JP4314442B2 - Laminated structure and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層構造体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、層間接着性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物成形体にウレタン結合を有する硬化性樹脂を含む樹脂硬化層が積層された積層構造体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリプロピレン樹脂は、安価で物理的特性に優れていることから、各種成形体、特に自動車用内外装材などに広く利用されている。
自動車用内装材、特にインストルメントパネル材に用いられているポリプロピレン樹脂成形品は、商品価値を上げる目的で、あるいはクッション性のある触感を与えるためポリオレフィン発泡体、ポリウレタン発泡体等の発泡体および表皮材を成形品表面に積層した状態で使用されている。特にポリウレタン発泡体はクッション性と高級な外観を与えることができるため多用されている。
【0003】
また、表皮材のみを積層する場合は、ポリプロピレン樹脂成形品に接着剤を塗布した後、表皮材を張り合わせて商品価値を上げている。接着剤としては環境問題および取り扱いの容易さの観点から水性エマルション型接着剤が多用されている。
一方、自動車外装材、特にバンパー材に用いられているポリプロピレン樹脂成形品は、良好な外観を得る目的でボディーと同色の塗装が施されることが常となっている。
【0004】
しかし、ポリプロピレン樹脂は非極性のポリマーであり、そのままではポリウレタン発泡体や水性接着剤とは接着しない。このため、ポリプロピレン樹脂の接着性を向上させるため、フレーム処理やプライマー塗布等の前処理を施した後にポリウレタン発泡体、水性接着剤または塗料を注入または塗布して接着することが行われている。
ところが、プライマーはハロゲン化物を大量に含んでいるので、近年環境問題から脱プライマー接着への要求が高まっている。さらにプライマー塗布工程を省略することで、部品コストを低減することが可能である。
【0005】
一方、ポリプロピレン樹脂に接着性を付与するためポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸基を有するモノマーをグラフトしたグラフト変性ポリプロピレン樹脂を用いることも行われているが、接着性のさらなる向上が求められている。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の課題はポリプロピレン系樹脂組成物成形体にウレタン結合を有する硬化性樹脂を含む樹脂硬化層が積層された積層構造体であって、接着強度の優れた積層構造体を提供することである。
本発明の他の課題は、ポリプロピレン系樹脂組成物成形体にウレタン結合を有する硬化性樹脂を含む樹脂硬化層を直接積層することにより、上記積層構造体を効率よく低コストで製造することができる積層構造体の製造方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の積層構造体およびその製造方法である。
(1) ポリプロピレン樹脂(a)にヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)がグラフト重合し、芳香族ビニル系モノマーがグラフト重合しない変性ポリプロピレン樹脂(A)であって、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)のグラフト量がポリプロピレン樹脂(a)およびヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)の合計に対して1〜10重量%である変性ポリプロピレン樹脂(A)を10〜70重量%、未変性ポリプロピレン樹脂(D)を10〜80重量%、熱可塑性エラストマー(E)を5〜30重量%、および無機充填材もしくは無機補強材(F)を5〜30重量%(ここで(A)、(D)、(E)および(F)成分の合計は100重量%である)含有するポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)を含む樹脂硬化層が積層された積層構造体。
(2) ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)が2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/または2−ヒドロキシエチルアクリレートである上記(1)記載の積層構造体。
(3) ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)がポリウレタン樹脂である上記(1)または(2)記載の積層構造体。
(4) ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)を含む樹脂硬化層がポリウレタン発泡体(G)、ポリウレタン樹脂を含む接着剤もしくはウレタン結合を形成する接着剤からなる接着剤層(H)、またはポリウレタン樹脂を含む塗料もしくはウレタン結合を形成する塗料からなる塗膜(I)である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の積層構造体。
(5) ポリプロピレン樹脂(a)にヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)がグラフト重合し、芳香族ビニル系モノマーがグラフト重合しない変性ポリプロピレン樹脂(A)であって、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)のグラフト量がポリプロピレン樹脂(a)およびヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)の合計に対して1〜10重量%である変性ポリプロピレン樹脂(A)を10〜70重量%、未変性ポリプロピレン樹脂(D)を10〜80重量%、熱可塑性エラストマー(E)を5〜30重量%、および無機充填材もしくは無機補強材(F)を5〜30重量%(ここで(A)、(D)、(E)および(F)成分の合計は100重量%である)含有するポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)またはその原料を接触または塗布したのち硬化させて樹脂硬化層を形成し、上記(1)記載の積層構造体を製造する積層構造体の製造方法。
(6) ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、発泡剤を含むポリウレタン樹脂を直接接触させ、発泡剤を発泡させてポリウレタン発泡体を形成し、その後硬化させて樹脂硬化層を形成する上記(5)記載の製造方法。
(7) ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、発泡剤を含むポリウレタン樹脂原料を直接接触させ、ポリウレタン樹脂を製造するとともに発泡剤を発泡させてポリウレタン発泡体を形成し、その後硬化させて樹脂硬化層を形成する上記(5)記載の製造方法。
(8) ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、ポリウレタン樹脂を含む接着剤もしくはウレタン結合を形成する接着剤、またはポリウレタン樹脂を含む塗料もしくはウレタン結合を形成する塗料を直接塗布した後、乾燥または加熱して硬化させ、接着剤層(H)または塗膜(I)を形成する上記(5)記載の製造方法。
【0008】
本発明に用いられる変性ポリプロピレン樹脂(A)は、ポリプロピレン樹脂(a)にヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)がグラフト重合し、芳香族ビニル系モノマーがグラフト重合しないグラフト変性ポリプロピレン樹脂である。ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)のグラフト量はポリプロピレン樹脂(a)およびビニルモノマー(b)の合計に対して1〜10重量%である。ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)のグラフト量が1〜10重量%の範囲にあるので、変性ポリプロピレン樹脂(A)において接着性効果とグラフト効率のバランスが優れる。
【0009】
上記ポリプロピレン樹脂(a)としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと他のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体を用いることができる。
プロピレンと共重合される他のα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素数4〜20のα−オレフィン、具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどがあげられる。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0010】
ポリプロピレン樹脂(a)としては、メルトフローインデックス(MI)が10g/10分以下、好ましくは0.001〜1g/10分、さらに好ましくは0.001〜0.1g/10分のものが望ましい。MIが10g/10分以下である場合、得られる変性ポリプロピレン樹脂(A)の接着性がより優れている。なお、上記メルトフローインデックス(MI)は、ASTM D 1238に準じて荷重2.16kg、230℃で測定された値である。
ポリプロピレン樹脂(a)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0011】
ポリプロピレン樹脂(a)にグラフトさせるヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等をあげることができる。これらの中では2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)が最も好ましい。ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0012】
本発明に用いられる変性ポリプロピレン樹脂(A)を製造するには公知の方法が採用できるが、前記ポリプロピレン樹脂(a)、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)およびラジカル重合開始剤(c)を混合後、押出機で溶融混練する方法が好ましい。
【0013】
前記ポリプロピレン樹脂(a)とヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)との配合割合は前記グラフト量の変性ポリプロピレン樹脂(A)が得られれば特に限定されないが、通常ポリプロピレン樹脂(a)100重量部に対して、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)が1〜15重量部の割合である。
【0014】
前記ポリプロピレン樹脂(a)にヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)をグラフト重合する際に用いられるラジカル重合開始剤(c)としては、具体的には3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド(1)、オクタノイルペルオキシド(2)、デカノイルペルオキシド(3)、ラウロイルペルオキシド(4)、こはく酸ペルオキシド(5)、アセチルペルオキシド(6)、t−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエート)(7)、m−トルオイルペルオキシド(8)、ベンゾイルペルオキシド(9)、t−ブチルペルオキシイソブチレート(10)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(11)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(12)、t−ブチルペルオキシマレイン酸(13)、t−ブチルペルオキシラウレート(14)、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノエート(15)、シクロヘキサノンペルオキシド(16)、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート(17)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン(18)、t−ブチルペルオキシアセテート(19)、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン(20)、t−ブチルペルオキシベンゾエート(21)、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート(22)、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート(23)、メチルエチルケトンペルオキシド(24)、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(25)、ジクミルペルオキシド(26)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(27)、t−ブチルクミルペルオキシド(28)、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(29)、ジ−t−ブチルペルオキシド(30)、p−メンタンヒドロペルオキシド(31)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(32)、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド(33)、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド(34)、クメンヒドロペルオキシド(35)、t−ブチルヒドロペルオキシド(36)などがあげられる。これらの中では特に(12)〜(36)の化合物が好ましい。
【0015】
前記ラジカル重合開始剤(c)の配合量は、前記ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部であるのが望ましい。ラジカル重合開始剤(c)の配合量が0.01重量部未満である場合には、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)のグラフト重合およびポリプロピレン樹脂(a)に対するラジカル開始点の生成が不充分となるため、充分な加工性の改良効果を呈する変性ポリプロピレン樹脂(A)を得ることが困難となるようになり、また10重量部を超える場合には、ラジカル重合開始剤(c)が過剰であることから、変性ポリプロピレン樹脂(A)の分子量が低下して実用に供しにくくなる。
【0016】
以上の方法で得られた変性ポリプロピレン樹脂(A)としては、メルトフローインデックス(MI)が3000g/10分以下、好ましくは2000〜500g/10分、さらに好ましくは1000〜50g/10分のものが望ましい。MIが3000g/10分以下である場合、得られるポリプロピレン系樹脂組成物(B)とウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)との接着強度が優れている。
変性ポリプロピレン樹脂(A)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0017】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(B)は前記変性ポリプロピレン樹脂(A)を10〜70重量%、未変性ポリプロピレン樹脂(D)を10〜80重量%、熱可塑性エラストマー(E)を5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、無機充填材もしくは無機補強材(F)を5〜30重量%(ここで(A)、(D)、(E)および(F)成分の合計は100重量%である)含む樹脂組成物である。変性ポリプロピレン樹脂(A)の含有量が10〜70重量%である場合、接着強度の優れた積層構造体を得ることができる。
【0018】
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)で用いられる未変性ポリプロピレン樹脂(D)としては公知のポリプロピレン樹脂が使用でき、前記ポリプロピレン樹脂(a)を使用することもできるが、プロピレンブロック共重合体(D−1)またはプロピレン単独重合体が好ましい。
プロピレンブロック共重合体(D−1)はエチレン・プロピレン共重合体セグメントと、結晶性ポリプロピレンセグメントとを含む共重合体である。
【0019】
エチレン・プロピレン共重合体セグメントの135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した固有粘度[η]は2〜8dl/g、好ましくは3〜6dl/gであるのが望ましい。
プロピレンブロック共重合体(D−1)は、エチレン・プロピレン共重合体セグメントの含有割合が10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%、結晶性ポリプロピレンセグメントの含有割合が70〜90重量%、好ましくは80〜90重量%であるのが望ましい。
【0020】
プロピレンブロック共重合体(D−1)のエチレン含有量は0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%であるのが望ましい。
プロピレンブロック共重合体(D−1)のメルトフローインデックス(MI:ASTM D 1238,L,230℃、2.16kg荷重)は0.5〜200g/10分、好ましくは1〜100g/10分であるのが望ましい。
【0021】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(B)中の未変性ポリプロピレン樹脂(D)の含有量は10〜80重量%であり、未変性ポリプロピレン樹脂(D)を上記含有量で配合した場合、剛性や耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物(B)を得ることができる。
【0022】
前記ポリプロピレン樹脂(a)、およびプロピレンブロック共重合体(D−1)等の未変性ポリプロピレン樹脂(D)は公知の方法により製造することができる。例えば、オレフィン類を立体規則性触媒、好ましくは担体付遷移金属成分および有機アルミニウム化合物よりなる触媒の存在下で重合させることにより得ることができる。
【0023】
プロピレンブロック共重合体(D−1)は、例えばプロピレンの単独重合をまず行い、次いで同じ重合系でプロピレンとエチレンとのランダム共重合を行い、必要に応じてエチレンの単独重合を行う等の操作により製造することができる。この方法で得られるブロック共重合体は、いわゆる非ポリマーブレンドタイプすなわち化学ブレンドタイプの共重合体である。すなわち多段重合法により、結晶性ポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体および結晶性ポリエチレンを、重合反応系中で直接ブレンド状態にする。この具体的な製造方法は、特開昭52−98045号および特公昭57−26613号などの公報に詳しく説明されている。
未変性ポリプロピレン樹脂(D)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0024】
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)で用いられる熱可塑性エラストマー(E)としては公知の熱可塑性エラストマーが使用できるが、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)およびスチレン・エチレン/ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)(E−3)から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0025】
上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体であって、エラストマー状物であることが望ましい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)は、エチレンから導かれる構造単位を60〜90モル%、好ましくは65〜85モル%、炭素数3〜10のα−オレフィンから導かれる構造単位を10〜40モル%、好ましくは15〜35モル%含有していることが望ましい。
【0026】
エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどがあげられる。これらの中では炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
【0027】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)は、本発明の特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)は、このような他の重合性モノマーから導かれる単位を、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0028】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)は、炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を2種以上含有していてもよく、また他の重合性モノマーから導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
【0029】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)のメルトフローインデックス(MI:ASTM D 1238;190℃、2.16kg荷重下)は0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分であることが望ましい。
【0030】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)の固有粘度[η](135℃、デカリン中で測定)は1〜5dl/g、好ましくは1〜3dl/gであることが望ましい。
【0031】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)のガラス転移点Tgは−40℃以下、好ましくは−45〜−80℃であることが望ましい。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)の密度は0.860〜0.900g/cm3、好ましくは0.865〜0.890g/cm3であることが望ましい。
【0032】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)としては、具体的にはエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1−オクテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体などがあげられる。これらの中では、エチレン・1−オクテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体などが好ましく用いられる。このエチレン・1−オクテンランダム共重合体(EOR)は、エチレンから導かれる構造単位を60〜95モル%、好ましくは70〜90モル%、1−オクテンから導かれる構造単位を5〜40モル%、好ましくは10〜30モル%含有していることが望ましい。
【0033】
熱可塑性エラストマー(E)として用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)は、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)とのランダム共重合体であって、エラストマー状物であることが望ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)は、プロピレンから導かれる構造単位を60〜90モル%、好ましくは65〜85モル%、炭素数3〜10のα−オレフィンから導かれる構造単位を10〜40モル%、好ましくは15〜35モル%含有していることが望ましい。
【0034】
プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、例えばエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどがあげられる。これらの中では炭素数2〜10のα−オレフィンが好ましい。
【0035】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)は、本発明の特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)は、このような他の重合性モノマーから導かれる単位を、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0036】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)は、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンから導かれる単位を2種以上含有していてもよく、また他の重合性モノマーから導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
【0037】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)のメルトフローインデックス(MI:ASTM D 1238;230℃、2.16kg荷重下)は0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分であることが望ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)の固有粘度[η](135℃、デカリン中で測定)は1〜5dl/g、好ましくは1〜3dl/gであることが望ましい。
【0038】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)のガラス転移点Tgは−40℃以下、好ましくは−45〜−80℃であることが望ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)の密度は0.860〜0.900g/cm3、好ましくは0.865〜0.890g/cm3であることが望ましい。
【0039】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)としては、具体的にはプロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・1−オクテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体などがあげられる。これらの中では、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体などが好ましく用いられる。このプロピレン・エチレンランダム共重合体(PER)は、プロピレンから導かれる構造単位を60〜95モル%、好ましくは70〜90モル%、エチレンから導かれる造単位を5〜40モル%、好ましくは10〜30モル%含有していることが望ましい。
【0040】
上記のようなエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)およびプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
【0041】
熱可塑性エラストマー(E)として用いるスチレン・エチレン/ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)(E−3)は、ポリスチレンブロック単位とポリエチレン/ブチレンゴムブロック単位とを含む熱可塑性エラストマーである。このようなSEBS(E−3)は、ハードセグメントであるポリスチレンブロック単位が物理架橋(ドメイン)を形成してゴムブロック単位の橋かけ点として存在しており、このポリスチレンブロック単位間に存在するゴムブロック単位はソフトセグメントであってゴム弾性を有している。
【0042】
SEBS(E−3)はポリスチレン単位を14〜40重量%、好ましくは14〜35重量%含有していることが望ましい。なおスチレンから導かれる単位の含有量は赤外線分光法、NMR分光法などの常法によって測定される値である。
【0043】
SEBS(E−3)のメルトフローインデックス(MI;ASTM D 1238に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定)は0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分であることが望ましい。
【0044】
SEBS(E−3)は、具体的には例えば特公昭60−57463号などに記載されている公知の方法によって製造することができる。
SEBS(E−3)としては市販品を使用することもでき、具体的にはクレイトン(Kraton)G1650、G1652、G1657(シェル化学(株)製、商標)、タフテック(旭化成(株)製、商標)などがあげられる。
【0045】
SEBS(E−3)は、一般的にスチレン・ブタジエン系ブロック共重合体であるSBS(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)の水添物として知られている。本発明ではSEBS(E−3)とともにSBSおよび他のスチレン・共役ジエン系共重合体あるいはこれらの完全または不完全水素化物が用られいてもよい。
【0046】
このようなスチレン・共役系共重合体としては、具体的にはSBR(スチレン・ブタジエンランダム共重合体)、SBS、PS−ポリイソプレンブロック共重合体、SIS(スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体)およびSIS水添物(SEPS)などがあげられ、より具体的にはクレイトン(Kraton:シェル化学(株)製、商標)、キャリフレックスTR(シェル化学(株)製、商標)、ソルプレン(フィリップスペトロリファム社製、商標)、ユーロプレンSOLT(アニッチ社製、商標)、タフプレン(旭化成(株)製、商標)、ソルプレン−T(日本エラストマー社製、商標)、JSRTR(日本合成ゴム社製、商標)、電化STR(電気化学社製、商標)、クインタック(日本ゼオン社製、商標)、クレイトンG(シェル化学(株)製、商標)、タフテック(旭化成(株)製、商標)などがあげられる。
【0047】
本発明では熱可塑性エラストマー(E)として、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−2)またはSEBS(E−3)のみを用いてもよく、これらを適宜組合わせて用いてもよい。
【0048】
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)中の熱可塑性エラストマー(E)の含有量は5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%である。熱可塑性エラストマー(E)の含有量が5〜30重量%の範囲にある場合、耐衝撃性や柔軟性の良好なポリプロピレン系樹脂組成物(B)が得られる。
【0049】
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)で用いられる無機充填材もしくは無機補強材(F)として、具体的には微粉末タルク、カオリナイト、焼成クレー、バイロフィライト、セリサイト、ウォラスナイトなどの天然珪酸または珪酸塩、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウムなどの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪酸塩などの粉末状充填材、マイカなどのフレーク状充填材、ガラス繊維、炭素繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充填材、ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填材等があげられる。
【0050】
無機充填材もしくは無機補強材(F)としてはタルクまたはガラス繊維が好ましく用いられる。タルクとしては、特に平均粒径0.01〜10μmのタルク微粉末が好ましく用いられる。
ガラス繊維は、平均繊維径が通常5〜20μm、好ましくは10〜15μmであり、繊維長さが0.1〜20mm、好ましくは0.3〜10mmであるものが望ましい。
無機充填材もしくは無機補強材(F)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0051】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(B)中の無機充填材もしくは無機補強材(F)の含有量は5〜30重量%である。無機充填材もしくは無機補強材(F)を上記含有量で配合した場合、剛性や耐熱性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物(B)が得られる。
【0052】
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)を調製するには、公知の方法で行うことができる。例えば、変性ポリプロピレン樹脂(A)、未変性ポリプロピレン樹脂(D)、熱可塑性エラストマー(E)、および無機充填材もしくは無機補強材(F)を前記割合で混合後、溶融混練して調製することができる。
【0053】
混合はタンブラーブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等で行うことができる。
混練は、例えば一軸押出機、二軸押出機、二軸混練機、バンバリーミキサー、ロールなどの装置を用いて行うことができる。上記のような各成分を押出機などの混練装置で混練することにより混練物として得られるポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、通常ペレット状に成形されて使用される。
【0054】
本発明では、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)の調製に際して(A)、(D)、(E)および(F)成分を混練装置に添加する順序は限定されず、同時でもよく別々でもよい。また変性ポリプロピレン樹脂(A)、未変性ポリプロピレン樹脂(D)、熱可塑性エラストマー(E)および無機充填材または無機補強材(F)から予め(A)、(E)および(F)成分を高濃度に含有するマスターバッチを得て、このマスターバッチを未変性ポリプロピレン樹脂(D)で希釈しながらブレンドコンパウンディングしたり、成形したりして上記のような組成を有するポリプロピレン系樹脂組成物(B)を得てもよい。
【0055】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂組成物(B)は、各種添加剤として例えばフェノール系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、難燃剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、ウェルド強度改良剤などを含有していてもよい。
【0056】
本発明で用いられるウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)としてはウレタン結合を有する公知の熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂が制限なく使用でき、具体的にはポリウレタン樹脂などがあげられる。ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)にはウレタン結合の他に尿素結合、ビュレット結合などが含まれていてもよい。ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)は必要に応じて硬化剤を併用することもできる。
ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)はポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体にそのまま積層することもできるが、ポリウレタン発泡体(G)の形態で積層したり、接着剤や塗料として使用することもできる。
【0057】
ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)として用いるポリウレタン樹脂としては公知のポリウレタン樹脂が使用できる。例えば、多官能イソシアナートもしくはその誘導体と、ポリオールもしくはその誘導体および/またはポリエステルもしくはその誘導体とを反応させて得られる重合体が使用できる。
【0058】
ポリウレタン樹脂の原料となる多官能イソシアナートもしくはその誘導体としては、トリレンジイソシアナート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、イソホロンジイソシアナートおよびノルボルナンジイソシアナート等の多官能イソシアナート、ならびにこれらのブロック誘導体またはイソシアヌレート誘導体等の誘導体などがあげられる。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0059】
ポリウレタン樹脂の原料となるポリオールもしくはその誘導体としては、例えば分子量が500〜100000のポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、末端がアミン化されたポリプロピレングリコール等をあげることができる。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0060】
ポリウレタン樹脂の原料となるポリエステルもしくはその誘導体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリブチレンイソフタレート、ならびにこれらのポリエステルとポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール等との反応物などがあげられる。これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0061】
多官能性イソシアナートとポリオールおよび/またはポリエステルとからポリウレタン樹脂を得るには、例えば両者を等モル〜多官能イソシアナートが過剰になるように混合して撹拌することにより得ることができる。この際重合促進剤、例えばアミン化合物等を配合してもよい。
【0062】
ポリウレタン発泡体(G)を得るには上記ポリウレタン樹脂にブタン、ペンタン、ヘキサン等の液状発泡剤、またはアゾジカルボン酸アミド等の分解性発泡剤などを混合して発泡させることにより得ることもできるが、好ましくはポリウレタン樹脂を製造する際に、ポリウレタン樹脂の原料となるポリオールまたはポリエステルに上記発泡剤を配合した後イソシアネートと混合することにより、ポリウレタン樹脂の製造と同時に発泡させて発泡体を得るのが望ましい。発泡は40〜120℃、好ましくは50〜100℃で行うことができる。
【0063】
本発明の積層構造体において、ポリウレタン発泡体(G)はクッション層としての役割を果たす。
ポリウレタン発泡体(G)を積層した積層構造体には、通常さらに表皮材シートが積層される。表皮材シートとしては、塩化ビニル製、ポリオレフィン製等各種素材のシートが利用できる。
【0064】
表皮材シートを積層する方法としては、ポリウレタン樹脂発泡用金型を用いて、雄型にポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体を装着し、雌型で表皮材シートを真空成形もしくはパウダースラッシュ成形する。型を閉じた後にポリプロピレン系樹脂組成物(B)成形体と表皮材シートとの間に発泡剤を含むポリウレタン樹脂または樹脂原料を注入して発泡させる方法等があげられる。
【0065】
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂組成物(B)はポリウレタン樹脂もしくはその発泡体(G)に対する接着性、特に加熱接着性に優れているため、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体にポリウレタン樹脂もしくはその発泡体(G)を加熱状態で直接積層することにより、両者を強固に接着することができる。このため従来、ポリウレタン樹脂もしくはその発泡体(G)とポリプロピレン樹脂との接着において必要であったプライマーやゴム系接着剤を必要としない。
【0066】
ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)を含む樹脂硬化層としてはポリウレタン発泡体(G)の他に、ポリウレタン樹脂を含む接着剤もしくはウレタン結合を形成する接着剤からなる接着剤層(H)、またはポリウレタン樹脂を含む塗料もしくはウレタン結合を形成する塗料からなる塗膜(I)などがあげられる。
【0067】
ポリウレタン樹脂を含む接着剤もしくはウレタン結合を形成する接着剤としては公知の接着剤が使用できるが、水性または水性エマルション型の接着剤が好ましく、具体的にはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン・アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等のポリウレタン樹脂を含む水性または水性エマルション型の接着剤、あるいは塗布後にウレタン結合を形成するウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン・アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等の接着剤などがあげられる。
【0068】
接着剤には硬化剤を併用することができる。このような硬化剤としては、イソシアナート系、ポリイソシアナート系およびアミン系等があげられる。硬化剤は接着剤に配合されている場合もあるが、通常は塗布直前に接着剤と特定の比率で混合して用いる。硬化剤としては、イソシアナート系およびポリイソシアナート系が好ましい。
接着剤としては市販されているポリウレタン系の接着剤を使用することもできる。
【0069】
ポリウレタン樹脂を含む塗料もしくはウレタン結合を形成する塗料は、いわゆる中塗り、上塗りに用いられる焼付け温度80℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上の公知の塗料で、イソシアナート系およびポリイソシアナート系の硬化剤を用いるものであれば、メラミン系、アクリル系、ウレタン系およびこれらの併用系のいずれでも、またソリッド系およびメタリック系の各色とも用いることができる。
このような塗料としては市販されているポリウレタン系の塗料を使用することもできる。
【0070】
本発明の積層構造体は前記ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、前記ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)を含む樹脂硬化層が積層された積層構造体である。成形体の成形方法および形状などは限定されない。また樹脂硬化層以外の層がさらに積層されていてもよい。
【0071】
本発明の積層構造体は変性ポリプロピレン樹脂(A)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物(B)を使用しているので、その成形体上に直接接着強度に優れた樹脂硬化層が形成される。このため従来は必要であったフレーム処理やプライマー塗布等の前処理は省略することができる。また接着剤などを用いる必要もない。
【0072】
本発明の積層構造体の製造方法は前記ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)またはその原料を接触または塗布したのち硬化させて樹脂硬化層を形成する積層構造体の製造方法である。本発明の製造方法では、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)またはその原料の接触または塗布は成形体に対して直接行い、フレーム処理やプライマー塗布等の前処理は省略し、また接着剤などを使用しなくても、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)成形体に樹脂硬化層が強固に接着した前記本発明の積層構造体を得ることができる。
【0073】
樹脂硬化層としてポリウレタン発泡体(G)を形成する場合は、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に発泡剤を含むポリウレタン樹脂を直接接触させ、成形体表面にポリウレタン発泡体を形成する。発泡剤を含むポリウレタン樹脂としては前記発泡剤を含むポリウレタン樹脂が使用できる。また発泡剤を含むポリウレタン樹脂原料を使用することもでき、例えば前記ポリオールまたはポリエステルに発泡剤を配合した後イソシアネートと混合することによりポリウレタン樹脂を製造するとともに発泡剤を発泡させることもできる。
【0074】
より具体的には、ポリウレタン樹脂発泡用金型を用いて、雄型にポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体を装着し、必要に応じて雌型で表皮材シートを真空成形もしくはパウダースラッシュ成形し、型を閉じた後にポリプロピレン系樹脂組成物(B)成形体と雌型との間に発泡剤を含むポリウレタン樹脂または樹脂原料を注入して発泡させる方法等があげられる。発泡体の製造および成形体への積層方法自体は従来のポリウレタン発泡体の発泡方法および積層方法と同じ方法を採用することができる。
【0075】
このようにして形成されたポリウレタン発泡体(G)はポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体表面に強固に接着されており、樹脂硬化層としてポリウレタン発泡体(G)が成形体に積層された積層構造体が得られる。硬化条件は使用するポリウレタン樹脂、硬化剤の種類などに応じて選択することができる。
【0076】
樹脂硬化層として接着剤層(H)または塗膜(I)を形成する場合は、ポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、前記ポリウレタン樹脂を含む接着剤もしくはウレタン結合を形成する接着剤、または前記ポリウレタン樹脂を含む塗料もしくはウレタン結合を形成する塗料を直接塗布した後、乾燥または加熱して硬化させ、接着剤層(H)または塗膜(I)を形成する。これにより樹脂硬化層として接着剤層(H)または塗膜(I)が積層された積層構造体が得られる。硬化条件は使用する接着剤、塗料、硬化剤の種類などに応じて選択することができるが、例えば80℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上の温度で硬化させることができる。
【0077】
接着剤層(H)により成形体に接着させるものは制限されず、布、ABS樹脂、PVCシート、ポリオレフィンシート、発泡層付ポリオレフィンシート、ファブリック、金属、木、紙などがあげられる。これらの被接着物を接着させるには、成形体にポリウレタン樹脂を含む接着剤もしくはウレタン結合を形成する接着剤を塗布し、この塗布面に被接着物を重ね合わせた後、スタンピング成形して接着する方法などが採用できる。
【0078】
このようにして得られた積層構造体はドアトリム、インストゥルメントパネル、天井、コンソールボックス、ピラー、グローブボックス等の自動車内装材;バンパー、サイドガード、エアースポイラー、サイドプロテクター、フェンダー、ドアパネル等の自動車外装部材等の工業部品などとして好適に利用することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明の積層構造体は、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)が特定量グラフト重合し、芳香族ビニル系モノマーがグラフト重合しない変性ポリプロピレン樹脂(A)、未変性ポリプロピレン樹脂(D)、熱可塑性エラストマー(E)および無機充填材もしくは無機補強材(F)をそれぞれ特定量含有するポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)を含む樹脂硬化層が積層されているので、成形体と樹脂硬化層との接着強度に優れている。
本発明の積層構造体の製造方法は、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー(b)が特定量グラフト重合し、芳香族ビニル系モノマーがグラフト重合しない変性ポリプロピレン樹脂(A)、未変性ポリプロピレン樹脂(D)、熱可塑性エラストマー(E)および無機充填材もしくは無機補強材(F)をそれぞれ特定量含有するポリプロピレン系樹脂組成物(B)からなる成形体に、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)またはその原料を接触または塗布したのち硬化させて樹脂硬化層を形成しているので、前処理などを省略して、上記積層構造体を効率よく低コストで製造することができる。
【0080】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物とウレタン結合を有する樹脂硬化層とからなる積層構造体および製造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0081】
製造例1
変性ポリプロピレン樹脂(A)の製造
<変性PP1>
メルトフローインデックス(MI;230℃、2160g)が0.02g/10分、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が10.5dl/g、累積細孔容積が0.25cc/gであるプロピレン単独重合体パウダー100重量部に対して、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)3重量部、およびt−ブチルペルオキシベンゾエート(PBZ;日本油脂(株)製)3重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、二軸混練機(テクノベル、ZSK−30)を用いて210℃で溶融変性し、変性ポリプロピレン樹脂(以下、変性PP1という)ペレットを得た。
この変性PP1のMIは450g/10分、[η]は0.82dl/g、未反応HEMAを精製除去した後NMRで測定したHEMAグラフト量は1.6重量%であった。
【0082】
<変性PP2>
HEMAを0.2重量部およびPBZを0.2重量部に変更した以外は、変性PP1と同様の方法で製造を行い、変性ポリプロピレン樹脂(以下、変性PP2という)ペレットを得た。この変性PP2のMIは20g/10分、[η]は1.8dl/g、HEMAグラフト量は0.08重量%であった。
【0083】
製造例2
ポリプロピレン系樹脂組成物(B)の調製
製造例1で得た変性ポリプロピレン樹脂に、未変性ポリプロピレン樹脂、熱可塑性エラストマーおよび無機充填材を表1〜表3に示した配合割合でドライブレンドした後、二軸混練機を用いて200℃で溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物の各ペレットを得た。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
表1〜表3の注
*1 変性PP:製造例1参照
*2 未変性PP1:エチレン・プロピレンブロック共重合体(MI=15g/10分、エチレン含有量=4.5重量%)
未変性PP2:プロピレン単独重合体(MI=0.7g/10分)
*3 EBR:エチレン・ブテン共重合体(タフマーA−4050;三井化学(株)製、商標)
PER:プロピレン・エチレン共重合体(タフマーS−4030;三井化学(株)製、商標)
*4 タルク:林化成社製、X−31(商標)、平均粒径=2.8μm
【0088】
製造例3
表1または表2のポリプロピレン系樹脂組成物(組成物1〜10)を用いて、下記方法で成形体を製造した。
<射出成形>
組成物1〜6を用いて、射出成形機(J100EP、日本製鋼社製、商標)によりシリンダー温度210℃、金型温度40℃で、240×80×3mmの角板を成形した。また組成物1〜6の代わりにABS樹脂(宇部サイコン社製)を用いて上記と同じ角板を成形した。
【0089】
<シート成形>
組成物7〜10を用いて、Tダイシート成形機(SA−25;プラコー社製、商標)によりシリンダー温度230℃、チルロール温度50℃で、厚み150μmのシートを成形した。
【0090】
製造例4
<ポリウレタン樹脂>
ポリエーテルポリオール(PE−450;三井化学(株)製、商標)100重量部とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(M200;三井化学(株)製、商標)120重量部を攪拌混合してポリウレタン樹脂を調製した。
【0091】
製造例5
<水性接着剤>
ポリウレタン樹脂系水性エマルション接着剤(サンスター社製)100重量部とイソシアネート系硬化剤(サンスター(株)製)5.5重量部を攪拌混合して水性接着剤を調製した。
【0092】
実施例1〜3および比較例1〜3
製造例3で得た各ポリプロピレン系樹脂組成物製の角板およびABS樹脂製の角板をそれぞれ30×80×3mmの大きさに切り出した。これらを図1に示すように積層し、積層構造体1aを得た。すなわち、ポリプロピレン系樹脂組成物製の切出片2の表面に、長手方向で半分の面積に製造例4で調製したポリウレタン樹脂3を塗布した後、ABS樹脂製の切出片4を図1に示すように互い違いに貼り合せた。その後80℃で15分間保持してポリウレタン樹脂3を硬化させ、図1に示す積層構造体1aを調製した。この積層構造体1aを室温で1日間放置した後、図1に示す矢印XおよびYの方向に切出片2、4を引っ張り、引張剪断強度を測定した。結果を表4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】
実施例4、5および比較例4、5
製造例3で得た各シートを幅1cm、長さ15cmにカットし、このカットシートを図2に示すように積層し、積層構造体1bを得た。すなわち、カットシート6の表面に長手方向で半分の面積に製造例4で調製したポリウレタン樹脂3を塗布した後、製造例3で得たABS樹脂製の切出片4を図2に示すように貼り合せた。その後80℃で15分間保持してポリウレタン樹脂3を硬化させ図2に示す積層構造体1bを調製した。積層構造体1bを室温で1日間放置した後、図2に示す矢印Xの方向にカットシート6を引っ張り、剥離強度を測定した。結果を表5に示す。
【0095】
【表5】
【0096】
実施例6〜8および比較例6〜8
製造例3で得た各ポリプロピレン系樹脂組成物製の角板をそれぞれ40×80×3mmの大きさに切り出した。この切出片を図2に示すように積層し、積層構造体1cを得た。すなわち、切出片2の表面に、長手方向で半分の面積に製造例5で調製した水性接着剤8をバーコーターを用いて30μmの厚みに塗布し、50℃で10分間乾燥させた。別途25mm幅の綿布9に同じ水性接着剤8を塗布し、50℃で10分間乾燥させた。両者を接着剤面が重なり合うように重ね、プレス成形機を用いて0.098MPa(1kgf/cm2)荷重下、80℃で10分間プレスして図3に示す積層構造体1cを得た。積層構造体1cを室温で1日間放置した後、図3に示す矢印Xの方向に綿布9を引っ張り、剥離強度を測定した。結果を表6に示す。
【0097】
【表6】
【0098】
実施例9、10および比較例9、10
表3の組成物11〜14を用いて、製造例3と同様にして射出成形角板を製造した。この射出成形角板をエアーでブローした後、スプレーガンを用いて市販の溶剤系ウレタン塗料(R−310;日本ビーケミカル社製、商標)を約50μmの厚みで塗布した。塗布後室温で7分間放置した後、ギヤオーブン中で80℃、30分間焼付けを行い、積層構造体を得た。
【0099】
得られた積層構造体を室温で1日間放置した後、塗膜面にカッターナイフで2mm角、100マスの碁盤目を切り、碁盤目部に粘着テープを貼り付けた後、勢い良く剥がし、残ったマスの数をカウントした。結果を表7に示す。
【0100】
【表7】
【0101】
以上の結果から、ヒドロキシル基を有するビニルモノマーでグラフト変性した変性ポリプロピレン樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物は、未添加の組成物に比べて密着性が良好な積層体が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3および比較例1〜3で調製した積層構造体の縦断面図である。
【図2】実施例4、5および比較例4、5で調製した積層構造体の縦断面図である。
【図3】実施例6〜8および比較例6〜8で調製した積層構造体の縦断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c 積層構造体
2 ポリプロピレン系樹脂組成物製の切出片
3 ポリウレタン樹脂
4 ABS樹脂製の切出片
6 カットシート
8 水性接着剤
9 綿布[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminated structure and a manufacturing method thereof. More specifically, the present invention relates to a laminated structure in which a cured resin layer containing a curable resin having a urethane bond is laminated on a polypropylene resin composition molded article having excellent interlayer adhesion, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, polypropylene resins are widely used in various molded products, particularly automobile interior and exterior materials, because they are inexpensive and excellent in physical properties.
Polypropylene resin molded products used for automotive interior materials, especially instrument panel materials, are used for the purpose of increasing the commercial value or to provide cushioning and tactile feel, and foams such as polyolefin foams and polyurethane foams and skins. It is used in a state where the material is laminated on the surface of the molded product. In particular, polyurethane foam is frequently used because it can provide cushioning properties and a high-grade appearance.
[0003]
Moreover, when laminating only the skin material, after applying the adhesive to the polypropylene resin molded product, the skin material is laminated to increase the commercial value. As the adhesive, an aqueous emulsion adhesive is frequently used from the viewpoint of environmental problems and ease of handling.
On the other hand, polypropylene resin molded products used for automobile exterior materials, particularly bumper materials, are usually coated with the same color as the body for the purpose of obtaining a good appearance.
[0004]
However, the polypropylene resin is a nonpolar polymer and does not adhere to the polyurethane foam or the water-based adhesive as it is. For this reason, in order to improve the adhesiveness of the polypropylene resin, a polyurethane foam, a water-based adhesive, or a paint is injected or applied after a pretreatment such as a frame treatment or primer application, and then bonded.
However, since the primer contains a large amount of halide, in recent years, the demand for de-primer adhesion has increased due to environmental problems. Furthermore, by omitting the primer application step, it is possible to reduce the component cost.
[0005]
On the other hand, a graft-modified polypropylene resin obtained by grafting a monomer having an unsaturated carboxylic acid group to a polypropylene resin is also used in order to impart adhesiveness to the polypropylene resin, but further improvement in adhesiveness is required.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a laminated structure in which a cured resin layer containing a curable resin having a urethane bond is laminated on a molded product of a polypropylene resin composition, and has a superior adhesive strength. .
Another object of the present invention is to efficiently produce the above laminated structure at low cost by directly laminating a cured resin layer containing a curable resin having a urethane bond on a polypropylene resin composition molded body. It is to propose a method for manufacturing a laminated structure.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides the following laminated structure and method for producing the same.
(1) The vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is graft-polymerized to the polypropylene resin (a)., Aromatic vinyl monomers do not graft polymerizeThe modified polypropylene resin (A), wherein the graft amount of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is based on the total of the polypropylene resin (a) and the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group110% by weight of modified polypropylene resin (A)10-70weight%10 to 80% by weight of unmodified polypropylene resin (D), 5 to 30% by weight of thermoplastic elastomer (E), and 5 to 30% by weight of inorganic filler or inorganic reinforcing material (F) (where (A ), (D), (E) and (F) components are 100% by weight)The laminated structure by which the resin cured layer containing the curable resin (C) which has a urethane bond was laminated | stacked on the molded object which contains the polypropylene-type resin composition (B) to contain.
(2) The above (1) wherein the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is 2-hydroxyethyl methacrylate and / or 2-hydroxyethyl acrylate)RecordLaminated structure.
(3) (1) The curable resin (C) having a urethane bond is a polyurethane resin.Or (2)The laminated structure described.
(4) A cured resin layer containing a curable resin (C) having a urethane bond is a polyurethane foam (G), an adhesive layer (H) made of an adhesive containing a polyurethane resin or an adhesive forming a urethane bond, or a polyurethane resin. (1) to (1), which is a coating film (I) comprising a coating material containing or a paint forming a urethane bond(3)The laminated structure according to any one of the above.
(5) The vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is graft polymerized to the polypropylene resin (a)., Aromatic vinyl monomers do not graft polymerizeThe modified polypropylene resin (A), wherein the graft amount of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is based on the total of the polypropylene resin (a) and the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group110% by weight of modified polypropylene resin (A)10-70weight%10 to 80% by weight of unmodified polypropylene resin (D), 5 to 30% by weight of thermoplastic elastomer (E), and 5 to 30% by weight of inorganic filler or inorganic reinforcing material (F) (where (A ), (D), (E) and (F) components are 100% by weight)The molded body comprising the polypropylene-based resin composition (B) to be contained is contacted or coated with a curable resin (C) having a urethane bond or its raw material, and then cured to form a cured resin layer, as described in (1) above The manufacturing method of the laminated structure which manufactures this laminated structure.
(6) The polyurethane resin containing a foaming agent is brought into direct contact with the molded body made of the polypropylene resin composition (B), the foaming agent is foamed to form a polyurethane foam, and then cured to form a cured resin layer.(5)The manufacturing method as described.
(7) A polyurethane resin raw material containing a foaming agent is brought into direct contact with a molded body made of the polypropylene resin composition (B) to produce a polyurethane resin and foam the foaming agent to form a polyurethane foam, which is then cured to obtain a resin. The above forming a hardened layer(5)The manufacturing method as described.
(8) After directly applying an adhesive containing a polyurethane resin or an adhesive that forms a urethane bond, or a paint containing a polyurethane resin or a paint that forms a urethane bond, to the molded body made of the polypropylene resin composition (B), it is dried or Heat and cure to form the adhesive layer (H) or coating film (I)(5)The manufacturing method as described.
[0008]
In the modified polypropylene resin (A) used in the present invention, the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is graft-polymerized to the polypropylene resin (a)., Aromatic vinyl monomers do not graft polymerizeIt is a graft-modified polypropylene resin. The graft amount of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is based on the total of the polypropylene resin (a) and the vinyl monomer (b).1-10% by weight. The graft amount of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is1Since it exists in the range of -10 weight%, in the modified polypropylene resin (A), the balance between the adhesive effect and the graft efficiency is excellent.
[0009]
As the polypropylene resin (a), a homopolymer of propylene or a random or block copolymer of propylene and another α-olefin can be used.
Other α-olefins copolymerized with propylene include ethylene or α-olefins having 4 to 20 carbon atoms, specifically 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicocene, 3-methyl-1-butene, 3-methyl-1-pentene, 3-ethyl-1-pentene, 4-methyl-1- Examples include pentene, 4-methyl-1-hexene, 4,4-dimethyl-1-hexene, 4,4-dimethyl-1-pentene, 4-ethyl-1-hexene, 3-ethyl-1-hexene and the like. These can be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0010]
The polypropylene resin (a) has a melt flow index (MI) of 10 g / 10 min or less, preferably 0.001 to 1 g / 10 min, and more preferably 0.001 to 0.1 g / 10 min. When MI is 10 g / 10 minutes or less, the adhesiveness of the modified polypropylene resin (A) obtained is more excellent. The melt flow index (MI) is a value measured at a load of 2.16 kg and 230 ° C. according to ASTM D 1238.
A polypropylene resin (a) can also be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0011]
Examples of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group to be grafted to the polypropylene resin (a) include 2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA), 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, 2-hydroxypropyl acrylate and the like. be able to. Of these, 2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA) is most preferred. The vinyl monomer (b) having a hydroxyl group can be used alone or in combination of two or more.
[0012]
In order to produce the modified polypropylene resin (A) used in the present invention, a known method can be adopted, but the polypropylene resin (a), the vinyl monomer having a hydroxyl group (b) and the radical polymerization initiator (c) are mixed. Thereafter, a method of melt kneading with an extruder is preferred.
[0013]
The blending ratio of the polypropylene resin (a) and the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is not particularly limited as long as the grafted amount of the modified polypropylene resin (A) is obtained, but is usually 100 parts by weight of the polypropylene resin (a). In contrast, a vinyl monomer having a hydroxyl group (b)Is 1~ 15 parts by weightThe
[0014]
Specific examples of the radical polymerization initiator (c) used for graft polymerization of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group to the polypropylene resin (a) include 3,5,5-trimethylhexanoyl peroxide (1). ), Octanoyl peroxide (2), decanoyl peroxide (3), lauroyl peroxide (4), succinic acid peroxide (5), acetyl peroxide (6), t-butylperoxy (2-ethylhexanoate) (7) M-toluoyl peroxide (8), benzoyl peroxide (9), t-butylperoxyisobutyrate (10), 1,1-bis (t-butylperoxy) 3,5,5-trimethylcyclohexane (11), 1,1-bis (t-butylperoxy) cyclohexane (12), t-butyl Luoxymaleic acid (13), t-butylperoxylaurate (14), t-butylperoxy-3,5,5-trimethylcyclohexanoate (15), cyclohexanone peroxide (16), t-butylperoxyisopropyl carbonate (17), 2,5-dimethyl-2,5-di (benzoylperoxy) hexane (18), t-butylperoxyacetate (19), 2,2-bis (t-butylperoxy) butane (20), t -Butylperoxybenzoate (21), n-butyl-4,4-bis (t-butylperoxy) valerate (22), di-t-butylperoxyisophthalate (23), methyl ethyl ketone peroxide (24), α, α ' -Bis (t-butylperoxyisopropyl) benzene (25), dic Ruperoxide (26), 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexane (27), t-butylcumyl peroxide (28), diisopropylbenzene hydroperoxide (29), di-t- Butyl peroxide (30), p-menthane hydroperoxide (31), 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexyne-3 (32), 1,1,3,3-tetramethylbutyl Examples thereof include hydroperoxide (33), 2,5-dimethylhexane-2,5-dihydroperoxide (34), cumene hydroperoxide (35), and t-butyl hydroperoxide (36). Among these, the compounds (12) to (36) are particularly preferable.
[0015]
The amount of the radical polymerization initiator (c) is 0.01 to 10 parts by weight, preferably 1 to 10 parts by weight, and more preferably 1 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group. 5 parts by weight is desirable. When the blending amount of the radical polymerization initiator (c) is less than 0.01 part by weight, the graft polymerization of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group and the generation of the radical initiation point for the polypropylene resin (a) are insufficient. Therefore, it becomes difficult to obtain a modified polypropylene resin (A) exhibiting sufficient processability improvement effect, and when it exceeds 10 parts by weight, the radical polymerization initiator (c) is excessive. For this reason, the molecular weight of the modified polypropylene resin (A) is lowered, making it difficult to put it into practical use.
[0016]
The modified polypropylene resin (A) obtained by the above method has a melt flow index (MI) of 3000 g / 10 min or less, preferably 2000 to 500 g / 10 min, more preferably 1000 to 50 g / 10 min. desirable. When MI is 3000 g / 10min or less, the adhesive strength of the polypropylene resin composition (B) obtained and the curable resin (C) having a urethane bond is excellent.
Modified polypropylene resin (A) can also be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0017]
The polypropylene resin composition (B) used in the present invention is the modified polypropylene resin (A).10 to 70% by weight, unmodified polypropylene resin (D)10 to 80% by weight, thermoplastic elastomer (E)The5 to 30% by weight, preferably 10 to 25% by weight, inorganic filler or inorganic reinforcing material (F)5-30% by weight (where the sum of the components (A), (D), (E) and (F) is 100% by weight)Including)The resin compositionTheContent of modified polypropylene resin (A) is10~70When the content is% by weight, a laminated structure having excellent adhesive strength can be obtained.
[0018]
As the unmodified polypropylene resin (D) used in the polypropylene resin composition (B), a known polypropylene resin can be used, and the polypropylene resin (a) can be used, but a propylene block copolymer (D- 1) or a propylene homopolymer is preferred.
The propylene block copolymer (D-1) is a copolymer containing an ethylene / propylene copolymer segment and a crystalline polypropylene segment.
[0019]
The intrinsic viscosity [η] measured in 135 ° C. decalin (decahydronaphthalene) of the ethylene / propylene copolymer segment is 2 to 8 dl / g, preferably 3 to 6 dl / g.
The propylene block copolymer (D-1) has an ethylene / propylene copolymer segment content of 10 to 30% by weight, preferably 10 to 20% by weight, and a crystalline polypropylene segment content of 70 to 90% by weight. Preferably, it is 80 to 90% by weight.
[0020]
The ethylene content of the propylene block copolymer (D-1) is 0.5 to 20% by weight, preferably 1 to 10% by weight.
The melt flow index (MI: ASTM D 1238, L, 230 ° C., 2.16 kg load) of the propylene block copolymer (D-1) is 0.5 to 200 g / 10 minutes, preferably 1 to 100 g / 10 minutes. It is desirable.
[0021]
Content of unmodified polypropylene resin (D) in polypropylene resin composition (B) used in the present inventionIs 10-80% by weightTheWhen the unmodified polypropylene resin (D) is blended in the above content, a polypropylene resin composition (B) having an excellent balance of rigidity, heat resistance and impact resistance can be obtained.
[0022]
The polypropylene resin (a) and the unmodified polypropylene resin (D) such as the propylene block copolymer (D-1) can be produced by a known method. For example, olefins can be obtained by polymerizing in the presence of a stereoregular catalyst, preferably a catalyst comprising a supported transition metal component and an organoaluminum compound.
[0023]
The propylene block copolymer (D-1) is, for example, an operation in which homopolymerization of propylene is first performed, then random copolymerization of propylene and ethylene is performed in the same polymerization system, and ethylene homopolymerization is performed as necessary. Can be manufactured. The block copolymer obtained by this method is a so-called non-polymer blend type or chemical blend type copolymer. That is, the crystalline polypropylene, the ethylene / propylene random copolymer and the crystalline polyethylene are directly blended in the polymerization reaction system by a multistage polymerization method. This specific production method is described in detail in Japanese Patent Laid-Open Nos. 52-98045 and 57-26613.
Unmodified polypropylene resin (D) can also be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0024]
As the thermoplastic elastomer (E) used in the polypropylene resin composition (B), known thermoplastic elastomers can be used, but ethylene / α-olefin random copolymer (E-1), propylene / α-olefin random At least one thermoplastic elastomer selected from a copolymer (E-2) and a styrene / ethylene / butylene / styrene block copolymer (SEBS) (E-3) is preferred.
[0025]
The ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) is a random copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, and is preferably an elastomeric material.
The ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) has a structure derived from an α-olefin having 60 to 90 mol%, preferably 65 to 85 mol% of a structural unit derived from ethylene and 3 to 10 carbon atoms. It is desirable to contain 10 to 40 mol%, preferably 15 to 35 mol% of the unit.
[0026]
Examples of the α-olefin copolymerized with ethylene include propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-hexadodecene, 4-methyl- 1-pentene. Of these, α-olefins having 4 to 10 carbon atoms are preferred.
[0027]
The ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) may contain units derived from other polymerizable monomers as necessary, as long as the properties of the present invention are not impaired.
In the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1), the unit derived from such other polymerizable monomer is usually 10 mol% or less, preferably 5 mol% or less, more preferably 3 mol% or less. It may contain in the quantity.
[0028]
The ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) may contain two or more units derived from an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, and is a unit derived from another polymerizable monomer. May contain two or more.
[0029]
The melt flow index (MI: ASTM D 1238; 190 ° C., under 2.16 kg load) of the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) is 0.01 to 100 g / 10 min, preferably 0.05 to 50 g / 10 min is desirable.
[0030]
The intrinsic viscosity [η] (measured at 135 ° C. in decalin) of the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) is 1 to 5 dl / g, preferably 1 to 3 dl / g.
[0031]
The glass transition point Tg of the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) is −40 ° C. or lower, preferably −45 to −80 ° C.
The density of the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) is 0.860 to 0.900 g / cm.Three, Preferably 0.865 to 0.890 g / cmThreeIt is desirable that
[0032]
Specific examples of the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) include an ethylene / propylene random copolymer, an ethylene / 1-butene random copolymer, and an ethylene / propylene / 1-butene random copolymer. Ethylene / 1-hexene random copolymer, ethylene / 1-octene random copolymer, ethylene / propylene / ethylidene norbornene random copolymer, and the like. Among these, an ethylene / 1-octene random copolymer, an ethylene / propylene / ethylidene norbornene random copolymer, and the like are preferably used. The ethylene / 1-octene random copolymer (EOR) has a structural unit derived from ethylene of 60 to 95 mol%, preferably 70 to 90 mol%, and a structural unit derived from 1-octene of 5 to 40 mol%. It is desirable to contain 10 to 30 mol%.
[0033]
The propylene / α-olefin random copolymer (E-2) used as the thermoplastic elastomer (E) is a random copolymer of propylene and an α-olefin having 2 to 20 carbon atoms (excluding propylene). An elastomeric material is desirable.
The propylene / α-olefin random copolymer (E-2) has a structure derived from an α-olefin having a structural unit derived from propylene of 60 to 90 mol%, preferably 65 to 85 mol%, and having 3 to 10 carbon atoms. It is desirable to contain 10 to 40 mol%, preferably 15 to 35 mol% of the unit.
[0034]
Examples of the α-olefin copolymerized with propylene include ethylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-hexadodecene, 4-methyl- 1-pentene. Of these, α-olefins having 2 to 10 carbon atoms are preferred.
[0035]
The propylene / α-olefin random copolymer (E-2) may contain units derived from other polymerizable monomers as necessary, as long as the properties of the present invention are not impaired.
In the propylene / α-olefin random copolymer (E-2), the unit derived from such other polymerizable monomer is usually 10 mol% or less, preferably 5 mol% or less, more preferably 3 mol% or less. It may contain in the quantity.
[0036]
The propylene / α-olefin random copolymer (E-2) may contain two or more units derived from an α-olefin having 2 to 20 carbon atoms other than propylene, and from other polymerizable monomers. Two or more derived units may be contained.
[0037]
The melt flow index (MI: ASTM D 1238; 230 ° C., 2.16 kg load) of the propylene / α-olefin random copolymer (E-2) is 0.01 to 100 g / 10 min, preferably 0.05 to 50 g / 10 min is desirable.
The intrinsic viscosity [η] (measured at 135 ° C. in decalin) of the propylene / α-olefin random copolymer (E-2) is 1 to 5 dl / g, preferably 1 to 3 dl / g.
[0038]
The glass transition point Tg of the propylene / α-olefin random copolymer (E-2) is −40 ° C. or lower, preferably −45 to −80 ° C.
The density of the propylene / α-olefin random copolymer (E-2) is 0.860 to 0.900 g / cm.Three, Preferably 0.865 to 0.890 g / cmThreeIt is desirable that
[0039]
Specific examples of the propylene / α-olefin random copolymer (E-2) include propylene / ethylene random copolymer, propylene / 1-butene random copolymer, propylene / ethylene / 1-butene random copolymer. Propylene / 1-hexene random copolymer, propylene / 1-octene random copolymer, propylene / ethylene / ethylidene norbornene random copolymer, and the like. Among these, propylene / ethylene random copolymers, propylene / ethylene / ethylidene norbornene random copolymers, and the like are preferably used. This propylene / ethylene random copolymer (PER) has a structural unit derived from propylene of 60 to 95 mol%, preferably 70 to 90 mol%, and a structural unit derived from ethylene of 5 to 40 mol%, preferably 10 It is desirable to contain -30 mol%.
[0040]
The ethylene / α-olefin random copolymer (E-1) and the propylene / α-olefin random copolymer (E-2) as described above conventionally use a vanadium catalyst, a titanium catalyst, a metallocene catalyst, or the like. It can be produced by a known method.
[0041]
The styrene / ethylene / butylene / styrene block copolymer (SEBS) (E-3) used as the thermoplastic elastomer (E) is a thermoplastic elastomer containing a polystyrene block unit and a polyethylene / butylene rubber block unit. In such SEBS (E-3), polystyrene block units, which are hard segments, form physical crosslinks (domains) and exist as crosslinking points of rubber block units, and rubber existing between the polystyrene block units. The block unit is a soft segment and has rubber elasticity.
[0042]
SEBS (E-3) contains 14 to 40% by weight, preferably 14 to 35% by weight of polystyrene units. The content of units derived from styrene is a value measured by a conventional method such as infrared spectroscopy or NMR spectroscopy.
[0043]
SEBS (E-3) has a melt flow index (MI; measured at 230 ° C. under a load of 2.16 kg in accordance with ASTM D 1238) of 0.01 to 100 g / 10 min, preferably 0.1 to 50 g / 10. It is desirable to be minutes.
[0044]
SEBS (E-3) can be specifically produced by a known method described in, for example, JP-B-60-57463.
Commercially available products can be used as SEBS (E-3). Specifically, Kraton G1650, G1652, G1657 (trade name, manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), Tuftec (manufactured by Asahi Kasei Co., Ltd., trademark) ) Etc.
[0045]
SEBS (E-3) is generally known as a hydrogenated product of SBS (styrene / butadiene / styrene block copolymer), which is a styrene / butadiene block copolymer. In the present invention, SBS and other styrene / conjugated diene copolymers or complete or incomplete hydrides thereof may be used together with SEBS (E-3).
[0046]
Specific examples of such styrene / conjugated copolymers include SBR (styrene / butadiene random copolymer), SBS, PS-polyisoprene block copolymer, SIS (styrene / isoprene / styrene block copolymer). ) And SIS hydrogenated product (SEPS), and more specifically, Kraton (trade name, manufactured by Kraton: Shell Chemical Co., Ltd.), Califlex TR (trade name, manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), Solprene (Philips) Petrolife, Inc., Trademark), Europrene SOLT (Trademark, Anitch Co., Ltd.), Tufprene (Asahi Kasei Corporation, Trademark), Solprene-T (Nippon Elastomer Co., Trademark), JSRTR (Nippon Synthetic Rubber, Trademark), Denka STR (trade name, manufactured by Electrochemical Co., Ltd.), Quintac (trade name, manufactured by Zeon Corporation, Japan), Clayton (Shell Chemical Co., Ltd., trademark), Tuftec (Asahi Kasei Co., Ltd., trademark), and the like.
[0047]
In the present invention, only the ethylene / α-olefin random copolymer (E-1), propylene / α-olefin random copolymer (E-2) or SEBS (E-3) is used as the thermoplastic elastomer (E). These may be used in appropriate combination.
[0048]
The content of the thermoplastic elastomer (E) in the polypropylene resin composition (B) is 5 to 30% by weight, preferably 10 to 25% by weight.TheWhen the content of the thermoplastic elastomer (E) is in the range of 5 to 30% by weight, a polypropylene resin composition (B) having good impact resistance and flexibility can be obtained.
[0049]
Specific examples of the inorganic filler or inorganic reinforcing material (F) used in the polypropylene resin composition (B) include natural silicates such as fine powdered talc, kaolinite, calcined clay, virophilite, sericite, and wollastonite. Or silicate, precipitated calcium carbonate, heavy calcium carbonate, carbonate such as magnesium carbonate, hydroxide such as aluminum hydroxide and magnesium hydroxide, oxide such as zinc oxide, zinc white, magnesium oxide, hydrous calcium silicate , Powdered fillers such as hydrous aluminum silicate, hydrous silicic acid, anhydrous silicic acid, etc., flaky fillers such as mica, glass fiber, carbon fiber, basic magnesium sulfate whisker, calcium titanate whisker, boron Acid whisker, sepiolite, PMF (Processed Minera l Fiber), zonotolite, potassium titanate, elastadite and other fibrous fillers, glass baluns, fly ash baluns and other balun-like fillers.
[0050]
As the inorganic filler or inorganic reinforcing material (F), talc or glass fiber is preferably used. As talc, talc fine powder having an average particle size of 0.01 to 10 μm is particularly preferably used.
The glass fiber has an average fiber diameter of usually 5 to 20 μm, preferably 10 to 15 μm, and a fiber length of 0.1 to 20 mm, preferably 0.3 to 10 mm.
The inorganic filler or inorganic reinforcing material (F) can be used alone or in combination of two or more.
[0051]
Content of inorganic filler or inorganic reinforcing material (F) in the polypropylene resin composition (B) used in the present inventionIs 5~ 30% by weightTheWhen an inorganic filler or an inorganic reinforcing material (F) is blended in the above content, a polypropylene resin composition (B) excellent in rigidity and heat resistance is obtained.
[0052]
The polypropylene resin composition (B) can be prepared by a known method. For example, the modified polypropylene resin (A), the unmodified polypropylene resin (D), the thermoplastic elastomer (E), and the inorganic filler or the inorganic reinforcing material (F) are mixed in the above ratio, and then prepared by melt kneading. it can.
[0053]
Mixing can be performed with a tumbler blender, a V-type blender, a Henschel mixer, a ribbon blender, or the like.
The kneading can be performed using an apparatus such as a single screw extruder, a twin screw extruder, a twin screw kneader, a Banbury mixer, or a roll. The polypropylene resin composition (B) obtained as a kneaded product by kneading the above components with a kneading apparatus such as an extruder is usually used after being molded into a pellet form.
[0054]
In the present invention, the order in which the components (A), (D), (E) and (F) are added to the kneading apparatus in preparing the polypropylene resin composition (B) is not limited, and may be simultaneous or separate. Further, the components (A), (E) and (F) are highly concentrated in advance from the modified polypropylene resin (A), the unmodified polypropylene resin (D), the thermoplastic elastomer (E) and the inorganic filler or inorganic reinforcing material (F). A polypropylene-based resin composition (B) having the composition as described above is obtained by blending or molding the master batch while diluting with the unmodified polypropylene resin (D). You may get
[0055]
The polypropylene resin composition (B) used in the present invention includes, as various additives, for example, antioxidants such as phenols, sulfurs, and phosphoruss, lubricants, antistatic agents, dispersants, copper damage inhibitors, and neutralizations. Agents, foaming agents, plasticizers, anti-bubble agents, flame retardants, crosslinking agents, peroxides and other flowability improvers, UV absorbers, light stabilizers, weld strength improvers, and the like.
[0056]
As the curable resin (C) having a urethane bond used in the present invention, a curable resin such as a known thermosetting resin having a urethane bond can be used without limitation, and specific examples thereof include a polyurethane resin. The curable resin (C) having a urethane bond may contain a urea bond, a burette bond and the like in addition to the urethane bond. The curable resin (C) having a urethane bond can be used in combination with a curing agent as necessary.
The curable resin (C) having a urethane bond can be laminated as it is on the molded body made of the polypropylene resin composition (B), but it can be laminated in the form of polyurethane foam (G) or as an adhesive or paint. It can also be used.
[0057]
As the polyurethane resin used as the curable resin (C) having a urethane bond, a known polyurethane resin can be used. For example, a polymer obtained by reacting a polyfunctional isocyanate or a derivative thereof with a polyol or a derivative thereof and / or a polyester or a derivative thereof can be used.
[0058]
Polyfunctional isocyanates or derivatives thereof used as raw materials for polyurethane resins include polyfunctionals such as tolylene diisocyanate (TDI), 4,4'-diphenylmethane diisocyanate (MDI), isophorone diisocyanate and norbornane diisocyanate. Examples thereof include isocyanates, and derivatives such as these block derivatives or isocyanurate derivatives. These can be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0059]
Examples of the polyol or derivative thereof used as a raw material for the polyurethane resin include polypropylene glycol having a molecular weight of 500 to 100,000, a polyethylene glycol-polypropylene glycol block copolymer, and a polypropylene glycol having an aminated terminal. These can be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0060]
Examples of the polyester used as a raw material of the polyurethane resin or a derivative thereof include polyethylene terephthalate, polyethylene isophthalate, polybutylene terephthalate and polybutylene isophthalate, and a reaction product of these polyesters with polyethylene glycol or polypropylene glycol. These can be used individually by 1 type, and can also be used in combination of 2 or more type.
[0061]
In order to obtain a polyurethane resin from a polyfunctional isocyanate and a polyol and / or polyester, for example, they can be obtained by mixing and stirring them so that equimolar to polyfunctional isocyanate is excessive. At this time, a polymerization accelerator such as an amine compound may be added.
[0062]
The polyurethane foam (G) can be obtained by mixing and foaming the above polyurethane resin with a liquid foaming agent such as butane, pentane or hexane, or a degradable foaming agent such as azodicarboxylic acid amide. Preferably, when a polyurethane resin is produced, a foamed product is obtained by blending the above foaming agent with a polyol or polyester that is a raw material of the polyurethane resin and then mixing with the isocyanate to foam together with the production of the polyurethane resin. desirable. Foaming can be performed at 40 to 120 ° C, preferably 50 to 100 ° C.
[0063]
In the laminated structure of the present invention, the polyurethane foam (G) serves as a cushion layer.
A skin material sheet is usually further laminated on the laminated structure in which the polyurethane foam (G) is laminated. As the skin sheet, sheets made of various materials such as vinyl chloride and polyolefin can be used.
[0064]
As a method of laminating a skin material sheet, a polyurethane resin foaming mold is used, and a molded body made of a polypropylene resin composition (B) is attached to a male mold, and the skin material sheet is vacuum molded or powdered with a female mold. Slush molding. Examples thereof include a method in which a polyurethane resin containing a foaming agent or a resin raw material is injected between the molded body of the polypropylene resin composition (B) and the skin material sheet and foamed after the mold is closed.
[0065]
Since the polypropylene resin composition (B) used in the present invention is excellent in adhesion to the polyurethane resin or the foam (G), in particular, heat adhesion, polyurethane is formed on the molded body made of the polypropylene resin composition (B). By directly laminating the resin or its foam (G) in a heated state, both can be firmly bonded. For this reason, the primer and rubber-type adhesive which were conventionally required for adhesion | attachment with a polyurethane resin or its foam (G), and a polypropylene resin are not required.
[0066]
As the resin cured layer containing the curable resin (C) having a urethane bond, in addition to the polyurethane foam (G), an adhesive layer (H) made of an adhesive containing a polyurethane resin or an adhesive forming a urethane bond, Or the coating film (I) etc. which consist of the coating material containing a polyurethane resin or the coating material which forms a urethane bond are mention | raise | lifted.
[0067]
As an adhesive containing a polyurethane resin or an adhesive forming a urethane bond, a known adhesive can be used, but an aqueous or aqueous emulsion type adhesive is preferable, specifically, a urethane resin type, an acrylic resin type, a urethane Aqueous or aqueous emulsion type adhesives containing polyurethane resins such as acrylic resins and epoxy resins, or adhesives such as urethane resins, acrylic resins, urethane / acrylic resins, epoxy resins that form urethane bonds after application Agents and the like.
[0068]
A curing agent can be used in combination with the adhesive. Examples of such curing agents include isocyanates, polyisocyanates, and amines. Although the curing agent may be blended in the adhesive, it is usually mixed with the adhesive at a specific ratio immediately before application. As the curing agent, isocyanate and polyisocyanate are preferable.
As the adhesive, a commercially available polyurethane adhesive can also be used.
[0069]
A paint containing a polyurethane resin or a paint forming a urethane bond is a known paint having a baking temperature of 80 ° C. or higher, preferably 100 ° C. or higher, more preferably 120 ° C. or higher, which is used for so-called intermediate coating and top coating. As long as a polyisocyanate-based curing agent is used, any of melamine-based, acrylic-based, urethane-based, and combinations thereof, and solid-based and metallic-based colors can be used.
A commercially available polyurethane-based paint can also be used as such a paint.
[0070]
The laminated structure of the present invention is a laminated structure in which a resin cured layer containing a curable resin (C) having a urethane bond is laminated on a molded body made of the polypropylene resin composition (B). The molding method and shape of the molded body are not limited. Further, layers other than the cured resin layer may be further laminated.
[0071]
Since the laminated structure of the present invention uses the polypropylene resin composition (B) containing the modified polypropylene resin (A), a cured resin layer having excellent adhesive strength is directly formed on the molded body. For this reason, pre-processing such as frame processing and primer application, which has been necessary in the past, can be omitted. There is no need to use an adhesive or the like.
[0072]
The method for producing a laminated structure of the present invention is a resin cured layer obtained by contacting or applying a curable resin (C) having a urethane bond or a raw material to a molded body comprising the polypropylene resin composition (B) and then curing the resin. It is a manufacturing method of the laminated structure which forms. In the production method of the present invention, the contact or application of the curable resin (C) having a urethane bond or its raw material is performed directly on the molded article, and pretreatment such as frame treatment and primer application is omitted, and an adhesive, etc. Even if it does not use, the laminated structure of the said this invention which the resin hardened layer adhered firmly to the polypropylene resin composition (B) molded object can be obtained.
[0073]
When the polyurethane foam (G) is formed as the resin cured layer, the polyurethane resin containing a foaming agent is brought into direct contact with the molded body made of the polypropylene resin composition (B) to form the polyurethane foam on the surface of the molded body. . The polyurethane resin containing the foaming agent can be used as the polyurethane resin containing the foaming agent. A polyurethane resin raw material containing a foaming agent can also be used. For example, a polyurethane resin can be produced and foamed by foaming the polyol or polyester and then mixing with an isocyanate.
[0074]
More specifically, using a polyurethane resin foaming mold, a molded body made of the polypropylene resin composition (B) is attached to a male mold, and a skin sheet is vacuum molded or powdered with a female mold as necessary. Examples of the method include foaming by injecting a polyurethane resin or a resin raw material containing a foaming agent between the molded body of the polypropylene resin composition (B) and the female mold after slush molding and closing the mold. The same method as the conventional foaming method and laminating method of polyurethane foam can be adopted for the production of the foam and the laminating method itself on the molded body.
[0075]
The polyurethane foam (G) thus formed is firmly adhered to the surface of the molded body made of the polypropylene resin composition (B), and the polyurethane foam (G) is laminated on the molded body as a resin cured layer. A laminated structure is obtained. Curing conditions can be selected according to the type of polyurethane resin and curing agent used.
[0076]
When the adhesive layer (H) or the coating film (I) is formed as the cured resin layer, the adhesive containing the polyurethane resin or the urethane bond is formed on the molded body made of the polypropylene resin composition (B). An adhesive agent, a paint containing the polyurethane resin or a paint forming a urethane bond is directly applied, and then dried or heated to be cured to form an adhesive layer (H) or a coating film (I). Thereby, the laminated structure by which the adhesive bond layer (H) or the coating film (I) was laminated | stacked as a resin cured layer is obtained. Curing conditions can be selected according to the type of adhesive, paint, and curing agent to be used. For example, curing can be performed at a temperature of 80 ° C. or higher, preferably 100 ° C. or higher, and more preferably 120 ° C. or higher. .
[0077]
What is adhered to the molded body by the adhesive layer (H) is not limited, and examples thereof include cloth, ABS resin, PVC sheet, polyolefin sheet, polyolefin sheet with a foam layer, fabric, metal, wood, paper and the like. In order to adhere these adherends, an adhesive containing polyurethane resin or an adhesive that forms urethane bonds is applied to the molded body, and the adherend is overlaid on the coated surface, and then stamped and bonded. The method to do can be adopted.
[0078]
The laminated structure obtained in this way is automobile interior materials such as door trims, instrument panels, ceilings, console boxes, pillars, glove boxes; automobiles such as bumpers, side guards, air spoilers, side protectors, fenders, door panels, etc. It can be suitably used as industrial parts such as exterior members.
[0079]
【The invention's effect】
In the laminated structure of the present invention, a specific amount of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is graft-polymerized., Aromatic vinyl monomers do not graft polymerizeModified polypropylene resin (A), Unmodified polypropylene resin (D), thermoplastic elastomer (E) and inorganic filler or inorganic reinforcing material (F), respectivelySince a cured resin layer containing a curable resin (C) having a urethane bond is laminated on a molded body made of a polypropylene resin composition (B) containing a specific amount, the adhesive strength between the molded body and the cured resin layer Is excellent.
In the method for producing a laminated structure of the present invention, a specific amount of the vinyl monomer (b) having a hydroxyl group is graft-polymerized., Aromatic vinyl monomers do not graft polymerizeModified polypropylene resin (A), Unmodified polypropylene resin (D), thermoplastic elastomer (E) and inorganic filler or inorganic reinforcing material (F), respectivelySince the molded body made of the polypropylene resin composition (B) containing a specific amount is formed by contacting or applying a curable resin (C) having a urethane bond or its raw material and then curing to form a cured resin layer. By omitting pretreatment and the like, the laminated structure can be manufactured efficiently and at low cost.
[0080]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, a laminated structure composed of the polypropylene resin composition of the present invention and a cured resin layer having a urethane bond and a production method will be described in more detail based on examples, but the present invention is limited to these examples. It is not limited.
[0081]
Production Example 1
Production of modified polypropylene resin (A)
<Modified PP1>
Melt flow index (MI; 230 ° C., 2160 g) is 0.02 g / 10 min, intrinsic viscosity [η] measured in decalin at 135 ° C. is 10.5 dl / g, and cumulative pore volume is 0.25 cc / g With respect to 100 parts by weight of a certain propylene homopolymer powder, 2-hydroxyDAfter
The modified PP1 had an MI of 450 g / 10 min, an [η] of 0.82 dl / g, and an HEMA graft amount measured by NMR after purifying and removing unreacted HEMA was 1.6% by weight.
[0082]
<Modified PP2>
A modified polypropylene resin (hereinafter referred to as modified PP2) pellet was obtained in the same manner as modified PP1, except that HEMA was changed to 0.2 parts by weight and PBZ was changed to 0.2 parts by weight. The modified PP2 had an MI of 20 g / 10 min, an [η] of 1.8 dl / g, and an HEMA graft amount of 0.08% by weight.
[0083]
Production Example 2
Preparation of polypropylene resin composition (B)
After dry-blending the unmodified polypropylene resin, thermoplastic elastomer and inorganic filler to the modified polypropylene resin obtained in Production Example 1 at the blending ratios shown in Tables 1 to 3, using a twin-screw kneader at 200 ° C. By melt-kneading, each pellet of the polypropylene resin composition was obtained.
[0084]
[Table 1]
[0085]
[Table 2]
[0086]
[Table 3]
[0087]
Notes to Tables 1 to 3
* 1 Modified PP: See Production Example 1
* 2 Unmodified PP1: ethylene / propylene block copolymer (MI = 15 g / 10 min, ethylene content = 4.5% by weight)
Unmodified PP2: propylene homopolymer (MI = 0.7 g / 10 min)
* 3 EBR: ethylene butene copolymer (Tuffmer A-4050; manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., trademark)
PER: Propylene / ethylene copolymer (Toughmer S-4030; manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.)
* 4 Talc: manufactured by Hayashi Kasei Co., Ltd., X-31 (trademark), average particle size = 2.8 μm
[0088]
Production Example 3
Using the polypropylene resin compositions (Compositions 1 to 10) in Table 1 or Table 2, molded articles were produced by the following method.
<Injection molding>
Using the compositions 1 to 6, a square plate of 240 × 80 × 3 mm was molded by an injection molding machine (J100EP, manufactured by Nippon Steel Co., Ltd.) at a cylinder temperature of 210 ° C. and a mold temperature of 40 ° C. Moreover, the square plate same as the above was shape | molded using ABS resin (made by Ube Saikon) instead of the compositions 1-6.
[0089]
<Sheet molding>
Using the compositions 7 to 10, a 150 μm thick sheet was formed at a cylinder temperature of 230 ° C. and a chill roll temperature of 50 ° C. using a T-die sheet molding machine (SA-25; trade name, manufactured by Placo).
[0090]
Production Example 4
<Polyurethane resin>
100 parts by weight of polyether polyol (PE-450; manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., trademark) and 120 parts by weight of polymethylene polyphenyl polyisocyanate (M200; manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.) are mixed with stirring to obtain a polyurethane resin. Prepared.
[0091]
Production Example 5
<Water-based adhesive>
A water-based adhesive was prepared by stirring and mixing 100 parts by weight of a polyurethane resin-based aqueous emulsion adhesive (manufactured by Sunstar) and 5.5 parts by weight of an isocyanate curing agent (manufactured by Sunstar).
[0092]
Examples 1-3 and Comparative Examples 1-3
The square plate made of each polypropylene resin composition and the square plate made of ABS resin obtained in Production Example 3 were cut into a size of 30 × 80 × 3 mm, respectively. These were laminated as shown in FIG. 1 to obtain a laminated structure 1a. That is, after applying the
[0093]
[Table 4]
[0094]
Examples 4 and 5 and Comparative Examples 4 and 5
Each sheet obtained in Production Example 3 was cut into a width of 1 cm and a length of 15 cm, and the cut sheets were laminated as shown in FIG. 2 to obtain a
[0095]
[Table 5]
[0096]
Examples 6-8 and Comparative Examples 6-8
The square plates made of each polypropylene resin composition obtained in Production Example 3 were cut into a size of 40 × 80 × 3 mm. The cut pieces were laminated as shown in FIG. 2 to obtain a laminated structure 1c. That is, the surface of the
[0097]
[Table 6]
[0098]
Examples 9 and 10 and Comparative Examples 9 and 10
An injection-molded square plate was produced in the same manner as in Production Example 3 using the compositions 11 to 14 in Table 3. After this injection-molded square plate was blown with air, a commercially available solvent-based urethane paint (R-310; trade name, manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd.) was applied to a thickness of about 50 μm using a spray gun. After coating, the mixture was left at room temperature for 7 minutes, and then baked in a gear oven at 80 ° C. for 30 minutes to obtain a laminated structure.
[0099]
After leaving the obtained laminated structure at room temperature for 1 day, cut a 2-mm square, 100-square grid with a cutter knife on the coating surface, affix the adhesive tape to the grid, peel off vigorously, and remain I counted the number of trout. The results are shown in Table 7.
[0100]
[Table 7]
[0101]
From the above results, it can be seen that a polypropylene resin composition containing a modified polypropylene resin graft-modified with a vinyl monomer having a hydroxyl group can provide a laminate having better adhesion than an unadded composition.
[Brief description of the drawings]
1 is a longitudinal sectional view of a laminated structure prepared in Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 3. FIG.
2 is a longitudinal sectional view of a laminated structure prepared in Examples 4 and 5 and Comparative Examples 4 and 5. FIG.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view of a laminated structure prepared in Examples 6-8 and Comparative Examples 6-8.
[Explanation of symbols]
1a, 1b, 1c laminated structure
2 Cut-out piece made of polypropylene resin composition
3 Polyurethane resin
4 Cut-out piece made of ABS resin
6 Cut sheet
8 Water-based adhesive
9 Cotton cloth
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