JP4318358B2 - エアゾール製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエアゾール製品に関する。さらに詳しくは、粉体を含んだエアゾール組成物に対し収縮性を有するものの、組成物に対して安定な材質からなるステムラバーを選択して、漏洩の心配がないエアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、粉体を含んだエアゾール製品のエアゾールバルブとして、図4に示されるようにステム51の周方向に形成される凹溝部52に開口する連通孔(ステム孔)53をステムラバー54により塞ぐリングドバルブ55またはステム51のストレートな外周面に開口する連通孔53をステムラバー54により塞ぐストレートシャンクバルブがある。前記リングドバルブ55では、エアゾール組成物の組成によっては、長期使用により、凹溝部52に粉末が付着および堆積し、連通孔53の詰まりや漏洩を起こす場合があるため、ストレートシャンクバルブが用いられることがある。たとえば図5に示されるように、バルブのステム61には、その外周面と垂直なシール面62が形成されており、ステムラバー63は、環状の板状体であって円筒形の貫通孔64が形成されている(特開平11−228943号公報など参照)。このバルブ装置では、シール面62およびステムラバー63のシール面対接面65はいずれも径方向に伸びるとともに、ステム61の外周面および貫通孔64の内周面がそれらに対して垂直であるので、シール部分の形態が単純で粉末が滞留しにくく、仮に粉末が残留することがあっても、次回の噴射操作時に確実に外部に噴射されるようになる。また、連通孔66の下端部分の周辺においては、ステム61が上下方向に移動されるときに、ステムラバー63はほとんど撓むことがなくて変形が生じないため、ステム61の外周面に対するステムラバー63による摺擦が確実に行なわれる。その結果、エアゾール組成物として、粉末成分の割合を高濃度に含有する場合でも、バルブ装置における詰まりおよび漏洩を防止できるとある。
【0003】
たとえば前記ステムラバーの材質が膨潤するものであれば、ステムの押し下げ荷重が大きくなり作動させづらくなるが、収縮する場合はステムラバーとステムとのあいだに隙間ができ、組成物が漏洩するおそれがある。このため、エアゾールバルブのステムラバーとしては、エアゾール組成物に対して安定もしくは膨潤するものが使用されている。
【0004】
しかしながら、ステムラバーの材質とエアゾール組成物の組み合わせによっては、噴射剤によりステムラバー中の可塑剤が抽出されて固くなり、割れが生じるなどしてステムラバーが劣化する場合がある。さらには、組成物中の有効成分と反応を起こし、有効成分が吸着されるなどして、有効成分の安定性にも影響を及ぼす場合もある。
【0005】
そこで、エアゾール組成物(有効成分)に対して安定な材質のステムラバーを採用すべきであるが、ステムラバーが収縮を起こすものであれば、漏洩の問題があるため、好適に用いることはできない。
【0006】
本発明は、粉体を含んだエアゾール組成物に対し収縮性を有するものの、組成物に対して安定な材質からなるステムラバーを選択して、漏洩の心配がないエアゾール製品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアゾール製品は、ステムラバーと摺動するように配設されたステムを有し、該ステムの摺動部に連通孔が形成されたエアゾールバルブと、前記ステムに嵌め込まれるアクチュエータと、粉体を含んだエアゾール組成物を収納し、前記エアゾールバルブを開口部に装着するエアゾール容器とを備えるエアゾール製品であって、前記ステムラバーが前記エアゾール組成物に対して収縮性を有しており、該ステムラバーの内径面が円筒面にされるとともに、該ステムラバーの内径が、前記ステムの外径の0.7〜0.9倍であり、かつ前記ステムラバーの厚さの1〜1.8倍であり、前記ステムラバーが成形体であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明のエアゾール製品を説明する。
【0009】
図1は本発明のエアゾール製品にかかわるエアゾールバルブの一実施の形態を示す断面図、図2は本発明のエアゾール製品にかかわるエアゾールバルブの他の実施例の形態を示す断面図、図3は図1におけるステムラバーを示す断面図である。
【0010】
本発明のエアゾール製品は、エアゾールバルブと、該バルブのステムに嵌め込まれるアクチュエータと、前記エアゾールバルブを開口部に装着するエアゾール容器とから構成されている。
【0011】
前記エアゾールバルブは、ステムラバーと摺動するように配設されたステムを有し、該ステムの摺動部に連通孔が設けられていれば、本発明においては、とくに限定されるものではないが、図1に示されるような定量室を有しないエアゾールバルブE1だけでなく、たとえば図2に示されるような定量室Cを有する定量噴射型のエアゾールバルブE2もある。
【0012】
このエアゾールバルブE2は、バルブハウジング1と、該ハウジング1内に挿入されるステム2およびバルブ本体3からなるバルブ4と、該ステム2を外方へ付勢するスプリング5と、前記ステム2の外周に嵌装されるステムラバー6と、該ステムラバー6の上に順次嵌装される中栓7およびカバーキャップ8とから構成されており、エアゾール容器9は、該中栓7とカバーキャップ8とのあいだに挿入されたエアゾール容器の開口端を前記カバーキャップ8の下部8aを加締めて一体的に取り付けられる。なお、10はアクチュエータである。
【0013】
前記ハウジング1の下部には、ブッシュ11とディップチューブ12とが順次装着されている。また前記ハウジング1とブッシュ11とのあいだには、リップ先端がバルブ本体3の外周面に摺接する漏斗状のカップゴム13が保持されている。
【0014】
前記バルブ4は、たとえば金属材料または合成樹脂材料などにより作製されており、そのステム2は前記ステムラバー6と摺動できるように、平滑な表面にされている。そして該ステム2には噴射通路14が形成されているとともに、該噴射通路14に連通する横孔の連通孔15が形成されている。通常該ステム2の摺動部に形成された連通孔15は、前記ステムラバー6の内径面6aによってシールされている。使用時には、前記ステム2を軸方向に押し下げると、該ステム2がステムラバー6に摺動し、まずバルブ本体3の下部がカップゴム13内に挿入され、ハウジング1とブッシュ11とのあいだがシールされる。さらに押し下げると連通孔15が開くようにされている。これにより、エアゾール容器内から定量室Cに充填されたエアゾール組成物が噴射剤の圧力により連通孔15を通って前記噴射通路14に導入される。
【0015】
前記エアゾール組成物としては、粉体を含むものであり、傷薬、かゆみ止め、水虫薬、殺菌消毒剤、消炎鎮痛剤、制汗剤、害虫忌避剤、化粧水、プレ(アフター)シェーブローション、サンスクリーン剤などの人体用製品、ヘアスプレー、ヘアフォーム、トリートメントフォーム、クリームフォーム、フォームワックス、染毛剤、脱色剤、クレンジングなどの頭髪・頭皮用製品、殺虫剤、消臭剤、芳香剤、洗浄剤、ペイントなどの自動車・家庭用品、撥水剤、錆止め、離型剤、コーティング剤、接着剤、潤滑剤などの工業用品などをエアゾール製品として用いられる。
【0016】
前記粉体としてはクロルヒドロキシアルミニウム、トルナフテート、リドカイン、グルコン酸クロロヘキシジン、タルク、カオリン、雲母、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、ポリアミド樹脂粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、セルロース粉末、シリコーン樹脂粉末、二酸化チタン、酸化鉄、黄酸化鉄、酸化チタン、カーボンブラック、群青、アルミニウムパウダー、カッパーパウダーなどがあげられる。
【0017】
前記粉体はエアゾール組成物中0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%配合される。0.1重量%未満の場合、粉体による効果が充分発揮されず、30重量%以上の場合は、均一な組成物を噴射することが困難となる(この組成物は、静置状態では粉体が沈降しているため、とくに定量バルブを使用する際には、定量室内の粉体を撹拌するのが難しく、均一な噴射ができない)。
【0018】
粉体とともにエアゾール組成物を構成する成分としては、使用用途に応じて適宜選択され、水、油成分、界面活性剤、アルコール類、高分子化合物、有効成分、噴射剤などがあげられる。
【0019】
前記水としては、精製水、イオン交換水などとくに限定されるものではない。
【0020】
前記油成分としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、乳酸セチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピルなどのエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサンなどのシリコーン、灯油、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素、アボガド油、ツバキ油、タートル油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂、ミツロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、カンデリラロウ、カウナウバロウ、モンタンロウなどのロウ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの高級脂肪酸などがあげられる。
【0021】
前記界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミドなどがあげられる。
【0022】
前記アルコール類としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの多価アルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコールなどがあげられる。
【0023】
前記高分子化合物としては、カゼイン、ゼラチン、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、変性ポテトスターチ、コーンスターチ、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどがあげられる。
【0024】
前記有効成分としては、前述の製品目的に応じて適宜選択される。
【0025】
前記噴射剤としては、液化石油ガス(プロパン、n−ブタン、i−ブタンおよびこれらの混合物)、ジメチルエーテルなどの液化ガスがあげられる。なお炭酸ガスや窒素ガス、亜酸化窒素ガス、圧縮空気などの圧縮ガスを加圧剤として用いてもよい。
【0026】
前記ステムラバー6は、図3に示されるように、その内径面6aが軸心方向にストレートである円筒面にされている。通常ステムラバー6は、たとえばゴム板を打ち抜いて製造されるので、打ち抜きの際にラバーの内周面でテーパ面ができやすい。このテーパ面は、エアゾール組成物に対して膨潤系のラバーではとくに問題はないが、ラバーの外周部がハウジング上端部と中栓とのあいだで固定されるため、収縮系のラバーの場合は2点鎖線のように外側へ収縮しやすく、ステム2とステムラバー6とのあいだで隙間が生じ、漏洩しやすくなる。このため、前記ステムラバー6は射出成形により作製され、その内径面がストレートな成形体であるのが好ましい。
【0027】
前記ステムラバー6の材質としては、たとえば天然ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコンゴムなどを用いることができる。該ステムラバー6の材質は、エアゾール組成物に対して安定であるものを優先して選択することができる。
【0028】
表1に各溶剤、噴射剤によるステムラバーの重量変化の評価(反応性)を示す。表1の溶剤または噴射剤中に試験試料を置き、3日後、1週間後、2週間後、1カ月後の重量を測定し、試験前の重量と比較した(試料数n=5)。
【0029】
【表1】
【0030】
つぎに表2にステムラバーの潤滑もしくは収縮率の評価を示す。表2の溶剤または噴射剤中に試験試料を置き、3日後、1週間後、2週間後、1カ月後の試料の厚さを5カ所測定し、その平均値を試験前の厚さと比較した(試料数n=5)。
【0031】
【表2】
【0032】
従来では、表1および表2を共に考慮する必要があったため(△や×がない組み合わせを選択)、使用する溶剤や噴射剤、ステムラバーの材質がかなり限定された。
【0033】
溶剤や噴射剤に安定もしくは比較的安定であっても、収縮性である場合は、(たとえばシリコン(ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン)
−NBRまたはIIR、灯油−NBR、流動パラフィン−NBR、多価アルコール(グリセリン、1,3−BG)
−NBRまたはIIRなど)ステムラバーの材質を変更したり、エアゾール組成物とした場合に、ステムラバーに影響しない程度の配合量にするなどの手段がとられていた。
【0034】
しかしながら、本発明により収縮性のステムラバーであっても漏洩量を抑えることが可能となったため、安定性のみ考慮すればよい。
【0035】
また、ステムラバー6の内径dは、前記ステム2の外径Dのd/D=0.7〜0.9倍、かつ前記ステムラバー6の厚さhのd/h=1〜1.8倍、好ましくは1〜1.5倍とする。前記内径dを外径Dの0.7〜0.9倍とするのは、0.7未満の場合、ステム2とステムラバー6の密着が強すぎて、作動させ難くなり、0.9をこえる場合、組成物によっては収縮により漏洩する惧れがあるからであり、前記内径dを厚さhの1〜1.8倍とするのは、1未満の場合、すなわち厚さhが内径dよりも大きくなった場合は、カバーキャップによる取り付けが困難となり、1.8をこえる場合、すなわち厚さhが内径dの0.56倍未満の場合は、収縮による漏洩への影響が大きくなるからである。本実施の形態のステムラバー6はステム2に対して特定の内径であること、内径に対して特定の厚さであること、また、内径面が円筒面であることから、ステムラバー6がエアゾール組成物に対して収縮性であっても、さらに該組成物中に粉体を含んだものであっても、バルブのシール性を保ち、漏洩量を少なくすることができる。
【0036】
つぎに本発明のエアゾール製品を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
まず表3に示されるように、内径を変えた5種類のステムラバーA、B、C、D、Eをニトリル−ブタジエンゴム(NBR)から成型により作製した。ただし、A、C、D、Eは極高NBRであり、Bは高NBRを使用している。
【0038】
【表3】
【0039】
ついで以下に示す各成分を配合してエアゾール組成物を調製した。
【0040】
噴射剤
液化石油ガス
【0041】
得られたエアゾール組成物100gをステムの外径Dが3.0mmであるエアゾールバルブを装着したエアゾール容器に充填し、エアゾール製品を得た。
【0042】
前記ステムラバーA、B、C、D、Eおよびエアゾール製品を用いてつぎの膨潤試験、自然漏洩試験および実用漏洩試験を行なった。その結果を表4〜6に示す。なお、表4中、マイナスはステムラバーが収縮することを表している。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
膨潤試験
各ステムラバーA、B、C、D、Eを前記エアゾール組成物の液相、気相中に置き、45℃と室温にて静置した。試験開始後、3日、7日、14日、30日でステムラバーA、B、C、D、Eの厚さ(図3のhを測定)を測定し、初期値との差を算出した。なお試験数は各水準5個、数値はその平均値である。
【0047】
自然漏洩試験
エアゾール組成物を充填したエアゾール製品の重量を測定し、この製品を正立、倒立の状態で45℃にて静置した。試験開始後、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月で製品の重量を測定し、試験開始からの漏洩量を算出した。なお、試験数は各水準10本、数値はその平均値である。
【0048】
実用漏洩試験(使用していくうちに、パウダーがステム孔付近で固まり、詰まらせたり、ステムとステムラバ−とのあいだに狭まり、隙間ができて漏洩することがあるため、実際の使用により、突発的な詰まりや漏洩がないかをみるための試験)
下記の手順▲1▼〜▲3▼を1回分とし、3ヵ月間試験した。
▲1▼エアゾール製品を3回噴射したのち、製品の重量を測定する。
▲2▼正立の状態で50℃にて3日間静置したのち、製品の重量を測定する。
▲3▼漏洩量を算出する。
【0049】
ここで、連通孔が形成されたステム外周が括れていないストレートシャンクバルブのステムと括れているリングドバルブのステムについて、ステムラバーA、B、C、D、Eを装着したエアゾール製品をそれぞれ10本ずつ用いて、漏洩量が1.0g以上である本数を調べた。
【0050】
表3〜表6に示した実験結果から明らかなように、本発明のステムラバーA、Bはエアゾール組成物中に粉体を含み、さらに該組成物に対して収縮系であるにもかかわらず、自然漏洩試験および実用漏洩試験において、好適な結果であった。一方、従来の製造方法で製造したステムラバーCは、A、Bとほぼ同程度の収縮率であり、しかもAと同じ形状を有しているにもかかわらず、内径面が円錐面であるため、収縮によりステムとの接触面で隙間が生じ、自然漏洩試験、実用漏洩試験において好ましくない結果となった。また、ステムラバー内径とステム外径の比が大きいD、ステムラバー内径とステムラバーの厚さの比が大きいEは、共に収縮系であり、収縮によりシール性が低下し、好ましくない結果となった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、エアゾール組成物中に粉体を含み、さらに組成物に対し収縮性を有するステムラバーであっても、組成物に対して安定な材質からなるステムラバーを選択して、漏洩の心配がないエアゾール製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアゾール製品にかかわるエアゾールバルブの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明のエアゾール製品にかかわるエアゾールバルブの他の実施の形態を示す断面図である。
【図3】図2におけるステムラバーを示す断面である。
【図4】従来のエアゾールバルブの一例を示す断面図である。
【図5】従来のエアゾールバルブの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 バルブハウジング
2 ステム
3 バルブ本体
4 バルブ
5 スプリング
6 ステムラバー
6a 内径面
7 中栓
8 カバーキャップ
9 エアゾール容器
10 アクチュエータ
11 ブッシュ
12 ディップチューブ
13 カップゴム
14 噴射通路
15 連通孔
Claims (1)
- ステムラバーと摺動するように配設されたステムを有し、
該ステムの摺動部に連通孔が形成されたエアゾールバルブと、前記ステムに嵌め込まれるアクチュエータと、粉体を含んだエアゾール組成物を収納し、前記エアゾールバルブを開口部に装着するエアゾール容器とを備えるエアゾール製品であって、
前記ステムラバーが前記エアゾール組成物に対して収縮性を有しており、該ステムラバーの内径面が円筒面にされるとともに、
該ステムラバーの内径が、前記ステムの外径の0.7〜0.9倍であり、かつ前記ステムラバーの厚さの1〜1.8倍であり、
前記ステムラバーが成形体であることを特徴とするエアゾール製品。
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