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JP4323150B2 - 電動湾曲内視鏡 - Google Patents

電動湾曲内視鏡 Download PDF

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JP4323150B2
JP4323150B2 JP2002287852A JP2002287852A JP4323150B2 JP 4323150 B2 JP4323150 B2 JP 4323150B2 JP 2002287852 A JP2002287852 A JP 2002287852A JP 2002287852 A JP2002287852 A JP 2002287852A JP 4323150 B2 JP4323150 B2 JP 4323150B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部先端側に設けた湾曲部を電動で湾曲動作させる電動湾曲内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内視鏡は、広く利用されている。内視鏡は、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置ができる。また、工業分野においても、内視鏡は、細長の挿入部を挿入することにより、ボイラ,タービン,エンジン,化学プラントなどの内部の傷や腐蝕などを観察したり検査することができる。
【0003】
この種の内視鏡は、細長な挿入部の先端部基端側に湾曲自在な湾曲部を連設して構成されている。このような内視鏡において、操作部に設けられた湾曲操作レバーやジョイスティック等の湾曲操作入力手段を操作することにより、前記湾曲部の湾曲位置や湾曲速度を湾曲量として指示入力される。そして、この内視鏡は、指示入力される湾曲量に基づき、湾曲操作ワイヤを機械的に牽引弛緩させ、前記湾曲部が湾曲動作されることになる。
【0004】
このような内視鏡には、操作性を鑑み提案がなされた内視鏡があり、例えば特開平2−159243号公報に記載されているように、湾曲駆動手段として内蔵したモータを回動制御してこのモータの駆動力により前記湾曲操作ワイヤを牽引弛緩して前記湾曲部を電動で湾曲動作される電動湾曲内視鏡がある。
【0005】
この提案による電動湾曲内視鏡は、湾曲駆動手段としてのモータや湾曲操作ワイヤにモータの駆動力を伝達する牽引操作用回転体としてのスプロケット及び伝達歯車列等の湾曲牽引機構構成部位全てが、主要枠部材であるメインフレーム及びサブフレームに接続されて一体的に湾曲操作装置部として構成し、この湾曲操作装置部が操作部内に収容されるように構成している。
【0006】
また、前記特開平2−159243号公報の電動湾曲内視鏡と略同様に、湾曲牽引機構構成部位がメインフレーム等に接続されて一体的に湾曲操作装置部と成し、操作部内に収容された構造の電動湾曲内視鏡が、例えば特開4−256724号公報に記載されており、小型軽量で、且つ簡単な構造で、確実なロック状態とフリー状態を行う内視鏡を提供し得る目的を達成しようとしている。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−159243号公報(第4−6頁、第8図)
【0008】
【特許文献2】
特開平4−256724号公報(第3−5頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の特開平2−159243号公報や特開平4−256724号公報に記載の電動湾曲内視鏡では、上述したように、湾曲駆動手段としてのモータや湾曲操作ワイヤにモータの駆動力を伝達する牽引操作用回転体としてのスプロケット及び伝達歯車列等の湾曲牽引機構構成部品全てが、主要枠部材であるメインフレーム及びサブフレームに接続されて一体的に湾曲操作装置部として構成し、操作部内に収容されるといった構成であるため、組立て工程が煩雑であり、また、修理の際、例えば湾曲牽引機構構成部品を交換する場合、操作部内の湾曲操作装置部全てを分解して湾曲牽引機構構成部品を交換しなくてはならず、その際の組立て工程も煩雑であるといった不都合があった。
【0010】
また、前記モータ等の湾曲駆動手段は比較的長寿命で高価である一方、前記湾曲部を湾曲させるための湾曲機構構成部位は比較的寿命が短く安価であるが、該湾曲機構構成部品を交換する場合、高価で且つ長寿命の湾曲駆動手段も同時に交換せざるおえず、その結果修理の際のコストも高価となってしまうといった不都合もあった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で組立て性及び修理性を向上でき、且つ修理コストも低減することのできる電動湾曲内視鏡を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、内視鏡挿入部先端側に設けた湾曲部を湾曲動作させる湾曲駆動手段を有する電動湾曲内視鏡において、前記湾曲駆動手段は、前記湾曲部を湾曲動作させるための駆動源であるモータとこのモータの回転駆動力を出力するギア部材を保持するフレームユニットと、前記モータからの回転駆動力を利用して前記湾曲部を湾曲動作させるための駆動力伝達部材を有する湾曲牽引機構ユニットとの2つのユニットで構成し、前記フレームユニットは、前記ギア部材からの前記モータの回転駆動力を前記湾曲牽引機構ユニットの前記駆動力伝達部材に伝達できるように接続可能であり、前記フレームユニットが前記湾曲牽引機構ユニットに接続された際には、前記フレームユニットの外装部材対して、前記湾曲牽引機構ユニットの駆動力伝達部材に設けられた回転軸の位置決めを行うとともに、前記回転軸を着脱可能に保持する回転軸保持手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動湾曲内視鏡において、前記回転軸保持手段は、前記回転軸を回転可能に前記フレームユニットの外装部材に接続するための脱着可能な軸受け部材であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電動湾曲内視鏡において、前記フレームユニットは、外側フレームと、前記モータを保持するとともに前記外側フレームより強固な剛体で形成された内側フレームとで構成され、前記内側フレームに、前記湾曲牽引機構ユニットを接続するとともに、ユニバーサルコードを保持するユニバーサルコード保持手段を設けて該ユニバーサルコードを接続したことを特徴とするものである。
【0014】
この構成により、簡単な構成で組立て性及び修理性を向上でき、且つ修理コストも低減することのできる電動湾曲内視鏡を実現する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1乃至図7は本発明の電動湾曲内視鏡の第1の実施の形態を示し、図1は本実施の形態の電動湾曲内視鏡の概略構成を示す分解斜視図、図2は図1に示す電動湾曲内視鏡の組立て後の概略構成を示す一部破断した斜視図、図3は図2に示す電動湾曲内視鏡の平面図、図4は本実施の形態の電動湾曲内視鏡を備えた電動湾曲内視鏡装置を示す全体構成図、図5は図4の電動湾曲内視鏡のユニット化された主要構成部位を示す概略構成図、図6及び図7は電動湾曲内視鏡のギアボックスと湾曲牽引機構部との取付け方法を説明するためのもので、図6は治具を用いてギアボックスと湾曲牽引機構部とを取付けた状態の断面図、図7は挿入部を含む湾曲牽引機構部を取付けた状態の平面図である。
【0017】
まず、本発明の電動湾曲内視鏡を備えた電動湾曲内視鏡装置のシステム構成について図4を参照しながら説明する。
【0018】
図4に示すように、電動湾曲内視鏡2を備えた電動湾曲内視鏡装置1は、挿入部6先端側に設けた後述の湾曲部12を電動で湾曲動作させる湾曲駆動部30を備えた電動湾曲内視鏡2と、前記電動湾曲内視鏡2に照明光を供給する図示しない光源装置と、前記電動湾曲内視鏡2に内蔵される撮像手段に対する信号処理を行う図示しないビデオプロセッサと、前記電動湾曲内視鏡2の前記湾曲駆動部を駆動制御する湾曲制御装置100とから構成されている。なお、前記ビデオプロセッサは、図示しないモニタに接続され、このモニタに映像信号を出力して内視鏡画像を表示させるようになっている。
【0019】
前記電動湾曲内視鏡2は、前記挿入部6の基端側に連設され、把持部7a(図17参照)を兼ねる操作部7を設けている。前記電動湾曲内視鏡2は、この操作部7に側部から延出した軟性のユニバーサルコード80が設けられている。
【0020】
このユニバーサルコード80は、図示しないライトガイドや各種信号ケーブルを内挿している。このユニバーサルコード80は、この端部に図示しないコネクタ部が設けられており、該コネクタ部を介して図示しない光源装置やビデオプロセッサからの接続ケーブルや湾曲制御装置100からの接続ケーブルが着脱自在に接続されるようになっている。
【0021】
前記電動湾曲内視鏡2の挿入部6は、先端に設けられた硬質の先端部11と、この先端部11の基端側に設けられた湾曲自在の湾曲部12と、この湾曲部12の基端側に設けられた長尺で可撓性を有する可撓管部13とが連設されて構成されている。
【0022】
前記電動湾曲内視鏡2の操作部7は、使用者が握って把持する部位である把持部7a(図17参照)を基端側に有している。この操作部7は、図示はしないが前記把持部7aの上部側に前記ビデオプロセッサを遠隔操作するための複数のビデオスイッチが配置されている。また、この操作部7側面には、送気操作、送水操作を操作するための送気送水釦66と、吸引操作を操作するための吸引釦67とが設けられている(図17参照)。
【0023】
さらに、前記操作部7は、把持部7aの前端付近に生検鉗子等の処置具を挿入する処置具挿入口73(図17参照)が設けられている。この処置具挿入口73は、その内部において図示しない処置具挿通用チャンネルと連通している。前記処置具挿入口73は、鉗子等の図示しない処置具を挿入することにより、内部の処置具挿通チャンネルを介して前記先端部11に形成されているチャンネル開口から前記処置具の先端側を突出させて生検などを行うことができる。
【0024】
また、前記操作部7は、前記湾曲部12を湾曲動作させるために操作入力するジョイスティックやトラックボール等の湾曲操作入力部20が設けられている。さらに、電動湾曲内視鏡2の具体的な構成を説明すると、電動湾曲内視鏡2は、照明光を伝達するライトガイド21が前記挿入部6に挿通配設されている。このライトガイド21は、基端側が前記操作部7を経て前記ユニバーサルコード80の前記コネクタ部に至り、図示しない光源装置内に設けた光源ランプからの照明光を伝達するようになっている。前記ライトガイド21から伝達された照明光は、照明光学系22を介して挿入部先端部11に固定された図示しない照明窓の先端面から患部などの被写体を照明するようになっている。
【0025】
照明された被写体は、前記照明窓に隣接して設けた図示しない観察窓から被写体像を取り込まれる。そして、取り込まれた被写体像は、対物光学系23を介してCCD(電荷結像素子)等の撮像装置24により撮像されて光電変換され、撮像信号に変換されるようになっている。そして、この撮像信号は、前記撮像装置24から延出する信号ケーブル24aを伝達し、前記操作部7を経て前記ユニバーサルコード80のビデオコネクタに至り、接続ケーブルを介して図示しないビデオプロセッサへ出力される。ビデオプロセッサ4は、前記電動湾曲内視鏡2の撮像装置24からの撮像信号を信号処理して、標準的な映像信号を生成し、モニタに内視鏡画像を表示させる。
【0026】
前記電動湾曲内視鏡2の挿入部6の先端部11は、この基端部に前記湾曲部12を構成する互いに回動自在に連結された複数の湾曲駒25、25、…の最先端の湾曲駒25aが接続されている。一方、前記湾曲駒25、25、…の最終駒25bは、前記可撓管部13の先端側に接続されている。
【0027】
前記挿入部6は、前記湾曲部12を観察視野の上下左右方向に湾曲するための湾曲操作ワイヤ26を挿通している。前記湾曲操作ワイヤ26の先端は、前記湾曲部12の上下、左右方向に対応する位置で、前記最先端の湾曲駒25aにそれぞれロー付け等により固定保持されている。このため、各方向に対応する湾曲操作ワイヤ26がそれぞれ牽引弛緩されることによって、前記湾曲部12は、図5に示すように、所望の方向に湾曲し、前記先端部11を所望の方向に向けられるようになっている。
【0028】
これら湾曲操作ワイヤ26は、湾曲牽引機構部4内の接続部27を介してチェーン26Aに接続され、操作部7内の湾曲駆動部30により牽引弛緩されて前記湾曲部12を電動で湾曲するようになっている(図5参照)。なお、前記湾曲操作ワイヤ26及びチェーン26Aは、図4中及び図5中、上下方向又は左右方向かのいずれか2本を記載している。
【0029】
前記湾曲駆動部30は、本実施の形態の特徴となるユニット化がなされたギアボックス3とこのギアボックス3に接続固定される湾曲牽引機構部4とで構成さている。
【0030】
前記湾曲牽引機構部4は、図5に示すように、前記チェーン26Aの基端部を巻き付けて固定保持し、このチェーン26Aを牽引弛緩するスプロケット31と、このスプロケット31と同軸に軸支され、モータ32からの駆動力を該スプロケットに伝達するための最終段ギア39とを有して構成されている。一方、前記ギアボックス3は、前記スプロケット31を回動させるモータ32と、このモータ32の駆動力を前記最終段ギア39に伝達すると共に、モータ32の回転速度を減速して大きなトルクを発生させるための減速歯車ギア列(ギアトレインともいう)28とを有して構成されている。
【0031】
前記ギアボックス3(湾曲駆動部30)は、前記モータ32の駆動力を切断するためのクラッチ33を前記スプロケット31と前記モータ32との間に設けている。このことにより、前記ギアボックス3(湾曲駆動部30)は、前記クラッチ33の動作により、前記モータ32の駆動力の伝達を切断してアングルフリーの状態にすることが可能となっている。前記クラッチ33は、前記湾曲制御装置100に設けた制御部35の制御により動作されるようになっている。なお、前記クラッチ33は、手動で動作されるように構成しても良い。
【0032】
前記ギアボックス3内のモータ32は、延出する信号線32aが前記ユニバーサルコード80内の接続ケーブル32aを介して前記湾曲制御装置100に設けられたモータアンプ34からモータ駆動信号を供給されるようになっている。前記モータアンプ34は、制御部35に接続され、この制御部35により制御駆動されるようになっている。
【0033】
また、前記モータ32は、回転位置検出手段として回転位置を検出するエンコーダ36が設けられている。このエンコーダ36は、延出する信号線36aが前記ユニバーサルコード80内に配されて制御部35に接続されており、検出したモータ32の回転位置を示す回転位置信号を前記制御部35に出力するようになっている。
【0034】
前記湾曲牽引機構部4のスプロケット31は、前記モータ32の回転運動を前記チェーン26Aの進退運動に変換するものである。このスプロケット31は、回転位置検出手段として回転位置を検出するためのポテンショメータ37が接続されている。このポテンショメータ37は、延出する信号線37aが前記ユニバーサルコード80内に配されて制御部35に接続されており、検出したスプロケット31の回転位置を示す回転位置信号を前記制御部35に出力するようになっている。
【0035】
なお、符号38は、クラッチ動作検出スイッチ38であり、前記クラッチ33がオンオフしているか否かを検出するものである。このクラッチ動作検出スイッチ38も同様に延出する信号線38aが前記ユニバーサルコード80内に配されて制御部に接続されており、検出したクラッチ33の動作を示すクラッチ動作信号を前記制御部35に出力するようになっている。
【0036】
また、上述したように前記電動湾曲内視鏡2は、前記操作部7の把持部7aにジョイスティックやトラックボール等の湾曲操作入力部20が設けられている。この湾曲操作入力部20は、延出する信号線20aが前記ユニバーサルコード80内に配されて制御部に接続されており、操作入力された湾曲操作を示す湾曲操作信号を前記制御部35に出力するようになっている。
【0037】
そして、前記制御部35は、前記湾曲操作入力部20からの湾曲操作信号に従って、回転位置検出手段としての前記エンコーダ36及び前記ポテンショメータ37からの信号に基づき、前記モータアンプ34を制御して前記モータ32を駆動し、前記湾曲部12を湾曲動作させるようになっている。
【0038】
ところで、上記構成の電動湾曲内視鏡装置1に使用される電動湾曲内視鏡2は、上記目的を達成するための改良がなされている。このように改良がなされた電動湾曲内視鏡2の実施の形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0039】
本実施の形態の電動湾曲内視鏡2は、図1に示すように、湾曲部12を湾曲させるための湾曲駆動部30を構成するギアボックス3と湾曲牽引機構部4とがそれぞれ着脱可能にユニット化して構成したことが特徴である。
【0040】
前記ギアボックス3及び湾曲牽引機構部4は、上述したように操作部7(図4参照)内に収容されるものである。
【0041】
前記ギアボックス3は、図2及び図3に示すように、該ギアボックス3の外観を構成する外側ギアフレーム9と、この外側ギアフレーム9内に収容される内側ギアフレーム10とで主に枠組みを構成している。
【0042】
前記内側ギアフレーム10は、剛体、例えばアルミダイキャストで形成されたもので、前記モータ32を軸支するとともに、前記エンコーダ36,ポテンショメータ37を内装し、さらに図示はしないが上面に接続部材を介して前記ジョイスティック等の湾曲入力部20が固定されるようになっている。
【0043】
また、前記内側ギアフレーム10の両側の側面には、図示はしないが前記減速ギア列28が設けられており、上述したようにこの減速ギア列28を介して前記モータ32の駆動力を湾曲牽引機構部4の最終段ギア39(図5参照)へと伝達する。
【0044】
なお、図2及び図3中では、湾曲部12を上下方向及び左右方向のいずれかの方向に湾曲動作させるために、2つのモータ32,エンコーダ36.ポテンショメータ37を設けた構成とし、これに合わせて2系統の減速ギア列28,最終段ギア39,スプロケット31を設けた構成となっている。また、本実施の形態では、1つのモータ32,エンコーダ36.ポテンショメータ37を設け、これに合わせて1系統の減速ギア列28,最終段ギア39,スプロケット31を設けて構成して、湾曲部12を上下方向又は左右方向のいずれかの方向に湾曲動作させるように構成しても良い。
【0045】
また、前記内側ギアフレーム10の上面には、後述する湾曲牽引機構部4の主要構成部品であるメインフレーム4Aを固定するための接続固定部材8が配されるようになっている。
【0046】
前記内側ギアフレーム10を収容する外側ギアフレーム9の挿入部6側下部には、ユニット化された湾曲牽引機構部4あるいは回転軸4Bを接続固定するための固定手段である一対の取付孔3B及びガイド部3bが形成されている。また、外側ギアフレーム9の湾曲牽引機構部側の側面には、前記湾曲牽引機構部4を嵌合する開口3Aが形成されている。この取付け孔3Bは、所定寸法の径で構成され、外側ギアフレーム9の底面側から切り欠かれて形成されたガイド部3bを介して湾曲牽引機構部4の回転軸4Bをガイドしながら収容し、位置決め固定部5を嵌入することにより該回転軸4Bを軸支するためのものである。
【0047】
前記位置決め固定部5は、図1に示すように、前記回転軸4Bを嵌入する装着孔5bと、内面側に突出するように設けられ前記取付け孔3Bの内周面と合致するようにR形状に形成された位置決め片5aと、外周方向に少なくとも3つ設けられ外側ギアフレーム9の取付け孔3B近傍に形成された3つの位置決め孔3aに嵌入する位置決めピン5cとを有して構成されている。
【0048】
前記回転軸4Bをギアボックス3に接続固定する場合には、湾曲牽引機構部4を開口3Aに嵌合するとともに回転軸4Bを取付け孔3Bに収容した状態で、それぞれ両側から位置決め固定部5の装着孔5bに回転軸4Bの基端部を嵌入し、そして、前記位置決め片5aを取付け孔3Bの内周面に嵌合してギアボックス3に対する回転軸4Bの位置決めを行いつつ、位置決めピン5aをそれぞれ位置決め孔3aに嵌合することにより、接続固定する。これにより、位置決めが精度良くなされることで、回転軸4Bの同軸上に設けられた最終段ギア39が図示しない低速ギア列28に確実に噛合して連結される。
【0049】
一方、湾曲牽引機構部4は、図1及び図3に示すように、基端側に回転軸4Bが設けられ、この回転軸4Bの略中心近傍には、サブフレーム4C及び主要枠部材であるメインフレーム4Aが取付けられており、その両側には一対の前記スプロケット31,一対の前記最終段ギア39がそれぞれ配されて該回転軸4Bに軸支されている。したがって、スプロケット31及び最終段ギア39は、回転軸4Bと一体的に回転することになる。なお、前記回転軸4Bと前記メインフレーム4Aとは、直接固定されていなくとも良い。すなわち、前記回転軸4Bは、前記湾曲牽引機構部4とは別体とし、且つ前記ギアボックス3に着脱可能に装着される該ギアボックス3の構成部品の一部として構成する。この場合、前記メインフレーム4Aは、接続固定部材8のみでギアボックス3に接続固定されることになる。
【0050】
前記サブフレーム4Cは、例えば図中に示すように2系統の湾曲牽引経路である場合、それぞれのスプロケット31に噛み合うチェーン26Aを仕切るように配されており、湾曲部12を湾曲させる場合に互いのチェーン26Aが接触することなく確実にチェーン26Aによる牽引動作を行うことができるようになっている。
【0051】
前記メインフレーム4Aは、該湾曲牽引機構部4の主要枠部材であり、適度な強度を有する板状に形成されたもので、前記サブフレーム4Cに対し所定間隔で併設されるようになっている。前記メインフレーム4Aのギアボックス3との接続部分近傍には、図2及び図3に示すように、折曲部4aが形成されており、この折曲部4aには前記接続固定部材8がねじ8bによる螺合により固定されることで、該メインフレーム4Aとギアボックス3との接続固定状態を強度なものとしている。
【0052】
この場合、接続固定部材8の他端部は、剛体である内側ギアフレーム10の上面に配されるとともに、ねじ8aによる螺合により該内側ギアフレーム10上に固定されることになる。
【0053】
なお、前記接続固定部材8は、強度を得るために、その材質が例えばステンレス等の剛体にて構成されているが、さらに、その肉厚や幅を適宜変更して強度を向上させるように構成しても良い。
【0054】
また、本実施の形態例では、図1及び図2に示すように、外側ギアフレーム9は内装する内側ギアフレーム10を覆うように構成されているが、これに限定されることなく、修理性及び組立て性向上に鑑み、接続固定部材8が固定された内側ギアフレーム10を露出するように外側ギアフレーム9の上面及び底面を無くすように構成しても良い(図参照)。
【0055】
次に、上記構成の電動湾曲内視鏡2の特徴となる作用について、図1乃至図3、図6及び図7を参照しながら詳細に説明する。
【0056】
いま、図2に示す電動湾曲内視鏡2において、湾曲牽引機構部4の修理の必要が生じ、該湾曲牽引機構部4を新たな湾曲牽引機構部4と交換するものとする。
【0057】
この場合、本実施の形態の電動湾曲内視鏡2では、図1に示すようにギアボックス3と湾曲牽引機構部4とがそれぞれ別体であるユニット化構造を採用しているため、まず、図2に示すようにギアボックス3と湾曲牽引機構部4とを接続固定している接続固定部材8を取り外す。つまり、接続固定部材8を内側ギアフレーム10及びメインフレーム4Aに固定しているねじ8a,8bを回して外すことで、該接続固定部材8を取り外す。
【0058】
次に、ギアボックス3から湾曲牽引機構部4の取り外しを行う。すなわち、湾曲牽引機構部4の回転軸4Bを外側ギアフレーム9に固定保持している位置決め固定部5をそれぞれ取付け孔3Bから取り外すことにより、回転軸4Bは固定保持状態が解除され、そして、該回動軸4Bをガイド部3bの開口側に移動させることで、ギアボックス3内の低速ギア列28と湾曲牽引機構部4の最終段ギア39との噛合状態が解除され、完全にギアボックス3から湾曲牽引機構部4を取り外すことができる。
【0059】
また、前記回転軸4Bが湾曲牽引機構部4とは別体であり、且つ前記ギアボックス3の構成部品の一部として構成されている場合には、該回転軸4Bはギアボックス3に装着した状態のまま、前記ギアボックス3と前記湾曲牽引機構部3のメインフレーム4Aとを接続している接続固定部材8のみを取り外すとともに、チェーン26Aと操作湾曲ワイヤ26とを分離することにより、ギアボックス3から湾曲牽引機構部4を取り外す。すなわち、回転軸4Bをギアボックス3から取り外すことになく、湾曲牽引機構部4の交換が可能となる。
【0060】
こうして、取り外された湾曲牽引機構部4を新たな湾曲牽引機構部4と交換することができる。すなわち、従来技術のように、操作部内の湾曲操作装置部全てを分解せずに、且つ比較的長寿命で高価なギアボックス3を交換することなく、比較的寿命が短く安価な湾曲牽引機構部4のみを、簡単に取り外し交換することが可能となる。
【0061】
次に、交換した新たな湾曲機構部4をギアボックス3に接続固定するものとする。この場合の作業は前記湾曲牽引機構部4の取り外し作業とは逆の作業を行えば良い。
【0062】
つまり、ギアボックス3の取付け孔3Bに湾曲牽引機構部4の回転軸4Bを収容し、該回転軸4Bのそれぞれ両側基端部を位置決め固定部5の装着孔5bに嵌入し、そして、前記位置決め辺5aを取付け孔3Bの内周面に嵌合してギアボックス3に対する回転軸4Bの位置決めを行いつつ、位置決めピン5をそれぞれ位置決め孔3aに嵌合することにより、接続固定する。これにより、ギアボックス3内の低速ギア列28と湾曲牽引機構部4の最終段ギア39とが噛み合い連結されることになる。
【0063】
また、前記回転軸4Bが湾曲牽引機構部4とは別体であり、且つ前記ギアボックス3の構成部品の一部として構成されている場合には、該回転軸4Bはギアボックス3に装着した状態のまま、湾曲牽引機構部内のチェーン26Aを前記回転軸4Bのスプロケット31に噛み合わせるとともに、該チェーン26Aと操作湾曲ワイヤ26とを接合させ、その後、該ギアボックス3に対する前記湾曲牽引機構部3のメインフレーム4Aの位置決めを行いつつ、上述した接続固定部材8を用いて前記湾曲牽引機構部4をギアボックス3に接続固定する。
【0064】
ところが、ギアボックス3に対する湾曲牽引機構部4の位置決めは、モータ32からの駆動力がチェーン26A,湾曲操作ワイヤ26の進退に伝達されるロスが最小になる位置で位置決めを行い、固定することが望ましい。
【0065】
したがって、本実施の形態では、上記要求を満足するために、図6及び図7に示すように位置決め治具14を用いてギアボックス3に対する湾曲牽引機構部4の位置決めをさらに高精度に行い接続固定する。
【0066】
位置決め治具14は、図6及び図7に示すように、例えば高さの異なる4段階の平面を有する四角形状の剛体で形成された治具であり、高さの低い第1,第2段を形成するギアボックス規制用溝14Aと、前記第1,第2段よりも高い第3,第4段を形成する湾曲牽引機構部規制用溝14Bとを有して構成されている。
【0067】
ギアボックス規制用溝14Aは、ギアボックス3の3方向(x,y,z方向)に対する規制を行うもので、ギアボックス3をスライド移動させるとともにギアボックス3の垂直方向(z方向)を規制する第1の規制面14aと、この第1の規制面14aに対し鉛直に設けられ前記ギアボックス3の長手方向(y方向)を規制する第2の規制面14bと、前記第2の規制面14bに対し鉛直に設けられ前記ギアボックス3の水平方向(x方向)を規制する第3の規制面14eと、を有して構成されている。
【0068】
また、湾曲牽引機構部規制用溝14Bは、前記湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aをその面上に載せてギアボックス3に対し鉛直方向(z方向)を規制し支持する第4の規制面14cと、前記第4の規制面14cに対し鉛直に設けられ前記メインフレーム4Aの水平方向(x方向)を規制する第5の規制面14dと、ギアボックス3に対し湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aの長手方向(y方向)を規制する第6の規制面14fと、を有して構成されている。
【0069】
なお、前記メインフレーム4の先端側の側面の一部には、前記第6の規制面14fと当接することにより前記ギアボックス3に対するメインフレーム4Aの位置規制を行う規制部4aが形成されている。
【0070】
また、前記第4の規制面14cの高さ寸法(第1の規制面14aとの高さの差)は、予めギアボックス3に対して最適な固定位置となるように設定して構成される。
【0071】
いま、上記位置決め治具14を用いてギアボックス3と湾曲牽引機構部4との位置決めを行い、接続固定を行うものとする。この場合、図6に示すように、ギアボックス3を位置決め治具14のギアボックス規制用溝14Aに載せると同時に、位置決め固定部5によりギアボックス3に固定された湾曲牽引機構部4を位置決め治具14の湾曲牽引機構部用溝14Bに載せる。
【0072】
そして、その状態のままギアボックス3を、前記第1の規制面14a上をスライドさせながら前記第2,第3の規制面14d,eに当接すると同時に、前記湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aについても前記第4の規制面14c上をスライドさせながら前記第5の規制面14dに当接させると同時に、メインフフレーム4Aの規制部4aを第6の規制面14fに当接させる。これにより、作業者の手技に拘わらず、ギアボックス3に対し湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aのx,y,z方向における位置決めを、簡単で且つ常に高精度に行うことが可能となる。
【0073】
その後、その位置決めされた状態を保持したまま、ギアボックス3と湾曲牽引機構部4との接合状態を強固なものとするために、前記接続固定部材8を用いてギアボックス3と湾曲牽引機構部4の前記メインフレーム4Aとを固定する。すなわち、上記したように接続固定部材8の端部を、ねじ8aによる螺合により剛体である内側ギアフレーム10上に固定し、また、前記接続固定部材8の他端部を、ねじ8bの螺合によりメインフレーム4Aの折曲部4a上に固定する。
【0074】
こうして、モータ32からの駆動力がチェーン26A,湾曲操作ワイヤ26の進退に伝達されるロスが最小になる位置で、ギアボックス3に対する湾曲牽引機構部4の位置決めがなされ、同時に該メインフレーム4Aとギアボックス3との接続固定状態が強度なものとなる。
【0075】
これにより、ギアボックス3と湾曲牽引機構部4とが最適な位置関係に接続固定することができるので、駆動力の伝達ロスが最小となり、モータ32を可能な限り小型化にすることができ、その結果、ギアボックス3を含む操作部全体の小型化が可能となる。また、ギアボックス3内の低速ギア列28のギア比も小さくすることができるため、湾曲動作の応答性も向上させることが可能となる。
【0076】
そして、湾曲牽引機構部4の取付けを完了すると、引き続き、湾曲牽引機構部4の先端部に配された基板15及びつなぎ部材16を介してつなぎ筒17を装着し、その後、このつなぎ筒17の他端側に挿入部6の口金18を嵌合し、ねじ19を用いて口金18のねじ孔18a,つなぎ筒17のねじ孔17aを介し螺合することにより、挿入部6を装着する。
【0077】
すなわち、本実施の形態例では、使用頻度が高く外力が付加される挿入部6が口金18,つなぎ筒17、つなぎ部材16,湾曲牽引機構部4のメインフレーム4A,接続固定部材8等の強度な部材を介してギアボックス3の剛体である内側ギアフレーム10に接続されているので、該電動湾曲内視鏡2の操作中のあらゆる外力(あおり)を十分に吸収することができ、よって耐性を格段に向上させることができるとともに、伝達ロスも最小にすることが可能となる。
【0078】
したがって、本実施の形態によれば、上述したようにギアボックス3と湾曲牽引機構部4とを着脱自在にユニット化構造とすることにより、簡単な構成で組立て性及び修理性を向上でき、且つ修理コストも低減することのできる電動湾曲内視鏡の実現が可能である。
【0079】
また、ギアボックス3に対する湾曲牽引機構部4の位置決めを位置決め治具14を用いることで、ギアボックス3と湾曲牽引機構部4とが最適な位置関係に接続固定することができるので、駆動力の伝達ロスが最小となり、よってモータ32の小型化を可能にして、ギアボックス3を含む操作部全体の小型化に大きく寄与する。また、ギアボックス3内の低速ギア列28のギア比も小さくすることができるため、湾曲動作の応答性も向上させることが可能である。
【0080】
さらに、剛性の内側ギアフレーム10に接続固定部材8を介し湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aを接続固定しているので、操作中のあらゆる外力(あおり)を十分に吸収することができ、よって耐性を格段に向上させることも可能となる。
【0081】
(第2の実施の形態)
図8及び図9は本発明の電動湾曲内視鏡の第2の実施の形態を示し、図8は本実施の形態の電動湾曲内視鏡に用いられる留め具を備えたギアボックスの構成を示す構成図、図9は図8に示すの留め具の変形例を説明するためのギアボックスの構成図である。なお、図8及び図9は、前記第1の実施の形態の電動湾曲装置2と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0082】
本実施の形態では、さらに、操作部7内に配されたユニバーサルコード80を保持する保持手段を、ギアボックス3の内側ギアフレーム10に固定するように設けたことが前記第1の実施の形態と異なる点である。
【0083】
具体的には、図8に示すように、ギアボックス3の外側ギアフレーム9は、内部に収容された内側ギアフレーム10が露出するように上下面を無くして構成し、さらに、剛体である内側ギアフレーム10に、ユニバーサルコード80を保持する保持手段しての留め具40をねじ41により螺合により固定する。
【0084】
留め具40は、図8に示すように、ユニバーサルコード80をねじ42による螺合により嵌装するリング形状の保持部40Aと、この保持部40Aを少なくとも3本の板部材又は棒部材で前記ギアボックス3の内側ギアフレーム10に固定する固定部40Bとを有して構成されている。
【0085】
前記保持部40Aは、その周面の所定位置にねじ孔40a,40bが形成されており、ユニバーサルコード80の先端部に設けられたコネクタ80Aを嵌入し、該コネクタ80Aに設けられたねじ孔と前記ねじ孔40A,40bを介してねじ42により螺合により、ユニバーサルコード80を嵌装してギアボックス3に保持する。
【0086】
その他の構成については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0087】
したがって、本実施の形態によれば、操作中に外力が加わることが余儀なくされるユニバーサルコード80を留め具40を用いてギアボックス3の剛体である内側ギアフレーム10に固定保持することにより、ユニバーサルコード80を介する外力(あおり)を吸収することができるため、耐性を格段に向上させることが可能となる上に、ギアボックス3内の減速ギア列28と湾曲牽引機構部4の最終段ギア28ととの噛合状態(連結状態)を最適な状態で保持することができるので、駆動力の伝達ロスがなく、良好な湾曲動作性能を得ることが可能である。その他の効果は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0088】
なお、本実施の形態では、前記保持手段としての留め具40は、例えば図8の変形例に示すように、ユニバーサルコード80を嵌装する保持部40Aと保持部40Aから延設される少なくとも2本の板部材あるいは棒部材で構成された固定部40Bと、この固定部40Bを図示しないねじ等の螺合により固定するとともに、該固定部40をギアボックス3の内側ギアフレーム10に固定するための接続部材44とを有して構成し、ユニバーサルコード80を固定保持するようにしても良い。この場合も前記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0089】
ところで、本発明の電動湾曲内視鏡2では、簡単な構成で、ギアボックス3と湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aとの位置決めを高精度に行い接続固定することが可能である。このような実施の形態を図10乃至図15を参照しながら説明する。
【0090】
(第3の実施の形態)
図10及び図11は本発明の電動湾曲内視鏡の第3の実施の形態を示し、図10は本実施の形態の電動湾曲内視鏡に用いられる、メインフレームが固定されたギアボックスの構成を示す斜視図、図11は図10に示す位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図である。なお、図10及び図11は、前記第1の実施の形態の電動湾曲装置2と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0091】
本実施の形態では、ギアボックス3と湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aとの接続部分に位置決め固定手段を設け、該位置決め固定手段によりギアボックス3に対しメインフレーム4Aの3軸方向(垂直方向(z方向),水平方向(x方向)、長手方向(y方向))の位置決めを高精度に行い固定するように構成したことが特徴である。
【0092】
具体的には、図10に示すように、湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aのギアボックス側基端部には、ギアボックス3と固定するための位置決め固定手段である折曲固定部46が設けられている。
【0093】
この折曲固定部46は、メインフレーム4Aの延設部を略鉛直に折曲して構成され、前記ギアボックス3に対する位置決めを行う際の該メインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の規制を行うもので、該メインフレーム4Aの垂直方向(z方向)を規制する第1の規制面46cと、該メインフレーム4Aの長手方向(y方向)を規制する第2の規制面46bと、該メインフレーム4Aの水平方向(x方向)を規制する第3の規制面46aと、該メインフレーム4Aをギアボックス3に固定するための2つの丸孔46dとを有して構成されている。
【0094】
一方、前記折曲固定部46と係合するギアボックス3には、剛体である内側ギアフレーム10のメインフレーム側に延設された延設部3Cの基端部に、位置決め固定手段である突出固定部45が設けられている。
【0095】
この突出固定部45は、内側ギアフレーム10の基端部から板状の部材がy方向及び鉛直方向(z方向)に突出するように設けられたもので、前記折曲固定部材46の第1の規制面46cと当接する第4の規制面45cと、前記折曲固定部材46の第2の規制面46bと当接する第5の規制面45bと、前記折曲固定部材46の第3の規制面46aと当接する第6の規制面45aと、前記折曲固定部46を固定するための2つのねじ孔45dとを有して構成されている。
【0096】
なお、これらの規制面45a〜46cは、3軸方向に対応するようにそれぞれが90度となる関係を有している。つまり、第1の規制面46c及び第4の規制面45cは、メインフレーム4A及び延設部3Cのz方向に対し鉛直であり、第2の規制面46b及び第5の規制面45bは、メインフレーム4A及び延設部3Cのy方向に対し鉛直であり、第3の規制面46a及び第6の規制面45aは、メインフレーム4A及び延設部3Cのx方向に対し鉛直となるように構成される。
【0097】
本実施の形態の電動湾曲内視鏡2において、ギアボックス3に湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aを位置決め固定する場合、図11に示すように、メインフレーム4Aの折曲固定部46を、ギアボックス3の突出固定部45に係合させて位置決めを行う。
【0098】
この場合、前記折曲固定部46の第1の規制面46cを前記突出固定部45の第4の規制面45cに当接すると同時に、折曲固定部46の第3の規制面46aを突出折曲部45の第6の規制面45aに当接しながら、折曲固定部46との第2の規制面46bを突出固定部45の第5の規制面45bに当接することにより、ギアボックス3の延設部3Cに対するメインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の位置決めを高精度に行うことができる。
【0099】
そして、この状態を保持しながら、折曲固定部46の丸孔46dと突出固定部45のねじ孔45dを介しねじ47で螺合することにより、メインフレーム4Aを高精度の位置決めがなされた状態でギアボックス3に接続固定することができる。
【0100】
その他の構成、及び作用については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0101】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、簡単な方法で且つ高精度に、ギアボックス3と湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aとの位置決めを行い、接続固定することが可能となる。また、各規制面を押しつけるようにして固定しているので固定強度が高くなり、また位置決め固定部を小さくすることができる。さらに、組み付け作業の短時間化を図ることができる。
【0102】
(第4の実施の形態)
図12は本発明の電動湾曲内視鏡の第4の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図である。なお、図12は、前記第3の実施の形態の電動湾曲装置2と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0103】
本実施の形態では、前記第3の実施の形態の位置決め固定手段に改良を施し、より高精度にギアボックス3に対しメインフレーム4Aの3軸方向(垂直方向(z方向),水平方向(x方向)、長手方向(y方向))の位置決めを行い固定するように構成したことが特徴である。
【0104】
具体的には、図12に示すように、湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aのギアボックス側基端部には、ギアボックス3と固定するための位置決め固定手段である折曲固定部49が設けられている。
【0105】
この折曲固定部49は、メインフレーム4Aの延設部を略鉛直に折曲し且つ箱状に構成され、前記ギアボックス3に対する位置決めを行う際の該メインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の規制を行うもので、該メインフレーム4Aのz方向を規制する第1の規制面49cと、該メインフレーム4Aのy方向を規制する第2の規制面49bと、該メインフレーム4Aのx方向を規制する第3の規制面49aと、該メインフレーム4Aをギアボックス3に固定するための前記第1乃至第3の規制面に49a乃至49cにそれぞれ設けられた4つの丸孔49d,49e,49fとを有して構成されている。
【0106】
一方、前記折曲固定部49と係合するギアボックス3には、剛体である内側ギアフレーム10のメインフレーム側に延設された延設部3Cの基端部に、位置決め固定手段である突出固定部48が設けられている。
【0107】
この突出固定部48は、内側ギアフレーム10の基端部からy方向及び鉛直方向(z方向)に突出するように前記折曲固定部49の形状に合わせてL字状に形成されたもので、前記折曲固定部材49の第1の規制面49cと当接する第4の規制面48cと、前記折曲固定部材49の第2の規制面49bと当接する第5の規制面48bと、前記折曲固定部材49の第3の規制面49aと当接する第6の規制面48aと、前記折曲固定部49を固定するための4つのねじ孔48d,48e,48fとを有して構成されている。
【0108】
なお、これらの規制面48a〜49cは、前記第3の実施の形態の位置決め固定手段と同様に、軸方向に対応するようにそれぞれが90度となる関係を有している。
【0109】
本実施の形態の電動湾曲内視鏡2において、ギアボックス3に湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aを位置決め固定する場合、図12に示すように、メインフレーム4Aの折曲固定部49を、ギアボックス3の突出固定部48に係合させて位置決めを行う。
【0110】
この場合、前記折曲固定部49の第1の規制面49cを前記突出固定部48の第4の規制面48cに当接すると同時に、折曲固定部49の第3の規制面49aを突出折曲部48の第6の規制面48aに当接しながら、折曲固定部49の第2の規制面49bを突出固定部48の第5の規制面48bに当接することにより、ギアボックス3の延設部3Cに対するメインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の位置決めを高精度に行うことができる。
【0111】
そして、この状態を保持しながら、折曲固定部49の丸孔49dと突出固定部48のねじ孔48dと、丸孔49eとねじ孔48eと、丸孔49fとねじ孔48fとを介し、それぞれなべねじ47で螺合することにより、メインフレーム4Aを高精度の位置決めがなされた状態でギアボックス3に接続固定することができる。
【0112】
なお、この場合、ステージ状の治具を用いて折曲固定部49を突出固定部48に押しつけながら位置決めを行い、なべねじ47による螺合により固定するようにしても良い。
【0113】
その他の構成、及び作用については、前記第3の実施の形態と同様である。
【0114】
したがって、本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0115】
(第5の実施の形態)
図13は本発明の電動湾曲内視鏡の第5の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図である。なお、図13は、前記第3の実施の形態の電動湾曲装置2と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0116】
本実施の形態では、図13に示すように、湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aのギアボックス側基端部には、ギアボックス3と固定するための位置決め固定手段である折曲固定部51が設けられている。
【0117】
この折曲固定部51は、メインフレーム4Aの基端側延設部を略鉛直に折曲して構成され、前記ギアボックス3に対する位置決めを行う際の該メインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の規制を行うもので、該メインフレーム4Aのz方向を規制する第1の規制面51cと、該メインフレーム4Aのy方向を規制する第2の規制面51bと、該メインフレーム4Aのx方向を規制する第3の規制面51aと、該メインフレーム4Aをギアボックス3に固定するための前記第1の規制面51cの略中央に設けられたさらねじ孔51dとを有して構成されている。
【0118】
一方、前記折曲固定部49と係合するギアボックス3には、剛体である内側ギアフレーム10のメインフレーム側に延設された延設部3Cの基端部に、位置決め固定手段である突出固定部50が設けられている。
【0119】
この突出固定部48は、内側ギアフレーム10の基端部からy方向及びz方向に突出するように前記折曲固定部49の形状に合わせてL字状に形成されたもので、前記折曲固定部材51の第1の規制面51cと当接する第4の規制面50cと、前記折曲固定部材51の第2の規制面51bと当接する第5の規制面50bと、前記折曲固定部材51の第3の規制面51aと当接する第6の規制面50aと、前記折曲固定部51を固定するための前記第4の規制面50cの中心に設けられた雌ねじ孔50dとを有して構成されている。
【0120】
前記第2の規制面51b及び前記第5の規制面50bは、機械的に加工されており、x,yx方向の直角度となるように形成されている。
【0121】
また、前記折曲固定部51のさらねじ孔51dは、その中心C2が前記突出固定部50の雌ねじ孔50dの中心C1に対してy方向に所定寸法L1ずれるように(偏心するように)前記第1の規制面51c上に設けられている。
【0122】
本実施の形態の電動湾曲内視鏡2において、ギアボックス3に湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aを位置決め固定する場合、図13に示すように、メインフレーム4Aの折曲固定部51を、ギアボックス3の突出固定部50に係合させて位置決めを行う。
【0123】
この場合、前記折曲固定部51の第1の規制面51cを前記突出固定部50の第4の規制面50cに当接すると同時に、折曲固定部51の第3の規制面51aを突出折曲部50の第6の規制面50aに当接しながら、折曲固定部51の第2の規制面51bを突出固定部50の第5の規制面50に当接することにより、ギアボックス3の延設部3Cに対するメインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の位置決めを高精度に行うことができる。なお、この状態では、第1の規制面51cのさらねじ孔51dは、第4の規制面50cの雌ねじ孔51dに対しその中心が所定距離寸法L1のみずれた偏心位置にある。
【0124】
そして、この状態を保持しながら、折曲固定部51のさらねじ孔51dと突出固定部50の雌ねじ孔50dとを介しさらねじ60で螺合することにより、そのさらねじ孔51dの偏心構造のため、メインフレーム4Aの第2の規制面51bがさらに前記第5の規制面50bへと押し込まれ、その結果、x,y,zの3方向に高精度の位置決めがなされた状態で該メインフレーム4Aをギアボックス3に強固に接続固定することができる。
【0125】
なお、本実施の形態においては、前記折曲固定部51及び前記突出固定部50を、前記第3の実施の形態のように構成するとともに、偏心位置にあるさらねじ孔と雌ねじ孔を設けて位置決めを行い、さらねじによる螺合により強固な接続固定を行うように構成しても良い。
【0126】
その他の構成、及び作用については、前記第3の実施の形態と同様である。
【0127】
したがって、本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様の効果が得られる他に、作業者の手等の力を用いることなく、さらねじ47にて各規制面を押しつけることができるので、安定した付勢力が得られ、位置決めも高精度となり接続固定状態も強固なものとなる。
【0128】
(第6の実施の形態)
図14は本発明の電動湾曲内視鏡の第6の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図である。なお、図14は、前記第3の実施の形態の電動湾曲装置2と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0129】
本実施の形態では、図14に示すように、湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aは、剛体、例えばアルミダイキャストで構成され、該メインフレーム4Aのギアボックス側基端部には、ギアボックス3と固定するための位置決め固定手段である折曲固定部53が設けられている。
【0130】
この折曲固定部53は、メインフレーム4Aの基端側延設部を略鉛直に折曲して構成され、前記ギアボックス3に対する位置決めを行う際の該メインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の規制を行うもので、該メインフレーム4Aのz方向を規制する第1の規制面53cと、該メインフレーム4Aのy方向を規制する第2の規制面53bと、該メインフレーム4Aのx方向を規制する第3の規制面53aと、該メインフレーム4Aをギアボックス3に固定するための図示しないねじ孔とを有して構成されている。
【0131】
一方、前記折曲固定部53と係合するギアボックス3には、剛体である内側ギアフレーム10のメインフレーム側に延設された延設部3Cの基端部に、位置決め固定手段である突出固定部52が設けられている。
【0132】
この突出固定部52は、内側ギアフレーム10の延設部3Cの基端部からy方向及びz方向に突出するように前記折曲固定部53の形状に合わせてL字状に形成されたもので、前記折曲固定部材53の第1の規制面53cと当接する第4の規制面52cと、前記折曲固定部材53の第2の規制面53bと当接する第5の規制面52bと、前記折曲固定部材53の第3の規制面53aと当接する第6の規制面52aと、前記折曲固定部53を固定するための図示しないねじ孔とを有して構成されている。
【0133】
前記突出固定部52の第4の規制面52cは、前記折曲固定部53の厚みより幅広に形成されており、すなわち、前記第1の規制面53cが当接しても延設部3Cの端面との間に隙間が生じるようになっている。
【0134】
本実施の形態の電動湾曲内視鏡2において、ギアボックス3に湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aを位置決め固定する場合、図14に示すように、メインフレーム4Aの折曲固定部53を、ギアボックス3の突出固定部52に係合させて、互いに図中に示すA,B方向に引張り合いながら位置決めを行う。
【0135】
この場合、前記折曲固定部53の第1の規制面53cを前記突出固定部52の第4の規制面52cに当接すると同時に、折曲固定部53の第3の規制面53aを突出折曲部52の第6の規制面52aに当接しながら、折曲固定部53の第2の規制面53bを突出固定部52の第5の規制面52bに当接し、上記の如くメインフレーム4Aを図中A方向に引張り、同時にギアボックス3の延設部3Cを図中B方向に引張る。
【0136】
そして、この状態を保持したまま、延設部3Cの端面と折曲固定部53との間に生じた隙間に、硬質部材で構成されたテーパー形状のくさび54を、メインフレーム4A側斜め上方向(図中に示すC方向)からタガネ55を介しハンマ56を用いて作業者の手により少しずつ圧入させる。これにより、ギアボックス3の延設部3Cに対するメインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の位置決めを強固に且つ高精度に行うことができる。
【0137】
そして、このくさび54の圧入による固定状態を保持しながら、突出固定部52のねじ孔(図示せず)と折曲固定部53のねじ孔(図示せず)とを介し、なべねじ47で螺合することにより、x,y,zの3方向に高精度の位置決めがなされた状態で該メインフレーム4Aをギアボックス3に強固に接続固定することができる。
【0138】
なお、本実施の形態においては、前記くさび54をそのまま保持するようにしてもよく、あるいは取り外しても良い。
【0139】
その他の構成、及び作用については、前記第3の実施の形態と同様である。
【0140】
したがって、本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様の効果が得られる他に、くさび54を用いて各規制面を押しつけることができるので、安定した付勢力が得られゆるみもなく位置決めを高精度に行うことができ、且つ接続固定状態も強固なものとなる。
【0141】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の電動湾曲内視鏡の第7の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図である。なお、図15は、前記第3の実施の形態の電動湾曲装置2と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0142】
本実施の形態では、図15に示すように、湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aは、剛体、例えばアルミダイキャストで構成され、該メインフレーム4Aのギアボックス側基端部の内側には、ギアボックス3と固定するための位置決め固定手段である折曲固定部58が設けられている。
【0143】
この折曲固定部58は、メインフレーム4Aの基端側内側面にコの字形状に形成され、前記ギアボックス3に対する位置決めを行う際の該メインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の規制を行うもので、該メインフレーム4Aのz方向を規制する第1の規制面58c(2面ある)と、該メインフレーム4Aのy方向を規制する第2の規制面58bと、該メインフレーム4Aのx方向を規制する第3の規制面58aと、該メインフレーム4Aをギアボックス3に固定するための雌ねじ孔58dとを有して構成されている。
【0144】
一方、前記折曲固定部58に嵌合して係合するギアボックス3には、剛体である内側ギアフレーム10のメインフレーム側に延設された延設部3Cの基端部に、位置決め固定手段である突出固定部57が設けられている。
【0145】
この突出固定部57は、内側ギアフレーム10の延設部3Cの基端部から板状がy方向に突出するように前記折曲固定部58の形状に合わせて形成されたもので、前記折曲固定部材58の第1の規制面58cと当接する第4の規制面57cと、前記折曲固定部材58の第2の規制面58bと当接する第5の規制面57bと、前記折曲固定部材58の第3の規制面58aと当接する第6の規制面57aと、前記折曲固定部58を固定するためのさらねじ孔57dとを有して構成されている。
【0146】
なお、前記突出固定部57は、前記折曲固定部58のコの字形状の内部にぴったりと嵌合するようにその幅及び突出寸法が設計されて構成している。
【0147】
本実施の形態の電動湾曲内視鏡2において、ギアボックス3に湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aを位置決め固定する場合、図15に示すように、メインフレーム4Aの折曲固定部58を、ギアボックス3の突出固定部57に嵌合させて、位置決めを行う。
【0148】
この場合、前記折曲固定部58の第1の規制面58cを前記突出固定部57の第4の規制面57cに当接すると同時に、折曲固定部58の第3の規制面58aを突出固定部57の第6の規制面57aに当接しながら、折曲固定部58の第2の規制面58bを突出固定部57の第5の規制面57bに当接することで、ギアボックス3の延設部3Cに対するメインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の位置決めを高精度に行うことができる。
【0149】
そして、この状態を保持したまま、突出固定部57のさらねじ57dと折曲固定部58の雌ねじ孔58とを介し、さらねじ60で螺合することにより、メインフレーム4Aを高精度の位置決めがなされた状態でギアボックス3に強固に接続固定することができる。
【0150】
その他の構成、及び作用については、前記第3の実施の形態と同様である。
【0151】
したがって、本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様の効果が得られる他に、さらねじ60を用いて各規制面を強固に押しつけているので、高精度な位置決め状態で接続固定を行うことができる。
【0152】
なお、本発明に係る第1乃至第7の実施の形態において、ギアボックス3内の剛体である内側ギアフレームには、挿入部6に接続される湾曲牽引機構部4のメインフレーム4Aや湾曲制御装置に接続されるユニバーサルコードの他に、ジョイスティックや送気送水釦,吸引釦,ビデオスイッチ等の各種スイッチ群を接続固定するように構成してもよい。
【0153】
また、第3乃至第7の実施の形態において、位置決め固定手段としての折曲固定部及び突出固定部を用いてギアボックス3とメインフレーム4Aとの位置決め及び強固な接続固定を実施する場合について説明したが、前記第1及び第2の実施の形態にて使用した接続固定部材8(図1参照)を併用しても良く、この場合、さらに強固な接続状態が得られるが、あるいは、前記接続固定部材8を用いずに前記折曲固定部及び突出固定部で構成される位置決め固定手段のみを用いて接続固定を行うように構成しても良い。この場合には、前記接続固定部材8を削除することができるので、ギアボックス3の小型化に大きく寄与する。
【0154】
また、本発明は、前記第3乃至第7の実施の形態に限定されるものではなく、例えばギアボックス3に対しメインフレーム4Aの3軸方向(x,y,z方向)の位置決めを複数の規制面で可能とし、またねじの螺合による固定が可能となるように位置決め固定手段を構成した場合にも本発明に適用される。また、各実施の形態の組み合わせや応用についても本発明に適用される。
【0155】
ところで、本発明の電動湾曲内視鏡2では、湾曲操作性を向上させる改良もなされている。このように、本発明の電動湾曲内視鏡2に搭載された、湾曲操作性を向上させるための技術を下記に開示する。
【0156】
図16及び図17は本発明の電動湾曲内視鏡に搭載された、湾曲操作性を向上させるために改良がなされた特徴となる構成を説明するもので、図16は電動湾曲内視鏡の操作部内の各収容部材のレイアウトを示す構成図、図17は電動湾曲内視鏡の操作部内の湾曲牽引機構及びスイッチ群のレイアウトを示す一部破断した断面図である。なお、図16及び図17は、前記第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡と同様な構成要素については同一の符号を付してある。
【0157】
本発明の電動湾曲内視鏡2は、図16に示すように、操作部7内において、湾曲動作するための摺動部材、すなわち湾曲牽引機構部4のチェーン26A,湾曲操作ワイヤ26と、CCD 等の撮像装置24(図4参照)からの撮像信号を伝達する信号ケーブル24及び照明光を伝達するライトガイド62等の各接続ケーブルとが、ギアボックス3と接続固定される湾曲牽引駆動機構4のメインフレーム4Aを介してそれぞれ分離するように配されて構成されている。
【0158】
前記メインフレーム4Aの基端部は、つなぎ筒17内部まで配されており、前記チェーン26Aは挿入部6からつなぎ筒17,操作部7内のメインフレーム4Aの基端部と重なる位置まで延設される保護コイル64内に挿通されている。
【0159】
したがって、上記構成によれば、操作部内においては、メインフレーム4Aの介在によって、摺動部材である湾曲牽引機構部4のチェーン26A及び湾曲操作ワイヤ26とライトガイド62や信号ケーブル63との接触を防止することができるので、互いの部材の接触によるチェーン26Aの引っかかりや信号ケーブル等の断線も生じることなく、確実に電動湾曲内視鏡における湾曲動作等の各種動作を実行できる。また、メインフレーム4Aの基端部から挿入部6においては、つなぎ筒17内より湾曲操作ワイヤ26をカバーする保護コイル64が延設されているので、上記同様にライトガイド62や信号ケーブルとの接触を防止することができるようになっている。
【0160】
また、本発明の電動湾曲内視鏡2では、図17に示すように、操作部7内部において、図示しないギアボックス3に接合された湾曲牽引機構部4のスプロケット31の中心軸が、挿入部6の中心軸線よりも各種スイッチ(送気送水釦66,吸引釦67)が配される操作部7の前方側に配設されている。また、操作部7内部の把持部7a側には、前記スプロケット31に噛み合うチェーン26Aを挿入部6の中心軸に沿うように屈折させるための摺動性を有する一対の円柱部材65円筒が、チェーン26Aと接触するように対向配置されている。これにより、スプロケット31の中心軸が挿入部6の中心軸線より操作部7の前方側に配設されているので、操作部の把持部7aの親指付け根が当接する部分を、図17に示すように斜面とすることができ、把持部7aを持ちやすい形状とすることができる。
【0161】
また、図17に示す電動湾曲内視鏡2では、挿入部6の中心軸と、湾曲操作入力手段70であるジョイスティック70aが中立位置におけるジョイスティック70aの中心軸とのなす角度θ1が135°±15°であり、ジョイスティック70aの傾倒角度θ2が該ジョイスティック70aの中心から±30°であり、ジョイスティック70aの傾倒中心位置が挿入部6の中心軸から操作部7の前方側に配されている。これにより、操作者が親指以外の4本の指で略垂直の把持部7aを把持した際に、ジョイスティック70aを操作する親指が自然な状態でジョイスティック70aに触れる位置に置くことができる。また、傾倒角度θ2が該ジョイスティック70aの中心から±30°であるために、親指操作可能な範囲からジョイスティック70a頂点位置が逸脱することがない。
【0162】
さらに、図17に示す電動湾曲内視鏡2では、ジョイスティック70aが中立位置におけるジョイスティック70aの中心軸と、少なくとも送気送水釦66,吸引釦67の操作スイッチの作動方向とのなす角度θ3が30°以上となるように配設されている。
【0163】
例えば、親指で操作するジョイスティック70aが中立位置におけるジョイスティック70aの中心軸と、人差し指または中指で操作する操作スイッチの作動方向とのなか角度θ3が30°以下であった場合、親指でジョイスティック70aを操作する際に、人差し指と中指にも力をかけてしまい、対向する位置にある操作スイッチ(送気送水釦66,吸引釦67)を意図しないで押下してしまう、あるいは、前記操作スイッチを中指または人差し指で操作した際に、親指にも力が入り、意図しないでジョイスティック70aを操作してしまう可能性がある。しかしながら、本例では、上記の如く、ジョイスティック70aが中立位置におけるジョイスティック70aの中心軸と、少なくとも送気送水釦66,吸引釦67の操作スイッチの作動方向とのなす角度θ3が30°以上となるように配設することで、親指でジョイスティック70aを操作した場合、あるいは、中指または人差し指で前記操作スイッチを操作した場合にも、操作部の対向する面に配置されている操作スイッチ(送気送水釦66,吸引釦67)、あるいは、ジョイスティック70aを意図せずに操作する可能性を低くすることができる。
【0164】
以上の説明により、上記技術を搭載することで、電動湾曲内視鏡2の操作性をさらに向上させることが可能となる。
【0165】
[付記]
(付記項1) 内視鏡挿入部先端側に設けた湾曲部を湾曲動作させる湾曲駆動手段を有する電動湾曲内視鏡において、
前記湾曲駆動手段は、前記湾曲部を湾曲動作させるための駆動源であるモータを保持するフレームユニットと、前記モータからの回転駆動力を利用して前記湾曲部を湾曲動作させるための駆動力伝達部材を有する湾曲牽引機構ユニットとの2つのユニットで構成し、前記フレームユニットに、前記湾曲牽引機構ユニットの駆動力伝達部材に設けられた回転軸を着脱可能に保持する保持手段を設けたことを特徴とする電動湾曲内視鏡。
【0166】
(付記項2) 前記フレームユニットは、外側フレームと、前記モータを保持するとともに前記外側フレームより強固な剛体で形成された内側フレームとで構成され、前記内側フレームに、前記挿入部の外装部材を接続するとともに、ユニバーサルコードを保持する保持手段を設けて該ユニバーサルコードを接続したことを特徴とする付記項1に記載の電動湾曲内視鏡。
(付記項3) 前記内側フレームと前記湾曲牽引機構ユニット内のメインフレームとを固定する固定部材を設けたことを特徴とする付記項2に記載の電動湾曲内視鏡。
【0167】
(付記項4) 前記内側フレームと前記湾曲牽引機構ユニット内のメインフレームとの3軸方向における位置決めを行うための位置決め治具を用いて、前記内側フレームと前記メインフレームとの位置決めを行い前記固定部材により固定することを特徴とする付記項3に記載の電動湾曲内視鏡。
【0168】
(付記項5) 前記内側フレームと前記湾曲牽引機構ユニット内のメインフレームとの3軸方向における位置決めを行うとともに接続固定する位置決め固定手段を、前記内側フレームと前記メインフレームとの接続部分に設けたことを特徴とする付記項2に記載の電動湾曲内視鏡。
(付記項6) 前記湾曲牽引機構部内のメインフレームは、内視鏡操作部内において、湾曲動作するための摺動部材と内視鏡撮像信号伝達のための信号ケーブル及びライトガイドとをそれぞれ分離するように配されていることを特徴とする付記項2に記載の電動湾曲内視鏡。
【0169】
(付記項7) 前記湾曲牽引機構部の前記駆動力伝達部材であり前記回転軸に軸支されたスプロケットは、内視鏡操作部の側断面において、前記スプロケット31の中心軸(回転軸中心)が、内視鏡挿入部の中心軸線よりも前記操作部の前方側に配されていることを特徴とする付記項1に記載の電動湾曲内視鏡。
【0170】
(付記項8) 前記湾曲駆動手段を操作する操作部に設けられたジョイスティックは、前記内視鏡挿入部の中心軸と、前記ジョイスティックが中立位置におけるジョイスティックの中心軸とのなす角度が135°±15°であり、前記ジョイスティックの傾倒角度が該ジョイスティックの中心から±30°であり、前記ジョイスティックの傾倒中心位置が前記内視鏡挿入部の中心軸から操作部の前方側に配されていることを特徴とする付記項1に記載の電動湾曲内視鏡。
【0171】
(付記項9) 前記ジョイスティックは、該ジョイスティックが中立位置におけるジョイスティックの中心軸と、少なくとも送気送水釦,吸引釦の操作スイッチの作動方向とのなす角度が30°以上となるように、操作部内に配設されていることを特徴とする付記項8に記載の電動湾曲内視鏡。
【0172】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、簡単な構成で組立て性及び修理性を向上でき、且つ修理コストも低減することのできる電動湾曲内視鏡を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動湾曲内視鏡の第1の実施の形態を示し、該電動湾曲内視鏡の概略構成を示す分解斜視図。
【図2】図1に示す電動湾曲内視鏡の組立て後の概略構成を示す一部破断した斜視図。
【図3】図2に示す電動湾曲内視鏡の平面図。
【図4】本実施の形態の電動湾曲内視鏡を備えた電動湾曲内視鏡装置を示す全体構成図。
【図5】図4の電動湾曲内視鏡のユニット化された主要構成部位を示す概略構成図。
【図6】本実施の形態の作用を説明するもので、治具を用いてギアボックスと湾曲牽引機構部とを取付けた状態の断面図。
【図7】本実施の形態の作用を説明するもので、挿入部を含む湾曲牽引機構部を取付けた状態の平面図。
【図8】本発明の電動湾曲内視鏡の第2の実施の形態を示し、該電動湾曲内視鏡に用いられる留め具を備えたギアボックスの構成を示す構成図。
【図9】図8に示す留め具の変形例を説明するためのギアボックスの構成図。
【図10】本発明の電動湾曲内視鏡の第3の実施の形態を示し、該電動湾曲内視鏡に用いられる、メインフレームが固定されたギアボックスの構成を示す斜視図。
【図11】図10に示す位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図。
【図12】本発明の電動湾曲内視鏡の第4の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図。
【図13】本発明の電動湾曲内視鏡の第5の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図。
【図14】本発明の電動湾曲内視鏡の第6の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図。
【図15】本発明の電動湾曲内視鏡の第7の実施の形態を示し、改良がなされた位置決め固定手段の具体的な構成例を示す斜視図。
【図16】本発明の電動湾曲内視鏡に搭載された操作部内の各収容部材のレイアウトを示す構成図。
【図17】本発明の電動湾曲内視鏡に搭載された操作部内の湾曲牽引機構及びスイッチ群のレイアウトを示す一部破断した断面図。
【符号の説明】
1…電動湾曲内視鏡装置、
2…電動湾曲内視鏡、
3…ギアボックス、
3A…開口、
3B…取付け孔、
3a…位置決め孔、
3b…ガイド部、
4…湾曲牽引機構部、
4A…メインフレーム、
4B…回転軸、
4C…サブフレーム、
4a…折曲部、
5…位置決め固定部、
5a…位置決め片、
5b…装着孔、
5c…位置決めピン、
6…挿入部、
7…操作部、
7a…把持部、
8…接続固定部、
11…先端部
12…湾曲部
14…位置決め治具、
20…湾曲操作入力部
26…湾曲操作ワイヤ
26A…チェーン、
27…接続部、
30…湾曲駆動部、
35…制御部、
66…送気送水釦、
67…吸引釦、
70…ジョイスティック、
80…ユニバーサルコード、
100…湾曲制御装置。

Claims (3)

  1. 内視鏡挿入部先端側に設けた湾曲部を湾曲動作させる湾曲駆動手段を有する電動湾曲内視鏡において、
    前記湾曲駆動手段は、前記湾曲部を湾曲動作させるための駆動源であるモータとこのモータの回転駆動力を出力するギア部材を保持するフレームユニットと、前記モータからの回転駆動力を利用して前記湾曲部を湾曲動作させるための駆動力伝達部材を有する湾曲牽引機構ユニットとの2つのユニットで構成し、前記フレームユニットは、前記ギア部材からの前記モータの回転駆動力を前記湾曲牽引機構ユニットの前記駆動力伝達部材に伝達できるように接続可能であり、前記フレームユニットが前記湾曲牽引機構ユニットに接続された際には、前記フレームユニットの外装部材対して、前記湾曲牽引機構ユニットの駆動力伝達部材に設けられた回転軸の位置決めを行うとともに、前記回転軸を着脱可能に保持する回転軸保持手段を設けたことを特徴とする電動湾曲内視鏡。
  2. 前記回転軸保持手段は、前記回転軸を回転可能に前記フレームユニットの外装部材に接続するための脱着可能な軸受け部材であることを特徴とする請求項1に記載の電動湾曲内視鏡。
  3. 前記フレームユニットは、外側フレームと、前記モータを保持するとともに前記外側フレームより強固な剛体で形成された内側フレームとで構成され、前記内側フレームに、前記湾曲牽引機構ユニットを接続するとともに、ユニバーサルコードを保持するユニバーサルコード保持手段を設けて該ユニバーサルコードを接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動湾曲内視鏡。
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