JP4318396B2 - 多孔質架橋ポリマー材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを界面活性剤として使用する多孔質架橋ポリマー材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
孔径が微細で均一な連続気泡からなる多孔質を得る方法として、特定の界面活性剤の存在下に油中水型高分散相エマルション(Water in Oil type High Internal Phase Emulsion)中で重合体を得る方法がある。ここに、高分散相エマルションとは、該エマルションの全容積に占める分散相の比率が70容量%を超えるもの(K.J.LISSANT, Journal of Colloid and Interface Science vol.22,462(1966))と一般にいわれている。例えば、米国特許第5334621号には、このようなHIPEに含まれる重合性単量体を架橋重合して多孔質材料を製造する方法(以下、HIPE法と称す。)が開示されている。
【0003】
ここにHIPE法は、(i)油溶性ビニル単量体と分子内に2以上の官能基を有する架橋単量体とを含有する重合性単量体混合物、(ii)エマルションの90重量%、より好ましくは95重量%、特に好ましくは97重量%を占める水相、(iii)ソルビタン脂肪酸エステルとグリセロールモノ脂肪酸エステルなどの界面活性剤、および(iv)重合開始剤とを含有するHIPEを調製し、該HIPEを加熱し重合および架橋することで多孔質材料を製造するものである。一般には、少なくとも上記(i)と(iii)とを含む油相と、(ii)の水相とを混合して乳化させてHIPEを調製し、これに(iv)の開始剤を添加すると共に重合に至適な温度に加温することで重合を開始させ、多孔質架橋重合体を製造する。このHIPE法によれば、逆相乳化重合により網目状の連続気泡からなる多孔質材料が形成されるため、得られる多孔質材料は低密度かつ吸水性、保持性、断熱性、防音性などの特性を有するものとなる。
【0004】
このようなHIPE自体の調製方法としては、例えば、WO97/45456号公報において、HIPEの安定化を目的として、1以上のソルビタン脂肪酸エステルまたは糖脂肪酸エステルを使用して乳化するHIPEの調製方法が記載されている。該HIPEの調製温度に関する記載はないが、該HIPEが安定な範囲であれば、25〜90℃の範囲で硬化、即ち重合できると記載し、実際にはソルビタンモノラウレートとジタロウジメチルアンモニウムクロライドを併用した場合に、40℃の水相を用いてHIPEを調製し、70℃で24時間重合してポリマー材料を製造している。
【0005】
また、WO97/45479号公報には、HIPEの安定化を目的として、親油性部位とアニオン基とを有するアニオン性界面活性剤と炭素数8以上の炭化水素基を有する4級塩とからなる乳化剤系を使用してHIPEを調製する方法が開示されている。該HIPEの調製温度に関する記載はないが、該HIPEは少なくとも25℃以上で硬化、即ち重合できると記載している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、HIPE法は、少なくとも1種の重合性モノマーを含有する油相と水相とを界面活性剤などの乳化剤を用いて乳化し、ついで得られたHIPEを加熱などの手段によって重合させて多孔質架橋重合体を得るものである。これを連続的に行う場合には、HIPE調製時間とこれに連続する重合時間を短縮することが、生産効率を向上させるために要求される。そして、一般にはHIPEは乳化器で調製され、ついで重合機においてHIPEの重合が行われるため、HIPEに重合開始剤を添加し、その後に加熱することによってHIPEの重合が開始される場合には、乳化器内のHIPEの温度と重合機内のHIPEの重合温度とが近似することが、HIPEの重合開始時間を短縮できるために好ましいと考えられる。
【0007】
しかしながら、一般にHIPEの含水率は1,000〜25,000(v/v)%にも達するほど多量の水を含むため、HIPEの安定性は極めて低く、僅かの温度の上昇によってHIPEが不安定となる。このため、通常は、予め重合開始剤を含有する油相と水相とを温度25〜40℃で乳化して調製する方法が行われているのが現状である。
【0008】
また、HIPEを重合させて多孔質架橋重合体を製造する場合には、仕込み原料の変質に基づく臭気が発生する場合がある。このような変質は特に温度に依存するため、HIPEに使用する成分の変質を防止しようとすれば、当然に低温でHIPEを調製することが好ましい。このため、HIPEの昇温による不安定性とあいまって、HIPEの調製は、HIPEを製造するための油相の調製および水相の調製から室温近傍で行うことが一般的な要求である。
【0009】
この点、上記したWO97/45456号公報やWO97/45479号公報は、HIPEの安定化を目的とし、高温でのHIPEの重合を達成するためになされたものである。しかしながら、実際には乳化および重合過程で乳化力が低下し、離水が発生し、その安定化は十分なものとはいえない。特に、WO97/45456号公報に開示された方法では、40℃より高い温度の水相を用いて乳化しようとするとHIPEの安定性が悪く、乳化時や重合時に多量の離水を生成し、ポリマー材料の性能を低下させる場合もある。
【0010】
一方、得られた多孔質架橋重合体は、音や熱を吸収するために防音材や断熱材として使用され、芳香材や洗浄材等を含浸させる薬液含浸基材とすることができ、更に、油や有機溶剤などの吸収材として使用することができる。また、これをオムツや衛生用品などの衛生材としてまたは化粧用、医療用等の人体に直接触れる用途に使用することもできる。そしてこのような場合には、製品たる多孔質架橋重合体の表面がかぶれや使用時の不快感を除くために皮膚に対する刺激を出来るだけ少ないものとすることが必要となる。しかしながら、仕込み原料の変質などによって臭気や刺激物が発生すると、その臭いや刺激物は製品中に残存する場合があり、これを十分に除去しようとすれば、洗浄工程を強化する必要が生ずる。しかしながら、HIPEは、本来1,000〜25,000(v/v)%の含水率を有し、HIPEの調製自体に多量の使用水を必要とするため、洗浄水の使用は必要な限り低減させる必要がある。特に、多孔質架橋重合体は、外気との接触面積が大きく、このため十分な洗浄には多量の洗浄水を必要とする。しかし、これは多量の廃水の処理および排出を意味するものであり、製造コストの上昇、環境負荷の増大など好ましくない結果をもたらすものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、HIPE法による非常に短時間での多孔質架橋ポリマー材料の製造方法を開発すべく鋭意検討した結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルを界面活性剤として使用し、得られたHIPEを高温で重合すると、離水量の少ない多孔質架橋ポリマー材料が短時間で得られ、最終的に得られる多孔質架橋ポリマー材料の吸収特性も優れることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供するものである。
【0012】
(1) 重合性単量体、架橋性単量体およびポリグリセリン脂肪酸エステルである界面活性剤を含む油相を、水および塩類を含む水相とを80〜100℃の温度で混合して、油中水型高分散相エマルションを形成する工程と、
前記油中水型高分散相エマルションを重合して多孔質架橋重合体を製造する工程とを含み、
該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンが3〜10量体である、多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
【0013】
(2) 前記油中水型高分散相エマルションを形成させるのと同時に、または形成させた後に重合開始剤を添加する、上記(1)に記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
(3) 前記油中水型高分散相エマルションの重合は、運転中のベルト上でシート状に前記油中水型高分散相エマルションを連続的に形成し、前記ベルト上で前記シート状の油中水型高分散相エマルションを重合することを含む連続重合である、上記(1)または(2)に記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
(4) 前記油中水型高分散相エマルションの重合温度は75〜150℃の範囲である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
(5) 前記油中水型高分散相エマルションの重合時間は1分〜20時間の範囲である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、重合性単量体、架橋性単量体およびポリグリセリン脂肪酸エステルである界面活性剤を含む油相を、水および塩類を含む水相とを80〜100℃の温度で混合して、油中水型高分散相エマルション(HIPE)を形成する工程と、前記油中水型高分散相エマルションを重合して多孔質架橋重合体を製造する工程とを含み、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンが3〜10量体である、多孔質架橋ポリマー材料の製造方法である。
【0015】
ここに、HIPEを重合させて多孔質架橋ポリマー材料を連続的に製造する態様の一例を、図1のフローを用いて説明する。図1に示すように、HIPE101をHIPE供給部119から連続的にシート材203上に供給し、回転ローラー209の設定高さ調整により所定厚みのシート状に成形する。シート材203はコンベアベルト201と同期できるように巻出・巻取ローラーに208,212の回転速度が制御される。シート材205はHIPE101の厚さが一定になるようにテンションをかけながら回転ローラー209,211と巻出・巻取ローラー207,213により回転速度を制御する。該コンベアベルト201の下部から温水シャワーからなる加熱昇温手段219とコンベアベルト上方から熱風循環装置からなる加熱昇温手段217によって、重合炉215内でHIPE101を重合させて多孔質架橋ポリマー材料102を得る。次いで、上下のシート材203、205をはがすと多孔質架橋ポリマー材料102を得ることができる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
[I]HIPEの調製
(1)HIPEの使用原料
HIPEの使用原料は、(a)重合性単量体、(b)架橋性単量体および(c)ポリグリセリン脂肪酸エステルである界面活性剤を油相を構成する必須成分として含有し、(d)水を水相を構成する必須成分として含有するものであればよい。さらに、必要に応じて、(e)重合開始剤、(f)塩類、(g)その他の添加剤を油相および/または水相を構成する任意成分として含有するものであってもよい。
【0017】
(a)重合性単量体
上記重合性単量体としては、分子内に1個の重合性不飽和基を有するものであればよく、分散または油中水型高分散相エマルション中で重合可能であって気泡を形成できれば特に制限されるものではない。好ましくは少なくとも一部は(メタ)アクリル酸エステルを含むものであり、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを20質量%以上を含むものであり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを35質量%以上を含むものである。重合性単量体として、(メタ)アクリル酸エステルを含有することにより、柔軟性や強靭性に富む多孔質架橋重合体を得ることができるため望ましい。
【0018】
重合性単量体としては、具体的には、スチレン等のアリレン単量体;スチレン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼンなどのモノアルキレンアリレン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸エステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロメチルスチレン等の塩素含有単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル化合物;その他、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−オクタデシルアクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブテン等が例示できる。これらは、1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
【0019】
上記重合性単量体の使用量は、該重合性単量体と下記架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量に対し、10〜99.9質量%の範囲であることが好ましい。この範囲で、微細な孔径の多孔質架橋重合体が得られるからである。より好ましくは30〜99質量%、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。重合性単量体の使用量が10質量%未満の場合には、得られる多孔質架橋重合体が脆くなったり吸水倍率が不充分となることがある。一方、重合性単量体の使用量が99.9質量%を超える場合には、得られる多孔質架橋重合体の強度、弾性回復力などが不足したり、充分な吸水量および吸水速度を確保できないことがある。
【0020】
(b)架橋性単量体
上記架橋性単量体としては、分子内に少なくとも2個の重合性不飽和基を有するものであればよく、上記重合性単量体と同様に、分散または油中水型高分散相エマルション中で重合可能であって気泡を形成できれば特に制限されるものではない。
【0021】
架橋性単量体としては、具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン類、ジビニルフェナンスレン、ジビニルビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルフィド等の芳香族系単量体;ジビニルフラン等の酸素含有単量体;ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の硫黄含有単量体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等の脂肪族単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、並びにヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ソルビトールなどの多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化合物などが例示できる。これらは、1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記架橋性単量体の使用量は、上記重合性単量体と該架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量に対し、0.1〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜70質量%、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。上記架橋性単量体の使用量が0.1質量%未満では、得られる多孔質架橋重合体の強度、弾性回復力などが不足したり、単位体積当たりまたは単位重量当たりの吸収量が不十分となり、充分な吸水量および吸水速度を確保できないことがある一方、上記架橋性単量体の使用量が90質量%を越えると、多孔質架橋重合体が脆くなったり吸水倍率が不充分となることがある。
【0023】
(c)界面活性剤
上記界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルであり、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンが3量体以上のポリグリセリンである脂肪酸エステルであれば特に制限はない。3量体以上としたは、グリセリン単独またはグリセリン2量体の脂肪酸エステルを使用すると乳化力が十分でないが、グリセリン3量体以上の多量体の脂肪酸エステルであれば、HIPEが高温でも安定し、この結果、得られた重合物の離水が少なく、自由膨潤該率に優れることが判明したからである。また、脂肪酸は、ポリグリセリンに1分子以上結合していれば、全ての水酸基に脂肪酸が結合している必要はない。ポリグリセリンとしては、3量体以上であれば特に制限はなく、好ましくは3〜10量体、より好ましくは6〜10量体である。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素原子数が6〜28、より好ましくは12〜24、特に好ましくは16〜20の直鎖、または分岐を有していても脂肪酸である。炭素数が上記範囲内にあれば飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。好ましい直鎖脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、リシノール酸がある。好ましい分岐を有する脂肪酸としては、イソステアリン酸等がある。
【0024】
本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノミリスチン酸テトラグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ポリリシノール酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、トリオレン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル等がある。本発明では、特にトリオレイン酸デカグリセリルを用いるのが好ましい。これらのうち2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを併用してもよく、併用によりHIPEの安定性が改良される場合がある。
【0025】
界面活性剤としてはポリグリセリン脂肪酸エステルのみを用いてもよく、他の界面活性剤と併用してもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルと他の界面活性剤を併用する場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルの全界面活性剤中の比率は50重量%以上であることが好ましく、70重量%であることがより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルと併用できる界面活性剤としては従来公知のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用することができる。
【0026】
このうち、ノニオン性界面活性剤としては、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド付加物;エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリスチレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ジグリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル; ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等があり、特にHLBが10以下、好ましくは2〜6のものが好ましい。これらのうち2種以上のノニオン性界面活性剤を併用してもよく、併用によりHIPEの安定性が改良される場合がある。
【0027】
アニオン界面活性剤としては、アニオン部と油溶性部とを有するものが好ましく使用でき、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等の如きアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィン塩等の如きアルキルスルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等の如きアルキルスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレエート等の如き脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の如き二重結合を持った反応性アニオン乳化剤等が使用できる。アニオン性界面活性剤にカチオン性界面活性剤を併用してHIPEを調製することができる。
【0028】
本発明では、ポリグリセリン脂肪酸エステルとカチオン性界面活性剤とを併用してもよい。カチオン性界面活性剤としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドがある。カチオン性界面活性剤を用いることにより、得られる多孔質架橋ポリマー材料を吸水材等に利用する場合に優れた抗菌性等を付与することもできる。
【0029】
なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルとカチオン性界面活性材を併用すると更にHIPEの安定性が改良される場合がある。
【0030】
上記界面活性剤の全使用量は、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量部である。界面活性剤の使用量が1質量部未満の場合には、HIPEの高分散性が不安定化することがあったり、界面活性剤本来の作用効果が充分に発現できないことがある。一方、上記界面活性剤の使用量が30質量部を超える場合には、得られる多孔質架橋ポリマー材料が脆くなり過ぎることがあり、これを超える添加物に見合うさらなる効果が期待ができず、不経済である。
【0031】
(d)水
上記水は、水道水、純水、イオン交換水の他、廃水の再利用を図るべく、多孔質架橋重合体を製造して得た廃水をそのまま、または所定の処理を行ったものを使用することができる。
【0032】
上記水の使用量は、連続気泡を有する多孔質架橋重合体の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができる。すなわち、水の使用量は、HIPEの水相/油相(W/O)比を変化させることによって多孔質架橋重合体の空孔比率が決定されることから、用途、目的に合致する空孔比率になるようにW/O比を選択すれば、自ずと決定される。
【0033】
(e)重合開始剤
本発明の目的である非常に短時間でのHIPEの重合を達成するためには、重合開始剤を用いることが好ましい。該重合開始剤としては、逆相乳化重合で使用できるものであればよく、水溶性、油溶性の何れも使用することができる。
【0034】
このうち、水溶性重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム等の過酸化物等が挙げられる。
【0035】
油溶性重合開始剤としては、例えば、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシドなどの過酸化物などが挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。当然のことながら、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とを併用してもよいことはいうまでもない。
【0036】
上記逆相乳化重合で使用できる重合開始剤の使用量は、上記単量体成分および重合開始剤の組み合わせにもよるが、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量100質量部に対し、0.05〜25質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10質量部である。上記重合開始剤の使用量が0.05質量部未満の場合には、未反応の単量体成分が多くなり、従って、得られる多孔質架橋重合体中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、上記重合開始剤の使用量が25質量部を超える場合には、重合の制御が困難となったり、得られる多孔質架橋重合体中の機械的性質が劣化するので好ましくない。
【0037】
さらに、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせてなるレドックス重合開始剤系を使用しても良い。この場合、重合開始剤としては、水溶性、油溶性の何れも使用することができ、水溶性レドックス重合開始剤系と油溶性レドックス重合開始剤系とを併用してもよい。
【0038】
上記還元剤のうち、水溶性還元剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、L−アスコルビン酸、第1鉄塩、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、グルコース、デキストロース、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。また、油溶性還元剤としては、例えば、ジメチルアニリン、オクチル酸スズ、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらレドックス重合開始剤系の還元剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0039】
上記レドックス重合開始剤系の場合の還元剤の含有比率(質量比)は、重合開始剤(酸化剤)/還元剤=1/0.01〜1/10、好ましくは1/0.2〜1/5程度である。
【0040】
なお、上記重合開始剤(レドックス重合開始剤系を含む)は、少なくともHIPEの重合時に存在していればよく、後述するように、▲1▼油相および/または水相中に予め添加してHIPEを形成しても良いほか、▲2▼HIPEを形成させると同時に、または▲3▼形成させた後に、添加しても良い。また、レドックス重合開始剤系の場合には、重合開始剤(酸化剤)と還元剤を別々のタイミングで添加させても良い。
【0041】
(f)塩類
上記塩類としては、HIPEの安定性を改良するために必要であれば使用してもよい。
【0042】
上記塩類としては、具体的には、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などの水溶性塩が挙げられる。これらの塩類は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。これらの塩類は、水相中に添加することが好ましい。なかでも、重合時のHIPEの安定性の観点から多価金属塩が好ましい。
【0043】
この様な塩類の使用量は、水100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。塩類の使用量が20質量部を超える場合には、HIPEから搾り出された廃水中に多量の塩類を含むことになり、廃水を処理するコストがかさみ、これを超える添加に見合うさらなる効果も期待できず不経済である。塩類の使用量が0.1質量部未満の場合には、塩類の添加による作用効果が十分に発現できないおそれがある。
【0044】
(g)その他添加剤
さらに、他の各種添加剤をこれらが有する性能・機能を付加することにより、製造条件や得られるHIPE特性や多孔質架橋重合体の性能の向上につながるものであれば適当に使用しても良く、例えば、pH調整のために、塩基および/または緩衝剤を加えても良い。これらの他の添加剤の使用量については、それぞれの添加の目的に見合うだけの性能・機能、さらには経済性を十分に発揮できる範囲内で添加すればよい。このような添加剤としては、活性炭、無機粉末、有機粉末、金属粉末、消臭剤、抗菌剤、防かび剤、香料、各種高分子などが例示できる。
【0045】
(2)HIPEの調製法
本発明に用いることができるHIPEの調製法については、特に制限されるものではなく、従来既知のHIPEの調製法を適宜利用することができる。以下にその代表的な調製法につき、具体的に説明する。
【0046】
まず、それぞれ上記に規定する使用量にて、重合性単量体、架橋性単量体および界面活性剤、さらに必要に応じて添加し得る油溶性重合開始剤(油溶性レドックス重合開始剤系を含む)、その他の添加剤からなる油相を構成する成分を所定温度で撹拌し均一の油相を調製する。
【0047】
一方、それぞれ上記に規定する使用量にて、水に、さらに必要に応じて添加し得る水溶性重合開始剤(「水溶性レドックス重合開始剤系を含む)、塩類、その他の添加剤からなる水相を構成する成分を加えながら撹拌し、30〜95℃の所定温度に加温して均一の水相を調製する。
【0048】
次に、上記により調製された、単量体成分、界面活性剤などの混合物である油相と、水、水溶性塩などの混合物である水相とを合一し、以下に説明するHIPEの形成温度(乳化温度)にて、効率よく混合撹拌して適度のせん断力をかけ、乳化することによってHIPEを安定に調製することができる。特に撹拌下、油相に水相を数分ないし数十分に亘って連続的に添加する方法が好ましい。また、水相成分の1部と油相成分とを撹拌・混合してヨーグルト状のHIPEを形成し、その後に残りの水相成分を加えながら撹拌・混合して所望のHIPEを製造してもよい。
【0049】
(3)水相/油相(W/O)比
こうして得られるHIPEの水相/油相(W/O)比(質量比)は、連続気泡を有する多孔質架橋重合体の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができるものであり、特に制限されるものではなく、先に規定したとおり3/1以上のものであればよいが、好ましくは10/1〜250/1、特には10/1〜100/1である。なお、W/O比が3/1未満の場合には、多孔質架橋重合体の水やエネルギーを吸収する能力が不充分で、開口度も低くなり、得られる多孔質架橋重合体の表面の開口度が低くなり、十分な通液性能等が得られないおそれがある。但し、W/O比を変化させることによって多孔質架橋重合体の空孔比率が決定される。したがって、用途、目的に合致する空孔比率になるようにW/O比を選択することが望ましい。例えば、オムツや衛生材料等その他各種吸収材として使う場合、W/O比は10/1〜100/1程度とするのが好ましい。なお、水相と油相との撹拌・混合により得られるHIPEは、通常、白色、高粘度のエマルションである。
【0050】
(4)HIPEの製造装置
上記HIPEの製造装置としては、特に制限されるものではなく従来公知の製造装置を利用することができる。例えば、水相と油相とを混合撹拌するために使用する撹拌機(乳化器)としては、公知の撹拌機、混練機が使用できる。例えば、プロペラ型、櫂型、タービン型などの羽根の撹拌機、ホモミキサー類、ラインミキサー、ピンミルなどが例示でき、これらの何れでもよい。
【0051】
(5)HIPEの形成温度
HIPEの形成(乳化)は、通常20℃以上でかつ重合温度に近い温度で行なう。前述のように多孔質架橋ポリマー材料を短時間で効率よく得るには、重合温度に近い高温でHIPEを形成することが重要である。従来は高温で安定に乳化してHIPEを得ることが困難であったために、室温付近で形成したHIPEを数十度昇温して重合させており、水を多量に含むHIPEは熱容量が大きいので昇温に要する時間は多孔質架橋ポリマー材料の生産性を低下させる大きな要因となっていた。本発明の方法では高温でも安定にHIPEを形成することができるので、重合温度と同じ、または、近傍の温度でHIPEを形成することができ、従来法の欠点を解消することができる。すなわち、HIPEの形成温度は好ましくは40〜100℃の範囲、より好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲である。なお、油相および/または水相の温度を予め所定の形成温度(乳化温度)に調製しておいて撹拌・混合して乳化し、所望のHIPEを形成することが望ましい。ただし、HIPEの調製(形成)では、水相の分量が多いため、少なくとも水相の温度を所定の形成温度(乳化温度)に調製されることが好ましいといえる。
【0052】
[II] 多孔質架橋重合体の製造
(1)重合開始剤の添加
(a)重合開始剤の添加の時期
本発明では、▲1▼HIPEを形成させる前の水相および/または油相に重合開始剤を予め添加、混合するか、▲2▼HIPEを形成させると同時に、または▲3▼HIPEを形成させた後に重合開始剤を添加させる。
【0053】
(b)重合開始剤の添加方法
重合開始剤または還元剤が油溶性の場合は油相に、水溶性の場合は水相に予め添加しておく方法が簡便である。また、水相に油溶性重合開始剤(酸化剤)または還元剤の乳化物を加える方法なども例示できる。
【0054】
(c)重合開始剤の使用形態
また、重合開始剤は、無希釈、または水や有機溶剤の溶液、あるいは分散体などの形態で使用することができる。HIPEを形成させると同時に、またはHIPEを形成させた後に添加した場合、添加した重合開始剤は、単量体成分の不均一な重合を回避するためにHIPEにすばやく均一に混合することが重要である。さらに、重合開始剤を混合したHIPEは、速やかに重合装置である重合容器あるいは連続重合機に導入する。かかる観点から、HIPEを調製する乳化器から重合容器あるいは連続重合機への経路に還元剤または酸化剤その他の重合開始剤の導入経路を設けてHIPEに添加し、ラインミキサーで混合するなどの方法が推奨される。
【0055】
また、重合開始剤を含むHIPEでは、乳化温度と重合温度との温度差が小さいときには、乳化温度が重合温度に近いために乳化中に重合性単量体や架橋性単量体の重合が開始され、重合体が生成するとHIPEが不安定になることがあるので、還元剤または酸化剤その他の重合開始剤を重合直前にHIPEに加える方法、即ち上記▲2▼または▲3▼の方法が望ましい。本発明では特に、エマルションの調製を行った後に、該エマルションに重合開始剤を添加して重合を開始することが好ましい。
【0056】
(2)HIPEの重合
(a)重合方法
次ぎに、上記HIPEの重合方法については、特に制限されるものではなく、従来公知のHIPEの重合方法を適宜採用することができる。通常は、HIPE中の油中に高分散してなる水滴構造が破壊されない条件で静置重合法で重合する。この場合、かかるHIPEをバッチごとに重合するバッチ重合でも、または連続的にフィードしながら層状に形成して重合する連続重合でもよい。
【0057】
本発明の特徴である高温での短時間重合の効果をよりよく活かすために、重合法は、バッチ重合よりもHIPEの昇温が容易にできる連続重合の方が好ましい。例えば、走行するベルト上にHIPEを連続的に層状に形成して重合する連続重合法を採用することが好ましい。具体的には、シート状の多孔質架橋ポリマーの連続重合法としては、例えば、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造等の、走行するベルト上にHIPEを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状にHIPEを賦形しつつ重合する方法がある。該コンベアーのエマルション接触面が平滑であれば、HIPEを所定厚みでベルト上に供給することで所望の厚みの連続したシート状物を得ることができる。本発明では、HIPEを高温で調製することができるため、HIPEを連続的に重合する連続重合法は生産効率が高く、重合時間の短縮効果を最も有効に利用できるので好ましい方法である。しかも、上記のようにシート状のHIPEを水平搬送しながら重合することは、HIPEの油相と液相とが上下方向に偏向分離しやすい比較的脆性な性状を有することを勘案しても、好ましい形状である。なお、この場合にも、ブロックまたはシート状に重合してから、例えば、厚さ各5mmのシート状などに切断するなどの任意の形態に加工することもできる。
【0058】
(b)重合温度
HIPEの重合温度は短時間に重合を完結させるためにできるだけ高温であることが好ましい。本発明の方法では高温でもHIPEの安定性が損なわれることがないので、従来公知の乳化剤を使用する場合よりも重合温度を自由に選ぶことができる。重合温度は、70℃〜150℃の範囲とするのが好ましく、より好ましくは75℃〜110℃、特に好ましくは85℃〜100℃の範囲である。また、重合温度は重合中に2段階、さらには多段階に変更させてもよい。
【0059】
(c)重合時間
本発明のHIPEの重合時間は、1分〜20時間の範囲である。好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内、特に好ましくは1〜20分の範囲である。重合硬化時間が20時間を超える場合には、生産性に劣り工業的に好ましくない場合がある。なお、1分未満の場合には、多孔質架橋ポリマー材料の強度が充分でない場合がある。勿論上記より長い重合硬化時間を採用することを排除するものではない。
【0060】
(d)重合装置
本発明に用いることのできる重合装置は、特に制限されるものではなく、従来公知の化学装置からそれぞれの重合法に適したものを利用または改良して使用することができる。例えば、バッチ重合では、使用目的に応じた形状の重合容器を、連続重合では、圧縮用ローラを備えたベルトコンベア式の連続重合機などを使用できる。さらに、これらには、重合法に適した加熱昇温手段や制御手段など,例えば、放射エネルギーなどを利用できるマイクロ波や近赤外線などの活性熱エネルギー線、または熱水や熱風などの熱媒などにより迅速に硬化温度まで昇温できる加熱昇温手段が併設されてなるものがあるが、これらに限定されるものではない。また、バッチ重合する場合に、重合容器に注入されたHIPEの上方および下方の表面は、重合開始から重合完了まで空気、特に空気中に含まれる酸素と接触させないことが好ましい。こうした表面部もきっちりとオープンセル構造を確保できるからである。このためには、例えばベルトコンベア式の連続重合の場合には、HIPEを供給するベルトコンベアの上にPETフィルムを敷き、HIPEを供給した後にもただちに該HIPE上にPETフィルム等のシール材を載せてシールして空気を遮断する。これらの重合装置などの材料に関しては、特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼などの金属製、ポリエチレン,ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル樹脂などの合成樹脂製、これらの合成樹脂をガラス繊維や炭素繊維などの繊維で補強した繊維強化樹脂などを使用することができる。
【0061】
(3)多孔質架橋重合体形成後の後処理(製品化)工程
(a)脱水
重合完結により形成された多孔質架橋重合体は、通常、圧縮、減圧吸引およびこれらの組み合わせによって脱水する。一般に、こうした脱水により、使用した水の50〜98%の水が脱水され、残りは多孔質架橋重合体に付着して残る。
【0062】
脱水率は、多孔質架橋重合体の用途などによって、適当に設定する。通常、完全に乾燥した状態での多孔質架橋重合体1g当たり、1〜10gの含水量、あるいは1〜5gの含水量となるように設定すればよい。
【0063】
(b)圧縮
本発明の多孔質架橋重合体は、元の厚みの数分の1に圧縮した形態にすることができる。圧縮したシート状などの形態は、元の多孔質架橋重合体に比べて容積が小さく、輸送や貯蔵のコストを低減できる。圧縮形態の多孔質架橋重合体は、多量の水に接すると吸水して元の厚みに戻る性質があり、吸水速度は元の厚みのものより速くなる特徴がある。
【0064】
輸送や在庫スペースの節約、取り扱いやすさの点から、元の厚みの1/2以下に圧縮するのが効果的である。より好ましくは元の厚みの1/4以下に圧縮するのがよい。
【0065】
(c)洗浄
多孔質架橋重合体の表面状態を改良するなどの目的で、多孔質架橋重合体を純水や任意の添加剤を含む水溶液、溶剤で洗浄してもよい。
【0066】
(d)乾燥
以上の工程で得られた多孔質架橋重合体は、必要であれば、熱風、マイクロ波などで加熱乾燥してもよく、また加湿して水分を調整してもよい。
【0067】
(e)切断
以上の工程で得られた多孔質架橋重合体は、必要であれば、所望の形状、サイズに切断して各種用途に応じた製品に加工してもよい。
【0068】
(f)含浸加工
洗浄剤、芳香剤、消臭剤、抗菌剤などの添加剤を含浸加工して機能性を付与することもできる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明の範囲がこれらの例により限定されるものではない。なお、本実施例において、多多孔質架橋重合体の性能は、以下のようにして測定および評価した。
【0070】
(1)離水率
重合後に発生した離水を、重合容器からデカンテーションにより回収し、重量を測定し、以下の式1で離水率(%)を算出した。
【0071】
【数1】
離水率(%)=(離水の質量/使用した水相質量)×100・・・式1
(2)自由膨潤倍率
1cm角に裁断した予め乾燥、秤量した試料を用いて、十分な量の純水にこの試料を浸漬した。純水を吸収し膨張した試料を、直径120mm厚さ5mmのガラスフィルター(#0:Duran社製)の上に30秒間放置して、液切りを行った後、吸液した試料の質量を測定し、以下の式2で多孔質架橋重合体の自由膨潤倍率(g/g)を算出した。
【0072】
【数2】
自由膨潤倍率(%)=[(吸液後の試料質量−吸液前の試料質量/(吸液前の試料質量)]×100・・・式2
(実施例1)
HIPEを形成するための連続式乳化プロセスで使用する水相を、無水塩化カルシウム36.3kgと過硫酸カリウム568gを純水378リットルに溶解して調製した。ついで、スチレン1600gの混合物にトリオレイン酸デカグリセリル960gを添加し油相とした。水相は温度80℃、流量56.5cm3/s、油相は温度22℃、流量1.13g/sでそれぞれ別々に動的混合装置に供給し、動的混合装置内で1800rpmで回転するピンインペラーによって完全に混合、一部再循環し57.6cm3/sで79℃のHIPEを図1の装置に取り付けられたPETフィルムの間に流し込み、厚みを5mmに制御した後、帯状プレート上で移動させ内部温度80℃に設定された重合炉を移動速度15cm/minで通過させて60分間で重合させて重合物を得た。重合物には離水は観察されなかった。得られた重合物を脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は47g/gと高く吸水性能がよいものであった。
【0073】
(実施例2)
80℃の水相を用いる代わりに85℃の水相を用いる以外は実施例1と同じ方法でHIPEを得た。得られたHIPEを図1の装置に取り付けられたPETフィルムの間に流し込み、厚みを5mmに制御した後、帯状プレート上で移動させ内部温度95℃に設定された重合炉を移動速度1.25m/minで通過させて8分間で重合させて重合物を得た。重合物には離水は観察されなかった。得られた重合物を脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は47g/gと高く吸水性能がよいものであった。
【0074】
(実施例3)
トリオレイン酸デカグリセリルを用いる代わりにモノオレイン酸ヘキサグリセリルを用いる以外は実施例1と同じ方法でHIPEを得た。得られたHIPEを図1の装置に取り付けられたPETフィルムの間に流し込み、厚みを5mmに制御した後、帯状プレート上で移動させ内部温度80℃に設定された重合炉を移動速度30cm/minで通過させて30分間で重合させて重合物を得た。重合物には離水は観察されなかった。得られた重合物を脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は47g/gと高く吸水性能がよいものであった。
【0075】
(実施例4)
実施例1と同じ方法でHIPEを得た。得られたHIPE250gを600ccのプラスチック容器に入れ蓋をした後、80℃に設定されたウォーターバスに60分間つけて重合させて重合物を得た。重合物には離水は観察されなかった。得られた重合物を5mm厚にスライスした後、脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は47g/gと高く吸水性能がよいものであった。
【0076】
(比較例1)
トリオレイン酸デカグリセリルを用いる代わりにモノオレイン酸グリセリルを用いる以外は実施例1と同じ方法でHIPEを得た。得られたHIPEを図1の装置に取り付けられたPETフィルムの間に流し込み、厚みを5mmに制御した後、帯状プレート上で移動させ内部温度80℃に設定された重合炉を移動速度15cm/minで通過させて60分間で重合させて重合物を得た。重合物には離水が観察された。得られた重合物を脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は30g/gと低く吸水性能がわるいものであった。
【0077】
(比較例2)
トリオレイン酸デカグリセリルを用いる代わりにモノオレイン酸グリセリルを用いる以外は実施例1と同じ方法でHIPEを得た。得られたHIPE250gを600ccのプラスチック容器に入れ蓋をした後、80℃に設定されたウォーターバスに60分間つけて重合させて重合物を得た。重合物には離水が観察され、離水率は35%であった。得られた重合物を5mm厚にスライスした後、脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は30g/gと低く吸水性能がわるいものであった。
【0078】
(比較例3)
トリオレイン酸デカグリセリルを用いる代わりにモノオレイン酸ジグリセリルを用いる以外は実施例1と同じ方法でHIPEを得た。得られたHIPE250gを600ccのプラスチック容器に入れ蓋をした後、80℃に設定されたウォーターバスに60分間つけて重合させて重合物を得た。重合物には離水が観察され、離水率は15%であった。得られた重合物を5mm厚にスライスした後、脱水、乾燥して多孔質架橋ポリマー材料を得た。得られた多孔質架橋ポリマー材料の自由膨潤倍率は40g/gと低く吸水性能が悪いものであった。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、1時間以下で、好ましくは30分以下という従来からは予想もすることができない非常な短時間で、HIPEの重合をすることができ、吸収特性に優れた多孔質架橋ポリマー材料が効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で使用した多孔質架橋重合体製造装置を示す概略側面図である。
【符号の説明】
101…HIPE、102…多孔質架橋重合体、119…HIPE供給装置部、201…エンドレスベルト式のコンベア(駆動搬送装置付き)、
203,205…シート材、207,208…巻出ローラー、
209,211…回転ローラー、212,213…巻取ローラー、
215…重合炉、217…加熱昇温手段、219…温水シャワー。
Claims (5)
- 重合性単量体、架橋性単量体およびポリグリセリン脂肪酸エステルである界面活性剤を含む油相と、水および塩類を含む水相とを80〜100℃の温度で混合して、油中水型高分散相エマルションを形成する工程と、
前記油中水型高分散相エマルションを重合して多孔質架橋重合体を製造する工程とを含み、
該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンが3〜10量体である、多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。 - 前記油中水型高分散相エマルションを形成させるのと同時に、または形成させた後に重合開始剤を添加する、請求項1に記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
- 前記油中水型高分散相エマルションの重合は、運転中のベルト上でシート状に前記油中水型高分散相エマルションを連続的に形成し、前記ベルト上で前記シート状の油中水型高分散相エマルションを重合することを含む連続重合である、請求項1または2に記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
- 前記油中水型高分散相エマルションの重合温度は75〜150℃の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
- 前記油中水型高分散相エマルションの重合時間は1分〜20時間の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質架橋ポリマー材料の製造方法。
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