JP4334170B2 - 多層シートおよびプレス・スルー・パック容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプレス・スルー・パック用多層シートおよびそれを用いたプレス・スルー・パックに関する。さらに詳しくは、ガスバリヤー性、防湿性および透明性に優れたプレス・スルー・パック用多層シートおよびそれを用いたプレス・スルー・パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス・スルー・パック(Press・Through・Pack、以下PTPという)包装は、プラスチックシートを熱成形したポケットと呼ばれる凹に、カプセルや錠剤を充填し、シール剤をコートした20μm程度のアルミ箔を蓋材としてシールしたもので、PTP自動充填包装機によりシートからの熱成形・充填・シール・シート打ち抜き・カートニングが連続して自動的に行われる。PTPが医薬品の包装として、かくも多く使用されるようになった理由としては、例えば下記▲1▼〜▲6▼が挙げられる。
▲1▼1錠単位で密封ができ、ポケット1つ1つが気密容器の役割をする。
▲2▼個包装で内容物(錠剤)が1個ずつ確実に取り出せる。
▲3▼内容物が透視でき、チェックができる。改竄防止性がある。
▲4▼シートの分割が容易である。
▲5▼ガラス容器に比べ、軽く、コンパクトで持運びに便利である。
▲6▼自動充填包装機が開発され、生産に優れる。
【0003】
PTP包装用シートの材質としては、従来から、硬質塩化ビニル(以下、PVCと略す)樹脂がその優れた易成形性、カット性や優れた透明性を生かし使用されてきた。しかし、防湿性でやや劣るために、さらなる防湿性が要求される場合には、PTP包装後に、さらにアルミ箔を含む構成のフィルムでピロー包装するか、塩化ビニリデン(PVDC)樹脂コートを施す必要があった。また、ダイオキシン問題が起こり、PVCは、塩素含有ということだけで敬遠され、PP系やその他の材料に代替されつつある。しかしながら、PP系シートは、PVCシートに比べ、成形温度範囲が狭く、ポケット成形性に劣り、カール性、透明性、カット性等でもPVCシートに比べ劣り、充填ラインの改造が必要になる等の問題も見られる。
【0004】
また、医薬品の分野では、従来の病院向けの在庫期間の短いアルミピロー外装包装から、薬局向けの、在庫期間が長くてもPTPのみで外部環境から保護できる個包装に移行の動きがあり、個包装に対してより高い防湿性が求められるようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、PTP包装に好適に用いられる、ガスバリヤー性、防湿性および透明性に優れたプレス・スルー・パック用多層シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、PVC系やPP系シートよりも高い防湿性を有し、透明性に優れ、カールのない、高防湿性個包装PTP用シートとして好適に用いられるプレス・スルー・パック用多層シートを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の上記多層シートからなるプレス・スルー・パックを提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、グリコール酸重合体の一層を挟んでその両面側に接着剤層を介して環状オレフィン重合体の層が最外層として2層存在する、共押出成形された多層シートであって、上記グリコール酸重合体が下記式(1)
【0007】
【化4】
【0008】
で表される繰返し単位を含有してなりそして全厚みが150〜500μmであることを特徴とする、蓋材を硬質アルミ箔とするプレス・スルー・パック用多層シートによって達成される。
【0009】
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の多層シートと蓋材である硬質アルミ箔からなるプレス・スルー・パック容器によって達成される。
【0010】
【発明の好ましい実施態様】
本発明で用いられるグリコール酸重合体は、下記式(1)
【0011】
【化5】
【0012】
で表される繰返し単位を含有するポリマーである。ポリマー中、式(1)で表される繰返し単位の割合は、通常、70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。式(1)で表される繰返し単位の割合が70重量%未満であると、バリヤー性、耐熱性、機械的特性、耐熱収縮性などが低下するおそれが生じる。式(1)で表される繰返し単位以外の繰返し単位としては、例えば下記式(2)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、n=1〜10、m=0〜10)で表される繰返し単位、下記式(3)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、j=1〜10)で表される繰返し単位、下記式(4)
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。k=2〜10)で表される繰返し単位、下記式(5)
【0019】
【化9】
【0020】
で表される繰返し単位を挙げることができる。
【0021】
これらの繰返し単位(2)〜(5)を導入することにより、ポリグリコール酸重合体の融点Tmを下げ、ポリマーの加工温度を下げることにより、溶融加工時の熱分解を低減することができる。また、共重合によりポリグリコール酸の結晶化速度を制御して、押出加工性および延伸加工性を改良することもできる。一方、これらの繰返し単位(2)〜(5)が30重量%を超過すれば、ポリグリコール酸が本来有する結晶性が損なわれ、得られるフィルムのバリヤー性、引張弾性率、引張強度、耐熱収縮性が著しく低下するおそれがある。
【0022】
本発明で用いられるグリコール酸重合体は、JIS K−7126に準拠して測定したガスバリヤー性(23℃、80%RH)が次のように優れている。
酸素ガス透過係数(PO2)=1〜3×10-14(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)、
炭酸ガス透過係数(PCO2)=6〜15×10-14(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)、
さらに、JIS K−7129に準拠して測定した透湿度が次のように小さく、優れている。
透湿度(40℃、90%RH)=5〜25(g/m2・day)。
【0023】
また、240℃での溶融粘度(η*)は、剪断速度:100sec-1で測定したとき、好ましくは=100〜1000Pa・S、より好ましくは、=300〜800Pa・S、剪断速度:1000sec-1で測定したとき、=50〜500Pa・S、より好ましくは、=100〜300Pa・S。
【0024】
また、本発明で用いられる環状オレフィン共重合体としては、環状オレフィンに由来する繰返し単位と下記式(6)
【0025】
【化10】
【0026】
ここで、R1は水素原子、ハロゲン原子、エチル基またはR4−C6H4−基を示し、R4は水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン化炭化水素基を示す、
で表される繰返し単位からなる共重合体が好ましい。
【0027】
また、環状オレフィンとしては、例えばシクロペンタジエンもしくはその誘導体とノルボルナジエンもしくはその誘導体との付加物、その水素化物またはジシクロペンタジエンもしくはその誘導体とエチレンとの付加物を挙げることができる。
【0028】
これらの環状オレフィンとしては、例えば下記式(7)
【0029】
【化11】
【0030】
(ただし、式中lは1以上の正の整数であり、R5〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、および炭化水素基より選ばれる原子もしくは基を示すかまたは、R13〜R16は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
上記式(7)で表される環状オレフィンとしては、例えば、テトラシクロ−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ステアリルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチル−9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデンテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ−3−ドデセン、8−ブロモテトラシクロ−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ−3−ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ−3−ドデセン、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、12−イソブチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、オクタシクロ−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ−5−ドコセン、15−エチルオクタシクロ−5−ドコセン、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ−4−ヘキサデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ−4−ヘキサデセン、15,16−ジメチルペンタシクロ−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ−5−エイコセン、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン、ペンタシクロ−4−ペンタデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ−4−ペンタデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペンタシクロ−4−ペンタデセン、ペンタシクロ4,10−ペンタデカジエン等が挙げられる。
【0031】
以下に、環状オレフィン共重合体(以下COC系樹脂ということがある)として入手可能な市販品を例示するが、本発明で用いられる環状オレフィン共重合体はこれに限定されるものでない。
【0032】
エチレン・ノルボルネンから重合されるエチレン・シクロオレフィンコポリマー:三井化学(株)製、アペル APS8009(比重=1.02、Tg=80℃);同じく、ヘキスト社製、Tops8007、6013、6015;日本ゼオン(株)製、シクロオレフィンポリマーZeonex(比重=1.01、Tg=138℃)、さらに、Zeonexの持つ、優れた透明性と低吸湿性を維持し、より汎用性を狙ったZeonor(ゼオノア)1020R(比重=1.01、Tg=105℃)、トリシクロデカン脂環族構造を主鎖に、極性基であるエステル基を側鎖に持つJSR製、シクロオレフィンコポリマー(ARTON)(比重=1.08、Tg=171℃)、ダウケミカル社製、エチレン・シクロヘキセンコポリマー、ポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)(比重=0.945、Tg=160℃)、1,3−ジシクロヘキサジエン(CHD)を出発物質とし、リビングアニオン重合により作られるポリ(1,3−ジシクロヘキサジエン=PCHD)ホモポリマー(旭化成製:比重=1.05、Tg=175℃)およびそのコポリマー、さらにPCHDを水素化して得られる水素化PCHD(PCHE)等が挙げられる。
【0033】
COC樹脂は、高透明、高防湿性、高成形性および高寸法安定性を有し、特に透湿度(40℃、90%RH)は0.2〜0.5(g/m2・day)と小さく、高防湿性に優れている。
【0034】
COC系樹脂自体が非晶性であるために、耐衝撃性、耐油性が必ずしも満足するものでなく、高度の耐衝撃性や耐油性が要求される場合には、COC系樹脂に耐衝撃性や耐油性良好な他の熱可塑性樹脂、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)をブレンドして使用することができる。かかる熱可塑性樹脂はCOC系樹脂100重量部に対し例えば1〜20重量部、好ましくは3〜20重量部ブレンドすることができる。1重量部より少ないとそのブレンド効果が発現され難く、20重量部を超えるとCOCの高防湿性効果が阻害されるようになる。
【0035】
本発明の多層シートは、全体の厚みとして、150〜500μm、好ましくは200〜400μm、さらに好ましくは250〜350μmを有する。
【0036】
150μm未満では成形部の座屈強度が充分でなくなり、また、500μmを超えると耐圧強度が高くなり過ぎ、PTPとしたとき内容物を出し難くなる。
【0037】
COC樹脂層の厚みは、COC樹脂層全体の厚みとして、好ましくは130〜450μm、より好ましくは140〜400μm、さらに好ましくは、150〜350μmである。
【0038】
また、グリコール酸共重合体(以下、PGA樹脂という)層の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。PGA樹脂層の厚みは、必要とするガスバリヤー性のレベルに応じ適宜変更することができる。
【0039】
本発明の多層シートは、PGA樹脂層一層と最外層としてのCOC樹脂層二層を有する。
【0040】
PGA樹脂層とCOC樹脂層は、接着層を介して積層されている。COC樹脂層とPGA樹脂層間に、接着層を介在させることが特に層間接着性を高めることで望ましい。
【0041】
本発明で用いられる接着剤としては、COC樹脂との溶融粘度マッチした公知の接着性の良好な、押出可能な接着性樹脂を用いることができる。その例として、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三井化学(株)製 アドマーQF551、および三菱化学(株)製モディックS525)ポリアミド−アイオノマ−ブレンド樹脂(三井デュポン(株)製 AM7926)、エチレン−グリシジルメタアクリル酸共重合樹脂(住友化学(株)製 ボンドファースト2C)およびエチレン−グリシジルメタアクリル酸−メタアクリル酸重合品(JPO社製 レクスパールRA3150)を挙げることができる。
【0042】
接着層の厚みは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。1μm以下の厚みでは接着効果が出難く、また高価な接着性樹脂を100μm以上使用することは経済的にコストが合わない。
【0043】
接着剤層は、PGA樹脂層を、容器内外からの水分の浸入による、加水分解から守るために乾燥剤を包含させることができる。
【0044】
乾燥剤としては、例えば第二リン酸ナトリウム(sodium phosphate−di−basic)や塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等無機系のものや、ショ糖他の公知のもののうち、高い水分活性下で活動(作用)するものが好適に使用可能である。
【0045】
その添加量は接着剤に対して、好ましくは1〜40重量%である。40重量%だと接着性の低下をもたらし易く、1重量%以下ではその添加効果が期待され難い。
【0046】
本発明の多層シートは、COC/接着剤/PGA/接着剤/COCの積層構造を有する。
【0047】
また、COC、PGA以外の熱可塑性樹脂例えばLDPE樹脂の層を上記例の外層上に設けることもできる。
【0048】
本発明の多層シートの製造(積層)方法には、公知のシート成形技術が使用可能である。具体的には、フィードブロック(FB)方式とマルチマニホールド(MM)方式のいずれも採用できる。それぞれ長短、特徴があり、目的に合って、使い分けることができる。
【0049】
本発明の構成の多層シート製造に当たっては、PGA樹脂が加水分解しやすいので、溶融押出直前にPGA樹脂の水分含有量を100ppm以下になるように予備乾燥するのが好ましい。
【0050】
押出温度プロファイルは、COC樹脂の場合、シリンダー部で、好ましくはTg+100〜120℃、(約200〜290℃付近)、シリンダー温度の設定は、フィッシュアイを低減するためにフラットであるのが望ましい。
【0051】
また、PGA樹脂の押出温度プロファイルは、好ましくは225〜250℃である。PGA樹脂の温度が255℃を越えると、ポリマーの分解とそれに伴う分子量の低下、発泡が起きやすくなる。
従って、その押出温度の上限は、約250℃近辺である。
【0052】
本発明のプレス・スルー・パック容器を本発明の上記多層シートから製造するには、本発明の多層シートを公知の真空および圧空成形のPTP成形機に付すことで行うことができる。その熱成形温度条件、例えばCKD(株)製、FBP−M2を使用した場合、例えば次のとおりである。
・熱成形温度(Tg以上):約120℃、
・成形温度:110〜150℃(好ましくは120〜125℃)、
成形方法:プラグアシスト+圧空(平板ブロック加熱)、
金型:3号カプセル、
成形速度:100ショット(2000錠/分)、
シール温度:200℃。
【0053】
プレス・スルー・パック容器は、錠剤を収容する凹部を有している。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述する。本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0055】
実施例1
下記PGA樹脂およびCOC樹脂を使用した。
【0056】
PGA樹脂:PGAホモポリマー、
240℃での溶融粘度(η*)=500Pa・S(剪断速度:100sec-1)、
ガラス転移点=38℃、融点=221℃、
JIS K−7126に準拠して測定したガスバリヤー性:(23℃、80%RH)、
酸素ガス透過係数(PO2)=2.2×10-14(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)、
酸素ガス(O2)透過度:0.43(cc/m2・day・atm)、
炭酸ガス透過係数(PCO2)=8.9×10-14(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)、
炭酸ガス(CO2)透過度:2.6(cc/m2・day・atm)
透湿度(40℃、90%RH):10(g/m2・day)、
COC樹脂:アペル APS8009(三井化学(株)製、比重=1.02、Tg=80℃)、
接着性樹脂(接着剤):ボンドファースト2C(住友化学(株)製)
PGA樹脂は予備乾燥し、3種5層フィードブロック方式共押出成形機に、1m幅のTダイを取り付けて、各層の厚みが下記のとおりである、COC樹脂(内層)/接着剤/PGA/接着剤/COC樹脂(外層)の構成からなる多層無延伸シートを得た。
【0057】
成形条件:
内層押出機(50mmφ) シリンダー温度 230℃
外層押出機(50mmφ) シリンダー温度 230℃
中間層押出機(35mmφ) シリンダー温度 200〜240℃
接着層押出機(35mmφ) シリンダー温度 150〜200℃
ダイス温度 240℃
ダイスから流出したシート状物は、30℃にコントロールしたチルロールに接触させて、巻き取った。
【0058】
内層:130μm、
接着層: 5μm、
中間層:30μm、
接着層: 5μm、
外層:130μm、
【0059】
実施例2
実施例1において、内外層樹脂を、COC樹脂100重量部にHDPE樹脂を5重量部ブレンドした樹脂組成物に変更し、押出し条件を若干変更した他は、実施例1と同様に実施して、各層の厚みが実施例1と同じ多層無延伸シートを得た。
【0060】
なお、HDPE樹脂としては、昭和電工(株)製、密度=0.961g/cm3(JIS K6760)のHDPE樹脂を用いた。
【0061】
比較例1〜3
厚み300μmのPVC単層シート(比較例1)、PP単層シート(比較例2、PP樹脂としては三井化学(株)製、ノーブレンJHを用いた)およびCOC単層シート(比較例3、COC樹脂としては三井化学(株)製、アペル APS8009(比重=1.02、Tg=80℃)を準備した。
【0062】
上記実施例1,2および比較例1〜3のシートは、それぞれPTP自動充填包装機(CKD(株)製、FBP−M2)を用いて、3号カプセル金型を使用し、熱成形した。
成形方法:プラグアシスト+圧空(平板ブロック加熱)
成形温度:125〜130℃、(比較例2のPP単層シートの場合、若干温度アップ)
成形速度:5.2m/分(2000錠/分)
金型温度:25℃(水冷却)であった。
シール温度:200℃
蓋材はマレイン化プロピレンシール剤をコートした硬質アルミ箔(東洋アルミ(株)製、20μm)を用い、蓋材とシールし、その物性をチェックした。
これら実施例、比較例の物性の測定結果を下記表1に示す。
【0063】
なお、表1中の各物性は次のとおり測定、評価した。
防湿性:WVTR(JIS K−8714に準拠、g/m2・24hr、40℃、90%RH)
◎:0.25未満
○:0.25〜0.5
△:0.6〜1未満
×:1以上
【0064】
カット性、カール性:成形機にかけた時の仕上がり状態を観察。
◎:良好
○:使用可能
△:使用上若干問題
×:使用不可
透明性:JIS K−8714に準拠。
ヘイズ(%):3%未満:◎、3%〜5%:○、5%以上:×
耐油性:5mm角のシートを、n−ヘプタン中で23℃×3日浸漬して後、外観観察
○:変化なし、△:やや膨潤、×:膨潤
耐衝撃性:JIS P−6115に準拠して23℃で測定した。(kg−cm)
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、高防湿性樹脂であるCOC系樹脂層に、PGA樹脂層に配した、優れたガスバリヤー性、防湿性および透明性を備えた多層シート、並びにそれからなる高防湿性PTP包装体が得られる。
Claims (4)
- 環状オレフィン共重合体の層が環状オレフィン共重合体100重量部と高密度ポリエチレン1〜20重量部からなるブレンドからなる層である請求項1に記載の多層シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の多層シートと蓋材である硬質アルミ箔からなるプレス・スルー・パック容器。
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