmと薄くする必要がある。この場合、図8Aに示すようにスカート壁5の外面側だけに深いノッチを形成する設計、図8Bに示すようにスカート壁5の内面側だけに深いノッチを形成する設計、図8Cに示すように内外両面側にノッチを形成する設計の3通りが想定される。しかし、図8Aと図8Bの設計は好ましくない。
その理由を説明するために先ず図9に金型構造を示す。牛乳壜用樹脂キャップは、図9Aに示すようにキャビティ型21とコア型22とストリッパ型23とにより成形される。そして離型時には図9Bに示すように成形品からキャビティ型21が上方に離れ、成形品はコア型22に保持された状態となる。次にストリッパ型23が成形品の下端面を押し上げて成形品をコア型22から分離する。
このような方法で離型されるため、キャビティ型21により成形される外面側のノッチは成形品の上端まで垂直に設ける必要がある。従って、スカート壁5の外面側だけに深いノッチを形成する場合には図8Aのように上端まで肉薄となるが、このような構造のキャップは弱化部10が形成された部分でスカート壁5の強度がなくなり、実用性がない。
またスカート壁5の内面側だけに深いノッチを形成する場合には、図8Bのようにストリッパ型23の内径を大きくしなければならず、ストリッパ型23は0.1〜0.3mmという非常に肉薄の成形品の下端面を押し上げることとなるから、離型がうまく行えなくなる。しかし図8Cのように内外両側からノッチを設けることにより、スカート壁5の上方部分の強度を保ちながら、ストリッパ型23による離型もうまく行えるようになる。以上の理由により、打栓時に切断される弱化部10は、スカート壁5の内面側及び外面側に相対向させて形成したノッチ11、12により形成されたものとすることが好ましい。
図1、図2に示すように、スカート壁5をタブ7側の180°領域Xと反タブ側の180°領域Yとに2分したとき、上記した弱化部10は分割線を含むタブ側の180°領域Xに、2以上形成することが好ましい。すなわちこの実施形態では分割線上に2個の弱化部10が対称に形成されているが、図10、図11に示す他の実施形態ではタブ7側の180°領域X内の中心角度αが60°の位置に、2個の弱化部10が対称に形成されている。このようにタブ7側の180°領域X内に弱化部10を設けるのは、タブ7からの開栓力を利用し易いためである。
このように構成された本発明の牛乳壜用樹脂キャップは、スカート壁5の複数位置に打栓時に破断される弱化部10を形成したものであり、消費者の手元に届いたときには図7に示すように既に弱化部10は破断されている。従ってタブ7を持ち上げれば僅かな力でスカート壁5を外側に開いて開栓することが可能であり、老人、女性、子供であっても開栓に困難を感じさせることがない。しかも打栓前の弱化部10は図5に示すように未だ破断されずにつながったままであるから、チャックする際にもキャップは変形しにくく、打栓機への供給時などに変形や詰まりなどのトラブルを招くことがないうえ、真空リークテストも行うことができる利点がある。
本発明の第1の実施形態を示す平面図である。 図1の底面図である。 タブ部分の拡大縦断面図である。 牛乳壜口部との嵌合状態を示す弱化部以外の部分の断面図である。 打栓前の弱化部の拡大縦断面図である。 打栓前後の弱化部の拡大水平断面図である。 打栓後の牛乳壜口部との嵌合状態を示す弱化部の断面図である。 肉薄の弱化部の設計案を示す断面図である。 金型構造及び離型状態を説明する断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す平面図である。 図10の底面図である。
符号の説明
1 段部
2 牛乳壜の口部
3 天板
4 環状シール部
5 スカート壁
6 係合突条
7 タブ
8 三角リブ
9 切り込み
10 弱化部
11 V字状のノッチ
12 台形状のノッチ
21 キャビティ型
22 コア型
23 ストリッパ型

Claims (6)

  1. 牛乳壜の口部内面に嵌合される環状シール部と、牛乳壜の口部外周面に嵌合されるスカート壁とを備え、このスカート壁の下部内周面に牛乳壜の口部外周面の段部と係合する周方向の係合突条を設け、スカート壁の外周に開栓用のタブを設けた牛乳壜用樹脂キャップであって、スカート壁の複数位置に、打栓時に破断される弱化部を形成したことを特徴とする牛乳壜用樹脂キャップ。
  2. 打栓時に切断される弱化部が、スカート壁の内面側及び外面側に相対向させて形成したノッチにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の牛乳壜用樹脂キャップ。
  3. ノッチの形状を、水平断面がV字状と台形状のものとしたことを特徴とする請求項2記載の牛乳壜用樹脂キャップ。
  4. 弱化部の肉厚を、0.1〜0.3mmとしたことを特徴とする請求項1記載の牛乳壜用樹脂キャップ。
  5. 弱化部の長さを、スカート壁の下端から1.0〜6.0mmとしたことを特徴とする請求項1記載の牛乳壜用樹脂キャップ。
  6. スカート壁をタブ側の180°領域と反タブ側の180°領域とに2分したとき、分割線を含むタブ側の180°領域に、2以上の弱化部を形成したことを特徴とする請求項1記載の牛乳壜用樹脂キャップ。
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