JP4314649B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焦点の状態に基づいて焦点調節用のレンズの駆動を行う自動焦点調節装置のうち、合焦状態であることが検出された場合、焦点調節用のレンズの駆動を禁止することが可能な自動焦点調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カメラなどの光学機器には、撮影光学系の焦点調節を自動的に行う自動焦点調節装置が搭載されている。このような自動焦点調節装置では、焦点の状態の検出結果に基づき焦点調節用のレンズを駆動することによって焦点調節が行われる。
【0003】
ところで、このような自動焦点調節装置には、合焦状態であることが検出されるまでは、焦点の状態の検出結果に基づき焦点調節用のレンズを駆動し、一旦合焦状態であることが検出された後は、焦点調節用のレンズの駆動を禁止する機能を有するものがある。なお、このように、合焦状態であることが一旦検出された後に焦点調節用のレンズの駆動を禁止することを「合焦ロック」という。
【0004】
このように合焦ロックが行われる自動焦点調節装置には、合焦ロック中に被写体の移動が検出された場合、合焦ロックを解除するものが知られている。
しかし、従来の自動焦点調節装置では、合焦ロック中に構図が変更された場合であっても、被写体の移動が検出されたと判断されて合焦ロックが不用意に解除され、焦点調節用のレンズの駆動が行われてしまうという問題があった。
【0005】
なお、合焦ロック後の構図の変更とは、例えば、主要被写体の位置がフレームの焦点検出領域外となる構図で撮影を行う際に、焦点検出領域内に主要被写体を捉えてピントを合わせ、合焦ロック後に所望の構図に変更することなどである。
そこで、上述したような問題を解決するために、合焦ロック後に構図の変更が行われたか否かを判定し、構図の変更が行われた場合には、合焦ロックを維持して焦点調節用のレンズの駆動を禁止する自動焦点調節装置が要望されている。
【0006】
例えば、特開平3−209413号公報には、焦点調節用のレンズの駆動が禁止された後、所定時間が経過した後は、被写体の動きを検出する処理を許容する技術が開示されている。すなわち、特開平3−209413号公報に開示された技術は、構図の変更が行われる可能性がある期間に「被写体の動きを検出する処理」を行わないようにすることによって、合焦ロックが不用意に解除されてしまうことを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、撮影者による構図の変更が終了する時点を特定することは困難であるため、特開平3−209413号公報に開示された技術では、合焦ロックが不用意に解除されてしまうことを完全に防止することができない。
ところで、従来の自動焦点調節装置には、結像面の移動速度(以下、像面移動速度という。)を検出し、検出した像面移動速度の大きさに基づいて被写体が移動しているか否かの判定を行うものがある。
【0008】
このような自動焦点調節装置では、検出した像面移動速度にばらつきが発生するため、像面移動速度の大きさが所定値を上回る場合には被写体が動体であると判断し、像面移動速度の大きさが所定値以下である場合には被写体が静止していると判断する。そのため、被写体が低速で移動している場合には、被写体が静止していると判断されることになる。
【0009】
したがって、このような自動焦点調節装置が合焦ロック中に合焦判定を行わない構成であるとすると、合焦ロック中に被写体が低速で移動している場合には、合焦ロックが解除されないので合焦判定が行われないことになる。
そのため、合焦ロック中に被写体が低速で移動している状態が長時間続く場合には、ピントのズレ量が合焦認定範囲から外れる可能性があるにもかかわらず、合焦判定が行われないことになり、ピントがズレた状態で撮像が行われるおそれがあった。
【0010】
すなわち、このような自動焦点調節装置に対しては、自動焦点調節の精度を向上させるために、被写体が動体である可能性が高い状態で積極的に合焦ロックを解除し、焦点調節用のレンズの駆動を許可することが要望されている。
そこで、本発明は、焦点調節用のレンズの駆動を許可するか否かを適切に決定することができる自動焦点調節装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の自動焦点調節装置は、焦点の状態を繰り返し検出する焦点検出手段と、焦点検出手段によって検出される焦点の状態に基づいて焦点調節用のレンズの駆動を行うレンズ駆動手段と、焦点検出手段によって検出される焦点の状態に基づいて合焦状態であるか否かを判定し、合焦状態であると判断した場合、レンズ駆動手段による焦点調節用のレンズの駆動を禁止する駆動禁止手段と、焦点調節の対象である被写体が動体であるか否かを判定し、該被写体が動体であると判断した場合、駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する禁止解除手段とを備えた自動焦点調節装置において、禁止解除手段は、駆動禁止手段によってレンズ駆動手段による焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、焦点検出手段によって後ピン状態が検出された場合、被写体が動体であると判断して駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除し、焦点検出手段によって前ピン状態が検出された場合、構図の変更が行われたと判断して駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を維持することを特徴とする。
【0012】
すなわち、第1の発明の自動焦点調節装置において、駆動禁止手段は、合焦状態である場合、焦点調節用のレンズの駆動を禁止するが、禁止解除手段は、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で後ピン状態が検出された場合、被写体が動体であると判断して駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する。
【0013】
第2の発明の自動焦点調節装置は、第1の発明の自動焦点調節装置において、禁止解除手段は、駆動禁止手段によってレンズ駆動手段による焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、焦点検出手段によって後ピン状態が検出され、かつ焦点の状態が急激に変化していないことを認識した場合、被写体が動体であると判断して駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除することを特徴とする。
【0014】
すなわち、第2の発明の自動焦点調節装置において、駆動禁止手段は、合焦状態である場合、焦点調節用のレンズの駆動を禁止するが、禁止解除手段は、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で後ピン状態が検出され、かつ焦点の状態が急激に変化していない場合、被写体が動体であると判断して駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する。
【0015】
ところで、第2の発明の自動焦点調節装置は、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、後ピン状態が検出され、かつ焦点の状態が急激に変化したことを認識した場合、被写体の手前を撮影に関係ないものが横切ったと判断して、焦点調節用のレンズの駆動が禁止された状態を維持する。
【0016】
第3の発明の自動焦点調節装置は、第1の発明の自動焦点調節装置において、ズームアップが行われたか否かを判定するズーム判定手段を備え、禁止解除手段は、駆動禁止手段によってレンズ駆動手段による焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、ズーム判定手段によってズームアップが行われていないと判断され、かつ焦点検出手段によって後ピン状態が検出された場合、被写体が動体であると判断し、駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除することを特徴とする。
【0017】
すなわち、第3の発明の自動焦点調節装置において、駆動禁止手段は、合焦状態である場合、焦点調節用のレンズの駆動を禁止するが、禁止解除手段は、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で後ピン状態が検出され、かつズームアップが行われていない場合、被写体が動体であると判断して駆動禁止手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する。
【0018】
例えば、焦点検出手段において、デフォーカス量を算出することによって焦点の状態が検出される場合、駆動禁止手段では、ズームアップによるデフォーカス量の変動を考慮して後ピン状態を検出することができる。すなわち、第3の発明の自動焦点調節装置によれば、ズームアップによってデフォーカス量が変動する場合であっても、後ピン状態を確実に検出することができる。
【0025】
第4の発明の自動焦点調節装置は、第1から第3のいずれかの発明に係る自動焦点調節装置において、撮影状態の設定にかかわる外部操作を受け付ける撮影状態設定手段と、撮影状態設定手段によって受け付けられた外部操作に相当する撮影状態に応じて、禁止解除手段による焦点調節用のレンズの駆動の禁止の解除を有効とするか否かを判定する解除制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
第5の発明の自動焦点調節装置は、第1から第4のいずれかの発明に係る自動焦点調節装置において、レンズ駆動手段は、焦点調節の対象である被写体が動体であるか否かを判定し、該被写体が動体であると判断した場合には、該被写体の移動量を予測して焦点調節用のレンズの駆動を行うことを特徴とする。
【0027】
第6の発明の自動焦点調節装置は、第5の発明の自動焦点調節装置において、焦点検出手段によって検出された焦点の状態に基づいて結像面の移動速度を算出する像面移動速度算出手段と、像面移動速度算出手段によって算出された結像面の移動速度が所定値を下回る場合、レンズ駆動手段による焦点調節用のレンズの駆動のうち、焦点調節の対象である被写体の移動量を予測して該焦点調節用のレンズの駆動を行うことを禁止する予測駆動禁止手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細を説明する。
なお、後述する各実施形態では、本発明の自動焦点調節装置の機能を備えたカメラを用いて説明を行う。
また、このようなカメラには、焦点調節を行う動作モード(以下、AF制御モードという。)として、合焦状態を検出するまでは焦点の状態に基づいて焦点調節用のレンズを駆動し、一旦合焦後は焦点調節用のレンズの駆動を禁止する「ONESHOTモード」と、合焦状態を検出した後も焦点の状態に基づいて焦点調節用のレンズを駆動し続ける「CONTINUOUSモード」とが用意されていることとする。
【0029】
すなわち、後述する各実施形態では、合焦ロックを許可する場合には、ONESHOTモードを選択し、合焦ロックを禁止する場合には、CONTINUOUSモードを選択する機能を備えたカメラを用いて説明を行う。
図1は、このようなカメラの機能ブロック図である。
図において、カメラボディ10には、不図示のマウント機構によって交換レンズ11が装着されている。
【0030】
カメラボディ10内には、交換レンズ11内の撮影レンズ群12(焦点調節用のレンズを含む)の光軸上にメインミラー13およびサブミラー14が配され、サブミラー14の反射方向にAFモジュール15が配される。
なお、AFモジュール15は、不図示の再結像光学系とAFセンサとを有し、センサ駆動回路16に接続される。
【0031】
また、カメラボディ10は、CPU17、モータ駆動回路18、モータ19、モータエンコーダ20、操作部21およびメモリ22を有する。
なお、メモリ22は、後述する動体フラグ、合焦ロックフラグ、合焦フラグ、自動切り換え禁止フラグおよびAF制御モード変数を有すると共に、後述する履歴情報や同一被写体信頼値を記憶する記憶領域を有する。
【0032】
CPU17は、センサ駆動回路16、モータ駆動回路18、モータエンコーダ20、操作部21およびメモリ22に接続されると共に、交換レンズ11内のレンズ情報記憶回路23に接続される。
なお、交換レンズ11内のレンズ情報記憶回路23には、撮影レンズ群12の開放F値やデフォーカス量に対応するレンズ駆動量の変換パラメータ(以下、「デフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータ」という。)などがレンズ情報として記憶されている。
【0033】
また、モータ19は、モータ駆動回路18およびモータエンコーダ20に接続され、モータエンコーダ20は、CPU17に接続されると共に、交換レンズ11内のレンズ移動機構24に接続される。さらに、交換レンズ11において、レンズ移動機構24は、撮影レンズ群12に接続される。
【0034】
図2ないし図8は、第一の実施形態の動作フローチャートである。
【0035】
以下、図1ないし図8を参照して第一の実施形態の動作を説明する。
主電源が投入されると、CPU17は、メモリ22内の動体フラグ、合焦ロックフラグ、合焦フラグおよび自動切り換え禁止フラグをリセットすると共に、AF制御モード変数にONESHOTモードを示す値をセットするなど、自動焦点調節にかかわる初期化処理を行う(図2S101)。
【0036】
また、CPU17は、操作部21を介してレリーズが半押しされたか否かの判定を行い(図2S102)、レリーズが半押しされるまで上述した初期化処理(図2S101に相当する)を繰り返し行う。
なお、このような処理が行われている過程で、交換レンズ11に入射した光束は、撮影レンズ群12を介してメインミラー13に到達する。また、メインミラー13に到達した光束は、分岐されてサブミラー14を介してAFモジュール15に導かれる。さらに、このような光束は、AFモジュール15内で、不図示の再結像光学系を介して不図示のAFセンサに導かれる。
【0037】
CPU17は、図2S102における判定によってレリーズが半押しされたことを認識すると、センサ駆動回路16を介してAFモジュール15内のAFセンサにおける電荷の蓄積を制御する(図2S103)。
ここで、センサ駆動回路16は、AFモジュール15内のAFセンサでの電荷の蓄積の開始および終了を制御すると共に、AFセンサに導かれた光束を「焦点の状態を表す電気信号」に変換する。
【0038】
また、このような変換の処理によって得られた「焦点の状態を表す電気信号」は、センサ駆動回路16からCPU17に供給される。
なお、このような変換の処理は、公知技術であるため、ここでは、説明を省略する。
ところで、このような処理が行われる過程で、CPU17は、モータエンコーダ20からのフィードバックパルスに基づき、AFモジュール15内のAFセンサで電荷の蓄積が行われている期間中の「撮影レンズ群12内の焦点調節用のレンズ」の平均の位置(以下、平均レンズ位置LPavという。)を求める。
【0039】
また、CPU17は、AFモジュール15内のAFセンサで電荷の蓄積が行われている期間の中心の時刻(以下、蓄積中心時刻T[0]という。)におけるデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータをレンズ情報記憶回路23から読み出す。
なお、以下、蓄積中心時刻T[0]におけるデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータをLD[0]で示す。
【0040】
CPU17は、上述したように、センサ駆動回路16から「焦点の状態を表す電気信号」が供給されると、「焦点の状態を表す電気信号」に対してA/D変換を行い(図2S104)、メモリ22に記憶する。
また、CPU17は、このようにディジタル化してメモリ22に記憶した焦点の状態を表す電気信号に基づき、デフォーカス量DF[0]を計算する(図2S105)。なお、デフォーカス量の計算方法は、公知技術であるため、ここでは、説明を省略する。また、本実施形態において、デフォーカス量DF[0]は、後ピン状態を正とする値であるとする。
【0041】
CPU17は、デフォーカス量DF[0]を算出すると、蓄積中心時刻T[0]における被写体位置に対応する値として、蓄積中心時刻T[0]における「撮影レンズ群12内の焦点調節用のレンズ」の合焦位置(以下、被写体位置対応レンズ位置P[0]という。)を算出する(図2S106)。
なお、図2S106において、CPU17は、平均レンズ位置LPavおよびデフォーカス量DF[0]に基づき、下式によって被写体位置対応レンズ位置P[0]を算出する。
【0042】
P[0] = Kdf2p × DF[0] + LPav
ここで、Kdf2pは、デフォーカス量に対するレンズ駆動量の変換係数であり、上述したように取得したデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータLD[0]と、図2S105において算出したデフォーカス量DF[0]に依存した値である。なお、本実施形態では、平均レンズ位置LPavでのデフォーカス量レンズ移動量変換パラメータとして、蓄積中心時刻T[0]におけるデフォーカス量レンズ移動量変換パラメータLD[0]を用いているが、平均レンズ位置LPavでのデフォーカス量レンズ移動量変換パラメータは、蓄積開始時および蓄積終了時のデフォーカス量レンズ移動量変換パラメータを用いて算出しても良い。
【0043】
また、図2S105および図2S106において算出されたデフォーカス量DF[0]および被写体位置対応レンズ位置P[0]は、メモリ22に記憶される。
ところで、レリーズが継続して半押しされている状態では、図2S103〜S106の処理および後述する図2S108〜S112の処理が繰り返し行われ、所定時間毎に算出されたデフォーカス量および被写体位置対応レンズ位置が記録されることになる。以下、このようにして記録される情報を「履歴情報」という。
【0044】
CPU107は、メモリ22内の履歴情報から「前回の被写体位置対応レンズ位置P[1]」を読み出し、読み出した「前回の被写体位置対応レンズ位置P[1]」と新たに算出した「今回の被写体位置対応レンズ位置P[0]」とを用いて今回の像面移動速度V[0]を算出する(図2S107)。
なお、このようにして算出された像面移動速度についても、履歴情報としてメモリ22に記憶される。
【0045】
CPU17は、メモリ22に履歴情報(像面移動速度、被写体位置など)が記憶されると、後述する同一被写体判定ルーチンの処理(図3S201〜S210に相当する。)を行って、同一の被写体が焦点調節の対象となっているか否かの判定を行う(図2S108)。
また、CPU17は、後述する動体判定ルーチンの処理(図4S301〜S308に相当する。)を行って、被写体が動体であるか否かの判定を行う(図2S109)。
【0046】
さらに、CPU17は、後述するAF制御モード決定ルーチンの処理(図5S401〜S406に相当する。)やAF制御モードの自動切り換えルーチンの処理(図6S501〜S508に相当する。)を行って、AF制御モードを決定する(図2S110)。
また、CPU17は、AF制御モードを決定すると、後述する合焦判定ルーチンの処理(図7S601〜S610に相当する。)によって合焦状態であるか非合焦状態であるかの判定を行う(図2S111)。
【0047】
さらに、CPU17は、後述するレンズ駆動ルーチンの処理(図8S601〜S609に相当する。)によってレンズ駆動目標値を算出すると共に、算出したレンズ駆動目標値をモータ駆動回路18に供給して「撮影レンズ群12内の焦点調節用のレンズ」の駆動を制御する(図2S112)。
なお、CPU17は、レリーズが継続して半押しされている状態では、図2S103〜S112の処理を繰り返し行う。
【0048】
以下、図3を参照して同一被写体判定処理の詳細を説明する。
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行う(図3S201)。CPU17は、このような判定によって焦点の検出が不能であることを認識した場合、被写体が同一である可能性が無いと判断し、被写体が同一である確率を示す値(以下、同一被写体信頼値J[0]という。)を「0」とし(図3S202)、同一被写体判定ルーチンを終了する。
【0049】
なお、本実施形態の同一被写体判定処理において、同一被写体信頼値J[0]は、「0」から「1」までの実数であり、被写体が同一である可能性が100%である場合には「1」となり、被写体が同一である可能性が0%である場合には「0」となる。
一方、CPU17は、焦点の検出が行われたことを認識した場合、メモリ22に前回の像面移動速度V[1]および今回の像面移動速度V[0]が記憶されているか否かの判定を行う(図3S203)。
【0050】
CPU17は、このような判定によって前回の像面移動速度V[1]および今回の像面移動速度V[0]が記憶されていることを認識した場合、メモリ22内の動体フラグがセットされているか否かの判定を行う(図3S204)と共に、前回の像面移動速度V[1]の絶対値が所定値Vth3を上回るか否かの判定を行う(図3S205)。
【0051】
なお、本実施形態において、動体フラグは、後述する動体判定処理(図4S301〜S308に相当する。)によって被写体が動体であること判断された場合にセットされる。
CPU17は、図3S204および図3S205における判定によって、動体フラグがセットされ、かつ前回の像面移動速度V[1]の絶対値が所定値Vth3を上回ることを認識した場合、前回の像面移動速度V[1]と今回の像面移動速度V[0]との比に基づいて同一被写体信頼値J[0]を算出し(図3S206)、同一被写体判定ルーチンを終了する。
【0052】
以下、図3S206における同一被写体信頼値J[0]の算出方法の詳細を示す。
まず、CPU17は、前回の像面移動速度V[1]と今回の像面移動速度V[0]との比を示す像面移動比HCを
HC = V[0]/V[1]
によって算出する。
【0053】
次に、CPU17は、像面速度比HCの値に対して図9(1)のような特性を示す関数f(HC)によって、同一被写体信頼値J[0]を算出する。
なお、本実施形態の同一被写体判定処理において、同一被写体信頼値J[0]は
J[0]=f(HC)
によって算出される値である。
【0054】
ただし、図9(1)において、4つの所定値HLth1、HLth2、HHth1、HHth2は、
HLth2≦HLth1<1.0<HHth1≦HHth2
の関係にあり、各所定値は、
0.6≦HLth1≦1.0
0.4≦HLth2≦0.6
2.0≦HHth1≦4.0
4.0≦HHth2≦6.0
を満足する値が設定されるものとする。
【0055】
ところで、本実施形態の同一被写体判定処理では、図3S206において、像面移動比HCに基づいて同一被写体信頼値J[0]が算出されるが、動体フラグがリセットされている場合や、前回の像面移動速度V[1]の絶対値が所定値Vth3以下である場合には、像面移動比HCに基づいて同一被写体信頼値J[0]を算出しても、正確な同一被写体信頼値J[0]が得られない。
【0056】
そのため、本実施形態の同一被写体判定処理では、図3S204およびS205において、「動体フラグがセットされているか否かの判定」および「前回の像面移動速度V[1]の絶対値が所定値Vth3を上回るか否かの判定」を行っている。なお、上述した図3S203〜S205における判定によって、メモリ22に前回の像面移動速度V[1]および今回の像面移動速度V[0]が記録されていない場合や、メモリ22内の動体フラグがリセットされている場合や、前回の像面移動速度V[1]の絶対値が所定値Vth3以下である場合には、前回の被写体位置対応レンズ位置P[1]および今回の被写体位置対応レンズ位置P[0]に基づいて同一被写体信頼値J[0]を算出する方法が考えられる。
【0057】
しかし、AF制御モードの自動切り換えが禁止されている状態や、CONTINUOUSモードが設定されている状態や、ONESHOTモードが設定されて合焦ロック中でない状態では、撮影者が被写体の動きに追従して撮影を行っている可能性が高く、同一被写体信頼値J[0]を「1」とすることが望ましい。
そこで、本実施形態の同一被写体判定処理では、これらの3つの状態のうち、少なくとも1つの状態が発生している場合には、同一被写体信頼値J[0]を「1」とする。
【0058】
以下、これらの3つの状態が発生しているか否かを判断する動作の詳細を示す。
まず、CPU17は、メモリ22内の自動切り換え禁止フラグがセットされているか否かの判定を行い(図3S207)、メモリ22内の自動切り換え禁止フラグがセットされていることを認識した場合、同一被写体信頼値J[0]を「1」にし(図3S208)、同一被写体判定ルーチンを終了する。
【0059】
また、CPU17は、メモリ22内のAF制御モード変数にONESHOTモードを示す値がセットされているか否かの判定を行い(図3S209)、AF制御モード変数にONESHOTモードを示す値がセットされていないことを認識した場合、CONTINUOUSモードが設定されていると判断して同一被写体信頼値J[0]を「1」にし(図3S208)、同一被写体判定ルーチンを終了する。
【0060】
さらに、CPU17は、このような判定によってONESHOTモードが設定されていると判断した場合(図3S209のYES側)、メモリ22内の合焦ロックフラグがセットされているか否かの判定を行う(図3S210)。
CPU17は、このような判定によって合焦ロックが解除されていると判断した場合、同一被写体信頼値J[0]を「1」にし(図3S208)、同一被写体判定ルーチンを終了する。
【0061】
一方、CPU17は、合焦ロック中であると判断した場合、前回の被写体位置対応レンズ位置P[1]および今回の被写体位置対応レンズ位置P[0]に基づいて同一被写体信頼値J[0]を算出し(図3S211)、同一被写体判定ルーチンを終了する。
以下、図3S211における同一被写体信頼値J[0]の算出方法の詳細を示す。
【0062】
まず、CPU17は、前回の被写体位置対応レンズ位置P[1]と今回の被写体位置対応レンズ位置P[0]との差を算出してレンズ駆動量ERPを求める。
すなわち、レンズ駆動量ERPを
ERP = P[0] − P[1]
によって算出する。
【0063】
また、CPU17は、下式によって、レンズ駆動量ERPをデフォーカス量の変位を示す値ERに変換する。
ER = Kp2df × ERP
ここで、Kp2dfは、レンズ駆動量をデフォーカス量の変位に変換する変換係数であり、電荷の蓄積が制御されている過程(図2S103)で取得した蓄積中心時刻T[0]におけるデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータLD[0]と、レンズ駆動量ERPに依存した値である。なお、本実施形態において、デフォーカス量の変位を示す値ERは、後ピン状態を正とする値である。
【0064】
さらに、CPU17は、デフォーカス量の変位を示す値ERに対し、
ERth1≦ER≦ ERth2
が成立すると判断した場合、同一被写体信頼値J[0]を「1」にする。
ただし、2つの所定値ERth1およびERth2は、
ERth2<ERth1
の関係にあり、各所定値は、
0≦ERth1≦200μm
150μm≦ERth2≦300μm
を満足する値が設定されるものとする。
【0065】
すなわち、同一被写体信頼値J[0]は、デフォーカス量の変位を示す値ERに対して図9(2)のような特性を示す。
ところで、撮影者は、主要被写体が焦点検出領域外になる構図で撮影を行いたい場合、ONESHOTモードが設定された状態において、主要被写体が焦点検出領域に収まる構図でピントを合わせ、合焦ロック後にカメラを移動して構図の変更を行う。
【0066】
例えば、主要被写体が最も手前に存在し、その主要被写体に対してピントが合った状態で、上述した構図の変更が行われた場合には、主要被写体の後方に存在するものに対して焦点の検出が行われることになる。そのため、このような場合、焦点の検出結果は、前ピン状態を示すことになる。
すなわち、焦点の検出結果が前ピン状態を示す場合、構図の変更が行われた可能性が高く、被写体が同一である可能性が低い。
【0067】
そこで、本実施形態の同一被写体判定処理では、構図の変更が行われた可能性が高い場合に同一被写体信頼値J[0]を「0」にするために、2つの所定値ERth1およびERth2を正の値にしている。
なお、「ER > ERth2」 が成立する状態とは、例えば、被写体の手前を撮影に関係ないものが横切った場合のように、デフォーカス量の変化が激しく、その原因が被写体の移動によるものではないことに相当する。
【0068】
すなわち、本実施形態の同一被写体判定処理では、合焦ロック中において、構図の変更が行われた可能性が高い場合や、デフォーカス量の変化が激しく、その原因が被写体の移動にあるとは考えられない場合には、異なる被写体が撮影対象となったと判断される。
以下、図4を参照して動体判定処理の詳細を説明する。
【0069】
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行う(図4S301)。
CPU17は、このような判定によって、焦点の検出が不能であることを認識した場合、動体判定ルーチンを終了する。すなわち、本実施形態の動体判定処理では、焦点の検出が不能である場合、前回の動体判定処理の結果が維持されることになる。
【0070】
一方、CPU17は、焦点の検出が行われたことを認識した場合、メモリ22に前回の像面移動速度V[1]および今回の像面移動速度V[0]が記憶されているか否かの判定を行う(図4S302)。
CPU17は、このような判定によって前回の像面移動速度V[1]および今回の像面移動速度V[0]が記憶されていないことを認識した場合、動体フラグをクリアし(図4S303)、動体判定ルーチンを終了する。
【0071】
一方、CPU17は、前回の像面移動速度V[1]および今回の像面移動速度V[0]が記憶されていることを認識した場合、上述した同一被写体判定処理によって設定された同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回るか否かの判定を行う(図4S304)。
CPU17は、このような判定によって、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1以下であることを認識した場合、動体判定ルーチンを終了する。すなわち、本実施形態の動体判定処理では、被写体が同一である可能性が低い場合、前回の動体判定処理の結果が維持されることになる。
【0072】
一方、CPU17は、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回ることを認識した場合、前回の像面移動速度V[1]と今回の像面移動速度V[0]とが同方向か否かの判定を行う(図4S305)。
CPU17は、このような判定によって前回の像面移動速度V[1]と今回の像面移動速度V[0]とが同方向でないことを認識した場合、像面が移動していても被写体が動体であると断定できないため、動体フラグをクリアし(図4S303)、動体判定ルーチンを終了する。
【0073】
一方、CPU17は、前回の像面移動速度V[1]と今回の像面移動速度V[0]とが同方向であることを認識した場合、今回の像面移動速度V[0]が所定値Vth1を上回るか否かの判定を行う(図4S306)。
CPU17は、このような判定によって今回の像面移動速度V[0]が所定値Vth1以下であることを認識した場合、動体フラグをクリアし(図4S303)、動体判定ルーチンを終了する。
【0074】
一方、CPU17は、今回の像面移動速度V[0]が所定値Vth1を上回ることを認識した場合、前回の像面移動速度V[1]が所定値Vth2を上回るか否かの判定を行う(図4S307)。なお、本実施形態の動体判定処理では、所定値Vth1、Vth2は、0.75〜1.5mm/s程度の値を取ることにする。
CPU17は、このような判定によって前回の像面移動速度V[1]が所定値Vth2以下であることを認識した場合、動体フラグをクリアし(図4S303)、動体判定ルーチンを終了する。
【0075】
一方、CPU17は、前回の像面移動速度V[1]が所定値Vth2を上回ることを認識した場合、動体フラグをセットし(図4S308)、動体判定ルーチンを終了する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の動体判定処理では、像面移動速度に対して以下の3つの条件が成立する場合に動体フラグがセットされる。
1.前回の像面移動速度V[1]と今回の像面移動速度V[0]とが同方向である。
2.今回の像面移動速度V[0]が所定値Vth1を上回る。
3.前回の像面移動速度V[1]が所定値Vth2を上回る。
【0077】
なお、本実施形態の動体判定処理では、被写体が確実に移動していると判断された場合に限って動体フラグがセットされることになるので、動体フラグがリセットされている場合であっても、被写体が低速で移動している可能性がある。
以下、図5を参照してAF制御モード決定処理の詳細を説明する。
CPU17は、AF制御モードとしてONESHOTモードを強制的に設定する条件(以下、強制ONESHOTモード条件という。)が成立しているか否かの判定を行う(図5S401)。
【0078】
CPU17は、このような判定によって強制ONESHOTモード条件が成立していることを認識した場合、メモリ22内のAF制御モード変数にONESHOTモードを示す値をセットし(図5S402)、AF制御モード決定ルーチンを終了する。
一方、CPU17は、強制ONESHOTモード条件が成立していないことを認識した場合、AF制御モードとしてCONTINUOUSモードを強制的に設定する条件(以下、強制CONTINUOUSモード条件という。)が成立しているか否かの判定を行う(図5S403)。
【0079】
CPU17は、このような判定によって強制CONTINUOUSモード条件が成立していることを認識した場合、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットし(図5S404)、AF制御モード決定ルーチンを終了する。
なお、強制ONESHOTモード条件および強制CONTINUOUSモード条件としては、操作者によってAF制御モードを設定するスイッチ(操作部21の一部として設けられているとする)が設定されることなどがあげられる。
【0080】
ところで、移動している被写体を撮影する可能性がほとんどないと考えられる撮影状態では、ONESHOTモードを設定することによって、焦点調節の精度を向上することができる。
そこで、強制ONESHOTモード条件が成立する撮影状態として、以下に示す撮影状態を用いても良い。
【0081】
1.セルフタイマー撮影やリモコン撮影が設定されている状態。
2.フィルムの給送モードとして単写モード(レリーズが全押しされる毎に1コマずつ巻き上げを行う)が設定されている状態。
3.フラッシュ撮影や赤目低減モードが設定されている状態。
4.露出制御モード(例えば、ポートレイト、風景、夜景、クローズアップ、絞り優先、シャッタースピード優先、プログラムオート、マニュアルなど)が設定されている状態。
【0082】
5.焦点距離が所定値(例えば、35mm)以下となる状態。
また、焦点の状態を検出する際にAF補助光を点灯する必要がある状態において、継続的に焦点を合わせ続けるためには、AF補助光を点灯し続けなければならない。しかし、AF補助光を点灯し続けると、バッテリを消耗したり、光源の寿命が短くなるため、連続的に焦点を合わせ続けるCONTINOUSモードよりも、ONESHOTモードの方が好ましい。
【0083】
そこで、強制ONESHOTモード条件が成立する撮影状態として、
6.AF補助光の点灯を必要とする状態。
を加えても良い。
一方、強制CONTINOUSモード条件が成立する撮影状態としては、フィルムの給送モードとして連写モード(レリーズが全押しされている間に複数コマの連続巻き上げを行う)が設定されている状態などが考えられる。
【0084】
CPU17は、このような強制ONESHOTモード条件および強制CONTINUOUSモード条件が成立していないことを認識した場合、自動切り換え禁止フラグがセットされているか否かの判定を行う(図5S405)。
CPU17は、このような判定によって自動切り換え禁止フラグがセットされていることを認識した場合、AF制御モード決定ルーチンを終了する。
【0085】
一方、CPU17は、自動切り換え禁止フラグがリセットされていることを認識した場合、以下に示す図6S501〜S508の処理によって、AF制御モードの自動切り換え処理を行う(図5S406)。
以下、図6を参照してAF制御モードの自動切り換え処理の詳細を説明する。
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行う(図6S501)。
【0086】
CPU17は、このような判定によって、焦点の検出が不能であることを認識した場合、AF制御モード決定ルーチンを終了する。すなわち、焦点の検出が不能であることを認識した場合は、AF制御モードの自動切り換えルーチンが終了されて前回のAF制御モードが維持されることになる。
一方、CPU17は、焦点の検出が行われたことを認識した場合、上述した同一被写体判定処理によって設定された同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回るか否かの判定を行う(図6S502)。
【0087】
CPU17は、このような判定によって、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1以下であることを認識した場合、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。すなわち、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、合焦ロック中に被写体の手前を撮影に関係ないものが横切るなど、被写体が同一である可能性が低い場合、前回のAF制御モードが維持されることになる。
【0088】
一方、CPU17は、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回ることを認した場合、メモリ22内のAF制御モード変数がONESHOTモードを示す値であるか否かの判定を行う(図6S503)。
CPU17は、このような判定によってCONTINUOUSモードが設定されていることを認識した場合、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。すなわち、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、CONTINUOUSモードが設定されている場合、AF制御モードの自動切り換えが行われず、CONTINUOUSモードが維持されることになる。
【0089】
一方、CPU17は、ONESHOTモードが設定されていることを認識した場合、メモリ22内の合焦ロックフラグがセットされているか否かの判定を行う(図6S504)。
CPU17は、このような判定によって合焦ロック中であることを認識した場合、図2S105において算出したデフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回るか否かの判定を行う(図6S505)。
【0090】
ここで、所定値AFsevth1は、正の値であり、例えば、150μm〜300μm程度の値を取ることにする。
なお、上述したように本実施形態では、デフォーカス量DF[0]は、後ピン状態を正とする値であるため、CPU17は、図6S505において、焦点の検出結果が後ピンであるか否かの判定を行っていることになる。
【0091】
ところで、撮影者は、主要被写体が焦点検出領域外になる構図で撮影を行いたい場合、ONESHOTモードが設定された状態において、主要被写体が焦点検出領域に収まる構図でピントを合わせ、合焦ロック後にカメラを移動して構図の変更を行う。
例えば、主要被写体が最も手前に存在し、その主要被写体に対してピントが合った状態で、上述した構図の変更が行われた場合には、主要被写体の後方に存在するものに対して焦点の検出が行われることになる。そのため、このような場合、焦点の検出結果は、前ピン状態を示すことになる。
【0092】
したがって、焦点の検出結果が後ピン状態を示す場合とは、主要被写体が近づいてきている場合に相当する。
すなわち、CPU17は、図6S505において、焦点の検出結果が後ピンであるか否かの判定を行うことによって、主要被写体が近づいてきているか否かの判定を行っていることになる。
【0093】
CPU17は、デフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回ることを認識した場合(後ピン状態を検出した場合)、主要被写体が近づいてきていると判断して、メモリ22内の合焦ロックフラグをリセットする(図6S506)と共に、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットし(図6S507)、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
【0094】
一方、CPU17は、デフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1以下であることを認識した場合、合焦ロック中に主要被写体が焦点検出領域外になるような構図変更が行われたと判断して、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。すなわち、合焦ロック中に主要被写体が焦点検出領域外になるような構図変更が行われた場合には、AF制御モードの自動切り換えが行われず、ONESHOTモードが維持されることになる。
【0095】
ところで、CPU17は、ONESHOTモードが設定されている状態において、合焦ロックが解除されていることを認識した場合(図6S504のNO側)、メモリ22内の動体フラグがセットされているか否かの判定を行う(図6S508)。
CPU17は、このような判定によって、合焦ロックが解除されている状態で被写体が動体であると判断した場合(図6S508のYES側)、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットし(図6S507)、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
【0096】
一方、CPU17は、合焦ロック中でいない状態で被写体が動体でないと判断した場合(図6S508のNO側)、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。すなわち、このような場合、AF制御モードの自動切り換えが行われず、ONESHOTモードが維持されることになる。
以上説明したように、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回り、合焦ロック中にデフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回る場合(後ピン状態を検出した場合)には、被写体が近づいてきていると判断され、合焦ロックが解除されると共に、CONTINUOUSモードが設定される。
【0097】
したがって、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、動体判定処理によって、低速で移動する被写体を動体として判断できなくても、被写体が近づいてくる場合には、合焦ロックを確実に解除することができる。また、合焦ロック中に被写体の手前を撮影に関係ないものが横切った場合には、合焦ロックが継続される。
【0098】
さらに、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回り、合焦ロック中にデフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1未満である場合には、主要被写体が焦点検出領域外になるような構図変更が行われたと判断されるため、合焦ロックが誤って解除されることがない。
【0099】
なお、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、AF制御モードをONESHOTモードからCONTINUOUSモードに自動切り換えする処理を示したが、CONTINUOUSモードが設定されている状態で、被写体が静止したことを認識した場合(例えば、動体フラグがリセットされた場合など)、CONTINUOUSモードからONESHOTモードへの自動切り換えの処理を行っても良い。
【0100】
以下、図7を参照して合焦判定処理の詳細を説明する。
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行い(図7S601)、焦点の検出が不能であることを認識した場合、合焦判定ルーチンを終了する。
一方、CPU17は、焦点の検出が行われたことを認識した場合、上述した同一被写体判定処理によって設定された同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回るか否かの判定を行い(図7S602)、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1以下であることを認識した場合、合焦判定ルーチンを終了する。
【0101】
また、CPU17は、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回ることを認識した場合、メモリ22内の合焦ロックフラグがセットされているか否かの判定を行い(図7S603)、合焦ロックフラグがセットされていることを認識した場合、合焦判定ルーチンを終了する。
すなわち、本実施形態の合焦判定処理によれば、被写体が同一である可能性が低い場合や合焦ロック中である場合には、合焦判定が行われない。
【0102】
CPU17は、図7S603における判定によって、合焦ロックフラグがリセットされていることを認識した場合、メモリ22内の履歴情報から、今回のデフォーカス量DF[0]と前回のデフォーカス量DF[1]とを読み出し、今回のデフォーカス量DF[0]の絶対値と前回のデフォーカス量DF[1]の絶対値とが共に、所定値IFth1以下であるか否かの判定を行う(図7S604)。
【0103】
ところで、今回のデフォーカス量DF[0]の絶対値と前回のデフォーカス量DF[1]の絶対値との少なくとも一方が所定値IFth1を上回る場合には、焦点検出誤差やレンズ駆動量への変換誤差などによって焦点調節用のレンズを正確な合焦位置に移動することができない可能性がある。
そこで、本実施形態の合焦判定処理では、今回のデフォーカス量DF[0]の絶対値と前回のデフォーカス量DF[1]の絶対値との少なくとも一方が所定値IFth1を上回る場合、メモリ22内の合焦フラグをクリアすることとする。
【0104】
すなわち、CPU17は、図7S604における判定によって、今回のデフォーカス量DF[0]の絶対値と前回のデフォーカス量DF[1]の絶対値との少なくとも一方が所定値IFth1を上回ることを認識した場合、メモリ22内の合焦フラグをクリアする(図7S605)。
一方、CPU17は、今回のデフォーカス量DF[0]の絶対値と前回のデフォーカス量DF[1]の絶対値とが共に、所定値IFth1以下であることを認識した場合、メモリ22内の動体フラグがセットされているか否かの判定を行う(図7S606)。
【0105】
CPU17は、このような判定によって被写体が動体でないことを認識した場合、現時点(以下、合焦判定時刻tIFという。)におけるレンズ駆動量DPIFを算出すると共に、合焦判定時刻tIFにおけるレンズ駆動量DPIFに基づき、合焦判定用のデフォーカス量DFIFを算出する(図7S607)。
なお、図7S607において、CPU17は、図2S106において算出した被写体位置対応レンズ位置P[0]と、合焦判定時刻tIFにおけるレンズ位置LPIFとを用い、下式によって合焦判定時刻tIFにおけるレンズ駆動量DPIFを算出する。
【0106】
DPIF = P[0] − LPIF
また、CPU17は、合焦判定時刻tIFにおけるデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータをレンズ情報記憶回路23から読み出すと共に、算出した合焦判定時刻tIFにおけるレンズ駆動量DPIFに基づき、下式によって合焦判定用のデフォーカス量DFIFを算出する。
【0107】
DFIF = Kp2df2 × DPIF
ここで、Kp2df2は、レンズ駆動量をデフォーカス量の変位に変換する変換係数であり、合焦判定時刻tIFにおけるデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータと、レンズ駆動量DPIFに依存した値である。
【0108】
一方、CPU17は、上述した図7S606における判定によって、動体フラグがセットされていることを認識した場合、今回のデフォーカス量DF[0]を合焦判定用のデフォーカス量DFIFとする(図7S608)。
ここで、CPU17は、合焦判定用のデフォーカス量DFIFの絶対値が所定値IFWth未満であるか否かの判定を行って(図7S609)、合焦判定用のデフォーカス量DFIFの絶対値が所定値IFWth未満であることを認識した場合、合焦状態であると判断し、メモリ22内の合焦フラグをセットする(図7S609)。
【0109】
一方、CPU17は、合焦判定用のデフォーカス量DFIFの絶対値が所定値IFWth以上であることを認識した場合、非合焦状態であると判断し、メモリ22内の合焦フラグをクリアする(図7S605)。
以上説明したように、本実施形態の合焦判定処理では、合焦ロック中に被写体が低速で近づいてきている場合には、図4S303において動体フラグがリセットされ、図6S506において合焦ロックフラグがリセットされるため、図7S607以降の処理が行われる。したがって、本実施形態の合焦判定処理によれば、合焦ロック中に被写体が低速で近づいてきている場合であっても、合焦判定が確実に行われる。
【0110】
以下、図8を参照してレンズ駆動処理の詳細を説明する。
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行い(図8S701)、焦点の検出が不能であることを認識した場合、レンズ駆動ルーチンを終了する。
一方、CPU17は、焦点の検出が行われたことを認識した場合、上述した同一被写体判定処理によって設定された同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回るか否かの判定を行い(図8S702)、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1以下であることを認識した場合、合焦判定ルーチンを終了する。
【0111】
また、CPU17は、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回ることを認識した場合、メモリ22内の合焦ロックフラグがセットされているか否かの判定を行い(図8S703)、合焦ロックフラグがセットされていることを認識した場合、レンズ駆動ルーチンを終了する。
すなわち、本実施形態のレンズ駆動処理によれば、被写体が同一である可能性が低い場合や合焦ロック中である場合、「撮影レンズ群12内の焦点調節用のレンズ」の駆動は行われない。
【0112】
CPU17は、図8S703における判定によって、合焦ロックフラグがリセットされていることを認識した場合、メモリ22内の合焦フラグがセットされているか否かの判定を行う(図8S704)。
CPU17は、このような判定によって、合焦フラグがセットされていることを認識した場合、メモリ22内のAF制御モード変数にONESHOTモードを示す値がセットされているか否かの判定を行い(図8S705)、AF制御モード変数にONESHOTモードを示す値がセットされていることを認識した場合、メモリ22内の合焦ロックフラグをセットする(図8S706)。
【0113】
すなわち、本実施形態では、合焦状態で、かつONESHOTモードが設定されている場合に限って、合焦ロック中となる。
ここで、CPU17は、メモリ22内の動体フラグがセットされているか否かの判定を行って(図8S707)、動体フラグがセットされていることを認識した場合、被写体の移動量を予測して移動被写体用のレンズ駆動目標値を更新する(図8S708)。
【0114】
また、CPU17は、動体フラグがリセットされていることを認識した場合、静止被写体用のレンズ駆動目標値を更新する(図8S709)。
すなわち、本実施形態では、動体フラグがリセットされている場合(今回の像面移動速度V[0]が所定値Vth1以下であったり、前回の像面移動速度V[1]が所定値Vth2以下である場合)には、予測駆動が行われないことになる。
【0115】
なお、レンズ駆動目標値の算出方法は、公知技術であるため、ここでは、説明を省略する。
また、本実施形態のレンズ駆動処理では、合焦ロックフラグが新たにセットされた場合、図8S707以降の処理が行われるが、このような場合には、レンズ駆動ルーチンを終了しても良い。
【0116】
以上説明したように、本実施形態では、動体判定処理によって、低速で移動する被写体を動体として判断できなくても、被写体が近づいてくる場合には、合焦ロックを確実に解除することができ、合焦ロック中に主要被写体が焦点検出領域外になるような構図変更が行われた場合に合焦ロックが誤って解除されることがない。
【0117】
したがって、本実施形態では、合焦ロックの解除を的確に行い、合焦ロックが解除されている場合に合焦判定を行うことができるため、焦点調節を精度良く行うことができる。
図10は、第二の実施形態のAF制御モードの自動切り換えルーチンの動作フローチャートである。
【0119】
ところで、第二の実施形態の特徴は、AF制御モードの自動切り換え処理にあり、他の処理については、第一の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
なお、第一の実施形態と第二の実施形態との動作の相違点は、図6に示したAF制御モードの自動切り換えルーチンに代えて、図10に示すAF制御モードの自動切り換えルーチンが実行される点である。
【0120】
また、第二の実施形態にかかわるカメラは、ズーミング機能を有する。
なお、このようなカメラでは、デフォーカス量が完全に「0」になった場合、ズーミングによってデフォーカス量が変化することはない。しかし、一般のカメラでは、デフォーカス量が合焦認定範囲内であれば合焦状態と認識されるので、デフォーカス量が完全に「0」でない場合にも合焦ロックになる可能性がある。そのため、合焦ロック中にズーミングが行われた場合、デフォーカス量が変化することになる。
【0121】
そこで、本実施形態では、テレ側(焦点距離が長くなる方向)にズーミングが行われた場合、デフォーカス量が大きくなり、ワイド側(焦点距離が短くなる方向)にズーミングが行われた場合、デフォーカス量が小さくなるとして説明を行う。
以下、図10を参照して第二の実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理の動作を説明する。
【0122】
なお、図10S801〜S804の処理は、図6S501〜S504の処理と同じであり、図10S808〜S811の処理は、図6S505〜S508の処理と同じであるため、ここでは、詳細な説明は省略する。
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行い(図10S801)、このような判定によって、焦点の検出が行われたことを認識した場合、上述した同一被写体判定処理によって設定された同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回るか否かの判定を行う(図10S802)。
【0123】
CPU17は、このような判定によって、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回ることを認識した場合、メモリ22内のAF制御モード変数がONESHOTモードを示す値であるか否かの判定を行う(図10S803)。
CPU17は、このような判定によって、ONESHOTモードが設定されていることを認識した場合、メモリ22内の合焦ロックフラグがセットされているか否かの判定を行う(図10S804)。
【0124】
CPU17は、このような判定によって合焦ロック中であることを認識した場合、ズーミングが行われたか否かの判定を行う(図10S805)。
例えば、CPU17は、AF制御モードの自動切り換え処理に先行するレンズ駆動処理において、合焦ロックフラグをセットした時点の焦点距離(以下、「合焦ロック時の焦点距離」という。)を検出してメモリ22に記憶する。また、CPU17は、このように記録した「合焦ロック時の焦点距離」と現在の焦点距離との比較を行うことによって、ズーミングが行われたか否かの判定を行う。
【0125】
CPU17は、このような判定によって、ズーミングが行われたことを認識した場合、ワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングが行われたか否かの判定を行う(図10S806)。
ここで、CPU17は、上述した「合焦ロック時の焦点距離」と現在の焦点距離との比較を行い、現在の焦点距離が「合焦ロック時の焦点距離」を上回ることを認識した場合、ワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングが行われたと判断する。
【0126】
ところで、上述した第一の実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、図6S505の判定によって、合焦ロック中にデフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回ることを認識すると、後ピン状態を検出されたと認識して被写体が近づいてきていると判断される。
【0127】
しかし、本実施形態にかかわるカメラでは、合焦ロック中にテレ側(焦点距離が長くなる方向)へズーミングが行われる(ズームアップが行われる)と、デフォーカス量が大きくなるため、ズームアップが行われている状態において、デフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回るか否かの判定を行うだけでは、後ピン状態を精度良く検出することができない。
【0128】
また、一般に、ズーミング機能を有するカメラでは、遠方の主要被写体を撮影する際の焦点調節の精度を向上するため、主要被写体をズームアップした状態でピント合わせを行い、合焦後にワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングを行って所望の構図で撮影が行われる場合がある。すなわち、ズーミング機能を有するカメラでは、合焦ロック中にワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングが行われることはあっても、合焦ロック中にテレ側(焦点距離が長くなる方向)へズーミングが行われる可能性は低い。
【0129】
そこで、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、図10S806における判定によって、合焦ロック中にテレ側(焦点距離が長くなる方向)へズーミングが行われたことを認識した場合(ズームアップが行われた場合)、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
すなわち、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、合焦ロック中にズームアップが行われた場合、撮影者が意図的に構図変更を行ったと判断され、AF制御モードの自動切り換えが行われずにONESHOTモードが維持されることになる。
【0130】
CPU17は、図10S805における判定によってズーミングが行われていないことを認識した場合または図10S806における判定によってワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングが行われたことを認識した場合、図2S105において算出したデフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回るか否かの判定を行う(図10S808)。
【0131】
CPU17は、このような判定によって、デフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回ることを認識した場合(後ピン状態を検出した場合)、被写体が近づいてきていると判断して、メモリ22内の合焦ロックフラグをリセットする(図10S809)と共に、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットし(図10S810)、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
【0132】
一方、CPU17は、デフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1以下であることを認識した場合、合焦ロック中に主要被写体が焦点検出領域外になるような構図変更が行われたと判断して、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
なお、CPU17は、図10S804における判定によって、合焦ロックが解除されていることを認識した場合、メモリ22内の動体フラグがセットされているか否かの判定を行い(図10S811)、被写体が動体であると判断した場合、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットする(図10S810)。
【0133】
以上説明したように、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、合焦ロック中にワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングが行われている場合にも、デフォーカス量DF[0]が所定値AFsevth1を上回るか否かの判定が行われる。
したがって、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、合焦ロック中にワイド側(焦点距離が短くなる方向)へズーミングが行われている状態で被写体が近づいてくる場合であっても、合焦ロックを確実に解除することができる。
【0134】
また、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、合焦ロック中にテレ側(焦点距離が長くなる方向)へズーミングが行われた場合(ズームアップが行われた場合)、撮影者が意図的に構図変更を行ったと判断されてONESHOTモードが維持される。
そのため、本実施形態では、合焦ロックの解除を的確に行い、合焦ロックが解除されている場合に合焦判定を行うことができるため、焦点調節を精度良く行うことができる。
【0135】
ところで、上述した第一の実施形態および第二の実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、デフォーカス量DF[0]が所定値をAFsevth1上回るか否かの判定を行うことによって、合焦ロック中の後ピン状態を検出している。そのため、第二の実施形態のようにズーミングによってデフォーカス量DF[0]が変動する場合には、ズーミングが行われたか否かの判定を行う必要があった。
【0136】
以下に示す第三の実施形態では、ズーミングが行われたか否かの判定を行うことなく、後ピン状態が検出できる処理について説明する。
図11は、第三の実施形態のAF制御モードの自動切り換えルーチンの動作フローチャートである。
【0138】
ところで、第三の実施形態の特徴は、AF制御モードの自動切り換え処理にあり、他の処理については、第一の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
なお、第一の実施形態と第三の実施形態との動作の相違点は、図6に示したAF制御モードの自動切り換えルーチンに代えて、図11に示すAF制御モードの自動切り換えルーチンが実行される点である。
【0139】
また、本実施形態では、AF制御モードの自動切り換え処理に先行するレンズ駆動処理において、合焦ロックフラグをセットした時点のレンズ位置(以下、「合焦ロック時のレンズ位置Plock」という。)が検出され、検出された「合焦ロック時のレンズ位置Plock」がメモリ22に記憶されているとする。なお、「合焦ロック時のレンズ位置Plock」は、後述する合焦位置差dpを算出する際(図11S905に相当する)にメモリ22から読み出される。
【0140】
以下、図11を参照して第三の実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理の動作を説明する。
なお、図11S901〜S904の処理は、図6S501〜S504の処理と同じであり、図11S807〜S809の処理は、図6S506〜S508の処理と同じであるため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0141】
CPU17は、上述した図2S105におけるデフォーカス量DF[0]の計算結果によって、焦点の検出が不能であるか否かの判定を行い(図11S901)、このような判定によって、焦点の検出が行われたことを認識した場合、上述した同一被写体判定処理によって設定された同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回るか否かの判定を行う(図11S902)。
【0142】
CPU17は、このような判定によって、同一被写体信頼値J[0]が所定値Jth1を上回ることを認識した場合、メモリ22内のAF制御モード変数がONESHOTモードを示す値であるか否かの判定を行う(図11S903)。
【0143】
CPU17は、このような判定によって、ONESHOTモードが設定されていることを認識した場合、メモリ22内の合焦ロックフラグがセットされているか否かの判定を行う(図11S904)。
CPU17は、このような判定によって合焦ロック中であることを認識した場合、上述した「合焦ロック時のレンズ位置Plock」をメモリ22から読み出すと共に、図2S106において算出しメモリ22に記憶した今回の被写体位置対応レンズ位置P[0]をメモリ22から読み出す。
【0144】
また、CPU17は、このように読み出した「合焦ロック時のレンズ位置Plock」から今回の被写体位置対応レンズ位置P[0](蓄積中心時刻T[0]におけるレンズの合焦位置に相当する)を減算することによって、被写体位置の変位に換算可能な値(以下、合焦位置差dpという。)を算出する(図11S905)。
すなわち、CPU17は、下式によって合焦位置差dpを算出する。
【0145】
dp = Plock − P[0]
CPU17は、このようにして合焦位置差dpを算出すると、合焦位置差dpが所定値AFsevth2を上回るか否かの判定を行う(図11S906)。
ただし、所定値AFsevth2は、正の値である。また、合焦位置差dpが所定値AFsevth2を上回る場合、合焦ロックフラグがセットされた時点の合焦位置よりも蓄積中心時刻T[0]における合焦位置の方が小さいことを示し、合焦ロック中に後ピン状態が検出されたことを意味する。
【0146】
なお、所定値AFsevth2は、一定の値でも良いが、デフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータに応じて変化させてもよい。このように、AFsevth2をデフォーカス量レンズ駆動量変換パラメータに応じて変化させることによって、合焦ロック中の後ピン状態を検出する精度を向上させることができる。
CPU17は、図11S906における判定によって、合焦位置差dpが所定値AFsevth2を上回ることを認識した場合、被写体が近づいてきていると判断して、メモリ22内の合焦ロックフラグをリセットする(図11S907)と共に、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットし(図11S908)、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
【0147】
一方、CPU17は、合焦位置差dpが所定値AFsevth2以下であることを認識した場合、合焦ロック中に主要被写体が焦点検出領域外になるような構図変更が行われたと判断して、AF制御モードの自動切り換えルーチンを終了する。
なお、CPU17は、図11S904における判定によって、合焦ロックが解除されていることを認識した場合、メモリ22内の動体フラグがセットされているか否かの判定を行い(図11S909)、被写体が動体であると判断した場合、メモリ22内のAF制御モード変数にCONTINUOUSモードを示す値をセットする(図11S908)。
【0148】
以上説明したように、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理では、合焦ロックフラグがセットされた時点の焦点調節用のレンズの合焦位置と蓄積中心時刻T[0]における焦点調節用のレンズの合焦位置とを比較するため、ズーミングが行われたか否かの判定を行うなく、合焦ロック中に後ピン状態を確実に検出することができる。
【0149】
そのため、本実施形態のAF制御モードの自動切り換え処理によれば、合焦ロック中に被写体が近づいてきているか否かの判定を容易にかつ確実に行うことができ、動体判定処理によって、低速で移動する被写体を動体として判断できなくても、被写体が近づいてくる場合には、合焦ロックを確実に解除することができる。
【0150】
したがって、本実施形態では、合焦ロックの解除を的確に行い、合焦ロックが解除されている場合に合焦判定を行うことができるため、焦点調節を精度良く行うことができる。
【0151】
【発明の効果】
上述したように、第1の発明の自動焦点調節装置では、合焦状態である場合に焦点調節用のレンズの駆動が禁止されるが、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で後ピン状態が検出されると被写体が動体であると判断して焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する。
【0152】
また、第2の発明の自動焦点調節装置では、合焦状態である場合に焦点調節用のレンズの駆動が禁止されるが、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で後ピン状態が検出され、かつ焦点の状態が急激に変化していない場合、被写体が動体であると判断して焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する。なお、第2の発明の自動焦点調節装置では、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、後ピン状態が検出され、かつ焦点の状態が急激に変化したことを認識した場合、被写体の手前を撮影に関係ないものが横切ったと判断して、焦点調節用のレンズの駆動が禁止された状態を維持する。
【0153】
さらに、第3の発明の自動焦点調節装置では、合焦状態である場合に焦点調節用のレンズの駆動が禁止されるが、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で後ピン状態が検出され、かつズームアップが行われていない場合、被写体が動体であると判断して焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する。
すなわち、第1から第3の発明の自動焦点調節装置では、焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態において、被写体が動体であるか否かの判定を確実に行うことができ、このような判定によって被写体が動体であると判断された場合に焦点調節用のレンズの駆動の禁止が解除される。
【0154】
ところで、第4の発明の自動焦点調節装置では、第1から第3のいずれかの発明の自動焦点調節装置において、撮影状態に応じて、焦点調節用のレンズの駆動の禁止の解除を有効とするか否かの判定が行われる。
そのため、第1ないし第4の発明の自動焦点調節装置によれば、焦点調節用のレンズの駆動を許可するか否かを適切に決定することができる。
【0158】
第5の発明の自動焦点調節装置では、第1から第4のいずれかの発明の自動焦点調節装置において、被写体が動体であると判断した場合、被写体の移動量を予測して焦点調節用のレンズの予測駆動を行う。
また、第6の発明の自動焦点調節装置では、焦点調節の対象である被写体が動体であっても、像面移動速度が所定値よりも小さい場合には、焦点調節用のレンズの予測駆動を禁止する。
【0159】
したがって、第1ないし第6の発明によれば、焦点調節用のレンズの駆動を許可するか否かを適切に決定することができるため、焦点合わせの精度を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラの機能ブロック図である。
【図2】第一の実施形態の動作フローチャート(1)である。
【図3】第一の実施形態の動作フローチャート(2)である。
【図4】第一の実施形態の動作フローチャート(3)である。
【図5】第一の実施形態の動作フローチャート(4)である。
【図6】第一の実施形態の動作フローチャート(5)である。
【図7】第一の実施形態の動作フローチャート(6)である。
【図8】第一の実施形態の動作フローチャート(7)である。
【図9】同一被写体信頼値の特性を示す図である。
【図10】第二の実施形態のAF制御モードの自動切り換えルーチンの動作フローチャートである。
【図11】第三の実施形態のAF制御モードの自動切り換えルーチンの動作フローチャートである。
【符号の説明】
10 カメラボディ
11 交換レンズ
12 撮影レンズ群
13 メインミラー
14 サブミラー
15 AFモジュール
16 センサー駆動回路
17 CPU
18 モータ駆動回路
19 モータ
20 モータエンコーダ
21 操作部
22 メモリ
23 レンズ情報記憶回路
24 レンズ移動機構
Claims (6)
- 焦点の状態を繰り返し検出する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段によって検出される焦点の状態に基づいて焦点調節用のレンズの駆動を行うレンズ駆動手段と、
前記焦点検出手段によって検出される焦点の状態に基づいて合焦状態であるか否かを判定し、合焦状態であると判断した場合、前記レンズ駆動手段による前記焦点調節用のレンズの駆動を禁止する駆動禁止手段と、
焦点調節の対象である被写体が動体であるか否かを判定し、該被写体が動体であると判断した場合、前記駆動禁止手段による前記焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する禁止解除手段と
を備えた自動焦点調節装置において、
前記禁止解除手段は、
前記駆動禁止手段によって前記レンズ駆動手段による前記焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、前記焦点検出手段によって後ピン状態が検出された場合、前記被写体が動体であると判断して前記駆動禁止手段による前記焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除し、前記焦点検出手段によって前ピン状態が検出された場合、構図の変更が行われたと判断して前記駆動禁止手段による前記焦点調節用のレンズの駆動の禁止を維持する
ことを特徴とする自動焦点調節装置。 - 請求項1に記載の自動焦点調節装置において、
前記禁止解除手段は、
前記駆動禁止手段によって前記レンズ駆動手段による前記焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、前記焦点検出手段によって後ピン状態が検出され、かつ焦点の状態が急激に変化していないことを認識した場合、前記被写体が動体であると判断して前記駆動禁止手段による前記焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する
ことを特徴とする自動焦点調節装置。 - 請求項1に記載の自動焦点調節装置において、
ズームアップが行われたか否かを判定するズーム判定手段を備え、
前記禁止解除手段は、
前記駆動禁止手段によって前記レンズ駆動手段による前記焦点調節用のレンズの駆動が禁止されている状態で、前記ズーム判定手段によってズームアップが行われていないと判断され、かつ前記焦点検出手段によって後ピン状態が検出された場合、前記被写体が動体であると判断し、前記駆動禁止手段による前記焦点調節用のレンズの駆動の禁止を解除する
ことを特徴とする自動焦点調節装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の自動焦点調節装置において、
撮影状態の設定にかかわる外部操作を受け付ける撮影状態設定手段と、
前記撮影状態設定手段によって受け付けられた外部操作に相当する撮影状態に応じて、前記禁止解除手段による前記焦点調節用のレンズの駆動の禁止の解除を有効とするか否かを判定する解除制御手段と
を備えたことを特徴とする自動焦点調節装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の自動焦点調節装置において、
前記レンズ駆動手段は、
焦点調節の対象である被写体が動体であるか否かを判定し、該被写体が動体であると判断した場合には、該被写体の移動量を予測して前記焦点調節用のレンズの駆動を行う
ことを特徴とする自動焦点調節装置。 - 請求項5に記載の自動焦点調節装置において、
前記焦点検出手段によって検出された焦点の状態に基づいて結像面の移動速度を算出する像面移動速度算出手段と、
前記像面移動速度算出手段によって算出された結像面の移動速度が所定値を下回る場合、前記レンズ駆動手段による前記焦点調節用のレンズの駆動のうち、焦点調節の対象である被写体の移動量を予測して該焦点調節用のレンズの駆動を行うことを禁止する予測駆動禁止手段と
を備えたことを特徴とする自動焦点調節装置。
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