以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による地上波ディジタル放送受信用アダプタを有するディジタル放送受信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図において、11はアダプタ用UHF/VHFチューナであり、地上波放送受信用アンテナから入力されるUHF/VHF帯の電波から、選局された周波数帯を選択する。12はTMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control ,伝送多重制御)復号手段であり、受信した変調信号に付加されている,TMCC信号およびフレーム同期信号を検出し、該フレーム同期信号により該TMCCの同期を確立して復号する。したがって、選択した周波数帯の変調信号がディジタルかアナログかをこの部分で判断する。14はOFDM復調手段であり、選択した周波数帯の変調信号から、復号されたTMCC信号およびフレーム同期信号に基づいて、直交周波数分割多重(OFDM)されて構成されたOFDMフレームを復調する。15は誤り訂正手段であり、復調された信号の伝送路での誤りを訂正し、トランスポートストリーム(TS)の信号を分離する。16はフレームロック信号付加手段であり、フレームロック時およびフレーム非ロック時に応じてTS信号の同期バイト位置にフレームロック信号を付加する。17はアダプタ側IEEE1394インタフェースであり、あらかじめ定義されたコマンドに従って、TMCC信号の情報を付加したTS信号を伝送する。100は地上波ディジタル放送受信用アダプタであり、上記アダプタ用UHF/VHFチューナ11,TMCC復号手段12,OFDM復調手段14,誤り訂正手段15,フレームロック信号付加手段16,及びアダプタ側IEEE1394インタフェース17から構成される。
また、111はUHF/VHFチューナであり、上記アダプタ用UHF/VHFチューナ11と全く同様、地上波放送受信用アンテナから入力されるUHF/VHF帯の電波から、選局された周波数帯を選択する。112はVIF検波手段であり、選択した周波数帯の変調信号を復調する。113はNTSCデコーダであり、NTSC規格により符号化されているアナログ信号を復号化する。115はBSチューナ伝送路復調手段であり、BSディジタル放送の変調信号を復調して出力する。116はIEEE1394インタフェースであり、アダプタ側IEEE1394インタフェース17から伝送されるTS信号に付加されたフレームロック信号などの情報を、あらかじめ定義されたコマンドに従って解釈する。117はシステムコントローラであり、視聴者によってBSディジタル放送および地上波放送のいずれのチャンネルが選局されたかを判断し、地上波放送のチャンネルが選局されたときには、さらにIEEE1394インタフェース116からフレームロック信号の情報を受けて、選局されたチャンネルの信号がディジタルかアナログかを判断し、BSチューナ伝送路復調手段115,地上波ディジタル放送受信用アダプタ100およびNTSCデコーダ113からの出力を切り替える。118は切替回路Aであり、システムコントローラ117の指示によりBSチューナ伝送路復調手段115およびIEEE1394インタフェース116のいずれかの出力を選択して出力する。119はMPEGデコーダであり、BSディジタル放送および地上波ディジタル放送により放送されたMPEG規格により符号化されているディジタル信号を復号化する。120は切替回路Bであり、システムコントローラ117の指示によりNTSCデコーダ113およびMPEGデコーダ119のいずれかの出力を選択して出力する。200はBSディジタル放送受信装置であり、UHF/VHFチューナ111,VIF検波手段112,NTSCデコーダ113,BSチューナ伝送路復調手段115,IEEE1394インタフェース116,システムコントローラ117,切替回路A118,MPEGデコーダ119,及び切替回路B120で構成される。
ここで、上記ディジタル放送受信システムにおいて、地上波放送を選局した場合、選択したチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かに応じて、ディジタルFEおよびアナログFEからの出力を切り替えて、いずれかのFEで正しく復調および復号処理された映像等を出力しなければならない。そこで、ディジタル放送かアナログ放送かを判断するため、MPEG2規格によるTS信号の同期バイトを利用する。図2はTSのデータフォーマットを示す図であり、TSは映像や音声といった実際のデータ部188バイト,及び誤り訂正のためのデータ16バイトからなるユニットの連続からなり、188バイトのデータ部の先頭は1バイト(8ビット)分の同期バイトにあてられている。
具体的には、上記TMCC復号手段12で、OFDMのフレーム同期が確立している(ロック時)と判断すれば、選局されたチャンネルがディジタル放送であるとして、上記フレームロック信号付加手段16は、誤り訂正されて分離されたTS信号の同期バイト位置に47H(Hは16進を表し、47Hは「01000111」を示す)を付加し、該フレーム同期が確立していない(非ロック時)と判断すれば、該チャンネルがアナログ放送であるとして、該同期バイト位置にその他のデータを付加することによって、フレームロック信号を付加する(図2参照)。なお、アナログ信号の場合、TS信号の同期バイト位置にアナログ信号であることを示す47H以外のデータを付加することによって、フレームロック信号とする。そして、IEEE1394バスを介して伝送された信号について、付加されたフレームロック信号が47Hか否かによって、システムコントローラ117でディジタル放送かアナログ放送かを判断して、該判断に応じて、アナログFEおよびディジタルFEのいずれかの経路を選択して、選択した経路で適切に処理された映像等を出力する。
ところが、上記フレームロック信号が付加されているという情報を扱うコマンドは、1394Trade Association Steering Committeeによって取り決められた,IEEE1394規格のためのコマンドの仕様にはない。そこで、該情報を扱うコマンドを新たに定義する。上記アダプタ側IEEE1394インタフェース17およびIEEE1394インタフェース116では、定義されたコマンドに従って、フレームロック信号を送受信して該フレームロック信号が47Hか否かを解釈する。
また、ディジタル放送による信号の復号は、該信号に付加されているTMCC信号の内容に従って行わなければならない。ところが、上記ディジタル放送受信システムにおいて、地上波ディジタル放送による信号は、地上波ディジタル放送受信用アダプタ100のOFDM復調手段14で、該信号に付加されていたTMCC信号の内容を識別して、該信号の主信号について復調し、誤り訂正された後、該TMCC信号の情報を付加したTSをIEEE1394バスを介して、BSディジタル放送受信装置200側に伝送し、該BSディジタル放送受信装置200におけるMPEGデコーダ119で復号する。しかしながら、上記TMCC信号の情報を扱うコマンドは、IEEE1394規格のためのコマンドの仕様にはない。そこで、TMCC信号の情報を扱うコマンドも新たに定義する必要がある。
ここで、TMCC信号の情報符号化および伝送方式は、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses;電波産業会)規格において規定され、TMCC情報としては、システム識別,伝送パラメータ切替指標,緊急警報放送用起動フラグなどを伝送する。上記の場合、TMCC情報のうちの伝送パラメータ切替指標の情報を扱うコマンドが必要であるが、該緊急警報放送用起動フラグの情報も放送受信装置には欠かせない情報であるため、これを扱うコマンドについても同様に定義するものとする。
これらのコマンドは、1394Trade Association Steering Committeeによって取り決められた,IEEE1394規格のためのチューナコマンドの仕様に準じて定義するものとし、アダプタ側IEEE1394インタフェース17およびIEEE1394インタフェース116で扱えるようにする。
例えば、1394Trade Association Steering Committeeによって取り決められたAV/C Tuner Broadcast System Specification −DVB,Rev.1.0のDVB Tuner
Status Descriptorを拡張する。図3はDVB Tuner Status Descriptorを示す図であり、msbおよびlsbはそれぞれ最上位ビットおよび最下位ビットを示し、各アドレスごとに8ビットの大きさを持っている。また、アドレスの00Hから08Hは既に規定されているが、09H以降は未定義で拡張の余地がある。具体的には、manufacturer_dependent _infoを記述するアドレスオフセット09を使用して、伝送パラメータ切替指標,緊急警報放送用起動フラグ,及びフレームロック状態の記述子を入れる。伝送パラメータ切替指標および緊急警報放送用起動フラグについては、それぞれARIB規格による4ビットおよび1ビットの値を利用する。また、フレームロック状態は、フレームロック時を0で、フレーム非ロック時を1で示す。なお、該フレームロック状態の情報は、上記フレームロック信号の代替として利用するものであり、上記フレームロック信号が付加されるときは、該フレームロック状態については記述しない。
このように、アダプタ側IEEE1394インタフェース17で拡張した上記ディスクリプタを、IEEE1394インタフェース116で参照してコマンド(Tuner Status Command)を発行する。すなわち、1394コマンドでフレームロック状態を伝達する場合、まず、受信装置200側のIEEE1394インタフェース116がアダプタ側IEEE1394インタフェース17に、状態についての問い合わせを行い、アダプタ側IEEE1394インタフェース17が上記拡張されたディスクリプタを用い、受信装置側にフレームロック状態について通知する。
次に、本発明の実施の形態1におけるディジタル放送受信システムの動作について、図1および図2により説明する。
まず、外部よりユーザによってリモコンなどを用いて、地上波放送のチャンネルが選択され、選択されたチャンネルの情報がアダプタ用UHF/VHFチューナ11,UHF/VHFチューナ111,及びシステムコントローラ117に入力される(S1)。
次いで、システムコントローラ117は、リモコンなどからの情報に基づいて、地上波放送のチャンネルが選択されたことを把握して、切替回路A118に、IEEE1394インタフェース116からの出力に切り替えて出力する指示を出す(S2)。
次いで、切替回路A118は、システムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116およびBSチューナ伝送路復調手段115の出力のうち、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択しておく(S3)。
同時に、アダプタ用UHF/VHFチューナ11,及びUHF/VHFチューナ111は、地上波放送受信用アンテナから入力されるUHF/VHF帯の電波から、選局されたチャンネルの周波数帯を選択して出力する(S4)。
次いで、ディジタルFEでは、地上波ディジタル放送による映像および音声を復調および復号するための動作を行う。
すなわち、地上波ディジタル放送受信用アダプタ100において、TMCC復号手段12は、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの変調信号に付加されている,TMCC信号およびフレーム同期信号を検出して、該フレーム同期信号に基づいて該TMCC信号を復号する。検出したフレーム同期信号および復号したTMCC信号をOFDM復調手段14に出力して、フレームが確立するか否かを判断するとともに、復号したTMCC信号をフレームロック信号付加手段16およびアダプタ側IEEE1394インタフェース17に出力する(S5)。
次いで、OFDM復調手段14では、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの変調信号の主信号について、TMCC復号手段12からの復号されたTMCC信号およびフレーム同期信号に基づいて、OFDMフレームを復調して出力する(S6)。
次いで、誤り訂正手段15は、復調された信号について伝送路での誤りを訂正し、TS信号を分離して出力する(S7)。
次いで、フレームロック信号付加手段16は、TMCC復号手段12からの判断結果に応じて、誤り訂正手段15からのTS信号の同期バイト位置に、フレームロック信号を付加する。具体的には、TMCC復号手段12での判断結果が、OFDMのフレーム同期が確立している(ロック時)という判断であれば、TS信号はディジタル信号であるとして、該TS信号の同期バイト位置に47Hを付加する。確立していない(非ロック時)という判断であれば、アナログ信号であるとして、該アナログ信号のTS信号の同期バイト位置に、その他のデータ(例えば空データであることを示すもの)を付加する(S8)。
次いで、アダプタ側IEEE1394インタフェース17は、あらかじめ定義されたコマンドに従って、TMCC復号手段12からのARIB規格によるTMCC信号の伝送パラメータ切替指標の情報を、IEEE1394規格に準じた情報にして、誤り訂正手段15からのフレームロック信号が付加されたTS信号に多重して伝送する(S9)。
次いで、BSディジタル放送受信装置200のIEEE1394インタフェース116では、上記定義されたコマンドに従って、アダプタ側IEEE1394インタフェース17から伝送されるTS信号に多重された伝送パラメータ切替指標の情報や、付加されたフレームロック信号の内容を解釈する。該フレームロック信号の情報をシステムコントローラ117に出力するとともに、該TS信号を切替回路A118に出力する(S10)。
次いで、システムコントローラ117は、IEEE1394インタフェース116からの情報(すなわち、フレームロック信号が立っているか否かという情報)に基づいて、選択したチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを判断する(S11)。ディジタル放送であれば、切替回路Bに、MPEGデコーダ119からの出力を出力するよう指示し、アナログ放送であれば、NTSCデコーダ113からの出力を出力するよう指示する。
同時に、切替回路A118は、既にシステムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択しているので、該出力を出力する(S12)。
次いで、MPEGデコーダ119は、切替回路A118からの出力信号を、伝送パラメータ切替指標の情報に基づいて復号して出力する。なお、アナログ放送の場合、正しい復号は行われない(S13)。
これらのディジタルFEでの動作の間、アナログFEにおいて、VIF検波手段112で、UHF/VHFチューナ111からの変調信号を復調し、復調された信号を、NTSCデコーダ113で復号化して切替回路Bに出力する(S14)。このとき、ディジタル放送であれば、当然正しい復調および復号は行われない。
次いで、切替回路B120は、システムコントローラ117からの指示に従って、NTSCデコーダ113およびMPEGデコーダ119の出力のうちのいずれかを選択して出力する。すなわち、ディジタル放送であれば、MPEGデコーダ119からの出力を選択し、アナログ放送であれば、NTSCデコーダ113からの出力を選択して出力する(S15)。
したがって、BSディジタル放送受信装置200では、選択された地上波放送のチャンネルがディジタル放送およびアナログ放送の場合、それぞれディジタル放送および地上波ディジタル放送の映像および音声が出力される。
なお、上記S8〜S10では、フレームロック時かフレーム非ロック時かを示す情報として、フレームロック信号を用いたが、上述のDVB Tuner Status Descriptorに記述するフレームロック状態の記述子を用いてもよい。
その場合、上記S8において、フレームロック信号付加手段16は、TMCC復号手段12からの判断結果に応じて誤り訂正手段15からのTS信号の同期バイト位置にフレームロック信号を付加することなく、該TS信号を出力する。次いで、アダプタ側IEEE1394インタフェース17は、あらかじめ定義されたコマンドに従って、TMCC復号手段12からのARIB規格によるTMCC信号の伝送パラメータ切替指標の情報を、IEEE1394規格に準じた情報にするとともに、該TMCC復号手段12からの判断結果に応じて、フレームロック状態のビットをたてて、誤り訂正手段15からのTS信号に多重して伝送する。次いで、BSディジタル放送受信装置200のIEEE1394インタフェース116では、上記定義されたコマンドに従って、アダプタ側IEEE1394インタフェース17から伝送されるTS信号に多重された伝送パラメータ切替指標の情報や、フレームロック状態の内容を解釈する。該フレームロック状態の情報をシステムコントローラ117に出力するとともに、該TS信号を切替回路A118に出力する。
次に、地上波ディジタル放送において、TMCC信号の緊急警報放送用起動フラグがたてられ、これを受信する場合の該ディジタル放送受信システムの動作について簡単に説明する。
まず、緊急警報放送が開始され、そのチャンネルを視聴者が選局していると、アダプタ用UHF/VHFチューナ11は、地上波放送受信用アンテナから入力されるUHF/VHF帯の電波から、選局されているディジタル放送のチャンネルの周波数帯を出力する(S31)。
次いで、TMCC復号手段12は、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの変調信号に付加されている,TMCC信号およびフレーム同期信号を検出して、該フレーム同期信号に基づいて該TMCC信号を復号する。検出したフレーム同期信号および復号したTMCC信号をOFDM復調手段14に出力するとともに、復号したTMCC信号をアダプタ側IEEE1394インタフェース17に出力する(S32)。
次いで、OFDM復調手段14では、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの変調信号の主信号について、TMCC復号手段12からの復号されたTMCC信号およびフレーム同期信号に基づいて、OFDMフレームを復調して出力する(S33)。
次いで、誤り訂正手段15は、復調された信号について伝送路での誤りを訂正し、TS信号を分離して出力する(S34)。
次いで、フレームロック信号付加手段16では、フレームロック信号を付加することなく、誤り訂正手段15からのTS信号を出力する(S35)。
次いで、アダプタ側IEEE1394インタフェース17は、あらかじめ定義されたコマンドに従って、TMCC復号手段12からのARIB規格によるTMCC信号の緊急警報放送起動フラグの情報を、IEEE1394規格に準じた情報にして、誤り訂正手段15からのTS信号に多重して伝送する(S36)。
次いで、BSディジタル放送受信装置200のIEEE1394インタフェース116では、上記定義されたコマンドに従って、アダプタ側IEEE1394インタフェース17から伝送されるTS信号に多重された緊急警報放送起動フラグの情報を解釈する。該緊急警報起動フラグの情報をシステムコントローラ117に出力するとともに、該TS信号を切替回路A118に出力する(S37)。
次いで、システムコントローラ117は、IEEE1394インタフェース116からの情報に基づいて、切替回路Aに、IEEE1394インタフェース116からの出力を出力するよう指示し、切替回路Bには、MPEGデコーダ119からの出力を出力するよう指示する(S38)。
同時に、切替回路A118は、システムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択し、該出力を出力する(S39)。
次いで、MPEGデコーダ119は、切替回路A118からの出力信号を復号して出力する(S40)。
次いで、切替回路B120は、システムコントローラ117からの指示に従って、MPEGデコーダ119からの出力を選択して出力する(S41)。
したがって、BSディジタル放送受信装置200では、TMCC信号の緊急警報放送用起動フラグがたてられた地上波ディジタル放送を受信した場合、緊急警報放送の映像等を出力することができる。
ちなみに、外部よりユーザによってリモコンなどを用いて、BSディジタル放送が選択された場合、その選択内容がBSチューナ伝送路復調手段115,及びシステムコントローラ117に入力される(S51)。
次いで、システムコントローラ117は、リモコンなどからの選択内容に基づいて、BSディジタル放送が選択されたことを把握して、切替回路A118に、BSチューナ伝送路復調手段115からの出力に切り替えて出力する指示を出すとともに、切替回路B120にも、MPEGデコーダ119からの出力に切り替えて出力する指示を出す(S52)。
次いで、切替回路A118は、システムコントローラ117からの指示に従って、BSチューナ伝送路復調手段115からの出力を選択しておく。同様にして、切替回路B120も、MPEGデコーダ119からの出力を選択しておく(S53)。
同時に、BSチューナ伝送路復調手段115は、BS−IFから入力される衛星の電波から、ディジタル信号を復調して出力する(S54)。
次いで、切替回路A118は、既にシステムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択しているので、該出力を出力する(S55)。
次いで、MPEGデコーダ119は、切替回路A118からの出力信号を復号して出力する(S56)。
次いで、切替回路B120は、既にシステムコントローラ117からの指示に従って、MPEGデコーダ119からの出力を選択しているので、該出力を出力する(S57)。
したがって、BSディジタル放送受信装置200では、BSディジタル放送の映像および音声が出力される。
このように、本発明の実施の形態1によるディジタル放送受信システムは、外部入力により地上波放送が選局されたとき、選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを検出し、その検出結果に基づいて、選択手段(システムコントローラ)で地上波アナログ放送および地上波ディジタル放送をそれぞれ復調および復号する経路のうち、いずれかの経路を選択するものとしたから、地上波放送において、アナログ放送のチャンネルとディジタル放送のチャンネルが混在する状態でも、アナログFEおよびディジタルFEのいずれかの経路で適切に処理した映像および音声を出力することが可能である。
また、該ディジタル放送受信システムは、BSディジタル放送および地上波アナログ放送を復調および復号する受信装置と、地上波ディジタル放送を復調して該受信装置に出力するアダプタとで構成し、該受信装置においてBSディジタル放送を復号するデコーダは、該アダプタで復調した信号を復号するデコーダを兼ねるものとし、上記選択手段(システムコントローラ)は、該受信装置で復調されたBSディジタル放送の信号,及び該アダプタで復調された地上波ディジタル放送の信号を選択して上記デコーダに出力するものとしたから、該ディジタル放送受信システム内の1つのMPEGデコーダで、BSディジタル放送および地上波ディジタル放送のいずれかの映像および音声を復号することができる。
また、ディジタル放送かアナログ放送かの検出は、地上波ディジタル放送の復調におけるフレームのロック状態を判断することによって行い、上記選択手段で、フレームロック時は地上波ディジタル放送の経路を選択し、フレーム非ロック時には地上波アナログ放送の経路を選択するものとしたから、該ディジタル放送受信システム内に特別な回路を設けることなく、簡便に選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを検出することができる。
また、上記アダプタにおいて、地上波ディジタル放送の復調におけるフレームのロック状態を判断することによって、ディジタル放送かアナログ放送かを検出し、上記選択手段で、フレームロック時は地上波ディジタル放送の経路を選択し、フレーム非ロック時には地上波アナログ放送の経路を選択するものとしたから、該アダプタ内に特別な回路を設けることなく、簡便に選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを検出することができる。
また、上記受信装置および上記アダプタは、IEEE1394規格による伝送手段によって接続し、該伝送手段は、トランスポートストリームに多重される,伝送パラメータ切替指標または緊急警報放送用起動フラグなどの情報の伝送のために、あらたに定義されたコマンドを備え、該コマンドに従って、トランスポートストリーム,及び該トランスポートストリームに多重した情報を伝送するものとしたから、該アダプタで復調された地上波ディジタル放送のTS信号を、該受信装置において復号し、緊急警報放送を含む地上波ディジタル放送の映像および音声を出力することができる。
また、上記受信装置および上記アダプタは、IEEE1394規格による伝送手段によって接続し、該伝送手段は、トランスポートストリームに多重される,フレームがロックされたか否かに応じて付加するフレームロック信号などのフレームロック状態を示す情報の伝送のために、あらたに定義されたコマンドを備え、該コマンドに従って、トランスポートストリーム,及び該トランスポートストリームに多重した情報を伝送するものとしたから、該アダプタで復調され、フレームロック信号などのフレームロック状態を示す情報が多重されたTS信号について、該受信装置において、そのフレームロック信号などの情報の内容を解釈して、選局された地上波放送のチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを判断し、該アダプタで復調されて該受信装置で復号されたディジタル放送,並びに該受信装置で復調および復号されたアナログ放送のいずれかの映像および音声を出力することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2による地上波ディジタル放送受信用アダプタを有するディジタル放送受信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図において、図1と同一符号は同一または相当部分である。ただし、図1における手段と異なり、TMCC復号手段12は、選択した周波数帯の変調信号がディジタルかアナログかを判断せず、システムコントローラ117は、IEEE1394インタフェース116からではなく、ディジタルアナログ検出手段から選択された地上波放送のチャンネルの信号がディジタルかアナログかの情報を取得する。また、114はディジタルアナログ検出手段であり、選択された周波数帯の変調信号について、特定の周波数の信号レベルによって該変調信号がディジタルかアナログかを検出する。
図5は図4のディジタルアナログ検出手段における検出原理を説明するための図である。
図において、搬送波で伝送された変調信号の信号レベルを示し、該変調信号がアナログ信号の場合を(a)に示し、ディジタル信号の場合を(b)に示している。アナログ信号の場合、映像信号および音声信号はそれぞれ映像搬送波および音声搬送波を周波数変調して異なる周波数で搬送されるので、例えば第3チャンネルの場合には、映像信号と音声信号の谷間が107.75MHzにできる。これに反し、ディジタル信号の場合、映像および音声のディジタル信号として搬送されるので、信号の谷間ができることはない。したがって、上記谷間に映像信号と音声信号とが若干混信する可能性を考慮しても、地上波放送により伝送された変調信号の107.75MHzの信号レベルが、図に示したDレベル以上あればディジタル信号であり、該Dレベル未満であればアナログ信号と判断できる。
そこで、上記ディジタルアナログ検出手段114では、地上波放送により伝送された変調信号について、チャンネルごとに特定の周波数成分の信号レベルを検出して、一定レベル以上か否かによって、該変調信号がディジタルかアナログかを判断する。
また、本実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様にして、TMCC信号の情報を扱うコマンドを定義するものとする。
次に、本発明の実施の形態2におけるディジタル放送受信システムの動作について、図3および図4により説明する。
まず、上記実施の形態1のS1〜S4と全く同様にして、外部よりユーザによってリモコンなどを用いて、地上波放送のチャンネルが選択され、アダプタ用UHF/VHFチューナ11,UHF/VHFチューナ111,システムコントローラ117,及び切替回路Aにおいて動作して、切替回路A118は、システムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択しておき、アダプタ用UHF/VHFチューナ11,及びUHF/VHFチューナ111は、地上波放送受信用アンテナから入力されるUHF/VHF帯の電波から、選局されたチャンネルの周波数帯を選択して出力する(S101)。
次いで、BSディジタル放送受信装置200において、ディジタルアナログ検出手段114は、UHF/VHFチューナ111で選択された周波数帯における特定の周波数の信号レベルを検出する。該信号レベルが、あらかじめ設定されたレベル以上であれば、選択されたチャンネルがディジタル放送であると判断し、該レベル未満であればアナログ放送であると判断して、判断結果をシステムコントローラに出力する(S102)。
次いで、システムコントローラ117は、ディジタルアナログ検出手段114からの判断結果を受けて、該判断結果に応じて、切替回路B120に、NTSCデコーダ113およびMPEGデコーダの出力のうちのいずれかに切り替えて出力する指示を出す。ディジタル放送であれば、切替回路Bに、MPEGデコーダ119からの出力を出力するよう指示し、アナログ放送であれば、NTSCデコーダ113からの出力を出力するよう指示する(S103)。
一方、アナログFEにおいて、VIF検波手段112で、UHF/VHFチューナ111からの変調信号を復調し、復調された信号を、NTSCデコーダ113で復号化して切替回路Bに出力する。このとき、ディジタル放送であれば、当然正しい復調および復号は行われない(S104)。
もう一方では、地上波ディジタル放送受信用アダプタ100を含むディジタルFEでは、地上波ディジタル放送による映像および音声を復調および復号するための動作を行う。
すなわち、TMCC復号手段12は、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの変調信号に付加されているTMCC信号を復号して、OFDM復調手段14およびアダプタ側IEEE1394インタフェース17に出力する(S105)。
次いで、OFDM復調手段14では、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの変調信号の主信号について、TMCC復号手段12で復号されたTMCC信号に基づいて、OFDMフレームを復調して出力する(S106)。
次いで、誤り訂正手段15は、復調された信号について伝送路での誤りを訂正し、TS信号を分離して出力する(S107)。
次いで、アダプタ側IEEE1394インタフェース17は、あらかじめ定義されたコマンドに従って、TMCC復号手段12からのARIB規格によるTMCC信号の伝送パラメータ切替指標の情報を、IEEE1394規格に準じた情報にして、誤り訂正手段15からのTS信号に多重して伝送する(S108)。
次いで、BSディジタル放送受信装置200のIEEE1394インタフェース116では、上記定義されたコマンドに従って、アダプタ側IEEE1394インタフェース17から伝送されるTS信号に多重された伝送パラメータ切替指標の情報を解釈して、該TS信号を切替回路A118に出力する(S109)。
次いで、切替回路A118は、既にシステムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択しているので、該出力を出力する(S110)。
次いで、MPEGデコーダ119は、切替回路A118からの出力信号を、伝送パラメータ切替指標に基づいて復号して出力する(S111)。なお、アナログ放送の場合、正しい復号は行われない。
次いで、切替回路B120は、システムコントローラ117からの指示に従って、NTSCデコーダ113およびMPEGデコーダ119の出力のうちのいずれかを選択して出力する(S112)。すなわち、ディジタル放送であれば、MPEGデコーダ119からの出力を選択し、アナログ放送であれば、NTSCデコーダ113からの出力を選択して出力する。
したがって、BSディジタル放送受信装置200では、選択された地上波放送のチャンネルがディジタル放送およびアナログ放送の場合、それぞれディジタル放送および地上波ディジタル放送の映像および音声が出力される。
なお、TMCC信号の緊急警報放送用起動フラグがたてられた地上波ディジタル放送を受信した場合については、上記実施の形態1のS31〜S41と同様の動作を行うことにより、BSディジタル放送受信装置200では、緊急警報放送の映像等を出力することができる。
また、外部よりユーザによってリモコンなどを用いて、BSディジタル放送が選択された場合については、上記実施の形態1のS51〜S57と全く同様の動作を行うことにより、BSディジタル放送受信装置200では、BSディジタル放送の映像および音声が出力される。
このように、本発明の実施の形態2によるディジタル放送受信システムは、外部入力により地上波放送が選局されたとき、選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを検出し、その検出結果に基づいて、選択手段(システムコントローラ)で地上波アナログ放送および地上波ディジタル放送をそれぞれ復調および復号する経路のうち、いずれかの経路を選択するものとしたから、地上波放送において、アナログ放送のチャンネルとディジタル放送のチャンネルが混在する状態でも、アナログFEおよびディジタルFEのいずれかの経路で適切に処理した映像および音声を出力することが可能である。
また、該ディジタル放送受信システムは、BSディジタル放送および地上波アナログ放送を復調および復号する受信装置と、地上波ディジタル放送を復調して該受信装置に出力するアダプタとで構成し、該受信装置においてBSディジタル放送を復号するデコーダは、該アダプタで復調した信号を復号するデコーダを兼ねるものとし、上記選択手段(システムコントローラ)は、該受信装置で復調されたBSディジタル放送の信号,及び該アダプタで復調された地上波ディジタル放送の信号を選択して上記デコーダに出力するものとしたから、該ディジタル放送受信システム内の1つのMPEGデコーダで、BSディジタル放送および地上波ディジタル放送のいずれかの映像および音声を復号することができる。
また、ディジタル放送かアナログ放送かの検出は、外部入力により選局されたチャンネル内の特定の周波数成分の信号レベルを検出することによって行い、上記選択手段で、検出された信号レベルが、所定レベル以上のとき、地上波ディジタル放送の経路を選択し、所定レベル未満のとき、地上波アナログ放送の経路を選択するものとしたから、特定の周波数成分の信号レベルの検出には、時間を要せず、選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを素早く判断して、適切な経路で復調および復号された映像および音声を出力することができる。
また、上記受信装置および上記アダプタは、IEEE1394規格による伝送手段によって接続し、該伝送手段は、トランスポートストリームに多重される,伝送パラメータ切替指標または緊急警報放送用起動フラグなどの情報の伝送のために、あらたに定義されたコマンドを備え、該コマンドに従って、トランスポートストリーム,及び該トランスポートストリームに多重した情報を伝送するものとしたから、該アダプタで復調された地上波ディジタル放送のTS信号を、該受信装置において復号し、緊急警報放送を含む地上波ディジタル放送の映像および音声を出力することができる。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3による地上波ディジタル放送受信用アダプタを有するディジタル放送受信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図において、図1および図4と同一符号は同一または相当部分である。ただし、システムコントローラ117は、図1および図4における動作に加え、地上波ディジタル放送受信用アダプタ100からIEEE1394バスで伝送される電界強度信号に従って、ディジタルアナログ検出手段114を作動させる。
また、18は電界強度検出手段であり、選択されたチャンネルの電界強度を検出する。したがって、IEEE1394インタフェース17は、電界強度検出手段18で検出された電界強度の情報を、電界強度信号として伝送する。なお、電界強度信号を伝送するコマンドは、IEEE1394規格のためのコマンドの仕様で定義されている。
したがって、本実施の形態3によるディジタル放送受信システムは、上記実施の形態1および2によるディジタル放送受信システムの構成を併せ持つものである。すなわち、地上波放送により伝送された変調信号がディジタル信号かアナログ信号かを判断する構成として、フレーム同期が確立したか否かによって判断するための構成,及び該変調信号の特定の周波数成分の信号レベルを検出して判断するための構成を備えたものである。また、上記電界強度検出手段18を備えて、選択されたチャンネルの電界強度に応じて、通常電界時には、フレーム同期が確立したか否かにより判断し、該電界強度が一定レベルを下回った弱電界時には、特定の周波数成分の信号レベルを検出して判断するものとする。すなわち、降雨などにより受信状態が不良で弱電界となったとき、地上波放送においてディジタル信号が伝送されていても、ディジタル信号のフレーム同期が確立しなくなり、アナログ信号と判断される可能性があるからである。
図7は、図6に示したディジタル放送受信システムにおける動作を説明するためのフローチャート図である。
次に、本発明の実施の形態3におけるディジタル放送受信システムの動作について、図6および図7により説明する。
まず、上記実施の形態1のS1〜S4および上記実施の形態2のS101と全く同様にして、外部よりユーザによってリモコンなどを用いて、地上波放送のチャンネルが選択され、アダプタ用UHF/VHFチューナ11,UHF/VHFチューナ111,システムコントローラ117,及び切替回路Aにおいて動作して、切替回路A118は、システムコントローラ117からの指示に従って、IEEE1394インタフェース116からの出力を選択しておき、アダプタ用UHF/VHFチューナ11,及びUHF/VHFチューナ111は、地上波放送受信用アンテナから入力されるUHF/VHF帯の電波から、選局されたチャンネルの周波数帯を選択して出力する(S201)。
次いで、電界強度検出手段18は、アダプタ用UHF/VHFチューナ11からの信号を受けて、選択されたチャンネルの電界強度を検出して出力する。
次いで、アダプタ側IEEE1394インタフェース17は、電界強度検出手段18で検出された電界強度を、IEEE1394規格のためのコマンドの仕様で定義されているコマンドに従って、電界強度信号として伝送する。
次いで、BSディジタル放送受信装置200のIEEE1394インタフェース116は、アダプタ側IEEE1394インタフェース17から伝送される電界強度信号を、上記コマンドに従って解釈し、システムコントローラ117に出力する。
次いで、システムコントローラ117は、電界強度の情報を取得して、該電界強度が一定レベルを下回っていれば、ディジタルアナログ検出手段114に信号レベルの検出を指示する。一方、該電界強度が一定レベル以上であれば、ディジタルアナログ検出手段114への指示は出さない(S202)。
したがって、以降、電界強度に応じて異なる動作となる。
すなわち、電界強度が一定レベル以上の場合、上記実施の形態1におけるS5〜S15と同様に動作して、BSディジタル放送受信装置200では、選択された地上波放送のチャンネルがディジタル放送およびアナログ放送の場合、それぞれディジタル放送および地上波ディジタル放送の映像および音声が出力される(S203,S205,及びS206)。
一方、電界強度が一定レベルを下回っている場合には、上記実施の形態2におけるS102〜S112と同様に動作して、BSディジタル放送受信装置200では、選択された地上波放送のチャンネルがディジタル放送およびアナログ放送の場合、それぞれディジタル放送および地上波ディジタル放送の映像および音声が出力される(S204,S205,及びS206)。
ここで、電界強度が一定レベルを下回っている場合、弱電界時であるため、ディジタル信号が伝送されていても、信号レベルが低く、上記ディジタルアナログ検出手段114において、アナログ放送であると判断される可能性がある。
したがって、上記ディジタルアナログ検出手段114で判断基準とする特定周波数の信号レベル(Dレベル)を低く設定することが好ましい。なお、電界強度がかなり低く、ディジタル信号の信号レベルが低すぎて、アナログ放送であると判断され、アナログ放送であるとの判断をシステムコントローラ117で受けて、切替回路Bの出力をNTSCデコーダ113からの出力に切り替えれば、当然アナログ放送の映像等は出力されないが、たとえ切替回路Bの出力をMPEGデコーダ119からの出力に切り替えていたとしても、ディジタル復調そのものができていないので、いずれにしても映像等は出力されない。すなわち、ディジタル放送をアナログ放送と判断したことによる不利益はない。
なお、TMCC信号の緊急警報放送用起動フラグがたてられた地上波ディジタル放送を受信した場合については、上記実施の形態1のS31〜S41と全く同様の動作を行うことにより、BSディジタル放送受信装置200では、緊急警報放送の映像等を出力することができる。
また、外部よりユーザによってリモコンなどを用いて、BSディジタル放送が選択された場合については、上記実施の形態1のS51〜S57と全く同様の動作を行うことにより、BSディジタル放送受信装置200では、BSディジタル放送の映像および音声が出力される。
このように、本発明の実施の形態3によるディジタル放送受信システムは、外部入力により地上波放送が選局されたとき、選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを検出し、その検出結果に基づいて、選択手段(システムコントローラ)で地上波アナログ放送および地上波ディジタル放送をそれぞれ復調および復号する経路のうち、いずれかの経路を選択するものとしたから、地上波放送において、アナログ放送のチャンネルとディジタル放送のチャンネルが混在する状態でも、アナログFEおよびディジタルFEのいずれかの経路で適切に処理した映像および音声を出力することが可能である。
また、該ディジタル放送受信システムは、BSディジタル放送および地上波アナログ放送を復調および復号する受信装置と、地上波ディジタル放送を復調して該受信装置に出力するアダプタとで構成し、該受信装置においてBSディジタル放送を復号するデコーダは、該アダプタで復調した信号を復号するデコーダを兼ねるものとし、上記選択手段(システムコントローラ)は、該受信装置で復調されたBSディジタル放送の信号,及び該アダプタで復調された地上波ディジタル放送の信号を選択して上記デコーダに出力するものとしたから、該ディジタル放送受信システム内の1つのMPEGデコーダで、BSディジタル放送および地上波ディジタル放送のいずれかの映像および音声を復号することができる。
また、地上波ディジタル放送の復調におけるフレームのロック状態を判断する検出手段と、選局されたチャンネル内の特定の周波数成分の信号レベルを検出する第2の検出手段とを備え、電界強度検出手段で、外部入力により選局されたチャンネルの電界強度を検出し、上記選択手段は、検出された電界強度が、所定レベル以上のとき、上記検出手段を選択し、所定レベル未満のとき、上記第2の検出手段を選択し、フレームロック時は地上波ディジタル放送の経路を、非ロック時には地上波アナログ放送の経路を選択し、第2の検出手段において検出された信号レベルが、所定レベル以上のとき、地上波ディジタル放送の経路を、所定レベル未満のとき、地上波アナログ放送の経路を選択するものとしたから、選局したチャンネルの電界強度に応じて、適切な検出手段を選択して、選局されたチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを確実に検出することができる。
また、上記受信装置および上記アダプタは、IEEE1394規格による伝送手段によって接続し、上記電界強度検出手段を上記アダプタ内に備え、該伝送手段は、トランスポートストリームに多重される,電界強度レベルを示す電界強度信号などの伝送のために、あらたに定義されたコマンドを備え、該コマンドに従って、トランスポートストリーム,及び該トランスポートストリームに多重した情報を伝送するものとしたから、該アダプタで検出されてTS信号に付加された電界強度信号について、該受信装置において、その電界強度信号の内容を解釈して電界強度を把握し、選局された地上波放送のチャンネルがディジタル放送かアナログ放送かを判断し、該アダプタで復調されて該受信装置で復号されたディジタル放送,並びに該受信装置で復調および復号されたアナログ放送のいずれかの映像および音声を出力することができる。
なお、上記実施の形態3においては、電界強度検出手段により検出した,選択されたチャンネルの電界強度に応じて、ディジタル放送かアナログ放送かを判断するための2通りの手段を使い分けるものとしたが、電界強度を検出することなく、これらの手段を使い分ける場合について示しておく。
すなわち、上記実施の形態3のS201と同様に動作して、アダプタ用UHF/VHFチューナ11,及びUHF/VHFチューナ111は、選択されたチャンネルの周波数帯を選択して出力する。
次いで、電界強度を検出することなく、通常電界時のS203と同様に動作して、フレーム同期が確立したか否かを判断し、ロック時はディジタル放送であると判断して、S206と同様に動作して、地上波ディジタル放送の映像および音声が出力される。一方、非ロック時には、ディジタル放送であっても、弱電界のためフレーム同期が確立しない場合があるので、システムコントローラ117でフレーム同期が確立しない場合と判断して、S204と同様にして、ディジタルアナログ検出手段114に特定の周波数成分の信号レベルを検出させて、ディジタル放送かアナログ放送かを再確認させ、S205あるいはS206と同様に動作して、地上波ディジタル放送あるいは地上波アナログ放送の映像および音声が出力される。
また、上記実施の形態1〜3において、ディジタル放送受信システムは、BSディジタル放送および地上波アナログ放送を受信して復調および復号するBSディジタル放送受信装置に、地上波ディジタル放送を受信して復調する地上波ディジタル放送受信用アダプタを外付けする構成としたが、同様にしてディジタルCATVを受信して復調するディジタルCATV放送受信用アダプタを外付けすれば、ディジタルCATVについても同様に受信して表示することが可能である。