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JP4321137B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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JP4321137B2
JP4321137B2 JP2003182313A JP2003182313A JP4321137B2 JP 4321137 B2 JP4321137 B2 JP 4321137B2 JP 2003182313 A JP2003182313 A JP 2003182313A JP 2003182313 A JP2003182313 A JP 2003182313A JP 4321137 B2 JP4321137 B2 JP 4321137B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波により被加熱物を加熱する高周波加熱装置に関し、特に加熱室の壁面に導波管を配置する場合の加熱室の接合に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
代表的な高周波加熱装置である電子レンジは、複数の金属製壁面部材を電気抵抗溶接(プロジェクション溶接、スポット溶接)やカシメ等によって接合することで、加熱室を形成している。たとえば図6に示すように、左側壁面1と底壁面2と右側壁面3を一枚の金属板の曲げで形成し、天井壁面4、後壁面5および前方の開口面6などと接合し、合わせて導波管7を右側壁面3に接合するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図6の電子レンジの場合は、底壁面上にターンテーブル(図示せず)を配置して、さらにその上に背の高いとっくりなどを入れることも想定して、庫内の高さを200mm程度としている。
【0004】
また、最近では、電子レンジの天井壁面や底壁面にヒータを装着するなど、オーブン機能を有するオーブンレンジやオーブントースター機能を有するトースターレンジなどが増えてきている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−220844号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のオーブンレンジやトースターレンジの構成では、庫内の高さが高いためにヒータから食品までの距離が遠いので、効率的なヒータ加熱が難しいのが現状である。オーブントースターで良く用いられる管ヒータなどの輻射型ヒータの場合、できるだけ被加熱物に近い方が効率的な加熱ができることが知られている。たとえばトーストを焼く場合、パンの上面と下面の両方に近接させてヒータを配置することで短時間で焼き上げることができる。結果として、庫内高さが200mm程度のオーブンレンジ(またはトースターレンジ)よりも、庫内高さが約100mm程度のオーブントースター、さらに庫内高さがパンの厚み程度しかないパン焼き専用のポップアップトースターの方が短時間で焼きあがるのである。たとえば、オーブンレンジで6分前後、オーブントースターで2分半〜3分、ポップアップトースターで2分程度である。
【0007】
そこでオーブンレンジ(またはトースターレンジ)に関しても、オーブントースターのように底壁面上にターンテーブルなどの回転体(および駆動部)を持たない構成として、庫内高さをある程度低くして平らな加熱室形状とした上で、天井壁面と底壁面に近接させてヒータを装着し、せめてオーブントースター並みのトースト焼き時間を達成したいということが望まれていた。ところが底壁面上にターンテーブル、回転アンテナなどの回転体を持たない構成とすると、マイクロ波による加熱分布を均一にすることが難しい。一般にほとんどの食品(被加熱物)が平らな形状であるため、平らな形状の食品を加熱する場合を考えると、側壁面や後壁面からマイクロ波を照射すると、マイクロ波を照射する側の部位ばかり加熱が進んでしまうことになる。一方底壁面からマイクロ波を照射すると、被加熱物と底壁面があまりにも近いので、やはり照射する部位の真上の部分ばかり加熱されてしまうことになる。よって加熱分布を均一にするためには、常に被加熱物とある程度の距離を維持できる天井壁面がわからマイクロ波を照射して平面上の分布を均一にすることが望ましい。よって少なくとも天井壁面がわで、かつヒータを避けつつもできる限り中央よりの位置からマイクロ波を照射できるように、導波管を配置する必要がある。また一般にマグネトロンは導波管よりもかさ高い(導波管の厚み15〜40mmに対し、マグネトロン外形80〜130mm)ので、マグネトロンを天井壁面がわに配置する可能性は少ない。なぜならばマグネトロンのために天井壁面上部のデッドスペースが広くなるからである。この場合、庫内高さを低くしたにも関わらず、上部のデッドスペースが広くなるので、見た目にバランスの悪い構成となる。よって一般の電子レンジが他の部品(マグネトロン駆動用の電源、制御回路、操作部など)を右側壁面側に配置することも考慮して、マグネトロンを右側壁面がわに配置する可能性が高い。その場合は、導波管を天井壁面から側壁面がわのマグネトロンまで延ばすことが容易に考えられる。
【0008】
一方、オーブンレンジ(またはトースターレンジ)のように電子レンジ機能を有するものは、オーブントースターとは異なり、庫内のマイクロ波が外部に漏れないように注意する必要がある。具体的には加熱室や導波管を形成する金属製の材料を、溶接やカシメによって機械的かつ電気導通的に接合するピッチ(間隔)を、マイクロ波の波長の1/4(=30mm)以下にしなければならない。そして一般的には20mm程度としているものが多い。それに対してオーブントースターの場合は漏れに関する危険が無いので、接合のピッチを大きくしても良い。
【0009】
さらに、トーストを短時間で焼くために、天井壁面のヒータや底壁面のヒータの能力をアップさせることが考えられる。この場合、天井壁面や底壁面の温度が300℃以上に達することも有り得るが、壁面温度があまりにも高温になるとフッ素コートが分解するという問題がある。フッ素コートは最近のオーブンレンジの壁面に良く使用されており、耐食性に優れ、汚れがつきにくく、またふき取りやすくなる効果があるが、使用温度に制限がある。よって図のような構成では、まず天井壁面部材と底壁面部材にはフッ素コートした材料を用いることができないし、底壁面と一体になっている左側壁面と右側壁面にもフッ素コートした材料を用いることができない。もちろん、フッ素コートしていない材料を用いて加工しておいて、左側壁面と右側壁面に対応する部分のみをあとからフッ素塗装するということも考えられるが、これは一台ずつ塗装する工程が発生するので大量生産の場合は実際的では無い。一般に一つの部材で部分的にフッ素コートの有/無が存在するというのは実際的では無いので、フッ素コートの必要な部材同志を一体化し、フッ素コートしない部材同志を一体化することを考えるべきである。そうすればフッ素コートの必要な部材は、あらかじめフッ素コートされた材料を加工して作成することができる。よって天井壁面と底壁面とをそれぞれ独立したフッ素コート無しの部材で形成し、左側壁面と後壁面と右側壁面とを共通のフッ素コートされた部材で構成することが考えられる。もちろんすべての壁面を独立した部材で形成することも考えられる。ところでこれらの構成では、いずれの場合も天井壁面と側壁面との間で何らかの接合をしなければならない。その方法は単純には図6のように、天井壁面の端面8、9を延ばし、側壁面の端面10、11をL字状に曲げ、両者を接合する、あるいは逆に、側壁面の端面を延ばし、天井壁面の端面をL字状に曲げ、両者を接合する、というものであろう。ところがこれらの方法では、天井壁面と側壁面との接合部が水平方向あるいは垂直方向に外向きに突出し、前述の構成(即ち、マグネトロンを側壁面側に配置し、導波管を天井壁面から側壁面がわのマグネトロンまで延ばす構成)の邪魔になる。まず接合部が水平方向に突出すると、導波管を天井壁面から側壁面がわのマグネトロンまで延ばすことは可能であるが、突出する寸法よりも外側にマグネトロンをつけることになり、突出させる寸法分だけ側壁面がわのデッドスペースが増える可能性がある。一方接合部が垂直方向に突出すると、導波管を天井壁面から側壁面がわに延ばすことができないことになる。よって接合部が外向きに突出しないような方法で、天井壁面と側壁面とを接合することが望ましい。
【0010】
さらに、加熱室の天井壁面に導波管を接合する場合、加熱室内部(以後、庫内と呼ぶ)の大きさと接合の順序に配慮が必要である。このことを図7、図8を用いて説明する。一般の家庭用電子レンジでは、加熱室を接合してユニット化した後に導波管を接合することが多いが、導波管を加熱室に接合する時は、溶接にしてもカシメにしても、庫内に接合治具を挿入して接合したい部位まで届かせなければならない。そして庫内がわの接合治具A12、13と加熱室外部(以後、庫外と呼ぶ)がわの接合治具B14、15により、加熱室の壁面と導波管とを挟み込んで加圧するなどの作業が必要になる。このとき庫内がわの接合治具A12、13は、庫内寸法よりも大きくすると庫内に挿入できないので、必ず庫内寸法よりも小さくしないといけない。図7のように右側壁面3に導波管7を接合するときは接合治具A12を庫内の幅Wよりも小さくしないといけないし、図8のように天井壁面4に導波管7を接合するときは接合治具A13を庫内高さHよりも小さくしないといけない。従来のさほど大きくないサイズの電子レンジは、図7のように導波管7を右側壁面3に接合するものがほとんどである。このような電子レンジの場合、庫内の幅Wが一般に250mm以上あり、接合治具A12のサイズを250mm以下で構成している。また従来の業務用の電子レンジなどの場合は図8のように導波管7を天井壁面4に接合する場合があるが、庫内の高さHが一般に200mm以上あり、接合治具A13のサイズを200mm以下で構成している。よって従来の実績として、200mm以上の庫内寸法に対応できる200mm以下のサイズの接合治具Aが存在する。一方ヒータ性能の向上のためには、前述の通り庫内を低くして、かつ導波管7を天井壁面4に接合することが求められる。たとえば図8のようなカシメの場合、庫内がわの接合治具A13は、カシメのためのピン16とピン16を支持する支持部17を有するので、庫内高さを低くするためには支持部17を薄くすることが考えられる。一方ピン16は前述の通りピッチを30mm以下にするために、支持部17の先端にたくさん並べなければならない。ただし、図が見にくくなるので図8には2ヶしか記載しない。よって支持部が薄いにも関わらず、先端に数多くのピンを配置することになり、支持部の根元にストレスが発生したり、あるいはカシメの際に支持部が変形するなど、強度面での信頼性に不安が生じてくる。支持部を薄くした接合治具Aを新たに作成して大量生産に用いる場合は、事前に十分な信頼性の検討をしなければならない。逆に従来の実績がある、200mmの庫内寸法に対応できる接合治具Aをそのまま用いようとすると、おそらく庫内高さとして160mm以上でないと使えない。よって庫内高さをさらに低くして、実績のある支持部厚みの接合治具Aを用いるためには、別の方法を考えなければならない。ちなみにヒータの消費電力を一般家庭用の商用電源(100V、15A)の上限近く(例えば1450W)にまで上げて、トースト焼き時間を3分程度にするためには、庫内高さを150mm以下にすることが望ましい。参考までに庫内の幅寸法はトースト2枚を並べるために260mm以上とすることが望ましい(通常のオーブントースターの場合、庫内の幅寸法は270mm程度のものが主流である)。
【0011】
続いて、天井壁面から側壁面に沿ってL字状に形成される導波管を用いる場合の工程について、加熱室を接合してユニット化した後に導波管を接合するという一般的な順序とすると、天井壁面と側壁面と導波管の三者の接合に3工程を要することを付け加えておく。それは、(1.加熱室の一体化)天井壁面と側壁面との接合、(2.導波管の上下方向の接合)天井壁面と天井壁面がわの導波管との接合、(3.導波管の左右方向の接合)側壁面と側壁面がわの導波管との接合である。これらの接合は上下方向の接合と左右方向の接合に分けることで2工程に減らすことが望ましいが、L字状の導波管が天井壁面と側壁面の接合部分を覆う構成となるために減らすことができないものである。
【0012】
本発明はこれらの課題を解決するもので、マイクロ波による均一加熱性能を満足しつつ、庫内高さを低くしてヒータ性能を向上させることで焼き時間を短縮でき、部品配置を効率的に行なえてコンパクトな構成を実現できる高周波加熱装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の高周波加熱装置は、複数の金属製壁面部材を互いに機械的かつ電気導通的に接合した筐体からなる加熱室と、前記加熱室の壁面の外側に機械的かつ電気導通的に接合した導波管と、マグネトロンから放射されるマイクロ波を前記導波管により前記加熱室内に導き被加熱物を加熱する高周波加熱装置において、前記加熱室は、天井壁面部材の端面に導波管の一部が重なった端面重なり部Aと、前記端面重なり部Aの終端をL字状にした終端部Aと、かつ前記終端部Aと対向する終端部Bを除く側壁面部材の端面をL字状にして、前記天井壁面部材と前記側壁面部材とを互いに機械的かつ電気導通的に接合し、前記導波管は、前記天井壁面から前記側壁面に沿ってL字状に形成され、前記側壁面部材の端面に前記導波管の一部が重なった端面重なり部Bは終端に前記終端部Bを有し、前記終端部Bに対向する導波管部分に機械的かつ電気導通的に接合するための接合治具が貫通する貫通孔Cを設け、前記マグネトロンを取付けることで前記貫通孔Cの少なくとも一部をふさぐ構成とし、前記導波管と一体に構成された前記マグネトロン取付け板と、前記マグネトロン取付け板に形成され前記導波管の前記貫通孔Cと同心状の前記貫通孔Dと、前記導波管の前記貫通孔Cの周辺に形成された曲げ部とを設け、前記曲げ部の突出深さは前記マグネトロン取付け板の厚みを超えない深さとしている。
【0014】
これにより、終端部Aと終端部Bを側壁面の上部に沿って重なり合わせることができ、容易に接合可能となる。またこの部分は垂直方向にも水平方向にも突出しない構成にできるので、端面重なり部Aに重なる導波管を容易に天井壁面から側壁面がわに延ばすことができ、マグネトロンの配置の妨げにもならないものである。よって天井壁面がわからマイクロ波を加熱室に導いてマイクロ波による均一加熱性能を満足しつつ、庫内高さを低くすることでヒータ性能を向上させて焼き時間を短縮することが可能となり、マグネトロンなどの部品配置を効率的に行なえてコンパクトな構成を実現できる高周波加熱装置を提供することができる。
【0015】
貫通孔C周辺の曲げ部の先端が、マグネトロン取付け板よりも外部に出ることがなく、即ちマグネトロン取付け板よりも外部に取付けられたマグネトロンにあたることが無いので、マグネトロンとマグネトロン取付け板との間に隙間を生じさせることが無い。つまりマグネトロンとマグネトロン取付け板との間からの漏れが増えるのを防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の高周波加熱装置は、複数の金属製壁面部材を互いに機械的かつ電気導通的に接合した筐体からなる加熱室と、前記加熱室の壁面の外側に機械的かつ電気導通的に接合した導波管と、マグネトロンから放射されるマイクロ波を前記導波管により前記加熱室内に導き被加熱物を加熱する高周波加熱装置において、前記加熱室は、天井壁面部材の端面に導波管の一部が重なった端面重なり部Aと、前記端面重なり部Aの終端をL字状にした終端部Aと、かつ前記終端部Aと対向する終端部Bを除く側壁面部材の端面をL字状にして、前記天井壁面部材と前記側壁面部材とを互いに機械的かつ電気導通的に接合し、前記導波管は、前記天井壁面から前記側壁面に沿ってL字状に形成され、前記側壁面部材の端面に前記導波管の一部が重なった端面重なり部Bは終端に前記終端部Bを有し、前記終端部Bに対向する導波管部分に機械的かつ電気導通的に接合するための接合治具が貫通する貫通孔Cを設け、前記マグネトロンを取付けることで前記貫通孔Cの少なくとも一部をふさぐ構成とし、前記導波管と一体に構成された前記マグネトロン取付け板と、前記マグネトロン取付け板に形成され前記導波管の前記貫通孔Cと同心状の前記貫通孔Dと、前記導波管の前記貫通孔Cの周辺に形成された曲げ部とを設け、前記曲げ部の突出深さは前記マグネトロン取付け板の厚みを超えない深さとしている。
【0017】
これにより、終端部Aと終端部Bを側壁面の上部に沿って重なり合わせることができ、容易に接合可能となる。またこの部分は垂直方向にも水平方向にも突出しない構成にできるので、端面重なり部Aに重なる導波管を容易に天井壁面から側壁面がわに延ばすことができ、マグネトロンの配置の妨げにもならないものである。よって天井壁面がわからマイクロ波を加熱室に導いてマイクロ波による均一加熱性能を満足しつつ、庫内高さを低くすることでヒータ性能を向上させて焼き時間を短縮することが可能となり、マグネトロンなどの部品配置を効率的に行なえてコンパクトな構成を実現できる。
【0018】
また、導波管があったとしても導波管の貫通孔Cを通して、天井壁面がわの終端部Aと側壁面がわの終端部Bを左右方向に挟み込む接合治具で接合することができる。この場合、天井壁面と側壁面と導波管の三者の接合を2工程で実現できる。即ち、(1.上下方向の接合)天井壁面の終端部Aを除く端面と側壁面の終端部Bを除く端面との接合と、天井壁面と端面重なり部A上の導波管部分の接合とがともに上下方向のため同時に接合できる、(2.左右方向の接合)導波管の貫通孔Cを利用した終端部Aと終端部Bの接合と、側壁面と端面重なり部B上の導波管の接合とがともに左右方向のため同時に接合できる。なお、1、2の工程の後に底壁面を接合することにすれば、1の時点では加熱室の底壁面が無いから、庫内高さを気にすることなく従来の十分な強度の接合治具を用いることができる。
【0019】
また、曲げ部が導波管とマグネトロン取付け板の間の隙間をふさぐので、導波管内のマイクロ波が導波管とマグネトロン取付け板の間から外部へ漏れるのを防ぐことができる。またこの場合、導波管の厚みとマグネトロン取付け板の厚みが重なって貫通孔を深くすることになる。一般に孔からの漏洩量は、孔径が小さいほど、また孔の深さが深いほど、減少することが知られている。よって貫通孔を深くすることで、導波管内のマイクロ波が外部へ漏れるのを防ぐ効果が増す。
【0020】
また、貫通孔の曲げ部が他方の貫通孔を構成する部材にあたることが無い。よって貫通孔の曲げ部を設けることによる、導波管およびマグネトロン取付け板の変形を防止できる。
【0021】
また、貫通孔C周辺の曲げ部の先端が、マグネトロン取付け板よりも外部に出ることがなく、即ちマグネトロン取付け板よりも外部に取付けられたマグネトロンにあたることが無いので、マグネトロンとマグネトロン取付け板との間に隙間を生じさせることが無い。つまりマグネトロンとマグネトロン取付け板との間からの漏れが増えるのを防ぐことができる。
【0022】
また請求項記載の高周波加熱装置は、貫通孔Cの直径をマイクロ波の波長の1/4以下としている。
【0023】
これにより、貫通孔Cから導波管の外部へ伝播されうるマイクロ波の量を減じることができ、マグネトロンでふさぐ効果をさらに向上することができる。
【0024】
また請求項記載の高周波加熱装置は、貫通孔Cを複数個有し、前記貫通孔Cのピッチをマイクロ波の波長の1/4以下としている。
【0025】
これにより、貫通孔Cのピッチが終端部Aと終端部Bの接合のピッチに対応するので、導波管の内側に位置する天井壁面の端面と側壁面の端面の接合のピッチをマイクロ波の波長の1/4以下にできることになり、加熱室内のマイクロ波が外部へ漏れるのを防ぐことができる。
【0026】
また請求項記載の高周波加熱装置は、マグネトロンのアンテナを加熱室側壁面に対向させて配置し、前記加熱室側壁面は、終端部Bの下部を室内側に膨出させて前記アンテナとの干渉を避ける膨出部を形成している。
【0027】
これにより、マグネトロンのアンテナと膨出部との距離が絶縁距離を確保できる範疇で、加熱室側壁面がわの導波管の厚みを薄くすることができる。
【0028】
さらに請求項記載の高周波加熱装置は、接合治具が膨出部にあたるのを避けるため、前記膨出部は半球状の上部をカットした形状とし、終端部Bをフラットな形状としている。
【0029】
これにより、接合治具をフラット形状の終端部Bに当てて接合することができるので、接合の際に膨出部が邪魔になるのを防ぐことができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0031】
(実施例1)
図1〜図4は、本発明の実施例1における高周波加熱装置の構成図である。図1は接合前の各部材を示す斜視図であり、図2は接合後の状態を正面からみた断面構成図であり、図3は図2の構成を右から見た断面構成図であり、図4は図2の拡大図で特に導波管とマグネトロンとの接続を示す断面構成図である。
【0032】
左側壁面18と後壁面19と右側壁面20とを共通の壁面部材で構成しているが、この部材はあらかじめフッ素コーティングを施した材料から構成し、各壁面が汚れにくくまた汚れをふき取りやすくしている。底壁面21の中央下部には横長の管ヒータ22(発熱体)を装着し、周囲を反射板23で覆うことで、下方からの輻射加熱の均一化を図っている。天井壁面24は、手前の横長のしぼり25の中に管ヒータ26(発熱体)を装着し、しぼり25の形状により、上方からの輻射加熱の均一化を図っている。また天井壁面24の後方には、導波管27からのマイクロ波を庫内に伝送する給電口28を形成している。底壁面21と天井壁面24は、いずれも管ヒータ22、26により温度が高くなるので、フッ素コーティングしていない別の部材で構成している。各壁面を形成する左側壁面18、後壁面19、右側壁面20、底壁面21、天井壁面24と、導波管27、開口面29を、電気抵抗溶接(プロジェクション溶接、スポット溶接)やカシメにより機械的かつ電気導通的に接合している。またドア30は、開口面29に対向して装着され開閉自在に構成される。マグネトロン31は、アンテナ32からマイクロ波を発生するもので、マイクロ波は導波管27、給電口28を介して、天井壁面24の中央後方から庫内に伝送され、庫内に配置された被加熱物(図示せず)を加熱する構成である。ここで5つの壁面(左側壁面18、後壁面19、右側壁面20、底壁面21、天井壁面24)により形成される空間を、被加熱物を加熱するための空間ということで加熱室33と呼ぶことにする。
【0033】
天井壁面24の右側の端面には、L字状の導波管27の水平部分が重なる端面重なり部A34と、端面重なり部A34の終端をL字状に折り曲げた終端部A35と、端面を水平なままにした端面A36を終端部A35の前後に形成している。右側壁面20の上側の端面には、導波管27の垂直部分が重なった端面重なり部B37と、端面重なり部B37の終端に終端部B38を終端部A35と対向させて構成し、終端部B38の前後の端面をL字状に折り曲げた端面B39を端面A36と対向させて構成している。そして終端部A35と終端部B38とを、端面A36と端面B39とを、それぞれカシメにより約22mmピッチで機械的かつ電気導通的に接合している。
【0034】
この構成により、まず庫内のマイクロ波が天井壁面24と右側壁面20の隙間から右上方向に漏れるのを防止することができる。特に、終端部A35と終端部B38を右側壁面20の上部に沿って重なり合わせており容易に接合可能であるとともに、この部分は垂直方向の上側とか水平方向の右側とかに突出しない構成であり、導波管27が端面重なり部A34から端面重なり部B37にかけてL字状に構成されても導波管27内に端面のエッジが存在しないので、スパーク等の心配がない。また、マグネトロン31を右側壁面20側に配置しつつも、天井壁面24がわからマイクロ波を加熱室33内に導いているので、庫内高さHaを低くしてターンテーブルや回転アンテナを持たない構成としても、マイクロ波による加熱分布を充分に均一にすることができる。またマグネトロン31を右側壁面20側に配置すると、従来と同様に右側壁面20側にまとめて部品を配置できるので、効率的な部品配置ができる。それとともに天井壁面24側にはマグネトロン31を配置しなくて良いので、天井壁面24側のデッドスペースを少なくすることができ、特に上下方向にコンパクトな構成を実現できる。以上により庫内高さHaを低くしても弊害が無く、庫内高さHaの小型化によるヒータ性能の向上でトーストなどの焼き時間を短縮することが容易である。本実施例では、上側のヒータである管ヒータ26に対してはしぼり25形状を最適化し、下側のヒータである管ヒータ22に対しては反射板23を最適化するなどにより、上下ともヒータ分布を良くしつつ、庫内高さを145mmにまで小さくして効率向上を実現している(ちなみに庫内幅は285mm、奥行きは270mm)。 そして、たとえばトースト(図示せず)は庫内に装着されたアミ40上に載置され、上下両面から効率的に焼き上げることが可能であり、家庭用の商用電源(100V、15A)でもトースト焼き時間をオーブントースター並みの3分程度にまで短縮することができた。
【0035】
次に、具体的な接合方法について説明する。
【0036】
導波管27が終端部A35、終端部B38に対向する部分に、カシメ用のピン(図示せず)が貫通できる貫通孔C41を設けている。またマグネトロン31を導波管27に取付けるためにあらかじめ導波管27に溶接されたマグネトロン取付け板42にも、貫通孔C41と同心状の貫通孔D43を有する構成である。これにより、貫通孔C41、貫通孔D43を通してカシメ用のピンを貫通させることで、終端部A35と終端部B38を左右方向から加圧して接合することができる。この場合、庫内幅は285mmであり、200mm以上に対応できる従来の庫内側の接合治具Aを問題なく使用することができる。
【0037】
また本実施例では、接合の順序を従来とは異なる順序としており、従来のように加熱室33を完成させてから導波管27を接合するものではない。まず第一の接合として、天井壁面24に、導波管27と、左側壁面18、後壁面19、右側壁面20を形成する部材とを接合し、そのあと、底壁面21、開口面29を接合するものである。つまり底壁面21と開口面29が無い状態で天井壁面24と導波管27を接合するので、下方向を規制するものが無く、庫内高さHaの高さによらず200mm以上に対応できる従来の十分な強度の庫内側の接合治具Aを問題なく使用することができる。本実施例では庫内高さを145mmとするが、接合時には特に何の妨げにもならない。
【0038】
また本実施例では、第一の接合を2つの工程で実現している。説明を簡単にするために、天井壁面24と導波管27と右側壁面20にのみ着目して説明を加える。(工程1.上下方向の接合)端面A36と端面B39との接合と、端面重なり部A34と導波管の上部44の接合とがともに上下方向のため同時に接合している。(工程2.左右方向の接合)貫通孔C41、貫通孔D43を利用した終端部A35と終端部B38の接合と、端面重なり部B37と導波管の右部45の接合とがともに左右方向のため同時に接合できる。このとき、マグネトロン取付け板42は貫通孔E46を有し、導波管の右部45の端面E47と右側壁面上の対向部分48との接合時に、貫通孔E46にピンを挿入することが可能である。
【0039】
次にマグネトロン31の取付けについて説明する。
【0040】
あらかじめ導波管27に溶接されたマグネトロン取付け板42にはビス孔49を有しており、マグネトロン31のビス孔50と共締めする構成である。マグネトロン取付け板42の中央部と導波管27にはそれぞれ貫通孔F51、貫通孔G52を形成し、アンテナ32を導波管27内部に突出させた状態でマグネトロン31をビス締めして固定することができる。そしてマグネトロン31を取付けると、貫通孔C41、貫通孔D43を右側からふさぐことになり、導波管27内のマイクロ波が漏れるのを防ぐことができる。
【0041】
また、貫通孔C41の周辺はバーリング加工を施してあり、貫通孔Dがわ(右側)に向く曲げ部53を形成している。これにより、曲げ部53が導波管27とマグネトロン取付け板42の間の隙間をふさぐので、導波管27内のマイクロ波が導波管27とマグネトロン取付け板42の間から外部へ漏れるのを防ぐことができる。
【0042】
また本実施例の場合、導波管27の厚みとマグネトロン取付け板42の厚みが重なるので、貫通孔C41と貫通孔D43とを合成して深い貫通孔を形成している。一般に孔からの漏洩量は、孔径が小さいほど、また孔の深さが深いほど、減少することが知られている。よって貫通孔を深くすることで、マイクロ波が外部へ漏れるのを防ぐ効果が増す。
【0043】
また、貫通孔D43を曲げ部53の外形よりも大きい形状としている。これにより、曲げ部53がマグネトロン取付け板42にあたって押し上げるようなことが無い。よって曲げ部53を設けても、導波管27やマグネトロン取付け板42の変形は起こらない。
【0044】
また、マグネトロン取付け板42の厚みが導波管27の厚みよりも厚い構成で、曲げ部53の突出深さはマグネトロン取付け板42の厚みを超えない深さとしている。よって曲げ部53の先端がマグネトロン取付け板42よりも外部(右側)に出ることがなく、マグネトロン31にあたることが無いので、マグネトロン31とマグネトロン取付け板42との間に隙間を生じさせることが無い。つまりマグネトロン31とマグネトロン取付け板42との間からマイクロ波の漏れが増えるのを防ぐことができる。
【0045】
さらにマグネトロン取付け板42の厚みが導波管27の厚みよりも厚い理由について説明する。マグネトロン取付け板42にはマグネトロン31をビス締め固定するため、ある程度の強度が必要であり、そのために厚みを増やしたいという思いがある。一方導波管27は、断面を長方形状にするために曲げを有しているとか、壁面部材に接合されて補強されるとかにより、厚みが薄くても強度を維持できるものである。よって材料コストを下げるためにも、導波管27の厚みを薄くして、厚みの薄い方の導波管27に曲げ部53を形成し、厚みの厚い方のマグネトロン取付け板42は曲げ部53を逃げる構成としている。
【0046】
また、導波管27のL字状のコーナー部分54を斜めにカットした形状としており、ビス孔49が導波管27にかからない構成である。よって、マグネトロン31をマグネトロン取付け板42に容易にビス締めできて、導波管27内にビスが突出することが無く、導波管27内のスパークの原因となるのを防ぐことができる。
【0047】
また、貫通孔C41の直径をマイクロ波の波長の1/4以下の13mmとしている。一般に、孔からのマイクロ波の漏洩を論じる場合、孔の大きさと波長の関係によって漏洩量が変化する。本実施例では一般の電子レンジと同様にマイクロ波の波長を約120mmとし、貫通孔C41の直径をマイクロ波の波長の1/4(約30mm)以下の13mmとすることで、貫通孔C41から導波管27の外部へ伝播されうるマイクロ波の量を減じることができるので、マグネトロン31で貫通孔C41、貫通孔D43をふさぐ効果をさらに向上することができる。
【0048】
また、貫通孔C41、貫通孔D43、貫通孔E46は、導波管27の幅方向に3個ずつ構成しているが、これは貫通孔のピッチ(即ち接合のピッチ)をマイクロ波の波長の1/4以下とするためである。より具体的には導波管27の幅は約80mm、それぞれの貫通孔のピッチは25mmである。よって貫通孔C、貫通孔D43のピッチが終端部A35と終端部B38の接合のピッチに対応するので、導波管27の内側に位置する天井壁面24の端面と、右側壁面20の端面との接合のピッチをマイクロ波の波長の1/4以下にできることになり、加熱室33内のマイクロ波が漏れるのを防ぐことができる。同様に貫通孔E46のピッチが導波管の端面E47と右側壁面上の対向部分48との接合のピッチに対応するので、導波管と右側壁面の接合のピッチをマイクロ波の波長の1/4以下にできることになり、導波管27内のマイクロ波が漏れるのを防ぐことができる。
【0049】
また、マグネトロン31のアンテナ32を右側壁面20に対向させて配置しており、右側壁面20は終端部B38の下部を加熱室33内側に膨出させてアンテナ32との干渉を避ける膨出部55を形成している。よってアンテナ32と膨出部55との距離が絶縁距離を確保できる範疇で、導波管27の厚みを薄くすることができる。本実施例では、膨出部55の深さを約10mmとすることで、アンテナ32の長さが約30mm、導波管27の厚みを約30mmとしている。膨出部55により導波管27の厚みをアンテナ32の長さ同等まで薄くすることができた。
【0050】
さらに、終端部A35と終端部B38を接合する時に、接合治具が膨出部にあたるのを避けるため、膨出部55は半球状の上部をカットした形状56とし、これにより終端部A35と終端部B38をフラットな形状に維持している。よって、接合治具をフラットな形状の終端部A35と終端部B38に当てて接合することができるので、接合の際に膨出部55が邪魔になるのを防ぐことができる。
【0051】
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2における高周波加熱装置の正面からみた断面構成図である。
【0052】
本実施例では導波管57を直状に構成し、マグネトロン31はアンテナ32を上向きに取付ける構成である。また導波管57と天井壁面24の間に分布調整室58を形成し、給電口59からのマイクロ波を分布調整室58内のアンテナ60により攪拌することで加熱室33に入るマイクロ波の分布をより均一化している。分布調整室58を形成する部材61は右側壁面20よりも外側に延ばして導波管57の底面を兼ねる構成としている。導波管57の上面に構成された貫通孔J62は、分布調整室58を形成する部材61に形成された部位63と、天井壁面24に形成された部位65を接合する際に接合治具を挿入するための孔である。また皿66は、被加熱部を載せるためのものであり、自由に出し入れ可能な構成である。
【0053】
本実施例では、終端部Aと終端部B38とを図5のように接合しているので、接合部がマグネトロン31側に突出することがなくマグネトロン31の配置の妨げにならないので、マグネトロン31を右側壁面20に近づけて配置することが可能となり、よって右側壁面20よりも右側のスペースをコンパクトに構成できる効果がある。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明の高周波加熱装置は、複数の金属製壁面部材を互いに機械的かつ電気導通的に接合した筐体からなる加熱室と、前記加熱室の壁面の外側に機械的かつ電気導通的に接合した導波管と、マグネトロンから放射されるマイクロ波を前記導波管により前記加熱室内に導き被加熱物を加熱する高周波加熱装置において、前記加熱室は、天井壁面部材の端面に導波管の一部が重なった端面重なり部Aと、前記端面重なり部Aの終端をL字状にした終端部Aと、かつ前記終端部Aと対向する終端部Bを除く側壁面部材の端面をL字状にして、前記天井壁面部材と前記側壁面部材とを互いに機械的かつ電気導通的に接合する構成としている。
【0055】
これにより、終端部Aと終端部Bを側壁面の上部に沿って重なり合わせることができ、容易に接合可能となる。またこの部分は垂直方向にも水平方向にも突出しない構成にできるので、端面重なり部Aに重なる導波管を容易に天井壁面から側壁面がわに延ばすことができ、マグネトロンの配置の妨げにもならないものである。よって天井壁面がわからマイクロ波を加熱室に導いてマイクロ波による均一加熱性能を満足しつつ、庫内高さを低くすることでヒータ性能を向上させて焼き時間を短縮することが可能となり、マグネトロンなどの部品配置を効率的に行なえてコンパクトな構成を実現できる。
【0056】
また、曲げ部が導波管とマグネトロン取付け板の間の隙間をふさぐので、導波管内のマイクロ波が導波管とマグネトロン取付け板の間から外部へ漏れるのを防ぐことができる。またこの場合、導波管の厚みとマグネトロン取付け板の厚みが重なって貫通孔を深くすることになる。一般に孔からの漏洩量は、孔径が小さいほど、また孔の深さが深いほど、減少することが知られている。よって貫通孔を深くすることで、導波管内のマイクロ波が外部へ漏れるのを防ぐ効果が増す。
【0057】
また、貫通孔C周辺の曲げ部の先端が、マグネトロン取付け板よりも外部に出ることがなく、即ちマグネトロン取付け板よりも外部に取付けられたマグネトロンにあたることが無いので、マグネトロンとマグネトロン取付け板との間に隙間を生じさせることが無い。つまりマグネトロンとマグネトロン取付け板との間からの漏れが増えるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における高周波加熱装置の接合前の各部材を示す斜視構成図
【図2】 同、接合後の状態を正面からみた断面構成図
【図3】 同、接合後の状態を右からみた断面構成図
【図4】 同、図2の拡大図で特に導波管とマグネトロンとの接続を示す断面構成図
【図5】 本発明の実施例2における高周波加熱装置を正面からみた断面構成図
【図6】 従来の電子レンジの接合前の各部材を示す斜視構成図
【図7】 加熱室と導波管の水平方向の接合を示す構成図
【図8】 加熱室と導波管の垂直方向の接合を示す構成図
【符号の説明】
20 右側壁面(側壁面)
22、26 管ヒータ(発熱体)
27、57 導波管
31 マグネトロン
32 アンテナ
33 加熱室
34 端面重なり部A
35 終端部A
36 端面A
37 端面重なり部B
38 終端部B
39 端面B
41 貫通孔C
42 マグネトロン取付け板
43 貫通孔D
49 ビス孔
53 曲げ部
54 コーナー部分
55 膨出部
56 カットした形状

Claims (5)

  1. 複数の金属製壁面部材を互いに機械的かつ電気導通的に接合した筐体からなる加熱室と、前記加熱室の壁面の外側に機械的かつ電気導通的に接合した導波管と、マグネトロンから放射されるマイクロ波を前記導波管により前記加熱室内に導き被加熱物を加熱する高周波加熱装置において、
    前記加熱室は、天井壁面部材の端面に導波管の一部が重なった端面重なり部Aと、前記端面重なり部Aの終端をL字状にした終端部Aと、かつ前記終端部Aと対向する終端部Bを除く側壁面部材の端面をL字状にして、前記天井壁面部材と前記側壁面部材とを互いに機械的かつ電気導通的に接合し、
    前記導波管は、前記天井壁面から前記側壁面に沿ってL字状に形成され、前記側壁面部材の端面に前記導波管の一部が重なった端面重なり部Bは終端に前記終端部Bを有し、前記終端部Bに対向する導波管部分に機械的かつ電気導通的に接合するための接合治具が貫通する貫通孔Cを設け、前記マグネトロンを取付けることで前記貫通孔Cの少なくとも一部をふさぐ構成とし、
    前記導波管と一体に構成された前記マグネトロン取付け板と、前記マグネトロン取付け板に形成され前記導波管の前記貫通孔Cと同心状の前記貫通孔Dと、前記導波管の前記貫通孔Cの周辺に形成された曲げ部とを設け、前記曲げ部の突出深さは前記マグネトロン取付け板の厚みを超えない深さとした高周波加熱装置。
  2. 貫通孔Cの直径をマイクロ波の波長の1/4以下とした請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 貫通孔Cを複数個有し、前記貫通孔Cのピッチをマイクロ波の波長の1/4以下とした請求項記載の高周波加熱装置。
  4. マグネトロンのアンテナを加熱室側壁面に対向させて配置し、前記加熱室側壁面は、終端部Bの下部を室内側に膨出させて前記アンテナとの干渉を避ける膨出部を形成したことを特徴とした請求項1記載の高周波加熱装置。
  5. 接合治具が膨出部にあたるのを避けるため、前記膨出部は半球状の上部をカットした形状とし、終端部Bをフラットな形状に構成した請求項記載の高周波加熱装置。
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