JP4316904B2 - Rubber coated steel cord manufacturing apparatus, cord, rubber ribbon using the cord, and tire manufacturing method using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数本の素線を撚り合わせてなる芯に未加硫ゴムを侵入させたスチールコードの製造装置並びに同コード、同コードを用いたゴムリボン及びそれらを用いたタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤなどゴム物品の補強材として使用されるスチールコード210は撚り線構造をなし、その断面は例えば図13に示すような1x3構造となっている。この構造においては、素線212が相互に密接する状態で中心に空隙部210aを残して撚り合わされている。このようなスチールコード210をタイヤ等のゴム物品の補強材として未加硫ゴム中に埋設し加圧加硫しても、前記空隙部内部にはゴムは殆ど浸透しない。このため、ゴム物品は、スチールコード210内部にコード210の長手方向全長に亘り連続した空隙210aを形成したまま製品となり、使用されていた。
【0003】
このようなゴム物品の使用時において、ゴム及びスチールコード210の一部が破断し、そこからスチールコード210の内部に水分が浸入すると、水分は空隙部210a内部を伝わってスチールコード210全長に行き渡り、この結果、スチールコード210が全長に亘って腐食する問題を生じる。この腐食、つまり錆の発生は、スチールコード210自体の劣化による強度低下を招くだけでなく、スチールコード210とゴム組成との一体性を阻害して両者を分離し、ゴム物品の耐久性の向上を妨げることとなる。
【0004】
このため、特開昭55−90692号公報に記載される発明では、図14に示すように、素線212の形付けを大きく、つまり撚りを甘くして、各素線212間に空隙210bを設け、この空隙210bを通って素線212間にゴムが侵入し易くしている。また、特開昭56−128384号公報に記載される発明では、図15に示すように、糸状のゴム製芯コア213の周りに素線212を撚り合わせ、撚り合わせ後のコード210中心に空隙が存在しないようしている。さらに、本件出願人が先に提案した特開昭2001−336076号公報に記載される発明では、一度撚ったコードを撚り戻して素線間中心にゴムを侵入させ、その後元の撚りコードに戻すようにしている。
【0005】
また、一般的に、ゴム物品補強用スチールコードの製造方法は、一例としてタイヤ製造の場合では、所望の線径まで伸線加工された素線を製造し、一旦保留・在庫する。その後、複数本の素線を撚線機で撚り合わせスチールコードを製造し、この生産品を一旦保留・在庫する。今度は、多数本のスチールコードを並べ、巻き出しカレンダー製造機によりゴム被覆し、大巻の反物(大巻反)を製造し、一旦保留・在庫する。その後、この大巻反を所望角度や幅に裁断し、裁断片を各々繋ぎ合わせて小巻反物を製造し、これも一旦保留・在庫する。そして、必要時に小巻反物をタイヤ成形機へ供給し、未加硫タイヤを生産する。このように、従来のタイヤ製造の場合では、スチールコードはタイヤの成形機へ供給される以前に、幾度の製造工程に送られ、各工程毎に保留・在庫の状況下に繰り返し置かれる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭55−90692号公報
【0007】
【特許文献2】
特開昭56−128384号公報
【0008】
【特許文献3】
特開昭2001−336076号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、特開昭55−90692号公報に記載されるコードでは、撚りが甘いためコード自体の構造が不安定であり、コードにゴムを被覆させる工程である例えばカレンダー工程では、素線が締まってコード中心空隙にゴムが入り込まなかったりする問題がある。特開昭56−128384号公報に記載されるコードでは、芯に入れる糸ゴムを前もって製造し、その糸ゴムを芯に素線を撚ることが必要で、工程上の難しさがあり、品質の安定性にも問題を残している。さらに、特開昭2001−336076号公報に記載されるコードにおいては、一度撚ったコードを撚り戻すと言う付加的な工程と撚戻し治具を必要とする。
【0010】
また、従来のタイヤの製造方法にスチールコードが供給される形態は、上述したように、保留・在庫の繰り返しであり、在庫量の増大による在庫管理上の種々の問題、たとえば、中間在庫費用や次工程への搬送費用の増大を生じ、タイヤの製造コストを下げる上での障害となっている。
【0011】
従って、本発明は、複数本の素線の撚り合わせ部分の空隙に未加硫ゴムを確実に簡単な処理により充填できかつ未加硫ゴムが素線と確実に密着して撚り合わされたスチールコードの製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、芯材を構成する複数本の素線の撚り合わせ部分の空隙に未加硫ゴムが確実に充填されているのみならず、この芯線の外周に重ねて撚り合わされる複数本の素線と芯線の外表面との間に形成される空隙にも未加硫ゴムが確実に充填されたスチールコードの製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、スチールコードを使用するゴムリボンの製造工程がその一部としてスチールコードの製造工程を包含し、スチールコードの製造とこのコードを用いるゴムリボンの製造とが一貫して行われるゴムリボンの製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、スチールコードの製造或いはこのコードの製造とこのコードを用いたゴムリボンの製造とが空気入りタイヤの製造の一貫として連続して行われ、スチールコードやゴムリボンの中間在庫を不要にできる空気入りタイヤの生産方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題及び目的は、本発明による下記のように構成される解決手段により解決され達成される。
【0016】
すなわち、請求項1に記載の発明は、チューブラ型撚線機により複数本の素線を撚り合わせてスチールコードを製造するスチールコードの製造装置であって、前記チューブラ型撚線機から送り出される複数本の素線に所定ピッチの螺旋の癖付けを行うプリフォーマと、このプリフォーマを介して送り出される素線を撚り合わせながら未加硫ゴムを押出する押出型ヘッドと、この押出型ヘッドに未加硫ゴムを加圧供給する押出機本体とをさらに設け、前記押出型ヘッドには、素線導入部において前記チューブラ型撚線機の回転バレルの回転軸線と同心上で回転自在に支持され前記複数の素線を等角度配置で通過させるように形成された撚り維持具と、前記素線導入部の反対側にあるコード送出部に配置され撚り合わされたスチールコードを前記コード送出部から送出する送出穴を有する撚り合わせダイスと、前記撚り維持具の先端と前記撚り合わせダイスとの間に配置され未加硫ゴムが圧送充填される押出室とが設けられ、前記チューブラ型撚線機の前記回転バレルの回転に伴って前記撚り維持具が前記複数の素線を介して従動回転されることにより、前記未加硫ゴムが圧送充填された押出室内で前記複数の素線が前記撚り合わせダイスの前記送出穴を基点として旋回して未加硫ゴムを巻き込みながら撚り合わされて前記複数の素線の中心部である撚り合わせ部に未加硫ゴムを充填するとともに、撚り合わされたスチールコードの外周にゴム被覆層を形成するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、チューブラ型撚線機の回転している回転バレルから送出される複数本の素線を、ゴム押出機の押出型ヘッドのコード送出部に配置された撚り合わせダイスの送出穴を基点として旋回させて撚り合わせるスチールコードの製造方法において、前記回転バレルから送出される複数本の素線を、前記押出型ヘッド内の未加硫ゴムが圧送充填された押出室内を通過させて前記撚り合わせダイスの送出穴に導入し、前記回転バレルの回転に伴って前記複数本の素線を前記撚り合わせダイスの送出穴を基点として前記押出室内で旋回させることにより、前記複数の素線の中心部である撚り合わせ部分に未加硫ゴムを巻き込みながら充填するとともに、撚り合わされたスチールコードの外周にゴム被覆層を形成するようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、チューブラ型撚線機により複数本の素線を撚り合わせるスチールコードの製造方法において、前記チューブラ型撚線機から送出される径方向内側の芯材を構成する少なくとも2本の素線の撚り合わせと同じく前記チューブラ型撚線機から送出される径方向外側の前記芯材の外周に対する複数本の素線の撚り合わせを、ゴム押出型ヘッドの未加硫ゴムが加圧充満された同じ押出室内で、撚り合わせ動作の僅かな時間差をもって前後にタイミングをずらして行い、先行する前記少なくとも2本の素線の撚り合わせ時においてこれら素線の撚り合わせ部分の空隙に未加硫ゴムを巻き込むように充填し、また後続して行われる前記芯材の外周に対する複数本の素線の撚り合わせ時においては前記芯材とこの芯材表面に撚り合わされる素線との間に未加硫ゴムを巻き込むように充填することを特徴とする。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の製造方法において、個々に自由回転可能な内円筒及び外円筒を未加硫ゴムが加圧充満された前記押出室の入口側に臨ませて同心に配置し、芯材を構成する少なくとも2本の素線を内円筒に貫通して形成した素線ガイド穴を挿通させると共に芯材の外周に撚り合わされる複数本の素線を外円筒に貫通して形成した素線ガイド穴を挿通させ、内円筒及び外円筒を挿通した全ての素線を前記押出室を横断させると共にこの押出室の出口側に内外円筒と同心に設けた送出穴を通過させ、内外円筒の径差により内円筒を挿通する少なくとも2本の素線の撚り合わせを外円筒を挿通する複数本の素線の撚り合わせに先行させることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れかに記載の製造方法により複数本のスチールコードを同時並行して製造し、これら複数本のスチールコードを間隔をあけて整列してゴムリボン製造用のゴム押出機の押出型ヘッド内の未加硫ゴムが加圧充満された雰囲気中に導入し、複数本のスチールコードが未加硫ゴム中に間隔をあけて埋設される所望の断面形状のゴムリボンを前記雰囲気の出口側に設けた押出ダイスの送出穴から押出すことを特徴とする。
【0022】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されるスチールコード又は請求項5に記載の製造方法により製造されるゴムリボンを中間在庫として貯蔵せずに空気入りタイヤの生産システムに直接導入し、この生産システムが前記スチールコード又は前記ゴムリボンを用いて空気入りタイヤのボディープライ及びベルトの少なくとも一方を製造して空気入りタイヤを生産することを特徴とする。
【0023】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に記載の発明によれば、複数本の素線が撚り合される部分の空隙に未加硫ゴムを充填できかつ未加硫ゴムを各素線に確実に密着させることができる。このため、本発明の製造装置により製造されるスチールコードにおいては、素線間の撚り合わせ部分に水蒸気や水のような錆を誘発する気体や液体が侵入せず、複数本の素線を撚り合せてなるスチールコードの耐錆性が向上され、スチールコード自体の機能における寿命を延長させることができる。
また、複数本の素線の撚り合わせ部分以外の表面にもゴム被覆が施され、このゴム被覆により、これら素線を外部から防錆することができる。これにより、本発明の製造装置により製造されるスチールコードの防錆は一層確実とされ、スチールコード自体の寿命の延長を一層助長することができる。
【0026】
上記のように構成した請求項2に記載の発明においては、チューブラ型撚線機の回転バレルの回転に伴って、撚り合わされる複数本の素線を未加硫ゴムが圧送充填された押出室内で旋回させることにより、前記素線の撚り合わせる点に素線に接着可能な未加硫ゴムを素線により巻き込んで充填するようにしたので、素線間の撚り合わせ部分に確実に未加硫ゴムを充填でき、また未加硫ゴムを素線に確実に密着させることができ、しかも操作が簡単で製品の歩留まりが小さく製造コストの削減を図ることのできるスチールコードの製造方法を提供できる。
また、請求項2に記載の発明においては、素線の撚り合わせを未加硫ゴムが加圧充満された押出室内で行うようにしたので、加圧された未加硫ゴムが素線を撚り合わせる過程においてその流動性によりかつ素線に巻き込まれながら撚り合わせ部分に侵入して充填され、しかも素線の撚り合わせ部分以外の表面にも未加硫ゴムが確実に被覆される。これにより、防錆性に優れたスチールコードを簡単な処理操作で製造することができる。
【0027】
上記のように構成した請求項3に記載の発明においては、未加硫ゴムが加圧充満された同じ押出室内で、径方向内側の芯材を構成する少なくとも2本の素線の撚り合わせを行うと共に、この撚り合わせと僅かな時間差をもって、このように撚り合わされた芯材の外周に径方向外側の複数本の素線をさらに撚り合わせするようにしたので、芯材の撚り合わせ部分に未加硫ゴムが巻き込まれて確実に充填されると共に、この芯材とこれに撚り合わされる複数本の素線との間にも未加硫ゴムが確実に充填され、さらに全ての素線の撚り合わせ部分以外の表面も未加硫ゴムにより確実に被覆され、この結果、強度が一層増強されかつ防錆性に優れて耐久性のあるスチールコードを製造することができる。
【0028】
上記のように構成した請求項4に記載の発明においては、未加硫ゴムが加圧充満された押出室内に導入する手前で、芯材を構成する少なくとも2本の素線を内円筒に貫通させると共に前記芯材の外周に撚り合わされる別の複数本の素線を内円筒と同心に配置した外円筒を貫通させるようにしたので、内円筒を貫通した素線の撚り合わせ動作と外円筒を貫通した素線の撚り合わせ動作とをこれら同心両円筒を用いて時間的に差を持たせることが可能となった。これにより、少なくとも2本の素線が撚り合わされた芯材が確実に形成されてからこの芯材の表面に複数本の素線を撚り合わすことができ、芯材の撚り合わせ部分へ未加硫ゴムを確実に充填でき、また芯材と芯材の表面に撚り合わされる素線との間の空隙にも確実に未加硫ゴムを充填でき、さらに素線の撚り合わせ部分以外の表面に未加硫ゴムが確実に被覆されたスチールコードを製造することができる。
【0029】
上記のように構成した請求項5に記載の発明においては、請求項2〜4の何れかに記載の発明により製造される複数本のスチールコードを間隔をあけて整列してゴムリボン製造用の押出機の押出型ヘッド内の未加硫ゴムが充填された雰囲気中に導入し、前記雰囲気の出口側に設けた押出ダイスの所望の断面形状の送出穴からこれら複数本のスチールコードが埋設された状態で未加硫ゴムを押し出すようにしたので、防錆性に優れたスチールコードが複数本間隔をおいて埋設されている耐久性に優れたゴムリボンを製造することができる。
上記のように構成した請求項6に記載の発明においては、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発明により製造されるスチールコード又はゴムリボンを中間在庫として貯蔵せずに直接に空気入りタイヤの生産システムに導入し、このスチールコード又はゴムリボンを材料としてタイヤを構成するボディープライおよびベルトの少なくとも一方を製造するようにしたので、スチールコードやゴムリボンを中間在庫として貯蔵する必要のない低コストのタイヤ生産方法が実現され、またスチールコードへの未加硫ゴムの充填処理の時点或いはゴムリボンの製造の時点からのグリーンタイヤの加硫処理の時点までの未加硫ゴムの経時変化が殆どない安定した品質でかつスチールコードの防錆処理が確実に施されているタイヤの生産方法が実現される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、ゴム物品補強用に使用できる本発明によるゴム被覆スチールコード及びその製造方法の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による第1の実施の形態により製造されるスチールコード10の断面図であり、このスチールコード10は、1x3構造のものとして構成される。コード10は、各辺が素線12の直径と略一致する長さの仮想正三角形の三隅に3本の素線12をそれらの素線中心が位置するように互いに外接した状態で撚り合わされ、生ゴムすなわち未加硫ゴム11により被覆される。素線12同士の外接点により区画されるコード10の中心部10aは未加硫ゴムが充填され、これにより、各素線12はコード10の中心部10aと一致する素線12同士の撚り合わせ部分を含めて実質的に全ての外表面が未加硫ゴム11により被覆されている。
【0031】
素線12は、鋼製材料からなり、線径が一例として0.25mmとされるが、その他の材質やその他の線径の素線を採用できることは言うまでもない。図1に示す図例では、コード10の外周は略三つ葉形状に形成される。コード10の外周形状は、後述する撚り合わせダイスの送出穴の断面形状により特定されるので、このダイスの送出穴の断面形状を変えることにより、略三つ葉形状以外にも、例えば、おむすび形、擬似正方形等のその他の形状とすることが可能である。また、コード10は、素線12を4本撚り合わせる1x4構造や、5本撚り合わせる1x5構造を持つ単撚りコード、或いはその他の構造、例えば、束撚りコードを採用できる。説明の便宜上、以下の説明は、コード構造として1x3構造を採用したスチールコード10を代表例にとって進めるものとする。
【0032】
図2は、本発明によるスチールコードの製造方法を実施するコード製造装置20である。このコード製造装置20は、チューブラ型撚線機21と、プリフォーマ40、ゴム押出機50及び張力付与装置60からなる。チューブラ型撚線機21は、本体22にベアリング23を介して回転支持された回転バレル24と、この回転バレル24をベルト・プーリ伝動機構25を介して回転駆動する電動機26からなる。回転バレル24は、各々がスチール素線12を巻装した3つのボビン27を長手方向に配置している。このボビン27の数は、コード構造における素線12の数と対応する。張力付与装置60により、一定の巻き取り張力が付与されることにより、回転バレル24は、3つのボビン27から送り出されるスチール製の素線12を前端面の外周縁部に120度間隔で設けた3つの素線送出穴33から送り出す。
【0033】
回転バレル24の前端面には、素線ガイド板41とプリフォーマ40が回転バレル24と一体回転するように設けられる。プリフォーマ40は、各素線12毎に所定ピッチの螺旋の癖付けをし、撚り合わせを容易にする。ゴム押出機50は、素線12を撚り合わせながらゴムを押出する押出型ヘッド51とこのヘッド51に未加硫ゴムを加圧供給する押出機本体52からなる。張力付与装置60は、巻き取りドラム61を所定速度で回転させ、押出型ヘッド51から繰り出されるゴム被覆コード10を積極的に巻き取り、プリフォーマ40及び押出型ヘッド51を通過する素線12の各々に所定の引っ張りテンションを付与する。そして、巻き取りドラム61から繰り出されるゴム被覆コード10は、同様に同時並行して製造される他の複数本のゴム被覆コードを含めて例えば4〜8本程度の数ミリメートル間隔の等ピッチ配置のコード群として集合され、後述する第3の実施の形態において詳述されるように、リボン成形用のゴム押出機へ送られる。
【0034】
図3は、図2中で2点鎖線により囲んだ部分の拡大詳細図である。回転バレル24内には、その長手方向に複数(本実施形態の場合3つ)のボビン収容室が画定され、この収容室の各々内にはクレードル28が回転バレル24の回転軸線上で前後一対の軸受部材29により揺動可能に両端支持されている。クレードル28上には、軸受棒30が前記軸受部材29の直径方向に伸びるように立設され、素線12を巻装したボビン27が軸受棒30によりこの軸受棒30の周りに回転支持されている。各ボビン27から繰り出される素線12は、ボビン27と平行に回転支持されたガイドローラ31上を走行して前側の軸受部材29の貫通穴を通過し、2つ或いはそれ以上の方向変更ガイドローラ32に沿って回転バレル24の軸心から半径方向外方に導かれ、そこから回転バレル24の長手方向に案内され、回転バレル24の前端面に開口する送出口33から外部へ送出される。
【0035】
回転バレル24の前端面中心からは支持棹42が突出され、この支持棹42に素線ガイド板41及びプリフォーマ40が設けられている。ガイド板41は、送出口33に対応する角度位置でガイド穴が開口され、3本の素線12をそれぞれ挿通させてガイドしている。プリフォーマ40は、各組が半径方向に突出する3本の癖付けピン45からなる3組の螺旋癖付け手段により構成される。各組の癖付けピン45の前後2本は対応する送出穴33と同一角度位相に配置され、これに対し真ん中の1本は前後2本に対し位相を異ならせて配置されている。これにより、各素線12は、対応する組の3本の癖付けピン45に沿って走行されるときV字状に屈曲され、癖付けピン45を通過した後、図4に示すように螺旋状の塑性変形性状が所定ピッチで周期的に繰り返し現れる。
【0036】
プリフォーマ40を通過した3本の素線12は、回転バレル24の回転軸線に向かって集合しながらゴム押出機50の押出型ヘッド51内へ導入される。押出型ヘッド51は、押出型本体53と、素線導入部において回転バレル24の回転軸線と同心上で軸受部材54を介して回転自在に支持した撚り維持具55と、素線導入部と反対側にあるコード送出部に配置した撚り合わせダイス56と、撚り維持具55の先端とダイス56との間に配置した押出室57とで構成される。図5に示すように、撚り維持具55は、フランジ部55a、軸受部55b及びスプライン部55cからなる。スプライン部55cの外周には、撚り合わせすべき素線12の数に対応して等角度(120度)配置で3本の分離通過溝55mが長手方向に形成されている。分離通過溝55mは、素線12の断面積に対応する半円溝として形成されている。軸受部55b及びフランジ部55aには、素線12の断面積よりもやや大きな断面をもつ分離通過孔55hがそれぞれ分離通過溝55mに連通している。押出型ヘッド15内へ導入される3本の素線12は、撚り維持具55の3本の分離通過孔55hを通過され、続いて分離通過溝55mにガイドされてゴム注入部57cに導かれ、そこからダイス56を通過する。押出機50の本体52は、例えばスクリューポンプにより未加硫ゴムをリング状供給部57aへ圧送し、この供給部57aから複数のハブ通路57bを介して円盤状のゴム注入部57cへ未加硫ゴムを注入する。すなわち、押出室57は、未加硫ゴムが圧送充填された雰囲気を形成し、この雰囲気の中で素線12の撚り合わせが行われる。
【0037】
これにより、ゴム注入部57cを撚り合わせされながら通過する3本の素線12からなるコード10の軸心の空隙部に未加硫ゴムが素線12により巻き込まれながら充填され、これと同時に撚り合わされたコード10の外周面にも未加硫ゴムが被覆される。ダイス56のコード送出穴56aの断面積は、コード10の断面よりも若干大きな略三つ葉形に形成され、この送出穴56aから撚り合わせコード10がその外周面にも未加硫ゴムを被覆した状態で送りだされる。
【0038】
次に、上記のように構成される第1の実施の形態の動作を説明する。
製造開始指令に応答して、回転バレル24がプーリ・ベルト伝導機構25を介してモータ26により回転される。これと共に、張力付与装置60の巻き取りドラム61が回転され、ゴム押出機50が動作されて押出型ヘッド51へ未加硫ゴムを圧送する。張力付与装置60の巻き取りドラム61と回転バレル24とは、所定の速度比を維持するようにそれぞれ所定の速度で回転される。この速度は任意に設定でき、素線12の撚りピッチを例えば14mmとか50mmのような値に設定できる。前記回転比を調整するために、通常は、回転バレル24の回転数を一定とし、巻き取りドラム61の巻き取り速度を変更することにより、コード10の撚りピッチを変更することができる。このため、巻き取りドラム61を駆動するモータ62は、速度可変形の例えばサーボモータのようなモータを使用する。必要であれば、バレル24を回転駆動するモータ26及び巻き取りドラム61を回転駆動するモータ62の一方又は両方を、サーボモータにより構成してもよい。
【0039】
前記回転比の制御により、回転バレル24に搭載した3つのボビン27から素線12が所定長さ送り出される間に、回転バレル24が素線ガイド板41及びプリフォーマ40と一体的に所定角度回転され、素線12を挿通する撚り維持具55が素線12を介して回転バレル24の回転に従動するように回転される。ダイス56の送出穴56aは3本の素線12の回転を阻止するので、撚り維持具55のスプライン部55cの分離通過溝55mにガイドされた3本の素線12はこのダイス56の送出穴56aを基点として旋回して撚り合わせされる。この撚り合わせ動作が行われるとき、撚り維持具55を通過した3本の素線12は、未加硫ゴムが圧送充填された雰囲気内を形成する押出室57内で旋回しながら未加硫ゴムを巻き込み、ゴム注入部57cにおいてそれら間の中心部である撚り合わせ部分に未加硫ゴムを充填する。そして、3本の素線12が互いに接触する状態まで撚り合わされてコード10が構成される時、このコード10の中心に未加硫ゴムが完全に充填された状態となる。
【0040】
すなわち、素線12が回転される撚り維持具55の分離通過孔55h及び分離通過溝55mを通して移送される間は、撚り合わされる手前の状態で維持され、3本の素線12の間に所定の間隔が保持される。この状態でゴム押出機50のゴム注入部57cを通過しながら撚り合わされることにより3本の素線12の中央空隙部に未加硫ゴムが侵入する。このようにして、未加硫ゴムを芯として、この芯の外周に3本の素線を配した撚り構造のスチールコード10が製造される。さらに、押出機50の押出型ヘッド51の出口側にはダイス56が配置されているので、平行に維持されていた素線12の撚り応力で撚り合わされながらダイス56を通過して移送されることにより、撚り合わせコード10の外周にもゴム被覆層11が形成される。この結果、未加硫ゴムを芯として周囲に3本の素線12を配し、さらにその外周に配合ゴムが被覆されたコード10が製造される。
【0041】
実施例1:
上記実施の形態の製造方法により、線径0.25mmの素線を用いて、1x3構造の撚りピッチ14mmの撚り合わせコードを実施例1として製造した。
実施例2:
上記実施の形態の製造方法により、線径0.25mmの素線を用いて、1x3構造の撚りピッチ50mmの撚り合わせコードを実施例2として製造した。通常は、撚りピッチを線形の100倍を越えない範囲で使用するのに対し、この実施例2の撚りピッチ50mmは、素線径(d=0.25mm)の200倍に相当する長い撚りピッチである。
【0042】
撚りピッチをこのように長くすることにより、撚り速度が速くなって撚線コード10の生産能率が向上され、同時に撚り合わせ動作時におけるゴム侵入が容易になる。従って、撚り維持具55は不要となり、製造コストを下げることができる。この観点において、好適な撚りピッチの範囲は、素線12直径の100倍〜300倍の範囲である。
比較例1:
従来技術の方法により、線径0.25mmの素線を用いて、1x3構造の撚りピッチ14mmの撚り合わせコードを比較例1として製造した。この比較例1は、図13に示す断面構造のもので、コード中心には未加硫ゴムが充填されない。
比較例2:
特開昭55−90652号公報に開示される従来の方法により、線径0.25mmの素線を用いて、1x3構造の撚りピッチ14mmの撚り合わせコードを比較例2として製造した。
これら比較例1、比較例2、実施例1及び実施例2について、ゴム進入率とコード疲労性を試験したところ、下記の表1のようになった。
【0043】
【表1】
ゴム侵入率とコード疲労性の試験方法は、下記の方法を採用した。
ゴム侵入率:表1の各比較例及び各実施例に定義の構造、素線径及び撚りピッチを持つ4種類のコードの各々を使用して後述するタイヤの生産方法により空気入りラジアルタイヤを生産した。この4種類のタイヤの各々からゴムが付着した状態でスチールコードを取り出した。このゴム付きスチールコードの表面からゴムを除去した後、1本、2本と素線を注意深く取り除き、約10cm長さの上記サンプルを観察して、空隙にゴムが完全に充填されている長さを測定した。ゴムが充填されている部分のサンプル全長に対する比率を、ゴム侵入率とした。
【0044】
コード疲労性:図6に示すコード疲労試験装置70を用いる。パイロットバー71上を水平移動するスライダ72に3個のローラ73を自由回転可能に支持し、加硫したゴム被覆スチールコードサンプルをこれら3個のローラ73間に巻装すると共に、同サンプルの一端を固定し、他端を所定重量の錘74で緊張する。スライダ72を所定ストロークLだけ左右に往復動させ、コード切断までの往復動回数を求めた。評価は、比較例1を100とした場合における比較例2、実施例1及び2の相対評価を指数で示した。
【0045】
これらの試験結果から、ゴム侵入率とコード疲労性とが関連し、ゴム侵入率が最も良い実施例1は、比較例1に対し耐久性が3割向上したことを確認した。また、実施例2は、撚り維持具なしで比較例2よりも1割程度の耐久性向上を達成することが確認された。これらの試験により、実施例1及び2は何れも比較例1及び2よりも耐久性において優れていることを確認した。
【0046】
(第2の実施形態)
図7は、コード製造方法の第2の実施形態における要部拡大図を示す。回転バレル24は12個のボビンを内装し、その前端面に設けた小径ピッチ円上の等間隔の3個の送出穴及び大径ピッチ円上の9個の送出穴からはそれぞれ素線12を回転軸線に収集させるように送出している。大径ピッチ円上の9個の送出穴の配置関係は、図8のような撚り構造を得るようにバレル24の回転速度とドラム61の巻き取り速度との関係において決定される。押出機50の押出型ヘッド51は、回転バレル24の回転軸線上に撚り維持具55を配置している。撚り維持具55は、同心配置の内外2つの円筒551、552からなり、軸受部材554を介して外円筒552が回転自在に支持され、この外円筒552の内孔に軸受部材553を介して内円筒551が回転自在に支持されている。内円筒551には、図5に示したものと同様に、円周方向等間隔(120度)配置の3つの素線ガイド穴551aが貫通して形成され、外円筒552には円周方向等間隔(40度)配置の9つの素線ガイド穴552aが貫通して形成されている。回転バレル24の前端面の外周縁部から120度間隔の3つの送出穴から送り出される素線12は、内円筒551の3つの素線ガイド穴551aへ導入され、この内円筒551を貫通し、そこから撚り合わせダイス56のコード送出穴56aに導入されている。回転バレル24の前端面の外周円縁部にある残りの9つの送出穴から送り出される素線12は、外円筒552の円周方向40度間隔で形成されえた9つの素線ガイド穴552aへ導入され、これらガイド穴552aを貫通してからダイス56のコード送出穴56aに導入されている。
【0047】
未加硫ゴムが圧送充満された雰囲気の中に撚り維持具55の内外円筒551、552の後端部を臨ませるように、ゴム供給部57aは撚り維持具55の後端部を収容する円盤状の空間とされ、図略のスクリューポンプから未加硫ゴムが供給されるように形成されている。このゴム供給部57aは、回転バレル24軸線周りでの素線12の回転を許容するテーパ円筒空間として形成されたテーパ通路57bを介して同じく円盤状の空間をなすゴム注入部57cへ未加硫ゴムを圧送するように接続されている。ダイス56のコード送出穴56aからは、張力付与装置60の巻き取りロール61により巻き取られるスチールコード10が送出される。
【0048】
すなわち、回転バレル24が張力付与装置60によるスチールコード10の巻き取り速度に同期した所定の速度で回転されるとき、内円筒551及び外円筒552は素線12の張力を受けて連れ周り回転される。この場合、これら円筒551及び552を通過した素線12は、ダイス56のコード送出穴56aに向けて送られながらこのコード送出穴56aを基点とし旋回するため、互いに撚り合わされる。内円筒551を通過した芯材となる3本の素線12は、径方向の離散が小さいため、径方向の離散が大きな外円筒552を通過した9本の素線12よりも、早く撚り合わされる。つまり、内円筒551と外円筒552の径差、より正確には、素線ガイド穴551aを配置する円と素線ガイド穴552aを配置する円との径の差によって、内側3本の素線12の撚り合わせ動作と外側9本の素線12撚り合わせ動作が僅かな時間差をもって異なるタイミングで行われる。この撚り合わせは、押出室57に圧送充満されている未加硫ゴムの雰囲気内で行われるため、内円筒551と共に回転する3本の素線12が撚り合わせ部分に未加硫ゴムを巻き込みながら充填してゆく。外円筒552を通過した9本の素線12は、3本の素線12の撚り合わせコードの外周に若干遅れたタイミングでさらに撚り合わされ、図8に示すように、3本の素線12の外周に重ね合わせるように撚り合わされる。これらの撚り合わせ動作は、ゴム注入部57cに圧送充満された未加硫ゴムの雰囲気中で行われるため、外円筒552と共に回転する9本の素線12が未加硫ゴムを巻き込みながら進行し、よって、中心コードをなす3本の素線12とその外周に撚り合わされる9本の素線12との間の空隙にも未加硫ゴム11が充填される。
【0049】
なお、図7において、符号40aは、中心コードをなす3本の素線12のためのプリフォーマで、円周方向に等間隔配置した3組の癖付けピン群からなる。また、符号40bは、中心コードの外周に重ねて撚り合わされる9本の素線のためのプリフォーマで、円周方向に等間隔配置した9組の癖付けピン群からなる。癖付けピン群の各組は3本のピンからなり、第1の実施の形態について説明したように配置される。
【0050】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態により製造されるスチールコード10が複数本埋設されるゴムリボンを製造するリボン製造方法である。図9に示すように、このリボン製造装置80は、図2を参照して上述したような4台のコード製造装置20を含み、これら装置20から送出される4本のスチールコード10を方向変換ローラ群81を介してリボン成形機82の成形型ヘッド83へ導入するように構成される。リボン成形機82は、押出機本体84に内蔵した例えばスクリューポンプにより未加硫ゴムを成形型ヘッド83内へ圧送するように構成されている。図10に示すように、成形型ヘッド83は、ヘッド本体83a内に、環状空間として形成される未加硫ゴム供給部85と、成形ダイス88の入口側に配置した円盤状空間としての未加硫ゴム注入部86と、この注入部86へ供給部85から未加硫ゴムを圧送する複数のハブ通路89とが形成され、出口側に前記成形ダイス88が装着されている。成形ダイス88は例えば、長方形断面や菱形断面等の概ね平行四辺形断面の押出成形穴88aが形成されている。前記方向変換ローラ群81に沿って導入される4本のスチールコード10は、成形型本体に所定ピッチで形成されたコード案内穴に沿って成形型本体83a及びゴム注入部86を縦断し、成形ダイス88の押出成形穴88aを貫通するように走行している。
【0051】
従って、4本のスチールコード10は、ゴム注入部86に圧送される未加硫ゴムと共に成形ダイス88の押出成形穴88aに導入され、これにより概ね平行四辺形断面の未加硫ゴム組成内にスチールコード10が等間隔で配置されるゴムリボン100が押出成形穴88aから押し出される。
【0052】
図11(a)は、このように製造されるゴムリボン100の一例を示し、このゴムリボン100は、第1の実施の形態により製造される略三つ葉状のゴム被覆スチールコード10を長方形断面の未加硫ゴム組織内に等ピッチで埋設している。コード製造装置20を12本素線用とする場合では、第2の実施の形態により製造される図8に示すコード10が図11(b)に示すように断面平行四辺形の未加硫ゴム組成内に埋設配置されたゴムリボン100が押出成形される。なお、これらゴムリボン100は、幅が5〜10mm前後で厚さが3mm程度の寸法である。
【0053】
再び図9において、このように成形されたゴムリボン100は、張力付与装置90の巻き取りローラ91により巻装され、この張力付与装置90からタイヤ生産システムのボディープライ製造装置110に供給される。この装置110は、ロール111の回転に同期してリボン供給ヘッド112をトラバース送りすることにより、ロール111にゴムリボン100を螺旋巻きし、この螺旋巻きをロール111の回転軸線と略平行に切り開いて帯状のボディープライ材113を製造する。このボディープライ製造装置110は、図12に示すタイヤ生産システムの一部を構成している。
【0054】
図12に示すタイヤ生産システムの詳細は、本願出願人が先に出願した特開2002−307570号公報に記述されているので、割愛のため詳述しない。簡単に云えば、このタイヤ生産システムは、直線状に延びる搬送ライン120の一方側の端に主としてボディープライから構成されるタイヤの内張り要素を生産する第1の装置群121を配置し、搬送ライン120の他方側の端に主としてベルトから構成されるタイヤの外張り要素を生産する第2の装置群122を配置し、外張り要素の内側に内張り要素を組み付ける組付け装置群としての第3の装置群123を搬送ラインの中央部に配置し、この第3装置群123の正面に複数の加硫機からなる第4の装置群124を配置して構成される。
【0055】
上述したリボン製造装置80は、第1の装置群121の前段に配置され、ボディープライを生産するためのゴムリボンを第1の装置群121に組み込まれるボディープライ製造装置110に供給する。また、同様なリボン製造装置80は、第2の装置群122の前段に配置され、ベルトを生産するためのゴムリボン100を第2の装置群122に組み込まれるベルト製造装置126に供給する。すなわち、本発明の特徴の1つは、ボディープライやベルト等のタイヤの主要構成要素をゴムリボン100により形成し、その場合、ゴムリボン100自体を素線12及び未加硫ゴムからタイヤの生産と同時並行して一貫生産することにある。つまり、スチールコード10やゴムリボン100の中間在庫における停留を排除するのである。これにより、タイヤ生産における生産コストの低減を図ることができ、同時にゴム特性の経時変化による劣化を排除して高品質のタイヤを生産できる。特に、第1及び第2の実施形態により製造されるスチールコード10を用いてゴムリボン100を成形するので、スチールコード10の素線12間の空隙10aにも未加硫ゴムが充填されたゴムリボン100が成形され、このゴムリボン100を用いて生産されるタイヤは、スチールコード10が錆の影響を受けにくく耐久性に優れたものとなる。
【0056】
上述した実施の形態においては、3本の素線を撚り合せてスチールコードを製造しているが、スチールコードは複数本の素線を撚り合せて製造されるものであればよく、その数は2本、4本、5本或いはそれ以上でもよい。また、第2の実施形態では3本の素線を撚り合せた芯材コードの外周に9本の素線を重ねて撚り合せた事例を記述したが、芯材コードを構成する素線の数は複数であれば2本、4本、5本或いはそれ以上でもよく、重ねて撚り合わされる素線の数も芯材コードの外周を包囲できる数であえば、特にその本数は限定されない。
また、図8に示すスチールコード10は、芯材コードを構成する素線の直径と芯材コードを取り囲む包囲素線の直径を同一にしているが、芯材コードのそれを太くし、包囲素線のそれを細くしてもよい。
【0057】
さらに、図1又は図8に示すスチールコード10を複数本互いに撚り合せてスチールコードを製造し、このスチールコードを未加硫ゴムの組織内に複数本埋設してゴムリボンを製造し、さらにこのゴムリボンを用いて空気入りタイヤを製造するようにしてもよい。
さらに、4本のスチールコードを埋設したゴムリボンの例を示したが、これ以外の複数本のスチールコードを未加硫ゴム組織内に埋設してゴムリボンを製造してもよい。
さらに、上記実施形態ではゴム被覆スチールコード10からリボン100を製造したが,このリボン100を製造せずに、図1又は図8に示すゴム被覆スチールコード10を直接ボディープライ製造装置110と第2の装置群122を構成するベルト製造装置へ供給し、これらコードによりボディープライやベルトを製造するようにしてもよい。この場合、押出機50の送出穴56aの断面形状は、ゴム被覆スチールコード10の断面形状を矩形や平行四辺形にするようにこれと対応する形状にすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態におけるゴム被覆コード製造方法により製造されるゴム被覆スチールコードの断面図。
【図2】本発明によるゴム被覆コード製造方法を実施するコード製造装置の概略説明図。
【図3】図2に示すコード製造装置の要部断面図。
【図4】螺旋上の癖付け処理がされたスチールコードを構成する素線の部分斜視図。
【図5】コード製造装置の押出型ヘッドに設けられる撚り維持具の斜視図。
【図6】スチールコードの疲労試験を行うコード疲労試験装置の概略説明図。
【図7】本発明による第2の実施の形態におけるゴム被覆コード製造方法を実施するコード製造装置の要部断面図。
【図8】第2の実施の形態の製造方法により製造されるゴム被覆コードの断面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるゴムリボン製造方法を実施するゴムリボン製造装置の概略説明図。
【図10】第3の実施の形態におけるリボン押出機の押出型ヘッドの水平断面図。
【図11】(a)及び(b)第3の実施の形態において製造されるゴムリボンの一例及び別の例の断面図。
【図12】本発明に従ってスチールコード製造装置及びゴムリボン製造装置を組み込んだタイヤ生産システムの概略を示す説明図。
【図13】従来のタイヤ用スチールコードの一例の断面図。
【図14】従来のタイヤ用スチールコードの他の一例の断面図。
【図15】従来のタイヤ用スチールコードのさらに他の一例の断面図。
【符号の説明】
10・・・ゴム被覆スチールコード、11・・・未加硫ゴム、12・・・素線、10a・・・撚り合わせ部分、20・・・コード製造装置、21・・・チューブラ型撚線機、24・・・回転バレル、27・・・ボビン、40・・・プリフォーマ、50・・・押出機、51・・・押出型ヘッド、55・・・撚り維持具、551・・・内円筒、552・・・外円筒、551a、552a・・・素線ガイド穴、56・・・撚り合わせダイス、56a・・・送出穴、57・・・押出室(未加硫ゴムが加圧充満された雰囲気)、57c・・・ゴム注入部、60・・・張力付与装置、70・・・コード疲労試験装置、80・・・リボン製造装置、82・・・リボン成形機、83・・・成形型ヘッド、86・・・未加硫ゴム注入部、88・・・成形ダイス、88a・・・押出成形穴、90・・・張力付与装置、100・・・ゴムリボン、110・・・ボディープライ製造装置、111・・・ロール、112・・・リボン供給ヘッド、113・・・ボディープライ材、121・・・第1の装置群、122・・・第2の装置群、123・・・第3の装置群、124・・・第4の装置群。[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a steel cord in which unvulcanized rubber is intruded into a core formed by twisting a plurality of strands. Manufacturing equipment and the same code, Rubber ribbon using the same cord and Of tires using them It relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
The
[0003]
When such a rubber article is used, when the rubber and the
[0004]
For this reason, in the invention described in Japanese Patent Laid-Open No. 55-90692, as shown in FIG. 14, the shape of the
[0005]
In general, as a method for manufacturing a steel cord for reinforcing rubber articles, in the case of manufacturing a tire, for example, a wire drawn to a desired wire diameter is manufactured, and temporarily suspended and stocked. Thereafter, a plurality of strands are twisted with a twisting machine to produce a steel cord, and this product is temporarily held and stocked. This time, a large number of steel cords are lined up and covered with rubber by an unwinding calendar making machine to produce a large volume fabric (large volume fabric), which is temporarily held and stocked. Thereafter, the large roll is cut into a desired angle and width, and the cut pieces are joined together to produce a small roll, which is also temporarily held and stocked. Then, when necessary, the small roll is supplied to a tire molding machine to produce an unvulcanized tire. In this way, in the case of conventional tire manufacturing, the steel cord is sent to the manufacturing process several times before being supplied to the tire molding machine, and is repeatedly placed under the status of holding and stocking for each process.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 55-90692 A
[0007]
[Patent Document 2]
JP-A-56-128384
[0008]
[Patent Document 3]
JP-A-2001-336076
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the cord described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-90692, the structure of the cord itself is unstable because the twist is sweet, and in the calendering process, for example, the process of covering the cord with rubber, the strands are tightened. There is a problem that rubber does not enter the cord center gap. In the cord described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 56-128384, it is necessary to manufacture the thread rubber to be put into the core in advance, and to twist the strand with the thread rubber to the core, there is a difficulty in the process, the quality There is also a problem with stability. Furthermore, the cord described in JP-A-2001-336076 requires an additional step of untwisting the cord once twisted and a twisting jig.
[0010]
In addition, as described above, the steel cord is supplied to the conventional tire manufacturing method is repetitive holding / inventory, and various problems in inventory management due to an increase in inventory quantity, such as intermediate inventory costs and This increases the transportation cost to the next process, which is an obstacle to lowering the manufacturing cost of the tire.
[0011]
Therefore, the present invention provides a steel cord in which unvulcanized rubber can be reliably filled into a gap in a twisted portion of a plurality of strands by simple processing, and the unvulcanized rubber is twisted in close contact with the strands. Manufacturing equipment and It is to provide a manufacturing method.
[0012]
Another object of the present invention is that not only the unvulcanized rubber is surely filled in the gaps in the twisted portions of a plurality of strands constituting the core material, but also the outer periphery of the core wire is overlapped and twisted. Steel cord in which unvulcanized rubber is securely filled in the gap formed between the multiple strands and the outer surface of the core wire Manufacturing equipment and It is to provide a manufacturing method.
[0013]
Yet another object of the present invention is that the manufacturing process of the rubber ribbon using the steel cord includes the manufacturing process of the steel cord as a part thereof, and the manufacturing of the steel cord and the manufacturing of the rubber ribbon using the cord are performed consistently. Another object of the present invention is to provide a method for producing a rubber ribbon.
[0014]
Still another object of the present invention is to manufacture a steel cord or to manufacture a cord and a rubber ribbon using the cord. But An object of the present invention is to provide a method for producing pneumatic tires that is continuously performed as part of the production of pneumatic tires and that can eliminate the need for intermediate stock of steel cords and rubber ribbons.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The above-described problems and objects are solved and achieved by a solution configured as follows according to the present invention.
[0016]
That is, the invention described in claim 1 A steel cord manufacturing apparatus for producing a steel cord by twisting a plurality of strands with a tubular type twisting machine, wherein a plurality of strands fed from the tubular type twisting machine have a spiral pitch of a predetermined pitch. An extruder head for extruding unvulcanized rubber while twisting the strands fed through the preformer, and an extruder main body for supplying unvulcanized rubber under pressure to the extrusion head The extrusion head is rotatably supported concentrically with the rotation axis of the rotary barrel of the tubular twisting machine at the strand introduction section, and allows the plurality of strands to pass through in an equiangular arrangement. A twist maintaining tool formed as described above, and a sending hole for sending a twisted steel cord disposed in the cord sending section on the opposite side of the wire introduction section from the cord sending section. A twisting die, an extrusion chamber that is disposed between the tip of the twist maintaining tool and the twisting die and is filled with unvulcanized rubber by pressure, and is provided for the rotating barrel of the tubular twisted wire machine. The twist maintaining tool is driven and rotated through the plurality of strands in accordance with the rotation, so that the plurality of strands are fed out of the twisting dies in the extrusion chamber filled with the unvulcanized rubber. Twist while winding unvulcanized rubber around the hole as a base point to fill the unvulcanized rubber into the twisted part that is the center of the strands, and coat the outer periphery of the twisted steel cord with rubber To form a layer It is characterized by that.
[0017]
[0019]
[0020]
[0021]
[0022]
And claims 6 The invention described in
[0023]
[Operation and effect of the invention]
The invention according to
Also, On the surface other than the twisted part of multiple strands Even with rubber coating, this Rubber coating By Rust-proof these wires from the outside be able to . This Manufactured by the manufacturing apparatus of the present invention The rust prevention of the steel cord is further ensured, and the life of the steel cord itself is extended. The Further promotion Can The
[0026]
Claims configured as above 2 In the invention described in 1, the tubular type twisted wire machine As the rotating barrel of the Multiple strands twisted together By swirling in an extrusion chamber filled with unvulcanized rubber by pressure. Since the unvulcanized rubber that can be bonded to the strands is wrapped and filled with the strands at the points where the strands are twisted together, the unvulcanized rubber can be reliably filled in the twisted portions between the strands. It is possible to provide a method of manufacturing a steel cord that can securely attach a vulcanized rubber to a strand, that is easy to operate, has a low product yield, and can reduce manufacturing costs.
Also,
[0027]
Claims configured as above 3 In the invention described in 1, the unvulcanized rubber was filled with pressure. Same extrusion chamber so, Radially inward While twisting at least two strands constituting the core material, With a slight time difference from this twisting, On the outer periphery of the core material twisted in this way Radially outward Since a plurality of strands are further twisted together, unvulcanized rubber is caught in the twisted portion of the core material to ensure filling, and the core material and the plurality of strands twisted to the core material are twisted together. Unvulcanized rubber is reliably filled between the wires, and the surfaces other than the twisted portions of all the strands are reliably covered with unvulcanized rubber. As a result, the strength is further enhanced and rust prevention is achieved. Steel cords with excellent properties and durability can be manufactured.
[0028]
Claims configured as above 4 In the invention described in 1, the unvulcanized rubber was filled with pressure. Extrusion chamber Before introducing into the inside, at least two strands constituting the core material are passed through the inner cylinder, and another plurality of strands twisted around the outer periphery of the core material are arranged concentrically with the inner cylinder. Since the cylinders are penetrated, the twisting action of the strands that penetrate the inner cylinder and the twisting action of the strands that penetrate the outer cylinder can be made to have a time difference using these concentric cylinders. It has become possible. As a result, after a core material in which at least two strands are twisted together is reliably formed, a plurality of strands can be twisted on the surface of the core material, and unvulcanized to the twisted portion of the core material The rubber can be filled reliably, and the gap between the core material and the strand twisted on the surface of the core material can be reliably filled with unvulcanized rubber, and the surface other than the twisted portion of the strand is not filled. A steel cord coated with vulcanized rubber can be produced.
[0029]
Claims configured as above 5 In the invention described in
Claims configured as above 6 In the invention described in
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of a rubber-coated steel cord and a method for producing the same according to the present invention that can be used for reinforcing rubber articles will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 is a cross-sectional view of a
[0031]
The
[0032]
FIG. 2 shows a
[0033]
A
[0034]
FIG. 3 is an enlarged detail view of a portion surrounded by a two-dot chain line in FIG. A plurality of (three in this embodiment) bobbin storage chambers are defined in the longitudinal direction of the
[0035]
A
[0036]
The three
[0037]
As a result, unvulcanized rubber is filled while being wound by the
[0038]
Next, the operation of the first embodiment configured as described above will be described.
In response to the manufacturing start command, the rotating
[0039]
By controlling the rotation ratio, the
[0040]
That is, while the
[0041]
Example 1:
A twisted cord having a twist pitch of 14 mm having a 1 × 3 structure was manufactured as Example 1 using a strand having a wire diameter of 0.25 mm by the manufacturing method of the above embodiment.
Example 2:
A twisted cord with a twist pitch of 50 mm having a 1 × 3 structure was manufactured as Example 2 using a strand having a wire diameter of 0.25 mm by the manufacturing method of the above embodiment. Normally, the twist pitch is used in a range not exceeding 100 times the linear pitch, whereas the twist pitch of 50 mm in Example 2 is a long twist pitch corresponding to 200 times the strand diameter (d = 0.25 mm). It is.
[0042]
By increasing the twist pitch in this manner, the twisting speed is increased, the production efficiency of the stranded
Comparative Example 1:
A twisted cord having a twist pitch of 14 mm having a 1 × 3 structure was manufactured as a comparative example 1 by using a strand having a wire diameter of 0.25 mm by a conventional method. The comparative example 1 has a cross-sectional structure shown in FIG. 13, and the cord center is not filled with unvulcanized rubber.
Comparative Example 2:
A twisted cord having a twist pitch of 14 mm having a 1 × 3 structure was manufactured as Comparative Example 2 using a strand having a wire diameter of 0.25 mm by a conventional method disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-90652.
For these Comparative Example 1, Comparative Example 2, Example 1 and Example 2, the rubber penetration rate and cord fatigue were tested, and the results were as shown in Table 1 below.
[0043]
[Table 1]
The following methods were employed as test methods for rubber penetration rate and cord fatigue.
Rubber penetration rate: Pneumatic radial tires are produced by the tire production method described later using each of four types of cords having structures, wire diameters and twist pitches defined in the comparative examples and examples in Table 1. did. The steel cord was taken out from each of the four types of tires with rubber adhered. After removing the rubber from the surface of the steel cord with rubber, carefully remove one, two and the strands, and observe the above sample of about 10 cm in length to see how long the rubber is completely filled in the gap. Was measured. The ratio of the portion filled with rubber to the total length of the sample was defined as the rubber penetration rate.
[0044]
Cord fatigue property: A cord
[0045]
From these test results, it was confirmed that the rubber penetration rate and cord fatigue were related, and Example 1 with the best rubber penetration rate was 30% more durable than Comparative Example 1. Moreover, it was confirmed that Example 2 achieves about 10% higher durability than Comparative Example 2 without a twisting maintenance tool. From these tests, it was confirmed that both Examples 1 and 2 were superior in durability to Comparative Examples 1 and 2.
[0046]
(Second Embodiment)
FIG. 7 is an enlarged view of a main part in the second embodiment of the code manufacturing method. The rotating
[0047]
The rubber supply portion 57a is a disk that accommodates the rear end portion of the
[0048]
That is, when the rotating
[0049]
In FIG. 7, reference numeral 40a denotes a preformer for the three
[0050]
(Third embodiment)
The third embodiment is a ribbon manufacturing method for manufacturing a rubber ribbon in which a plurality of
[0051]
Accordingly, the four
[0052]
FIG. 11 (a) shows an example of the
[0053]
In FIG. 9 again, the
[0054]
Details of the tire production system shown in FIG. 12 are described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-307570 filed earlier by the applicant of the present application, and will not be described in detail for the sake of brevity. In short, the tire production system includes a
[0055]
The
[0056]
In the above-described embodiment, the steel cord is manufactured by twisting three strands, but the steel cord may be manufactured by twisting a plurality of strands, and the number is as follows. Two, four, five or more may be used. In the second embodiment, an example in which nine strands are overlapped and twisted on the outer periphery of a core cord formed by twisting three strands is described. The number of strands constituting the core cord The number of wires may be two, four, five, or more as long as the number of strands is not limited as long as the number of strands that are laid and twisted can surround the outer periphery of the core cord.
Further, the
[0057]
Further, a plurality of
Further, although an example of a rubber ribbon in which four steel cords are embedded has been shown, a rubber ribbon may be manufactured by embedding a plurality of other steel cords in an unvulcanized rubber structure.
Further, in the above embodiment, the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a rubber-coated steel cord manufactured by a rubber-coated cord manufacturing method according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic explanatory view of a cord manufacturing apparatus for carrying out the rubber-coated cord manufacturing method according to the present invention.
3 is a cross-sectional view of a main part of the cord manufacturing apparatus shown in FIG.
FIG. 4 is a partial perspective view of a wire constituting a steel cord that has been brazed on a spiral.
FIG. 5 is a perspective view of a twist maintaining tool provided in the extrusion head of the cord manufacturing apparatus.
FIG. 6 is a schematic explanatory diagram of a cord fatigue test apparatus for conducting a fatigue test of a steel cord.
FIG. 7 is a cross-sectional view of an essential part of a cord manufacturing apparatus for performing a rubber-coated cord manufacturing method according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view of a rubber-coated cord manufactured by the manufacturing method of the second embodiment.
FIG. 9 is a schematic explanatory view of a rubber ribbon manufacturing apparatus for performing a rubber ribbon manufacturing method according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a horizontal sectional view of an extrusion die head of a ribbon extruder according to a third embodiment.
11A and 11B are cross-sectional views of one example and another example of a rubber ribbon manufactured in the third embodiment.
FIG. 12 is an explanatory view schematically showing a tire production system incorporating a steel cord manufacturing apparatus and a rubber ribbon manufacturing apparatus according to the present invention.
FIG. 13 is a cross-sectional view of an example of a conventional steel cord for tires.
FIG. 14 is a cross-sectional view of another example of a conventional steel cord for tires.
FIG. 15 is a cross-sectional view of still another example of a conventional steel cord for tires.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
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