JP4315544B2 - 共重合体、その製造法、医療用材料及び眼科用材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体適合性を有すると共に、親水性、吸水性、熱可塑性及び弾性の少なくとも1つの物性を有する、医療用材料及び眼科用材料等に有用な共重合体、その製造法、該共重合体を有効成分とする医療用材料及び眼科用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内には多種のリン脂質が含まれており、これらのリン脂質が生体の生命維持の上で重要な役割を担っている。例えば、ホスホリルコリン類似基等を有するリン脂質は、細胞膜等の細胞質の構成要素であり、生体の種々の代謝過程と密接な関わりを持っている。また、リン脂質は、脳組織のエネルギー源、脂肪の運搬及び吸収、血液の凝固、食物の味覚等にも重要な役割を果たしている。
このようなリン脂質の代替や、リン脂質の生体適合性等を利用する試みが種々提案されている。例えば、リン脂質類似官能基を有する重合体等を人工臓器用等の医療用材料に利用する試みや、バイオセンサー等のセンサー類に応用する試みが提案されている(特開平3−039309号公報、特開平4−283653号公報)。
また、ポリシロキサン基を有するアゾ系重合開始剤を用いて、ホスホリルコリン基を側鎖に有する重合性単量体を重合させたブロック共重合体が提案されており、該ブロック共重合体を医療用材料に用いることが知られている(特開平9−296019公報)。
しかし、従来提案されているホスホリルコリン類似基含有共重合体は、特に、加熱成形性に有用な熱可塑性や、成形後の引張り強度に影響を及ぼす弾性等に劣るため、その成形加工の範囲が制限されたり、低い引張り強度のためにその用途範囲が限定されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生体適合性に優れたホスホリルコリン類似基を有すると共に、特に、加熱成形性及び/又は成形後におけるある程度の引張り強度等を有し、必要により親水性や吸水性等を有する、ブロック共重合体等の共重合体及びその製造法を提供することにある。
本発明の別の目的は、生体適合性に優れると共に、加熱成形性及び/又は成形後におけるある程度の引張り強度等を有し、必要により親水性、吸水性、透明性等が付与された医療用材料及び眼科用材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、生体適合性を示す式(4)で表されるホスホリルコリン類似基に加え、式(1)〜(3)の構成単位を有する共重合体が、生体適合性と共に、特に、加熱成形性及び/又は成形後におけるある程度の引張り強度等を有し、更には、親水性、吸水性、透明性等を付与することができ、医療用材料及び眼科用材料に有用であることを見出し本発明を完成した。また、本発明者らは、アゾ基を分子中に有するポリシロキサン−ポリアミド系共重合体を開始剤として、ホスホリルコリン類似基を有する重合性単量体を重合させることによって、上述の共重合体が容易に得られることを見出し本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明によれば、式(1)〜(4)で示される構成単位を有し、且つR3がポリシロキサニル基含有二官能基である式(3)で示される構成単位を有する共重合体が提供される。
【化7】
(式(1)〜(3)中、R1 はエチレン基、R 2 はm−フェニレン基、R 3 は下記式で示される二価の有機基を示す(ここで、xは1〜6の整数、yは10〜200の整数を示す)。
【化8】
また、式(4)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5、R6及びR7は同一若しくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を示す。mは0又は1を、nは2〜4の整数を示す。また、Xは二価の有機基を示し、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Zは水素原子又は下記式で表される基を示す(ここで、R8は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す))。
【化9】
また本発明によれば、式(1)〜(3)で示される構成単位を有する繰返し単位(A)と、式(4)で示される繰返し単位(B)とを含み、繰返し単位(A)及び(B)の割合が、重量比で5〜99.9:0.1〜95であり、繰返し単位(A)中の式(1)で示される構成単位の割合が0.01〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体が提供される。
更に本発明によれば、R3がポリシロキサニル基含有二官能基である式(7)で示される重合性単量体を含む、式(5)〜(7)で示される重合性単量体を重合させて、アゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーを得た後、得られたコポリマーに、
【化10】
(式(5)〜(7)中、A1及びA2はそれぞれ独立に水酸基又は塩素原子を示し、R1〜R3は二価の有機基を示す。)
式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体を重合反応させることを特徴とする前記ブロック共重合体の製造法が提供される。
【化11】
(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5、R6及びR7は同一若しくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を示す。mは0又は1を、nは2〜4の整数を示す。また、Xは二価の有機基を示し、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Zは水素原子又は下記式で表される基を示す(ここで、R8は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す))。
【化12】
更に本発明によれば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸クロリド)と、イソフタロイルクロリドと、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルと、式(7a 1 )で示される重合性単量体とを重合させて、アゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーを得た後、得られたコポリマーに、
【化13】
(式(7a 1 )中、xは1〜6の整数、yは10〜200の整数を示す。)
式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体を重合反応させることを特徴とする前記ブロック共重合体の製造法が提供される。
【化14】
(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5、R6及びR7は同一若しくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を示す。mは0又は1を、nは2〜4の整数を示す。また、Xは二価の有機基を示し、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、Zは水素原子又は下記式で表される基を示す(ここで、R8は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す))。
【化15】
更にまた本発明によれば、上記共重合体又はブロック共重合体を有効成分として含む医療用材料又は眼科用材料が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の共重合体は、上記式(1)〜(4)で示される構成単位を有しており、且つ式(3)で示される構成単位として、R3がポリシロキサニル基含有二官能基である式(3)で示される構成単位を少なくとも有している共重合体である。共重合体の種類は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであっても良い。
本発明の共重合体の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量で1000〜5000000が好ましく、特に、10000〜500000が好ましい。
【0007】
式(1)において、R1は二価の有機基であって、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等の直鎖アルキレン基;2−メチルプロピレン基等の分技アルキレン基;ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基等の含酸素有機基;p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、4,4’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、4,4’−フェニレンジメチレン基、4,4’−プロピレンジフェニレン基、3,4’−プロピレンジフェニレン基、4,4’−メチレンジフェニレン基、3,4’−メチレンジフェニレン基等のアリーレン基;以下に示される構成単位等が挙げられる。但し、上記アルキレン基及びアリーレン基は窒素原子及び/又は酸素原子で置換されていても良い。
【0008】
【化12】
【0009】
式(1)で示される構成単位としては、R1が同一の1種の構成単位のみが含まれる場合であっても、またR1が異なる2種以上の構成単位を含んでいても良い。式(1)で示される構成単位の含有割合は、特に限定されないが、式(1)〜(4)で示される構成単位の合計に対して、0.01〜25重量%が好ましい。0.01重量%未満では、本発明の共重合体が得られない恐れがあり、25重量%を超える場合には、得られる共重合体中にポリアミド連鎖が十分に含まれなくなるために弾性、熱可塑性等の好ましい性質が得られない恐れがあるので好ましくない。
【0010】
式(2)において、R2は二価の有機基であって、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等の直鎖アルキレン基;2−メチルプロピレン基等の分技アルキレン基;ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基等の含酸素有機基;p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、4,4’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、4,4’−フェニレンジメチレン基、4,4’−プロピレンジフェニレン基、3,4’−プロピレンジフェニレン基、4,4’−メチレンジフェニレン基、3,4’−メチレンジフェニレン基等のアリーレン基等が挙げられる。但し、上記アルキレン基及びアリーレン基は窒素原子及び/又は酸素原子で置換されていても良い。
式(2)で示される構成単位としては、R2が同一の1種の構成単位のみが含まれる場合であっても、またR2が異なる2種以上の構成単位を含んでいても良い。式(2)で示される構成単位の含有割合は、式(1)〜(4)で示される構成単位の合計に対して、1〜50重量%が好ましい。1重量%未満では、得られる共重合体中にポリアミド連鎖が十分に含まれなくなるために弾性、熱可塑性等の好ましい性質が得られない恐れがあり、50重量%を超える場合には、得られる共重合体中に式(4)で示される構成単位が導入されない恐れがあるので好ましくない。
【0011】
式(3)において、R3は二価の有機基であって、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等の直鎖アルキレン基;2−メチルプロピレン基等の分枝アルキレン基;ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基等の含酸素有機基;p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,4’−ジフェニレンエーテル基、4,4’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、4,4’−フェニレンジメチレン基、4,4’−プロピレンジフェニレン基、3,4’−プロピレンジフェニレン基、4,4’−メチレンジフェニレン基、3,4’−メチレンジフェニレン基等のアリーレン基;ポリシロキサニル基含有二官能基等が挙げられる。
【0012】
R3としてのポリシロキサニル基含有二官能基としては、例えば、式(3a)で示される基が好ましく挙げられる。特に、原材料の入手性の点より式(3a)中のR9及びR10が共にメチル基であり、且つR11及びR12が共にプロピレン基である基が好ましい。
【0013】
【化13】
(式中、R9及びR10は同一若しくは異なる基であって、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、R11及びR12は同一若しくは異なる基であって、アルキレン基等の炭素数1〜30の二価の有機基を示す。yは10〜200の整数を示す。)
【0014】
式(3)で示される構成単位としては、R3がポリシロキサニル基含有二官能基である同一又は異なる構成単位のみが含まれる場合であっても、またR3がポリシロキサニル基含有二官能基である基と、ポリシロキサニル基含有二官能基以外の二官能有機基とを含む異なる2種以上の構成単位を含んでいても良い。式(3)で示される構成単位の含有割合は、式(1)〜(4)で示される構成単位の合計に対して、1〜90重量%が好ましい。この際、R3がポリシロキサニル基含有二官能基である式(3)で示される構成単位の含有割合は、式(1)〜(4)で示される構成単位の合計に対して、5〜85重量%が好ましい。1重量%未満では、得られる共重合体中にポリアミド連鎖が十分に含まれなくなるために弾性、熱可塑性等の好ましい性質が得られない恐れがあり、90重量%を超える場合には、得られる共重合体中に式(4)で示される構成単位が導入されず、ホスホリルコリン類似基が示す、生体適合性、親水性、吸水性等の好ましい性質が得られなくなる恐れがあるので好ましくない。
【0015】
式(4)において、R4は水素原子又はメチル基を示す。また、R5〜R7は同一若しくは異なる基であって、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の炭化水素基;又はヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基等の炭素数1〜6のヒドロキシ炭化水素基を示す。Xは、酸素原子、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、フェノキシ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基等の二価の有機基を示す。Yは、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基等の炭素数1〜6のアルキレンオキシ基を示し、mは0又は1を、nは2〜4の整数を示す。Zは水素原子又は下記式で示される基を示し、式中、R8は、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す。
【化14】
【0016】
式(4)で示される構成単位としては、R2が同一の1種の構成単位のみが含まれる場合であっても、またR2が異なる2種以上の構成単位を含んでいても良い。式(4)で示される構成単位の含有割合は、式(1)〜(4)で示される構成単位の合計に対して、0.1〜95重量%が好ましい。0.1重量%未満では、ホスホリルコリン類似基が示す、生体適合性、親水性、吸水性等の好ましい性質が得られない恐れがあり、95重量%を超える場合には、ポリシロキサン−ポリアミド成分が示す熱可塑性、弾性等の好ましい性質が得られない恐れがあるので好ましくない。
【0017】
本発明の共重合体は、前記式(1)〜(4)で示される構成単位を有しておれば良く、その配列は特に限定されるものではない。また、本発明の目的を損ねない範囲で他の構成単位を含んでいても良い。
本発明の共重合体において、前記式(1)〜(4)で示される構成単位の配列は、好ましくは、式(1)〜(3)で示される構成単位を有する繰返し単位(A)と、式(4)で示される構成単位を有する繰返し単位(B)とを含むブロック共重合体の配列が好ましい。
前記ブロック共重合体において、繰返し単位(A)と繰返し単位(B)との割合は、重量比で5〜99.9:0.1〜95が好ましい。繰返し単位(B)の割合が、0.1重量%未満では、得られるブロック共重合体が、生体適合性、親水性、吸水性等の好ましい性質を示さなくなり、一方、95重量%を超える場合には、加熱成形性や弾性が低下するので好ましくない。
【0018】
前記ブロック共重合体の繰返し単位(A)において、式(1)で示される構成単位の割合は、繰返し単位(A)中、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜25重量%が特に好ましい。0.01重量%未満の場合には、所望の共重合体が得られない恐れがあり、一方、50重量%を超える場合には、得られる共重合体中にポリアミドの繰返し単位がほとんど含まれなくなるので好ましくない。
繰返し単位(A)中における式(2)及び式(3)で示される構成単位の割合は特に限定されないが、繰返し単位(A)中、式(2)で示される構成単位の割合は0.01〜50重量%が好ましく、特に、0.1〜25重量%が望ましい。式(3)で示される構成単位の割合は0.01〜50重量%が好ましく、特に、0.1〜25重量%が望ましい。
繰返し単位(A)中における式(3)で示される構成単位において、R3がポリシロキサニル含有二官能基である構成単位の割合は、式(3)で示される構成単位全体に対して、0.1〜95重量%が好ましく、特に、1〜90重量%が望ましい。この場合、0.1重量%未満の場合には、ポリシロキサニル基が示す好ましい特性を付与することができない恐れがあり、一方、95重量%を超える場合には、得られるブロック共重合体の引張り強度等の強度が低下する恐れがあるので好ましくない。
【0019】
前記ブロック共重合体における、繰返し単位(A)中の式(1)〜(3)で示される構成単位の配列は特に限定されないが、例えば、
−R1−CO−NH−R3−NH−CO−R2−CO−NH−R3−NH−CO−R1−等が挙げられる。
【0020】
本発明のブロック共重合体等の共重合体は、ポリシロキサン成分、リン脂質類似成分及びポリアミド成分を含む。該ポリシロキサン成分及びリン脂質類似成分は両成分とも一般にいわれる生体適合性に富む成分である。加えて、ポリシロキサン成分及びポリアミド成分は疎水性であり、リン脂質類似成分は一般的に大さな親水性を示す。本発明の共重合体は、これ以外にも極性−非極性といった物性的には異なった特性を有する成分を含む。現在、生体の分子認識の一説として、材料表面の親水−疎水成分からなるミクロドメイン構造の大ささが大さな役割を果たしているといわれている。この説からすると、本発明の共重合体を精密に分子設計することによって、より高い生体適合性を有する材料を作り出すことができると共に、用途に応じた材料設計も可能になると考えられる。
【0021】
本発明の共重合体を製造するには、例えば、ランダム共重合体を得る場合には、まず、上記式(8)で示される重合性単量体を、カルボキシル基、アミノ基等の反応性置換基を有する重合開始剤や、カルボキシル基、アミノ基等の反応性置換基を有する連鎖移動剤と混合し、公知の溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の方法により重合することにより、連鎖両末端にカルボキシル基、アミノ基等の反応性基を導入した低分子量のオリゴマーを合成する。次いで、上記式(6)及び(7)で示される重合性単量体を、得られたオリゴマーと混合し、公知の溶液重合法、塊状重合法、直接重合法により重合する方法等により得ることができる。
【0022】
本発明のブロック共重合体を製造するには、例えば、上記式(5)〜(7)で示される重合性単量体を重合させて、アゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーを得た後(以下、「第1段目の反応」という)、得られたコポリマーに、上記式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体を重合反応させる(以下、「第2段目の反応」という)方法が好ましく挙げられる。
式(5)〜(8)においてR1〜R8の具体例としては、上述の式(1)〜(4)で示される構成単位で説明した例と同様なものを好ましく挙げることができる。
【0023】
式(5)で示される重合性単量体としては、上記式(1)で示される構成単位を形成しうるものであれば良く、通常のアゾ系開始剤が挙げられる。例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、若しくはこれに塩化剤、例えば、塩化チオニル等を反応させることにより得られる4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸クロリド)等が入手性の点から好ましい。これらは使用に際して単独若しくは混合物として用いることができる。
【0024】
式(6)で示される重合性化合物としては、上記式(2)で示される構成単位を形成しうるものであれば良く、例えば、カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の直鎖脂肪族ジカルボン酸;2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸等の分枝脂肪族ジカルボン酸;ジグリコール酸、α,ω−ポリエチレングリコールジカルボン酸等の含酸素炭化水素骨格を有するジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸;4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、4,4’−ビス安息香酸、3,4’−ビス安息香酸、4,4’−メチレンビス安息香酸、3,4’−メチレンビス安息香酸、4,4’−エチレンビス安息香酸、3,4’−エチレンビス安息香酸、4,4’−プロピレンビス安息香酸、3,4’−プロピレンビス安息香酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。また、例えば、酸クロリドとしては、マロン酸ジクロリド、コハク酸ジクロリド、グルタル酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、ピメリン酸ジクロリド、スベリン酸ジクロリド、セバシン酸ジクロリド、デカンジカルボン酸ジクロリド、ドデカンジカルボン酸ジクロリド等の直鎖脂肪族ジカルボン酸ジクロリド;2−メチルグルタル酸ジクロリド、3−メチルグルタル酸ジクロリド等の分枝脂肪族ジカルボン酸ジクロリド、ジグリコリルジクロリド、α,ω−ポリエチレングリコールジカルボン酸ジクロリド等の含酸素炭化水素骨格を有するジカルボン酸ジクロリド、イソフタロイルクロリド、テレフタロイルクロリド、フタロイルクロリド、4,4’−オキシビス安息香酸クロリド、3,4’−オキシビス安息香酸クロリド、4,4’−ビス安息香酸クロリド、3,4’−ビス安息香酸クロリド、4,4’−メチレンビス安息香酸クロリド、3,4’−メチレンビス安息香酸クロリド、4,4’−エチレンビス安息香酸クロリド、3,4’−エチレンビス安息香酸クロリド、4,4’−プロピレンビス安息香酸クロリド、3,4’−プロピレンビス安息香酸クロリド等の芳香族ジカルボン酸ジクロリド等が挙げられる。これらは使用に際して単独若しくは混合物として用いることができる。
【0025】
式(7)で示される重合性化合物としては、上記式(3)で示される構成単位を形成しうるものであれば良い。
式(7)中のR3がポリシロキサニル基含有二官能基以外の二価の有機基である場合、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン等の直鎖脂肪族ジアミン;1,3−ジアミノ−2−メチルプロパン等の分枝脂肪族ジアミン;2,2’−(オキシビスエチルアミン)、α,ω−ポリエチレングリコールジアミン等の含酸素炭化水素骨格を有するジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメチレン、3,4’−ジアミノジフェニルメチレン、4,4’−ジアミノジフェニルエチレン、3,4’−ジアミノジフェニルエチレン、4,4’−ジアミノジフェニルプロピレン、3,4’−ジアミノジフェニルプロピレン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。これらは使用に際して単独若しくは混合物として用いることができる。
一方、式(7)中のR3がポリシロキサニル基含有二官能基である場合、例えば、式(7a)で示される単量体が挙げられ、特に、式(7a1)で示される単量体が好ましい。これらは使用に際して単独若しくは混合物として用いることができ、式(7)で示される重合性単量体として必ず必要である。
【0026】
【化15】
(式中、R9及びR10は同一若しくは異なる基であって、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、R11及びR12は同一若しくは異なる基であって、アルキレン基等の炭素数1〜30の二価の有機基を示す。xは1〜6の整数を示し、yは10〜200の整数を示す。)
【0027】
式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体としては、上記式(4)で示される構成単位を形成しうるものであれば良く、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルロキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(スチリルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンジル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アクリロイルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルカルボニルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ブテロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(クロトノイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート,ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート等が挙げられる。入手性の点から2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下MPCと略記する)が好ましく挙げられる。これらは使用に際して単独若しくは混合物として用いることができる。
【0028】
本発明の製造法において、前記第1段階目の反応を行なう際の式(5)〜(7)で示される重合性単量体の仕込量は、これらの合計を100重量%とした際、式(5)、(6)で示される重合性単量体の仕込割合は、いずれも0.01〜50重量%、特に0.1〜25重量%の範囲が好ましい。式(7)で示される重合性単量体の仕込割合は、1〜90重量%、特に5〜85重量%が好ましい。式(5)で示される重合性単量体の仕込割合が0.01重量%未満では、アゾ基を含まないポリシロキサン−ポリアミドコポリマー分子が生成するために好ましくなく、50重量%を超える場合には最終的に得られる本発明のブロック共重合体にポリアミドの繰返し単位がほとんど含まれなくなるために好ましくない。
前記式(7)で示される重合性単量体において、R3がポリシロキサニル基含有二官能基である単量体の仕込割合は、式(7)で示される重合性単量体の仕込量全体に対して、0.1〜95重量%、特に、1〜90重量%が好ましい。この場合、0.1重量%未満では、ポリシロキサニル基が示す好ましい特性が得られ難く、一方、95重量%を超える場合には、得られる本発明のブロック共重合体の引張り強度等の強度が十分得られない恐れがあるので好ましくない。
【0029】
本発明の製造法において、前記第1段階目の反応において、式(5)で示される重合性単量体のモル数と式(6)で示される重合性単量体のモル数との和が、式(7)で示される重合性単量体のモル数に等しい場合に重合度が最も高くなる。従って、それぞれの重合性単量体の仕込量は、これに基づいて、(式(5)で示される重合性単量体のモル数と式(6)で示される重合性単量体のモル数との和)/(式(7)で示される重合性単量体のモル数)が、0.8〜1.2の範囲から選択することが好ましい。
【0030】
前記第1段階目の反応は、多段階の反応とすることもできる。例えば、式(5)で示される重合性単量体と、R3がポリシロキサニル基含有二官能基以外の二価の有機基である式(7)で示される重合性単量体とを混合後、式(6)で示される重合性単量体を反応させ、次いで、R3がポリシロキサニル基含有二官能基である式(7)で示される重合性単量体を含む単量体を反応させる方法、若しくは式(5)で示される重合性単量体と式(7)で示される重合性単量体を混合後、式(6)で示される重合性単量体を反応させる方法等が挙げられる。
【0031】
前記第1段階目の反応においては溶媒を用いることができる。該溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、アセトニトリル、ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、クロロホルム又はこれらの混合物等が挙げられる。公知の方法で溶媒中の水分量を減少させ、適宜、乾燥窒素ガスまたは乾燥空気等を充填することでより好ましい反応条件とすることができる。
前記第1段目の反応条件は、常圧下、−80〜80℃の条件で行うことが好ましいがこれに限定されない。
【0032】
前記第1段階目の反応においては、アゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーが得られる。このコポリマーの重量平均分子量は、300〜2000000が好ましく、より好ましくは5000〜500000である。
第1段階目の反応により生成したアゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーは公知の方法で精製することができる。例えば、水、炭素数8以下のアルコール又はこれらの混合物に反応液を滴下することで沈殿単離する方法、反応溶液中に水、上記アルコール類、その他の有機溶媒又はこれらの混合液を加えて沈殿単離する方法、沈殿後、加熱、冷却を行い精製度を上げる方法等が挙げられる。
上記精製工程終了後、精製物を乾燥することも可能である。乾燥は、減圧下、−20℃〜80℃、特に、室温〜40℃程度で行なうことが好ましい。乾燥時間は、1〜24時間が好ましい。
【0033】
次いで、第2段階目の反応では、上記得られたアゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーに、前記式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体を重合反応させる。
前記式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体の仕込割合は、前記式(5)〜(7)で示される重合性単量体との合計量に対して、0.1〜95重量%、特に、1〜90重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満では、ホスホリルコリン類似基が示す親水性、抗血球付着性、抗タンパク吸着性等の好ましい特性が得られない恐れがあるので好ましくない。また、95重量%を超える場合には、成形物の引張り強度等が低下するので好ましくない。
【0034】
第2段階目の反応においては、前記式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体に加えて、他の重合性単量体を重合反応させることもできる。
他の重合性単量体は特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、アコニット酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、およびこれらの各種金属塩;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、およびこれらの各種四級塩;2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸モノグリセロール、N−(トリス(ヒドロキシメチル)メチル)アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、アクリロイルモルホリン、マレイン酸イミド、無水マレイン酸等の各種親水性マクロモノマー;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、アミノスチレン等のスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の各種モノアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン等の反応性官能基含有(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルブチルウレタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルウレタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルウレタン等のウレタン変性(メタ)アクリレート;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ジエチルフマレート、ジエチルマレート、アクリロニトリル、ビニルベンジルアミン等の各種疎水性マクロモノマー等が挙げられる。これらは使用に際して単独若しくは混合物として用いることができる。
【0035】
第2段階目の反応は、公知の溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等に従って行なうことができる。反応には、必要に応じて重合系を不活性ガス、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等で置換あるいは雰囲気下にして行なうことができ、また、各種レドックス系の促進剤を用いて重合を開始しても良い。重合温度は、0〜120℃が好ましく、重合時間は10分〜48時間が好ましい。
【0036】
本発明の製造法により得られるブロック共重合体の精製は、通常の再沈殿法、透析法、限外濾過法等により行なうことができる。この精製工程において、特定の形状、例えば繊維状、中空糸状、糸状等の形状に成形しながら凝固させることによって湿式成形することも可能である。
【0037】
本発明のブロック共重合体等の共重合体は、従来の天然リン脂質と比較した場合、成膜性や成形性に優れており、容易にフィルムや繊維等の所望の形状に成形可能である。例えば、加熱プレス、溶媒キャスト法等の極めて簡単な方法により、容易に成形物とすることができる。特に、加熱成形が可能であるので種々の形態の成形物にすることができる。しかも、得られるフィルム、繊維等の成形物は、天然のリン脂質から成形された成型品に比べ、強度的にも優れている。更に、本発明の共重合体は、ポリシロキサン成分、リン脂質類似成分及びポリアミド成分を含有しているために、それぞれのセグメントの分子量等を制御することにより、その形態を、オイル、ゲル、ペースト、エラストマー、プラスチックス等の所望の性状に任意に変えることができる。
上記種々の形態にすることができる本発明の共重合体は、抗血栓性、抗細胞接着性、抗タンパク付着性等の生体親和性;酸素等の気体透過性等を発揮させることができるので、人工臓器等の医療用材料;バイオセンサー等のセンサー類;コンタクトレンズ、眼内レンズ等の眼科用材料;ガス分離膜等の幅広い分野への利用が可能である。特に、抗細胞接着性、抗タンパク付着性等の生体親和性、熱可塑性、弾性等に優れるので、医療用材料及び眼科用材料として好適である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の共重合体は、ポリシロキサン成分、ポリアミド成分及びリン脂質類似成分を有するので、生体適合性に優れると共に、加熱成形性及び/又は成形後におけるある程度の引張り強度を有する。また、親水性、吸水性や透明性を付与することができる。従って、各種医療用材料及び眼科用材料に有用である。本発明の製造法では、上記共重合体のうちのブロック共重合体を容易に得ることができ、また、得られるブロック共重合体の分子設計も容易であり、所望の形態の共重合体を得ることができる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
式(7)で示される重合性単量体としての、平均分子量1680のα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン54.7g(33mmol)及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.4g(42mmol)と、トリエチルアミン15.2g(0.15mol)及びテトラヒドロフラン−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(2:1(容積比))250mlとを混合し混合液を調製した。一方、式(6)で示される重合性単量体としての、イソフタロイルクロリド14.5g(71.25mmol)と、式(5)で示される重合性単量体としての、4,4’−アゾビス(シアノペンタン酸クロリド)1.2g(3.75mmol)と、テトラヒドロフラン−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶楳(2:1(容積比))250mlとを混合溶解し、混合溶液を調製し、先に得られた混合溶液に滴下して反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、副生成物であるトリメチルアミン塩酸塩を除去した。得られた濾液を水中に滴下することにより重合体を沈殿させ、沈殿した重合体をメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥した。得られた重合体の収量は70.3gであり、収率は95.9%であった。また、得られた重合体を、ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーにより分析し、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて重量平均分子量を求めたところ、43000であった。
【0040】
得られた重合体について、1H−NMR分析を行なった。結果を以下に示す。
1H−NMR δ:0.079(−Si(CH 3 )2O−)、0.6(−Si(CH3)2CH 2 CH2CH2NH−)、0.9(−N=N−C(CH 3 )(CN)CH2CH2−CONH−)、1.6(−Si(CH3)2CH2 CH 2 CH2NH−)、2.4(−N=N−C(CH3)(CN)CH 2 CH 2 −CONH−)、3.3(−Si(CH3)2CH2CH2CH 2 NH−)、6.6−8.6(芳香族H)、10.2−10.4(アミドH)。
1H−NMRの分析結果より、得られた重合物は、下記構成単位を有するアゾ基含有ポリジメチルシロキサン−ポリアミドコポリマーであった。但し、式中のyは、原料であるα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンに対応する10〜200の整数を示す。
【0041】
【化16】
【0042】
次に、得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサン−ポリアミドコポリマー1重量部(5.0g)に対し、式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体としての、MPC 1重量部(5g)を加えた後、プロパノール−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(1:1(容積比))50mlに溶解させた。続いて、脱気封管した後、80℃で12時間重合反応させた。重合反応後、得られた反応溶液を透析チューブ内に注入し、水に対して透析を行い重合物を精製した。得られた精製重合物の収量及び収率を測定した。更に、ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーにより分析し、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて重量平均分子量を求めた。これらの結果を表1に示す。
また、得られた重合物を、150℃、10MPaの条件で加熱プレスし、厚さ0.1mmの膜状に成形した。得られた膜をイオン交換水中に浸漬し、48時間後の吸水率を算出した。吸水率は以下に示す式に基づいて求めた。結果を表1に示す。
吸水率(%)=((膨潤後の膜重量−乾燥膜重量)/膨潤後の膜重量)×100
【0043】
更に、得られた重合物について、1H−NMR分析を行なった。結果を以下に示す。
1H−NMR δ:0.079(−Si(CH 3 )2O−)、0.6(−Si(CH3)2CH 2 CH2CH2NH−)、1.6(−Si(CH3)2CH2CH 2 CH2NH−)、2.0(−CH2−C(C(=O))(CH 3 )−)、3.3(−N+(CH 3 )3,−Si(CH3)2CH2CH2CH 2 NH−)、3.7(−OCH2CH 2 −N+−)、3.9−4.4(−C(=O)O−CH 2 CH 2 O−PO2−O−CH 2 CH2−N+−)、6.6−8.6(芳香族H)。
1H−NMRの分析結果より、得られた重合物は、下記構成単位を有するブロック共重合体であった。但し、式中のyは、原料であるα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンに対応する10〜200の整数を示す。また、この分析結果より組成を求め、式(1)〜(4)で示される構成単位に相当する単位の含有割合を求めた。結果を表1に示す。
【0044】
【化17】
【0045】
実施例2〜7
MPCの仕込量を表1に示すように代えた以外は、実施例1と同様にブロック共重合体を得、実施例1と同様な各種測定を行なった。結果を表1に示す。尚、1H−NMRの結果、得られたブロック共重合体中に含まれる構成単位は、その含有割合が異なるのみで、実施例1と同様であった。
【0046】
比較例1
各重合性単量体の仕込量を表1に示すように代えた以外は、実施例1と同様にブロック共重合体を得、実施例1と同様な各種測定を行なった。結果を表1に示す。尚、1H−NMRの結果、得られたブロック共重合体中に含まれる構成単位は、以下のとおりであった。但し、式中のyは、原料であるα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンに対応する10〜200の整数を示す。
【0047】
【化18】
【0048】
比較例2
MPC 5.0g及び4,4’−アゾビス(シアノペンタン酸)0.1gを、プロパノール−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(1:1(容積比))50mlに溶解し、脱気封管した後に80℃で12時間重合反応させた。得られた重合溶液を透析チューブ内に注入し、水に対して透析を行い重合物を精製した。得られた精製重合物について、実施例1と同様な各種測定を行なった。結果を表1に示す。尚、1H−NMRの結果、得られたブロック共重合体中に含まれる構成単位は、以下のとおりであった。
【0049】
【化19】
【0050】
【表1】
【0051】
実施例8
式(7)で示される重合性単量体としての、平均分子量1680のα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン54.7g(33mmol)及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.4g(42mmol)と、トリエチルアミン15.2g(0.15mol)及びテトラヒドロフラン−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(2:1(容積比))250mlとを混合し混合液を調製した。一方、式(6)で示される重合性単量体としての、イソフタロイルクロリド13.7g(67.5mmol)と、式(5)で示される重合性単量体としての、4,4’−アゾビス(シアノペンタン酸クロリド)2.4g(7.5mmol)と、テトラヒドロフラン−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶楳(2:1(容積比))250mlとを混合溶解し、混合溶液を調製し、先に得られた混合溶液に滴下して反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、副生成物であるトリメチルアミン塩酸塩を除去した。得られた濾液を水中に滴下することにより重合体を沈殿させ、沈殿した重合体をメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥した。得られた重合体の収量は72.2gであり、収率は97.9%であった。また、得られた重合体を、ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーにより分析し、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて重量平均分子量を求めたところ、39000であった。
得られた重合体について、1H−NMR分析を行なった。その結果、得られた重合物は、実施例1と同様な構成単位を有するアゾ基含有ポリジメチルシロキサン−ポリアミドコポリマーであった。
【0052】
次に、得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサン−ポリアミドコポリマー1重量部(5.0g)に対し、式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体としての、MPC 1重量部(5g)を加えた後、プロパノール−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(1:1(容積比))50mlに溶解させた。続いて、脱気封管した後、80℃で12時間重合反応させた。重合反応後、得られた反応溶液を透析チューブ内に注入し、水に対して透析を行い重合物を精製した。得られた精製重合物について実施例1と同様な各測定を行なった。結果を表2に示す。
更に、得られた重合体について、1H−NMR分析を行なった。その結果、得られた重合物は、実施例1と同様な構成単位を有するブロック共重合体であった。また、この分析結果より組成を求め、式(1)〜(4)で示される構成単位に相当する単位の含有割合を求めた。結果を表2に示す。
【0053】
実施例9〜13
MPCの仕込量を表2に示すように代えた以外は、実施例8と同様にブロック共重合体を得、実施例1と同様な各種測定を行なった。結果を表2に示す。尚、1H−NMRの結果、得られたブロック共重合体中に含まれる構成単位は、その含有割合が異なるのみで、実施例1と同様であった。
【0054】
【表2】
【0055】
実施例14
式(7)で示される重合性単量体としての、平均分子量1680のα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン54.7g(33mmol)及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.4g(42mmol)と、トリエチルアミン15.2g(0.15mol)及びテトラヒドロフラン−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(2:1(容積比))250mlとを混合し混合液を調製した。一方、式(6)で示される重合性単量体としての、イソフタロイルクロリド12.9g(63.75mmol)と、式(5)で示される重合性単量体としての、4,4’−アゾビス(シアノペンタン酸クロリド)3.6g(11.25mmol)と、テトラヒドロフラン−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶楳(2:1(容積比))250mlとを混合溶解し、混合溶液を調製し、先に得られた混合溶液に滴下して反応させた。反応終了後、反応混合物を濾過し、副生成物であるトリメチルアミン塩酸塩を除去した。得られた濾液を水中に滴下することにより重合体を沈殿させ、沈殿した重合体をメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥した。得られた重合体の収量は69.9gであり、収率は94.2%であった。また、得られた重合体を、ゲル濾過高速液体クロマトグラフィーにより分析し、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて重量平均分子量を求めたところ、39000であった。
得られた重合体について、1H−NMR分析を行なった。その結果、得られた重合物は、実施例1と同様な構成単位を有するアゾ基含有ポリジメチルシロキサン−ポリアミドコポリマーであった。
【0056】
次に、得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサン−ポリアミドコポリマー1重量部(5.0g)に対し、式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体としての、MPC 1重量部(5g)を加えた後、プロパノール−N,N−ジメチルアセトアミド混合溶媒(1:1(容積比))50mlに溶解させた。続いて、脱気封管した後、80℃で12時間重合反応させた。重合反応後、得られた反応溶液を透析チューブ内に注入し、水に対して透析を行い重合物を精製した。得られた精製重合物について実施例1と同様な各測定を行なった。結果を表3に示す。
更に、得られた重合体について、1H−NMR分析を行なった。その結果、得られた重合物は、実施例1と同様な構成単位を有するブロック共重合体であった。また、この分析結果より組成を求め、式(1)〜(4)で示される構成単位に相当する単位の含有割合を求めた。結果を表3に示す。
【0057】
実施例15〜20
MPCの仕込量を表3に示すように代えた以外は、実施例14と同様にブロック共重合体を得、実施例1と同様な各種測定を行なった。結果を表3に示す。尚、1H−NMRの結果、得られたブロック共重合体中に含まれる構成単位は、その含有割合が異なるのみで、実施例1と同様であった。
【0058】
【表3】
【0059】
試験例1
実施例11〜13、実施例17〜20及び比較例1及び2で調製した各重合体を、150℃、10MPaの条件で加熱プレスし、厚さ0.1mmの膜状に成形した。なお、比較例2で調製した重合体は、加熱成形の際に用いたプレス板から成形体を剥離する際に細かく割れてしまったため、試験に用いるに十分な大きさの膜を得ることができなかった。得られた膜の乾燥後の透明性を目視により観察し、以下に示す4段階の基準で評価した。結果を表4に示す。
◎;非常に良い、○;良い、△;濁りが見られる、×;見通すことができない。
表4の結果より、実施例11〜13及び実施例17〜20の重合体は、加熱成形が可能であり、且つ透明性を有するので、コンタクトレンズ等の眼科用材料に有用であることがわかる。
【0060】
【表4】
【0061】
試験例2
実施例1、14及び比較例1で調製したブロック共重合体を、150℃、10MPaの条件で加熱プレスし、厚さ0.1mmの膜状に成形した。得られた膜を直径14mmの円形に切り抜いて試験片とした。得られた試験片を24孔マイクロプレートの各孔に入れ、シリコーンゴム製のO−リングで固定し、700μlの生理食塩水を加え,1晩平衡化させた。その後、生理食塩水を除去し、700μlのハンクス緩衝液を添加し、1.5時間静置した後、緩衝液を除去した。
次に、ウサギ(日本白色種、オス)から採取したクエン酸血を4℃、1500rpmの条件で15分間遠心分離し、上澄みからPlatelet Rich Plasma (PRP) を回収した。上記マイクロプレートの各孔毎に、得られたPRP700μlを添加し、室温で1時間静置した。その後、PRPを除去し、1mlのハンクス緩衝液で3回洗浄した。試験片表面に付着した血小板を4℃で2.5重量%グルタルアルデヒド水溶液により固定し、スパッタリングにより表面にAuコーティングを行ない、走査型電子顕微鏡により付着血小板数の観察を行なった。
観察は、各試験片に対して3回行ない、評価はSEM像(3500倍)の視野(18.6×27.1μm)に観察される付着血小板数を単位面積(1mm2)に換算し、実施した3回の平均値により観察した。結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
試験例3
実施例2〜5、7及び比較例1で調製したブロック共重合体を、150℃、10MPaの条件で加熱プレスし、厚さ0.5mmの膜状に成形した。得られた膜を15×50mmに切出し試験片を作製した。得られた各試験片を引張り強度試験機(ユニトロン UST−500((株)上島製作所))にセットし、引張り速度10mm/分により引張り破断強度及び引張り破断延びを測定した。結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
Claims (6)
- 式(1)〜(4)で示される構成単位を有し、且つR3がポリシロキサニル基含有二官能基である式(3)で示される構成単位を有する共重合体。
- 式(1)〜(3)で示される構成単位を有する繰返し単位(A)と、式(4)で示される繰返し単位(B)とを含み、繰返し単位(A)及び(B)の割合が、重量比で5〜99.9:0.1〜95であり、繰返し単位(A)中の式(1)で示される構成単位の割合が0.01〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸クロリド)と、イソフタロイルクロリドと、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルと、式(7a 1 )で示される重合性単量体とを重合させて、アゾ基含有ポリシロキサン−ポリアミドコポリマーを得た後、得られたコポリマーに、
式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体を重合反応させることを特徴とする請求項2記載のブロック共重合体の製造法。
- 式(8)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体が、2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートである請求項3記載の製造法。
- 請求項1又は2記載の共重合体を有効成分として含む医療用材料。
- 請求項1又は2記載の共重合体を有効成分として含む眼科用材料。
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