JP4337181B2 - Manufacturing method of solid electrolytic capacitor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性高分子の固体電解質層を用いた漏れ電流、周波数特性などの信頼性特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、プリント基板の高密度実装化、実装の効率化の要請から電子部品のチップ化、小型化が著しく進展している。これに伴い、電解コンデンサのチップ化、小型化や低インピーダンスの要請も高まり、各種の提案がなされて電解液を用いない固体電解コンデンサが急速に伸びてきている。
【0003】
図4はこの種の従来の固体電解コンデンサの一般的な構成を示す断面図である。同図において、1はコンデンサ素子で、このコンデンサ素子1はタンタル等の弁作用を有する金属粉末を成形して焼結した多孔質の陽極体から陽極導出線2を導出し、かつこの陽極導出線2の一部と前記多孔質の陽極体の全面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜層とピロール等の導電性高分子の固体電解質層を形成し、さらにこの固体電解質層の表面にカーボン層及び銀層を順次積層して陰極層3が形成されたものである。4は陽極端子で、この陽極端子4は一端部が前記陽極導出線2に溶接により接続され、そして他端部は後述する外装樹脂の成形後に折り曲げられている。5は陰極端子で、この陰極端子5は一端部が前記コンデンサ素子1の陰極層3に銀接着剤よりなる導電性接続層6により接続され、そして他端部は後述する外装樹脂の成形後に折り曲げられている。7はコンデンサ素子1全体をモールド成形して被覆するエポキシ樹脂からなる外装樹脂である。
【0004】
このような固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子の固体電解質層の形成方法についてこれまで多くの発明がなされており、一般的には、導電性高分子のモノマー溶液と酸化剤を含有する溶液で交互に電解重合または化学重合して固体電解質層を形成するか、導電性高分子のモノマー溶液と酸化剤を混合した溶液で電解重合または化学重合して固体電解質層を形成させていた。
【0005】
また、特開昭62−181415号公報には、導電性高分子層を形成しやすくするために、誘電体酸化皮膜層にMnO2層を形成した後に導電性高分子層を電気化学的に形成するという方法が提案されており、これにより導電性高分子層を均一に効率的に形成することができると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭62−181415号公報に記載の技術では、誘電体酸化皮膜層上にMnO2層を形成する場合、酸性度の高い硝酸マンガン溶液に浸漬した後に熱分解によりMnO2層を形成するため、硝酸マンガン溶液の酸性度で誘電体酸化皮膜の一部分が侵されてしまうという問題があり、これを補う方法としてMnO2層を形成した後に再度陽極酸化を行ったりすることが考えられるが、この方法を用いても漏れ電流特性を向上させるには困難を極めたものであった。
【0007】
また、導電性高分子の固体電解質層の形成においても、酸化重合に必要な酸性度の高い酸化剤溶液を導電性高分子の溶液に混合したものか酸化剤溶液を直接用いるため、誘電体酸化皮膜層の一部分が溶出して静電容量、漏れ電流に大きな影響を与えるので再度陽極酸化を行っているが、この点からも漏れ電流特性の向上に困難を極めるという課題を有していた。
【0008】
なお、前記誘電体酸化皮膜層の一部分が溶出するのは、アルミニウムやタンタル等の弁作用金属の箔や焼結体を陽極酸化して得られる誘電体酸化皮膜層は完全な酸化皮膜層とはなりにくく、水酸化皮膜が必ず存在するからであり、この水酸化皮膜は耐酸性や耐水性に弱いことから固体電解質層を形成するときの酸化剤溶液で誘電体酸化皮膜層の水酸化皮膜部分が侵されて製品の漏れ電流やインピーダンス特性に悪影響を与えているものと考えられる。この対策として、固体電解質層を形成した後に再度陽極酸化して誘電体酸化皮膜層を修復しているが、このときに形成される皮膜層は、最初の陽極酸化で誘電体酸化皮膜層を形成する工程よりも簡略化されるために完全な酸化皮膜層ができない。
【0009】
従って、従来の導電性高分子の固体電解質層を用いた固体電解コンデンサは、ある程度の低インピーダンス化を図ることはできても、市場ニーズを満足するまでの特性が得られてないのが現実である。
【0010】
本発明はこのような課題を解決し、漏れ電流が少なく、高周波数領域でのインピーダンス特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、弁作用金属の表面にドライプロセスで形成されたAl,Ti,Ta,Nbの少なくとも1種からなる酸化物皮膜層を形成し、この酸化物皮膜層上に導電性高分子の固体電解質層を形成する製造方法としたものである。
【0012】
この発明により、漏れ電流が少なく、高周波数領域でのインピーダンス特性に優れた固体電解コンデンサおよびその製造方法を得ることができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、弁作用金属箔を陽極部と陰極部に絶縁性のレジストで分離する工程と、前記陰極部の表面にAl,Ti,Ta,Nbの少なくとも1種からなる水酸化皮膜が存在しない酸化物皮膜層をドライプロセスで形成する工程と、この酸化物皮膜層上に複素環式モノマーを含有する溶液と酸化剤を含有する溶液とを個々に含浸又は複素環式モノマーと酸化剤とを含有する混合液に含浸して化学酸化重合することにより導電性高分子の固体電解質層を形成する工程とを有し、前記固体電解質層上にカーボン層および導電性接着層を順次形成し、前記陽極部及び導電性接着層のそれぞれに陽極端子及び陰極端子を接続した後に外装樹脂でモールドするようにした製造方法としたもので、この方法により、誘電体酸化皮膜層の破壊が起きないのでロットばらつきの少ない安定した生産ができ、かつ漏れ電流が少なく高周波数領域のインピーダンス特性に優れた固体電解コンデンサを製造することができるという作用を有する。
【0014】
また、酸化物皮膜層には水酸化皮膜が存在しないので、酸性度の高い酸化剤を用いて導電性高分子の固体電解質層を形成しても、酸化物皮膜層の溶解が起きないという作用を有する。
【0015】
なお、ドライプロセスは、半導体プロセスなどで用いられている真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの技術を用いて皮膜形成するものである。
【0016】
また、弁作用金属は100μm程度の箔を用い、その箔をエッチングなどで表面拡大化処理を施してから用いることもできる。
【0017】
上記複素環式化合物のモノマーがピロール、アニリン、チオフェンまたはこれらの誘導体を繰り返し単位として含む化合物であるとしたもので、信頼性の高い導電性高分子の固体電解質層を得ることができるという作用を有する。
【0018】
上記酸化剤に遷移金属の塩あるいは過硫酸の塩を用いることで、酸化力が高く、反応効率が高くなるので、コンデンサ素子の内部に高い導電性を有する導電性高分子層を形成することができるという作用を有する。
【0019】
なお、上記の反応効率をさらに高める目的で、酸化剤に有機酸あるいは無機酸を添加することもできる。ここで用いられる有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸などが挙げられる。また、無機酸としては、塩酸、燐酸、硫酸、ホウ酸、硝酸、亜燐酸、次亜燐酸、亜硝酸などを用いることができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について比較例と共に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサの構成を示した一部切欠斜視図である。同図において、10は弁作用金属であるアルミニウム箔、11は前記アルミニウム箔10を陽極部と陰極部に分離するために設けられた絶縁性のレジスト、12は前記レジスト11により分離された陰極部にドライプロセスにより形成された酸化物皮膜層、13は前記酸化物皮膜層12の表面に形成された導電性高分子の固体電解質層、14はカーボン層で、このカーボン層14の表面に銀層15を積層することによって陰極層を形成して素子を構成して、この素子を単独もしくは複数枚積層し、上記陽極部と陰極部に陽極端子16A、陰極端子16Bを接続した後に外装樹脂17でモールド(図示せず)することにより固体電解コンデンサを構成するようにしたものである。
【0022】
この固体電解コンデンサの製造方法は、まず、弁作用金属であるアルミニウム箔10(厚さ100μm)を陽極部と陰極部に分離するために絶縁性のレジスト11を設け、このレジスト11により分離された陰極部にイオンプレーティング法でAl2O3の酸化物皮膜層12を形成した後、この酸化物皮膜層12の表面に導電性高分子の固体電解質層13を形成させた。
【0023】
この固体電解質層13の形成は、複素環式モノマー液としてエチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を前記酸化物皮膜層12の表面に塗布して105℃で1分間乾燥し、続いて酸化剤として40wt%のp−トルエンスルホン酸を含むメタノール溶液を塗布して105℃で1分間乾燥し、その後水洗して105℃で5分間乾燥をした。このような工程を3回繰り返して行い化学酸化重合の固体電解質層13とした。
【0024】
次に、前記固体電解質層13の表面にカーボン層14、銀層15を順次積層して陰極層を形成して素子を得た。
【0025】
このように構成された素子を2枚積層し、上記陽極部と陰極部に陽極端子16A、陰極端子16Bを接続した後に外装樹脂17でモールド(図示せず)して固体電解コンデンサを作製した(サイズ:7.3×4.3×1.8mm)。
【0026】
(実施の形態2)
上記実施の形態1において、弁作用金属であるアルミニウム箔(厚み100μm)の表面にイオンプレーティング法でTiO2の酸化物皮膜層を形成した。それ以外は実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
【0027】
(実施の形態3)
上記実施の形態1において、弁作用金属であるタンタル箔(厚み100μm)の表面にイオンプレーティング法でTa2O5の酸化物皮膜層を形成した。それ以外は実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
【0028】
(実施の形態4)
上記実施の形態1において、弁作用金属であるチタン箔(厚み100μm)の表面にスパッタリング法でNb2O5の酸化物皮膜層を形成した。それ以外は実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
【0029】
(実施の形態5)
上記実施の形態1において、複素環式モノマー液としてピロールモノマーを用いた以外は実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
【0030】
(実施の形態6)
上記実施の形態1において、酸化剤として40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末を用いた以外は実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
【0031】
(実施の形態7)
上記実施の形態1において、複素環式モノマー液としてピロールモノマーと酸化剤として40wt%のp−トルエンスルホン酸を重量比で1:1に混合したエタノール溶液を塗布して105℃で10秒間乾燥した後10分間放置して、続いて水洗して105℃で5分間乾燥を行う。このような工程を3回行い化学酸化重合膜を形成した。それ以外は実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを得た。
【0032】
(実施の形態8)
図2は本発明の第8の実施の形態による固体電解コンデンサの素子の構成を示す断面図である。同図において、21は弁作用金属であるタンタル箔(厚さ100μm)、22は陽極酸化により形成された誘電体酸化皮膜層、23はスパッタリング法で形成されたTa2O5の酸化物皮膜層、24は複素環式モノマー液としてエチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を塗布して105℃で1分間乾燥し、続いて酸化剤として40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末を含むメタノール溶液を塗布して105℃で1分間乾燥して、その後水洗して105℃で5分間乾燥をする工程を3回行って形成した固体電解質層である。25は固体電解質層24の表面に形成されたカーボン層で、このカーボン層25上に銀層26を順次積層して陰極層が形成されている。
【0033】
このように構成された素子を用いて、実施の形態1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
【0034】
(実施の形態9)
図3(a),(b)は本発明の第9の実施の形態による固体電解コンデンサの素子の正面図とこの素子を用いた固体電解コンデンサの分解斜視図である。同図において、31はエッチング処理により表面を粗面化したアルミニウム箔(厚さ100μm)に真空蒸着により形成したAl2O3の酸化物皮膜層を形成した陽極箔、32は陰極箔、33はポリプロピレン樹脂からなるセパレータ、34は陽極箔31と陰極箔32の間にセパレータ33を介在させて巻回したコンデンサ素子である。
【0035】
次に、このコンデンサ素子34を40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末と3wt%のp−ニトロフェノールをメタノールに溶解した酸化剤溶液に浸漬して含浸させた後に85℃で10分間乾燥して80%以上のメタノールを除去した。このコンデンサ素子34を5℃に冷却するとともに、予め5℃に冷却した30wt%のピロールモノマーをメタノールに溶解したモノマー溶液に浸漬させた後に85℃で10分間乾燥した。その後水洗いして化学酸化重合にて導電性高分子層を形成した。このようにして得られたコンデンサ素子34を有底筒状の金属ケース37内に収納すると共に、金属ケース37の開口部を陽極箔31と陰極箔32のそれぞれから導出したリード線35a,35bを封口板36の貫通孔36a,36bから貫通するようにして封止して固体電解コンデンサを完成させた(サイズ:φ10mm×L10.2mm)。
【0036】
(比較例1)
上記実施の形態1の固体電解コンデンサの構成において、弁作用金属であるアルミニウム箔(厚さ100μm)をエッチング処理により表面を粗面化し、陽極酸化により誘電体酸化皮膜層を形成した。この誘電体酸化皮膜層の表面に複素環式モノマー液としてエチレンジオキシチオフェンを含むエタノール溶液を塗布して105℃で1分間乾燥して、続いて酸化剤として40wt%のp−トルエンスルホン酸を含むメタノール溶液を塗布して105℃で1分間乾燥し、その後水洗して105℃で5分間乾燥をした。このような工程を3回行い化学酸化重合の固体電解質層を形成した。次に電解液を用いて陽極酸化して誘電体酸化皮膜層を修復した後に、固体電解質層の表面にカーボン層及び銀層を順次積層して陰極層を形成して、最後にエポキシ樹脂でモールドして外装部を形成して固体電解コンデンサを得た。
【0037】
(比較例2)
上記実施の形態9の固体電解コンデンサの構成において、アルミニウム箔をエッチング処理により表面を粗面化した後、陽極酸化することにより誘電体酸化皮膜層を形成した陽極箔と陰極箔の間にマニラ紙からなるセパレータを介在させて巻回してコンデンサ素子を得た。次に、このコンデンサ素子を、40wt%のナフタレンスルホン酸第2鉄粉末をメタノールに溶解した酸化剤溶液に浸漬して含浸させた後に85℃で10分間乾燥して80%以上のメタノールを除去した。その後30wt%のピロールモノマーをメタノールに溶解したモノマー溶液を室温中で浸漬させた後に85℃で10分間乾燥した。その後水洗いを行い化学酸化重合にて導電性高分子層を形成した。その後は実施の形態9と同様にして固体電解コンデンサを完成させた。
【0038】
上記実施の形態1〜9と比較例1および2の固体電解コンデンサについて、静電容量(測定周波数120Hz)、インピーダンス(測定周波数100kHz)、漏れ電流(定格電圧6.3V印加後2分値)を測定した結果を(表1)に示す。
【0039】
なお、試験数はそれぞれ20個であり、特性はその平均値で示した。
【0040】
【表1】
【0041】
(表1)より明らかなように、実施の形態1〜7の固体電解コンデンサは、ドライプロセスで形成された酸化物皮膜層に水酸化皮膜が存在しないので、酸性度の高い酸化剤を用いて導電性高分子の固体電解質層を形成しても、漏れ電流が小さく、インピーダンス特性も低い値の固体電解コンデンサを得ることができる。また、Ta,Ti,Nbなどの酸化物皮膜層を形成することによりAlの酸化物皮膜層よりも静電容量が高いものが得られた。
【0042】
さらに実施の形態8の固体電解コンデンサは、タンタル箔に陽極酸化により誘電体酸化皮膜層を形成した後に導電性高分子の固体電解質層を形成したものであるが、実施の形態3とほぼ同等の特性が得られた。
【0043】
これに対して比較例1の固体電解コンデンサは、導電性高分子の固体電解質層を形成した後に誘電体酸化皮膜層を修復しても実施の形態1〜7の固体電解コンデンサよりも漏れ電流が大きく、インピーダンス特性の値も大きくなっている。
【0044】
また、実施の形態9の固体電解コンデンサは、アルミニウム箔をエッチング処理により表面を粗面化した陽極箔と陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回したコンデンサ素子を用いたもので、比較例2と比べて漏れ電流が小さく、インピーダンス特性も低い値の固体電解コンデンサを得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明の固体電解コンデンサは、弁作用金属の表面にドライプロセスで形成されたAl,Ti,Ta,Nbの少なくとも1種からなる酸化物皮膜層を有し、この酸化物皮膜層上に導電性高分子の固体電解質層を設けたものであり、また、弁作用金属の表面に陽極酸化により形成されたAlまたはTaの誘電体酸化皮膜層と、ドライプロセスで形成されたAl,Ti,Ta,Nbの少なくとも1種からなる酸化物皮膜層を有して、この酸化物皮膜層上に導電性高分子の固体電解質層を設けた構成とすることにより、漏れ電流が少なく、高周波数領域でのインピーダンス特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による固体電解コンデンサの構成を示す一部切欠斜視図
【図2】 本発明の第8の実施の形態による固体電解コンデンサの素子の構成を示す断面図
【図3】 (a)本発明の第9の実施の形態による固体電解コンデンサの素子の正面図
(b)同素子を用いた固体電解コンデンサの分解斜視図
【図4】 従来の固体電解コンデンサの構成を示す断面図
【符号の説明】
10 アルミニウム箔
11 絶縁性のレジスト
12 酸化物皮膜層
13 固体電解質層
14 カーボン層
15 銀層
16A 陽極端子
16B 陰極端子
17 外装樹脂
21 タンタル箔
22 誘電体酸化皮膜層
23 酸化物皮膜層
24 固体電解質層
25 カーボン層
26 銀層
31 陽極箔
32 陰極箔
33 セパレータ
34 コンデンサ素子
35a,35b リード線
36 封口板
37 金属ケース[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention leakage currents using a solid electrolyte layer of a conductive polymer, a method of manufacturing a solid electrolytic capacitor having excellent reliability characteristics such as frequency characteristics.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, electronic component chips and miniaturization have remarkably advanced due to demands for downsizing electronic devices, high-density mounting of printed circuit boards, and efficient mounting. Accordingly, demands for electrolytic capacitors to be reduced in size, size, and low impedance have increased, and various proposals have been made, and solid electrolytic capacitors that do not use an electrolytic solution are rapidly growing.
[0003]
FIG. 4 is a sectional view showing a general configuration of this type of conventional solid electrolytic capacitor. In the figure, reference numeral 1 denotes a capacitor element. The capacitor element 1 derives an anode lead-out
[0004]
In such a solid electrolytic capacitor, many inventions have been made so far regarding a method for forming a solid electrolyte layer of a conductive polymer. Generally, a solution containing a monomer solution of a conductive polymer and a solution containing an oxidizing agent is used. The solid electrolyte layer is formed by alternately performing electropolymerization or chemical polymerization, or by electrolytic polymerization or chemical polymerization with a solution obtained by mixing a monomer solution of a conductive polymer and an oxidizing agent.
[0005]
Japanese Patent Laid-Open No. 62-181415 discloses that a conductive polymer layer is formed electrochemically after a MnO 2 layer is formed on a dielectric oxide film layer in order to facilitate the formation of a conductive polymer layer. It has been proposed that the conductive polymer layer can be uniformly and efficiently formed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the technique described in JP-A Sho 62-181415, when forming the MnO 2 layer on the dielectric oxide film layer, the second layer MnO by thermal decomposition after immersion in high manganese nitrate solution acidity Therefore, there is a problem that a part of the dielectric oxide film is attacked by the acidity of the manganese nitrate solution, and as a method to compensate for this, it may be possible to perform anodic oxidation again after forming the MnO 2 layer. However, even if this method is used, it is extremely difficult to improve the leakage current characteristics.
[0007]
In addition, in the formation of a solid electrolyte layer of conductive polymer, either a highly acidic oxidizer solution required for oxidative polymerization is mixed with a conductive polymer solution or an oxidizer solution is used directly, so that dielectric oxidation is performed. Since a part of the coating layer is eluted and has a great influence on the capacitance and leakage current, the anodic oxidation is performed again. However, from this point, there is a problem that it is extremely difficult to improve the leakage current characteristics.
[0008]
In addition, a part of the dielectric oxide film layer is eluted because the dielectric oxide film layer obtained by anodizing a foil or sintered body of a valve metal such as aluminum or tantalum is a complete oxide film layer. This is because there is always a hydroxide film, and since this hydroxide film is weak in acid resistance and water resistance, the hydroxide film portion of the dielectric oxide film layer is formed with an oxidant solution when forming the solid electrolyte layer. Is considered to have adversely affected the leakage current and impedance characteristics of the product. As a countermeasure, the dielectric oxide film layer is repaired by anodizing again after forming the solid electrolyte layer. The film layer formed at this time forms the dielectric oxide film layer by the first anodic oxidation. Therefore, a complete oxide film layer cannot be obtained.
[0009]
Therefore, the conventional solid electrolytic capacitor using a solid electrolyte layer of a conductive polymer can actually achieve a certain level of impedance reduction, but does not have the characteristics to meet market needs. is there.
[0010]
The present invention solves such problems, small leakage current, it is an object to provide a method for producing a superior solid electrolytic capacitor in the impedance characteristics in a high frequency range.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present invention for solving the above-valve Al formed by a dry process to the surface of the metal, Ti, Ta, and form an oxide film layer comprising at least one of Nb, the oxide film layer And a manufacturing method for forming a solid electrolyte layer of a conductive polymer.
[0012]
According to the present invention, it is possible to obtain a solid electrolytic capacitor having a small leakage current and excellent impedance characteristics in a high frequency region, and a manufacturing method thereof.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention according to claim 1 of the present invention includes a step of separating the valve-acting metal foil into an anode part and a cathode part with an insulating resist, and at least one of Al, Ti, Ta, and Nb on the surface of the cathode part. A step of forming an oxide film layer having no hydroxide film formed by a dry process, and a solution containing a heterocyclic monomer and a solution containing an oxidizing agent on the oxide film layer are individually impregnated or complexed. Forming a solid electrolyte layer of a conductive polymer by impregnating a liquid mixture containing a cyclic monomer and an oxidant and chemically oxidatively polymerizing the carbon layer and the conductive layer on the solid electrolyte layer. An adhesive layer is formed in order, and a manufacturing method in which an anode terminal and a cathode terminal are connected to each of the anode part and the conductive adhesive layer and then molded with an exterior resin. By this method, a dielectric oxide film is formed. layer Has the effect of breaking because it does not occur can less stable production lots variation, and can be leakage current to produce a solid electrolytic capacitor having excellent impedance characteristics of at high frequency range.
[0014]
In addition, since there is no hydroxide film in the oxide film layer, the oxide film layer does not dissolve even when a solid electrolyte layer of a conductive polymer is formed using an oxidizing agent with high acidity. Have
[0015]
In the dry process, a film is formed using techniques such as vacuum deposition, sputtering, ion plating, and CVD used in semiconductor processes.
[0016]
The valve metal can be used after a foil having a thickness of about 100 μm is subjected to surface enlargement treatment by etching or the like.
[0017]
It is said that the monomer of the heterocyclic compound is a compound containing pyrrole, aniline, thiophene or a derivative thereof as a repeating unit, so that a highly reliable conductive polymer solid electrolyte layer can be obtained. Have.
[0018]
By using a transition metal salt or persulfuric acid salt as the oxidizing agent, the oxidizing power is high and the reaction efficiency is high, so that a conductive polymer layer having high conductivity can be formed inside the capacitor element. Has the effect of being able to.
[0019]
An organic acid or an inorganic acid can be added to the oxidizing agent for the purpose of further increasing the reaction efficiency. Organic acids used here include oxalic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, azelaic acid, sebacic acid, maleic acid, fumaric acid, phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, formic acid, Examples include acetic acid, propionic acid, butyric acid, and stearic acid. As the inorganic acid, hydrochloric acid, phosphoric acid, sulfuric acid, boric acid, nitric acid, phosphorous acid, hypophosphorous acid, nitrous acid and the like can be used.
[0020]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described together with comparative examples.
[0021]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a partially cutaway perspective view showing a configuration of a solid electrolytic capacitor according to a first embodiment of the present invention. In the figure, 10 is an aluminum foil which is a valve metal, 11 is an insulating resist provided to separate the
[0022]
In this method of manufacturing a solid electrolytic capacitor, first, an insulating resist 11 is provided to separate an aluminum foil 10 (thickness: 100 μm), which is a valve action metal, into an anode part and a cathode part. After the Al 2 O 3
[0023]
The
[0024]
Next, a
[0025]
The two elements thus configured were stacked, and the
[0026]
(Embodiment 2)
In the first embodiment, a TiO 2 oxide film layer was formed on the surface of an aluminum foil (thickness: 100 μm), which is a valve action metal, by an ion plating method. Other than that was carried out similarly to Embodiment 1, and obtained the solid electrolytic capacitor.
[0027]
(Embodiment 3)
In the first embodiment, an oxide film layer of Ta 2 O 5 was formed on the surface of a tantalum foil (thickness: 100 μm) that is a valve action metal by an ion plating method. Other than that was carried out similarly to Embodiment 1, and obtained the solid electrolytic capacitor.
[0028]
(Embodiment 4)
In Embodiment 1 described above, an oxide film layer of Nb 2 O 5 was formed on the surface of a titanium foil (thickness: 100 μm), which is a valve metal, by a sputtering method. Other than that was carried out similarly to Embodiment 1, and obtained the solid electrolytic capacitor.
[0029]
(Embodiment 5)
In the first embodiment, a solid electrolytic capacitor was obtained in the same manner as in the first embodiment except that a pyrrole monomer was used as the heterocyclic monomer liquid.
[0030]
(Embodiment 6)
In the first embodiment, a solid electrolytic capacitor was obtained in the same manner as in the first embodiment except that 40 wt% ferric naphthalenesulfonic acid powder was used as the oxidizing agent.
[0031]
(Embodiment 7)
In the first embodiment, an ethanol solution in which a pyrrole monomer liquid as a heterocyclic monomer liquid and 40 wt% p-toluenesulfonic acid as an oxidizing agent are mixed at a weight ratio of 1: 1 is applied and dried at 105 ° C. for 10 seconds. After that, it is allowed to stand for 10 minutes, followed by washing with water and drying at 105 ° C. for 5 minutes. Such a process was performed three times to form a chemically oxidized polymer film. Other than that was carried out similarly to Embodiment 1, and obtained the solid electrolytic capacitor.
[0032]
(Embodiment 8)
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the structure of the element of the solid electrolytic capacitor according to the eighth embodiment of the present invention. In the figure, 21 is a tantalum foil (thickness 100 μm) which is a valve action metal, 22 is a dielectric oxide film layer formed by anodic oxidation, and 23 is an oxide film layer of Ta 2 O 5 formed by sputtering. 24, apply an ethanol solution containing ethylenedioxythiophene as a heterocyclic monomer solution, dry at 105 ° C. for 1 minute, and then apply a methanol solution containing 40 wt% ferric naphthalene sulfonate powder as an oxidant. The solid electrolyte layer is formed by performing the process of drying at 105 ° C. for 1 minute, then washing with water and drying at 105 ° C. for 5 minutes three times.
[0033]
Using the element configured as described above, a solid electrolytic capacitor was produced in the same manner as in the first embodiment.
[0034]
(Embodiment 9)
3A and 3B are a front view of an element of a solid electrolytic capacitor according to a ninth embodiment of the present invention and an exploded perspective view of a solid electrolytic capacitor using this element. In this figure, 31 is an anode foil in which an Al 2 O 3 oxide film layer formed by vacuum deposition is formed on an aluminum foil (thickness: 100 μm) roughened by etching, 32 is a cathode foil, and 33 is A
[0035]
Next, the
[0036]
(Comparative Example 1)
In the configuration of the solid electrolytic capacitor of the first embodiment, the surface of aluminum foil (thickness: 100 μm), which is a valve action metal, is roughened by etching, and a dielectric oxide film layer is formed by anodic oxidation. An ethanol solution containing ethylenedioxythiophene as a heterocyclic monomer solution is applied to the surface of this dielectric oxide film layer and dried at 105 ° C. for 1 minute, followed by 40 wt% p-toluenesulfonic acid as an oxidant. The methanol solution was applied and dried at 105 ° C. for 1 minute, then washed with water and dried at 105 ° C. for 5 minutes. Such a process was performed three times to form a solid electrolyte layer of chemical oxidation polymerization. Next, after anodizing with an electrolytic solution to repair the dielectric oxide film layer, a carbon layer and a silver layer are sequentially laminated on the surface of the solid electrolyte layer to form a cathode layer, and finally molded with an epoxy resin. Thus, an exterior part was formed to obtain a solid electrolytic capacitor.
[0037]
(Comparative Example 2)
In the configuration of the solid electrolytic capacitor of the ninth embodiment, the manila paper is formed between the anode foil and the cathode foil in which the surface of the aluminum foil is roughened by etching and then anodized to form a dielectric oxide film layer. A capacitor element was obtained by winding with a separator made of Next, this capacitor element was impregnated by immersing it in an oxidant solution of 40 wt% ferric naphthalenesulfonic acid in methanol, and then dried at 85 ° C. for 10 minutes to remove 80% or more of methanol. . Thereafter, a monomer solution in which 30 wt% pyrrole monomer was dissolved in methanol was immersed in room temperature and then dried at 85 ° C. for 10 minutes. Thereafter, it was washed with water and a conductive polymer layer was formed by chemical oxidative polymerization. Thereafter, the solid electrolytic capacitor was completed in the same manner as in the ninth embodiment.
[0038]
For the solid electrolytic capacitors of Embodiments 1 to 9 and Comparative Examples 1 and 2, the capacitance (measurement frequency: 120 Hz), impedance (measurement frequency: 100 kHz), and leakage current (value after 2 minutes application of the rated voltage of 6.3 V) The measurement results are shown in (Table 1).
[0039]
In addition, the number of tests was 20 each, and the characteristic was shown by the average value.
[0040]
[Table 1]
[0041]
As is clear from (Table 1), since the solid electrolytic capacitors of Embodiments 1 to 7 have no hydroxide film in the oxide film layer formed by the dry process, an oxidizing agent having a high acidity is used. Even when a solid electrolyte layer of a conductive polymer is formed, a solid electrolytic capacitor having a low leakage current and a low impedance characteristic can be obtained. Further, by forming an oxide film layer of Ta, Ti, Nb or the like, a film having a higher capacitance than the Al oxide film layer was obtained.
[0042]
Further, the solid electrolytic capacitor of the eighth embodiment is obtained by forming a dielectric oxide film layer by anodic oxidation on a tantalum foil and then forming a solid electrolyte layer of a conductive polymer, which is almost the same as that of the third embodiment. Characteristics were obtained.
[0043]
In contrast, the solid electrolytic capacitor of Comparative Example 1 has a leakage current higher than that of the solid electrolytic capacitors of Embodiments 1 to 7 even if the dielectric oxide film layer is repaired after the formation of the solid electrolyte layer of the conductive polymer. The impedance characteristic value is large.
[0044]
Further, the solid electrolytic capacitor of Embodiment 9 uses a capacitor element in which an aluminum foil is wound by interposing a separator between an anode foil and a cathode foil whose surfaces are roughened by an etching process. A solid electrolytic capacitor having a smaller leakage current and a lower impedance characteristic than 2 can be obtained.
[0045]
【The invention's effect】
As described above, the solid electrolytic capacitor of the present invention has an oxide film layer made of at least one of Al, Ti, Ta, and Nb formed by a dry process on the surface of the valve action metal. A conductive polymer solid electrolyte layer is provided on the surface of the valve metal, and an Al or Ta dielectric oxide film layer formed by anodic oxidation on the surface of the valve metal, Al formed by a dry process, By having an oxide film layer composed of at least one of Ti, Ta, and Nb and providing a solid electrolyte layer of a conductive polymer on the oxide film layer, there is little leakage current, and high method for producing a superior solid electrolytic capacitor in the impedance characteristics in the frequency domain are those that can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially cutaway perspective view showing a configuration of a solid electrolytic capacitor according to a first embodiment of the present invention. FIG. 2 is a cross section showing a configuration of an element of a solid electrolytic capacitor according to an eighth embodiment of the present invention. FIG. 3 (a) Front view of a solid electrolytic capacitor element according to a ninth embodiment of the present invention (b) Disassembled perspective view of a solid electrolytic capacitor using the same element [FIG. 4] Conventional solid electrolytic capacitor Sectional diagram showing the structure of the [Description of symbols]
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