JP4308486B2 - Dispersion, electrophotographic photosensitive member, method for producing electrophotographic photosensitive member, and electrophotographic apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種のフタロシアニン顔料を含有する分散液、それを用いた電子写真感光体ならびにそれを用いた電子写真装置に関し、詳しくは、分散安定性に優れた分散液、高感度で異常欠陥の発生がなく、かつ再利用が行ないやすい電子写真感光体、ならびに繰り返し使用においても異常画像が発生しにくい電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行なう光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され所謂デジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写機にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0003】
光プリンターの光源としては現在のところ小型、安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく使われているLEDの発光波長は660nmであり、LDの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光体の開発が望まれている。
【0004】
電子写真感光体の感光波長域は感光体に使用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決まってしまう。そのため従来から各種アゾ顔料、多環キノン系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料等多くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、フタロシアニン顔料は600〜800nmの長波長光に対して高感度を示すため、光源がLEDやLDである電子写真プリンターやデジタル複写機用の感光体用材料として極めて重要かつ有用である。
【0005】
一方、このフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、フタロシアニン顔料、結着樹脂、溶媒等を含有する分散液を塗布することによって作製するのが一般的である。
【0006】
さらに分散液中には、電荷保持能力の向上、感度調整が容易である等の利点があるため、1種類のフタロシアニン顔料のみではなく、2種以上の異なる顔料を混合する方法が提案されている。例えば、特許第2805867号公報、特許第2847827号公報、特許第2990757号公報、特許第2990758号公報、特開平9−152728号公報などが挙げられ、有効な手法であると言える。
【0007】
また、通常顔料の粒径を小さくすることによって、より高感度化を達成することが可能となる、あるいは画像欠陥による異常画像発生を防ぐ等の利点があり、種々の検討が行なわれている。例えば、特許第2614282号公報においては、感光体中に含有される粒子の最大粒径が1μm以下である感光体と接触配置された帯電用導電部材とを用いることで、画像欠陥を防ぐ方法が提案されている。
【0008】
また、特許第3176797号公報においては、異なる顔料粒子(P型電荷発生材料とN型電荷発生材料)からなる0.2〜2μmの凝集体を形成させることによって、より高感度な感光体を作製する方法が提案されている。また、特開平5−333575号公報においては粒径0.05〜2μmのフタロシアニン粒子と粒径0.01〜1μmのn型導電性顔料粒子が付着している状態の電子写真感光体が提案されている。
【0009】
しかしながら、2種類の小粒径顔料粒子が混合する分散液を作製した場合、凝集体構造の形成が起こりやすくなり、更に分散液の保管時には凝集が加速されやすくなるため、分散液の長期保管あるいは安定した感光体製造ができないという問題を有していた。
【0010】
また、この様な分散液を用いた感光体においては、塗膜欠陥を生じやすく、更にはこのような塗膜欠陥を生じた感光体を使用した場合、電子写真装置の出力画像として欠陥画像が発生するという問題を有していた。
また、小粒径顔料粒子が均一に分散された感光層を有する電子写真感光体においては、感光層の剥離を容易に行なうことが困難でおり、感光体基体の再利用を困難にしているという問題も有していた。
【0011】
従って、分散安定性に優れた分散液、高感度で異常欠陥の発生がなく、かつ再利用が行ないやすい電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真装置の完成が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、分散安定性に優れたフタロシアニン顔料を用いた分散液を提供することにある。また、高感度で異常欠陥の発生のないフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、再利用が容易な電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「少なくとも2種のフタロシアニン顔料、溶媒を含有する分散液において、該分散液中に含まれる2種のフタロシアニン顔料のいずれの平均粒径も0.8μm以下であり、かつ各々の平均粒径の差が0.2〜0.6μmであることを特徴とする分散液」、(2)「前記2種のフタロシアニン顔料のうち、平均粒径の小さいフタロシアニン顔料がチタニルフタロシアニンであることを特徴とする前記第(1)項に記載の分散液」、(3)「前記チタニルフタロシアニン顔料が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記第(2)項に記載の分散液」によって解決される。
【0014】
また、上記課題は、本発明の(4)「導電性支持体上に少なくとも感光層を設けた電子写真感光体において、該感光層中に少なくとも2種のフタロシアニン顔料を含有し、該2種のフタロシアニン顔料のいずれの平均粒径も0.8μm以下であり、かつそれらの平均粒径の差が0.2〜0.6μmであることを特徴とする電子写真感光体」、(5)「前記2種のフタロシアニン顔料のうち、平均粒径の小さいフタロシアニン顔料がチタニルフタロシアニンであることを特徴とする前記第(4)項に記載の電子写真感光体」、(6)「前記チタニルフタロシアニン顔料が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真感光体」、(7)「前記感光層が電荷発生層、電荷輸送層の積層構成からなり、かつ表面保護層を設けることを特徴とする前記第(4)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(8)「前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物を含有することを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真感光体」、(9)前記電子写真感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする前記第(4)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(10)「少なくとも2種のフタロシアニンを含有する感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の分散液を使用して感光層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法」によって解決される。
【0015】
また、上記課題は、本発明の、(11)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置において、該電子写真感光体が少なくとも2種のフタロシアニン顔料を含有し、該2種のフタロシアニン顔料のいずれの平均粒径も0.8μm以下であり、かつそれらの平均粒径の差が0.2〜0.6μmである感光層を導電性支持体上に設けたものであることを特徴とする電子写真装置」、(12)「前記2種のフタロシアニン顔料のうち、平均粒径の小さいフタロシアニン顔料がチタニルフタロシアニンであることを特徴とする前記第(11)項に記載の電子写真装置」、(13)「少なくとも帯電手段、現像手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成ユニットを複数有することを特徴とする前記第(11)又は(12)項に記載の電子写真装置」、(14)「前記帯電手段が、感光体に対し接触もしくは近接配置されたものであることを特徴とする前記第(11)項乃至第(13)項のいずれかに記載の電子写真装置」、(15)「前記感光体に近接配置された帯電手段に用いられる帯電部材表面と感光体表面の間の空隙が200μm以下であることを特徴とする前記(14)項に記載の電子写真装置」、(16)「前記電子写真装置において、前記帯電部材に対し直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することにより、感光体に帯電を与えることを特徴とする前記第(14)項又は(15)項に記載の電子写真装置」、(17)「電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する電子写真装置であって、該電子写真装置は複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする前記第(11)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真装置」によって解決される。
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるフタロシアニン顔料としては、無金属フタロシアニンまたは金属フタロシアニンが挙げられ、モーザーおよびトーマスの「フタロシアニン化合物」(ラインホールド社、1963)等に記載されている合成法、及び他の適当な方法によって得られるものを使用する。
【0017】
金属フタロシアニンの一例としては、銅、銀、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、インジウム、ナトリウム、リチウム、チタン、錫、鉛、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルトなどを中心金属にもつものが挙げられる。また、フタロシアニンの中心核には前記金属原子の代わりに、三価以上の原子価を有するハロゲン化金属が存在していても良い。なお、フタロシアニンは各種結晶形が知られているが、α型、β型、Y型、ε型、τ型、X型などの結晶形、及び非晶形など公知のものが使用できる。
【0018】
さらに本発明によれば、2種のフタロシアニン顔料のうち1つは、下記に示すように中心金属にチタンを有するチタニルフタロシアニン(以下TiOPc)が望ましい。
【0019】
【化1】
(式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に各種ハロゲン原子を表わし、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の数字を表わす。)
【0020】
TiOPcの合成法や電子写真特性に関する文献としては、例えば特開昭57−148745号公報、特開昭59−36254号公報、特開昭59−44054号公報、特開昭59−31965号公報、特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報などが挙げられる。また、TiOPcには種々の結晶系が知られており、特開昭59−49544号公報、特開昭59−41616959号公報、特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭63−366号公報、特開昭63−116158号公報、特開昭63−196067号公報、特開昭64−17066号公報等に各々結晶形の異なるTiOPcが開示されている。本発明者らは、これらのフタロシアニン顔料の分散安定性に関して鋭意検討を行ない、本発明を完成するに至った。
【0021】
本発明によれば、前記第(1)の分散液、前記第(2)の分散液、前記第(3)の分散液、前記第(4)の電子写真感光体、前記第(5)の電子写真感光体、前記第(6)の電子写真感光体、前記第(7)の電子写真感光体、前記第(8)の電子写真感光体、前記第(9)の電子写真感光体、前記第(10)の電子写真感光体の製造方法、前記第(11)の電子写真装置、前記第(12)の電子写真装置、前記第(13)の電子写真装置、前記第(14)の電子写真装置、前記第(15)の電子写真装置、前記第(16)の電子写真装置、及び前記第(17)の電子写真装置が提供される。
【0022】
本発明における平均粒径を求める方法としては、分散液をレーザ回折散乱式、動的光散乱式、超音波減衰式、遠心式等の粒度分布測定器により求める方法、あるいは分散液を塗布し塗膜を形成したものを直接光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察する方法が挙げられる。また、フタロシアニンの粒子形状は、米粒形状、針状形状等種々の形態を有し、いずれの形態もとりうる。従って、直接観察の際は複数個の粒子(少なくとも10個以上)の長軸方向の長さを測定し、算術平均を求めることにより平均粒径を求めることができる。
【0023】
本発明において、分散安定性に優れた2種のフタロシアニン顔料を用いた分散液が得られる理由は明らかでないが、顔料の平均粒径が0.8μm以下であることによって、長期保管の際の沈降、及びそれに伴う凝集を防ぐことが可能となったものと考えられる。さらに、分散液中の小粒径顔料の平均粒径が均一に揃っている場合に比べ、異なる平均粒径を有する小粒径顔料が存在することによって凝集が阻害されやすくなるのではないかと推定される。
【0024】
さらに本発明における電子写真感光体においては、0.8μm以下の平均粒径を有する2種のフタロシアニン顔料を含有した感光層を有するために、繰り返し使用の際に黒点等の画像欠陥の発生を防ぐことが可能になったものと考えられる。また、平均粒径が均一に揃っている顔料を有する感光層に比べ、感光体基体等への接触面積が小さくなったものと推定される。そのため、感光層と感光体基体等の接着力が小さくなり、感光層の剥離が容易になったものと考えられる。
【0025】
以下、本発明の分散液について詳しく説明する。
本発明の分散液は、少なくとも2種類のフタロシアニン顔料を含有するものであり、含有される2種のフタロシアニン顔料の平均粒径がいずれも0.8μm以下であり、かつ各々の平均粒径の差が0.2〜0.6μmであることが特徴である。この分散液は、分散安定性に優れ、長期間の保存を可能にし、またこれを用いて塗膜を形成する場合、塗膜欠陥の少ない安定した塗膜形成を可能にするものである。
また、ここで用いられる2種類のフタロシアニン顔料のうち、少なくとも一方がチタニルフタロシアニン、特にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料であることは、本分散液の主たる使用目的(電子写真感光体の感光層用塗工液あるいは電荷発生層用塗工液としての使用)を考慮すると、有用なことである。
この際、2種類のうち平均粒径の小さい方の顔料を前記チタニルフタロシアニンとすることにより、電荷発生物質としての機能を十二分に発揮することができ、極めて重要なことである。
【0026】
本発明の分散液は上述の特長を生かし、電子写真感光体の電荷発生層を形成するための塗工液として、特に有効に使用することができる。
目的とするフタロシアニン顔料を含有する分散液を得る方法は、分散溶媒の存在下に顔料粗粉末をボールミル、振動ミル、円盤振動ミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ジェットミル、超音波分散法など、顔料に圧縮、せん断、摩砕、摩擦、延伸、衝撃、振動などの機械的エネルギーを与える粉砕手段であればいずれのものも使用できる。さらに、分散溶媒には必要に応じて結着樹脂を加えることも可能であり、有効な手段である。また2種のフタロシアニン顔料を含む分散液は、それぞれのフタロシアニン顔料の粉砕を別々に行なったのちに混合して得る方法、あるいは粉砕前に混合し一度に粉砕を行なう方法のいずれの方法も用いることができる。
【0027】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。
【0028】
必要に応じて用いられる結着樹脂としては、公知のものが用いられるが、絶縁性でフィルム形成能の高い高分子重合体が好ましい。例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N −ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に用いられる電子写真感光体について、図面を用いて詳しく説明する。
図1は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(33)が設けられている。
図2、図3は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
【0030】
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
【0031】
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行なうことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行なったアルマイトと呼ばれる被膜が適している。
【0032】
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行なわれる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10− 20%、浴温:5−25℃、電流密度:1−4A/dm2、電解電圧:5−30V、処理時間:5−60分程度の範囲で処理が行なわれる。また、陽極酸化皮膜を封孔処理することによって更に良好に使用できる。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。また、封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理を行なったものも良好に使用される。
【0033】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0034】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0035】
次に感光層について説明する。感光層は単層、積層いずれのものも用いることが可能であり、まず、電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成される積層型から述べる。
電荷発生層(35)は、電荷発生材料として2種のフタロシアニン顔料を主成分とする層である。
上述したように、2種のフタロシアニン顔料を必要に応じて用いる結着樹脂とともに適当な溶剤中に上述の方法により分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0036】
電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0037】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0038】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0039】
結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0040】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0041】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、下記構造式に示すようなトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートは良好に用いられる。
【0042】
【化2】
(I)式
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0043】
【化3】
R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0044】
【化4】
(aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
【0045】
【化5】
(II)式
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0046】
【化6】
(III)式
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0047】
【化7】
(IV)式
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0048】
【化8】
(V)式
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar1 1,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0049】
【化9】
(VI)式
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0050】
【化10】
(VII)式
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0051】
【化11】
(VIII)式
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一又は異なるアリレン基を表わす。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0052】
【化12】
(IX)式
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0053】
【化13】
(X)式
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
【0054】
また、電荷輸送層に使用される高分子電荷輸送物質として、上述の高分子電荷輸送物質の他に、電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開2000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
【0055】
本発明において電荷輸送層(37)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0056】
次に感光層が単層構成の感光層(33)の場合について述べる。単層感光層は、少なくとも2種のフタロシアニン、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。さらに、この感光層は上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0057】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層(37)で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0058】
本発明の電子写真感光体には、導電性支持体(31)と感光層との間に中間層を設けることができる。中間層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、中間層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0059】
これらの中間層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の中間層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の中間層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。中間層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0060】
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。近年、日常的にコンピュータの使用が行なわれるようになり、プリンターによる高速出力とともに、装置の小型も望まれている。従って、保護層を設け、耐久性を向上させることによって、本発明の高感度で異常欠陥のない感光体を有用に用いることができる。
【0061】
保護層(39)に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
【0062】
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
【0063】
保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また、感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で5重量%以上、好ましくは10重量%以上、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度が良好である。
【0064】
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が充分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
なお、本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。また、同時に測定される各々の粒子の標準偏差が1μm以下であることが重要である。これ以上の標準偏差の値である場合には、粒度分布が広すぎて、本発明の効果が顕著に得られなくなってしまう場合がある。
【0065】
また、本発明で使用するフィラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響する。その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響を及ぼす場合がある。
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化している。粒子から遠ざかるに従い、その電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から充分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。したがって、ゼータ電位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。したがって、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
本発明の構成においては、フィラーとしては前述の等電点におけるpHが、少なくとも5以上を示すものが画像ボケ抑制の点から好ましく、より塩基性を示すフィラーであるほどその効果が高くなる傾向があることが確認された。等電点におけるpHが高い塩基性を示すフィラーは、系が酸性であった方がゼータ電位はより高くなることにより、分散性及びその安定性は向上することになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
【0066】
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0067】
本発明において使用するフィラーの比抵抗は以下のように定義される。フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−94049号公報の図1に示される測定装置、特開平5−113688号公報の図1に示される測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cm2である。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行ない、印加電圧は100Vにて測定する。106Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード製)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク製)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明の言うところの比抵抗値と定義するものである。
【0068】
フィラーの誘電率は以下のように測定した。上述のような比抵抗の測定と同様なセルを用い、荷重をかけた後に、静電容量を測定し、これより誘電率を求めた。静電容量の測定は、誘電体損測定器(安藤電気製)を使用した。
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ない方が好ましい。
【0069】
また、保護層(39)には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。ここで言う濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表わし、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
【0070】
次に、図面を用いて本発明の電子写真装置を詳しく説明する。
図4は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図4において、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも2種のフタロシアニン顔料を含む感光層が設けられてなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電ローラ(3)、転写前チャージャ(7)、転写チャージャ(10)、分離チャージャ(11)、クリーニング前チャージャ(13)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ、転写ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0071】
これらの、帯電方式のうち、接触式の帯電部材および非接触の近接配置方式の帯電部材が良好に用いられるが、特に非接触の近接配置方式が望ましい。
ここでいう接触配置の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラー、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラーや帯電ブラシが良好に使用される。
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知の帯電器とは区別されるものである。本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラーの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に、米国特許公開公報2002−0051654号明細書、特願平13−226432号明細書に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図6に示す。前記方式を用いることで、帯電効率が高い、トナー等による汚れが生じない、接触による機械的摩耗が発生しない等の点から良好に使用される。
また、画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0072】
さて、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ(14)およびクリーニングブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0073】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0074】
次に、本発明によるタンデム型電子写真装置について説明する。
タンデム型電子写真装置とは、感光体、帯電部材、現像部材等からなる画像形成要素を複数個(一般的には4つ)配置した画像形成装置である。この装置は、フルカラー出力における各色の画像形成を並列処理できるため、プリント速度に優れている。
【0075】
近年、日常的にコンピュータの使用が行なわれるようになり、フルカラー画像での出力やモノクロ並みのスピードが望まれることから、タンデム型電子写真装置が注目されてきている。フルカラー画像を出力する場合、写真等の画像面積率の高い出力が増えるため、感光体の欠陥は異常画像として検出されやすくなる。従って、本発明の高感度で異常欠陥のない感光体を有用に用いることができる。
さらに、タンデム型電子写真装置は各色に対応した複数の感光体を用いるため、感光体の量が飛躍的に増加する。そのため、本発明の再利用の容易な感光体を用いることで、効果の高いリサイクルシステムを形成できる。
【0076】
タンデム型の電子写真装置には、各感光体上の画像を転写装置により、シート搬送ベルトで搬送する記録材に順次転写する直接転写方式のものと、各感光体上の画像を1次転写装置によりいったん中間転写体に順次転写した後、その中間転写体上の画像を2次転写装置により記録材に一括転写する間接転写方式のものとがある。転写装置は転写搬送ベルトであるが、ローラ形状も方式もある。本発明におけるタンデム型カラー画像形成装置においては、いずれのものも可能であるが、2次転写位置を比較的自由に設置することができるため、小型化が可能であることや、幅広い紙種に対応しやすい等の利点があるため、特に間接転写方式のものが望ましい。
【0077】
一例として、図5に示す間接転写方式について詳細に説明する。
本装置においては、一次転写装置(25)により各色に対応する感光体(27)上のトナー像を中間転写体(28)上に形成し、給紙装置(29)より搬送された記録材(24)に二次転写装置(40)を用いて転写し、定着装置(41)によってトナー像を定着させる。また、中間転写体(28)上に残ったトナーは中間転写体クリーニング装置(42)によって除去される。間接転写を行なう中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトが特に良好に用いられ、樹脂で構成されたベース層に弾性材ゴムを用いた弾性層、コート層を設けることによって形成される。また、中間転写体の抵抗値を制御するために、弾性層に抵抗制御材を含有するのも好ましい。
【0078】
ベース層に用いる樹脂としてはポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。
【0079】
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。
【0080】
抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したもの等が挙げられる。
【0081】
表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上、または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができるまたフッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
以上に示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
まず、実施例に用いるチタニルフタロシアニン顔料の具体的な合成例、及び分散液作製例について述べる。
【0083】
(合成例)
1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。得られたこのウェットケーキ2gをテトラヒドロフラン20gに投入し、4時間攪拌を行なった。これにメタノール100gを追加して、1時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、図7に示すXDスペクトルを有するチタニルフタロシアニン粉末を得た。
【0084】
(分散液作製例1)
<分散液A>
合成例のチタニルフタロシアニン粉末 3部
ポリビニルアセタール(エスレックBX−1、積水化学(株)製) 2部
メチルエチルケトン 160部
上記組成の材料を混合し、ボールミリングにて8時間分散し、分散液を作製した。得られた分散液の粒径を(株)堀場製作所CAPA700にて測定した結果、平均粒径0.16μmの分散液Aが得られた。
【0085】
次に下記の材料を混合し、ボールミリングにて3時間分散し、分散液を作製した結果、平均粒径0.58μmの分散液Bが得られた。
<分散液B>
ε型銅フタロシアニン(BASF社製) 3部
ポリビニルアセタール(エスレックBX−1:積水化学社製) 2部
メチルエチルケトン 160部
続いて分散液Aと分散液Bを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液1を作製した。
【0086】
(分散液作製例2)
<分散液C>
X型無金属フタロシアニン
(ファストゲンブルー8120B:大日本インキ社製) 3部
ポリビニルアセタール(エスレックBX−1:積水化学(株)製) 2部
メチルエチルケトン 160部
上記組成の材料を混合し、ボールミリングにて5時間分散し分散液を作製した結果、平均粒径0.76μmの分散液Cが得られた。
続いて分散液作製例1と同様に作製した分散液Aと上記分散液Cを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液2を作製した。
【0087】
(分散液作製例3)
<分散液D>
τ型無金属フタロシアニン(TPA−891:東洋インキ社製) 3部
ポリビニルアセタール(エスレックBX−1:積水化学(株)製) 2部
メチルエチルケトン 160部
上記組成の材料を混合し、ボールミリングにて8時間分散し分散液を作製した結果、平均粒径0.39μmの分散液Dが得られた。
続いて分散液作製例1と同様に作製した分散液Aと上記分散液Dを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液3を作製した。
【0088】
(分散液作製例4)
分散液作製例1において、分散液Bの分散時間を1時間に変更した結果、平均粒径0.92μmの分散液Eが得られた。
続いて、分散液作製例1と同様に作製した分散液Aと上記分散液Eを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液4を作製した。
【0089】
(分散液作製例5)
分散液作製例2において、分散液Cの分散時間を12時間に変更した結果、平均粒径0.20 μmの分散液Fが得られた。
続いて、分散液作製例1と同様に作製した分散液Aと上記分散液Fを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液5を作製した。
【0090】
(分散液作製例6)
分散液作製例1において、分散液Aの分散時間を4時間に変更した結果、平均粒径0.37μmの分散液Gが得られた。
続いて、上記分散液Gと分散液作製例1と同様に作製した分散液Bを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液6を作製した。
【0091】
(分散液作製例7)
分散液作製例6と同様に作製した分散液Gと分散液作成例2と同様に作製した分散液Cを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液7を作製した。
【0092】
(分散液作製例8)
分散液作製例6と同様に作製した分散液Gと分散液作製例4と同様に作製した分散液Eを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液8を作製した。
【0093】
(分散液作製例9)
分散液作製例1において、分散液Bの分散時間を5時間に変更した結果、平均粒径0.42μmの分散液Hが得られた。
続いて分散液作製例6と同様に作製した分散液Gと上記分散液Hを混合し、2種のフタロシアニンを含有する分散液9を作製した。
【0094】
(実施例1〜5、比較例1〜4)
上記のように得られた分散液1〜9を、室温暗所にて6ヶ月静置保存を行なったのち、保存後の状態を観察した。その結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
表1に示すように、実施例1〜5 においては、分散液の保存において顔料の凝集が見られず、分散安定性の高い良好な分散液が得られることがわかる。
【0096】
(実施例6〜10、比較例5〜8)
次に下記組成の中間層塗工液を外径30mm、長さ340mmの切削アルミニウム素管(JIS1050)に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの中間層を形成した。
◎中間層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製)
メチルエチルケトン 100部
続いて、下記組成の電荷発生層塗工液を前記中間層上に塗布し、130℃で10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0097】
◎電荷発生層塗工液
前記保存前の分散液1〜9、およびその6ヶ月保存液を電荷発生層塗工液として用いた。
続いて、下記組成の電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗布し、130℃で20分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 10部
下記(4)式の電荷輸送物質 8部
塩化メチレン 80部
【0098】
【化14】
(4)式
【0099】
上述のように作製した電子写真感光体を目視にて、電荷発生層の塗膜状態を観察した。結果を表2に示す。
また、得られた電子写真感光体を、像露光手段に780nmの半導体レーザー及び帯電手段に図6に示すような非接触近接配置ローラー帯電器(帯電部材と感光体のギャップは80μm)を備えるよう一部改良を加えた画像形成装置(株式会社リコー製 imagio MF−2200)に装着し、A4サイズPPC用紙を縦方向送りで1万枚通紙し画像評価を実施した。帯電条件は以下の通りである。画像評価結果を表3に示す。
<帯電条件>
DCバイアス:−750V
ACバイアス:1.5kV(peak to peak)、周波数2kHz
【0100】
【表2】
【0101】
表2に示すように、実施例6〜10で作製した感光体の電荷発生層は、粗大粒子が観察されず、良好な塗膜を形成していることが分かる。
【0102】
【表3】
表3に示すように、実施例6〜10においては、長期保存を行なった分散液により作製した感光体を用い繰返し使用を行なっても、画像欠陥が見られず、安定して良好な画像を得られることがわかる。
【0103】
(実施例11、12)
次に、実施例6において作製した感光体に、下記組成の表面保護層塗工液を塗布し、140℃で20分間乾燥して平均膜厚2μmの表面保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
◎表面保護層塗工液
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 3.8部
前記(4)式の電荷輸送物質 2.8部
α−アルミナ(スミコランダムAA−04:住友化学工業社製) 2.6部
シクロヘキサノン 80部
テトラヒドロフラン 280部
【0104】
実施例6、および上記で得られた電子写真感光体を像露光手段に780nmの半導体レーザーおよび帯電手段に接触帯電ローラ帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製 imagio MF−2200)に装着し、A4サイズPPC用紙を縦方向送りで5万枚通紙し画像評価、及び摩耗量の測定を実施した。帯電条件は以下の通りである。上記の評価結果を表4に示す。
<帯電条件>
DCバイアス:−750V
ACバイアス:1.5kV(peak to peak)、周波数2kHz
【0105】
【表4】
表4から実施例11の電子写真感光体は特に優れた耐摩耗性を示していることがわかる。
【0106】
(実施例13〜15、比較例9〜11)
実施例6、7、9及び比較例5、6、8で得られた電子写真感光体を直接転写方式4連タンデム型カラー画像形成装置(株式会社リコー製 IPSiO Color8000)を、図5に示すような間接転写方式4連タンデム型カラー画像形成装置となるように改造を加え、画像評価を実施した。定着装置からの距離が最も近い場所に位置する画像形成ユニット内のステーション番号を(1)、続いて近いものから順に(2)、(3)、(4)とし、前記作製の電子写真感光体を組み合わせて装着した後、A4サイズPPC用紙を縦方向送りで1万枚通紙後の画像評価を各ステーション毎に評価した。その結果を表5に示す。
【0107】
【表5−1】
【0108】
【表5−2】
表5に示すように、実施例13〜15においては、長期保存を行なった分散液により作製した感光体を用い繰返し使用を行なっても、画像欠陥が見られず、安定して良好な画像を得られることがわかる。
【0109】
(実施例16〜17、比較例12〜13)
外径30mm、長さ340mmの切削アルミニウム素管(JIS1050)に以下の陽極酸化皮膜処理を行なった。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行ない、脱脂洗浄、水洗浄を行なった後、液温20℃、硫酸5vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行なった。更に、水洗浄を行なった後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行なった。その後純水による洗浄を経て、6μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
続いて、下記組成の電荷発生層塗工液を前記陽極酸化皮膜上に塗布し、130℃で10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0110】
◎電荷発生層塗工液
前記保存前の分散液1、5、7、9を電荷発生層塗工液として用いた。
続いて、下記組成の電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗布し、130℃で20分間乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0111】
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 10部
前記(4)式の電荷輸送物質 8部
塩化メチレン 80部
得られた電子写真感光体から感光層を剥離・除去するために剥離液としてメタノール水(重量比でメタノール:水=1:1)を用い、約50℃に加温したこの剥離液中に、上記感光体を浸漬させた。続いて1時間後に取り出して、勢いよく水道水をかけて基体面から感光層を除去させた。次いで、アルミニウム面を露出した基体をよく乾燥させた後、テトラヒドロフランを含浸させた綿製不織布で基体面を摺擦処理し、回収基体を得た。次に得られた基体の目視観察を行ない、残留感光層の有無を調べた。その結果を表6に示す。
【0112】
【表6】
【0113】
表6に示すように、実施例16〜17においては、異なる平均粒径を有する2種のフタロシアニン顔料を含有した感光層を有する感光体を用いることで、回収基体の再利用が容易な感光体を得られることがわかる。
【0114】
実施例18
実施例12において、保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、実施例12と同様に感光体を作製した。
◎表面保護層塗工液
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 3.8部
前記(4)式の電荷輸送物質 2.8部
シリカ微粉末 2.6部
(比抵抗:4×1013Ω・cm、平均一次粒径:0.3μm)
シクロヘキサノン 80部
テトラヒドロフラン 280部
【0115】
実施例19
実施例12において、保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、実施例12と同様に感光体を作製した。
◎表面保護層塗工液
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 3.8部
前記(4)式の電荷輸送物質 2.8部
酸化チタン微粒子 2.6部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
シクロヘキサノン 80部
テトラヒドロフラン 280部
【0116】
実施例20
実施例12において、保護層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、実施例12と同様に感光体を作製した。
◎表面保護層塗工液
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 3.8部
前記(4)式の電荷輸送物質 2.8部
酸化錫−酸化アンチモン粉末 2.6部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
シクロヘキサノン 80部
テトラヒドロフラン 280部
【0117】
以上のように作製した実施例18〜20の電子写真感光体を像露光手段に780nmの半導体レーザーおよび帯電手段に接触帯電ローラー帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製imagio MF−2200)に装着し、A4サイズPPC用紙を縦方向送りで5万枚通紙し画像評価を実施した(常温常湿)。更に5万枚通紙後、30℃−90%RHの環境下で画像出力を行なった。帯電条件は以下の通りである。画像評価結果を表7に示す。
<帯電条件>
DCバイアス:−750V
ACバイアス:1.5kV(peak to peak)、周波数2kHz
【0118】
【表7】
【0119】
実施例21
実施例18で作製した感光体を用い、先の実施例18の試験に用いた画像形成装置に使用した帯電部材を図6に示すような近接帯電部材(ギャップは80μm)に変更した以外は、実施例18と同様に評価した(帯電条件等は同じ)。
その結果、5万枚後の試験後の帯電部材へのトナーフィルミングが極めて少なく、良好な結果であった。特に、5万枚後に実施例18の感光体と共にハーフトーン画像を出力して比較した場合に、実施例18の感光体を用いた場合よりも実施例21の感光体を使用した場合の方が、帯電ムラに基づく画像濃度ムラが少なく良好であった。
【0120】
実施例22
実施例21で使用した近接帯電部材のギャップを150μmに変更した以外は、実施例21と同様に評価を行なった。その結果、実施例21とほぼ同等の結果が得られた。
【0121】
実施例23
実施例21で使用した近接帯電部材のギャップを250μmに変更した以外は、実施例21と同様に評価を行なった。その結果、5万枚後の画像において、僅かに画像濃度ムラが認められた。
【0122】
実施例24
実施例22において、帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例22と同様に評価を行なった。
<帯電条件>
DCバイアス:−1600V
(実施例22の場合と感光体非画像部の帯電電位を合わせた帯電印加電圧)
その結果、5万枚後の画像において、僅かに画像濃度ムラが認められた。
【0123】
実施例25
実施例12の感光体作製において、実施例12で使用した導電性支持体の代わりに、実施例16で使用した陽極酸化皮膜を有する支持体を用い、更に中間層を塗工せずに電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層を実施例12と同様に積層し、電子写真感光体を作製した。
【0124】
実施例12の感光体と、実施例25の感光体は、像露光手段に780nmの半導体レーザーおよび帯電手段に接触帯電ローラー帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製 imagio MF−2200)に装着し、A4サイズPPC用紙を縦方向送りで5万枚通紙した。画像評価は初期及び5万枚後に白ベタ画像を出力し、地肌汚れを評価した。帯電条件は以下の通りである。上記の評価結果を表8に示す。
<帯電条件>
DCバイアス:−750V
ACバイアス:1.5kV(peak to peak)、周波数2kHz
【0125】
【表8】
地汚れランク:
5:地汚れほとんどなし、
4:わずかにあり、
3:実使用限界レベル、
2以下:実使用には耐えないレベル
【0126】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明によれば、長期保存時も凝集の起こらない、分散安定性に優れたフタロシアニン顔料を用いた分散液が提供される。また、高感度で異常欠陥の発生のないフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真装置が提供される。さらに、本発明の別の効果として、再利用が容易な電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明に用いられる電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【図5】本発明のタンデム型電子写真装置の一例を示した図である。
【図6】非接触帯電機構を示す概略図(ギャップ保持機構が帯電部材側に形成されている)である。
【図7】合成例で作製されたチタニルフタロシアニンのXDスペクトル図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電ローラ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
24 記録材
25 一次転写装置
27 感光体
28 中間転写体
29 給紙装置
31 導電性支持体
33 単層感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
40 二次転写装置
41 定着装置
42 中間転写体クリーニング装置
50 感光体
51 帯電ローラー
52 ギャップ形成部材
53 金属シャフト
54 画像形成領域
55 非画像形成領域[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dispersion containing two phthalocyanine pigments, an electrophotographic photosensitive member using the same, and an electrophotographic apparatus using the same, and more specifically, a dispersion having excellent dispersion stability, high sensitivity and abnormal defects. The present invention relates to an electrophotographic photosensitive member that is easy to be reused, and an electrophotographic apparatus that is unlikely to generate an abnormal image even in repeated use.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been a remarkable development of information processing system machines using electrophotography. In particular, an optical printer that converts information into a digital signal and records information by light has a remarkable improvement in print quality and reliability. This digital recording technology is applied not only to printers but also to ordinary copying machines, and so-called digital copying machines have been developed. In addition, since a variety of information processing functions are added to a copying machine in which this digital recording technology is mounted on a conventional analog copying machine, its demand is expected to increase further in the future.
[0003]
As a light source of an optical printer, a small-sized, inexpensive and highly reliable semiconductor laser (LD) or light emitting diode (LED) is currently used. The light emission wavelength of the LED that is often used at present is 660 nm, and the light emission wavelength region of the LD is in the near infrared light region. Therefore, development of an electrophotographic photoreceptor having high sensitivity from the visible light region to the near infrared light region is desired.
[0004]
The photosensitive wavelength region of the electrophotographic photosensitive member is almost determined by the photosensitive wavelength region of the charge generating material used in the photosensitive member. Therefore, many charge generating materials such as various azo pigments, polycyclic quinone pigments, trigonal selenium and various phthalocyanine pigments have been developed. Among them, the phthalocyanine pigment exhibits high sensitivity to light having a long wavelength of 600 to 800 nm, and thus is extremely important and useful as a photosensitive material for electrophotographic printers and digital copying machines whose light sources are LEDs and LDs. .
[0005]
On the other hand, an electrophotographic photoreceptor using this phthalocyanine pigment is generally produced by applying a dispersion containing a phthalocyanine pigment, a binder resin, a solvent and the like.
[0006]
Furthermore, in the dispersion, there are advantages such as improvement of charge retention ability and easy sensitivity adjustment, and therefore a method of mixing not only one type of phthalocyanine pigment but also two or more different pigments has been proposed. . For example, Japanese Patent No. 2805867, Japanese Patent No. 2847827, Japanese Patent No. 2990757, Japanese Patent No. 2990758, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-152728, and the like can be mentioned as effective methods.
[0007]
In addition, by reducing the particle size of the normal pigment, it is possible to achieve higher sensitivity, or there are advantages such as preventing the occurrence of abnormal images due to image defects, and various studies have been conducted. For example, in Japanese Patent No. 2614282, there is a method for preventing image defects by using a charging conductive member disposed in contact with a photosensitive member having a maximum particle size of 1 μm or less contained in the photosensitive member. Proposed.
[0008]
In Japanese Patent No. 3176797, a more sensitive photoconductor is produced by forming an aggregate of 0.2 to 2 μm composed of different pigment particles (P-type charge generation material and N-type charge generation material). A method has been proposed. JP-A-5-333575 proposes an electrophotographic photosensitive member in which phthalocyanine particles having a particle size of 0.05 to 2 μm and n-type conductive pigment particles having a particle size of 0.01 to 1 μm are adhered. ing.
[0009]
However, when a dispersion liquid in which two types of small particle size pigment particles are mixed is formed, the formation of an aggregate structure is likely to occur, and the aggregation is easily accelerated during storage of the dispersion liquid. There was a problem that stable photoconductor production was impossible.
[0010]
Further, in a photoreceptor using such a dispersion, a coating film defect is likely to occur. Further, when a photoreceptor having such a coating film defect is used, a defective image is generated as an output image of the electrophotographic apparatus. Had the problem of occurring.
In addition, in an electrophotographic photosensitive member having a photosensitive layer in which small particle size pigment particles are uniformly dispersed, it is difficult to easily remove the photosensitive layer, which makes it difficult to reuse the photosensitive substrate. He also had problems.
[0011]
Accordingly, it has been desired to complete a dispersion having excellent dispersion stability, an electrophotographic photosensitive member that is highly sensitive and free from abnormal defects, and that can be easily reused, and an electrophotographic apparatus using the same.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a dispersion using a phthalocyanine pigment having excellent dispersion stability. Another object of the present invention is to provide an electrophotographic photosensitive member using a phthalocyanine pigment having high sensitivity and no occurrence of abnormal defects, and an electrophotographic apparatus using the same. Another object of the present invention is to provide an electrophotographic photosensitive member that can be easily reused, and an electrophotographic apparatus using the same.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The above-mentioned problem is that (1) “in a dispersion containing at least two phthalocyanine pigments and a solvent, the average particle diameter of any of the two phthalocyanine pigments contained in the dispersion is 0.8 μm or less. A dispersion having a difference in average particle diameter of 0.2 to 0.6 μm ”, (2)“ A phthalocyanine pigment having a small average particle diameter among the two kinds of phthalocyanine pigments. The dispersion according to the item (1), which is a titanyl phthalocyanine ”, (3)“ diffraction peak with a Bragg angle 2θ with respect to the characteristic X-ray (wavelength 1.542 波長) of CuKα of the titanyl phthalocyanine pigment. The dispersion according to (2) above, which is a titanyl phthalocyanine pigment having a maximum diffraction peak of at least 27.2 ° (± 0.2 °) ” Therefore, it is solved.
[0014]
In addition, the above-described problem is that (4) “an electrophotographic photosensitive member in which at least a photosensitive layer is provided on a conductive support, and the photosensitive layer contains at least two phthalocyanine pigments in the photosensitive layer. An electrophotographic photosensitive member characterized in that any of the phthalocyanine pigments has an average particle size of 0.8 μm or less and a difference in the average particle size of 0.2 to 0.6 μm ”, (5) Of the two phthalocyanine pigments, the phthalocyanine pigment having a small average particle size is titanyl phthalocyanine, wherein the electrophotographic photosensitive member according to (4) above, (6) "the titanyl phthalocyanine pigment is A titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) with a Bragg angle 2θ with respect to the characteristic X-ray (wavelength 1.542 mm) of CuKα (7) “The photosensitive layer comprises a laminate structure of a charge generation layer and a charge transport layer, and a surface protective layer. The electrophotographic photosensitive member according to any one of (4) to (6) above, (8) “
[0015]
In addition, the above-mentioned problem is that, in the electrophotographic apparatus comprising (11) “at least a charging unit, an image exposing unit, a developing unit, a transferring unit, and an electrophotographic photosensitive member, A photosensitive layer containing two types of phthalocyanine pigments, wherein the average particle size of each of the two types of phthalocyanine pigments is 0.8 μm or less, and the difference between the average particle sizes is 0.2 to 0.6 μm. Electrophotographic apparatus characterized by being provided on a conductive support ”, (12)“ A phthalocyanine pigment having a small average particle size among the two types of phthalocyanine pigments is titanyl phthalocyanine ” The electrophotographic apparatus according to the item (11), (13) “having a plurality of image forming units each including at least a charging unit, a developing unit, and an electrophotographic photosensitive member. The electrophotographic apparatus according to item (11) or (12), characterized in that: (14) “The charging means is in contact with or in close proximity to the photoreceptor. The electrophotographic apparatus according to any one of Items (11) to (13) ”, (15)“ Between the surface of the charging member used for the charging means disposed close to the photosensitive member and the surface of the photosensitive member. The electrophotographic apparatus according to item (14), wherein the gap is 200 μm or less ”, (16)“ In the electrophotographic apparatus, a voltage in which an alternating current component is superimposed on a direct current component is applied to the charging member. The electrophotographic apparatus according to item (14) or (15), wherein the toner image developed on the electrophotographic photosensitive member is obtained by charging the photosensitive member. After primary transfer onto the intermediate transfer member An electrophotographic apparatus having intermediate transfer means for secondary transfer of a toner image on the intermediate transfer body onto a recording material, wherein the electrophotographic apparatus sequentially superimposes a plurality of color toner images on the intermediate transfer body and performs color An electrophotographic apparatus according to any one of (11) to (16), wherein an image is formed and the color image is collectively transferred onto a recording material. .
[0016]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
Examples of the phthalocyanine pigment used in the present invention include metal-free phthalocyanine or metal phthalocyanine, and synthetic methods described in Moser and Thomas' "phthalocyanine compound" (Rheinhold, 1963), and other suitable methods. Use the one obtained by
[0017]
Examples of metal phthalocyanines include those having a central metal such as copper, silver, beryllium, magnesium, calcium, zinc, indium, sodium, lithium, titanium, tin, lead, vanadium, chromium, manganese, iron, and cobalt. . Further, a metal halide having a valence of 3 or more may be present in the central nucleus of phthalocyanine instead of the metal atom. Although various crystal forms of phthalocyanine are known, known forms such as crystal forms such as α-type, β-type, Y-type, ε-type, τ-type, and X-type, and amorphous forms can be used.
[0018]
Further, according to the present invention, one of the two phthalocyanine pigments is preferably titanyl phthalocyanine (hereinafter referred to as TiOPc) having titanium as a central metal as shown below.
[0019]
[Chemical 1]
(Where X1, X2, X3, X4Each independently represents various halogen atoms, and n, m, l and k each independently represents a number of 0 to 4. )
[0020]
References relating to the synthesis method and electrophotographic characteristics of TiOPc include, for example, JP-A-57-148745, JP-A-59-36254, JP-A-59-44054, JP-A-59-31965, JP-A 61-239248, JP-A 62-67094 and the like can be mentioned. Various crystal systems are known for TiOPc. JP 59-49544 A, JP 59-41616959 A, JP 61-239248 A, and JP 62-67094 A. JP-A-63-366, JP-A-63-116158, JP-A-63-196067, JP-A-64-17066, etc. each disclose TiOPc having a different crystal form. The present inventors diligently investigated the dispersion stability of these phthalocyanine pigments, and completed the present invention.
[0021]
According to the present invention, the (1) dispersion, the (2) dispersion, the (3) dispersion, the (4) electrophotographic photoreceptor, the (5) Electrophotographic photosensitive member, (6) electrophotographic photosensitive member, (7) electrophotographic photosensitive member, (8) electrophotographic photosensitive member, (9) electrophotographic photosensitive member, (10) Electrophotographic photosensitive member manufacturing method, (11) electrophotographic apparatus, (12) electrophotographic apparatus, (13) electrophotographic apparatus, (14) electron There are provided a photographic apparatus, the (15) electrophotographic apparatus, the (16) electrophotographic apparatus, and the (17) electrophotographic apparatus.
[0022]
The average particle size in the present invention can be determined by a method of determining the dispersion with a particle size distribution measuring instrument such as a laser diffraction scattering method, a dynamic light scattering method, an ultrasonic attenuation method, a centrifugal method, or the like. There is a method of directly observing the film-formed one with an optical microscope or an electron microscope. Moreover, the particle shape of phthalocyanine has various forms, such as a rice grain shape and a needle shape, and can take any form. Therefore, in the case of direct observation, the average particle diameter can be determined by measuring the length in the major axis direction of a plurality of particles (at least 10 particles) and calculating the arithmetic average.
[0023]
In the present invention, it is not clear why a dispersion using two kinds of phthalocyanine pigments excellent in dispersion stability is obtained. However, since the average particle size of the pigment is 0.8 μm or less, sedimentation during long-term storage is achieved. It is considered that it has become possible to prevent aggregation accompanying it. Furthermore, it is estimated that the aggregation is likely to be hindered by the presence of small particle size pigments having different average particle sizes compared to the case where the average particle sizes of the small particle size pigments in the dispersion are uniform. Is done.
[0024]
Furthermore, since the electrophotographic photoreceptor of the present invention has a photosensitive layer containing two kinds of phthalocyanine pigments having an average particle diameter of 0.8 μm or less, the occurrence of image defects such as black spots is prevented during repeated use. It is thought that this has become possible. Further, it is presumed that the contact area to the photoreceptor substrate or the like is smaller than that of the photosensitive layer having a pigment having a uniform average particle diameter. For this reason, it is considered that the adhesive force between the photosensitive layer and the photosensitive substrate is reduced, and the peeling of the photosensitive layer is facilitated.
[0025]
Hereinafter, the dispersion of the present invention will be described in detail.
The dispersion of the present invention contains at least two types of phthalocyanine pigments, the average particle size of the two types of phthalocyanine pigments contained is 0.8 μm or less, and the difference between the average particle sizes of the two types of phthalocyanine pigments. Is 0.2 to 0.6 μm. This dispersion is excellent in dispersion stability and enables long-term storage. When a coating film is formed using this dispersion liquid, it is possible to form a stable coating film with few coating film defects.
In addition, at least one of the two types of phthalocyanine pigments used here is at least 27 as a diffraction peak (± 0.2 °) with a Bragg angle 2θ with respect to the characteristic X-ray (wavelength 1.542Å) of titanyl phthalocyanine, particularly CuKα. It is a titanyl phthalocyanine pigment having a maximum diffraction peak at 2 °, considering the main intended use of this dispersion (use as a coating solution for a photosensitive layer or a charge generation layer for an electrophotographic photosensitive member) Then it is useful.
In this case, by using the titanyl phthalocyanine as the pigment having the smaller average particle diameter out of the two types, the function as a charge generating substance can be fully exhibited, which is extremely important.
[0026]
The dispersion liquid of the present invention can be used particularly effectively as a coating liquid for forming a charge generation layer of an electrophotographic photosensitive member, taking advantage of the above-described features.
In order to obtain the desired dispersion containing the phthalocyanine pigment, the crude pigment powder is ball milled, vibrated mill, disc vibrated mill, attritor, sand mill, bead mill, paint shaker, jet mill, ultrasonic dispersion in the presence of a dispersion solvent. Any grinding means can be used as long as it gives mechanical energy such as compression, shearing, grinding, friction, stretching, impact, vibration to the pigment. Furthermore, a binder resin can be added to the dispersion solvent as necessary, which is an effective means. In addition, a dispersion containing two kinds of phthalocyanine pigments may be obtained by mixing each phthalocyanine pigment separately after mixing, or by mixing before pulverization and pulverizing all at once. Can do.
[0027]
Examples of the solvent used here include isopropanol, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, tetrahydrofuran, dioxane, ethyl cellosolve, ethyl acetate, methyl acetate, dichloromethane, dichloroethane, monochlorobenzene, cyclohexane, toluene, xylene, and ligroin. In particular, ketone solvents, ester solvents, and ether solvents are preferably used.
[0028]
As the binder resin used as necessary, a known resin is used, but a high molecular polymer having an insulating property and a high film forming ability is preferable. For example, polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, Polyarylate resin, polycarbonate (bisphenol A type, bisphenol Z type), cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinylcarbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, melamine resin, Thermoplastic or thermosetting resins such as urethane resin, phenol resin, alkyd resin and the like can be mentioned, but are not limited thereto.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the electrophotographic photosensitive member used in the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of the structure of an electrophotographic photosensitive member used in the present invention. On a conductive support (31), a single-layer photosensitive layer mainly composed of a charge generating material and a charge transporting material ( 33).
FIG. 2 and FIG. 3 are cross-sectional views showing other structural examples of the electrophotographic photosensitive member used in the present invention. On the conductive support (31), a charge generation layer mainly composed of a charge generation material ( 35) and a charge transporting layer (37) mainly composed of a charge transporting material are stacked.
[0030]
The conductive support (31) has a volume resistance of 1010Films having conductivity of Ω · cm or less, for example, metal such as aluminum, nickel, chromium, nichrome, copper, gold, silver, platinum, metal oxide such as tin oxide, indium oxide, etc. are deposited or sputtered. Shaped or cylindrical plastic, paper-coated, or aluminum, aluminum alloy, nickel, stainless steel, etc., and after making them into tubes by methods such as extrusion and drawing, cutting, superfinishing, polishing, etc. A surface-treated tube or the like can be used. Further, an endless nickel belt and an endless stainless steel belt disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 52-36016 can be used as the conductive support (31).
[0031]
Of these, a cylindrical support made of aluminum, which can be easily subjected to the anodic oxide film treatment, can also be used favorably. As used herein, aluminum includes both pure aluminum and aluminum alloys. Specifically,
[0032]
The anodizing treatment is performed in an acidic bath such as chromic acid, sulfuric acid, oxalic acid, phosphoric acid, boric acid, sulfamic acid. Of these, treatment with a sulfuric acid bath is most suitable. For example, sulfuric acid concentration: 10-20%, bath temperature: 5-25 ° C., current density: 1-4 A / dm2The electrolysis voltage is 5-30V, and the treatment time is 5-60 minutes. Moreover, it can be used more favorably by sealing the anodized film. Examples of the sealing treatment include a method of immersing the anodized film in an aqueous solution containing nickel fluoride and nickel acetate, a method of immersing the anodized film in boiling water, and a method of treating with pressurized steam. Moreover, the thing which performed the washing process of the anodic oxide film following the sealing process is used favorably.
[0033]
In addition to the above, a conductive powder dispersed in a suitable binder resin and coated on the support can be used as the conductive support (31) of the present invention. Examples of the conductive powder include carbon black, acetylene black, metal powder such as aluminum, nickel, iron, nichrome, copper, zinc, and silver, or metal oxide powder such as conductive tin oxide and ITO. It is done. The binder resin used at the same time is polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer. , Polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, polyarylate resin, phenoxy resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinyl carbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, Examples thereof include thermoplastic, thermosetting resins, and photocurable resins such as melamine resin, urethane resin, phenol resin, and alkyd resin. Such a conductive layer can be provided by dispersing and coating these conductive powder and binder resin in a suitable solvent such as tetrahydrofuran, dichloromethane, methyl ethyl ketone, and toluene.
[0034]
Further, a heat shrinkable tube in which the conductive powder is contained in a material such as polyvinyl chloride, polypropylene, polyester, polystyrene, polyvinylidene chloride, polyethylene, chlorinated rubber, polytetrafluoroethylene-based fluororesin on a suitable cylindrical substrate. Those provided with a conductive layer can be used favorably as the conductive support (31) of the present invention.
[0035]
Next, the photosensitive layer will be described. The photosensitive layer can be either a single layer or a laminate. First, a laminate type composed of a charge generation layer (35) and a charge transport layer (37) will be described.
The charge generation layer (35) is a layer mainly composed of two kinds of phthalocyanine pigments as a charge generation material.
As described above, it is formed by dispersing two kinds of phthalocyanine pigments in a suitable solvent together with a binder resin to be used as necessary, applying the resultant onto a conductive support, and drying. . As a coating method for the coating solution, a dip coating method, spray coating, beat coating, nozzle coating, spinner coating, ring coating, or the like can be used. The film thickness of the charge generation layer (35) is suitably about 0.01 to 5 μm, preferably 0.1 to 2 μm.
[0036]
The charge transport layer (37) can be formed by dissolving or dispersing a charge transport material and a binder resin in a suitable solvent, and applying and drying the solution on the charge generation layer. Moreover, a plasticizer, a leveling agent, antioxidant, etc. can also be added as needed.
[0037]
Charge transport materials include hole transport materials and electron transport materials. Examples of the charge transport material include chloranil, bromoanil, tetracyanoethylene, tetracyanoquinodimethane, 2,4,7-trinitro-9-fluorenone, 2,4,5,7-tetranitro-9-fluorenone, 2,4 , 5,7-tetranitroxanthone, 2,4,8-trinitrothioxanthone, 2,6,8-trinitro-4H-indeno [1,2-b] thiophen-4-one, 1,3,7-tri Examples thereof include electron-accepting substances such as nitrodibenzothiophene-5,5-dioxide and benzoquinone derivatives.
[0038]
Examples of the hole transport material include poly-N-vinylcarbazole and derivatives thereof, poly-γ-carbazolylethyl glutamate and derivatives thereof, pyrene-formaldehyde condensates and derivatives thereof, polyvinylpyrene, polyvinylphenanthrene, polysilane, oxazole derivatives, Oxadiazole derivatives, imidazole derivatives, monoarylamine derivatives, diarylamine derivatives, triarylamine derivatives, stilbene derivatives, α-phenylstilbene derivatives, benzidine derivatives, diarylmethane derivatives, triarylmethane derivatives, 9-styrylanthracene derivatives, pyrazolines Derivatives, divinylbenzene derivatives, hydrazone derivatives, indene derivatives, butadiene derivatives, pyrene derivatives, etc., bisstilbene derivatives, enamine derivatives, etc. Other known materials may be mentioned. These charge transport materials may be used alone or in combination of two or more.
[0039]
Binder resins include polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, poly Vinylidene chloride, polyarate, phenoxy resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinyl carbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, melamine resin, urethane resin, phenol resin And thermoplastic or thermosetting resins such as alkyd resins.
[0040]
The amount of the charge transport material is appropriately 20 to 300 parts by weight, preferably 40 to 150 parts by weight, based on 100 parts by weight of the binder resin. The thickness of the charge transport layer is preferably about 5 to 100 μm. As the solvent used here, tetrahydrofuran, dioxane, toluene, dichloromethane, monochlorobenzene, dichloroethane, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, acetone and the like are used.
[0041]
In addition, a polymer charge transport material having a function as a charge transport material and a function of a binder resin is also preferably used for the charge transport layer. The charge transport layer composed of these polymer charge transport materials is excellent in wear resistance. A known material can be used as the polymer charge transport material, but a polycarbonate having a triarylamine structure as shown in the following structural formula in the main chain and / or side chain is preferably used.
[0042]
[Chemical formula 2]
(I) Formula
Where R1, R2, R3Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group or a halogen atom, R4Is a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group, R5, R6Is a substituted or unsubstituted aryl group, o, p, q are each independently an integer of 0-4, k, j are compositions, 0.1 ≦ k ≦ 1, 0 ≦ j ≦ 0.9, n Represents the number of repeating units and is an integer of 5 to 5000. X represents an aliphatic divalent group, a cycloaliphatic divalent group, or a divalent group represented by the following general formula.
[0043]
[Chemical 3]
R101, R102Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group, aryl group or halogen atom. l and m are integers of 0 to 4, Y is a single bond, a linear, branched or cyclic alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, -O-, -S-, -SO-, -SO2-, -CO-, -CO-O-Z-O-CO- (wherein Z represents an aliphatic divalent group), or
[0044]
[Formula 4]
(A is an integer from 1 to 20, b is an integer from 1 to 2000, R103, R104Represents a substituted or unsubstituted alkyl group or aryl group. Where R101And R102, R103And R104May be the same or different. )
[0045]
[Chemical formula 5]
(II) Formula
Where R7, R8Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar1, Ar2, Ar3Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0046]
[Chemical 6]
(III) Formula
Where R9, R10Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar4, Ar5, Ar6Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0047]
[Chemical 7]
(IV) Formula
Where R11, R12Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar7, Ar8, Ar9Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0048]
[Chemical 8]
(V) Formula
Where R13, R14Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar10, Ar1 1, Ar12Are the same or different arylene groups, X1, X2Represents a substituted or unsubstituted ethylene group or a substituted or unsubstituted vinylene group. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0049]
[Chemical 9]
(VI) Formula
Where R15, R16, R17, R18Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar13, Ar14, Ar15, Ar16Are the same or different arylene groups, Y1, Y2, Y3Represents a single bond, a substituted or unsubstituted alkylene group, a substituted or unsubstituted cycloalkylene group, a substituted or unsubstituted alkylene ether group, an oxygen atom, a sulfur atom, or a vinylene group, which may be the same or different. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0050]
[Chemical Formula 10]
(VII) Formula
Where R19, R20Represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted aryl group, and R19And R20May form a ring. Ar17, Ar18, Ar19Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0051]
Embedded image
(VIII) Formula
Where R21Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar20, Ar21, Ar22, Ar23Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0052]
Embedded image
(IX) Formula
Where R22, R23, R24, R25Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar24, Ar25, Ar26, Ar27, Ar28Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0053]
Embedded image
(X) Formula
Where R26, R27Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar29, Ar30, Ar31Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of formula (I).
[0054]
Further, as the polymer charge transport material used in the charge transport layer, in addition to the polymer charge transport material described above, in the state of the monomer or oligomer having an electron donating group at the time of film formation of the charge transport layer, A polymer having a two-dimensional or three-dimensional crosslinked structure is finally included by carrying out a curing reaction or a crosslinking reaction.
A charge transport layer composed of a polymer having these electron donating groups or a polymer having a crosslinked structure is excellent in wear resistance. Usually, in the electrophotographic process, since the charging potential (unexposed portion potential) is constant, if the surface layer of the photoreceptor is worn by repeated use, the electric field strength applied to the photoreceptor increases accordingly. As the electric field strength increases, the occurrence frequency of scumming increases. Therefore, the high wear resistance of the photosensitive member is advantageous for scumming. The charge transport layer composed of a polymer having these electron donating groups is a polymer compound, so it has excellent film-forming properties and has a charge transport site compared to a charge transport layer composed of a low molecular weight dispersed polymer. It can be configured with high density and has excellent charge transport capability. For this reason, a photoreceptor having a charge transport layer using a polymer charge transport material can be expected to have a high response speed.
Examples of other polymers having an electron donating group include copolymers of known monomers, block polymers, graft polymers, star polymers, and, for example, JP-A-3-109406, JP-A-2000- It is also possible to use a cross-linked polymer having an electron donating group as disclosed in JP-A-206723 and JP-A No. 2001-34001.
[0055]
In the present invention, a plasticizer or a leveling agent may be added to the charge transport layer (37). As the plasticizer, those used as general plasticizers such as dibutyl phthalate and dioctyl phthalate can be used as they are, and the amount used is suitably about 0 to 30% by weight based on the binder resin. As the leveling agent, silicone oils such as dimethyl silicone oil and methylphenyl silicone oil, and polymers or oligomers having a perfluoroalkyl group in the side chain are used, and the amount used is 0 to 1 with respect to the binder resin. Weight percent is appropriate.
[0056]
Next, the case where the photosensitive layer is a single-layer photosensitive layer (33) will be described. The single-layer photosensitive layer can be formed by dissolving or dispersing at least two kinds of phthalocyanine, a charge transport material and a binder resin in a suitable solvent, and applying and drying the solution. Further, this photosensitive layer may be a function separation type to which the above-described charge transport material is added, and can be used satisfactorily. Moreover, a plasticizer, a leveling agent, antioxidant, etc. can also be added as needed.
[0057]
As the binder resin, the binder resin previously mentioned in the charge transport layer (37) may be used as it is, or the binder resin mentioned in the charge generation layer (35) may be mixed and used. Of course, the polymer charge transport materials mentioned above can also be used favorably. The amount of the charge generating material with respect to 100 parts by weight of the binder resin is preferably 5 to 40 parts by weight, and the amount of the charge transporting material is preferably 0 to 190 parts by weight, and more preferably 50 to 150 parts by weight. A single-layer photosensitive layer is formed by dip coating or spraying with a coating solution dispersed with a disperser using a solvent such as tetrahydrofuran, dioxane, dichloroethane, or cyclohexane together with a charge transport material, if necessary, with a charge generating material and a binder resin. It can be formed by coating with a coat or bead coat. The thickness of the single photosensitive layer is suitably about 5 to 100 μm.
[0058]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, an intermediate layer can be provided between the conductive support (31) and the photosensitive layer. In general, the intermediate layer is mainly composed of a resin. However, considering that the photosensitive layer is coated with a solvent on these resins, it is desirable that the resin be a resin having high solvent resistance with respect to a general organic solvent. . Examples of such resins include water-soluble resins such as polyvinyl alcohol, casein, and sodium polyacrylate, alcohol-soluble resins such as copolymer nylon and methoxymethylated nylon, polyurethane, melamine resin, phenol resin, alkyd-melamine resin, and epoxy. Examples thereof include a curable resin that forms a three-dimensional network structure such as a resin. Further, fine powder pigments of metal oxides exemplified by titanium oxide, silica, alumina, zirconium oxide, tin oxide, indium oxide and the like may be added to the intermediate layer in order to prevent moire and reduce residual potential.
[0059]
These intermediate layers can be formed by using an appropriate solvent and coating method like the above-mentioned photosensitive layer. Furthermore, a silane coupling agent, a titanium coupling agent, a chromium coupling agent, or the like can be used as the intermediate layer of the present invention. In addition, the intermediate layer of the present invention includes Al.2O3Anodic oxidation, organic materials such as polyparaxylylene (parylene), and SiO2, SnO2TiO2, ITO, CeO2A material provided with an inorganic material such as a vacuum thin film can also be used favorably. In addition, known ones can be used. The thickness of the intermediate layer is suitably from 0 to 5 μm.
[0060]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, a protective layer may be provided on the photosensitive layer for the purpose of protecting the photosensitive layer. In recent years, computers have been used on a daily basis, and there is a demand for miniaturization of devices as well as high-speed output by printers. Therefore, by providing a protective layer and improving the durability, it is possible to effectively use the photosensitive member of the present invention having no abnormal defect.
[0061]
Materials used for the protective layer (39) include ABS resin, ACS resin, olefin-vinyl monomer copolymer, chlorinated polyether, allyl resin, phenol resin, polyacetal, polyamide, polyamideimide, polyacrylate, polyallylsulfone. , Polybutylene, polybutylene terephthalate, polycarbonate, polyarylate, polyethersulfone, polyethylene, polyethylene terephthalate, polyimide, acrylic resin, polymethylpentene, polypropylene, polyphenylene oxide, polysulfone, polystyrene, AS resin, butadiene-styrene copolymer, polyurethane , Resins such as polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, and epoxy resin. Of these, polycarbonate or polyarylate can be most preferably used.
[0062]
Other protective layers include fluorine resins such as polytetrafluoroethylene, silicone resins, and inorganic fillers such as titanium oxide, tin oxide, potassium titanate, and silica for the purpose of improving wear resistance. What disperse | distributed the filler etc. can be added.
Among the filler materials used for the protective layer of the photoreceptor, examples of the organic filler material include fluorine resin powder such as polytetrafluoroethylene, silicone resin powder, a-carbon powder, and the like. Metals such as copper, tin, aluminum and indium, silica, tin oxide, zinc oxide, titanium oxide, indium oxide, antimony oxide, bismuth oxide, tin oxide doped with antimony, tin doped indium oxide and other metals Inorganic materials such as oxide and potassium titanate can be mentioned. In particular, it is advantageous to use an inorganic material among them from the viewpoint of the hardness of the filler. In particular, silica, titanium oxide, and alumina can be used effectively.
[0063]
The filler concentration in the protective layer varies depending on the type of filler used and also on the electrophotographic process conditions using the photoconductor, but is preferably 5% by weight or more in terms of the ratio of the filler to the total solid content on the outermost layer side of the protective layer. Is 10% by weight or more and 50% by weight or less, preferably about 30% by weight or less.
[0064]
Moreover, the volume average particle diameter of the filler to be used is preferably in the range of 0.1 μm to 2 μm, and preferably in the range of 0.3 μm to 1 μm. In this case, if the average particle size is too small, the wear resistance is not sufficiently exhibited, and if it is too large, the surface property of the coating film is deteriorated or the coating film itself cannot be formed.
In addition, unless otherwise indicated, the average particle diameter of the filler in this invention is a volume average particle diameter, and is calculated | required with the ultracentrifugal automatic particle size distribution measuring apparatus: CAPA-700 (made by Horiba Seisakusho). At this time, the particle size (Median system) corresponding to 50% of the cumulative distribution was calculated. In addition, it is important that the standard deviation of each particle measured simultaneously is 1 μm or less. If the standard deviation is larger than this, the particle size distribution may be too wide, and the effects of the present invention may not be obtained remarkably.
[0065]
Further, the pH of the filler used in the present invention greatly affects the resolution and the dispersibility of the filler. One possible reason is that hydrochloric acid or the like remains in the filler, particularly the metal oxide, during production. When the remaining amount is large, the occurrence of image blur is unavoidable, and depending on the remaining amount, the dispersibility of the filler may be affected.
Another reason is due to the difference in chargeability on the surface of the filler, particularly the metal oxide. Usually, particles dispersed in a liquid are charged positively or negatively, and ions having opposite charges gather to try to keep it electrically neutral, and an electric double layer is formed there. The dispersed state of the particles is stabilized. As it moves away from the particle, its potential (zeta potential) gradually decreases, and the potential of a region that is sufficiently away from the particle and electrically neutral is zero. Therefore, the stability increases as the repulsive force of the particles increases due to an increase in the absolute value of the zeta potential, and the particles tend to aggregate and become unstable as they approach zero. On the other hand, the zeta potential varies greatly depending on the pH value of the system, and at a certain pH value, the potential becomes zero and has an isoelectric point. Therefore, the dispersion system is stabilized by increasing the absolute value of the zeta potential as far as possible from the isoelectric point of the system.
In the configuration of the present invention, the filler having a pH at the isoelectric point of at least 5 is preferably from the viewpoint of image blur suppression, and the more basic the filler, the higher the effect. It was confirmed that there was. The filler having a high basic pH at the isoelectric point has a higher zeta potential when the system is acidic, so that dispersibility and stability thereof are improved.
Here, the pH of the filler in the present invention is the pH value at the isoelectric point from the zeta potential. At this time, the zeta potential was measured with a laser zeta potentiometer manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd.
[0066]
Furthermore, as a filler that hardly causes image blur, a filler having high electrical insulation (specific resistance is 10%).10(Ω · cm or more) is preferable, and those having a filler pH of 5 or more and those having a dielectric constant of 5 or more can be used particularly effectively. In addition, a filler having a pH of 5 or more or a filler having a dielectric constant of 5 or more can be used alone, or two or more fillers having a pH of 5 or less and a filler having a pH of 5 or more can be mixed. It is also possible to use a mixture of two or more fillers having a dielectric constant of 5 or less and a filler having a dielectric constant of 5 or more. Among these fillers, α-type alumina, which has high insulation properties, high thermal stability, and high wear resistance, is a hexagonal close-packed structure, from the viewpoint of suppressing image blur and improving wear resistance. It is particularly useful.
[0067]
The specific resistance of the filler used in the present invention is defined as follows. Since the specific resistance value of a powder such as a filler varies depending on the filling rate, it is necessary to measure under certain conditions. In the present invention, the specific resistance of the filler is measured by using the measuring apparatus shown in FIG. 1 of JP-A-5-94049 and the apparatus having the same configuration as the measuring apparatus shown in FIG. 1 of JP-A-5-113688. The value was measured and used. In the measuring device, the electrode area is 4.0 cm.2It is. Prior to the measurement, a load of 4 kg is applied to the electrode on one side for 1 minute, and the sample amount is adjusted so that the distance between the electrodes is 4 mm. At the time of measurement, the measurement is performed with the upper electrode weight (1 kg) loaded, and the applied voltage is measured at 100V. 106The region of Ω · cm or more was measured with a HIGH RESISTANCE METER (manufactured by Yokogawa Hewlett Packard), and the region below it was measured with a digital multimeter (manufactured by Fluke). The specific resistance value obtained in this way is defined as the specific resistance value according to the present invention.
[0068]
The dielectric constant of the filler was measured as follows. Using a cell similar to the measurement of the specific resistance as described above, after applying a load, the capacitance was measured, and the dielectric constant was determined from this. The capacitance was measured using a dielectric loss measuring device (manufactured by Ando Electric).
Further, these fillers can be surface-treated with at least one kind of surface treatment agent, and it is preferable from the viewpoint of dispersibility of the fillers. Decreasing the dispersibility of the filler not only increases the residual potential, but also decreases the transparency of the coating, causes defects in the coating, and decreases the wear resistance. It can develop into a big problem. As the surface treatment agent, a conventionally used surface treatment agent can be used, but a surface treatment agent capable of maintaining the insulating properties of the filler is preferable. For example, titanate coupling agents, aluminum coupling agents, zircoaluminate coupling agents, higher fatty acids, etc., or mixed treatment of these with silane coupling agents, Al2O3TiO2, ZrO2, Silicone, aluminum stearate, etc., or a mixture thereof is more preferable from the viewpoint of filler dispersibility and image blur. The treatment with the silane coupling agent is strongly influenced by image blur, but the influence may be suppressed by performing a mixing treatment of the surface treatment agent and the silane coupling agent. The surface treatment amount varies depending on the average primary particle size of the filler used, but is preferably 3 to 30 wt%, more preferably 5 to 20 wt%. If the surface treatment amount is less than this, the filler dispersion effect cannot be obtained, and if it is too much, the residual potential is significantly increased. These filler materials may be used alone or in combination of two or more. The surface treatment amount of the filler is defined by the weight ratio of the surface treatment agent to be used with respect to the filler amount as described above.
These filler materials can be dispersed by using an appropriate disperser. Further, from the viewpoint of the transmittance of the protective layer, it is preferable that the filler used is dispersed to the primary particle level and has less aggregates.
[0069]
Further, the protective layer (39) may contain a charge transport material for reducing residual potential and improving responsiveness. As the charge transport material, the materials described in the description of the charge transport layer can be used. When a low molecular charge transport material is used as the charge transport material, a concentration gradient in the protective layer may be provided. In order to improve wear resistance, it is an effective means to reduce the concentration of the surface side. The concentration referred to here represents the ratio of the weight of the low molecular charge transporting material to the total weight of all the materials constituting the protective layer, and the concentration gradient is a gradient that lowers the concentration on the surface side in the above weight ratio. It shows that. The use of a polymer charge transport material is very advantageous in terms of enhancing the durability of the photoreceptor.
As a method for forming the protective layer, a normal coating method is employed. In addition, about 0.1-10 micrometers is suitable for the thickness of a protective layer. In addition to the above, a known material such as a-C or a-SiC formed by a vacuum thin film forming method can be used as the protective layer.
[0070]
Next, the electrophotographic apparatus of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 4 is a schematic diagram for explaining the electrophotographic process and the electrophotographic apparatus of the present invention, and the following modifications also belong to the category of the present invention.
In FIG. 4, the photoreceptor (1) is formed by providing a photosensitive layer containing at least two phthalocyanine pigments on a conductive support. The photoconductor (1) has a drum shape, but may be a sheet or an endless belt. The charging roller (3), pre-transfer charger (7), transfer charger (10), separation charger (11), and pre-cleaning charger (13) include corotron, scorotron, solid state charger, and charging. Known means such as a roller and a transfer roller are used.
[0071]
Of these charging methods, a contact-type charging member and a non-contact proximity arrangement charging member are preferably used, but a non-contact proximity arrangement method is particularly desirable.
The charging member having a contact arrangement here is a type in which the surface of the charging member is in contact with the surface of the photosensitive member, and includes a charging roller, a charging blade, and a charging brush. Among them, a charging roller and a charging brush are used favorably.
Further, the charging member arranged in the proximity is a type in which the charging member is arranged in a non-contact state so as to have a gap (gap) of 200 μm or less between the surface of the photoreceptor and the charging member surface. It is distinguished from known chargers typified by corotron and scorotron from the distance of the gap. The adjacently arranged charging member used in the present invention may have any shape as long as it has a mechanism capable of appropriately controlling the gap with the surface of the photoreceptor. For example, the rotation shaft of the photosensitive member and the rotation shaft of the charging member may be mechanically fixed so as to have an appropriate gap. Among them, using a charging member in the shape of a charging roller, a gap forming member is disposed at both ends of the non-image forming portion of the charging member, and only this portion is brought into contact with the surface of the photoreceptor, and the image forming region is disposed in a non-contact manner. Alternatively, a method in which a gap forming member at both ends of the non-image forming portion of the photosensitive member is disposed, and only this portion is brought into contact with the surface of the charging member, and the image forming region is disposed in a non-contact manner can be achieved with a simple method. It is a method that can be maintained. In particular, the methods described in US Patent Publication No. 2002-0051654 and Japanese Patent Application No. 13-226432 can be used satisfactorily. An example of the proximity charging mechanism in which the gap forming member is arranged on the charging member side is shown in FIG. By using the above-mentioned method, it is used favorably from the viewpoints of high charging efficiency, no contamination with toner, etc., and no mechanical wear due to contact.
Further, light sources such as an image exposure unit (5) and a charge removal lamp (2) include fluorescent lamps, tungsten lamps, halogen lamps, mercury lamps, sodium lamps, light emitting diodes (LEDs), semiconductor lasers (LD), and electroluminescence (EL). ) And other luminescent materials can be used. Various types of filters such as a sharp cut filter, a band pass filter, a near infrared cut filter, a dichroic filter, an interference filter, and a color temperature conversion filter can be used to irradiate only light in a desired wavelength range.
Such a light source or the like irradiates the photosensitive member with light by providing a transfer process, a static elimination process, a cleaning process, or a pre-exposure process using light irradiation in addition to the process shown in FIG.
[0072]
The toner developed on the photoconductor (1) by the developing unit (6) is transferred to the transfer paper (9), but not all is transferred and remains on the photoconductor (1). Toner is also produced. Such toner is removed from the photoreceptor by the fur brush (14) and the cleaning blade (15). Cleaning may be performed only with a cleaning brush, and a known brush such as a fur brush or a mag fur brush is used as the cleaning brush.
[0073]
When the electrophotographic photosensitive member is positively (negatively) charged and image exposure is performed, a positive (negative) electrostatic latent image is formed on the surface of the photosensitive member.
If this is developed with toner of negative (positive) polarity (electrodetection fine particles), a positive image can be obtained, and if developed with toner of positive (negative) polarity, a negative image can be obtained.
A known method is applied to the developing unit, and a known method is also used for the charge eliminating unit.
[0074]
Next, a tandem type electrophotographic apparatus according to the present invention will be described.
A tandem type electrophotographic apparatus is an image forming apparatus in which a plurality (generally four) of image forming elements including a photoconductor, a charging member, a developing member, and the like are arranged. This apparatus is superior in printing speed because it can process image formation of each color in full color output in parallel.
[0075]
In recent years, computers have been used on a daily basis, and output of full-color images and monochrome-like speeds are desired. Therefore, tandem type electrophotographic apparatuses have attracted attention. When a full color image is output, an output with a high image area ratio such as a photograph increases, so that defects on the photoreceptor are easily detected as abnormal images. Therefore, the photosensitive member of the present invention having high sensitivity and no abnormal defects can be usefully used.
Further, since the tandem type electrophotographic apparatus uses a plurality of photoconductors corresponding to the respective colors, the amount of the photoconductors is dramatically increased. Therefore, a highly effective recycling system can be formed by using the easily reusable photoreceptor of the present invention.
[0076]
The tandem type electrophotographic apparatus includes a direct transfer system in which images on each photoconductor are sequentially transferred to a recording material conveyed by a sheet conveying belt by a transfer device, and an image on each photoconductor is a primary transfer device. There is an indirect transfer type in which images are sequentially transferred to an intermediate transfer member once and then images on the intermediate transfer member are collectively transferred to a recording material by a secondary transfer device. The transfer device is a transfer conveyance belt, but there are also roller shapes and systems. Any of the tandem color image forming apparatuses of the present invention is possible, but since the secondary transfer position can be set relatively freely, it can be downsized and can be used for a wide variety of paper types. The indirect transfer method is particularly desirable because it has advantages such as easy handling.
[0077]
As an example, the indirect transfer method shown in FIG. 5 will be described in detail.
In this apparatus, a primary transfer device (25) forms a toner image on the photoconductor (27) corresponding to each color on the intermediate transfer member (28), and the recording material (29) conveyed from the paper supply device (29). 24) using the secondary transfer device (40), and fixing the toner image by the fixing device (41). The toner remaining on the intermediate transfer member (28) is removed by the intermediate transfer member cleaning device (42). An intermediate transfer body that performs indirect transfer is particularly preferably an endless belt-like intermediate transfer belt, and is formed by providing an elastic layer and a coating layer using elastic material rubber on a base layer made of resin. In order to control the resistance value of the intermediate transfer member, it is also preferable to contain a resistance control material in the elastic layer.
[0078]
The resin used for the base layer is polycarbonate, fluororesin (ETFE, PVDF), polystyrene, chloropolystyrene, poly-α-methylstyrene, styrene-butadiene copolymer, styrene-vinyl chloride copolymer, styrene-vinyl acetate copolymer. Polymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-acrylic acid ester copolymer (styrene-methyl acrylate copolymer, styrene-ethyl acrylate copolymer, styrene-butyl acrylate copolymer, styrene-acrylic) Octyl acid copolymer and styrene-phenyl acrylate copolymer), styrene-methacrylic acid ester copolymer (styrene-methyl methacrylate copolymer, styrene-ethyl methacrylate copolymer, styrene-phenyl methacrylate copolymer) Polymers), styrene-α-black Styrenic resins such as methyl acrylate copolymer, styrene-acrylonitrile-acrylate ester copolymer (monopolymer or copolymer containing styrene or styrene substitution product), methyl methacrylate resin, butyl methacrylate resin, acrylic Ethyl acid resin, butyl acrylate resin, modified acrylic resin (silicone modified acrylic resin, vinyl chloride resin modified acrylic resin, acrylic / urethane resin, etc.), vinyl chloride resin, styrene-vinyl acetate copolymer, vinyl chloride-vinyl acetate Polymer, rosin-modified maleic resin, phenol resin, epoxy resin, polyester resin, polyester polyurethane resin, polyethylene, polypropylene, polybutadiene, polyvinylidene chloride, ionomer resin, polyurethane resin, silicone resin, ketone Butter, ethylene - can be used ethyl acrylate copolymer, xylene resin and polyvinyl butyral resin, polyamide resin, one kind or two kinds or more selected from the group consisting of modified polyphenylene oxide resin.
[0079]
Elastic rubber and elastomer include butyl rubber, fluorine rubber, acrylic rubber, EPDM, NBR, acrylonitrile-butadiene-styrene rubber natural rubber, isoprene rubber, styrene-butadiene rubber, butadiene rubber, ethylene-propylene rubber, ethylene-propylene ter Polymer, chloroprene rubber, chlorosulfonated polyethylene, chlorinated polyethylene, urethane rubber, syndiotactic 1,2-polybutadiene, epichlorohydrin rubber, ricone rubber, fluororubber, polysulfide rubber, polynorbornene rubber, hydrogenated nitrile rubber , Selected from the group consisting of thermoplastic elastomers (eg, polystyrene, polyolefin, polyvinyl chloride, polyurethane, polyamide, polyurea, polyester, fluororesin) It is possible to use one kind or two or more kinds.
[0080]
There are no particular restrictions on the conductive agent for adjusting the resistance value. For example, carbon black, graphite, metal powder such as aluminum and nickel, tin oxide, titanium oxide, antimony oxide, indium oxide, potassium titanate, antimony oxide-tin oxide composite Conductive metal oxides such as oxides (ATO) and indium oxide-tin oxide composite oxides (ITO), and conductive metal oxides are coated with insulating fine particles such as barium sulfate, magnesium silicate and calcium carbonate Etc.
[0081]
The surface layer material is not limited, but a material that reduces the adhesive force of the toner to the surface of the transfer belt and enhances the secondary transfer property is required. For example, materials that use one or more of polyurethane, polyester, epoxy resin, etc. to reduce surface energy and improve lubricity, such as fluororesin, fluorine compound, fluorocarbon, titanium dioxide, silicon carbide, etc. One or more types of powder, particles, or particles with different particle diameters can be dispersed and used. Also, heat treatment like a fluorine-based rubber material forms a fluorine-rich layer on the surface. What made energy small can also be used.
The electrophotographic process described above exemplifies an embodiment of the present invention, and other embodiments are of course possible.
[0082]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated, this invention is not restrict | limited by an Example. All parts are parts by weight.
First, specific synthesis examples of titanyl phthalocyanine pigments used in the examples and preparation examples of dispersions are described.
[0083]
(Synthesis example)
29.2 g of 1,3-diiminoisoindoline and 200 ml of sulfolane are mixed, and 20.4 g of titanium tetrabutoxide is added dropwise under a nitrogen stream. After completion of the dropwise addition, the temperature was gradually raised to 180 ° C., and the reaction was carried out by stirring for 5 hours while maintaining the reaction temperature between 170 ° C. and 180 ° C. After completion of the reaction, the mixture was allowed to cool, and then the precipitate was filtered, washed with chloroform until the powder turned blue, then washed several times with methanol, further washed several times with hot water at 80 ° C., and dried. Crude titanyl phthalocyanine was obtained. Dissolve the crude titanyl phthalocyanine in 20 times the amount of concentrated sulfuric acid, add dropwise to 100 times the amount of ice water with stirring, filter the precipitated crystals, and then repeat washing with water until the washing solution becomes neutral. Got. 2 g of the obtained wet cake was put into 20 g of tetrahydrofuran and stirred for 4 hours. 100 g of methanol was added to this and stirred for 1 hour, followed by filtration and drying to obtain a titanyl phthalocyanine powder having the XD spectrum shown in FIG.
[0084]
(Dispersion Preparation Example 1)
<Dispersion A>
3 parts titanyl phthalocyanine powder of synthesis example
Polyvinyl acetal (ESREC BX-1, manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) 2 parts
160 parts of methyl ethyl ketone
The materials having the above composition were mixed and dispersed by ball milling for 8 hours to prepare a dispersion. As a result of measuring the particle size of the obtained dispersion with Horiba CAPA700, Dispersion A having an average particle size of 0.16 μm was obtained.
[0085]
Next, the following materials were mixed and dispersed by ball milling for 3 hours to produce a dispersion. As a result, Dispersion B having an average particle size of 0.58 μm was obtained.
<Dispersion B>
ε-type copper phthalocyanine (BASF) 3 parts
Polyvinyl acetal (ESREC BX-1: Sekisui Chemical Co., Ltd.) 2 parts
160 parts of methyl ethyl ketone
Subsequently, Dispersion A and Dispersion B were mixed to prepare
[0086]
(Dispersion preparation example 2)
<Dispersion C>
X-type metal-free phthalocyanine
(Fastgen Blue 8120B: manufactured by Dainippon Ink, Inc.) 3 parts
Polyvinyl acetal (ESREC BX-1: Sekisui Chemical Co., Ltd.) 2 parts
160 parts of methyl ethyl ketone
A material having the above composition was mixed and dispersed by ball milling for 5 hours to produce a dispersion. As a result, Dispersion C having an average particle size of 0.76 μm was obtained.
Subsequently, Dispersion A prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 1 and the above-mentioned Dispersion C were mixed to prepare
[0087]
(Dispersion preparation example 3)
<Dispersion D>
τ-type metal-free phthalocyanine (TPA-891: manufactured by Toyo Ink Co.) 3 parts
Polyvinyl acetal (ESREC BX-1: Sekisui Chemical Co., Ltd.) 2 parts
160 parts of methyl ethyl ketone
The materials having the above composition were mixed and dispersed by ball milling for 8 hours. As a result, a dispersion D having an average particle size of 0.39 μm was obtained.
Subsequently, Dispersion A prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 1 and Dispersion D were mixed to prepare
[0088]
(Dispersion preparation example 4)
In Dispersion Preparation Example 1, the dispersion time of Dispersion B was changed to 1 hour. As a result, Dispersion E with an average particle size of 0.92 μm was obtained.
Subsequently, Dispersion A prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 1 and Dispersion E were mixed to prepare Dispersion 4 containing two types of phthalocyanines.
[0089]
(Dispersion preparation example 5)
In Dispersion Preparation Example 2, the dispersion time of Dispersion C was changed to 12 hours. As a result, Dispersion F with an average particle size of 0.20 μm was obtained.
Subsequently, Dispersion A prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 1 and Dispersion F were mixed to prepare
[0090]
(Dispersion Preparation Example 6)
In Dispersion Preparation Example 1, the dispersion time of Dispersion A was changed to 4 hours. As a result, Dispersion G having an average particle size of 0.37 μm was obtained.
Subsequently, the above dispersion G and dispersion B prepared in the same manner as in
[0091]
(Dispersion Preparation Example 7)
Dispersion G prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 6 and Dispersion C prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 2 were mixed to prepare
[0092]
(Dispersion Preparation Example 8)
Dispersion G prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 6 and Dispersion E prepared in the same manner as Dispersion Preparation Example 4 were mixed to prepare
[0093]
(Dispersion Preparation Example 9)
In Dispersion Preparation Example 1, the dispersion time of Dispersion B was changed to 5 hours. As a result, Dispersion H with an average particle size of 0.42 μm was obtained.
Subsequently, the dispersion G prepared in the same manner as in Dispersion Preparation Example 6 and the dispersion H were mixed to prepare a
[0094]
(Examples 1-5, Comparative Examples 1-4)
The
[0095]
[Table 1]
As shown in Table 1, it can be seen that in Examples 1 to 5, no aggregation of the pigment was observed during storage of the dispersion, and a good dispersion having high dispersion stability was obtained.
[0096]
(Examples 6 to 10, Comparative Examples 5 to 8)
Next, an intermediate layer coating solution having the following composition was applied to a cut aluminum base tube (JIS1050) having an outer diameter of 30 mm and a length of 340 mm, and dried at 130 ° C. for 20 minutes to form an intermediate layer having a thickness of 3 μm.
◎ Intermediate layer coating solution
Titanium oxide (CR-EL: Ishihara Sangyo Co., Ltd.) 70 parts
15 parts of alkyd resin
(Beckolite M6401-50-S (
Dainippon Ink & Chemicals)
(Super Becamine L-121-60 (solid content 60%),
Dainippon Ink & Chemicals)
100 parts of methyl ethyl ketone
Subsequently, a charge generation layer coating solution having the following composition was applied onto the intermediate layer and dried at 130 ° C. for 10 minutes to form a charge generation layer having a thickness of 0.2 μm.
[0097]
◎ Charge generation layer coating solution
The
Subsequently, a charge transport layer coating solution having the following composition was applied onto the charge generation layer and dried at 130 ° C. for 20 minutes to form a charge transport layer having a thickness of 25 μm, thereby preparing an electrophotographic photoreceptor.
◎ Charge transport layer coating solution
10 parts of polycarbonate (Iupilon Z200: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company)
8 parts of charge transport material of the following formula (4)
80 parts of methylene chloride
[0098]
Embedded image
(4) Formula
[0099]
The electrophotographic photosensitive member produced as described above was visually observed for the coating state of the charge generation layer. The results are shown in Table 2.
Further, the obtained electrophotographic photosensitive member is provided with a 780 nm semiconductor laser in the image exposure means and a non-contact proximity roller roller charger (the gap between the charging member and the photosensitive member is 80 μm) as shown in FIG. It was mounted on an image forming apparatus (image MF-2200 manufactured by Ricoh Co., Ltd.) with a partial improvement, and 10,000 sheets of A4 size PPC paper were fed in the vertical direction for image evaluation. The charging conditions are as follows. Table 3 shows the image evaluation results.
<Charging conditions>
DC bias: -750V
AC bias: 1.5 kV (peak to peak),
[0100]
[Table 2]
[0101]
As shown in Table 2, it can be seen that no coarse particles are observed in the charge generation layers of the photoreceptors prepared in Examples 6 to 10, and a good coating film is formed.
[0102]
[Table 3]
As shown in Table 3, in Examples 6 to 10, image defects were not observed even when repeated use was performed using a photoreceptor prepared with a dispersion that had been stored for a long period of time, and a stable and good image was obtained. It turns out that it is obtained.
[0103]
(Examples 11 and 12)
Next, a surface protective layer coating solution having the following composition was applied to the photoconductor prepared in Example 6 and dried at 140 ° C. for 20 minutes to form a surface protective layer having an average film thickness of 2 μm. Was made.
◎ Surface protective layer coating solution
Polycarbonate resin (Iupilon Z200: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) 3.8 parts
2.8 parts of charge transport material of formula (4)
α-Alumina (Sumicorundum AA-04: manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) 2.6 parts
80 parts of cyclohexanone
280 parts of tetrahydrofuran
[0104]
Example 6 and the electrophotographic photoreceptor obtained above were mounted on an image forming apparatus (image Rio MF-2200, manufactured by Ricoh Co., Ltd.) equipped with a 780 nm semiconductor laser as an image exposure means and a contact charging roller charger as a charging means. Then, 50,000 sheets of A4 size PPC paper were fed in the longitudinal direction, and image evaluation and wear amount measurement were performed. The charging conditions are as follows. The evaluation results are shown in Table 4.
<Charging conditions>
DC bias: -750V
AC bias: 1.5 kV (peak to peak),
[0105]
[Table 4]
It can be seen from Table 4 that the electrophotographic photosensitive member of Example 11 exhibits particularly excellent wear resistance.
[0106]
(Examples 13-15, Comparative Examples 9-11)
FIG. 5 shows a direct transfer type quadruple tandem type color image forming apparatus (
[0107]
[Table 5-1]
[0108]
[Table 5-2]
As shown in Table 5, in Examples 13 to 15, image defects were not observed even when repeated use was performed using a photoreceptor prepared with a dispersion that had been stored for a long period of time, and a stable and good image was obtained. It turns out that it is obtained.
[0109]
(Examples 16 to 17, Comparative Examples 12 to 13)
The following anodic oxide film treatment was performed on a cut aluminum base tube (JIS1050) having an outer diameter of 30 mm and a length of 340 mm.
◎ Anodic oxide film treatment
The surface of the support was mirror-polished, degreased and washed with water, and then immersed in an electrolytic bath with a liquid temperature of 20 ° C. and sulfuric acid of 5 vol%, and an anodized film treatment was performed at an electrolysis voltage of 15 V for 30 minutes. Further, after washing with water, sealing treatment was performed with a 7% nickel acetate aqueous solution (50 ° C.). Thereafter, washing with pure water was performed to obtain a support on which a 6 μm anodic oxide film was formed.
Subsequently, a charge generation layer coating solution having the following composition was applied onto the anodic oxide film and dried at 130 ° C. for 10 minutes to form a charge generation layer having a thickness of 0.2 μm.
[0110]
◎ Charge generation layer coating solution
Subsequently, a charge transport layer coating solution having the following composition was applied onto the charge generation layer and dried at 130 ° C. for 20 minutes to form a charge transport layer having a thickness of 25 μm, thereby preparing an electrophotographic photoreceptor.
[0111]
◎ Charge transport layer coating solution
10 parts of polycarbonate (Iupilon Z200: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company)
8 parts of the charge transport material of the formula (4)
80 parts of methylene chloride
In order to peel and remove the photosensitive layer from the obtained electrophotographic photoreceptor, methanol water (methanol: water = 1: 1 by weight) was used as a stripping solution, and in this stripping solution heated to about 50 ° C., The photoreceptor was immersed. Subsequently, it was taken out after 1 hour, and tap water was vigorously applied to remove the photosensitive layer from the substrate surface. Next, the substrate with the aluminum surface exposed was thoroughly dried, and then the substrate surface was rubbed with a cotton nonwoven fabric impregnated with tetrahydrofuran to obtain a recovered substrate. Next, the obtained substrate was visually observed to check for the presence of a residual photosensitive layer. The results are shown in Table 6.
[0112]
[Table 6]
[0113]
As shown in Table 6, in Examples 16 to 17, a photoreceptor having a photosensitive layer containing two kinds of phthalocyanine pigments having different average particle diameters can be used so that the recovered substrate can be easily reused. It can be seen that
[0114]
Example 18
In Example 12, a photoconductor was prepared in the same manner as in Example 12 except that the protective layer coating solution was changed to the following composition.
◎ Surface protective layer coating solution
Polycarbonate resin (Iupilon Z200: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) 3.8 parts
2.8 parts of charge transport material of formula (4)
Silica fine powder 2.6 parts
(Specific resistance: 4 × 1013(Ω · cm, average primary particle size: 0.3 μm)
80 parts of cyclohexanone
280 parts of tetrahydrofuran
[0115]
Example 19
In Example 12, a photoconductor was prepared in the same manner as in Example 12 except that the protective layer coating solution was changed to the following composition.
◎ Surface protective layer coating solution
Polycarbonate resin (Iupilon Z200: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) 3.8 parts
2.8 parts of charge transport material of formula (4)
2.6 parts of titanium oxide fine particles
(Specific resistance: 1.5 × 1010(Ω ・ cm, average primary particle size: 0.5μm)
80 parts of cyclohexanone
280 parts of tetrahydrofuran
[0116]
Example 20
In Example 12, a photoconductor was prepared in the same manner as in Example 12 except that the protective layer coating solution was changed to the following composition.
◎ Surface protective layer coating solution
Polycarbonate resin (Iupilon Z200: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) 3.8 parts
2.8 parts of charge transport material of formula (4)
Tin oxide-antimony oxide powder 2.6 parts
(Specific resistance: 106(Ω ・ cm, average primary particle size 0.4μm)
80 parts of cyclohexanone
280 parts of tetrahydrofuran
[0117]
An image forming apparatus comprising the electrophotographic photoconductors of Examples 18 to 20 produced as described above having a 780-nm semiconductor laser as an image exposure unit and a contact charging roller charger as a charging unit (image Rio MF-2200, manufactured by Ricoh Co., Ltd.) The image was evaluated by passing 50,000 sheets of A4 size PPC paper by vertical feeding (normal temperature and humidity). Further, after passing 50,000 sheets, image output was performed in an environment of 30 ° C.-90% RH. The charging conditions are as follows. Table 7 shows the image evaluation results.
<Charging conditions>
DC bias: -750V
AC bias: 1.5 kV (peak to peak),
[0118]
[Table 7]
[0119]
Example 21
Except that the photosensitive member produced in Example 18 was used and the charging member used in the image forming apparatus used in the test of Example 18 was changed to a proximity charging member as shown in FIG. 6 (gap was 80 μm). Evaluation was performed in the same manner as in Example 18 (charging conditions and the like were the same).
As a result, the toner filming on the charging member after the test after 50,000 sheets was extremely small, and the result was good. In particular, when a halftone image is output and compared with the photoconductor of Example 18 after 50,000 sheets, the photoconductor of Example 21 is used more than the photoconductor of Example 18 is used. The image density unevenness based on the charging unevenness was small and good.
[0120]
Example 22
Evaluation was performed in the same manner as in Example 21 except that the gap of the proximity charging member used in Example 21 was changed to 150 μm. As a result, almost the same result as in Example 21 was obtained.
[0121]
Example 23
Evaluation was performed in the same manner as in Example 21 except that the gap of the proximity charging member used in Example 21 was changed to 250 μm. As a result, slight image density unevenness was observed in the image after 50,000 sheets.
[0122]
Example 24
In Example 22, the evaluation was performed in the same manner as in Example 22 except that the charging conditions were changed as follows.
<Charging conditions>
DC bias: -1600V
(Charging applied voltage combining the charging potential of the non-image portion of the photosensitive member with that in Example 22)
As a result, slight image density unevenness was observed in the image after 50,000 sheets.
[0123]
Example 25
In the preparation of the photoreceptor of Example 12, instead of the conductive support used in Example 12, the support having the anodic oxide film used in Example 16 was used, and further charge generation was performed without applying an intermediate layer. A layer, a charge transport layer, and a surface protective layer were laminated in the same manner as in Example 12 to produce an electrophotographic photoreceptor.
[0124]
The photoconductor of Example 12 and the photoconductor of Example 25 were used in an image forming apparatus (image Rio MF-2200 manufactured by Ricoh Co., Ltd.) having a 780 nm semiconductor laser in the image exposure unit and a contact charging roller charger in the charging unit. The paper was loaded, and 50,000 sheets of A4 size PPC paper were fed in the vertical direction. In the image evaluation, a white solid image was output at the initial stage and after 50,000 sheets, and the background dirt was evaluated. The charging conditions are as follows. The evaluation results are shown in Table 8.
<Charging conditions>
DC bias: -750V
AC bias: 1.5 kV (peak to peak),
[0125]
[Table 8]
Dirt rank:
5: Almost no soiling,
4: Slightly,
3: Actual use limit level,
2 or less: Level that cannot withstand actual use
[0126]
【The invention's effect】
As described above, as is clear from the detailed and specific description, according to the present invention, a dispersion using a phthalocyanine pigment excellent in dispersion stability that does not aggregate even during long-term storage is provided. Also provided are an electrophotographic photosensitive member using a phthalocyanine pigment with high sensitivity and no occurrence of abnormal defects, and an electrophotographic apparatus using the same. Furthermore, as another effect of the present invention, an electrophotographic photosensitive member that can be easily reused and an electrophotographic apparatus using the same are provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a configuration example of an electrophotographic photosensitive member used in the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing another structural example of the electrophotographic photosensitive member used in the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing still another structural example of the electrophotographic photosensitive member used in the present invention.
FIG. 4 is a schematic view for explaining an electrophotographic process and an electrophotographic apparatus of the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing an example of a tandem type electrophotographic apparatus of the present invention.
FIG. 6 is a schematic view showing a non-contact charging mechanism (a gap holding mechanism is formed on the charging member side).
FIG. 7 is an XD spectrum diagram of titanyl phthalocyanine prepared in a synthesis example.
[Explanation of symbols]
1 Photoconductor
2 Static elimination lamp
3 Charging roller
5 Image exposure section
6 Development unit
7 Charger before transfer
8 Registration roller
9 Transfer paper
10 Transcription charger
11 Separate charger
12 Separating nails
13 Charger before cleaning
14 Fur brush
15 Cleaning blade
24 Recording material
25 Primary transfer device
27 photoconductor
28 Intermediate transfer member
29 Paper feeder
31 Conductive support
33 Single layer photosensitive layer
35 Charge generation layer
37 Charge transport layer
40 Secondary transfer device
41 Fixing device
42 Intermediate transfer member cleaning device
50 photoconductor
51 Charging roller
52 Gap forming member
53 Metal shaft
54 Image formation area
55 Non-image forming area
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