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JP4328072B2 - Magnetic memory, magnetic recording / reproducing apparatus using magnetic memory, and memory cell - Google Patents

Magnetic memory, magnetic recording / reproducing apparatus using magnetic memory, and memory cell Download PDF

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JP4328072B2
JP4328072B2 JP2002260379A JP2002260379A JP4328072B2 JP 4328072 B2 JP4328072 B2 JP 4328072B2 JP 2002260379 A JP2002260379 A JP 2002260379A JP 2002260379 A JP2002260379 A JP 2002260379A JP 4328072 B2 JP4328072 B2 JP 4328072B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気メモリおよびその製造方法、メモリセル並びに磁気メモリを用いた磁気記録再生装置に関し、特に数nm〜数十nmの大きさの離散的な微小構造体を有する磁性ドットよりなる磁気メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録・光記録媒体の記録密度は60%/年の伸びを上回るスピードで開発が進められている。このような記録媒体の用途も年々拡大されており、DVD−RAM、HDD等がテレビジョン画像記録に用いられるようになってきている。このような動画の容量は、1時間の動画に対して数十GBを要するため、大容量の記録媒体が不可欠となっている。
【0003】
一方、通信環境の整備が進み、数百Mb/sの通信速度のインターネット通信が使用されるようになっており、高速度のアクセスが可能な記録媒体がますます不可欠となっている。
【0004】
このような状況下、次世代記録媒体として、フォトリソグラフィによるパターン媒体や、有機分子の自己組織化を用いた均一微粒子媒体が検討されている。これらの記録媒体は、従来の磁気記録技術で問題となっている磁性粒子間の相互作用を切って、1つの磁性粒子あるいは磁性ドットに1ビットの情報を担持させるもので、現在の磁気記録媒体の限界に到達しようとするものである。
【0005】
【非特許文献1】
F. Komori et al:Phys. Rev. B, 63, 214420(2001)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の磁気記録のメカニズムを用いた磁気記録媒体では、磁性粒子あるいは磁性ドットを可能な限り小さくかつ高密度に配置しても、1つの磁性粒子は1ビットの情報しか有しないためその記録密度の向上には限界が生じるという問題がある。
【0007】
したがって、本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、より高密度記録を実現可能な磁気メモリ、その製造方法、磁気メモリを用いた磁気記録再生装置およびメモリセルを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、[110]方向に、1度〜3度の角度で傾斜させた(001)面を主面とする単結晶基板と、前記(001)面の結晶面が一定の間隔でステップにより分離されて、前記分離された結晶面からなるテラス上に設けられた平面形状を有する複数の窒素層のパッチ要素分離されてなる窒素パッチと、隣合う前記パッチ要素の境界上に自己選択的に形成された磁気ドットと、を有し、隣接する前記窒素パッチ上の磁気ドット同士は、相互に磁気的な相互作用を及ぼすことがなく、同一の前記窒素パッチ上に設けられた前記磁気ドット間では、相互に磁気的な相互作用を及ぼすものであって、前記複数の磁気ドットの各々の磁化向きの組み合わせにより、多値情報を記録することが可能であることを特徴とする磁気メモリが提供される。
【0009】
本発明によれば、Cuなどの単結晶基板上に形成される窒素層は、基板面の格子定数と窒素の格子定数の差違により規則的に分離され、分離された窒素層よりなるパッチ要素が形成される。このパッチ要素間に現れる単結晶基板のラインの交差点上にCoなどの磁性元素等が自己選択的に堆積し、磁性ドットが形成される。更に、微小角傾斜した単結晶基板を用いることにより、基板面に現れるステップによりパッチ要素の集合である窒素パッチが分離され、窒素パッチの上に形成された磁性ドットの磁気的相互作用を周期的に切断することができる。したがって、磁気的相互作用を及ぼし合う複数の磁性ドットよりなるメモリセルが形成され、単結晶基板に多数のメモリセルが形成された磁気メモリが実現できる。
【0010】
磁気的相互作用を互いに及ぼし合う複数の前記磁性ドットを有するメモリセルよりなる構成とする。また、このメモリセル内の磁性ドットの各々磁化の方向の組み合わせに基づいて情報を記憶する構成とする。磁化の方向の組合わせにより、エネルギー的に安定又は準安定な状態に情報を割当てて、メモリセルに多重性を付与することができ、より高密度の記録が可能となる。
【0011】
前記単結晶基板はCuよりなり、前記主面は(001)面である構成とする。また、前記所定の結晶方位は[110]方向であって、かつ前記所定数が4または4の倍数である構成とする。また、前記微小角が1度〜3度の範囲である構成としてもよい
また、前記磁性ドットは、Co、Fe、Ni、Mn、Cr、Pd、RhおよびRuの群のうち少なくとも1種の元素を含む構成としてもよい。また、前記磁性ドットは、Cu、Ag、AuおよびPtの群のうち少なくとも1種の元素を更に含むこと構成としてもよい。
【0013】
本発明によれば、上述したように、清浄な単結晶基板上に窒化処理により単結晶基板を構成する原子と窒素原子が結合し、加熱処理により窒素パッチが形成され、その上にCoなどの磁性ドットが自己選択的に堆積する。さらに所定の結晶方位に微小角傾斜された単結晶基板を用いるので、基板表面にステップが現れ、このステップにより磁性ドットの磁気的相互作用が切断される。このような方法により、清浄な単結晶基板上の窒素および磁性材料の特異的な結晶成長を用いて、磁気的相互作用を及ぼしあう複数の磁性ドットを単位とする磁気メモリを形成することができる。
【0014】
前記工程は超高真空装置内で行う構成とする。窒素及び磁性材料の規則的配置を一層確保することが可能となる。
【0015】
本発明のその他の観点によれば、前記磁気メモリと、書き込み手段と、読み出し手段とよりなる磁気記録再生装置が提供される。前記書き込み手段は、偏極電子の注入、偏極レーザ光の照射若しくは、マルチ磁化プローブによる磁化転写によるものであってもよい。また、前記読出し手段は、磁気力顕微鏡、又は円偏光した光子若しくは電子の照射によるものであってもよい。
【0016】
本発明によれば、前記磁気メモリの微細な磁性ドットの磁化の方向を電子注入、偏極レーザ光、磁化転写などにより転移させ、また、磁気力顕微鏡、円偏光した光子若しくは電子の照射により磁化の方向を読出す。したがって、微細な書込みおよび読出し手段を用いているので、微細な磁性ドットの読み出し・書き込みが可能となる。その結果、高密度記録再生が可能である。
【0017】
本発明のその他の観点によれば、前記磁気メモリが3個または4個の磁気ドットを有するメモリセルであって、前記磁気ドットによる磁化の組み合わせにより決定される内部状態に基づいて情報を保持することを特徴とするメモリセルが提供される。
【0018】
本発明によれば、メモリセル内の磁化同士の磁気的相互作用により、安定又は準安定な磁化方向の組合わせ、すなわち内部状態が決定され、その内部状態に情報を付与する。したがって、メモリセルは内部状態の数の情報を有することが可能となり、メモリセルは多値の情報を有することが可能となる。
【0019】
前記磁化は、磁化の方向が同一の円周の接線方向であって、磁化の向きが右回りまたは左回りである内部状態を有する構成とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を磁気メモリ及びメモリセルの構成、磁気メモリの製造方法、メモリセルの内部状態、磁気メモリの書込み方法および読み出し方法について、順に説明する。
【0021】
(磁気メモリ及びメモリセルの構成)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1(A)は本発明の実施の形態の磁気メモリを示す平面図、(B)は(A)のX−X断面図である。
【0023】
図1(A)および(B)を参照するに、本実施の形態の磁気メモリ10は、Cuなどの単結晶基板11と、単結晶基板11上に形成された窒素層が分離されて正方形状となったパッチ要素(図示せず)が複数分離されてなる窒素パッチ12と、窒素パッチ12上に形成されたCoなどよりなる磁性ドット13より構成されている。
【0024】
単結晶基板11、例えばCu単結晶基板は、(001)面を主面として、[110]方向に微小角(1°〜3°)傾斜している。このような単結晶基板11では、(001)面の結晶面が一定の間隔でいわゆるステップ14により分離され、分離された個々の区画はテラス15を形成する。テラス15は(001)面の同一の結晶面よりなっている。ステップ14は、同じIndexを有する隣合う結晶面との段差であり、Cuのようなfcc(面心立方格子)の結晶構造の場合、ステップ14は格子定数の高さを有するので、テラス15上に形成された窒素パッチ12はステップで完全に分離される。その結果、窒素パッチ12の上に形成されている磁性ドット13は、隣接する窒素パッチ12の磁性ドット13と分離され、磁気的な相互作用が切られている。一方、窒素パッチ12上の例えば4つの磁性ドット13は、互いに磁気的な相互作用を及ぼし合う。このような構成により、磁気メモリ10の一単位であるメモリセル16が形成される。なお、単結晶基板11は、Cuの他、シリコン、MgO、サファイアなどを用いることができ、また、これらの単結晶層が形成された基板であってもよい。
【0025】
図2(A)はメモリセルを拡大して示す図、(B)は(A)のX−X断面図である。
【0026】
図2(A)及び(B)を参照するに、メモリセル16は、上述したように、単結晶基板11と、単結晶基板11上に形成された窒素パッチ12と、窒素パッチ12上に形成された磁性ドットよりなるが、窒素パッチ12は、窒素からなる正方形のパッチ要素18が分離されてマトリクス状に配列された構成となっている。
【0027】
パッチ要素18は、厚さ方向が単原子あるいは数原子層の窒素からなり、窒素はCuと結合している。窒素とCuとの格子定数の差違により、Cuの(001)面上に窒素層が連続して形成されず、パッチ要素18は、面内方向で周期的に分離されて形成される。パッチ要素18は一辺が約5nm程度のほぼ正方形の形状を有している。この形状及び大きさは、単結晶基板面の選択とその面の傾斜角度により制御可能である。
【0028】
隣合うパッチ要素18間にはCuの単結晶基板11が露出しており、これをCuライン19と呼ぶ。このCuライン19の交差点に磁性ドット13が自己選択的に配置される。
【0029】
このように磁性ドット13が自己選択的に配置されるのは、窒素吸着面上よりCu上の方が、金属原子が吸着安定化しやすいためであると考えられる。
【0030】
磁性ドット13は、1または数原子層の厚さを有し、直径約2nmの円盤状に形成されている。磁性ドット13は、Co、Fe、Niの他、Mn、Cr、Pd、RhおよびRuの群のうち少なくとも1種の元素からなり、強磁性体あるいは反強磁性体を形成し磁化を有している。また、磁性ドット13の磁化及び隣接する磁性ドット13間の相互作用を調整する点でCu、Ag、AuおよびPtの群のうち少なくとも1種の元素を更に含んでもよい。結晶磁気異方性が大きな規則化合金、例えばFePt、FePdまたはCoPtが高温でも超常磁性に相転移せず磁化が安定する点で更に好ましい。同様にCo/Pt、Co/Pdの人工格子膜も同様に好ましい。
【0031】
図3は、本実施の形態の磁気メモリの磁気特性を示す図である。図3中、縦軸はKerr回転角、横軸は印加磁場であり、ループの方向を矢印で示す。また、基板面に平行に磁場を印可している。図3を参照するに、99Kにおけるヒステリシスループは、磁気メモリの各磁性ドット13が強磁性であることを示している。ここで特徴的な点は、ループの微細構造にある。すなわち、図3に示すように、Kerr回転角が飽和後、磁場を減少させるとKerr回転角が減少して反転する前に、さらにKerr回転角が一定の部分が存在する。これは準安定状態が存在することを示している。すなわち、磁性ドット13の磁化が印加磁場の方向より変化して、ある方向に固定されていることを示し、メモリセル16内の磁性ドット13同士に相互作用が存在することが分かる。
【0032】
上述したように、本発明の実施の形態の磁気メモリ10は、Cuなどの単結晶基板11上に形成された窒素層が、基板面の格子定数と窒素の格子定数の差違により規則的に分離される。分離されたパッチ要素18間に表れる単結晶基板11のラインの交差点上にCoなどの磁性材料等が自己選択的に堆積し、磁性ドット13が形成され、更に、微小角傾斜する単結晶基板に現れるステップにより窒素パッチ12が分離され、その上に形成された磁性ドット13の磁気的相互作用が周期的に切断される。その結果、メモリセル16内の磁性ドット13は磁気的相互作用を及ぼし合い、メモリセル16間は磁気的相互作用が切断された磁気メモリ10が形成される。
【0033】
なお、磁性ドット13間の距離及び配置、メモリセル16内の磁性ドット13の数は、単結晶基板11の材料、傾斜させる結晶方位および角度により制御可能である。
【0034】
(磁気メモリの製造方法)
図4は、本実施の形態の磁気メモリの製造工程を示すフローチャートである。
本実施の形態の磁性メモリの製造方法を図4を参照しながら説明する。
【0035】
以下に説明する工程は総て超高真空(UHV(Ultra High Vacuum))装置において行う。超高真空装置は、そのチャンバ内を1×10-10Torrより高真空にすることが可能な装置である。かかる高真空を達成できる装置により、不純物ガス等に阻害されず、単結晶基板上に規則的な窒素パッチのパッチ要素を形成することが可能となり、かつ、磁性ドットがパッチ要素の境界であるCuラインの交差点上に自己選択的に形成可能となる。
【0036】
先ず、Cuの単結晶基板11の磁気メモリ10を形成する基板面を超高真装置のチャンバ内で清浄化する(S101)。具体的には、[110]方向に傾斜する(001)の微傾斜面を有するCuの単結晶基板11をチャンバでArイオン(例えば加速エネルギ500eV)をスパッタして、基板表面の付着物をArイオンにより物理的に叩き出して清浄化する。
【0037】
次の工程では、かかるスパッタにより形成された歪みを除去する(S102)。具体的には、例えば基板温度970K、10〜20分間熱処理を行う。加熱は基板載置台内に設けられたヒータあるいはRTA(Rapid Thermal Annealing)法などを用いることができる。なお、上記スパッタと熱処理は、チャンバ内の真空度を一旦1×10-10Torrに排気後に行う。
【0038】
次の工程では、清浄化された基板表面に窒素イオン(例えば加速エネルギ500eV)をスパッタする(S103)。具体的には、例えば基板温度600K、熱処理時間5分に設定する。なお、Cuの単結晶基板11に反応するイオン電流量をモニタしながら熱処理を行う。また、チャンバにゲートバルブを介して接続された他方のチャンバ内に配設したSTM(Scanning Tunneling Microscope)により、形成された窒素パッチ12を確認してしてもよい。より正確に製造工程を把握することができる。この工程によりCuの単結晶基板11上に窒素層のパッチ要素18からなる窒素パッチ12が形成される。
【0039】
次の工程では、Coをアルミナ製のるつぼによる熱蒸着法により1または数原子層の磁性ドットを形成する(S104)。具体的には、基板温度を室温とする。また、蒸着速度を例えば0.1原子層/分、蒸着時の真空度を5×10-10Torrより低く設定する。なお、Co蒸着量をモニタするため膜厚モニタを用いてもよい。この工程によりパッチ要素の境界であるCuラインの交差点に磁性ドット13が自己選択的に形成される。
【0040】
以上により、図1および図2に示す磁気メモリ10が形成される。
【0041】
なお、本実施の形態の磁性メモリの製造工程では、磁性ドットとしてCoを蒸着したが、上述した磁性材料を蒸着してもよい。磁性材料が2元系合金あるいはそれ以上の合金より成るときは複数のるつぼを用いるか、あるいは合金材料を用いても良い。また、磁性ドットを形成後にその上に保護膜を形成してもよい。磁性ドットの磁化の酸化等による経時的安定性を向上することができる。
【0042】
(メモリセルの内部状態)
次にメモリセルの磁化状態について説明する。本発明は、メモリセルの磁気ドットの磁化の方向の組み合わせに基づいて、メモリセルに多値の情報を保持させることが可能な点に新規な特徴がある。
【0043】
図5は、メモリセル内の4個の磁性ドットの磁化の方向を示す図である。図5を参照するに、上述したように、磁性ドット13の厚さおよび大きさはほぼ同等なので各々の磁化M1〜M4の大きさはほぼ等しい。そして、磁性ドット13は互いに5nm程度離れて配置されているので、磁性ドット13は互いに静磁気的相互作用を及ぼし合う。したがって、磁化M1〜M4のエネルギー的に安定な方向は、例えば図5に示す磁化M1は、隣合う磁性ドット13の磁化M2及びM3との静磁気相互作用を受けるので、磁性ドットを結んだ線に対してほぼ45°をなす方向、すなわち図5中のδはほぼ45°である。
【0044】
図6は、メモリセルのエネルギー的に安定あるいは準安定な磁化の方向の組み合わせを示す図である。図6を参照するに、エネルギー的に安定あるいは準安定な磁化の方向の組み合わせ(以下内部状態と呼ぶ)は16通りある。すなわち、メモリセルの多重度が16であることを意味する。具体的には、メモリセルの多重度16の内部状態は、4つの磁性ドットが載る円の一方向を磁化が向いた内部状態Aと、対角する磁化同士が反対を向いた内部状態Bと、隣り合う2つの磁化のうち一方の磁化とは磁力線が円滑に接続でき他方とは反強磁性的に向いた内部状態C1〜C4と、隣り合う2つの磁化のいずれの磁化とも反強磁性的に向いた内部状態D1〜D2、及びこれらの反転対称である内部状態A’,B’,C’1〜C’4,D’1〜D’2とによりなっている。
【0045】
これらの内部状態は、外部から見れば準安定または安定状態と考えることができる。したがって4つの磁性ドットにより16通りの情報を保持させることが可能となる。
【0046】
図7はメモリセルの内部状態を遷移させる操作を示す図である。図7を参照するに、内部状態Aを内部状態C’2に遷移させる操作は、内部状態Aの上段の2つの磁化を貫く回転軸αの周りに2つの磁化を同じ方向に180°回転させる。また、内部状態Aを内部状態C’1に遷移させる操作は、内部状態Aの左列の2つの磁化を貫く回転軸βの周りに2つの磁化を同じ方向に180°回転させる。
【0047】
【数1】

Figure 0004328072
このような遷移操作は以下のように記述することができる。内部状態Aは、式(1)のように、4つの磁化の状態をxkjで表し、2行2列の行列として表すことができる。それに対して、内部状態を遷移する操作は、式(2)及び(3)に示すように、上述した回転軸α及びβの周りに対称の回転操作をする演算子Jαk及びJβkを用いて、式(4)で表すことができる。
【0048】
図8(A)はメモリセルの内部状態の遷移、(B)はその遷移に沿った状態エネルギーの変化を示す図である。図8(A)に示すように、内部状態Aから矢印に沿って内部状態A’まで遷移する場合の状態エネルギーの変化は、図8(B)に示すように、内部状態A、A’は安定状態であり、内部状態C、D、C’は準安定状態なので、それぞれの内部状態で保持することが可能である。
【0049】
本実施の形態によれば、上述したように、メモリセルを形成する4つの磁性ドットの磁化の方向の組み合わせにより形成される、エネルギーの安定及び準安定な状態の内部状態により、16通りの情報を保持することが可能である。したがって、より高密度の磁気メモリを実現することが可能である。
【0050】
以下、本実施の形態の変形例について説明する。
【0051】
図9(A)〜(C)は、磁性ドットが3つの場合のメモリセルを示す図である。図9(A)を参照するに、メモリセルは3つの磁性ドットが三角形の各々の頂点に配置されている。これらの磁化のエネルギー的に安定な方向は、正三角形の頂点に配置されている場合は、磁性ドットを結んだ線に対して60°をなす方向である。このような場合、エネルギー的に安定な内部状態は、図9(A)に示すように、磁力線が略円となるように向いている場合で、2通りの内部状態がある。このように、磁性ドットを配置するためには、Cu(111)面において[121]、[211]、又は[112]の方位に1°〜3°の角度で傾斜させた基板により実現できる。
【0052】
このような三角形の頂点に配置された磁性ドットを一単位として、この単位を組み合わせて、図9(B)及び(C)に示すように、3つの磁性ドット×3単位及び3つの磁性ドット×6単位、あるいは図示されないが3つの磁性ドット×10単位のメモリセルを容易に構成できる。
【0053】
(磁気メモリの書込み方法)
次に、上述した磁気メモリ10に情報を書込む方法について説明する。
【0054】
磁気メモリのメモリセルの内部状態を遷移させる原理は上述した通りである。以下内部状態を遷移させる方法を具体的に説明する。
【0055】
図10は、コヒーレントなスピンを有する電子を注入してメモリセルの内部状態を遷移させる様子を示す図である。以下、メモリセルは3つの磁性ドットからなる場合を例として説明する。図10を参照するに、記録ヘッドは走査型プローブ20よりなり、コヒーレントなスピンを有する電子(偏極電子)21を注入可能に構成されている。この記録ヘッド20は、メモリセル16の磁性ドット13の近傍にアクセスして、1つの磁性ドットに偏極電子21を直接注入する。一方、メモリセル16にはバイアス電場あるいは磁場が印可される。バイアス電場等の制御により、偏極電子を注入された磁性ドット13の磁化Mの変化に基づいて、他の磁性ドット13の磁化Mを変化させることができる。このような方法によりメモリセル16の内部状態を遷移させることができる。
【0056】
図11は、偏極レーザ光によりメモリセルの内部状態を遷移させる様子を示す図である。図11を参照するに、量子ドットレーザにより射出されたレーザ光25を近接場領域においてメモリセル16の1つの磁性ドット13に照射する。磁性ドット13の格子振動を増加させることなく、磁性ドット13の磁化Mを構成する電子を光励起させ、電子温度を上昇させて、電子スピンのコヒーレントな振動振幅を増大させ、すなわち位相の揃った電子スピンの摂動を増大させることによって、磁化Mの向きのフロップの遷移確率を高くすることができる。すなわち、レーザ光25の位相と磁化Mを構成する電子スピンの振動位相を干渉させて、磁化Mの反転を行う。この際、磁化Mの反転を制御するために、メモリセル13にはバイアス電場又は磁場が印可される。このように偏極された近接場光によりメモリセル16の内部状態を遷移させることができる。
【0057】
図12は、マルチ磁化プローブによりメモリセルの内部状態を遷移させる様子を示す図である。図12を参照するに、記録ヘッドは、メモリセルの3つの磁性ドット13と対応するように構成された3本のプローブ31よりなるマルチ磁化プローブ30よりなる。マルチ磁化プローブ30の各々プローブの先端には、記録する磁化方向と同じ方向を有する磁化が形成されており、バイアス磁場を印可しながらプローブを磁化Mに接触させて転写させる。3つの磁性ドット13に対してこの操作を同時に行うことにより、メモリセル16の内部状態を遷移させることができる。
【0058】
(磁気メモリの読出し方法)
次に、上述した磁気メモリの読出し方法について説明する。
【0059】
図13は、磁気力顕微鏡によりメモリセルの内部状態を読み出す様子を示す図である。図13を参照するに、磁気力顕微鏡プローブ35をメモリセル16の3つの磁性ドット13の中心に近づけ、3つの磁性ドット13の磁化Mにより形成される磁場の方向を検知する。例えば、吸い込み方向である場合磁化Mは右回転、湧き出し方向である場合磁化Mは左回転であることを検知することができ、メモリセルの内部状態を読み出すことができる。また、3つの磁性ドットの総てを走査してそれぞれの磁性ドット13の磁化Mの方向を検知してもよい。
【0060】
図14は、反射した電子又は光子の量によりメモリセルの内部状態を読み出す様子を示す図である。図14を参照するに、位相の揃った光子41INを射出可能な光源、例えば量子ドットレーザ40A、40Bより、メモリセル16の磁性ドット13に近接した位置から同位相で右円偏光した光子41を磁性ドットに照射する。磁性ドット13の磁化Mの方向により反射量が異なり、反射した光子41OUTは、照射した光子41INと同様の位相を有する光子と互いに干渉して干渉縞を形成する。また左円偏向した光子を照射して、同様に干渉縞を形成する。この2つの干渉縞のパターンをフォトディテクタ42などにより測定して磁化Mの方向を検知することができる。各々の磁性ドットの方向を検知することによりメモリセル16の内部状態を読み出すことできる。なお、光子41の代わりに電子を用いることができる。
【0061】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したところから明らかなように、本発明によれば、Cuなどの単結晶基板上に形成された窒素層のパッチ要素からなる窒素パッチの上にCoなどの磁性元素等が自己選択的かつ規則的に堆積し磁性ドットが形成される。更に、微小角傾斜した単結晶基板を用いることにより窒素パッチが分離され、その上に形成された磁性ドットの磁気的相互作用が周期的に切断される。したがって、メモリセル内は磁気的相互作用を及ぼし合う複数の磁性ドットよりなり、メモリセル間は磁気的相互作用が切断された磁気メモリを形成することが可能となる。さらに、メモリセルを形成する複数の磁性ドットの磁化の方向の組合わせにより形成される、エネルギーの安定及び準安定な状態の内部状態により、メモリセルは多値の情報を保持することが可能である。したがって、より高密度の磁気メモリを実現することが可能である。
【0063】
また、偏極電子の注入、偏極レーザ光の照射若しくは、マルチ磁化プローブによる磁化転写により書き込み、また、磁気力顕微鏡、又は円偏光した光子若しくは電子の照射によるものにより読出すことにより、微小な磁性ドットの磁化の方向を転移する。したがって、メモリセルの内部状態を遷移させることが可能であり、高記録密度の磁気記録再生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態の磁気メモリを示す平面図、(B)は(A)のX−X断面図である。
【図2】(A)はメモリセルを拡大して示す図、(B)は(A)のX−X断面図である。
【図3】本実施の形態の磁気メモリの磁気特性を示す図である。
【図4】本実施の形態の磁気メモリの製造工程を示すフローチャートである。
【図5】メモリセル内の4個の磁性ドットの磁化の方向を示す図である。
【図6】メモリセルの内部状態を示す図である。
【図7】メモリセルの内部状態を遷移させる操作を示す図である。
【図8】(A)はメモリセルの内部状態の遷移、(B)はその遷移に沿った状態エネルギーの変化を示す図である。
【図9】(A)〜(C)は、磁性ドットが3つの場合のメモリセルを示す図である。
【図10】コヒーレントなスピンを有する電子を注入してメモリセルの内部状態を遷移させる様子を示す図である。
【図11】偏極レーザ光によりメモリセルの内部状態を遷移させる様子を示す図である。
【図12】マルチ磁化プローブによりメモリセルの内部状態を遷移させる様子を示す図である。
【図13】磁気力顕微鏡によりメモリセルの内部状態を読み出す様子を示す図である。
【図14】反射した電子又は光子の量によりメモリセルの内部状態を読み出す様子を示す図である。
【符号の説明】
10 磁気メモリ
11 単結晶基板
12 窒素パッチ
13 磁性ドット
14 ステップ
15 テラス
16 メモリセル
18 パッチ要素
19 Cuライン
20 走査型プローブ
25 レーザ光
30 マルチ磁化プローブ
35 磁気力顕微鏡プローブ
40A、40B 量子ドットレーザ
41IN、41OUT 光子
M,M1〜M4 磁化
A,A’,B,B’,C1〜C4,C’1〜C’4,D1〜D2,D’1〜D’2 内部状態[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic memory, a manufacturing method thereof, a memory cell, and a magnetic recording / reproducing apparatus using the magnetic memory, and more particularly, a magnetic memory including magnetic dots having discrete microstructures having a size of several nanometers to several tens of nanometers. About.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the recording density of magnetic recording / optical recording media has been developed at a speed exceeding 60% / year. The use of such a recording medium has been expanded year by year, and DVD-RAM, HDD, and the like have been used for television image recording. Since such a moving image requires several tens of GB for one hour of moving image, a large-capacity recording medium is indispensable.
[0003]
On the other hand, as the communication environment has been improved, Internet communication with a communication speed of several hundred Mb / s has been used, and a recording medium capable of high-speed access has become increasingly indispensable.
[0004]
Under such circumstances, as next-generation recording media, patterned media by photolithography and uniform fine particle media using self-organization of organic molecules are being studied. These recording media cut the interaction between magnetic particles, which is a problem in the conventional magnetic recording technology, and carry 1-bit information in one magnetic particle or magnetic dot. Is trying to reach the limits of
[0005]
[Non-Patent Document 1]
F. Komori et al: Phys. Rev. B, 63, 214420 (2001).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in a magnetic recording medium using such a conventional magnetic recording mechanism, even if magnetic particles or magnetic dots are arranged as small and as high as possible, one magnetic particle has only one bit of information. Therefore, there is a problem that there is a limit in improving the recording density.
[0007]
Therefore, the present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a magnetic memory capable of realizing higher-density recording, a method for manufacturing the same, a magnetic recording / reproducing apparatus using the magnetic memory, and a memory cell. Is to provide.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to one aspect of the present invention, In the [110] direction at an angle of 1 to 3 degrees Inclined (001) A single crystal substrate having a main surface as a surface; The crystal planes of the (001) plane are separated by steps at regular intervals, and provided on a terrace made of the separated crystal planes. Having a planar shape plural Nitrogen patch element In Isolated nitrogen patches and magnetic dots self-selectively formed on the border between adjacent patch elements The magnetic dots on the adjacent nitrogen patches have no magnetic interaction with each other, and the magnetic dots provided on the same nitrogen patch are mutually magnetic. The multi-value information can be recorded by a combination of the magnetization directions of each of the plurality of magnetic dots. A magnetic memory is provided.
[0009]
According to the present invention, the nitrogen layer formed on a single crystal substrate such as Cu is regularly separated due to the difference between the lattice constant of the substrate surface and the lattice constant of nitrogen, and the patch element comprising the separated nitrogen layer has It is formed. Magnetic elements such as Co are deposited in a self-selective manner on the intersections of the single crystal substrate lines appearing between the patch elements to form magnetic dots. Furthermore, by using a single crystal substrate tilted by a small angle, the nitrogen patches as a set of patch elements are separated by the steps appearing on the substrate surface, and the magnetic interaction of the magnetic dots formed on the nitrogen patches is periodically performed. Can be cut into pieces. Therefore, it is possible to realize a magnetic memory in which a memory cell composed of a plurality of magnetic dots that exert a magnetic interaction is formed, and a large number of memory cells are formed on a single crystal substrate.
[0010]
The memory cell has a plurality of magnetic dots that exert magnetic interaction with each other. Further, the information is stored based on the combination of the magnetization directions of the magnetic dots in the memory cell. By combining the magnetization directions, information can be assigned to an energy stable or metastable state, and multiplicity can be imparted to the memory cell, thereby enabling higher density recording.
[0011]
The single crystal substrate is made of Cu, and the main surface is a (001) plane. The predetermined crystal orientation is the [110] direction, and the predetermined number is 4 or a multiple of 4. The minute angle may be in the range of 1 to 3 degrees.
The magnetic dots may include at least one element selected from the group consisting of Co, Fe, Ni, Mn, Cr, Pd, Rh, and Ru. The magnetic dot may further include at least one element selected from the group consisting of Cu, Ag, Au, and Pt.
[0013]
According to the present invention, as described above, atoms constituting the single crystal substrate and nitrogen atoms are bonded to a clean single crystal substrate by nitriding, and a nitrogen patch is formed by heat treatment, and Co or the like is formed thereon. Magnetic dots are deposited in a self-selective manner. Further, since a single crystal substrate tilted by a small angle in a predetermined crystal orientation is used, a step appears on the substrate surface, and the magnetic interaction of the magnetic dots is cut by this step. By such a method, it is possible to form a magnetic memory in units of a plurality of magnetic dots that interact with each other using specific crystal growth of nitrogen and a magnetic material on a clean single crystal substrate. .
[0014]
The process is performed in an ultra high vacuum apparatus. It becomes possible to secure a more regular arrangement of nitrogen and magnetic material.
[0015]
According to another aspect of the present invention, a magnetic recording / reproducing apparatus including the magnetic memory, a writing unit, and a reading unit is provided. The writing means may be by injection of polarized electrons, irradiation of polarized laser light, or magnetization transfer by a multi-magnetization probe. The reading means may be a magnetic force microscope, or a circularly polarized photon or electron irradiation.
[0016]
According to the present invention, the magnetization direction of the fine magnetic dots of the magnetic memory is transferred by electron injection, polarized laser light, magnetization transfer, etc., and magnetized by irradiation with a magnetic force microscope, circularly polarized photons or electrons. Read the direction of. Therefore, since fine writing and reading means are used, it is possible to read and write fine magnetic dots. As a result, high-density recording / reproduction is possible.
[0017]
According to another aspect of the invention, The magnetic memory is a memory cell having three or four magnetic dots, the magnetic dots A memory cell is provided that retains information based on an internal state determined by a combination of magnetizations.
[0018]
According to the present invention, a combination of stable or metastable magnetization directions, that is, an internal state is determined by magnetic interaction between magnetizations in a memory cell, and information is given to the internal state. Therefore, the memory cell can have information on the number of internal states, and the memory cell can have multi-value information.
[0019]
The magnetization is The internal direction is such that the magnetization direction is the tangential direction of the same circumference and the magnetization direction is clockwise or counterclockwise.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described in the order of a magnetic memory and memory cell configuration, a magnetic memory manufacturing method, a memory cell internal state, a magnetic memory writing method and a reading method.
[0021]
(Configuration of magnetic memory and memory cell)
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0022]
FIG. 1A is a plan view showing a magnetic memory according to an embodiment of the present invention, and FIG. 1B is a sectional view taken along line XX in FIG.
[0023]
Referring to FIGS. 1A and 1B, a magnetic memory 10 according to the present embodiment includes a single crystal substrate 11 made of Cu and a nitrogen layer formed on the single crystal substrate 11 in a square shape. A plurality of patch elements (not shown) that are formed are composed of a plurality of nitrogen patches 12 and magnetic dots 13 made of Co or the like formed on the nitrogen patches 12.
[0024]
A single crystal substrate 11, for example, a Cu single crystal substrate, is inclined by a small angle (1 ° to 3 °) in the [110] direction with the (001) plane as the main surface. In such a single crystal substrate 11, crystal planes of the (001) plane are separated by so-called step 14 at regular intervals, and the separated individual sections form a terrace 15. The terrace 15 is composed of the same crystal plane of the (001) plane. Step 14 is a step between adjacent crystal planes having the same Index. In the case of an fcc (face centered cubic lattice) crystal structure such as Cu, Step 14 has a lattice constant height. The nitrogen patch 12 formed in the step is completely separated in steps. As a result, the magnetic dots 13 formed on the nitrogen patches 12 are separated from the magnetic dots 13 of the adjacent nitrogen patches 12 and the magnetic interaction is cut off. On the other hand, for example, four magnetic dots 13 on the nitrogen patch 12 have a magnetic interaction with each other. With this configuration, the memory cell 16 that is a unit of the magnetic memory 10 is formed. Note that the single crystal substrate 11 may be made of silicon, MgO, sapphire, or the like in addition to Cu, and may be a substrate on which these single crystal layers are formed.
[0025]
2A is an enlarged view of the memory cell, and FIG. 2B is an XX cross-sectional view of FIG.
[0026]
2A and 2B, the memory cell 16 is formed on the single crystal substrate 11, the nitrogen patch 12 formed on the single crystal substrate 11, and the nitrogen patch 12, as described above. The nitrogen patch 12 has a configuration in which square patch elements 18 made of nitrogen are separated and arranged in a matrix.
[0027]
The patch element 18 is made of nitrogen having a single atom or several atomic layers in the thickness direction, and the nitrogen is bonded to Cu. Due to the difference in lattice constant between nitrogen and Cu, the nitrogen layer is not continuously formed on the (001) plane of Cu, and the patch elements 18 are formed by being periodically separated in the in-plane direction. The patch element 18 has a substantially square shape with a side of about 5 nm. This shape and size can be controlled by selecting the single crystal substrate surface and the inclination angle of the surface.
[0028]
A Cu single crystal substrate 11 is exposed between adjacent patch elements 18, and this is called a Cu line 19. Magnetic dots 13 are arranged in a self-selective manner at the intersections of the Cu lines 19.
[0029]
The reason why the magnetic dots 13 are arranged in a self-selective manner is considered to be because the metal atoms are more easily adsorbed and stabilized on the Cu than on the nitrogen adsorption surface.
[0030]
The magnetic dot 13 has a thickness of one or several atomic layers and is formed in a disk shape having a diameter of about 2 nm. The magnetic dots 13 are made of at least one element selected from the group consisting of Mn, Cr, Pd, Rh, and Ru in addition to Co, Fe, and Ni, and form a ferromagnet or antiferromagnet and have magnetization. Yes. In addition, at least one element of the group of Cu, Ag, Au, and Pt may be further included in adjusting the magnetization of the magnetic dots 13 and the interaction between the adjacent magnetic dots 13. Ordered alloys having a large magnetocrystalline anisotropy, such as FePt, FePd, or CoPt, are more preferred in that the magnetization is stable without phase transition to superparamagnetism even at high temperatures. Similarly, Co / Pt and Co / Pd artificial lattice films are also preferable.
[0031]
FIG. 3 is a diagram showing the magnetic characteristics of the magnetic memory according to the present embodiment. In FIG. 3, the vertical axis represents the Kerr rotation angle, the horizontal axis represents the applied magnetic field, and the direction of the loop is indicated by an arrow. A magnetic field is applied parallel to the substrate surface. Referring to FIG. 3, the hysteresis loop at 99K indicates that each magnetic dot 13 of the magnetic memory is ferromagnetic. A characteristic point here is the fine structure of the loop. That is, as shown in FIG. 3, when the magnetic field is decreased after the Kerr rotation angle is saturated, there is a portion where the Kerr rotation angle is constant before the Kerr rotation angle is decreased and reversed. This indicates that a metastable state exists. That is, the magnetization of the magnetic dots 13 changes from the direction of the applied magnetic field, indicating that the magnetic dots 13 are fixed in a certain direction, and it can be seen that there is an interaction between the magnetic dots 13 in the memory cell 16.
[0032]
As described above, in the magnetic memory 10 according to the embodiment of the present invention, the nitrogen layer formed on the single crystal substrate 11 such as Cu is regularly separated by the difference between the lattice constant of the substrate surface and the lattice constant of nitrogen. Is done. A magnetic material such as Co is deposited on the intersections of the lines of the single crystal substrate 11 appearing between the separated patch elements 18 to form magnetic dots 13 and further to the single crystal substrate inclined by a small angle. The appearing step separates the nitrogen patch 12, and the magnetic interaction of the magnetic dots 13 formed thereon is periodically cut. As a result, the magnetic dots 13 in the memory cells 16 exert a magnetic interaction, and the magnetic memory 10 in which the magnetic interaction is disconnected is formed between the memory cells 16.
[0033]
Note that the distance and arrangement between the magnetic dots 13 and the number of the magnetic dots 13 in the memory cell 16 can be controlled by the material of the single crystal substrate 11, the crystal orientation to be tilted, and the angle.
[0034]
(Method of manufacturing magnetic memory)
FIG. 4 is a flowchart showing the manufacturing process of the magnetic memory according to the present embodiment.
A method of manufacturing the magnetic memory according to the present embodiment will be described with reference to FIG.
[0035]
All the steps described below are performed in an ultra high vacuum (UHV) apparatus. The ultra-high vacuum device has 1 × 10 in the chamber. -Ten It is a device that can make the vacuum higher than Torr. By such an apparatus capable of achieving a high vacuum, it becomes possible to form a patch element of a regular nitrogen patch on a single crystal substrate without being obstructed by an impurity gas and the like, and Cu where magnetic dots are boundaries of the patch element It can be formed on the intersection of lines in a self-selective manner.
[0036]
First, the substrate surface of the Cu single crystal substrate 11 on which the magnetic memory 10 is to be formed is cleaned in the chamber of the ultra-high truth apparatus (S101). More specifically, Ar ions (for example, acceleration energy 500 eV) are sputtered on a Cu single crystal substrate 11 having a (001) slightly inclined surface inclined in the [110] direction in a chamber, and deposits on the substrate surface are removed by Ar. It is physically ejected by ions and cleaned.
[0037]
In the next step, the distortion formed by the sputtering is removed (S102). Specifically, for example, heat treatment is performed at a substrate temperature of 970 K for 10 to 20 minutes. For the heating, a heater provided in the substrate mounting table or an RTA (Rapid Thermal Annealing) method can be used. In the above sputtering and heat treatment, the degree of vacuum in the chamber is once set to 1 × 10. -Ten After exhausting to Torr.
[0038]
In the next step, nitrogen ions (for example, acceleration energy of 500 eV) are sputtered on the cleaned substrate surface (S103). Specifically, for example, the substrate temperature is set to 600K and the heat treatment time is set to 5 minutes. Heat treatment is performed while monitoring the amount of ion current that reacts with the Cu single crystal substrate 11. Further, the formed nitrogen patch 12 may be confirmed by an STM (Scanning Tunneling Microscope) disposed in the other chamber connected to the chamber via a gate valve. The manufacturing process can be grasped more accurately. By this step, the nitrogen patch 12 composed of the patch element 18 of the nitrogen layer is formed on the Cu single crystal substrate 11.
[0039]
In the next step, one or several atomic layers of magnetic dots are formed by thermal evaporation of Co with an alumina crucible (S104). Specifically, the substrate temperature is set to room temperature. Further, the deposition rate is, for example, 0.1 atomic layer / minute, and the degree of vacuum during deposition is 5 × 10. -Ten Set lower than Torr. A film thickness monitor may be used to monitor the amount of Co deposition. By this step, magnetic dots 13 are formed in a self-selective manner at the intersections of the Cu lines that are the boundaries of the patch elements.
[0040]
Thus, the magnetic memory 10 shown in FIGS. 1 and 2 is formed.
[0041]
In the manufacturing process of the magnetic memory according to the present embodiment, Co is vapor-deposited as magnetic dots, but the above-described magnetic material may be vapor-deposited. When the magnetic material is made of a binary alloy or higher alloy, a plurality of crucibles may be used, or an alloy material may be used. Further, after forming the magnetic dots, a protective film may be formed thereon. The stability over time due to the oxidation of the magnetization of the magnetic dots can be improved.
[0042]
(Internal state of memory cell)
Next, the magnetization state of the memory cell will be described. The present invention has a novel feature in that multivalued information can be held in a memory cell based on a combination of magnetization directions of magnetic dots of the memory cell.
[0043]
FIG. 5 is a diagram showing the directions of magnetization of the four magnetic dots in the memory cell. Referring to FIG. 5, as described above, the thickness and size of the magnetic dots 13 are substantially equal, so that each magnetization M 1 ~ M Four Are almost equal in size. Since the magnetic dots 13 are arranged at a distance of about 5 nm from each other, the magnetic dots 13 exert a magnetostatic interaction with each other. Therefore, magnetization M 1 ~ M Four The energetically stable direction is, for example, the magnetization M shown in FIG. 1 Is the magnetization M of adjacent magnetic dots 13 2 And M Three 5 is approximately 45 ° with respect to the line connecting the magnetic dots, that is, δ in FIG. 5 is approximately 45 °.
[0044]
FIG. 6 is a diagram showing combinations of directions of magnetization of the memory cells that are stable or metastable in terms of energy. Referring to FIG. 6, there are 16 combinations of energetically stable or metastable magnetization directions (hereinafter referred to as internal states). That is, the memory cell multiplicity is 16. Specifically, the internal state of the multiplicity 16 of the memory cells includes an internal state A in which magnetization is directed in one direction of a circle on which four magnetic dots are placed, and an internal state B in which diagonal magnetizations are opposite to each other. An internal state C in which magnetic field lines can be smoothly connected to one of two adjacent magnetizations and antiferromagnetically oriented to the other. 1 ~ C Four And the internal state D that is antiferromagnetically oriented to any of the two adjacent magnetizations 1 ~ D 2 , And internal states A ′, B ′, C ′ that are inversion of these 1 ~ C ' Four , D ' 1 ~ D ' 2 It is due to.
[0045]
These internal states can be considered as metastable or stable when viewed from the outside. Therefore, 16 kinds of information can be held by the four magnetic dots.
[0046]
FIG. 7 is a diagram showing an operation of changing the internal state of the memory cell. Referring to FIG. 7, the internal state A is changed to the internal state C ′. 2 In the operation of transition to, the two magnetizations are rotated by 180 ° in the same direction around the rotation axis α penetrating the two upper magnetizations of the internal state A. Also, internal state A is changed to internal state C ′ 1 In the operation of transition to, the two magnetizations are rotated 180 ° in the same direction around the rotation axis β penetrating the two magnetizations in the left column of the internal state A.
[0047]
[Expression 1]
Figure 0004328072
Such a transition operation can be described as follows. In the internal state A, the four magnetization states are expressed as x in the equation (1). kj It can be expressed as a matrix with 2 rows and 2 columns. On the other hand, as shown in the equations (2) and (3), the operation for changing the internal state is an operator J that performs a symmetric rotation operation around the rotation axes α and β described above. αk And J βk Can be represented by the formula (4).
[0048]
FIG. 8A shows the transition of the internal state of the memory cell, and FIG. 8B shows the change of the state energy along the transition. As shown in FIG. 8A, the change in state energy when transitioning from the internal state A to the internal state A ′ along the arrow indicates that the internal states A and A ′ are as shown in FIG. Since the internal states C, D, and C ′ are metastable states, they can be held in their internal states.
[0049]
According to the present embodiment, as described above, 16 kinds of information are obtained by the internal state of the stable and metastable state of energy formed by the combination of the magnetization directions of the four magnetic dots forming the memory cell. It is possible to hold Therefore, it is possible to realize a higher-density magnetic memory.
[0050]
Hereinafter, modifications of the present embodiment will be described.
[0051]
9A to 9C are diagrams showing memory cells in the case of three magnetic dots. Referring to FIG. 9A, in the memory cell, three magnetic dots are arranged at the vertices of each triangle. These energetically stable directions of magnetization are directions that form an angle of 60 ° with respect to the line connecting the magnetic dots when arranged at the vertices of an equilateral triangle. In such a case, as shown in FIG. 9A, the internal state that is stable in terms of energy includes two types of internal states when the magnetic field lines are oriented in a substantially circular shape. Thus, the arrangement of the magnetic dots can be realized by a substrate inclined at an angle of 1 ° to 3 ° in the direction of [121], [211], or [112] on the Cu (111) plane.
[0052]
The magnetic dots arranged at the vertices of such a triangle are taken as one unit, and these units are combined, and as shown in FIGS. 9B and 9C, three magnetic dots × 3 units and three magnetic dots × A memory cell of 6 units or 3 magnetic dots × 10 units can be easily constructed, although not shown.
[0053]
(Writing method of magnetic memory)
Next, a method for writing information into the magnetic memory 10 described above will be described.
[0054]
The principle of transitioning the internal state of the memory cell of the magnetic memory is as described above. The method for transitioning the internal state will be specifically described below.
[0055]
FIG. 10 is a diagram illustrating a state in which the internal state of the memory cell is changed by injecting electrons having a coherent spin. Hereinafter, a case where the memory cell includes three magnetic dots will be described as an example. Referring to FIG. 10, the recording head includes a scanning probe 20 and is configured to be able to inject electrons (polarized electrons) 21 having coherent spin. The recording head 20 accesses the vicinity of the magnetic dot 13 of the memory cell 16 and directly injects polarized electrons 21 into one magnetic dot. On the other hand, a bias electric field or a magnetic field is applied to the memory cell 16. By controlling the bias electric field or the like, the magnetization M of other magnetic dots 13 can be changed based on the change of the magnetization M of the magnetic dots 13 injected with polarized electrons. The internal state of the memory cell 16 can be changed by such a method.
[0056]
FIG. 11 is a diagram illustrating a state in which the internal state of the memory cell is changed by the polarized laser beam. Referring to FIG. 11, one magnetic dot 13 of the memory cell 16 is irradiated with laser light 25 emitted by a quantum dot laser in the near-field region. Without increasing the lattice vibration of the magnetic dots 13, the electrons constituting the magnetization M of the magnetic dots 13 are photoexcited, the electron temperature is increased, and the coherent vibration amplitude of the electron spin is increased, that is, the electrons with the same phase. By increasing the spin perturbation, the transition probability of the flop in the direction of magnetization M can be increased. That is, the magnetization M is reversed by causing the phase of the laser beam 25 and the vibration phase of the electron spin constituting the magnetization M to interfere with each other. At this time, in order to control the reversal of the magnetization M, a bias electric field or a magnetic field is applied to the memory cell 13. The internal state of the memory cell 16 can be shifted by the polarized near-field light.
[0057]
FIG. 12 is a diagram illustrating a state in which the internal state of the memory cell is changed by the multi-magnetization probe. Referring to FIG. 12, the recording head includes a multi-magnetization probe 30 including three probes 31 configured to correspond to the three magnetic dots 13 of the memory cell. Magnetization having the same direction as the magnetization direction to be recorded is formed at the tip of each probe of the multi-magnetization probe 30, and the probe is brought into contact with the magnetization M and transferred while applying a bias magnetic field. By performing this operation on the three magnetic dots 13 simultaneously, the internal state of the memory cell 16 can be transitioned.
[0058]
(Reading method of magnetic memory)
Next, a method for reading the magnetic memory described above will be described.
[0059]
FIG. 13 is a diagram illustrating a state in which the internal state of the memory cell is read by the magnetic force microscope. Referring to FIG. 13, the magnetic force microscope probe 35 is brought close to the center of the three magnetic dots 13 of the memory cell 16 to detect the direction of the magnetic field formed by the magnetization M of the three magnetic dots 13. For example, it can be detected that the magnetization M is rotating clockwise when it is in the suction direction, and that the magnetization M is rotating counterclockwise when it is in the springing direction, and the internal state of the memory cell can be read. Alternatively, the direction of the magnetization M of each magnetic dot 13 may be detected by scanning all three magnetic dots.
[0060]
FIG. 14 is a diagram illustrating a state in which the internal state of the memory cell is read based on the amount of reflected electrons or photons. Referring to FIG. 14, the photons 41 having the same phase are arranged. IN Are emitted from a position close to the magnetic dot 13 of the memory cell 16 to the magnetic dot by the right-hand circularly polarized photon 41. The amount of reflection differs depending on the direction of the magnetization M of the magnetic dot 13, and the reflected photon 41 OUT Is the irradiated photon 41 IN Interfere with photons having the same phase to form interference fringes. Further, irradiation with photons deflected to the left circle is performed to similarly form interference fringes. The direction of the magnetization M can be detected by measuring the two interference fringe patterns with the photodetector 42 or the like. The internal state of the memory cell 16 can be read by detecting the direction of each magnetic dot. Note that electrons can be used instead of the photons 41.
[0061]
Although the preferred embodiments of the present invention have been described in detail above, the present invention is not limited to such specific embodiments, and various modifications and changes can be made within the scope of the present invention described in the claims. Is possible.
[0062]
【The invention's effect】
As is clear from the above detailed description, according to the present invention, a magnetic element such as Co is self-selective on a nitrogen patch comprising a patch element of a nitrogen layer formed on a single crystal substrate such as Cu. And it deposits regularly and a magnetic dot is formed. Further, the nitrogen patch is separated by using a single crystal substrate inclined at a minute angle, and the magnetic interaction of the magnetic dots formed thereon is periodically cut. Therefore, the memory cell is composed of a plurality of magnetic dots that exert magnetic interaction, and a magnetic memory in which the magnetic interaction is cut off can be formed between the memory cells. In addition, the internal state of the energy stable and metastable state formed by the combination of the magnetization directions of the plurality of magnetic dots forming the memory cell allows the memory cell to hold multi-value information. is there. Therefore, it is possible to realize a higher-density magnetic memory.
[0063]
Also, by writing with polarized electron injection, polarized laser light irradiation or magnetization transfer with a multi-magnetization probe, and reading with a magnetic force microscope or circularly polarized photon or electron irradiation, The direction of magnetization of the magnetic dots is changed. Therefore, the internal state of the memory cell can be changed, and a magnetic recording / reproducing apparatus with high recording density can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a plan view showing a magnetic memory according to an embodiment of the present invention, and FIG. 1B is a sectional view taken along line XX in FIG.
2A is an enlarged view showing a memory cell, and FIG. 2B is an XX cross-sectional view of FIG. 2A.
FIG. 3 is a diagram showing magnetic characteristics of the magnetic memory according to the present embodiment.
FIG. 4 is a flowchart showing manufacturing steps of the magnetic memory of the present embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing magnetization directions of four magnetic dots in a memory cell.
FIG. 6 is a diagram showing an internal state of a memory cell.
FIG. 7 is a diagram showing an operation for changing the internal state of a memory cell;
8A is a diagram showing a transition of an internal state of a memory cell, and FIG. 8B is a diagram showing a change of state energy along the transition.
FIGS. 9A to 9C are diagrams showing a memory cell in the case of three magnetic dots.
FIG. 10 is a diagram illustrating a state in which an internal state of a memory cell is changed by injecting electrons having a coherent spin.
FIG. 11 is a diagram illustrating a state in which an internal state of a memory cell is changed by polarized laser light.
FIG. 12 is a diagram illustrating a state in which an internal state of a memory cell is changed by a multi-magnetization probe.
FIG. 13 is a diagram showing how the internal state of a memory cell is read out by a magnetic force microscope.
FIG. 14 is a diagram illustrating a state in which an internal state of a memory cell is read based on the amount of reflected electrons or photons.
[Explanation of symbols]
10 Magnetic memory
11 Single crystal substrate
12 Nitrogen patch
13 Magnetic dots
14 steps
15 Terrace
16 memory cells
18 Patch elements
19 Cu line
20 Scanning probe
25 Laser light
30 Multi-magnetization probe
35 Magnetic force microscope probe
40A, 40B quantum dot laser
41 IN , 41 OUT photon
M, M 1 ~ M Four Magnetization
A, A ', B, B', C 1 ~ C Four , C ' 1 ~ C ' Four , D 1 ~ D 2 , D ' 1 ~ D ' 2 Internal state

Claims (12)

[110]方向に、1度〜3度の角度で傾斜させた(001)面を主面とする単結晶基板と、
前記(001)面の結晶面が一定の間隔でステップにより分離されて、前記分離された結晶面からなるテラス上に設けられた平面形状を有する複数の窒素層のパッチ要素に分離されてなる窒素パッチと、
隣合う前記パッチ要素の境界上に自己選択的に形成された磁気ドットと、
を有し、隣接する前記窒素パッチ上の磁気ドット同士は、相互に磁気的な相互作用を及ぼすことがなく、同一の前記窒素パッチ上に設けられた前記磁気ドット間では、相互に磁気的な相互作用を及ぼすものであって、
前記複数の磁気ドットの各々の磁化向きの組み合わせにより、多値情報を記録することが可能であることを特徴とする磁気メモリ。
A single crystal substrate having a (001) plane as a principal plane inclined at an angle of 1 to 3 degrees in the [110] direction;
Nitrogen obtained by separating the crystal planes of the (001) plane by a step at regular intervals and separating into a plurality of nitrogen layer patch elements having a planar shape provided on a terrace made of the separated crystal planes Patches,
Magnetic dots self-selectively formed on the boundary of adjacent patch elements;
The magnetic dots on the adjacent nitrogen patches do not exert a magnetic interaction with each other, and the magnetic dots provided on the same nitrogen patch are mutually magnetic. Interact, and
A magnetic memory characterized in that multi-value information can be recorded by a combination of magnetization directions of the plurality of magnetic dots.
前記単結晶基板の結晶構造は、fcc(面心立法格子)であることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。  2. The magnetic memory according to claim 1, wherein the crystal structure of the single crystal substrate is fcc (face-centered cubic lattice). 前記窒素パッチ要素は正方形であることを特徴とする請求項1または2記載の磁気メモリ。  3. The magnetic memory according to claim 1, wherein the nitrogen patch element is square. 前記窒素パッチ要素の境界である前記基板を構成する材料が露出しているラインの交差点に磁気ドットが形成されることを特徴とする請求項3に記載の磁気メモリ。  4. The magnetic memory according to claim 3, wherein a magnetic dot is formed at an intersection of a line exposing a material constituting the substrate, which is a boundary of the nitrogen patch element. 前記単結晶基板はCuであることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の磁気メモリ。  The magnetic memory according to claim 1, wherein the single crystal substrate is Cu. 前記磁性ドットは、Co、Fe、Ni、Mn、Cr、Pd、RhおよびRuの群のうち少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか一項記載の磁気メモリ。  The said magnetic dot contains at least 1 sort (s) of element in the group of Co, Fe, Ni, Mn, Cr, Pd, Rh, and Ru, As described in any one of Claims 1-5 characterized by the above-mentioned. Magnetic memory. 前記磁性ドットは、Cu、Ag、AuおよびPtの群のうち少なくとも1種の元素を更に含むことを特徴とする請求項6記載の磁気メモリ。  The magnetic memory according to claim 6, wherein the magnetic dots further include at least one element selected from the group consisting of Cu, Ag, Au, and Pt. 請求項1〜7記載の磁気メモリと、書き込み手段と、読み出し手段とよりなる磁気記録再生装置。  A magnetic recording / reproducing apparatus comprising the magnetic memory according to claim 1, a writing unit, and a reading unit. 前記書き込み手段は、偏極電子の注入、偏極レーザ光の照射若しくは、マルチ磁化プローブによる磁化転写であることを特徴とする請求項記載の磁気記録再生装置。9. The magnetic recording / reproducing apparatus according to claim 8 , wherein the writing means is injection of polarized electrons, irradiation with polarized laser light, or magnetization transfer by a multi-magnetization probe. 前記読み出し手段は、磁気力顕微鏡、又は円偏光した光子若しくは電子の照射によることを特徴とする請求項記載の磁気記録再生装置。9. The magnetic recording / reproducing apparatus according to claim 8 , wherein the reading means is a magnetic force microscope, or irradiation with circularly polarized photons or electrons. 請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気メモリが3個または4個の磁気ドットを有するメモリセルであって、前記磁気ドットによる磁化の組み合わせにより決定される内部状態に基づいて情報を保持することを特徴とするメモリセル。  The magnetic memory according to claim 1 is a memory cell having three or four magnetic dots, and information is obtained based on an internal state determined by a combination of magnetizations by the magnetic dots. A memory cell characterized by being held. 前記磁化は、磁化の方向が同一の円周の接線方向であって、磁化の向きが右回りまたは左回りである内部状態を有することを特徴とする請求項11記載のメモリセル。12. The memory cell according to claim 11 , wherein the magnetization has an internal state in which the magnetization direction is a tangential direction of the same circumference and the magnetization direction is clockwise or counterclockwise.
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